JP2014136479A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステアリングホイールを中立位置に戻り易くすることができるとともに切り戻しから切り増しへの切り替わり時においてステアリングホイールを滑らかに回転させることができる技術を提供する。
【解決手段】舵角に依存する操舵反力を電動モータが与えるための電流である舵角反力補償電流を算出する舵角反力補償電流算出部27と、舵角反力補償電流を考慮して電動モータに供給する目標電流を決定する最終目標電流決定部とを備え、舵角反力補償電流算出部27は、実舵角の絶対値を算出する絶対値算出部271と、絶対値化された実舵角に予め定められた値を加算することにより絶対値化された実舵角を補正する舵角補正部272と、補正後舵角と予め定めた制御マップとに基づいて仮の舵角反力補償電流を算出する仮補償電流算出部273と、ステアリングホイールの操作方向に基づいて舵角反力補償電流の符号を設定する符号設定部274とを有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
近年、車両のステアリング系に電動モータを備え、電動モータの動力にて運転者の操舵力をアシストする電動パワーステアリング装置において、ステアリングホイールが切り戻されるときに電動モータに戻し用の電流を供給してステアリングホイールを戻り易くする技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置は以下のように構成されている。すなわち、ハンドル戻し制御部は、ハンドル(ステアリングホイール)を戻すためのモータの目標電流値を出力し、ハンドル戻し電流演算部に与える。ハンドル戻し電流演算部は、ハンドル戻し制御部から与えられた目標電流値に、車速に応じた車速係数を乗じてハンドル戻し電流の目標電流値を演算し、比較選択部に与える。比較選択部は、アシスト制御部からの目標電流値とハンドル戻し電流演算部からの目標電流値とのそれぞれの絶対値の大小を比較し、絶対値の大きい方の目標電流値を加算手段に与える。加算手段は、与えられた目標電流値に角速度差制御部から与えられた電流値を加算し、その加算結果を減算手段に与える。減算手段は、加算手段からの加算結果と、モータ電流検出回路によって検出されたモータの駆動電流のフィードバック値との偏差を求め、この偏差をPI制御部に与える。PI制御部は、この偏差(比例要素)及び偏差の積分値(積分要素)を前回制御量に加算し、今回の制御量としてPWM制御部に与える。PWM制御部は、この制御量をPWM波信号及びモータの回転方向を表す信号に変換し、駆動回路に与える。駆動回路は、4個のFETがH型ブリッジに構成され、橋絡部分にモータが設置されている。
特開平11−034901号公報
ステアリングホイールを戻すために電動モータに供給する目標電流は、ステアリングホイールが中立位置に戻り易い値であることが望ましい。加えて、目標電流は、ステアリングホイールの切り戻しから切り増しへの切り替わり時にステアリングホイールの中立位置付近にてステアリングホイールが滑らかに回転するように電動モータがアシスト力を発生する値であることが望ましい。
本発明は、ステアリングホイールを中立位置に戻り易くすることができるとともに切り戻しから切り増しへの切り替わり時においてステアリングホイールを滑らかに回転させることができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、車両に設けられたステアリングホイールの操作に対するアシスト力を付与する電動モータと、前記ステアリングホイールの操舵角である舵角に依存する操舵反力を前記電動モータが与えるための電流である舵角反力補償電流を算出する舵角反力補償電流算出手段と、前記舵角反力補償電流算出手段が算出した舵角反力補償電流を考慮して前記電動モータに供給する目標電流を決定する目標電流決定手段と、を備え、前記舵角反力補償電流算出手段は、推定された前記ステアリングホイールの実際の操舵角である実舵角の絶対値を算出する絶対値算出手段と、前記絶対値算出手段が算出した絶対値化された実舵角に予め定められた値を加算することにより当該絶対値化された実舵角を補正する補正手段と、前記補正手段が補正した補正後の実舵角である補正後舵角と、当該補正後舵角に対する仮の舵角反力補償電流を予め定めた制御マップと、に基づいて仮の舵角反力補償電流を算出する仮補償電流算出手段と、前記ステアリングホイールの操作方向に基づいて前記舵角反力補償電流の符号を設定する符号設定手段と、を有することを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
ここで、前記仮補償電流算出手段は、前記ステアリングホイールが切り増されている場合には切り増し用の制御マップを用いて算出し、当該ステアリングホイールが切り戻されている場合には切り戻し用の制御マップを用いて算出するとよい。
また、前記切り戻し用の制御マップは、前記補正後舵角が略零から大きくなるに従って仮の舵角反力補償電流が略零から大きくなるように定められているとよい。
また、前記切り増し用の制御マップは前記補正後舵角が如何なる角度であっても仮の舵角反力補償電流が零となるように定められているとよい。
また、前記ステアリングホイールの操舵トルクと前記車両の車速に基づいて仮の目標電流を決定する仮目標電流決定手段をさらに備え、前記目標電流決定手段は、前記仮目標電流決定手段が決定した仮の目標電流から前記舵角反力補償電流算出手段が算出した舵角反力補償電流を減算することにより得た値を前記目標電流として決定するとよい。
本発明によれば、ステアリングホイールを中立位置に戻り易くすることができる。また、切り戻しから切り増しへの切り替わり時においてステアリングホイールを滑らかに回転させることができる。
実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成を示す図である。 制御装置の概略構成図である。 目標電流算出部の概略構成図である。 操舵トルクおよび車速とベース電流との対応を示す制御マップの概略図である。 制御部の概略構成図である。 操舵トルク(トルク信号)の符号と、電動モータの回転方向(回転速度信号)の符号との関係を示す図である。 舵角反力補償電流算出部の概略構成図である。 仮舵角反力補償電流と補正後舵角との関係を示す制御マップを示す図である。 仮補償電流算出部が行う算出処理の手順を示すフローチャートである。 実舵角に対する仮舵角反力補償電流の値を示す図である。 ステアリングホイールが中立状態(中立位置)から右方向へ補正角Δθ未満の角度まで切り増された後に切り戻され、その後左方向へ補正角Δθ未満の角度まで切り増された後に中立状態まで切り戻されたときに舵角反力補償電流算出部が算出する舵角反力補償電流を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の概略構成を示す図である。
電動パワーステアリング装置100(以下、単に「ステアリング装置100」と称する場合もある。)は、車両の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施の形態においては車両の一例としての自動車に適用した構成を例示している。
ステアリング装置100は、自動車の進行方向を変えるために運転者が操作する車輪(ホイール)状のステアリングホイール(ハンドル)101と、ステアリングホイール101に一体的に設けられたステアリングシャフト102とを備えている。また、ステアリング装置100は、ステアリングシャフト102と自在継手103aを介して連結された上部連結シャフト103と、この上部連結シャフト103と自在継手103bを介して連結された下部連結シャフト108とを備えている。下部連結シャフト108は、ステアリングホイール101の回転に連動して回転する。
また、ステアリング装置100は、転動輪としての左右の前輪150のそれぞれに連結されたタイロッド104と、タイロッド104に連結されたラック軸105とを備えている。また、ステアリング装置100は、ラック軸105に形成されたラック歯105aとともにラック・ピニオン機構を構成するピニオン106aを備えている。ピニオン106aは、ピニオンシャフト106の下端部に形成されている。
また、ステアリング装置100は、ピニオンシャフト106を収納するステアリングギアボックス107を有している。ピニオンシャフト106は、ステアリングギアボックス107にてトーションバー(不図示)を介して下部連結シャフト108と連結されている。ステアリングギアボックス107の内部には、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との相対角度に基づいてステアリングホイール101の操舵トルクTを検出するトルクセンサ109が設けられている。
また、ステアリング装置100は、ステアリングギアボックス107に支持された電動モータ110と、電動モータ110の駆動力を減速してピニオンシャフト106に伝達する減速機構111とを有している。本実施の形態に係る電動モータ110は、3相ブラシレスモータである。減速機構111は、例えば、ピニオンシャフト106に固定されたウォームホイール(不図示)と、電動モータ110の出力軸に固定されたウォームギヤ(不図示)などから構成される。
また、ステアリング装置100は、電動モータ110の作動を制御する制御装置10を備えている。制御装置10には、上述したトルクセンサ109からの出力信号が入力される。また、制御装置10には、自動車に搭載される各種の機器を制御するための信号を流す通信を行うネットワーク(CAN)を介して、自動車の移動速度である車速Vcを検出する車速センサ170などからの出力信号が入力される。
以上のように構成されたステアリング装置100は、ステアリングホイール101に加えられた操舵トルクTをトルクセンサ109にて検出し、その検出トルクに応じて電動モータ110を駆動し、電動モータ110の発生トルクをピニオンシャフト106に伝達する。これにより、電動モータ110の発生トルクが、ステアリングホイール101に加える運転者の操舵力をアシストする。
次に、制御装置10について説明する。
図2は、制御装置10の概略構成図である。
制御装置10は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等からなる算術論理演算回路である。
制御装置10には、上述したトルクセンサ109にて検出された操舵トルクTが出力信号に変換されたトルク信号Tdと、車速センサ170にて検出された車速Vcが出力信号に変換された車速信号vなどが入力される。
そして、制御装置10は、トルク信号Tdおよび車速信号vに基づいて目標補助トルクを算出し、この目標補助トルクを電動モータ110が供給するのに必要となる目標電流Itを算出する目標電流算出部20と、目標電流算出部20が算出した目標電流Itに基づいてフィードバック制御などを行う制御部30とを有している。
また、制御装置10は、電動モータ110の回転速度Nmを算出するモータ回転速度算出部70と、モータ回転速度算出部70が算出した回転速度Nmに基づいてステアリングホイール101の操舵角である舵角θsを算出する周知の舵角算出部80と、を備えている。モータ回転速度算出部70は、3相ブラシレスモータである電動モータ110の回転子(ロータ)の回転位置を検出するレゾルバからの出力信号を基に電動モータ110の回転速度Nmを算出し、その回転速度Nmが出力信号に変換された回転速度信号Nmsを出力する。
また、制御装置10は、ステアリングホイール101が切り増されているのか、あるいは切り戻されているのか、およびステアリングホイール101の回転方向が右方向なのか、あるいは左方向なのかを判定する操舵状況判定部90を備えている。この操舵状況判定部90については後で詳述する。
次に、目標電流算出部20について詳述する。
図3は、目標電流算出部20の概略構成図である。
目標電流算出部20は、目標電流を設定する上で基準となるベース電流Ibを算出するベース電流算出部21と、電動モータ110の慣性モーメントを打ち消すための電流を算出するイナーシャ補償電流算出部22と、モータの回転を制限する電流を算出するダンパー補償電流算出部23とを備えている。また、目標電流算出部20は、ベース電流算出部21、イナーシャ補償電流算出部22、ダンパー補償電流算出部23にて算出された値に基づいて仮の目標電流である仮目標電流Itfを決定する仮目標電流決定部25を備えている。また、目標電流算出部20は、舵角算出部80が算出した舵角θsに基づいて舵角θsに依存する操舵反力を電動モータ110が与えるための電流である舵角反力補償電流Irを算出する舵角反力補償電流算出部27と、仮目標電流決定部25にて決定された仮目標電流Itfおよび舵角反力補償電流算出部27にて算出された舵角反力補償電流Irに基づいて最終的に目標電流Itを決定する目標電流決定手段の一例としての最終目標電流決定部28と、を備えている。
なお、目標電流算出部20には、トルク信号Td、車速信号v、モータ回転速度算出部70から出力された回転速度信号Nmsなどが入力される。
図4は、操舵トルクTおよび車速Vcとベース電流Ibとの対応を示す制御マップの概略図である。
ベース電流算出部21は、位相補償部26(図3参照)にてトルク信号Tdが位相補償されたトルク信号Tsと、車速センサ170からの車速信号vとに基づいてベース電流Ibを算出する。つまり、ベース電流算出部21は、位相補償された操舵トルクTと、車速Vcとに応じたベース電流Ibを算出する。なお、ベース電流算出部21は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、位相補償された操舵トルクT(トルク信号Ts)および車速Vc(車速信号v)とベース電流Ibとの対応を示す図4に例示した制御マップに、操舵トルクT(トルク信号Ts)および車速Vc(車速信号v)を代入することによりベース電流Ibを算出する。
イナーシャ補償電流算出部22は、トルク信号Tsと、車速信号vとに基づいて電動モータ110およびシステムの慣性モーメントを打ち消すためのイナーシャ補償電流Isを算出する。つまり、イナーシャ補償電流算出部22は、操舵トルクT(トルク信号Ts)と、車速Vc(車速信号v)とに応じたイナーシャ補償電流Isを算出する。なお、イナーシャ補償電流算出部22は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、操舵トルクT(トルク信号Ts)および車速Vc(車速信号v)とイナーシャ補償電流Isとの対応を示す制御マップに、操舵トルクT(トルク信号Ts)および車速Vc(車速信号v)を代入することによりイナーシャ補償電流Isを算出する。
ダンパー補償電流算出部23は、トルク信号Tsと、車速信号vと、電動モータ110の回転速度信号Nmsとに基づいて、電動モータ110の回転を制限するダンパー補償電流Idを算出する。つまり、ダンパー補償電流算出部23は、操舵トルクT(トルク信号Ts)と、車速Vc(車速信号v)と、電動モータ110の回転速度Nm(回転速度信号Nms)に応じたダンパー補償電流Idを算出する。なお、ダンパー補償電流算出部23は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROMに記憶しておいた、操舵トルクT(トルク信号Ts)、車速Vc(車速信号v)および回転速度Nm(回転速度信号Nms)と、ダンパー補償電流Idとの対応を示す制御マップに、操舵トルクT(トルク信号Ts)、車速Vc(車速信号v)および回転速度Nm(回転速度信号Nms)を代入することによりダンパー補償電流Idを算出する。
仮目標電流決定部25は、ベース電流算出部21にて算出されたベース電流Ib、イナーシャ補償電流算出部22にて算出されたイナーシャ補償電流Isおよびダンパー補償電流算出部23にて算出されたダンパー補償電流Idに基づいて仮目標電流Itfを決定する。仮目標電流決定部25は、例えば、ベース電流Ibに、イナーシャ補償電流Isを加算するとともにダンパー補償電流Idを減算して得た電流を仮目標電流Itfとして決定する。
舵角反力補償電流算出部27については後で詳述する。
最終目標電流決定部28は、仮目標電流決定部25にて決定された仮目標電流Itfおよび舵角反力補償電流算出部27にて算出された舵角反力補償電流Irに基づいて最終的に目標電流Itを決定する。本実施の形態に係る最終目標電流決定部28は、仮目標電流決定部25にて決定された仮目標電流Itfから舵角反力補償電流算出部27にて算出された舵角反力補償電流Irを減算して得た電流を目標電流Itとして決定する。
次に、制御部30について詳述する。
図5は、制御部30の概略構成図である。
制御部30は、図5に示すように、電動モータ110の作動を制御するモータ駆動制御部31と、電動モータ110を駆動させるモータ駆動部32と、電動モータ110に実際に流れる実電流Imを検出するモータ電流検出部33とを有している。
モータ駆動制御部31は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流Itと、モータ電流検出部33にて検出された電動モータ110へ供給される実電流Imとの偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部40と、電動モータ110をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部60とを有している。
フィードバック制御部40は、目標電流算出部20にて最終的に決定された目標電流Itとモータ電流検出部33にて検出された実電流Imとの偏差を求める偏差演算部41と、その偏差がゼロとなるようにフィードバック処理を行うフィードバック(F/B)処理部42とを有している。
フィードバック(F/B)処理部42は、目標電流Itと実電流Imとが一致するようにフィードバック制御を行うものであり、例えば、偏差演算部41にて算出された偏差に対して、比例要素で比例処理し、積分要素で積分処理し、加算演算部でこれらの値を加算する。
PWM信号生成部60は、フィードバック制御部40からの出力値に基づいて電動モータ110をPWM(パルス幅変調)駆動するためのPWM信号を生成し、生成したPWM信号を出力する。
モータ駆動部32は、所謂インバータであり、例えば、スイッチング素子として6個の独立したトランジスタ(FET)を備え、6個の内の3個のトランジスタは電源の正極側ラインと各相の電気コイルとの間に接続され、他の3個のトランジスタは各相の電気コイルと電源の負極側(アース)ラインと接続されている。そして、6個の中から選択した2個のトランジスタのゲートを駆動してこれらのトランジスタをスイッチング動作させることにより、電動モータ110の駆動を制御する。
モータ電流検出部33は、モータ駆動部32に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から電動モータ110に流れる実電流Imの値を検出する。
次に、操舵状況判定部90について詳述する。
トーションバーの捩れ量が零の状態を中立状態(中立位置)とし、中立状態(中立位置)からのステアリングホイール101の右回転時におけるステアリングホイール101(下部連結シャフト108)とピニオンシャフト106との相対回転角度が変化する方向(相対回転角度が生じる方向)をプラス(操舵トルクTがプラス)とする。他方、中立状態からのステアリングホイール101の左回転時におけるステアリングホイール101(下部連結シャフト108)とピニオンシャフト106との相対回転角度が変化する方向(相対回転角度が生じる方向)をマイナスとする(操舵トルクTがマイナス)。このとき、ステアリングホイール101とピニオンシャフト106との相対回転角度が中立状態より右回転方向に捩れている(トーションバーが右回転方向に捩れている)ときの、トルクセンサ109からの出力値であるトルク信号Tdの符号をプラス、相対回転角度が中立状態より左回転方向に捩れている(トーションバーが左回転方向に捩れている)ときの、トルクセンサ109からのトルク信号Tdの符号をマイナスとする。
そして、トルクセンサ109からのトルク信号Tdの符号がプラスであるときに、電動モータ110を一方の回転方向に回転させるようにベース電流算出部21にてベース電流Ibが算出され、そのベース電流Ibが流れる方向をプラスとする。つまり、図4に示すように、トルクセンサ109からのトルク信号Tdの符号がプラスで操舵トルクTがプラスのときにベース電流算出部21はプラスのベース電流Ibを算出し、電動モータ110を一方の回転方向に回転させる方向のトルクを発生させる。他方、トルクセンサ109からのトルク信号Tdの符号がマイナスのときにベース電流算出部21はマイナスのベース電流Ibを算出し、電動モータ110を他方の回転方向に回転させる方向のトルクを発生させる。
そして、電動モータ110の出力軸に装着されたウォームギアとピニオンシャフト106とともに回転するウォームホイールとは噛み合っており、ピニオンシャフト106の下端部に形成されたピニオン106aとラック軸105に形成されたラック歯105aとがラック・ピニオン機構を構成している。また、ラック軸105が、前輪150に連結されたタイロッド104と連結されている。
それゆえ、前輪150に負荷が生じていない場合に、電動モータ110が一方の回転方向に回転すると、ピニオンシャフト106がラック軸105を、図1で見た場合の横方向に移動させ、前輪150が右方向に回転する。前輪150が右方向に回転するときのラック軸105の移動方向を、以下では「一方の移動方向」と称す。他方、電動モータ110が他方の回転方向に回転すると、ピニオンシャフト106がラック軸105を横方向に移動させ、前輪150が左方向に回転する。前輪150が左方向に回転するときのラック軸105の移動方向を、以下では「他方の移動方向」と称す。
また、トルクセンサ109からのトルク信号Tdの符号がプラスであり、電動モータ110が一方の回転方向に回転する方向のトルクを発生させたとしても、前輪150などが受ける外力により前輪150が左方向に回転し、ラック軸105が他方の移動方向に移動した場合には、電動モータ110は、他方の回転方向に回転する。
他方、トルクセンサ109からのトルク信号Tdの符号がマイナスであり、電動モータ110が他方の回転方向に回転する方向のトルクを発生させたとしても、前輪150などが受ける外力により前輪150が右方向に回転し、ラック軸105が一方の移動方向に移動した場合には、電動モータ110は、一方の回転方向に回転する。
以下では、電動モータ110の回転方向の符号を、一方の回転方向に回転するときをプラス、他方の回転方向に回転するときをマイナスとする。また、電動モータ110が一方の回転方向に回転するときには電動モータ110の回転速度信号Nmsの符号はプラスとなり、電動モータ110が他方の回転方向に回転するときには電動モータ110の回転速度信号Nmsの符号はマイナスとなる。
次に、操舵トルクTの符号(トルクセンサ109からのトルク信号Tdの符号)と、電動モータ110の回転方向の符号(回転速度信号Nmsの符号)との関係について説明する。
図6は、操舵トルクT(トルク信号Td)の符号と、電動モータ110の回転方向(回転速度信号Nms)の符号との関係を示す図である。(a)は、トルクセンサ109からのトルク信号Tdの符号と電動モータ110の回転方向の符号とを時系列に示した図である。(b)は、操舵トルクT(トルクセンサ109からのトルク信号Td)を縦軸に、電動モータ110の回転方向(回転速度信号Nms)を横軸に取り、これらの符号とステアリングホイール101の操舵状況との関係を示した図である。
ステアリングホイール101が中立状態(操舵トルクTが零の状態)から右方向に回転させられると、トーションバーの右回転方向の捩れ量が増加する。その結果、トルクセンサ109からのトルク信号Tdがプラス方向に増加し、電動モータ110がプラス方向に回転する。この状態を示したのが図6(a)の第1領域であり、この状態では、操舵トルクT(トルク信号Td)と電動モータ110の回転方向(回転速度信号Nms)がともにプラスとなる。
その後、ステアリングホイール101が左方向に回転させられると(操舵トルクTが弱められると)、トーションバーの捩れが緩和され、トルクセンサ109からのトルク信号Tdが減少する。すると、前輪150などが受ける外力により前輪150が左方向に回転し、電動モータ110が一方の回転方向に回転する方向のトルクを発生させたとしても、ラック軸105が他方の移動方向に移動する。その結果、電動モータ110が他方の回転方向に回転する。この状態を示したのが図6(a)の第2領域であり、この状態では、操舵トルクT(トルク信号Td)の符号はプラスであるが、電動モータ110の回転方向の符号がマイナスとなる。
その後、ステアリングホイール101が中立状態(中立位置)を超えて左方向に回転させられると、トーションバーの左回転方向の捩れ量が増加し、操舵トルクT(トルク信号Td)がマイナス方向に増加する。ラック軸105は、そのまま他方の移動方向に移動し続けるが、電動モータ110が他方の回転方向に回転する方向のトルクを発生させたとしても、前輪150などが受ける外力により他方の移動方向への移動が抑制されていく。その結果、電動モータ110がマイナス方向に回転し続けるが、その回転力が徐々に弱まる。この状態を示したのが図6(a)の第3領域であり、この状態では、操舵トルクT(トルク信号Td)と電動モータ110の回転方向がともにマイナスとなる。
その後、ステアリングホイール101が右方向に回転させられると(操舵トルクTが弱められると)、トーションバーの捩れが緩和され、操舵トルクT(トルク信号Td)が零に近づく。すると、前輪150などが受ける外力により前輪150が右方向に回転し、電動モータ110が他方の回転方向に回転する方向のトルクを発生させたとしても、ラック軸105が一方の移動方向に移動する。その結果、電動モータ110が一方の回転方向に回転する。この状態を示したのが図6(a)の第4領域であり、この状態では、操舵トルクT(トルク信号Td)の符号はマイナスであるが、電動モータ110の回転方向の符号がプラスとなる。
以上のことにより、操舵トルクT(トルク信号Td)と電動モータ110の回転方向(回転速度信号Nms)がともにプラスとなる領域(図6(a)の第1領域)は、ステアリングホイール101の操舵状況としては、ステアリングホイール101が右方向へ切り増しさせられた状況にある。そして、操舵トルクT(トルク信号Td)がプラスで、電動モータ110の回転方向(回転速度信号Nms)がマイナスとなる領域(図6(a)の第2領域)は、ステアリングホイール101の操舵状況としては、ステアリングホイール101が右方向へ切り増しさせられた後に左方向に切り戻されている状況にある。
また、操舵トルクT(トルク信号Td)と電動モータ110の回転方向(回転速度信号Nms)がともにマイナスとなる領域(図6(a)の第3領域)は、ステアリングホイール101の操舵状況としては、ステアリングホイール101が左方向へ切り増しさせられた状況にある。そして、操舵トルクT(トルク信号Td)がマイナスで、電動モータ110の回転方向(回転速度信号Nms)がプラスとなる領域(図6(a)の第4領域)は、ステアリングホイール101の操舵状況としては、ステアリングホイール101が左方向へ切り増しさせられた後に右方向に切り戻されている状況にある。
このように、図6(b)に示すように、操舵トルクT(トルク信号Td)の符号と電動モータ110の回転方向(回転速度信号Nms)の符号が同じである場合には、ステアリングホイール101が右方向か左方向のいずれかの方向へ切り増しさせられた状況にある。他方、操舵トルクT(トルク信号Td)の符号と電動モータ110の回転方向(回転速度信号Nms)の符号とが異なる場合には、ステアリングホイール101が切り戻しさせられた状況にある。
操舵状況判定部90は、かかる事項に鑑みて、トルクセンサ109からのトルク信号Tdとモータ回転速度算出部70から出力された回転速度信号Nmsとに基づいて、ステアリングホイール101が切り増しさせられているのか、あるいは切り戻しさせられているのか、およびステアリングホイール101の回転方向が右方向なのか、あるいは左方向なのかを判定する。そして、その判定結果を含む情報を目標電流算出部20へ出力する。
次に、舵角反力補償電流算出部27について詳述する。
図7は、舵角反力補償電流算出部27の概略構成図である。
舵角反力補償電流算出部27は、舵角算出部80が算出した舵角θsの絶対値を算出する絶対値算出部271と、絶対値算出部271が算出した舵角の絶対値を補正する舵角補正部272と、舵角補正部272が補正した補正後の舵角の絶対値に基づいて仮舵角反力補償電流Irfを算出する仮補償電流算出部273とを有している。また、舵角反力補償電流算出部27は、舵角反力補償電流Irの符号を設定する符号設定部274と、符号設定部274が設定した符号と仮補償電流算出部273が算出した仮舵角反力補償電流Irfとを乗算することにより最終的に舵角反力補償電流Irを算出する乗算部275とを有している。
舵角補正部272は、絶対値算出部271にて絶対値化された舵角|θs|に予め定められた補正角Δθを加算することにより舵角の絶対値を補正し、補正後の舵角である補正後舵角θf(=|θs|+Δθ)を仮補償電流算出部273に出力する。なお、補正角Δθとしては30度であることを例示することができる。
図8は、仮舵角反力補償電流Irfと補正後舵角θfとの関係を示す制御マップを示す図である。
仮補償電流算出部273は、例えば、予めROMに記憶しておいた、図8に示された制御マップに、舵角補正部272から出力された補正後舵角θfを代入することにより仮舵角反力補償電流Irfを算出する。また、仮補償電流算出部273は、ステアリングホイール101が切り増されている場合には、切り増し用の制御マップを用いて仮舵角反力補償電流Irfを算出し、ステアリングホイール101が切り戻されている場合には、切り戻し用の制御マップを用いて仮舵角反力補償電流Irfを算出する。
図8(a)は、ステアリングホイール101が切り増されている場合に用いる切り増し用の制御マップであり、図8(b)は、ステアリングホイール101が切り戻されている場合に用いる切り戻し用の制御マップである。
本実施の形態に係る切り増し用の制御マップにおいては、補正後舵角θfが如何なる角度であっても仮舵角反力補償電流Irfが零となるように設定されている。一方、切り戻し用の制御マップにおいては、補正後舵角θfが零度から略60度の間の角度である場合には、補正後舵角θfが大きくなるに従って仮舵角反力補償電流Irfが大きくなるように設定され、補正後舵角θfが略60度から略160度の間の角度である場合には、補正後舵角θfが所定値I1に設定され、補正後舵角θfが略160度から略260度の間の角度である場合には、補正後舵角θfが大きくなるに従って仮舵角反力補償電流Irfが小さくなるように設定されている。
符号設定部274は、トルクセンサ109からのトルク信号Tdに基づいて、舵角反力補償電流Irの符号を設定し、設定した符号と同符号の「+1」または「−1」を乗算部275に出力する。符号設定部274は、ステアリングホイール101が右方向へ切り増されている場合および右方向へ切り増された後に左方向に切り戻されている状況にある場合には、仮目標電流決定部25にて決定された仮目標電流Itfよりも目標電流Itの方が小さくなるように舵角反力補償電流Irの符号をプラスに設定する。他方、符号設定部274は、ステアリングホイール101が左方向へ切り増されている場合および左方向へ切り増された後に右方向に切り戻されている状況にある場合には、仮目標電流決定部25にて決定された仮目標電流Itfよりも目標電流Itの方が大きくなるように舵角反力補償電流Irの符号をマイナスに設定する。
上述したように、ステアリングホイール101が右方向へ切り増されている場合および右方向へ切り増された後に左方向に切り戻されている状況にある場合には、操舵トルクT(トルク信号Td)の符号がプラスであり、左方向へ切り増されている場合および左方向へ切り増された後に右方向に切り戻されている状況にある場合には、操舵トルクT(トルク信号Td)の符号がマイナスである。かかる事項に鑑み、符号設定部274は、トルクセンサ109からのトルク信号Tdの符号がプラスである場合には、舵角反力補償電流Irの符号をプラスに設定し、「+1」を乗算部275に出力する。他方、符号設定部274は、トルクセンサ109からのトルク信号Tdの符号がマイナスである場合には、舵角反力補償電流Irの符号をマイナスに設定し、「−1」を乗算部275に出力する。
乗算部275は、仮補償電流算出部273が算出した仮舵角反力補償電流Irfに符号設定部274から出力された「+1」または「−1」を乗算することにより舵角反力補償電流Irを算出し、算出した舵角反力補償電流Irを最終目標電流決定部28に出力する。
次に、フローチャートを用いて、仮補償電流算出部273が行う、仮舵角反力補償電流Irfを算出する算出処理の手順について説明する。
図9は、仮補償電流算出部273が行う算出処理の手順を示すフローチャートである。仮補償電流算出部273は、この算出処理を予め定めた期間毎に繰り返し実行する。
先ず、仮補償電流算出部273は、舵角補正部272が算出した補正後舵角θfを取得する(S901)。次に、仮補償電流算出部273は、ステアリングホイール101が切り戻されているのか否かを判別する(S902)。これは、操舵状況判定部90からの出力信号を基に判別する処理である。そして、ステアリングホイール101が切り戻されている場合(S902でYES)、取得した補正後舵角θfと切り戻し用の制御マップとに基づいて仮舵角反力補償電流Irfを算出する(S903)。他方、ステアリングホイール101が切り増されている場合(S902でNO)、取得した補正後舵角θfと切り増し用の制御マップとに基づいて仮舵角反力補償電流Irfを算出する(S904)。そして、S903あるいはS904にて算出した仮舵角反力補償電流Irfを出力する(S905)。
なお、舵角補正部272、モータ回転速度算出部70および舵角算出部80は、それぞれ仮補償電流算出部273がこの算出処理を実行する周期以下の周期で補正後舵角θf、舵角θsおよび回転速度Nmを演算し、RAMに記憶する。また、操舵状況判定部90は、仮補償電流算出部273がこの算出処理を実行する周期以下の周期でステアリングホイール101の操舵状況を判定し、その判定結果を含む信号を目標電流算出部20へ出力する。
以上のように構成された舵角反力補償電流算出部27は以下のように作用する。
舵角補正部272が算出する補正後舵角θfは、絶対値算出部271にて絶対値化された舵角|θs|を補正角Δθの分プラス方向にオフセットする値である。そして、仮補償電流算出部273は、この補正後舵角θfと制御マップとに基づいて仮舵角反力補償電流Irfを算出する。
本実施の形態に係る切り増し用の制御マップは図8(a)に示すように補正後舵角θfが如何なる角度であっても仮舵角反力補償電流Irfが零となるように設定されていることから、ステアリングホイール101が切り増されている場合の仮舵角反力補償電流Irfは零となる。
他方、切り戻し用の制御マップは図8(b)に示すように補正後舵角θfに応じて仮舵角反力補償電流Irfが変化するように設定されている。図8(b)の横軸は絶対値化された舵角|θs|が補正角Δθの分プラス方向にオフセットされた補正後舵角θfである。ゆえに、補正角Δθを30度として、ステアリングホイール101が右方向に切り増された後に左方向に切り戻された場合の、オフセット(補正)される前の舵角であるステアリングホイール101の操舵角(以下、「実舵角」と称する場合もある。)に対する仮舵角反力補償電流Irfの値は以下に述べる図10に示すようになる。
図10は、実舵角に対する仮舵角反力補償電流Irfの値を示す図である。
図10によると、実舵角が−30度から略30度の間の角度である場合には、実舵角が大きくなるに従って仮舵角反力補償電流Irfが大きくなるように設定されている。言い換えれば、ステアリングホイール101が左方向に切り戻されている場合、略30度までは所定値I1であるが、略30度を超えると徐々に仮舵角反力補償電流Irfが小さくなり、中立状態(θs=零)を超えて実舵角が−30度となる場合に仮舵角反力補償電流Irfが零となる。このように、ステアリングホイール101が左方向に切り戻されている場合、中立状態(θs=零)を超えてもマイナス側に30度(補正角Δθ)までは仮舵角反力補償電流Irfは零より大きくなる。
そして、符号設定部274は、ステアリングホイール101が右方向に切り増された後に左方向に切り戻されている場合には、舵角反力補償電流Irの符号をプラスに設定するべく「+1」を乗算部275に出力し、ステアリングホイール101が左方向に切り増された後に右方向に切り戻されている場合には、舵角反力補償電流Irの符号をマイナスに設定するべく「−1」を乗算部275に出力する。
図11は、ステアリングホイール101が中立状態(中立位置)から右方向へ補正角Δθ未満の角度まで切り増された後に切り戻され、その後左方向へ補正角Δθ未満の角度まで切り増された後に中立状態まで切り戻されたときに舵角反力補償電流算出部27が算出する舵角反力補償電流Irを示す図である。
図11に示すように、舵角反力補償電流算出部27は、ステアリングホイール101が左方向に切り戻されている場合には、中立状態(θs=零)を超えてもマイナス側に補正角Δθまでは零より大きな仮舵角反力補償電流Irfを算出するとともに徐々に減少する。その結果、左切り戻しから左切り増しへの切り換わり時に舵角反力補償電流Irの極性が反転することや舵角反力補償電流Irが急減することが抑制される。また、ステアリングホイール101が右方向に切り戻されている場合には、中立状態(θs=零)を超えてもプラス側に補正角Δθまでは零より小さな仮舵角反力補償電流Irfを算出するとともに徐々に増加する。その結果、右切り戻しから右切り増しへの切り換わり時に舵角反力補償電流Irの極性が反転することや舵角反力補償電流Irが急増することが抑制される。
また、舵角反力補償電流算出部27は、ステアリングホイール101が左方向に切り戻されている場合には、実舵角と制御マップとに基づいて(補正角Δθ分オフセットさせない舵角(=実舵角の絶対値(|θs|))と図8(b)の制御マップとに基づいて)舵角反力補償電流Irを算出するよりも、中立状態に近い角度まで所定値I1を舵角反力補償電流Irとして算出する。他方、ステアリングホイール101が右方向に切り戻されている場合には、実舵角と制御マップとに基づいて舵角反力補償電流Irを算出するよりも、中立状態に近い角度まで所定値I1に−1を乗算した値(=−I1)を舵角反力補償電流Irとして算出する。
そして、以上のように構成された舵角反力補償電流算出部27を有する目標電流算出部20は以下のように作用する。
ステアリングホイール101が切り増されている場合、本実施の形態に係る切り増し用の制御マップは補正後舵角θfが如何なる角度であっても仮舵角反力補償電流Irfが零となるように設定されていることから、目標電流算出部20は、仮目標電流決定部25が決定した仮目標電流Itfを目標電流Itとする。
一方、ステアリングホイール101が切り戻されている場合、舵角反力補償電流Irは補正後舵角θfに応じた値となり、目標電流算出部20は、仮目標電流決定部25が決定した仮目標電流Itfから舵角反力補償電流Irを減算して得た電流を目標電流Itとする。
それゆえ、ステアリングホイール101が左方向に切り戻されている場合には、中立状態(θs=零)を超えても、マイナス側に補正角Δθまでは仮目標電流Itfより小さな目標電流Itとなるとともに徐々に目標電流Itが大きくなっていく。その結果、左切り戻しから左切り増しへの切り換わり時に目標電流Itの極性が反転することや目標電流Itが急減することが抑制される。また、目標電流Itが徐々に大きくなり始めの時点は、実舵角と制御マップとに基づいて(補正角Δθ分オフセットさせない舵角(=|θs|)と図8(b)の制御マップとに基づいて)舵角反力補償電流Irを算出するよりも、中立状態(中立位置)に近い。その結果、ステアリングホイール101の中立状態まで、電動モータ110による、ステアリングホイール101の戻り方向のアシスト力が、実舵角と制御マップとに基づいて舵角反力補償電流Irを算出するよりも大きくなりステアリングホイール101が中立状態(中立位置)まで戻り易くなる。
他方、ステアリングホイール101が右方向に切り戻されている場合には、中立状態(θs=零)を超えても、プラス側に補正角Δθまでは零より大きな目標電流Itとなるとともに徐々に目標電流Itが小さくなっていく。その結果、右切り戻しから右切り増しへの切り換わり時に目標電流Itの極性が反転することや目標電流Itが急増することが抑制される。また、目標電流Itが徐々に小さくなり始めの時点は、実舵角と制御マップとに基づいて舵角反力補償電流Irを算出するよりも、中立状態(中立位置)に近い。その結果、ステアリングホイール101の中立状態まで、電動モータ110による、ステアリングホイール101の戻り方向のアシスト力が、実舵角と制御マップとに基づいて舵角反力補償電流Irを算出するよりも大きくなりステアリングホイール101が中立状態まで戻り易くなる。
以上のことより、本実施の形態に係るステアリング装置100によれば、ステアリングホイール101を中立状態(中立位置)に戻り易くすることができるとともに切り戻しから切り増しへの切り替わり時においてステアリングホイール101を滑らかに回転させることができる。
なお、上述した実施の形態に係る舵角反力補償電流算出部27の構成は特に限定されない。例えば、舵角反力補償電流Irの値を車速Vcに応じて変更してもよい。例えば、仮舵角反力補償電流Irfの値を、車速Vcが予め定められた車速V1以上である場合には、車速Vcが大きくなるに従って仮舵角反力補償電流Irfが小さくなるように車速Vcに応じて補正してもよい。これにより、車速Vcが車速V1以上である場合には、車速Vcが大きいほど舵角反力が小さくなる。
10…制御装置、20…目標電流算出部、21…ベース電流算出部、22…イナーシャ補償電流算出部、23…ダンパー補償電流算出部、25…仮目標電流決定部、27…舵角反力補償電流算出部、28…最終目標電流決定部、30…制御部、70…モータ回転速度算出部、80…舵角算出部、90…操舵状況判定部、100…電動パワーステアリング装置、110…電動モータ

Claims (5)

  1. 車両に設けられたステアリングホイールの操作に対するアシスト力を付与する電動モータと、
    前記ステアリングホイールの操舵角である舵角に依存する操舵反力を前記電動モータが与えるための電流である舵角反力補償電流を算出する舵角反力補償電流算出手段と、
    前記舵角反力補償電流算出手段が算出した舵角反力補償電流を考慮して前記電動モータに供給する目標電流を決定する目標電流決定手段と、
    を備え、
    前記舵角反力補償電流算出手段は、
    推定された前記ステアリングホイールの実際の操舵角である実舵角の絶対値を算出する絶対値算出手段と、
    前記絶対値算出手段が算出した絶対値化された実舵角に予め定められた値を加算することにより当該絶対値化された実舵角を補正する補正手段と、
    前記補正手段が補正した補正後の実舵角である補正後舵角と、当該補正後舵角に対する仮の舵角反力補償電流を予め定めた制御マップと、に基づいて仮の舵角反力補償電流を算出する仮補償電流算出手段と、
    前記ステアリングホイールの操作方向に基づいて前記舵角反力補償電流の符号を設定する符号設定手段と、
    を有することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記仮補償電流算出手段は、前記ステアリングホイールが切り増されている場合には切り増し用の制御マップを用いて算出し、当該ステアリングホイールが切り戻されている場合には切り戻し用の制御マップを用いて算出することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記切り戻し用の制御マップは、前記補正後舵角が略零から大きくなるに従って仮の舵角反力補償電流が略零から大きくなるように定められていることを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記切り増し用の制御マップは前記補正後舵角が如何なる角度であっても仮の舵角反力補償電流が零となるように定められていることを特徴とする請求項2または3に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記ステアリングホイールの操舵トルクと前記車両の車速に基づいて仮の目標電流を決定する仮目標電流決定手段をさらに備え、
    前記目標電流決定手段は、前記仮目標電流決定手段が決定した仮の目標電流から前記舵角反力補償電流算出手段が算出した舵角反力補償電流を減算することにより得た値を前記目標電流として決定する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
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