JP2010195342A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動モータ110へ実際に供給される実電流を検出するモータ電流検出部33と、電動モータ110への目標電流を設定する目標電流算出部20と、目標電流算出部20が設定した目標電流とモータ電流検出部33が検出した実電流との電流偏差に対して比例ゲインを乗算する比例動作を行うと共に補正係数αを乗算することにより比例動作の効果を高める比例制御部42と、電流偏差の積分値に対して積分ゲインを乗算する積分制御部43と、モータ電流検出部33が検出した実電流に対して補正係数αから1を減算した値に比例ゲインを乗算した値を乗算する乗算部50と、比例制御部42、積分制御部43、乗算部50からの出力値を加算して電動モータ110への指令値を出力する加算部44とを備える。
【選択図】図4
Description
この電動パワーステアリング装置は、制御装置にて制御される。制御装置は、電動モータの駆動を制御するために、先ず、操舵トルクや車速などに応じて電動モータに供給する目標電流を設定する。そして、設定した目標電流と実際に電動モータに流れる実電流とを一致させるべく、目標電流と実電流との偏差がゼロになるように、フィードバック制御を行う。
そこで、本発明は、システムの安定性に影響を与えることなく実電流の応答性を向上させることを目的とする。
そして、前記補正係数に依存する係数は、前記補正係数から1を減算した値に前記比例ゲインを乗算した値であることが好適である。
そして、前記補正係数に依存する係数は、前記補正係数から1を減算した値に前記積分ゲインを乗算した値であることが好適である。
また、前記補正係数は、少なくともこの電動パワーステアリング装置を搭載する車両の車速あるいは前記操舵トルク検出手段が検出する操舵トルクの変化量のいずれかに応じて変化することが好適である。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る電動パワーステアリング装置100の概略構成を示す図である。
電動パワーステアリング装置100(以下、単に「ステアリング装置100」と称する場合もある。)は、乗り物の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施の形態においては自動車に適用した構成を例示している。
また、ステアリング装置100は、電動モータ110に実際に流れる実電流の大きさおよび方向を検出する電流検出手段の一例としてのモータ電流検出部33(図4参照)と、電動モータ110の端子間電圧を検出するモータ電圧検出部160を有している。
制御装置10は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等からなる算術論理演算回路である。
図2は、電動パワーステアリング装置100の制御装置10の概略構成図である。
制御装置10には、上述したトルクセンサ109にて検出された操舵トルクが出力信号に変換されたトルク信号Tdと、車速センサ170にて検出された車速が出力信号に変換された車速信号vとが入力される。
なお、制御装置10は、トルクセンサ109などからの検出信号がアナログ信号として入力されるので、図示しないA/D変換部によりアナログ信号をデジタル信号に変換し、CPUに取り込んでいる。
目標電流算出部20は、目標電流を設定する上で基準となるベース電流を算出するベース電流算出部21と、電動モータ110の慣性モーメントを打ち消すための電流を算出するイナーシャ補償電流算出部22とを備えている。また、目標電流算出部20は、モータの回転を制限する電流を算出するダンパー補償電流算出部23と、モータ電流信号Imおよびモータ端子間電圧信号Vmに基づいて電動モータ110の回転速度を算出するモータ回転速度算出部24とを備えている。また、目標電流算出部20は、ベース電流算出部21、イナーシャ補償電流算出部22、ダンパー補償電流算出部23などからの出力に基づいて最終的な目標電流を決定する最終目標電流決定部25を備えている。
このように、目標電流算出部20は、トルクセンサ109が検出した操舵トルクに基づいて電動モータ110に供給する目標電流を設定する目標電流設定手段の一例として機能する。
制御部30は、電動モータ110の作動を制御するモータ駆動制御部31と、電動モータ110を駆動させるモータ駆動部32と、電動モータ110に実際に流れる実電流を検出するモータ電流検出部33とを有している。
フィードバック制御部40は、目標電流算出部20にて算出された目標電流とモータ電流検出部33にて検出された実電流との偏差を求める偏差演算部41を有している。また、フィードバック制御部40は、偏差演算部41が算出した電流偏差に対して比例動作を行う比例制御部42と、偏差演算部41が算出した電流偏差に対して積分動作を行う積分制御部43と、比例制御部42からの出力値と積分制御部43からの出力値とを加算する加算部44とを有している。
比例制御部42は、比例制御手段の一例として機能し、目標電流算出部20からの出力値ITとモータ電流検出部33からの出力値Imとの偏差に対して比例ゲインKpを乗算する比例動作要素421を有している。また、比例制御部42は、比例動作要素421からの出力値に対して補正係数αを乗算する補正手段の一例としての補正部422と、補正部422にて処理を行う際に用いる補正係数αを設定する補正係数設定部423とを有する。
補正係数設定部423が補正係数αを1以上の値に設定することにより、補正部422は、比例動作要素421からの出力値に対して補正係数αを乗算することにより比例動作要素421にて行われる比例動作の効果を高める。
加算部44は、比例制御部42からの出力値と、積分制御部43からの出力値と、乗算部50からの出力値とを加算し、その結果を出力する加算手段の一例として機能する。加算部44からの出力値は、電動モータ110への指令値の基となり、PWM信号生成部60は加算部44からの出力値に基づいてPWM信号60aを生成し、生成したPWM信号60aをモータ駆動部32に出力する。
IT(s)からIm(s)までの伝達関数H(s)は、式(1)で表される。
かかる場合の、IT(s)からIm(s)までの伝達関数G(s)は、式(2)で表される。
また、伝達関数の分母は、システムの安定性を示すが、式(1),(2)により、H(s)とG(s)の分母は同一であることから、本実施形態に係るモータ駆動制御部31は、αの値に関わらず比較システムと同じ安定性を確保している。
そして、このように、補正係数αを、車速および/またはトルク信号Tdに基づいて変更することでよりきめ細かい制御を行うことができる。
図9は、第2の実施形態に係る制御部200の概略構成図である。
以下では、第1の実施形態との差異点について述べ、同じ構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
第2の実施形態に係る制御部200のモータ駆動制御部210のフィードバック制御部211は、第1の実施形態に係る制御部30と同様に、比例制御部220と積分制御部230とを有している。そして、比例制御部220および積分制御部230が以下のように構成されている点に特徴がある。すなわち、第2の実施形態に係る比例制御部220は、目標電流算出部20からの出力値ITとモータ電流検出部33からの出力値Imとの偏差に対して比例ゲインKpを乗算する比例動作要素221からなる。積分制御部230は、ITとImとの偏差を積分することにより得られる積分値に対して積分ゲインKiを乗算する積分動作を行う積分動作要素231と、積分動作要素231からの出力値に対して補正係数γを乗算する補正手段の一例としての補正部232と、補正部232にて処理を行う際に用いる補正係数γを設定する補正係数設定部233とを有する。
また、第2の実施形態に係る制御部200のモータ駆動制御部210は、モータ電流検出部33にて検出された実電流の値を積分することにより得られる積分値に対して係数を乗算する乗算部250を有している点に特徴がある。
補正係数設定部233が補正係数γを1以上の値に設定することにより、補正部232は、積分動作要素231からの出力値に対して補正係数γを乗算することにより積分動作要素231にて行われる積分動作の効果を高める。
かかる場合の、IT(s)からIm(s)までの伝達関数F(s)は、式(3)で表される。
また、伝達関数の分母は、システムの安定性を示すが、式(2),(3)により、F(s)とG(s)の分母は同一であることから、本実施形態に係るモータ駆動制御部210は、γの値に関わらず比較システムと同じ安定性を確保している。
このように、補正係数γを、車速および/または操舵トルクに基づいて変更することでよりきめ細かい制御を行うことができる。
図11は、第3の実施形態に係る制御部300の概略構成図である。
以下では、第1又は第2の実施形態との差異点について述べ、同じ構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
第3の実施形態に係る制御部300は、第1のモータ駆動制御部311と、第2のモータ駆動制御部312と、状況に応じて、目標電流算出部20(図4参照)からの出力値ITを第1のモータ駆動制御部311又は第2のモータ駆動制御部312のいずれのモータ駆動制御部にてPWM信号生成部60への指令値を出力するかを切り替える切替部310とを有する点に特徴がある。
そして、切替部310は、状況に応じて、第1のモータ駆動制御部311又は第2のモータ駆動制御部312のいずれか一方を選択する。
これにより、よりきめ細かく電動モータ110を制御することができ、電動パワーステアリング装置100の安定性に影響を及ぼすことなくステアリングフィールをより向上させることができる。
図12は、第4の実施形態に係る制御部400の概略構成図である。
以下では、第1の実施形態との差異点について述べ、同じ構成要素については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
第4の実施形態に係る制御部400のモータ駆動制御部410のフィードバック制御部440は、第1の実施形態に係るモータ駆動制御部31の比例制御部42と、第2の実施形態に係るモータ駆動制御部210の積分制御部230とを有している。
第1の乗算部451は、第1の実施形態に係るモータ駆動制御部31の乗算部50と同じく、モータ電流検出部33にて検出された実電流に「Kp×(α−1)」を乗算し、その結果を出力する。また、第2の乗算部452は、第2の実施形態に係るモータ駆動制御部210の乗算部250と同じく、モータ電流検出部33にて検出された実電流の値を積分することにより得られる積分値に「Ki×(γ−1)」を乗算し、その結果を出力する。
かかる場合の、IT(s)からIm(s)までの伝達関数D(s)は、式(4)で表される。
また、伝達関数の分母は、システムの安定性を示すが、式(2),(4)により、D(s)とG(s)の分母は同一であることから、本実施形態に係るモータ駆動制御部410は、補正係数αおよびγの値に関わらず比較システムと同じ安定性を確保している。
Claims (8)
- ステアリングホイールの操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
前記ステアリングホイールに操舵補助力を与える電動モータと、
前記電動モータへ実際に供給される実電流を検出する電流検出手段と、
前記操舵トルク検出手段が検出した操舵トルクに基づいて前記電動モータへの目標電流を設定する目標電流設定手段と、
前記目標電流設定手段が設定した目標電流と前記電流検出手段が検出した実電流との電流偏差に応じた値に対して比例ゲインを乗算する比例動作を行う比例制御手段と、
前記電流偏差に応じた値を積分することにより得られる積分値に対して積分ゲインを乗算する積分動作を行う積分制御手段と、
前記比例制御手段からの出力値と前記積分制御手段からの出力値とを加算して前記電動モータへの指令値を出力する加算手段と、
を備え、
前記比例制御手段および前記積分制御手段の少なくともいずれかは、補正係数を乗算することにより前記比例動作又は前記積分動作の効果を高める補正手段を有し、
前記目標電流設定手段が設定した目標電流を入力、前記電動モータへ実際に供給される実電流を出力とした場合の伝達関数の分母が前記補正係数の値に関わらず等しくなるように調整する調整手段をさらに備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記比例制御手段は、前記補正係数を乗算することにより前記比例動作の効果を高める補正手段を有し、
前記調整手段は、前記電流検出手段が検出した実電流に対して前記補正係数に依存する係数を乗算してその結果を出力し、
前記加算手段は、前記調整手段からの出力をも加算して前記電動モータへの指令値を出力することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記補正係数に依存する係数は、前記補正係数から1を減算した値に前記比例ゲインを乗算した値であることを特徴とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記積分制御手段は、前記補正係数を乗算することにより前記積分動作の効果を高める補正手段を有し、
前記調整手段は、前記電流検出手段が検出した実電流の値を積分することにより得られる積分値に対して前記補正係数に依存する係数を乗算してその結果を出力し、
前記加算手段は、前記調整手段からの出力をも加算して前記電動モータへの指令値を出力することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記補正係数に依存する係数は、前記補正係数から1を減算した値に前記積分ゲインを乗算した値であることを特徴とする請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記補正係数は、少なくともこの電動パワーステアリング装置を搭載する車両の車速あるいは前記操舵トルク検出手段が検出する操舵トルクの変化量のいずれかに応じて変化することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
- ステアリングホイールの操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
前記ステアリングホイールに操舵補助力を与える電動モータと、
前記電動モータへ実際に供給される実電流を検出する電流検出手段と、
前記操舵トルク検出手段が検出した操舵トルクに基づいて前記電動モータへの目標電流を設定する目標電流設定手段と、
前記目標電流設定手段が設定した目標電流と前記電流検出手段が検出した実電流との電流偏差に応じた値に対して比例ゲインを乗算する比例動作を行うと共に補正係数を乗算することにより当該比例動作の効果を高める第1の比例制御手段と、当該電流偏差に応じた値を積分することにより得られる積分値に対して積分ゲインを乗算する積分動作を行う第1の積分制御手段と、前記電流検出手段が検出した実電流に対して当該補正係数に依存する係数を乗算する第1の乗算手段とを有し、当該第1の比例制御手段からの出力値と当該第1の積分制御手段からの出力値と当該第1の乗算手段からの出力値とを加算して前記電動モータへの指令値を出力する第1のモータ駆動制御手段と、
前記電流偏差に応じた値に対して前記比例ゲインを乗算する比例動作を行う第2の比例制御手段と、当該電流偏差に応じた値を積分することにより得られる積分値に対して前記積分ゲインを乗算する積分動作を行うと共に補正係数を乗算することにより当該積分動作の効果を高める第2の積分制御手段と、前記電流検出手段が検出した実電流の値を積分することにより得られる積分値に対して当該補正係数に依存する係数を乗算する第2の乗算手段とを有し、当該第2の比例制御手段からの出力値と当該第2の積分制御手段からの出力値と当該第2の乗算手段からの出力値とを加算して前記電動モータへの指令値を出力する第2のモータ駆動制御手段と、
前記第1のモータ駆動制御手段又は前記第2のモータ駆動制御手段にて前記電動モータへの指令値を出力するかを切り替える切替手段と、
を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記切替手段は、少なくともこの電動パワーステアリング装置を搭載する車両の車速あるいは前記操舵トルク検出手段が検出する操舵トルクのいずれかに応じて切り替えることを特徴とする請求項7に記載の電動パワーステアリング装置。
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