JP2014133333A - コーティング装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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孝一 山内
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Abstract

【課題】発熱体による加熱時点から、コーティング樹脂層をフィルム基材から剥離するまでのコーティング樹脂層の冷却時間を所望の時間に容易に設定することができるコーティング装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】フィルム基材とコーティング樹脂層とを積層したコーティングフィルムを用いて、搬送中の記録シートを樹脂コーティングするコーティング装置及びそれを備えた画像形成装置である。剥離部材は、搬送方向に沿って平行移動可能とされており、変位部は、剥離部材を搬送方向に移動させることにより、剥離距離を変更するか、或いは、コーティング部は、何れか一つの剥離部材がフィルム基材に接触して互いに異なる剥離位置でコーティング樹脂層を剥離するように切り替え可能とされた少なくとも2つの剥離部材を有し、変位部は、剥離部材を切り替えることにより、剥離距離を変更する。
【選択図】図6

Description

本発明は、記録シートを樹脂コーティングするコーティング処理を施すコーティング装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
記録用紙等の記録シートを樹脂コーティングするコーティング処理を施すコーティング装置としては、発熱体(具体的にはサーマルヘッド)を用いた熱転写方式のものがある。
熱転写方式のコーティング装置では、フィルム基材とコーティング樹脂層とを積層したコーティングフィルムを、搬送中の記録シートに重ね合わせ、発熱体によりコーティングフィルムを加熱して、フィルム基材からコーティング樹脂層を剥離して、コーティング樹脂層により記録シートを樹脂コーティングする。これにより、コーティング装置は、樹脂コーティングした記録シートの光沢度を高くすることで、記録シートのコート面に対して艶をだすことができる。
特開平11−180015号公報 特開平9−240028号公報
このようなコーティング装置においては、近年、光沢度を高くすることで、記録シートのコート面に対して艶をだすばかりでなく艶消しも要望され、ユーザに要望に応じた表面処理が必要となってきた。
本発明者の知見によれば、フィルム基材からコーティング樹脂層を剥離するときにコーティング樹脂層の温度が高い程、すなわち、発熱体によるコーティング樹脂層の加熱時点から、コーティング樹脂層をフィルム基材から剥離するまでのコーティング樹脂層の冷却時間(例えば発熱体の加熱位置から記録シートの搬送方向における下流側で剥離するまでの剥離距離)が短い程、光沢度を小さくすることができ、それだけコート面に対して艶を目立たなく或いはなくすことができる。
この点に関し、特許文献1には、カセットケース内に収納するインクリボンの種類に応じて最も適した剥離位置及び剥離角度を設定して記録に供されたインクリボンの記録紙上からの剥離を行う技術が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術をたとえコーティング装置に適用して、コーティングフィルムの剥離位置及び剥離角度を設定したとしても、冷却時間を所望の時間に容易に設定することができない。
また、特許文献2には、キャリッジに搭載された剥離遅延機構により、サーマルヘッドによる記録位置から所定の距離まで、インクリボンと記録シートとを接触させ、その後剥離させるにあたり、単一の剥離遅延ローラの回動動作により、熱溶融記録時と熱昇華記録時とに応じて剥離距離を切り替える技術が記載されている。
しかしながら、特許文献2に記載の技術をたとえコーティング装置に適用して、単一の剥離遅延ローラの回動動作により、剥離距離を切り替えたとしても、所望の剥離距離、すなわち、特許文献1と同様に冷却時間を所望の時間に容易に設定することができない。
本発明は、前記課題に鑑みなされたものであり、発熱体によるコーティング樹脂層の加熱時点から、コーティング樹脂層をフィルム基材から剥離するまでのコーティング樹脂層の冷却時間を所望の時間に容易に設定することができるコーティング装置を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために、次の第1態様及び第2態様のコーティング装置並びに画像形成装置を提供する。
(1)第1態様のコーティング装置
フィルム基材とコーティング樹脂層とを積層したコーティングフィルムを用いて、搬送中の記録シートを樹脂コーティングするコーティング処理を施すコーティング装置であって、前記コーティングフィルムを前記記録シートの搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送経路において前記搬送部にて搬送される前記記録シートに前記コーティングフィルムを重ね合わせ加熱して、前記フィルム基材から前記コーティング樹脂層を剥離するコーティング部とを備え、前記コーティング部は、前記搬送経路において互いに重ね合わされた前記コーティングフィルムを加熱しつつ前記記録シートに密着させる発熱体と、前記発熱体の加熱位置から前記記録シートの搬送方向における下流側の予め定めた所定の剥離距離だけ離れた剥離位置で前記フィルム基材に接触した状態で前記フィルム基材から前記コーティング樹脂層を剥離する剥離部材と、前記剥離部材を変位させる変位部とを備え、前記剥離部材は、前記搬送方向に沿って平行移動可能とされており、前記変位部は、前記剥離部材を前記搬送方向に移動させることにより、前記剥離距離を変更することを特徴とするコーティング装置。
(2)第2態様のコーティング装置
フィルム基材とコーティング樹脂層とを積層したコーティングフィルムを用いて、搬送中の記録シートを樹脂コーティングするコーティング処理を施すコーティング装置であって、前記コーティングフィルムを前記記録シートの搬送経路に沿って搬送する搬送部と、前記搬送経路において前記搬送部にて搬送される前記記録シートに前記コーティングフィルムを重ね合わせ加熱して、前記フィルム基材から前記コーティング樹脂層を剥離するコーティング部とを備え、前記コーティング部は、前記搬送経路において互いに重ね合わされた前記コーティングフィルムを加熱しつつ前記記録シートに密着させる発熱体と、前記発熱体の加熱位置から前記記録シートの搬送方向における下流側の予め定めた所定の剥離距離だけ離れた剥離位置で前記フィルム基材に接触した状態で前記フィルム基材から前記コーティング樹脂層を剥離する剥離部材と、前記剥離部材を変位させる変位部とを備え、前記コーティング部は、何れか一つの前記剥離部材が前記フィルム基材に接触して互いに異なる前記剥離位置で前記コーティング樹脂層を剥離するように切り替え可能とされた少なくとも2つの前記剥離部材を有し、前記変位部は、前記剥離部材を切り替えることにより、前記剥離距離を変更することを特徴とするコーティング装置。
本発明に係る第2態様のコーティング装置において、少なくとも2つの前記剥離部材は、前記搬送方向に直交する前記記録シートのシート面に沿った回動軸線を中心に予め定めた所定の角度をおいて設けられて前記回動軸線回りに揺動可能とされ、かつ、何れか一つの前記剥離部材が前記フィルム基材に接触して互いに異なる前記剥離位置で前記コーティング樹脂層を剥離する構成とされており、前記変位部は、前記剥離部材を前記回動軸線回りに揺動させることにより、前記剥離距離を変更する態様を例示できる。
(3)画像形成装置
前記本発明に係るコーティング装置と、前記記録シートに画像を形成する画像形成部とを備え、前記画像形成部にて画像形成した前記記録シート上に前記コーティング装置にて前記コーティング処理を行う画像形成装置であって、互いに異なる複数の前記剥離距離にそれぞれ対応する複数の動作モードを有し、前記変位部は、複数の前記動作モードが何れか一つの動作モードに切り替えられることにより、切り替えられた動作モードに対応する前記剥離距離に変更することを特徴とする画像形成装置。
本発明に係る画像形成装置において、前記複数の動作モードは、前記コーティング装置にて前記コーティング処理された前記記録シートの光沢度が予め定めた所定の光沢度以上の光沢度となる光沢モードと、前記コーティング装置にて前記コーティング処理された前記記録シートの光沢度が前記所定の光沢度よりも小さい光沢度となる艶消しモードとを含み、前記光沢モードでの前記剥離距離は、前記艶消しモードでの前記剥離距離よりも大きくされている態様を例示できる。
本発明によると、前記発熱体による前記コーティング樹脂層の加熱時点から、前記コーティング樹脂層を前記フィルム基材から剥離するまでの前記コーティング樹脂層の冷却時間を所望の時間に容易に設定することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るコーティング装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す正面図である。 図1に示す画像形成装置におけるコーティングユニットの概略構成を示す正面図である。 図2に示すコーティングユニットにおける一対のコーティング装置の概略構成を示す断面図である。 図3に示すコーティング装置が記録シートに対してコーティング処理を施している状態を示す概略断面図である。 コーティングフィルムの概略構成を示す断面図である。 剥離部材を変位させて動作モードを切り替える変位部を備えた第1実施形態のコーティング装置の概略構成を模式的に示す正面図であって、(a)は、動作モードが光沢モードに切り替えられて剥離距離が最大になっている状態を示す図であり、(b)は、動作モードが艶消しモードに切り替えられて剥離距離が最小になっている状態を示す図である。 図6に示す変位部により動作モードを変位させた剥離部材の切り替え状態を示す概略断面図であって、(a)は、動作モードが光沢モードに切り替えられて剥離距離が最大になっている状態を示す図であり、(b)は、動作モードが艶消しモードに切り替えられて剥離距離が最小になっている状態を示す図である。 図7に示す第1実施形態のコーティング装置における変位部の概略斜視図である。 画像形成装置に設けられた制御部により第1実施形態のコーティング装置の変位部における移動機構駆動部を作動制御するためのシステム構成の一例を示す概略ブロック図である。 剥離部材を変位させて動作モードを切り替える変位部を備えた第2実施形態のコーティング装置の概略構成を模式的に示す正面図であって、(a)は、動作モードが光沢モードに切り替えられて剥離距離が最大になっている状態を示す図であり、(b)は、動作モードが艶消しモードに切り替えられて剥離距離が最小になっている状態を示す図である。 図10に示す変位部により動作モードを変位させた剥離部材の切り替え状態を示す概略断面図であって、(a)は、動作モードが光沢モードに切り替えられて剥離距離が最大になっている状態を示す図であり、(b)は、動作モードが艶消しモードに切り替えられて剥離距離が最小になっている状態を示す図である。 図11に示す第2実施形態のコーティング装置における変位部の概略斜視図である。 画像形成装置に設けられた制御部により第2実施形態のコーティング装置の変位部における揺動機構駆動部を作動制御するためのシステム構成の一例を示す概略ブロック図である。 第1実施形態のコーティング装置においてガイド部材の一例が設けられた状態を模式的に示す正面図であって、(a)は、動作モードが光沢モードに切り替えられて剥離距離が最大になっている状態を示す図であり、(b)は、動作モードが艶消しモードに切り替えられて剥離距離が最小になっている状態を示す図である。 第2実施形態のコーティング装置においてガイド部材の一例が設けられた状態を模式的に示す正面図であって、(a)は、動作モードが光沢モードに切り替えられて剥離距離が最大になっている状態を示す図であり、(b)は、動作モードが艶消しモードに切り替えられて剥離距離が最小になっている状態を示す図である。 第1実施形態のコーティング装置においてガイド部材の他の例が設けられた状態を模式的に示す正面図であって、(a)は、動作モードが光沢モードに切り替えられて剥離距離が最大になっている状態を示す図であり、(b)は、動作モードが艶消しモードに切り替えられて剥離距離が最小になっている状態を示す図である。 図16に示す変位部により動作モードを変位させた剥離部材の切り替え状態を示す概略断面図であって、(a)は、動作モードが光沢モードに切り替えられて剥離距離が最大になっている状態を示す図であり、(b)は、動作モードが艶消しモードに切り替えられて剥離距離が最小になっている状態を示す図である。 図17に示す第1実施形態のコーティング装置における変位部の概略斜視図である。 第2実施形態のコーティング装置においてガイド部材の他の例が設けられた状態を模式的に示す正面図であって、(a)は、動作モードが光沢モードに切り替えられて剥離距離が最大になっている状態を示す図であり、(b)は、動作モードが艶消しモードに切り替えられて剥離距離が最小になっている状態を示す図である。 図19に示す変位部により動作モードを変位させた剥離部材の切り替え状態を示す概略断面図であって、(a)は、動作モードが光沢モードに切り替えられて剥離距離が最大になっている状態を示す図であり、(b)は、動作モードが艶消しモードに切り替えられて剥離距離が最小になっている状態を示す図である。 図20に示す第2実施形態のコーティング装置における変位部の概略斜視図である。 第2実施形態のコーティング装置におけるコーティング部において変位部の剥離部材をさらに2つ追加した一例を説明するための概略正面図であって、(a)は、追加した剥離部材のうち加熱位置から遠い方の剥離部材により剥離動作を行っている状態を示す図であり、(b)は、追加した剥離部材のうち加熱位置に近い方の剥離部材により剥離動作を行っている状態を示す図である。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[画像形成装置]
図1は、本発明の実施の形態に係るコーティング装置46を備えた画像形成装置100の概略構成を示す正面図である。
図1に示す画像形成装置100は、画像形成部1、中継ユニット2、コーティングユニット3及び後処理ユニット4を備えている。
画像形成部1は、外部装置(例えば原稿読取装置やパーソナルコンピュータ等の画像処理装置)からの画像データに基づいて、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像、又は、単色(たとえば、ブラック)を用いたモノクロ画像を記録用紙等の記録シートPに形成し、カラー画像又はモノクロ画像が形成された記録シートPを中継ユニット2に搬出する構成とされている。
中継ユニット2は、記録シートPを画像形成部1から受け取った記録シートPをコーティングユニット3へ中継搬送する構成とされている。
コーティングユニット3は、記録シートPを中継ユニット2から受け取った記録シートPをそのまま後処理ユニット4に搬出するか、或いは、記録シートPを樹脂コーティングするコーティング処理を施した後に、記録シートPを後処理ユニット4に搬出する構成とされている。
後処理ユニット4は、記録シートPをコーティングユニット3から受け取った記録シートPをそのまま排出するか、或いは、記録シートPに対して後処理装置58にてステープル等の後処理を施した後に、記録シートPを排出する構成とされている。
次に、画像形成部1、中継ユニット2、コーティングユニット3及び後処理ユニット4の概略構成を説明する。
画像形成部1は、光走査装置11、現像装置12、感光体ドラム13、ドラムクリーニング装置14、帯電器15、中間転写ベルト装置16、定着装置17及び給紙トレイ18を備えており、これらの構成部材によりカラー画像又はモノクロ画像を記録シートPに画像形成するようになっている。
画像形成部1において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は、単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。このため、画像形成部1においては、感光体ドラム13、帯電器15、現像装置12及びドラムクリーニング装置14は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ及びイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されていることから、各画像ステーションPa,Pb,Pc,Pd間で実質的に同じ構成の部材には同一符号を付している。
中間転写ベルト装置16は、感光体ドラム13〜13の上方に配置されており、中間転写ベルト21、中間転写ベルト駆動ローラ22、従動ローラ23、4つの中間転写ローラ24〜24及びベルトクリーニング装置25を備えている。中間転写ベルト駆動ローラ22、従動ローラ23、中間転写ローラ24〜24は、中間転写ベルト21を張架して支持し、中間転写ベルト21を所定のシート搬送方向Cに周回移動させる。
ベルトクリーニング装置25は、2次転写装置26の転写ローラ26aによって中間転写ベルト21上のトナー像が記録シートPに完全に転写されずに中間転写ベルト21上にトナーが残留することがある残留トナーを除去及び回収する。
定着装置17は、加熱ローラ31及び加圧ローラ32を備えており、加熱ローラ31と加圧ローラ32との間に記録シートPを挟み込んで搬送する。給紙トレイ18は、記録シートPを格納しておくためのトレイであり、画像形成部1の下部に設けられている。
画像形成部1は、給紙トレイ18から供給された記録シートPを2次転写装置26や定着装置17を経由させて中継ユニット2に送るためのシート搬送装置20をさらに備えている。シート搬送装置20は、S字状のシート搬送経路R1を有し、シート搬送経路R1に沿って、ピックアップローラ部33、レジストローラ対(以下、単にレジストローラという)34、複数の搬送ローラ対(以下、単に搬送ローラという)35〜35、定着装置17及び排出ローラ対(以下、単に排出ローラという)36が配置されている。
画像形成部1は、トナー像が転写された記録シートPを定着装置17に搬送し、定着装置17にてカラーのトナー像を記録シートPに定着する。さらに、画像形成部1は、定着装置17でカラーのトナー像が定着された記録シートPを排出ローラ36によって中継ユニット2に搬出する。
また、画像形成部1は、記録シートPの表面だけではなく、裏面の印字を行う場合は、記録シートPを反転経路Rrに通して、記録シートPの表裏を反転させ、記録シートPをレジストローラ34に導き、記録シートPの表面と同様に、記録シートPの裏面に画像を形成して定着し、記録シートPを中継ユニット2に搬出する。
中継ユニット2は、水平に設けられた直線状の中継搬送経路R2に沿って設けられた複数の搬送ローラ41〜41を備えている。中継ユニット2は、画像形成部1から受け取った記録シートPを搬送ローラ41〜41により中継搬送経路R2に沿って搬送し、記録シートPをコーティングユニット3に搬出する。
コーティングユニット3は、水平に設けられた直線状のスルー搬送経路R3と、スルー搬送経路R3のシート入口から分岐してスルー搬送経路R3のシート出口に戻るU字状の引き込み搬送経路R4(搬送経路の一例)と、引き込み搬送経路R4に設けられた一対のコーティング装置46,46とを備えている。また、コーティングユニット3は、スルー搬送経路R3のシート入口に設けられた搬入ローラ対(以下、単に搬入ローラという)42と、スルー搬送経路R3のシート出口に設けられた搬出ローラ対(以下、単に搬出ローラという)43と、スルー搬送経路R3及び引き込み搬送経路R4に沿って配置された複数の搬送ローラ44〜44と、スルー搬送経路R3及び引き込み搬送経路R4の分岐位置に配置されたフラッパー45とを備えている。
コーティングユニット3では、記録シートPを樹脂コーティングするコーティング処理を施すときと施さないときとで記録シートPの搬送経路が異なる。
すなわち、コーティングユニット3では、記録シートPに対してコーティング処理を施さないときには、記録シートPをスルー搬送経路R3に搬送させる。
また、記録シートPに対してコーティング処理を施すときには、記録シートPを引き込み搬送経路R4に導いて、記録シートPを一方のコーティング搬送経路R4a→折り返し部R4c→他方のコーティング搬送経路R4bの順序で搬送する。
後処理ユニット4は、水平に設けられた排出搬送経路R5と、排出搬送経路R5から分岐した後処理搬送経路R6と、後処理搬送経路R6に設けられたステープル等の後処理を行う後処理装置58とを備えている。また、後処理ユニット4は、排出搬送経路R5のシート入口の近傍に設けられた搬入ローラ51と、排出搬送経路R5のシート出口の近傍に設けられた排出ローラ52と、後処理搬送経路R6のシート出口の近傍に設けられた排出ローラ53と、排出搬送経路R5のシート出口の下方に設けられた排出トレイ54と、後処理搬送経路R6のシート出口の下方に設けられた排出トレイ55と、排出搬送経路R5及び後処理搬送経路R6に沿って配置された複数の搬送ローラ56〜56と、排出搬送経路R5と後処理搬送経路R6との分岐位置に配置されたフラッパー57とを備えている。なお、一対のコーティング装置46,46については、後ほど詳述する。
画像形成装置100は、さらに、制御部200(後述する図9及び図13参照)を備えている。制御部200は、CPU(Central Processing Unit)等の処理部201と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを含む記憶部202とを備えている。詳しくは、画像形成装置100は、制御部200の処理部201が記憶部202のROMに予め格納された制御プログラムを記憶部202のRAM上にロードして実行することにより、各種構成要素を制御するようになっている。
(コーティング装置)
次に、図1に示す画像形成装置100のコーティングユニット3に設けられた一対のコーティング装置46,46について説明する。
図2は、図1に示す画像形成装置100におけるコーティングユニット3の概略構成を示す正面図である。図3は、図2に示すコーティングユニット3における一対のコーティング装置46,46の概略構成を示す断面図である。図4は、図3に示すコーティング装置46が記録シートPに対してコーティング処理を施している状態を示す概略断面図である。また、図5は、コーティングフィルム70の概略構成を示す断面図である。なお、図3及び図4において後述する変位部800及び変位部900は図示を省略している。
図2に示すように、一方のコーティング搬送経路R4aに設けられた一方のコーティング装置46と、他方のコーティング搬送経路R4bに設けられた他方のコーティング装置46とは、上下を反転させた以外は同一の構成とされており、よって、同一の構成には同一符号を付している。
ここで、図3及び図4に示すコーティング装置46の構成は、一方のコーティング搬送経路R4aに設けられた一方のコーティング装置46の構成とされているが、図3及び図4の上下を反転させることで、他方のコーティング搬送経路R4bに設けられた他方のコーティング装置46の構成とすることができる。よって、以下の説明において、一対のコーティング搬送経路R4a,R4bは、単にコーティング搬送経路R4a,R4bと、一方のコーティング搬送経路R4aは、単にコーティング搬送経路R4aと、他方のコーティング搬送経路R4bは、単にコーティング搬送経路R4bと称することがある。また、図3及び図4において、コーティング搬送経路に付している符号は、“R4a,R4b”としている。
コーティングフィルム70は、図5に示すように、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂材料からなるフィルム基材70a上に、スチレン等からなるコーティング樹脂層70bを積層したものであり、予め定めた所定の厚み(例えば3μ〜6μの厚み)を有している。
コーティング装置46は、図3及び図4に示すように、フィルム基材70a(図5参照)とコーティング樹脂層70b(図5参照)とを積層したコーティングフィルム70を用いて、搬送中の記録シートPを樹脂コーティングするコーティング処理を施すようになっている。
詳しくは、コーティング装置46は、コーティングフィルム70のコーティング樹脂層70bを記録シートPに重ねて、サーマルヘッド71(発熱体の一例)によりコーティングフィルム70のコーティング樹脂層70bを加熱溶融して記録シートPに密着させるようになっている。
コーティング装置46は、コーティングフィルム70を記録シートPのコーティング搬送経路R4a,R4bに沿って予め定めた所定の搬送速度(例えば165mm/secの一定速度)で搬送する搬送部60と、コーティング搬送経路R4a,R4bにおいて搬送部60にて搬送される記録シートPにコーティングフィルム70を重ね合わせ加熱して、フィルム基材70aからコーティング樹脂層70bを剥離するコーティング部50とを備えている。
搬送部60は、第1搬送ローラ61、プラテンローラ65及び第2搬送ローラ62を備えている。
第1搬送ローラ61、プラテンローラ65及び第2搬送ローラ62は、コーティング搬送経路R4a,R4bに沿って設けられている。
詳しくは、第1搬送ローラ61は、コーティング装置46に搬入された記録シートPを搬送方向Xに搬送する。プラテンローラ65は、第1搬送ローラ61にて搬送される記録シートPにコーティング処理を施すためにコーティングフィルム70及び記録シートPを後述するサーマルヘッド71と共に密着させる。第2搬送ローラ62は、コーティング処理が施された記録シートPを搬送方向Xに搬送する。
プラテンローラ65は、記録シートPの搬送方向Xにおいてコーティング搬送経路R4a,R4bの略中央部に配設されている。第1搬送ローラ61は、記録シートPの搬送方向Xにおいてプラテンローラ65よりも上流側に配設されている。第2搬送ローラ62は、記録シートPの搬送方向Xにおいてプラテンローラ65よりも下流側に配設されている。
具体的には、第1搬送ローラ61、第2搬送ローラ62及びプラテンローラ65は、剛性シャフト(例えば金属シャフト)の外周表面に、弾性を有する部材(例えばEPDM等の合成ゴム)を設けたものとされている。
第1搬送ローラ61、プラテンローラ65及び第2搬送ローラ62は、駆動モータ60a(回転駆動部の一例、図9及び図13参照)により駆動ギャや駆動ベル等の図示を省略した駆動伝達手段を介して回転駆動力が伝達されることで、記録シートPの搬送速度に対応するそれぞれの周速度で回転駆動されるようになっている。駆動モータ60aは、制御部200の出力系に電気的に接続されており、制御部200からの指示命令により、作動制御されるようになっている。
コーティング部50は、送り出しリール66と、第1ピンチローラ63と、サーマルヘッド71と、搬送方向Xに直交する記録シートPのシート面に沿った幅方向Yに沿って延びる長尺形状の剥離部材64(ここでは剥離ローラの一例である第2ピンチローラ)と、巻き取りリール67とを備えている。
送り出しリール66及び巻き取りリール67は、記録シートPの搬送方向Xにおいてサーマルヘッド71を間に離間した位置に配設されている。第1ピンチローラ63及び剥離部材64は、コーティング搬送経路R4a,R4bに沿って設けられている。
詳しくは、送り出しリール66は、コーティングフィルム70を送り出す。第1ピンチローラ63は、第1搬送ローラ61からの記録シートPと送り出しリール66からのコーティングフィルム70とを重ね合わせる。サーマルヘッド71は、第1ピンチローラ63もよりコーティング搬送経路R4a,R4bにおいて互いに重ね合わされたコーティングフィルム70を加熱しつつプラテンローラ65と共に記録シートPに密着させる。剥離部材64は、サーマルヘッド71の加熱位置α(図4参照)から記録シートPの搬送方向Xにおける下流側の予め定めた所定の剥離距離D(図4参照)だけ離れた剥離位置β(図4参照)でフィルム基材70aのコーティング樹脂層70bとは反対側に接触した状態でフィルム基材70aからコーティング樹脂層70bを剥離する。巻き取りリール67は、コーティング樹脂層70bが剥離部材64にて剥離されて記録シートPに密着したコーティング樹脂層70bから引き離されたフィルム基材70aを巻き取る。
送り出しリール66及び巻き取りリール67は、プラテンローラ65とは反対側においてコーティング搬送経路R4a,R4bから離間して配設されている。第1ピンチローラ63は、記録シートPの搬送方向Xにおいてプラテンローラ65よりも上流側かつ第1搬送ローラ61よりも下流側のプラテンローラ65とは反対側に配設されている。剥離部材64は、記録シートPの搬送方向Xにおいてプラテンローラ65よりも下流側かつ第2搬送ローラ62よりも上流側のプラテンローラ65とは反対側に配設されている。
具体的には、第1ピンチローラ63は、予め定めた所定の径(例えばφ8mm程度)の剛性シャフト(例えば金属シャフト)で構成されている。
また、本実施の形態では、剥離部材64(ここでは剥離ローラ)は、予め定めた所定の径(例えばφ8mm程度)の剛性シャフト(例えば金属シャフト)の外周表面に、予め定めた所定の摩擦係数μを有する弾性を有する弾性部材(例えばシリコーンゴム、CRゴム等の合成ゴム)を設けたローラとされている。ここで、摩擦係数μは、フィルム基材70aが滑らずにフィルム基材70aに搬送力を付与することが可能な値とされている。
コーティング部50は、第1補助ローラ68及び第2補助ローラ69をさらに備えている。第1補助ローラ68は、コーティングフィルム70の搬送路上において送り出しリール66と第1ピンチローラ63との間に設けられている。第2補助ローラ69は、コーティングフィルム70の搬送路上において剥離部材64と巻き取りリール67との間に設けられている。
詳しくは、第1補助ローラ68は、送り出しリール66からのコーティングフィルム70を第1ピンチローラ63に案内する。第2補助ローラ69は、剥離部材64からのコーティングフィルム70を巻き取りリール67に案内する。また、第2補助ローラ69は、コーティング搬送経路R4a,R4b上に搬送速度(例えば165mm/sec)で搬送されているコーティングフィルム70のフィルム基材70aを剥離部材64にて記録シートPに密着したコーティング樹脂層70bから引き離して、フィルム基材70aと記録シートPに密着したコーティング樹脂層70bとのなす角度である剥離角度θ(図4参照)を設定する剥離角度設定部材としての機能を有している。
具体的には、第1補助ローラ68及び第2補助ローラ69は、予め定めた所定の径(例えばφ8mm程度)の剛性シャフト(例えば金属シャフト)で構成されている。
第1ピンチローラ63、サーマルヘッド71、剥離部材64(ここでは剥離ローラ)、第1補助ローラ68及び第2補助ローラ69の少なくとも記録シートPに接触する領域の幅方向Yにおける長さは、記録シートPの幅方向Yの長さよりも長くなっている。コーティングフィルム70は、記録シートPの幅方向Yの長さと同程度の長さ或いは記録シートPの幅方向Yの長さよりも長くなっている。
本実施の形態では、巻き取りリール67及び剥離部材64(ここでは剥離ローラ)は、図示を省略した駆動モータにより駆動ギャや駆動ベル等の図示を省略した駆動伝達手段を介して回転駆動力が伝達されることで、記録シートPの搬送速度に対応するそれぞれの周速度で回転駆動されるようになっている。送り出しリール66、第1補助ローラ68、第1ピンチローラ63及び第2補助ローラ69は、巻き取りリール67及び剥離部材64の回転駆動によるフィルム基材70aの搬送力により従動回転するようになっている。なお、送り出しリール66の回転軸66aには、従動回転により回転し過ぎないように回転方向E(図3及び図4の反時計方向)への回転に対し負荷(予め設定した一定の負荷)がかかるトルクリミッター(図示せず)が設けられている。また、巻き取りリール67の回転軸67aには、コーティングフィルム70の巻き取りに伴い巻き取りリール67及びコーティングフィルム70に過負荷がかかったときに巻き取りリール67を空転させるトルクリミッター(図示せず)が設けられている。
コーティング部50は、サーマルヘッド71を搬送方向X及び幅方向Yの双方に直交する直交方向Fに往復移動させる移動部75をさらに備えている。ここで、直交方向Fにおいてプラテンローラ65に向けて押圧する方向が押圧方向F1とされ、直交方向Fにおいて押圧方向F1とは反対側の方向が退避方向F2とされている。
移動部75は、移動体72、偏芯カム73、付勢部材として作用する巻きバネ74とを備えている。
移動体72は、送り出しリール66及び巻き取りリール67の間に設けられており、プラテンローラ65側の端面72aにサーマルヘッド71がプラテンローラ65に対向するように固定されて設けられている。移動体72は、サーマルヘッド71が押圧方向F1及び退避方向F2に往復移動自在に、コーティング装置46の本体フレーム46aに支持されている。
巻きバネ74は、移動体72を退避方向F2に付勢するようになっている。詳しくは、巻きバネ74は、移動体72を退避方向F2に付勢するように、一端が本体フレーム46aに固定され、かつ、他端が移動体72に接続されている。
偏芯カム73は、巻きバネ74により退避方向F2に付勢された状態の移動体72の退避側の端面72aに外周面73aが当接するようになっている。偏芯カム73は、図示を省略した駆動モータにより駆動ギャや駆動ベル等の図示を省略した駆動伝達手段を介して回転駆動力が伝達されることで、回転駆動されるようになっている。
かかる構成を備えた移動部75は、偏芯カム73の回転量(回転角度)が制御されることにより、移動体72の移動量、ひいてはサーマルヘッド71のプラテンローラ65への押圧力が制御されるようになっている。
以上説明したコーティング装置46では、図3に示すように、コーティングフィルム70をセットするにあたり、コーティングフィルム70が予め巻回された送り出しリール66から引き出されたコーティングフィルム70の一端が、ユーザにより、第1補助ローラ68と第1ピンチローラ63とに掛けられ、コーティング搬送経路R4a,R4bに沿って剥離部材64に導かれた後、剥離部材64と第2補助ローラ69とに掛けられ、さらに巻き取りリール67まで引き回されて、巻き取りリール67に接続される。
そして、コーティング装置46では、図4に示すように、記録シートPに対してコーティング処理を施すにあたり、巻き取りリール67及び剥離部材64(ここでは剥離ローラ)を回転駆動させ、第1ピンチローラ63及び剥離部材64の間のコーティング搬送経路R4a,R4bでコーティングフィルム70を直線状に張った状態で送り出しリール66から巻き取りリール67に送る。このとき、サーマルヘッド71を規定温度(例えば100〜150℃)まで発熱させておく。
次に、第1搬送ローラ61にて搬送されてコーティングフィルム70が重ね合わされた記録シートPに搬送タイミングに合わせて偏芯カム73を回転させて、サーマルヘッド71が設けられた移動体72を押圧方向F1に移動させ、コーティングフィルム70が重ね合わされた記録シートPを間にしてサーマルヘッド71をプラテンローラ65に押圧させる。こうして、コーティングフィルム70におけるコーティング樹脂層70bを記録シートPに密着させる。
次に、サーマルヘッド71の加熱位置α(図4参照)から搬送方向Xに剥離距離D(図4参照)だけ離れた剥離位置β(図4参照)において、搬送方向Xに搬送される記録シートPに密着したコーティング樹脂層70bからフィルム基材70aを剥離部材64で屈曲させて引き離す。
さらに、コーティングフィルム70及び記録シートPの搬送に伴って送り出しリール66、第1補助ローラ68、第1ピンチローラ63及び第2補助ローラ69が従動回転し、記録シートPに密着したコーティング樹脂層70bから剥離部材64で引き離されたフィルム基材70aを巻き取りリール67に巻き取っていく。
なお、記録シートPの一方の面(表面)又は他方の面(裏面)のみにコーティング処理を施す場合には、コーティング処理を施さない方のコーティング装置46において、サーマルヘッド71を退避方向F2に退避させて送り出しリール66、巻き取りリール67及び剥離部材64(ここでは剥離ローラ)の回転を停止させる一方、第1搬送ローラ61、第2搬送ローラ62及びプラテンローラ65を回転させて記録シートPを搬送する。
ところで、フィルム基材70aからコーティング樹脂層70bを剥離するときにコーティング樹脂層70bの温度が高い程、すなわち、サーマルヘッド71によるコーティング樹脂層70bの加熱時点から、コーティング樹脂層70bをフィルム基材70aから剥離するまでのコーティング樹脂層70bの冷却時間(例えばサーマルヘッド71の加熱位置α(図4参照)から下流側の剥離距離D(図4参照))が短い程、光沢度を小さくすることができ、それだけ艶を目立たなく或いはなくすことができる。
かかる観点から、コーティング装置46は、次の第1実施形態及び第2実施形態の構成とされ、制御部200は、第1実施形態及び第2実施形態のコーティング装置46において剥離距離Dを複数の値にそれぞれ変化させた複数の動作モードを実行するようになっている。
(動作モードについて)
本実施形態に係る画像形成装置100は、互いに異なる複数の剥離距離Dにそれぞれ対応する複数の動作モードを有し、第1実施形態のコーティング装置46における変位部800(後述する図6から図8参照)、及び、第2実施形態のコーティング装置46における変位部900(後述する図10から図12参照)は、複数の動作モードが何れか一つの動作モードに切り替えられることにより、切り替えられた動作モードに対応する剥離距離Dに変更する構成とされている。
詳しくは、複数の動作モードは、第1実施形態及び第2実施形態のコーティング装置46にてコーティング処理された記録シートPの光沢度が予め定めた所定の光沢度以上の光沢度となる光沢(艶あり)モードと、第1実施形態及び第2実施形態のコーティング装置46にてコーティング処理された記録シートPの光沢度が所定の光沢度よりも小さい光沢度となる艶消しモードとを含んでいる。ここで、光沢度の規格としては、ISO8254(JISP8142)を例示できる。
そして、光沢モードでの剥離距離Dは、艶消しモードでの剥離距離Dよりも大きくされている。
詳しくは、画像形成部1は、画像形成処理に関する各機能及び種々の動作モード(例えば光沢モードや艶消しモード)の設定が可能な操作表示部90(具体的には操作パネル)(図9及び図13参照)を備えている。
操作表示部90は、各種処理の指示操作、各種処理情報の入力操作或いは選択操作を行う操作部91と、指示操作、入力操作或いは選択操作された各種処理情報を表示する表示部92とを備えている。
操作部91は、ユーザによる入力操作を受け付けるものであり、制御部200の入力系に電気的に接続されている。これにより、操作部91は、モード選択画面(図示省略)等の各種画面に対する入力操作或いは選択操作を受け付けて入力情報或いは選択情報を制御部200に送信することができる。操作部91は、ここでは、表示部92の表示画面(図示せず)上に設けられて表示画面上でタッチ入力操作(画面位置情報)を受け付けるタッチ入力部とされている。すなわち、操作部91は、表示部92の表示画面上に設けられて表示部92に向けてタッチ操作可能な表示パネル(いわゆるタッチパネル)を構成しており、表示部92の表示画面に表示される表示キー(いわゆるソフトウェアキー)を入力操作(具体的にはタッチ入力操作)できるようになっている。なお、操作部91は、表示部92の表示画面上に設けられて表示画面に表示される表示キーを入力操作(具体的にはタッチ入力操作)できるような構成に加えて、表示画面とは別に操作表示部本体に設けられた操作キー(いわゆるハードウェアキー)を入力操作(具体的にはプッシュ入力操作)できるような構成とされている。
表示部92は、液晶表示装置等のディスプレイ装置を備えており、制御部200の出力系に電気的に接続されている。これにより、表示部92は、制御部200から送られてくる画面データに基づいて、モード選択画面(図示せず)等の各種画面を表示することができる。
[第1実施形態の構成]
第1実施形のコーティング装置46は、図6から図9に示すように、剥離部材64を変位させる変位部800を備えている。
図6は、剥離部材64を変位させて動作モードを切り替える変位部800を備えた第1実施形態のコーティング装置46の概略構成を模式的に示す正面図である。図7は、図6に示す変位部800により動作モードを変位させた剥離部材64の切り替え状態を示す概略断面図である。図6(a)及び図7(a)は、動作モードが光沢モードに切り替えられて剥離距離Dが最大になっている状態を示しており、図6(b)及び図7(b)は、動作モードが艶消しモードに切り替えられて剥離距離Dが最小になっている状態を示している。なお、図6において変位部800の詳細な構成は図示を省略している。このことは、後述する図14及び図16についても同様である。
図8は、図7に示す第1実施形態のコーティング装置46における変位部800の概略斜視図である。また、図9は、画像形成装置100に設けられた制御部200により第1実施形態のコーティング装置46の変位部800における移動機構駆動部820を作動制御するためのシステム構成の一例を示す概略ブロック図である。
図6から図8に示すように、剥離部材64は、搬送方向Xに沿って平行移動可能とされている。変位部800は、剥離部材64を搬送方向Xに移動させることにより、剥離距離D(図6参照)を変更する構成とされている。
詳しくは、変位部800は、剥離部材64を搬送方向Xに沿って平行移動自在に移動させる移動機構810(図7及び図8参照)と、剥離部材64が搬送方向Xにおける上流側及び下流側に移動するように移動機構810を駆動する移動機構駆動部820(図7から図9参照)とを備えている。
−移動機構−
移動機構810は、剥離部材64を搬送方向Xに沿って平行移動自在に支持する支持部材811と、支持部材811に支持された剥離部材64を搬送方向Xにおける上流側又は下流側(ここでは上流側)に向けて付勢する付勢部材812(ここでは巻きバネ)と、付勢部材812による剥離部材64の搬送方向Xにおける上流側又は下流側(ここでは上流側)の付勢力に抗して剥離部材64を搬送方向Xにおける下流側又は上流側(ここでは下流側)に移動させる作動部830とを備えている。
詳しくは、作動部830は、搬送方向X及び直交方向Fに傾斜して剥離部材64と摺接する傾斜面831aを有し、かつ、直交方向Fに往復移動自在とされた摺接部831と、付勢部材812による剥離部材64の搬送方向Xにおける上流側又は下流側(ここでは上流側)の付勢力に抗して摺接部831を直交方向Fの一方側(ここでは押圧方向F1)に移動させるカム部材832とを備えている。カム部材832は、幅方向Yに沿った回転軸線回りに回転するようになっている。カム部材832は、回転軸線回りの回転により摺接部831が直交方向Fへ往復移動するように外周面832aが摺接部831に摺接する位置に配設されている。
具体的には、支持部材811は、コーティング装置46の本体フレーム46a(図3及び図4参照)に固定されて支持されている。支持部材811は、剥離部材64(ここでは剥離ローラ)の長手方向(幅方向Y)の両端部64a,64aを支持する一対の支持板811a,811aを備えている。一対の支持板811a,811aは、搬送方向X及び直交方向Fに沿って設けられている。支持部材811は、一対の支持板811a,811aの一端部(ここでは退避方向F2側の端部)と連結する連結板811bをさらに備えている。連結板811bは、一対の支持板811a,811aと直角又は略直角になるように一対の支持板811a,811aを連結している。連結板811bと一対の支持板811a,811aとは一体形成されている。
一対の支持板811a,811aには、搬送方向Xに平行に延びるスリット状の第1貫通長孔811c,811cが設けられている。一対の支持板811a,811aにおける第1貫通長孔811c,811cに、剥離部材64の両端部64a,64aが軸受け811d,811dを介して搬送方向Xに平行移動自在に挿通されている。これにより、剥離部材64は、搬送方向Xに平行に往復移動自在とすることができる。
付勢部材812(ここでは巻きバネ)は、剥離部材64の両端部64a,64aを搬送方向Xにおける上流側に向けて付勢する一対の付勢部材812,812とされている。なお、図7及び図8は、一方の付勢部材812のみ示している。
一対の付勢部材812,812は、一方の端部が剥離部材64の両端部64a,64aに接続(係止)され、かつ、他方の端部が一対の支持板811a,811aに設けられた係止部811e,811eに接続(係止)されている。一対の支持板811a,811aにおける係止部811e,811eは、一対の支持板811a,811aにおけるスリット状の第1貫通長孔811c,811cの搬送方向Xにおける上流側の延長上において一対の支持板811a,811aから外側に突出するように設けられた突出部材(具体的には棒状部材)とされている。
摺接部831は、一対の支持板811a,811aの内側に設けられて直交方向Fに往復移動し、かつ、傾斜面831aを有する一対の移動板831b,831bと、一対の移動板831b,831bの傾斜面831aとは反対側の端部と連結し、かつ、カム部材832の外周面832aに摺接される摺接板831cとを備えている。摺接板831cは、一対の移動板831b,831bと直角又は略直角になるように一対の移動板831b,831bを連結している。摺接板831cと一対の移動板831b,831bとは一体形成されている。一対の移動板831b,831bにおける傾斜面831aは、剥離部材64の両端部64a,64aと摺接するようになっている。
また、一対の支持板811a,811aには、直交方向Fに沿ったスリット状の第2貫通長孔811g,811gが設けられている。一対の移動板831b,831bには、一対の支持板811a,811aにおける第2貫通長孔811g,811gに挿通して一対の第2貫通長孔811g,811gの内側面に摺動する摺動部831d,831dが設けられている。摺動部831d,831dは、一対の移動板831b,831bから外側に突出するように設けられた突出部材(具体的には棒状部材)とされている。
そして、一対の支持板811a,811aにおける第2貫通長孔811g,811gに、一対の移動板831b,831bにおける摺動部831d,831dが直交方向Fに往復移動自在に挿通されている。これにより、一対の移動板831b,831bは、直交方向Fに往復移動自在とすることができる。
カム部材832は、幅方向Yに沿った回転軸832bを有している。一対の支持板811a,811aには、回転軸832bを回転自在に挿通する貫通孔811h,811hが設けられている。一対の支持板811a,811aにおける貫通孔811h,811hに、カム部材832の回転軸832bの両端部832c,832cが軸線回りに回転自在に挿通されている。これにより、カム部材832は、軸線回りに回転自在とすることができる。カム部材832は、回転軸線回りの回転により摺接板831cが直交方向Fへ往復移動するように外周面832aが摺接板831cの外側面831eに摺接する位置に配設されている。
なお、本実施の形態では、一対の移動板831b,831bは、外側面が一対の支持板811a,811aの内側面811f,811f(図8参照)と近接又は摺動するようになっている。第2貫通長孔811g,811gは、一つの支持板811a毎に直交方向Fに互いに平行に搬送方向Xに沿って複数個ずつ(ここでは2個ずつ)並設されている。一対の移動板831b,831bにおける摺動部831d,831dは、一対の支持板811a,811aにおける第2貫通長孔811g,811gに対応して一つの支持板811a毎に搬送方向Xに沿って複数個ずつ(ここでは2個ずつ)並設されている。
また、カム部材832は、幅方向Yに複数(ここでは5つ)に分割されて幅方向Yに均等に配設されている(図8参照)。
また、一対の移動板831b,831bを直交方向Fに円滑に往復移動させるという観点から、一対の移動板831b,831bにおける傾斜面831aは、凹条に湾曲した端曲面とされている。
−移動機構駆動部−
移動機構駆動部820は、カム部材832を回転駆動する駆動モータ821(具体的にはステッピングモータ)と、駆動モータ821からの回転駆動力をカム部材832へ伝達する駆動伝達部822と、カム部材832の初期位置(ここでは剥離距離Dが最も長くなる位置、図6(a)及び図7(a)参照)を検知する位置検知部823(図7及び図9参照)とを備えている。なお、カム部材832の初期位置は、剥離距離Dが最も長くなる位置に限定されず、何れの位置にあってもよい。
詳しくは、駆動モータ821は、回転軸821a(図7参照)が幅方向Yに沿うように支持部材811に回転自在に支持されている。
駆動伝達部822は、複数のギヤ(ここでは第1ギヤ822a及び第2ギヤ822b)を備えている。
第1ギヤ822aは、駆動モータ821の回転軸821aに固定されて設けられている。第2ギヤ822bは、第1ギヤ822aと噛合し、かつ、カム部材832の回転軸832bに固定されて設けられている。これにより、駆動伝達部822は、駆動モータ821の回転軸821aからの回転駆動力を、第1ギヤ822a及び第2ギヤ822bを介してカム部材832(図7及び図9参照)に伝達させることが可能となる。
駆動モータ821は、制御部200(図9参照)の出力系に電気的に接続されており、制御部200からの指示命令により、作動制御されるようになっている。位置検知部823は、制御部200の入力系に電気的に接続されており、カム部材832の初期位置(図6(a)及び図7(a)参照)の情報を制御部200に送信できるようになっている。制御部200は、駆動モータ821を駆動させる駆動信号(駆動パルス)のカム部材832の初期位置から信号数(パルス数)を調整することで、カム部材832の回転角度、ひいては剥離部材64の移動距離、すなわち剥離距離Dの値を微細に調整することができる。
具体的には、位置検知部823は、発光部及び受光部を有する透過型の光センサとされており、発光部と受光部との間の光路上におけるカム部材832の有無によって、カム部材832の初期位置を検知している。なお、位置検知部823は、発光部及び受光部を有する反射型の光センサであってもよい。
かかる構成を備えた変位部800では、制御部200(図9参照)により、カム部材832が初期位置(図6(a)及び図7(a)参照)から回転駆動されると、一対の移動板831b,831bは、傾斜面831a,831aが剥離部材64の両端部64a,64aに摺接された状態で、カム部材832により退避方向F2へ移動する。これにより、剥離部材64が一対の付勢部材812,812による搬送方向Xにおける上流側への付勢力により上流側に移動し、剥離距離Dが小さくなり、最終的に剥離距離Dを最小とすることができる(図6(b)及び図7(b)参照)。一方、制御部200(図9参照)により、カム部材832が図6(b)及び図7(b)に示す状態から初期位置に向けて回転駆動されると、一対の移動板831b,831bは、傾斜面831a,831aが剥離部材64の両端部64a,64aに摺接された状態で、押圧方向F1へ移動する。これにより、剥離部材64が一対の付勢部材812,812による搬送方向Xにおける上流側への付勢力に抗して下流側に移動し、剥離距離Dが大きくなり、最終的に剥離距離Dを最大とすることができる(図6(a)及び図7(a)参照)。
[第2実施形態の構成]
第2実施形のコーティング装置46は、図10から図13に示すように、剥離部材64を変位させる変位部900を備えている。
図10は、剥離部材64を変位させて動作モードを切り替える変位部900を備えた第2実施形態のコーティング装置46の概略構成を模式的に示す正面図である。図11は、図10に示す変位部900により動作モードを変位させた剥離部材64の切り替え状態を示す概略断面図である。図10(a)及び図11(a)は、動作モードが光沢モードに切り替えられて剥離距離Dが最大になっている状態を示しており、図10(b)及び図11(b)は、動作モードが艶消しモードに切り替えられて剥離距離Dが最小になっている状態を示している。なお、図10において変位部900の詳細な構成は図示を省略している。このことは、後述する図15及び図19についても同様である。
図12は、図11に示す第2実施形態のコーティング装置46における変位部900の概略斜視図である。また、図13は、画像形成装置100に設けられた制御部200により第2実施形態のコーティング装置46の変位部900における揺動機構駆動部920を作動制御するためのシステム構成の一例を示す概略ブロック図である。
第2実施形態のコーティング装置46におけるコーティング部50は、何れか一つの剥離部材64がフィルム基材70aに接触して互いに異なる剥離位置βに位置するように切り替え可能とされた少なくとも2つの剥離部材64,64(ここでは2つの剥離部材64,64)を有している。コーティング部50は、互いに異なる剥離位置βでコーティング樹脂層70bを剥離する。そして、変位部900は、少なくとも2つの剥離部材64,64を切り替えることにより、剥離距離Dを変更する構成とされている。
詳しくは、コーティング部50では、回動軸911と剥離部材64との間の距離Lの大きさに応じて剥離距離Dを変更することができる。
図10から図12に示すように、2つの剥離部材64,64は、幅方向Yに沿った回動軸線を中心に予め定めた所定の角度φ(ここでは90°、図10参照)をおいて設けられている。2つの剥離部材64,64は、回動軸線回りに揺動可能とされ、かつ、何れか一つの剥離部材64がフィルム基材70aのコーティング樹脂層70bとは反対側に接触して互いに異なる剥離位置β(図10参照)でコーティング樹脂層70bを剥離する構成とされている。変位部900は、2つの剥離部材64,64を回動軸線回りに揺動させることにより、剥離距離D(図10参照)を変更する構成とされている。ここで、剥離距離Dの値は、剥離位置βを変更する剥離部材64がコーティング搬送経路R4a,R4b上に位置しているときの値である。
具体的には、変位部900は、2つの剥離部材64,64を回動軸線回りに揺動させる揺動機構910(図11及び図12参照)と、2つの剥離部材64,64が回動軸線回りに揺動するように揺動機構910を駆動する揺動機構駆動部920(図11から図13参照)とを備えている。
−揺動機構−
揺動機構910は、幅方向Yに沿った回動軸911と、回動軸911を回動軸線回りに回転自在に支持する支持部材912と、回動軸911に対して角度φ(図11参照)をおいて2つの剥離部材64,64を連結する連結部913,913(具体的には回動軸911を中心に放射方向に延びるアーム部材)とを備えている。
具体的には、支持部材912は、回動軸911の長手方向(幅方向Y)の両端部911a,911aを回動軸線回りに回転自在に支持する一対の支持板912a,912aを備えている。一対の支持板912a,912aは、コーティング装置46の本体フレーム46a(図3及び図4参照)に固定されて支持されている。連結部913,913及び2つの剥離部材64,64は、一対の支持板912a,912aの内側に設けられている。連結部913,913は、先端部が2つの剥離部材64(ここでは剥離ローラ)の長手方向(幅方向Y)の両端部64a,64aを軸線回りに回転自在に支持する一方、基端部が回動軸911の両端部911a,911aに固定されている。ここで、回動軸911と2つの剥離部材64,64との間の距離L(具体的には、回動軸911の回転中心と2つの剥離部材64,64(ここでは剥離ローラ)の回転中心との間の距離)は、異なる距離であってもよいが、ここでは、同一距離(図11参照)とされている。なお、回動軸911を中心として回動する剥離部材64の回動軌跡の外周半径は、回動軸911とコーティング搬送経路R4a,R4bとの間の距離よりも大きくなっていることは言うまでもない。
−移動機構駆動部−
揺動機構駆動部920は、回動軸911を回転駆動する駆動モータ921(具体的にはステッピングモータ)と、駆動モータ921からの回転駆動力を回動軸911へ伝達する駆動伝達部922と、回動軸911の両端部911a,911aに連結された連結部(913,913),(913,913)の初期位置(ここでは加熱位置αから遠い方の剥離部材64がコーティング搬送経路R4a,R4b上に位置して剥離距離Dが最も長くなる位置、図10(a)及び図11(a)参照)を検知する位置検知部923(図11及び図13参照)とを備えている。なお、連結部(913,913),(913,913)の初期位置は、剥離距離Dが最も長くなる位置に限定されず、何れの位置にあってもよい。
詳しくは、駆動モータ921は、回転軸921aが幅方向Yに沿うように支持部材912に回転自在に支持されている。
駆動伝達部922は、複数のギヤ(ここでは第1ギヤ922a及び第2ギヤ922b)を備えている。
第1ギヤ922aは、駆動モータ921の回転軸921aに固定されて設けられている。第2ギヤ922bは、第1ギヤ922aと噛合し、かつ、回動軸911に固定されて設けられている。これにより、駆動伝達部922は、駆動モータ921の回転軸921aからの回転駆動力を、第1ギヤ922a及び第2ギヤ922bを介して回動軸911に伝達させることが可能となる。
駆動モータ921は、制御部200(図13参照)の出力系に電気的に接続されており、制御部200からの指示命令により、作動制御されるようになっている。位置検知部923は、制御部200の入力系に電気的に接続されており、回動軸911の両端部911a,911aに連結された連結部(913,913),(913,913)の初期位置(図10(a)及び図11(a)参照)の情報を制御部200に送信できるようになっている。制御部200は、駆動モータ921を駆動させる駆動信号(駆動パルス)の回動軸911の両端部911a,911aに連結された連結部(913,913),(913,913)の初期位置から剥離部材64の数に応じた信号数(ここでは2種類の信号数(パルス数))を切り替えることで、回動軸911の複数の回転角度(ここでは2つの回転角度)、ひいては複数の剥離距離D(ここでは2つの剥離距離)の値を何れかの値に切り替えることができる。
具体的には、位置検知部923は、発光部及び受光部を有する透過型の光センサとされており、発光部と受光部との間の光路上における連結部913の有無によって、連結部913の初期位置を検知している。なお、位置検知部923は、発光部及び受光部を有する反射型の光センサであってもよい。
かかる構成を備えた変位部900では、制御部200(図13参照)により、回動軸911の両端部911aに連結された連結部材(913,913),(913,913)が初期位置(図10(a)及び図11(a)参照)から回転駆動され、回動軸911の両端部911a,911aに連結部材(913,913),(913,913)を介して設けられた2つの剥離部材64,64がコーティング搬送経路R4a,R4bを干渉しない方向(図中の反時計方向)に揺動すると、加熱位置αから遠い方の剥離部材64がコーティング搬送経路R4a,R4bから離間するのに対し、加熱位置αに近い方の剥離部材64がコーティング搬送経路R4a,R4b上に位置し、剥離距離Dが小さくなり、この例では剥離距離Dが最小となる(図10(b)及び図11(b)参照)。このとき、加熱位置αに遠い方の剥離部材64は、記録シートPに密着したコーティング樹脂層70bから引き離されたフィルム基材70aに接触し、第2補助ローラとしての機能を有することになる。一方、制御部200(図13参照)により、回動軸911の両端部911a、911aに連結された連結部材(913,913),(913,913)が図10(b)及び図11(b)に示す状態から初期位置に向けて回転駆動され、回動軸911の両端部911a、911aに連結部材(913,913),(913,913)を介して設けられた2つの剥離部材64,64がコーティング搬送経路R4a,R4bを干渉しない方向(図中の時計方向)に揺動すると、加熱位置αに近い方の剥離部材64がコーティング搬送経路R4a,R4bから離間するのに対し、加熱位置αに遠い方の剥離部材64がコーティング搬送経路R4a,R4b上に位置し、剥離距離Dが大きくなり、この例では剥離距離Dが最大となる(図10(a)及び図11(a)参照)。
[第1実施形態及び第2実施形態の変形例1]
第1実施形態及び第2実施形態の変形例1のコーティング装置46における変位部800A及び変位部900A(後述する図14及び図15参照)は、ガイド部材80をさらに備えている。ガイド部材80は、搬送方向Xにおいてサーマルヘッド71の下流側かつ剥離部材64の上流側にあってサーマルヘッド71側でコーティングフィルム70及び記録シートPを案内するようになっている。
図14及び図15は、それぞれ、第1実施形態及び第2実施形態のコーティング装置46においてガイド部材80の一例が設けられた状態を模式的に示す正面図である。図14(a)及び図15(a)は、動作モードが光沢モードに切り替えられて剥離距離Dが最大になっている状態を示しており、図14(b)及び図15(b)は、動作モードが艶消しモードに切り替えられて剥離距離Dが最小になっている状態を示している。図14に示す第1実施形態の変形例1及び図15に示す第2実施形態の変形例1は、それぞれ、図6に示す第1実施形態及び図10に示す第2実施形態においてガイド部材80を設けた以外は同一構成とされている。よって、図14及び図15において、図6及び図10に示す構成要素と同じ構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
図14及び図15に示すように、ガイド部材80は、予め定めた所定の熱伝導率以上の熱伝導率を有する材料を含む部材で構成されている。コーティング部50は、コーティングフィルム70におけるフィルム基材70aのコーティング樹脂層70bとは反対側にガイド部材80を接触させることにより、コーティング樹脂層70bを強制的に冷却するようになっている。ここで、所定の熱伝導率以上の熱伝導率を有する材料としては、200W/(m・K)以上の熱伝導率を有するアルミニウム(Al)、銅(Cu)等の金属材料を例示できる。
詳しくは、ガイド部材80は、フィルム基材70aのコーティング樹脂層70bとは反対側に接触する接触面81と、搬送方向Xにおいて接触面81よりも上流側に設けられてコーティング搬送経路R4a,R4bにおいて搬送方向Xに搬送されるコーティングフィルム70及び記録シートPを接触面81に向けて案内する傾斜面82を有している。ガイド部材80は、接触面81がフィルム基材70aに平行又は略平行に接触するようにコーティング装置46の本体フレーム46aに固定されて設けられている。なお、接触面81の面積(搬送方向Xの長さ)を大きくすれば、それだけコーティング樹脂層70bの冷却性を向上させることが可能となる。
傾斜面82は、搬送方向Xにおいて上流側がフィルム基材70aから遠ざかる一方、下流側がフィルム基材70aに近づくように傾斜している。ガイド部材80は、立方体形状とされており、下面が接触面81及び傾斜面82とされている。
なお、ガイド部材80の幅方向Yの長さは、記録シートPの幅方向Yの長さよりも長くなっている。ガイド部材80は、剥離部材64の長さと同じ程度の長さとなっている。
ガイド部材80としては、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等の金属材料からなる部材の他、アルミニウム(Al)等の金属材料の中に銅(Cu)等の金属材料のヒートパイプを埋め込んでヒートパイプ内に水を流通させる水冷式の部材を用いてもよい。
[第1実施形態及び第2実施形態の変形例2]
ところで、第1実施形態及び第2実施形態の変形例1のように、ガイド部材80を用いる場合、剥離距離Dを小さくしてフィルム基材70aからコーティング樹脂層70bを剥離するときに、ガイド部材80によりコーティング樹脂層70bの温度が低くなり過ぎ、所望の光沢度にすることができない場合がある。
そこで、第1実施形態及び第2実施形態の変形例2のコーティング装置46における変位部800B及び変位部900B(後述する図16から図21参照)は、剥離部材64により剥離距離Dを小さくする動作に連動して、ガイド部材80をコーティングフィルム70から退避させる構成とされている。また、第1実施形態及び第2実施形態の変形例2のコーティング装置46における変位部800B及び変位部900Bは、剥離部材64により剥離距離Dを大きくする動作に連動して、ガイド部材80をフィルム基材70aに接触させる構成とされている。
図16及び図19は、それぞれ、第1実施形態及び第2実施形態のコーティング装置46においてガイド部材80の他の例が設けられた状態を模式的に示す正面図である。図17及び図20は、それぞれ、図16及び図19に示す変位部800B及び変位部900Bにより動作モードを変位させた剥離部材64の切り替え状態を示す概略断面図である。図16(a)及び図17(a)並びに図19(a)及び図20(a)は、動作モードが光沢モードに切り替えられて剥離距離Dが最大になっている状態を示しており、図16(b)及び図17(b)並びに図19(b)及び図20(b)は、動作モードが艶消しモードに切り替えられて剥離距離Dが最小になっている状態を示している。また、図18及び図21は、それぞれ、図17及び図20に示す第1実施形態及び第2実施形態のコーティング装置46における変位部800B及び変位部900Bの概略斜視図である。図16から図18に示す第1実施形態の変形例2並びに図19から図21に示す第2実施形態の変形例2は、それぞれ、図6から図8に示す第1実施形態並びに図10から図12に示す第2実施形態においてガイド部材80を設けた以外は同一構成とされている。よって、図16から図21において、図6から図8並びに図10から図12に示す構成要素と同じ構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。なお、図17において付勢部材812は図示を省略している。
(第1実施形態の変形例2)
図16から図18に示す第1実施形態のコーティング装置46における変位部800Bは、図6から図9に示す変位部800において、一対の移動板831b,831bの内側面の間に幅方向Yに沿ってガイド部材80を架設したものである。
そして、ガイド部材80は、加熱位置αから遠い方の剥離部材64がコーティング搬送経路R4a,R4b上に位置しているときに(図16(a)及び図17(a)参照)、接触面81がフィルム基材70aに平行又は略平行に接触するように一対の移動板831b,831bの内側面に固定されて一対の移動板831b,831bの間に設けられている。
かかる構成を備えることにより、第1実施形態のコーティング装置46における変位部800Bは、剥離部材64により剥離距離Dを小さくする動作に連動して、ガイド部材80をコーティングフィルム70から退避させることができる。また、第1実施形態のコーティング装置46における変位部800Bは、剥離部材64により剥離距離Dを大きくする動作に連動して、ガイド部材80をフィルム基材70aに接触させることができる。
(第2実施形態の変形例2)
また、図19から図21に示す第2実施形態のコーティング装置46における変位部900Bは、図10から図13に示す変位部900において、回動軸911の両端部911a,91aに連結された連結部(913,913),(913,913)のうちの加熱位置αから遠い方の連結部(913,913)の間に幅方向Yに沿ってガイド部材80を架設したものである。
そして、ガイド部材80は、加熱位置αから遠い方の剥離部材64がコーティング搬送経路R4a,R4b上に位置しているときに(図20(a)及び図21(a)参照)、接触面81がフィルム基材70aに平行又は略平行に接触するように連結部(913,913)の外面に固定されて連結部(913,913)の間に設けられている。
かかる構成を備えることにより、第2実施形態のコーティング装置46における変位部900Bは、剥離部材64により剥離距離Dを小さくする動作に連動して、ガイド部材80をコーティングフィルム70から退避させることができる。また、第2実施形態のコーティング装置46における変位部900Bは、剥離部材64により剥離距離Dを大きくする動作に連動して、ガイド部材80をフィルム基材70aに接触させることができる。
なお、第1実施形態及び第2実施形態の変形例2では、剥離部材64により剥離距離Dを小さくする動作に連動して、ガイド部材80をコーティングフィルム70から退避させる一方、剥離部材64により剥離距離Dを大きくする動作に連動して、ガイド部材80をフィルム基材70aに接触させる構成としたが、ガイド部材80が搬送方向Xに平行に伸縮可能とされており(図示省略)、剥離部材64により剥離距離Dを小さくする動作に連動して、ガイド部材80を搬送方向Xに伸ばす一方、剥離部材64により剥離距離Dを大きくする動作に連動して、ガイド部材80を搬送方向Xに縮めるようにしてもよい。
[第2実施形態の変形例3]
第2実施形態のコーティング装置46におけるコーティング部50において変位部900,900A,900Bにおける剥離部材64を2つとしたが、3つ以上としてもよい。
第2実施形態の変形例3の変位部900,900A,900Bについても、回動軸911と剥離部材64との間の距離Lの大きさに応じて剥離距離Dを変更することができる。
図22は、第2実施形態のコーティング装置46におけるコーティング部50において変位部900,900A,900Bの剥離部材64をさらに2つ追加した一例を説明するための概略正面図である。図22(a)は、追加した剥離部材64,64のうち加熱位置αから遠い方の剥離部材64により剥離動作を行っている状態を示している。図22(b)は、追加した剥離部材64,64のうち加熱位置αに近い方の剥離部材64により剥離動作を行っている状態を示している。
本第2実施形態の変形例3において、説明を分かりやすくするために、以下、元の2つの剥離部材64,64を2つ第1剥離部材64A,64Aと、追加した二つの剥離部材64,64を2つの第2剥離部材64B,64Bと称し、また、回動軸911と2つの第1剥離部材64A,64Aとの間の距離を第1距離Laと、回動軸911と2つの第2剥離部材64B,64Bとの間の距離を第2距離Lbと称する。
この例では、2つの第2剥離部材64B,64Bは、仮想線γを基準として、2つの第1剥離部材64A,64Aの反対側に設けられている。ここで、仮想線γは、回動軸911の中心を通り、かつ、二つの第1剥離部材64A,64Aの外側とのなす角度φaが等しくなる仮想直線である。
第2距離Lbは、第1距離Laとは異なった値(この例では小さい値)とされている。第2距離Lbは、2つの第2剥離部材64B,64Bの間で異なる距離であってもよいが、ここでは、同一距離とされている。また、2つの第2剥離部材64B,64Bは、この例では、仮想線γとのなす角度φbが等しくなる位置に配設されている。2つの第2剥離部材64B,64Bのなす角度φ(φc)は、ここでは45°とされている。
そして、この例では、2つの第2剥離部材64B,64Bのうち加熱位置αから遠い方の第2剥離部材64Bにより剥離動作を行っているときの剥離距離D(図22(a)参照)は、2つの第1剥離部材64A,64Aのうち加熱位置αから遠い方の第1剥離部材64Aにより剥離動作を行っているときの剥離距離D(最大距離、図10(a)等参照)よりも小さく、かつ、2つの第2剥離部材64B,64Bのうち加熱位置αに近い方の第2剥離部材64Bにより剥離動作を行っているときの剥離距離D(図22(b)参照)よりも大きくなっている。
また、2つの第2剥離部材64B,64Bのうち加熱位置αに近い方の第2剥離部材64Bにより剥離動作を行っているときの剥離距離D(図22(b)参照)は、2つの第1剥離部材64A,64Aのうち加熱位置αに近い方の第1剥離部材64Aにより剥離動作を行っているときの剥離距離D(最小距離、図10(b)等参照)よりも大きく、かつ、2つの第2剥離部材64B,64Bのうち加熱位置αから遠い方の第2剥離部材64Bにより剥離動作を行っているときの剥離距離D(図22(a)参照)よりも小さくなっている。
(その他の実施形態)
本実施の形態のコーティング装置46では、剥離部材64は、剥離ローラとしたが、搬送方向Xに搬送されるフィルム基材70aに摺接される弾性部材、より具体的には、フィルム基材70aに摺接される曲面を有する弾性部材(パッド部材)であってもよい。
また、本実施の施形態のコーティング装置46では、第2補助ローラ69は、変位部800,800A,800B及び変位部900,900A,900Bによる剥離部材64の変位に拘わらず、固定するようになっているが、剥離部材64の変位に連動して剥離角度θを維持するように変位する構成とされていてもよい。
また、本実施の形態のコーティング装置46では、コーティング樹脂層70bにより記録シートP全体を樹脂コーティングする例を説明したが、サーマルヘッド71による加熱幅及び加熱時間を制御して、コーティング樹脂層70bによる記録シートPの樹脂コーティング領域を制限し、記録シートPの一部を樹脂コーティングしてもよい。
(本実施の形態について)
以上説明した第1実施形態及び第2実施形態のコーティング装置46及びそれを備えた画像形成装置100によれば、剥離部材64は、加熱位置αから記録シートPの搬送方向Xにおける下流側の剥離距離Dだけ離れた剥離位置βでフィルム基材70aに接触した状態でフィルム基材70aからコーティング樹脂層70bを剥離する。
そして、第1実施形態では、剥離部材64は、搬送方向Xに沿って平行移動可能とされており、変位部(800,800A,800B)は、剥離部材64を搬送方向Xに移動させることにより、剥離距離Dを変更する。これにより、サーマルヘッド71によるコーティング樹脂層70bの加熱時点から、コーティング樹脂層70bをフィルム基材70aから剥離するまでのコーティング樹脂層70bの冷却時間を所望の時間に容易に設定することが可能となる。しかも、剥離距離D(すなわち冷却時間)を無段階で変更することが可能となる。
また、第2実施形態では、少なくとも2つの前記剥離部材64,64は、何れか一つの剥離部材64がフィルム基材70aに接触して互いに異なる剥離位置βでコーティング樹脂層70bを剥離するように切り替え可能とされている。変位部900(900,900A,900B)は、少なくとも2つの剥離部材64,64を切り替えることにより、剥離距離Dを変更する。これにより、サーマルヘッド71によるコーティング樹脂層70bの加熱時点から、コーティング樹脂層70bをフィルム基材70aから剥離するまでのコーティング樹脂層70bの冷却時間を所望の時間に容易に設定することが可能となる。
詳しくは、少なくとも2つの剥離部材64,64は、搬送方向Xに直交する記録シートPのシート面に沿った回動軸線を中心に予め定めた所定の角度φをおいて設けられている。そして、少なくとも2つの剥離部材64,64は、回動軸線回りに揺動可能とされ、かつ、何れか一つの剥離部材64がフィルム基材70aに接触して互いに異なる剥離位置βでコーティング樹脂層70bを剥離する。変位部(900,900A,900B)は、剥離部材64,64を回動軸線回りに揺動させることにより、剥離距離Dを変更する。これにより、簡単な構成でありながら、サーマルヘッド71によるコーティング樹脂層70bの加熱時点から、コーティング樹脂層70bをフィルム基材70aから剥離するまでのコーティング樹脂層70bの冷却時間を所望の時間に容易に設定することが可能となる。しかも、剥離距離D(すなわち冷却時間)を段階的に簡単、容易に切り替えることが可能となる。
また、画像形成装置100によれば、変位部(800,800A,800B),(900,900A,900B)は、互いに異なる複数の剥離距離Dにそれぞれ対応する複数の動作モードが何れか一つの動作モードに切り替えられることにより、切り替えられた動作モードに対応する剥離距離Dに変更する。これにより、複数の剥離距離Dのうち、所望の剥離距離、すなわちコーティング樹脂層70bの所望の冷却時間に対応する動作モードをユーザにより簡単に選択させることが可能となる。
本実施の形態では、複数の動作モードは、光沢(艶あり)モードと艶消しモードとを含むことで、光沢モード及び艶消しモードのうち所望の動作モードをユーザにより簡単に選択させることが可能となる。
ところで、コーティング搬送経路R4a,R4b上に搬送されているコーティングフィルム70のフィルム基材70aを記録シートPに密着したコーティング樹脂層70bから引き離してフィルム基材70aからコーティング樹脂層70bを剥離するときには、フィルム基材70aが弛んだ状態となる等の要因により、剥離角度θ(図4参照)が変化することで、剥離角度θが所望の角度範囲から外れることがある。そうすると、記録シートPがフィルム基材70a側に引っ張られ易くなり、フィルム基材70aの搬送性の低下、ひいては、記録シートPの詰まり(いわゆるJAM)の発生を招く。このことは、剥離部材64として作用する剥離ローラの表面がステンレス鋼(SUS)等の金属材料やポリアセタール(POM)等の樹脂材料といった記録シートPが滑りやすい材料で構成されている場合に特に顕著となる。
この点、本実施の形態では、剥離部材64として作用する剥離ローラの少なくともコーティングフィルム70と接触する表面を所定の摩擦係数μを有する部材で構成することで、フィルム基材70aの弛み等の不都合を抑制でき、剥離ローラの摩擦力によりフィルム基材70aを剥離ローラ側に引き寄せ易くすることができ、これにより、剥離角度θを所望の角度範囲に入り易くすることができ、記録シートPがフィルム基材70a側に引っ張られ難くすることができる。従って、フィルム基材70aの搬送性の低下を効果的に防止でき、ひいては、記録シートPの詰まり(いわゆるJAM)の発生を抑制することが可能となる。
また、本実施の形態では、剥離部材64として作用する剥離ローラを駆動モータ60aにより回転駆動することで、フィルム基材70aの弛み等の不都合をさらに抑制でき、剥離ローラの搬送力によりフィルム基材70aを剥離ローラ側にさらに引き寄せ易くすることができ、これにより、剥離角度θをさらに所望の角度範囲にさらに入り易くすることができ、記録シートPがフィルム基材70a側にさらに引っ張られ難くすることができる。従って、フィルム基材70aの搬送性の低下をさらに効果的に防止でき、ひいては、記録シートPの詰まり(いわゆるJAM)の発生をさらに抑制することが可能となる。
また、本実施の形態では、搬送方向Xにおいてサーマルヘッド71の下流側かつ剥離部材64の上流側にあってサーマルヘッド71側でコーティングフィルム70及び記録シートPを案内するガイド部材80をコーティングフィルム70に接触させることにより、コーティング樹脂層70bを強制的に冷却することで、コーティング樹脂層70bの冷却時間を短縮することができ、それだけコーティング樹脂層70bの冷却距離を短くすることができ、装置のコンパクト化を実現させることができる。
また、本実施の形態では、剥離部材64により剥離距離Dを小さくする動作に連動して、ガイド部材80をコーティングフィルム70から退避させる。これにより、剥離距離Dを小さくしてフィルム基材70aからコーティング樹脂層70bを剥離するときに、コーティング樹脂層70bの温度が低くなり過ぎることを効果的に防止でき、これにより、所望の光沢度にすることが可能となる。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
1 画像形成部
46 コーティング装置
50 コーティング部
60a 駆動モータ(回転駆動部の一例)
64 剥離部材(この例では剥離ローラ)
64A 第1剥離部材(剥離部材)
64B 第2剥離部材(剥離部材)
70 コーティングフィルム
70a フィルム基材
70b コーティング樹脂層
71 サーマルヘッド(発熱体の一例)
80 ガイド部材
100 画像形成装置
800 変位部
800A 変位部
800B 変位部
900 変位部
900A 変位部
900B 変位部
911 回動軸
D 剥離距離
P 記録シート
R4 引き込み搬送経路(搬送経路の一例)
X 搬送方向
Y 幅方向
α 加熱位置
β 剥離位置
γ 仮想線
θ 剥離角度
μ 摩擦係数
φ 角度
φa 角度
φb 角度
φc 角度

Claims (5)

  1. フィルム基材とコーティング樹脂層とを積層したコーティングフィルムを用いて、搬送中の記録シートを樹脂コーティングするコーティング処理を施すコーティング装置であって、
    前記コーティングフィルムを前記記録シートの搬送経路に沿って搬送する搬送部と、
    前記搬送経路において前記搬送部にて搬送される前記記録シートに前記コーティングフィルムを重ね合わせ加熱して、前記フィルム基材から前記コーティング樹脂層を剥離するコーティング部と
    を備え、
    前記コーティング部は、前記搬送経路において互いに重ね合わされた前記コーティングフィルムを加熱しつつ前記記録シートに密着させる発熱体と、前記発熱体の加熱位置から前記記録シートの搬送方向における下流側の予め定めた所定の剥離距離だけ離れた剥離位置で前記フィルム基材に接触した状態で前記フィルム基材から前記コーティング樹脂層を剥離する剥離部材と、前記剥離部材を変位させる変位部とを備え、
    前記剥離部材は、前記搬送方向に沿って平行移動可能とされており、
    前記変位部は、前記剥離部材を前記搬送方向に移動させることにより、前記剥離距離を変更することを特徴とするコーティング装置。
  2. フィルム基材とコーティング樹脂層とを積層したコーティングフィルムを用いて、搬送中の記録シートを樹脂コーティングするコーティング処理を施すコーティング装置であって、
    前記コーティングフィルムを前記記録シートの搬送経路に沿って搬送する搬送部と、
    前記搬送経路において前記搬送部にて搬送される前記記録シートに前記コーティングフィルムを重ね合わせ加熱して、前記フィルム基材から前記コーティング樹脂層を剥離するコーティング部と
    を備え、
    前記コーティング部は、前記搬送経路において互いに重ね合わされた前記コーティングフィルムを加熱しつつ前記記録シートに密着させる発熱体と、前記発熱体の加熱位置から前記記録シートの搬送方向における下流側の予め定めた所定の剥離距離だけ離れた剥離位置で前記フィルム基材に接触した状態で前記フィルム基材から前記コーティング樹脂層を剥離する剥離部材と、前記剥離部材を変位させる変位部とを備え、
    前記コーティング部は、何れか一つの前記剥離部材が前記フィルム基材に接触して互いに異なる前記剥離位置で前記コーティング樹脂層を剥離するように切り替え可能とされた少なくとも2つの前記剥離部材を有し、
    前記変位部は、前記剥離部材を切り替えることにより、前記剥離距離を変更することを特徴とするコーティング装置。
  3. 請求項2に記載の画像形成装置であって、
    少なくとも2つの前記剥離部材は、前記搬送方向に直交する前記記録シートのシート面に沿った回動軸線を中心に予め定めた所定の角度をおいて設けられて前記回動軸線回りに揺動可能とされ、かつ、何れか一つの前記剥離部材が前記フィルム基材に接触して互いに異なる前記剥離位置で前記コーティング樹脂層を剥離する構成とされており、
    前記変位部は、前記剥離部材を前記回動軸線回りに揺動させることにより、前記剥離距離を変更することを特徴とするコーティング装置。
  4. 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載のコーティング装置と、前記記録シートに画像を形成する画像形成部とを備え、前記画像形成部にて画像形成した前記記録シート上に前記コーティング装置にて前記コーティング処理を行う画像形成装置であって、
    互いに異なる複数の前記剥離距離にそれぞれ対応する複数の動作モードを有し、
    前記変位部は、複数の前記動作モードが何れか一つの動作モードに切り替えられることにより、切り替えられた動作モードに対応する前記剥離距離に変更することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4に記載の画像形成装置であって、
    前記複数の動作モードは、前記コーティング装置にて前記コーティング処理された前記記録シートの光沢度が予め定めた所定の光沢度以上の光沢度となる光沢モードと、前記コーティング装置にて前記コーティング処理された前記記録シートの光沢度が前記所定の光沢度よりも小さい光沢度となる艶消しモードとを含み、
    前記光沢モードでの前記剥離距離は、前記艶消しモードでの前記剥離距離よりも大きくされていることを特徴とする画像形成装置。
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KR101914910B1 (ko) 2018-07-09 2018-11-02 노상학 금속박막 코팅 장치

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