JP2014138906A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本体部10と、一対の止着部20、20と、被止着部30と、を備える紙おむつ1において、止着部20は、一端部が背側部12に接合されたベース基材21と、ベース基材21の一端部から他端部に亘って延在して紙おむつ1の幅方向に伸縮し、伸縮方向に直交する直交方向に複数配置された弾性部材22と、弾性部材22が設けられた弾性領域21Aよりも当該吸収性物品1の幅方向自由端側のベース基材21に固着されるファスニング部材23と、を備え、弾性領域21Aには、直交方向の全域に亘って弾性部材22が配置され、弾性部材22は、直交方向の中央部において切断されていることで、直交方向の両端部が、直交方向の中央部に比べて伸長しやすくなるように構成されている。
【選択図】図4
Description
この止着式の使い捨て紙おむつに用いる止着テープとして、着用者によりフィットさせ易くすることを目的とした、伸縮性を有する止着テープ(伸縮性止着テープ)が知られている。
従来、こうした伸縮性止着テープにおいては、着用時の基材の伸縮により止着テープのフック材の被止着部からの離脱が起こり易いという問題があった。
これに対して、例えば、特許文献1には、フック材の外れを防止するために、止着式の使い捨て紙おむつに用いる伸縮性止着テープにおいて、テープ基材を非伸縮領域と伸縮領域とから形成し、フック材を非伸縮領域上に配置すると共に、当該非伸縮領域を、フック材を付設した領域の末端から伸縮領域との境に向かって幅広となるように形成した構成について開示されている。
つまり、伸縮性止着テープのフック材を被止着部に止着させ、テープ基材を伸張させた際には、伸縮領域において、テープ基材の伸縮方向と直交する直交方向の端部より中央部の方が弾性部材に引張力が加わり易く、この引張力の偏りによってテープ基材に歪みが生じてフック材が捲れ上がり、フック材と衣類とが係合することでフック材が被係止部から離脱してしまい易いという問題があった。
人体の腹側に位置する腹側部と背側に位置する背側部とを有する本体部と、前記背側部の両側方に延出する一対の止着部と、前記腹側部の外面に設けられ、前記一対の止着部が着脱自在に止着される被止着部と、を備える吸収性物品において、
前記止着部は、
一端部が前記背側部に接合されたベース基材と、
前記ベース基材の前記一端部から他端部に亘って延在して当該吸収性物品の幅方向に伸縮し、伸縮方向に直交する直交方向に複数配置された弾性部材と、
前記弾性部材が設けられた弾性領域よりも当該吸収性物品の幅方向自由端側の前記ベース基材に固着されるファスニング部材と、を備え、
前記弾性領域には、前記直交方向の全域に亘って前記弾性部材が配置され、前記弾性部材は、前記直交方向の中央部において切断されていることで、前記直交方向の両端部が、前記直交方向の中央部に比べて伸長しやすくなるように構成されていることを特徴とする。
よって、ファスニング部材が捲れて離脱するのをより好適に防止することができる。
本実施形態における吸収性物品として使い捨て紙おむつ(以下、紙おむつという。)1を例示して説明する。
具体的には、本体部10の一方の端部が人体の腹側に位置する腹側部11を形成し、他方の端部が人体の背側に位置する背側部12を形成し、腹側部11と背側部12との間が人体の股下に位置する股下部13を形成する。
また、腹側部11において股下部13よりも両外側に延出した腹側延出部111、111と、背側部12において股下部13よりも両外側に延出した背側延出部121、121と、は、紙おむつ1が装着された際に胴周り部14を形成する。この際、背側部12の胴周り方向に沿った縁部中央には、糸ゴム等の弾性部材141が幅方向(X方向)に沿って設けられ、この弾性部材141により平面ギャザーが形成され、本体部10は、着用者の胴周りにフィットするように伸縮自在な構成となっている。
また、股下部13の両縁部は、腹側部11から背側部12に亘って、装着時に人体の脚周りを囲む脚周り部15、15を形成する。この脚周り部15、15には、その湾曲形状に合わせて糸ゴム等の弾性部材151がそれぞれ設けられ、この弾性部材151により平面ギャザーが形成され、着用者の脚周りに伸縮自在にフィットし、横漏れを防止するようになっている。
透液性シートとしては、例えば、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート等の糸を平織り等したネット状のシート素材、多数の透孔を形成したフィルムシート材、ポリエチレンやポリプロピレン等のフィルムシート材、透液性を有する織布、不織布が適し、特に不織布が適する。不織布としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を繊維素材として、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって加工したものを用い得る。
不透液性シートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等の少なくとも遮水性を有するシート材であって、ムレ防止の観点から透湿性を有するシート材であることが好ましい。この遮水性と透湿性とを具備するシート材としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シート材が好適に用いられる。
またその他にも、不透液性を有するフィルム層と、通気性を有する不織布層からなるラミ不織布を用いても良い。ラミ不織布とは、例えばポリエチレンシート等に不織布を積層した、ラミネート不織布と呼ばれる不織布のことであり、不透液性と通気性を併せ持つ不織布である。
高吸水性樹脂としては、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸およびその塩類、アクリル酸塩重合体架橋物、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、ポリオキシエチレン架橋物、カルボキシメチルセルロース架橋物、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド等の水膨欄性ポリマーを部分架橋したもの、あるいはイソブチレンとマレイン酸との共重合体等が好適に用いられる。
吸収体10cは、単層構造であっても良いし、複数層に分かれた構造でも構わない。吸収体10cは、人体の腹側部11から両脚の間の股下部13を通り背側部12に亘る位置に装着されている。
このギャザーシート10d、10dの幅方向外側の部分は、吸収体10cの側方でトップシート10aの上面に固着されている。また、このギャザーシート10d、10dの幅方向内側の部分は、トップシート10aに固定されておらず、その長手方向に沿って複数の糸ゴムが略平行に備えられており、断面略く字状及び逆く字状に立ち上がって着用者の体型に合わせて伸縮自在に変形可能な立体ギャザーが形成されている。
ここで、紙おむつ1の幅方向(伸縮方向)をX方向とし、伸縮方向と直交する直交方向をY方向とする。
ベース基材21は、2枚の不織布によって糸ゴム等の弾性部材22…を狭持して形成される弾性領域21Aと、弾性領域21Aの一側端に接合される非弾性領域21Bと、から構成されている。
弾性領域21Aの基端部211は、背側延出部121に接合されており、非弾性領域21Bの自由端部212は、凸状に突出した形状に形成されている。
なお、基端部211は、トップシート10aやバックシート10bの内面または外面に貼り付けても良いし、トップシート10aとバックシート10bとの間に挟んで固定しても良い。
また、弾性領域21Aにおける不織布と弾性部材との貼り合わせは、ビード塗工が好ましい。また、均等にひだができ、見た目をきれいに形成できることから、ビードの間隔は3〜10mmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、弾性領域21AのY方向中央部には、弾性部材22・・・の配置されない非配置領域24が設けられており、この非配置領域24によって、止着部20がX方向に引っ張られた場合にY方向中央部にかかる力がY方向両端部に分散されるようになっている。
具体的に、不織布シートとしては、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿、絹、コットン等の天然繊維を繊維素材として、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって加工したものが挙げられる。
また、弾性部材22・・・は、合成でも天然でも適用可能であり、特に合成の場合、太さを600〜1300dtex、張力を200〜300%の範囲内の値とすることが好ましい。
また、止着部20は、平均的な止着時の力である2.2kgfで10〜30mm伸長することが好ましく、紙おむつ装着時の凡そ最大の力である5.0〜7.0kgfで100%伸長するのが好ましい。
被止着部30は、止着部20、20のファスニング部材23を係止するためのメス材の係止要素である係止層31を備えて構成される。
係止層31は、係止用不織布により構成されている。係止用不織布とは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなど、広く知られた汎用性の高い可塑性素材からなる単組成の素材若しくは複合組成の素材を用いることができる。なお、係止層31は、長繊維で構成されるスパンボンド不織布を用いるのが好ましい。これは、短繊維であるポイントボンド不織布やエアスルー不織布では繊維の長さが短いため抜けやすく、強度が不足するからであって、連続長繊維で構成され、カット面からのほつれが少なく、毛羽立ちによる繊維の脱落が少ないスパンボンド不織布が力学的性能や生産性といった点で優れるからである。
着用者は、紙おむつ1を装着する場合、紙おむつ1の腹側部11を腹側に、背側部12を背側に、股下部13を股下に当接させ、背側部12の背側延出部121、121に設けられた止着部20、20を腰回りに亘って引っ張り、腹側部11に設けられた被止着部30に係止させることによって紙おむつ1を装着する。
この際、止着部20の弾性領域21AのY方向中央部にかかる力がY方向両端部に分散されるため、止着部20を引っ張っても、Y方向中央部だけが伸びすぎて弾性領域21Aが歪むことがなく、弾性領域21AのY方向の両端部が反り返るのが防止される。
このように構成した場合、Y方向中央部に弾性部材22…の密度が低い領域が形成されることとなり、止着時において弾性領域21AのY方向中央部にかかる力がY方向両端部に分散される。このため、弾性領域21Aは、Y方向両端部が、Y方向中央部に比べて伸長しやすくなり、止着部20の伸長時に弾性領域21AのY方向の両端部が反り返るのを防止することができる。よって、ファスニング部材が捲れて離脱するのを防止することができる。
なお、弾性部材22…の配置間隔をY方向において変化させる構成とするには、製造過程において、一定速度で流れるベース基材21に対して、時間間隔を変化させて弾性部材22…を繰り出して固着させることで実現可能である。
このように構成した場合、Y方向中央部に弾性部材22…が切断された領域(切断部)が形成されることとなり、止着時において弾性領域21AのY方向中央部にかかる力がY方向両端部に分散される。このため、弾性領域21Aは、Y方向両端部が、Y方向中央部に比べて伸長しやすくなり、止着部20の伸長時に弾性領域21AのY方向の両端部が反り返るのを防止することができる。よって、ファスニング部材が捲れて離脱するのを防止することができる。
なお、弾性部材22…をY方向中央部において切断する構成とするには、不織布に弾性部材22…を貼着させた後、この弾性部材22…を伸長させた状態で切断を行うのが好ましい。弾性部材22…が収縮した状態で切断を行った場合、切断位置がずれる恐れがあるためである。
次に、本発明の第2実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
よって、ファスニング部材が捲れて離脱するのを防止することができる。
なお、弾性部材22…の太さをY方向中央部からY方向の両端部にいくにつれて細くする構成とするには、製造過程において、太さや張力の異なる複数種類の弾性部材を繰り出すことで実現可能である。
次に、本発明の第3実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
この弾性領域26AのY方向の両端部において、不織布に複数の切れ目27が設けられている。
このため、止着部50が均等に引き伸ばされ、止着部50の伸長時に弾性領域26AのY方向の両端部が反り返るのを防止することができる。よって、ファスニング部材が捲れて離脱するのを防止することができる。
なお、切れ目27を設けるには、2枚の不織布に弾性部材22…を狭持して張り合わせることで弾性領域26Aを形成した後、この弾性領域26Aを伸長させた状態で切れ目27を入れるが好ましい。弾性領域26Aの収縮時に切断を行った場合、切断位置がずれる恐れがあるためである。
このように構成することで、弾性領域26Aを、Y方向の両端部にいくにつれてより伸びやすくすることができる。
次に、本発明の第4実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
このため、止着部60のY方向中央部(嵩高領域S)にこしが出て、Y方向両端部が、Y方向中央部に比べて伸長しやすくなり、止着部60が均等に引き伸ばされ、Y方向両端部が反り返るのを防止することができる。よって、ファスニング部材が捲れて離脱するのを防止することができる。
また、上記実施形態においては、2枚重ねの構成について説明したが、2枚以上重ねた多層構造とすることも可能である。
具体的には、例えば図8(b)に示すように、止着部20の不織布に、クロス止めの際に力の加わる向きと場所に合わせて長さを設定した切れ目29を設け、力の加わりにくい部分が、力の加わり易い部分より伸長しやすくなるように構成すれば良い。このように構成することにより、止着部20に斜め方向に向かって力が加わった際にも弾性領域21Aが歪むことがなく、止着部が反り返るのを防止することができる。
10 本体部
11 腹側部
12 背側部
13 股下部
20、40、50 止着部
21、25、27 ベース基材
21A、25A、27A 弾性領域
21B 非弾性領域
211 基端部
212 自由端部
26 切れ目
27a 第1の不織布
27b 第2の不織布
S 嵩高領域
22 弾性部材
23 ファスニング部材
24 非配置領域
30 被止着部
Claims (1)
- 人体の腹側に位置する腹側部と背側に位置する背側部とを有する本体部と、前記背側部の両側方に延出する一対の止着部と、前記腹側部の外面に設けられ、前記一対の止着部が着脱自在に止着される被止着部と、を備える吸収性物品において、
前記止着部は、
一端部が前記背側部に接合されたベース基材と、
前記ベース基材の前記一端部から他端部に亘って延在して当該吸収性物品の幅方向に伸縮し、伸縮方向に直交する直交方向に複数配置された弾性部材と、
前記弾性部材が設けられた弾性領域よりも当該吸収性物品の幅方向自由端側の前記ベース基材に固着されるファスニング部材と、を備え、
前記弾性領域には、前記直交方向の全域に亘って前記弾性部材が配置され、前記弾性部材は、前記直交方向の中央部において切断されていることで、前記直交方向の両端部が、前記直交方向の中央部に比べて伸長しやすくなるように構成されていることを特徴とする吸収性物品。
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