JP2014141048A - 機能部材一体型繊維強化複合材 - Google Patents

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Abstract

【課題】機能部材一体型繊維強化複合材と他部材との連結を正確かつ容易にする。
【解決手段】織布4a及び織布4bの積層により繊維構造体2が構成される。繊維構造体2には位置決め部10及びフランジ7を有する締結部材3が埋め込まれ、フランジ7には、複数の挿通孔9が形成されている。フランジ7の上部及び下部には、織布4aが積層され、フランジ7の周面には、織布4bが積層されている。織布4aの平面方向に対して垂直な方向に挿通される垂直糸Zは、フランジ7の上部に積層される織布4a、挿通孔9、フランジ7の下部に積層される織布4aの順で挿通される。また、垂直糸Zはフランジ7を繊維構造体2に縫い込むように、複数の挿通孔9に連続して挿通され、締結部材3を繊維構造体2に一体化する。繊維構造体2に樹脂を含浸して固化された機能部材一体型繊維強化複合材1は、位置決め部10により他部材との連結を正確かつ容易に行うことができる。
【選択図】図2

Description

本願発明は、繊維構造体に機能部材を一体に結合した機能部材一体型繊維強化複合材に関する。
例えば、特許文献1には、ねじ穴部の強度を大にして大荷重に対する安全度を高くし、また、ねじ部及び母材のシール性を良好にして高圧容器や低温容器に安定的に適用できる複合材製品の構造が開示されている。
特許文献1の複合材製品は、次のように構成されている。ねじ穴を有する繊維強化プラスチック等の複合材からなる複合材製品において、ねじ穴が形成された金属材料からなるインサート部材は、複合材内に埋め込まれ、炭素繊維等の線材で複合材と縫い合わされている。このため、インサート部材はボルトの荷重により複合材から剥離されるようなことが無く、また、複合材がインサート部材と一体化され、複合材におけるインサート部材周りの強度が大幅に向上する。
特開2003−11233号公報
特許文献1に開示された複合材では、他の部材が複合材に重ねられ、ボルトが他の部材のボルト通し孔を通して複合材のねじ穴に締付けられることにより、複合材が他の部材と連結される。
しかし、特許文献1では、複合材のねじ穴に他の部材のボルト通し孔を正確に合わせる作業が難しい。複合材のねじ穴は精度良く形成されており、他の部材のボルト通し孔との間に僅かなずれが生じていてもボルトの締結作業が困難になる。ボルトを無理に締結すれば、複合材のねじ穴を損傷し、複合材の使用を不能にする恐れがある。
本願発明は、機能部材一体型繊維強化複合材と他部材との連結を正確かつ容易にすることを目的とする。
請求項1は、強化繊維で形成する繊維構造体に機能部材を結合し、前記繊維構造体に樹脂を含浸して固化した機能部材一体型繊維強化複合材において、挿通孔を形成した機能部材の周囲に前記強化繊維を積層して前記繊維構造体を形成し、前記挿通孔に挿通される縫合用の線材により前記機能部材と前記繊維構造体とを一体化し、前記繊維構造体から露出する前記機能部材の露出面に位置決め部を形成したことを特徴とする。
請求項1によれば、機能部材が位置決め部を備えるため、繊維強化複合材を他部材と連結する場合に、繊維強化複合材の位置決めを正確に、かつ容易に行うことができるる。また、縫合用の線材により機能部材が繊維構造体に強固に結合されているため、他部材との連結時に、機能部材に大きな負荷が掛かっても、複合材を構成する樹脂が割れる等の損傷を生じる恐れが無い。
請求項2は、前記位置決め部は、前記繊維構造体の表面から突出した突出部で形成されていることを特徴とする。請求項2によれば、位置決め部を形成するための加工が容易である。
請求項3は、前記位置決め部は、回り止めを備えていることを特徴とする。請求項3によれば、機能部材が位置決め機能とともに回り止め機能を備えるため、繊維強化複合材と他部材との連結を正確に、かつ容易に行うことができる。
請求項4は、前記挿通孔は、前記機能部材に形成したフランジに設けられていることを特徴とする。請求項4によれば、複数の挿通孔を形成したフランジは繊維構造体の内部に埋め込まれ、繊維構造体との接触面積が増加するため、機能部材と繊維構造体とを結合する線材と協働し、機能部材を繊維構造体に強固に結合することができる。
請求項5は、前記機能部材は、螺子孔又は軸孔を有する締結部材であることを特徴とする。請求項5によれば、締結部材が繊維構造体に強固に結合しているため、他部材との連結を安定した状態で維持することができる。
請求項6は、前記機能部材の位置決め部及び螺子孔又は軸孔は、機能部材一体型繊維強化複合材の成型後の加工により形成されることを特徴とする。請求項6によれば、機能部材を一体化した機能部材一体型繊維強化複合材の成型後に機能部材の位置決め部の加工及び螺子孔又は軸穴の加工を行うため、位置決め部及び螺子孔又は軸孔を精度良く形成することができる。
本願発明は、機能部材一体型繊維強化複合材と他部材との連結を正確かつ容易に行うことができる。
第1の実施形態における機能部材一体型繊維強化複合材を示す平面図である。 図1のA−A線断面図である。 繊維構造体を構成する織布を示し、(a)は小径孔を形成した織布の平面図、(b)は大径孔を形成した織布の平面図である。 機能部材としての締結部材の平面図である。 (a)〜(d)は、機能部材一体型繊維強化複合材の成型工程を示す断面図である。 第2の実施形態を示す機能部材一体型繊維強化複合材の平面図である。 第3の実施形態を示し、(a)は機能部材一体型繊維強化複合材の断面図、(b)は使用例を示す概略斜視図である。 第4の実施形態を示し、(a)は機能部材一体型繊維強化複合材の加工前の断面図、(b)は機能部材一体型繊維強化複合材の加工後の断面図である。 第5の実施形態を示す機能部材一体型繊維強化複合材の断面図である。 第6の実施形態を示す機能部材一体型繊維強化複合材の断面図である。
(第1の実施形態)
第1の実施形態における機能部材一体型繊維強化複合材1を図1〜図5に基づいて説明する。図1及び図2において、完成品となる機能部材一体型繊維強化複合材1(以下、単に繊維強化複合材1とする)の構成を説明する。繊維強化複合材1は、繊維構造体2と繊維構造体2の中央に埋め込まれた機能部材としての締結部材3とから構成されている。
繊維構造体2は、織布4a及び織布4bを積層することにより構成されている。織布4a及び織布4bは、強化繊維としてのカーボン繊維を使用した複数の緯糸X及び経糸Yが平面方向で直角に交錯した平織物で形成されている。また、織布4aには、小径孔5a(図3(a)参照)が穿設され、織布4bには、大径孔5b(図3(b)参照)が穿設されている。なお、織布4a及び織布4bは直角に交錯する緯糸X、経糸Yに対して斜め方向に交錯する糸を加えて構成しても構わない。
締結部材3は、金属製の円筒体からなる本体6と、本体6の軸方向の中央部に形成された円形のフランジ7とから構成されている。本体6の中心部には、螺子孔8が形成され、フランジ7には、本体6の軸方向に貫通する複数の挿通孔9が穿設されている。挿通孔9は、フランジ7の円周に均等な間隔で18個配置され、フランジ7の半径方向に均等な間隔で3列配置され、合計54個穿設されている(図4参照)。
織布4aの小径孔5aは本体6の外径と同一径に形成され、織布4bの大径孔5bはフランジ7の外径と同一径に形成されている。織布4aは本体6の周囲において本体6の軸方向に積層され、織布4bはフランジ7の周囲において本体6の軸方向に積層されている。なお、挿通孔9の数は54個に限らず、必要に応じた数に設定すれば良く、また、挿通孔9はランダムに配置されても良い。
締結部材3の繊維構造体2から露出した露出面6aは、繊維構造体2の表面から一定の長さだけ突出された円形の突出部として形成され、位置決め部10を構成している。また、露出面6aには、締結部材3の中心に対して180度位相を変えて、2本のピン11(回り止め)が設けられている。ピン11は、露出面6aに穿設した円形の孔20に圧入等の手段により装着され、回り止め機能を有する。露出面6aと反対側で繊維構造体2から露出した露出面6bは、繊維構造体2と面一に形成されている。
繊維構造体2を構成する織布4a及び織布4bの緯糸X及び経糸Yの平面方向に対して垂直な方向に挿通される1本の垂直糸Zは、緯糸X及び経糸Yと同じカーボン繊維を使用した縫合用の線材である。垂直糸Zは、挿通孔9の位置に配置され、図2に示されるように、フランジ7の上部に積層される織布4a、挿通孔9、フランジ7の下部に積層される織布4aの順で挿通されている。また、図1に示されるように、垂直糸Zは、フランジ7を織布4aに縫い込むように、54個の挿通孔9に連続して挿通され、締結部材3を繊維構造体2に一体化している。なお、垂直糸Zは、図1のように、挿通孔9の1つ毎に織布4aの上側位置と下側位置とに繋がる形態を繰り返す構成であるが、挿通孔9の複数毎に織布4aの上側位置と下側位置とに繋がる形態を繰り返す構成でも構わない。
垂直糸Zを加えた繊維構造体2には、樹脂12が含浸されて固化され、締結部材3とともに繊維強化複合材1が成型される。樹脂は、エポキシ樹脂を使用しているが、その他の熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂を使用することができる。
図2の仮想線で示すように、成型された繊維強化複合材1には、他部材として示した連結部材13をボルト14によって連結することができる。連結部材13には、締結部材3の位置決め部10と嵌合可能な円形の窪み15が形成されている。窪み15の底部には、締結部材3のピン11と嵌合可能な2つの円形の孔16が形成され、また、中心位置にボルト14を貫通するボルト孔17が穿設されている。
繊維強化複合材1に連結部材13を連結する場合は、連結部材13の孔16を締結部材3のピン11の位置に合わせて連結部材13を図2の矢印方向に移動し、窪み15に締結部材3の位置決め部10を嵌合する。位置決め部10と窪み15との嵌合により繊維強化複合材1と連結部材13との位置決めができ、2本のピン11と2つの孔16との嵌合により繊維強化複合材1と連結部材13との回り止めができる。従って、ボルト14を連結部材13のボルト孔17に貫通し、締結部材3の螺子孔8に締付ける作業が正確にかつ容易に行われる。
また、連結部材13を繊維強化複合材1に連結する場合に生じるボルト14による大きな締付け力は、繊維強化複合材1にとって大きな負荷となる。しかし、締結部材3が垂直糸Zにより繊維構造体2に縫い付けられているため、締結部材3に掛かるあらゆる方向の力は垂直糸Zにより受止められ、繊維構造体2に分散されるため、繊維構造体2と締結部材3との間に緩みや割れを生じることが無い。
次に、繊維強化複合材1を成型するための工程を、図5(a)〜図5(d)に基づき説明する。螺子孔8が形成されていない円柱状の本体61と挿通孔9を形成したフランジ7とからなる未加工の締結部材3を準備し、本体61の下部側周囲に織布4aを積層する。本体61の下端側の露出面6bは、積層された織布4aよりも、予め設定された長さLだけ突出している(図5(a)参照)。次に、本体61を嵌合できる内径と長さLの深さを有する円形の凹部18を備えた冶具19を準備する。締結部材3は、本体61の露出面6bを凹部18に嵌合され、織布4aが冶具19の上面と接触するように、冶具19上に載置される。この状態で、締結部材3のフランジ7の周囲に織布4bが積層される(図5(b)参照)。
締結部材3が冶具19に載置された状態で、さらに、本体61の上部側周囲に織布4aが積層される。本体61の上端側の露出面6aは、下端側の露出面6bの突出長さLよりも長い長さL1だけ、本体61の上部側周囲に積層された織布4aよりも突出している(図5(c)参照)。続いて、締結部材3及び積層された織布4a、織布4bを冶具19から取外し、垂直糸Zを織布4a及び挿通孔9に挿通する。垂直糸Zは、54個の全ての挿通孔9に連続して通るように織布4aに挿通され、垂直糸Zを加えた繊維構造体2が形成される(図5(d)参照)。
図5(d)では、締結部材3が垂直糸Zにより繊維構造体2に一体化された状態にある。この繊維構造体2に対し、樹脂12を含浸し、加熱することにより樹脂を固化し、締結部材3を繊維構造体2に強固に結合させた繊維強化複合材1が成型される。繊維強化複合材1の成型後、締結部材3の上端側の露出面6aは、突出した長さL1が残るように上端面のみを加工し、位置決め部10を形成する。また、露出面6aの上端面には、2箇所に円形の孔20が穿設され、各孔20にピン11が圧入により装着され、回り止めが形成される。下端側の露出面6bは、突出した長さLが切削により、繊維強化複合材1の下端面と面一となるように加工される。また、締結部材3の本体61の中心位置には、螺子孔8が形成され、図2に示した加工後の本体6が構成される。
締結部材3の位置決め部10を構成する露出面6a、回り止め機能を有するピン11を装着する孔20、露出面6b及び螺子孔8は、繊維強化複合材1の成型後に加工されるため、繊維強化複合材1において高い精度を確保することができる。なお、締結部材3は、例えば、他部材との連結面とならない露出面6bは、加工しない構成でも良い。この場合、露出面6bは、突出する長さLを無くし、最初から繊維強化複合材1に面一となるように構成しておく。
(第2の実施形態)
図6は第2の実施形態を示すもので、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第2の実施形態では、締結部材21のフランジ22に、挿通孔23がフランジ22の円周方向に均等な間隔で18個配置され、フランジ22の半径方向に均等な間隔で4列配置され、合計72個穿設されている。
垂直糸Z1は、フランジ22に半径方向に配置される4個の挿通孔23に連続して挿通されている。隣接する半径方向に配置された4個の挿通孔23には、別の垂直糸Z2が挿通されている。同様にして、他の半径方向に配置された4個の挿通孔23には、それぞれ別の垂直糸Z3が挿通されている。同様にして、特に符号を付していないが、他の半径方向に位置する4個の挿通孔23にも他の垂直糸が挿通されている。なお、垂直糸Z1、Z2、Z3を挿通する一部の挿通孔23は、放射方向に配置された複数の挿通孔23から選択する構成に限らず、円周方向に配置された複数の挿通孔23から選択する構成としても良い。
第2の実施形態は、全ての挿通孔23(例えば、72個)の内、一部の挿通孔23(例えば、4個)毎に垂直糸Z1又はZ2、Z3等がそれぞれ連続して挿通された構成であるが、第1の実施形態と同様に、繊維構造体2と締結部材21とが強固に結合された繊維強化複合材1を得ることができる。
(第3の実施形態)
図7(a)、図7(b)は、完成品となる繊維強化複合材1の第4の実施形態を示すもので、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。第3の実施形態は、第1及び第2の実施形態に示した締結部材3、21と異なり、機能部材として構成される荷重受部材24を繊維構造体2に結合した構成を有する繊維強化複合材1である。
荷重受部材24は、図7(a)に示すように、円柱状の本体25と複数の挿通孔26を穿設したフランジ27とからなり、本体25の下端部28が半球状に形成されている。フランジ27の上部側に位置する本体25の露出面29は、繊維構造体2の上面より突出して形成されており、位置決め部30を構成する。織布4aは、位置決め部30を除いた本体25の周囲に積層され、フランジ27の周囲には、織布4bが積層され、フランジ27の下部側に位置する本体25の周囲には、半球状の下端部28を除く部分に織布4aが積層されている。垂直糸Zは、フランジ27の上部側の織布4aとフランジ27の挿通孔26とフランジ27の下部側の織布4aとに挿通されるとともに、フランジ27に形成された全ての挿通孔26に連続して挿通されている。
荷重受部材24を垂直糸Zにより繊維構造体2に一体化して成型した繊維強化複合材1は、図7(b)に示すような重量物31の脚部として使用することができる。本実施形態における、荷重受部材24と重量物31の連結構造は、次のように構成されている。図7(a)の仮想線で示すように、荷重受部材24と重量物31との間に緩衝部材32を介在している。緩衝部材32は、荷重受部材24の位置決め部30に密着して嵌合可能な内径を有する筒で構成され、重量物31の底部33には、緩衝部材32に密着して嵌合可能な円形の凹部34が形成されている。
従って、位置決め部30に緩衝部材32を嵌合し、緩衝部材32に重量物31の凹部34を嵌合することにより、繊維強化複合材1を脚部として重量物31の正確な位置に容易に取付けることができる。なお、荷重受部材24の抜け止めのためには、位置決め部30と緩衝部材32との間、及び緩衝部材32と凹部34との間を接着剤等で固定することが好ましい。
第3の実施形態は、荷重受部材24を繊維構造体2に一体化した構成であるが、第1の実施形態と同様に、繊維強化複合材1と重量物31との連結を正確に、かつ容易に行うことができ、また、繊維構造体2と荷重受部材24とが強固に結合された繊維強化複合材1を得ることができる。
(第4の実施形態)
図8(a)、図8(b)は第4の実施形態を示すもので、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図8(a)に示す加工前の繊維強化複合材1では、機能部材としての締結部材35が円柱状に形成され、締結部材35の外周側に複数の挿通孔36が穿設された構成である。挿通孔36は、第1の実施形態と同様に、締結部材35の円周に均等な間隔で18個配置され、締結部材35の半径方向に均等な間隔で3列配置され、合計54個穿設されている。
締結部材35の上面側及び下面側には、孔を有しない織布4cが積層され、締結部材35の周囲には、締結部材35の外径に相当する孔37を形成した織布4dが積層されている。垂直糸Zは、上面側の織布4c、挿通孔36及び下面側の織布4cに挿通されるとともに、締結部材35に形成した全ての挿通孔36に連続して挿通され、締結部材35を繊維構造体2に一体化している。
図8(b)に示されるように、締結部材35を一体化した繊維構造体2に樹脂12が含浸され、固化されることにより繊維強化複合材1が成型される。繊維強化複合材1は、締結部材35の中心位置を覆っている上面側及び下面側の織布4cを切除して座繰り38を形成することにより、締結部材35に繊維構造体2から露出した上面側の露出面35a及び下面側の露出面35bが形成される。露出面35aには、位置決め部としての機能及び回り止めとしての機能を兼用したピン状の位置決め部材39が2箇所に設けられる。また、締結部材35の中心位置に螺子加工により螺子孔40が形成され、完成品となる繊維強化複合材1が形成される。
繊維強化複合材1に連結される連結部材41には、締結部材35の座繰り38に合致するように台形状の突出部42が形成され、突出部42の下面に位置決め部材39と嵌合可能な円形の孔43が2箇所形成される。また、連結部材41の中央部には、ボルト孔62が穿設されている。従って、連結部材41の突出部42を露出面35aに合わせるだけで、位置決め部材39が孔43に嵌合し、繊維強化複合材1と連結部材41との位置決め及び回り止めができる。
第4の実施形態は、露出面35aに形成した位置決め部材39により繊維強化複合材1と連結部材41との間の位置合わせ及び回り止めを行うことができる。また、締結部材35が第1〜第3の実施形態のフランジ7、22及び27を有しない構成であるが、第1の実施形態と同様に、垂直糸Zにより繊維構造体2と締結部材35とが強固に結合された繊維強化複合材1を得ることができる。従って、第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第5の実施形態)
図9は第5の実施形態を示すもので、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。繊維強化複合材1において、繊維構造体2に一体化された円形の機能部材44には、本体63の外周に縫合用の線材が挿通される挿通孔45を備えたフランジ46が設けられるとともに、中心部を貫通する螺子孔47が穿設されている。本体63の上部側の露出面63aは、繊維構造体2の上面から突出して形成され、位置決め部48を構成している。露出面63aには、回り止め用の円形の孔49が2箇所に穿設されている。また、下部側の露出面63bは、繊維構造体2の下面と面一に構成されている。
繊維強化複合材1に連結する連結部材50は、繊維強化複合材1と対向する下面に位置決め部48と嵌合する円形の凹部51を備え、凹部51の底面には、位置決め部48に形成した孔49に嵌合する円柱状のピン52が2箇所に形成されている。なお、凹部51の底面の中央部には、ボルト(図示せず)を通すボルト孔53が形成されている。連結部材50は、凹部51に位置決め部48を嵌合し、ピン52を孔49に嵌合することにより、繊維強化複合材1との間の位置決め及び回り止めがなされる。従って、第5の実施形態は、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第6の実施形態)
図10は第6の実施形態を示すもので、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。繊維強化複合材1の繊維構造体2に一体化された機能部材54は、円柱状部材で構成され、機能部材54の外周には、縫合用の線材が挿通される挿通孔55を備えたフランジ56が設けられている。機能部材54の上部側及び下部側の露出面54a、54bは、繊維構造体2の上面及び下面に面一となるように構成されている。上部側の露出面54aの中央部には、露出面54aから突出した円柱体からなる位置決め部57が形成されている。位置決め部57は、露出面54aに穿設された円形の孔58に円柱体が圧入されることにより構成されている。
繊維強化複合材1に連結する連結部材59には、位置決め部57と嵌合する位置決め孔60が穿設されている。連結部材59は、位置決め孔60を位置決め部57に嵌合した状態で繊維強化複合材1に接合することにより、位置決めを容易に行うことができる。繊維強化複合材1と連結部材59とは、図示しない適宜手段により連結される。従って、第6の実施形態は、位置決めを正確に行うことができるので、繊維強化複合材1と連結部材59との連結時に回り止めを必要としない場合に適している。
本願発明は、前記した各実施形態の構成に限定されるものではなく、本願発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、次のように実施することができる。
(1)第1〜第6の実施形態では、繊維構造体2は平織り等の織布4a、4bの積層により構成しているが、織物に限らず、カーボン繊維を横方向、縦方向あるいは斜め方向に交錯するように配置して、カーボン繊維を積層することにより構成することができる。また、繊維構造体2は三次元織物で構成するか、三次元織物を積層して構成することができる。三次元織物を使用した場合、垂直糸Zの密度が高まり、強度をより高めることができる。
(2)第1〜第6の実施形態において、垂直糸Zは、締結部材3、21、35、荷重受部材24及び機能部材44、54に形成した挿通孔9、23、26、36に対応した位置にのみ配置したが、挿通孔9、23、26、36の周囲あるいは繊維構造体2全体に配置する構成としても良い。この実施形態では、垂直糸Zを繊維構造体2に挿通することにより、繊維構造体2の強度を高めることができるとともに、締結部材3、21、35、荷重受部材24及び機能部材44、54を垂直糸Zにより繊維構造体2に結合する力をより高めることができる。
(3)第1〜第6の実施形態において、締結部材3、21、35、荷重受部材24及び機能部材44、54等の機能部材は円形状に形成したものを示したが、繊維構造体2の形状等に合わせて角形状や他の形状に形成しても良い。また、挿通孔9、23、26、36は丸孔で形成したが、長孔、角孔あるいは他の形状の孔で形成しても良い。
(4)第1〜第6の実施形態に示した機能部材としての締結部材3、21、35、荷重受部材24及び機能部材44、54は、金属製に限らず、樹脂あるいはセラミック等で構成しても良い。
(5)繊維構造体2を構成する緯糸X、経糸Yあるいは垂直糸Zに使用する線材は、カーボン繊維に限らず、アラミド繊維、ガラス繊維あるいはセラミック繊維等を使用することができる。特に、垂直糸Zは繊維構造体2を構成する強化繊維とは異なる線材を使用しても良い。また、垂直糸Zには、針金等の金属線材を使用しても良い。
(6)締結部材3、21、35に形成した螺子孔8、40は、軸孔として構成し、繊維強化複合材1と連結部材13、41とをボルト及びナットで締結するように構成しても良い。
(7)位置決め部10、30、48、57、ピン11、孔49及び螺子孔8、40、47あるいは軸孔は、繊維強化複合材1の成型後に加工するのでなく、締結部材3、21、荷重受部材24及び機能部材44、54に予め加工しておき、この締結部材3、21、荷重受部材24及び機能部材44、54を繊維構造体2に一体化し、繊維強化複合材1を成型するように構成しても良い。
1 機能部材一体型繊維強化複合材
2 繊維構造体
3、21、35、 締結部材(機能部材)
4a、4b 織布
6a、6b、29、35a、35b、44a、44b、54a、54b 露出面
7、22、27、46、56 フランジ
9、23、26、36、45、55 挿通孔
10、30、48、57 位置決め部
11 ピン(回り止め)
12 樹脂
13、41、50、59 連結部材
24 荷重受部材(機能部材)
31 重量物
38 座繰り
39 位置決め部材
44、54 機能部材
49 孔
X 緯糸
Y 経糸
Z、Z1、Z2、Z3 垂直糸(縫合用の線材)

Claims (6)

  1. 強化繊維で形成する繊維構造体に機能部材を結合し、前記繊維構造体に樹脂を含浸して固化した機能部材一体型繊維強化複合材において、
    挿通孔を形成した機能部材の周囲に前記強化繊維を積層して前記繊維構造体を形成し、前記挿通孔に挿通される縫合用の線材により前記機能部材と前記繊維構造体とを一体化し、前記繊維構造体から露出する前記機能部材の露出面に位置決め部を形成したことを特徴とする機能部材一体型繊維強化複合材。
  2. 前記位置決め部は、前記繊維構造体の表面から突出した突出部で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の機能部材一体型繊維強化複合材。
  3. 前記位置決め部は、回り止めを備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の機能部材一体型繊維強化複合材。
  4. 前記挿通孔は、前記機能部材に形成したフランジに設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の機能部材一体型繊維強化複合材。
  5. 前記機能部材は、螺子孔又は軸孔を有する締結部材であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の機能部材一体型繊維強化複合材。
  6. 前記機能部材の位置決め部及び螺子孔又は軸孔は、機能部材一体型繊維強化複合材の成型後の加工により形成されることを特徴とする請求項5に記載の機能部材一体型繊維強化複合材。
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