JP7205087B2 - ブロック共重合体水素化物 - Google Patents

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Description

本発明は、ブロック共重合体水素化物およびブロック共重合体水素化物の製造方法に関するものである。
従来より、芳香族ビニル単量体単位と共役ジエン単量体単位とからなる共重合体の水素化物は、例えば、(i)保持力、タック、粘着力の性能のバランスに優れ、かつ低溶融粘度の粘接着剤用組成物のベースポリマー(例えば、特許文献1)や、(ii)流動性、圧縮永久ひずみ性、柔軟性に優れる熱可塑性エラストマー組成物(例えば、特許文献2)、など、様々な目的乃至用途に用いられている。
特開2012-126822号公報 特開2016-20508号公報
しかしながら、上記従来の共重合体の水素化物は、成形体の耐熱性を向上させるという点において改善の余地があった。さらに、上記従来の共重合体の水素化物を用いた成形体は、環状オレフィン開環重合体水素化物(COP)からなる成形体に対する密着性を向上させるという点においても改善の余地があった。
そこで、本発明は、上述した改善点を有利に解決する手段を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決することを目的として鋭意検討を行った。そして、本発明者は、芳香族ビニル化合物に由来する芳香族ビニル単量体単位を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物に由来する鎖状共役ジエン(直鎖状共役ジエン、分岐鎖状共役ジエン)単量体単位を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B]とからなるブロック共重合体[C]を水素化したブロック共重合体水素化物[D]であって、前記ブロック共重合体水素化物[D]を含有する試料のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した溶出曲線が、最も溶出時間の早いピークトップを示す所定のブロック共重合体水素化物由来ピーク(第1ピーク)と、2番目に溶出時間の早いピークトップを示す所定のブロック共重合体水素化物由来ピーク(第2ピーク)とを有するブロック共重合体水素化物を用いることで、耐熱性が高いと共に環状オレフィン開環重合体水素化物(COP)からなる成形体に対する密着性が高い成形体を成形可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル化合物に由来する芳香族ビニル単量体単位を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物に由来する鎖状共役ジエン単量体単位を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B]とからなるブロック共重合体[C]を水素化したブロック共重合体水素化物[D]であって、前記ブロック共重合体水素化物[D]を含有する試料のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した溶出曲線が、少なくとも2つのブロック共重合体水素化物由来ピークを有し、前記少なくとも2つのブロック共重合体水素化物由来ピークのうち、最も溶出時間の早いピークトップを示すブロック共重合体水素化物由来ピークを第1ピークとし、2番目に溶出時間の早いピークトップを示すブロック共重合体水素化物由来ピークを第2ピークとしたときに、前記第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)に対する前記第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)の比(前記第1ピークトップ感度(mV)/前記第2ピークトップ感度(mV))が、1.5以上9.0以下であり、前記第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が5000以上である、ことを特徴とする。このように、ブロック共重合体水素化物[D]を含有する試料のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した溶出曲線が、第1ピークと第2ピークとを有し、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が所定範囲内であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量が所定値以上であるブロック共重合体水素化物を用いることで、耐熱性が高いと共に環状オレフィン開環重合体水素化物(COP)からなる成形体に対する密着性が高い成形体を成形可能である。
なお、本発明において、「芳香族ビニル単量体単位」は、「芳香族ビニル単量体(芳香族ビニル化合物)に由来する構造単位」を意味し、「鎖状共役ジエン単量体単位」は、「鎖状共役ジエン単量体(鎖状共役ジエン化合物)に由来する構造単位」を意味し、「芳香族ビニル単量体単位を主成分とする」は、「芳香族ビニル単量体単位を50質量%超含有する」ことを意味し、「鎖状共役ジエン単量体単位を主成分とする」は、「鎖状共役ジエン単量体単位を50質量%超含有する」ことを意味する。
また、本発明において、「示差屈折計(RI)の検出感度(mV)」は、GPC溶出曲線の各ピークにおけるピークトップ感度を意味し、例えば、後述する図1では、「ピークトップ感度(mV)」に相当する。
ここで、本発明のブロック共重合体水素化物において、前記第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)に対する前記第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)の比(前記第1ピーク分子量/前記第2ピーク分子量)が1.5以上30.0以下である、ことが好ましい。
第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が所定範囲内であるブロック共重合体水素化物を用いれば、耐熱性が高いと共に環状オレフィン開環重合体水素化物(COP)からなる成形体に対する密着性がより高い成形体を成形可能である。
そして、本発明のブロック共重合体水素化物において、前記ブロック共重合体[C]中の全芳香族ビニル単量体単位が前記ブロック共重合体[C]全体に占める質量分率をwAとし、前記ブロック共重合体[C]中の全鎖状共役ジエン単量体単位が前記ブロック共重合体[C]全体に占める質量分率をwBとしたときの、wAとwBとの比(wA:wB)が70:30~90:10であるブロック共重合体[C]の、主鎖および側鎖の炭素-炭素不飽和結合を水素化してなる、ことが好ましい。
wA:wBが70:30~90:10であるブロック共重合体の、主鎖および側鎖の炭素-炭素不飽和結合を水素化してなれば、ブロック共重合体水素化物の低温下での耐衝撃性および剛性が低下するのを抑制することができるからである。
そして、本発明のブロック共重合体水素化物において、ブロック共重合体[C]の炭素-炭素不飽和結合を水素化率95%以上で水素化してなる、ことが好ましい。
ブロック共重合体[C]の炭素-炭素不飽和結合を水素化率95%以上で水素化してなれば、ブロック共重合体水素化物の低温下での耐衝撃性および剛性が低下するのをより抑制することができるからである。
また、本発明において、「水素化率」とは、各ブロック共重合体に含まれる不飽和結合のうち水素化された不飽和結合の割合を示し、本明細書の実施例に記載のH-NMRを用いた手法で求めることができる。
そして、本発明のブロック共重合体水素化物において、前記ブロック共重合体[C]がトリブロック共重合体またはペンタブロック共重合体である、ことが好ましい。
トリブロック共重合体またはペンタブロック共重合体の水素化物であるブロック共重合体水素化物を用いれば、得られる成形体の耐熱性、および、得られる成形体のCOP成形体に対する密着性を維持したまま、低温化での耐衝撃性、剛性を低下させることない樹脂を得ることができるからである。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のブロック共重合体水素化物の製造方法は、ピークトップ分子量(Mp)が異なる少なくとも2種類のブロック共重合体水素化物を製造するブロック共重合体水素化物の製造方法であって、有機リチウム化合物を含む開始剤を用いて、芳香族ビニル単量体と鎖状共役ジエン単量体とを共重合させる共重合工程と、前記共重合工程により得られたブロック共重合体を水素化する水素化工程と、を含み、前記共重合工程において、前記開始剤または停止剤を複数回に分けて添加する、ことを特徴とする。
このように、共重合工程において、開始剤または停止剤を複数回に分けて添加することで、ピークトップ分子量(Mp)が異なる少なくとも2種類のブロック共重合体水素化物を効率的に製造することができる。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のブロック共重合体水素化物の製造方法は、ピークトップ分子量(Mp)が異なる少なくとも2種類のブロック共重合体水素化物を製造するブロック共重合体水素化物の製造方法であって、有機リチウム化合物を含む開始剤を用いて、芳香族ビニル単量体と鎖状共役ジエン単量体とを共重合させる共重合工程と、前記共重合工程により得られたブロック共重合体を水素化する水素化工程と、を含み、前記共重合工程において、前記共重合の際に停止剤を添加することを含むことを特徴とする。
このように、共重合工程において、共重合の際に停止剤を添加することで、ピークトップ分子量(Mp)が異なる少なくとも2種類のブロック共重合体水素化物を効率的に製造することができる。
本発明によれば、耐熱性が高いと共に環状オレフィン開環重合体水素化物(COP)からなる成形体に対する密着性が高い成形体を成形可能であるブロック共重合体水素化物および該ブロック共重合体水素化物を製造する方法を提供することができる。
ブロック共重合体水素化物を含有する試料のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した溶出曲線の一例を説明するための図である。なお、図1の縦軸は、ポリスチレン換算分子量(左縦軸)または感度(mV)(右縦軸)を示し、図1の横軸は、溶出時間(分)を示す。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明のブロック共重合体水素化物は、ブロック共重合体水素化物含有組成物の調製に用いられる。また、本発明のブロック共重合体水素化物は、例えば、本発明のブロック共重合体水素化物の製造方法により得られる。
(ブロック共重合体水素化物)
本発明のブロック共重合体水素化物は、芳香族ビニル化合物に由来する芳香族ビニル単量体単位を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物に由来する鎖状共役ジエン単量体単位を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B]とからなるブロック共重合体[C]を水素化したブロック共重合体水素化物[D]であって、前記ブロック共重合体水素化物[D]を含有する試料のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した溶出曲線が、少なくとも2つのブロック共重合体水素化物由来ピークを有し、前記少なくとも2つのブロック共重合体水素化物由来ピークのうち、最も溶出時間の早いピークトップを示すブロック共重合体水素化物由来ピークを第1ピークとし、2番目に溶出時間の早いピークトップを示すブロック共重合体水素化物由来ピークを第2ピークとしたときに、前記第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)に対する前記第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)の比(前記第1ピークトップ感度(mV)/前記第2ピークトップ感度(mV))が所定範囲内であり、前記第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が所定値以上である、ことを特徴とする。
そして、本発明のブロック共重合体水素化物は、ブロック共重合体水素化物を含有する試料のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した溶出曲線が、最も溶出時間の早いピークトップを示す所定のブロック共重合体水素化物由来ピーク(第1ピーク)と、2番目に溶出時間の早いピークトップを示す所定のブロック共重合体水素化物由来ピーク(第2ピーク)とを有するため、耐熱性が高いと共に環状オレフィン開環重合体水素化物(COP)からなる成形体に対する密着性が高い成形体を成形可能である。
<ブロック共重合体>
ブロック共重合体は、本発明のブロック共重合体水素化物の前駆体である。
ブロック共重合体は、芳香族ビニル単量体単位を主成分とする重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン単量体単位を主成分とする重合体ブロック[B]とを含有するブロック共重合体であり、テーパードブロック共重合体をも含む概念である。
なお、テーパードブロック共重合体は、ブロック共重合体部分のみならずランダム共重合部分を含むブロック共重合体、または、ブロック共重合体部分の組成比が連続的に変化するブロック共重合体を意味する。なお、テーパードブロック共重合体は、ブロック共重合体Aとブロック共重合体Bとの結合部分にA,B組成のランダム共重合部分を含むブロック共重合体であってもよく、ブロック共重合体Aとブロック共重合体Bとの結合部分にA,B組成が連続的に組成変化するブロック共重合体であってもよい。
以下、ブロック共重合体の組成および構造について詳述するが、この記載に限定されるものではない。
ここで、ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は、15000以上であることが好ましく、20000以上であることがより好ましく、25000以上であることが更に好ましく、150000以下であることが好ましく、120000以下であることがより好ましく、100000以下であることが更に好ましい。ブロック共重合体の重合平均分子量が15000以上で、150000以下であれば、押出成形にてフィルム成形をすることができる。
また、ブロック共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、30以下であることが好ましく、15以下であることが好ましく、10以下であることが更に好ましい。分子量分布が30以下であれば、樹脂強度を改善することができる。
なお、本発明において、重合体の「重量平均分子量」および「分子量分布」は、本明細書の実施例に記載の方法を用いて測定することができる。
<<芳香族ビニル単量体単位>>
芳香族ビニル単量体単位を形成しうる芳香族ビニル単量体としては、スチレンおよびその誘導体が挙げられ、具体的には、スチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2,4-ジイソプロピルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、5-t-ブチル-2-メチルスチレン、4-モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、4-モノフルオロスチレン、および4-フェニルスチレンなどが挙げられる。これらの中でも、吸湿性を低減すべく、極性基を含有しないもの、具体的には、スチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2,4-ジイソプロピルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、5-t-ブチル-2-メチルスチレン、および4-フェニルスチレンが好ましく、工業的な入手の容易さからスチレンが特に好ましい。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
<<鎖状共役ジエン単量体単位>>
鎖状共役ジエン単量体単位を形成しうる鎖状共役ジエン単量体としては、特に限定されないが、吸湿性を低減すべく、極性基を含有しないものが好ましく、具体的には、1,3-ブタジエン、イソプレン(2-メチル-1,3-ブタジエン)、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエンなどが好ましく挙げられる。これらの中でも、工業的な入手の容易さから1,3-ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
<<重合体ブロック[A]>>
重合体ブロック[A]中の芳香族ビニル単量体単位の含有割合は、重合体ブロック[A]中の全繰り返し単位を100質量%とした場合に、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、特に好ましくは100質量%である。重合体ブロック[A]中の芳香族ビニル単量体単位の含有割合が80質量%以上であれば、ブロック共重合体水素化物中の重合体ブロック[A]由来のミクロ相分離ドメインを維持することができ、引張強度および芳香族単量体ブロックの耐熱性を維持することができる。
なお、重合体ブロック[A]は、芳香族ビニル単量体単位以外の単量体単位を含んでいてもよく、そのようなその他の単量体単位は、鎖状共役ジエン単量体単位であってもよい。また、その他の単量体単位を形成しうる単量体としては、吸湿性を低減すべく、極性基を含有しないものが好ましく、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ドデセン、1-エイコセン、4-メチル-1-ペンテン、4,6-ジメチル-1-ヘプテンなどの鎖状オレフィン;ビニルシクロヘキサンなどの環状オレフィンが挙げられる。
なお、ブロック共重合体が重合体ブロック[A]を複数有する場合は、複数の重合体ブロック[A]の単量体組成は同一あってもよく、異なっていてもよい。
<<重合体ブロック[B]>>
重合体ブロック[B]中の鎖状共役ジエン単量体単位の含有割合は、重合体ブロック[B]中の全繰り返し単位を100質量%とした場合に、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは100質量%である。重合体ブロック[B]中の鎖状共役ジエン単量体単位の含有割合が60質量%以上であれば、ブロック共重合体中の重合体ブロック[B]由来のガラス転移温度(Tg)を得ることができ、低温衝撃強度を維持することができる。
なお、重合体ブロック[B]は、鎖状共役ジエン単量体単位以外の単量体単位を含んでいてもよく、そのようなその他の単量体単位は、芳香族ビニル単量体単位であってもよいし、その他の単量体単位は「重合体ブロック[A]」の項で上述した鎖状オレフィン、環状オレフィンから形成されてもよい。
なお、ブロック共重合体が重合体ブロック[B]を複数有する場合は、複数の重合体ブロック[B]の単量体組成は同一あってもよく、異なっていてもよい。
ブロック共重合体は、少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、少なくとも1つの重合体ブロック[B]とを含有する高分子である。
ここで、ブロック共重合体中の重合体ブロック[A]の数は、物性制御の観点から、通常5つ以下、好ましくは4つ以下、より好ましくは3つ以下であり、更に好ましくは2つである。
また、ブロック共重合体中の重合体ブロック[B]の数は、物性制御の観点から、通常4つ以下、好ましくは3つ以下、より好ましくは2つ以下、また、更に好ましくは1つである。
-wA:wB-
ブロック共重合体[C]中の全芳香族ビニル単量体単位がブロック共重合体全体に占める質量分率をwAとし、ブロック共重合体中の全鎖状共役ジエン単量体単位がブロック共重合体全体に占める質量分率をwBとしたときに、wAとwBとの比(wA:wB)は、好ましくは70:30~90:10、より好ましくは、72:28~88:12、更に好ましくは、80:20~85:15である。
wAが多過ぎる場合は、得られる成形体の環状オレフィン開環重合体水素化物(COP)からなる成形体に対する密着性が低下するおそれがある。一方、wAが少な過ぎる場合は、得られる成形体の耐熱性が低下するおそれがある。
なお、「wAとwBとの比(wA:wB)」については、ブロック共重合体を製造する過程において、ブロック共重合体の重合に用いた芳香族ビニル単量体、鎖状共役ジエン単量体およびその他のビニル系化合物の部数と、ガスクロマトグラフィー(GC)を使用して測定されたブロック共重合体の各ブロックの重合終了段階での用いたモノマーの重合体への重合転化率により、各単量体単位の質量分率を算出することができる。
-ブロック構造-
ブロック共重合体のブロックの形態は、鎖状型ブロックでもラジアル型ブロックでもよいが、鎖状型ブロックであるものが、機械的強度に優れ好ましい。また、ブロック共重合体は、機械強度向上の観点から、重合体ブロック[B]の両端に重合体ブロック[A]が結合した構造(すなわち、A-B-Aの順に並んだ構造)を少なくとも1箇所有することが好ましい。
そしてブロック共重合体の特に好ましい形態としては、物性制御および機械強度向上の観点から、重合体ブロック[B]の両端に重合体ブロック[A]が結合してなるトリブロック共重合体(A-B-A)、および、重合体ブロック[A]の両端に重合体ブロック[B]が結合し、更に、該2つの重合体ブロック[B]の他端にそれぞれ重合体ブロック[A]が結合してなるペンタブロック共重合体(A-B-A-B-A)が挙げられ、トリブロック共重合体(A-B-A)が最も好ましい。
ブロック共重合体[C]は、対称性の異なる複数のトリブロック共重合体を含むことが好ましい。
本願において、トリブロック共重合体[Aa]-[B]-[Ab]の対称性とは、ブロック[Aa]の質量Aaとブロック[Ab]の質量Ab(但しAa≧Ab)の比Aa/Abに関する特性であり、Aa/Abが小さく1に近いトリブロック共重合体を、対称性が高いトリブロック共重合体といい、Aa/Abが大きいトリブロック共重合体を、対称性が低いトリブロック共重合体という。
好ましい例として、ブロック共重合体[C]が、対称性が低いトリブロック共重合体[CX]及び対称性が高いトリブロック共重合体[CY]を含む例を、以下に説明する。
この例において、トリブロック共重合体[CX]は、重合体ブロック[A]としてのブロック[AaX]及び[AbX]、並びに重合体ブロック[B]としてのブロック[BX]を含むトリブロック共重合体[AaX]-[BX]-[AbX]である。トリブロック共重合体[CY]は、重合体ブロック[A]としてのブロック[AaY]及び[AbY]、並びに重合体ブロック[B]としてのブロック[BY]を含むトリブロック共重合体[AaY]-[BY]-[AbY]である。
トリブロック共重合体[CX]におけるブロック[AaX]及び[AbX]の質量比AaX/AbXは、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、特に好ましくは5以上であり、好ましくは11以下、より好ましくは10以下、特に好ましくは9以下である。トリブロック共重合体[CY]におけるブロック[AaY]及び[AbY]の質量比AaY/AbYは、1以上であり、好ましくは3未満、より好ましくは2以下であり、特に好ましくは1.5以下である。このような、異なる対称性を有するトリブロック共重合体[CX]及び[CY]を含むことにより、耐熱性及び強靭性を兼ね備える等の非対称トリブロック共重合体の利点を享受しながら、環状オレフィン開環重合体水素化物(COP)からなる成形体に対する密着性が高い成形体とすることができる。
さらに物性向上の観点から、ブロック共重合体[C]の第1ピークが示す重合体の主成分は対称性が高いトリブロック共重合体であり、第2ピークが示す重合体の主成分は対称性が低いトリブロック共重合体であることが好ましい。
<ブロック共重合体の水素化>
上述したブロック共重合体中の不飽和結合(例えば、主鎖および側鎖の炭素-炭素不飽和結合、並びに、芳香環の炭素-炭素不飽和結合などを含む)を水素化することで、ブロック共重合体水素化物を得ることができる。
-分子量-
ここで、ブロック共重合体水素化物の重量平均分子量(Mw)は、10000以上であることが好ましく、15000以上であることがより好ましく、20000以上であることが更に好ましく、150000以下であることが好ましく、120000以下であることがより好ましく、100000以下であることが更に好ましい。ブロック共重合体水素化物の重合平均分子量が10000以上で150000以下であれば、押出成形にてフィルム成形をすることができる。
また、ブロック共重合体水素化物の分子量分布(Mw/Mn)は、30以下であることが好ましく、15以下であることが好ましく、10以下であることが更に好ましい。分子量分布が30以下であれば、樹脂強度を改善することができる。
-水素化率-
そして、水素化による得られるブロック共重合体水素化物の水素化率は、95モル%以上であることが好ましく、97モル%以上であることが好ましく、99モル%以上であることがより好ましい。水素化率が95モル%以上であれば、耐候性を改良することができる。
ブロック共重合体水素化物の、鎖状共役ジエン化合物に由来する炭素-炭素不飽和結合の水素化率、並びに、芳香族ビニル化合物に由来する炭素-炭素不飽和結合の水素化率は、例えば、ブロック共重合体およびブロック共重合体水素化物のH-NMRを測定することにより、求めることができる。
ブロック共重合体中の不飽和結合の水素化方法や反応形態等は特に限定されず、公知の方法に従って行えばよい。
ブロック共重合体の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖および側鎖の炭素-炭素不飽和結合を選択的に水素化する方法としては、例えば、特開2015-78090号公報等に記載された公知の水素化方法が挙げられる。
また、ブロック共重合体の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖および側鎖の炭素-炭素不飽和結合、並びに、芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素-炭素不飽和結合を水素化する方法としては、例えば、国際公開第2011/096389号、国際公開第2012/043708号等に記載された方法が挙げられる。
水素化反応終了後においては、水素化触媒、或いは、水素化触媒および重合触媒を反応溶液から除去した後、得られた溶液から溶剤を除去してブロック共重合体水素化物を回収することができる。
-ブロック共重合体水素化物-
ブロック共重合体水素化物は、ブロック共重合体の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖および側鎖の炭素-炭素不飽和結合のみを選択的に水素化した高分子であってもよいし、ブロック共重合体の芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素-炭素不飽和結合のみを選択的に水素化した高分子であってもよいし、ブロック共重合体の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖および側鎖の炭素-炭素不飽和結合並びに芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素-炭素不飽和結合を水素化した高分子であってもよいし、これらの混合物であってもよい。
ブロック共重合体の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖および側鎖の炭素-炭素不飽和結合のみを選択的に水素化する場合、主鎖および側鎖の炭素-炭素不飽和結合の水素化率は、通常95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上であり、芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素-炭素不飽和結合の水素化率は、通常10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。
なおここで、「主鎖および側鎖の炭素-炭素不飽和結合を水素化すること」は、「ブロック共重合体における鎖状共役ジエン化合物に由来の二重結合を水素化すること」を意味し、「芳香環の炭素-炭素不飽和結合を水素化すること」は、「ブロック共重合体における芳香環に由来の二重結合を水素化すること」を意味する。
ブロック共重合体の鎖状共役ジエン化合物に由来する主鎖および側鎖の炭素-炭素不飽和結合、並びに、芳香族ビニル化合物に由来する芳香環の炭素-炭素不飽和結合を水素化する場合、水素化率は、全炭素-炭素不飽和結合の95%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上である。
<ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した溶出曲線>
ブロック共重合体水素化物を含有する試料のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した溶出曲線におけるブロック共重合体水素化物由来ピークの数は、少なくとも2つである限り、特に制限はないが、4つ以下であることが好ましく、3つ以下であることがより好ましく、2つであることが特に好ましい。
ここで、溶出曲線は、ブロック共重合体水素化物由来ピークを検出可能なものであればよく、ブロック共重合体水素化物のみをGPC測定することにより得られた溶出曲線だけでなく、ブロック共重合体水素化物を含む組成物より得られた溶出曲線(例えば、老化防止剤とブロック共重合体水素化物とを含む組成物)であってもよい。
なお、本明細書において、「ピーク」とは「ベースラインに対して突出した部分」を意味し、「ピークトップ」とは「示差屈折計(RI)の検出感度(mV)が一番高い頂点」を意味する。
ここで、少なくとも2つのブロック共重合体水素化物由来ピークのうち、最も溶出時間の早いピークトップを示すブロック共重合体水素化物由来ピークを第1ピークとし、2番目に溶出時間の早いピークトップを示すブロック共重合体水素化物由来ピークを第2ピークとする。例えば、図1では、Aが第1ピークであり、Bが第2ピークであり、溶出時間約16分で検出されるCがブロック共重合体水素化物を製造するときに使われた溶媒(例えば、シクロヘキサン)に由来するピークであり、16.5分以降のマイナス側に検出される2つのピークはGPC測定で用いた溶媒としてのテトラヒドロフラン(THF)に由来するピークである。Dは老化防止剤に由来するピークである。
また、図1において、EはGPCで測定された標準ポリスチレンの分子量のプロット(キャリブレーションカーブ)であり、図1に示すように、このキャリブレーションカーブとGPCで測定されたブロック共重合体水素化物の溶出時間から、「第1ピークの感度が最も高い溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)」および「第2ピークの感度が最も高い溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)」を算出する。
なお、図1の溶出曲線では、Dの老化防止剤由来のピークは、本発明のブロック共重合体水素化物によるものではない。
<<第1ピーク>>
第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)は、特に制限はないが、15000以上であることが好ましく、20000以上であることがより好ましく、25000以上であることが更に好ましく、150000以下であることが好ましく、120000以下であることがより好ましく、100000以下であることが更に好ましい。第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が、15000以上であれば、樹脂の衝撃強度を確保することができ、150000以下であれば、フィルムを押し出し成型することができる。
<<第2ピーク>>
第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)は、5000以上である限り、特に制限はないが、10000以上であることが好ましく、15000以上であることがより好ましく、20000以上であることが更に好ましく、80000以下であることが好ましく、70000以下であることがより好ましく、60000以下であることが更に好ましい。第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が、5000以上であると樹脂強度を改良することができ、80000以下であれば、耐熱性を改良することができる。
第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)に対する第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)の比(第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV))は、1.5以上9.0以下である限り、特に制限はないが、2.0以上であることが好ましく、2.5以上であることがより好ましく、3.0以上であることが更に好ましく、8.0以下であることが好ましく、6.0以下であることがより好ましい。第2ピークトップ感度(mV)に対する第1ピークトップ感度(mV)の比が、1.5以上であれば、得られる成形体の耐熱性をより改良することができ、9.0以下であれば、得られる成形体の環状オレフィン開環重合体水素化物(COP)からなる成形体に対する密着性をより改良することができる。
第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)に対する第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)の比(第1ピーク分子量/第2ピーク分子量)は、特に制限はないが、1.5以上であることが好ましく、2.0以上であることがより好ましく、4.0以上であることが更に好ましく、30.0以下であることが好ましく、20.0以下であることがより好ましく、10.0以下であることが更に好ましい。第2ピーク分子量に対する第1ピーク分子量の比が、1.5以上であり、かつ、30.0以下であれば、フィルム成膜強度および環状オレフィン開環重合体水素化物(COP)からなる成形体に対する接着性向上を両立することができる。
なお、水素化反応(水添反応)に供するブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)と、水素化温度(水添温度)と、水素化反応時間(水添反応時間)と、水素化反応(水添反応)における水素供給停止時間とを適宜調整することにより、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した溶出曲線において所定の第1ピークと所定の第2ピークとを有するブロック共重合体水素化物が得られる。
以下、「水素化反応(水添反応)に供するブロック共重合体を含有する試料のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した溶出曲線における第1ピークおよび第2ピーク」について説明するが、上述の図1を用いて説明した「ブロック共重合体水素化物を含有する試料のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した溶出曲線における第1ピークおよび第2ピーク」と同様である。
第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)は、特に制限はないが、10000以上であることが好ましく、15000以上であることがより好ましく、20000以上であることが更に好ましく、150000以下であることが好ましく、120000以下であることがより好ましく、100000以下であることが更に好ましい。第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が、10000以上であれば、樹脂の衝撃強度を確保することができ、150000以下であれば、フィルムを押し出し成型することができる。
第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)は、特に制限はないが、5000以上であることが好ましく、10000以上であることがより好ましく、15000以上であることが更に好ましく、80000以下であることが好ましく、70000以下であることがより好ましく、60000以下であることが更に好ましい。第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が、5000以上であり、かつ、80000以下であれば、耐熱性を改良することができる。
(ブロック共重合体水素化物の製造方法)
本発明のブロック共重合体水素化物の製造方法は、ブロック共重合体水素化物を製造する製造方法であり、共重合工程と、水素化工程とを含み、必要に応じて、シラン変性工程等のその他の工程を含む。
<共重合工程>
共重合工程は、有機リチウム化合物を含む開始剤を用いて、芳香族ビニル単量体と鎖状共役ジエン単量体とを共重合させる工程である。
共重合の方法は、有機リチウム化合物を含む開始剤を用いた共重合であり、且つ、開始剤を複数回に分けて添加する、または、共重合の際に停止剤を添加する限り、特に限定されず、芳香族ビニル単量体と鎖状共役ジエン単量体を含む単量体組成物を、既知の方法で重合することにより、ブロック共重合体[C]を調製することができる。
-有機リチウム化合物-
有機リチウム化合物は、通常、アニオン重合に用いられるものであり、特に制限はなく、例えば、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、n-プロピルリチウム、iso-プロピルリチウム、ベンジルリチウム等のモノ有機リチウム化合物;1,4-ジリチオブタン、1,5-ジリチオペンタン、1,6-ジリチオヘキサン、1,10-ジリチオデカン、1,1-ジリチオジフェニレン、ジリチオポリブタジエン、ジリチオポリイソプレン、1,4-ジリチオベンゼン、1,2-ジリチオ-1,2-ジフェニルエタン、1,4-ジリチオ-2-エチルシクロヘキサン、1,3,5-トリリチオベンゼン、1,3,5-トリリチオ-2,4,6-トリエチルベンゼン等の多官能性有機リチウム化合物;などが挙げられる。これらの中でも、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム等のモノ有機リチウム化合物が好ましい。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
-開始剤または停止剤を複数回に分けて添加-
「開始剤または停止剤を複数回に分けて添加」とは、2回以上に分けて開始剤または停止剤を添加することを意味する。反応制御性の観点から、開始剤または停止剤は2回以上に分けて添加することが好ましく、物性向上の観点から、分子鎖の短い左右対称なブロック共重合体と、分子鎖の長い非対称なブロック共重合体とが生成するように、芳香族ビニル単量体単位を主成分とする重合体ブロック[A]の重合途中で開始剤または停止剤を添加することが好ましい。例えば、トリブロック共重合体[Aa]-[B]-[Ab]の場合、[Aa]の重合途中で開始剤を添加し、対称性が低いブロック共重合体[AaX]-[BX]-[AbX]および対称性が高いブロック共重合体[AaY]-[BY]-[AbY]が生成するようなタイミングで、開始剤を添加することが好ましい。さらに、反応制御性の観点から、2回目の開始剤または停止剤の添加の前後で、芳香族ビニル単量体を分けて添加することが好ましく、開始剤の添加前の芳香族ビニル単量体の仕込み量と、開始剤の添加後の芳香族ビニル単量体の仕込み量とが同量になるように、開始剤の添加前後の芳香族ビニル単量体の仕込み量を調節することが好ましい。ペンタブロックの場合も同様に、分子鎖の短い左右対称なブロック共重合体と、分子鎖の長い非対称なブロック共重合体とが生成するように、開始剤を添加することが好ましい。
-共重合の際に停止剤を添加-
「共重合の際に停止剤を添加」とは、共重合の途中に完全に反応が停止しない量の停止剤を添加することを意味する。物性向上の観点から、分子鎖の短い左右対称なブロック共重合体と、分子鎖の長い非対称なブロック共重合体とが生成するように、芳香族ビニル単量体単位を主成分とする重合体ブロック[A]の重合途中で停止剤を添加することが好ましい。例えば、トリブロック共重合体[Aa]-[B]-[Ab]の場合、[Ab]の重合途中で停止剤を添加し、対称性が低いブロック共重合体[AaX]-[BX]-[AbX]および対称性が高いブロック共重合体[AaY]-[BY]-[AbY]が生成するようなタイミングで、反応が完全に停止しない量の停止剤を添加することが好ましい。さらに、反応制御性の観点から、完全に反応が停止しない量の停止剤の添加の前後で、芳香族ビニル単量体を分けて添加することが好ましく、停止剤の添加前の芳香族ビニル単量体の仕込み量と、停止剤の添加後の芳香族ビニル単量体の仕込み量とが同量となるように、停止剤の添加前後の芳香族ビニル単量体の仕込み量を調節することが好ましい。ペンタブロックの場合も同様に、分子鎖の短い左右対称なブロック共重合体と、分子鎖の長い非対称なブロック共重合体とが生成するように、反応が完全に停止しない量の停止剤を添加することが好ましい。
--停止剤--
停止剤としては、特に制限はなく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、水、塩酸、クエン酸、などが挙げれられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、メタノールが好ましい。
<水素化工程>
水素化工程は、共重合工程により得られたブロック共重合体を水素化する工程である。
ブロック共重合体中の不飽和結合を水素化する方法(水素化方法)としては、特に限定されず、既知の方法を採用することができるが、水素化率を高くしつつ、重合体鎖切断反応を抑制しうる水素化方法が好ましい。このような水素化方法としては、例えば、国際公開第2011/096389号、国際公開第2012/043708号などに記載された方法を挙げることができる。
上述した本発明のブロック共重合体水素化物を少なくとも含み、必要に応じて、リン系酸化防止剤、フェノール系老化防止剤、その他の成分等の添加物をさらに含むブロック共重合体水素化物含有組成物を用いてフィルム等の成形体が形成される。
-リン系酸化防止剤-
リン系酸化防止剤は、特に制限はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシリホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェノル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、10-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-9、10-ジヒドロ-9-オキサ-10ホスファフェナントレン-10-オキサイド等のモノホスファイト系化合物、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tブチルフェニル-ジ-トリデシルホスファイト)4,4’-イソプロピリデン-ビス(フェニル-ジ-アルキル(C12~C15)ホスファイト)等のジホスファイト系化合物;6-〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ〕-2,4,8,10-テトラキス-t-ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピン、6-〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロポキシ〕-2,4,8,10-テトラキス-t-ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピン等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
-フェノール系老化防止剤-
フェノール系老化防止剤は、特に制限はなく、例えば、ペンタエリスリチル-テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス{2-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン等が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
-その他の成分-
その他の成分は、特に制限はなく、用途により例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、ブロック共重合体水素化物以外の重合体、ペレットのブロッキング防止剤、赤外線、遮蔽、吸収剤、金属石鹸、着色剤、酸無水物などが挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
ブロック共重合体水素化物含有組成物における、ブロック共重合体水素化物100質量部に対するリン系酸化防止剤およびフェノール系老化防止剤の合計含有量は、特に制限はなく、0.001以上であることが好ましく、0.003質量部以上であることがより好ましく、0.005質量部以上であることが特に好ましく、1.0質量部以下であることが好ましく、0.8質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以下であることが特に好ましい。ブロック共重合体水素化物100質量部に対するリン系酸化防止剤およびフェノール系老化防止剤の合計含有量が、0.001質量部以上であれば、酸化を防止することができ、1.0質量部以下であれば、樹脂表面へのブーリードを抑制することができる。
本願記載のブロック共重合体水素化物は、光学フィルムおよび合わせガラス、光学部品等に用いることが可能である。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」および「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
また、複数種類の単量体を共重合して製造される重合体において、ある単量体を重合して形成される構造単位の前記重合体における割合(wA:wB)は、別に断らない限り、通常は、その重合体の重合に用いる全単量体に占める当該ある単量体の比率(仕込み比)と一致する。
実施例および比較例において、ブロック共重合体の重量平均分子量および分子量分布並びにGPC溶出曲線分析、ブロック共重合体水素化物の水素化率、ブロック共重合体水素化物の重量平均分子量およびGPC溶出曲線分析(第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV))、得られたペレットを用いて作製したフィルムの密着性評価、得られたペレットを用いて作製したフィルムの耐熱性評価は、下記の方法で評価した。
<ブロック共重合体の重量平均分子量および分子量分布並びにGPC溶出曲線分析>
テトラヒドロフランを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として、40℃において、0.6cc/分の速度で測定した。測定装置としては、東ソー社製HLC8320GPCを用い、カラムはTSKgel SuperH G5000HLX、G4000HLX,G2000HLX3本を直列につなぎ、ポリマー量4mg/1ccの濃度に調整し測定した。
<ブロック共重合体水素化物の水素化率>
ブロック共重合体水素化物の水素化率(モル%)は、H-NMR測定(測定溶媒:CDCl)を実施し、ブロック共重合体中に存在した全不飽和結合のうち消失した不飽和結合の割合を算出することで導出した。
<ブロック共重合体水素化物の重量平均分子量およびGPC溶出曲線分析>
テトラヒドロフランを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として、40℃において、0.6cc/分の速度で測定した。測定装置としては、東ソー社製HLC8320GPCを用い、カラムはTSKgel SuperH G5000HLX、G4000HLX,G2000HLX3本を直列につなぎ、ポリマー量4mg/1ccの濃度に調整し測定した。
<密着性評価>
得られたペレットを20cm×20cmの形状のフィルムとし、環状オレフィン開環重合体水素化物(COP)を含む樹脂からなる試験用フィルム(ガラス転移温度120℃、厚み100μm、日本ゼオン社製、延伸処理を施していないもの)との相関密着性を評価した。これら2種のフィルムを重ねて、加圧せずに190℃ホットプレートで30秒加熱した後、手で2種のフィルムを剥離し、その強度を下記評価基準の4段階で官能評価した。なお、ペレットは下記の方法により得た。
<<評価基準>>
◎:剥がれない
○:剥がせるが強い抵抗がある
△:剥がせるが弱い抵抗がある
×:抵抗なく簡単に剥がれる
<<ペレットの作製(濾過、濃縮、ペレット化)>>
水素化反応終了後、珪藻土(「ラヂオライト(登録商標)♯500」)を濾過床として、加圧濾過器(石川島播磨重工社製;「フンダフィルター」)を使用し、圧力0.25MPaで加圧濾過して、無色透明の水素化反応溶液を得た。
この水素化反応溶液に、重合体水素化物100部当たり、酸化防止剤として、ペンタエリスリトール-テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート](チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、製品名「イルガノックス(登録商標)1010」)0.5部を加えた後、フィルター(キュノーフィルター社製;「ゼータプラス(登録商標)30H」、孔径0.5μm~1μm)、及び金属ファイバー製フィルター(ニチダイ社製、孔径0.4μm)を用いて異物を濾別除去した。
次いで、上記で得られた濾液を、円筒型濃縮乾燥機(日立製作所製)に入れ、温度270℃、圧力1kPa以下の条件で、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮機に直結したダイから溶融状態でストランド状に押出し、水冷後、ペレタイザー(長田製作所製;「OSP-2」)でカッティングしてペレットを得た。
<耐熱性評価>
得られたペレットを5mm×20mmの形状のフィルムとし、TMA(熱機械的分析)測定により各樹脂の耐熱性を評価した。TMA/SS7100(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製)を用いて、試料の長手方向に50mNの張力を加えた状態で、温度を変化させ、線膨張が3%変化した時の温度(℃)を、3%寸法変化温度として耐熱性の指標として、下記評価基準に基づいて耐熱性評価を行った。なお、ペレットは密着性評価と同様の方法により得た。
<<評価基準>>
◎:130℃以上
○:115℃以上130℃未満
△:100℃以上115℃未満
×:100℃未満
(製造例1)
十分に窒素置換された攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン395部、脱水スチレン13.0部、n-ブチルエーテル0.58部を入れ、60℃で撹拌しながら、n-ブチルリチウム(15%n-ヘキサン溶液)0.62部を加えて重合を開始し、60分間重合反応させた。次に、脱水イソプレン30.0部を加え、そのまま40分間撹拌を続けた。その後、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン13.0部を10分間かけて一定速度で添加した。更に10分間反応させた後、メタノール0.015部添加した。ここに更に、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン93.1部を加え、60分間反応させた。この時点での重合添加率はほぼ100%であった。ここでメタノール0.2部を添加し反応を停止した。
得られたブロック共重合体のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が81600であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が30450であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.61であり、重量平均分子量(Mw)は65400であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が2.68であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が186mVであり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が49mVであり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が3.83であり、S-I-S(スチレンブロック-イソプレンブロック-スチレンブロック)のトリブロック共重合体であった。また、トリブロック共重合体のwA:wBは、80:20であった。
(製造例2)
十分に窒素置換された攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン395部、脱水スチレン94.0部、n-ブチルエーテル0.47部を入れ、60℃で撹拌しながら、n-ブチルリチウム(15%n-ヘキサン溶液)0.45部を加えて重合を開始し、60分間重合反応させた。そこへ、60℃で撹拌しながら、n-ブチルリチウム(15%n-ヘキサン溶液)0.17部を添加した後、脱水スチレン13.0部を10分間かけて一定速度で添加し、更に10分間反応させた。次に、脱水イソプレン30.0部を加え、そのまま40分間撹拌を続けた。その後、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン13.0部を加え、20分間反応させた。この時点での重合添加率はほぼ100%であった。ここでメタノール0.2部を添加し反応を停止した。
得られたブロック共重合体のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が101200であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が37800であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.63であり、重量平均分子量(Mw)は85000であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が2.68であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が175mVであり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が41mVであり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が4.27であり、S-I-S(スチレンブロック-イソプレンブロック-スチレンブロック)のトリブロック共重合体であった。また、トリブロック共重合体のwA:wBは、80:20であった。
(製造例3)
十分に窒素置換された攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン333部、脱水スチレン98.4部、n-ブチルエーテル0.40部を入れ、60℃で撹拌しながら、n-ブチルリチウム(15%n-ヘキサン溶液)0.54部を加えて重合を開始し、60分間重合反応させた。次に、脱水イソプレン15.0部を加え、そのまま40分間撹拌を続けた。その後、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン12.6部を加え、30分間反応させた。この時点での重合添加率はほぼ100%であった。ここでメタノール0.2部を添加し反応を停止し、別の容器に重合溶液を回収した。
同様にして、十分に窒素置換された攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン60部、脱水スチレン6.0部、n-ブチルエーテル0.15部を入れ、60℃で撹拌しながら、n-ブチルリチウム(15%n-ヘキサン溶液)0.20部を加えて重合を開始し、60分間重合反応させた。次に、脱水イソプレン12.0部を加え、そのまま40分間撹拌を続けた。その後、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン6.0部を加え、60分間反応させた。この時点での重合添加率はほぼ100%であった。ここでメタノール0.2部を添加し反応を停止した。得られた重合溶液を、事前に回収した重合溶液と混合し、15分間振とう撹拌した。
得られたブロック共重合体のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が102500であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が49000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.48であり、重量平均分子量(Mw)は88000であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が2.09であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が187mVであり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が38mVであり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が4.87であり、S-I-S(スチレンブロック-イソプレンブロック-スチレンブロック)のトリブロック共重合体であった。また、トリブロック共重合体のwA:wBは、82:18であった。
(製造例4)
十分に窒素置換された攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン395部、脱水スチレン13.9部、n-ブチルエーテル0.58部を入れ、60℃で撹拌しながら、n-ブチルリチウム(15%n-ヘキサン溶液)0.77部を加えて重合を開始し、30分間重合反応させた。次に、脱水イソプレン30.0部を加え、そのまま40分間撹拌を続けた。その後、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン13.9部を10分間かけて一定速度で添加した。更に10分間反応させた後、メタノール0.020部添加した。ここに更に、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン92.1部を加え、60分間反応させた。この時点での重合添加率はほぼ100%であった。ここでメタノール0.2部を添加し反応を停止した。
得られたブロック共重合体のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が81000であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が31000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.89であり、重量平均分子量(Mw)は62900であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が2.61であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が156mVであり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が61mVであり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が2.54であり、S-I-S(スチレンブロック-イソプレンブロック-スチレンブロック)のトリブロック共重合体であった。また、トリブロック共重合体のwA:wBは、80:20であった。
(製造例5)
十分に窒素置換された攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン395部、脱水スチレン5.9部、n-ブチルエーテル0.39部を入れ、60℃で撹拌しながら、n-ブチルリチウム(15%n-ヘキサン溶液)0.78部を加えて重合を開始し、20分間重合反応させた。次に、脱水イソプレン45.0部を加え、そのまま40分間撹拌を続けた。その後、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン5.9部を10分間かけて一定速度で添加した。更に10分間反応させた後、メタノール0.015部添加した。ここに更に、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン93.3部を加え、60分間反応させた。この時点での重合添加率はほぼ100%であった。ここでメタノール0.2部を添加し反応を停止した。
得られたブロック共重合体のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が80500であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が30400であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.66であり、重量平均分子量(Mw)は66500であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が2.64であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が175mVであり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が46mVであり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が3.83であり、S-I-S(スチレンブロック-イソプレンブロック-スチレンブロック)のトリブロック共重合体であった。また、トリブロック共重合体のwA:wBは、70:30であった。
(製造例6)
十分に窒素置換された攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン395部、脱水スチレン1.4部、n-ブチルエーテル0.83部を入れ、60℃で撹拌しながら、n-ブチルリチウム(15%n-ヘキサン溶液)1.09部を加えて重合を開始し、10分間重合反応させた。次に、脱水イソプレン30.0部を加え、そのまま40分間撹拌を続けた。その後、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン1.4部を10分間かけて一定速度で添加した。更に10分間反応させた後、メタノール0.021部添加した。ここに更に、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン117.1部を加え、60分間反応させた。この時点での重合添加率はほぼ100%であった。ここでメタノール0.2部を添加し反応を停止した。
得られたブロック共重合体のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が57500であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が12600であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.09であり、重量平均分子量(Mw)は47800であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が4.56であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が170mVであり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が46mVであり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が3.73であり、S-I-S(スチレンブロック-イソプレンブロック-スチレンブロック)のトリブロック共重合体であった。また、トリブロック共重合体のwA:wBは、80:20であった。
(製造例7)
十分に窒素置換された攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン395部、脱水スチレン13.2部、n-ブチルエーテル0.61部を入れ、60℃で撹拌しながら、n-ブチルリチウム(15%n-ヘキサン溶液)0.80部を加えて重合を開始し、30分間重合反応させた。次に、脱水イソプレン30.0部を加え、そのまま40分間撹拌を続けた。その後、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン13.2部を10分間かけて一定速度で添加した。更に10分間反応させた後、メタノール0.010部添加した。ここに更に、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン93.6部を加え、60分間反応させた。この時点での重合添加率はほぼ100%であった。ここでメタノール0.2部を添加し反応を停止した。
得られたブロック共重合体のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が78200であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が29400であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.46であり、重量平均分子量(Mw)は69900であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が2.66であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が203mVであり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が31mVであり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が6.48であり、S-I-S(スチレンブロック-イソプレンブロック-スチレンブロック)のトリブロック共重合体であった。また、トリブロック共重合体のwA:wBは、80:20であった。
(製造例8)
十分に窒素置換された攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン395部、脱水スチレン12.3部、n-ブチルエーテル1.09部を入れ、60℃で撹拌しながら、n-ブチルリチウム(15%n-ヘキサン溶液)0.72部を加えて重合を開始し、60分間重合反応させた。次に、脱水イソプレン15.0部を加え、そのまま40分間撹拌を続けた。その後、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン12.3部を10分間かけて一定速度で添加した。更に10分間反応させた後、メタノール0.022部添加した。ここに更に、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン110.4部を加え、60分間反応させた。この時点での重合添加率はほぼ100%であった。ここでメタノール0.2部を添加し反応を停止した。
得られたブロック共重合体のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が87400であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が23100であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.46であり、重量平均分子量(Mw)は62100であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が3.78であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が148mVであり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が76mVであり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が1.95であり、S-I-S(スチレンブロック-イソプレンブロック-スチレンブロック)のトリブロック共重合体であった。また、トリブロック共重合体のwA:wBは、90:10であった。
(製造例9)
十分に窒素置換された攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン395部、脱水スチレン17.3部、n-ブチルエーテル0.73部を入れ、60℃で撹拌しながら、n-ブチルリチウム(15%n-ヘキサン溶液)1.20部を加えて重合を開始し、60分間重合反応させた。次に、脱水イソプレン37.5部を加え、そのまま40分間撹拌を続けた。その後、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン17.3部を10分間かけて一定速度で添加した。更に10分間反応させた後、メタノール0.009部添加した。ここに更に、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン77.9部を加え、60分間反応させた。この時点での重合添加率はほぼ100%であった。ここでメタノール0.2部を添加し反応を停止した。
得られたブロック共重合体のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が59800であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が26200であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.30であり、重量平均分子量(Mw)は54700であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が2.28であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が168mVであり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が17mVであり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が9.78であり、S-I-S(スチレンブロック-イソプレンブロック-スチレンブロック)のトリブロック共重合体であった。また、トリブロック共重合体のwA:wBは、75:25であった。
(製造例10)
十分に窒素置換された攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン395部、脱水スチレン4.3部、n-ブチルエーテル0.43部を入れ、60℃で撹拌しながら、n-ブチルリチウム(15%n-ヘキサン溶液)0.57部を加えて重合を開始し、10分間重合反応させた後、メタノール0.014部を添加した。次に、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン55.7部を60分間かけて一定速度で添加した。更に10分間反応させた後、脱水イソプレン30.0部を加え、そのまま40分間撹拌を続けた。その後、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン60部を加え、60分間反応させた。この時点での重合添加率はほぼ100%であった。ここでメタノール0.2部を添加し反応を停止した。
得られたブロック共重合体のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が110400であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が3100であり、分子量分布(Mw/Mn)が10.68であり、重量平均分子量(Mw)は78900であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が35.61であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が170mVであり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が60mVであり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が2.85であり、S-I-S(スチレンブロック-イソプレンブロック-スチレンブロック)のトリブロック共重合体であった。また、トリブロック共重合体のwA:wBは、80:20であった。
(製造例11)
十分に窒素置換された攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン395部、脱水スチレン37.5部、n-ブチルエーテル0.65部を入れ、60℃で撹拌しながら、n-ブチルリチウム(15%n-ヘキサン溶液)0.87部を加えて重合を開始し、60分間重合反応させた。次に、脱水イソプレン75部を加え、そのまま40分間撹拌を続けた。その後、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン37.5部を加え、60分間反応させた。この時点での重合添加率はほぼ100%であった。ここでメタノール0.2部を添加し反応を停止した。
得られたブロック共重合体のGPC溶出曲線において、第2ピークは存在しなかった。第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が72000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.21であった。重量平均分子量(Mw)は69000であった。第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が232mVであり、S-I-S(スチレンブロック-イソプレンブロック-スチレンブロック)のトリブロック共重合体であった。また、トリブロック共重合体のwA:wBは、50:50であった。
(製造例12)
十分に窒素置換された攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン395部、脱水スチレン18.1部、n-ブチルエーテル0.54部を入れ、60℃で撹拌しながら、n-ブチルリチウム(15%n-ヘキサン溶液)0.72部を加えて重合を開始し、30分間重合反応させた。次に、脱水イソプレン15.0部を加え、そのまま40分間撹拌を続けた。その後、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン18.1部を20分間かけて一定速度で添加した。更に10分間反応させた後、メタノール0.004部添加した。ここに更に、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン98.9部を加え、60分間反応させた。この時点での重合添加率はほぼ100%であった。ここでメタノール0.2部を添加し反応を停止した。
得られたブロック共重合体のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が86200であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が29400であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.30であり、重量平均分子量(Mw)は79400であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が2.93であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が226mVであり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が15mVであり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が15.38であり、S-I-S(スチレンブロック-イソプレンブロック-スチレンブロック)のトリブロック共重合体であった。また、トリブロック共重合体のwA:wBは、90:10であった。
(製造例13)
十分に窒素置換された攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン395部、脱水スチレン22.5部、n-ブチルエーテル0.57部を入れ、60℃で撹拌しながら、n-ブチルリチウム(15%n-ヘキサン溶液)0.75部を加えて重合を開始し、30分間重合反応させた。次に、脱水イソプレン30部を加え、そのまま40分間撹拌を続けた。その後、60℃で撹拌しながら、脱水スチレン97.5部を加え、60分間反応させた。この時点での重合添加率はほぼ100%であった。ここでメタノール0.2部を添加し反応を停止した。
得られたブロック共重合体のGPC溶出曲線において、第2ピークは存在しなかった。第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が82800であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.20であり、重量平均分子量(Mw)は79000であった。第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が244mVであり、S-I-S(スチレンブロック-イソプレンブロック-スチレンブロック)のトリブロック共重合体であった。また、トリブロック共重合体のwA:wBは、80:20であった。
(実施例1)
上記製造例1に記載の重合体溶液を攪拌装置を備えた耐圧反応容器に移送し、水素化触媒としてのシリカーアルミナ担持型ニッケル触媒(製品名:T-8400RL、クラリアント触媒(株)社製、ニッケル含有量33%)1.5部、および、脱水シクロヘキサン100部を添加して混合した。常温状態にて反応内部を水素ガスにて置換しゲージ圧力で2MPa加圧した状態で170℃まで昇温した。耐圧反応容器の内部温度が170℃となったところで、水素圧を4.5MPaまで加圧し12時間水素化反応を行った(水素化率:99.9%)。水素化反応後のブロック共重合体水素化物のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が71000であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が29000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.99であり、重量平均分子量(Mw)は53100であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が2.45であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が196であり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が58であり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が3.35であった。
さらに、得られたブロック共重合体水素化物について、耐熱性評価および密着性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
上記製造例2に記載の重合体溶液を攪拌装置を備えた耐圧反応容器に移送し、実施例1と同様にして水素化反応を行った(水素化率:99.8%)。水素化反応後のブロック共重合体水素化物のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が88000であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が36000であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.21であり、重量平均分子量(Mw)は62200であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が2.44であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が183であり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が49であり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が3.76であった。
さらに、得られたブロック共重合体水素化物について、耐熱性評価および密着性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
上記製造例3に記載の重合体溶液を攪拌装置を備えた耐圧反応容器に移送し、実施例1と同様にして、水素化反応を行った(水素化率:99.8%)。水素化反応後のブロック共重合体水素化物のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が88000であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が47000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.79であり、重量平均分子量(Mw)は68200であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が1.87であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が196であり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が46であり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が4.26であった。
さらに、得られたブロック共重合体水素化物について、耐熱性評価および密着性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
上記製造例4に記載の重合体溶液を攪拌装置を備えた耐圧反応容器に移送し、実施例1と同様にして、水素化反応を行った(水素化率:99.9%)。水素化反応後のブロック共重合体水素化物のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が71000であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が30000であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.26であり、重量平均分子量(Mw)は50300であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が2.37であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が164であり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が74であり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が2.23であった。
さらに、得られたブロック共重合体水素化物について、耐熱性評価および密着性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
上記製造例5に記載の重合体溶液を攪拌装置を備えた耐圧反応容器に移送し、実施例1と同様にして、水素化反応を行った(水素化率:99.9%)。水素化反応後のブロック共重合体水素化物のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が70000であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が29000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.92であり、重量平均分子量(Mw)は52100であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が2.41であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が183であり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が55であり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が3.35であった。
さらに、得られたブロック共重合体水素化物について、耐熱性評価および密着性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
上記製造例6に記載の重合体溶液を攪拌装置を備えた耐圧反応容器に移送し、実施例1と同様にして、水素化反応を行った(水素化率:99.9%)。水素化反応後のブロック共重合体水素化物のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が66000であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が12000であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.83であり、重量平均分子量(Mw)は47100であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が5.50であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が178であり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が55であり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が3.27であった。
さらに、得られたブロック共重合体水素化物について、耐熱性評価および密着性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
上記製造例7に記載の重合体溶液を攪拌装置を備えた耐圧反応容器に移送し、実施例1と同様にして、水素化反応を行った(水素化率:99.9%)。水素化反応後のブロック共重合体水素化物のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が68000であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が28000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.73であり、重量平均分子量(Mw)は53400であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が2.43であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が213であり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が38であり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が5.67であった。
さらに、得られたブロック共重合体水素化物について、耐熱性評価および密着性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
上記製造例8に記載の重合体溶液を攪拌装置を備えた耐圧反応容器に移送し、実施例1と同様にして、水素化反応を行った(水素化率:99.7%)。水素化反応後のブロック共重合体水素化物のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が76000であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が22000であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.92であり、重量平均分子量(Mw)は48600であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が3.45であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が156であり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が91であり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が1.70であった。
さらに、得られたブロック共重合体水素化物について、耐熱性評価および密着性評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例9)
上記製造例9に記載の重合体溶液を攪拌装置を備えた耐圧反応容器に移送し、実施例1と同様にして、水素化反応を行った(水素化率:99.7%)。水素化反応後のブロック共重合体水素化物のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が52000であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が25000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.57であり、重量平均分子量(Mw)は43000であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が2.08であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が177であり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が21であり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が8.56であった。
さらに、得られたブロック共重合体水素化物について、耐熱性評価および密着性評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
上記製造例10に記載の重合体溶液を攪拌装置を備えた耐圧反応容器に移送し、実施例1と同様にして、水素化反応を行った(水素化率:99.9%)。水素化反応後のブロック共重合体水素化物のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が96000であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が3000であり、分子量分布(Mw/Mn)が13.33であり、重量平均分子量(Mw)は58500であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が32.00であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が179であり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が72であり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が2.50であった。
さらに、得られたブロック共重合体水素化物について、耐熱性評価および密着性評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
上記製造例11に記載の重合体溶液を攪拌装置を備えた耐圧反応容器に移送し、実施例1と同様にして、水素化反応を行った(水素化率:100.0%)。水素化反応後のブロック共重合体水素化物のGPC溶出曲線において、ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(ピークトップ感度)(mV)が243であるピークが1つだけ見られた。ここで、ピーク溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量が68000であり、水素化反応後のブロック共重合体水素化物の分子量分布(Mw/Mn)が1.39であり、重量平均分子量(Mw)は61000であった。
さらに、得られたブロック共重合体水素化物について、耐熱性評価および密着性評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
上記製造例12に記載の重合体溶液を攪拌装置を備えた耐圧反応容器に移送し、実施例1と同様にして、水素化反応を行った(水素化率:99.9%)。水素化反応後のブロック共重合体水素化物のGPC溶出曲線において、第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)が75000であり、第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が28000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.55であり、重量平均分子量(Mw)は62200であった。第1ピーク分子量/第2ピーク分子量が2.68であり、第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)が237であり、第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)が18であり、第1ピークトップ感度(mV)/第2ピークトップ感度(mV)が13.46であった。
さらに、得られたブロック共重合体水素化物について、耐熱性評価および密着性評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
上記製造例13に記載の重合体溶液を攪拌装置を備えた耐圧反応容器に移送し、実施例1と同様にして、水素化反応を行った(水素化率:99.6%)。水素化反応後のブロック共重合体水素化物のGPC溶出曲線において、ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(ピークトップ感度)(mV)が256であるピークが1つだけ見られた。ここで、ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量が72000であり、水素化反応後のブロック共重合体水素化物の分子量分布(Mw/Mn)が1.43であり、重量平均分子量(Mw)は64000であった。
さらに、得られたブロック共重合体水素化物について、耐熱性評価および密着性評価を行った。結果を表2に示す。
なお、以下に示す表1中、
「第1ピーク分子量」は第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量を示し、
「第2ピーク分子量」は第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量を示し、
「第1ピークトップ感度(mV)」は第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(mV)を示し、
「第2ピークトップ感度(mV)」は第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(mV)を示す。
Figure 0007205087000001
Figure 0007205087000002
表1より、実施例1~9は、最も溶出時間の早いピークトップを示すブロック共重合体水素化物由来ピーク(第1ピーク)と、2番目に溶出時間の早いピークトップを示すブロック共重合体水素化物由来ピーク(第2ピーク)とを有し、第1ピークトップ感度/第2ピークトップ感度が1.5以上9.0以下であり、第2ピーク分子量が5000以上であるブロック共重合体水素化物を用いているので、上記を満たさない比較例1~4と比較して、耐熱性が高いと共に環状オレフィン開環重合体水素化物(COP)からなる成形体に対する密着性が高い成形体を成形可能であることが分かる。
本発明によれば、耐熱性が高いと共に環状オレフィン開環重合体水素化物(COP)からなる成形体に対する密着性が高い成形体を成形可能であるブロック共重合体水素化物および該ブロック共重合体水素化物を製造する方法を提供することができる。

Claims (4)

  1. 芳香族ビニル化合物に由来する芳香族ビニル単量体単位を主成分とする少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物に由来する鎖状共役ジエン単量体単位を主成分とする少なくとも1つの重合体ブロック[B]とからなるブロック共重合体[C]を水素化したブロック共重合体水素化物[D]であって、
    前記重合体ブロック[B]中の鎖状共役ジエン単量体単位の含有割合が、前記重合体ブロック[B]中の全繰り返し単位を100質量%とした場合に、90質量%以上であり、
    前記ブロック共重合体[C]中の全芳香族ビニル単量体単位が前記ブロック共重合体[C]全体に占める質量分率をwAとし、前記ブロック共重合体[C]中の全鎖状共役ジエン単量体単位が前記ブロック共重合体[C]全体に占める質量分率をwBとしたときに、wAとwBとの比(wA:wB)が、72:28~88:12であり、
    前記ブロック共重合体水素化物[D]を含有する試料のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した溶出曲線が、少なくとも2つのブロック共重合体水素化物由来ピークを有し、
    前記少なくとも2つのブロック共重合体水素化物由来ピークのうち、最も溶出時間の早いピークトップを示すブロック共重合体水素化物由来ピークを第1ピークとし、2番目に溶出時間の早いピークトップを示すブロック共重合体水素化物由来ピークを第2ピークとしたときに、前記第2ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第2ピークトップ感度)(mV)に対する前記第1ピークのピークトップが示す示差屈折計(RI)の検出感度(第1ピークトップ感度)(mV)の比(前記第1ピークトップ感度(mV)/前記第2ピークトップ感度(mV))が、1.5以上9.0以下であり、
    前記第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)が5000以上60000以下であり、
    前記ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)はテトラヒドロフランを溶離液とし、標準ポリスチレン換算値として、40℃において、0.6cc/分の速度で測定され、
    前記ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)においては、測定装置として、東ソー社製HLC8320GPCを用い、カラムとしてTSKgel SuperH G5000HLX、G4000HLX、G2000HLXの3本を直列につないで用いられ、
    前記ブロック共重合体水素化物[D]を含有する試料のポリマー量は4mg/1ccである、ブロック共重合体水素化物。
  2. 前記第2ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第2ピーク分子量)に対する前記第1ピークの溶出時間に基づく標準ポリスチレン換算分子量(第1ピーク分子量)の比(前記第1ピーク分子量/前記第2ピーク分子量)が1.5以上30.0以下である、請求項1に記載のブロック共重合体水素化物。
  3. 前記ブロック共重合体[C]の炭素-炭素不飽和結合を水素化率95%以上で水素化してなる、請求項1または2に記載のブロック共重合体水素化物。
  4. 前記ブロック共重合体[C]がトリブロック共重合体またはペンタブロック共重合体である、請求項に記載のブロック共重合体水素化物。
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