JP2014141436A - ビシクロ化合物及び香料組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、調合香料原料などとして有用なビシクロ化合物、その製造方法、および該ビシクロ化合物を含有する香料組成物に関する。
ビシクロ化合物の中には、調合香料原料として有用なものがあることが知られている。例えば、レモンなどから見出されたイソボルニルメチルエーテルは、新鮮でハーバル、ローズマリー香を有しており、フェンネル種子油から見出されたフェンコンはやや甘い樟脳様香気を有しており、ユーカリオイルから見出されたシネオールは、樟脳様香気を有することが知られている(非特許文献1)。
合成香料、化学と商品知識(1996年)、化学工業日報社、330、361、384、385ページ
本発明の目的は、調合香料原料などとして有用な香気を持つ新規なビシクロ化合物、その製造方法、および該ビシクロ化合物を含有する香料組成物を提供することにある。
本発明者等は、種々の化合物を合成し、その香気について検討したところ、7−オキサビシクロ[2,2,1]ヘプタン構造を有する化合物が、スパイシーハーバル様の優れた香気を有することを見出した。
本発明は以下の内容を含むものである。
[1]一般式(1)で表されるビシクロ化合物。
本発明は以下の内容を含むものである。
[1]一般式(1)で表されるビシクロ化合物。
(式中、R1〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を表すか、隣接するR1〜R6とビシクロ環とで環を形成してもよい。)
[2]R1〜R3が炭素数1〜4のアルキル基であり、R4〜R6が水素原子である前記1に記載のビシクロ化合物。
[3]前記1又は2に記載のビシクロ化合物を含有する香料組成物。
[4]一般式(2)
[2]R1〜R3が炭素数1〜4のアルキル基であり、R4〜R6が水素原子である前記1に記載のビシクロ化合物。
[3]前記1又は2に記載のビシクロ化合物を含有する香料組成物。
[4]一般式(2)
(式中、R1、R4〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を表すか、隣接するR1、R4〜R6同士で環を形成してもよい。X1及びX2はアルカンスルホニルオキシ基又はアレーンスルホニルオキシ基を表す。)
で表されるビシクロ化合物に還元剤を反応させることによる、一般式(3)
で表されるビシクロ化合物に還元剤を反応させることによる、一般式(3)
(式中、R1、R4〜R6は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜10の炭化水素基を表すか、隣接するR1及びR4〜R6同士で環を形成してもよい。)
で表されるビシクロ化合物の製造方法。
で表されるビシクロ化合物の製造方法。
本発明により、調合香料原料などとして有用な香気を持つ新規なビシクロ化合物、その製造方法、および該ビシクロ化合物を含有する香料組成物が提供できる。
以下に本発明を詳細に説明する。
一般式(1)で表される本発明のビシクロ化合物において、R1〜R6で表される炭素数1〜10の炭化水素基としては、飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基が挙げられる。
飽和炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。この中でも炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、さらにメチル基が最も好ましい。
不飽和炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状のアルケニル基及びアルキニル基が挙げられ、例えば、ビニル基、プロペニル基、1−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が挙げられる。
一般式(1)で表される本発明のビシクロ化合物において、R1〜R6で表される炭素数1〜10の炭化水素基としては、飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基が挙げられる。
飽和炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。この中でも炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、さらにメチル基が最も好ましい。
不飽和炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状のアルケニル基及びアルキニル基が挙げられ、例えば、ビニル基、プロペニル基、1−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が挙げられる。
また、隣接するR1〜R6とビシクロ環とで形成される環としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環及びシクロオクテン環等の飽和又は不飽和の脂環式環、ベンゼン環及びナフタレン環等の芳香族炭化水素環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピラジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、オキソラン環、オキサン環、ジオキサン環、β−ラクトン環及びγ−ラクトン環等の含ヘテロ原子環が挙げられる。
一般式(1)で示される本発明の化合物の構造には、シクロヘキサン環の置換の形態によるシスートランスの異性体が存在しうるが、本発明においては、シス体又はトランス体のどちらかを単独で用いても、また、これらの混合物として用いても良い。
続いて、本発明化合物の製造法について説明する。
一般式(2)及び(3)で表されるビシクロ化合物において、R1及びR4〜R6で表される炭化水素基としては、一般式(1)の化合物で記載したような基が挙げられる。
X1及びX2で表されるアルカンスルホニルオキシ基及びアレーンスルホニルオキシ基としては、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基及びナフタレンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
本発明の製造方法に使用される一般式(2)で表される化合物は、例えば文献(Tetrahedron Letter 49 (2008) 1393-1395)の方法により得ることができる。
続いて、本発明化合物の製造法について説明する。
一般式(2)及び(3)で表されるビシクロ化合物において、R1及びR4〜R6で表される炭化水素基としては、一般式(1)の化合物で記載したような基が挙げられる。
X1及びX2で表されるアルカンスルホニルオキシ基及びアレーンスルホニルオキシ基としては、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基及びナフタレンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
本発明の製造方法に使用される一般式(2)で表される化合物は、例えば文献(Tetrahedron Letter 49 (2008) 1393-1395)の方法により得ることができる。
本発明の製造方法に用いられる還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリエチルホウ素リチウム、水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素リチウム、水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素亜鉛、水素化アルミニウムリチウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、ジボラン及び水素化ジイソブチルアルミニウム等が挙げられる。これらの試薬のうち、反応収率の点より、水素化アルミニウムリチウムを用いることが好ましい。
これらの還元剤は、一般式(2)の化合物の重量に対し、総量で0.1〜100重量%、特に40〜50重量%用いるのが好ましい。本発明において、一般式(2)の化合物から本発明のビシクロ化合物(3)を得るための反応温度は40〜150℃であり、50〜100℃であることが好ましい。
これらの還元剤は、一般式(2)の化合物の重量に対し、総量で0.1〜100重量%、特に40〜50重量%用いるのが好ましい。本発明において、一般式(2)の化合物から本発明のビシクロ化合物(3)を得るための反応温度は40〜150℃であり、50〜100℃であることが好ましい。
還元反応は溶媒中で行うことが好ましい。
溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン及びシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素及びo−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン及びシクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−エトキシエタノール及びベンジルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール及びグリセリン等の多価アルコール類、ギ酸、酢酸及びプロピオン酸等のカルボン酸類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン、水等が挙げられる。
これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、エーテル類が好ましい。
溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン及びシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン及びキシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素及びo−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン及びシクロペンチルメチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−エトキシエタノール及びベンジルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール及びグリセリン等の多価アルコール類、ギ酸、酢酸及びプロピオン酸等のカルボン酸類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、N−メチルピロリドン、水等が挙げられる。
これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、エーテル類が好ましい。
このようにして得られる本発明のビシクロ化合物(1)は、蒸留、各種クロマトグラフィー等により精製すすることができる。
一般式(1)で表される本発明のビシクロ化合物は、優れた香気を有しており、単独でまたは他の成分と組み合わせて、石鹸、シャンプー、リンス、洗剤、化粧品、スプレー製品、芳香剤、香水、入浴剤等の賦香成分として使用できる。
一般式(1)で表される本発明のビシクロ化合物は、優れた香気を有しており、単独でまたは他の成分と組み合わせて、石鹸、シャンプー、リンス、洗剤、化粧品、スプレー製品、芳香剤、香水、入浴剤等の賦香成分として使用できる。
本発明の香料組成物は、通常用いられる他の香料成分や、所望組成の調合香料に、一般式(1)で表される本発明のビシクロ化合物を配合して得られるものである。その配合量は、調合香料の種類、目的とする香気の種類および香気の強さ等により異なるが、調合香料中に0.01〜99質量%を加えることが好ましく、0.05%〜10質量%加えることがより好ましい。
本発明のビシクロ化合物と組み合わせて用いることが出来る香料成分としては、炭化水素類、アルコール類、フェノール類、エステル類、カーボネート類、アルデヒド類、ケトン類、アセタール類、エーテル類、ニトリル類、カルボン酸類、ラクトン類等の天然製油や天然抽出物、合成香料を挙げることができる。
本発明のビシクロ化合物と組み合わせて用いることが出来る香料成分としては、炭化水素類、アルコール類、フェノール類、エステル類、カーボネート類、アルデヒド類、ケトン類、アセタール類、エーテル類、ニトリル類、カルボン酸類、ラクトン類等の天然製油や天然抽出物、合成香料を挙げることができる。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
[測定機器]
実施例において得られた化合物の物性の測定には次の機器を用いた。
[測定機器]
実施例において得られた化合物の物性の測定には次の機器を用いた。
NMR:Avance III 500(Bruker社製)
GC/MS:GCMS−QP2010(島津製作所社製)
カラム:RTX−1(長さ30m×内径0.25mm、液相膜厚0.25μm)
ガスクロマトグラフィー(GC)純度:GC−4000(GLサイエンス製)
カラム:RTX−1(長さ30m×内径0.25mm、液相膜厚0.25μm)
温度条件:カラム 50℃(5min hold)→ 5℃/min → 100℃ → 20℃/min →300℃
注入口250℃、検出器250℃(FID)
GC/MS:GCMS−QP2010(島津製作所社製)
カラム:RTX−1(長さ30m×内径0.25mm、液相膜厚0.25μm)
ガスクロマトグラフィー(GC)純度:GC−4000(GLサイエンス製)
カラム:RTX−1(長さ30m×内径0.25mm、液相膜厚0.25μm)
温度条件:カラム 50℃(5min hold)→ 5℃/min → 100℃ → 20℃/min →300℃
注入口250℃、検出器250℃(FID)
(実施例1)1,2,3−トリメチル−7−オキサビシクロヘプタンの製造
(1)Diels-Alder反応
(1)Diels-Alder反応
アセチレンジカルボン酸ジメチル50g(352mmol)、メチルフラン38mlを室温で18時間反応させた後、ビグロー蒸留により精製を行い、化合物2を63.8g(収率81%)得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.79(d, 3H, J=0.35), 3.78(s, 3H), 3.85(s, 3H), 5.60(d, 1H, J=2), 6.98(d, 1H, J=5.20), 7.18(ddd, 1H, J=0.46, 2.01, 5.16)
13C−NMR(CDCl3):δ 15.14, 52.21, 52.26, 83.38, 93.94, 144.62, 146.00, 151.32, 156.55, 162.86, 164.95
GC/MS(m/z);224(M+), 210, 198, 177, 166, 150, 133, 119, 111, 91, 82, 59, 43, 39, 36
1H−NMR(CDCl3):δ 1.79(d, 3H, J=0.35), 3.78(s, 3H), 3.85(s, 3H), 5.60(d, 1H, J=2), 6.98(d, 1H, J=5.20), 7.18(ddd, 1H, J=0.46, 2.01, 5.16)
13C−NMR(CDCl3):δ 15.14, 52.21, 52.26, 83.38, 93.94, 144.62, 146.00, 151.32, 156.55, 162.86, 164.95
GC/MS(m/z);224(M+), 210, 198, 177, 166, 150, 133, 119, 111, 91, 82, 59, 43, 39, 36
(2)水素化
200mlオートクレーブに前記(1)で得られた化合物2 25g(111.5mmol)、酢酸エチル75ml、5%Rh−C 2.5gを入れ40℃、水素圧3MPaで攪拌し、水冷にて30〜40℃を維持しながら9時間反応させた。反応液を室温まで冷却後、溶媒を留去し、目的とする化合物3を25g(98%収率)得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.44(m, 1H), 1.56(s, 3H), 1.84(m, 1H), 2.11(m, 2H), 2.92(dd, 1H, J=2.2, 11.85), 3.34(ddd, 1H, J=1.8, 5.25, 11.86), 3.66(s, 3H), 3.68(s, 3H), 4.63(t, 1H, J=5.3)
13C−NMR(CDCl3):δ 20.78, 27.58, 31.79, 50.16, 51.62, 51.65, 53.33, 78.21, 86.87, 171.15, 171.24
GC/MS(m/z);228(M+), 213, 196, 165, 146, 137, 114, 111, 95, 83, 59, 43, 41, 37
1H−NMR(CDCl3):δ 1.44(m, 1H), 1.56(s, 3H), 1.84(m, 1H), 2.11(m, 2H), 2.92(dd, 1H, J=2.2, 11.85), 3.34(ddd, 1H, J=1.8, 5.25, 11.86), 3.66(s, 3H), 3.68(s, 3H), 4.63(t, 1H, J=5.3)
13C−NMR(CDCl3):δ 20.78, 27.58, 31.79, 50.16, 51.62, 51.65, 53.33, 78.21, 86.87, 171.15, 171.24
GC/MS(m/z);228(M+), 213, 196, 165, 146, 137, 114, 111, 95, 83, 59, 43, 41, 37
(3)エステル還元
200ml4つ口フラスコに水素化アルミニウムリチウム5g、テトラヒドロフラン(THF)100mlを入れ、氷冷下、5℃で攪拌した。そこへ前記(2)で得られた化合物3 10g (43.8mmol)のTHF50ml溶液を、反応液の温度を5〜12℃に維持しながら1時間で滴下した。滴下終了後に室温まで加温し、同温で2.5時間攪拌した。反応液を5℃まで氷冷後、水5mlを加え攪拌後、20%NaOH水溶液5ml、 水15mlを順次加え攪拌した。セライトでろ過後、ろ液から溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)にて精製を行い、目的とする化合物4を5.7g得た(収率76%)。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.33(m, 1H), 1.47(s, 3H), 1.53(m, 2H), 1.69(m, 1H), 2.18(m, 1H), 2.60(m, 1H), 3.19(bs, 1H), 3.23(bs, 1H), 3.63(m, 2H), 3.84(t, 2H, J=11.05), 4.41(t, 1H, J=5.3)
13C−NMR(CDCl3):δ 20.85, 26.44, 30.89, 46.56, 50.56, 60.10, 60.11, 78.19, 85.90
GC/MS(m/z);173(M+H), 154, 141, 123, 95, 83, 67, 43, 41, 36
1H−NMR(CDCl3):δ 1.33(m, 1H), 1.47(s, 3H), 1.53(m, 2H), 1.69(m, 1H), 2.18(m, 1H), 2.60(m, 1H), 3.19(bs, 1H), 3.23(bs, 1H), 3.63(m, 2H), 3.84(t, 2H, J=11.05), 4.41(t, 1H, J=5.3)
13C−NMR(CDCl3):δ 20.85, 26.44, 30.89, 46.56, 50.56, 60.10, 60.11, 78.19, 85.90
GC/MS(m/z);173(M+H), 154, 141, 123, 95, 83, 67, 43, 41, 36
(4)メシル化
100ml4つ口フラスコに前記(3)で得られた化合物42.9g(16.8mmol)、 酢酸エチル29ml、トリエチルアミン5.2mlを入れ5℃で攪拌した。そこへメシルクロライド2.74mlを2時間で滴下し、滴下終了後同温にて3時間攪拌した。反応液に水15mlと酢酸エチル29mlを加え40℃にて攪拌後、分液し、得られた有機層を水15mlで洗浄後、溶媒を留去し、目的とする化合物5を5.6g(定量的収率)得た。
1H−NMR(CDCl3):δ 1.47(m, 1H), 1.52(s, 3H), 1.74(m, 2H), 1.84(m, 1H), 2.34(m, 1H), 2.77(m, 1H), 3.05(s, 3H), 3.06(s, 3H), 4.23(m, 3H), 4.39(dd, 1H, J=7.15, 10.15), 4.53(t, 1H, J=5.15)
13C−NMR(CDCl3):δ 20.90, 25.52, 30.57, 37.40, 37.49, 42.84, 46.40, 66.32, 66.44, 78.03, 86.27
GC/MS(m/z);328(M+), 249, 233, 219, 204, 190, 179, 154, 153, 137, 123, 107, 93, 79, 67, 43, 41, 38
1H−NMR(CDCl3):δ 1.47(m, 1H), 1.52(s, 3H), 1.74(m, 2H), 1.84(m, 1H), 2.34(m, 1H), 2.77(m, 1H), 3.05(s, 3H), 3.06(s, 3H), 4.23(m, 3H), 4.39(dd, 1H, J=7.15, 10.15), 4.53(t, 1H, J=5.15)
13C−NMR(CDCl3):δ 20.90, 25.52, 30.57, 37.40, 37.49, 42.84, 46.40, 66.32, 66.44, 78.03, 86.27
GC/MS(m/z);328(M+), 249, 233, 219, 204, 190, 179, 154, 153, 137, 123, 107, 93, 79, 67, 43, 41, 38
(5)メシルエステル還元反応
200ml4つ口フラスコに水素化アルミニウムリチウム2.3、THF66mlを入れ、還流下で攪拌した。そこへ前記(4)で得られた化合物5 6.6g(20.1mmol)のTHF66ml溶液を1.5時間で滴下した。滴下終了後、同温で4時間攪拌した。反応液を5℃まで冷却後、水3.3mlを加えて攪拌し、20%NaOH水溶液3.3ml、 水9.9mlを順次加えて攪拌した。セライトでろ過後、ろ液から溶媒を常圧下にて留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)にて精製を行い、目的とする化合物を1.6g得た(収率57%)。
1H−NMR(CDCl3):δ 0.82(t, 6H, J=6.2), 1.22(m, 1H), 1.37(s, 3H), 1.60(m, 1H), 1.75(m, 2H), 1.83(m, 1H), 2.29(m, 1H),4.26(t, 1H, J=5.36)
13C−NMR(CDCl3):δ 10.42, 11.01, 20.46, 25.12, 29.42, 37.69, 42.20, 80.93, 87.55
GC/MS(m/z);140(M+), 126, 125, 111, 96, 82, 67, 43, 41, 38
1H−NMR(CDCl3):δ 0.82(t, 6H, J=6.2), 1.22(m, 1H), 1.37(s, 3H), 1.60(m, 1H), 1.75(m, 2H), 1.83(m, 1H), 2.29(m, 1H),4.26(t, 1H, J=5.36)
13C−NMR(CDCl3):δ 10.42, 11.01, 20.46, 25.12, 29.42, 37.69, 42.20, 80.93, 87.55
GC/MS(m/z);140(M+), 126, 125, 111, 96, 82, 67, 43, 41, 38
(実施例2及び試験例1)アップル様フレグランス組成物
実施例1で得られた化合物(以下、本発明化合物1という。)を用いて、下記表1に示すアップル様フレグランス組成物を調製した。また、比較のために本発明化合物1を加えないフレグランス組成物(比較例1)を調製した。尚、表中の処方例における数値は、質量部である(以下同じ)。
実施例1で得られた化合物(以下、本発明化合物1という。)を用いて、下記表1に示すアップル様フレグランス組成物を調製した。また、比較のために本発明化合物1を加えないフレグランス組成物(比較例1)を調製した。尚、表中の処方例における数値は、質量部である(以下同じ)。
表1のアップル様フレグランス組成物について、経験5年以上を有する調香師8名により官能評価を行った。その結果、本発明化合物1を加えたアップル様フレグランス組成物は、フルーティー感がアップ、甘さが増し、香りを円やかになり、ナチュラル感と瑞々しさもアップする香りを有していたと、パネラー全員が回答した。
(実施例3及び比較例2)オスマンタス用フレグランス組成物
本発明化合物1を用いて下記表2に示すオスマンタス様フレグランス組成物を調製した。
本発明化合物1を用いて下記表2に示すオスマンタス様フレグランス組成物を調製した。
表2のオスマンタス様フレグランス組成物について、経験5年以上を有する調香師8名により官能評価を行った。その結果、本発明化合物1を加えたオスマンタス様フレグランス組成物は、フローラルな甘さと瑞々しさ、拡散性のアップした香りを有していたと、パネラー全員が評価した。
本発明により、調合香料原料などとして有用な新規ビシクロ環化合物を高収率で、かつ、製造経済的見地より極めて有利に得ることができることから、本発明は香粧品等の分野での広範囲な利用が期待できる。
Claims (4)
- R1〜R3が炭素数1〜4のアルキル基であり、R4〜R6が水素原子である請求項1に記載のビシクロ化合物。
- 請求項1又は2に記載のビシクロ化合物を含有する香料組成物。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021015135A1 (ja) * | 2019-07-19 | 2021-01-28 | 高砂香料工業株式会社 | 香料組成物 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61106565A (ja) * | 1984-07-13 | 1986-05-24 | ザ、プロクタ−、エンド、ギヤンブル、カンパニ− | 高強度甘味剤を製造するのに有用なオキサ−フエンチヨ−ルおよびオキサ−フエンチルアミン |
JPH01261327A (ja) * | 1988-04-13 | 1989-10-18 | Taiyo Koryo Kk | 香料組成物 |
-
2013
- 2013-01-24 JP JP2013011285A patent/JP2014141436A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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