JP2014140979A - 産業用インクジェット印刷機用塗工紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】水性顔料インクを用いる産業用インクジェット印刷機で優れたインクドット拡散効果を有し、且つインクの裏抜けおよびコックリングの発生を抑制できる産業用インクジェット印刷機用塗工紙を提供する。
【解決手段】原紙の少なくとも片面にインク受容層を1層以上有する産業用インクジェット印刷機用塗工紙において、原紙に最も近いインク受容層と原紙との間にラテックス層を有し、原紙から最も遠いインク受容層がポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物を含有し、原紙から最も遠い位置のインク受容層を厚み方向で上下領域に2等分したとき、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の含有量が、下記関係にあることを特徴とする産業用インクジェット印刷機用塗工紙によって達成される。
上領域(原紙から遠い側)の含有量>下領域(原紙に近い側)の含有量
【選択図】なし
【解決手段】原紙の少なくとも片面にインク受容層を1層以上有する産業用インクジェット印刷機用塗工紙において、原紙に最も近いインク受容層と原紙との間にラテックス層を有し、原紙から最も遠いインク受容層がポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物を含有し、原紙から最も遠い位置のインク受容層を厚み方向で上下領域に2等分したとき、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の含有量が、下記関係にあることを特徴とする産業用インクジェット印刷機用塗工紙によって達成される。
上領域(原紙から遠い側)の含有量>下領域(原紙に近い側)の含有量
【選択図】なし
Description
本発明は、産業用インクジェット印刷機に用いられる産業用インクジェット印刷機用塗工紙に関する。特に、水性顔料インクを用いる産業用インクジェット印刷機に好適な産業用インクジェット印刷機用塗工紙に関する。
インクジェット記録方式の技術が急速に進歩し、多数枚の印刷物を製造するための商業印刷用の印刷機にインクジェット記録方式が採用され、産業用インクジェット印刷機として開示されている(例えば、特許文献1および2、非特許文献1および2参照)。これら産業用インクジェット印刷機は、例えば、大日本スクリーン製造社のTruepressJet、コダック社のProsperおよびVERSAMARK、富士フィルム社のJetPressなど名称で販売されている。
このような産業用インクジェット印刷機(以下、「インクジェット印刷機」と記載)は、印刷諸条件に依存するものの、所謂SOHO向けインクジェットプリンタや大判プロッターに比べてカラー印刷速度が10倍〜数十倍と速く、印刷速度が15m/分以上、より高速では60m/分を超える。
商業印刷に用いられるインクジェット印刷機、特に輪転方式のインクジェット印刷機は、宛名書き印刷・顧客情報印刷・ナンバリング印刷・バーコード印刷などのオンデマンド印刷用途に利用されている。オンデマンド印刷用途においては、固定情報をあらかじめオフセット印刷しておき、可変情報をインクジェット印刷する、という使われ方が多い。
インクジェット印刷機のインクは、水性染料インクと水性顔料インクとが存在する。印刷物の画像保存性の観点から水性顔料インクを用いる機種が増えている。しかしながら、水性顔料インクを使用した場合の問題点として、ドット拡散不良とインクの裏抜けが挙げられる。
ドット拡散不良とは、印刷用塗工紙にインクが衝突・吸収される過程においてインク滴の紙の平面方向への拡がりが不足する現象である。このためにインク滴により形成されるドットの重なり合いが不足し、画像部に本来あるべきインクが存在しないインク抜けが起こり、紙の搬送方向に「白筋」が発生する。白筋が発生すると印刷物の画質の点で印刷品質が低下する。
従って、インクのドットを印刷用塗工紙表面で適度に拡散させることにより、白筋の発生を防ぐことが必要となる。白筋の発生を抑制する方法として、平均粒子径が100nm以下の無機微粒子の顔料としてシリカやアルミナを主体とする塗工液に、動的表面張力で規定された特定の界面活性剤を添加して塗工することでインクのドットを拡散させたインクジェット記録用紙や記録シートが開示されている(例えば、特許文献3および4参照)。しかしながら、このようなインクジェット記録用紙や記録シートは、インクジェット印刷機の水性顔料インクにおいてインク溶媒が原紙まで到達し易く、インクの裏抜けを発生し易い。これら記録用紙や記録シートは、インクジェット印刷機について検討されていない。
インクの裏抜けとは、印刷用塗工紙の片面に印刷した文字や画像が、もう一方の面から透けて見える現象を指す。インクジェット印刷機の水性顔料インクは粒子径が小さく、印刷用塗工紙の原紙まで到達し易く、インクの裏抜けを発生する場合がある。インクの裏抜けが発生すると印刷物の外観や視認の点で印刷品質が低下する。
印刷用塗工紙の原紙に含まれる填料を増加することで原紙の不透明度を向上させ、インクの裏抜けを軽減できる。しかしながら填料を増加すると原紙の強度が低下する。インクの裏抜けを抑制する方法として、原紙に含まれる填料に平均粒子径1.6μm以上のロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを使用する方法が開示されている(例えば、特許文献5参照)。しかしながらこの方法では、ドット拡散不良の発生を十分に抑制することができない。
また、インク溶媒が原紙まで到着すると、繊維の伸縮によって原紙の波打ち(以下、「コックリング」と記載)が発生する場合がある。インク溶媒によって発生するコックリングは、インクジェット印刷機におけるプリントヘッドと紙との接触トラブル、あるいは印刷後加工時の寸法不良トラブルなどを引き起こす場合がある。
コックリングを抑制する方法として、バインダーと顔料を主成分とする溶媒吸収遅延層を設けるインクジェット記録用紙が開示されている(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、この記録用紙は、インクジェット印刷機について検討していなく、ドット拡散不良の発生を十分に抑制することができない。
徳増路子著「B2判印刷本紙対応インクジェット印刷機」(「印刷雑誌」、印刷学会出版部発行、2010年8月号(Vol.93)、21頁〜24頁)
宮城安利著「オフセット品質のインクジェット印刷機」(「印刷雑誌」、印刷学会出版部発行、2010年8月号(Vol.93)、25頁〜29頁)
本発明の課題は、インクジェット印刷機インクのドット拡散不良の発生を抑制しつつ、インクの裏抜け、コックリングの発生を抑制できる、インクジェット印刷機に使用する産業用インクジェット印刷機用塗工紙を提供することである。
本発明者は、上記の課題を鑑み鋭意研究した結果、原紙の少なくとも片面にインク受容層を1層以上有する産業用インクジェット印刷機用塗工紙において、原紙に最も近いインク受容層と原紙との間にラテックス層を有し、原紙から最も遠いインク受容層がポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物を含有し、原紙から最も遠いインク受容層を厚み方向で上下領域に2等分したとき、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の含有量が、下記関係にあることを特徴とする産業用インクジェット印刷機用塗工紙によって、ドット拡散不良を抑制しつつ、インクの裏抜けおよびコックリングの発生を抑制できることを見出した。
上領域(原紙から遠い側)の含有量>下領域(原紙に近い側)の含有量
上領域(原紙から遠い側)の含有量>下領域(原紙に近い側)の含有量
好ましくは、ラテックス層におけるラテックスの塗工量が、片面あたり0.25g/m2以上2.5g/m2以下の範囲である。
また好ましくは、原紙から最も遠いインク受容層におけるポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の含有量が、片面あたり0.001g/m2以上0.1g/m2以下の範囲である。
本発明により、インクジェット印刷機インクのドット拡散不良を抑制しつつ、インクの裏抜けおよびコックリングの発生を抑制できる産業用インクジェット印刷機用塗工紙を提供することができる。
以下、本発明の産業用インクジェット印刷機用塗工紙について詳細に説明する。
(インクジェット印刷機)
インクジェット印刷機には、用紙搬送の違いによって連続紙タイプとカット紙タイプがある。また搭載するインク種には、色材が染料である水性染料インクと色材が顔料である水性顔料インクがある。本発明において、インクジェット印刷機の用紙搬送またはインク種についてはいずれでも構わない。好適には、連続紙タイプであり、水性顔料インクである。
インクジェット印刷機には、用紙搬送の違いによって連続紙タイプとカット紙タイプがある。また搭載するインク種には、色材が染料である水性染料インクと色材が顔料である水性顔料インクがある。本発明において、インクジェット印刷機の用紙搬送またはインク種についてはいずれでも構わない。好適には、連続紙タイプであり、水性顔料インクである。
本発明において、インクジェット印刷機の印刷速度は、60m/分以上である。これ未満の印刷速度であっても産業用インクジェット印刷が可能であるが、本発明の効果が顕著に認められる印刷速度は60m/分以上である。また、産業用という観点から生産性が重視され、生産性として60m/分以上が望まれる。カット紙タイプの場合は、印刷速度は、毎分当たりの印刷される用紙サイズから算出する。
(原紙)
本発明において、原紙は、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどの木材パルプと従来公知の填料を主成分として、バインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、蛍光増白剤、紙力増強剤などの各種添加剤を必要に応じ1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造された原紙、または該原紙に対して、澱粉、ポリビニルアルコールなど表面サイズ剤でサイズプレス処理された上質紙である。
本発明において、原紙は、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどの木材パルプと従来公知の填料を主成分として、バインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、蛍光増白剤、紙力増強剤などの各種添加剤を必要に応じ1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造された原紙、または該原紙に対して、澱粉、ポリビニルアルコールなど表面サイズ剤でサイズプレス処理された上質紙である。
填料は、製紙分野で従来公知の填料であって、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成カオリン、シリカ、酸化チタンなどである。得られる原紙の白色度の点で、炭酸カルシウムが好ましい。
(ラテックス層)
本発明の産業用インクジェット印刷機用塗工紙は、原紙に最も近いインク受容層と原紙との間にラテックス層を有する。本発明において、ラテックス層とは、ラテックスを主成分として含有する塗工層である。主成分とは、ラテックス層全体に対して乾燥固形分として60質量%以上をラテックスが占めることを指す。
本発明の産業用インクジェット印刷機用塗工紙は、原紙に最も近いインク受容層と原紙との間にラテックス層を有する。本発明において、ラテックス層とは、ラテックスを主成分として含有する塗工層である。主成分とは、ラテックス層全体に対して乾燥固形分として60質量%以上をラテックスが占めることを指す。
本発明において、ラテックス層は、ラテックス以外に、サイズ剤、増粘剤、流動性改良剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤等を必要に応じて適宜含有することができる。ラテックス層は、ドット拡散不良およびコックリングの発生を抑制する点で、顔料成分を含有しないことが好ましい。
本発明において、ラテックス層に用いるラテックスは、製紙分野で従来公知のラテックスであって特に限定されない。例えば、スチレン−ブタジエン系共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体、エチレン−アクリル酸系共重合体、アクリル酸エステル系重合体などである。これらのラテックスを単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明の効果の点で、スチレン−ブタジエン系共重合体が好ましい。
本発明において、ラテックス層の塗工量は特に限定されない。ラテックス層におけるラテックスの塗工量は、片面あたり0.25g/m2以上2.5g/m2以下の範囲が好ましい。ラテックスの塗工量を0.25g/m2以上とすることでドット拡散不良を安定的に抑制することができ、2.5g/m2以下とすることで製造時のラテックス層の乾燥不良を抑えることができる。
本発明において、ラテックス層を設ける方法は従来公知の塗工方法であればよく、特に限定されない。塗工方法は、例えば、各種サイズプレス方式、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーターなどである。製造コストの点から、各種サイズプレス方式が好ましい。サイズプレス方式は、2ロールサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーターなどである。
(インク受容層)
本発明において、産業用インクジェット印刷機用塗工紙はインク受容層を1層以上有し、原紙から最も遠いインク受容層がポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物を含有する。インク受容層は、製造コストの点から1層が好ましい。インク受容層が1層の場合は、該1層がポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物を含有し、該1層と原紙との間にラテックス層を有する。
本発明において、産業用インクジェット印刷機用塗工紙はインク受容層を1層以上有し、原紙から最も遠いインク受容層がポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物を含有する。インク受容層は、製造コストの点から1層が好ましい。インク受容層が1層の場合は、該1層がポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物を含有し、該1層と原紙との間にラテックス層を有する。
原紙に最も近いインク受容層および原紙から最も遠いインク受容層は、ドット拡散不良を抑制する点およびインクの裏抜けを抑制する点で、乾燥固形分の塗工量が10g/m2以上20g/m2以下の範囲が好ましい。
原紙に最も近いインク受容層および原紙から最も遠いインク受容層は、インク吸収性およびの塗層強度の点から顔料およびバインダーを主成分として含有することが好ましい。本発明において、顔料とバインダーを主成分とするとは、顔料とバインダーとが占める割合が塗工層の乾燥固形分に対して最も高い状態をいう。
本発明において、インク受容層の顔料は製紙分野で従来公知の顔料であって、例えば、各種カオリン、クレー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、サチンホワイト、リトポン、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、プラスチック顔料などを挙げることができる。インク受容層は、これら顔料を単独または複数を組み合わせて含有することができる。本発明の効果の点で重質炭酸カルシウムが好ましい。
本発明において、インク受容層のバインダーは従来公知のバインダーであって、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等のポリアクリル酸系、ポリ酢酸ビニル系、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル等の各種共重合体ラテックス、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ユリアまたはメラミン等のホルマリン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン、エピクロルヒドリン等の水溶性合成物が挙げられる。さらには、天然植物から精製した澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉、デキストリン、マンナン、キトサン、アラビノガラクタン、グリコーゲン、イヌリン、ペクチン、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の天然多糖類またはそのオリゴマー、さらにはその変性体が挙げられる。また、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、コラーゲン等の天然タンパク質またはその変性体、ポリ乳酸、ペプチド等の合成高分子やオリゴマーを挙げることができる。インク受容層は、これらを単独または組み合わせて含有することができる。またバインダーは、カチオン変性を施すことができる。顔料に対して過剰にバインダーを含有するとインクジェット印刷機の印刷において画像の汚れを発生する場合があるため、塗工層中の総顔料100質量部に対してバインダーは3質量部以上30質量部以下の範囲が好ましく、5質量部以上20質量部以下の範囲がより好ましい。
本発明にかかるインク受容層は、顔料およびバインダーの他に添加剤として、インク定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、印刷適性向上剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤等を適宜含有することができる。
インク受容層を設ける方法は、製紙分野で従来公知の塗工方法であればよく、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、カーテンコーターなどを挙げることができる。
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物)
本発明において、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物は、R−O−(CH2CH2O)nH(Rはアルキル基、nは整数である)の構造を有する界面活性剤の一種である。本発明において、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物は、界面活性能を有するような範囲且つドット拡散不良を抑制する点からその疎水基である上記式中のR(アルキル基)の炭素数が8以上22以下の範囲が好ましい。具体的には、例えば、オクチル基(8)、ラウリル基(12)、ミリスチル基(14)、セチル基(16)、ステアリル基(18)、オレイル基(18)、ベヘニル基(22)などを挙げることができる(括弧内の数値はアルキル基の炭素数である)。また、界面活性能を有するような範囲且つドット拡散不良を抑制する点からポリオキシエチレンアルキルエーテルの親水基であるオキシエチレン基に関する上記式中のn、すなわちエチレンオキサイド基の数が、10以上50以下の範囲が好ましい。
本発明において、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物は、R−O−(CH2CH2O)nH(Rはアルキル基、nは整数である)の構造を有する界面活性剤の一種である。本発明において、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物は、界面活性能を有するような範囲且つドット拡散不良を抑制する点からその疎水基である上記式中のR(アルキル基)の炭素数が8以上22以下の範囲が好ましい。具体的には、例えば、オクチル基(8)、ラウリル基(12)、ミリスチル基(14)、セチル基(16)、ステアリル基(18)、オレイル基(18)、ベヘニル基(22)などを挙げることができる(括弧内の数値はアルキル基の炭素数である)。また、界面活性能を有するような範囲且つドット拡散不良を抑制する点からポリオキシエチレンアルキルエーテルの親水基であるオキシエチレン基に関する上記式中のn、すなわちエチレンオキサイド基の数が、10以上50以下の範囲が好ましい。
本発明において、原紙から最も遠いインク受容層中のポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の含有量は、片面あたり0.001g/m2以上0.1g/m2以下の範囲が好ましい。この範囲とすることによって、ドット拡散不良およびインクの裏抜けの発生を一層両立して抑制することができる。
本発明において、原紙から最も遠いインク受容層中のポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物は、原紙から最も遠いインク受容層を厚み方向で上下領域に2等分したとき、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の各々含有量において、下記の関係、すなわち上領域(原紙から遠い側)の含有量が下領域(原紙に近い側)の含有量よりも多い関係である。インク受容層の上領域にポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物が多く分布することによって、ドット拡散不良とインクの裏抜けの発生を抑制することができる。上領域中のポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物含有量は、原紙から最も遠いインク受容層中のポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物総含有量に対して80質量%以上の範囲が好ましい。
上領域(原紙から遠い側)の含有量>下領域(原紙に近い側)の含有量
上領域(原紙から遠い側)の含有量>下領域(原紙に近い側)の含有量
このような含有量の分布は、原紙から最も遠いインク受容層塗工液を塗工・乾燥後に、原紙から最も遠いインク受容層の外面からポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物を含有する水溶液を塗工、含浸あるいは噴霧など従来公知の方法で付与・浸透させることにより達成できる。
インク受容層のポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の含有量は、原紙から最も遠いインク受容層を厚み方向で上下領域に2等分となるように順次剥離し、各領域を粉砕し所定量の純水に浸し、超音波洗浄機にかけて純水中へ抽出されたポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の量として求めることができる。ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物は液体クロマトグラフィーによって定性・定量分析できる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物を含有する水溶液は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物以外に、増粘剤、流動性改良剤、印刷適性向上剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤等を適宜配合することができる。
本発明の産業用インクジェット印刷機用塗工紙は、原紙とインク受容層との間にラテックス層を有する。ラテックス層によって、製造時では、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物のインク受容層厚み方向への拡散を抑制することができ、印刷時では、インク溶媒の原紙への浸透を抑制且つインクの色材のインク受容層厚み方向への浸透を抑制することによって、コックリング、ドット拡散不良およびインクの裏抜け発生を抑制することができる。インク受容層塗工液に添加しインク受容層中に含有させる方法では、コックリング、ドット拡散不良およびインクの裏抜けの発生を良好に抑制することが困難である。
本発明において、産業用インクジェット印刷機用塗工紙は、本発明にかかるラテックス層およびインク受容層を両面に有することが好ましい。両面に設けることによりインクジェット印刷機で両面に良好に印刷できる。
本発明の産業用インクジェット印刷機用塗工紙は、そのまま使用することもできるが、必要に応じてマシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダー等により表面を平滑化することもできる。但し、平滑化のために過度のカレンダー処理を行うと、インク受容層の空隙を潰すこととなり、結果として、インクジェット印刷でのインク吸収性を悪化させるため、適度のカレンダー処理が好ましい。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す質量部および質量%は、特に明示しない限り乾燥固形分あるいは実質成分の値を示す。
(実施例1)
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として重質炭酸カルシウム16質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.15質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、マシンカレンダー処理をして、坪量82g/m2の原紙を製造した。
濾水度400mlcsfのLBKP100質量部からなるパルプスラリーに、填料として重質炭酸カルシウム16質量部、両性澱粉0.8質量部、硫酸バンド0.8質量部、アルキルケテンダイマー型サイズ剤(サイズパインK903、荒川化学工業社製)0.15質量部を添加して、長網抄紙機で抄造し、マシンカレンダー処理をして、坪量82g/m2の原紙を製造した。
原紙に、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスの6.0質量%水分散液であるラテックス層塗工液をロッドメタリングサイズプレス方式で両面に塗工・乾燥した。ラテックスの塗工量は、片面あたり乾燥固形分で1.5g/m2とした。
上記のラテックス層を有する原紙に、ブレードコーターでインク受容層塗工液を片面あたり乾燥固形分で15g/m2となるよう両面に塗工・乾燥し、塗工紙を得た。インク受容層塗工液は、平均粒子径1.0μmの重質炭酸カルシウム100質量部に対して、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(JSR−2605G、JSR社製)10質量部および燐酸エステル化澱粉(MS#4600、日本食品化工社製)4質量部を水に添加し、十分に攪拌して調製した。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物を含有する水溶液として、ポリオキシエチレン(n=13)セチルエーテルの0.1質量%水溶液を調製した。インク受容層を塗工・乾燥した塗工紙に、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の塗工量が片面あたり0.01g/m2となるようにポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物を含有する水溶液をエアーナイフコーターで両面塗工して乾燥し、実施例1のサンプルを作製した。
(実施例2)
実施例1において、ラテックス層塗工液の濃度を6.0質量%から0.6質量%に変更し、ラテックスの塗工量を片面あたり乾燥固形分で1.5g/m2から0.15g/m2にする以外は実施例1と同様にして、実施例2のサンプルを作製した。
実施例1において、ラテックス層塗工液の濃度を6.0質量%から0.6質量%に変更し、ラテックスの塗工量を片面あたり乾燥固形分で1.5g/m2から0.15g/m2にする以外は実施例1と同様にして、実施例2のサンプルを作製した。
(実施例3)
実施例1において、ラテックス層塗工液の濃度を6.0質量%から1.0質量%に変更し、ラテックスの塗工量を片面あたり乾燥固形分で1.5g/m2から0.25g/m2にする以外は実施例1と同様にして、実施例3のサンプルを作製した。
実施例1において、ラテックス層塗工液の濃度を6.0質量%から1.0質量%に変更し、ラテックスの塗工量を片面あたり乾燥固形分で1.5g/m2から0.25g/m2にする以外は実施例1と同様にして、実施例3のサンプルを作製した。
(実施例4)
実施例1において、ラテックス層塗工液の濃度を6.0質量%から10.0質量%に変更し、ラテックスの塗工量を片面あたり乾燥固形分で1.5g/m2から2.5g/m2にする以外は実施例1と同様にして、実施例4のサンプルを作製した。
実施例1において、ラテックス層塗工液の濃度を6.0質量%から10.0質量%に変更し、ラテックスの塗工量を片面あたり乾燥固形分で1.5g/m2から2.5g/m2にする以外は実施例1と同様にして、実施例4のサンプルを作製した。
(実施例5)
実施例1において、ラテックス層塗工液の濃度を6.0質量%から14.0質量%に変更し、ラテックスの塗工量を片面あたり乾燥固形分で1.5g/m2から3.5g/m2に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例5のサンプルを作製した。
実施例1において、ラテックス層塗工液の濃度を6.0質量%から14.0質量%に変更し、ラテックスの塗工量を片面あたり乾燥固形分で1.5g/m2から3.5g/m2に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例5のサンプルを作製した。
(実施例6)
実施例1において、ポリオキシエチレン(n=13)セチルエーテルの0.1質量%水溶液を0.02質量%水溶液とする以外は実施例1と同様にして、実施例6のサンプルを作製した。
実施例1において、ポリオキシエチレン(n=13)セチルエーテルの0.1質量%水溶液を0.02質量%水溶液とする以外は実施例1と同様にして、実施例6のサンプルを作製した。
(実施例7)
実施例1において、ポリオキシエチレン(n=13)セチルエーテルの0.1質量%水溶液を0.4質量%水溶液とする以外は実施例1と同様にして、実施例7のサンプルを作製した。
実施例1において、ポリオキシエチレン(n=13)セチルエーテルの0.1質量%水溶液を0.4質量%水溶液とする以外は実施例1と同様にして、実施例7のサンプルを作製した。
(実施例8)
実施例1において、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物をポリオキシエチレン(n=10)オクチルエーテルに変更する以外は実施例1と同様にして、実施例8のサンプルを作製した。
実施例1において、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物をポリオキシエチレン(n=10)オクチルエーテルに変更する以外は実施例1と同様にして、実施例8のサンプルを作製した。
(実施例9)
実施例1において、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物をポリオキシエチレン(n=23)ラウリルエーテルに変更する以外は実施例1と同様にして、実施例9のサンプルを作製した。
実施例1において、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物をポリオキシエチレン(n=23)ラウリルエーテルに変更する以外は実施例1と同様にして、実施例9のサンプルを作製した。
(実施例10)
実施例1において、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物をポリオキシエチレン(n=50)オレイルエーテルに変更する以外は実施例1と同様にして、実施例10のサンプルを作製した。
実施例1において、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物をポリオキシエチレン(n=50)オレイルエーテルに変更する以外は実施例1と同様にして、実施例10のサンプルを作製した。
(実施例11)
実施例1において、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物をポリオキシエチレン(n=30)ベヘニルエーテルに変更する以外は実施例1と同様にして、実施例11のサンプルを作製した。
実施例1において、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物をポリオキシエチレン(n=30)ベヘニルエーテルに変更する以外は実施例1と同様にして、実施例11のサンプルを作製した。
(実施例12)
実施例1において、ポリオキシエチレン(n=13)セチルエーテルの0.1質量%水溶液を0.005質量%水溶液とし、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の塗工量が片面あたり0.0005g/m2となるようにする以外は実施例1と同様にして、実施例12のサンプルを作製した。
実施例1において、ポリオキシエチレン(n=13)セチルエーテルの0.1質量%水溶液を0.005質量%水溶液とし、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の塗工量が片面あたり0.0005g/m2となるようにする以外は実施例1と同様にして、実施例12のサンプルを作製した。
(実施例13)
実施例1において、ポリオキシエチレン(n=13)セチルエーテルの0.1質量%水溶液を0.01質量%水溶液とし、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の塗工量が片面あたり0.001g/m2となるようにする以外は実施例1と同様にして、実施例13のサンプルを作製した。
実施例1において、ポリオキシエチレン(n=13)セチルエーテルの0.1質量%水溶液を0.01質量%水溶液とし、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の塗工量が片面あたり0.001g/m2となるようにする以外は実施例1と同様にして、実施例13のサンプルを作製した。
(実施例14)
実施例1において、ポリオキシエチレン(n=13)セチルエーテルの0.1質量%水溶液を1質量%水溶液とし、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の塗工量が片面あたり0.1g/m2となるようにする以外は実施例1と同様にして、実施例14のサンプルを作製した。
実施例1において、ポリオキシエチレン(n=13)セチルエーテルの0.1質量%水溶液を1質量%水溶液とし、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の塗工量が片面あたり0.1g/m2となるようにする以外は実施例1と同様にして、実施例14のサンプルを作製した。
(実施例15)
実施例1において、ポリオキシエチレン(n=13)セチルエーテルの0.1質量%水溶液を2質量%水溶液とし、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の塗工量が片面あたり0.2g/m2となるようにする以外は実施例1と同様にして、実施例15のサンプルを作製した。
実施例1において、ポリオキシエチレン(n=13)セチルエーテルの0.1質量%水溶液を2質量%水溶液とし、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の塗工量が片面あたり0.2g/m2となるようにする以外は実施例1と同様にして、実施例15のサンプルを作製した。
(比較例1)
実施例1において、ラテックス層を設けない以外は実施例1と同様にして、比較例1のサンプルを作製した。
実施例1において、ラテックス層を設けない以外は実施例1と同様にして、比較例1のサンプルを作製した。
(比較例2)
実施例1において、塗工紙にポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物を塗工しない以外は実施例1と同様にして、比較例2のサンプルを作製した。
実施例1において、塗工紙にポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物を塗工しない以外は実施例1と同様にして、比較例2のサンプルを作製した。
(比較例3)
実施例1において、ポリオキシエチレン(n=13)セチルエーテルをポリオキシエチレン(n=5)ラウリルエーテル硫酸エステルに変更する以外は実施例1と同様にして、比較例3のサンプルを作製した。
実施例1において、ポリオキシエチレン(n=13)セチルエーテルをポリオキシエチレン(n=5)ラウリルエーテル硫酸エステルに変更する以外は実施例1と同様にして、比較例3のサンプルを作製した。
(比較例4)
上記原紙に、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスの6.0質量%水分散液であるラテックス層塗工液をロッドメタリングサイズプレス方式で両面に塗工した。ラテックスの塗工量は、片面あたり乾燥固形分で1.5g/m2とした。
上記原紙に、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスの6.0質量%水分散液であるラテックス層塗工液をロッドメタリングサイズプレス方式で両面に塗工した。ラテックスの塗工量は、片面あたり乾燥固形分で1.5g/m2とした。
上記のラテックス層を有する原紙に、ブレードコーターでインク受容層塗工液を片面あたり乾燥固形分で15g/m2となるよう両面に塗工し、比較例4のサンプルを作製した。インク受容層塗工液は、平均粒子径1.0μmの重質炭酸カルシウム100質量部に対して、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(JSR−2605G、JSR社製)10質量部、燐酸エステル化澱粉(MS#4600、日本食品化工社製)4質量部およびポリオキシエチレン(n=13)セチルエーテル0.076質量部を水に添加し、十分に攪拌して調製した。
(ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の上領域含有割合)
各サンプルのインク受容層を厚み方向で上下領域に2等分となるように剥離し、下領域(原紙に近い側)と上領域(原紙から遠い側)とを各々個別に集め、インク受容層を粉砕し純水に浸し、超音波洗浄機に掛けて純水中に抽出する。抽出液に含有するポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物を液体クロマトグラフィーで定量分析し、検量線から含有量を算出する。ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の上領域の含有割合を下記のように区分し、結果を表1に示す。なお、比較例3は、比較例3で使用したポリオキシエチレン(n=5)ラウリルエーテル硫酸エステルの含有割合を示す。
3:上領域に80質量%以上の範囲で含有する。
2:上領域に50質量%超80質量%未満の範囲で含有する。
1:上領域に50質量%以下の範囲で含有する。
各サンプルのインク受容層を厚み方向で上下領域に2等分となるように剥離し、下領域(原紙に近い側)と上領域(原紙から遠い側)とを各々個別に集め、インク受容層を粉砕し純水に浸し、超音波洗浄機に掛けて純水中に抽出する。抽出液に含有するポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物を液体クロマトグラフィーで定量分析し、検量線から含有量を算出する。ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の上領域の含有割合を下記のように区分し、結果を表1に示す。なお、比較例3は、比較例3で使用したポリオキシエチレン(n=5)ラウリルエーテル硫酸エステルの含有割合を示す。
3:上領域に80質量%以上の範囲で含有する。
2:上領域に50質量%超80質量%未満の範囲で含有する。
1:上領域に50質量%以下の範囲で含有する。
<インクジェット印刷機の印刷>
インクジェット印刷機としてコダック社製印刷機Prosper 5000XL Pressを用いて、印刷速度:60m/分、使用インク:水性顔料インク、各印刷速度で15分間、所定の評価画像を印刷する。
インクジェット印刷機としてコダック社製印刷機Prosper 5000XL Pressを用いて、印刷速度:60m/分、使用インク:水性顔料インク、各印刷速度で15分間、所定の評価画像を印刷する。
<ドット拡散不良の抑制性評価>
評価画像として各色ベタ画像を用い、上記のようにインクジェット印刷機で印刷する。画像に現れる白筋の発生状態を下記の3段階で官能評価する。本発明において、2および3の評価であればドット拡散不良の発生が抑制されているとする。
3:白筋が認められず、良好である。
2:白筋が僅かに認識できるが、実用上問題ない。
1:白筋が認識でき、実用上問題となる。
評価画像として各色ベタ画像を用い、上記のようにインクジェット印刷機で印刷する。画像に現れる白筋の発生状態を下記の3段階で官能評価する。本発明において、2および3の評価であればドット拡散不良の発生が抑制されているとする。
3:白筋が認められず、良好である。
2:白筋が僅かに認識できるが、実用上問題ない。
1:白筋が認識でき、実用上問題となる。
<インクの裏抜けの抑制性評価>
評価画像として文字・写真・イラストをレイアウトする画像を用い、インクジェット印刷機で印刷する。反対面からの印刷画像の視認程度を下記の3段階で官能評価する。本発明において、2および3の評価であればインクの裏抜けの発生が抑制されているとする。
3:視認が軽度であり、良好である。
2:幾分視認されるが、実用上問題ない。
1:視認され、実用上問題となる。
評価画像として文字・写真・イラストをレイアウトする画像を用い、インクジェット印刷機で印刷する。反対面からの印刷画像の視認程度を下記の3段階で官能評価する。本発明において、2および3の評価であればインクの裏抜けの発生が抑制されているとする。
3:視認が軽度であり、良好である。
2:幾分視認されるが、実用上問題ない。
1:視認され、実用上問題となる。
<コックリングの抑制性評価>
評価画像として各色ベタ画像を用い、同じ画像を片面に2度インクジェット印刷機で印刷する。サンプルのコックリングの状態を下記の2段階で官能評価する。本発明において、2の評価であればコックリングの発生が抑制されているとする。
2:実用上に問題ない。
1:実用上に問題となる。
評価画像として各色ベタ画像を用い、同じ画像を片面に2度インクジェット印刷機で印刷する。サンプルのコックリングの状態を下記の2段階で官能評価する。本発明において、2の評価であればコックリングの発生が抑制されているとする。
2:実用上に問題ない。
1:実用上に問題となる。
表1より明らかなように、本発明に相当するサンプルである実施例1〜15は、優れたドット拡散不良の発生を抑制しつつ、インクの裏抜けおよびコックリングの発生を抑制することができると分かる。
一方、本発明の条件を満足しないサンプルである比較例1〜4では、このような効果は得られないと分かる。
Claims (3)
- 原紙の少なくとも片面にインク受容層を1層以上有する産業用インクジェット印刷機用塗工紙において、原紙に最も近いインク受容層と原紙との間にラテックス層を有し、原紙から最も遠いインク受容層がポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物を含有し、原紙から最も遠い位置のインク受容層を厚み方向で上下領域に2等分したとき、ポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の含有量が、下記関係にあることを特徴とする産業用インクジェット印刷機用塗工紙。
上領域(原紙から遠い側)の含有量>下領域(原紙に近い側)の含有量 - ラテックス層におけるラテックスの塗工量が、片面あたり0.25g/m2以上2.5g/m2以下の範囲である請求項1に記載の産業用インクジェット印刷機用塗工紙。
- 原紙から最も遠いインク受容層におけるポリオキシエチレンアルキルエーテル化合物の含有量が、片面あたり0.001g/m2以上0.1g/m2以下の範囲である請求項1または2に記載の産業用インクジェット印刷機用塗工紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013009507A JP2014140979A (ja) | 2013-01-22 | 2013-01-22 | 産業用インクジェット印刷機用塗工紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013009507A JP2014140979A (ja) | 2013-01-22 | 2013-01-22 | 産業用インクジェット印刷機用塗工紙 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014140979A true JP2014140979A (ja) | 2014-08-07 |
Family
ID=51422738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013009507A Pending JP2014140979A (ja) | 2013-01-22 | 2013-01-22 | 産業用インクジェット印刷機用塗工紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014140979A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016190446A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | トッパン・フォームズ株式会社 | 圧着シート及び圧着シートの製造方法 |
-
2013
- 2013-01-22 JP JP2013009507A patent/JP2014140979A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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