JP2014142293A - 測距装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より広い広角エリアを測距することができ、かつ全体をコンパクト化し得る測距装置を提供する。
【解決手段】対象物に当てる出射光及びその反射光を通過させる材質により形成したカバーに、発光器に対峙する平板部分と、反射光を集光するための受光器の集光レンズを覆うように形成されたドーム形状部分とを設ける。出射光をドーム形状部分の凹部内に逃がすことができる。また、集光レンズをドーム形状部分の凹部内に没入状態に位置させることにより、発光器からの出射光を広角化しても、カバー裏面での反射光が受光器に入ることによる迷光を防止することができ、簡単な構造によりケースを大型化することなく、広角エリアの測距を行うことができる。
【選択図】図3
【解決手段】対象物に当てる出射光及びその反射光を通過させる材質により形成したカバーに、発光器に対峙する平板部分と、反射光を集光するための受光器の集光レンズを覆うように形成されたドーム形状部分とを設ける。出射光をドーム形状部分の凹部内に逃がすことができる。また、集光レンズをドーム形状部分の凹部内に没入状態に位置させることにより、発光器からの出射光を広角化しても、カバー裏面での反射光が受光器に入ることによる迷光を防止することができ、簡単な構造によりケースを大型化することなく、広角エリアの測距を行うことができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、発光器と受光器とを用いて光学的に距離を測定する測距装置に関するものである。
従来、対象物までの距離を光学的に測定する測距装置として、例えば、発光器から出射された光を対象物に当てて反射してくる反射光を受光器で受光するように、発光器と受光器とを互いに並列に配設し、出射光と反射光との位相差から対象物までの距離を測定するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
上記したような測距装置では、例えば発光器としてLEDや半導体レーザ(LD)等の素子を用い、受光器としてCCDやCMOSセンサ等を用いたものがある。そのような半導体を用いる場合には、素子に対する防塵性を確保するために密閉構造のケース内に各素子を設けるようにしているものがある。その場合には、発光器からの出射光は、発光器の発光面と受光器の受光面とを覆うように位置するケースのカバーを通過して外部へ出射される。なお、カバーは、LEDやLDの出射光を透過可能な合成樹脂材等により形成されている。
また、上記構造の測距装置では、広角エリアで測距可能にするために発光器にLEDを用いる場合には広角LEDを用いるとよい。一方、光を通過させるカバーの形状としては平板形状であることが公知である。しかしながら、LEDの出射光のカバー裏面への入射角度の大きさにより、カバー裏面で反射したり、カバー内で内面反射して裏面から出てきたりする光があり、それらが受光器に入射すると、対象物で反射してくる測距用の反射光に対して迷光となり、測距精度に悪影響を及ぼすという問題があった。
そのような迷光による影響を回避するために、例えばLEDの出射光の広がり角度に応じてLEDの出射面と受光器の受光面との位置を離すことが考えられるが、その場合には測距装置が大型化してしまうという問題が生じる。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、より広い広角エリアを測距することができ、かつ全体をコンパクト化し得る測距装置を提供することにある。
本発明の測距装置は、対象物までの距離を光学的に測定する測距装置であって、 前記対象物に当てる光を出射するための発光器と、前記発光器から出射されかつ前記対象物から反射してきた反射光を検知するべく前記発光器と並列に設けられた受光器と、前記出射光及び前記反射光を通過させる材質で形成されたカバーとを有し、前記受光器の受光面側に、前記反射光を集光するための集光レンズが設けられ、前記カバーが、前記発光器に対峙する平板部分と、前記集光レンズを覆うように形成されたドーム形状部分を有する構成とする。
本発明によれば、対象物に当てる出射光を出射する発光器及びその反射光を受光する受光器を受容するケースのカバーが出射光及び反射光を通過させる材質により形成されているとともに、カバーには、発光器に対峙する平板部分と、反射光を集光するための受光器の集光レンズを覆うように形成されたドーム形状部分とが設けられていることから、広角エリアを測距するべく発光器から出射光が広角に出射されても、その広角側の出射光をドーム形状部分の凹部内に逃がすことができる。これにより、発光器と受光器との間隔を狭めることができ、簡単な構造によりケースを大型化することなく、発光器からの出射光を広角化しても、カバー裏面での反射光が受光器に入ることによる迷光を防止することができ、広角エリアの測距を行うことができる。
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、対象物までの距離を光学的に測定する測距装置であって、前記対象物に当てる光を出射するための発光器と、前記発光器から出射されかつ前記対象物から反射してきた反射光を検知するべく前記発光器と並列に設けられた受光器と、前記出射光及び前記反射光を通過させる材質で形成されたカバーとを有し、前記受光器の受光面側に、前記反射光を集光するための集光レンズが設けられ、前記カバーが、前記発光器に対峙する平板部分と、前記集光レンズを覆うように形成されたドーム形状部分を有する構成とする。
これによると、対象物に当てる出射光を出射する発光器及びその反射光を受光する受光器を受容するケースのカバーが出射光及び反射光を通過させる材質により形成されているとともに、カバーには、発光器に対峙する平板部分と、反射光を集光するための受光器の集光レンズを覆うように形成されたドーム形状部分とが設けられていることから、広角エリアを測距するべく発光器から出射光が広角に出射されても、その広角側の出射光をドーム形状部分の凹部内に逃がすことができる。これにより、発光器と受光器との間隔を狭めることができ、簡単な構造によりケースを大型化することなく、発光器からの出射光を広角化しても、カバー裏面での反射光が受光器に入ることによる迷光を防止することができ、広角エリアの測距を行うことができる。
また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記集光レンズは、レンズ面が前記ドーム形状部分による凹部内に没入するように配設されている構成とする。
これによると、集光レンズのレンズ面がドーム形状部分により覆われるようになることから、広角エリアを測距するべく発光器から出射光が広角に出射され、平板部分の裏面で反射する裏面反射光が生じても、その裏面反射光の向きは集光レンズのレンズ面から遠ざかる向きであり、そのような裏面反射光が集光レンズに入射することを防止することができる。
また、第3の発明は、前記第1または第2の発明において、前記発光器からの出射光であって前記カバーの前記平坦部分から外部へ出射されかつ前記ドーム形状部分に向けて最大屈折角度で屈折する表面屈折光が前記ドーム形状部分に入射しないようにされている構成とする。
これによると、平坦部分から外部へ最大屈折角度で出射される出射光がドーム形状部分に入射した場合には、ドーム形状部分で屈折して受光器側へ出射されると迷光になる虞が生じるが、平坦部分から外部へ最大屈折角度出射される出射光がドーム形状部分に入射しないようにドーム形状部分を形成したことから、それによる迷光を防止し得る。
また、第4の発明は、前記第1乃至第3のいずれかの発明において、前記発光器からの出射光であって前記平板部分で内面反射して前記ドーム形状部分に向かう内面反射光が、前記ドーム形状部分の裏面から出射して前記集光レンズに至らないようにされている構成とする。
迷光としてドーム形状部分から受光器側に出射される光は、平板部分の内面反射光がドーム形状部分に達し、そのドーム形状部分の面の角度変化により裏面で屈折して出射される。そのため、ドーム形状部分の湾曲形状に応じて出射方向が変化するため、その出射方向が受光器のレンズ面に入射しないように湾曲形状を形成することができ、これにより、平板部分で内面反射してドーム形状部分から出射されて受光器に入射することによる迷光を防止することができる。
また、第5の発明は、前記第1乃至第4のいずれかの発明において、前記発光器からの出射光において前記カバーの表裏面間を前記平板部分の内部で反射して前記ドーム形状部分に向かう内面反射光であって前記ドーム形状部分の裏面から出射して前記集光レンズに至るものが、前記平板部分で繰り返し反射して減衰する構成とする。
これによると、平板部分を内面反射を繰り返してドーム形状部分に向かう光は内面反射率で繰り返し反射することにより大きく減衰し、そのようにしてドーム形状部分から出射された光は、測距の対象となる対象物からの反射光に対して十分に小さな光となり、迷光とはなり得ない。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明による測距装置の使用状態の例を示す概略全体斜視図である。図に示されるように、測距装置1は、測距対象となる対象物2に対向させて、対象物2までの距離を測定する。
図2は、図1のII−II線に沿う断面で矢印方向に見た要部拡大断面図である。図1及び図2に示されるように、測距装置1は、対象物2に当てる出射光を出射する発光器3と、対象物2からの反射光を受光する受光器4と、発光器3及び受光器4を内蔵する横長の直方体形状のケース5とを有する。ケース5は、出射光及び反射光を通過させる側に開口部を有する箱型のケース本体5aと、ケース本体5aの開口部を密閉するカバー6とにより構成されている。
ケース5内には、2層状態でカバー6とそれぞれ平行する2枚の基板7・8が設けられている。カバー6に近い方の基板7には発光器3が配設され、カバー6から遠い方の基板8には発光器3と並列になるように受光器4が配設されている。なお、基板7には、受光器4の受光側部分を基板7からカバー6側に突出させるための開口7aが設けられている。また、本実施形態では、図1に示されるようにケース5の横長方向に、一対の発光器3が内側になり、一対の受光器4が外側になるようにそれぞれ配置されている。
発光器3には、例えば860nmの波長の光(赤外線)を出射するLEDが用いられる。なお、発光器3にはLD(レーザダイオード)を用いてもよい。受光器4は、CCDまたはCMOSからなりかつ基板8のカバー6側の表面に固定された画像センサ11と、カバー6を介して入射する対象物2からの反射光を広範囲で画像センサ11に集光するための集光レンズとしての魚眼レンズ12と、基板8に固定されかつ魚眼レンズ12を保持するレンズホルダ13とにより構成されている。なお、魚眼レンズ12は、同軸かつ一体的に設けられたレンズバレル14をレンズホルダ13にねじ止めすることにより、レンズホルダ13に固定されるようになっている。また、画像センサ11の受光面上にはIRフィルタ15が載置状態に配設されている。
カバー6は、発光器3の出射面側(図2の上側)を覆う部分に対応する平板部分6aと、受光器4の入射面側(図2の上側)を覆う部分に対応するドーム形状部分6bとを有する形状に、合成樹脂の成形により形成されている。なお、上記したように出射光に860nmの波長の光を用いた場合に、カバー6の材質には、860nmの波長の光を通過させるが、それ以外の波長の光は通過させないようにするものを選択することが望ましい。また、ドーム形状部分6bのお椀形の形状は、魚眼レンズ12のレンズ面12aの膨出湾曲面と略相似形であってよい。
次に、受光器4に対象物2からの反射光以外の光が入り混む迷光を遮断する要領について説明する。
画像センサ11で画像として検出可能な光を集光できる範囲となる魚眼レンズ12の取込角度は180度が想定される。さらに、迷光となり得るものまで考慮すると、取込角度を200度程度(図2のθ1)まで考慮するとよい。また、並列に設けられた発光器3に広角LEDを用いた場合には、その出射範囲は180度まで達するものがある。
レンズバレル14は、魚眼レンズ12の円柱状外周面を外囲する円形周壁部14aを有する形状に形成されている。その周壁部14aにより、魚眼レンズ12の縁部分(レンズ面12aの外周)に対してレンズ光軸に直交する方向(取込角度180度に対応)からの入射光は遮断される。なお、図示例ではレンズバレル14により入射光を遮断したが、レンズホルダ13の周壁部13aの高さを高くしてレンズホルダ13により入射光を遮断するようにしてもよい。
これにより、発光器3と受光器4との光軸(C1・C2)方向の位置関係は、周壁部14aの高さ方向(光軸C1の出射方向)先端位置よりも発光器3の出射面(発光器3の光軸C1方向上面)が低い位置に位置するようにする。さらに、魚眼レンズ12に光が入射し得る範囲である取込角度θ1(=200度)内に発光器3の出射面が位置しないようにする。したがって、図に示されるように、発光器3は、魚眼レンズ12の取込角度θ1を超えた範囲に出射面が位置するように配設される。
上記した発光器3と受光器4との光軸(C1・C2)方向の位置関係により、受光器4の魚眼レンズ12に対する光軸C2に交差する横方向からの入射光をカットすることができる。さらに、発光器3からの出射光が受光器4に対して横方向から入射することをより確実にカットするために、カバー6(平板部分6a)の発光器3側となる裏面と発光器3との隙間(図2のd)を、基板7のケース5への取り付けや実装部品の高さのばらつきを考慮して、できるだけ狭くするとよい。隙間dを例えば0.45mmまで狭めることができる。
図3は、出射光Loの出射範囲θ2及び反射光Lrの入射範囲θ3を示す図2に対応する図である。出射範囲θ2は、発光器3から出射された出射光Loであって、平板部分6aを介して屈折してカバー6の表面(平板部分6aの対象物2側となる表面)から外部に出射される光の最大出射角度である。なお、発光器3の出射光Loは面発光で出射される。また、入射範囲θ3は、外部の測距対象物からの反射光Lrであって、ドーム形状部分6bを介して屈折して魚眼レンズ12に入射する光のカバー6への最大入射角度である。各範囲θ2・θ3は、波長やカバー6の材質による光屈折率やドーム形状部分6bの形状に左右されるが、測距装置1として広角エリアを測距できるようにするためには、それぞれ160度まで確保されるとよい。
出射光Loの出射範囲θ2の最大値は、発光器3からの出射光Loが平板部分6aの裏面(ケース5内側の面)から平板部分6a内に屈折し、平板部分6aの表面から外部に出射し得るものであって、図3に示されるようにドーム形状部分6bにより遮断されない最大角度である。また、出射範囲θ2は、ドーム形状部分6bの曲率やその頂点の平板部分6aからの高さにより左右される。一方、反射光Lrはカバー6を通過して受光されるため、その経路上に位置するカバー6の形状は平坦であることが光学的に有利である。そのため、広角エリア測距に対応し得るように設けたドーム形状部分6bの膨出程度をできるだけ平坦に近づけるとよい。図に示されるようにドーム形状部分6bの高さを抑制することにより、出射範囲θ2を上記した160度まで確保し得る。
また、反射光Lrのカバー6への最大入射角度をできるだけ大きくするためには、平板部分6aとドーム形状部分6bとの表面側境界6cの位置をできるだけ受光器4側に近付けるとよい。これにより、ドーム形状部分6bに入射し得る反射光Lrの最大入射角度を大きくし得る。魚眼レンズ12の画像として集光できる取込角度θ1としては180度が考えられるが、ドーム形状部分6bを通過する光の屈折を考慮して、反射光Lrのドーム形状部分6bへの最大入射角度(θ3)を上記した160度とすることができる。
このようにして、カバー6の受光器4に対応する部分にドーム形状部分6bを設けることにより、発光器3による出射光範囲θ2を160度まで広げ、魚眼レンズ12を用いた受光器4により受光可能な入射範囲θ3も160度まで確保することにより、広角エリアの測距が可能になる。そして、ドーム形状部分6bの曲率及び範囲の設定に応じて発光器3及び受光器4間の距離をできるだけ狭めることにより、測距装置1を小型化し得る。
次に、上記形状制約に対応し、かつ小型化した測距装置1における迷光対策について説明する。
図4は、カバー6の裏面で反射した光に対する遮断要領を示す図である。図に示されるように、発光器3から出射された出射光Loであって平板部分6aの裏面で反射して受光器4に向かう裏面反射光Lsが生じるが、レンズホルダ13の高さの調整により、裏面反射光Lsをレンズホルダ13の外周面により遮断できる。なお、発光器3からの出射光Loには横方向(出射角度180度程度)に出射されるものがあるが、レンズホルダ13の周壁部13aの先端(光軸C3方向突出端)位置を発光器3の出射面3aよりカバー6寄りに高くしておくことにより、そのような横方向に出射される出射光Loを何等問題無く遮断し得る。
また、カバー6の裏面における平板部分6aとドーム形状部分6bとの裏面側境界6dと、レンズホルダ13の周壁部13aとの間に生じる隙間を通過する出射光Lo1があるが、その出射光Lo1に対してはレンズバレル14の周壁部14aにより遮断し得る。その周壁部14aの高さ方向先端(光軸C3方向突出端)を、さらに裏面側境界6dすなわち平板部分6aの裏面の延長面よりドーム形状部分6b側に突入させておくことにより、裏面側境界6d及び周壁部14aの先端の間を通過し得る出射光Lo2が生じても、その出射光Lo2は、ドーム形状部分6bの裏面側の凹部内に至り、カバー6の裏面が平坦面の場合には反射して魚眼レンズ12に入射する虞があるが、図4に示されるように出射光Lo2が魚眼レンズ12に当たらないようにし得る。
図5は、カバーから出射されずにカバー内表面で反射する内面反射光に対する遮断要領を示す図4に対応する図である。なお、図において、カバー6の内部を通過する光路を視認容易にするために、カバー6のハッチングを省略している(以下、同様とする)。
出射光Loの平坦部分6aの裏面への入射角度により、平板部分6aの裏面からカバー6内に屈折しても、平板部分6aのカバー内表面で反射して裏面側に戻る内面反射光Lo2がある。その内面反射光Lo2でドーム形状部分6bの裏面からケース5内に出射されるものがある。そのような出射光Loの出射角度は上記出射光範囲θ2の最大値を超える角度になり、例えば出射広範囲θ2が上記160度の場合には160度〜162度の範囲である。そのような範囲の内面反射光Lo2は、図5に示されるように、平板部分6aとドーム形状部分6bとの裏面側境界6dの近傍から出射され、裏面側境界6dとレンズホルダ13との高さ方向の上記位置関係により、レンズホルダ13により遮断されて魚眼レンズ12に至るものは生じない。また、上記160度〜162度の範囲に対応する出射光Loが平板部分6aの裏面で反射する場合には、その裏面反射光Ls(図の二点鎖線の矢印線)は、上記図4で説明したようにレンズホルダ13により遮断される。
図6は、平板部分6aの裏面から出射される内面反射光に対する遮断要領を示す図5に対応する図である。図5と同様に平板部分6aのカバー内表面で反射した内面反射光Lo2であって、平板部分6aの裏面から受光器4側に向けて出射されるものがある。図5の場合には出射面の受光器4に近い部分から出射された場合であり、それに対して図6は、出射面の受光器4から遠い位置から図5と同じ出射角度(出射光範囲160度〜162度)で出射された出射光Loの場合である。
裏面側境界6dの近傍において、平板部分6の裏面はドーム形状部分6bの裏面よりもレンズホルダ13に対して下向きになることから、ドーム形状部分6bの裏面から出射される場合(図5)よりも下向き(レンズホルダ13の底部側)の出射角度となる。したがって、図6に示されるように、内面反射光Lo2はレンズホルダ13により遮断される。また、平坦部分6aの裏面で反射する場合(図の二点鎖線の矢印線)には、その裏面反射光Ls(図の二点鎖線の矢印線)は、図5の場合よりも受光器4から遠い位置で反射するため、レンズホルダ13により遮断される。
図7は、カバー6内に入射した出射光Loがドーム形状部分6b内で繰り返し反射する状態を示す図である。図7においても出射光範囲160度〜162度に対応する出射光Loであって、裏面側境界6d近傍で平板部分6aの裏面からカバー6内に屈折し、さらにドーム形状部分6bの表裏面間を繰り返し反射する場合である。ドーム形状部分6bのカバー内表面で反射した内面反射光Lo3は、ドーム形状部分6bを進むにつれて反射角度が大きくなり、ドーム形状部分6bの裏面側(受光器4側)から出射することはなく、魚眼レンズ12に入射しない。また、上記と同様に平板部分6aの裏面で反射する場合(図の二点鎖線の矢印線)には、その裏面反射光Ls(図の二点鎖線の矢印線)は、上記図4で説明したようにレンズホルダ13により遮断される。
図8は、発光器3から出射されて魚眼レンズ12に横方向から入射するようになる出射光L0に対する迷光対策を示す図である。上記図4では、カバー6の裏面における裏面側境界6dとレンズホルダ13の周壁部13aとの間に生じる隙間を通過し、さらにレンズバレル14の周壁部14aの先端をかわし得る出射光Loが魚眼レンズ12に入射しないようにした。それに対して図8に示されるように、周壁部14aの高さを高くして、裏面側境界6dとレンズホルダ13の周壁部13aとの間に生じる隙間を通過する出射光Lo1を遮断するようにしてもよい。
図9は、平板部分6aの内部で繰り返し反射する内面反射光Lo2がドーム形状部分6bから魚眼レンズ12に至る場合を示す図である。例えば、平板部分6aの裏面に対して入射角度が約30度となる出射光Loであって、平板部分6aのカバー内表面で反射する内面反射光Lo2が生じる場合には、その入射位置から平板部分6aの表裏面間を繰り返し反射してドーム形状部分6bに至る。
カバー6の材質により本実施形態の場合の上記入射角度による内面反射率は4%程度であり、ドーム形状部分6bまでの平板部分6aの長さと内面反射率とにより、平板部分6aを25回反射してドーム形状部分6bに至る。そして、ドーム形状部分6bから出射されて魚眼レンズ12に入射するが、その光到達率は2E−33%と非常に小さくなり、そのような光が魚眼レンズ12に入射しても正規の反射光Lrによる測距に影響を及ぼす迷光とはならない。なお、発光器3の出射面からは上記出射光Loと平行なものが存在し、平板部分6aでカバー内表面で1回反射してカバー内裏面に戻って来た位置にその平行光が入射した場合には、その位置から平板部分6a内を繰り返し反射していく光の強度が増大するが、上記したように光到達率は非常に小さく、そのような増大分が生じても迷光にはなり得ない。
図10は、平板部分6aを繰り返し反射して受光器4へ入射する虞のある入射光Liの最大入射角度で入射し得る場合を示す図である。魚眼レンズ12のレンズ面12aには、その光軸方向にレンズバレル14の周壁部14aの先端よりも突出している部分があり、周壁部14aの先端を通り魚眼レンズ12のレンズ面12aに接する接線方向に入射する入射光Liが考えられる。図示例では、入射角度95度(受光範囲の190度に相当)であり、その入射光Liはドーム形状部分6bの裏面から出射されるが、その出射光が上記入射角度95度の入射光Liとなるには平板部分6aの内面反射光Lo2は臨界角以上となり、実際には有り得ず、迷光にはなり得ない。
図11は、平板部分6aを繰り返し反射して受光器4へ入射する入射光の入射角度の違いによる状態を示す図であり、(a)は90度、(b)は70度、(c)は50度、(d)は30度の場合である。図11(a)の場合には、図9と同様に平板部分6aでの内面反射光Lo2の反射回数が24回となり、魚眼レンズ12への光到達率は図9で説明したように迷光にはなり得ない低い値となる。図11(b)の場合には、平板部分6aでの内面反射光Lo2が内面反射を繰り返しかつドーム形状部分6bでも数回内面反射を繰り返してから出射されるもの(Lo3)があるが、その場合には上記90度の場合よりも反射回数が増大する。また、平板部分6aの内面反射光Lo2において臨界角となるものがある。いずれの場合にも迷光にはなり得ない。図11(c)の場合にも、平板部分6aでの内面反射光Lo2が内面反射を繰り返しかつドーム形状部分6bでも複数回の内面反射を繰り返してから出射されるもの(Lo3)があるが、その場合には上記70度の場合よりもさらに反射回数が増大する。また、平板部分6aの内面反射において臨界角となるものがある。いずれの場合にも迷光にはなり得ない。また、図11(d)の場合には、平板部分6aでの内面反射光Lo2が内面反射を繰り返しかつドーム形状部分6bでも複数回の内面反射を繰り返してから出射されるもの(Lo3)があるが、その反射回数は29回となり、上記と同様に迷光にはなり得ない。なお、入射角度が30度より小さい場合にも、入射角度が90度の場合よりも反射回数が増大することが確認された。
図12は、平板部分6aを繰り返し反射して受光器4へ入射する入射光の入射角度が40度の場合を示す図である。上記から、入射角度が50度以上または30度以下の入射光の場合には迷光にはならないことが確認されたため、その間となる40度の入射角度の場合について、図12を参照して以下に示す。
受光器4への入射角度が40度になる場合は、平板部分6aの裏面から内部への入射角度は42度となり、その条件で発光器3からの出射光Loが平板部分6aに入射した場合には、平板部分6aでの内面反射光Lo2が1回反射し、ドーム形状部分6bでの内面反射光Lo3が12回反射し、受光器4へ向けて出射される光がある。そのような迷光は、上記と同様に平板部分6a及びドーム形状部分6bでの反射率を加味して、略5E−16%となり、非常に小さく迷光として無視し得る値である。平板部分6aでの内面反射角度が同じになる他の出射光Loについては、反射回数が増えるため光到達率は低くなる。
このように、塵埃防止のために発光器3及び受光器4を覆うカバー6に、発光器3側には光を通すのに好適な平板形状の平板部分6aを設け、広角エリア測距に対応するべく魚眼レンズ12を用いた受光器4側にはドーム形状部分6bを設けたことから、受光器4をドーム形状部分6bの凹部内に没入させるように配設することができる。このようにカバー6の簡単な形状ににより、受光器4のレンズ面(魚眼レンズ12)12aを発光器3の出射面に対して出射方向側に位置させることができ、発光器3から直接入射する光や平板部分6aの裏面で反射してくる光をレンズホルダ13等により容易に遮断することができる。
また、発光器3からの出射光Loの一部が平板部分6aで内面反射して受光器4側に至るようになっても、平板部分6aで1回反射してドーム形状部分6bから受光器4に向かう光に対してはレンズホルダ13等により遮断できる。また、平板部分6aからドーム形状部分6bに入る光は、ドーム形状部分6bでの内面反射を複数回繰り返し、また平板部分6aでの内面反射を複数回繰り返し、いずれの場合も光到達率が低くなって迷光とはならない。
以上、本発明を、その好適実施形態の実施例について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施例により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
本発明にかかる測距装置は、発光器からの出射光がカバー裏面で反射して受光器に入射することを防止でき、広角エリアの測距を行うための測距装置等として有用である。
1 測距装置
2 対象物
3 発光器
4 受光器
5 ケース
6 カバー
6a 平板部分
6b ドーム形状部分
11 画像センサ
12 魚眼レンズ
13 レンズホルダ
14 レンズバレル
2 対象物
3 発光器
4 受光器
5 ケース
6 カバー
6a 平板部分
6b ドーム形状部分
11 画像センサ
12 魚眼レンズ
13 レンズホルダ
14 レンズバレル
Claims (5)
- 対象物までの距離を光学的に測定する測距装置であって、
前記対象物に当てる光を出射するための発光器と、前記発光器から出射されかつ前記対象物から反射してきた反射光を検知するべく前記発光器と並列に設けられた受光器と、前記出射光及び前記反射光を通過させる材質で形成されたカバーとを有し、
前記受光器の受光面側に、前記反射光を集光するための集光レンズが設けられ、
前記カバーが、前記発光器に対峙する平板部分と、前記集光レンズを覆うように形成されたドーム形状部分を有することを特徴とする測距装置。 - 前記集光レンズは、レンズ面が前記ドーム形状部分による凹部内に没入するように配設されていることを特徴とする請求項1に記載の測距装置。
- 前記発光器からの出射光であって前記カバーの前記平坦部分から外部へ出射されかつ前記ドーム形状部分に向けて最大屈折角度で屈折する表面屈折光が前記ドーム形状部分に入射しないようにされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の測距装置。
- 前記発光器からの出射光であって前記平板部分で内面反射して前記ドーム形状部分に向かう内面反射光が、前記ドーム形状部分の裏面から出射して前記集光レンズに至らないようにされていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の測距装置。
- 前記発光器からの出射光において前記カバーの表裏面間を前記平板部分の内部で反射して前記ドーム形状部分に向かう内面反射光であって前記ドーム形状部分の裏面から出射して前記集光レンズに至るものが、前記平板部分で繰り返し反射して減衰することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の測距装置。
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2013
- 2013-01-25 JP JP2013011630A patent/JP2014142293A/ja active Pending
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