JP2014136773A - マスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物及び成形用樹脂組成物 - Google Patents

マスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物及び成形用樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶化効果を維持しながら、種々の成形方法及び用途に適した成形用樹脂組成物を効率的に製造可能とする手段を提供すること。
【解決手段】脂肪族ポリエステル樹脂とペンタエリスリトールを含有し、脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対してペンタエリスリトールが15重量部〜400重量部であることを特徴とするマスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物である。また、前記マスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物に熱可塑性樹脂を混合してなる成形用樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、加工性および機械物性の安定性が改良された成形用樹脂組成物の製造に適した、マスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物、及び、該組成物を用いてなる成形用樹脂組成物を提供する。
近年、プラスチック廃棄物が、生態系への影響、燃焼時の有害ガス発生、大量の燃焼熱量による地球温暖化等、地球環境への大きな負荷を与える原因となっている問題を解決できるものとして、生分解性プラスチックの開発が盛んになっている。
中でも植物由来の生分解性プラスチックを燃焼させた際に出る二酸化炭素は、もともと空気中にあったもので、大気中の二酸化炭素は増加しない。このことをカーボンニュートラルと称し、二酸化炭素削減目標値を課した京都議定書の下、重要視され、積極的な使用が望まれている。
最近、生分解性およびカーボンニュートラルの観点から、植物由来のプラスチックとして脂肪族ポリエステル樹脂が注目されており、特にポリヒドロキシアルカノエート(以下、PHAと称する場合がある)樹脂、さらにはPHA樹脂の中でもポリ(3−ヒドロキシブチレート)単独重合樹脂(以下、P3HBと称する場合がある)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレレート)共重合樹脂(以下、P3HB3HVと称する場合がある)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合樹脂(以下、P3HB3HHと称する場合がある)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−4−ヒドロキシブチレート)共重合樹脂(以下、P3HB4HBと称する場合がある)およびポリ乳酸(以下、PLAと称する場合がある)等が注目されている。
しかしながら、前記PHA樹脂等の脂肪族ポリエステル樹脂は、結晶化速度が遅いことが知られており、そのため、成形加工に際し、加熱溶融後、固化のための冷却時間を長くする必要があり、成形加工性及び生産性が悪い、という問題点がある。
このため、従来から、PHA樹脂の結晶化を改善する目的で、結晶化核剤として、窒化ホウ素、酸化チタン、タルク、糖アルコール、ポリビニルアルコール、キチン、キトサン、などの添加剤の配合が提案されてきた(例えば特許文献1を参照)。
国際公開第2008/099586号
しかしながら、PHA樹脂に対する結晶化核剤として実質的に効果の高いものは未だ見出されていないのが現状である。
このような現状に対し、本発明者らは、ペンタエリスリトールがPHA樹脂に対する結晶化効果が格段に高いことを見出した。
ところが、PHA樹脂にペンタエリスリトールを添加して製造する成形品は、その用途によって、射出成形、ブロー成形、シート成形など様々な成形方法により製造され、その成形方法に応じて、ペンタエリスリトールの適正な配合比率が異なる。しかし、予めペンタエリスリトールの配合比率を適性に調整した成形用の樹脂ペレットを用意するとなると、成形品の種類に対応した多種類の樹脂ペレットを製造、保管する必要が生じ、生産を効率化できないという問題があった。
本発明は、以上の現状に鑑み、ペンタエリスリトールによる結晶化効果を維持しながら、種々の成形方法及び用途に適した成形用樹脂組成物を効率的に製造可能とする手段を提供することを課題とする。
本発明者らは、ペンタエリスリトールを含まない熱可塑性樹脂(いわゆるナチュラル樹脂)に対して、PHA樹脂等の脂肪族ポリエステル樹脂と高濃度のペンタエリスリトールを含有するマスターバッチ用樹脂組成物を混合して、ペンタエリスリトールを適性比率まで希釈することで、簡便に、所定の配合比率のペンタエリスリトールを含む成形用樹脂組成物を得ることにより前記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、脂肪族ポリエステル樹脂とペンタエリスリトールを含有し、脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対してペンタエリスリトールが15重量部〜400重量部であることを特徴とするマスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物である。
本発明において、脂肪族ポリエステル樹脂はポリヒドロキシアルカノエートであることが好ましく、ポリ3−ヒドロキシ酪酸、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−co−3−ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−co−3−ヒドロキシ吉草酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−co−4−ヒドロキシ酪酸)、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、およびポリエチレンサクシネートからなる群より選択される1種以上であることがより好ましい。
また本発明は、前記マスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物に熱可塑性樹脂を混合してなる成形用樹脂組成物でもある。ここで、前記熱可塑性樹脂は、芳香族ポリエステルおよび脂肪族ポリエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ポリヒドロキシアルカノエートであることがより好ましい。
さらに本発明は、前記マスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物を製造する方法であって、脂肪族ポリエステル樹脂とペンタエリスリトールを含む混合物を溶融混練法により均一に混合する工程を含む、マスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物の製造方法でもある。
さらにまた本発明は、前記成形用樹脂組成物を製造する方法であって、脂肪族ポリエステル樹脂100重量部とペンタエリスリトール15〜400重量部とを含むマスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物と熱可塑性樹脂とを混合する工程を含む、成形用樹脂組成物の製造方法でもある。
また、本発明は、前記成形用樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体でもある。
本発明によると、PHA樹脂等の脂肪族ポリエステル樹脂と高濃度のペンタエリスリトールとを含有するマスターバッチ用樹脂組成物を、熱可塑性樹脂に混合する際、マスターバッチ用樹脂組成物と熱可塑性樹脂との混合比率を適宜調整することで、簡便に、所定の配合比率のペンタエリスリトールを含む成形用樹脂組成物を得ることができる。このため、予めペンタエリスリトールの配合比率を種々変更した成形用樹脂組成物を予め準備しておく必要がない。
しかも、成形用樹脂組成物を製造する際に必ずしも溶融混練を行う必要がないため、作業性に優れており、ペンタエリスリトールの濃度を適切に調整した成形用の樹脂ペレットを効率的に得ることができる。
この手法によると、たとえ成形用樹脂組成物で必要なペンタエリスリトール濃度が低濃度であっても、ペンタエリスリトールを樹脂中に均一に分散することができ、結果、ペンタエリスリトール添加による成形加工性の改善効果、及び、成形品の機械物性の経時変化の抑制効果を効率的に達成することが可能となる。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明のマスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、脂肪族ポリエステル樹脂とペンタエリスリトールとを含有する。発明の樹脂組成物においては、脂肪族ポリエステル樹脂とペンタエリスリトールとが均一に混合されている。均一に混合の意味については後述する。
脂肪族ポリエステル樹脂としては、PHA、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリ乳酸等が挙げられる。好ましくはPHAである。
本発明で用いるPHAは、式(1):[−CHR−CH−CO−O−](式中、RはC2n+1で表されるアルキル基で、nは1以上15以下の整数である。)で示される繰り返し単位を含む脂肪族ポリエステルである。
PHAは、3−ヒドロキシブチレートが80モル%以上からなる重合樹脂であることが好ましく、より好ましくは85モル%以上からなる重合樹脂であり、微生物によって生産された物が好ましい。具体例としては、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)単独重合樹脂、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシプロピオネート)共重合樹脂、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレレート)共重合樹脂、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合樹脂、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘプタノエート)共重合樹脂、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシオクタノエート)共重合樹脂、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシノナノエート)共重合樹脂、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシデカノエート)共重合樹脂、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシウンデカノエート)共重合樹脂、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−4−ヒドロキシブチレート)共重合樹脂等が挙げられる。特に、成形加工性および成形体物性の観点から、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレレート)共重合樹脂、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)共重合樹脂、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−4−ヒドロキシブチレート)共重合樹脂が好適に使用し得る。
前記PHAにおいて、3−ヒドロキシブチレート(以下、3HBと称する場合がある)と、これと共重合しているコモノマー(例えば、3−ヒドロキシバレレート(以下、3HVと称する場合がある)、3−ヒドロキシヘキサノエート(以下、3HHと称する場合がある)、4−ヒドロキシブチレート(以下、4HBと称する場合がある))との構成比、即ち共重合樹脂中のモノマー比率としては、成形加工性および成形体品質等の観点から、3−ヒドロキシブチレート/コモノマー=97/3〜80/20(モル%/モル%)であることが好ましく、95/5〜85/15(モル%/モル%)であることがより好ましい。コモノマー比率が3モル%未満であると、成形加工温度と熱分解温度が近接するため成形加工し難い場合がある。コモノマー比率が20モル%を超えると、PHAの結晶化が遅くなるため生産性が悪化する場合がある。
前記PHAの共重合樹脂中の各モノマー比率は、以下のようにガスクロマトグラフィーによって測定できる。乾燥PHA約20mgに、2mlの硫酸/メタノール混液(15/85(重量比))と2mlのクロロホルムを添加して密栓し、100℃で140分間加熱して、PHA分解物のメチルエステルを得る。冷却後、これに1.5gの炭酸水素ナトリウムを少しずつ加えて中和し、炭酸ガスの発生が止まるまで放置する。4mlのジイソプロピルエーテルを添加してよく混合した後、上清中のPHA分解物のモノマーユニット組成をキャピラリーガスクロマトグラフィーにより分析することにより、共重合樹脂中の各モノマー比率を求められる。
前記ガスクロマトグラフとしては、島津製作所社製「GC−17A」を用い、キャピラリーカラムにはGLサイエンス社製「NEUTRA BOND−1」(カラム長:25m、カラム内径:0.25mm、液膜厚:0.4μm)を用いる。キャリアガスとしてHeを用い、カラム入口圧を100kPaとし、サンプルは1μl注入する。温度条件は、8℃/分の速度で初発温度100℃から200℃まで昇温し、さらに200〜290℃まで30℃/分の速度で昇温する。
本発明のPHAの重量平均分子量(以下、Mwと称する場合がある)は、20万〜250万が好ましく、25万〜200万がより好ましく、30万〜100万がさらに好ましい。重量平均分子量が20万未満では、機械物性等が劣る場合があり、250万を超えると、成形加工が困難となる場合がある。
前記重量平均分子量の測定方法は、ゲル浸透クロマトグラフィー(昭和電工社製「Shodex GPC−101」)を用い、カラムにポリスチレンゲル(昭和電工社製「Shodex K−804」)を用い、クロロホルムを移動相とし、ポリスチレン換算した場合の分子量として求めることができる。この際、検量線は重量平均分子量31400、197000、668000、1920000のポリスチレンを使用して作成する。
なお、前記PHAは、例えば、Alcaligenes eutrophusにAeromonas caviae由来のPHA合成酵素遺伝子を導入したAlcaligenes eutrophus AC32株(ブダペスト条約に基づく国際寄託、国際寄託当局:独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)、原寄託日:平成8年8月12日、平成9年8月7日に移管、寄託番号FERM BP−6038(原寄託FERM P−15786より移管))(J.Bacteriol.,179,4821(1997))等の微生物によって産生される。
本発明のマスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、脂肪族ポリエステル樹脂及び後述する熱可塑性樹脂の結晶化核剤として、ペンタエリスリトールを含有する。
ペンタエリスリトールとは、下記式(2)
Figure 2014136773
(2)
で示される化合物である。多価アルコール類の一種であり、融点260.5℃の白色結晶の有機化合物である。ペンタエリスリトールは糖アルコールに分類されるが、天然物由来ではなく、アセトアルデヒドとホルムアルデヒドを塩基性環境下で縮合して合成することができる。
本発明で用いられるペンタエリスリトールとしては特に制限されず、一般に入手可能なもの、例えば、試薬品あるいは工業品を使用し得る。試薬品としては、和光純薬工業株式会社、シグマ・アルドリッチ社、東京化成工業株式会社やメルク社などが挙げられ、工業品であれば、広栄化学工業株式会社品(商品名:ペンタリット)や東洋ケミカルズ株式会社品などを挙げることができるが、これらに限定されない。
一般に入手できる試薬品や工業品の中には不純物として、ペンタエリスリトールが脱水縮合して生成するジペンタエリスリトールやトリペンタエリスリトールなどのオリゴマーが含まれているものがある。上記オリゴマーは脂肪族ポリエステル樹脂の結晶化には効果を有しないが、ペンタエリスリトールによる結晶化効果を阻害しない。従って、本発明で使用するペンタエリスリトールには、オリゴマーが含まれていてもよい。
本発明のマスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物におけるペンタエリスリトールの配合量の下限値は、脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対して、15重量部であり、好ましくは20重量部であり、更に好ましくは25重量部である。配合量が15重量部未満であると、後に熱可塑性樹脂と混合して成形用樹脂組成物を構成する際の希釈倍率が低下するため、マスターバッチを用いる実質的な効果がなくなる場合がある。また、ペンタエリスリトールの量が多すぎると、ペンタエリスリトールの分散性が損なわれ結晶化効果が損なわれる場合がある。そのため、ペンタエリスリトールの配合量の上限値は、脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対して、400重量部であり、好ましくは300重量部であり、更に好ましくは200重量部である。
<マスターバッチの調製方法>
本発明のマスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物は、脂肪族ポリエステル樹脂の融点以上にまで加熱し、脂肪族ポリエステル樹脂とペンタエリスリトールを均一に混合できる装置により製造できる。ここで、均一に混合とは、混合物の表面を目視で確認し、粒子状の樹脂が観察されない状態をいう。混合物の均一性を高めるために、樹脂の加熱温度は高いほうが好ましく、例えば170℃以上で、樹脂の分解温度以下であることが好ましい。しかし、樹脂の加熱温度が170℃未満であっても脂肪族ポリエステル樹脂の融点以上であれば本発明のマスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物は製造可能である。
均一に混合できる装置としては、押出機、ロールミル、バンバリーミキサーなど公知の溶融混錬機を用いることができる。具体的には、脂肪族ポリエステル樹脂とペンタエリスリトールと、さらに必要であれば他の改質剤とを、溶融混錬機により溶融混練してペレット状にする方法などを利用できる。脂肪族ポリエステル樹脂とペンタエリスリトールは溶融混錬機に同時に添加してもよいし、あるいは、先に脂肪族ポリエステル樹脂を溶融させ、次いでペンタエリスリトールを添加して混練してもよい。
次に、本発明の成形用樹脂組成物について説明する。
本発明の成形用樹脂組成物は、上述したマスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物に対し、熱可塑性樹脂を混合することで製造されるものである。
本発明の成形用樹脂組成物で使用する熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、マスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物中の脂肪族ポリエステル樹脂との相溶性の観点から、ポリ(テトラメチレンスクシネート−co−テレフタレート)、ポリ(エチレンスクシネート−co−テレフタレート)、ポリ(テトラメチレンアジペート−co−テレフタレート)等の芳香族ポリエステルや、PHA、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリ乳酸等の脂肪族ポリエステルを好ましく使用できる。熱可塑性樹脂は、マスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物に含まれる脂肪族ポリエステル樹脂と同一であってもよい。また、両樹脂は異なるものであってもよい。本発明において、ペンタエリスリトールの効果が得られやすい点で、熱可塑性樹脂として、PHAを特に好ましく用いることでき、更にマスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物における脂肪族ポリエステル樹脂と成形用樹脂組成物における熱可塑性樹脂が共にPHAであることが特に好ましい。
熱可塑性樹脂と、マスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物との混合割合は特に限定されない。得られる成形用樹脂組成物に含まれるペンタエリスリトールの配合比率に応じて適宜決定すればよい。
成形用樹脂組成物におけるペンタエリスリトールの配合比率は、成形体の用途及び成形方法により異なる。しかし、ペンタエリスリトールの結晶核剤としての効果を得るためには、ペンタエリスリトールの下限値は、成形用樹脂組成物に含まれる樹脂の総量100重量部に対して、好ましくは0.05重量部であり、より好ましくは0.1重量部であり、更に好ましくは0.5重量部である。また、ペンタエリスリトールの量が多すぎると、溶融加工時の粘度が下がってしまい、加工し難くなる場合があるため、ペンタエリスリトールの上限値は、成形用樹脂組成物に含まれる樹脂の総量100重量部に対して、好ましくは12重量部であり、より好ましくは10重量部であり、更に好ましくは8重量部である。
次いで、マスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物を使用して、成形用樹脂組成物を製造する方法を説明する。
本発明のマスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物と、熱可塑性樹脂と、必要に応じて可塑剤、酸化防止剤、滑剤等の他の添加剤とを混合機で均一に混合し、ペレット化する。この際、混合機としては、溶融混練機を使用してもよいが、溶融混練機以外の混合機を用いることも可能である。次いで、得られたペレットを、射出成形や、Tダイが装着された押出機による押出成形、円形ダイが装着された押出機によるチューブラー成形、インフレーション成形によるフィルム成形等を行い、更に必要に応じて延伸することにより、本発明の成形体を得ることができる。
本発明の成形体は、農業、漁業、林業、園芸、医学、衛生品、食品産業、衣料、非衣料、包装、自動車、建材、その他の分野に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によりその技術的範囲を限定されるものではない。
・ポリヒドロキシアルカノエート原料A1:
培養生産にはKNK−005株(米国特許第7384766号明細書参照)を用いた。
種母培地の組成は1w/v% Meat−extract、1w/v% Bacto−Tryptone、0.2w/v% Yeast−extract、0.9w/v% NaHPO・12HO、0.15w/v% KHPO、(pH6.8)とした。
前培養培地の組成は1.1w/v% NaHPO・12HO、0.19w/v% KHPO、1.29w/v% (NHSO、0.1w/v% MgSO・7HO、0.5v/v% 微量金属塩溶液(0.1N塩酸に1.6w/v% FeCl・6HO、1w/v% CaCl・2HO、0.02w/v% CoCl・6HO、0.016w/v% CuSO・5HO、0.012w/v% NiCl・6HOを溶かしたもの)、とした。炭素源はパーム油を10g/Lの濃度で一括添加した。
PHA生産培地の組成は0.385w/v% NaHPO・12HO、0.067w/v% KHPO、0.291w/v% (NHSO、0.1w/v% MgSO・7HO、0.5v/v% 微量金属塩溶液(0.1N 塩酸に1.6w/v% FeCl・6HO、1w/v% CaCl・2HO、0.02w/v% CoCl・6HO、0.016w/v% CuSO・5HO、0.012w/v% NiCl・6HOを溶かしたもの)、0.05w/v% BIOSPUREX200K(消泡剤:コグニスジャパン社製)とした。
まず、KNK−005株のグリセロールストック(50μl)を種母培地(10ml)に接種して24時間培養し種母培養を行なった。次に種母培養液を1.8Lの前培養培地を入れた3Lジャーファーメンター(丸菱バイオエンジ製MDL−300型)に1.0v/v%接種した。運転条件は、培養温度33℃、攪拌速度500rpm、通気量1.8L/minとし、pHは6.7〜6.8の間でコントロールしながら28時間培養し、前培養を行なった。pHコントロールには14%水酸化アンモニウム水溶液を使用した。
次に、前培養液を6Lの生産培地を入れた10Lジャーファーメンター(丸菱バイオエンジ製MDS−1000型)に1.0v/v%接種した。運転条件は、培養温度28℃、攪拌速度400rpm、通気量6.0L/minとし、pHは6.7から6.8の間でコントロールした。pHコントロールには14%水酸化アンモニウム水溶液を使用した。炭素源としてパーム核オレイン油、を使用した。培養は64時間行い、培養終了後、遠心分離によって菌体を回収、メタノールで洗浄、凍結乾燥し、乾燥菌体の重量を測定した。
得られた乾燥菌体1gに100mlのクロロホルムを加え、室温で一昼夜攪拌して、菌体内のPHAを抽出した。菌体残渣をろ別後、エバポレーターで総容量が30mlになるまで濃縮後、90mlのヘキサンを徐々に加え、ゆっくり攪拌しながら、1時間放置した。析出したPHAをろ別後、50℃で3時間真空乾燥し、PHAを得た。得られたPHAの3HH組成分析は以下のようにガスクロマトグラフィーによって測定した。乾燥PHA20mgに2mlの硫酸−メタノール混液(15:85)と2mlのクロロホルムを添加して密栓し、100℃で140分間加熱して、PHA分解物のメチルエステルを得た。冷却後、これに1.5gの炭酸水素ナトリウムを少しずつ加えて中和し、炭酸ガスの発生がとまるまで放置した。4mlのジイソプロピルエーテルを添加してよく混合した後、遠心して、上清中のポリエステル分解物のモノマーユニット組成をキャピラリーガスクロマトグラフィーにより分析した。ガスクロマトグラフは島津製作所GC−17A、キャピラリーカラムはGLサイエンス社製NEUTRA BOND−1(カラム長25m、カラム内径0.25mm、液膜厚0.4μm)を用いた。キャリアガスとしてHeを用い、カラム入口圧100kPaとし、サンプルは1μlを注入した。温度条件は、初発温度100から200℃まで8℃/分の速度で昇温、さらに200から290℃まで30℃/分の速度で昇温した。上記条件にて分析した結果、化学式(1)に示すようなPHA、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシヘキサノエート)(P(3HB−co−3HH):PHBH)であった。3−ヒドロキシヘキサノエート(3HH)組成は5.6mol%であった。
培養後、培養液から国際公開第2010/067543号に記載の方法にてPHBHを得た。GPCで測定した重量平均分子量Mwは60万であった。
・ポリヒドロキシアルカノエート原料A2:シグマ・アルドリッチ社製のPHBVを用いた。
・ポリヒドロキシアルカノエート原料A3:SHENZHEN ECOMANN BIOTECHNOLOGIES社のP3HB4HB(グレード名:EM5400A)を用いた。
<実施例1〜3>
(マスターバッチ用樹脂組成物B1〜B3の製造)
同方向噛合型2軸押出機(日本製鋼社製:TEX30)を用い、設定温度150℃〜170℃、スクリュー回転数150rpmの条件で、100重量部のポリヒドロキシアルカノエート原料A1に対して表1に示す部数のペンタエリスリトール(和光純薬工業株式会社製、100μm以下の比率=23.9%)を溶融混錬により均一に混合し、ポリヒドロキシアルカノエート中にペンタエリスリトール微粒子を含有するマスターバッチを得た。溶融混錬時の樹脂温度は、2軸押出機のダイスから出てくる溶融した樹脂を直接K型熱電対で測定した。当該マスターバッチをダイスからストランド状に引き取り、ペレット状にカットし、80℃の除湿エアで4時間乾燥した。
(マスターバッチ用樹脂組成物中のペンタエリスリトールの粒径測定)
マスターバッチ用樹脂組成物中のペンタエリスリトールの粒径はペレットの表面を光学顕微鏡で200倍〜400倍で観察することで測定した。すなわち、得られた顕微鏡写真において、画像解析ソフト(三谷商事社製「Win Roof」)を用いて、100μm以下の粒径の数の比率を算出した。結果は表1に示した。
Figure 2014136773
<実施例4〜12>
(射出成形)
熱可塑性樹脂である100重量部のポリヒドロキシアルカノエート原料A1と、実施例1〜3で得られたマスターバッチ用樹脂組成物を、表2に示す配合割合で、ポリエチレン製の袋の中で室温にて混合した。混合物を射出成形機(東芝機械社製:IS−75E)のホッパーに投入し、成形機のシリンダー設定温度120〜150℃、金型の設定温度50℃で、D−638に準拠したダンベル状の試験片を成形した。成形時の金型温度は金型の表面をK型熱電対で接触測定した。
(離型時間)
成形加工性は離型時間で評価した。金型内に成形用樹脂組成物を射出した後、金型を開いて突き出しピンによって試験片を変形させることなく突き出し、金型から離型させることができるまでに要する時間を離型時間とした。離型時間が短いほど結晶化が早く、成形加工性が良好で改善されていることを示す。結果は表2に示した。
(機械物性の経時変化)
機械物性の経時変化は引張破断伸びで評価した。射出成形で得られたダンベル状試験片について、ASTM D−638に準拠して、23℃における引張測定を行い、破断伸度を測定した。測定は成形後168時間後、336時間後、720時間後、1440時間後に行った。破断伸度の値が変わらないほど安定で良好であることを示す。結果は表2に示した。
<比較例1〜3>
同方向噛合型2軸押出機(日本製鋼社製:TEX30)を用い、設定温度120℃〜140℃、スクリュー回転数100rpmの条件で、100重量部のポリヒドロキシアルカノエート原料A1に対して、ペンタエリスリトール(和光純薬工業株式会社製、100μm以下の比率=23.9%)を実施例4〜12と同じ比率で溶融混錬し、ダイスからストランド状に引き取り、ペレット状にカットし、80℃の除湿エアで4時間乾燥した。
実施例4と同様に射出成形時の離型時間とダンベル試験片の機械物性の経時変化を測定した。結果は表2に示した。
Figure 2014136773
表2から分かるように、高濃度のペンタエリスリトールを含むマスターバッチ用樹脂組成物を、熱可塑性樹脂と混合して射出成形のような2次加工を行うだけで、2次加工では溶融混練を実施していないにも関わらず、ペンタエリスリトール添加による効果を達成することができた。
<実施例13>
(マスターバッチの製造)
100重量部のポリヒドロキシアルカノエート原料A1に対して、67重量部のペンタエリスリトール(和光純薬工業株式会社製)を、同方向噛合型2軸押出機(日本製鋼社製:TEX30)を用いて、設定温度115〜130℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混錬して、ペンタエリスリトールを40%含有するマスターバッチ(B4)を得た。溶融混錬時の樹脂温度は、ダイスから出てくる溶融した樹脂を直接K型熱電対で測定した。当該マスターバッチをダイスからストランド状に引き取り、ペレット状にカットした。
Figure 2014136773
<実施例14〜17>
(ポリエステル樹脂組成物の製造)
得られたマスターバッチB4およびポリヒドロキシアルカノエート原料A1を表4に示す割合で、同方向噛合型2軸押出機(日本製鋼社製:TEX30)を用い、設定温度120℃〜140℃、スクリュー回転数150rpmの条件で溶融混錬し、ポリエステル樹脂組成物を得た。溶融混錬時の樹脂温度は、2軸押出機のダイスから出てくる溶融した樹脂を直接K型熱電対で測定した。当該ポリエステル樹脂組成物をダイスからストランド状に引き取り、ペレット状にカットし、80℃の除湿エアで4時間乾燥した。
(射出成形の加工性評価)
得られたポリエステル樹脂組成物を射出成形機(東芝機械社製:IS−75E)に投入し、成形機のシリンダー設定温度は120〜140℃、金型の設定温度は50℃で、ASTM D−638に準拠したダンベル状の試験片を成形した。金型温度は金型の表面をK型熱電対で接触測定した。
成形加工性は離型時間で評価した。金型内に樹脂を射出した後、金型を開いて突き出しピンによって試験片を変形させることなく突き出し、金型から離型させることができるまでに要する時間を離型時間とした。離型時間が短いほど結晶化が早く、成形加工性が良好で改善されていることを示す。結果は表4に示した。
(ブロー成形の加工性評価)
得られたポリエステル樹脂組成物はブロー成形機(日本製鋼所社製:JB102/スクリュー径Φ40mm/ダイス径Φ23mm)で円筒形ボトル(外径60mm(口部径25mm)、高さ170mm(口部20mm))を成形した。設定温度は、成形機シリンダーとダイス温度を120〜140℃、金型の設定温度を50℃とし、スクリュー回転数はパリソンの長さが170mm〜200mmになるようにおおよそ10〜15rpm程度で調整し、成形品胴体部分の厚みは0.8〜1.4mmになるように調整した。
成形加工性は離型時間で評価した。離型時間の測定は、パリソンに空気を吹き込む吹き込み時間と、出来上がった成形体から空気を逃がす排気時間の合計であり、ブロー成形体が変形せずに金型から離型できる時間を離型時間とした。離型時間が短い程、結晶化が早く、成形加工性が良好である事を示す。結果は表4に示した。
<比較例4〜7>
同方向噛合型2軸押出機(日本製鋼社製:TEX30)を用い、設定温度120℃〜140℃、スクリュー回転数100rpmの条件で、100重量部のポリヒドロキシアルカノエート原料A1に対して、ペンタエリスリトール(和光純薬工業株式会社製)を実施例14〜17と同じ比率になるように配合して溶融混錬し、ダイスからストランド状に引き取り、ペレット状にカットし、80℃の除湿エアで4時間乾燥した。
実施例14〜17と同様の方法で、射出成形の加工性およびブロー成形の加工性を測定した。結果は表4に示した。
Figure 2014136773
表4から判るように、本発明のように、ペンタエリスリトールを40%で含むマスターバッチと、ポリヒドロキシアルカノエート樹脂とを任意の割合で溶融混錬することによって得られるポリエステル樹脂組成物は、マスターバッチを用いずにペンタエリスリトール原粒とポリヒドロキシアルカノエートを直接溶融混錬して得られたポリエステル樹脂組成物と同じ成形加工性が得られた。
<実施例18〜19>
(マスターバッチの製造)
実施例13と同様の方法で、ペンタエリスリトールを20%含有するマスターバッチ(B5)およびペンタエリスリトールを60%含有するマスターバッチ(B6)を得た。
Figure 2014136773
<実施例20〜27>
得られたマスターバッチB5、B6およびポリヒドロキシアルカノエート原料A1を表6に示す割合で配合した以外は、実施例14と同様の方法で溶融混錬してポリエステル樹脂組成物を得、射出成形およびブロー成形の加工性を評価した。結果は表6に示した。
Figure 2014136773
表6から判るように、ペンタエリスリトールを20%で含むマスターバッチ、またはペンタエリスリトールを60%で含むマスターバッチと、ポリヒドロキシアルカノエート樹脂とを任意の割合で溶融混錬することによって、ペンタエリスリトールの加工性改善効果が得られることがわかった。
<実施例28>
(マスターバッチの製造)
ポリヒドロキシアルカノエート原料A1のかわりにポリヒドロキシアルカノエート原料A2を用いた以外は実施例13と同様の方法で、ペンタエリスリトールを40%含有するマスターバッチ(B7)を得た。
Figure 2014136773
<実施例29〜32>
得られたマスターバッチB7およびポリヒドロキシアルカノエート原料A2を表8に示す割合で配合した以外は、実施例14と同様の方法で溶融混錬してポリエステル樹脂組成物を得、射出成形の加工性を評価した。結果は表8に示した。
<比較例8〜11>
同方向噛合型2軸押出機(日本製鋼社製:TEX30)を用い、設定温度120℃〜140℃、スクリュー回転数100rpmの条件で、100重量部のポリヒドロキシアルカノエート原料A2に対して、ペンタエリスリトール(和光純薬工業株式会社製)を実施例29〜32と同じ比率になるように配合して溶融混錬し、ダイスからストランド状に引き取り、ペレット状にカットし、80℃の除湿エアで4時間乾燥した。
実施例29〜32と同様の方法で、射出成形の加工性を測定した。結果は表8に示した。
Figure 2014136773
表8から判るように、本発明のように、ペンタエリスリトールを40%で含むマスターバッチと、ポリヒドロキシアルカノエート樹脂とを任意の割合で溶融混錬することによって得られるポリエステル樹脂組成物は、マスターバッチを用いずにペンタエリスリトール原粒とポリヒドロキシアルカノエートを直接溶融混錬して得られたポリエステル樹脂組成物と同じ加工性が得られた。
<実施例33>
(マスターバッチの製造)
ポリヒドロキシアルカノエート原料A1のかわりにポリヒドロキシアルカノエート原料A3を用いた以外は実施例13と同様の方法で、ペンタエリスリトールを40%含有するマスターバッチ(B8)を得た。
Figure 2014136773
<実施例34〜37>
得られたマスターバッチB8およびポリヒドロキシアルカノエート原料A3を表10に示す割合で配合した以外は、実施例14と同様の方法で溶融混錬してポリエステル樹脂組成物を得、射出成形の加工性を評価した。結果は表10に示した。
<比較例12〜15>
同方向噛合型2軸押出機(日本製鋼社製:TEX30)を用い、設定温度120℃〜140℃、スクリュー回転数100rpmの条件で、100重量部のポリヒドロキシアルカノエート原料A3に対して、ペンタエリスリトール(和光純薬工業株式会社製)を実施例34〜37と同じ比率になるように配合して溶融混錬し、ダイスからストランド状に引き取り、ペレット状にカットし、80℃の除湿エアで4時間乾燥した。
実施例34〜37と同様の方法で、射出成形の加工性を測定した。結果は表10に示した。
Figure 2014136773
表10から判るように、本発明のように、ペンタエリスリトールを40%で含むマスターバッチと、ポリヒドロキシアルカノエート樹脂とを任意の割合で溶融混錬することによって得られるポリエステル樹脂組成物は、マスターバッチを用いずにペンタエリスリトール原粒とポリヒドロキシアルカノエートを直接溶融混錬して得られたポリエステル樹脂組成物と同じ加工性が得られた。

Claims (9)

  1. 脂肪族ポリエステル樹脂とペンタエリスリトールを含有し、脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対してペンタエリスリトールが15重量部〜400重量部であることを特徴とするマスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
  2. 脂肪族ポリエステル樹脂がポリヒドロキシアルカノエートである、請求項1に記載のマスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
  3. 脂肪族ポリエステル樹脂が、ポリ3−ヒドロキシ酪酸、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−co−3−ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−co−3−ヒドロキシ吉草酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−co−3−ヒドロキシヘキサン酸)、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−co−4−ヒドロキシ酪酸)、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、およびポリエチレンサクシネートからなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載のマスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のマスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物に熱可塑性樹脂を混合してなる成形用樹脂組成物。
  5. 前記熱可塑性樹脂が、芳香族ポリエステルおよび脂肪族ポリエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項4に記載の成形用樹脂組成物。
  6. 前記熱可塑性樹脂が、ポリヒドロキシアルカノエートである、請求項4または5に記載の成形用樹脂組成物。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載のマスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物を製造する方法であって、脂肪族ポリエステル樹脂とペンタエリスリトールを含む混合物を溶融混練法により均一に混合する工程を含む、マスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物の製造方法。
  8. 請求項4〜6のいずれかに記載の成形用樹脂組成物を製造する方法であって、脂肪族ポリエステル樹脂100重量部とペンタエリスリトール15〜400重量部とを含むマスターバッチ用脂肪族ポリエステル樹脂組成物と熱可塑性樹脂とを混合する工程を含む、成形用樹脂組成物の製造方法。
  9. 請求項4〜6のいずれかに記載の成形用樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体。



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