以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態に係る回転式の重量選別機の概略構成を示す平面図であり、上述の図21の従来例に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
この実施形態の重量選別機1は、回転中心O回りに矢符A方向へ所定の回転速度で回転する回転台2を備え、この回転台2の周囲には、回転台2と一体に回転する複数、この例では16台の載台S1〜S16が設けられており、回転台2上には、後述の集中制御ユニット等を収納した制御ボックス8が設けられている。各載台S1〜S16は、その荷重を検出するロードセル(LC)等からなる荷重センサ51〜516によって回転台2の下部に支持されており、各載台S1〜S16及び各荷重センサ51〜516によって、16台の計量器が構成される。
海産物や農産物等、例えば、魚等の物品13は、供給コンベヤ4から載台S1〜S16上に落下供給される。この供給コンベヤ4は、個別に物品13が載置される載置領域が桟等によって所定の間隔で仕切られており、矢符Bで示される方向へ物品13を搬送する。回転する載台S1〜S16の1台と、供給コンベヤ4の載置領域の1個とが同期して動作し、個々の載置領域に載置された1個の物品13が、供給コンベヤ4の搬送終端の下方の供給位置に回転移動してきた各載台S1〜S16へ順次供給される。
図1に示す物品供給範囲において、供給コンベヤ4から載台S1〜S16に供給された物品13は、回転しながらその重量値が後述のように複数の重量取得位置で測定され、測定された重量値及び予め設定された境界重量値に基づいて、重量ランクが判定される。
また、各計量器は稼働運転中に、荷重センサ51〜516や荷重信号測定回路の零点ドリフトまたは異物付着などによって零点重量値が変動するため、各計量器の載台S1〜S16上の物品13を排出した後、次の物品13が供給される手前の位置Izで載台S1〜S16が無負荷の場合の零点重量値を求め、静止時の零点重量からの零点変動分を補正する自動零点調整を行っている。
この実施形態では、図2に示すように、測定された物品13の重量値Wxと境界重量値Wc1〜Wc7とに基づいて、物品13の重量ランクを、下記のように8つの重量ランク(1)〜(8)のいずれかに判定する。
・Wx<Wc1のとき 重量ランク(1)
・Wc1≦Wx<Wc2のとき 重量ランク(2)
・Wc2≦Wx<Wc3のとき 重量ランク(3)
……………………………………………………………
・Wc6≦Wx<Wc7のとき 重量ランク(7)
・Wc7≦Wxのとき 重量ランク(8)
重量ランクが判定された物品13は、図1に示される円周方向に沿う排出範囲の、判定された重量ランクに対応する振分け位置(1)〜(8)にて、載台S1〜S16のゲートが開いて排出され、振分けられる。
なお、以下の説明では、供給位置で物品13が載台S1〜S16に供給されてから、物品13の重量ランクに対応する振分け位置(1)〜(8)で振分けられるまでの載台S1〜S16の回転経路において、回転方向の上流側(供給位置に近い側)を前方、回転方向の下流側(供給位置から離れた側)を後方という。
この回転式の重量選別機1では、従来例と同様に、上述の図22及び図23に示すように、各載台S1〜S16が取付けられた回転台2を回転駆動するための回転駆動機構を収容した直方体状の収容箱40が、回転する載台S1〜S16の円軌道の一部を占めて、その下方に設置される。
このため、各載台S1〜S16が収容箱40の上方を通過するタイミングにおいて、載台S1〜S16の回転移動による相対的な空気の流れによって、載台S1〜S16に下向きに空気力が作用する。
このように載台S1〜S16が回転する円軌道上の一部に空気の流れを乱すような部分があるために、たとえ回転速度が一定であっても、収容箱40の空気力が載台S1〜S16に作用することによって、各載台S1〜S16の各計量器の出力に振動信号が生じると、その振動信号の振幅の大きさは、載台S1〜S16の回転位置で異なることになる。すなわち、載台S1〜S16の静止零点重量からの零点変動量は一定ではなく、回転位置によって、異なった値となる。この場合、各載台S1〜S16には、円軌道上の同じ位置で収容箱40による空気力が作用するので、空気力によって生じた振動信号による零点変動量は、回転位置と回転速度とが同じであれば、各載台S1〜S16とも共通の値となる。
一方、各載台S1〜S16が取付けられた回転台2の回転軸に、例えば、振動信号発生の要因となる部位が存在し、各載台S1〜S16が円軌道上の特定の位置にあるときに、回転軸とその軸受け機構との間に機械衝撃力が作用して振動信号を発生する場合には、各載台S1〜S16は、円軌道上のそれぞれが異なる位置にあるときに同じタイミングで衝撃力を受けることになる。この場合は、各載台S1〜S16が同じ位置であっても、載台S1〜S16によって振動信号の振幅が異なるので、載台S1〜S16毎、すなわち、計量器毎に零点変動量は異なることになる。
この実施形態では、このような空気力及び機械衝撃力に起因する振動信号による零点変動量を補正して零点調整を精確に行えるようにするものである。
更に、この実施形態では、従来のように、載台S1〜S16が、物品13を最初に振分ける振分け位置(1)の直前付近bに到達した時点で物品13の重量値を1回だけ取得するのではなく、各載台S1〜S16が各ランクの振分け位置(1)〜(7)の手前に到達する度に、各載台S1〜S16の荷重センサ51〜516からの荷重信号によって重量をそれぞれ取得して重量ランクを判定し、判定した重量ランクの振分け位置で物品13をそれぞれ振分けるようにしている。
このように各振分け位置の手前で物品13の重量値を取得して重量ランクを判定し、判定した重量ランクに応じて振分けるために、この実施形態では、図1に示すように、回転する載台S1〜S16の円周に沿って、半円周を8等分する区間である外周位置1,2,3,…8を仮想的に定めている。載台S1〜S16は、円周に沿って16台配置されているので、各外周位置1,2,3,…8は、1台の載台に対応できる区間となっている。
外周位置1は、最初の振分け位置(1)よりも1区間、前方に位置しており、外周位置2〜8は、それぞれ振分け位置(1)〜(7)に対応する位置にある。
図1では、各外周位置1〜8の境界を仮想延長線d1〜d8で示すと共に、外周位置1〜7における各中間位置を仮想延長線I1〜I7で示している。
この実施形態では、供給コンベヤ4から載台S1〜S16に供給された物品13の重量ランクを判定するための重量値を取得するための円周上の位置は、物品13の振分け位置(1)〜(7)より少しずつ手前の仮想延長線I1、I2、I3、……、I7の位置としている。仮想延長線I1、I2、I3、…I7は、載台S1〜S16の回転円周の1周区間の1/16の間隔で円周上に並んでいる。
更に、零点調整のための零点ドリフト補正用重量取得位置を、各計量器の載台S1〜S16の物品13を遅くとも上述の振分け位置(8)で排出した後、次の物品13が供給される手前の位置である仮想延長線Izの位置とし、この零点ドリフト補正用重量取得位置Izで、載台S1〜S16が無負荷の場合の零点重量値を取得する。
また,図1において、物品13を最初の振分け位置(1)で振分けるための重量取得位置である仮想延長線I1よりも4区分だけ前方の位置(1区分は円周の1/16の長さの区間)を仮想延長線I0とする。仮想延長線I0は、物品13が供給される付近の位置である。
仮想延長線I0からI1まで、仮想延長線I0からI2まで、……、仮想延長線I0からI7までの各距離、すなわち、載台の1回転の円周に対する比率で与えられる各距離を、それぞれ仮想延長線I1、I2、…、I7を重量取得位置とする場合の重量測定間隔という。
このように回転する載台S1〜S16の円周上の異なる位置に複数の重量取得位置を設けると、たとえ回転速度が一定であっても、上述の収容箱40による空気力が載台S1〜S16に作用することによる振動信号が生じれば、この振動信号の振幅の大きさ、つまり静止零点重量からの零点変動量は、各重量取得位置I1〜I7,Izによって異なった値となる。
更に、回転する載台S1〜S16が円軌道上の特定の位置にあるときに、上述の機械衝撃力が作用して振動信号が生じれば、たとえ回転速度が一定であっても、その振動信号の振幅の大きさ、つまり静止零点重量からの零点変動量は、各重量値取得位置I1〜I7,Iz毎に異なると共に、載台S1〜S16毎、すなわち、計量器毎にも異なることになる。
各計量器は、零点ドリフト補正用重量取得位置Izで、載台S1〜S16が無負荷の場合の零点重量値を取得し、静止時の零点重量からの変動分を補正する零点調整を行うのであるが、重量取得位置I1〜I7,Iz毎に、上記の空気力及び機械衝撃力に起因する振動信号による零点変動量が存在し、この零点変動量は、重量取得位置I1〜I7,Iz毎に異なる。
したがって、零点調整を精確に行うためには、零点ドリフト補正用重量取得位置Iz及び各重量取得位置I1〜I7における上記の振動信号による零点変動量を除去する必要がある。
そこで、この実施形態では、空気力及び機械衝撃力に起因する振動信号による零点変動量を補正するために、次のようにしている。
すなわち、予め、計量器の載台S1〜S16に物品13を供給しない無負荷時の調整運転において、静止する載台S1〜S16の計量器からの荷重信号に基づく静止零点重量値と、前記重量取得位置I1〜I7,Izで、回転する載台S1〜S16の計量器からの荷重信号に基づく動的零点重量値との差を、零点変動成分として、回転速度毎に、重量取得位置I1〜I7,Iz毎、かつ、計量器毎に求めてメモリに記憶させておき、計量器の載台S1〜S16に物品13を供給して重量選別する稼働運転においては、設定された回転速度、計量器、及び、重量取得位置I1〜I7,Izに応じた零点変動成分を前記メモリから読み出し、重量取得位置I1〜I7,Izで取得される計量器からの荷重信号に基づく重量値を、前記零点変動成分で補正するようにしている。
具体的には、回転速度別、計量器別、及び、重量取得位置別の零点変動量の補正を次のような手順(1)〜(4)で行う。
(1)各計量器の静止零点重量値の測定
無負荷状態の各計量器を回転させることによって現れる零点変動分を検出するためには、無負荷状態の各計量器が静止しているときの静止零点調整を行う必要があり、このため、計量器毎の静止零点重量値を測定する。
無負荷状態の回転していない静止時における静止零点重量値Wzs0<s>は、計量器毎に異なるので、計量器毎に、静止零点重量値を測定し、静止零点重量値記憶用レジスタWrzs0<s>、(s=1〜16)に記憶させる。なお、sは各載台S1〜16に対応する各計量器の番号1〜16を示す。
この静止零点重量値の測定は、各載台S1〜S16に物品13が供給されていない無負荷の状態において、作業者が、後述の表示設定ユニット21の入力部24の運転スイッチをOFFして、計量器を回転させない静止計測モードにする。これによって、重量選別機1は、各計量器別の荷重信号を、後述のように同じフィルタ特性の静止時計量用フィルタの出力から読み取って計量器別の静止零点重量値Wzs0<s>とし、静止零点重量値記憶用レジスタWrzs0<s>、(s=1〜16)に記憶する。
(2)各計量器の静止零点調整
この静止零点調整は、上記(1)で静止零点重量値記憶用レジスタWrzs0<s>、(s=1〜16)に記憶させた静止零点重量値Wzs0<s>によって行う。
具体的には、いずれの計量器の載台S1〜S16にも物品13が載置されていない無負荷状態であることを確認して、表示設定ユニット21の入力部24の零調整スイッチを作業者が操作することによって、全ての計量器において、重量値を算出するための後述の算出式、例えば載台S1の計量器では、
Wn1=K1・(Wa1−Wi1)−Wz1
における静止零点重量Wz1を、静止重量値レジスタWrzs0<s>、(s=1〜16)に記憶されている静止零点重量値Wzs0<s>に置き換える。なお、上記算出式については、後述する。
(3)計量器回転時の零点変動成分の測定及び零点変動成分のテーブルメモリへの登録
各計量器の各載台S1〜S16が無負荷であって、稼働運転に使用する回転速度における動的零点重量値を、次のようにして計量器別、重量取得位置別に取得して零点変動成分としてメモリに記憶させる。なお、動的重量値については、後述のように、重量取得位置に応じてフィルタ特性の異なるフィルタを使用する。
この実施形態では、各載台S1〜S16に対応する16台の計量器s=1〜16を備えており、回転速度vは、v=1〜11の11段階に設定することが可能である。また、物品の重量取得位置は、上述のようにI1〜I7の7箇所であり、零点ドリフト補正用重量値の取得位置は、Izの1箇所である。この物品の重量取得位置I1〜I7及び零点ドリフト補正用重量値の取得位置Izを含む8箇所の重量取得位置iを、i=1〜7、zとして表す。
計量器番号sの計量器を、物品が供給されていない無負荷状態で回転速度vで回転させたとき、重量取得位置iで取得した重量値を動的零点重量値Wzd<s,v,i> と表すとする。
調整運転時には、計量器の回転動作中に各段階v=1〜11の回転速度を順に与えて計量器を無負荷状態で回転速度毎に回転させ、全計量器s=1〜16について、それぞれ物品重量取得位置I1〜I7(i=1〜7)、及び、零点ドリフト補正用重量取得位置Iz(i=z)で重量値、すなわち、動的零点重量値Wzd<s,v,i>を取得する。
重量測定のばらつきを小さくするために、複数回(R回)以上、例えば、5回以上の回転によって、各計量器sについて、重量取得位置i毎に、無負荷重量値である動的零点重量値Wzd<s,v,i> をそれぞれR個以上求め、その平均値を算出して、平均値と計量器s毎の静止零点重量値Wzs0<s>との差をとって、零点変動成分Czd<s,v,i> とする。
これらの零点変動成分Czd<s,v,i>を、計量器s,回転速度v,重量値取得位置i別のテーブルメモリに記憶させる。
例えば、v=1〜11まで11段階の回転速度別のメモリテーブルを設け、それぞれのテーブルでは、例えば、v=1について、図3に示すように、行が計量器s=1〜16、列が零点ドリフト補正用重量取得位置を含む各重量値取得位置i=1〜7、zの2次元のメモリレジスタに、零点変動成分Czd<s,v,i>として登録される。
この零点変動成分の測定は、後述の表示設定ユニット21の入力部24において、作業者が、回転速度vを設定し、運転スイッチをONする。これによって、動的重量測定モードとなり、計量器が設定された回転速度で回転する。
更に、作業者が、計量器に物品が供給されていない無負荷状態であることを確認して、動的零点変動成分検出モードスイッチをONすると、動的零点変動成分検出モードとなり、全計量器s=1〜16について、それぞれ重量取得位置i=1〜7,z(I1〜I7,Iz)で動的零点重量値Wzd<s,v,i>を取得し、R回の平均値を算出し、その平均値と計量器s毎の静止零点重量値Wzs0<s>との差をとって、零点変動成分Czd<s,v,i>としてメモリに登録する。
(4)稼働運転時における零点変動量の補正
物品13が物品供給範囲で各載台S1〜S16に供給されて重力ランクに選別される稼働運転時には、設定された回転速度vで回転する計量器sの載台S1〜S16に載置された物品13の重量値を、各重量取得位置iで取得するが、この取得した重量値を、Wxd<s,v,i> とすると、計量器s、回転速度v、重量取得位置iである<s,v,i>に対応する零点変動成分Czd<s,v,i> を登録したメモリから呼び出して下記のように減算する。
Wxd<s,v,i> −Czd<s,v,i>
これによって、稼働運転時に取得した重量値に含まれる、空気力及び機械衝撃力に起因する振動信号による零点変動量をキャンセルすることができる。
次に、図1の重量選別機1の制御構成を図4にブロック図に基づいて説明する。
上述の各載台S1〜S16の荷重をそれぞれ検出する荷重センサ51〜516のアナログ荷重信号は、各測定用ユニット61〜616にそれぞれ入力される。
各測定用ユニット61〜616は、荷重センサ51〜516から出力されるアナログ荷重信号を増幅すると共に、高周波ノイズを除去するアナログフィルタを組込んだアンプ7と、演算回路9と、シリアルコントローラ10とを備えている。
演算回路9は、アンプ7から出力されるアナログ荷重信号をデジタル荷重信号に変換するA/D変換器(図示せず)を備えると共に、A/D変換された荷重信号を、動的重量値の取得時には、後述のように重量取得位置に応じてフィルタ処理する図示しないCPU及びメモリ等を備えている。
16台の各測定用ユニット61〜616で生成された荷重信号は、それぞれの測定用ユニット61〜616に設けられたシリアルコントローラ10からシリアルラインSL1を介して集中制御ユニット11のシリアルコントローラ12へ送られる。
集中制御ユニット11は、図示しないCPU、及び、上述の零点変動分のテーブルなどが記憶されるメモリ等からなる演算制御回路18を備えており、この演算制御回路18には、パルスジェネレータを構成する後述の第1,第2フォトセンサPH1,PH2からタイミングパルスTpとリセットパルスRpとがI/O回路16を介して与えられ、これらパルスTp,Rpに基づいて、載台S1〜S16の回転位置を認識する。重量取得手段としての集中制御ユニット11では、測定用ユニット61〜616からの全ての載台S1〜S16の荷重信号を収集して所定のタイミングで重量を測定する、すなわち、重量値を取得する。
また、零点重量補正手段としての集中制御ユニット11の演算制御回路18は、重量値を取得して零点変動成分を補正し、補正した重量値に基づいて重量ランクを判定し、重量ランクに対応する振分け位置にて物品13を振分けるために、I/O回路16を介して各載台S1〜S16のゲートを開閉するシリンダcy1〜cy16の駆動を制御する。更に、集中制御ユニット11の演算制御回路18は、I/O回路16及びモータ駆動回路17を介して駆動手段としてのモータ19を制御し、これによって、モータ19によって回転駆動される回転台2の回転速度を、設定された回転速度に制御する。
集中制御ユニット11の演算制御回路18は、零点変動成分を補正した重量値や判定した重量ランクなどを集中制御ユニット11のシリアルコントローラ20を介して、回転体の外部の表示設定ユニット21に送信し、表示設定ユニット21では、シリアルラインSL2を介してシリアルコントローラ22で受信する。
回転側である集中制御ユニット11と固定側である表示設定ユニット21との通信は、図示しないロータリコネクタによって行われ、また、表示設定ユニット21側へ供給されている電源が、図示しない給電用のスリップリングを介して集中制御ユニット11側へ給電される。
表示設定ユニット21は、図示しないCPU及びメモリ等からなる演算制御回路23と、重量ランク判定用の境界重量値や回転速度等の設定を行うと共に、零点変動成分を補正するための各種スイッチ等が設けられた入力部24と、集中制御ユニット11から送られてきたデータ等を表示する表示部25と、I/O回路26とを備えている。
この実施形態では、上述のように、各載台S1〜S16が、各重量ランクの振分け位置(1)〜(7)の手前に到達する度に、各載台S1〜S16の荷重センサ51〜516からの荷重信号に基づいて、重量をそれぞれ測定して零点変動成分を補正した後、重量ランクを判定し、判定した重量ランクの振分け位置で物品13をそれぞれ振分けるので、振分け位置(1)〜(7)の内、後方側で振分けられる重量ランクの物品ほど、後方側の測定位置で物品13の重量が測定されて、重量ランクが判定されることになる。したがって、後方側の重量ランクの物品ほど、物品13が載台S1〜S16に供給されてからその重量を測定するまでの時間が長くなり、荷重センサ51〜516からの荷重信号の過渡応答がより小さく収束、安定することになり、また、長い時間の荷重信号を使用して重量値を求めることができる。
この実施形態では、重量取得位置に応じて応答時間の異なるフィルタ、すなわち、後方の重量取得位置ほど応答時間の長いフィルタを使用して重量値を取得するように各測定ユニット61〜616を構成している。
次に、この測定ユニット61〜616のフィルタの構成について説明する。
この重量選別機1は、種々の回転速度を設定して計量運転することができる。以下、この回転速度を、上述の1〜11の11段階で表すときにはvを、1分間当たりの回転数(rpm)で表すときにはVを用いる。
先ず、最小の計量能力のときの回転速度(v=1段階)をV=10rpm、1回転につき16台の載台S1〜S16が回転するので、載台S1〜S16のすべてに物品13を載置することができるとすると、計量処理能力は160個/分に相当する回転速度になる。
また、最大の計量能力のときの回転速度(v=11段階)をV=20rpm、載台S1〜S16のすべてに物品13を載置することができるとすると、計量処理能力は320個/分に相当する回転速度になる。
回転速度は、直接的に毎分の回転速度、または間接的に全ての載台S1〜S16に物品13を載置することができた場合の毎分の計量処理能力の値として設定される。
この実施形態では、各測定ユニット61〜616には、A/D変換された荷重信号をフィルタ処理する固定フィルタ及び可変フィルタが設けられるが、先ず、固定フィルタについて説明する。
図5に各測定用ユニット61〜616の各演算回路9に備えられるシフトレジスタと演算処理のブロック構成を模式的に示す。
ここで、物品13が載台S1〜S16上に載置されていない場合と定格容量の物品13が載置されている場合とによって、載台S1〜S16及び荷重センサ51〜515を備える計量器の固有振動数が、30〜33Hzの間で変化するものとする。
各載台S1〜S16にそれぞれ対応する各測定用ユニット61〜616の演算回路9は、上述のアンプ7から出力されるアナログ荷重信号をデジタル荷重信号に変換するA/D変換回路27を備えている。このA/D変換回路27は、アナログ荷重信号を、例えばサンプリング間隔1msecにてデジタル荷重信号に変換する。
演算回路9には、30個の直列のセルレジスタで構成された第1シフトレジスタSFR1を設ける。各セルレジスタには、A/D変換回路27によってA/D変換された1つのA/Dサンプリングデータがそれぞれ格納される。
荷重信号の測定値である1つのA/Dサンプリングデータが、A/D変換回路27から1msec毎に新たに得られる度に、セルレジスタのデータを図5の右方向へ順次シフトし、最も古い右端の1つのA/Dサンプリングデータを廃棄し、最新のA/Dサンプリングデータを入力することで、常に最新の30個分のA/Dサンプリングデータを格納する。
更に、1つの新たなA/Dサンプリングデータが第1シフトレジスタSFR1に格納される度に、第1シフトレジスタSFR1に格納される最新の30個分のセルレジスタのデータの平均値を、第1平均値演算回路(AV1)30によって算出し、第2シフトレジスタSFR2へ入力データとして与える。
第2シフトレジスタSFR2は、33個の直列のセルレジスタによって構成され、第1平均値演算回路(AV1)30の次段に接続される。
第1平均値演算回路(AV1)30によって平均値が1msecの間隔で新たに算出される度に、第2シフトレジスタSFR2は、1個ずつセルレジスタのデータを図5の右方向へ順次シフトし、常に最新の33個分の平均値を格納すると共に、右端の最も古い平均値を廃棄する。
第2シフトレジスタSFR2に、1msecの間隔で新たに平均値が格納される度に、次段の第2平均値演算回路(AV2)31は、第2シフトレジスタSFR2の最新の33個分の直列のセルレジスタの出力の平均値を算出する。
なお、第1,第2平均値演算回路(AV1,AV2)30,31や第1,第2シフトレジスタSFR1、SFR2は、特別に設けたものではなく、演算回路9内における平均演算のデータの流れと、演算を模式的に表したもので、CPU及びCPUに接続されたメモリ内で実行される。
30個のセルレジスタからなる第1シフトレジスタSFR1及び第1平均値演算回路(AV1)30は、30msecを1周期とするノイズ信号に対するノッチフィルタとなり、33個のセルレジスタからなる第2シフトレジスタSFR2及び第2平均値演算回路(AV2)31は、33msecを1周期とするノイズ信号に対するノッチフィルタとなり、2重のノッチフィルタとなる。
この2重のノッチフィルタは、載台S1〜S16及び荷重センサ51〜515を備える計量器の固有振動ノイズ除去用のフィルタであり、荷重信号が30〜33Hzのノイズ信号を含む場合、すなわち、1周期が33msec〜30msecの振動ノイズを含む場合に大きい減衰効果を持つことになる。
物品13の円周上での供給位置は、その時々の物品13の供給コンベヤ4上の載置状態や粘着性などの違いによってばらつく。
この実施形態では、最大の計量能力のときの回転速度の場合に、物品13が最も遅く載台S1〜S16上に供給されてから載台S1〜S16が、図1の仮想延長線I0の位置に到達するまでの時間を、2重のノッチフィルタの応答時間63msec以上としている。すなわち、仮想延長線I0の位置は、最大の計量能力のときの回転速度の場合に、物品13が載台S1〜S16上に最も遅く供給されてから63msec以上経過した後に載台S1〜S16が到達する位置としている。
なお、本発明の他の実施形態として、物品が載台S1〜S16上に最も遅く供給された位置を仮想延長線I0の位置とし、これ以降、物品が仮想延長線I1に到達するまでの経過時間内に、固有振動ノイズ除去用フィルタの応答時間63msecを見込んでもよい。
この2重のノッチフィルタは、載台S1〜S16及び荷重センサ51〜515を備える計量器の固有振動ノイズの平滑を目的とするものであるから、載台S1〜S16の回転速度や重量値の取得位置に関係なく設ける必要がある。
なお、載台S1〜S16のゲートや、ゲート取付け金具、ゲート開閉用のシリンダなどのいわゆる、荷重センサ51〜516に加わる風袋質量が、物品の質量に対して十分大きい場合は、載台S1〜S16上の物品の有無による計量器の固有振動周期の変化は小さいので、2重のノッチフィルタの内、一方のノッチフィルタだけを設けてもよい。
次に、固定フィルタである上記のノッチフィルタに加えて、回転台2の回転速度と重量取得位置とに応じて平滑特性を変更する可変フィルタについて説明する。
載台S1〜S16が、図1の仮想延長線I0からI1、I2、…I7への回転移動に応じて、仮想延長線I01〜I1、仮想延長線I0〜I2、仮想延長線I0〜I3、…仮想延長線I0〜I7と重量測定間隔は次第に大きくなり、同じ回転速度であれば、所要時間も次第に大きくなる。
この実施形態では、仮想延長線I1、I2、I3、…I7別にフィルタを設け、回転速度の値とこれらの重量取得位置とに応じて、すなわち、仮想延長線I0の位置からそれぞれの重量取得位置までの載台S1〜S16の移動に要する時間の大小に応じて、大小の応答時間を持つフィルタ、すなわち、平滑特性が大小である可変フィルタを適用する。
これによって、載台S1〜S16の回転円周上で後方の重量取得位置の荷重信号ほど平滑特性の大きなフィルタを適用し、精確な重量値を取得できるようにしている。
先ず、回転速度が最も大きい場合、すなわち、最大回転速度(v=11段階)V=20rpmの場合、1回転の所要時間は3秒である。1周の1/16の1区間当たりの所要時間は3000/16=187.5msecであるから図1において、載台S1〜S16が仮想延長線I0の位置から仮想延長線I1の位置までの4区間を移動する所要時間は187.5msec*4=750msecである。また、仮想延長線I1〜I2、仮想延長線I2〜I3、仮想延長線I3〜I4、仮想延長線I4〜I5、仮想延長線I5〜I6、仮想延長線I6〜I7の各区間を移動する所要時間は187.5msecである。
一方、最小回転速度(v=1段階)の場合は、2倍の所要時間であるから載台S1〜S16が、仮想延長線I0の位置から仮想延長線I1の位置までの4区間移動するための所要時間は、375msec*4=1500msecである。また、仮想延長線I1〜I2、仮想延長線I2〜I3、仮想延長線I3〜I4、仮想延長線I4〜I5、仮想延長線I5〜I6、仮想延長線I6〜I7の各区間を移動する所要時間は、375msecである。
フィルタによる応答時間として、物品13が各区間を移動する所要時間だけ見込んでよいので、先ず、仮想延長線I0〜I1までの重量測定間隔では、最大回転速度の場合で750msec、最小回転速度の場合で1500msecを見込むことができる。これらの時間はフィルタを設定する上で、フィルタの応答時間の最大値として見込むことができるので、許容応答時間と呼ぶ。
仮想延長線I0からそれぞれ各仮想延長線I2、I3、…I7までの間の許容応答時間は、最大回転速度の場合で、187.5msecずつ、最小回転速度の場合で、375msecずつ増加する。
つまり、回転速度が最大の場合と、最小の場合とで異なる許容応答時間に対応する応答時間のフィルタを上記の固定フィルタ(ノッチフィルタ)に従属接続することができる。
一般的表現として、回転速度Vrpmが与えられると、1周回転するのに要する時間は(60/V)secであるから、1/16区間(=1区分)当たりの所要時間は(60・V)*(1/16)=(15/4)*(1/V)sec=(3750/V)msecであり、仮想延長線I0〜I1までは4区間であるから許容応答時間として(15000/V)msecを見込むことができる。
仮想延長線I1〜I2、仮想延長線I2〜I3、…仮想延長線I6〜I7と、1区間ずつの所要時間に対し、最大回転速度の場合で187.5msec、最小回転速度の場合で375msec、一般にVrpmの場合は、(3750/V)msecの所要時間となるので、仮想延長線I2、I3、…I7と円周上で後方の位置では、許容応答時間が(3750/V)msecずつ増える。
後方の位置ほど、より長い時間の荷重信号を見込んで仮想延長線I1以降の1区間当たりに設けるフィルタの応答時間を(3750/V)msecずつ増加させることができるので、回転の途中に外乱による振動信号が生じても円周上で後方の位置にある測定位置に対応するフィルタの出力点ほど振動ノイズに対する平滑特性を大きくすることができ、より安定な重量値が取得できる。
可変フィルタの一例として、平均値フィルタを用いた場合について説明する。
図5の固定フィルタを構成する第2シフトレジスタSFR2以降は、第2シフトレジスタSFR2の平均値が1msec間隔で求められるのに対して、10msecの間隔の平均値を取り上げて多くのセルレジスタを直列接続してなる第3シフトレジスタSFR3へ平均値を格納する。
第3シフトレジスタSFR3へのデータの格納のさせ方も第1,第2シフトレジスタSFR1、SFR2と同様で、先ず、各セルレジスタのデータを1個右方へ順次シフトさせてから第2シフトレジスタSFR2から得た新しいデータを格納する。この操作は、10msec間隔で行う。
これは、可変フィルタによって除去する振動ノイズが、計量器の固有振動数に比べて比較的周波数が小さい、つまり、周期が長いので、長い時間の荷重信号を記憶させるために必要なメモリを多く使用せずに済むように、そしてシフト処理時間が短くて済むようにしたものである。
なお、他の実施形態として、多くのメモリを使用し、1msec毎の荷重信号を格納するようにしてもよい。
重量選別機1の回転速度が最小値10rpmに設定されていた場合、第3シフトレジスタSFR3を構成するセルレジスタは、最小回転速度に対応できるだけの個数を用意する。図5では、この最小回転速度10rpmに対応する構成を示している。
10msec毎に1個ずつセルレジスタのデータを、図5の右方へ順次シフトさせ、出力点I0を有する左端のセルレジスタからデータを格納させるので、最小回転速度の場合、1500msecの応答時間とする出力点I1までのシフトレジスタとして、個数が150個のセルレジスタを接続する。
更に、出力点I2までは応答時間370msecを見込むので、37個のセルレジスタを接続する。出力点I3、I4、I5、I6、I7まで同じ応答時間を見込むので、それぞれ37個ずつセルレジスタを直列接続し、合計で150+37*6=372個のセルレジスタを直列接続する。
これらのレジスタは、演算回路9のRAMの中に構成される。
これに対して最大回転速度20rpmの場合は、応答時間を早めねばならず、上述のように750msecの応答時間とする出力点I1までのセルレジスタの個数は75個となる。また、出力点I2、I3、…I7のそれぞれの間隔に用意するセルレジスタの個数は、18個ずつでよいから、合計で75+18*6=183個のセルレジスタを直列接続する。
回転速度10rpmと20rpmの中間の、例えば15rpmの回転速度が設定されると、回転速度の大きさに反比例したセルレジスタの接続個数が定められる。
接続レジスタの個数の決め方として、一般に回転速度、例えば18rpmが設定されると、
速度比率:(20−18)/(20−10)=1/5
出力点I1点までのレジスタ個数は、75+(150−75)*(1/5)=90
出力点I1〜I2、…、出力点I6〜I7の間のセルレジスタの数は、18+(36−18)*(1/5)=21(小数点以下の数を切り捨て)で、合計は21*6=126個が定められる。
一般式としては、回転速度Vの値が設定されると、回転速度18rpmの代わりに回転速度Vの値に置き換えればよい。シフトレジスタのセルレジスタの個数を大きくするほど長時間の荷重信号に対するサンプリング値の平均値を求めることになるので、一般にフィルタとして長い周期の振動信号に対する平滑特性は大きくなると共に、それより短い種々の周期の振動信号に対する平滑特性も大きくなる。
より大きい数値での平均値を求めるフィルタほど応答時間は大きくなるが、重量測定間隔において突発的に生じる床振動に対して大きな平滑特性を得ることができるし、過渡応答振動信号に対する平滑特性も大きい。
次にフィルタの条件の設定について説明する。
回転速度Vは、図4の表示設定ユニット21の入力部24から設定され、表示設定ユニット21から集中制御ユニット11を経由して各載台S1〜S16に対応する各測定ユニット61〜616にシリアルラインSL1を介して与えられる。
回転速度Vが与えられると、各測定ユニット61〜616において、上記の計算が実施され、その回転速度Vに応じたセルレジスタの個数と、個数に対応するメモリアドレスが決まる。
なお、回転速度Vの値は、必ずしも設定値そのものでなく、上述の第1,第2フォトセンサPH1,PH2からのリセットパルスRpとタイミングパルスTpの発生時間間隔を集中制御ユニット11で測定することによって認識し、認識した発生時間間隔に基づいて算出した回転速度としてもよい。
次にフィルタへの出力点の指定とフィルタからの重量値出力について説明する。
図1に示すように、載台S1〜S16の円周上の回転移動に応じて、仮想延長線I1、I2、…I7の位置付近で、フィルタの重量値を取得するために、これらの位置に載台S1〜S16が到達した時点で、後述のようにフィルタのデータの読出し指令を、集中制御ユニット11から所定の載台S1〜S16に対応する測定用ユニット61〜616に与える。
例えば、回転速度V=10rpmの設定で計量運転されているとし、仮想延長線I1の位置の重量値の取得タイミングにおいて、集中制御ユニット11から対応する測定用ユニットに対して、出力点I1を指定するコードと載台番号とを共に与えると、指定された番号の載台に対応する測定用ユニットでは、これを解釈して、図5に示す出力点I0〜I1までの150個の各セルレジスタの出力の平均値を第3平均値演算回路(AV3)32によって算出し、シリアルコントローラ10を介して重量値であることを意味するデータ内容コードと載台の番号と平均値とのセットデータを取得重量値として集中制御ユニット11へ送る。
読取りの重量値として、出力点I2の位置が指定されれば、出力点I0〜I2の間にある150+37=187個の各セルレジスタの出力の平均値を第3平均値演算回路(AV3)32によって算出し、取得重量値として集中制御ユニット11へ送る。
同様にして出力点I7まで取得重量値が出力される。
零点ドリフト補正用重量取得位置Izで零点重量を取得するフィルタの出力は、例えば第2平均値演算回路(AV2)31の出力を用いる。
また、載台S1〜S16を回転させない静止計測モードでは、各重量取得位置I1〜I7,Izのフィルタ特性を共通とし、全ての重量取得位置I1〜I7,Izについて、例えば、第2平均値演算回路(AV2)31の出力Izを用いる。
以上のようにして、載台S1〜S16の回転方向の後方位置であるほど、大きい平滑特性を持つフィルタを通過した重量値が取得され、集中制御ユニット11へ送信される。
次に、集中制御ユニット11における制御について説明する。
先ず、各載台S1〜S16がどの位置あるかを認識するためのシステム状態の作成について説明する。
集中制御ユニット11は、図1に示すように円周上を回転する載台S1〜S16毎に外周位置1〜7のいずれかにて、上記のように重量取得位置に対応したフィルタの出力点から重量値を取得し、取得した重量値の零点変動分を補正し、補正した重量値によって重量ランクを判定し、判定した重量ランクに対応する振分け位置で載台S1〜S16上の物品を振分けるように制御する。
集中制御ユニット11は、図6(a),(b)に示すパルスジェネレータからのパルスによって回転円周上での載台S1〜S16の位置を認識し、載台S1〜S16の円周上での位置に対応したシステム状態を作成する。
図1に示す回転台2と載台S1〜S16は、回転中心Oに設けられた支柱28によって支持され、支柱28が上述のモータ19によって回転駆動されることで載台S1〜S16も回転駆動される。
支柱28には、光センサバー29が取付けられ、光センサバー29は、支柱28とともに回転中心Oの回りに回転する。
光センサバー29の先端部には、タイミングパルスTp生成用の投受光素子からなる第1フォトセンサPH1と、リセットパルスRp生成用の投受光素子からなる第2フォトセンサPH2が取り付けられ、固定部37には、円環35が取り付けられる。この円環35には、円周を16等分する位置にタイミングパルス生成用のスリット33が16箇所に設けられ、そのうちで一箇所のタイミングパルス生成用スリット33と角度を重複させ、タイミングパルス生成用スリット33よりやや幅の広いリセットパルス生成用スリット34が設けられている。
載台S1〜S16と光センサバー29が回転すると、載台S1〜S16の回転に同期して図7(b)に示すように、光センサバー29の1回転当たり16個発生するタイミングパルスTpと、図7(a)に示すように、光センサバー29の1回転当たり1個発生するリセットパルスRpが生成され、集中制御ユニット11に読み取られる。
リセットパルスRpのパルス幅pwrは、タイミングパルスTpのパルス幅pwtより広い。集中制御ユニット11は、タイミングパルス幅pwtより十分短い時間を周期とするパルス信号を発生するクロックパルス発生回路を備えている。リセットパルスRp及びタイミングパルスTpは、前記クロックパルス発生回路からのパルス信号によって起動される最も優先度の高い割り込み処理プログラムによって集中制御ユニット11の演算制御回路18に読み取られる。
図6の円環35におけるラインaが、図1に示すラインd1の位置に略重なるように円環35を本体の固定部37に設置する。そして、光センサバー29は図1における載台S1の回転進行側の端部gの位置に重なるように設ける。
そうすると、載台S1の回転進行側の端部gがラインd1の位置に到達したときに、図7(a),(b)におけるリセットパルスRpとタイミングパルスTp1とが発生するタイミングになり、これ以降、載台S1の回転進行側の端部gがラインd2に到達し、載台S1が外周位置1に完全に重なり、次のタイミングパルス生成用スリット33によるタイミングパルスTp2が発生するが、このタイミングパルスTp2が発生するまでの状態を、システム状態P1と定義する。
また、タイミングパルスTp2が発生して以降、載台S1が外周位置2に完全に重なり、次のタイミングパルス生成用スリット33によるタイミングパルスTp3が発生するが、このタイミングパルスTp3が発生するまでの状態を、システム状態P2と定義する。
以下同様に、タイミングパルスTp3,Tp4,…Tp16…が発生する度に、システム状態P3,P4,…P16…と進む。
このようにシステム状態は、載台S1〜S16、光センサバー29が円周を1周回転する間にタイミングパルスTpが発生する度に進行し、システム状態P1〜P16まで進んで、再びシステム状態P1へ戻り、これを繰り返す。
図7には、各システム状態を開始して、所定の載台の重量値取得のためのフィルタの出力点を指定する時点(1)、指定した出力点の重量値を読取る時点(2)、重量ランクを判定して振分け信号を保持する時点(3)、保持した振分け信号によって載台S1〜S16のゲート開閉用シリンダを駆動する時点(4)を併せて示している。
システム状態が開始すると、集中制御ユニット11では、載台S1〜S16が図1の仮想延長線I1、I2、…I7,Izの位置付近に到達した時点である、図7に示される第1所定時間T01(msec)が経過した時点(1)で、システム状態Pxの値に対応した所定の載台に対応する測定ユニットの所定のフィルタ出力点から重量値を取得するために、出力点を指定する送信信号データを作成して、対応する測定ユニットに送信する。また、時点(2)までの第2所定時間T0(msec)内に、対応する測定ユニットから重量値が集中制御ユニット11に送信されてメモリに記憶される。集中制御ユニット11は、取得した重量値の零点変動成分を補正し、補正した重量値に基づいて、時点(3)までに重量ランクを判定し、重量ランクに対応する振分け位置で振分けるための振分け信号を生成して保持し、次のシステム状態の開始時点(4)で振分け信号に応じた振分け位置でゲート開閉用のシリンダの駆動を開始する。
図8は、各システム状態P1〜P16において、いずれの載台S1〜S16が図1の円周上のいずれの外周位置1〜8にあるかを示したものである。
システム状態P1は、載台S1が外周位置1に入り始めてから完全に入って重なるまで、すなわち、図1において、載台S1の回転進行側の端部gが、仮想延長線d1を越えて仮想延長線d2に至るまでの期間に対応する。この期間では、載台S16が外周位置2に、載台S15が外周位置3に、載台S14が外周位置4に、載台S13が外周位置5に、載台S12が外周位置6に、載台S11が外周位置7に、載台S10が外周位置8に、それぞれ入り始めてから完全に入って重なる。
システム状態P2では、載台S2が外周位置1に、載台S1が外周位置2に、載台S16が外周位置3に、載台S15が外周位置4に、載台S14が外周位置5に、載台S13が外周位置6に、載台S12が外周位置7に、載台S11が外周位置8に、それぞれ入り始めてから完全に入って重なる。
以下同様に、システム状態が進むにつれて、各外周位置1〜8へ入り込む載台が1台ずつずれることになる。
図1に示される状態は、載台S16〜S9が、外周位置1〜8にそれぞれ完全に重なっているので、図8に示されるように、システム状態S16が完了して、今まさにシステム状態P1が開始される直前を示している。
次に、システム状態と重量取得タイミングについて説明する。
図1において、システム状態P1では、外周位置1〜8には、()内に示す載台S1〜S16が到達する。すなわち、載台S1が外周位置1に、載台S16が外周位置2に、載台S15が外周位置3に、載台S14が外周位置4に、載台S13が外周位置5に、載台S12が外周位置6に、載台S11が外周位置7に、載台S10が外周位置8に、それぞれ入り始めてから完全に入って重なることになる。また、載台S7が、零点ドリフト補正用重量取得位置Izを通過する。
載台S1については、図1の仮想延長線I1の位置で重量値を取得できればよく、この位置までに、図5のフィルタの出力点I1までの、シフトレジスタSFR3のセルレジスタ出力の平均値が読取れればよい。
載台S16については、図1の仮想延長線I2の位置で重量値を取得できればよく、この位置までに、図5のフィルタの出力点I2までの、シフトレジスタSFR3のセルレジスタ出力の平均値が読み取れればよい。
以下同様に、載台S15〜S12は、図1の仮想延長線I3〜I6の位置までに、図5のフィルタの出力点I3〜I6までのセルレジスタの出力の平均値が読み取れればよい。
載台S11についても、図1の仮想延長線I7の位置で重量値を取得できればよく、図5のフィルタの出力点I7までの、シフトレジスタSFR3のセルレジスタ出力の平均値が読み取れればよい。
仮想延長線I7の位置で読取った重量値では、後述のように重量ランク(6),(7),(8)の何れかに判定される。
重量ランク(8)は、この時点で判定されるので、もはや載台S11は、次のシステム状態P2では重量値を取得する必要はなく、重量ランク(8)に判定されたときでもシステム状態P1における仮想延長線I7の位置で読取った重量値を物品の重量値とすればよい。
したがって、システム状態P1において、載台S10については重量値を取得する必要はない。
なお、載台S7については、図1の仮想延長線Izの位置までに、図5のフィルタの出力点Iz、すなわち、第2平均値演算回路(AV2)31の出力を読み取れればよい。
図9に、各システム状態P1〜P16において、重量値を取得すべき載台S1〜S16及びその重量値を読取るべきフィルタの出力点I1〜I7,Izを示す。
システム状態P1では、上述のように、載台S1,S16,S15,S14,S13,S12,S11について、それぞれフィルタの出力点I1,I2,I3,I4,I5,I6,I7までの重量値を取得すればよく、零点ドリフト補正用重量取得位置Izを通過する載台S7について、出力点Izの重量値を取得すればよい。
また、システム状態P2では、載台S2,S1,S16,S15,S14,S13,S12について、それぞれフィルタの出力点I1,I2,I3,I4,I5,I6,I7までの重量値を取得すればよく、零点ドリフト補正用重量取得位置Izを通過する載台S8について、出力点Izの重量値を取得すればよい。
同様に、システム状態が進むにつれて、重量値を取得する載台を1台ずらせばよい。
集中制御ユニット11では、この図9に基づいて、システム状態毎に載台番号kの載台Skに対応する測定用ユニット6kに対してフィルタの出力点I1〜I7,Izのいずれかを指定する。
例えば、システム状態P1では、図9に示すように、載台S1に対応する測定ユニット61に対してフィルタの出力点I1を指定し、載台S16に対応する測定ユニット616に対してフィルタの出力点I2を指定し、載台S15に対応する測定ユニット615に対してフィルタの出力点I3を指定し、以下と同様に、載台S14,S13,S12に対応する測定ユニット614,613,612に対してフィルタの出力点I4,I5,I6,を指定し、載台S11に対応する測定ユニット611に対してフィルタの出力点I7を指定し、載台S7に対応する測定ユニット67に対してフィルタの出力点Izを指定する。
また、システム状態P2では、図9に示すように、載台S2に対応する測定ユニット62に対してフィルタの出力点I1を指定し、載台S1に対応する測定ユニット61に対してフィルタの出力点I2を指定し、載台S16に対応する測定ユニット616に対してフィルタの出力点I3を指定し、以下同様に、載台S15,S14,S13に対応する測定ユニット615,614,613に対してフィルタの出力点I4,I5,I6,を指定し、載台S12に対応する測定ユニット612に対してフィルタの出力点I7を指定し、載台S8に対応する測定ユニット68に対してフィルタの出力点Izを指定する。
以下同様にして、各システム状態P3〜P16に応じて、対応する測定用ユニットに対してフィルタの出力点I1〜I7,Izのいずれかを指定する。
図10に各システム状態P1〜P16において、物品13を排出して振分けるための載台S1〜S16のゲート開閉用のシリンダの駆動の要否を決定するために、振分け信号が保持される振り分け出力用メモリを検定すべき載台を示す。
各システム状態P1〜P16において、振り分け出力用メモリを検定すべき載台は、図1の各振り分け位置(1)〜(8)にさしかかる載台である。
したがって、例えばシステム状態P1では、載台S16,S15,S14,S13,S12,S11.S10.S9が、各振り分け位置(1),(2),(3),(4).(5),(6).(7),(8)にそれぞれさしかかるので、これらの載台S16,S15,S14,S13,S12,S11.S10.S9が、検定すべき載台となる。
また、システム状態P2では、載台S1,S16,S15,S14,S13,S12,S11.S10が、各振り分け位置(1),(2),(3),(4).(5),(6).(7),(8)にそれぞれさしかかるので、これらの載台S1,S16,S15,S14,S13,S12,S11.S10が、検定すべき載台となる。
以下同様に、システム状態が進むにつれて、振り分け出力用メモリを検定すべき載台が1台ずれることになる。
図11A,Bは、この実施形態の動作説明に供するフローチャートであり、集中制御ユニット11の演算制御回路18によって実行される。内蔵のクロック生成回路の、例えば1msecのクロックパルスによって演算制御回路18のCPUに割り込みをかけ、最優先にて処理される。すなわち、1msec毎に最優先で実行される。上述の各パルスTp,Rpは、回転台2の回転を最速にしても、1msecより十分長いパルス幅となるように円環35の各スリット33,34が形成されている。
先ず、図11Aに示すように、タイミングパルスTpがハイレベルであるか否かを判断し(ステップn1)、ハイレベルでないときには、システム状態の移行タイミングではないので、システム状態移行フラグFcを「0」にリセットしてステップn8に移る(ステップn17)。
ステップn1において、タイミングパルスTpがハイレベルであるときには、システム状態の移行タイミングであるとして、システム状態移行フラグFcが「0」であるか否かを判断し(ステップn2)、該フラグFcが「0」であるときには、ステップn3に移り、システム状態移行フラグFcを「1」にセットし、リセットパルスRpがハイレベルであるか否かを判断し(ステップn4)、ハイレベルであるときには、システム状態P1への移行タイミングであるとして、いずれのシステム状態であるかを示すカウンタPxに、システム状態P1であることを示す「1」をセットしてステップn6に移る(ステップn5)。
また、ステップn4において、リセットパルスRpがハイレベルでないときには、システム状態P1以外の他のシステム状態への移行タイミングであるとして、カウンタPxの計数値に「1」を加算してステップn6に移る(ステップn18)。
ステップn6では、カウンタPxの計数値のシステム状態が開始したことを示すシステム状態開始フラグFsに「1」をセットし、ステップn7に移る。
ステップn7では、上述の図10に示すシステム状態Pxの値に対応した所定の載台の振分け出力用メモリを検定する。例えば、システム状態P1であるときには、図10に示すように、各振分け位置(1)〜(8)にさしかかる載台S16〜S9の各振分け出力用メモリを検定する。この振分け出力用メモリが、「1」であれば、載台のゲート開閉用のシリンダの駆動信号をセットし、ステップn9に移る。
このステップn7は、上述の図7の時点(4)に対応する処理であり、その詳細を、図12に示す。
図12に示すように、システム状態Pxの値に応じて、所定の載台の振分け出力用メモリを検定し、載台のゲート開閉用のシリンダを駆動するための処理を行なう。
例えば、システム状態Px=1(システム状態P1)であるときには、載台S16の振分け出力用メモリMR16が「1」であるか否かを判断し(ステップn71−1)、「1」であるときには、載台S16のゲート開閉用のシリンダを駆動するための駆動フラグFV16を「1」にセットし(ステップn71−2)、振分け出力用メモリMR16を「0」にリセットしてステップn71−4に移る(ステップn71−3)。
ステップn71−4では、載台S15の振分け出力用メモリMR15が「1」であるか否かを判断し、「1」であるときには、載台S15のゲート開閉用のシリンダを駆動するための駆動フラグFV15を「1」にセットし(ステップn71−5)、振分け出力用メモリMR15を「0」にリセットして次のステップに移る(ステップn71−6)。
以下同様にして、載台S14,S13,S12,S11,S10の各振分け出力用メモリMR14,S13,S12,S11,S10を検定し、ゲート開閉用のシリンダの駆動のため処理を行なう。
そして、ステップn71−21では、載台S9の振分け出力用メモリMR9が「1」であるか否かを判断し、「1」であるときには、載台S9のゲート開閉用のシリンダを駆動するための駆動フラグFV9に「1」をセットし(ステップn71−22)、振分け出力用メモリMR9を「0」にリセットして図11Aのステップn8に移る(ステップn71−23)。
また、システム状態Px=2であるときには、載台S1の振分け出力用メモリMR1が「1」であるか否かを判断し(ステップn72−1)、「1」であるときには、載台S1のゲート開閉用のシリンダを駆動するための駆動フラグFV1を「1」にセットし(ステップn72−2)、振分け出力用メモリMR1を「0」にリセットしてステップn72−4に移る(ステップn72−3)。
ステップn72−4では、載台S16の振分け出力用メモリMR16が「1」であるか否かを判断し、「1」であるときには、載台S16のゲート開閉用のシリンダを駆動するための駆動フラグFV16に「1」をセットし(ステップn72−5)、振分け出力用メモリMR16を「0」にリセットして次のステップに移る(ステップn72−5)。
以下同様に、載台S15,S14,S13,S12,S11の各振分け出力用メモリMR15,S14,S13,S12,S11を検定し、ゲート開閉用のシリンダの駆動のため処理を行なう。
そして、ステップn72−21では、載台S10の振分け出力用メモリMR10が「1」であるか否かを判断し、「1」であるときには、載台S10のゲート開閉用のシリンダを駆動するための駆動フラグFV10に「1」をセットし(ステップn72−22)、振分け出力用メモリMR10を「0」にリセットして図11Aのステップn8に移る(ステップn72−23)。
以下同様に、各システム状態P3〜P15に応じて、図10に示す所定の載台の振分け出力用メモリを検定し、ゲート開閉用のシリンダを駆動するための処理を行い、システム状態Px=16であるときには、載台S15の振分け出力用メモリMR15が「1」であるか否かを判断し(ステップn716−1)、「1」であるときには、載台S15のゲート開閉用のシリンダを駆動するための駆動フラグFV15に「1」をセットし(ステップn716−2)、振分け出力用メモリMR15を「0」にリセットしてステップn716−4に移る(ステップn716−3)。
ステップn716−4では、載台S14の振分け出力用メモリMR14が「1」であるか否かを判断し、「1」であるときには、載台S14のゲート開閉用のシリンダを駆動するための駆動フラグFV14に「1」をセットし(ステップn716−5)、振分け出力用メモリMR14を「0」にリセットして次のステップに移る(ステップn716−6)。
以下同様に、載台S13,S12,S11,S10,S9の各振分け出力用メモリMR13,S12,S11,S10,S9を検定し、ゲート開閉用のシリンダの駆動のため処理を行なう。
そして、ステップn716−21では、載台S8の振分け出力用メモリMR8が「1」であるか否かを判断し、「1」であるときには、載台S8のゲート開閉用のシリンダを駆動するための駆動フラグFV8に「1」をセットし(ステップn716−22)、振分け出力用メモリMR8を「0」にリセットして図11Aのステップn8に移る(ステップn716−23)。
図11Aのステップn8では、システム状態開始フラグFsが「1」であるか否かを判断し、「1」でないときには、図11Bのステップn19に移る。システム状態開始フラグFsが「1」であるときには、システム状態の開始であるとして、上述の第1,第2所定時間T01,T0を計測するためのカウンタCoに「1」を加算し(ステップn9)、ステップn10に移る。
第1所定時間T01は、システム状態が開始してから載台S1〜S16が図1の仮想延長線I1、I2、…I7の位置付近に到達するまでの時間に対応し、この第1所定時間T01が経過するのを待って、所定の載台の測定ユニットに対して重量値取得のためのフィルタの出力点を指定する。また、第2所定時間T0は、フィルタの出力点を指定した測定ユニットからの重量値を受信して読取り可能となるまでに必要な時間に対応し、第1所定時間T01と同様にシステム状態が開始してから計測が開始される。
ステップn10では、第1所定時間T01が経過したことを示す第1所定時間経過フラグF01が「0」であるか否かを判断し、「0」でないときには、第1所定時間T01が既に経過したとしてステップn14に移り、「0」であるときには、ステップn11に移り、カウンタCoの計数値が第1所定時間T01になったか否かを判断し、所定時間T01になっていないときには、ステップn14に移る。
ステップn11で、カウンタCoの計数値が第1所定時間T01になったときには、第1所定時間経過フラグF01を「1」にセットし(ステップn12)、ステップn13に移る。
ステップn13では、上述の図9に示すシステム状態Pxに対応した所定の番号の載台とフィルタ出力点を指定する出力命令をレジスタへセットし、出力命令がセットされたことを示す出力命令フラグF0に「1」をセットしてステップn14に移る。
このステップn13は、上述の図7の時点(1)に対応する処理であり、システム状態に応じた図9に示す所定の載台の所定のフィルタ出力点から重量値を取得するための出力命令を測定ユニットに送信する。例えば、システム状態P1であるときには、図9に示すように、載台S1に対応する測定ユニット61に対してフィルタの出力点I1を、載台S16に対応する測定ユニット616に対してフィルタの出力点I2を、載台S15に対応する測定ユニット615に対してフィルタの出力点I3を、以下と同様に、載台S11に対応する測定ユニット611に対してフィルタの出力点I7を、載台S7に対応する測定ユニット67に対してフィルタの出力点Izをそれぞれ指定して重量値を取得するための出力命令を送信する。この出力命令に応じて測定ユニット61,616〜611,67から送信される重量値の読取りについては、後述する。
ステップn14では、カウンタCoの計数値が第2所定時間T0になったか否かを判断し、第2所定時間T0になっていないときには、図11Bのステップn19に移る。
カウンタCoの計数値が第2所定時間T0になったときには、カウンタCoを「0」にリセットすると共に、システム状態開始フラグFs及び第1所定時間経過フラグF01を「0」にリセットし(ステップn15)、第2所定時間T0が経過したことを示す第2所定時間経過フラグFrに「1」をセットして図11Bのステップn19に移る(ステップn16)。
図11Bのステップn19では、載台S1のゲート開閉用のシリンダを駆動するための駆動フラグFV1が「1」であるか否かを判断し、「1」であるときには、載台S1のゲート開閉用のシリンダを駆動してゲートの開放を開始し、シリンダの作動時間T1を計測するためにカウンタC1に「1」を加算し(ステップn20)、カウンタC1の計数値が、作動時間T1になったか否かを判断し(ステップn21)、作動時間T1になっていないときには、ステップn23に移る。作動時間T1になったときには、ゲートの開閉が終了したとしてカウンタの計数値をリセットすると共に、載台S1の駆動フラグFV1を「0」にリセットしてステップn23に移る(ステップn22)。
ステップn23では、載台S2のゲート開閉用のシリンダを駆動するための駆動フラグFV2が「1」であるか否かを判断し、「1」であるときには、載台S2のゲート開閉用のシリンダを駆動してゲートの開放を開始し、作動時間T1を計測するためにカウンタC2に「1」を加算し(ステップn24)、カウンタC2の計数値が、作動時間T1になったか否かを判断し(ステップn25)、作動時間T1になっていないときには、ステップn27に移る。作動時間T1になったときには、ゲートの開閉が終了したとしてカウンタの計数値をリセットすると共に、載台S2の駆動フラグFV2を「0」にリセットしてステップn27に移る(ステップn26)。
以下、同様にして、載台S3〜S15について同様の処理を行ない、ステップn28では、載台S16のゲート開閉用のシリンダを駆動するための駆動フラグFV16が「1」であるか否かを判断し、「1」であるときには、載台S16のゲート開閉用のシリンダを駆動してゲートの開放を開始し、作動時間T1を計測するためにカウンタC16に「1」を加算し(ステップn29)、カウンタC16の計数値が、作動時間T1になったか否かを判断し(ステップn30)、作動時間T1になっていないときには、終了する。作動時間T1になったときには、ゲートの開閉が終了したとしてカウンタC16の計数値をリセットすると共に、載台S16の駆動フラグFV16を「0」にリセットする(ステップn31)。
次に、図4の表示設定ユニット21の表示部25における表示間隔を計測するタイマとして、表示間隔フラグFaが「1」にセットされているか否かを判断し(ステップn32)、セットされていないときには、終了し、セットされているときには、表示間隔を計測するカウンタCaに「1」を加算し(ステップn33)、カウンタCaの計数値が、表示間隔Taになった否かを判断する(ステップn34)。カウンタCaの計数値が、表示間隔Taになっていないときには、終了し、表示間隔Taになったときには、カウンタCaの計数値をリセットすると共に(ステップn35)、表示間隔フラグFaを「0」にリセットして終了する(ステップn36)
図13は、集中制御ユニット11と各測定ユニット61〜616との間の重量の取得の処理を示すフローチャートであり、この処理プログラムは、上述の図11A,Bよりも優先度の低いプログラムである。
図13(a)に示すように、重量取得のための出力命令がセットされたことを示す出力命令フラグF0が「1」であるか否かを判断し(ステップn101)、「1」であるときには、出力命令フラグF0を「0」にリセットし(ステップn102)、上述の図9に示すように、現在のシステム状態Pxの値に対応させて、所定の出力命令レジスタにセットされたデータ出力指令コード、載台番号、フィルタ出力点のデータの組を、順次、シリアルコントローラ12にセットして対応する各測定ユニットへ送信して終了する(ステップn103)。
これらの出力命令を受けた各載台番号に対応する測定ユニットでは、指定されたフィルタの出力点までの平均値を算出して重量値とし、データ内容コード、載台番号、重量値をそれぞれのシリアルコントローラ10にセットし、集中制御ユニット11のシリアルコントローラ12へ送信する。
集中制御ユニット11では、図13(b)に示すように、シリアルコントローラ12より読み取り要求があるか否かを判断し(ステップn201)、読み取り要求があるときには、載台番号kに対応する所定の重量値レジスタ(WMRk)k=1〜16に測定ユニット61〜616から送信されてきたフィルタ出力の重量を格納して終了する(ステップn202)。
この図13に示す処理は、各載台への出力命令信号を送信してから上述の第2所定時間T0msec、すなわち、上述の図7及び図11Aのステップn14に示される第2所定時間T0msecにおいて実行される。
この第2所定時間T0経過後、次のシステム状態に移行するまでに、取得した重量値の零点変動成分の補正、補正した重量値に基づく重量ランクの判定及び振分け出力用メモリの更新等の処理が行なわれる。
次に、上述の空気力及び機械衝撃力に起因する零点変動量の補正のための処理について、詳細に説明する。
先ず、各計量器の静止零点重量値の測定、及び、静止零点調整について説明する。
作業者は、各計量器の各載台S1〜S16に物品13が載置されていない無負荷状態であることを確認し、集中制御ユニット11に接続されている表示設定ユニット21の入力部24の運転スイッチをOFFにし、これによって、計量器を回転させずに重量値を取得する静止計測モードになる。
この静止計測モードでは、集中制御ユニット11において、計量器s=1〜16用の測定ユニット61〜616を順に指定する。指定された測定ユニット61〜616は、図5の、例えば第2平均値演算回路(AV2)31の出力を、フィルタ通過後のA/Dカウントレベルの重量値として表示設定ユニット21へ送信する。すなわち、静止計測モードでは、各計量器のフィルタ特性を共通にする。
図14A,Bは、この静止計測モードの処理を示すフローチャートであり、静止零点重量値の測定では、各計量器の各載台S1〜S16には、物品13が載置されていない無負荷状態である。
図14Aに示すように、運転スイッチがONであるか否かを判断し(ステップn300)、ONになっているときには、計量器を回転駆動する動的重量計測モードであるとして、ステップn320に移り、フィルタの特性を共通にすることを示すフラグFfを「0」にリセットし、後述の動的重量計測モードへ移行する。
ステップn300において、運転スイッチがONでないときには、計量器を回転駆動しない静止計測モードであるとして、ステップn301に移り、各計量器のフィルタの特性を共通にすることを示すフラグFfが「0」にリセットされているか否かを判断し、リセットされていない、すなわち、フラグFfが「1」にセットされて共通のフィルタが設定されているときには、ステップn303に移る。また、ステップn301において、フラグFfが「0」にリセットされているときには、各計量器のフィルタの特性を共通にすることを示すフラグFfを「1」にセットすると共に、フィルタの出力を、例えば、図5の第2平均値演算回路(AV2)31の出力に設定するように、各測定ユニット61〜616に送信し(ステップn302)、ステップn303に移る。
次に、載台S1の計量器について、静止零点重量値を読取って更新すると共に、静止零点重量値を表示するために、先ず、ステップn303では、載台S1に対応する測定ユニット61に対して、第2平均値演算回路(AV2)31の出力を送信するように指令してステップn304に移り、測定ユニット61からのデータを受信し、受信したデータに基づいて、載台S1の計量器の重量値Wn1を次式に従って算出する(ステップn305)。
Wn1=K1・(Wa1−Wi1)−Wz1
ここで、K1は載台S1のスパン係数、Wa1は受信した平均値演算回路(AV2)31の出力であり、A/Dカウントレベルの重量値、Wi1はこれより前の調整段階で計量器が無負荷の状態の荷重センサの出力信号のA/Dカウントレベル重量値をWa1として集中制御ユニット11に読み込み、風袋荷重として記憶させたレジスタの値(初期重量)であり、Wz1は、荷重センサや測定回路のドリフト、載台S1の異物による重量ドリフト量を記憶させるレジスタの値(零点重量)である。
算出した重量値Wn1を、載台S1の計量器の静止零点重量値Wzs0<1>として、載台S1の計量器用の静止零点重量値記憶用レジスタWrzs0<s>、(s=1)を更新し(ステップn306)、ステップn307に移る。なお、重量値を記憶する上記レジスタ等は、集中制御ユニット11の演算制御回路18内のメモリで構成される。
ステップn307では、表示データに変換して表示設定ユニット21の演算制御回路23の表示レジスタに出力して表示部25に表示させる。
次に、図14Bに示すように、載台S2の計量器について、載台S1の計量器と同様に処理する(ステップn308)。すなわち、載台S2に対応する測定ユニット62に対して、第2平均値演算回路(AV2)31の出力を送信するように指令し、受信したデータに基づいて、載台S2の計量器の重量値Wn2を算出し、算出した重量値Wn2を、載台S2の計量器の静止零点重量値Wzs0<2>として、載台S2の計量器用の静止零点重量値記憶用レジスタWrzs0<s>、(s=2)を更新し、表示データに変換して表示レジスタに出力して表示設定ユニット21の表示部25に表示させる。
以下、同様に、載台S3、S4、S5、…、S16について同様の処理を行ない(ステップn309)、ステップn310に移る。
ステップn310では、表示間隔を計測するタイマの駆動を示すフラグFaをセットし、上述の図11Bのステップn33〜n36の表示間隔の計測処理によって、このフラグFaが「0」になったか否かを判断し(ステップn311)、「0」になったときには、表示間隔が経過したとして、ステップn300に戻る。
これらの静止零点重量値Wzs0<s>、(s=1〜16)は、A/D変換後の内部カウントレベルであり、表示レベルの4倍の分解能を有しており、1/4のレベルにして、表示レベルの重量値として表示用レジスタへ送られ、表示設定ユニット21の表示部25に表示用重量値として表示させる。
運転スイッチがOFFの間は、上記の処理は表示間隔として、例えば200msec程度のタイマー時間経過後、繰り返される。
従って、静止零点重量値Wzs0<s>の更新、表示の更新では、集中制御ユニット11によって計量器s=1〜16用の測定ユニット61〜616に対するA/Dカウントレベル重量値の読み込み指定とその読み込みとが、200msecのタイマ時間間隔で繰り返し実行される。
作業者は、表示設定ユニット21の表示部25において、約200msec程度の間隔で更新される計量器s=1〜16における静止した載台S1〜S16上の静止零点重量値を視認でき、また、計量器の載台に物品が載置されているときには、物品重量値を視認できる。
次に、各計量器の静止零点調整を行う。この静止零点調整では、いずれの計量器においても載台S1〜S16上に物品が載置されていない状態を確認して、作業者が、集中制御ユニット11に接続されている表示設定ユニット21の入力部24の零調整スイッチをONする。この零調整スイッチは、運転スイッチがOFFの場合、すなわち、計量器が回転していないときにのみ有効である。
この零調整スイッチのONによって、全ての計量器において、静止零点重量値記憶用レジスタWrzs0<s>に記憶されている静止零点重量値Wzs0<s>を、例えば計量器s=1であれば、上記のWn1の算出式のWz1のデータと置き換える。計量器s=2〜16についても同様に処理する。これよって全ての計量器について、同時に零点調整を行う。
次に、調整運転における計量器回転時の零点変動成分の測定、及び、零点変動成分のテーブルメモリへの登録の処理について説明する。
作業者は、各計量器の各載台S1〜S16に物品13が載置されていないことを確認して、集中制御ユニット11に接続されている表示設定ユニット21の入力部24において、回転速度v=1段階(V=10rpm)を設定する。
次に、運転スイッチをONし、動的重量計測モードにする。これによって、モータ駆動回路17から設定した速度に応じたモータ駆動信号が出力され、計量器が設定された回転速度で回転する。更に、運転スイッチONの場合のみ有効な動的零点変動成分検出モードスイッチをONすると、動的零点変動成分検出モードとなる。
図15は、動的重量計測モードの処理を示すフローチャートである。
先ず、上述の第2所定時間T0が経過したか否か、すなわち、フィルタの出力点を指定した測定ユニットからの重量値を受信して読取り可能となるまでに必要な時間が経過したことを示すフラグFrが「1」であるか否かを判断し(ステップn400)、経過したとき、すなわち、前記フラグFrが「1」であるときには、「0」にリセットし(ステップn401)、次のシステム状態に移行するまでに、取得した重量値の零点変動成分の補正、補正した重量値に基づく重量ランクの判定及び振分け出力用メモリの更新等の処理が行なわれる。
具体的には、動的零点変動成分の検出モードであるか否か、すなわち、動的零点変動成分検出モードスイッチがONされたことを示すフラグFdzが「1」であるか否かを判断し(ステップn402)、動的零点変動成分の検出モードでないときには、ステップn403に移り、システム状態Pxの値に応じて、各システム状態P1〜P16に対応するプログラムPG1〜PG16を選択して後述のように実行する(ステップn404−1〜n404−16)。
また、動的零点変動成分の検出モードであるときには、ステップn405に移り、各システム状態P1〜P16に対応するプログラムPG1´〜PG16´を選択して実行する(ステップn406−1〜406−16)。なお、動的零点変動成分検出モードでは、各計量器の各載台S1〜S16に物品13が載置されていない無負荷状態であり、この動的零点変動成分検出モードの実行中は、表示設定ユニット21の表示部25にその旨を表示させるのが好ましい。
図16は、動的零点変動成分検出モードにおけるシステム状態P1のプログラムPG1´の処理を示すものである。
上記のように回転速度v=1(1段階)が設定されているので、動的零点重量値Wzd<s,v,i>は、Wzd<s,v,i> =Wzd<s,1,i> である。
この図16に示すように、ステップn500では、載台S1についての重量値Wa1をWMR1レジスタにより読取り、次式により、重量値Wn1を算出する(ステップn501)。
Wn1=K1・(Wa1−Wi1)−Wz1
この重量値Wn1は、載台S1の計量器(s=1)の回転速度v=1段階での重量取得位置i=1における重量値Wzd<1,1,1>である。複数回(R回)以上回転させて、その平均値を算出するために、この重量値Wzd<1,1,1>を積算する(ステップn502)。
同様に載台S16についても、重量値Wa16をWMR16レジスタにより読取り(ステップn503)、重量値Wn16を算出し(ステップn504)、載台S16の計量器(s=16)の回転速度v=1段階での重量取得位置i=2における重量値Wzd<16,1,2>を積算する(ステップn505)。
以下同様にして、各重量取得位置I1〜I7を通過する載台S15、S14、S13、S12、S11及び零点ドリフト補正用重量取得位置Izを通過する載台S7について、重量値Wzd<15,1,3>、Wzd<14,1,4>、Wzd<13,1,5>、Wzd<12,1,6>、Wzd<11,1,7>、Wzd<7,1,z>をそれぞれ算出し、それぞれ積算する(ステップn506,507,508,509,510,511)。
この図16は、システム状態P1のプログラムPG1´の処理であり、例えば、システム状態P2のプログラムPG2´では、上記載台S1,S16,S15,S14,S13.S12,S11,S7に代えて、S2,S1,S16,S15,S14.S13,S12,S8となり、システム状態が進むにつれて、載台が1台ずれることになる。
以上の各システム状態P1〜P16に対応して選択されるプログラムPG1´〜PG16´を実行した後、図15のステップn407−1〜n407−16に移る。
ステップn407−1〜n407−16では、システム状態毎に、上記重量値の算出及び更新の回数を計数するカウンタCp1〜Cp16に「1」を加算し、全てのシステム状態についてのカウンタCp1〜Cp16の計数値が、所定回数Rになったか否かを判断し(ステップn408)、所定回数Rになったときには、それぞれの積算重量ΣWzd<s,v,i>を所定回数Rで除算して動的零点重量値の平均値を算出し、この平均値と同じ計量器の静止零点重量値Wzs0<s>との差を求め、これを零点変動成分Czd<s,v,i>としてメモリテーブルに登録し、上記カウンタCp1〜Cp16の計数値及びフラグFdzをリセットする(ステップn409)。
次に、作業者が、回転速度v=2(2段階)を設定して回転速度を変化させ、更に、動的零点変動成分検出モードスイッチをONし、上記と同様の処理を実行させ、回転速度v=2に対応する計量器s=1〜16と重量値取得位置i=1〜7、zの2次元テーブルに零点変動成分C<s,2,i>を記憶させる。
同様にして、v=3〜11(3〜11段階)に対応する計量器s=1〜16と重量値取得位置i=1〜7、zの2次元テーブルに零点変動成分C<s,3,i>〜C<s,11,i>を記憶させる。
次に、物品13を供給して重量選別する稼働運転時における零点変動量の補正について説明する。
稼動運転時には、上記図15のステップn402において、動的零点変動成分の検出モードではないので、ステップn403及びステップn404−1〜n404−16に移り、システム状態P1〜P16に応じてプログラムPG1〜PG16を選択して実行する。
図17A〜Fは、稼働運転におけるシステム状態P1のプログラムPG1の処理を示すものである。
この図17Aでは、回転速度v=1段階が設定されている場合の例を示している。
先ず、ステップn600では、載台S1についての重量値Wa1をWMR1レジスタにより読取る。載台S1に対応する計量器s=1、回転速度v=1、重量値取得位置i=1に対応する零点変動成分Czd<1,1,1>をテーブルから読み出す(ステップn601)。この零点変動成分を用いて、次式により、重量値Wn1を算出する、すなわち、零点補正を行なう(ステップn602)。
Wn1=K1・(Wa1−Wi1)−Wz1−Czd<1,1,1>
次に、算出した重量値Wn1を表示値レベルの重量値Wd1に換算し(ステップn603)、図2の境界重量値に基づいて、重量ランクを判定し(ステップn604)、ステップn605に移る。
ステップn605では、判定した重量ランクが重量ランク(1)であるか否かを判断し、重量ランク(1)であるときには、重量ランク(1)と決定し、次のシステム状態P2で振分け位置(1)へ振分けるために、載台S1用の振分け出力用メモリMR1に「1」をセットする(ステップn606)。次に、載台S1の計量完了サインをセットし(ステップn607)、載台S1の重量値を確定させ(ステップn608)、図17Bのステップn609に移る。ステップn608で確定させた重量値が、表示用、出力用、集計用に用いられる。
上記ステップn605で、重量ランク(1)でないときには、次のシステム状態P2で重量値を取得して重量ランクの判定を行なうので、重量値を確定させることなく、図17Bのステップn609に移る。
図17Bのステップn609では、載台S16の計量完了サインがあるか否かを判断し、計量完了サインがないときには、載台S16についての重量値を重量値レジスタWMR16により読取る(ステップn610)。載台S16に対応する計量器s=16、回転速度v=1、重量値取得位置i=2に対応する零点変動成分Czd<16,1,2>をテーブルから呼び出す(ステップn611)。この零点変動成分を用いて、次式により、重量値Wn16を算出する、すなわち、零点補正を行なう(ステップn612)。
Wn16=K16・(Wa16−Wi16)−Wz16−Czd<16,1,2>
次に、載台S16上の物品の重量値(内部カウントレベル)Wn16を、表示値レベルの重量値Wd16に換算し(ステップn613)、重量ランクを判定し(ステップn614)、ステップn615に移る。
ステップn615では、判定された重量ランクが重量ランク(2)であるか否かを判断し、重量ランク(2)であるときには、載台S16の重量を確定させる(ステップn618)。次に、載台S16の計量完了サインをセットし(ステップn619)、次のシステム状態P2で振分け位置(2)へ振分けるために、載台S16用の振分け出力用メモリMR16に「1」をセットし(ステップn620)、図17Cのステップn621に移る。
上記ステップn615において、判定された重量ランクが重量ランク(2)でないときには、判定された重量ランクが重量ランク(1)であるか否かを判断する(ステップn616)。ステップn615において、重量ランク(2)でないときには、物品は、重量ランク(3)以上であるか、あるいは、重量ランク(1)と重量ランク(2)との境界重量値Wc1近傍の重量を有する重量ランク(1)と考えられる。そこで、ステップn616では、重量ランク(1)であるか否かを判断し、重量ランク(1)であるときには、既に振分け位置(1)を通過しているので、重量ランク(2)と決定すると共に、重量値は、重量ランク(2)の下限重量値Wc1に確定させてステップn619に移る(ステップn617)。すなわち、物品は、重量ランク(1)と重量ランク(2)との境界重量値Wc1近傍の重量を有する重量ランク(1)であるが、既に振分け位置(1)を通過しているので、重量ランク(2)とし、次のシステム状態P2で振分け位置(2)へ振分けるために、振分け出力用メモリMR16に「1」をセットすると共に、重量値を、重量ランク(2)の下限重量値Wc1に確定させ、重量測定値のとしての誤差が小さくなるようにする。
ステップn616において、重量ランク(1)でないときには、重量ランク(3)以上であるので、次のシステム状態P2で重量値を取得して重量ランクの判定を行なうので、重量値を確定させることなく、図17Cのステップn621に移る。
図17Cのステップn621では、載台S15の計量完了サインがあるか否かを判断し、計量完了サインがないときには、載台S15についての重量値を重量値レジスタWMR15より読取る(ステップn621)。
載台S15に対応する計量器s=15、回転速度v=1、重量値取得位置i=3に対応する零点変動成分Czd<15,1,3>をテーブルから呼び出す(ステップn623)。この零点変動成分を用いて、次式により、重量値Wn15を算出する、すなわち、零点補正を行なう(ステップn624)。
Wn15=K15・(Wa15−Wi15)−Wz15−Czd<15,1,3>
次に、載台S15上の物品の重量値(内部カウントレベル)Wn15を表示値レベルの重量値Wd15に換算し(ステップn625)、重量ランクを判定し(ステップn626)、ステップn627に移る。
ステップn627では、判定された重量ランクが重量ランク(3)であるか否かを判断し、重量ランク(3)であるときには、載台S15の重量を確定させる(ステップn630)。次に、載台S15の計量完了サインをセットし(ステップn631)、次のシステム状態P2で振分け位置(3)へ振分けるために、載台S15用の振分け出力用メモリMR15に「1」をセットし(ステップn632)、図17Dのステップn633に移る。
上記ステップn627において、判定された重量ランクが重量ランク(3)でないときには、判定された重量ランクが重量ランク(2)であるか否かを判断し(ステップn628)、重量ランク(2)であるときには、物品は、重量ランク(2)と重量ランク(3)との境界重量値Wc2近傍の重量を有する重量ランク2であるが、既に振分け位置(2)を通過しているので、重量ランク(3)と決定し、重量値は、重量ランク(3)の下限重量値Wc2に確定させてステップn631に移る(ステップn629)。
ステップn628において、重量ランク(2)でないときには、重量ランク(4)以上であるので、次のシステム状態P2で取得する重量値で重量ランクの判定を行なうので、重量値を確定させることなく、図17Dのステップn633に移る。
図17Dのステップn633では、載台S14について同様の処理を行ない、ステップn634では、載台S13について同様の処理を行ない、更に、ステップn635では、載台S12について同様の処理を行なって図17Eのステップn636に移る。
図17Eのステップn636では、載台S11の計量完了サインがあるか否かを判断し、計量完了サインがないときには、載台S11についての重量値を重量値レジスタWMR11より読取る(ステップn637)。
載台S11に対応する計量器s=11、回転速度v=1、重量値取得位置i=7に対応する零点変動成分Czd<11,1,7>をテーブルから呼び出す(ステップn638)。この零点変動成分を用いて、次式により、重量値Wn17を算出する、すなわち、零点補正を行なう(ステップn639)。
Wn11=K11・(Wa11−Wi11)−Wz11−Czd<11,1,7>
次に、載台S11上の物品の重量値(内部カウントレベル)Wn11を算出し、表示値レベルの重量値Wd11に換算し(ステップn640)、重量ランクを判定し(ステップn641)、ステップn642に移る。
ステップn642では、判定された重量ランクが重量ランク(7)であるか否かを判断し、重量ランク(7)であるときには、載台S11の重量を確定させる(ステップn646)。次に、載台S11の計量完了サインをセットし(ステップn647)、次のシステム状態P2で振分け位置(7)へ振分けるために、載台S11用の振分け出力用メモリMR11に「1」をセットし(ステップn648)、図17Fのステップn649に移る。
上記ステップn642において、判定された重量ランクが重量ランク(7)でないときには、判定された重量ランクが重量ランク(6)であるか否かを判断し(ステップn643)、重量ランク(6)であるときには、物品は、重量ランク(6)と重量ランク(7)との境界重量値Wc6近傍の重量を有する重量ランク(6)であるが、既に振分け位置(6)を通過しているので、重量ランク(7)と決定し、重量値は、重量ランク(7)の下限重量値Wc6に確定させてステップn647に移る(ステップn644)。
上記ステップn643において、判定された重量ランクが重量ランク(6)でないときには、重量ランク(8)であるので、載台S11の重量値を確定し、この重量値を一時記憶メモリに格納して次のシステム状態P2に渡して図17Fのステップn649に移る(ステップn645)。
図17Fのステップn649では、載台S10の計量完了サインがあるか否かを判断し、計量完了サインがあるときには、ステップn653に移る。また、計量完了サインがないときには、前のシステム状態P16で格納された載台S10の確定重量値を一時記憶メモリから読取って、載台10の重量値を確定する(ステップn650)。次に、載台S10の計量完了サインをセットし(ステップn651)、次のシステム状態P2で振分け位置(8)へ振分けるために、載台S10用の振分け出力用メモリMR10に「1」をセットし(ステップn652)、次のシステム状態で排出範囲の外へ移動する載台S9の計量完了サインをリセットし(ステップn653)、ステップn654に移る。
ステップn654では、載台S7についての重量値を重量値レジスタWMR7より読取る。
載台S7に対応する計量器s=7、回転速度v=1、重量値取得位置i=Izに対応する零点変動成分Czd<7,1,z>をテーブルから呼び出す(ステップn655)。この零点変動成分の補正を、次式により、行なう(ステップn656)。
Wn7=K7・(Wa7−Wi7)−Wz7−Czd<7,1,z>
次に、複数個(P個)の移動平均をとるために、P個のセルレジスタからなる載台S7の計量器の零点ドリフト用のシフトレジスタへ最新データとして格納し、最も古い値は廃棄する。古いデータが「0」の場合は、全てのセルレジスタに、Wn7を格納し(ステップn657)、P個のセルレジスタの平均値Wn7aを算出し(ステップn658)、この平均値Wn7aを、載台S7の計量器の零点ドリフトによる変動分とし、自動零点補正するためこれまでの零点補正量Wz7に加算して、新たな零点補正量Wz7として終了する(ステップn659)。
このようにして、システム状態P1では、図9に示すシステム状態P1に対応する載台S1,S16〜S11について、図17A〜図17Eに示すように重量値を読取って零点変動量の補正を含む処理が行なわれ、載台S10については、図17Fに示すように前のシステム状態P16で格納された重量値によって処理が行なわれ、載台S7については計量器への水分付着などによる零点ドリフト量としての零点変動量が補正される。
次のシステム状態P2では、図9に示すシステム状態P2に対応する載台S2,S1,S16〜S12について、図17A〜図17Eと同様に重量値を読取って零点変動量の補正を含む処理が行なわれ、載台S11については、図17Fと同様に、前のシステム状態P1で格納された重量値によって処理が行なわれ、載台S8については、零点変動量が補正される。
以下同様にしてシステム状態が進むにつれて、図9に示すように載台が1台ずつずれて図17A〜図17Fと同様の処理が行なわれる。
以上のように本実施形態によれば、稼働運転時に取得した重量値に含まれる、空気力及び機械衝撃力に起因する零点変動量をキャンセルすることができるので、零点調整を精確に行うことが可能となり、計量精度が向上する。
(実施形態2)
上述の実施形態の回転式重量選別機1では、遠心力は各計量器に載置された物品13の重量の大きさに応じて作用するが、上述のように、回転速度と重量取得位置とによってフィルタ特性が異なるフィルタを使用している。
このため、物品13が載台S1〜S16に載置された時点から立ち上がる荷重信号の応答特性も重量取得位置によって異なり、遠心力も物品13が載台S1〜S16へ載置された時点以降からの荷重信号に作用するので、フィルタの応答特性の影響を受ける。
その結果、遠心力の加わった物品重量値の誤差も物品重量取得位置と回転速度によって異なる。また、物品の重量の大きさによっても異なる。
この実施形態では、かかる物品の動的重量値の誤差を補正するものであり、次のような手順で補正を行なう。
先ず、物品の動的重量値の誤差量を、重量が既知のサンプル物品を複数個、例えば7個用意し、7台の計量器を使用して求める。
回転速度によって物品に作用する遠心力の大きさは異なるので、v=1〜11段階の回転速度毎に求める。計量器毎に、遠心力は異ならず、共通である。
先ず、既知の重量M’のサンプル物品を7個用意する。作業者が、サンプル物品の重量M’を集中制御ユニット11に接続されている表示設定ユニット21の入力部24から設定する。設定された重量M’の値は、内部カウントレベルの値Mに変換される。
調整運転時の計量器回転動作中に、作業者が、表示設定ユニット21の入力部24の動的重量補正値検出モードスイッチをONすることによって、計量器の載台上にサンプル物品を適宜供給し、遠心力の作用したサンプル物品の動的重量値を回転速度別、物品重量値取得位置I1〜I7別に測定する。
但し、サンプル物品の動的重量値は、物品重量値取得位置i毎の零点変動成分Czd<s,v,i>を、計量器s、回転速度v、物品重量値取得位置iに対応させて呼び出し、上述の実施形態と同様に零点変動量を補正して求める。サンプル物品の動的重量値は、計量器s毎に違いは無く、回転速度v、物品重量値取得位置iに応じて異なる。
そこで、調整運転時の回転速度毎に、各計量器について物品重量値取得位置別に複数回ずつ測定する。但し、サンプル物品の動的重量値は、回転速度と重量値取得位置が同じであれば各計量器sに共通の値(s=c)になるので、回転速度v=1〜11(段階)、物品重量値取得位置i=1〜7において測定されたサンプル物品の重量値を、Wmd<c,v,i>で表すと、
v=1(段階)にてWmd<c,1,1>〜Wmd<c,1,7>
v=2(段階)にてWmd<c,2,1>〜Wmd<c,2,7>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
v=11(段階)にてWmd<c,11,1>〜Wmd<c,11,7>
として複数回(Q回)以上回転させて測定し、これらの測定値を物品重量値取得位置毎に、各計量器に共通である集計レジスタに集計し、回転速度v毎、かつ、物品重量値取得位置i毎に、前記複数回の平均値Wma<v,i>を、
v=1(段階)にてWma<1,1>〜Wma<1,7>
v=2(段階)にてWma<2,1>〜Wma<2,7>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
v=11(段階)にてWma<11,1>〜Wma<11,7>
として求める。
サンプル物品の重量値として設定した重量値Mと、物品重量値取得位置別に遠心力の作用分の含まれる動的重量値として求めたサンプル物品の上記の平均値との差が、遠心力によって物品重量値取得位置毎に生じる誤差である。この誤差を動的重量補正値D<v,i>として、回転速度毎に、かつ、物品重量値取得位置毎に
v=1(段階)にてM−Wma<1,1>=D<1,1>
M−Wma<1,2>=D<1,2>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
M−Wma<1,7>=D<1,7>
v=2(段階)にてM−Wma<2,1>=D<2,1>
M−Wma<2,2>=D<2,2>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
M−Wma<2,7>=D<2,7>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
v=11(段階)にてM−Wma<11,1>=D<11,1>
M−Wma<11,2>=D<11,2>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
M−Wma<11,7>=D<11,7>
と求め、回転速度毎、かつ、重量値取得位置毎の遠心力誤差を動的補正値D<v,i> としてメモリテーブルに登録する。
但し、この動的補正値は、物品重量がMの場合に適用される値である。
物品を計量器に供給して重量選別する稼働運転時においては、例えば回転速度v=1(段階)に設定されているとし、例えば測定された載台S1の計量器s=1について、物品重量値取得位置i=1で取得された重量測定値Wn1 の零点変動量を、零点補正量テーブルからs=1、v=1、i=1に基づいて零点変動成分Cdz<1,1,1>を呼び出し、
Wn1=k1・(Wa1−Wi1)−Wz1−Czd<1,1,1>
と演算して零点変動量を補正する。
零点変動量が補正された遠心力誤差を含む物品の重量値Wn1が求まると、
遠心力の大きさは、物品の重量(質量)の大きさに比例するので、回転速度vと物品重量値取得位置iに応じたD<1,1> を動的補正量のメモリテーブルから呼び出し、
(Wn1/M)・D<1,1>
と物品重量値の大きさに対応する動的重量補正値に変換し、最終的に精確な重量値Wn1’を、
Wn1’=Wn1+(Wn1/M)・D<v,i>
として算出する。
図18Aは、この実施形態の動作説明のフローチャートであり、上述の実施形態の図15に対応するものであり、対応するステップには、同一のステップ番号を付してその説明を省略する。
この実施形態では、ステップn402において、動的零点変動成分の検出モードでないときには、ステップn410に移り、動的重量補正値検出モードであるか否か、すなわち、動的重量補正値検出モードであることを示すフラグFdmが「1」であるか否かを判断し、動的重量補正値検出モードでないときには、上述の実施形態と同じステップn403に移る。
ステップn410において、動的重量補正値検出モードであるときには、図18Bのステップn411に移る。
ステップn411においては、システム状態Pxの値に応じて、各システム状態P1〜P16に対応するプログラムPG1´´〜PG16´´を選択して実行する。
図19A,Bは、動的重量補正値検出モードにおけるシステム状態P1のプログラムPG1´´の処理を示すものである。
この図19A,Bでは、回転速度v=1段階が設定されている場合の例を示している。
載台S1についての重量値Wa1をWMR1レジスタにより読取る(ステップn700)。載台S1に対応する計量器s=1、回転速度v=1、重量値取得位置i=1に対応する零点変動成分Czd<1,1,1>をテーブルから呼び出す(ステップn701)。この零点変動成分を用いて、次式により、重量値Wn1を算出する、すなわち、零点補正を行なう(ステップn702)。
Wn1=K1・(Wa1−Wi1)−Wz1−Czd<1,1,1>
次に、算出した重量値Wn1が、サンプル物品の有無を判定する閾値Wmtより大きいか否か、すなわち、サンプル物品が載台S1に載置されているか否かを判断し(ステップn703)、重量値Wn1が、閾値Wmtより大きくないときには、ステップn706に移る。
ステップn703において、重量値Wn1が、閾値Wmtより大きいときには、重量値Wn1を、計量器が共通(s=c)であって、回転速度v=1、重量値取得位置i=1の重量値Wm<c,1,1>とし、重量取得位置i毎にサンプル物品の重量値を集計するために、積算レジスタに積算してステップn705に移り(ステップn704)、重量値取得位置i毎に設けたカウンタの計数値に「1」を加算し、ステップn706に移る。
ステップn706では、載台S16についての重量値Wa16をWMR16レジスタにより読取る。載台S16に対応する計量器s=16、回転速度v=1、重量値取得位置i=2に対応する零点変動成分Czd<16,1,2>をテーブルから呼び出す(ステップn707)。
この零点変動成分を用いて、次式により、重量値Wn16を算出する、すなわち、零点補正を行なう(ステップn708)。
Wn16=K16・(Wa16−Wi16)−Wz16−Czd<16,1,2>
次に、図19Bのステップn709に移り、算出した重量値Wn16が、閾値Wmtより大きいか否か、すなわち、サンプル物品が載台S1に載置されているか否かを判断し(ステップn709)、重量値Wn1が、閾値Wmtより大きくないときには、ステップn712に移る。
ステップn709において、重量値Wn1が、閾値Wmtより大きいときには、重量値Wn16を、計量器が共通(s=c)であって、回転速度v=1、重量値取得位置i=2の重量値Wm<c,1,2>とし、重量取得位置i毎にサンプル物品の重量値を集計するために、積算レジスタに積算してステップn711に移り(ステップn710)、重量値取得位置i毎に設けたカウンタの計数値に「1」を加算し、ステップn712に移る。
以下、同様にして載台S15、S14、S13、S12について、処理を行い(ステップn712〜ステップn715)、図19Cのステップn716に移る。
ステップn716では、載台S11についての重量値Wa11をWMR11レジスタにより読取る(ステップn716)。載台S11に対応する計量器s=11、回転速度v=1、重量値取得位置i=7に対応する零点変動成分Czd<11,1,7>をテーブルから呼び出す(ステップn717)。この零点変動成分を用いて、次式により、重量値Wn11を算出する、すなわち、零点補正を行なう(ステップn718)。
Wn11=K11・(Wa11−Wi11)−Wz11−Czd<11,1,7>
次に、算出した重量値Wn11が、閾値Wmtより大きいか否かを判断し(ステップn719)、重量値Wn11が、閾値Wmtより大きいときには、重量値Wn11を、計量器が共通(s=c)であって、回転速度v=1、重量値取得位置i=7の重量値Wm<c,1,7>とし、重量取得位置i毎にサンプル品の重量値を集計するために、積算レジスタに積算してステップn721に移り(ステップn720)、重量値取得位置i毎に設けたカウンタの計数値に「1」を加算し、ステップn722に移る。
載台上のサンプル物品を振分け位置(8)で強制的に排出するために、次のシステム状態で振分け位置(8)に差し掛かる載台S10の振分け出力用メモリMR10に「1」をセットして終了する(ステップn722)。すなわち、図18Bのステップn413に移る。
図18Bのステップn413では、重量値取得位置i=1〜7で測定したサンプル重量値の個数が、複数回分であるQ個以上になったか否かを判断し、Q個以上になっていないときには、終了する。
ステップn413で、Q個以上になっているときには、各重量値取得位置i=1〜7毎に、積算レジスタに積算した重量値を、カウンタの計数値で除算して平均値Wma<1,1>〜Wma<1,7>を算出し(ステップn414)、サンプル物品の重量値Mと、算出した平均値Wma<1,1>〜Wma<1,7>との差を動的重量補正値D<1,1>〜D<1,7>としてメモリテーブルに登録し(ステップn415)、積算レジスタ、カウンタCm<1>〜Cm<7>及びフラグFdmをリセットして終了する(ステップn416)。
上述のように、図19A,Bでは、回転速度v=1段階が設定されている場合の例を示しており、次に、回転速度v=2〜11をそれぞれ設定して動的重量補正値D<2,1>〜D<2,7>、D<3,1>〜D<3,7>、D<4,1>〜D<4,7>、……D<10,1>〜D<10,7>、D<11,1>〜D<11,7>を同様に算出し、メモリテーブルに登録する。
図20A〜20Eは、この実施形態の稼働運転におけるシステム状態P1のプログラムPG1の処理を示すものであり、上述の実施形態の図17A〜17Eに対応するフローチャートであり、対応するステップには、同一のステップ番号を付してその説明を省略する。
この図20A〜20Eでは、回転速度v=1段階が設定されている場合の例を示している。
図20Aのステップn602において、上述の実施形態と同様に、零点変動成分Czd<1,1,1>を用いて、零点変動量を補正して重量値Wn1を算出し、ステップn660に移る。ステップn660では、回転速度v=1、重量値取得位置i=1に対応する重量補正量D<c,1,1>をテーブルから呼び出し、次式によって、重量値Wn1を補正する、すなわち、動的重量値の補正を行なう(ステップn661)。
Wn1´=Wn1+D<c,1,1>・(Wn1/M)
次に、補正後の重量値Wn1´を表示値レベルの重量値Wd1に換算し(ステップn603)、上述の実施形態と同様のステップn604以降へ移る。
図20Bのステップn612において、上述の実施形態と同様に、零点変動成分Czd<16,1,2>を用いて、零点変動量を補正して重量値Wn16を算出し、ステップn662に移る。ステップn662では、回転速度v=1、重量値取得位置i=2に対応する重量補正量D<c,1,2>をテーブルから呼び出し、次式によって、重量値Wn16を補正する、すなわち、動的重量値の補正を行なう(ステップn663)。
Wn16´=Wn16+D<c,1,2>・(Wn16/M)
次に、補正後の重量値Wn16´を表示値レベルの重量値Wd16に換算し(ステップn613)、上述の実施形態と同様のステップn614以降へ移る。
図20Cのステップn624において、上述の実施形態と同様に、零点変動成分Czd<15,1,3>を用いて、零点変動量を補正して重量値Wn15を算出し、ステップn664に移る。ステップn664では、回転速度v=1、重量値取得位置i=3に対応する重量補正量D<c,1,3>をテーブルから呼び出し、次式によって、重量値Wn15を補正する、すなわち、動的重量値の補正を行なう(ステップn665)。
Wn15´=Wn15+D<c,1,3>・(Wn15/M)
次に、補正後の重量値Wn15´を表示値レベルの重量値Wd15に換算し(ステップn625)、上述の実施形態と同様のステップn626以降へ移る。
次に、図20Dのステップn633では、載台S14について動的重量値の補正を含む同様の処理を行ない、ステップn634では、載台S13について同様の処理を行ない、更に、ステップn635では、載台S12について同様の処理を行なって図20Eのステップn636に移る。
図20Eのステップn636において、上述の実施形態と同様に、零点変動成分Czd<11,1,7>を用いて、零点変動量を補正して重量値Wn11を算出し、ステップn666に移る。ステップn666では、回転速度v=1、重量値取得位置i=7に対応する重量補正量D<c,1,7>をテーブルから呼び出し、次式によって、重量値Wn11を補正する、すなわち、動的重量値の補正を行なう(ステップn666)。
Wn11´=Wn11+D<c,1,7>・(Wn11/M)
次に、補正後の重量値Wn11´を表示値レベルの重量値Wd11に換算し(ステップn640)、上述の実施形態と同様のステップn642以降へ移る。
(他の実施形態)
上述の各実施形態では、回転式重量選別機において使用される全ての回転速度v=1〜11の各段階を個別に設定して、設定した回転速度毎に運転して、回転速度別、計量器別、重量値取得位置別に零点変動成分を求めたが、遠心力と空気力によって生じる零点変動成分は、回転速度の2乗に比例して変化する。
したがって、隣接する2つの回転速度の違いが小さい場合は、零点変動成分は回転速度の変化に比例して変化するものとして、零点変動成分を検出する調整運転の回転速度の設定の数を少なくし、例えばv=1〜11段階に対してv=1,4,7,11の4段階とし、1〜4段階の間、4〜7段階の間、7〜11段階の間の速度段階における零点変動成分については、それぞれ両端の段階における零点変動成分の差を途中の回転速度でもって比例按分して求めるようにしてもよい。
また、最小2乗法などの方法によって、計量器別、重量取得位置別の零点変動成分を回転速度の関数として表してもよい。
回転速度の設定が、段階値でなく直接回転速度を表す数値(r.p.m)でもって設定する方式であれば、調整運転の時点で設定した回転速度に応じて取得した零点変動成分に基づき、2つの回転速度の間の任意の回転速度における零点変動成分は、上記のごとく比例按分でもって算出できる。
また、運転時において、設定された回転速度の値によって零点変動成分を求めるのでなく、回転速度の検出手段を備え、実際の計量器の回転速度検出手段が検出する計量器の回転速度によって零点変動成分を求めるようにしてもよい。
この回転速度検出手段の一例としては、例えば1msecの時間間隔で最優先で実行される、上述の図11Aの処理において、システム状態Px=1にセットされてからシステム状態Px=11にセットされるまでの10回のシステム状態変化の間隔をカウンタで計数し、システム状態がPx=11になった時点で、カウンタの値を回転速度メモリレジスタへ移動させ、カウンタをリセットする操作を実行させる。回転速度を読み取りたい場合は、回転速度メモリレジスタに記憶されている値を読み取れば、この値は10/16回転の間の所要時間を表すので、回転速度を算出することができる。
上述の各実施形態では、零点変動成分は、回転速度、計量器、重量取得位置別に求めたが、上記の、計量器を搭載した回転台を備えた回転軸に振動信号発生の要因となる部位が存在し、回転円周上の特定の位置において回転軸受け機構との間に機械衝撃力が作用して発生する振動信号を計量精度の上で無視できる場合は、零点変動成分は各計量器に共通の値として、回転速度と重量値取得位置別に求めるようにしてもよい。
上述の各実施形態では、零点ドリフト補正用重量取得位置を、物品が供給されないIzの位置として説明したが、例えば、重量値が閾値以下の場合は、物品載置がないと判定する物品載置検出手段を備えるような場合には、物品の重量取得位置、例えば上述の重量取得位置I7など、別の位置を零点ドリフト補正用重量取得位置としてもよい。
上述の各実施形態では、零点ドリフト補正用重量取得位置Iz以外に、物品の重量取得位置を複数備えていたけれども、図21の従来例と同様に、物品の重量取得位置は1箇所であってもよい。
上述の実施形態では、回転式の重量選別機に適用して説明したけれども、本発明は、重量選別機に限らず、回転式重量充填装置やその他の回転式の計量装置に適用してもよい。