JP2014136764A - ガス化システム及びガス化炉の炉壁保護方法 - Google Patents

ガス化システム及びガス化炉の炉壁保護方法 Download PDF

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Abstract

【課題】炉内壁面に溶融スラグの保護膜を形成して高熱負荷から保護するガス化炉で適用可能な炭素質固体燃料の種類を拡大する。
【解決手段】ガス化システムは、微粉炭を酸化剤とともに炉内で反応させて可燃性ガスを生成するガス化炉10と、微粉炭をガス化炉10に投入する微粉炭供給装置FSと、ガス化炉10で生成した可燃性ガスに含まれるチャーを分離除去して回収するチャー分離・回収装置30と、ガス化炉10から排出される水砕後の排出スラグを回収して貯留するスラグ回収部40と、チャー分離・回収装置30に回収したチャーをガス化炉10へ供給するチャー供給流路50と、チャー分離・回収装置30で回収したチャーにスラグ回収部40から排出スラグを供給して混合させるスラグ供給流路60と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、微粉炭等の炭素質固体燃料をガス化するガス化システム及びガス化炉の炉壁保護方法に関する。
従来、微粉炭(石炭)等の炭素質固体燃料を酸化剤(空気、酸素富化空気、酸素、水蒸気など)により反応させることにより、炭素質固体燃料をガス化して可燃性ガスを生成するガス化システムが知られている。
図4は、炭素質固体燃料をガス化するガス化システムの一例として、微粉炭をガス化する石炭ガス化システムの従来例を示している。このガス化システムは、ガス化炉10と、熱交換部20と、チャー分離・回収装置30と、を具備して構成される。この場合のチャーは、ガス化炉10で生成された可燃性ガスに含まれている微粉炭の未反応分であり、ガス化されなかった微粉炭(未燃粒子)である。
ガス化炉10は、微粉炭を燃焼させて可燃性ガス(石炭ガス)を生成するもので、図示のガス化炉10は、ガス化室がコンバスタ11とリダクタ12とにより構成される2室2段構造となっている。このような2室2段構造のガス化炉10は、二段噴流床ガス化炉と呼ばれている。
コンバスタ11には、酸化剤と混合した微粉炭に加えて、チャー分離・回収設備30により回収したチャーがチャー供給ホッパ31から供給される。コンバスタ11では、微粉炭及びチャーの燃焼によりガス温度を石炭灰融点以上とし、ガス化反応を行わせるために必要な熱をリダクタ12に供給する。これと同時に、コンバスタ11では、リダクタ12内のガス化炉反応に必要となる二酸化炭素(CO)や水(HO)を発生させる。
また、リダクタ12にも石炭が投入され、コンバスタ11で発生した二酸化炭素や水を含有する高温燃焼ガスと混合して、高温の還元雰囲気場においてガス化反応(吸熱反応)が行われて、可燃性ガスを得ると同時にガス温度を低減する。
ガス化炉10で生成された可燃性ガスは、複数の熱交換器で構成される熱交換部20を通過した後、サイクロンやポーラスフィルタを備えているチャー分離・回収設備30に導かれる。このチャー分離・回収設備30は、可燃性ガスから未燃粒子のチャーを分離除去し、一方の可燃性ガスをガス精製設備へ供給するとともに、チャーを1または複数のチャー供給ホッパ31に回収する。こうしてチャー供給ホッパ31に回収されたチャーは、上述したように、微粉炭とともにコンバスタ11へ供給される。
また、微粉炭及びチャーの中に含まれる灰分(「スラグ」ともいう)は、コンバスタ11内部の燃焼熱により溶融する。溶融状態の灰分は、スラグホールを介してコンバスタより排出され、ガス化炉底部に水を張ったスラグホッパに流下することにより、水砕・固化する。固化したスラグはスラグ回収部40を構成するスラグロックホッパ41に集められた後、常圧のスラグ溜め42へ排出される。こうしてスラグ溜め42に排出されたスラグは、ガス化システム外へと搬送され、適切なスラグ処理が施される。
なお、ガス化システムにおいては、図中に破線表示した境界線イメージを境にして、スラグ溜め42は常圧の構成要素であり、このスラグ溜め42を除くガス化炉10、熱交換部20及びチャー分離・回収設備30等のシステム構成要素は、常圧より高い圧力に加圧された状態にある。
上述したガス化炉10のコンバスタ11は、高温となる炉内壁面の保護対策が必要となる。このような炉内壁面の保護対策としては、耐火材により炉壁を形成する構造や、コンバスタ11の炉内壁面に水冷壁を採用し、炉内壁面に溶融スラグの保護膜を形成する方式が知られている。
また、下記の特許文献1には、排出スラグに加えて他物質を混合し、これを燃料に混合して供給することで、灰粘度を低減する技術が開示されている。
米国特許第8142528号明細書
近年のガス化システムにおいては、経済性向上の観点から、石油コークスなど灰分の少ない炭素質固体燃料を用いた二段噴流床ガス化炉が求められている。このようなガス化炉10においては、燃料中灰分が少ない場合、コンバスタ11の水冷壁を保護するため灰分添加が必要となる。
従って、溶融スラグの保護膜を形成する方式のガス化炉10では、燃料として使用する微粉炭が低灰分燃料である場合、灰分の不足を補うために、灰分を添加した燃料をガス化することが行われている。ここで、灰分の少ない炭素質固体燃料(低灰分燃料)とは、灰分が3wt%未満の燃料のことであるが、灰分が5wt%未満の燃料においても略同様の問題が懸念される。
すなわち、ガス化炉10が二段噴流床ガス化炉とされ、コンバスタ11の炉内壁面に水冷壁を採用するとともに、炉内壁面に溶融スラグの保護膜を形成する方式の炉壁保護対策では、例えば石炭コークスなど灰分の少ない炭素質固体燃料の場合、燃料中の灰分が少ないことからコンバスタ11の水冷壁に付着する溶融スラグ量も少なくなる。この結果、水冷壁には十分な厚さの保護膜が形成されないので、高熱負荷にさらされる水冷壁の損傷が懸念される。
このため、従来のガス化システムでは、灰分の少ない炭素質固体燃料を単独でガス化するのは困難であり、相対的に灰分を多く含有する炭素質固体燃料と混焼する必要があるなど、燃料として適用可能な炭素質固体燃料の種類に制約を受けていた。
また、灰分の少ない炭素質固体燃料のガス化を可能にするためには、コンバスタ11の冷却性を向上させなければならず、複雑な冷却構造を取り入れる必要が生じるために、ガス化炉の新設や、既存のガス化炉からの改造が困難になるという問題を有している。
さらに、冷却構造を取り入れることにより、ガス化システム全体の熱効率が低下してしまうというデメリットもある。
なお、供給燃料中に灰分を添加する従来方式では、コンバスタ11とリダクタ12との何れかへの選択的な灰分添加は困難であり、溶融スラグを保護膜とする水冷壁保護が不要であるリダクタ12へ灰分が供給され、不要な温度低下(熱ロス)を生じる問題を有している。
このように、炉内壁面に水冷壁を採用し、溶融スラグにより水冷壁の壁面保護を行う二段噴流床ガス化炉のようなガス化炉においては、特に低灰分燃料使用時の溶融スラグによる壁面保護を確実に実施できるようにして、燃料として適用可能な炭素質固体燃料の種類を拡大することが望まれる。すなわち、低灰分燃料使用時における灰分確保の観点から、ガス化炉排出スラグを有効活用することで、例えば二段噴流床ガス化炉のコンバスタ部における高熱負荷から水冷壁を保護し、ガス化炉の運用性を向上させることが可能となるガス化システムの開発が望まれる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、炉内壁面に溶融スラグの保護膜を形成して高熱負荷から保護するガス化炉において、低灰分燃料使用時の保護膜形成に必要な灰分を確保することにより、燃料として適用可能な炭素質固体燃料の種類を拡大できるガス化システム及びガス化炉の炉壁保護方法を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係るガス化システムは、酸化剤とともに炉内で反応させて前記炭素質固体燃料から可燃性ガスを生成するガス化炉と、前記炭素質固体燃料を微粉状にして前記ガス化炉に投入する固体燃料供給部と、前記ガス化炉で生成した可燃性ガスに含まれる未燃粒子を分離除去して回収する未燃粒子分離回収部と、前記ガス化炉から排出される水砕後の排出スラグを回収して貯留するスラグ回収部と、前記未燃粒子分離回収部に回収した前記未燃粒子を前記ガス化炉へ供給する未燃粒子供給系と、前記未燃粒子分離回収部で回収した前記未燃粒子に前記スラグ回収部から前記排出スラグを供給して混合させるスラグ供給系と、を備えていることを特徴とするものである。
このようなガス化システムによれば、ガス化炉より可燃性ガスの生成とともに排出される排出スラグ(灰分)を回収し、可燃性ガスから分離除去された未燃粒子と排出スラグとの混合体をコンバスタへ直接供給して炭素質固体燃料とともに燃焼させることができるので、低灰分燃料を使用する際であっても、灰分不足を補って保護膜形成に必要な灰分を確保し、高熱負荷を受ける炉内壁面に対して十分な溶融スラグの保護膜を形成することが可能になる。
上記の発明において、前記ガス化炉は、前記炭素質固体燃料を反応させてガス温度を固体燃料融点以上の高温にするコンバスタと、該コンバスタからガス化反応に必要な熱の供給を受けてガス化反応を行わせるリダクタとを備えた二段噴流床ガス化炉とされ、前記未燃粒子供給系を前記コンバスタに接続することが好ましく、これにより、溶融スラグによる保護膜形成が必要となるコンバスタ側にのみ、回収したスラグを確実に供給して灰分不足を補うことが可能になる。
上記の発明において、前記スラグ供給系は、前記スラグ回収部の加圧ホッパから前記未燃粒子を回収する前記未燃粒子分離回収部の下流側に設けられた未燃粒子供給ホッパに前記排出スラグを供給し、前記未燃粒子供給ホッパ内で混合される前記未燃粒子及び前記排出スラグを前記コンバスタに供給することが好ましく、これにより、加圧状態にある系内で減圧による圧力調整をすれば、圧力差を解消して排出スラグを供給することができる。すなわち、スラグ供給用として、新たにポンプ等を設置する必要がない。
上記の発明において、前記スラグ供給系は、前記スラグ回収部の常圧容器から前記未燃粒子を回収する前記未燃粒子分離回収部の未燃粒子供給ホッパに前記排出スラグを圧送して供給し、前記未燃粒子供給ホッパ内で混合される前記未燃粒子及び前記排出スラグを前記コンバスタに供給することが好ましく、これにより、加圧された状態の未燃粒子供給ホッパに対し、粉体ポンプやロックホッパシステム等を用いて圧送することで排出スラグの供給が可能となる。なお、水砕されたスラグは、常圧(大気圧)の状態で貯留されている。
この場合、前記スラグ供給系は、前記未燃粒子供給ホッパの上流に、圧送されてきた前記排出スラグを貯留して前記未燃粒子供給ホッパへ供給するスラグ供給ホッパを備えていることが好ましく、これにより、スラグ供給ホッパに排出スラグを一時的に貯蔵することで、未燃粒子供給ホッパとの圧力差を解消して排出スラグを供給することが可能になる。
上記の発明において、前記未燃粒子分離回収部と当該未燃粒子分離回収部の下流側に設けられた未燃粒子供給ホッパとの間に前記未燃粒子を貯蔵する未燃粒子ビンを備え、前記スラグ系統系は、前記未燃粒子ビンに前記排出スラグを圧送して供給し、前記未燃粒子ビン内で混合される前記未燃粒子及び前記排出スラグが前記コンバスタに供給されるようにしてもよい。このようにすれば、未燃粒子分離回収部の未燃粒子供給ホッパではなく、未燃粒子分離回収部と未燃粒子供給ホッパとの間に設けられた未燃粒子ビン(チャービン)にいずれかの手段で排出スラグを供給することができる。未燃粒子供給ホッパが複数設けられている場合、1基の未燃粒子ビン(チャービン)から複数の未燃粒子供給ホッパへ未燃粒子(チャー)を分岐させるように未燃粒子ビン(チャービン)を配置する。よって、未燃粒子ビン(チャービン)は1基であることから排出スラグを1カ所のみで供給することが可能となる。これにより、設置する設備が簡略化できる。
本発明に係るガス化炉の炉壁保護方法は、コンバスタ及びリダクタを備えた二段噴流床ガス化炉のコンバスタ内壁面に溶融スラグの保護膜を形成して高熱負荷から保護するガス化炉の炉壁保護方法であって、前記ガス化炉より可燃性ガスの生成とともに排出される排出スラグを回収し、前記可燃性ガスから分離除去された未燃粒子と前記排出スラグとの混合体を前記コンバスタへ直接供給して炭素質固体燃料とともに反応させることを特徴とするものである。
このようなガス化炉の炉壁保護方法によれば、ガス化炉より可燃性ガスの生成とともに排出される排出スラグを回収し、可燃性ガスから分離除去された未燃粒子と排出スラグとの混合体をコンバスタへ直接供給して炭素質固体燃料とともに反応させるので、低灰分燃料を使用してガス化する場合であっても、灰分不足を補って保護膜形成に必要な灰分を確保し、高熱負荷を受ける炉内壁面に対して十分な溶融スラグの保護膜を形成することが可能になる。
上述した本発明によれば、炉内壁面に水冷壁を採用し、溶融スラグにより水冷壁の壁面保護を行う二段噴流床ガス化炉のようなガス化炉において、低灰分燃料を使用しても回収した灰分を補給することで不足分を補い、溶融スラグによる壁面保護を確実に実施できるようになる。この結果、使用が困難だった低灰分燃料についても使用可能となるので、溶融スラグの保護膜を用いて炉内壁面の高熱負荷対策を行うガス化炉に適用可能となる炭素質固体燃料の種類を拡大することができる。
本発明の一実施形態として、ガス化炉及びガス化炉の炉壁保護方法を示す系統図である。 図1に示したガス化炉及びガス化炉の炉壁保護方法について、第1変形例を示す系統図である。 図1に示したガス化炉及びガス化炉の炉壁保護方法について、第2変形例を示す系統図である。 従来のガス化炉及びガス化炉の炉壁保護方法を示す系統図である。 図1に示したガス化炉及びガス化炉の炉壁保護方法について、第3変形例を示す系統図である。
以下、本発明に係るガス化炉及びガス化炉の炉壁保護方法について、一実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明では、一例として石炭を粉砕して得られる微粉炭を使用するものとするが、これに限定されることはない。
図1に示す実施形態のガス化システムは、微粉炭を酸化剤とともに炉内で反応させ、微粉炭から可燃性ガスを生成するガス化炉10と、石炭を微粉状にしてガス化炉10に投入する微粉炭供給装置(固体燃料供給部)FSと、ガス化炉10で生成した可燃性ガスに含まれるチャー(未燃粒子)を分離除去して回収するチャー分離・回収装置(未燃粒子分離回収部)30と、ガス化炉10から排出される溶融スラグを回収するとともに水砕したスラグを貯留するスラグ回収部40と、チャー分離・回収装置30に回収したチャーをガス化炉10へ供給するチャー供給流路(未燃粒子供給系)50と、チャー分離・回収装置30で回収したチャーにスラグ回収部40から排出スラグを供給して混合させるスラグ供給流路(スラグ供給系)60とを備えている。本実施形態における「排出スラグ」は、ガス化炉10内の溶融スラグが水砕された状態で炉外へ排出されるスラグのことである。
本実施形態のガス化炉10は、微粉炭を燃焼させて可燃性ガス(石炭ガス)を生成する二段噴流床ガス化炉であり、ガス化室がコンバスタ11とリダクタ12とにより構成される2室2段構造となっている。なお、コンバスタ11の炉内壁面は、高温の熱負荷に対応するため水冷壁となっている。
下段側に配置されたコンバスタ11には、微粉炭と、酸化剤と、後述するチャー及びスラグが供給される。燃料の微粉炭は、微粉炭供給装置FSからコンバスタ11及びリダクタ12の両方に適宜分配して供給される。ここで使用する酸化剤は、燃焼に必要となる空気、酸素富化空気、酸素及び水蒸気等であり、全てがコンバスタ11側に供給される。
ガス化炉10で生成された可燃性ガスは、複数の熱交換器が配列されている熱交換部20を通過して流れる。この段階において、可燃性ガスにはガス化炉10において燃焼しなかった未燃成分のチャーが粒子の状態で含まれている。
チャーを含む可燃性ガスは、熱交換部20の下流に設けられたチャー分離・回収装置30に導かれる。このチャー分離・回収装置30は、サイクロンやポーラスフィルタを備えているので、可燃性ガスから粒子状のチャーを分離除去することが可能である。こうしてチャーを除去した可燃性ガスは、使用目的等に応じて必要な処理を施すためガス精製設備へ導かれる。一方、チャー分離・回収設備30で分離回収された未燃粒子のチャーは、チャービン32に落下し、さらに1または複数(通常は複数)設けられたチャー供給ホッパ31に落下して回収される。
チャー供給ホッパ31に回収されたチャーは、チャー供給流路50を通ってコンバスタ11へ供給される。ここでコンバスタ11へ供給するチャーには、後述するスラグ回収部40から導入した排出スラグが混合されている。
こうして微粉炭、酸化剤、チャー及び排出スラグの混合体が供給されるコンバスタ11では、微粉炭及びチャーの燃焼によりガス温度を石炭灰融点以上の高温とし、ガス化反応に必要な熱(高温ガス)をリダクタ12に供給してガス化反応を行わせる。また、コンバスタ11では、上述した高温ガスの生成と同時に、リダクタ12内のガス化炉反応に必要となる二酸化炭素や水分を発生させる。
コンバスタ11で燃焼した微粉炭、チャー及び排出スラグは、可燃性ガスの生成とともに、溶融した状態のスラグ(溶融スラグ)が排出される。この溶融スラグは、コンバスタ11の炉内壁面に付着して高熱負荷から水冷壁を保護する保護膜を形成する。また、この溶融スラグは、コンバスタ底面部に貯留された水中に落下することで急激に冷却され、固化するとともに急激な熱収縮により粉砕(水砕)される。
こうして水砕された排出スラグは、コンバスタ11の底部からスラグ回収部40に落下して回収される。
スラグ回収部40は、コンバスタ11の底部から落下する排出スラグを受け入れて一時的に貯留するスラグロックホッパ(加圧ホッパ)41と、スラグロックホッパ41に貯留された排出スラグを貯蔵するスラグ溜め(常圧容器)42とを備えている。このうち、スラグロックホッパ41の内部は加圧された状態にあり、スラグ溜め42は常圧(大気圧)の容器である。
また、スラグロックホッパ41には、チャー分離・回収装置30で回収したチャーに排出スラグを供給して混合させるスラグ供給流路60の一端が接続されている。そして、スラグ供給流路60の他端は、加圧状態にあるチャー供給ホッパ31に接続されている。
このように構成されたガス化システムでは、スラグ供給流路60を設けたことにより、チャー供給流路50を介してコンバスタ11へ供給するチャーに排出スラグを混合することが可能となる。すなわち、燃料中の灰分を確保するために、回収した排出スラグをチャーとともに二段噴流床ガス化炉のコンバスタ11のみに再投入し、微粉炭やチャーとともに燃焼させている。
この結果、燃料として供給される微粉炭の灰分が少ない場合、例えば灰分が5wt%未満の燃料を使用する場合や、灰分が3wt%未満とより厳しい条件の燃料を使用する場合において、従来廃棄されていた排出スラグを有効に再利用することで灰分の不足を補い、コンバスタ11の炉内壁面を高温の熱負荷から保護する溶融スラグの保護膜形成に必要な灰分を確保できる。換言すれば、排出スラグを有効にリサイクルすることにより、高温の熱負荷を受けるコンバスタ11の炉内壁面に対して、十分な溶融スラグの保護膜を形成することが可能になる。
なお、排出スラグが、コンバスタ11より低温でスラグによる壁面保護の必要のないリダクタ12にも供給されると、リダクタ場の温度を無意味に下げるのみであり、有効な熱利用とならないため好ましくない。
ところで、通常のガス化システムでは、チャー供給ホッパ31を複数設けてバッチ処理するのが一般的である。
このようなガス化システムにおいて、排出スラグをチャー供給系統へ接続する際には、すなわち複数のチャー供給ホッパ31から排出スラグを供給する接続先を選択切替する際には、チャー供給ホッパ31のサイクルタイムに配慮する必要がある。具体的に説明すると、チャー供給ホッパ31のサイクルタイムは、チャーの供給→ホッパ内減圧→チャー受入→ホッパ内加圧の順となる。
このようなサイクルにおいて、ホッパ内減圧時及びチャー受入時にチャーと同時に排出スラグをチャー供給ホッパ31へ送り、ホッパ内でチャー及び排出スラグを混合する。この後、チャー供給ホッパ31内をコンバスタ11の内部圧力以上に加圧し、チャー及び排出スラグの混合体をコンバスタ11の炉内へ再投入する。このとき、加圧状態にあるスラグロックホッパ41を流動化するとともに減圧排出することで、ホッパ内減圧及びチャー受入時の状態にあるチャー供給ホッパ31との圧力差を解消すれば、チャー供給ホッパ31及びチャー供給流路50への排出スラグ供給が可能となる。すなわち、スラグロックホッパ41を加圧している圧力を利用することで、排出スラグの搬送が可能になるので、スラグ供給(搬送)用として新たにポンプ等を設置する必要はない。
このように、本実施形態のガス化システムは、コンバスタ11及びリダクタ12を備えた二段噴流床ガス化炉のコンバスタ内壁面に溶融スラグの保護膜を形成して高熱負荷から保護するガス化炉10の炉壁保護方法を実現できる。この炉壁保護方法は、ガス化炉10より可燃性ガスの生成とともに排出される排出スラグを回収し、可燃性ガスから分離除去されたチャーと排出スラグとの混合体をコンバスタ11へ直接供給して微粉炭とともに燃焼させるものである。
この結果、排出スラグを回収してリサイクルすることが可能になり、可燃性ガスから分離除去されたチャーと排出スラグとの混合体をコンバスタ11に直接供給することで、低灰分燃料を使用してガス化する場合であっても、灰分不足を補って保護膜形成に必要な灰分を確保し、高熱負荷を受けるコンバスタ11の炉内壁面に対して、十分な溶融スラグの保護膜を形成することが可能になる。
一方、溶融スラグによる保護膜形成を必要としないリダクタ12については、余分な排出スラグの供給を防止できる。
ところで、上述した実施形態のガス化システムでは、排出スラグをスラグロックホッパ41からチャー供給ホッパ31へ供給するスラグ供給流路60としたが、これに限定されることはなく、以下に説明する変形例とすることも可能である。
図2に示す第1変形例のスラグ供給流路60Aは、常圧のスラグ溜め42からチャー供給ホッパ31へ排出スラグを供給する流路となる。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この第1変形例において、スラグ供給流路60Aは、常圧容器であるスラグ溜め42から加圧状態にあるチャーを回収するチャー分離・回収装置30のチャー供給ホッパ31へ排出スラグを供給する。従って、チャー供給ホッパ31内ではチャー及び排出スラグが混合され、チャー及び排出スラグの混合体がチャー供給流路50を通ってコンバスタ11に供給される。
この場合、排出スラグの供給元であるスラグ溜め42が常圧であるため、排出スラグ搬送の加圧プロセスが必要となる。そこで、スラグ供給流路60Aには、排出スラグ搬送用としてポンプ61が設けられている。なお、図示のチャー供給ホッパ31は、サイクルタイムにおいて高圧状態(ホッパ内加圧)と低圧状態(ホッパ内減圧)とがある。
このような構成とすれば、加圧された状態のチャー供給ホッパ31に対し、ポンプ61等の圧送手段を用いてスラグ溜め42内の排出スラグを搬送することで、排出スラグの供給が可能となる。この時、チャー供給ホッパ31のサイクルタイムにおいて、低圧状態(ホッパ内減圧)であってチャー受入以前にポンプ61により排出スラグを加圧し、チャー供給ホッパ31やチャー供給流路50との圧力差を解消して排出スラグを供給すればよい。
また、上述した第1変形例は、例えば図3に示すように、スラグ供給ホッパ62を追加して設けた第2変形例の構成に変更することも可能である。
すなわち、図3に示すスラグ供給流路60Bは、チャー供給ホッパ31の上流側となる位置に、圧送されてきた排出スラグを一時的に貯留してチャー供給ホッパ31へ供給するスラグ供給ホッパ62を備えている。このようなスラグ供給ホッパ62は、排出スラグを一時的に貯蔵することが可能になるので、このスラグ供給ホッパ62でチャー供給ホッパ31との圧力差を解消して排出スラグを供給することが可能になる。この場合、図示のスラグ供給ホッパ62は、チャー供給ホッパ31のサイクルタイムに応じて、加圧状態及び常圧状態に圧力調整されるため、常圧及び加圧の境界線がスラグ供給ホッパ62を分割して示されている。
さらに、第3変形例として、例えば図5に示すように、排出スラグをチャー供給ホッパ31ではなく、チャー分離・回収装置30とチャー供給ホッパ31との間に設けられたチャービン32に供給する構成に変更することも可能である。
チャー供給ホッパ31が複数設けられている場合、1基のチャービン32から複数のチャー供給ホッパ31へチャーを分岐させるようにチャービン32を配置する。すなわち、チャービン32に排出スラグ供給流路を接続した第3変形例では、チャービン32は1基であることからスラグ供給先が1箇所のみとすればよい。これにより、設置する設備が簡略化できる。
なお、上述した第3変形例は、前述の実施例のいずれとも組合せ可能である。
このように、上述した本実施形態及び変形例によれば、例えば二段噴流床ガス化炉を構成するコンバスタ11のように、炉内壁面に水冷壁を採用し、溶融スラグの保護膜により水冷壁の壁面保護を行う二段噴流床ガス化炉のようなガス化炉10においては、低灰分燃料を使用しても回収した灰分をコンバスタ11側へのみ補給することで不足分を補い、十分な溶融スラグによる保護膜を形成して壁面保護を確実に実施できるようになる。
すなわち、スラグ供給系を未燃粒子供給系に接続し、未燃粒子とともに排出スラグをコンバスタ11内の微粉炭燃焼場に投入して燃焼させることで、炉内におけるスラグの溶融不良を防止し、コンバスタ11の周壁全体にスラグ分布を形成して、水冷壁の壁面保護を確実に行うことが可能となる。
この結果、従来は使用が困難だった低灰分燃料についても、高温の熱負荷に対する炉壁保護を心配することなく使用可能になるので、溶融スラグの保護膜を用いて炉内壁面の高熱負荷対策を行うガス化炉10に適用可能な炭素質固体燃料の種類が拡大する。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
10 ガス化炉
11 コンバスタ
12 リダクタ
30 チャー分離・回収装置(未燃粒子分離回収部)
31 チャー供給ホッパ
32 チャービン(未燃粒子ビン)
40 スラグ回収部
41 スラグロックホッパ(加圧ホッパ)
42 スラグ溜め(常圧容器)
50 チャー供給流路(未燃粒子供給系)
60,60A,60B スラグ供給流路(スラグ供給系)
61 ポンプ
62 スラグ供給ホッパ
FS 微粉炭供給装置(固体燃料供給部)

Claims (7)

  1. 酸化剤とともに炉内で反応させて前記炭素質固体燃料から可燃性ガスを生成するガス化炉と、
    前記炭素質固体燃料を微粉状にして前記ガス化炉に投入する固体燃料供給部と、
    前記ガス化炉で生成した可燃性ガスに含まれる未燃粒子を分離除去して回収する未燃粒子分離回収部と、
    前記ガス化炉から排出される水砕後の排出スラグを回収して貯留するスラグ回収部と、
    前記未燃粒子分離回収部に回収した前記未燃粒子を前記ガス化炉へ供給する未燃粒子供給系と、
    前記未燃粒子分離回収部で回収した前記未燃粒子に前記スラグ回収部から前記排出スラグを供給して混合させるスラグ供給系と、
    を備えていることを特徴とするガス化システム。
  2. 前記ガス化炉は、前記炭素質固体燃料を燃焼させてガス温度を固体燃料の灰融点以上の高温にするコンバスタと、該コンバスタからガス化反応に必要な熱の供給を受けてガス化反応を行わせるリダクタとを備えた二段噴流床ガス化炉とされ、
    前記未燃粒子供給系が前記コンバスタに接続されていることを特徴とする請求項1に記載のガス化システム。
  3. 前記スラグ供給系は、前記スラグ回収部の加圧ホッパから前記未燃粒子を回収する前記未燃粒子分離回収部の下流側に設けられた未燃粒子供給ホッパに前記排出スラグを供給し、前記未燃粒子供給ホッパ内で混合される前記未燃粒子及び前記排出スラグが前記コンバスタに供給されることを特徴とする請求項2に記載のガス化システム。
  4. 前記スラグ供給系は、前記スラグ回収部の常圧容器から前記未燃粒子を回収する前記未燃粒子分離回収部の未燃粒子供給ホッパに前記排出スラグを圧送して供給し、前記未燃粒子供給ホッパ内で混合される前記未燃粒子及び前記排出スラグが前記コンバスタに供給されることを特徴とする請求項2に記載のガス化システム。
  5. 前記スラグ供給系は、前記未燃粒子供給ホッパの上流に、圧送されてきた前記排出スラグを貯留して前記未燃粒子供給ホッパへ供給するスラグ供給ホッパを備えていることを特徴とする請求項4に記載のガス化システム。
  6. 前記未燃粒子分離回収部と当該未燃粒子分離回収部の下流側に設けられた未燃粒子供給ホッパとの間に前記未燃粒子を貯蔵する未燃粒子ビンを備え、
    前記スラグ系統系は、前記未燃粒子ビンに前記排出スラグを圧送して供給し、前記未燃粒子ビン内で混合される前記未燃粒子及び前記排出スラグが前記コンバスタに供給されることを特徴とする請求項2に記載のガス化システム。
  7. コンバスタ及びリダクタを備えた二段噴流床ガス化炉のコンバスタ内壁面に溶融スラグの保護膜を形成して高熱負荷から保護するガス化炉の炉壁保護方法であって、
    前記ガス化炉より可燃性ガスの生成とともに排出される排出スラグを回収し、前記可燃性ガスから分離除去された未燃粒子と前記排出スラグとの混合体を前記コンバスタへ直接供給することで、炭素質固体燃料とともに燃焼させることを特徴とするガス化炉の炉壁保護方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019168121A (ja) * 2018-03-22 2019-10-03 三菱日立パワーシステムズ株式会社 炉壁状態評価装置、炉壁状態評価方法、および炉壁状態評価プログラム

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