JP2014138980A - テープ印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】テープカートリッジの形状の違いによる、カートリッジ先端面と印刷ヘッドとの位置関係の変動を抑えることができるテープ印刷機を提供する。
【解決手段】第1テープカートリッジC1は、第1の装着位置で装着されると共に、第2テープカートリッジC2は、第1の装着位置より下面39が装着基準面27eに対して離間した第2の装着位置で装着されるカートリッジ装着部10と、ヘッド近接位置P1と、ヘッド近接位置P1より装着基準面27eに対して離間したヘッド離間位置P2との間で離接可能に構成された印刷ヘッド21と、第1テープカートリッジC1が装着された場合にヘッド近接位置P1に位置し、第2テープカートリッジC2が装着された場合にヘッド離間位置P2に位置するように、印刷ヘッド21を移動させるヘッド移動部材44と、を備えた。
【選択図】図8

Description

本発明は、テープカートリッジを装着可能であると共に、テープカートリッジに収容された印刷テープに対し印刷処理を行うテープ印刷装置に関するものである。
従来、この種のテープ印刷装置として、テープカートリッジを装着するカートリッジ装着部と、複数の発熱体を有し、テープカートリッジに収容した印字用テープに印字を実行する印字ヘッドと、を備えたものが知られている(特許文献1参照)。カートリッジ装着部には、テープカートリッジの装着方向先端側のカートリッジ先端面と対向する底板が形成されている。印字ヘッドは、この底板から突設されている。
特開平7−195794号公報
ところで、テープカートリッジには、収容された印刷テープのテープ幅などに応じて、形状の異なるものが複数種用意されている場合がある。そして、例えば、テープカートリッジの形状にかかわらず、収容された印刷テープが印刷ヘッドに対して適切に位置するようにしたい、などの目的で、テープカートリッジの形状に応じて、底板に対するカートリッジ先端面(テープカートリッジの下面)の高さ位置が異なるようにカートリッジ装着部を構成することが考えられる。しかしながら、このように、テープカートリッジの形状に応じて、底板に対するカートリッジ先端面の高さ位置が異なる場合にも、印刷ヘッドが、常に、底板に対して同じ高さ位置にあるので、テープカートリッジの形状に応じて、カートリッジ先端面と印刷ヘッドとの位置関係が変動してしまうという問題があった。カートリッジ先端面と印刷ヘッドとの位置関係が変動すると、例えば、図6に示すように、テープカートリッジ(のカートリッジケース)が印刷ヘッドと干渉してしまうなどの悪影響が生じるおそれがある。
本発明は、テープカートリッジの形状の違いによる、カートリッジ先端面と印刷ヘッドとの位置関係の変動を抑えることができるテープ印刷装置を提供することを課題としている。
本発明のテープ印刷装置は、形状が異なる第1テープカートリッジおよび第2テープカートリッジを含む複数種のテープカートリッジが選択的に装着可能なテープ印刷装置であって、テープカートリッジの装着方向先端側のカートリッジ先端面と対向する装着基準面を有し、第1テープカートリッジは、第1の装着位置で装着されると共に、第2テープカートリッジは、第1の装着位置よりカートリッジ先端面が装着基準面に対して離間した第2の装着位置で装着されるカートリッジ装着部と、第1のヘッド位置と、第1のヘッド位置より装着基準面に対して離間した第2のヘッド位置との間で離接可能に構成された印刷ヘッドと、第1テープカートリッジが装着された場合に第1のヘッド位置に位置し、第2テープカートリッジが装着された場合に第2のヘッド位置に位置するように、印刷ヘッドを移動させるヘッド移動部と、を備えたことを特徴とする。
この場合、印刷ヘッドを、第2のヘッド位置に向けて付勢する付勢部材を、さらに備え、ヘッド移動部は、第1テープカートリッジが装着された場合に、カートリッジ先端面が係合するように、装着基準面から突出した係合部を有し、装着された第1テープカートリッジから係合部に受ける押圧力を利用して、印刷ヘッドを、付勢部材に抗して、第2のヘッド位置から第1のヘッド位置に移動させることが好ましい。
これらの構成によれば、カートリッジ先端面が装着基準面に近接した位置となって装着される第1テープカートリッジについては、印刷ヘッドを装着基準面に近接した第1のヘッド位置に位置させ、カートリッジ先端面が装着基準面から離間した位置となって装着される第2テープカートリッジについては、印刷ヘッドを装着基準面から離間した第2のヘッド位置に位置させることができる。したがって、テープカートリッジの形状の違いによる、カートリッジ先端面と印刷ヘッドとの位置関係の変動を抑えることができる。ゆえに、カートリッジ先端面と印刷ヘッドとの位置関係の変動に起因する、テープカートリッジと印刷ヘッドとの干渉などの悪影響が生じることを防止することができる。
この場合、印刷ヘッドは、ヘッド本体と、ヘッド本体を保持するヘッドホルダーと、を有し、ヘッドホルダーを装着基準面に対し離接可能に支持するヘッド支持軸を、さらに備え、ヘッドホルダーには、ヘッド支持軸が挿通した軸挿通片が形成されており、ヘッド移動部は、ヘッド支持軸がスライド可能に挿通した取付部と、取付部の装着基準面側に形成され、係合部が押圧力を受けた際に軸挿通片を押圧する押圧部と、をさらに有することが好ましい。
この構成によれば、ヘッド移動部が、ヘッド支持軸が挿通した軸挿通片を押圧して、印刷ヘッドを押圧移動させる構成であるため、押圧移動時に、ヘッド支持軸に対して印刷ヘッドが傾くことがない。これにより、印刷ヘッドをより一層安定して移動させることができる。また、ヘッド支持軸を、ヘッド移動部の支持軸として利用することで、部品点数を削減することができる。
また、付勢部材は、ヘッド支持軸に巻装されたコイルばねで構成されていることが好ましい。
この構成によれば、付勢部材が、ヘッド支持軸に巻装され、ヘッド支持軸廻りで印刷ヘッドを付勢する構成であるため、付勢による移動時にも、ヘッド支持軸に対して印刷ヘッドが傾くことがなく、印刷ヘッドをより一層安定して移動させることができる。
この場合、印刷ヘッドを、プラテンに対し押圧するヘッド押圧部材と、ヘッド押圧部材に固定されると共に、ヘッドホルダーに形成した、印刷ヘッドの離接方向に延在する長孔に挿通して、印刷ヘッドとヘッド押圧部材とを連結する連結ピンと、をさらに備えたことが好ましい。
この構成によれば、ヘッド押圧部材により、印刷ヘッドを押圧すると、連結ピンを中心として、印刷ヘッドが押圧される。連結ピンは、ヘッド押圧部材に固定されると共に、ヘッドホルダーの長孔に挿通されているので、印刷ヘッドの移動に伴い、移動することがない。よって、ヘッド押圧部材による印刷ヘッドの押圧中心が変わらず、常に安定して印刷ヘッドを押圧することができる。
この場合、印刷ヘッドは、印刷テープの幅方向に列設した複数の発熱素子を有すると共に、プラテンに対し押圧され、カートリッジ装着部には、装着基準面に対する離接方向において、収容した印刷テープの中央位置が、印刷ヘッドの押圧中心と合致する位置に、複数種のテープカットリッジが装着されることが好ましい。
この構成によれば、収容した印刷テープの中央位置が、印刷ヘッドの押圧中心と合致するように、複数種のテープカートリッジを装着することで、印刷テープの幅方向全域において、印刷ヘッドを均一に押圧することができる。よって、サーマルヘッドによる印刷処理を好適に行うことができる。
本実施形態にかかる閉蓋状態のテープ印刷装置を示した外観斜視図である。 開蓋状態のテープ印刷装置を示した外観斜視図である。 カートリッジ装着部を示した平面図である。 (a)は、第1テープカートリッジを示した側面図である。(b)は、第2テープカートリッジを示した側面図である。 カートリッジ装着部廻りを示した側方断面図である。 印刷ヘッドとテープカートリッジの底壁との干渉を示した側面図である。 (a)は、印刷ヘッド周りを示した斜視図である。(b)は、印刷ヘッド周りを示した分解斜視図である。 (a)は、第1テープカートリッジを装着した際の印刷ヘッドの挙動を示した側面図である。(b)は、第2テープカートリッジを装着した際の印刷ヘッドの挙動を示した側面図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係るテープ印刷装置について説明する。このテープ印刷装置は、印刷対象物となる印刷テープに対し、これを送りながら印刷を行った後、印刷テープの印刷済み部分を切断して、ラベルを作成するものである。なお、本実施形態において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は、テープ印刷装置を使用するユーザーから見た方向(正面視)に従う。
図1および図2に示すように、テープ印刷装置1は、印刷テープTに対して印刷処理を行う装置本体2と、印刷テープTおよびインクリボンRを収容し、装置本体2に着脱自在に装着されるテープカートリッジCと、を備えている。テープカートリッジC内には、印刷対象物となる印刷テープTが繰出し自在に収容されている。
装置本体2は、装置ケース3により外郭が形成され、装置ケース3の前半部上面には、各種キー4を備えたキーボード5が配設されている。一方、装置ケース3の後半部左上面には、開閉蓋6が広く設けられ、開閉蓋6の前側にはこれを開放する蓋体開放ボタン8が設けられている。さらに、装置ケース3の後半部右上面には、キーボード5からの入力結果等を表示する長方形のディスプレイ9が配設されている。
蓋体開放ボタン8を押して開閉蓋6を開放すると、その内部には、テープカートリッジCが着脱自在に装着されるカートリッジ装着部10が窪入形成されており、テープカートリッジCは、開閉蓋6を開放した状態でカートリッジ装着部10に着脱可能に装着される。すなわち、開閉蓋6は、カートリッジ装着部10を開閉する。また、開閉蓋6には、これを閉塞した状態でテープカートリッジCの装着/非装着を視認するための覗き窓13が形成されている。
装置ケース3の左側部には、カートリッジ装着部10に連なるテープ排出口17が形成されており、カートリッジ装着部10とテープ排出口17との間には、テープ排出経路18が構成されている。そして、装置ケース3内部には、テープ排出経路18に臨むように、テープ送り方向上流側から、印刷テープTを切断するテープ切断機構11と、切断された印刷テープTの切断部分をテープ排出口17から排出するテープ排出機構12と、がアッセンブリ化されて内蔵されている。
また、開閉蓋6の内側右部には、長板状のヘッド操作突起28が突設されている。このヘッド操作突起28に対応して、カートリッジ装着部10の右側部には、細長の突起挿入穴29(図3参照)が没入形成され、突起挿入穴29には、挿入したヘッド操作突起28に係合するヘッド操作レバー(図示省略)が配設されている。開閉蓋6の閉塞に起因して、ヘッド操作レバーを含む連動機構が作動し、印刷ヘッド21が、後述のプラテンローラー35との間に印刷テープTを挟圧する挟圧位置に移動する。一方、開閉蓋6を開放すると、印刷ヘッド21が、挟圧位置から退避した退避位置に移動する。
図2および図3に示すように、カートリッジ装着部10には、ヘッドカバー20内に収容されたサーマルタイプの印刷ヘッド21と、印刷ヘッド21に対峙するプラテン駆動軸23と、後述のインクリボンRを巻き取る巻取り駆動軸24と、後述のテープリール32の位置決め突起25と、テープカートリッジCの左右両側面を係止する一対のフック部26と、が配設されている。プラテン駆動軸23および巻取り駆動軸24は、カートリッジ装着部10の底板27を貫通しており、底板27下部空間には、プラテン駆動軸23および巻取り駆動軸24を駆動すると共に、テープ排出機構12を駆動する送り排出動力系(図示省略)が配設されている。また、図3に示すように、カートリッジ装着部10の底板27上には、左前方の隅部、左後方の隅部および右後方の隅部の3箇所に、スペーサー27a、27b、27cが突出形成されている。さらに、左前方のスペーサー27aとヘッドカバー20との間には、後述するヘッド移動部材44の係合部83が露出する露出開口部27dが形成されている。
図2に示すように、テープカートリッジCは、カートリッジケース31によりその外郭が形成されており、カートリッジケース31内部の上中央部に、印刷テープTを巻回したテープリール32と、右下部にインクリボンRを巻回したリボンリール33とを回転自在に収容して構成されている。印刷テープTとインクリボンRとは同一幅で構成されている。また、テープリール32の左下部には上記印刷ヘッド21を覆うヘッドカバー20に差し込まれるための貫通孔34が形成されている。さらに、貫通孔34の近傍において、印刷テープTとインクリボンRとが重なる部分に対応して、上記プラテン駆動軸23に嵌合されて回転駆動するプラテンローラー(プラテン)35が配置されている。一方、上記リボンリール33に近接して、巻取り駆動軸24が嵌合されて回転駆動するリボン巻取りリール36が配置されている。
カートリッジケース31は、天壁31aおよび底壁31bを有し、天壁31aおよび底壁31bの対向面間に、テープリール32、リボンリール33、プラテンローラー35およびリボン巻取りリール36を収容している。また、図3に示すように、カートリッジケース31の左右両側面には、一対のフック部26が係合する一対の被係合部37が形成されている。
テープカートリッジCがカートリッジ装着部10に装着されると、ヘッドカバー20に貫通孔34が、位置決め突起25にテープリール32の中心孔が、プラテン駆動軸23にプラテンローラー35の中心孔が、巻取り駆動軸24にリボン巻取りリール36の中心孔がそれぞれ差し込まれる。この際、テープカートリッジCに収容した印刷テープTの幅方向が、テープ印刷装置1の上下方向となる。プラテン駆動軸23および巻取り駆動軸24の回転駆動により、印刷テープTは、テープリール32から繰り出され、インクリボンRは、リボンリール33から繰り出される。そして、繰り出された印刷テープTおよびインクリボンRは、貫通孔34の位置で重なって併走した後、印刷テープTはカートリッジケース31の装置外に送り出され、インクリボンRはリボン巻取りリール36に巻き取られる。また、印刷テープTとインクリボンRとが併走する部分では、プラテンローラー35と印刷ヘッド21とがこれらを挟み込むように臨み、いわゆる印刷送りが行われる。
印刷テープTは、裏面に粘着剤層が形成され、表面を印刷面とする記録テープTaと、この粘着剤層により記録テープTaに貼着した剥離テープTbとから構成されている。そして、印刷テープTは、記録テープTaを外側にし、かつ剥離テープTbを内側にしてテープリール32に巻回されて収容されている。また、印刷テープTは、テープ種別(テープ幅、印刷テープTの地色、地模様、素材(質感)など)が異なる複数種のものが用意されており、それぞれカートリッジケース31に、インクリボンRと共に収容されている。
テープカートリッジCをカートリッジ装着部10に装着して、開閉蓋6を閉塞すると、上記連動機構により、印刷ヘッド21が挟圧位置に回動して、印刷ヘッド21とプラテンローラー35との間に、印刷テープTおよびインクリボンRを挟み込み、テープ印刷装置1は印刷待機状態となる。印刷データの入力・編集の後、印刷動作が指令されると、プラテンローラー35を回転駆動して、テープカートリッジCから印刷テープTを繰り出すと共に、印刷ヘッド21が駆動して印刷テープTに所望の印刷を行う。この印刷動作と共に、インクリボンRはテープカートリッジC内で巻き取られるが、印刷テープTの印刷済み部分は、テープ排出口17から装置外に送り出されていく。印刷が完了すると、テープ切断機構11により印刷テープTの印刷済み部分が切断される。これにより、所望の文字等が印刷されたラベルが作成される。
ところで、テープカートリッジCは、収容された印刷テープTのテープ幅に応じて形状が異なるものが複数種用意されている。本実施例では、図4に示すように、幅広(例えば36mm)の印刷テープTを収容する厚手の第1テープカートリッジC1と、幅狭(例えば6mm〜24mm)の印刷テープTを収容する薄手の第2テープカートリッジC2との2種類のテープカートリッジCが用意されている。なお、各テープカートリッジCは、収容される印刷テープTのテープ幅に応じた幅のプラテンローラー35が収容されている。
これに対し、図5に示すように、カートリッジ装着部10には、第1テープカートリッジC1と第2テープカートリッジC2とが、その形状に応じて、異なる高さ位置に装着されている。具体的には、第1テープカートリッジC1は、上記スペーサー27a、27b、27cにより、カートリッジ装着部10の底面27eから浮いた状態で装着される。一方、第2テープカートリッジC2は、上記スペーサー27a、27b、27cを避ける切欠き部38が形成されている。その結果、カートリッジ装着部10の底面27eを装着基準面として、第1テープカートリッジC1は、その下面39(カートリッジ先端面)が当該底面27eに対し近接した位置(第1の装着位置)に装着され、第2テープカートリッジC2は、その下面39が当該底面27eに対し離間した位置(第2の装着位置)に装着される。これにより、上下方向において、それぞれに収容された印刷テープTおよびプラテンローラー35の中央位置を、印刷ヘッド21の押圧中心(後述する)と合致させている。
ところで、このように、形状の異なる2種類のテープカートリッジCを異なる高さ位置に装着したところ、印刷ヘッド21が、常に、カートリッジ装着部10の底面27eに対して同じ高さ位置にある場合、テープカートリッジCの形状に応じて、テープカートリッジCの下面39と印刷ヘッド21との位置関係が変動してしまう。その結果、図6に示すように、第2テープカートリッジC2を装着した際、挟圧位置に移動した印刷ヘッド21とテープカートリッジCの底壁31bとが干渉してしまう問題が生じる。この問題を解決すべく、本実施形態は、以下に示す印刷ヘッド21の移動構造を採用したものである。
ここで図5、図7および図8を参照して、印刷ヘッド21廻りについて説明する。具体的には、印刷ヘッド21と、印刷ヘッド21を回動自在且つ上下動自在に支持するヘッド支持軸41と、印刷ヘッド21をプラテンローラー35に押圧(回動)するヘッド押圧部材42と、印刷ヘッド21を上方に付勢する付勢ばね(付勢部材)43と、印刷ヘッド21を下方に移動させるヘッド移動部材(ヘッド移動部)44とについて説明する。
図5および図7に示すように、カートリッジ装着部10の底板27の下側空間には、ベースフレーム45が配設されており、ベースフレーム45上には、印刷ヘッド21、ヘッド押圧部材42およびヘッド移動部材44を支持するヘッド支持軸41が立設されている。ヘッド支持軸41は、カートリッジ装着部10の底板27を貫通している。
印刷ヘッド21は、ヘッド本体51と、ヘッド本体51を保持するヘッドホルダー52とで構成されている。ヘッド本体51は、ヘッド支持軸41から最も離れた端部に、複数の発熱素子が上下方向にアレイ状に列設されており、発熱素子の並び、すなわちヘッド本体51の幅は、最大幅(本例では36mm)の印刷テープTに対応している。
ヘッドホルダー52は、前面でヘッド本体51を支持する支持板61と、支持板61の上下端からそれぞれ背面側に屈曲して形成され、右端部にヘッド支持軸41が挿通される軸挿通孔を有する上側軸挿通片62および下側軸挿通片(軸挿通片)63と、支持板61の上下中間位置において背面側に屈曲した左右一対の連結片64と、を備えている。ヘッドホルダー52は、上側軸挿通片62および下側軸挿通片63により、ヘッド支持軸41に回動自在且つ上下方向に移動自在に支持されており、印刷ヘッド21は、カートリッジ装着部10の底面27eに対し近接したヘッド近接位置(第1のヘッド位置)P1と、カートリッジ装着部10の底面27eに対し離間したヘッド離間位置(第2のヘッド位置)P2との間で移動可能に構成されている。また、ヘッドホルダー52は、一対の連結片64に挿入される連結ピン65により、連結ピン65を支点として、ヘッド押圧部材42に対し揺動自在に連結されている。さらに、連結ピン65が挿通される一対の連結片64の各挿通孔は、上下方向に長孔状に形成されており、ヘッドホルダー52は、ヘッド押圧部材42に対し上下動自在に連結されている。
上側軸挿通片62および下側軸挿通片63は、上記揺動を一定範囲で許容すべく各軸挿通孔が揺動方向に長孔状に形成されている。また、下側軸挿通片63には、その上面に、ヘッド移動部材44の押圧突起82が当接するリング状の突起当接部66が形成されていると共に、その下面に、付勢ばね43が当接するリング状のばね当接部67が形成されている。
ヘッド押圧部材42は、上下方向に延在する板状の部材本体71と、部材本体71の上下に設けられ、ヘッド支持軸41が挿通された上側軸受け片72および下側軸受け片73と、部材本体71の上下中間位置において前面側に屈曲形成され、連結ピン65を挿通する左右一対のピン挿通片74と、部材本体71の下端部から水平に延在するヘッドアーム75と、を備えている。ヘッド押圧部材42は、上側軸受け片72および下側軸受け片73により、ヘッド支持軸41に回動自在に支持されている。
ヘッドアーム75の尾端部には、ヘッドリリースばねの一端が係止されている。このヘッドリリーばねにより、ヘッド押圧部材42が、回動方向でプラテン駆動軸23側の逆側に付勢されており、ヘッド押圧部材42を介して、印刷ヘッド21が退避位置に付勢されている。また、ヘッドアーム75の尾端部は、上記したヘッド移動レバーを含む連動機構に接続されている。当該連動機構により、開閉蓋6の閉塞に起因して、ヘッドリリースばねに抗し、ヘッド押圧部材42がプラテン駆動軸23側に回動される。これによって、ヘッド押圧部材42を介して印刷ヘッド21が挟圧位置に移動され、プラテンローラー35に押圧される。
ヘッドホルダー52とヘッド押圧部材42との連結は、ヘッドホルダー52の各連結片64と、ヘッド押圧部材42の各ピン挿通片74とを、それらの挿通孔を合致させるように重ね合わせた状態で、各挿通孔に連結ピン65を挿入することで行われる。これにより、ヘッドホルダー52がヘッド押圧部材42に対し、連結ピン65を中心として揺動自在に連結されている。また、各連結片64の挿通孔は、上下方向に長孔状に形成されているのに対し、ヘッド押圧部材42の各ピン挿通片74の各挿通孔は連結ピン65に嵌通しているので、ヘッドホルダー52は、ヘッド押圧部材42に固定された連結ピン65を介して、ヘッド押圧部材42に対し上下動自在に連結されている。
そして、ヘッド押圧部材42が回動して、ヘッドホルダー52をプラテンローラー35側に押圧すると、連結ピン65を介してヘッド本体51をプラテンローラー35に押し付ける状態となる。この際、ヘッドホルダー52は、連結ピン65を揺動中心として、ヘッド本体51が高さ方向全域に亘ってプラテンローラー35に密着するように適宜揺動する。これによって、ヘッド本体51を高さ方向全域でプラテンローラー35に密着させて押圧することができる。なお、連結ピン65の位置が、印刷ヘッド21の押圧中心となる。
付勢ばね43は、ヘッド支持軸41に巻装された圧縮コイルばねにより構成されており、一端がヘッドホルダー52の下側軸挿通片63(のばね当接部67)に当接し、他端がヘッド押圧部材42の下側軸受け片73に当接している。これにより、ヘッド押圧部材42に対し、ヘッドホルダー52を上方に付勢して、印刷ヘッド21をヘッド離間位置P2に付勢する。なお、付勢ばね43を、ヘッド支持軸41に巻装され、一端が上側軸挿通片62を係止する引張りばねで構成し、上方からヘッドホルダー52を引き上げるようにして、印刷ヘッド21をヘッド離間位置P2に付勢する構成であっても良い。
ヘッド移動部材44は、ヘッド支持軸41がスライド可能に挿通された円筒状の取付部81と、取付部81のプラテン駆動軸23側とは反対側から送り方向下流側に屈曲形成された、平面視略逆「L」字状のL字部84と、L字部84の送り方向上流側の側面から下方に延びる下垂部85とで構成されている。取付部81の下側(カートリッジ装着部10の底面27e側)には、下側軸挿通片63に当接する一対の押圧突起(押圧部)82が突設形成されている。また、下垂部85の下端には、プラテン駆動軸23とは反対側に、係合部83が突設されている。この係合部83が、上記した露出開口部27dからカートリッジ装着部10内に露出している。ヘッド移動部材44は、取付部81により、ヘッド支持軸41に回動自在且つ上下動自在に支持されている。
また、係合部83は、カートリッジ装着部10の底面27eに対する高さが、スペーサー27a、27b、27cより低くなっており、装着された第1テープカートリッジC1および第2テープカートリッジC2のうち第1テープカートリッジC1のみ、その下面39が係合するようになっている。これにより、第1テープカートリッジC1が装着された場合のみ、ヘッド移動部材44が作動するように構成されている。
一方、各押圧突起82は、取付部81から下方に半円板状に突出して形成されており、下側軸挿通片63の突起当接部66に当接している。突起当接部66のリング形状により、ヘッドホルダー52の回動位置にかかわらず、各押圧突起82が常に突起当接部66に当接するようになっている。そして、装着された第1テープカートリッジC1から係合部83が押圧力を受けた際に、当該押圧力を利用して、付勢ばね43に抗してヘッドホルダー52を下方に移動し、印刷ヘッド21をヘッド近接位置P1に移動させる。
ここで図8を参照して、第1テープカートリッジC1および第2テープカートリッジC2を装着した際の印刷ヘッド21の挙動について説明する。図8(a)に示すように、カートリッジ装着部10に第1テープカートリッジC1が装着されると、第1テープカートリッジC1の下面39が、ヘッド移動部材44の係合部83に係合し、ヘッド移動部材44を押圧する。その結果、ヘッド移動部材44を介して、ヘッドホルダー52が下方に押圧され、印刷ヘッド21がヘッド近接位置P1に移動する。このとき、連結ピン65はヘッド押圧部材42に固定されているので、連結ピン65の位置、すなわち印刷ヘッド21の押圧中心は変わらない。また、印刷テープTおよびプラテンローラー35の位置も変わらないので、印刷ヘッド21の押圧中心に対し、印刷テープTおよびプラテンローラー35の中心位置を合致させた状態のまま、印刷ヘッド21が移動される。
一方、図8(b)に示すように、カートリッジ装着部10に第2テープカートリッジC2が装着されると、第2テープカートリッジC2の下面39が、ヘッド移動部材44の係合部83と係合しない。このため、係合部83に第2テープカートリッジC2から受ける押圧力が生じることなく、印刷ヘッド21は、付勢ばね43に付勢され、ヘッド離間位置P2に位置したままとなる。これらのように、ヘッド移動部材44により、第1テープカートリッジC1が装着された場合にヘッド近接位置P1に位置し、第2テープカートリッジC2が装着された場合にヘッド離間位置P2に位置するように、印刷ヘッド21を移動させる。
以上のような構成によれば、カートリッジ装着部10の底面27eに近接して装着された第1テープカートリッジC1については、印刷ヘッド21をヘッド近接位置P1に位置させ、カートリッジ装着部10の底面27eから離間して装着された第2テープカートリッジC2については、印刷ヘッド21をヘッド離間位置P2に位置させることができる。したがって、テープカートリッジCの形状の違いによる、テープカートリッジCの下面39と印刷ヘッド21との位置関係の変動を抑えることができる。ゆえに、テープカートリッジCの下面39と印刷ヘッド21との位置関係の変動に起因する、テープカートリッジCと印刷ヘッド21との干渉などの悪影響が生じることを防止することができる。
また、ヘッド移動部材44が、ヘッド支持軸41に挿通された下側軸挿通片63を押圧して、印刷ヘッド21を押圧移動させる構成とすることで、押圧移動時に、ヘッド支持軸41に対して印刷ヘッド21が傾くことがない。これにより、印刷ヘッド21をより一層安定して移動させることができる。また、ヘッド支持軸41を、ヘッド移動部材44の支持軸として利用することで、部品点数を削減することができる。
さらに、付勢ばね43が、ヘッド支持軸41に巻装され、ヘッド支持軸41廻りで、印刷ヘッド21を付勢する構成とすることで、付勢による移動時にも、ヘッド支持軸41に対して印刷ヘッド21が傾くことがなく、印刷ヘッド21をより一層安定して移動させることができる。
また、連結ピン65が、ヘッド押圧部材42に固定され、且つヘッドホルダー52の長孔に挿通されていることにより、印刷ヘッド21の移動に伴い、連結ピン65が移動することがない。よって、ヘッド押圧部材42による印刷ヘッド21の押圧中心が変わらず、常に安定して印刷ヘッド21を押圧することができる。
さらに、収容した印刷テープTの中央位置が、印刷ヘッド21の押圧中心と合致するように、複数種のテープカートリッジCを装着することで、印刷テープTの幅方向全域において、印刷ヘッド21を均一に押圧することができる。よって、サーマルヘッドによる印刷処理を好適に行うことができる。
なお、本実施形態においては、印刷ヘッド21のデフォルトの位置をヘッド離間位置P2とし、第1テープカートリッジC1が装着された場合に、ヘッド移動部材44により、印刷ヘッド21を、ヘッド離間位置P2からヘッド近接位置P1に移動させる構成であったが、印刷ヘッド21のデフォルトの位置をヘッド近接位置P1とし、第2テープカートリッジC2が装着された場合に、ヘッド移動部材44により、印刷ヘッド21を、ヘッド近接位置P1からヘッド離間位置P2に移動させる構成であっても良い。
また、本実施形態においては、形状が異なる2種類のテープカートリッジCを、異なる高さ位置に装着可能とし、テープカートリッジCの装着位置に合わせて、印刷ヘッド21を、ヘッド近接位置P1とヘッド離間位置P2との間で移動させる構成であったが、テープカートリッジCの種類、テープカートリッジCの装着位置および印刷ヘッド21の移動位置は、2つに限定されるものではない。すなわち、これらが3つ以上あっても良い。例えば、3種類のテープカートリッジCを、異なる高さ位置に装着可能とする構成において、各テープカートリッジCの装着位置に合わせて、印刷ヘッド21を、3段階の高さ位置の間で移動させる構成であっても良い。
1:テープ印刷装置、 10:カートリッジ装着部、 21:印刷ヘッド、 27e:底面、 35:プラテンローラー、 39:下面、 41:ヘッド支持軸、 42:ヘッド押圧部材、 43:付勢ばね、 44:ヘッド移動部材、 51:ヘッド本体、 52:ヘッドホルダー、 63:下側軸挿通片、 65:連結ピン、 81:取付部、 82:押圧突起、 83:係合部、 C:テープカートリッジ、 C1:第1テープカートリッジ、 C2:第2テープカートリッジ、 P1:ヘッド近接位置、 P2:ヘッド離間位置、 T:印刷テープ

Claims (6)

  1. 形状が異なる第1テープカートリッジおよび第2テープカートリッジを含む複数種のテープカートリッジが選択的に装着可能なテープ印刷装置であって、
    前記テープカートリッジの装着方向先端側のカートリッジ先端面と対向する装着基準面を有し、前記第1テープカートリッジは、第1の装着位置で装着されると共に、前記第2テープカートリッジは、前記第1の装着位置より前記カートリッジ先端面が前記装着基準面に対して離間した第2の装着位置で装着されるカートリッジ装着部と、
    第1のヘッド位置と、前記第1のヘッド位置より前記装着基準面に対して離間した第2のヘッド位置との間で離接可能に構成された印刷ヘッドと、
    前記第1テープカートリッジが装着された場合に前記第1のヘッド位置に位置し、前記第2テープカートリッジが装着された場合に前記第2のヘッド位置に位置するように、前記印刷ヘッドを移動させるヘッド移動部と、を備えたことを特徴とするテープ印刷装置。
  2. 前記印刷ヘッドを、前記第2のヘッド位置に向けて付勢する付勢部材を、さらに備え、
    前記ヘッド移動部は、前記第1テープカートリッジおよび前記第2テープカートリッジのうち前記第1テープカートリッジが装着された場合に、前記カートリッジ先端面が係合するように、前記装着基準面から突出した係合部を有し、装着された前記第1テープカートリッジから前記係合部に受ける押圧力を利用して、前記印刷ヘッドを、前記付勢部材に抗して、前記第2のヘッド位置から前記第1のヘッド位置に移動させることを特徴とする請求項1に記載のテープ印刷装置。
  3. 前記印刷ヘッドは、ヘッド本体と、前記ヘッド本体を保持するヘッドホルダーと、を有し、
    前記ヘッドホルダーを前記装着基準面に対し離接可能に支持するヘッド支持軸を、さらに備え、
    前記ヘッドホルダーには、前記ヘッド支持軸が挿通した軸挿通片が形成されており、
    前記ヘッド移動部は、前記ヘッド支持軸がスライド可能に挿通した取付部と、
    前記取付部の前記装着基準面側に形成され、前記係合部が前記押圧力を受けた際に前記軸挿通片を押圧する押圧部と、をさらに有することを特徴とする請求項2に記載のテープ印刷装置。
  4. 前記付勢部材は、前記ヘッド支持軸に巻装されたコイルばねで構成されていることを特徴とする請求項3に記載のテープ印刷装置。
  5. 前記印刷ヘッドを、プラテンに対し押圧するヘッド押圧部材と、
    前記ヘッド押圧部材に固定されると共に、前記ヘッドホルダーに形成した、前記印刷ヘッドの離接方向に延在する長孔に挿通して、前記印刷ヘッドと前記ヘッド押圧部材とを連結する連結ピンと、をさらに備えたことを特徴とする請求項3または4に記載のテープ印刷装置。
  6. 前記印刷ヘッドは、印刷テープの幅方向に列設した複数の発熱素子を有すると共に、プラテンに対し押圧され、
    前記カートリッジ装着部には、前記装着基準面に対する離接方向において、収容した前記印刷テープの中央位置が、前記印刷ヘッドの押圧中心と合致する位置に、前記複数種のテープカットリッジが装着されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のテープ印刷装置。
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