JP2014140457A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技球の迅速な払出しを可能とする。
【解決手段】主制御基板102からの遊技球の払出しに係る払出制御指令に応じた制御処理を行う払出制御基板45と、払出制御基板45により駆動制御されて遊技球の払出動作を行う賞球払出ユニットと、を備え、賞球払出ユニットは、払出モータ47と、回転体602と、通過センサ603と、を備え、払出制御基板45は、通過センサ603により遊技球が検出された場合には、払出モータ47を通常動作させ、検出されるべき遊技球が所定時間が経過しても検出されない場合には、払出モータ47をリトライ動作させ、通過センサ603を、遊技球の放出方向に対し交差する方向において重なるよう、回転体602に放出方向から接近させて配置した。
【選択図】図12

Description

本発明は、遊技媒体として遊技球を用いるぱちんこ遊技機等の遊技機に関するものである。
一般に、遊技機として、ぱちんこ遊技機やじゃん球遊技機、或いはアレンジボール遊技機等が知られている。そして、この種の遊技機の多くは、遊技盤に区画形成された遊技領域内を遊技球が流下し、遊技領域中の所定の位置に配設された所定の領域を遊技球が通過して入賞が発生すると、賞球払出装置が入賞の種類に応じた数の遊技球を排出して、例えば上皿に払出すようになっている。また、賞球払出装置としては、円周上に複数の凹凸を有するスプロケットをステッピングモータにより回転駆動し、遊技球をスプロケットの凹部(保持部)に取り込みながら順次送り出すタイプのものがある(特許文献1参照)。
また、賞球払出装置には、送り出される遊技球をカウントセンサにより計数して払出賞球数を管理するタイプのものがある。そして、この種の賞球払出装置に対して不正に電波を供給し、カウントセンサを遊技球のカウントがされないように操作して、本来の数よりも多くの賞球を獲得しようとする不正行為(所謂電波ゴト)が行われることがある。このような不正行為に対処するための制御手法として、スプロケットから送り出された遊技球の実物を検出することにより遊技球の排出を確認し、排出された遊技球が確認されればその後の遊技球の払出しを継続するものがある(上述の特許文献1のほか特許文献2参照)。
特開2008−067751号公報 特開平11−221320号公報
ところで、上述のような遊技球の払出しは、種々の環境的要因による影響を受け、これらの環境的要因が遊技球の排出の妨げとなることがある。例えば、遊技機設置島の球案内樋の塵埃が多い場合は、塵埃が、遊技球や各種の球通路に付着し、遊技球が移動する際の抵抗となる。そして、遊技球と球通路やスプロケットとの間の摩擦や、スプロケットと球通路との間での遊技球の挟み込み等により、遊技球の払出しが滞ってしまう。また、環境的要因としては、上述のような遊技球の汚れ以外に、湿気、静電気、或いは異物の混入などがあり、これらの要因を、遊技球の停滞が発生する前に予め排除しておくことは難しい。
また、前述のような電波ゴト対策を施した制御手法は、電波ゴトに対しては有効であるものの、送り出された遊技球の実物を逐一検出して確認するための時間が必要であり、払出し速度が低くなり易い。このため、例えば大当り時などのように多数の賞球を短時間で払出す状況において払出しに要する時間の短縮を図ることが難しい。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、排出された遊技球を確認しつつも迅速な遊技球の排出が可能な遊技機を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、遊技を司る主制御手段(主制御基板など)と、前記主制御手段からの遊技媒体(遊技球など)の払出しに係る払出制御指令(賞球払出コマンドなど)に応じた制御処理を行う払出制御手段(払出制御基板など)と、前記払出制御手段により駆動制御されて遊技媒体の払出動作を行う遊技媒体払出手段(賞球払出装置など)と、を備えた遊技機において、
前記遊技媒体払出手段は、
前記払出制御手段により駆動と停止の制御が行われる動力発生手段(払出モータなど)と、
前記遊技媒体を受入れ、前記動力発生手段が発生させた動力により作動して前記遊技媒体の放出を行うことが可能な遊技媒体送出手段(回転体など)と、
前記遊技媒体送出手段に対向するよう配置され、前記遊技媒体送出手段に受入され前記前記遊技媒体送出手段の作動に伴い前記前記遊技媒体送出手段から放出される前記遊技媒体を検出可能な遊技媒体検出手段(通過センサなど)と、を備え、
前記払出制御手段は、
前記遊技媒体検出手段により前記遊技媒体が検出された場合には、後続の前記遊技媒体の放出のための前記動力発生手段の駆動(通常動作など)を行い、
前記遊技媒体検出手段により検出されるべき前記遊技媒体が所定時間を経過しても検出されない場合には、前記検出されるべき前記遊技媒体の放出を行うための前記動力発生手段の駆動(リトライ動作など)を行い、
前記遊技媒体検出手段を、前記遊技媒体の放出方向に対し交差する方向において重なるよう、前記遊技媒体送出手段に前記放出方向から接近させて配置したことを特徴とする遊技機である。
本発明によれば、排出された遊技球を確認しつつも迅速な遊技球の排出が可能となる。
本発明の第一実施例のぱちんこ遊技機の正面図である。 本発明の第一実施例のぱちんこ遊技機の背面図である。 本発明の第一実施例のぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す説明図である。 本発明の第一実施例のぱちんこ遊技機の主要な基板構成を示す説明図である。 特別図柄等表示装置を示す説明図である。 演出図柄表示装置の表示例を示すもので、(a)は装飾図柄の変動中、(b)は装飾図柄の停止中を示す説明図である。 賞球払出ユニットの内部構造を示す説明図である。 (a)〜(d)は左回転体による球処理態様を示す説明図であり、(e)〜(h)は右回転体による球処理態様を示す説明図である。 4個の遊技球の連続払出処理が行われる場合における各機器の動作態様を示すタイミングチャートである。 環境判断から環境打開動作を実行するまでの機能を概略的に示すフローチャートである。 本発明の第二実施例における主要部をぱちんこ遊技機の背面側から示す説明図である。 本発明の第二実施例における回転体と通過センサとの位置関係をぱちんこ遊技機の正面側から示す説明図である。 本発明の第二実施例における回転体と通過センサとの位置関係を回転体の側の側方から示す説明図である。 (a)〜(d)は回転体による球処理態様を示す説明図である。 回転体と通過センサとの位置関係を斜め下方から示す説明図である。 図12における回転体の回転角度を異ならせて示す説明図である。 3個の遊技球の連続払出処理が行われる場合における各機器の動作態様を示すタイミングチャートである。
<第一実施例>
以下、本発明の第一実施例に係る遊技機であるぱちんこ遊技機について説明する。本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、複数の大入賞口を備える。
<ぱちんこ遊技機の正面構成及びゲーム性の概要>
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技媒体である遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、皿ユニット200に設けられ、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、同じく皿ユニット200に設けられ、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。下球皿16の下方に位置する下部前板18には複数のスピーカ19が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、扉14の陰に隠れた外レールと内レールにより区画された遊技領域52上に、アウト口58、演出図柄表示装置60、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、複数の一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
また、遊技領域52の外における正面から見て左下の部位には、特別図柄等表示装置53が設置されており、この特別図柄等表示装置53には、図5に示すように、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71が設けられている。なお、本実施例においては、第1特別図柄表示装置70及び第2特別図柄表示装置71を総称して特別図柄表示装置と称する場合もある。
図1及び図3に示すように、第1始動入賞口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動入賞口63は、第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動入賞口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成(出力)する。第2始動入賞口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物(図示略)と、普通電動役物を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成(出力)する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物が拡開されると、第2始動入賞口63への入球容易性が高まる。
なお、第2始動入賞口63は第1始動入賞口62の下、すなわち第1始動入賞口62によって遊技球の入球が阻害される位置に設けられる。そのため、普通電動役物が拡開しない間は、第2始動入賞口63への入球は第1始動入賞口62により阻害されることとなり、第2始動入賞口63は入球困難な状態が維持される。したがって、遊技において第2始動入賞口63への入球を狙うためには、普通電動役物を拡開させる必要がある。なお、本実施例では、普通電動役物が拡開された結果、第2始動入賞口63への入球容易性は、第1始動入賞口62への入球容易性よりも高くなっているが、第1遊技と第2遊技の結果得られる利益等に応じて適宜設定すればよく、普通電動役物が拡開していない場合には一切入球しない構造、或いは第1始動入賞口62と同程度の開口巾を有するようにしても良い。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73(図3のブロック図を参照)を各々備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成(出力)する。なお、一般入賞検出装置73は、一般入賞口に対して個々に有しても良いし、複数の一般入賞口72に入球した遊技球を一括して集合、検出しても良く、或いは各一般入賞口の配置位置(上下・左右)や設定される賞球個数(5個賞球と10個賞球)に応じて適宜グループ化して集合させて検出しても良い。
図1に示すように、第1大入賞口91は第1の遊技に対応する大入賞口として設けられ、第2大入賞口92は第2の遊技に対応する大入賞口として設けられる。第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78(図3のブロック図を参照)と、第1大入賞口91を開閉させるための第1の開閉扉(図示略)、及び第1の開閉扉を駆動する大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成(出力)する。
第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための第2の開閉扉、及び第2の開閉扉を駆動する大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成(出力)する。
第1大入賞口91は、第1特別図柄192(図5を参照)が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口91はアウト口58の上方の位置に設けられる。第2大入賞口92は、第2特別図柄193が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第2大入賞口92はアウト口58の右上方の位置に設けられる。
なお、本実施例においては、第1大入賞口91、第2大入賞口92の前方に装飾板91b,92bが各々設けられており、各装飾板には、遊技領域52を装飾するための文字や図形などが描かれている。この装飾板91b,92bには、第1の開閉扉、第2の開閉扉、第1大入賞口91、及び第2大入賞口92を遊技者が視認できるように透明な材質が採用されているが、装飾板91b,92bを不透明としてもよい。また、第1大入賞口91と第2大入賞口92は1の大入賞口(たとえば第1大入賞口91)のみを配置して共通的に利用しても良い。
遊技領域52の略中央に演出図柄表示装置60が設けられ、その左下方に離れて第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71とが互いに左右に隣接する形で設けられている(図5を参照)。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄193は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、例えば右下隅にドットが付加された7セグメントLEDで構成される表示手段であり、第1特別図柄192および第2特別図柄193はそれぞれ「0」〜「9」の10種類の数字と記号αおよび記号βで表される。
なお、記号αと記号βは、7セグメントLEDのセグメント組み合わせで表示できる点灯パターンであって、そのパターン自体が文字等の意味をもつ配置とはなっていないものを示す。ちなみに、図5における第2特別図柄の右側には、特別遊技における単位遊技の回数(所謂ラウンド数)を示すラウンド表示装置(図番省略)が2桁の7セグメントLEDとして設けられており、後述する第1又は第2特別遊技の発生に応じて両特別遊技のラウンド数を共用的に表示するようになっている。
図6(a),(b)に示すように、演出図柄表示装置60の表示領域194には第1特別図柄192や第2特別図柄193に連動する左の装飾図柄190a、中の装飾図柄190b、右の装飾図柄190cの変動が表示される。演出図柄表示装置60は、たとえば液晶ディスプレイである。装飾図柄190a〜190cは、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示または第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出図柄表示装置60は、装飾図柄190a〜190cとして、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。
演出図柄表示装置60は、本実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出図柄表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出図柄表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。また、本実施例では、装飾図柄190a〜190cを、演出図柄表示装置60において、第1特別図柄192と第2特別図柄193とで共通で採用したものを例示しているが、個別に表示したり、装置自体を別個に設けてもよく、本実施例のように共用する場合にはいずれの特別図柄に対応した表示であるかを示す表示を演出図柄表示装置60の隅部に表示しても良い。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69(図3を参照)を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成(出力)する。作動口68への遊技球の通過は第2始動入賞口63の普通電動役物を拡開させるための抽選の契機となる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レールと外レールに案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」、「入球」、「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動入賞口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190a〜190cが変動表示される。遊技球が第2始動入賞口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190a〜190cが変動表示される(図6(a)を参照)。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190a〜190cの変動表示は、表示に先だって決定された変動時間の経過後に停止される(図6(b)を参照)。停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190a〜190cが大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190a〜190cは、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190a〜190cが大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が開始される。
特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放される単位遊技が複数回繰り返される遊技であり、単位遊技が最大回数である15回繰り返される特別遊技と、単位遊技が最少回数である2回だけ繰り返される特別遊技とがある。15回の単位遊技が繰り返される特別遊技(以下、適宜「15R大当り」とも称する)の場合、第1大入賞口91または第2大入賞口92は約30秒間開放されたとき、または9球以上の遊技球が落入したときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技(以下、適宜「2R大当り」とも称する)の場合、第1大入賞口91または第2大入賞口92は約0.2秒間開放されたときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。なお、本実施例では、上記特別遊技の種類(単位遊技の実行回数、開放する大入賞口(特別遊技の全単位遊技に亘り第1大入賞口91・第2大入賞口92のいずれを開放させるか、或いは各単位遊技毎のいずれの大入賞口を開放させるか)、大入賞口の開放パターン等)は停止表示した特別図柄(第1特別図柄192、第2特別図柄193)に紐づいて決定されるように構成されているが、特別遊技の種類を別の抽選により決定しても良い。
停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190a〜190cが所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が実行される。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190a〜190cが小当り態様であった場合もまた小当り遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、第1大入賞口91または第2大入賞口92が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当りと同様の動作態様となる。なお、小当り遊技についても前述した特別遊技のように複数の小当り種類を設け、開放する大入賞口や1単位遊技内の開放回数、開放パターンにバリエーションを持たせても良く、この種類の決定も特別遊技の種類を決定した際の手法と同様、小当りとなった特別図柄に基づき、或いは個別の抽選により行うことができる。また、種類として複数の態様のうち、小当りであることが外観上判別しやすい開放パターン(2R大当りであることが外観上判別しやする開放パターンの特別遊技)を一部に設けて遊技性を広げることもできる。
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、特別遊技の終了後に特定遊技として確率変動遊技(以下、「確変」という)や変動時間短縮遊技(以下、「時短」という)が開始される。確変中は、通常の確率状態より大当りの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。本実施例においては、確変状態は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が大当りとなるまで継続される。15R大当りの場合はその特別遊技の終了後に確変が開始される場合とされない場合があるが、2R大当りの場合はその特別遊技の終了後に必ず確変が開始される。ただし、変形例としては確変を伴わない2R大当りを併設してもよい。時短は、第1特別図柄192と第2特別図柄193の変動表示の合計が所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。時短中は、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動時間が概ね短縮される。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は特別図柄等表示装置53に設けられており、本実施例では二つのランプが交互に点灯と消灯を繰り返す形で普通図柄の変動表示を表現し、どちらのランプが最終的に点灯したまま停止するかによって普通図柄の抽選結果を表す。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物が所定時間拡開する。なお、本実施における「ランプ」の用語はLED等も含む意味を有している。
演出図柄表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出図柄表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。多数の遊技効果ランプ(LED等、図示しない)がセンター飾り64の内部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。また、センター飾り64には、可動演出部材93,94が設けられており、これらが演出用のギミックを構成している。
また、第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20は第1特別図柄表示装置70の上方に設けられ、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21は第2特別図柄表示装置71の上方に設けられ、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22は普通図柄表示装置59の下方に設けられる。
第1特図保留ランプ20および第2特図保留ランプ21は、それぞれ2個のランプからなり、それぞれの点灯個数または点滅個数によって第1の遊技および第2の遊技のそれぞれにおける当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動入賞口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193いずれかの変動中または特別遊技の実行中に第2始動入賞口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。
普図保留ランプ22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。この操作ボタン82は、上球皿15の上部の外壁面に設けられており、上球皿15の左右方向の中央近傍に位置している。
操作ボタン82は、ボタン演出が実行された場合に遊技者によって操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば装飾図柄の変動表示過程で行われるリーチ演出中に、演出図柄表示装置60の表示領域194に操作ボタン82の図柄とともに、「Push」、「連打せよ」等といった文字が表示され、遊技者がこれに従って操作ボタン82を操作すると、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出が挙げられる。
通常時は操作ボタン82の操作が無効となっているが、ボタン演出中は押し操作ボタン82の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。なお、操作ボタン82に振動モータ(図示略)を組み合わせて、操作ボタン82を振動させる振動演出を行うことも可能である。
演出図柄表示装置60の表示領域194の下部には、図6(a),(b)中に示すように、第1の遊技における当否抽選値の保留数を示す第1保留数表示部196と、第2の遊技における当否抽選値の保留数を示す第2保留数表示部197とが表示される。ちなみに、保留表示については第1の遊技、第2の遊技の保留数が増加すると、夫々の遊技者からみて左側(図6でも左側)を基準として順次表示が変化するようになっており、通常遊技時に多く入賞する第1始動入賞口62側(第1の遊技)の保留表示を基準側(左側)に、通常時にほとんど入賞しない第2始動入賞口63側(第2の遊技)の保留表示を右側に表示している。これは通常時の保留状態を遊技者が直感的に把握しやすくなることが期待できるためである。
<ぱちんこ遊技機の背面構成及び電気的構成の概要>
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。図2に示すように前枠12の背面には、遊技球を誘導又は回収するための機構を備えたセット基盤39が取着されており、このセット基盤39の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット48、遊技機枠側の制御を行う払出制御基板45が取り付けられている。また、遊技盤背面には、遊技全体を統括制御する主制御基板102、主制御基板102から受信される情報や独自に入力される情報に基づいて液晶ユニット42(演出図柄表示装置60)等の各種演出装置の動作を制御する演出制御基板104がセット基盤39の開口に対応するような位置に取り付けられている。
セット基盤39には、その上部に賞球を貯留する賞球タンク44、賞球タンク44に貯留された遊技球を整流案内するタンクレール41、タンクレール41と連絡し賞球タンク44内に貯留された球を1球単位で下方に流下排出可能な賞球払出ユニット46、賞球払出ユニット46から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿15又は下球皿16)に案内する賞球排出通路が図2のように遊技盤50の上方から背面視右側部に亘って逆L字状に形成・配置されるとともに、遊技盤50の背面中央に対応する位置に適宜広さの開口部が設けられている。なお、賞球払出ユニット46は、遊技球の排出を行う賞球払出装置43を内蔵したものであるが、その構成や機能については後述する。
電源ユニット48は図2のように遊技機の背面視左下に設けられており、遊技機外部から供給される交流電源を遊技機全体(主制御基板102、演出制御基板104を含む制御装置や液晶ユニット42等の演出装置など)で使用する各種の電圧に変換・生成して供給するものである。電源ユニット48の右側には、電源ユニット48から遊技機各部へ供給する電源を遮断するために傾倒スイッチで構成される電源スイッチ40が遊技球が直撃落下してもオフにならないように下側に傾倒したとき(スイッチの中央より下を押したとき)にオンとなるように設けられている。
払出制御基板45は、図2のように遊技機の背面視右下に設けられており、主に、主制御基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて賞球払出装置43を制御する払出制御機能と、発射ハンドル17の操作量に応じた強度で遊技球を遊技領域に発射するように発射装置を制御する発射制御機能とを備えたものであり、CPU・ROM・RWM(リードライトメモリ、以下略。)を中心に適宜入出力回路等を備えている。
主制御基板102は、図2のように遊技盤50の背面視中央下部に設けられており、主に、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63へ入賞したことに基づく抽選処理等、遊技機の出球に関する処理や、演出制御基板104、払出制御基板45等に対する制御指令、遊技状態情報等を出力する処理など、遊技機全体の中心的な制御機能を備えたものであり、前述の払出制御基板45と同様にCPU・ROM・RWMや適宜入出力回路を備えている。
演出制御基板104は、図2のように遊技盤50の背面視中央上部に、液晶ユニット42と一体的に設けられており、主に、液晶ユニット42(演出図柄表示装置60)における表示内容を制御する機能を備えたものであり、先の主制御基板102、払出制御基板45と同様にCPU・ROM・RWMや適宜入出力回路を備えている。なお、演出制御基板104は画像を制御する機能を有する関係上、演出制御基板用の主CPUに加え、画像用のVDP、VDPを制御する画像制御専用のCPUも搭載している。
そして、これらの主制御基板102、払出制御基板45、および演出制御基板104は、遊技制御装置100を構成する。遊技制御装置100は、図3に示すように、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出図柄表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ19、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御基板102と、図柄の演出等を制御する演出制御基板104とに機能を分担させた形態で構成される。
なお、本実施例においてブロック図中のブロックとして説明されている構成(特に各種の機能的手段や機能的部分)については、CPUやROM、RWMによって実現されている機能に該当するものが含まれている。また、図3においては、払出制御基板45に係る構成の記載を省略しているが、これについては後述する。
<主要な電気的構成の詳細>
次に、前述の各電気的構成(図2,図3参照)のうち主要なものについて説明する。先ず、図4に示すように、ぱちんこ遊技機10には、電源基板251、払出制御基板45、主制御基板102、及び演出制御基板104が備えられている。電源基板251には、上記払出制御基板45等が接続されている。払出制御基板45には、上記主制御基板102、遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)、ハンドル接続基板253、賞球払出装置43、通過センサ66、球有りセンサ77等が接続されており、主制御基板102には、遊技盤接続基板254や、演出インターフェースA基板(図示略)等が接続されている。そして、遊技盤接続基板254には、図柄表示基板256が接続されている。
ここで、電源基板251は、前述の電源ユニット48に備えられている。また、払出制御基板45には、図示を省略するが、エラーの種別の表示などに用いられる状態表示部や、球貸しに係る金銭処理や球貸処理を実行するカードユニットなども接続されている。さらに、遊技球等貸出装置接続端子板は、球貨操作に用いられる球貨操作基板(図示略)等が接続される。ハンドル接続基板253には、発射装置のタッチスイッチ(図示略)や発射停止スイッチ(図示略)等が接続される。また、遊技盤接続基板254には、図柄表示基板256のほか、前述の通過検出装置69、普通電動役物ソレノイド76、第1大入賞口91の入賞検出装置78や大入賞口ソレノイド80、第2大入賞口92の入賞検出装置79や大入賞口ソレノイド81、一般入賞検出装置73,磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。さらに、図柄表示基板256は、前述の特別図柄等表示装置53に備えられているものであり、図柄表示基板256には、第1特別図柄表示装置70や第2特別図柄表示装置71が設けられている。
前述の演出インターフェースA基板は、主制御基板102と他の機器とを中継するものであり、この演出インターフェースA基板には、演出制御基板104や、演出インターフェースB基板(図示略)が接続されている。また、演出制御基板104には、前述の液晶ユニット42が接続されている。
演出インターフェースB基板は、演出インターフェースA基板や演出制御基板104と他の機器とを中継するものであり、この演出インターフェースB基板には、図示を省略するが、プラ枠接続基板、各種の枠電飾基板、各種の枠モータ、センター飾り64の各種電飾基板、可動演出部材93,94の各種の可動体モータ等が接続されている。ここで、枠モータは、遊技機枠に備えられた可動演出部材(図示略)の駆動に用いられるものである。
プラ枠接続基板には、上球皿15や下球皿16に設けられた皿電飾接続基板259、各種スピーカ19に接続される各種スピーカ接続基板のうちの下スピーカ接続基板260が接続されており、皿電飾接続基板259には、演出ボタン基板261が接続されている。演出ボタン基板261は、操作ボタン82が備えられたボタン装置に設けられているもので、操作ボタンが押圧操作されたことを検出するスイッチ(図示略)や、後述する操作ボタン用発光体等を搭載している。
次に、電源基板251や主制御基板102等の構成について説明する。図4に示すように、主制御基板102には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRWM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路(図示略)が内蔵されている。なお、ROM502としては、内蔵されたものと外付けされたものを併用してもよい。
RWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても電源基板251からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。
RWM503は、停電(瞬間的な電圧降下による停電を含む)などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値をバックアップしておき、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップされた情報に基づいてぱちんこ遊技機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RWM503への書き込みは電源断処理によって実行され、RWM503に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の制御開始処理において実行される。なお、CPU501のノンマスカブル割込み(NMIと略す場合もある)端子(図示略)には、停電等の発生による電源遮断時に、電源基板251の停電監視回路部542(後述する)からの電断信号が入力されるように構成されており、その電断信号がCPU501へ入力されると、停電時処理としてのノンマスカブル割込み処理が即座に実行される。
払出制御基板45において、演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRWM513とを備えている。
払出制御基板45のRWM513は、主制御基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても電源基板251からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。
演出制御基板104は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRWM523と、ビデオRWM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン(図示略)とを備えている。入力ポート527の入力側には主制御基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、画像コントローラ526、出力ポート528が接続されている。
演出制御基板104のCPU521は、主制御基板102から送信される図柄表示用のコマンド(指令)に基づいて演出図柄表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRWM524は、演出図柄表示装置60に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRWM524の内容を書き替えることにより、演出図柄表示装置60の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、演出図柄表示装置60に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRWM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRWM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて演出図柄表示装置60に表示させるものである。
電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路部542と、RWMクリアスイッチ544を有するRWMクリアスイッチ回路部543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御基板102や払出制御基板45等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される所定の電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための所定量の電圧を主制御基板102や払出制御基板45等に対して供給する。
停電監視回路部542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御基板102のCPU501のノンマスカブル割込み(NMI)端子(図示略)、及び払出制御基板45のノンマスカブル割込み端子(図示略)へ電断信号を出力するための回路を備えている。停電監視回路部542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定(例えば30ボルト)の電圧を監視し、この電圧が例えば所定電圧未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、電断信号を主制御基板102及び払出制御基板45へ出力する。電断信号の出力によって、主制御基板102及び払出制御基板45は、停電の発生を認識し、ノンマスカブル割込み処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定電圧が所定電圧未満になった後においても、ノンマスカブル割込み処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御基板102及び払出制御基板45は、ノンマスカブル割込み処理を正常に実行し完了することができる。
なお、停電監視回路部542は、電源基板251以外の部位に配置することも可能である。例えば、主制御基板102上に停電監視回路部542を形成して、主制御基板102上において停電監視回路部542からCPU501のノンマスカブル割込み端子(図示略)に電断信号を入力してもよい。また、払出制御基板45への電断信号の入力を省略することも可能である。
RWMクリアスイッチ回路部543は、電源投入時に例えば遊技場店員等によってRWMクリアスイッチ544が押下された場合に、主制御基板102及び払出制御基板45へ、バックアップデータをクリアするためのRWM消去信号を出力する回路を備えている。主制御基板102及び払出制御基板45は、ぱちんこ遊技機10の電源投入時に、RWM消去信号を入力した場合に、それぞれのRWM503,513のデータをクリアする。
<主制御基板と払出制御基板との通信>
次に、払出制御基板45についてより詳細に説明する。払出制御基板45は主制御基板102との間で送受信を行っており、この送受信に使用する信号は、払出制御用入力信号及び払出制御用出力信号の2種類である。払出制御用入力信号の方向は、主制御基板102から払出制御基板45の方向であり、払出制御用入力信号が示す内容は、受け皿満タン状態、賞球払出個数、及び賞球払出し時の連続払出個数を指示するものである。一方、払出制御用出力信号は、払出制御基板45から主制御基板102の方向であり、払出制御用出力信号が示す内容は、受信したコマンドが正常なコマンドであることを伝達する信号、並びに、球経路球切れ、球経路球n、払出モータ異常1、払出モータ異常2、カウントセンサ異常、払出異常、及び払出中であることを伝達する信号である。
また、主制御基板102との信号処理には、主制御基板102のCPU501からのコマンド受信処理、受信コマンドの解析処理、及び主制御基板102のCPU501へのコマンド送信処理がある。このうち主制御基板102のCPU501からのコマンド受信処理においては、CPU501は、払出制御基板45のCPU511に対して、主制御MODEコマンド8ビット、主制御EVENTコマンド8ビットの計16ビットで構成されるコマンドを、払出制御用入力信号として送信する。
払出制御基板45のCPU511は、払出データ受信割込み処理毎にコマンドの読み込みを行い、取得したコマンドをコマンド受信バッファに格納する。また、払出制御割込み処理毎にコマンド受信バッファを検査し、主制御MODEコマンドを受信した場合、コマンド受信バッファの値をMODEコマンドバッファに格納し、EVENTコマンドバッファをクリアする。主制御EVENTコマンドを受信した場合、コマンド受信バッファの値をEVENTコマンドバッファに格納する。ここで、払出データ受信割込み処理及び払出制御割込み処理については後述する。
受信コマンドの解析処理においては、CPU511は、主制御基板102のCPU501から主制御MODEコマンド又は主制御EVENTコマンドを受信したと判断すると、コマンドの解析を行う。コマンドの解析により、受け皿満タン状態、賞球払出個数、及び連続払出個数を設定する。賞球払出個数により賞球払出しが指示された場合、賞球の払出しを開始する。
主制御基板102のCPU501へのコマンド送信処理においては、CPU511は、主制御基板102のCPU501から主制御MODEコマンド又は主制御EVENTコマンドを受信すると、主制御基板102のCPU501へのコマンド送信を行う。主制御MODEコマンドを受信した場合、主制御MODEコマンドに対応した払出制御MODEコマンドを送信し、主制御EVENTコマンドを受信した場合、対応した払出制御MODEコマンドを送信する。
主制御MODEコマンドは、賞球払出個数の指定、及び賞球払出装置43の制御を行う。主制御MODEコマンドの8ビットのうち、ビット番号4は受け皿満タン状態に対応した払出しを行うためのもので、値が0であれば通常の払出しを行い、1であれば受け皿満タンにより払出しを停止する。また、ビット番号3〜0は、賞球払出個数に対応した賞球の払出しを開始するためのものである。例えば、「0000」の値は賞球払出しなし、「0001」は1個の払出し、「0010」は2個の払出し、「0011」は3個の払出し、「0100」は4個の払出し、「1111」は15個の払出しを開始することを示す。
主制御EVENTコマンドは、賞球払出装置43の制御を行う。主制御EVENTコマンドの8ビットのうち、ビット番号3〜0は、賞球払出し時の連続払出個数を設定し、例えば、「0001」の値は連続払出個数を1個単位に設定し、「0010」は2個、「0011」は3個、「0100」は4個の払出し、「1111」は15個の連続払出個数を設定する。
払出制御MODEコマンドは、主制御MODEコマンドに応答するコマンドであり、例えば「80H」、「81H」、「8FH」、「90H」、「91H」、「9FH」の主制御MODEコマンドには、「80H」、「7FH」、「71H」、「70H」、「6FH」、「61H」の払出制御MODEコマンドが対応している。一方、払出制御EVENTコマンドは、賞球払出装置43の状態を主制御基板102のCPU501に知らせるコマンドである。そして、8ビットのうちビット番号2は、賞球払出装置43の払出異常の状態を知らせるもので、値が0であれば払出異常ではなく、1であれば払出異常中であることを示している。また、ビット番号1は、賞球払出装置43の払出状態を知らせるもので、値が0であれば払出中ではなく、1であれば払出中であることを示している。さらに、ビット番号0は、賞球払出装置43のエラーの状態を知らせるもので、値が0であれば、球経路球切れ、球経路球不足、払出モータ異常1、払出モータ異常2、カウントセンサ異常の何れにも該当しないことを示し、1であればこれらの何れかに該当していることを示している。
<賞球の払出に係る構成>
<<賞球払出ユニットの構成>>
続いて、前述の賞球払出ユニット46の構成について説明する。賞球払出ユニット46は、図7に示すように、2列の供給通路61を左右方向(図7中の紙面に垂直な方向。一方のみ図示。)に並んで有している。また、各供給通路61に各々対応してスプロケット状の回転体65が配置されている。この回転体65及び後述する払出モータ47(図4参照)が賞球払出装置43の主要部を構成する。また、賞球払出装置43の下流側には、供給通路61に対応する2列の払出通路83が形成されており、この払出通路83の各列には通過センサ66が各々配置されている。さらに、賞球払出ユニット46は、供給通路61に遊技球23が有ることを検知する球有りセンサ77を有している。
賞球払出ユニット46において左右2条の供給通路61は、賞球タンク44から供給された遊技球23をそれぞれ左右の回転体65に向けて案内するように構成されている。球有りセンサ77としては、左右の供給通路61L,61R内に遊技球23が有ることを各々検知するために、左供給通路61Lに左球有りセンサ77L、右供給通路61Rに右球有りセンサ77Rが各々配置されている。
球有りセンサ77は、回転軸を中心に回転方向に移動する検出片77aと、検出片77aの位置を検出する検出部77bと、を備える。検出片77aは、供給通路61内の遊技球23と干渉するように構成されており、供給通路61内に遊技球23が有ると遊技球23によって押圧される。検出部77bは、遊技球23によって押圧された検出片77aを検出する。球有りセンサ77は、検出信号を払出制御基板45に送信するように構成されており、払出制御基板45は、球有りセンサ77の検出信号に基づいて、後述する払出制御処理を行う。この球有りセンサ77の構成については左右とも略同様である。
なお、本実施例においては、供給通路61、賞球払出装置43、払出通路83、検知手段(66,77)が一体に形成されてユニット化されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらの供給通路61、賞球払出装置43、払出通路83、検知手段(66,77)が別々の部品として構成された上で、又はこれらのうち少なくとも2つの部品が組み合わされた状態で、前枠12に取り付けられ又は前枠12の背面側に取り付けられたセット基盤39に取り付けられる形態とされてもよい。すなわち、賞球払出ユニット46内に、供給通路61、賞球払出装置43、払出通路83、検知手段(66,77)がどのような分割形態、取付形態で含まれるかを問わない。また、通過センサ66は、賞球払出装置43内に含まれるように構成されていてもよいし、賞球払出装置43とは別体として賞球払出ユニット46内(例えば、後述する払出通路83内)に備えられていてもよい。
<<賞球払出装置の構成>>
次に、前述の賞球払出装置43の構成と動作について、図8(a)〜(h)に基づいて説明する。図8(a)〜(d)は、左回転体65L及びその周辺を示しており、図8(e)〜(h)は、右回転体65R及びその周辺を示している。図8(a)に示す状態において、左回転体65Lはその保持部67aが左供給通路61Lに対向するように位置し、左供給通路61Lからの遊技球23を受け入れている。左右の回転体65は、各々左右の供給通路61に対応して配置されており、左供給通路61Lによって案内された遊技球(賞球)23が左回転体65Lによって受け入れられ、右供給通路61Rによって案内された遊技球(賞球)23が右回転体65Rによって受け入れられる。回転体65の構成については左右とも略同様であるが、配置される位相が異なる。すなわち、左回転体65Lと右回転体65Rとは、同軸であるが、その円周方向における配置角度が60°ずれている。
また、図8の(a)〜(d)と(e)〜(h)とは、各々対応する同時刻での左右の回転体の処理態様を示しており、(a)と(e)、(b)と(f)、(c)と(g)、更に(d)と(h)はそれぞれ同じタイミングにおける互いの状態示している。
供給通路61L,61Rを通過した遊技球23は、回転体65L,62Rに案内される。2枚の回転体65L,62Rは、払出モータ47によって回転軸62bを中心に同期して回転される。各回転体65L,62Rには、曲線状に切欠かれた各々3つの保持部67a〜67cが形成されており、120°回転する毎に各供給通路61の遊技球23を保持する。また、2枚の回転体65L,62Rの保持部67は、略60°ずつずれて形成されているため、回転軸62bが60°回転するごとに遊技球23を交互に受け入れる。
回転体65の下流には、賞球払出ユニット46外へ遊技球23を排出するための払出通路83が接続され、流出口83aへと至っている。また、流出口83aの上流側には、遊技球23の通過を検出する2つの通過センサ66L,66Rが各々2つの回転体65L,62Rに対応して配置されている。図8(a)〜(h)に示すように、回転体65L,62Rが正方向(図示するX方向)に回転されることにより、保持部67に保持された遊技球23は流出口83aaに向けて流下する。通過センサ66L,66Rは、流出口83aに向けて通過する遊技球23を各々検知し、賞球払出ユニット46によって払い出す遊技球数をカウントする。
右回転体65R及び左回転体65Lの互いの保持部67の位相のずれにより、図8(a)と同タイミングである図8(e)の状態においては、右回転体65Rの保持部67a〜63cは右供給通路61Rに対向していない。右回転体65Rの保持部67cと保持部67aとの間の突出部が右供給通路61Rに対向するように位置しており、右回転体65Rは遊技球23を受け入れない状態となっている。
保持部67a〜63cは、遊技球23の直径の約半分程度以上の深さで形成されている。したがって、このとき、左回転体65Lの保持部67aに受け入れられた遊技球23は、右回転体65Rの突出部に当接して受け入れられていない状態の遊技球23よりも約半球分(半ピッチ分)程度以上下方に位置することとなる。
続いて、回転体65L,62RがX方向に約60°回転すると、図8(b)及び図8(f)に示す状態となる。図8(b)においては、左回転体65Lの保持部67aに保持された遊技球23が、払出通路83に向けて送出されようとしている。この状態において、左回転体65Lの保持部67aと保持部67bとの間の突出部が左供給通路61Lに対向して、遊技球23の受け入れが不可能な状態となっている。したがって、左供給通路61Lにおいては、保持部67aに受け入れられた遊技球23に続く遊技球23が、約半ピッチ分落下してその突出部に当接している。
ここで、図8(b)と同タイミングである図8(f)に示すように、右回転体65RもX方向に60°回転すると、右供給通路61Rに突出部でなく保持部67aが対向する位置となる。その結果、突出部に当接していた遊技球23が略半ピッチ分落下して保持部67a内へと受け入れられる。
更に回転体65L,62RがX方向に約60°回転すると、図8(c)及び図8(g)に示す状態となる。図8(c)は、左回転体65Lの保持部67aに保持された遊技球23が放出されて流下し、左通過センサ66Lによって検知された状態である。この状態において、左回転体65Lの保持部67bが左供給通路61Lに対向して、次の遊技球23が約半ピッチ分落下して保持部67bに受け入れられている。
図8(c)と同タイミングである図8(g)に示すように、右回転体65RもX方向に60°回転すると、保持部67aに保持された遊技球23が払出通路83に向けて送出されようとしている。この状態において、右回転体65Rの保持部67aと保持部67bとの間の突出部が右供給通路61Rに対向して、遊技球23の受け入れが不可能な状態となっている。したがって、右供給通路61Rにおいては、保持部67aに受け入れられた遊技球23に続く遊技球23が、約半ピッチ分落下してその突出部に当接している。
更に、回転体65L,62RがX方向に約60°回転すると、図8(d)及び図8(h)に示す状態となる。図8(d)においては、左回転体65Lの保持部67bに保持された遊技球23が、払出通路83に向けて送出されようとしている。この状態において、左回転体65Lの保持部67bと保持部67cとの間の突出部が左供給通路61Lに対向して、遊技球23の受け入れが不可能な状態となっている。したがって、左供給通路61Lにおいては、保持部67bに受け入れられた遊技球23に続く遊技球23が、約半ピッチ分落下してその突出部に当接している。
ここで、図8(d)と同タイミングである図8(h)に示すように、右回転体65RもX方向に60°回転すると、右回転体65Rの保持部67aに保持された遊技球23が放出されて流下し、右通過センサ66Rによって検知される。この状態において、右供給通路61Rには突出部でなく保持部67bが対向する位置となる。その結果、突出部に当接していた遊技球23が略半ピッチ分落下して保持部67b内へと受け入れられる。
このように、払出制御基板45からの制御コマンド(駆動信号)に基づいて回転体65がX方向に回転する際には、左回転体65Lと右回転体65Rとが、交互に遊技球23を受け入れては放出する送出動作を繰り返す。払出通路83には、回転体65の1回転で6個の遊技球(賞球)23、すなわち、1/6回転に1個ずつの遊技球(賞球)23が払い出されることとなる。
なお、この回転体65の初期位置(ホームポジション(HP)とも言う。)は、保持部67が供給通路に対向している状態である。例えば、図8(a),(c)に示すように左回転体65Lの保持部67が左供給通路61Lに対向する状態(以下、左側初期位置という。)か、図8(f),(h)に示すように右回転体65Rの保持部67が右供給通路61Rに対向する状態(以下、右側初期位置という。)のいずれかが初期位置となる。回転体65は、賞球払出処理を完了した後、このいずれかの初期位置まで払出モータ47によって回転駆動された後に停止する。このとき、左右いずれの回転体の球受け部が供給通路に対向する状態で停止するかは、払出を行った賞球数によって異なる。初期位置が図8(a),(c)の状態から、奇数個の賞球を払い出した後に停止する初期位置は、図8(f),(h)の状態となる。
払出モータ47のモータ軸(出力軸)は、回転体65と直接連結されており、そのモータ軸には、6つのスリットが形成された円盤部材(不図示)が取り付けられている。6つのスリットは、モータ軸中心から放射方向に6等分位置に形成された切欠き部であって、各々左回転体65Lの3つの保持部67a〜63c及び右回転体65Rの3つの保持部67a〜63cの合計6つの保持部67に対応している。
円盤部材は、払出モータ47の回転及びその位置を検出する投受光式の位置センサ(不図示)のセンサ光を遮光するように配置され、センサ光部分にスリットが位置した場合にだけセンサ光が投光することによって払出モータ47の回転/停止、回転角度位置が検出できるようになっている。すなわち、いずれかの回転体65の保持部67が供給通路61に対向する位置となった場合に位置センサの出力がオンとなり、それ以外の位置となった場合に位置センサの出力がオフとなることによって、回転体65が1周する間における6回の初期位置を検出することができるようになっている。
もちろん、更なる工夫によって、左側初期位置と右側初期位置とを判別することができるようになっていてもよい。例えば、円盤部材上での左側初期位置に対応する3つのスリットの半径方向位置と右側初期位置に対応する3つのスリットの半径方向位置とを異ならせて、各半径方向位置における投光/遮光を検出する位置センサを、センサ光が別々の半径方向位置となるように配置してもよい。また、左側初期位置に対応するスリットのスリット幅と右側初期位置に対応するスリットのスリット幅とを異ならせることによっても、スリットに対応して検出したオン信号が左側初期位置に対応するものなのか右側初期位置に対応するものなのかを判別することができる。
また、円盤部材を別途設けることなく、回転体65自体にスリットを形成して、そのスリットを位置センサによって検出するように構成しても、同様の効果を発揮する。回転体65が初期位置となったときにスリットが位置する位相(角度位置)に位置センサを配置することができれば、位置センサがオン信号(投光)を検知した時点で回転体65が初期位置となる。しかしながら、回転体65が初期位置となったときのスリット角度位置(位相)と位置センサの角度位置(位相)とが異なる場合は、位置センサがオン信号(投光)を検知してから一定ステップ駆動した時点で回転体65が初期位置であると判断する。
<<連続払出処理の一例>
次に、図9に基づき、所定個数(ここでは4個)の遊技球を一回の払出動作で連続して払出す連続払出処理の一例について説明する。図9は、賞球数4個の払出処理を行う場合の各種機器の動作状態を示しており、図9中の(a)は、払出モータ47のオン(回転)、オフ(停止)を示しており、(b)は、払出モータ47の位置センサ出力を示している。また、図9中の(c)は、払出制御基板45側から主制御基板102側へ送出される賞球払出中信号を示し(前述の払出制御EVENTコマンドのビット番号1に対応)、(d)は、第1始動入賞口62の始動入賞検出装置74からのセンサ出力を示し、このセンサ出力は入賞があったときにオンとなる。なお、その他の第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72に遊技球23が入賞した場合も、対応する入賞検出装置75,78,79,73からオン信号が出力される。
なお、図9(c)の賞球払出中信号は、払出制御基板45側から主制御基板102側への信号送信がパラレル形式で行われる場合に払出制御基板45側から送出されるものである。これに対し、払出制御基板45側から主制御基板102側への信号送出がシリアル形式で行われる場合には、賞球払出中信号が継続的に送出されるのでなく、主制御基板102側から払出制御基板45側へ問い合わせ信号が定期的に送出される。そして、払出制御基板45側から問い合わせ信号に応答する形で賞球払出中信号が主制御基板102側へと返送される。
さらに、図9中の(e)は、主制御基板102から払出制御基板45へと送信される賞球払出コマンド(前述の払出制御用入力信号)の送信のタイミングを示している。ここで、図9(e)中の「A」は、遊技球23の入賞を契機として送信される賞球払出コマンドであって、賞球数(ここでは4個)の情報を含んでいる。また、「B」は、賞球払出動作開始のための賞球払出コマンドであって、「B」のコマンドを契機として払出モータ47の駆動が開始される。
また、図9中の(f),(g)は、通過センサ66が球通過を検知した場合の出力信号であって、(f)は左通過センサ66Lの出力信号を示し、(g)は右通過センサ66Rの出力信号を示している。何れの左通過センサ66L、及び右通過センサ66Rにおいても、遊技球23が通過すると、オン信号が出力される。さらに、図9中の(h)は、図示を省略する払出カウンタのカウント値を示している。払出カウンタには、賞球払出開始(すなわち、賞球払出コマンド”A”の送出完了と共に払い出すべき予定払出賞球数(例えば、4個)がセットされる。そして、通過センサ66により遊技球23の通過が検知されるごとに予定払出賞球数が1つずつ減算されるようになっている。
図9中の(d)に示すように、始動入賞検出装置74が遊技球23の入賞を検出すると、(e)に示すように、賞球払出コマンド「A」が主制御基板102より送出される。その賞球払出コマンド「A」の送出を受けて、払出カウンタに予定払出賞球数4個がセットされる。さらに、次に送出される賞球払出コマンド「B」が契機となり、払出モータ47の駆動が開始され、払出動作が開始する。
遊技球が払い出されるごとに、左右の通過センサ66L,66Rが交互に1個ずつの遊技球23の通過を検知し、遊技球23が通過するごとに予定払出賞球数が1個ずつ減算される。この通過検知によって払出処理が正常に行われていることが確認される。払出モータ47の1回の駆動により複数個の遊技球23を連続払出処理することが可能であるが、図9に示す例では1回の連続払出処理により4個の遊技球23が排出される。なお、本実施例のぱちんこ遊技機においては、1回の賞球払出コマンド送出で指定できる最大の払出賞球数は最大15個である。また1回の連続払出動作後は、次回の払出動作開始まで、例えば、少なくとも100msのモータ休止時間が設定される。
なお、賞球払出動作中に主制御基板102が次の入賞を検知した場合には、2回目の始動入賞検出装置74による遊技球23の入賞検知に起因する2回目の賞球払出コマンドの送出が、1回目の賞球払出処理(払出モータ47の回転駆動)が終了するまで繰り延べられる。また、2回目の払出モータ47の回転駆動開始は、1回目の払出モータ47の回転駆動終了から100msの休止時間を経過した以降とされる。
なお、払出制御基板45から主制御基板102への信号送出がパラレル形式の場合には、上記の主制御基板102側からの問い合わせ信号に応答する賞球払出中信号がオフ信号となった場合に、主制御基板102は、4個の賞球払出処理が完了したと認識し、次回の賞球払出コマンドを払出制御基板45に向けて送出する。この、賞球払出処理完了の認識から次回の賞球払出コマンドの送出までの間に、100msの休止時間が設定される。また、払出モータ47の位置センサにより払出モータ47の位置判定を行い、正常に回転しているか否かの検出を行う。
<<払出モータの回転制御>>
払出モータ47としては、パルス駆動されることで1ステップ当りに所定角度回転するステッピングモータが用いられている。払出モータ47は、予定払出賞球数が0になっていない場合に、払出制御部230によって生成される駆動パルスによって段階的に回転制御される。本実施例では、1個の遊技球の払出には24ステップのパルスが用いられている。また、払出モータ47の連続払出処理における回転速度については台形速度制御が行われており、回転開始から段階的に増加して定常状態に達し、所定の時間に亘る定常状態を経て、その後は段階的に減少する。このような回転速度制御は、払出モータ47の脱調を防止するためのものであり、脱調を防止できる範囲で可能な限り短い時間で定常速度(本実施例では1ステップあたり2ms)に到達させることが望ましい。
さらに、図10中に示すように、払出モータ47が回転駆動された後(S1)、通過センサ66の出力と払出モータ47の回転駆動時間はCPU511により監視されており(S2,S3)、所定の監視時間を経過しても払出されるべき遊技球が通過センサ66により検出されない場合は(S2:NO、S3:YES)、払出状況の改善試行動作として、回転体65を回転させて払出モータ47の回転位置を正常な位置に戻す動作である、リトライ動作が実行される(S4)。
このリトライ動作が実行されると予定払出賞球数が確認され(S5)、リトライ動作が実行されても予定払出賞球数の記憶が0にならない場合には(S5:NO)、リトライ動作が追加されて再度実行される。そして、リトライ動作は、予定払出賞球数の記憶が0になるまで、後述するように所定回数の範囲内で繰り返される。
リトライ動作が必要となる原因としては、ぱちんこ遊技機10が設置されている島設備における球汚れ、湿気による水分の付着、或いは静電気の帯電によるノイズの発生などの環境要因に端を発した島環境の悪化が挙げられる。そして、実際には、リトライ動作によって、島環境の悪化に起因して発生した球噛みを改善できることが多い。また、球噛みは払出モータ47の駆動時に比較的多く発生し、更に出願人の実験によれば、30球の払出しにつき1回程度の頻度で球噛みが発生するという結果が得られている。さらに、球噛みは、回転体65の保持部67の奥部で比較的発生し易いという実験結果も得られている。
しかし、リトライ動作を実行することにより、リトライ動作を行わない正常な場合と比べれば、所定数の遊技球23の払出しを終えるまでの賞球動作が遅くなる。また、リトライ動作を行って直ぐに不具合が解消されるとは限らず、リトライ動作を何度も繰り返しても依然として球噛み等の不具合が解消されないような場合には、一層賞球動作が遅くなる。このような払出処理の遅れは、遊技者以外には判りにくく、例えば遊技場店員が遊技者の手を煩わせず、逐一即座に対処することは難しい。
このため本実施例においては、正常な払出動作やリトライ動作時のためのモータ速度の設定に加えて、ぱちんこ遊技機10の環境改善を目的として、遊技球1個分の払出しに関して複数段階(ここでは2段階)の速度設定が行われている。
すなわち、前述のリトライ動作(S4)を実行した回数は、所定期間に亘って計数されて記憶されており、本実施例においては、ぱちんこ遊技機10の電源投入からのリトライ動作の実行回数が判定される(S6)。そして、所定回数のリトライ動作の実行後においては、1個の遊技球の払出しに用いられている24ステップのうち、前半の第1ステップから第12ステップまでは1ステップあたり3msの一定速度が設定され(S7)、第13ステップから第24ステップまでは1ステップあたり2msの一定速度が設定される。さらに、1回あたり4msのモータセンサ(位置センサ)確認時間が1球につき2回設定されており、これと合わせて環境改善のための払出操作には、1球あたり68(=3×12+2×12+4×2)msが設定されている。
そして、記憶されたリトライ動作実行回数が所定回数(ここでは20回)に達すると(S6:YES)、CPU511は、ぱちんこ遊技機10が設置されている環境が遊技球の払出しに適していないと判断し、島環境打開データを設定する。そして、CPU511は、この島環境打開データが設定されている場合には、このような島環境の打開動作のために、払出モータ47の回転速度を、リトライ動作時の1ステップあたり2msから、前述のように1ステップあたり3msに低下させて、払出モータ47の制御を実行する(S7)。さらに、第1ステップ〜第12ステップまで、1ステップあたり3msの定速制御を実行した後、第13ステップ〜第24ステップまでは、1ステップあたり2msの定常速度制御に戻す。これにより、速度制御の前半においては払出モータ47のトルクが高められ、球噛みが解消されて、滞っていた遊技球23の流れが改善される。
<本実施例の作用効果>
このような本実施例のぱちんこ遊技機10によれば、ぱちんこ遊技機10が設置された島設備の環境が判断され、島設備の環境が遊技球の払出しに適していないと判断した場合には、賞球払出装置43の払出モータ47の回転速度を低下させる可変速度制御が実行される。そして、一旦払出速度を低下させることにより回転体65のトルクが十分な程度に確保され、遊技球23の滞りが解消される。したがって、島設備の環境が遊技球の払出しに適していないと判断された場合に当該環境の打開動作が実行される。そして、島環境に適した速度で遊技球の払出しを行うことができ、リトライ動作のみでは遊技球の滞りが解消されない場合においても、遊技球の払出しを実行することが可能となる。また、リトライ動作を過度に繰り返して払出動作が遅くなったり、異常報知が行われて払出しが不能となったりすることを未然に防止でき、これらのことによって、賞球動作をスムーズに行えるようになる。
入賞に即応したスムーズな賞球動作は、遊技者の、ぱちんこ遊技機10に対する嗜好を左右する一つの要因となり得るものであり、賞球動作をスムーズに行うことは、遊技者の好感を維持するのに有効である。さらに、大当りが発生した場合などのように賞球動作が繰り返される場合に、過大な時間に亘って賞球払出動作を途切れさせることなくスムーズに行うことは、短時間で多くの賞球を獲得できたという遊技者の所謂出球感を損ねずに満足させることにも繋がる。したがって、本実施例のように、正常時に比べて島環境が良くないと判断した場合に払出モータ47の可変速度制御を行うことは、遊技者のぱちんこ遊技機10に対する満足度を高めることに有効である。
また、払出モータ47の回転速度を低下させる環境打開動作に対し、リトライ動作を繰り返して環境を判断する動作は、環境判断動作となるものであり、本実施例のぱちんこ遊技機は、環境判断動作を経た上で島環境の打開を図ろうとするものである。
<本実施例の各変形例>
以上、本発明の実施形態を実施例に基づき説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。
例えば、本実施例においては、1個の遊技球23の払出しに要するステップ数(ここでは24ステップ)を前半と後半で2分割し、第1ステップ〜第12ステップまでを低速制御を行う期間としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば第12ステップ未満、或いは第13ステップ以上の所定ステップまでを、低速制御を行う期間としてもよい。低速制御の期間を短く設定することにより遊技球の払出しを高速に行うことができ、低速制御の期間を長く設定することにより高トルクの期間を長く確保することができる。
また、上述の実施例においては、ステップ数が所定値(ここでは第12ステップ)に達した後に、1ステップあたり2msの定常速度に戻しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、低速回転への変更後に、リトライ動作を全く行わない、或いはリトライ動作を連続して行っていないといった正常な払出動作が所定回数(例えば50回)連続した場合に、定常速度への切換えを行うようにしてもよい。このような制御態様は、CPU511が、速度制御を元に戻すタイミングを検査し判定するものである。
また、環境判断の基準としては、リトライ動作の回数のみでなく、リトライ動作の時間を採用することも可能である。この場合、リトライ動作が実行されている実行時間を、タイマを用いて監視し、当該実行時間が所定値に達した場合に、周辺環境が遊技球の払出しに適していないと判断することも可能である。また、払出速度を一旦低下させた後には、ぱちんこ遊技機10の電源がオフされるまで、低下後の回転速度を維持させることも可能である。そして、払出速度の変更は、前述のような2段階に限らず、3段階以上の多段階で行うことも可能である。
さらに、前述のように払出速度の切換えを払出制御基板45のCPU511が自動的に実行するものに限らず、本発明においては、払出速度の切換えを遊技店員等の手動操作により行うことも可能である。この場合、手動操作が可能な払出速度変更スイッチを、例えばぱちんこ遊技機10の背面側の所定位置に設け、遊技場店員等がこの払出速度変更スイッチを操作することにより払出速度を低下させる構成を採用できる。そして、CPU511により周辺環境が払出しに適していないと判断されると、例えば遊技効果ランプ90の一部を利用し、当該遊技効果ランプ90を所定のパターンで点灯或いは点滅させることにより、遊技場店員等にその旨が報知される。この後、報知を確認した遊技場店員等が手動操作により、例えばディップスイッチ等からなる払出速度変更スイッチを操作することにより、払出速度が低速に切換えられ、払出制御基板45のCPU511は、以降は遊技球の払出しを定速で実行する。
なお、この場合も、払出すべき数の遊技球の払出しが完了した後には、遊技場店員が払出速度変更スイッチを操作して払出速度を元の定常値に戻すことが可能である。払出すべき数の遊技球の払出しが完了したことの報知としては、例えば先の遊技効果ランプの駆動態様を元に戻すことや、特別遊技に係る演出の終了を利用することなどが可能である。さらに、周辺環境が払出しに適していないと判断された場合にのみ払出速度変更スイッチの操作を有効にする機能をCPU511にもたせることも可能である。
また、これに限らず、払出すべき数の遊技球の払出しが完了した後も低速駆動を所定期間(例えば数分〜数時間)、或いはぱちんこ遊技機10の電源オフまで、継続することも可能である。
さらに、周辺環境が払出に適していないと判断された場合に、自動的に、或いは遊技場店員等の手動操作により、連続払出処理における連続払出個数を少なくなるように切換えて、払出速度を遅くすることも可能である。このような構成とすることにより、島設備から賞球タンク44、タンクレール41、供給通路61を経て賞球払出装置43に至る遊技球の供給経路において、遊技球23が互いに過大な間隙を空けることなく近接或いは接触しながら構成する列(以下では「遊技球列」と称する)が分断することを可及的に防止できる。
つまり、遊技球23の払出しが円滑に行われている場合であっても、島設備から賞球払出装置43に至る経路の何れかで、遊技球23の汚れ等を原因として遊技球23の移動速度が低下すると、その上流の遊技球列と下流の遊技球列との間で連続性が分断され、遊技球列に過大(例えば遊技球1個以上など)な間隙が生じることがある。その後、上流側の遊技球列は徐々に賞球払出装置43に向かって移動したとしても、賞球払出装置43に達するまでに間隙が解消されなければ、回転体65の空回りが生じ、賞球払出の連続性が絶たれてしまうことになる。
しかし、島環境に応じて連続払出個数を少なくすることにより、上述の過大な間隙が生じ難くなり、遊技球23の払い出しを途切れずに行うことが可能となり、払出しが遅い、或いはスムーズでない、といった消極的な印象を遊技者に与えてしまうことを防止できる。したがって、このような対策は、島環境の悪化を防ぐ保全策となる。そして、この環境保全動作を、前述のような環境打開動作と併用した場合には、島環境の悪化を未然に防いだり、或いは一旦打開された島環境を再び損ねてしまうのを防止したりすることが可能となる。
なお、遊技場店員等が手動操作により連続払出個数を変更する場合は、前述のモータ速度を手動で切換える実施態様と同様に、遊技店員等に対する報知を行うことが可能である。すなわち、CPU511により周辺環境が払出しに適していないと判断されると、例えば遊技効果ランプ90の一部を利用して、遊技場店員にその旨を報知する。そして、当該報知を確認した遊技場店員等は、例えばディップスイッチ等からなる連続払出個数変更スイッチを操作することにより、2段階、或いは3段階以上の多段階で、連続払出個数を変更することが可能である。
また、上述の実施例及び変形例においては、払出制御基板45のCPU511が環境の判断を行うこととしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば主制御基板102のCPU501において環境の判断を行い、払出制御基板45に判断結果に基づくコマンドを送信するようにしてもよい。特に、連続払出個数を変化させる場合は、主制御基板102において環境の判断を行い、主制御基板102から払出制御基板45への連続払出個数のコマンドを利用して、連続払出個数を変化させることが可能である。
<第二実施例>
次に、本発明の第二実施例を図11〜図17に基づいて説明する。なお、第一実施例と同様の部分については同一符号を付し、その図示や説明は適宜省略する。
<<主要部の構造>>
図11は、第二実施例のぱちんこ遊技機10における賞球払出ユニット内の要部を抽出して示しており、図中の符号601は払出モータを示している。さらに、符号602は遊技球を順次送り出すための回転体を示しており、符号603は、回転体から放出された遊技球を検出するための通過センサを示している。また、符号604は、払出モータ601の回転力を回転体602に伝達するための動力伝達部を示しており、図中の符号605は、回転体602の回転位置を検出する位置センサを示している。
なお、図11においては、賞球払出ユニットを構成する他の構造体や、遊技球の各種通路などの図示が省略されている。また、回転体602は、第一実施例と同様に、ぱちんこ遊技機10の前後方向(ぱちんこ遊技機10の左側或いは右側から見た場合の左右方向)に2条分設置されているが、ここでは奥側(第一実施例の左(L)側に対応)に位置する一方の回転体について説明し、他方の回転体については図示や説明を適宜省略する。
図11中に示す各構成のうち、払出モータ601は、モータ本体606の出力軸607に出力ギヤ608を装着したものであり、賞球払出ユニット内に、出力軸607がぱちんこ遊技機10の背面側に向くよう設置されている。払出モータ601のモータ本体606として、前述の第一実施例における払出モータ601と同様にステッピングモータが用いられている。さらに、出力ギヤ608は、出力軸607の先端部に固定されており、払出モータ601の回転駆動に伴って、図中に矢印Pで示すように、ぱちんこ遊技機10の背面側から見て時計回りに回転するようになっている。
前述の動力伝達部604は、払出モータ601の出力ギヤ608よりも大径な第1伝達ギヤ611及び第2伝達ギヤ612を有しており、賞球払出ユニット内において、払出モータ601の下方に配置されている。第1伝達ギヤ611は、賞球払出ユニットに回動自在に装着されており、第1伝達ギヤ611の回転軸611aは、払出モータ601の出力軸607に対して、図11中に示すように、背面側から見て左側に所定量偏倚している。そして、第1伝達ギヤ611は、払出モータ601の出力ギヤ608に斜め下方から噛合っており、払出モータ601の回転駆動に伴い、回転軸611aを中心として、図中に矢印Qで示すように背面側から見て反時計回りに回転する。
第2伝達ギヤ612は、第1伝達ギヤ611と同様に、賞球払出ユニットに回動自在に装着されており、第2伝達ギヤ612の回転軸612aは、第1伝達ギヤ611の回転軸611aに対して、図11中に示すように、背面側から見て右に所定量偏倚している。そして、第2伝達ギヤ612は、第1伝達ギヤ611に斜め下方から噛合っており、払出モータ601の回転駆動に伴い、回転軸612aを中心として、図中に矢印Rで示すように背面側から見て時計回りに回転する。
回転体602は、図11〜図15に示すように、外径の異なる複数の円板を同軸的に連ねた形状に成形されており、本体部616、遮光部617、ギヤ部618、及びスプロケット部619等を備えている。これらのうち本体部616は真円状に成形されており、本体部616の一方の板面側にスプロケット部619を備えている。また、本体部616の他方の板面側には遮光部617が形成されており、遮光部617の、本体部616とは逆側の板面に、ギヤ部618が突設されている。
さらに、回転体602は、ぱちんこ遊技機10の背面側にギヤ部618を向け、前面側にスプロケット部619を向けた状態で、賞球払出ユニットに、回転軸620を中心として回動自在に装着されている。また、回転体602の回転軸620は、第2伝達ギヤ612の回転軸612aに対して、図11中に示すように、ぱちんこ遊技機10の背面側から見て左に所定量偏倚している。そして、回転体602は、ギヤ部618を第2伝達ギヤ612に斜め下方から噛合わせており、第2伝達ギヤ612の回転に伴い、図中に矢印Sで示すように背面側から見て反時計回りに回転する。
図12〜図14に示すように、スプロケット部619は、軸方向にほぼ一定の厚みを有する風車型に成形されており、外周部には120度ピッチで配置された3つの保持部621を有している。これらの保持部621は、規格化された所定の直径(約11mm)の遊技球を受け入れて保持できるよう設定された曲率及び深さを有する凹陥形状に成形されており、回転軸620を中心として放射状に位置している。また、保持部621の深さは、本実施例では遊技球の直径の1/3程度に設定されている。さらに、スプロケット部619においては、各保持部621に連続して、先端寄りの部位に凸形状の放出部622が形成されている。そして、放出部622の先端部の位置は、本体部616の外周面とほぼ一致する部位に到達しており、スプロケット部619は、本体部616よりも外側に突出することなく、本体部616の投影面内に収まっている。
また、図12中に示すように、スプロケット部619の中央部は、回転軸620が挿入されるボス部623となっており、ボス部623の内周面と、各保持部621の底面との最短距離D1は、約1mmに設定されている。
遮光部617は、円板部624と、円板部624の外周部に放射状に設けられた3つの遮光片625とを有している。円板部624の外径は、本体部616の外径よりも大とされており、円板部624は本体部616よりも、全周に亘り数mm(ここでは約1mm)程度外側に張り出している。各遮光片625は、円板部624の外周に沿って120度ピッチで配置されるとともに、円板部624から所定量(ここでは約5mm程度)放射状に張出している。そして、各遮光片625の幅(周方向の寸法)は、円板部624の外周において概ね60度分の面積を占めるよう設定されている。なお、本実施例では、遮光片625の配置はスプロケット部619の配置に関係付けられており、各遮光片625は、保持部621とほぼ同じ位相で配設されている。
回転体602が回転軸620の軸心C(図13参照)周りに回転すると、羽根状の遮光部617が周方向に変位する。そして、遮光部617の通過経路に挟むように前述の位置センサ605(図11参照。一方のみ図示)が配置されており、この位置センサ605によって、遮光部617の遮光片625が位置センサ605の前を通過したことが検出される。位置センサ605は、レーザ等の検出光を出力する発光素子(図示略)と、この発光素子から出力された検出光を検出する受光素子(図示略)とを有する光学式センサを備えており、発光素子及び受光素子を遮光片625の通過経路を挟んで対向させている。そして、回転体602の回転に伴い、被検出物である遮光片625が、発光素子から受光素子へ出射された検出光を遮ると、位置センサ605は検出光の変化を捉えて、出力信号を変化させる。
前述の通過センサ603は、光学式センサを内蔵し、2つの突出した脚部626を一体に備え、各脚部626の間にスリット627(図13参照)を有する門型形状(コ字形状)のものである。すなわち、通過センサ603は、レーザ等の検出光を出力する発光素子(図示略)と、この発光素子から出力された検出光を検出する受光素子(図示略)とを有する光学式センサを備えており、2つの突出した脚部626の一方に発光素子を内蔵するとともに他方に受光素子を内蔵している。そして、通過センサ603は、スリット627を挟んで発光素子と受光素子とを対向させ、発光素子から出射された検出光を受光素子に入射させる。さらに、被検出物(ここでは遊技球)がスリット627内に進入し、検出光が遮られて受光素子で検出光が検出されなくなった場合に、通過センサ603は、この検出光の変化を捉えて、出力信号を変化させる。
ここで、図12中に符号628で示すのは、発光素子から出射される検出光を受光素子に向けて透過させる出射用窓部である。なお、図示を省略するが、他方の脚部626には、出射用窓部628に対向するように入射用窓部が設けられており、出射用窓部628から導出された検出光がこの入射用窓部に入射して受光素子に達するようになっている。
なお、通過センサ603の光学式センサとしては、上述のような遮光型のもののほか、検出光を被検出物で反射させて反射光を検出する反射型のものを採用することが可能である。さらに、通過センサ603としては、光学式のもののほか、電磁誘導式のものや機械式のものなどを採用することも可能である。
また、通過センサ603は、回転体602の近傍に配置されており、図11中に示すように、ぱちんこ遊技機10の背面側から見て、回転体602の左上方に位置している。さらに、通過センサ603の向きは、2つの突出した脚部626が回転体602の回転軸620とほぼ平行な線上に並ぶように設定されている。また、通過センサ603の位置は、図13中に示すように、スリット627が、回転体602のスプロケット部619に偏心した状態で対向し、一方の脚部626のみが回転体602に重なって隠れるよう設定されている。なお、図13中に符号629は、賞球払出ユニットの構造体の一部であり、回転体602の本体部616が回動自在に嵌め込まれる真円形状の開口部が形成された壁部を示している。
前述のように、通過センサ603は、回転体602に接近して配置されており、両者の距離D2(図12参照)は、回転体602の回転中心を基準として約12mmに設定されている。すなわち、通過センサ603は、回転体602の遠心方向に位置するよう賞球払出ユニットに固定されており、スプロケット部619が形成されている側から回転体602及び通過センサ603を見た場合(図12参照)に、通過センサ603が、回転体602の一部(ここでは遮光部617の遮光片625や円板部624)に重なるよう、回転体602に接近して設けられている。また、遊技球23が回転体602から放出される方向を基準にすれば、通過センサ603は、遊技球23がスプロケット部619の保持部621から、回転体602の遠心力や遊技球23の自重により放出部622を乗越えて放出される方向に対して、脚部623の延出方向が、所定の角度をもって交差するよう配置されている。
さらに、回転体602と通過センサ603との間の距離D2は、図12中に示すように、回転体602の軸心C(回転中心)と、通過センサ603の出射用窓部628の中央部を通過する線(仮想線)Eとの直線距離として定められている。ここで、回転体602の回転軸心Cは、回転体602が賞球払出ユニットに対して、回転動作が可能なようにある程度の公差をもって装着されることや、回転体602等の重さが作用することなどから、常に一定の位置にあるとは限らない。しかし、どのような状況であっても、そのときの回転体602の軸心Cの位置を用いて距離D2を規定することができる。また、出射用窓部628の中央部を通過する上記仮想線Eは、脚部626の延出方向と同方向に延びる線である。
さらに、通過センサ603において、上記距離D2を規定する部位は、通過センサ603の例えば検出方式の違いに基づく構造の相違によって異なるが、被検出物の検出に最も、又は最大限適した(換言すれば最大限寄与可能な)部位とすることが望ましい。本実施例では、通過センサ603として遮光型の光学式センサが用いられているため、通過センサ603における上記距離D2を規定する部位として、検出光の光軸が通過する位置を用いている。ただし、検出光の光軸の位置を目視により特定することは通常困難であるので、出射用窓部628の中央部を通過する線を光軸として擬制し、距離D2の決定に利用している。なお、通過センサ603についても、例えば賞球払出ユニットへの組付けの公差や経時的な変化等に起因して、距離D2を規定する部位の位置は、常に一定であるとは限らないと考えられる。したがって、前述のような回転体602の位置のばらつきと、通過センサ603の位置のばらつきと併せて考慮し、上記距離D2を11mm〜13mm程度の範囲として定めることが望ましい。
<<回転体による遊技球の送出動作>>
図14(a)〜(d)は、回転体602を用いた遊技球23の受入れから放出までの送出動作を示している。先ず、図14(a)に示すように、回転体602の回転に伴って上向きとなった保持部621に遊技球23が供給通路(図示略)から自由落下を伴って供給される。次に、図14(b)に示すように、遊技球23が通過センサ603のスリット627内に搬送され、変位する遊技球23により通過センサ603の検出光が遮られて、遊技球23の通過が検出される。本実施例では、遊技球23の検出の際、遊技球23と回転体602との係合関係が保たれており、保持部621による遊技球23の保持が継続されている。そして、遊技球の直径は約11mmであり、更に回転体602と通過センサ603との距離D2は約12mmであることから、遊技球23がスプロケット部619から大きく離れる前に遊技球23が検出される。
なお、図16に示すように、回転体602と通過センサ603との距離D2を規定する直線上に、上記距離D1(ボス部623の内周面と、保持部621の底面との最短距離)を規定する直線が重なった場合、回転体602の軸心Cから遊技球23の最外周部までの距離は、理論上は、回転軸620の半径(ここでは約1mm程度)と、回転体602のボス部623の最も薄肉な部分の厚み(約1mm。距離D1に相当。)と、遊技球の直径(11mm)の和により求めることができる。そして、その値は、13(=11+1+1)mm程度となる。しかし、本実施例では、前述のように、回転体602と通過センサ603との距離D2は、12mmに設定されているため、上記距離D2を規定する直線上に、上記距離D1を規定する直線が重なる前に、遊技球23が検出されるこことなる。
<<連続払出処理の一例>>
次に、図17に基づき、払出モータ601の駆動方法について説明する。図17中の(ア)は通常動作時の駆動方法を示しており、図17中の(イ)は、リトライ動作時の駆動方法を示している。また、図17中の(ア),(イ)は、所定個数(ここでは3個)の遊技球を一回の払出動作で連続して払出す連続払出処理を行う場合の各種機器の動作状態を示している。
図17中の(ア)及び(イ)の各々における(a)は払出モータ601のオン(回転(駆動))、オフ(停止)を示しており、(b)は、払出モータ601への電流制御の波形を示しており、(c)は、前述の位置センサ605(図17中では「払出モータセンサ」と記載している)の出力を示している。また、図17中の(ア),(イ)の各々における(d)は、通過センサ603(図17中では「カウントセンサ」と記載している)が球通過を検知した場合の出力信号を示している。なお、以下では、例えば図17中の(ア)又は(イ)における(a)〜(d)をそれぞれ、(ア)(a)〜(ア)(d)や(イ)(a)〜(イ)(d)のように示す。
図17中の(ア)に示す通常動作時においては、前述の第一実施例と同様に(図9(e)を参照)、賞球払出コマンド「A」が主制御基板102より送出される。その賞球払出コマンド「A」の送出を受けて、払出カウンタに予定払出賞球数3個がセットされる。さらに、次に送出される賞球払出コマンド「B」が契機となり、払出モータ601の駆動が開始され、払出動作が開始する。ここでは、図17中の(ア)(a)に示すように、払出モータ601の駆動と停止が周期的に3回繰り返されて3個の遊技球の排出が行われる。
図17中の(ア)(a)及び(イ)(a)に示す「駆動」と「停止」は、払出モータ601を駆動及び停止させるための指示信号の状態を示しており、この指示信号に基づき、払出モータ601のモータ本体606に入力されるパルス(及び後述する電流)が制御され、更に機械的な慣性、摩擦、及び動作速度などの要素を介して、回転体602の状態や、放出された遊技球23の検出タイミングが定まる。つまり、図17中の(ア)(a)及び(イ)(a)に示す「駆動」と「停止」のタイミングや期間は、必ずしもモータ本体606や回転体602などの状態と一致するわけではなく、厳密にはこれらの状態が、上記「駆動」及び上記「停止」のタイミングや期間に対して僅かに遅れることとなる。
払出モータ601の駆動の際には、図17中の(ア)(b)に示すように、払出モータ601へのパルスの供給と併せて上記電流制御が行われている。この電流制御においては、払出モータ601の駆動に伴い、払出モータ601に供給されている電流の値が、相対的に低い所定値から高い所定値に変化する。そして、所定個数の連続払出処理における最後の遊技球23の放出がされるまでの期間に亘って、電流の値が高いまま保たれ、連続払出処理が終わって払出モータ601が停止制御されると、電流値が相対的に低い値に戻される。このような電流制御を実行することにより、払出モータ601の動作補償が行われ、例えば払出モータ601の回転速度を高めた場合に、入力パルスの立上りに対して電流値の立上りが間に合わずに払出モータ601のトルクが低下するといったことの防止が図られている。
図17中の(ア)(c)に示すように、払出モータセンサ(位置センサ605)がオンするタイミングは、払出モータ601が停止制御されるタイミングとほぼ一致している。本実施例では、前述のように回転体602の各遮光片625とスプロケット部619の保持部621とが、各々均等なピッチ(120度)で形成されるとともに、ほぼ同じ位相で配設されているため、払出モータセンサ(位置センサ605)によって一つの遮光片625を検出することにより、保持部621の位置も間接的に検出することが可能となっている。このため、払出モータセンサがオンする度に、払出モータ601が停止制御されている。
さらに、遊技球が排出されるごとに、図17中の(ア)(d)に示すように、カウントセンサ(通過センサ603)がオンとオフとを繰り返す。そして、カウントセンサ(通過センサ603)がオンすることにより、払出制御基板45において、遊技球23が実際に放出されたことが確認され、後続の遊技球23を送出するために払出モータ601が駆動制御される((ア)(a)参照)。
また、図17中の(ア)(b)に示すように、連続払出し処理における所定個数の遊技球23の排出を行った後、払出しを払出モータ601の駆動を停止してから、所定の遅延時間T1に亘って、電流制御の電流値が相対的に高い値に保たれている。つまり、ここでは3個目の遊技球23の放出に対応して払出モータセンサ(位置センサ605)の出力がオンした後、遅延時間T1が経過してから、電流値が低い値に戻される。そして、本実施例では、遅延時間T1は60.27msに設定されている。
この遅延時間T1は、連続払出処理における最後の遊技球のための払出モータ601の駆動制御を停止した後に、連続払出処理中の高い電流値が保たれて維持される時間である。そして、この遅延時間T1は、払出モータ601の出力がオンからオフへ変化するタイミングT2((ア)(c)参照)、及び、カウントセンサ(通過センサ603)の出力がオンからオフへ変化するタイミングT3の後に終了する時間である。そして、このような遅延時間T1を設定することにより、最後の遊技球23が回転体602から放出されてカウントセンサ(通過センサ603)により検出される前に、払出モータ601のトルクが必要以上に低下してしまうこと防止している。
つまり、(ア)(b)に示すような電流制御は、払出モータ601のPWM(パルス幅変調)制御に必要な電圧を維持するために行われているが、払出モータ601の直接的な駆動制御((ア)(a)参照))の停止とともに、電流値((ア)(d)参照)も低下させてしまうと、遊技球の排出に何らかの遅延要因が生じたような場合においては、払出モータ601のトルクが必要以上に低下してしまい、遊技球23の排出を完了させることができないという事態も想定される。しかし、本実施例のように、遅延時間T1を設定することにより、何らかの遅延要因が生じた場合であっても、払出モータ601の動作を補償でき、遊技球23の排出をより完全に実行することが可能となっている。なお、遊技球の排出に係る遅延要因としては、各種機械構造物の慣性、摩擦、及び各種ギヤ(607,611,612,618)のバックラッシュ、といった機械的要因等を例示できる。
一方、図17中の(イ)に示すリトライ動作時においては、先ず、(イ)(a)に示すように払出モータ601が駆動されて所定の監視時間T4(ここでは150ms)が経過しても、払出モータセンサやカウントセンサのオンが検出されず、一旦、払出モータ601が停止される。そして、リトライ動作のための払出モータ601の駆動が行われ、払出モータ601の駆動が所定のパターンで所定の継続時間T5(ここでは600ms)に亘って継続される。ここで、リトライ動作における払出モータ601の駆動パターンとしては、リトライ動作の開始から200ms、300ms、400ms、500msのタイミングで1励磁分、払出モータ601を逆回転させる、といったものを例示できる。なお、このようなリトライ動作のパターンは、例えば前述の第一実施例のような場合においても採用することが可能なものである。
このようなリトライ動作を行っても払出モータセンサ(位置センサ605)やカウントセンサ(通過センサ603)のオンが検出されない場合には、カウンタケースエラーであると判断され、カウンタケースエラーである旨の報知が実行される。ここで、カウンタケースエラーは、球詰まりの発生を意味するエラーであり、所定時間(ここでは60秒)に亘って継続される。そして、このカウンタケースエラーが継続される期間中は、払出モータ601は停止制御されている。さらに、カウンタケースエラーの解除方法は、賞球タンク44(図2参照)から賞球払出ユニット内の回転体602に至るまでの球経路中の球詰まりを解消することである。
また、本実施例では、リトライ動作が行われた場合であっても、電流制御((イ)(b)参照)に関して、リトライ動作の後の遅延時間T1が設定されており、払出モータ601動作補償が行われている。
<<第二実施例の作用効果>>
以上説明したように本実施例によれば、回転体602と通過センサ603とが接近して設けられているので、回転体602から放出される遊技球23を早期に通過センサ603に到達させることができ、回転体602から放出される遊技球23の検出タイミングを早めることが可能となる。さらに、遊技球23の検出が早まることから、実際に遊技球23が排出されたことの確認を早く実行することができ、後続の遊技球23のための、払出モータ601の駆動制御(図17中の(ア)(a)の波形が立上った状態の制御)を迅速に開始することができる。この結果、実際に遊技球23の通過を確認しながら連続払出処理を継続する払出方式の遊技機においても、確実に高速な遊技球の排出を行うことが可能となる。
なお、本実施例では、遊技球23がスプロケット部619の保持部621に保持されたまま通過センサ603により検出されているが、必ずしも、遊技球23の全重量が保持部621の底面に作用しているような保持状態である必要はない。例えば、回転体602の回転による遠心力や、遊技球23の自重により発生する力などとのバランスにより、遊技球23が保持部621の底面から浮き上がり、スプロケット部619と接触していない状態で遊技球23の検出が行われてもよい。また、遊技球23が保持部621の底面に接触はしているものの、遊技球23の重心が保持部621から、その先の放出部622の側に移動した状態や、遊技球23が放出部622の側に移動して保持部621の底面とは接触していない状態、などで検出されるようにしてもよい。
このような何れの場合においても、前述のように、回転体602と通過センサ603との距離D2が12mm程度であり、遊技球23の直径(11mm)の110%程度に抑えられていることから、回転体602における本体部616の真円状の投影面内(回転体602の軸心Cと直交する面内に投影される面内)に、遊技球23の少なくとも一部が重なった状態で、遊技球23が通過センサ603により検出されることとなる。
また、回転体602を小径化したり、回転体602と通過センサ603との距離D2を拡大することにより、本体部616の投影面内に遊技球23の一部が重ならないような場合も想定される。しかし、そのような場合であっても、回転体602と通過センサ603との距離を、遮光部617を含めた回転体602の最大径(回転体602の軸心Cから遮光片625の最外端のまでの距離に一致する)を半径とする真円状の投影面内に、遊技球23の一部が重なる程度の距離とすることにより、遊技球23の検出の迅速性を確保することは可能である。
また、スプロケット部619の保持部621による遊技球21の十分な保持や解放が可能であれば、距離D2を12mm以下に設定してもよい。さらに、スプロケット部619の底面の形状を、適宜の傾斜面や曲面を有する形状としてもよい。また、本実施例では、払出モータ601の出力ギヤ608、第1伝達ギヤ611及び第2伝達ギヤ612、及び回転体602の材質として合成樹脂が採用されているが、これに限らず、各種部材に適宜金属材料を採用してもよい。
また、本実施例によれば、回転体602から排出される遊技球23を迅速に検出できるようにしているので、リトライ動作の動作パターンにおける所要時間(本実施例では600ms)を短縮することが可能となる。
さらに、本実施例によれば、回転体602と通過センサ603とを接近させているので、機構の小型化が可能となる。さらに、本実施例によれば、払出モータ601と回転体602とを同軸上に重ねずに互いに偏心させて配置しているので、賞球払出ユニットの前後方向(ぱちんこ遊技機10の前後方向)の厚みを小とすることが可能である。そして、遊技盤50の周囲における部品配置スペースの確保が容易となる。
なお、本実施例では、通過センサ603として門型形状のものを採用しており、この門型形状の通過センサ603は、回転体602と接近させても、回転体602や遊技球23との干渉を防げる点で本発明に適している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の作用効果を奏することができれば、門型形状のものに限定されない。
以上本発明の各実施例について説明したが、本願発明においては、外枠11から内側のもののみでなく、外枠11の外側にカードユニット(図示略)を添設した形態のものをも含めてぱちんこ遊技機或いは遊技機として包括的に把握することが可能である。
10 ぱちんこ遊技機、45 払出制御基板、52 遊技領域、102 主制御基板、
43 賞球払出装置、46 賞球払出ユニット、47 払出モータ、
501 主制御基板のCPU、511 払出制御基板のCPU、601 払出モータ、
602 回転体、603 通過センサ。
上記課題を解決するために本発明は、遊技を司る主制御手段(主制御基板など)と、前記主制御手段からの遊技媒体(遊技球など)の払出しに係る払出制御指令(賞球払出コマンドなど)に応じた制御処理を行う払出制御手段(払出制御基板など)と、前記払出制御手段により駆動制御されて遊技媒体の払出動作を行う遊技媒体払出手段(賞球払出装置など)と、を備えた遊技機において、
前記遊技媒体払出手段は、
前記払出制御手段により回転駆動と停止の制御が行われる動力発生手段(払出モータなど)と、
前記遊技媒体を受入れ、前記動力発生手段が発生させた動力により作動して前記遊技媒体の放出を行うことが可能な遊技媒体送出手段(回転体など)と、
前記遊技媒体送出手段に対向するよう配置され、前記遊技媒体送出手段に受入され前記遊技媒体送出手段の作動に伴い前記遊技媒体送出手段から放出される前記遊技媒体を検出可能な遊技媒体検出手段(通過センサなど)と、を備え、
前記払出制御手段は、
前記遊技媒体検出手段により前記遊技媒体が検出された場合には、後続の前記遊技媒体の放出のための前記動力発生手段の駆動(通常動作など)を行い、
前記遊技媒体検出手段により検出されるべき前記遊技媒体が所定時間を経過しても検出されない場合には、前記検出されるべき前記遊技媒体の放出を行うための前記動力発生手段の駆動(リトライ動作など)を行い、
前記動力発生手段は、ステップ駆動される払出モータであり、
前記検出されるべき前記遊技媒体の放出を行うための前記動力発生手段の駆動のパターンは、予め定められた所定期間中に前記動力発生手段の逆回転のための励磁を行うものであり、
前記遊技媒体検出手段を、前記遊技媒体の放出方向に対し交差する方向において重なるよう、前記遊技媒体送出手段に前記放出方向から接近させて配置したことを特徴とする遊技機である。

Claims (1)

  1. 遊技を司る主制御手段と、前記主制御手段からの遊技媒体の払出しに係る払出制御指令に応じた制御処理を行う払出制御手段と、前記払出制御手段により駆動制御されて遊技媒体の払出動作を行う遊技媒体払出手段と、を備えた遊技機において、
    前記遊技媒体払出手段は、
    前記払出制御手段により駆動と停止の制御が行われる動力発生手段と、
    前記遊技媒体を受入れ、前記動力発生手段が発生させた動力により作動して前記遊技媒体の放出を行うことが可能な遊技媒体送出手段と、
    前記遊技媒体送出手段に対向するよう配置され、前記遊技媒体送出手段に受入され前記前記遊技媒体送出手段の作動に伴い前記前記遊技媒体送出手段から放出される前記遊技媒体を検出可能な遊技媒体検出手段と、を備え、
    前記払出制御手段は、
    前記遊技媒体検出手段により前記遊技媒体が検出された場合には、後続の前記遊技媒体の放出のための前記動力発生手段の駆動を行い、
    前記遊技媒体検出手段により検出されるべき前記遊技媒体が所定時間を経過しても検出されない場合には、前記検出されるべき前記遊技媒体の放出を行うための前記動力発生手段の駆動を行い、
    前記遊技媒体検出手段を、前記遊技媒体の放出方向に対し交差する方向において重なるよう、前記遊技媒体送出手段に前記放出方向から接近させて配置したことを特徴とする遊技機。
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