JP2014141452A - チロシン誘導体およびチロシン誘導体の製造方法 - Google Patents

チロシン誘導体およびチロシン誘導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、メラトニンMT1受容体アンタゴニストとして有用なチロシン誘導体に加え、m−チロシンのベンゼン環において、フェノール性水酸基のパラ位へ良好な位置選択性かつ高収率でヨード基を導入し、特定のm−チロシン誘導体を効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るチロシン誘導体は、下記式(I)で表されることを特徴とする。

[式中、R1はアミノ基の保護基等を示し;R2はカルボキシ基の保護基等を示し;R3は水素原子基等を示し;R4はハロゲン原子基等を示し;Aは、−(CH2l−[Z(CH2mn−を示し;Xは脱離基を示す]
【選択図】なし

Description

本発明は、メラトニンMT1受容体アンタゴニストであるチロシン誘導体と、チロシンのベンゼン環において、フェノール性水酸基のパラ位にヨード基を良好な位置選択性で導入することができ、高収率でチロシン誘導体を製造することができる方法に関するものである。
メラトニンは、主に松果体においてL−トリプトファンからセロトニンを経て合成されるインドールアミンである。メラトニンの受容体としては、MT1、MT2およびMT3の3種類が知られており、MT1受容体は、視交叉上核の神経発火を抑制し、睡眠誘発作用を有する。メラトニンMT1受容体アンタゴニストは、抗鬱作用を示すことが知られている。
ところで、チロシンは天然アミノ酸の一つであり、生体内においても酵素や構造タンパク質を構成するアミノ酸として、また、生理活性物質やその原料化合物などとして利用されている。例えば、非特許文献1には、m−チロシンが植物の根の成長を阻害する除草剤として用い得ることが開示されている。また、チロシン誘導体は、様々な有用物質の合成中間体としても有用である。
また、ヨード基は、ハロゲン原子基の中でもより一般的なクロロ基やブロモ基よりも反応性が高いため、チロシンのベンゼン環にヨード基を導入できれば、官能基変換反応などにより、化学的または薬学的に有用である多種多様な化合物にすることができる。例えば、ヨード化されたベンゼン環を有する化合物は、グリニヤール反応、ヘック反応、その他のカップリング反応の基質となる。
チロシンのベンゼン環にヨード基を導入するに当たっては、その導入位置を制御する必要がある。例えば非特許文献2には、フェノール性水酸基が保護されたベンゼン化合物に、トリフルオロ酢酸銀の存在下、ヨウ素を反応させることにより、当該フェノール性水酸基のパラ位にヨード基を導入する反応が記載されている。
Bertin C.ら,Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America,104(43),pp.16964-16969(2007) Lars Engmanら,J.Org.Chem.,64,pp.6764-6770(1999)
上述したように、メラトニンMT1受容体アンタゴニストには抗鬱作用があることが知られているので、メラトニンMT1受容体に対する拮抗作用を有する化合物が求められている。
また、チロシン誘導体には様々な有用性が見出されており、また、ベンゼン環にヨード基を導入する反応も知られているため、チロシンのベンゼン環にヨード基を導入し、より有用なチロシン誘導体とすることも可能である。
しかし、特定位置にヨード基を導入するのはなかなか難しいところがある。
例えば非特許文献2の第6769頁のScheme5には、O−保護フェノール誘導体のパラ位へヨード基が位置選択的に導入されたかのような表記がされており、その収率も96%と記載されているが、この収率は実際には反応溶液を洗浄等した後に減圧濃縮した混合物のものであり、精製された目的化合物の収率ではない。本発明者らが当該実験を行ったところ、反応生成物において、フェノール性水酸基のパラ位にヨード基が導入された目的化合物の割合は89%に過ぎず、8%の割合でオルト位の位置異性体も得られており、また、目的化合物を含む混合物の収率は61%に過ぎなかった。
ベンゼン環へ位置選択的にヨード基が導入されたチロシン誘導体を工業的に大量生産するに当たっては、61%の収率は決して十分なものではない一方で、この収率を数%でも向上させることができれば、特に工業的な大量生産では製造コストなどの点で大きなメリットがある。
また、上記のような位置異性体が生成すると、目的化合物との分離が困難であり、以降の反応に不純物として混入する可能性がある。よって、チロシンのベンゼン環の特定位置へヨード基を導入するに当たっては、位置選択性を向上させることも必要となる。
そこで本発明は、メラトニンMT1受容体アンタゴニストとして有用なチロシン誘導体に加え、チロシンのベンゼン環において、フェノール性水酸基のパラ位へ良好な位置選択性かつ高収率でヨード基を導入し、特定のチロシン誘導体を効率的に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、特定のチロシン誘導体がメラトニンMT1受容体に対して拮抗作用を示すことを見出した。また、非特許文献2に記載の方法が0℃でフェノール化合物へのヨード基の導入反応を行っているのに対して、−50℃以下で反応を行えば、収率が低下するどころか却って高まる上に、フェノール性水酸基のパラ位に対する位置選択性も向上することを見出して、本発明を完成した。
本発明に係るチロシン誘導体は、下記式(I)で表されることを特徴とする。
[式中、
1は水素原子またはアミノ基の保護基を示し;
2は水素原子またはカルボキシ基の保護基を示し;
3は水素原子基またはC1-6アルキル基を示し;
4は、ハロゲン原子基、水酸基、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、アミノ基、モノ(C1-6アルキル)アミノ基、ジ(C1-6アルキル)アミノ基、置換基αを有していてもよいC6-12アリール基、置換基αを有していてもよい複素環基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6ハロアルコキシ基または置換基αを有していてもよいC7-13アラルキルオキシ基を示し;
Aは、−(CH2l−[Z(CH2mn−[式中、Zは、アミノ基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、チオニル基、エステル基、アミド基、ウレア基またはチオウレア基を示し、lは1以上6以下の整数を示し、mは1以上4以下の整数を示し、nは0以上4以下の整数を示す]を示し;
Xは、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、メチルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、クロロメタンスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基からなる群より選択される脱離基を示し;
置換基αは、ハロゲン原子基、水酸基、シアノ基、チオール基、アミノ基、モノ(C1-6アルキル)アミノ基、ジ(C1-6アルキル)アミノ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基およびC1-6アルキルチオ基からなる群より選択される1以上の基を示し、
但し、R4の位置は、X−A−O−基に対してパラ位であるものとする]
本発明に係るチロシン誘導体としては、下記式(I’)で表されるものがある。
[式中、R1〜R4、AおよびXは前記と同義を示す]
本発明に係るチロシン誘導体において、R4としては、ハロゲン原子基、水酸基、置換基αを有していてもよいC6-12アリール基、置換基αを有してもよい複素環基またはC1-6アルコキシ基、より具体的にはブロモ基またはヨード基が、また、Aとしては−(CH2l−[O(CH2mn−を例示することができる。
本発明に係る下記式(III)で表されるチロシン誘導体の製造方法は、
[式中、R1’はアミノ基の保護基を示し;R2’はカルボキシ基の保護基を示し;R3は水素原子基またはC1-6アルキル基を示し;R5はフェノール性水酸基の保護基を示し、但し、ヨード基の位置は、R5O−基に対してパラ位であるものとする]
上記式(II)で表される化合物に−50℃以下でヨード化試薬を作用させる工程を含むことを特徴とする。
上記のチロシン誘導体(III)の製造方法においては、ヨード化試薬として分子状ヨウ素とヨード化反応促進剤とを用いることが好ましく、ヨード化反応促進剤としてトリフルオロ酢酸銀または酢酸銀を用いることが好ましい。
本発明に係る下記式(I)で表されるチロシン誘導体の製造方法は、
[式中、
1は水素原子またはアミノ基の保護基を示し;
2は水素原子またはカルボキシ基の保護基を示し;
1’はアミノ基の保護基を示し;
2’はカルボキシ基の保護基を示し;
3は水素原子基またはC1-6アルキル基を示し;
4は、ハロゲン原子基、水酸基、置換基αを有していてもよいC6-12アリール基、置換基αを有してもよい複素環基またはC1-6アルコキシ基を示し;
5はフェノール性水酸基の保護基を示し;
Aは、−(CH2l−[Z(CH2mn−[式中、Zは、アミノ基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、チオニル基、エステル基、アミド基、ウレア基またはチオウレア基を示し、lは1以上6以下の整数を示し、mは1以上4以下の整数を示し、nは0以上4以下の整数を示す]を示し;
Xは、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、メチルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、クロロメタンスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基からなる群より選択される脱離基を示し;
Yは水酸基または、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、メチルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、クロロメタンスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基からなる群より選択される脱離基を示し;
置換基αは、ハロゲン原子基、水酸基、シアノ基、チオール基、アミノ基、モノ(C1-6アルキル)アミノ基、ジ(C1-6アルキル)アミノ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基およびC1-6アルキルチオ基からなる群より選択される1以上の基を示し、
但し、ヨード基またはR4の位置は、R5O−基、水酸基またはX−A−O−基に対してパラ位であるものとする]
上記式(II)で表される化合物に−50℃以下でヨード化試薬を作用させて、上記式(III)で表される化合物を得る工程;
化合物(III)のR4がヨード基以外である場合には、ヨード基をR4に官能基変換して上記式(IV)で表される化合物を得る工程;
上記化合物(IV)のフェノール性水酸基を脱保護して、上記式(V)で表される化合物を得る工程;
上記化合物(V)に、上記式(VI)で表される化合物を作用させて、上記式(I’’)で表される化合物を得る工程;および、
必要に応じて、アミノ基またはカルボキシ基の少なくとも一方を脱保護して、上記式(I)で表される化合物を得る工程を含むことを特徴とする。
本発明方法によれば、チロシン誘導体のベンゼン環におけるフェノール性水酸基のパラ位に、高収率で且つ高位置選択性でヨード基を導入することが可能になる。従って本発明は、上記位置にヨード基が導入されたチロシン誘導体を効率的に製造できることから、特に当該化合物の工業的な大量生産に有用である。
また、本発明に係るチロシン誘導体は、フェノール性水酸基に導入した置換基中やベンゼン環上の反応活性基を有することから、合成中間体として有用である。また、非天然型アミノ酸として、それ自体を、例えばt−PAなどの酵素を構成するアミノ酸の一部と置換して、酵素の活性を向上させたり改変するのに用いたり、診断薬や、生体レドックス反応とニトロキシルラジカルなどを利用した生体イメージング剤として用い得る。特に、本発明に係るチロシン誘導体は、メラトニンMT1受容体に対して拮抗作用を示し、メラトニンMT1受容体アンタゴニストとして有用である。よって本発明に係るチロシン誘導体は、抗鬱剤などとして利用され得る。
本発明方法では、原料化合物として、チロシンのアミノ基、カルボキシ基とフェノール性水酸基を保護しておくことが好ましい。以下、本発明方法を実施の順番に従って説明する。
1. アミノ基の保護工程
アミノ基とカルボキシ基とフェノール性水酸基の保護の順番は特に制限されないが、アミノ基が最も保護し易く、その保護基の種類も豊富であるので、通常は先ずアミノ基から保護する。
アミノ基の保護基としては、特に、後述するヨード化反応を阻害せず、以降の反応で脱離しない一方で、必要な際に容易に脱保護できるものが好ましい。例えば、t−ブトキシカルボニル基(Boc基)、ベンジルオキシカルボニル基(Z基またはCbz基)、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基(Troc基)、アリルオキシカルボニル基(Alloc基)、メチルカルバメート基、エチルカルバメート基、9−フルオレニルメチルカルバメート基(Fmoc基)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート基、9−(2,7−ジブロモ)フルオレニルメチルカルバメート基、4−メトキシフェナシルカルバメート基などのカルバメート保護基;p−トルエンスルホニル基(Ts基)、2−ニトロベンゼンスルホニル基(ノシル基またはNs基)などのスルホンアミド保護基;トリフルオロアセチル基などのアミド保護基;ベンジル保護基;トリフェニルメチル基(Tr基)を用いることができる。
また、さらに−NH−基と反応して当該窒素原子を含む環を形成する環状保護基も本発明範囲に含まれるものとする。かかる環状保護基としては、保護すべきアミノ基の窒素原子を含む状態で表されるものとして、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン基、N−フタルイミド基、N−ジチアスクシンイミド基、N−2,3−ジフェニルマレイミド基、N−2,5−ジメチルピロール基、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン基、1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン基、3,5−ジニトロ−4−ピリドン基を挙げることができる。
また、本発明におけるチロシン誘導体(I)等では「−NHR1」のように表記されているが、アミノ基が2つのR1で保護されている化合物、即ち「−N(R12」を有する化合物も本発明範囲に含まれるものとする。
アミノ基の保護は、保護基が決定すれば、当業者公知の常法により行うことができる。例えば、T.W.Greenら「PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS」JOHN WILEY & SONS, INC.を参照すればよい。
2. カルボキシ基の保護工程
カルボキシ基の保護基も同様に、後述するヨード化反応を阻害せず、以降の反応で脱離しない一方で、必要な際に容易に脱保護できるものが好ましい。例えば、メトキシメチルエステル基、テトラヒドロピラニルエステル基、t−ブチルエステル基などのエステル基を用いることができる。
カルボキシ基の保護も、アミノ基の保護と同様に、当業者公知の常法により行うことができる。
3. フェノール性水酸基の保護工程
フェノール性水酸基の保護基も同様に、後述するヨード化反応を阻害せず、以降の反応で脱離しない一方で、必要な際に容易に脱保護できるものが好ましい。また、後述するように、フェノール性水酸基に置換基を導入し、誘導体化する場合もある。よって、フェノール性水酸基の保護基は、アミノ基やカルボキシ基は保護されたままの状態で選択的に脱保護できるものが好ましい。
フェノール性水酸基の保護基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基およびt−ブチルジフェニルシリル基から選択されるシリルエーテル基を用いることができる。
フェノール性水酸基の保護も、アミノ基やカルボキシ基の保護と同様に、当業者公知の常法により行うことができる。
4. ヨード化工程
本発明は、上記工程1〜3を経て、アミノ基とカルボキシ基とフェノール性水酸基が保護された化合物(II)に、−50℃以下でヨード化試薬を作用させる工程を含む。本工程により、R5O−基のパラ位にヨード基を位置選択的に導入することができる。
[式中、R1’、R2’、R4およびR5は上記と同義を示し、化合物(III)におけるヨード基の位置はR5O−基に対してパラ位であるものとする]
なお、本発明においてはフェノール性水酸基または保護されたフェノール性水酸基のパラ位にヨード基が導入されることから、本発明に係るチロシン誘導体はm−チロシン誘導体またはo−チロシン誘導体であり、好ましくはm−チロシン誘導体である。
上記反応は、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒は、上記反応を阻害せず、化合物(II)などの一部または全部を適度に溶解することができるものであれば特に制限されない。例えば、ジクロロメタンやクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素溶媒;ベンゼンやトルエンなどの芳香族炭化水素溶媒;ジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒を挙げることができる。
ヨード化試薬としては、ベンゼン環のヨード化のため一般的に使用されるものであれば特に制限なく使用することができる。例えば、分子状ヨウ素(I2)、1,3−ジヨード−5,5’−ジメチルヒダントイン(DIH)、N−ヨードスクシンイミド(NIS)を用いることができる。
ヨード化試薬の使用量は適宜調整すればよいが、例えば、化合物(II)に対して、0.9倍モル以上、1.5倍モル以下用いることが好ましい。当該割合としては、0.9倍モル以上がより好ましく、1.0倍モル以上がさらに好ましく、また、1.4倍モル以下がより好ましく、1.3倍モル以下がさらに好ましく、1.25倍モル以下が特に好ましい。
ヨード化試薬として分子状ヨウ素を用いる場合には、反応を促進するために、ヨード化反応促進剤を併用することが好ましい。ヨード化反応促進剤としては、例えば、トリフルオロ酢酸銀や酢酸銀を用いることができる。
ヨード化反応促進剤の使用量は適宜調製すればよいが、例えば、化合物(II)に対して、0.5倍モル以上、1.5倍モル以下用いることが好ましい。当該割合としては、0.8倍モル以上がより好ましく、1.0倍モル以上がさらに好ましく、1.1倍モル以上が特に好ましく、また、1.4倍モル以下がより好ましく、1.3倍モル以下がさらに好ましく、1.25倍モル以下が特に好ましい。
本発明方法で特徴的な上記反応は、−50℃以下で行う。上記反応においては、−50℃以下であっても、収率の低下を伴わず、m−チロシンのフェノール性水酸基のパラ位へヨード基を選択的に導入することができる。一方、反応温度の下限は特に制限されないが、過剰に低くすると収率が低下するおそれがあり得るので、−100℃以上が好ましい。当該温度としては、−50℃以下がより好ましく、−55℃以下がさらに好ましく、−60℃以下が特に好ましく、また、−90℃以上がより好ましく、−80℃以上がさらに好ましく、−70℃以上が特に好ましい。
上記反応は、例えば、溶媒に化合物(II)を懸濁または溶解し、得られた混合液の温度を−50℃以下に調整した後にヨード化試薬を加え、−50℃以下の温度で反応させればよい。
反応時間は適宜調整すればよく、薄層クロマトグラフィなどで化合物(II)が確認できなくなるまでや、予備実験などで決定すればよいが、例えば、12時間以上、48時間以下程度とすることができる。
反応後は、一般的な後処理を行えばよい。例えば、未反応のヨウ素を分解するために反応液をチオ硫酸ナトリウム水溶液などで洗浄した後に乾燥し、減圧濃縮し、得られた残渣をクロマトグラフィなどで精製すればよい。
上記化合物(III)は、必要に応じて、ヨード基を他の置換基に変換して化合物(IV)としてもよい。かかる官能基変換反応は、当業者であれば実施可能である。
[式中、R1’、R2’、R3〜R5は上記と同義であり、化合物(III)におけるヨード基および化合物(IV)におけるR4の位置はR5O−基に対してパラ位であるものとする]
以上で得られた化合物(III)または化合物(IV)は、必要に応じて、さらに、フェノール性水酸基を脱保護した後、置換基を導入することができる。例えば、以下の反応を行うことができる。
[式中、R1、R2、R1’、R2’、R3〜R5、A、XおよびYは上記と同義であり、化合物(IV)におけるR4の位置はR5O−基に対してパラ位であり、化合物(V)におけるR4の位置は水酸基に対してパラ位であり、化合物(I’’)および化合物(I)におけるR4の位置はX−A−O−基に対してパラ位であるものとする]
以下、上記各工程につき説明する。
5. フェノール性水酸基の脱保護工程
本反応では、フェノール性水酸基を選択的に脱保護する。かかる反応は、アミノ基やカルボキシ基の保護基が維持される一方で、フェノール性水酸基の保護基の種類に応じた脱保護条件を採用すればよい。
例えば、上記保護基としてシリルエーテル基を用いた場合には、ケイ素とフッ素の強い親和性を利用して、フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)、フッ化水素酸(HF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カリウム(KF)などを用いることができる。
溶媒や温度など詳しい反応条件は、アミノ基の保護基などと同様に、当業者公知の常法を用いることができる。
6. フェノール性水酸基のアルキル化工程
次に、例えば、フェノール性水酸基を脱保護して得られた化合物(V)のフェノール性水酸基に化合物(VI)を作用させて、チロシン誘導体(I’’)を得ることができる。
本発明において「脱離基」とは、求核置換反応において求核剤に攻撃されて脱離する基であり、例えば、フェノール性水酸基とエーテル結合を形成できる基を挙げることができる。例えば、クロロ基、ブロモ基、ヨード基など脱離能を有するハロゲン原子脱離基;メチルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、クロロメタンスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基などのスルホニルオキシ基などを用いることができる。また、化合物(V)の2つの脱離基であるXとYは、同一としてもよいし、異なったものとしてもよく、異なったものとする場合には、Yをフェノール性水酸基との反応性がXより高いものとする。
化合物(VI)などにおけるA(−(CH2l−[Z(CH2mn−)は、何れの端がフェノール性水酸基の酸素原子に結合し、Xに結合していてもかまわないが、好適には化合物(VI)、化合物(I)、化合物(I’)および化合物(I’’)において−O−(CH2l−[Z(CH2mn−Xの構造をとるものとする。
当該反応は、溶媒中、塩基の存在下で行うことが好ましい。溶媒としては、メタノールやエタノールなどのアルコール系溶媒;ジエチルエーテルやテトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒を挙げることができる。
塩基としては、トリエチルアミン、ジエチルエタノールアミン、ピリジンなどの有機アミン;水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;炭酸水素ナトリウムや炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩などを用いることができる。
また、Yが水酸基である場合には、トリフェニルホスフィンとアゾジカルボン酸ジエチルの存在下、当該水酸基とフェノール性水酸基とを選択的に反応させフェノールエーテルとすることもできる。
最後に、必要であれば、化合物(I’’)のアミノ基および/またはカルボキシ基を脱保護してもよい。
また、本発明に係るチロシン誘導体は、下記式(I)で表されることを特徴とする。
[式中、
1は水素原子またはアミノ基の保護基を示し;
2は水素原子またはカルボキシ基の保護基を示し;
3は水素原子基またはC1-6アルキル基を示し;
4は、ハロゲン原子基、水酸基、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、アミノ基、モノ(C1-6アルキル)アミノ基、ジ(C1-6アルキル)アミノ基、置換基αを有していてもよいC6-12アリール基、置換基αを有していてもよい複素環基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6ハロアルコキシ基または置換基αを有していてもよいC7-13アラルキルオキシ基を示し;
Aは、−(CH2l−[Z(CH2mn−[式中、Zは、アミノ基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、チオニル基、エステル基、アミド基、ウレア基またはチオウレア基を示し、lは1以上6以下の整数を示し、mは1以上4以下の整数を示し、nは0以上4以下の整数を示す]を示し;
Xは、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、メチルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、クロロメタンスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基からなる群より選択される脱離基を示し;
置換基αは、ハロゲン原子基、水酸基、シアノ基、チオール基、アミノ基、モノ(C1-6アルキル)アミノ基、ジ(C1-6アルキル)アミノ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基およびC1-6アルキルチオ基からなる群より選択される1以上の基を示し、
但し、R4の位置は、X−A−O−基に対してパラ位であるものとする]
本発明において、「ハロゲン原子基」は、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基またはヨード基をいい、クロロ基、ブロモ基またはヨード基が好ましい。
「C1-6アルキル基」は、炭素数1〜6の直鎖状、分枝鎖状または環状の飽和脂肪族炭化水素基をいう。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等である。好ましくはC1-4アルキル基であり、より好ましくはC1-2アルキル基であり、最も好ましくはメチル基である。
「C1-6ハロアルキル基」とは、少なくとも1個のハロゲン原子基で置換されたC1-6アルキル基をいう。例えば、クロロメチル基、ブロモメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基を挙げることができる。好ましくはC1-4ハロアルキル基であり、より好ましくはC1-2ハロアルキル基である。
「モノ(C1-6アルキル)アミノ基」は、1個のC1-6アルキル基で置換されたアミノ基をいう。例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、t−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基等を挙げることができる。
「ジ(C1-6アルキル)アミノ基」は、互いに同一または異なっている2個のC1-6アルキル基で置換されたアミノ基をいう。例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、t−ブチルメチルアミノ基、t−ブチルエチルアミノ基、ジ(t−ブチル)アミノ基、ジ(n−ペンチル)アミノ基、ジ(n−ヘキシル)アミノ等を挙げることができる。
「C6-12アリール基」は、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基をいう。例えば、フェニル基、インデニル基、ナフチル基、ビフェニル基を挙げることができ、好適にはフェニル基である。
「複素環基」は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子等のヘテロ原子を少なくとも1個有する5員、6員もしくは縮合飽和ヘテロサイクリック基または5員、6員もしくは縮合ヘテロアリール基を意味する。この「ヘテロサイクリック基」としては、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、テトラヒドロチオフェニル基、テトラヒドロフラニル基、オキサゾリジニル基、イソキサゾリジニル基、チアゾリジニル基、イソチアゾリジニル基などの5員飽和ヘテロサイクリック基;ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホリニル基などの6員飽和ヘテロサイクリック基を挙げることができる。「ヘテロアリール基」としては、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基、チエニル基、フリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基などの5員ヘテロアリール基;ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基などの6員ヘテロアリール基;およびインドリル基、イソインドリル基、イソインドール−1,3−ジオン−2−イル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾフラニル基、クロメニル基、ベンゾチエニル基、テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピラジン基などのヘテロアリール基を挙げることができる。
「C1-6アルコキシ基」は、炭素数1〜6の直鎖状、分枝鎖状または環状の脂肪族炭化水素オキシ基を意味する。例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などを挙げることができ、好ましくはC1-4アルコキシ基であり、より好ましくはC1-2アルコキシ基である。
「C1-6アルキルチオ基」は、炭素数1〜6の直鎖状、分枝鎖状または環状の脂肪族炭化水素チオ基を意味する。例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロプロピルチオ基、シクロブチルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基などを挙げることができ、好ましくはC1-4アルキルチオ基であり、より好ましくはC1-2アルキルチオ基であり、最も好ましくはメチルチオ基である。
「C1-6ハロアルコキシ基」とは、C1-6ハロアルキルオキシ基をいう。例えば、クロロメチルオキシ基、ブロモメチルオキシ基、トリフルオロメチルオキシ基、ペンタフルオロエチルオキシ基を挙げることができる。好ましくはC1-4ハロアルコキシ基であり、より好ましくはC1-2ハロアルコキシ基である。
「C7-13アラルキルオキシ基」は、1個のアリール基で置換されたアルキル基であって、炭素数が7〜13のものをいう。例えば、ベンジル基、フェナシル基、ナフチルメチル基、ビフェニルメチル基を挙げることができ、ベンジル基が好ましい。
6-12アリール基、複素環基、C7-13アラルキルオキシ基の置換基αの数は特に制限されないが、1以上、5以下が好ましい。当該数としては、3以下がより好ましく、2以下がさらに好ましい、また、置換基αの数が2以上である場合には、それらは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよいものとする。また、C7-13アラルキルオキシ基が置換基αを有する場合、当該置換基はアリール基上に存在するものとする。なお、置換基αの炭素数は、C6-12アリール基およびC7-13アラルキルオキシ基の炭素数には含めないものとする。
チロシン誘導体としては、L−チロシン誘導体とD−チロシン誘導体があり、本発明には何れも含まれ、その目的に応じて、L−チロシン誘導体、D−チロシン誘導体、ラセミ体などこれらの混合物を適宜選択すればよい。なお、一般的に、L体とD体の1対1混合物をラセミ体という。一般的には、天然アミノ酸の誘導体であるL−チロシン誘導体が最も利用価値が高い。
本発明に係るチロシン誘導体(I)は、塩であってもよい。かかる塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩;シュウ酸塩、マロン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩などの有機酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、リジン塩、アルギニン塩、ヒスチジン塩などのアミノ酸塩などを挙げることができる。
本発明に係るチロシン誘導体(I)は、上記の本発明方法に従って、或いは本発明方法を当業者にとり公知の方法で適宜変更して、製造することができる。
例えば、原料化合物としてm−チロシンの他、o−チロシンを用い、ヨード化反応において反応温度により位置を調整し、さらに必要に応じて導入したヨード基を官能基変換すればよい。
本発明に係るチロシン誘導体(I)は、フェノール性水酸基に導入した置換基中やベンゼン環上の反応活性基を有することから、合成中間体として有用である。また、非天然型アミノ酸として、それ自体を、例えばt−PAなどの酵素を構成するアミノ酸の一部と置換して、酵素の活性を向上させたり改変するのに用いたり、診断薬や、生体レドックス反応にニトロキシルラジカルを用いた生体イメージング剤として用い得る。特に、本発明に係るチロシン誘導体は、メラトニンMT1受容体に対して拮抗作用を示し、メラトニンMT1受容体アンタゴニストとして有用である。よって本発明に係るチロシン誘導体は、抗鬱剤などとして利用され得る。
欝病などの治療のために、本発明に係るチロシン誘導体は、活性成分としての当該誘導体と、経口投与または非経口投与に適した薬事上許容される有機または無機の固体または液体賦形剤を含む医薬製剤の形で用いることができる。当該医薬製剤は、カプセル剤、錠剤、糖衣錠、顆粒、吸入剤、座薬、溶液、ローション、分散液、エマルジョン等の剤形とすることができる。必要な場合には、助剤、安定化剤、湿潤剤や乳化剤、緩衝剤や他の一般的に用いられる添加剤をこれら製剤に配合してもよい。
治療に有効な本発明に係るチロシン誘導体の投与量は、患者の重篤度、年齢、性別、状態などにもよるが、患者の体重を基準として、例えば、1日当たり0.01mg/kg以上、50mg/kg以下とすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1: ヨウ化チロシン誘導体の製造
(1) アミノ基の保護(化合物2)
D/L−m−チロシン(化合物1,5.0g,27.6mmol)とトリエチルアミン(4.19g,41.4mmol)を含むジオキサン/水=1/1の混合溶液に、二炭酸ジ−t−ブチル(6.62g,30.4mmol)を0℃でゆっくりと加え、−2℃で一晩撹拌した。当該反応液を減圧濃縮し、炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。水相を酢酸エチルで洗浄し、塩酸を加えて中和した後、酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。固形分を濾別した後、減圧濃縮することによって、無色粉末を得た(収量:7.5g,収率:97%)。
1H-NMR(400MHz,CD3OD,TMS)δ7.08(t,J=7.79Hz,1H),6.66(m,3H),4.31(m,1H),3.05(m,1H),2.84(m,1H),1.39(s,9H)
(2) カルボキシ基の保護(化合物3)
上記(1)で得られたN−保護チロシン(化合物2,7.5g,26.7mmol)をトルエン(133mL)に溶解し、さらにt−ブチルアルコール(35mL)を加えた。当該反応液を加熱還流した後、N,N−ジメチルホルムアミド ジネオペンチルアセタール(18.5g,21.7mmol)を55分かけて滴下した。3時間加熱還流した後、溶液を室温まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えた。水相をジクロロメタンで2回抽出し、得られた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。固形分を濾別後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製することによって、無色粉末である保護化チロシンを得た(収量:7.06g,収率:78%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,TMS)δ7.14(t,J=7.79Hz,1H),6.70(m,3H),5.26(s,1H),5.01(m,1H),4.42(m,1H),2.99(m,2H),1.42(s,9H),1.40(s,9H)
(3) フェノール性水酸基の保護(化合物4)
TBSCl(3.23g,21.4mmol)のDMF(36mL)溶液へ、上記(2)で得られた保護化チロシン(化合物3,6.03g,17.9mmol)とイミダゾール(3.04g,44.6mmol)を0℃で加え、室温まで加温した。2時間後、当該反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製することにより、フェノール性水酸基が保護された化合物4を得た(収量:7.66g,収率:95%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,TMS)δ7.12(t,J=7.79Hz,1H),6.75(d,J=7.79Hz,1H),6.70(d,J=7.79Hz,1H),6.65(s,1H),4.95(m,1H),4.43(m,1H),3.00(d,J=5.95Hz,1H),1.42(s,9H),1.41(s,9H),0.97(s,9H)
(4) ヨード化(化合物5)
上記(3)で得た化合物4(8.31g,18.4mmol)とCF3CO2Ag(4.68g,21.2mmol)をクロロホルム(180mL)に加えて懸濁液とし、−65℃でヨウ素(5.14g,20.2mmol)を加え、−65℃で一晩攪拌した。当該反応液を濾過し、酢酸エチルで希釈した後、チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製することにより、原料化合物4と目的化合物5の混合物を無色粉末として得た(収量:8.79g)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,TMS)δ7.62(d,J=8.24Hz,1H),6.73(s,1H),6.46(d,J=8.24Hz,1H),5.00(d,J=8.24Hz,1H),4.48(m,1H),3.17(m,1H),2.96(m,1H),1.42(s,9H),1.39(s,9H),0.96(s,9H)
(5) フェノール性水酸基の脱保護(化合物6)
上記(4)で得られた化合物5(1.33g,2.30mmol)をTHF(8mL)に溶解し、当該溶液へTBAF(3.5mL,1M THF溶液)を0℃で加え、1時間攪拌した。次いで水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機相を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧濃縮することにより目的化合物6を得た(収量:1.03g,収率:96%)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,TMS)δ7.63(d,J=8.24Hz,1H),6.80(s,1H),6.49(d,J=8.70Hz,1H),5.86(s,1H),5.08(m,1H),4.52(m,1H),2.99(m,1H),1.43(s,9H),1.39(s,9H)
実施例2:フェノール性水酸基への置換基の導入
上記実施例1(5)で得た化合物6(0.12g,0.25mmol)および炭酸カリウム(0.10g,0.75mmol)の無水DMF(2.5mL)溶液に、エチレングリコールジ−p−トシラート(0.19g,0.5mmol)を添加した。室温で2日間攪拌したのち、水で希釈し、酢酸エチル(約20mL)で3回抽出した。混合した有機相を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、化合物7(0.53g,54%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,TMS)δ7.81(dt,J=8.4Hz and 1.9Hz,2H),7.65(d,J=8.7Hz,1H),7.36(d,J=7.8,2H),6.72(s,1H),6.43(dd,J=8.7Hz,1.8 Hz,1H),5.02(m,1H),4.5(m,1H),4.35(m,2H),4.11(m,2H),3.17(dd,J=14.0Hz and 5.7Hz,1H),2.98(m,1H),2.47(s,3H),1.43(s,9H),1.38(s,9H)
実施例3:ヨード化反応における反応温度の検討
上記実施例1(4)において、化合物4に対するヨード化試薬(CF3CO2Ag−I2)のモル当量、反応温度および反応時間を表1に示すとおりにした以外は同様にして、化合物5を合成した。シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製後、1H−NMRで分析し、得られたチャートのピーク面積から、TBSO−基のパラ位にヨード基が導入された目的化合物である化合物5、TBSO−基のオルト位(ベンジル位のパラ位)にヨード基が導入された副生成物である化合物5’、および未反応化合物4の収率を算出した。なお、表1中、「main」は、対象ピークが別の副生成物のピークと重なって収率が算出できず、その産生量を非定量的に表したものであり、「trace」はNMRデータから算出した収率が1%未満である場合を示す。
表1に示す結果のとおり、反応温度が−40℃以上である場合には、副生成物である化合物5’に対する目的化合物である化合物5の比(以下、「化5/化5’比」と略記する)がせいぜい約30である。化合物5と化合物5’は物性が似ており、分割が極めて難しいため、化5/化5’比はできるだけ大きい方が好ましい。また、反応温度を2℃にした場合には、反応を促進するため化合物4に対するヨード化試薬の使用量を増やすと、化合物5’以外の副生成物の量が増加してしまう。なお、この副生成物は、ジヨード化合物かトリヨード化合物などであると考えられる。
それに対して反応温度を−60℃にした場合には、化5/化5’比は約40まで高まり、化合物5の収率が約90%であるのに対して副生成物である化合物5’の収率は2%に過ぎない。また、ヨード化試薬の使用量を増やしても、化合物5’以外の副生成物の生成量は抑制されている。
以上の結果より、チロシン誘導体のフェノール性水酸基または保護されたフェノール性水酸基のパラ位を選択的にヨード化するには、反応温度を−50℃以下にするのが有効であることが明らかにされた。
実施例4:ヨード化
上記実施例1(3)で得た化合物4(452mg,1.0mmol)とCF3CO2Ag(276mg,1.25mmol)をクロロホルム(10mL)に加えて懸濁液とし、−60℃でヨウ素(317mg,1.25mmol)を加え、−60℃で5日間攪拌した。当該反応液を濾過し、酢酸エチルで希釈した後、チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製することにより、目的化合物5と副生成物である化合物5’の混合物を無色粉末として得た(NMR収量 化合物5:528mg,収率:91%,化合物5’:14mg,収率:2%)。
化合物5
1H-NMR(400MHz,CDCl3,TMS)δ7.62(d,J=8.24Hz,1H),6.73(s,1H),6.46(d,J=8.24Hz,1H),5.00(d,J=8.24Hz,1H),4.48(m,1H),3.17(m,1H),2.96(m,1H),1.42(s,9H),1.39(s,9H),0.96(s,9H),0.18(s,6H)
化合物5’
1H-NMR(400MHz,CDCl3,TMS)δ7.63(d,J=7.76Hz,1H),6.65(s,1H),6.50(dd,J=8.22,1.83Hz,1H),4.97(d,J=7.77Hz,1H),4.43(m,1H),2.97(m,2H),1.42(s,9H),1.41(s,9H),1.06(s,9H),0.28(s,6H)
実施例5:O−アルキル化
上記実施例1(5)で得た化合物6(1.6g,3.4mmol)、炭酸カリウム(2.5g,18.1mol)およびエチレングリコール ジ−p−トシラート(4.0g,10.8mmol)を無水アセトン(30mL)に溶解した。得られた溶液を21時間加熱還流した。反応液を冷却後、水で希釈し、酢酸エチル(約20mL)で3回抽出した。混合した有機相を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、化合物7(1.48g,59%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,TMS)δ7.81(dt,J=8.4Hz and 1.9Hz,2H),7.65(d,J=8.7Hz,1H),7.36(d,J=7.8,2H),6.72(s,1H),6.43(dd,J=8.7Hz,1.8 Hz,1H),5.02(m,1H),4.5(m,1H),4.35(m,2H),4.11(m,2H),3.17(dd,J=14.0Hz and 5.7Hz,1H),2.98(m,1H),2.47(s,3H),1.43(s,9H),1.38(s,9H)
実施例6:O−アルキル化
上記実施例1(5)で得た化合物6(116mg,0.25mmol)、トリフェニルホスフィン(131mg,0.5mmol)および2−ヒドロキシエチル−4−メチルベンゼンスルホネート(108mg,0.5mmol)を無水THF(2.5mL)に溶解した。当該溶液を氷冷した後に、アゾジカルボン酸ジエチル(218mg,0.5mmol)を添加した。反応液を室温まで昇温し、3時間攪拌した後、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製することにより目的化合物7を得た(収量:112mg,収率:68%)。
実施例7:O−アルキル化
上記実施例1(5)で得た化合物6(0.6g,1.3mmol)、炭酸カリウム(0.9g,10mmol)およびジエチレングリコール ジ−p−トシラート(1.61g,3.9mmol)を無水DMF(10mL)に溶解した。当該溶液を室温で5日間攪拌した後、水で希釈し、酢酸エチル(約20mL)で3回抽出した。混合した有機相を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、化合物8(0.61g,67%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,TMS)δ7.80(dt,J=8.5Hz and 1.9Hz,2H),7.67(d,J=8.7Hz,1H),7.32(d,J=8.2Hz,2H),6.81(s,1H),6.53(dd,J=8.5Hz and 2.5Hz,1H),5.09(m,1H),4.5(m,1H),4.19(m,2H),4.01(m,2H),3.76(m,4H),3.19(dd,J=14.0Hz and 5.7Hz,1H),2.98(m,1H),2.44(s,3H),1.43(s,9H),1.38(s,9H)
実施例8:O−アルキル化
上記実施例1(5)で得た化合物6(0.35g,0.76mmol)およびトリフェニルホスフィン(396mg,1.5mmol)のTHF(2mL)溶液に、2−クロロエタノール(100μL,1.5mmol)を加え、氷冷した。そこに、アゾジカルボン酸ジエチル(690μL,1.5mmol)をゆっくりと加え、添加後、室温にて攪拌した。反応後、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、化合物9(0.31g,77%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,TMS)δ7.70(d,J=8.7Hz,1H),6.84(s,1H),6.56(dd,J=8.7Hz and 1.8Hz,1H),5.04(m,1H),4.5(m,1H),4.19(t,J=5.7Hz,2H),3.79(t,J=5.7Hz,2H),3.21(dd,J=13.7Hz and 5.5Hz,1H),2.99(m,1H),1.44(s,9H),1.39(s,9H)
実施例9:O−アルキル化
上記実施例1(5)で得た化合物6(0.35g,0.76mmol)およびトリフェニルホスフィン(254mg,0.97mmol)をTHF(2mL)に溶解した。当該溶液に2−ブロモエタノール(70μL,0.97mmol)を加え、氷冷した。そこに、アゾジカルボン酸ジエチル(440μL,0.97mmol)をゆっくりと加え、添加後、室温にて攪拌した。反応後、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、化合物10(0.21g,57%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,TMS)δ7.70(d,J=8.7Hz,1H),6.83(s,1H),6.56(t,J=4.3Hz,1H),5.04(m,1H),4.5(m,1H),4.25(t,J=6.2Hz,2H),3.62(t,J=6.2Hz,2H),3.20(dd,J=14.0Hz and 5.7Hz,1H),3.00(m,1H),1.44(s,9H),1.39(s,9H)
実施例10:光学活性体の合成
上記実施例1記載の合成ルートにおいて、出発原料化合物としてDL−m−チロシンの代わりに光学活性L−m−チロシンを用いた以外は同様にして、光学活性化合物5(S)(99.8%ee)を合成した。
HPLC保持時間:11.46 min
カラム:CHIRALPAC IA 4.6 mmφ×250 mm(ダイセル社製)
流速:0.8 mL/min
カラムオーブン温度:25℃
検出光波長:233 nm
溶離液:ヘキサン/エタノール=99/1
実施例11:ラセミ体化合物5の光学分割
上記実施例1(4)で得られた化合物5を、キラルカラムを使った下記条件のHPLCにて光学分割した。
カラム:CHIRALPAC IA 20 mmφ×250 mm(ダイセル社製)
流速:13 mL/min
カラムオーブン温度:25℃
検出光波長:233 nm
溶離液:ヘキサン/エタノール=100/1
HPLC保持時間: 5(S) − 11.46 min,5(R) − 8.12 min
カラム:CHIRALPAC IA 4.6 mmφ×250 mm(ダイセル社製)
流速:0.8 mL/min
カラムオーブン温度:25℃
検出光波長:233 nm
溶離液:ヘキサン/エタノール=99/1
実施例12:光学活性化合物7の合成
(1) フェノール性水酸基の脱保護
上記実施例1(5)記載の合成ルートにおいて、ラセミ化合物5の代わりに上記実施例11で得られた光学活性化合物5(S)または光学活性化合物5(R)を用いた以外は同様にして、光学活性化合物6(S)または光学活性化合物6(R)を合成した。
(2) O−アルキル化
上記実施例2記載の合成ルートにおいて、化合物6の代わりに上記(1)で得られた光学活性化合物6(S)または光学活性化合物6(R)を用いた以外は同様にして、光学活性化合物7(S)(99.7%ee)または光学活性化合物7(R)(99.7%ee)を合成した。
HPLC保持時間: 7(S) − 12.94 min,7(R) − 9.33 min
カラム:CHIRALPAC IA 4.6 mmφ×250 mm(ダイセル社製)
流速:0.8 mL/min
カラムオーブン温度:25℃
検出光波長:254 nm
溶離液:ヘキサン/エタノール=60/40
実施例13:O−アルキル化
上記実施例7記載の合成ルートにおいて、化合物6の代わりに光学活性化合物6(S)または6(R)を用いた以外は同様にして、光学活性化合物8(S)(99.2%ee)または光学活性化合物8(R)(99.3%ee)を合成した。
HPLC保持時間: 8(S) − 7.09 min,8(R) − 6.35 min
カラム:CHIRALPAC IB 4.6 mmφ×250 mm(ダイセル社製)
流速:1.0 mL/min
カラムオーブン温度:25℃
検出光波長:254 nm
溶離液:ヘキサン/エタノール=80/20
実施例14:ブロモ化合物の合成
(1) Sn化反応(化合物11)
アルゴン雰囲気下、上記実施例1(4)で得た化合物5(100mg,0.17mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(60mg,0.05mmol)、塩化リチウム(37mg,0.87mmol)の脱気トルエン(2mL)溶液にヘキサメチルジスタナン(72μL,0.35mmol)を加え、100℃で6時間加熱した。冷却後、セライトろ過をし、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製し、化合物11(66.3mg,62%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,TMS)δ7.27(d,J=7.6Hz,1H),6.71(m,2H),4.83(m,1H),4.36(m,1H),3.04(m,1H),2.89(m,1H),1.45(s,9H),1.39(s,9H),0.99(s,9H),0.34(s,9H),0.21(s,6H)
(2) ブロモ化(化合物12)
上記(1)で得た化合物11(20mg,0.03mmol)のメタノール/ジエチルエーテル溶液(1/1,7mL)を−70℃に冷却し、臭素(1.6μL,0.03mmol)のメタノール(2mL)溶液を滴下した。30分後、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、室温にて攪拌をした。酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製することにより、化合物12(17mg,97%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,TMS)δ7.36(d,J=8.7Hz,1H),6.73(s,1H),6.59(dd,J=8.7Hz,2.7Hz,1H),5.03(m,1H),4.50(m,1H),3.20(m,1H),3.00(m,1H),1.42(s,9H),1.40(s,9H),0.98(s,9H), 0.19(s,6H)
(3) フェノール性水酸基の脱保護(化合物13)
上記(2)で得られた化合物12(15mg,0.03mmol)をTHF(0.1mL)に溶解し、当該溶液へTBAF(42μL,1M THF溶液)を0℃で加え、1時間攪拌した。反応溶液を濾過後、減圧濃縮することにより化合物13を得た(収量:11mg)。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,TMS)δ7.37(d,J=8.7Hz,1H),6.79(s,1H),6.63(m,1H),5.10(m,1H),4.51(m,1H),3.18(m,1H),3.00(m,1H)1.43(s,9H),1.40(s,9H)
(4) O−アルキル化工程(化合物14)
上記(3)で得られた化合物13(2.0g,4.8mmol)、炭酸カリウム(3.3g,24.0mol)およびエチレングリコール ジ−p−トシラート(5.3g,14.4mmol)の無水アセトン(40mL)溶液を、23時間加熱還流した。反応液を冷却後、水で希釈し、酢酸エチル(約50mL)で2回抽出した。混合した有機相を水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、化合物14(2.19g,74%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3,TMS)δ7.82(dt,J=8.4Hz and 1.9Hz,2H),7.39(d,J=8.8Hz,1H),7.36(d,J=7.6Hz,2H),6.71(s,1H),6.56(m,1H),5.04(m,1H),4.51(m,1H),4.34(m,2H),4.11(m,2H),3.19(dd,J=14.2Hz and 5.9Hz,1H),2.99(m,1H),2.47(s,3H),1.42(s,9H),1.38(s,9H)
実施例15:ラセミ化合物14の光学分割
上記実施例14で得られたラセミ化合物14を、キラルカラムを使った下記条件のHPLCにて光学分割した。得られたものをそれぞれヘキサン/酢酸エチルで再結晶することにより、光学活性化合物15(99.7%ee)と光学活性化合物16(99.7%ee)を得た。
カラム:CHIRALPAC IA 20 mmφ×250 mm(ダイセル社製)
流速:13 mL/min
カラムオーブン温度:25℃
検出光波長:254 nm
溶離液:ヘキサン/エタノール=7/3
HPLC保持時間: 化合物15 − 11.56 min
化合物16 − 15.12 min
カラム:CHIRALPAC IA 4.6 mmφ×250 mm(ダイセル社製)
流速:1.0 mL/min
カラムオーブン温度:25℃
検出光波長:254 nm
溶離液:ヘキサン/エタノール=70/30
実施例16:脱保護反応
実施例2で得た化合物7(100mg,0.15mmol)のジクロロメタン(0.8mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(340μL)を加えた。室温で1日攪拌したのち、反応液を濃縮し、水とアンモニア水を加えた。析出した固体をろ過し、水で洗浄することにより化合物17(45mg,59%)を得た。
1H-NMR(400MHz,DCl/H2O,DSS)δ7.78(m,3H),7.39(d,J=8.7Hz,2H),6.80(d,J=3.2Hz,1H),6.55(dd,J=8.7Hz and 3.2Hz,1H),4.51(t,J=4.1Hz,2H),4.40(t,J=7.8Hz,1H),4.28(m,2H),3.45(m,1H),3.27(m,1H),2.43(s,3H)
実施例17:メラトニンMT1受容体阻害活性試験
本発明に係るチロシン誘導体のメラトニンMT1受容体阻害活性を試験した。具体的には、pH7.4の改良HEPESバッファー中、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO−K1)にて発現させたヒト組み換えメラトニンMT1受容体を用いた。当該細胞の細胞膜0.025mg/mLとグアノシン二リン酸1μMを含むpH7.4のHEPESバッファー中、上記実施例8のチロシン誘導体10μMを25℃で20分間プレインキュベートし、さらにSPA(Scintillation proximity assay)ビーズを加えて30℃で60分間インキュベートした。反応は[35S]GTPγSを0.3nM加えることにより開始し、30分間インキュベートし、0.1nMの2−ヨードメラトニンにより誘導される[35S]GTPγS結合応答性の増加の阻害度を測定した。
その結果、上記実施例8のチロシン誘導体は、2−ヨードメラトニンによるメラトニンMT1受容体と[35S]GTPγSとの結合促進を33%阻害し、メラトニンMT1受容体のアンタゴニストであることが明らかにされた。

Claims (9)

  1. 下記式(I)で表されることを特徴とするチロシン誘導体。
    [式中、
    1は水素原子またはアミノ基の保護基を示し;
    2は水素原子またはカルボキシ基の保護基を示し;
    3は水素原子基またはC1-6アルキル基を示し;
    4は、ハロゲン原子基、水酸基、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、アミノ基、モノ(C1-6アルキル)アミノ基、ジ(C1-6アルキル)アミノ基、置換基αを有していてもよいC6-12アリール基、置換基αを有していてもよい複素環基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C1-6ハロアルコキシ基または置換基αを有していてもよいC7-13アラルキルオキシ基を示し;
    Aは、−(CH2l−[Z(CH2mn−[式中、Zは、アミノ基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、チオニル基、エステル基、アミド基、ウレア基またはチオウレア基を示し、lは1以上6以下の整数を示し、mは1以上4以下の整数を示し、nは0以上4以下の整数を示す]を示し;
    Xは、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、メチルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、クロロメタンスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基からなる群より選択される脱離基を示し;
    置換基αは、ハロゲン原子基、水酸基、シアノ基、チオール基、アミノ基、モノ(C1-6アルキル)アミノ基、ジ(C1-6アルキル)アミノ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基およびC1-6アルキルチオ基からなる群より選択される1以上の基を示し、
    但し、R4の位置は、X−A−O−基に対してパラ位であるものとする]
  2. 下記式(I’)で表されることを特徴とする請求項1に記載のチロシン誘導体。
    [式中、R1〜R4、AおよびXは前記と同義を示す]
  3. 4が、ハロゲン原子基、水酸基、置換基αを有していてもよいC6-12アリール基、置換基αを有してもよい複素環基またはC1-6アルコキシ基である請求項1または2に記載のチロシン誘導体。
  4. 4がブロモ基またはヨード基である請求項1〜3のいずれかに記載のチロシン誘導体。
  5. Aが−(CH2l−[O(CH2mn−である請求項1〜4のいずれかに記載のチロシン誘導体。
  6. 下記式(III)で表されるチロシン誘導体を製造するための方法であって、
    [式中、R1’はアミノ基の保護基を示し;R2’はカルボキシ基の保護基を示し;R3は水素原子基またはC1-6アルキル基を示し;R5はフェノール性水酸基の保護基を示し、但し、ヨード基の位置は、R5O−基に対してパラ位であるものとする]
    上記式(II)で表される化合物に−50℃以下でヨード化試薬を作用させる工程を含むことを特徴とする製造方法。
  7. ヨード化試薬として分子状ヨウ素とヨード化反応促進剤とを用いる請求項6に記載の製造方法。
  8. ヨード化反応促進剤としてトリフルオロ酢酸銀または酢酸銀を用いる請求項7に記載の製造方法。
  9. 下記式(I)で表されるチロシン誘導体を製造するための方法であって、
    [式中、
    1は水素原子またはアミノ基の保護基を示し;
    2は水素原子またはカルボキシ基の保護基を示し;
    1’はアミノ基の保護基を示し;
    2’はカルボキシ基の保護基を示し;
    3は水素原子基またはC1-6アルキル基を示し;
    4は、ハロゲン原子基、水酸基、置換基αを有していてもよいC6-12アリール基、置換基αを有してもよい複素環基またはC1-6アルコキシ基を示し;
    5はフェノール性水酸基の保護基を示し;
    Aは、−(CH2l−[Z(CH2mn−[式中、Zは、アミノ基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、チオニル基、エステル基、アミド基、ウレア基またはチオウレア基を示し、lは1以上6以下の整数を示し、mは1以上4以下の整数を示し、nは0以上4以下の整数を示す]を示し;
    Xは、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、メチルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、クロロメタンスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基からなる群より選択される脱離基を示し;
    Yは水酸基または、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、メチルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、クロロメタンスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基からなる群より選択される脱離基を示し;
    置換基αは、ハロゲン原子基、水酸基、シアノ基、チオール基、アミノ基、モノ(C1-6アルキル)アミノ基、ジ(C1-6アルキル)アミノ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6ハロアルキル基およびC1-6アルキルチオ基からなる群より選択される1以上の基を示し、
    但し、ヨード基またはR4の位置は、R5O−基、水酸基またはX−A−O−基に対してパラ位であるものとする]
    上記式(II)で表される化合物に−50℃以下でヨード化試薬を作用させて、上記式(III)で表される化合物を得る工程;
    化合物(III)のR4がヨード基以外である場合には、ヨード基をR4に官能基変換して上記式(IV)で表される化合物を得る工程;
    上記化合物(IV)のフェノール性水酸基を脱保護して、上記式(V)で表される化合物を得る工程;
    上記化合物(V)に、上記式(VI)で表される化合物を作用させて、上記式(I’’)で表される化合物を得る工程;および、
    必要に応じて、アミノ基またはカルボキシ基の少なくとも一方を脱保護して、上記式(I)で表される化合物を得る工程を含むことを特徴とする製造方法。
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