JP2014144155A - 音響媒体 - Google Patents

音響媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2014144155A
JP2014144155A JP2013014940A JP2013014940A JP2014144155A JP 2014144155 A JP2014144155 A JP 2014144155A JP 2013014940 A JP2013014940 A JP 2013014940A JP 2013014940 A JP2013014940 A JP 2013014940A JP 2014144155 A JP2014144155 A JP 2014144155A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
block copolymer
acoustic medium
block
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013014940A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6011369B2 (ja
Inventor
Atsushi Ishiguro
淳 石黒
Teiji Obara
禎二 小原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP2013014940A priority Critical patent/JP6011369B2/ja
Publication of JP2014144155A publication Critical patent/JP2014144155A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6011369B2 publication Critical patent/JP6011369B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】柔軟性、透明性、蒸気滅菌に耐える耐熱性および人体にほぼ等しい音響インピーダンスを有する超音波診断用音響媒体の提供。
【解決手段】芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック[A]の少なくとも2つと、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック[B]の少なくとも1つとからなり、重合体全体に占める重合体ブロック[A]および重合体ブロック[B]の重量分率をwAおよびwBとしたときに、wAとwBとの比(wA:wB)が30:70〜65:35であるブロック共重合体[1]の、全不飽和結合の90%以上が水素化されたブロック共重合体水素化物[2]、および、必要に応じ特定の低分子量炭化水素系重合体を配合してなる弾性体を成形して音響媒体とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、超音波を利用して生体内の画像診断を行なう際に用いる音響媒体に関し、特に、凹凸形状の対象を診断する場合に用いられる超音波を伝達する媒体として好適な超音波診断用音響媒体に関する。
従来から、生体内部組織の異常や疾患などを診断するために、超音波診断装置を用いた診断が行われている。超音波診断では、超音波プローブを被検体である生体の体表に当接させて、生体内を超音波パルスによりスキャンし、生体組織の境界で反射して生じる反射波を再び超音波プローブで受信し、診断に用いる生体内の断層画像を再構成する。
超音波診断装置に用いられる超音波プローブの体表との当接面は一般的に十分な柔軟性がない。そのために、例えば甲状腺や乳房などのような凹凸形状がある部分では、超音波プローブの当接面と体表との間に隙間を生じ、生体の音響インピーダンスと大きく異なる音響インピーダンスを有する空気層が介在することにより照射された超音波が大きく減衰して、隙間を生じた部分の画像を得ることができない場合があった。
そこで、体表との間に隙間を生じないように、(1)超音波プローブの当接面側に例えば水が収容された水袋で構成される音響媒体を装着し、音響媒体を体表に当接させスキャンする方法(例えば、特許文献1−2)、(2)柔軟性の高いゼリー状の材料をシート状に形成した音響媒体を、体表を覆うように載置して凹凸形状に該音響媒体を密着させた状態にし、音響媒体の対向面側に超音波プローブを密着させてスキャンする方法(例えば、特許文献3−4)、(3)水槽に薄膜を備え、薄膜に体表を密着させ、水槽内に備えた超音波プローブによりスキャンする方法(例えば、特許文献5−7)、(4)音響インピーダンスが人体と整合された材料からなり、全体が板状体で板状体の一方の面は平面で、他方の被検体との接触面は被検体の凸形状を受容する凹形状部を有し、平面に超音波探触子を当接してスキャンする方法(例えば、特許文献8)などが開示されている。
上記のような超音波プローブと凹凸形状の有る被検体との間に設置されて使用される音響媒体には、被検体との接触界面での超音波の減衰を低減してより鮮明な画像を得るため音響インピーダンスが人体の音響インピーダンスと整合するように設定された材料を使用することが望まれている。人体組織の音響インピーダンスは、軟組織平均で約1.63×10kg/m・秒、腎臓で約1.62×10kg/m・秒、肝臓で約1.64×10kg/m・秒、血液で約1.61×10kg/m・秒、筋肉で約1.70×10kg/m・秒、脂肪で約1.38×10kg/m・秒であることが知られており、音響媒体としては1.55×10〜1.70×10kg/m・秒の音響インピーダンスを有する弾性体を成形したものであることが望ましい。
また、音響媒体は、被験者の体表のどの位置にあるかが確認できる透明なものが望ましい。
特許文献5には、柔軟性を有し音響インピーダンスが人体の音響インピーダンスにほぼ等しい1.62×10kg/m・秒の値を持つ特定のエチレン・酢酸ビニル共重合体の薄膜を使用した超音波診断装置が開示されている。しかし、このエチレン・酢酸ビニル共重合体は融点86℃で耐熱性が低いため、医療用器具で汎用的に使用される蒸気滅菌を行うことはできない。柔軟で耐熱性を有する架橋天然ゴムやシリコーンゴムでは音響インピーダンスが1.4×10kg/m・秒以下で人体の音響インピーダンスから離れ、また、透明性や柔軟性の良い低密度ポリエチレンやナイロンでは音響インピーダンスが1.7×10kg/m・秒以上であるなど、柔軟性、透明性、蒸気滅菌に耐える耐熱性を有し、しかも人体にほぼ等しい音響インピーダンスを有するバランスのとれた材料は見当たらなかった。
特開昭61−64235号公報 特開平11−216137号公報 特開昭62−298342号公報 特開昭63−19135号公報 特開昭61−062451号公報 特開平5−220148号公報 特開2002−336256号公報 特開2006−247007号公報
本発明者らは、柔軟性、透明性、蒸気滅菌に耐える耐熱性および人体にほぼ等しい音響オインピーダンスを有する弾性体からなる超音波診断用音響媒体を提供すべく鋭意検討を進めた結果、特定の芳香族ビニル化合物と共役ジエンとから得られるブロック共重合体水素化物、および、必要に応じ特定の低分子量炭化水素系重合体を配合してなる弾性体を成形してなる音響媒体が、凹凸形状の対象を診断する場合に、より鮮明な画像を得るために使用する超音波診断用音響媒体として好適であり、上記の要求を満たすものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック[A]の少なくとも2つと、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック[B]の少なくとも1つとからなり、重合体全体に占める重合体ブロック[A]および重合体ブロック[B]の重量分率をwAおよびwBとしたときに、wAとwBとの比(wA:wB)が30:70〜65:35であるブロック共重合体[1]の、全不飽和結合の90%以上が水素化されたブロック共重合体水素化物[2]、および、必要に応じ数平均分子量300〜5000の炭化水素系重合体からなり、25℃での音響インピーダンスが1.55×10〜1.70×10 kg/m・秒である弾性体を成形してなる音響媒体が提供される。
前記前記数平均分子量300〜5000の炭化水素系重合体の量は、ブロック共重合体水素化物[2]100重量部に対して2〜25重量部であるのが好ましい
本発明に用いる弾性体は、ブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック[B]とからなり、全重合体ブロック[A]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwAとし、全重合体ブロック[B]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwBとしたときに、wAとwBとの比(wA:wB)が30:70〜65:35であるブロック共重合体[1]の、全不飽和結合の90%以上が水素化されたブロック共重合体水素化物[2]、および、必要に応じ数平均分子量300〜5000の炭化水素系重合体からなる弾性体である。
1.ブロック共重合体[1]
本発明に係るブロック共重合体[1]は、少なくとも2つの重合体ブロック[A]と少なくとも1つの重合体ブロック[B]を含有する。
そして、重合体全体に占める重合体ブロック[A]および重合体ブロック[B]の重量分率をwAおよびwBとしたときに、wAとwBとの比(wA:wB)が30:70〜65:35である。
重合体ブロック[A]は、芳香族ビニル化合物由来の繰返し単位を主成分とするものであり、重合体ブロック[A]中の芳香族ビニル化合物由来の繰返し単位の含有量は、通常90重量%以上、好ましくは95重量%以上、より好ましくは99重量%以上である。また、重合体ブロック[A]中の芳香族ビニル化合物由来の繰返し単位以外の成分としては、鎖状共役ジエン由来の繰返し単位および/またはその他のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むことができ、その含有量は通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。重合体ブロック[A]中の芳香族ビニル化合物由来の繰返し単位が少な過ぎると、音響媒体の耐熱性が低下する恐れがある。
複数の重合体ブロック[A]は、上記の範囲を満足すれば互いに同じであっても、異なっていても良い。
重合体ブロック[B]は、鎖状共役ジエン化合物由来の繰返し単位を主成分とするものであり、重合体ブロック[B]中の鎖状共役ジエン化合物由来の繰返し単位の含有量は、通常90重量%以上、好ましくは95重量%以上、より好ましくは99重量%以上である。鎖状共役ジエン化合物由来の繰返し単位が上記範囲にあると、本発明の音響媒体の柔軟性に優れる。
また、重合体ブロック[B]中の鎖状共役ジエン化合物由来の繰返し単位以外の成分としては、芳香族ビニル化合物由来の繰返し単位および/またはその他のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位を含むことができ、その含有量は、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。重合体ブロック[B]中の芳香族ビニル化合物由来の繰返し単位および/またはその他のエチレン性化合物由来の繰返し単位の含有量が増加すると、音響媒体の柔軟性が低下する恐れがある。
重合体ブロック[B]が複数有る場合には、重合体ブロック[B]は、上記の範囲を満足すれば互いに同じであっても、異なっていても良い。
芳香族ビニル化合物としては、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレンなどが挙げられ、吸湿性の面で極性基を含有しないものが好ましく、工業的な入手し易さでスチレンが特に好ましい。
鎖状共役ジエン系化合物としては、具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられ、吸湿性の面で極性基を含有しないものが好ましく、音響媒体の透明性に優れることでイソプレンが特に好ましい。
その他のエチレン性不飽和化合物としては、鎖状エチレン性不飽和化合物や環状エチレン性不飽和化合物が挙げられる。これらのエチレン性不飽和化合物はニトリル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシカルボニル基、酸無水物基またはハロゲン基を有しても良い。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテンなどの鎖状オレフィン;ビニルシクロヘキサンなどの環状オレフィンなどの、極性基を含有しないものが吸湿性の面で好ましく、鎖状オレフィンがより好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。
ブロック共重合体[1]中の重合体ブロック[A]の数は、通常4個以下、好ましくは3個以下、より好ましくは2個であり、重合体ブロック[B]の数は、通常3個以下、好ましくは2個以下、より好ましくは1個である。重合体ブロック[A]が複数存在する際、重合体ブロック[A]の中で重量平均分子量が最大と最少の重合体ブロックの重量平均分子量をそれぞれMw(A1)およびMw(A2)とした時、該Mw(A1)とMw(A2)との比Mw(A1)/Mw(A2)は、2.0以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下である。また、重合体ブロック[B]が複数存在する際、重合体ブロック[B]の中で重量平均分子量が最大と最少の重合体ブロックの重量平均分子量をそれぞれMw(B1)およびMw(B2)とした時、該Mw(B1)とMw(B2)との比Mw(B1)/Mw(B2)は、2.0以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下である。
ブロック共重合体[1]のブロックの形態は、鎖状型ブロックでもラジアル型ブロックでも良いが、鎖状型ブロックであるものが、柔軟性に優れ好ましい。ブロック共重合体[1]の最も好ましい形態は、重合体ブロック[B]の両端に重合体ブロック[A]が結合したトリブロック共重合体である。
ブロック共重合体[1]中の、全重合体ブロック[A]がブロック共重合体全体に占める重量分率をwAとし、全重合体ブロック[B]がブロック共重合体全体に占める重量分率をwBとした時に、wAとwBとの比(wA:wB)は、30:70〜65:35、好ましくは35:65〜60:40、より好ましくは40:60〜55:45である。wAが多過ぎる場合は、音響媒体の耐熱性は高くなるが、柔軟性が低く、音響インピーダンスが大きくなり過ぎ、wAが少な過ぎる場合は、柔軟性は高くなるが、耐熱性が低下し、音響インピーダンスが小さくなり過ぎるため好ましくない。
ブロック共重合体[1]の分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするGPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常35,000〜200,000、好ましくは40,000〜150,000、より好ましくは45,000〜100,000である。また、ブロック共重合体[1]の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、特に好ましくは1.5以下である。
ブロック共重合体[1]の製造方法は、例えばリビングアニオン重合などの方法により、芳香族ビニル化合物を主成分として含有するモノマー混合物(a)と鎖状共役ジエン系化合物を主成分として含有するモノマー混合物(b)を交互に重合させる方法;芳香族ビニル化合物を主成分として含有するモノマー混合物(a)と鎖状共役ジエン系化合物を主成分として含有するモノマー混合物(b)を順に重合させた後、重合体ブロック[B]の末端同士を、カップリング剤によりカップリングさせる方法などがある。
2.ブロック共重合体水素化物[2]
本発明に係るブロック共重合体水素化物[2]は、上記のブロック共重合体[1]の主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合、並びに芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化したものであり、その水素化率は通常90%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上である。水素化率が低過ぎる場合は、音響インピーダンスが所望の値より高くなり過ぎ、また、成形加工時の耐熱性も劣るため好ましくない。ブロック共重合体水素化物[2]の水素化率は、H−NMRによる測定において求めることができる。
不飽和結合の水素化方法や反応形態などは特に限定されず、公知の方法にしたがって行えばよいが、水素化率を高くでき、重合体鎖切断反応の少ない水素化方法が好ましい。このような水素化方法としては、例えば、国際公開WO2011/096389号、国際公開WO2012/043708号などに記載された方法を挙げることができる。
上記した方法で得られるブロック共重合体水素化物[2]は、水素化触媒および/または重合触媒を、ブロック共重合体水素化物[2]を含む反応溶液から除去した後、反応溶液から回収される。回収されたブロック共重合体水素化物[2]の形態は限定されるものではないが、通常はペレット形状にして、その後の成形加工に供することができる。
ブロック共重合体水素化物[2]の分子量は、テトラヒドロフランを溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常35,000〜200,000、好ましくは40,000〜150,000、より好ましくは45,000〜100,000である。また、ブロック共重合体水素化物[2]の分子量分布(Mw/Mn)を、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、特に好ましくは1.5以下にする。MwおよびMw/Mnが上記範囲となるようにすると、成形体の機械強度や耐熱性が向上する。
ブロック共重合体[1]のwAとwBとの比(wA:wB)が30:70〜65:35である場合、これを水素化して得られるブロック共重合体水素化物[2]の成形体は、成形体の形状や成形条件により僅かに差異が生じるが、25℃での音響インピーダンスはおよそ1.56〜1.69×10 kg/m・秒の値を有する。
3.炭化水素系重合体
本発明で必要に応じて用いる炭化水素系重合体は、数平均分子量300〜5,000の炭化水素系重合体であって、ブロック共重合体水素化物[2]に配合して得られる弾性体の柔軟性を高め、得られる弾性体を成形してなる音響媒体の音響インピーダンスを所望の値に調整することができるものである。炭化水素系重合体の具体例としては、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリ−1−オクテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、脂肪族系炭化水素樹脂およびその水素化物、ポリイソプレンおよびその水素化物などが挙げられる。これらの中でも、特に透明性に優れ、音響インピーダンスを調整し易い点で、ポリイソブチレン、ポリブテンが好ましい。
炭化水素系重合体の分子量は、THFを溶媒とするGPCにより測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)で、通常300〜5,000、好ましくは400〜4,000、より好ましくは500〜3,000である。
4.弾性体
本発明に係わる弾性体は、上述してきたブロック共重合体水素化物[2]、および、必要に応じ数平均分子量300〜5000の炭化水素系重合体からなる弾性体である。
本発明のブロック共重合体水素化物[2]に数平均分子量300〜5,000の炭化水素系重合体を配合することにより、得られる弾性体の柔軟性が高められ、音響インピーダンスを低下させることができる。それゆえ炭化水素系重合体の配合量により、柔軟性と音響インピーダンスを制御することができる。本発明のブロック共重合体水素化物[2]に炭化水素系重合体を配合してなる弾性体は、ブロック共重合体水素化物[2]100重量部に対して、炭化水素系重合体を、通常30重量部以下、好ましくは2〜25重量部、より好ましくは5〜20重量部配合して得られる。炭化水素系重合体の配合量が30重量部を超える場合は、弾性体およびそれからなる音響媒体の柔軟性は高くなるが、耐熱性が低下し、成形体にべたつきが生じ易くなるため好ましく無い。
ブロック共重合体水素化物[2]に、炭化水素系重合体を配合する方法は、例えば、二軸混錬機などでブロック共重合体水素化物[2]と炭化水素系重合体を溶融混練する方法などで行うことができる。
5.その他の配合剤
本発明においては、音響媒体の耐光性や耐熱性などを向上させるために、上述の弾性体に、酸化防止剤、滑剤、無機フィラーなどを単独であるいは2種以上を併用して添加してもよい。
6.音響媒体
本発明の音響媒体は、必要に応じてその他の配合剤が配合された、上述の弾性体を成形してなる音響媒体である。必要に応じてその他の配合剤が配合された、上述の弾性体は、押出し成形、インフレーション成形、圧縮成形、射出成形などの熱可塑性樹脂の一般的な成形方法でフィルム状、袋状、凹凸を有する板状などの、超音波診断用音響媒体に成形される。
フィルムや袋は内容物を充填した後、ヒートシールなどの方法で密封することもできる。本発明で使用する弾性体は耐熱性を有しており、成形された音響媒体は、例えば、使用前に121℃の蒸気滅菌処理を行うことも可能である。また、本発明の音響媒体は透明性にも優れるため、音響媒体を通して人体との接触部位の位置を視認することも可能である。
本発明の音響媒体は、生体内部組織の異常や疾患などを診断するための超音波診断の際に使用されるもので、音響インピーダンスが人体の音響インピーダンスに近い値を持つように調整されており、人体と超音波プローブの間に介在させて使用した場合に、人体と音響媒体の界面での超音波の反射による減衰が少なく、鮮明な画像を得ることができる。
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて、より具体的に説明する。本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、部および%は、特に断りがない限り、重量基準である。以下に各種物性の測定法を示す。
(1)重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)
ブロック共重合体[1]およびブロック共重合体水素化物[2]の分子量は、テトラヒドロフランを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として38℃において測定した。測定装置としては、東ソー社製HLC8020GPCを用いた。
(2)水素化率
ブロック共重合体水素化物[2]の主鎖、側鎖及び芳香環の水素化率は、H−NMR(重クロロホルム中)スペクトルを測定して算出した。
(3)全光線透過率
シートの全光線透過率は、JIS K 7361に従い測定した。
(4)音響インピーダンス
本発明に使用する弾性体を、射出成形により厚さ2.9mmの試験板に成形し、パルスエコー方式音速計(製品名「ECHOMETER 1060」、Karl Deutsch社製)を使用して、25℃での音速を測定した。また、弾性体の25℃での密度をJIS K 0061(天びん法)により測定した。音響インピーダンスは、音速と密度の積として計算した。
(5)耐熱性
音響媒体を高圧蒸気滅菌装置(製品名「SX−700」、トミー精工社製)に入れ、121℃、30分の蒸気滅菌処理を行い、常温まで冷却した後、外観の変化を目視観察により評価した。
[参考例1]
(ブロック共重合体水素化物[2−a]の合成)
充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン550部、脱水スチレン25.0部及びn−ジブチルエーテル0.475部を入れ、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.62部を加えて重合を開始した。攪拌しながら60℃で60分反応させた。ガスクロマトグラフィーにより測定したこの時点で重合転化率は99.5%であった。
次に、脱水イソプレン50.0部を加えそのまま30分攪拌を続けた。この時点で重合転化率は99.5%であった。
その後、更に、脱水スチレンを25.0部加え、60分攪拌した。この時点での重合転化率はほぼ100%であった。ここでイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止した。得られたブロック共重合体[1−a]の重量平均分子量(Mw)は78,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.03であった。
次に、上記重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として珪藻土担持型ニッケル触媒(製品名「T−8400RL」、ズードケミー触媒社製)3.0部及び脱水シクロヘキサン100部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度190℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。水素化反応後のブロック共重合体水素化物[2−a]の重量平均分子量(Mw)は78,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.04であった。
水素化反応終了後、反応溶液をろ過して水素化触媒を除去した後、フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](製品名「Irganox(登録商標)1010」、BASFジャパン社製)0.1部を溶解したキシレン溶液1.0部を添加して溶解させた。
次いで、上記溶液を、金属ファイバー製フィルター(孔径0.4μm、ニチダイ社製)にてろ過して微小な固形分を除去した後、円筒型濃縮乾燥器(製品名「コントロ」、日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン、キシレンおよびその他の揮発成分を除去した。連続して溶融ポリマーを、濃縮乾燥器に連結した孔径5μmのステンレス製焼結フィルターを備えたポリマーフィルター(富士フィルター製)により、温度260℃でろ過した後、ダイから溶融ポリマーをストランド状に押出し、冷却後、ペレタイザーによりブロック共重合体水素化物[2−a]のペレット96部を作成した。得られたブロック共重合体水素化物[2−a]の重量平均分子量(Mw)は77,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.04であった。水素化率はほぼ100%であった。
得られたブロック共重合体水素化物[2−a]のペレットを使用し、射出成形機(製品名「ロボショット(登録商標)α100B」、ファナック社製)を用いて、樹脂温度:250℃、金型温度:50℃で射出成形し、長さ65mm、幅65mm、厚さ2.9mmの試験片を成形した。この試験片を用いて測定した、音速は1,806m/秒、密度は0.91g/cmであった。この測定値から音響インピーダンスは1.64×10kg/m・秒と計算された。
[参考例2]
(ブロック共重合体水素化物[2−b]の合成)
重合段階でモノマーとして、スチレン22.5部、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.54部、イソプレン55.0部及びスチレン22.5部をこの順に反応系に添加して重合する以外は参考例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物[2−b]のペレット96部を得た。得られたブロック共重合体水素化物の重量平均分子量(Mw)は88,700、分子量分布(Mw/Mn)は1.04であった。水素化率はほぼ100%であった。
得られたブロック共重合体水素化物[2−b]のペレットを使用する以外は参考例1と同様にして射出成形し、長さ65mm、幅65mm、厚さ2.9mmの試験片を成形した。この試験片を用いて測定した、音速は1,785m/秒、密度は0.91g/cmであった。この測定値から音響インピーダンスは1.62×10kg/m・秒と計算された。
[実施例1]
参考例1で得られたブロック共重合体水素化物[2−a]のペレットを使用し、幅300mmのTダイを備えた二軸押出機(製品名「TEM37BS」、東芝機械社製)を用いて、溶融樹脂温度220℃、Tダイ温度220℃、キャストロール温度70℃の成形条件にて、厚さ0.4mm、幅250mmのシート[S2−a]を押出し成形した。得られたシート[S2−a]はロールに巻き取り回収した。得られたシート[S2−a]の全光線透過率は91%であり、透明性は良好であった。
押出シート[S2−a]を長さ250mm、幅150mmに切り出し、幅方向に2つに折りたたみ、両脇および折りたたみ端の合わせ部をヒートシールして、液体導入口として折りたたみ端の合わせ部の10mm部を残して袋を作成した。作成した袋に、5重量%の塩化ナトリウム水溶液140gを注入し、空気を含まないように液体導入口を閉じて、音響媒体を作成した。得られた音響媒体は透明で、対面の視認性は良好であった。この音響媒体を121℃、30分の蒸気滅菌処理を行った後、外観の変化を目視観察により評価したが、異常は認められなかった。この音響媒体を介して超音波診断装置(製品名「Aplio(登録商標) 500」、東芝メディカルシステムズ社製)を使用して甲状腺部の超音波画像を測定したところ鮮明な画像が得られた。
[実施例2]
参考例2で得られたブロック共重合体水素化物[2−b]のペレットを使用する以外は実施例1と同様にして、厚さ0.4mm、幅250mmのシート[S2−b]を押出し成形した。シート[S2−b]は実施例1で得られたシート[S2−a]よりも柔軟性が良好であった。得られたシート[S2−b]の全光線透過率は91%であり、透明性は良好であった。
押出シート[S2−b]を使用する以外は実施例1と同様に袋を作成し、塩化ナトリウム水溶液を封入して、音響媒体を作成した。得られた音響媒体は透明で、対面の視認性は良好であった。この音響媒体を121℃、30分の蒸気滅菌処理を行った後、外観の変化を目視観察により評価したが、異常は認められなかった。この音響媒体を介して実施例1と同様にして甲状腺部の超音波画像を測定したところ実施例1よりも鮮明な画像が得られた。
[参考例3]
(ブロック共重合体水素化物[2−a]と炭化水素系重合体からなる弾性体[2−a−pib10]の作成)
参考例1で得られたブロック共重合体水素化物[2−a]のペレット100重量部を、液状物を添加できるサイドフィーダーを備えた二軸押出機(製品名「TEM37BS」、東芝機械社製)を用いて、樹脂温度190℃で押し出した。一方、サイドフィーダーから炭化水素系重合体としてポリイソブテン(製品名「日石ポリブテン HV−300」、数平均分子量1,400、JX日鉱日石エネルギー社製)を、ブロック共重合体水素化物[2−a]100重量部に対して10重量部の割合となるように連続的に添加して、ストランド状に押出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングしてブロック共重合体水素化物[2−a]にポリイソブテンを配合してなる弾性体[2−a−pib10]のペレット102部を得た。
得られた弾性体[2−a−pib10]のペレットを使用し、参考例1と同様にして射出成形により長さ65mm、幅65mm、厚さ2.9mmの試験片を成形した。この試験片を用いて測定した、音速は1,813m/秒、密度は0.90g/cmであった。この測定値から音響インピーダンスは1.63×10kg/m・秒と計算された。
[実施例3]
参考例3で得られた弾性体[2−a−pib10]のペレットを使用し、実施例1と同様にして、厚さ0.5mm、幅250mmのシート[S2−a−pib10]を押出し成形した。シート[S2−a−pib10]は実施例2で得られたシート[S2−b]よりも柔軟性が良好であった。また、得られたシートの全光線透過率は91%であり、透明性は良好であった。
押出シート[S2−a−pib10]を使用して、実施例1と同様に袋を作成し、塩化ナトリウム水溶液を封入して、音響媒体を作成した。得られた音響媒体は透明で、対面の視認性は良好であった。この音響媒体を121℃、30分の蒸気滅菌処理を行った後、外観の変化を目視観察により評価したが、異常は認められなかった。この音響媒体を介して実施例1と同様にして甲状腺部の超音波画像を測定したところ実施例1よりも鮮明な画像が得られた。
[参考例4]
(ブロック共重合体水素化物[2−a]と炭化水素系重合体からなる弾性体[2−a−pib15]の作成)
ブロック共重合体水素化物[2−a]100重量部に対してポリイソブテンの配合量が15重量部の割合となるようにする以外は参考例3と同様にして、ブロック共重合体水素化物[2−a]にポリイソブテンを配合してなる弾性体[2−a−pib15]のペレット107部を得た。
得られた弾性体[2−a−pib15]のペレットを使用し、参考例1と同様にして射出成形により長さ65mm、幅65mm、厚さ2.9mmの試験片を成形した。この試験片を用いて測定した、音速は1,802m/秒、密度は0.90g/cmであった。この測定値から音響インピーダンスは1.62×10kg/m・秒と計算された。
[実施例4]
参考例4で得られた弾性体[2−a−pib15]のペレットを使用し、実施例1と同様にして、厚さ0.5mm、幅250mmのシート[S2−a−pib15]を押出し成形した。シート[S2−a−pib15]は実施例3で得られたシート[S2−a−pib10]よりも柔軟性が良好であった。また、得られたシートの全光線透過率は91%であり、透明性は良好であった。
押出シート[S2−a−pib15]を使用して、実施例1と同様に袋を作成し、塩化ナトリウム水溶液を封入して、音響媒体を作成した。得られた音響媒体は透明で、対面の視認性は良好であった。この音響媒体を121℃、30分の蒸気滅菌処理を行った後、外観の変化を目視観察により評価したが、異常は認められなかった。この音響媒体を介して実施例1と同様にして甲状腺部の超音波画像を測定したところ実施例2および実施例3よりも鮮明な画像が得られた。
[参考例5]
(ブロック共重合体水素化物[2−c]の合成)
重合段階でモノマーとして、スチレン35.0部、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.61部、イソプレン30.0部及びスチレン35.0部をこの順に反応系に添加して重合する以外は参考例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物[2−c]のペレット95部を得た。得られたブロック共重合体水素化物の重量平均分子量(Mw)は82,300、分子量分布(Mw/Mn)は1.04であった。水素化率はほぼ100%であった。
得られたブロック共重合体水素化物[2−c]のペレットを使用する以外は参考例1と同様にして射出成形し、長さ65mm、幅65mm、厚さ2.9mmの試験片を成形した。この試験片を用いて測定した、音速は1,882m/秒、密度は0.91g/cmであった。この測定値から音響インピーダンスは1.71×10kg/m・秒と計算された。
[比較例1]
参考例5で得られたブロック共重合体水素化物[2−c]のペレットを使用する以外は実施例1と同様にして、厚さ0.4mm、幅250mmのシート[S2−c]を押出し成形した。シート[S2−c]は実施例1で得られたシート[S2−a]よりも硬く、折り曲げると微細なクラックを生じた。得られたシート[S2−b]の全光線透過率は91%であり、透明性は良好であった。
押出シート[S2−c]を使用する以外は実施例1と同様に袋を作成し、塩化ナトリウム水溶液を封入して、音響媒体を作成した。得られた音響媒体は透明で、対面の視認性は良好であった。この音響媒体を121℃、30分の蒸気滅菌処理を行った後、外観の変化を目視観察により評価したが、異常は認められなかった。この音響媒体を介して実施例1と同様にして甲状腺部の超音波画像を測定したところ実施例1に比較して画像の鮮明さが低下した。
[参考例6]
(ブロック共重合体水素化物[2−d]の合成)
重合段階でモノマーとして、スチレン12.5部、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.49部、イソプレン75.0部及びスチレン12.5部をこの順に反応系に添加して重合する以外は参考例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物[2−d]のペレット93部を得た。得られたブロック共重合体水素化物の重量平均分子量(Mw)は95,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.04であった。水素化率はほぼ100%であった。
得られたブロック共重合体水素化物[2−d]のペレットを使用する以外は参考例1と同様にして射出成形し、長さ65mm、幅65mm、厚さ2.9mmの試験片を成形した。この試験片を用いて測定した、音速は1,715m/秒、密度は0.90g/cmであった。この測定値から音響インピーダンスは1.54×10kg/m・秒と計算された。
[比較例2]
参考例6で得られたブロック共重合体水素化物[2−d]のペレットを使用し、溶融樹脂温度200℃、Tダイ温度200℃、キャストロール温度50℃の成形条件にする以外は実施例1と同様にして、厚さ0.4mm、幅250mmのシート[S2−d]を押出し成形した。シート[S2−d]は実施例4で得られたシート[S2−a-pib15]よりも柔軟性が良好であった。また得られたシート[S2−d]の全光線透過率は91%であり、透明性は良好であった。
押出シート[S2−d]を使用する以外は実施例1と同様に袋を作成し、塩化ナトリウム水溶液を封入して、音響媒体を作成した。得られた音響媒体は透明で、対面の視認性は良好であった。この音響媒体を121℃、30分の蒸気滅菌処理を行った後、外観の変化を目視観察により評価したところ、外袋に波状のしわが認められた。この音響媒体を介して実施例1と同様にして甲状腺部の超音波画像を測定したところ実施例1に比較して画像の鮮明さが低下した。
実施例および比較例の結果から以下のことがわかる。
音響インピーダンスが人体の音響インピーダンスの1.62×10kg/m・秒に近い値を有する水素化されたブロック共重合体水素化物[2]、および、必要に応じ数平均分子量300〜5000の炭化水素系重合体からなる弾性体を成形してなる音響媒体を使用して、超音波診断装置で凹凸形状の対象を測定する場合、鮮明な画像が得られる(実施例1〜実施例4)。
また、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック[B]の、重合体全体に占める重量分率wAとwBとの比(wA:wB)が30:70〜65:35であるブロック共重合体[1]の、全不飽和結合の90%以上が水素化されたブロック共重合体水素化物[2]、および、必要に応じ数平均分子量300〜5000の炭化水素系重合体からなる弾性体を1〜30重量部を配合してなる弾性体を成形してなる音響媒体は、透明性、柔軟性、蒸気滅菌に対する耐熱性に優れる(実施例1〜実施例4)。
音響インピーダンスが人体の音響インピーダンスの値から0.08××10kg/m・秒離れたブロック共重合体水素化物[2]を成形してなる音響媒体を使用して、超音波診断装置で凹凸形状の対象を測定する場合、画像の鮮明さが低下する(比較例1、比較例2)。
重合体ブロック[A]と重合体ブロック[B]の、重合体全体に占める重量分率wAとwBとの比(wA:wB)が65:35よりも大きいブロック共重合体[1]が水素化されたブロック共重合体水素化物[2]を成形してなる音響媒体は、透明性、蒸気滅菌に対する耐熱性は優れるが、柔軟性は劣る(比較例1)。
また、重合体ブロック[A]と重合体ブロック[B]の、重合体全体に占める重量分率wAとwBとの比(wA:wB)が30:70よりも小さいブロック共重合体[1]が水素化されたブロック共重合体水素化物[2]を成形してなる音響媒体は、透明性、柔軟性は優れるが、蒸気滅菌に対する耐熱性に劣る(比較例2)。
本発明の特定の芳香族ビニル化合物と共役ジエンとから得られるブロック共重合体水素化物[2]、および、必要に応じ特定の低分子量炭化水素系重合体を配合してなる弾性体を成形してなる音響媒体は、柔軟性、透明性、蒸気滅菌に耐える耐熱性および人体にほぼ等しい音響オインピーダンスを有しているため、凹凸形状の対象を診断する場合に用いられ、より鮮明な画像を得るために使用する超音波診断用音響媒体として好適であり、産業上の利用価値が高い。

Claims (2)

  1. 芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック[A]の少なくとも2つと、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロック[B]の少なくとも1つとからなり、重合体全体に占める重合体ブロック[A]および重合体ブロック[B]の重量分率をwAおよびwBとしたときに、wAとwBとの比(wA:wB)が30:70〜65:35であるブロック共重合体[1]の、全不飽和結合の90%以上が水素化されたブロック共重合体水素化物[2]、および、必要に応じ数平均分子量300〜5000の炭化水素系重合体からなり、25℃での音響インピーダンスが1.55×10〜1.70×10 kg/m・秒である弾性体を成形してなる音響媒体。
  2. 前記数平均分子量300〜5000の炭化水素系重合体の量が、ブロック共重合体水素化物[2]100重量部に対して2〜25重量部である請求項1記載の音響媒体。
JP2013014940A 2013-01-30 2013-01-30 音響媒体 Expired - Fee Related JP6011369B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013014940A JP6011369B2 (ja) 2013-01-30 2013-01-30 音響媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013014940A JP6011369B2 (ja) 2013-01-30 2013-01-30 音響媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014144155A true JP2014144155A (ja) 2014-08-14
JP6011369B2 JP6011369B2 (ja) 2016-10-19

Family

ID=51424917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013014940A Expired - Fee Related JP6011369B2 (ja) 2013-01-30 2013-01-30 音響媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6011369B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018512766A (ja) * 2015-03-03 2018-05-17 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 音響窓層を有するcmutアレイ

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05220143A (ja) * 1991-11-06 1993-08-31 Nitto Denko Corp 音響媒体
JPH05228143A (ja) * 1991-12-02 1993-09-07 Nitto Denko Corp 油性ゲル組成物およびそれを用いた音響媒体
WO2011096389A1 (ja) * 2010-02-02 2011-08-11 日本ゼオン株式会社 太陽電池素子封止用樹脂組成物及び太陽電池モジュール

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05220143A (ja) * 1991-11-06 1993-08-31 Nitto Denko Corp 音響媒体
JPH05228143A (ja) * 1991-12-02 1993-09-07 Nitto Denko Corp 油性ゲル組成物およびそれを用いた音響媒体
WO2011096389A1 (ja) * 2010-02-02 2011-08-11 日本ゼオン株式会社 太陽電池素子封止用樹脂組成物及び太陽電池モジュール

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018512766A (ja) * 2015-03-03 2018-05-17 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. 音響窓層を有するcmutアレイ
US11358174B2 (en) 2015-03-03 2022-06-14 Koninklijke Philips N.V. CMUT array comprising an acoustic window layer

Also Published As

Publication number Publication date
JP6011369B2 (ja) 2016-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6690635B2 (ja) 光学フィルム
EP2415836B1 (en) Composition for stretchable film
JP6423276B2 (ja) 熱可塑性重合体組成物、シューズおよびアウターソール
JP5533866B2 (ja) 伸縮性フィルム用組成物
CN104817808A (zh) 高强度、高回弹力医用tpe止血带及其制备方法
JP2010126636A (ja) 熱可塑性重合体組成物
JP2017197682A (ja) 熱可塑性エラストマー樹脂組成物
CN108779312A (zh) 氟树脂组合物、成形材料及成形体
JP2018162408A (ja) 4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物
CN108713041A (zh) 树脂组合物、热密封剂、液体包装容器用膜、液体包装容器、液体排出构件和医疗容器
JP6011369B2 (ja) 音響媒体
JPWO2003018656A1 (ja) ブロック共重合体、その製造方法、および成形体
JPWO2018180427A1 (ja) 樹脂組成物、並びに、成形体およびその製造方法
JP2010202716A (ja) ブロック共重合体組成物の製造方法
JP7205087B2 (ja) ブロック共重合体水素化物
JP4985397B2 (ja) 樹脂組成物及び成形体
JP7334739B2 (ja) 積層体
JPWO2019159672A1 (ja) 酸無水物基含有ブロック共重合体、樹脂組成物、樹脂シート、および合わせガラス
JP2018016738A (ja) ブロック共重合体水素化物
JP2013048560A (ja) 培養用容器
JP5214119B2 (ja) ガスバリア性樹脂組成物
JP4918720B2 (ja) 耐熱性に優れる重合体
US11981805B2 (en) Fatigue resistant and fracture resistant hydrogels
US20220064431A1 (en) Fatigue resistant and fracture resistant hydrogels
JP7420070B2 (ja) 接着性樹脂の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160905

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6011369

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees