JP2014144569A - 画像形成装置及びヘッド駆動制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微駆動の間隔を長くすると、自然放電によって不要な滴吐出を生じる。
【解決手段】駆動波形Pvは、ノズル104から液滴を吐出させないでメニスカスを振動させる微駆動パルスPaと、液滴を吐出させる吐出パルスである駆動パルスPbとを、時系列で生成した波形であり、微駆動パルスPaは中間電位V0から立ち下がる波形要素aと、中間電位V1まで立ち上がる波形要素cを含み、駆動パルスPbは中間電位V1から立ち下がる波形要素aと、中間電位V1まで立ち上がる波形要素cを含み、駆動波形開始時(時点0)の電圧V0は、駆動波形終了時(時点T2)の電圧V1よりも低くしている(V0<V1)。
【選択図】図7
【解決手段】駆動波形Pvは、ノズル104から液滴を吐出させないでメニスカスを振動させる微駆動パルスPaと、液滴を吐出させる吐出パルスである駆動パルスPbとを、時系列で生成した波形であり、微駆動パルスPaは中間電位V0から立ち下がる波形要素aと、中間電位V1まで立ち上がる波形要素cを含み、駆動パルスPbは中間電位V1から立ち下がる波形要素aと、中間電位V1まで立ち上がる波形要素cを含み、駆動波形開始時(時点0)の電圧V0は、駆動波形終了時(時点T2)の電圧V1よりも低くしている(V0<V1)。
【選択図】図7
Description
本発明は画像形成装置及びヘッド駆動制御方法に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば液滴を吐出する液体吐出ヘッドを記録ヘッドに用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置などが知られている。
ところで、液体吐出ヘッドは、ノズルから液滴を吐出させて記録を行うものであることから、液滴を吐出しない状態が継続すると、ノズル内の液体の粘度が溶媒の蒸発等によって増加する。
このようにノズル内の液体が増粘した状態で滴吐出動作を行うと、吐出状態が乱れ、吐出不能状態に陥り、印写品質が劣化する。
そこで、液滴が吐出しない程度にノズルメニスカスを揺らし、攪拌し、ノズル内の液体の粘度上昇を防ぐ微駆動(微振動、非吐出駆動などともいう)動作が行なわれる。
従来、例えば、低湿度状態であるときには微駆動信号を印加させると共に、一記録周期の初期及び終期には中間電位を印加させ、高湿度状態であるときには微駆動信号の印加を中止させると共に、一記録周期の初期及び終期には最低電位を印加させる駆動制御手段を備えるものが知られている(特許文献1)。
ところで、液滴を吐出しないすべてのノズルについて各駆動周期で毎回微駆動を行うと消費電力が大きくなるために、微駆動を間引いて微駆動回数を少なくすることが行われる。
しかしながら、微駆動回数を少なくとすると、吐出又は微駆動の間隔が長くなり、液体吐出ヘッドの圧力発生手段として圧電素子を使用している場合、圧電素子の自己放電によって電位が低下する。
そのため、圧電素子の電位が低下している状態で、圧電素子に駆動波形を印加すると、圧電素子の電圧が急峻に立ち上がり、不要な液滴が吐出されるおそれがある、という課題がある。
この場合、駆動波形中に、圧電素子を定期的に基準電位に充電する波形要素を含めることもできるが、これでは波形長が長くなり高周波駆動ができなくなるという課題が生じる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、駆動波形長を長くすることなく、自然放電による不要な滴吐出を防止することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出する複数のノズルと、前記ノズルが通じる個別液室と、前記個別液室内の液体を加圧する圧力を発生する圧力発生手段と、を有する液体吐出ヘッドと、
1駆動周期内に複数の駆動パルスを時系列で含む駆動波形を生成し、前記駆動波形から1又は2以上の前記駆動パルスを選択して前記圧力発生手段に与えるヘッド駆動制御手段と、を備え、
前記駆動波形には、前記ノズルから液滴を吐出させないでメニスカスを振動させる微駆動パルスと、前記ノズルから液滴を吐出させる吐出パルスとなる駆動パルスとを含み、
前記駆動波形の波形開始時における電圧V0は、波形終了時における電圧V1よりも低い
構成とした。
液滴を吐出する複数のノズルと、前記ノズルが通じる個別液室と、前記個別液室内の液体を加圧する圧力を発生する圧力発生手段と、を有する液体吐出ヘッドと、
1駆動周期内に複数の駆動パルスを時系列で含む駆動波形を生成し、前記駆動波形から1又は2以上の前記駆動パルスを選択して前記圧力発生手段に与えるヘッド駆動制御手段と、を備え、
前記駆動波形には、前記ノズルから液滴を吐出させないでメニスカスを振動させる微駆動パルスと、前記ノズルから液滴を吐出させる吐出パルスとなる駆動パルスとを含み、
前記駆動波形の波形開始時における電圧V0は、波形終了時における電圧V1よりも低い
構成とした。
本発明によれば、駆動波形長を長くすることなく、自然放電による不要な滴吐出を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る画像形成装置の一例について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の側面説明図、図2は同装置の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型インクジェット記録装置である。装置本体1の左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド31、32でキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持している。そして、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図2で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ33には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出する液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド34a、34b(区別しないときは「記録ヘッド34」という。他の部材も同様)が搭載されている。各記録ヘッド34は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド34は、それぞれ2つのノズル列を有している。そして、記録ヘッド34aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、それぞれ吐出する。また、記録ヘッド34bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。なお、記録ヘッド34としては、1つのノズル面に複数のノズルを並べた各色のノズル列を備えるものなどを用いることもできる。
また、キャリッジ33には、記録ヘッド34のノズル列に対応して各色のインクを供給するための第2インク供給部としてのヘッドタンク35a、35bを搭載している。一方、カートリッジ装填部4には各色のインクカートリッジ(メインタンク)10y、10m、10c、10kが着脱自在に装着される。そして、インクカートリッジ10から供給ポンプユニット24によって各色の供給チューブ36を介して各ヘッドタンク35に各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)41上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部41から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)43及び給紙コロ43に対向する分離パッド44を備えている。この分離パッド44は給紙コロ43側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材45と、カウンタローラ46と、搬送ガイド部材47と、先端加圧コロ49を有する押さえ部材48とを備える。そして、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ56を備えている。この帯電ローラ56は、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図2のベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪61と、排紙ローラ62及び排紙コロである拍車63とを備え、排紙ローラ62の下方に排紙トレイ3を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット71が着脱自在に装着されている。この両面ユニット71は搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラ46と搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニット71の上面は手差しトレイ72としている。
さらに、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構81を配置している。この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a、82b(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのワイパ部材(ワイパブレード)83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84と、キャリッジ33をロックするキャリッジロック87などとを備えている。また、このヘッドの維持回復機構81の下方側には維持回復動作によって生じる廃液を収容するための廃液タンク99が装置本体に対して交換可能に装着される。
また、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口部89などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ2から用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイド45で案内され、搬送ベルト51とカウンタローラ46との間に挟まれて搬送される。更に、用紙42の先端は搬送ガイド37で案内されて先端加圧コロ49で搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ56によって搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターンで帯電されている。この帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイ3に排紙する。
次に、記録ヘッド34を構成している液体吐出ヘッドの一例について図3及び図4を参照して説明する。なお、図3及び図4は同ヘッドの液室長手方向(ノズル配列方向と直交する方向)に沿う断面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、流路板101と、振動板部材102と、ノズル板103とを接合している。これにより、液滴を吐出するノズル104が貫通孔105を介して通じる個別液室106、個別液室106に液体を供給する流体抵抗部107、液体導入部108がそれぞれ形成される。そして、フレーム部材117に形成した共通液室110から振動板部材102に形成されたフィルタ109を介してインクが液体導入部108に導入され、液体導入部108から流体抵抗部107を介して個別液室106にインクが供給される。
なお、「個別液室」は、加圧室、加圧液室、圧力室、個別流路、圧力発生室などと称されるものを含む意味である。
なお、「個別液室」は、加圧室、加圧液室、圧力室、個別流路、圧力発生室などと称されるものを含む意味である。
流路板101は、SUSなどの金属板を積層して、貫通孔105、個別液室106、流体抵抗部107、液体導入部108などの開口部や溝部をそれぞれ形成している。振動板部材102は各液室106、流体抵抗部107、液体導入部108などの壁面を形成する壁面部材であるとともに、フィルタ部109を形成する部材である。なお、流路板101は、SUSなどの金属板に限らず、シリコン基板を異方性エッチングして形成することもできる。
そして、振動板部材102の液室106と反対側の面に個別液室106のインクを加圧してノズル104から液滴を吐出させるエネルギーを発生するアクチュエータ手段(圧力発生手段)としての柱状の積層型の圧電部材112が接合されている。この圧電部材112の一端部はベース部材113に接合され、また、圧電部材112には駆動波形を伝達するFPC115が接続されている。これらによって、圧電アクチュエータ111を構成している。
なお、この例では、圧電部材112は積層方向に伸縮させるd33モードで使用しているが、積層方向と直交する方向に伸縮させるd31モードでもよい。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば、図3に示すように、圧電部材112に印加する電圧を基準電位Veから下げることによって圧電部材112が収縮し、振動板部材102が変形して個別液室106の容積が膨張する。これにより、個別液室106内にインクが流入する。
その後、図4に示すように、圧電部材112に印加する電圧を上げて圧電部材112を積層方向に伸長させ、振動板部材102をノズル104方向に変形させて個別液室106の容積を収縮させる。これにより、個別液室106内のインクが加圧され、ノズル104から液滴301が吐出される。
そして、圧電部材112に印加する電圧を基準電位Veに戻すことによって振動板部材102が初期位置に復元し、液室106が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室110から液室106内にインクが充填される。そこで、ノズル104のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図5を参照して説明する。なお、図5は同制御部のブロック説明図である。
この制御部500は、この装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501が実行するプログラムを含む各種プログラムなどの固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503とを備えている。また、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ504と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505とを備えている。
また、記録ヘッド34を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動信号発生手段を含む印刷制御部508と、キャリッジ33側に設けた記録ヘッド34を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)509とを備えている。また、キャリッジ33を移動走査する主走査モータ554、搬送ベルト51を周回移動させる副走査モータ555、維持回復機構81のキャップ82やワイパ部材83の移動、吸引ポンプ812などを行なう維持回復モータ556を駆動するためのモータ駆動部510とを備えている。また、帯電ローラ56にACバイアスを供給するACバイアス供給部511と、送液ポンプ241を駆動する供給系駆動部512などを備えている。
また、この制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。
この制御部500は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F506を持っていて、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、画像読み取り装置、撮像装置などのホスト600側から、ケーブル或いはネットワークを介してI/F506で受信する。
そして、制御部500のCPU501は、I/F506に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC505にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データを印刷制御部508からヘッドドライバ509に転送する。なお、画像を出力するためドットパターンデータの生成はホスト600側のプリンタドライバ601で行なうことも、制御部500で行なうこともできる。
印刷制御部508は、上述した画像データをシリアルデータで転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ509に出力する。また、ROM502に格納されている駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動信号生成部を含む。そして、1の駆動パルス或いは複数の駆動パルスで構成される駆動波形を生成してヘッドドライバ509に対して出力する。
ヘッドドライバ509は、シリアルに入力される記録ヘッド34の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部508から与えられる駆動波形を構成する駆動パルスを選択して記録ヘッド34の圧力発生手段としての圧電部材112に対して与える。これにより、記録ヘッド34を駆動する。このとき、駆動波形を構成するパルスの一部又は全部或いはパルスを形成する波形用要素の全部又は一部を選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
I/O部513は、装置に装着されている各種のセンサ群515からの情報を取得し、プリンタの制御に必要な情報を抽出し、印刷制御部508やモータ駆動部510、ACバイアス供給部511の制御に使用する。センサ群515は、用紙の位置を検出するための光学センサや、機内の温度を監視するためのサーミスタ、帯電ベルトの電圧を監視するセンサ、カバーの開閉を検出するためのインターロックスイッチなどがある。I/O部513は様々のセンサ情報を処理することができる。
次に、印刷制御部508及びヘッドドライバ509の一例について図6のブロック説明図を参照して説明する。
印刷制御部508は、駆動波形生成部701と、データ転送部702とを備えている。駆動波形生成部701は、画像形成時に1印刷周期(1駆動周期)内に複数のパルス(駆動信号)で構成される駆動波形(共通駆動波形)を生成して出力する。データ転送部702は、印刷画像に応じた2ビットの画像データ(階調信号0、1)と、クロック信号、ラッチ信号(LAT)、滴制御信号M0〜M3を出力する。
なお、滴制御信号は、ヘッドドライバ509の後述するスイッチ手段であるアナログスイッチ715の開閉を滴毎に指示する2ビットの信号である。そして、滴制御信号は、共通駆動波形の印刷周期に合わせて選択すべきパルス又は波形要素でHレベル(ON)に状態遷移し、非選択時にはLレベル(OFF)に状態遷移する。
ヘッドドライバ509は、データ転送部702からの転送クロック(シフトクロック)及びシリアル画像データ(階調データ:2ビット/1チャンネル(1ノズル)を入力するシフトレジスタ711と、シフトレジスタ711の各レジスト値をラッチ信号によってラッチするためのラッチ回路712と、階調データと滴制御信号M0〜M3をデコードして結果を出力するデコーダ713と、デコーダ713のロジックレベル電圧信号をアナログスイッチ715が動作可能なレベルへとレベル変換するレベルシフタ714と、レベルシフタ714を介して与えられるデコーダ713の出力でオン/オフ(開閉)されるアナログスイッチ715を備えている。
このアナログスイッチ715は、各圧電部材112の選択電極(個別電極)に接続され、駆動波形生成部701からの共通駆動波形Pvが入力されている。したがって、シリアル転送された画像データ(階調データ)と滴制御信号M0〜M3をデコーダ713でデコードした結果に応じてアナログスイッチ715がオンにすることにより、共通駆動波形Pvを構成する所要のパルス(あるいは波形要素)が通過して(選択されて)圧電部材112に印加される。
なお、以下の各実施形態では、微駆動パルスと1つの吐出パルスとなる駆動パルスを有し、滴サイズが1種類の例で説明するが、上述したように、複数の滴サイズの液滴を吐出(形成)するようにすることもできる。
次に、本発明の第1実施形態における駆動波形について図7を参照して説明する。
この駆動波形Pvは、ノズル104から液滴を吐出させないでメニスカスを振動させる微駆動パルスPaと、液滴を吐出させる吐出パルスである駆動パルスPbとを、時系列で生成した波形である。
ここで、微駆動パルスPaは、中間電位V0から所定のホールド電位まで立ち下がって個別液室106を膨張させる波形要素(膨張波形要素又は引き込み波形要素)aと、立ち下がった電位(ホールド電位)を保持する波形要素(保持波形要素)bと、ホールド電位から中間電位V1まで立ち上がって個別液室106を収縮させる波形要素(収縮波形要素又は押し込み波形要素)cとで構成される。なお、ホールド電位とは当該駆動パルスのうちで最も個別液室106を収縮させる状態の電位を意味するものとする。
駆動パルスPbは、中間電位V1から所定のホールド電位まで立ち下がって個別液室106を膨張させる波形要素(膨張波形要素又は引き込み波形要素)aと、立ち下がった電位(ホールド電位)を保持する波形要素(保持波形要素)bと、ホールド電位から中間電位V1まで立ち上がって個別液室106を収縮させる波形要素(収縮波形要素又は押し込み波形要素)cとで構成される。
この駆動波形Pvを使用する場合、駆動波形開始時点0から時点T1までの間、アナログスイッチをON状態にすることで、微駆動パルスPaが圧電素子(圧電部材)に与えられて、液滴を吐出することなくメニスカスを振動させる微駆動が行われる。
また、時点T1から時点T2までの間、アナログスイッチをON状態にすることで、駆動パルスPbが圧電素子(圧電部材)に与えられて、液滴が吐出される。
ここで、この駆動波形Pvにおいて、駆動波形開始時(時点0)の電圧V0は、駆動波形終了時(時点T2)の電圧V1よりも低くしている(V0<V1)。
次に、本実施形態の駆動波形Pvを繰り返し圧電素子に与えた場合の圧電素子の電圧変化について図8を参照して説明する。
図8は駆動波形Pvを1回目から3回目までの3回の駆動周期(印刷周期)に与えたとき(3サイクル与えたとき)の圧電素子の電圧を示している。そして、図8(a)は3駆動周期で連続して液滴を吐出させたときの圧電素子の電圧変化を示している。また、図8(b)は1駆動周期おきに微駆動を行ったとき、すなわち、微駆動→駆動なし→微駆動を行ったときの電圧の変化を示している。
ここで、図8(b)に示すように、1回目の駆動周期における微駆動パルスPaが終了したときに圧電素子の電圧は電圧V1となるが、2回目の駆動周期では微駆動パルスPaを与えない。
そのため、圧電素子の電圧は自然放電によって、3回目の駆動周期において微駆動パルスPaを与えるまでに電圧V1から電圧ΔVだけ降下することになる。そして、3回目の駆動周期において微駆動パルスPaを与えることで、圧電素子の電圧は電圧V0となる。
このとき、圧電素子の電圧が、微駆動パルスPaを与えてから次に微駆動パルスPaを与えるまでの圧電素子の自然放電による電圧降下後の電圧から、微駆動パルスPaを与えることで電圧V0に変化することによって、液滴が吐出されない電圧に電圧V0を設定する。
このとき、駆動波形Pvの波形開始時における電圧V0は、駆動波形Pvを圧電素子に与え始める時の圧電素子の電圧、すなわち、電圧V1から自然放電による電圧降下分の電圧ΔVを差し引いた電圧よりも低い電圧とする(V0<V1−ΔV0)ことが好ましい。
これにより、自然放電による電圧降下で低下した圧電素子に対して個別液室106を膨張させる方向の電圧が与えられることになり、不要な液滴の吐出を確実に防止できる。
ここで、比較例について図9及び図10を参照して説明する。図9は比較例の駆動波形の説明図、図10は同駆動波形で前記図8と同様な駆動を行った場合の圧電素子の電圧変化を示す説明図である。
この比較例の駆動波形は、駆動波形開始時(時点0)の電圧と駆動波形終了時(時点T2)の電圧とはいずれも電圧V1となっている。
この比較例の駆動波形を使用して、図8(b)と同様な駆動を行った場合、上述したように1回目の駆動周期における微駆動パルスPaの終了時からの自然放電によって、3回目の駆動周期で微駆動パルスPaを与えるとき、圧電素子の電圧は電圧V1から電圧ΔVだけ降下している。
したがって、3回目の駆動周期で微駆動パルスPaを与えたときに圧電素子の電圧は電圧ΔVだけ上昇して個別液室106が収縮されることになり、不要な液滴が吐出されるおそれがある。
これに対して、本実施形態では、駆動波形開始時(時点0)の電圧V0は、駆動波形終了時(時点T2)の電圧V1よりも低くしている(V0<V1)ので、圧電素子の自然放電による電圧降下が生じても、微駆動パルスPaの初期電圧V0との差が小さくなり、不要な滴吐出が防止される。そして、駆動波形中に電圧V1に戻す波形を埋め込む必要がなく、駆動波形長が長くなることもない。
このように、駆動波形には前記ノズルから液滴を吐出させないでメニスカスを振動させる微駆動パルスを含み、駆動波形の波形開始点時における電圧V0は、波形終了時における電圧V1よりも低い構成とすることで、駆動波形長を長くすることなく、自然放電による不要な滴吐出を防止することができる。
次に、本発明の第2実施形態における駆動波形について図11を参照して説明する。
この駆動波形Pvは、ノズル104から液滴を吐出させないでメニスカスを振動させる微駆動パルスPaと、液滴を吐出させる吐出パルスである駆動パルスPbとを、時系列で生成した波形である。
ここで、微駆動パルスPaは、中間電位V2をホールドする保持波形要素bと、中間電位V2から中間電位V3(V2<V3)まで立ち上がって個別液室106を収縮させる収縮波形要素cで構成される。
駆動パルスPbは、中間電位V3から所定のホールド電位まで立ち下がって個別液室106を膨張させる膨張波形要素aと、立ち下がった電位(ホールド電位)を保持する保持波形要素bと、ホールド電位から中間電位V3まで立ち上がって個別液室106を収縮させる収縮波形要素cとで構成される。
この駆動波形Pvを使用する場合、駆動波形開始時点0から時点T3までの間、アナログスイッチをON状態にすることで、微駆動パルスPaが圧電素子(圧電部材)に与えられて、液滴を吐出することなくメニスカスを振動させる微駆動が行われる。
また、時点0から時点T4までの間、アナログスイッチをON状態にすることで、微駆動パルスPa及び駆動パルスPbが圧電素子(圧電部材)に与えられて、液滴が吐出される。
ここで、この駆動波形Pvにおいて、駆動波形開始時(時点0)の電圧V2は、駆動波形終了時(時点T4)の電圧V3よりも低くしている(V2<V3)。
次に、本実施形態の駆動波形Pvを繰り返し圧電素子に与えた場合の圧電素子の電圧変化について図12を参照して説明する。
図12は駆動波形Pvを1回目から3回目までの3回の駆動周期(印刷周期)に与えたとき(3サイクル与えたとき)の圧電素子の電圧を示している。そして、図12(a)は3駆動周期で連続して液滴を吐出させたときの圧電素子の電圧変化を示している。また、図12(b)は1駆動周期おきに微駆動を行ったとき、すなわち、微駆動→駆動なし→微駆動を行ったときの電圧の変化を示している。
ここで、図12(b)に示すように、1回目の駆動周期における微駆動パルスPaが終了したときに圧電素子の電圧は電圧V3となるが、2回目の駆動周期では微駆動パルスPaを与えない。
そのため、圧電素子の電圧は自然放電によって、3回目の駆動周期において微駆動パルスPaを与えるまでに電圧V3から電圧ΔVだけ降下することになる。そして、3回目の駆動周期において微駆動パルスPaを与えることで、圧電素子の電圧は電圧V3となる。
このとき、圧電素子の電圧が、微駆動パルスPaを与えてから次に微駆動パルスPaを与えるまでの圧電素子の自然放電による電圧降下後の電圧から、微駆動パルスPaを与えることで電圧V2に変化することによって、液滴が吐出されない電圧に電圧V2を設定する。
次に、上述した各実施形態の駆動波形を使用する場合のヘッドドライバ509の具体例について図13を参照して説明する。
前述した印刷制御部508からの印刷データDATAはクロックCLKによってシフトレジスタ711に取り込まれ、ラッチ信号LATによってラッチ回路712にラッチされる。
ラッチ回路712のラッチデータと滴制御信号MN1、MN0とをデコーダ713でデコードして、その結果によってアナログスイッチ715(アナログスイッチAS1〜ASN)をON/OFF制御する。
アナログスイッチAS1〜ASN(区別しないときには「アナログスイッチAS」という。)には駆動波形Pvが入力されており、アナログスイッチASがON状態の間、駆動波形Pvが圧電素子C(C1〜CN)に与えられる。
ここでは、滴制御信号MN1=0で駆動パルスPbを選択し、滴制御信号MN0=0で微駆動パルスPaを選択する。また、印刷データは、「1」で駆動パルスPb、「0」で微駆動パルスPaを選択する。
このヘッドドライバの動作タイミングの一例について図14を参照して説明する。
1回目の駆動周期における駆動波形Pvで圧電素子を駆動する前に、クロック信号CLKによってシフトレジスタ711に1回目の印刷データDATAの転送を行い、ラッチ信号LATでラッチ回路712にシフトレジスタ711のデータをラッチする。そして、ラッチ回路712のデータと、滴制御信号MN1、MN0の条件から圧電素子Cに与えるパルスを決定する。
上述したように、印刷データが「1」のノズルの圧電素子Cについては、滴制御信号MN1=0の範囲の吐出パルスである駆動パルスPbが、印刷データが「0」のノズルの圧電素子Cについては、滴制御信号MN0=0の範囲の微駆動パルスPaが与えられる。この1回目の駆動と同時に、2回目の駆動の印刷データをシフトレジスタ711に転送する。以降、同様の処理を繰り返して印刷動作を行う。
次に、印刷制御部の一例について図15のブロック説明図を参照して説明する。
制御IC800は、データ転送部702を兼ねており、液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド34側のヘッドドライバ509のヘッドに対し印刷データなどを転送する。駆動波形選択手段703は、制御IC800に保持されている駆動波形データから環境温度に応じた駆動波形データを選択して、の指示に基づいて駆動波形生成部701のD/Aデータ用RAM702Aに書き込む。
駆動波形生成部701は、D/Aデータ用RAM702Aに書き込まれた駆動波形データをD/A変換器702Bでアナログ信号に変換し、電圧増幅部703Cによって電圧増幅を行い、電流増幅回路703Dによって電流増幅を行って、駆動波形Pvとしてヘッドドライバ509に出力する。
カウンタ704は、制御IC800から与えられるデータによって、前回の微駆動実行からの経過時間を計測する。
そして、制御IC800は、圧電素子Cの電圧が自然放電による電圧降下によって、電圧V0を印加すると液滴が吐出される電圧になる時間よりも前に微駆動パルスPaを与えて微駆動を実行し、圧電素子Cを電圧V1に充電する。
ここで、圧電素子Cの電圧は、圧電素子Cの電圧をv、自己放電(自然放電)の時定数をτ、微駆動実行からの経過時間をtとすると、v(t)=V0×e(−t/τ)、となる。
つまり、時間関数となるのでカウンタ704による時間計測のみで圧電素子Cの最低電圧(吐出を1回も行わなかったノズル)を知ることができる。
そこで、駆動波形Pvの電圧V0、V1、及び微駆動を実行する時間を予め実験等により求めておき、上記のような制御をすることにより、不要な吐出を防止して微駆動を間引き消費電力を低減することができる。
なお、本願において、「用紙」とは材質を紙に限定するものではなく、OHP、布、ガラス、基板などを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味である。被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含む。また、画像形成、記録、印字、印写、印刷はいずれも同義語とする。
また、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
また、「インク」とは、特に限定しない限り、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いる。例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料、樹脂なども含まれる。
また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
また、画像形成装置には、特に限定しない限り、シリアル型画像形成装置及びライン型画像形成装置のいずれも含まれる。
33 キャリッジ
34、34a、34b 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
500 制御部
508 印刷制御部
701 駆動波形生成部
702 データ転送部
34、34a、34b 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
500 制御部
508 印刷制御部
701 駆動波形生成部
702 データ転送部
Claims (4)
- 液滴を吐出する複数のノズルと、前記ノズルが通じる個別液室と、前記個別液室内の液体を加圧する圧力を発生する圧力発生手段と、を有する液体吐出ヘッドと、
1駆動周期内に複数の駆動パルスを時系列で含む駆動波形を生成し、前記駆動波形から1又は2以上の前記駆動パルスを選択して前記圧力発生手段に与えるヘッド駆動制御手段と、を備え、
前記駆動波形には、前記ノズルから液滴を吐出させないでメニスカスを振動させる微駆動パルスと、前記ノズルから液滴を吐出させる吐出パルスとなる駆動パルスとを含み、
前記駆動波形の波形開始時における電圧V0は、波形終了時における電圧V1よりも低い
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記圧力発生手段が圧電素子であり、
前記駆動波形の波形開始時における電圧V0は、前記駆動波形を前記圧電素子に与え始める時の前記圧電素子の電圧よりも低い電圧である
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記微駆動パルスは、前記駆動波形の波形開始時における電圧V0から電圧V1に立ち上がる波形要素を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 液滴を吐出する複数のノズルと、前記ノズルが通じる個別液室と、前記個別液室内の液体を加圧する圧力を発生する圧力発生手段と、を有する液体吐出ヘッドを駆動制御するヘッド駆動制御方法であって、
1駆動周期内に複数の駆動パルスを時系列で含む駆動波形を生成し、前記駆動波形から1又は2以上の前記駆動パルスを選択して前記圧力発生手段に与え、
前記駆動波形には、前記ノズルから液滴を吐出させないでメニスカスを振動させる微駆動パルスと、前記ノズルから液滴を吐出させる吐出パルスとなる駆動パルスとを含み、
前記駆動波形の波形開始時における電圧V0は、波形終了時における電圧V1よりも低い
ことを特徴とするヘッド駆動制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013013718A JP2014144569A (ja) | 2013-01-28 | 2013-01-28 | 画像形成装置及びヘッド駆動制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013013718A Pending JP2014144569A (ja) | 2013-01-28 | 2013-01-28 | 画像形成装置及びヘッド駆動制御方法 |
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JP (1) | JP2014144569A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9643414B2 (en) | 2015-09-08 | 2017-05-09 | Ricoh Company, Ltd. | Device to discharge liquid and head driving method |
-
2013
- 2013-01-28 JP JP2013013718A patent/JP2014144569A/ja active Pending
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