JP2014038806A - 送電ケーブル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導体外周に、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック[B]とからなり、全重合体ブロック[A]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwAとし、全重合体ブロック[B]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwBとしたときに、wAとwBとの比(wA:wB)が30:70〜60:40であるブロック共重合体[1]の、全不飽和結合の90%以上を水素化した、ブロック共重合体水素化物[2]からなる絶縁体層を設ける。
【選択図】なし
Description
本発明者は上記問題に鑑み鋭意研究の結果、架橋のための有機過酸化物を配合せず、耐熱性、柔軟性に優れた特定のブロック共重合体水素化物[2]を絶縁体層に使用することにより、上記の課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に使用するブロック共重合体水素化物[2]は、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック[B]とからなり、全重合体ブロック[A]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwAとし、全重合体ブロック[B]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwBとしたときに、wAとwBとの比(wA:wB)が30:70〜60:40であるブロック共重合体[1]の、全不飽和結合の90%以上を水素化した、ブロック共重合体水素化物[2]である。
特に、主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上である。主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率を高めることにより、耐光性、耐酸化性が高くなると言う効果が得られる。
また、芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上である。芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率を高めることにより、得られる重合体水素化物ブロック[A’]のガラス転移温度が高くなり、架橋せずとも送電ケーブルを構成する絶縁体層としての十分な耐熱性が発現するという効果が得られる。
2.その他の成分
3.送電ケーブル
(1)重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)
ブロック共重合体[1]及びブロック共重合体水素化物[2]の分子量は、テトラヒドロフランを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として38℃において測定した。測定装置としては、東ソー社製HLC8020GPCを用いた。
(2)水素化率
ブロック共重合体水素化物[2]の主鎖、側鎖及び芳香環の水素化率は、1H−NMRスペクトルを測定して算出した。
(3)絶縁破壊強度
試験片を23℃、50%RHの環境で48時間保管した後、JIS C 2110−1に準拠して、温度23℃で昇圧速度1000V/sの条件で測定した。
(4)耐水トリー性
耐水トリー性は、作成した送電ケーブルを90℃の温水中に浸漬し、銅導体―水間に1KHz、38KVの電圧を1500時間印加した後、ケーブル断面を薄片に切り出し、メチレンブルー水溶液で染色して、光学顕微鏡を用いて水トリーの発生個数を計測した。
充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン550部、脱水スチレン25.0部、n−ジブチルエーテル0.475部を入れ、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.51部を加えて重合を開始した。攪拌しながら60℃で60分反応させた。ガスクロマトグラフィーにより測定したこの時点で重合転化率は99.5%であった。
次に、脱水イソプレン50.0部を加えそのまま30分攪拌を続けた。この時点で重合転化率は99%であった。
その後、更に、脱水スチレンを25.0部加え、60分攪拌した。この時点での重合転化率はほぼ100%であった。ここでイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止した。得られたブロック共重合体[1]−1の重量平均分子量(Mw)は82,200、分子量分布(Mw/Mn)は1.05であった。
次いで、上記溶液を、ゼータプラス(登録商標)フィルター30H(キュノー社製、孔径0.5〜1μm)にて濾過し、更に別の金属ファイバー製フィルター(孔径0.4μm、ニチダイ社製)にて順次濾過して微小な固形分を除去した後、円筒型濃縮乾燥器(コントロ、日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン、キシレン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮乾燥器に直結したダイから溶融状態でストランド状に押出し、冷却後、ペレタイザーでカットしてブロック共重合体水素化物[2]−1のペレット90部を得た。得られたブロック共重合体水素化物[2]−1の重量平均分子量(Mw)は86,200、分子量分布(Mw/Mn)は1.09であった。水素化率はほぼ100%であった。
重合段階でモノマーとして、スチレン20.0部、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.410部、イソプレン60.0部、及び、スチレン20.0部をこの順に反応系に添加して重合する以外は参考例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物[2]−2のペレット85部を得た。得られたブロック共重合体水素化物[2]−2の重量平均分子量(Mw)は100,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.07であった。水素化率はほぼ100%であった。
[実施例1]
参考例1で得られたブロック共重合体水素化物[2]−1のペレットを、Tダイ式フィルム押出し成形機(Tダイ幅300mm)を使用し、溶融樹脂温度200℃、Tダイ温度200℃、ロール温度50℃の成形条件にて、厚さ1.0mm、幅250mmのシートを押出し成形した。得られた押出シートはロール状に巻き取り回収した。
(絶縁破壊強度)
このシートから縦100mm、横100mmの試験片を切出し、絶縁破壊強度を測定した結果、51kV/mmであった。
参考例1で得られたブロック共重合体水素化物[2]−1のペレットおよびポリエチレン100部に導電性カーボン38部及びジクミルパーオキサイド1.0部を配合した半導電性ポリエチレン組成物のペレットを使用し、三層同時押出し可能なクロスヘッドダイを備えた押出し成形機を使用し、溶融樹脂温度200℃、クロスヘッドダイ温度200℃の成形条件で、外径3mmの銅導体上に1.0mm厚の内部半導電性ポリエチレン組成物層、その外側に3mm厚のブロック共重合体水素化物[2]−1からなる絶縁体層及び最外層に1.0mm厚の外部半導電性ポリエチレン組成物層が形成された送電ケーブルを作成した。
(耐水トリー性)
得られたケーブルを使用して、耐水トリー性を評価した。10mm長に相当する絶縁体層を観察したが、水トリーは確認されなかった。
[実施例2]
ブロック共重合体水素化物[2]−1に換えて参考例2で得られたブロック共重合体水素化物[2]−2のペレットを使用する以外は実施例1と同様にして、厚さ1.0mm、幅250mmのシートを押出し成形した。
(絶縁破壊強度)
このシートを使用して実施例1と同様にして絶縁破壊強度を測定した結果、50kV/mmであった。
ブロック共重合体水素化物[2]−1に換えて参考例2で得られたブロック共重合体水素化物[2]−2のペレットを使用する以外は実施例1と同様にして、外径3mmの銅導体上に1.0mm厚の内部半導電性ポリエチレン組成物層、その外側に3mm厚のブロック共重合体水素化物[2]−2からなる絶縁体層及び最外層に1.0mm厚の外部半導電性ポリエチレン組成物層が形成された送電ケーブルを作成した。
(耐水トリー性)
得られたケーブルを使用して、耐水トリー性を評価した。10mm長に相当する絶縁体層を観察したが、水トリーは確認されなかった。
[比較例1]
ブロック共重合体水素化物[2]−1に換えて、ポリエチレン(製品名「ノバテック(登録商標)LD ZF33」、日本ポリエチレン社製)60部、スチレン系エラストマー(製品名「セプトン(登録商標)SEPS 2007」40部及びジクミルパーオキサイド2.0部とを配合した組成物を使用し、溶融樹脂温度210℃、Tダイ温度210℃とする以外は実施例1と同様にして、シートを押出し成形した。
(絶縁破壊強度)
このシートを使用して実施例1と同様にして絶縁破壊強度を測定した結果、39kV/mmであった。
ブロック共重合体水素化物[2]−1に換えて、上記と同様のポリエチレン、スチレン系エラストマー及びジクミルパーオキサイドを配合した組成物を使用し、溶融樹脂温度210℃、クロスヘッド温度210℃とする以外は実施例1と同様にして、外径3mmの銅導体上に1.0mm厚の内部半導電性ポリエチレン組成物層、その外側に3mm厚のポリエチレン及びスチレン系エラストマーの架橋物からなる絶縁体層及び最外層に1.0mm厚の外部半導電性ポリエチレン組成物層が形成された送電ケーブルを作成した。
(耐水トリー性)
得られたケーブルを使用して、耐水トリー性を評価した。10mm長に相当する絶縁体層を観察した結果、80箇所の水トリーが確認された。
Claims (1)
- 導体外周に、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック[B]とからなり、全重合体ブロック[A]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwAとし、全重合体ブロック[B]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwBとしたときに、wAとwBとの比(wA:wB)が30:70〜60:40であるブロック共重合体[1]の、全不飽和結合の90%以上を水素化した、ブロック共重合体水素化物[2]からなる絶縁体層を設けてなることを特徴とする送電ケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012181705A JP2014038806A (ja) | 2012-08-20 | 2012-08-20 | 送電ケーブル |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103903764A (zh) * | 2014-03-06 | 2014-07-02 | 安徽华星电缆集团有限公司 | 一种硅橡胶仪表电缆 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59103214A (ja) * | 1982-12-06 | 1984-06-14 | 日立電線株式会社 | 電線・ケ−ブルの製造方法 |
JP2003502470A (ja) * | 1999-06-11 | 2003-01-21 | ザ ダウ ケミカル カンパニー | 水素添加ブロック共重合体からなる組成物及びその最終用途への利用 |
JP2008159359A (ja) * | 2006-12-22 | 2008-07-10 | Nippon Zeon Co Ltd | 電線被覆材および電線 |
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- 2012-08-20 JP JP2012181705A patent/JP2014038806A/ja active Pending
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