JP2010274021A - 炊飯器 - Google Patents

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Kuniyuki Nakanishi
邦行 中西
Katsunori Zaizen
克徳 財前
Masanori Hirota
正宣 広田
Shinsuke Sasaki
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Abstract

【課題】従来の圧力式炊飯器は、圧力センサを有しており、この圧力検知部におねばなどがつまって故障したり、圧力センサの圧力検知部内におねばが入り込んで出て行かにくいことから非衛生的な環境になりやすく、炊飯性能が低下したり異臭を生じやすかった。
【解決手段】圧力式炊飯器において、鍋2あるいは内蓋4の温度を測定するために応答性の良い赤外線センサ6を用いて、制御装置10が鍋2あるいは内蓋4の温度が一定以上上昇しないように鍋加熱装置4を制御することで、圧力センサがなくても一定の圧力に保つことができるので、炊飯性能を高く維持することができ、また衛生的な炊飯器を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は鍋から放出される赤外線により鍋の温度を検知しながら炊飯する炊飯器に関するものである。
従来、圧力式炊飯器で圧力センサを搭載した炊飯器は発案されている(例えば、特許文献1参照)。
図9は、特許文献1に示された従来の炊飯器の要部断面図を示すものである。図9に示すように、従来の炊飯器の蓋は、蓋本体37と、蓋本体37の内側に構成されるとともに鍋の上方開口部を密閉する内蓋38と、内蓋38の温度を検知する内蓋温度センサ39と、鍋内の圧力を調整する圧力調整弁40と、圧力調整弁40を開閉するためのソレノイド41と、鍋内の圧力を検知するために内蓋38の穴38aを介して鍋内空間とつながった圧力センサ42とを備え、圧力センサ42は容易に使用者が触れられないように構成されたものである。
特許第3556841号公報
しかしながら、前記従来の構成では、力検知手段部は使用者が誤って強い力を加えて故障させることがないように使用者の手が届きにくい場所に構成されているため、炊飯中に米中のデンプンなどの成分が水中に溶け出した粘性の高い液体であるおねば等が圧力検知手段部に入り込んでも炊飯後等に除去することができず、圧力検知手段部にカビや異臭が発生するという課題があった。
一方、従来のようにサーミスタなどの感熱素子を間接的に鍋に接触させて検知する方式での鍋温度検知では、感温素子の検知の応答性が非常に悪く、炊飯中の炊き上げ工程などのように急速な加熱が必要とされる場合には、応答性が不十分なため鍋内の圧力の制御に使用することができなかった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、圧力センサがなくても鍋内の圧力を応答性よく適切に制御することができる圧力式炊飯器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の炊飯器は、鍋あるいは内蓋の温度を測定するための赤外線センサを備えることとしたものである。
これによって、鍋あるいは内蓋の温度を応答性よく検知できるので、圧力検知手段がなくても鍋内の圧力を適切に制御することができる炊飯器を提供することが可能となる。
本発明の炊飯器は、鍋あるいは内蓋の温度を測定するための赤外線センサを備えることとしたものであり、これにより、鍋あるいは内蓋の温度を応答性よく検知できるので、圧力検知手段がなくても鍋内の圧力を適切に制御することができる炊飯器を提供することが
可能となる。
本発明の実施の形態1における炊飯器の側断面図 本発明の実施の形態1における鍋温度を検知する赤外線センサ周辺の要部断面図 本発明の実施の形態1における内蓋の要部断面図 本発明の実施の形態1における(a)は鍋加熱時のセンサ検知温度プロファイル図(b)は鍋保温時のセンサ検知温度プロファイル図 本発明の実施の形態1における炊飯プログラム実行時の各値のプロファイル図 本発明の実施の形態1における別の鍋温度を検知する赤外線センサ周辺の要部断面図 本発明の実施の形態1における別の炊飯プログラム実行時の各値のプロファイル図 本発明の実施の形態2における内蓋温度を検知する赤外線センサ周辺の要部断面図 従来の炊飯器の要部断面図
第1の発明は有底筒状の炊飯器本体に収納された鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱装置と、前記炊飯器本体の開口部を開閉可能な蓋本体と、前記鍋から放射された赤外線により鍋温度を検知する赤外線センサと、鍋内の圧力を調整する圧力調整弁と、前記鍋加熱装置を制御する制御装置とを備え、前記赤外線センサで検知された値に応じて前記圧力調整弁を制御することにより、鍋の温度を応答性よく検知できるので、圧力検知手段がなくても鍋内の圧力を適切に制御可能な炊飯器を提供することが可能となる。
第2の発明は、有底筒状の炊飯器本体に収納された鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱装置と、前記炊飯器本体の開口部を開閉可能な蓋本体と、前記蓋本体内に取り付けられるとともに前記鍋の上方開口部を密閉する内蓋と、前記内蓋から放射された赤外線により内蓋温度を検知する赤外線センサと、鍋内の圧力を調整する圧力調整弁と、前記鍋加熱装置を制御する制御装置とを備え、前記赤外線センサで検知された値に応じて前記圧力調整弁を制御することにより、内蓋の温度を応答性よく検知できるので、圧力検知手段がなくても鍋内の圧力を適切に制御可能な炊飯器を提供することが可能となる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の制御装置は、沸騰維持工程中は工程開始以降所定時間だけ圧力を付加するように鍋加熱装置を制御することにより、温度検知により圧力を維持する機能と温度検知により鍋内の水がなくなったことを検知する機能とを両立することが可能となり、圧力検知手段がなくても鍋内の圧力をより適切に制御可能な炊飯器を提供することが可能となる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の制御装置は、炊飯中に赤外線センサが検知した温度を所定の温度に維持することで、鍋内の圧力を所定の圧力に維持するように鍋加熱装置を制御することにより、鍋内の温度を一定にすることで鍋内の圧力を一定に維持することができ、圧力検知手段がなくても連続的に鍋内の圧力を維持することが可能な炊飯器を提供することが可能となる。
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明の制御装置は、炊き上げ工程中は赤外線センサの検知温度が鍋内の上限圧力に対応した温度以上に上昇しても鍋加熱装置を停止しないことにより、熱容量の大きい鍋の場合では炊き上げ工程において鍋底温度が鍋
内雰囲気温度よりも高くなったとしても加熱を止めてしまうことなく一定の速度での加熱が可能となり、圧力検知手段がなくても炊き上げ工程での加熱速度を低下させることなく、炊飯性能を維持した炊飯器を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における炊飯器の側断面図、図2は、本発明の第1の実施の形態における鍋温度を検知する赤外線センサ周辺の要部断面図、図3は、本発明の第1の実施の形態における内蓋の要部断面図、図4は、本発明の第1の実施の形態における(a)は鍋加熱時のセンサ検知温度プロファイル図、(b)は鍋保温時のセンサ検知温度プロファイル図、図5は、本発明の第1の実施の形態における炊飯プログラム実行時の各値のプロファイル図を示すものである。
図1において、本発明の第1の実施の形態にかかる炊飯器は、内部に鍋収納部1aが形成された略有底筒状の炊飯器本体1と、鍋収納部1aに収納され、誘導加熱により発熱する磁性体の金属を含む鍋2と、炊飯器本体1の開口部を開閉可能に炊飯器本体1に取り付けられる蓋本体3と、蓋本体3の内側(鍋2の開口部を覆う側)に着脱自在に取り付けられて、鍋2の開口部を密閉可能な略円盤状の内蓋4と、鍋2を誘導加熱する鍋加熱装置5とを有している。
炊飯器本体1の鍋収納部1aは、炊飯器本体1の上部開口の内周部に嵌合された略環状の上枠1bと、鍋2の形状に対応して有底円筒形状に形成され、上部開口側端部で上枠1bに一体的に接続されたコイルベース1cとで構成されている。炊飯器本体1は、上枠1bと、コイルベース1cと、外殻1fとからなる。
コイルベース1cの外周面には、鍋加熱装置5を構成する底内コイル5aと底外コイル5bと側面加熱ヒータ5cが取り付けられている。底内コイル5aは、コイルベース1cを介して鍋2の底部の中央部周囲に対向するように配置されており、鍋2の底部を加熱する。底外コイル5bは、コイルベース1cを介して鍋2の底部のR部に対向するように配置されており、鍋2のR部を加熱する。
図2において、赤外線センサ6は、鍋2から放射される赤外線を受光する感熱素子6aと、感熱素子6aの周囲温度を検知する感熱素子6bとを含んでいる。感熱素子6aが主に赤外線を検知する範囲は図中太線の内側の角度Bで示す範囲内である。赤外線透過材7はコイルベース1cに固定されており、鍋2を炊飯器本体1にセットした状態で鍋2と赤外線透過材7との距離が0mm〜2mmの間の近接した状態に構成されている。赤外線センサ6の検知範囲(角度B内)はコイルベース1cを含まず、赤外線透過材7内の範囲に調整されている。赤外線透過材7は遠赤外線を通しやすいシリコンやサファイアなど結晶系材料でもよいし、ポリエチレンのような樹脂材料でもよい。
炊飯器本体1内には、各部及び各装置を駆動制御して炊飯動作を行う制御装置10が設置されている。制御装置10は、例えば蓋本体3に設けられた操作ボタン11を使用して行った使用者の指示に応じて、各部及び各装置の駆動制御を行う。
炊飯器本体1の前壁上部(図1の左側上部)には、蓋本体3のフック12に係合可能なフック1dが設けられている。フック1dとコイルベース1cとの間にはバネ1eが設けられている。フック1dは、バネ1eにより前方(図1の左側)に付勢されている。
蓋本体3には、蓋温度検知装置の一例である内蓋温度センサ13と、内蓋加熱装置14と、ヒンジ軸Aと、蒸気筒15とが設けられている。
内蓋加熱コイルからなる内蓋加熱装置14は、蓋本体3内に設置され、制御装置10の制御により内蓋4を誘導加熱するよう構成されている。ヒンジ軸Aは、蓋本体3の開閉軸であり、炊飯器本体1の上枠1cに両端部を回動自在に固定されている。蓋本体3はヒンジ軸Aの近傍に設けた回動バネ16により回動する。
内蓋4の外周部の鍋2側の面には、蓋本体3が閉状態にあるとき、鍋2と密接する略環状の内蓋パッキン17が取り付けられている。内蓋パッキン17は、ゴムなどの弾性体で構成されている。
図3において、内蓋4には圧力調整弁18が設けられ、この圧力調整弁18を動かすために蓋本体3の内部にソレノイド19が設けられている。ソレノイド19は電磁コイルにより棒部19aが駆動するものである。圧力調整弁18は、内蓋4に上下から嵌合固定された圧力調整弁保持具A20と圧力調整弁保持具B21の内側に構成されており、圧力調整弁18は通常では圧力調整弁保持具A20外には出ない構成となっている。圧力調整弁保持具A20の密閉部は圧力調整弁密閉具22からなっており、これは弾性体からなり、鍋2内の蒸気や空気が漏れ出さないように圧力調整弁18が密閉することを可能としている。一方、ソレノイド19はソレノイドパッキン23によって覆われており、これにより蒸気は蓋本体3内に入り込まないようにソレノイドパッキン23と蓋本体3間で密閉されている。圧力調整弁18は鍋内の圧力を約1.4気圧にできる程度の重量を備えている。
圧力をかけてもよいとき、つまり圧力調整弁18が圧力調整弁密閉具22の穴22aを塞いでいるときは、図3に示すような状態となっている。すなわち、ソレノイド19の棒部19aは図中左側に寄っており、圧力調整弁が穴22aを密閉し、ソレノイドパッキン23は一部がたわんだ状態となっている。一方、圧力をかけたくないときは、制御装置10はソレノイド19を駆動させて棒部19aを図中右側に移動させる。これにより圧力調整弁18はソレノイド19の棒部19aに押されて穴22aを密閉できなくなる。このとき、ソレノイドパッキン23のたわみが少ない状態となっている。このような動作により、制御装置10は予め決められた条件によって鍋2内の圧力を自在に制御することが可能である。なお、図中には示していないが、圧力調整弁18が固着するかまたはソレノイド19が故障して動かなくなったときに鍋2内の圧力が所定の圧力以上になると開放する安全弁が備えられている。
蒸気筒15は、蓋本体3に着脱自在に取り付けられており、穴22aから出てきた蒸気は蒸気筒15内を通過して炊飯器外へと放出されるように構成されている。
炊飯器本体1の上面のヒンジA近傍には溝24が設けられている。外気温が非常に低い場合などでは、炊飯が終了した後に蓋本体3を開けた際に、内蓋4の鍋2側に付着した水滴が落下する場合があるが、溝24はこの水滴が落下する範囲に設けられている。
蓋本体3の外表面には、炊飯のメニュー、時間などの各種情報を表示する報知手段25と、炊飯の開始、取り消し、予約などの実行を行うための操作ボタン11が搭載されている。操作ボタン11の操作により、炊飯器本体1に内蔵された制御装置10に内蔵された炊飯プログラムが実行され、鍋加熱装置5、内蓋加熱装置14を炊飯プログラムの進行に合わせて動作、停止させて炊飯を実施する。
炊飯器本体1には炊飯器を運搬するためのハンドル26が設けられている。ハンドル26は、炊飯器本体1の側面上部の略前後中央に軸支されており、ハンドル26の回転方向
は蓋本体3の回転方向と略同一である。運搬時にはハンドル26を回転させて、ハンドル26の軸支点のほぼ直上にハンドル26が位置するようにハンドル26を持ち上げ、使用者はハンドル26のみを持って炊飯器を運搬することが可能となる。運搬しない場合には、蓋本体3の開閉の邪魔にならないよう、ハンドル26が炊飯器本体1が置かれている床面と略水平方向で支持されるヒンジカバー27が設けられている。ヒンジカバー27は炊飯器本体1の後部に取り付けられており、蓋本体3の回動支点となるヒンジAを炊飯器外から隠して、水滴や異物がヒンジに付着しないようにするとともに、ハンドル26がそれ以上下方に回転しないように支持する役割も果たしている。
制御装置10には、制御装置10の部品を冷却するためのヒートシンク28と、このヒートシンク28に送風して強制的に冷却する冷却ファン29を設けている。
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用について説明する。
まず、鍋2内に所定の米と水をセットし、操作ボタン11で、表示手段21に表示される炊飯メニューを選択し、炊飯開始ボタンを押下することで、炊飯工程が開始される。炊飯工程は、水を一定温度に保って米に水を吸収させる浸せき工程、鍋2を鍋加熱装置5により一気に加熱し、鍋2内の水を沸騰状態にする炊き上げ工程、鍋2内の水がほとんどなくなった状態で加熱を抑える蒸らし工程からなり、これらの工程の間に米の糊化を進めて炊飯する。制御装置10は赤外線センサ6により鍋2の温度に応じて最適に鍋加熱装置5を制御し、あらかじめ決められた炊飯プログラムに従って炊飯を行う。炊飯プログラムは米の種類などによって複数のコースが準備されている。この蒸らし工程が終了すると炊飯が終了し、自動的に保温工程へと移行し、炊き上がったご飯の温度が低下しないようにして、使用者がいつでも温かいご飯を得られる。
赤外線センサ6の検知の仕組みと特性について説明する。
鍋2から放射される赤外線を受光する感熱素子6aは、鍋2と感熱素子6aとの温度差に応じた赤外線を検知し、これを温度データに変換することで、鍋2と感熱素子6aとの温度差、つまり相対温度を検知することができる。一方、感熱素子6aの周囲温度を検知する感熱素子6bはサーミスタなどによって周囲の絶対温度を測定することができる。赤外線センサ6はこれらの相対温度と絶対温度とを足し合わせて制御装置10に鍋2の温度データを出力している。例えば、室温20℃の場合で、鍋加熱装置5を動作させず、水温20℃の水を鍋2に溜めた場合には、感熱素子6bは絶対温度20℃、感熱素子6aは相対温度0℃と検知し、これらを足し合わせることで赤外線センサ6としては鍋2温度を20℃と出力する。一方、室温20℃で水温70℃の水を鍋2に入れている場合には、感熱素子6bは絶対温度20℃、感熱素子6aは相対温度50℃と検知し、これらを足し合わせることで赤外線センサ6としては鍋2温度を70℃と出力する。なお、以上の例は一例であり、動作状況や周囲状況などによって検知温度は異なる場合がある。
次に、接触式温度検知と赤外線センサによる温度検知の違いを図4を用いて説明する。図4(a)に示すように、制御装置10が鍋加熱装置5をONする(t1時点)と鍋2が加熱され、鍋2の外面温度はT0からほぼ直線的に上昇していく。鍋加熱装置5をOFFする(t3時点)と、鍋2の外面温度の上昇もT2をピークに終わり、急速に低下し、一定時間後は徐々に温度T1に近づいていく。サーミスタなどの接触式温度検知素子を用いた温度検知方式では、一般的には温度検知素子を覆うように金属製のカバーが設けられており、このカバーを介して温度を検知する。鍋2の温度が上昇し、この鍋2の熱が熱伝達でカバーに伝わり、このカバー全体が加熱されて温度上昇すると、温度検知素子はこのカバーの温度上昇を検知することで、鍋の温度を間接的に検知することが可能となる。つまり、接触式の温度検知方式では、カバーの熱容量が検知精度や応答性に大きな影響を持つ
。そのため、従来の接触式温度検知方式では、鍋加熱装置5をONしても検知温度はしばらくT0のままであり、t2時点でやっとカバー全体が加熱されて検知温度の上昇が始まる。一方、鍋加熱装置5をOFFして鍋2が急激に温度低下しても、カバー全体が加熱されているので検知温度は上がり続け、t4時点まで上昇していく。その後、徐々にT1温度に近づいていくという過程を経るため、温度検知の応答性が非常に悪い。その結果、図4(b)に示すように一定温度(例えば60℃、図中T3)に鍋2の温度を維持する場合でも、一度加熱し加熱停止すると、温度検知部の温度が一定温度以下に下がるまで再度加熱することができないので、赤外線センサ6と比較してまばらな加熱となり、温度検知部はもちろん、鍋2の被加熱部の温度は大きく過加熱を繰り返して均一な加熱とは程遠い状況となってしまう。一方、赤外線センサ6は直接鍋2から放射される赤外線の変化を直接検知している。接触式温度検知とは異なり、鍋2と赤外線センサ6との間に介在物がないので、鍋2温度の変化が直接検出温度に現れる。そのため、加熱の開始と停止が即座に検知することが可能で、応答性が非常に良い。その結果、図4(b)に示すように一定温度(例えば60℃)に鍋2の温度を維持する場合でも、鍋2が一定温度になったことを即座に検知して加熱停止し、鍋2の温度が一定温度以下に下がったことを即座に検知して加熱を再開するため、非常に緊密に小刻みを行うことができ、より均一な鍋2の加熱が可能となり、引いては鍋2内部の調理物の温度もより均一にすることができる。
炊飯プログラム実行による動作の詳細を図5を用いて以下に説明する。
炊飯が開始されると、まず米に水を吸収させる浸せき工程が始まる。制御装置10は、鍋加熱装置5により鍋2を加熱し、鍋2内の水の温度を赤外線センサ6によって検知し、米の糊化が始まらない温度(約60℃未満)に調整して米の吸水を促進する。米は糊化が始まらない範囲で最も高い温度とし、さらにその温度を一定時間(例えば30分〜2時間)継続すると吸水率が向上しやすい。赤外線センサ6は鍋2の壁面の温度をほぼ正確に検知できるので、鍋2の温度が上がりすぎることを検知することができ、鍋2が米の糊化が始まらない温度(約60℃未満)に調整することができる。浸せき工程では、制御装置10はソレノイド19を駆動させないので、圧力調整弁18は閉じたままの状態となっている。
炊き上げ工程では、米に水と熱を加えて糊化を進行させる。炊き上げ工程では水が沸騰するまでの沸騰工程と沸騰した後鍋2内の沸騰状態を維持させる沸騰維持工程とに分けることができる。沸騰工程では、制御装置10は鍋加熱装置5を動作させて鍋2を急速に加熱し、鍋2内の水を沸騰状態とする。このときも圧力調整弁18は閉じたままであるので、図5の下側のグラフに示すとおり鍋2内の圧力は沸騰が開始されると共に上昇していく。したがって、鍋底温度も100℃を超えて上昇することになる。また、炊飯量を検知するために、赤外線センサ6が一定温度(例えば80℃)を検知した後、内蓋4の温度が一定となる判定時間を測定し、この時間から炊飯量を判定している。この判定時間が長くなるほど炊飯量が多いということを意味している。
沸騰維持工程でも制御装置10は断続的に鍋加熱装置5を動作させる。鍋2内の圧力が所定(例えば1.1気圧)以上になると、制御装置10はソレノイド19を駆動させて圧力調整弁18の密閉を解除して、鍋2内の蒸気を炊飯器本体1外へと放出し鍋2内の圧力を大気圧まで低下させる。以上のプロセスを繰り返し、圧力と100℃以上の高温とによる効果で米の糊化を進展させる。炊飯量に応じて予め決められた調圧時間が経過すると、加圧・減圧のプロセスを終了するために、制御装置10はソレノイド19を駆動させて圧力調整弁18の密閉を解除した状態のまま維持する。調圧時間は炊飯量が多くなると長くなるように予め決められている。その後、制御装置10は鍋加熱装置5を動作させることで鍋2内の水が徐々に少なくなると、鍋2の温度は被加熱部2aから100℃を超えて上昇し続ける。このときは赤外線センサ6の検知温度が一定温度以上に上昇しても、鍋2内
の圧力が上昇していることを意味しないため、制御装置10は鍋加熱装置5を停止しない。赤外線センサ6が約130℃を検知することで鍋2内の水がなくなったと判断し、鍋加熱装置5による加熱を停止する。
蒸らし工程では、鍋2内にはほとんど水は残留しておらず、米に付着した余分な水分を蒸散させながら、鍋2内を高温状態(約100℃の状態)に維持して糊化をさらに進展させる。余分な水分を蒸散させるために制御装置10はソレノイド19を駆動させて圧力調整弁18の密閉を解除した圧力のかからない状態としている。この際、制御装置10は、内蓋温度センサ13で鍋2の上部空間の温度を検知しながら、内蓋加熱装置14を動作させて、米に対して熱を与え続け、糊化の進展を促進させる。
また、保温時でも鍋2内の余分な水分を蒸散させるために、断続的に制御装置10はソレノイド19を駆動させて圧力調整弁18による密閉を開放する。
従来の圧力炊飯器は、沸騰維持工程において圧力センサを用いて鍋2内の圧力を一定に保っていた。従来の接触式の温度センサでは温度検知の応答性が非常に悪く、鍋2内の圧力が所定の圧力になっていても接触式温度センサによる検知温度は100℃未満であることもよくあった。そのため、接触式温度センサでは圧力制御ができなかった。しかし、赤外線センサ6は前記のとおり、応答性よく検知が可能なので、鍋2内の圧力と赤外線センサ6による検知温度(100℃以上の温度範囲において)とは、ほぼ線形的に対応する。そこで、沸騰維持工程において赤外線センサ6による検知温度が所定の温度になると、制御装置10はソレノイド19を駆動させて圧力を低下させる。これにより鍋2内の圧力を所定の圧力(例えば1.1気圧)以下に制御することができる。圧力が上がりすぎると(例えば1.3気圧以上)、ご飯に粘りが出すぎたりするなど食味が低下するため、圧力を所定の範囲内に抑えることは非常に重要となる。一方、圧力をかける時間が少なくなると、圧力効果が小さくなり、ご飯に与える熱量が少なくなってしまい、炊飯性能が低下してしまう。つまり、炊飯中に所定の時間だけ所定の圧力を維持することが炊飯性能に大きく影響する。なお、炊飯するお米の種類によってこれらの時間と圧力の関係は異なり、白米よりも玄米や赤米などの方がより長い時間より高い圧力をかけると食味が増し、炊飯性能が向上する。
以上の構成により、本実施の形態の炊飯器は、赤外線センサで鍋温度を応答性よく検知することによって、圧力センサがなくても赤外線センサによって鍋温度を検知することで鍋内の圧力を所定の範囲に制御することができるので、蒸気やおねばが入り込んで非衛生的な環境になりやすい圧力センサを省いて衛生的で炊飯性能の高い炊飯器を提供することができる。
また、赤外線センサは図6に示すような構成でもよい。図6は、本発明の第1の実施の形態の別の鍋温度を検知する赤外線センサ周辺の要部断面図である。
図6において、赤外線透過材7を金属製の赤外線センサカバー30と透過材押さえ台31との間に挟みこむようにして固定する。赤外線センサカバー30はほぼ隙間なく鍋2と接触する形状であり、赤外線センサカバー30が鍋2に接触して赤外線透過材7は鍋2には接触しない。赤外線センサカバー30は透過材押さえ台31に固定されている。透過材押さえ台31は内部に赤外線センサ6を固定するためのリブ31aを有しており、この赤外線センサ6の検知範囲は赤外線透過材7以内の範囲となるように設けている。赤外線センサカバー30は、押さえバネ32によって鍋2に押し付けられている。押さえバネ32は透過材押さえ台31とバネ受け台33とに挟まれた状態で構成されており、バネ受け台33はコイルベース1cに一体的に固定されている。鍋2がセットされている状態では、透過材押さえ台31は鍋2に押し付けられ、一定の圧力で赤外線センサカバー30が鍋2
に押さえつけられる。鍋2がセットされない状態では、赤外線透過材7は図中よりも上側(鍋2側)に移動し、一定距離動くと停止し、外れてしまわないように構成されている。温度検知センサ34は赤外線センサカバー30の一部に接触するように固定されている。
以上のような構成により、赤外線センサ6は透過材押さえ台31と一体的に固定されているので、例えば鍋2を支持する鍋載置部1j(図1に図示)に異物が存在し、鍋2が傾いた状態でセットされた場合などでも、押さえバネ31により赤外線センサカバー30や透過材押さえ台31などは鍋2の傾斜に合わせて傾斜した状態で炊飯を行う。このとき、赤外線センサ6が炊飯器本体1に固定されていると、通常の場合と異なる検知温度範囲となるとともに、最悪の場合には透過材押さえ台31などが赤外線センサ6の視野範囲に入ってきて、検知温度に誤差が生じる原因となってしまう。一方、本実施の形態のように赤外線センサ6が透過材押さえ台31と一体的に固定されていると、赤外線センサ6も傾斜するため、通常の場合と鍋2の温度検知範囲とほとんど変化しないため、検知温度に誤差が生じにくくなりよい。また、透過材押さえ台31が存在するために赤外線センサ6が鍋加熱装置5からの放射熱を受けにくいので、より正確に鍋2温度を検知できるのでよい。
また、制御装置10は沸騰維持工程の調圧時間内において、図7に示すように赤外線センサ6の検知温度が一定になるように鍋加熱装置5を制御してもよい。ここで、図7は、本発明の第1の実施の形態における別の炊飯プログラム実行時の各値のプロファイル図である。図示のように、赤外線センサ6の検知温度が一定になるように鍋加熱装置5を制御することで、圧力の効果と100℃以上の高温による効果で米をさらに糊化させることができるのでよい。玄米や赤米などの硬い米は白米に比べてより加圧時間を増加させた方が食味が良化するのでよい。
また、制御装置10は沸騰工程において、赤外線センサ6の検知温度が一定温度(例えば105℃)を超えても鍋加熱装置5を停止しない。鍋2の熱容量が大きい場合や鍋2の素材の熱伝導率が悪い場合には、鍋2内の温度は100℃未満でも鍋2の外表面温度は高く一定温度(例えば105℃)を超える場合もある。沸騰工程での鍋2の加熱速度は炊き上がったご飯の硬さに大きく影響し、加熱速度が速すぎても遅すぎてもおいしいご飯にはならず、適切な加熱速度が柔らかいおいしいご飯を炊く上では必要となる。しかし、赤外線センサ6が一定温度(例えば105℃)を検知した時点で制御装置10が鍋加熱装置5の駆動を停止してしまうと、適切な加熱速度を維持できなくなり、食味が低下してしまう。しかし、沸騰工程においては赤外線センサ6の検知温度が一定温度(例えば105℃)を超えても鍋加熱装置5を停止しないことで、適切な加熱速度を維持することができ、炊飯性能を高めることができる。
なお、赤外線センサ6の検知範囲(角度B内)は、必ずしも鍋2の底中央部でなくてもよく、鍋2のR部や側面など他の部分でもよい。
なお、上記では、温度検知手段29により校正しているが、温度検知手段29は鍋2の温度と相関性の取れる他の部分(例えば、鍋2の近傍の空間やコイルベース1cに埋め込まれているなど)に取り付けられていてもよいし、鍋2内の水を沸騰させることにより、この時の温度を100℃と判断して校正することで、温度検知手段29はなくてもよい。いずれの手段にせよ、赤外線センサ6が校正できれば、手段は問わない。
なお、赤外線透過材は必ずしも必要ではなく、赤外線センサ6をコイルベース1cの外側に取り付け、コイルベース1cの一部を薄肉化して赤外線を透過させるなど、他の構成でもよい。
なお、赤外線センサ6の検知範囲が鍋2のR部や側面部にある場合には、赤外線センサ
6の検知範囲の鍋2は湾曲しており、鍋2が放出する赤外線が赤外線センサ6に集まりにくい場合があるが、このような場合に赤外線6の検知範囲の部分のみ鍋2に平坦な面を形成するなどするとより検知精度が向上するのでよい。また、このような場合には鍋2には鍋収納部1aにセットする際にセットする方向性が決まる場合があるが、そのような場合には鍋収納部1aのどこかに突起形状などを設けると、鍋2の平坦な面が赤外線センサ6に合うようにセットできるのでよい。
なお、鍋2底の温度を検知する温度センサと、前記温度センサとは別に鍋2から放射された赤外線により鍋温度を検知する赤外線センサとを設けた炊飯器とすると、温度センサにより沸騰維持工程において鍋2内の水がなくなったかどうかの判定をし、赤外線センサは鍋2内の圧力を検知するために使用することで、調圧時間を設けることなく、水がなくなる直前まで鍋2内を加圧することができるので炊飯性能が向上してよい。このとき、温度センサと赤外線センサは鍋2のほぼ同じ部位の温度を測定しても良いし、または温度センサは鍋2の底中央部の温度を計測し、赤外線センサは鍋2のR部の温度を計測するなど別々の温度を測定してもよい。
(実施の形態2)
図8は、本発明の第2の実施の形態における内蓋温度を検知する赤外線センサ周辺の要部断面図を示している。実施の形態1と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図8において、内蓋4の温度を計測するために赤外線センサ35が蓋本体3内に設けられている。赤外線センサ35の固定部は図8では省略する。赤外線センサ35と素材の間の蓋本体3の一部には、赤外線透過材36が設けられている。赤外線透過材36は赤外線透過度の高い素材で構成されており、蓋本体3内に内蓋4側から水蒸気等が侵入しないように蓋本体3に対して隙間なく取り付けられている。
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用について説明する。
基本的な動作は前記実施の形態と同様であるので省略する。炊き上げ工程中の沸騰工程において、炊飯量を検知するために、赤外線センサ6が一定温度(例えば80℃)を検知した後、内蓋4の温度が一定となる時間を測定し、この時間から炊飯量を判定している。この内蓋4の温度を検知するために赤外線センサ35を使用することで、従来のサーミスタを用いた接触式の温度検知手段と比較して内蓋4の温度を非常に応答性よく検知することができる。その結果、炊飯量は従来と比べて飛躍的に正確に検知できる。炊飯量が正確に検知できると、その後の沸騰維持工程以降の工程での加熱量・加熱時間を炊飯量に合わせて適切に選択することができるので、従来のように炊飯量を誤判定することによる食味の低下をほとんど起こらなくすることができる。
内蓋4の温度を測定する赤外線センサ35により鍋2内の圧力を制御する場合には、赤外線センサ6により鍋2の温度を計測していた場合とは異なり、調圧時間を定めずに鍋2内に水がなくなる寸前まで加熱することができ、沸騰維持工程での圧力をかける時間をより延長することが可能となる。その後、制御装置10は鍋加熱装置5を動作させることで鍋2内の水が徐々に少なくなると、鍋2の温度は被加熱部2aから100℃を超えて上昇し続ける。赤外線センサ6が約130℃を検知することで鍋2内の水がなくなったと判断し、鍋加熱装置5による加熱を停止する。
内蓋4は内蓋加熱装置14により誘導加熱で加熱されるので、非接触状態で加熱される。内蓋加熱装置14が内蓋4と接触して熱を伝えるタイプ(例えばヒータなど)の加熱手段を用いると、内蓋4よりも内蓋加熱装置14の方が温度が高くなり、周囲温度が急激に
上昇しやすくなる。また、赤外線センサの視野に内蓋加熱装置14が含まれてしまうと正確な内蓋4の温度検知ができなくなってしまう。しかし、本実施の形態のように非接触状態で内蓋4を加熱することで、周囲温度を低減し、また内蓋4の被加熱部4cを赤外線センサの視野に選択しても温度精度が低下しないので、赤外線センサの視野を自由に選択できる。
以上の構成により、本実施の形態の炊飯器は、赤外線センサで鍋温度を応答性よく検知することによって、圧力センサがなくても赤外線センサによって鍋温度を検知することで鍋内の圧力を所定の範囲に制御することができるので、蒸気やおねばが入り込んで非衛生的な環境になりやすい圧力センサを省いて衛生的で炊飯性能の高い炊飯器を提供することができる。
また、制御装置10は浸せき工程や炊き上げ工程において、内蓋加熱装置14を動作させると、内蓋4の放射熱で鍋2内の水を加熱することができる。鍋2内の水と米は鍋2によって加熱されるので、鍋2の温度は水温よりも高くなっている。特に浸せき工程では米の温度を糊化温度以下に維持することが重要であるが、吸水を促進するためには糊化温度以下の範囲で水温を上げることが効果的であることはよく知られている。そのため、従来は鍋加熱装置5で鍋2を加熱し、水を介して米を加熱していた。しかし、鍋2内の一部の米は鍋2に接触しており、鍋2に接触した米は鍋2に直接加熱されて糊化温度以上の温度にまで加熱され、浸せき工程であるにも関わらず、糊化が開始されてしまっている場合もあった。糊化が開始されると、米の中の成分が水に溶け出し、水中に逃げ出してしまうとともに、でんぷんを含むこれらの溶出成分が鍋2からの熱を吸収して糊化を始めるため、鍋2の熱が米に届きにくくなり、加熱効率が落ちてしまっていた。さらに、鍋2に接触する米は早い段階から糊化が進展してしまうので、食味が低下してしまい、鍋2内で炊きあがった米にムラが生じる原因となっていた。内蓋4の放射熱は鍋2内の水と米を加熱するが、基本的に米は沈殿するため、主に水を加熱する。そのため、米が鍋2温度よりも上昇することがないため、鍋2に接触する米が糊化することはなく、均一に効率よくご飯を炊くことができる。
炊き上げ工程においても、鍋加熱装置5OFFによって鍋2を連続的に加熱し、鍋2内の水を沸騰状態とすると鍋2全体としては不均一な加熱状態となるが、内蓋4の放射熱で加熱することで、鍋2内を均一に加熱することができ、効率的に加熱することが可能となる。
内蓋4の放射熱で鍋2内の水と米を加熱する際には、もちろん内蓋4の温度を上昇させる必要がある。内蓋4を内蓋加熱装置14により短時間に加熱すると、内蓋4が内蓋加熱装置14により直接加熱される被加熱部4cとその他の部分との温度差が非常に大きくなる。従来の接触式温度センサでは、構成上の問題で、被加熱部4cの温度を検知することができないため、内蓋4の温度を一定温度に制御しようとしても、被加熱部4c以外の温度を基に温度制御するため、被加熱部4cの温度は一定とは言えない大きく上下するような制御しかできない。一方、本実施の形態に示すように、内蓋4の被加熱部4cの温度を赤外線センサで検知することで、内蓋4の被加熱部4cの温度を一定に温度制御できる。内蓋4の被加熱部4cの温度制御が難しく温度変動幅が大きい場合には、周囲部品の耐熱温度を超えないように、温度変動幅の分だけ被加熱部4cの中心温度を低下させて制御する必要があるため、単位時間当たりの内蓋4の加熱量は非常に低い。一方、内蓋4の被加熱部4cの温度制御が容易で温度変動幅が小さい場合には、被加熱部4cの中心温度を周囲部品の耐熱温度に近い温度に設定することが可能となるので、単位時間当たりの内蓋4の加熱量は高くなる。そのため、鍋2の水と米を効率よく加熱することが可能となる。
以上のように、内蓋4の被加熱部4cの温度を検知する赤外線センサを備え、炊飯を開
始した後、鍋2内の水が沸騰するまでの間に、内蓋4の放射熱で鍋2内の水を加熱する炊飯器で、内蓋4の温度制御性が向上し、効率よく鍋2内の水が加熱することができるとともに、米を均一に加熱することができるので、食味を向上させることができる。 なお、必ずしも内蓋4のみで鍋2内の水を加熱する必要はなく、鍋加熱装置5と組み合わせて加熱することで、より効率よく均一に加熱することができてよい。
また、内蓋4全体を金属以外の均質な単一素材で構成すると、内蓋4が割れてしまわない限りどんな深い傷がついた場合でも内蓋4が放出する赤外線は大きく変化せず正常に炊飯できるのでよい。
なお、本実施の形態において、鍋2の温度を測定するために赤外線センサ6を用いているが、サーミスタなどを鍋2に間接的に接触させて温度検知するなど他の手段でもよい。
なお、本実施の形態において、赤外線センサ6は、本実施の形態では炊飯器の底中央に配置しているが、鍋2のR部に対向する部分や側面、上枠1bなどの他の場所に配置しても、鍋2の温度が検知できればよい。
なお、上記すべての実施の形態において、白米を炊飯するコースと玄米などを炊飯するコースとでは、加圧する圧力や通算時間を変化させてそれぞれに合う最適な圧力と通算時間とするとよい。
なお、上記すべての実施の形態において、放射率が同じと表現している場合は、赤外線センサ6あるいは35が検知できる波長の範囲内で全体的な放射率が同じであればよいので、放射率の波長依存性まで全く同じである必要はない。
なお、上記すべての実施の形態において、加熱装置5や内蓋加熱装置14は鍋2および内蓋4を誘導加熱しているが、ヒータによる接触加熱や遠赤外線による放射加熱、マイクロ波による加熱など他の手段を用いてもよい。
なお、上記すべての実施の形態において、赤外線センサの感熱素子は赤外線を検知するものと周囲温度を検知するものからなればよく、薄膜サーミスタ、チップサーミスタ、ビードサーミスタ、熱電対、サーモパイル型センサ、量子型センサなどどの方式でもよい。
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、応答性の高い赤外線センサで温度を検知することで圧力センサがなくても鍋内の圧力を適切に制御することができるので、鍋の加熱により加圧状態を作り出す他の加熱機器・調理機器等の用途にも適用できる。
1 炊飯器本体
1a 鍋収納部
2 鍋
3 蓋本体
4 内蓋
5 鍋加熱装置
6、35 赤外線センサ
10 制御装置
18 圧力調整弁

Claims (5)

  1. 有底筒状の炊飯器本体に収納された鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱装置と、前記炊飯器本体の開口部を開閉可能な蓋本体と、前記鍋から放射された赤外線により鍋温度を検知する赤外線センサと、鍋内の圧力を調整する圧力調整弁と、前記鍋加熱装置を制御する制御装置とを備え、前記赤外線センサで検知された値に応じて前記圧力調整弁を制御する炊飯器。
  2. 有底筒状の炊飯器本体に収納された鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱装置と、前記炊飯器本体の開口部を開閉可能な蓋本体と、前記蓋本体内に取り付けられるとともに前記鍋の上方開口部を密閉する内蓋と、前記内蓋から放射された赤外線により内蓋温度を検知する赤外線センサと、鍋内の圧力を調整する圧力調整弁と、前記鍋加熱装置を制御する制御装置とを備え、前記赤外線センサで検知された値に応じて前記圧力調整弁を制御する炊飯器。
  3. 制御装置は、沸騰維持工程中は工程開始以降所定時間だけ圧力を付加するように鍋加熱装置を制御する請求項1または2に記載の炊飯器。
  4. 制御装置は、炊飯中に赤外線センサが検知した温度を所定の温度に維持することで、鍋内の圧力を所定の圧力に維持するように鍋加熱装置を制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載の炊飯器。
  5. 制御装置は、炊き上げ工程中は赤外線センサの検知温度が鍋内の上限圧力に対応した温度以上に上昇しても鍋加熱装置を停止しない請求項1〜4のいずれか1項に記載の炊飯器。
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