JP2014144145A - 炊飯器 - Google Patents

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Abstract

【課題】炊飯時間の短縮化を図りつつ、美味しく炊飯することのできる炊飯器を提供する。
【解決手段】上面を開口した鍋状容器5と、鍋状容器5の開口を覆う蓋体10と、鍋状容器5を加熱する加熱コイル3と、鍋状容器5内の圧力を調整する調圧弁及び調圧装置24と、加熱コイル3及び調圧弁及び調圧装置24を制御して炊飯工程を実行する制御手段8とを備え、制御手段8が実行する炊飯工程は、鍋状容器5内を大気圧の状態にして沸騰を維持させる常圧加熱工程(常圧強火工程及び常圧弱火工程)と、常圧加熱工程(常圧強火工程及び常圧弱火工程)の後に実行され、鍋状容器5内を大気圧よりも高圧の状態にする加圧工程(加圧強火工程及び加圧弱火工程)と、加圧工程(加圧強火工程及び加圧弱火工程)の後に実行され、鍋状容器5内の圧力を加圧工程(加圧強火工程及び加圧弱火工程)よりも低下させる減圧工程とを含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、米等の食品を入れた鍋状容器を本体内に収容して加熱調理する炊飯器に関する。
炊飯器を使用する使用者が炊飯器に望む機能の1つとして、早く、且つ、美味しい米飯を炊くことが挙げられる。
ところが、大気圧条件下で短時間の炊飯を行うと、米飯粒の中心部のデンプンまで十分に糊化が進まず、食味の悪い状態に炊き上がってしまう場合があった。
そこで従来、米飯の糊化を促進して美味しいご飯を炊くことを目的として、米と水を収容した鍋内の圧力を大気圧以上にして炊飯する炊飯器が知られている。そのような炊飯器として、「前記加熱手段を制御して加熱、沸騰及びドライアップ等の行程からなる炊飯運転を実行させる制御手段とを具備し、前記制御手段は、炊飯運転時に前記弁装置を閉塞させ、加熱行程中は前記加熱手段の入力を前記鍋内の圧力が大気圧より急速に上昇するように制御し、沸騰行程では前記加熱手段の入力を低下させて前記鍋内の圧力を略1.4気圧以上の値に設定された設定圧力に維持させ、ドライアップ行程では前記加熱手段の入力を前記鍋内の圧力がそれ以前の圧力をよりも大になるように制御した後に停止させる」炊飯器が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−230169号公報(請求項1、図1)
しかしながら、実験によれば、被加熱物が沸騰して100℃となってからすぐに鍋内を大気圧以上に加圧すると、米飯粒の表層に過剰なおねばが付着し、べちゃべちゃとした不快な粘りが生成されてしまうこと、並びに、米飯粒の表層部が過度に軟らかくなるため、米飯粒の中心部と表層部とに硬さの差が生じ、食味が低下することが分かった。
本発明は、上記のような課題を背景としてなされたもので、炊飯時間の短縮化を図りつつ、美味しく炊飯することのできる炊飯器を提供するものである。
本発明に係る炊飯器は、上面を開口した鍋状容器と、前記鍋状容器の前記開口を覆う蓋と、前記鍋状容器を加熱する加熱手段と、前記鍋状容器内の圧力を調整する圧力調整手段と、前記加熱手段及び前記圧力調整手段を制御して炊飯工程を実行する制御手段とを備え、前記制御手段が実行する前記炊飯工程は、前記鍋状容器内を大気圧の状態にして沸騰を維持させる常圧加熱工程と、前記常圧加熱工程の後に実行され、前記鍋状容器内を大気圧よりも高圧の状態にする加圧工程と、前記加圧工程の後に実行され、前記鍋状容器内の圧力を前記加圧工程よりも低下させる減圧工程とを含むものである。
本発明によれば、大気圧の状態で鍋状容器内の沸騰を維持する常圧加熱工程の後、鍋状容器内に加圧する加圧工程を実行する。常圧加熱工程において鍋状容器内に米に吸水されずに残っている水分がなくなった後に、鍋状容器内に加圧することで、常圧加熱工程において米の吸水と糊化が促進され、米飯粒の表層における不快な粘り、及び米飯粒中心部と表層部との硬さの差を抑制して、安定的に美味しい米飯を炊くことができる。鍋状容器内に加圧することで、米飯粒の糊化を促進することができるので、炊飯時間を短縮することが可能となる。
実施の形態1に係る炊飯器100の構成の一例を概略的に示す断面模式図である。 実施の形態1に係る炊飯工程と、被加熱物温度、鍋状容器温度、加熱コイルへの通電電力、及び調圧装置の動作の推移を示す図である。 実施の形態1に係る炊飯器の炊飯工程を説明するフローチャートである。 鍋状容器内の最大圧力及び炊飯時間と、炊き上がりの米飯の状態との関係とを示す表である。 実施の形態1に係る炊飯工程の変形例である。 実施の形態2に係る炊飯器100Aの構成の一例を概略的に示す断面模式図である。
以下、本発明に係る炊飯器の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本願発明を限定するものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る炊飯器100の構成の一例を概略的に示す断面模式図である。図1に基づいて、炊飯器100について説明する。この炊飯器100は、被加熱物(本実施の形態1では米200及び水201)を入れた鍋状容器5を加熱コイル3で加熱することで被加熱物を炊き上げるものである。図1に示すように、炊飯器100は、例えば外観が有底筒状の本体1と、本体1に取り付けられ本体1の上部開口部を開閉する蓋体10とを備えている。
(本体1)
本体1は、容器カバー2と、加熱手段としての加熱コイル3と、鍋底温度センサー4と、蓋体10を開閉自在に支持するヒンジ部6と、時間計測手段7と、各部及び各装置を駆動制御して炊飯工程を実行する制御手段8とを備えている。
容器カバー2は、有底筒状に形成されていて、その内部に鍋状容器5が着脱自在に収容される。容器カバー2の底部中央には、鍋底温度センサー4が挿入される孔部2aが設けられている。
なお、鍋状容器5は、誘導加熱により発熱する磁性体金属を含む材料で構成され、有底円筒形状である。鍋状容器5の上端部外周には、フランジ部5aが形成されている。
加熱コイル3は、制御手段8により通電制御され、鍋状容器5を誘導加熱するものである。なお、加熱手段として、加熱コイル3に代えてシーズヒーター等の電気ヒーターを設けてもよい。また、図1の例では、鍋状容器5の底面近傍に加熱コイル3を配置しているが、加熱コイル3の配置は図示のものに限定されず、例えば鍋状容器5の底面近傍に加えて鍋状容器5の側面に沿って加熱コイル3を設けてもよい。
鍋底温度センサー4は、例えばサーミスタで構成され、鍋状容器5の温度を検知する。本実施の形態1の鍋底温度センサー4は、バネ等の弾性手段によって上方に付勢されており、容器カバー2に収容された鍋状容器5の底面に接する。鍋底温度センサー4が検知した鍋状容器5の温度に関する情報は、制御手段8に出力される。なお、鍋底温度センサー4の具体的構成はサーミスタに限定されず、鍋状容器5に接触して温度を検知する接触式温度センサーのほか、例えば赤外線センサー等の鍋状容器5の温度を非接触で検知する非接触式温度センサーを採用してもよい。
ヒンジ部6は、本体1の上部の一端側(図1の紙面左側)に設けられ、蓋体10を開閉自在に支持する。
なお、本体1に、炊飯器100を運搬するためのハンドル(図示省略)を設けておいてもよい。ハンドルを設ける場合には、ハンドルを本体1の側面上部の略前後中央に軸支し、ハンドルの回転方向を蓋体10の回動方向と一致させるとよい。そうすれば、炊飯器100を運搬する際には、使用者はハンドルの軸支点のほぼ直上に位置するようにハンドルを回転させて持ち上げ、ハンドルのみを持って炊飯器100を運搬することが可能となる。
時間計測手段7は、制御手段8からの指示信号に基づいて経過時間をカウントする。時間計測手段7がカウントした経過時間は、制御手段8に出力される。
制御手段8は、鍋底温度センサー4、並びに蓋体10に設けられた操作表示部15及び内部温度センサー16からの出力に基づいて、加熱コイル3に通電する高周波電流及び後述する調圧装置24の動作を制御する。そのほか、制御手段8は、炊飯器100の動作全般を制御する。制御手段8は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、マイコンやCPUのような演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとにより構成することもできる。
(蓋体10)
蓋体10は、外蓋11と、内蓋12とを有している。外蓋11には、着脱できるカートリッジ14が設けられ、外蓋11の上面には操作表示部15が設けられている。また、蓋体10には、調圧装置24及び調圧弁を備え、鍋状容器5内の圧力を調整する圧力調整手段が設けられている。
外蓋11は、蓋体10の上部及び側部を構成し、外蓋11の下面(鍋状容器5に対向する面)には、内蓋12が着脱自在に取り付けられている。内蓋12は、例えばステンレスなどの金属で構成されており、外蓋11の本体1側の面に係止材13を介して取り付けられている。内蓋12の周縁部には、鍋状容器5の上端部外周に形成されたフランジ部5aとの密閉性を確保するシール材である蓋パッキン9が取り付けられている。また、内蓋12には、内部温度センサー16を挿入させる孔部12aが設けられ、外蓋11には、内蓋12の孔部12aに挿入された内部温度センサー16の外周の隙間を塞ぐパッキン11aが取り付けられている。
(圧力調整手段)
次に、実施の形態1に係る炊飯器100の圧力調整手段を説明する。
鍋状容器5内の圧力を調整する圧力調整手段は、調圧口20が形成された弁座21、弁座21の上に載置されるボール状の弁体22、及び弁体22を収容する弁室を形成するフレーム23を備えた調圧弁と、この調圧弁を駆動する調圧装置24とを有する。
(調圧弁)
調圧口20が形成された弁座21は、内蓋12の略中央部に形成された開口に取り付けられている。蓋体10が閉じられた状態においては、調圧口20を介して鍋状容器5の内部と外部とが連通し、鍋状容器5内の蒸気は調圧口20を通って外部へ流出する。ボール状の弁体22は、弁座21の上に載置され、その位置に応じて調圧口20を開閉する。調圧口20の上に弁体22が位置している状態においては、弁体22はその重量を利用して調圧口20を封止し、鍋状容器5内を所定の圧力に保つ。また、弁体22は、調圧装置24からの力を受けて移動して調圧口20を開放し、鍋状容器5内の圧力を低下させる。弁体22の周囲はフレーム23で囲まれており、弁体22は弁座21から脱落しないようになっている。
この調圧弁は、内蓋12の上面に、上方に向かって突出して設けられている。内蓋12が外蓋11に取り付けられた状態においては、外蓋11の下面に設けられた調圧室26に調圧弁が挿入される。外蓋11の下面には、調圧室26の外側を囲み、調圧室26内の蒸気が調圧室26の外部(外蓋11と内蓋12との間に形成される空間)に漏れ出すのを防ぐ調圧空間パッキン25が取り付けられている。
(調圧装置24)
調圧装置24は、制御手段8に制御され、調圧弁の動作を制御する。調圧装置24は、ソレノイドと、ソレノイドに駆動されるプランジャと、プランジャに固定され弁体22と対向する位置に設けられた作動体と、作動体を突出方向に付勢するバネとを備える。ソレノイドは制御手段8によって通電制御され、ソレノイドへの通電状態(オン又はオフ)に応じてプランジャ及び作動体の突出状態が切り替わる。ソレノイドへの通電状態がオフ状態である場合、プランジャ及び作動体はバネに付勢されて突出状態となり、作動体に押されて弁体22は調圧口20から外れ、鍋状容器5内の空気と外気とが流通可能となって鍋状容器5内に圧力は印加されない。一方、ソレノイドへの通電状態がオン状態である場合、プランジャ及び作動体は吸引されて弁体22を押さず、弁体22は調圧口20を塞いで鍋状容器5の空気及び外気の流通を遮断する。
なお、ここで説明した圧力調整手段の具体的構成は一例であり、鍋状容器5内の圧力を大気圧の状態及び大気圧よりも高い高圧状態に切り替えることのできるものであれば、圧力調整手段の具体的構成は限定されない。
(カートリッジ14)
カートリッジ14には、炊飯中に発生する蒸気圧に応じて上下動する弁(図示せず)を備えた蒸気取入口14aと、蒸気取入口14aの弁を通過した蒸気を外部へ排出する蒸気排出口14bとが設けられている。蒸気取入口14aは、調圧室26に通じており、調圧弁を通過して調圧室26内に流入した蒸気は、蒸気取入口14aからカートリッジ14内に入ってカートリッジ14内を流れ、蒸気排出口14bからカートリッジ14の外へ流出する。カートリッジ14内を流れる過程において蒸気は冷却されて復水するので、炊飯器100の外へ流出する蒸気量を減らすことができる。
(操作表示部15)
操作表示部15は、外蓋11の上面に設けられている。この操作表示部15は、使用者からの操作入力を受け付けるとともに、操作入力に関する情報及び炊飯器100の動作状態を表示する。操作表示部15に対して設定可能な項目としては、例えば、炊飯の開始、取り消し、炊飯予約、炊飯メニューがある。炊飯メニューの具体例としては、標準炊飯又は早炊き炊飯等の炊飯時間に関するもの、かため又はやわらかめ等の炊き上がりの米飯のかたさに関するもの、白米炊飯又は無洗米炊飯等の米の種類に関するもの等が挙げられる。操作表示部15が表示する項目としては、例えば、炊飯中又は予約待機中等の炊飯器100の状態、設定されている炊飯メニューの内容、炊き上がりの予定時刻、現在時刻、炊飯する米の量等が挙げられる。なお、ここで示した操作表示部15の具体的構成は一例であり、本願発明を限定するものではない。
操作表示部15に対して使用者が操作入力を行うと、本体1に内蔵された制御手段8は、入力された炊飯メニュー及び炊飯する米の量に合わせた炊飯プログラムに従って、加熱コイル3及び調圧装置24を動作させて炊飯工程を実行する。
(内部温度センサー16)
内部温度センサー16は、鍋状容器5内の温度を検知する温度検知手段であり、外蓋11に取り付けられている。内部温度センサー16の一部は内蓋12の孔部12aに挿入されており、内部温度センサー16は孔部12aを介して鍋状容器5内の温度を検知する。内部温度センサー16は、例えばサーミスタで構成することができる。内部温度センサー16が検知した鍋状容器5内の温度に関する情報は、制御手段8に出力される。
次に、本実施の形態1に係る炊飯器の炊飯工程の動作について説明する。
図2は、実施の形態1に係る炊飯工程と、被加熱物温度、鍋状容器温度、加熱コイルへの通電電力、及び調圧装置の動作の推移を示す図である。なお、本実施の形態1では、被加熱物温度、すなわち鍋状容器5の内部温度を、内部温度センサー16の検出値に基づいて検出する。また、鍋状容器温度(鍋状容器5の温度)を、鍋底温度センサー4の検出値に基づいて検出する。また、図2では、調圧装置24のソレノイドへ通電されている状態を「オン(加圧)」と表記し、調圧装置24のソレノイドへの通電が遮断されている状態を「オフ」と表記している。
また、図3は、実施の形態1に係る炊飯器の炊飯工程を説明するフローチャートである。
以下、実施の形態1に係る炊飯器100の炊飯工程を、図2及び図3を参照して説明する。なお、図2及び図3にそれぞれ示すS1、S2、・・・、S8は、互いに対応している。
まず、炊飯工程を構成する各工程について大まかに説明する。
図2、図3に示すように、本実施の形態1に係る炊飯器の炊飯工程は、予熱工程(ステップS1)と、昇温工程(ステップS2)と、常圧強火工程(ステップS3)及び常圧弱火工程(ステップS4)を有する常圧加熱工程と、加圧強火工程(ステップS5)及び加圧弱火工程(ステップS6)を有する加圧工程と、減圧工程(ステップS7)と、蒸らし工程(ステップS8)とを含んでいる。
次に、図2と図3に沿って、本実施の形態1に係る炊飯器100の炊飯動作についてさらに説明する。
まず、使用者が、所定量の米とその米量に応じた水量の水を入れた鍋状容器5を本体1内の容器カバー2に収納し、外蓋11を閉じ、操作表示部15の炊飯開始スイッチを押して炊飯開始の動作指示を行うと、制御手段8は炊飯工程を開始する。制御手段8は、まず、炊飯工程の最初の工程である予熱工程を開始する。
(予熱工程)
予熱工程とは、鍋状容器5内の水が沸騰する前の段階であり、鍋状容器5を予熱温度(例えば60℃)で所定時間加熱し、これによって米の吸水を促進し、甘味成分である糖などの呈味成分を生成する工程である。なお、予熱工程は、大気圧状態、すなわち弁体22が調圧口20を開放した状態で行われる。
ステップS1の予熱工程では、制御手段8は、時間計測手段7に予熱工程の経過時間の計測を開始させるとともに、鍋底温度センサー4の検知温度が所定の予熱温度Tを維持するように、加熱コイル3への所定電力の通電と電力遮断とを繰り返して鍋状容器5の温度調節を行う(図2参照)。そして、時間計測手段7により計測された経過時間が所定の予熱時間に達すると、制御手段8は、ステップS2の昇温工程に進む。
(昇温工程)
ステップS2の昇温工程は、鍋状容器5内の水を沸騰させる工程であり、予熱工程終了後から鍋状容器5内の水が沸騰するまでの工程をいう。昇温工程は、鍋状容器5内が大気圧の状態で行われる。
昇温工程では米の吸水が急速に進み、米の糊化が始まるため、鍋状容器5の内部の米に吸水されずに残って鍋状容器5内を流動できる状態の水(遊離水と称する)の量が徐々に減っていく。内部温度センサー16の検知した温度が沸騰温度(100℃)に到達したことで鍋状容器5内の沸騰を検知すると、制御手段8は、ステップS3の常圧強火工程に進む。
(常圧強火工程)
ステップS3の常圧強火工程では、鍋状容器5内を大気圧の状態にして、鍋状容器5の温度が沸騰温度以上の温度になるように所定電力で所定時間加熱することで、被加熱物の沸騰状態を維持し、遊離水が鍋状容器5内の米粒に均一に行きわたるようにする。具体的には、制御手段8は、時間計測手段7に常圧強火工程の経過時間の計測を開始させ(S31)、電力Pで加熱コイル3に通電して鍋状容器5を加熱する(S32)。
なお、この常圧強火工程において、鍋状容器5の温度をオーバーシュートさせて鍋状容器5内を一時的に加圧し、その後、蒸気を抜いて大気圧の状態に戻して沸騰維持させてもよい。そうすることで鍋状容器5内の被加熱物がムラなく全体が均一に沸騰するため、被加熱物にいわゆるカニ穴が形成され、ふっくらと好ましい状態に米飯が炊き上がることにつながる。
時間計測手段7が計測した常圧強火工程の時間が予め設定された所定時間tに達すると(S33;Yes)、制御手段8は、常圧強火工程を終了してステップS4の常圧弱火工程に移行する。
(常圧弱火工程)
ステップS4の常圧弱火工程では、制御手段8は、時間計測手段7に常圧弱火工程の経過時間の計測を開始させる(S41)。また、制御手段8は、常圧強火工程よりも単位時間当たりの電力量が低く、且つ、鍋状容器5内の被加熱物が大気圧の条件下で沸騰維持可能となるような電力Pで鍋状容器5を加熱する(S42)。常圧弱火工程では、常圧強火工程よりも単位時間当たりの電力量が小さい電力Pで加熱することで、被加熱物の焦げ付きを抑制することができ、沸騰状態を維持することで米の吸水と糊化をさらに促すことができる。
この常圧弱火工程において、鍋状容器5内に残っている遊離水は、米に吸水されつつ米粒から溶出したデンプンなどの成分と結合し、鍋状容器5内を流動できる状態ではなくなる。すなわち、遊離水は粘度の高い「おねば」となり、おねばが米飯粒の表層を覆った状態へと変化する。遊離水がなくなると、遊離水の蒸発潜熱として使われていた熱エネルギーが鍋状容器5の温度上昇に使われるため、鍋状容器5の温度は徐々に上昇する。
時間計測手段7により計測された常圧弱火工程の経過時間が所定時間tに達すると(S43;Yes)、制御手段8は、ステップS5の加圧強火工程に進む。このように所定の時間、大気圧の状態で沸騰を維持することで、米の吸水と糊化が過不足のない状態となるようにコントロールすることができるため、炊き上がりの米飯に芯が残るようなことはなく、安定的に美味しく炊き上げることにつながる。なお、所定時間tは、鍋状容器5内の米の吸水及び糊化の状態を所望の状態にするための時間であり、予め実験等により求められた時間である。
なお、上記説明では、常圧弱火工程の経過時間が所定時間tに達すると次の工程である加圧強火工程に移行することを説明したが、鍋状容器5の温度に基づいて加圧強火工程に移行するか否かを判定してもよい。図2に例示するように、常圧弱火工程の開始当初は常圧強火工程よりも鍋状容器5の温度がいったん低下するが、常圧弱火工程で加熱を行って鍋状容器5内の遊離水がなくなると、遊離水の蒸発潜熱として使われていた熱エネルギーが鍋状容器5の温度上昇に使われ、鍋状容器5の温度は徐々に上昇する。したがって、鍋底温度センサー4で検知される鍋状容器5の温度は、鍋状容器5内の遊離水が米に吸水されてなくなり、常圧弱火工程で必要な加熱が行われた状態になったことを示す指標となる。そこで、常圧弱火工程において、鍋底温度センサー4で検知される鍋状容器5の温度がいったん低下した後に上昇して予め設定された温度に到達すると、次の工程に移行する。もしくは、常圧弱火工程において、鍋底温度センサー4で検知される鍋状容器5の温度がいったん低下した後に、鍋状容器5の温度上昇率(単位時間当たりの温度上昇量)が予め設定された値に到達すると、次の工程に移行する。このようにすることで、鍋状容器5内に遊離水がなくなったタイミングを精度よく検知して次の工程に移行できるので、米飯粒の表層に過剰なおねばが付着するのを抑制できる。このため、べちゃべちゃとした不快な粘りが米飯粒の表層に形成されてしまうことを抑制でき、炊き上がりの米飯の食味向上につながる。また、鍋状容器5内の被加熱物の焦げ付きを抑制することができる。
また、常圧弱火工程から加圧強火工程へ移行する条件として、鍋状容器5内の水分の蒸発量を用いてもよい。具体的には、鍋状容器5及び鍋状容器5内の被加熱物の重量を検知する重量センサー(図示せず)を設け、この重量センサーが検知する鍋状容器5及び被加熱物の重量変化から、制御手段8が鍋状容器5内の水の蒸発量を算出する。そして、制御手段8は、算出した蒸発量に基づいて鍋状容器5内の余分な水分が蒸発したと判断すると、次の工程である加圧強火工程へ移行する。もしくは、鍋状容器5内の遊離水がなくなると鍋状容器5の外へ排出される蒸気量が減ることから、制御手段8は、単位時間当たりの蒸発量が予め設定された値まで低下すると、次の工程である加圧強火工程に移行する。このようにしても、鍋状容器5内に遊離水がなくなったタイミングを精度よく検知して次の工程に移行できるので、米飯粒の表層に過剰なおねばが付着するのを抑制できる。このため、べちゃべちゃとした不快な粘りが米飯粒の表層に形成されてしまうことを抑制でき、炊き上がりの米飯の食味向上につながる。また、鍋状容器5内の被加熱物の焦げ付きを抑制することができる。
(加圧強火工程)
ステップS5の加圧強火工程は、鍋状容器5内を常圧から圧力が高い状態へと変化させる工程である。実施の形態1では、鍋状容器5を加熱することで被調理物から蒸気を発生させ、その蒸気を利用して鍋状容器5内を高圧状態にする。
制御手段8は、調圧装置24のソレノイドへの通電状態をオンにして弁体22が調圧口20を塞ぐようにし、被加熱物から発生する蒸気を利用して鍋状容器5内に加圧する(S51)とともに、時間計測手段7に加圧強火工程の経過時間の計測を開始させる(S52)。そして常圧弱火工程における電力Pよりも単位時間当たりの電力量が高くなるような電力Pを加熱コイル3に投入して鍋状容器5を加熱する(S53)。そうすることで、鍋状容器5内に短時間で蒸気が充満して鍋状容器5内を高圧状態にすることができるため、米の糊化が促進されて炊飯時間の短縮につながり、かつ、低い電力でゆっくり長時間加熱するよりも米飯の焦げ付きを抑制できる。なお、電力Pは、本発明の第一電力に相当する。
時間計測手段7により計測された加圧強火工程の経過時間が所定時間tに達すると(S54;Yes)、制御手段8は加圧強火工程を終了してステップS6の加圧弱火工程に進む。
なお、上記説明では、経過時間が所定時間tに達すると加圧強火工程を終了するものとして説明したが、鍋状容器5内の圧力に基づいて加圧強火工程を終了するか否かを判断してもよい。具体的には、鍋状容器5内に圧力を検知する圧力センサー(図示せず)を設け、この圧力センサーの検知圧力が所定の圧力(大気圧よりも高い圧力)を検知したら、制御手段8は加圧強火工程を終了してステップS6の加圧弱火工程に進む。このようにすることで、鍋状容器5内に発生した蒸気によって鍋状容器5内の圧力が十分に上がっているにもかかわらず電力Pで加熱し続けることがないため、無駄な加熱を抑制して省エネルギー化することができ、また被加熱物の焦げ付きを抑制することができる。
(加圧弱火工程)
ステップS6の加圧弱火工程は、鍋状容器5内を大気圧よりも高い状態に保持し、米飯粒の中心部まで糊化させる工程である。
制御手段8は、時間計測手段7に加圧弱火工程の経過時間の計測を開始させる(S61)。そして加圧強火工程における電力Pよりも単位時間当たりの電力量が低くなるような電力Pを加熱コイル3に投入して鍋状容器5を加熱する(S62)。そうすることで、鍋状容器5で加熱コイル3に近い部分、本実施の形態1では鍋状容器5の底面部のみが焦げることなく、鍋状容器5内をムラなく高温状態に維持することができる。
時間計測手段7により計測された加圧弱火工程の経過時間が、鍋状容器5内が所望の圧力状態になる所定時間tに達すると(S63;Yes)、制御手段8は加熱コイル3への通電を遮断する(S64)。こうすることで、鍋状容器5内が過剰に高圧力にならず、また必要以上に鍋状容器5内の米飯から蒸気が飛ばないため、米飯粒の焦げを防ぎ、適度な硬さと粘りを実現することができる。
そして、時間計測手段7により計測された加圧弱火工程の経過時間が、所定時間tに達すると(S65;Yes)、制御手段8は加圧弱火工程を終了してステップS7の減圧工程に進む。なお、加圧弱火工程の終了の判定に用いられる所定時間tは、鍋状容器5内を所望の高圧力状態に保持すべき時間であり、予め実験等により算出された時間である。
なお、上記説明では、ステップS63において経過時間が所定時間tに達するとステップS64に進んで加熱コイル3への通電を停止することを説明したが、鍋状容器5内の圧力に基づいて加熱コイル3への通電の停止タイミングを決定してもよい。
具体的には、鍋状容器5内の圧力を検知する圧力センサー(図示せず)を設け、ステップS63でこの圧力センサーが所望の高圧状態である所定圧力を検知したら、ステップS64に進む。
又は、圧力センサーを設けるのではなく、内部温度センサー16が検知した温度情報に基づいて鍋状容器5内の圧力を算出してもよい。具体的には、ステップS63において、鍋状容器5内が所望の高圧状態となるときの内部温度を内部温度センサー16が検知すると、ステップS64に進む。
このように、鍋状容器5内の圧力が所望の高圧状態となったときにステップS64に進んで加熱コイル3への通電を停止することで、鍋状容器5内を圧力が高すぎる状態あるいは低すぎる状態にすることなく、最適な圧力環境を鍋状容器5内に作ることができる。また、鍋状容器5内を所定圧力まで上昇させるのに必要な加熱量を超えて加熱コイル3で鍋状容器5を加熱することがない。したがって、電力Pで加熱する時間を抑えることができ、省エネルギー化できるとともに、加熱による米飯粒の乾燥や焦げを抑制できるという効果を奏する。
もしくは、時間計測手段7及び圧力センサーの両方を設け、加圧弱火工程の経過時間が所定時間tに達したこと、及び圧力センサーが所定圧力を検知したことのいずれか一方又は両方の条件を満たしたときに、ステップS64に進んでもよい。
例えば、鍋状容器5と蓋パッキン9のはめ合わせが上手くいっていなかったり、鍋状容器5と蓋パッキン9との間に異物が挟まっていたり、もしくは蓋パッキン9の劣化が発生したりしていた場合には、鍋状容器5と蓋パッキン9との間又は蓋パッキン9から鍋状容器5内の蒸気が漏れてしまう可能性がある。もしそのような蒸気漏れが生じた場合、鍋状容器5内の圧力は上昇しない。
このため、ステップS64への移行条件が圧力センサーの検知情報だけの場合は、圧力センサーが所定圧力(つまり、所望の圧力状態)を検知できずに延々と電力Pで加熱することになってしまう。この状態のまま加熱を続けると本体1の外部へ蒸気が漏れたり、米飯が焦げ付いたりしてしまう可能性がある。そのため、圧力センサーの検知圧力が所定圧力に未達であっても、時間計測手段7の計測時間が所定時間tに達した場合は、ステップS64に進むことで上記のような問題を回避することが可能となる。
また、圧力センサーの検出圧力をステップS64への移行条件の一つとすることで、鍋状容器5内の圧力が高すぎたり低すぎたりすることなく、最適な圧力環境を鍋状容器5内に作ることができる。また、鍋状容器5内を所定圧力まで上昇させるのに必要な加熱量を超えて加熱コイル3で鍋状容器5を加熱することがない。したがって、電力Pで加熱する時間を抑えることができ、省エネルギー化できるとともに、加熱による米飯粒の乾燥や焦げを抑制できるという効果を奏する。
また、上記説明では、ステップS6の加圧弱火工程の前半では加圧強火工程よりも小さい電力Pで加熱コイル3に通電し、加圧弱火工程の後半のステップS64では加熱コイル3への通電を遮断して加熱を停止する例を説明したが、加圧弱火工程において加熱を停止することなく以下のような加熱制御を行ってもよい。すなわち、時間計測手段7及び圧力センサーの両方を設け、加圧弱火工程の経過時間が所定時間tに達するまでの間、圧力センサーの検出圧力に基づいて加熱コイル3への通電を制御する。
具体的には、ステップS6の加圧弱火工程を開始すると、制御手段8は、時間計測手段7により加圧弱火工程の経過時間の計測を開始し、所定時間tに到達するまでの間、鍋状容器5内の圧力を検知する圧力センサーの検知圧力が所定の圧力p1からp2(p1<p2)の範囲内の圧力を維持するように、所定電力での加熱コイル3への通電と電力遮断とを繰り返す。より詳細には、圧力センサーの検知圧力が圧力p1以下であるときには、加熱コイル3へ所定電力で通電を行い、圧力センサーの検知圧力が圧力p2を超えると加熱コイル3への通電を遮断して、鍋状容器5内の圧力調節を行う。そして、時間計測手段7により計測された経過時間が、所定時間tに到達すると、ステップS7の減圧工程に進む。
こうすることで、鍋状容器5内の圧力を一定に保持でき、かつ、その圧力で保持される時間を一定にできるため、安定的に美味しい米飯を炊き上げることができる。
(減圧工程)
ステップS7の減圧工程に進むと、制御手段8は、調圧装置24のソレノイドへの通電を遮断して弁体22に調圧口20を開放させ、鍋状容器5内の減圧を開始し(S71)、時間計測手段7に減圧工程の経過時間の計測を開始させる(S72)。弁体22が調圧口20を開放すると、鍋状容器5内の蒸気が、調圧口20、カートリッジ14の蒸気取入口14a、及び蒸気排出口14bを順次通過して外部へ流出し、鍋状容器5内の圧力は低下する。制御手段8は、時間計測手段7により計測された減圧工程の経過時間が所定時間tに達すると(S73;Yes)、ステップS8の蒸らし工程に進む。所定時間tは、鍋状容器5内の圧力が大気圧と同等まで低下するのに必要な時間であり、予め実験等により求められた時間である。
米飯粒は、長時間高圧力状態に保持されると、軟らかすぎたり、粘りすぎたりといった食味低下が起こるが、ステップS7の減圧工程において鍋状容器5内の蒸気を抜いて内部が大気圧と同等になるようにすることで、鍋状容器5内が最適な時間だけ高圧力状態を保持することができる。その結果、米飯のデンプンを十分に糊化させつつ、米飯の食味低下を防ぐことができる。
(蒸らし工程)
ステップS8の蒸らし工程では、制御手段8は、時間計測手段7に蒸らし工程の経過時間の計測を開始させ、時間計測手段7により計測された経過時間が所定時間に達すると、炊飯工程を終了する。
以上のように、本実施の形態1では、沸騰検知後に大気圧の状態で鍋状容器5を加熱して沸騰を維持させる常圧加熱工程(常圧強火工程及び常圧弱火工程)を設け、常圧加熱工程の後に鍋状容器5内に加圧する加圧工程(加圧強火工程及び加圧弱火工程)を設けた。常圧加熱工程(常圧強火工程及び常圧弱火工程)において米飯粒が十分に吸水した後に、加圧工程(加圧強火工程及び加圧弱火工程)を実行するため、米飯粒の表層に過剰なおねばが付着するのを抑制することができる。このため、べちゃべちゃとした不快な粘りが米飯粒の表層に形成されてしまうことを抑制でき、また米飯粒中心部と表層部との硬さの差が大きくならないため、美味しい米飯を炊き上げることができる。
加圧強火工程及び加圧弱火工程における鍋状容器5内の圧力は、1.7気圧〜2.4気圧とするのが望ましい。
図4は、鍋状容器内の最大圧力及び炊飯時間と、炊き上がりの米飯の状態との関係とを示す表である。図4は、実施の形態1に係る炊飯器100と同等の構成の炊飯器を用いて、鍋状容器内の最大圧力が1.3気圧、1.7気圧、2.4気圧となるようにし、かつそれぞれについて炊飯時間を異ならせて実験を行った結果を示している。なお、図4における「炊飯時間」とは、炊飯開始から炊飯終了までの時間の合計であり、図2の例では予熱工程、昇温工程、常圧加熱工程、加圧工程、減圧工程、及び蒸らし工程の時間の合計をいう。また、図4では、米飯の炊き上がりの状態を、米粒の糊化の状態で示している。図4に示されるように、鍋状容器5内の圧力が1.3気圧の場合には、炊飯時間が相対的に短時間のとき(炊飯時間が12分〜20分のとき)に、米粒の中心部まで十分に糊化しにくい。
このため、加圧強火工程及び加圧弱火工程における鍋状容器5内の圧力は、1.7気圧を下限値とするのが望ましい。
また、圧力式の電気炊飯器である炊飯器100の耐圧安全性を考慮して、加圧強火工程及び加圧弱火工程における鍋状容器5内の圧力の上限値は、2.4気圧とするのが好ましい。
また、本実施の形態1では、炊飯工程として、予熱工程及び蒸らし工程を含んでいるが、予熱工程及び蒸らし工程は必ずしも実行しなくてもよい。
図5は、実施の形態1に係る炊飯工程の変形例である。図5に示す炊飯工程は、図2に示した炊飯工程から予熱工程及び蒸らし工程を除いたものである。
図5に示す炊飯工程は、昇温工程から開始する。予熱工程を実行しないため、図5に示す昇温工程においては、図2に示した昇温工程よりも長い時間を設けるのが好ましい。特に、米の吸水が急速に進む60℃以上の温度帯を通過する時間を長く設けるのが好ましい。そのようにすることで、米の吸水が促され、炊き上がったときに芯のない美味しい米飯となる。
また、減圧工程が終了した後は、図2で示した蒸らし工程を実行することなく炊飯工程を終了する。
このように、予熱工程及び蒸らし工程を省くことで、炊飯工程全体の時間を大幅に削減することができる。なお、予熱工程と蒸らし工程のいずれか一方だけを省いてもよく、炊飯工程全体の時間を短縮して短時間炊飯を実現できる。
なお、実施の形態1に示したとおり、大気圧の状態で沸騰を維持する常圧加熱工程(常圧強火工程及び常圧弱火工程)の後に、大気圧よりも高い圧力で加熱することで、炊飯時間を短縮して美味しく米飯を炊き上げることができるため、図2及び図3で示した炊飯工程、又は図5で示した炊飯工程を、通常の炊飯モードに対して短時間で炊飯を終了させるモード(「早炊きモード」)という炊飯メニューとしてもよい。
実施の形態2.
本実施の形態2では、高温の蒸気が炊飯器の外に排出されないように蒸気を冷却する蒸気冷却手段として、蒸気を復水させる水タンクを設けた構成例を示す。なお、本実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明し、前述の図1〜図5と同一又は相当する構成には同一の符号を付す。
図6は、実施の形態2に係る炊飯器100Aの構成の一例を概略的に示す断面模式図である。図6に基づいて、炊飯器100Aについて説明する。この炊飯器100Aは、被加熱物(米や水等の食品)を入れた鍋状容器5を加熱コイル3で加熱することで被加熱物を炊き上げるものである。
炊飯器100Aは、本体1に着脱自在に取り付けられる水タンク30を備えている。また、外蓋11には、鍋状容器5内の蒸気を水タンク30に導く経路を内部に有する蒸気導管34が設けられている。
なお、本実施の形態2の炊飯器100Aは、実施の形態1で示したカートリッジ14を備えていない。
(水タンク30)
水タンク30は、例えばプラスチックで構成され上面を開口した容器であり、本体1の前面側(図6の紙面右側)に着脱自在に取り付けられている。水タンク30の上面開口には、タンク蓋31が着脱自在に嵌め込まれている。タンク蓋31には、水タンク30の内部と外部とを連通させる通気孔(図示せず)と、蒸気導管34のタンク側接続口と接合されるタンク蒸気口32と、タンク蒸気口32から水タンク30内の下方に向かって延びる連通管33とが設けられている。
(蒸気導管34)
蒸気導管34は、炊飯中に発生する鍋状容器5内の被加熱物からの蒸気を取り込んで連通管33及び水タンク30に導く部材である。蒸気導管34は、耐熱性を有する合成樹脂材料等で構成されており、外蓋11に着脱自在に設置されている。蒸気導管34の一端側は調圧室26内に接続され、他端側は連通管33に接続されている。鍋状容器5内で被加熱物から発生した蒸気は、図6に破線矢印210で示すように、調圧口20を介して調圧室26に入り、蒸気導管34に導かれて連通管33内を流れ、水タンク30内に貯留された水203内に分散して復水する。
次に、本実施の形態2に係る炊飯器100Aの炊飯動作についてさらに説明する。
まず、使用者が、所定量の米とその米量に応じた水量の水を入れた鍋状容器5を本体1内の容器カバー2に収納し、所定量の水を入れてタンク蓋31をした水タンク30を本体1にセットする。そして、外蓋11を閉じ、操作表示部15の炊飯開始スイッチを押して炊飯開始の動作指示を行うと、制御手段8は炊飯工程を開始する。使用者により炊飯開始スイッチがオンされて炊飯開始が指示された後の炊飯工程の動作は、実施の形態1と同様であり、図2及び図3に示す炊飯工程、又は図5に示す炊飯工程を実行する。
以上のように、本実施の形態2の炊飯器100Aは、水タンク30を備え、鍋状容器5内で発生した蒸気は水タンク30内に予め貯留された水203で冷却されて復水する。このため、鍋状容器5内で発生した蒸気は、炊飯器100Aの機体外に出ない。図2、3、4に示した減圧工程において、高圧状態の鍋状容器5を大気圧の状態にするために短時間に大量の蒸気が勢いよく鍋状容器5から排出される場合でも、その蒸気は水タンク30内で復水されるため、蒸気によって炊飯器100Aが置かれているキッチンの湿度が高くなって不快な環境になるといったことを防ぐことができる。また、使用者が炊飯器100Aを棚に設置して炊飯している場合でも、炊飯器100Aの機体外へは蒸気が排出されないため棚内に結露が発生することを予防することができ、蒸気の熱によって棚を傷めてしまうことも防ぐことができる。
なお、本実施の形態2では、蒸気を炊飯器100Aの外に排出させない蒸気冷却手段として、水タンク30内の水で蒸気を冷却して復水する水冷式の手段を示したが、蒸気を炊飯器100Aの外部に排出しないための具体的構成はこれに限定されない。例えば、調圧室26から出た蒸気の通過経路にペルチェを配置し、ペルチェで蒸気を冷却して結露させて蒸気を水として回収してもよい。このようにすることで、高温の蒸気が炊飯器100Aの機体外へ排出されないので、前述のとおり、キッチンの湿度が高くなって不快な環境になるといったことを防ぐことができる。また、炊飯器100Aを棚に設置して炊飯している場合でも棚内に結露が発生せず、蒸気の熱によって棚を傷めてしまうことも防ぐことができる。
又は、調圧室26から出た蒸気に送風するファン(送風装置)を設け、ファンからの送風で蒸気を冷却し、低温となった気体を炊飯器100Aの外に排出するようにしてもよい。このようにすることで、高温の蒸気が炊飯器100Aの機体外へ排出されないので、使用者が炊飯器100Aを棚に設置して炊飯している場合でも、蒸気の熱によって棚を傷めてしまうことを防ぐことができる。
なお、実施の形態1及び実施の形態2では、鍋状容器5を加熱することで被調理物から蒸気を発生させ、その蒸気を利用して鍋状容器5内を高圧状態にする例を示したが、鍋状容器5内に加圧する具体的構成はこれに限定されない。例えば、水を貯留する貯水槽とこの貯水槽を加熱する貯水槽加熱手段とを備え、貯水槽内の水を加熱して蒸気にし、その蒸気を鍋状容器内に供給することで鍋状容器5内に加圧するようにしてもよい。こうすることで、被調理物の加熱を抑制しつつ鍋状容器5内の圧力を上昇させることができるので、被加熱物が焦げることがなく、また貯水槽から蒸気の供給を受けることで鍋状容器5内の米飯のツヤが向上する。
1 本体、2 容器カバー、2a 孔部、3 加熱コイル、4 鍋底温度センサー、5 鍋状容器、5a フランジ部、6 ヒンジ部、7 時間計測手段、8 制御手段、9 蓋パッキン、10 蓋体、11 外蓋、11a パッキン、12 内蓋、12a 孔部、13 係止材、14 カートリッジ、14a 蒸気取入口、14b 蒸気排出口、15 操作表示部、16 内部温度センサー、20 調圧口、21 弁座、22 弁体、23 フレーム、24 調圧装置、25 調圧空間パッキン、26 調圧室、30 水タンク、31 タンク蓋、32 タンク蒸気口、33 連通管、34 蒸気導管、100 炊飯器、100A 炊飯器、200 米、201 水、203 水。

Claims (10)

  1. 上面を開口した鍋状容器と、
    前記鍋状容器の前記開口を覆う蓋と、
    前記鍋状容器を加熱する加熱手段と、
    前記鍋状容器内の圧力を調整する圧力調整手段と、
    前記加熱手段及び前記圧力調整手段を制御して炊飯工程を実行する制御手段とを備え、
    前記制御手段が実行する前記炊飯工程は、
    前記鍋状容器内を大気圧の状態にして沸騰を維持させる常圧加熱工程と、
    前記常圧加熱工程の後に実行され、前記鍋状容器内を大気圧よりも高圧の状態にする加圧工程と、
    前記加圧工程の後に実行され、前記鍋状容器内の圧力を前記加圧工程よりも低下させる減圧工程とを含む
    ことを特徴とする炊飯器。
  2. 前記制御手段は、前記加圧工程において、
    当該加圧工程の直前に実行される工程よりも単位時間当たりの電力量が大きい第一電力で、前記加熱手段に通電する
    ことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
  3. 前記加圧工程は、
    前記第一電力で前記加熱手段に通電する加圧強火工程と、
    前記加熱手段に通電する電力を前記第一電力よりも低下させる加圧弱火工程とを含む
    ことを特徴とする請求項2記載の炊飯器。
  4. 前記制御手段は、
    前記常圧加熱工程を開始してからの経過時間が予め設定された時間を経過すると、次の工程に移行する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の炊飯器。
  5. 前記鍋状容器の温度を検知する容器温度検知手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記常圧加熱工程において検知された前記容器温度検知手段の検知温度に基づいて、次の工程に移行するか否かを判断する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の炊飯器。
  6. 前記制御手段は、
    前記常圧加熱工程において、前記容器温度検知手段の検知温度が予め設定された温度に到達した場合又は前記容器温度検知手段の検知温度の温度上昇率が予め設定された値に到達した場合に、次の工程に移行する
    ことを特徴とする請求項5記載の炊飯器。
  7. 経過時間を計測する時間計測手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記加圧工程を開始してからの経過時間が予め設定された時間を経過すると、前記減圧工程に移行する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の炊飯器。
  8. 前記鍋状容器内で発生した蒸気を冷却する蒸気冷却手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の炊飯器。
  9. 前記蒸気冷却手段は、
    内部に水を貯留する水タンクと、
    前記鍋状容器内の蒸気を前記水タンクに導く蒸気導管とを備えた
    ことを特徴とする請求項8記載の炊飯器。
  10. 前記蒸気冷却手段は、前記鍋状容器内から排出された蒸気に送風する送風手段を備え、
    前記送風手段は、前記減圧工程において前記蒸気に送風する
    ことを特徴とする請求項8記載の炊飯器。
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