以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1実施形態
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。
1.1.構成
図1は、本発明の実施の形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、前面上扉UD、および前面下扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット(図示省略)が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第3リールR3は、ステップモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステップモータの軸周りに回転駆動され、ステップモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによってコマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステップモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステップモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉UDには第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうちの3個分(3コマ分)の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。そして遊技者の遊技結果は表示窓DW内の5本の有効ラインL1〜L5上に停止表示された図柄の組合せによって判断され、有効ライン上の図柄の組合せが予め定められた役に対応した組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。
なお5本の有効ラインL1〜L5は、メダルの投入枚数に応じて有効化されるラインが決定される。本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して1枚〜3枚の範囲でメダルを投入可能とされており、前面下扉DDに設けられたメダル投入口MIへ1枚のメダルを投入した場合、1本の有効ラインL1が有効化され、メダル投入口MIへ2枚のメダルを投入した場合、3本の有効ラインL1〜L3が有効化され、メダル投入口MIへ3枚のメダルを投入した場合、5本の有効ラインL1〜L5が全て有効化される。
また前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット枚数、1回の遊技におけるメダルの払出枚数あるいは獲得枚数、ボーナス遊技の残り回数等の各種遊技情報が表示される。
また前面上扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジットされたメダルを投入状態にする操作を行うためのベットボタンB0(投入操作手段の一例)、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバーSL(遊技開始操作手段の一例)、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタンB1〜B3(停止操作手段の一例)が設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、遊技を開始することが可能な準備状態にセットされる。続いて、遊技者がスタートレバーSLを押下操作すると、制御基板において乱数値を用いた内部抽選が行われるとともに、第1リールR1〜第3リールR3がステップモータの駆動により回転を開始する。そして、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し、かつ所定の待機時間(ウェイトタイム)を経過したことを条件に、ストップボタンB1〜B3の押下操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、ストップボタンB1〜B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜B3を開放すると、各ボタンのストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング及び開放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また前面下扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は遊技制御手段100によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、スピーカ340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして、遊技制御手段100は、乱数発生手段110、抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、入賞時処理手段150、演出制御手段180、記憶手段190を含む。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態の「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSL(遊技開始操作手段の一例)を押下操作することで作動するスタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数の抽選テーブルのうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、通常状態およびビッグボーナス状態(BB状態)という複数種類の遊技状態が設定可能とされており、抽選テーブル記憶手段191には、各遊技状態における抽選のための抽選テーブルが記憶されている。そして、各遊技状態用の抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対してリプレイ(再遊技:入賞に伴い次回の遊技に際してメダルの投入が不要となる役)、小役(入賞に伴い予め定められた枚数のメダルが払い出される役:ベル、スイカ)、及びビッグボーナス(BB:ボーナス役の一例)などの各種の役もしくはハズレのいずれかが対応づけられている。
特に本実施形態の遊技機では、通常状態において参照される抽選テーブルにおいて、小役であるスイカが1回の遊技で単独当選する場合と、スイカとBBとが1回の遊技で重複当選する場合とがあるように乱数値と当選役との対応関係が設定されている。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、抽選テーブル記憶手段191に記憶されている複数の抽選テーブルのうち、上述した抽選テーブル選択処理によって選択された抽選テーブルを参照して、取得した乱数値について役に当選したか否かを判定する。
フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役のフラグを非内部当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から内部当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。そして、フラグの設定情報を記憶手段190のフラグ記憶手段192に格納する。なお、本実施形態では、入賞するまで次回以降の遊技に内部当選状態を持ち越し可能なフラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に内部当選状態を持ち越さずに非内部当選状態にリセットされるフラグ(持越不可フラグ)とが用意されており、前者のフラグが対応づけられる役にはビッグボーナスがあり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ等)は後者のフラグに対応づけられている。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLを押下操作(遊技開始操作の一例)することにより作動するスタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて、第1リールR1〜第3リールR3をステップモータにより回転駆動する制御を行うとともに、遊技者がストップボタンB1〜B3(停止操作手段の一例)を押下操作(停止操作の一例)することにより作動するストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3をフラグの設定状態(役の当否)に応じて停止させる制御を行う。
また、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3を停止させる際には、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照してストップボタンB1〜B3の押下タイミング等(停止操作の態様)に応じた第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リールR1〜第3リールR3が停止するようにリールユニット310のステップモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより各リールを停止させる制御を行う。
また、リール制御手段130は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、フラグが内部当選状態に設定された役に対応する図柄が有効ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理であり、蹴飛ばし処理とは、フラグが非内部当選状態に設定された役に対応する図柄が有効ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち、本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、フラグの設定状態、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(あるいは有効ラインL1〜L5上に停止している図柄の種類)に応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、リール制御手段130は、フラグが内部当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方でフラグが非内部当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行っている。
また、本実施形態の遊技機では、回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルにおいて、各リールが停止するまでに要するコマ数が5コマを上限として設定されており、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3に関する引き込み処理において、ストップボタンB1〜B3の停止契機となる操作が行われた時点で表示窓DW内に位置するコマから最大4コマ先の図柄を引き込むことができるようにリールを停止させる制御を行っている。このため、第1リールR1〜第3リールR3については、各リールに複数配列される特定の図柄(例えば、リプレイ図柄など)に関して、その間隔が概ね5コマ以内となるように配列しておけば、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング、押下順序等に関係なく特定の図柄を有効ライン上に引き込むことができるような図柄配列を有するリールユニット310を構成することも可能である。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止状態に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した際に、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、各リールの停止状態によって有効ライン上に停止している図柄の組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
入賞時処理手段150は、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、払出制御処理、リプレイ処理、遊技状態移行制御処理などを実行する。例えば、小役が入賞した場合には払出制御処理を行い、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理を行い、ビッグボーナスが入賞した場合やビッグボーナス状態が終了した場合には遊技状態移行制御処理を行う。
払出制御処理では、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する処理を行う。具体的には、小役に入賞した場合に、入賞した小役に対応するメダルの払出枚数(配当数)をホッパーユニット320(払出装置)に対して指示する制御を行う。このとき、ホッパーユニット320は指示された払出枚数のメダルを払い出す動作を行う。また、メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、払出制御手段150がメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に対して払出枚数を加算するクレジット加算処理を行う。なお、遊技の結果、リプレイ、ビッグボーナスが入賞した場合には、ホッパーユニット320からのメダルの払い出しは行われないが、形式的に0枚のメダルを払い出したとする処理(0枚処理)を行う。
リプレイ処理(再遊技処理)では、リプレイ(再遊技)が入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定する処理を行う。すなわち、リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に前回の遊技と同じ枚数分のメダルがベット状態に設定されるベット処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインを有効化した状態で次回の遊技の開始操作(遊技者によるスタートレバーSLの押下操作)を待機する。
遊技状態移行制御処理では、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態およびビッグボーナス状態(BB状態)の間で遊技状態を移行させる処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち、1の条件が成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
BB状態は、通常状態においてビッグボーナス(BB)に内部当選した場合に、所定のボーナス図柄(BB図柄)を入賞の形態で停止させることを開始条件とする遊技状態である。また、BB状態は、ボーナス遊技において所定枚数(例えば、465枚以下の予め定められた枚数)を超えるメダルが払い出されたことを終了条件とし、その終了条件が満たされた場合には遊技状態を通常状態へ復帰させる制御が行われる。
また、BB状態のボーナス遊技では、小役の種類や入賞確率が上昇するように制御される。すなわち、BB状態は、通常状態よりも短期間で多くのメダルが獲得しやすくなっており、遊技者にとって有利な遊技状態(ボーナス状態、特別状態)となっている。
演出制御手段180は、演出テーブル記憶手段195に記憶されている演出テーブルを参照して、演出テーブルを構成する演出データに基づいて演出装置(表示装置330、スピーカ340)に遊技演出を実行させる制御を行う。例えば、ランプ、LED、液晶ディスプレイ等の表示装置330を用いて行う表示演出やスピーカ340から出力される音による音演出に関する制御を行う。具体的には、遊技状態の変化、役の入賞、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカ340から音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出制御を行う。
そして、本実施形態の遊技機では、演出制御手段180が、演出状態選択抽選手段182、演出状態選択手段184、演出実行抽選手段186を含んで構成されている。
演出状態選択抽選手段182は、内部抽選の結果に応じて、演出テーブル記憶手段195の演出状態選択抽選テーブル記憶手段196に記憶されている複数の演出状態選択抽選テーブルの中からいずれの演出状態選択抽選テーブルを用いて演出状態選択抽選を行うかを決定し、予め定められた順序に従って演出状態を移行させるか否かを決定する抽選を行う。
そして、本実施形態の遊技機では、演出状態選択抽選テーブル毎に、演出状態を移行させる割合(当選割合)と演出状態を維持する割合(非当選割合)とを異ならせて設定しているため、内部当選状態に設定されたフラグの有無または内部当選状態に設定されたフラグに応じて、演出状態選択抽選テーブルを決定(変更)することで、演出状態を移行させる確率を変更している。
例えば、ビッグボーナスに対応するフラグが内部当選状態に設定されている場合に参照される演出状態選択抽選テーブルでは、非当選割合を当選割合より高く設定し、ビッグボーナスに対応するフラグが内部当選状態に設定されていない場合に参照される演出状態選択抽選テーブルでは、当選割合を非当選割合よりも高く設定することで、ビッグボーナスに内部当選したことを契機として、演出状態選択抽選における演出状態を移行させる確率を変更することができる。
また、ビッグボーナスに対応するフラグまたはビッグボーナスとともに重複当選する可能性ある小役が内部当選状態に設定されている場合に参照される演出状態選択抽選テーブルでは、非当選割合を当選割合より高く設定し、ビッグボーナスに対応するフラグ及びビッグボーナスとともに重複当選する可能性ある小役が内部当選状態に設定されていない場合に参照される演出状態選択抽選テーブルでは、当選割合を非当選割合よりも高く設定することで、ビッグボーナスまたはビッグボーナスとともに重複当選する可能性ある小役が内部当選したことを契機として、演出状態選択抽選における演出状態を移行させる確率を変更するようにしてもよい。
演出状態選択手段184は、演出状態選択抽選に当選した場合に、予め定められた順序に従って演出状態を移行させる制御を行う。具体的には、演出状態選択抽選で「演出状態移行」に当選した場合に、演出テーブル記憶手段195の演出状態記憶手段197に記憶されている前回に実行した演出の演出状態情報を参照し、前回に実行した演出の演出状態を予め定められた順序に従って次の演出状態に移行させる制御を行う。そして、移行された演出状態の演出が実行されたことを条件に、演出状態記憶手段197に記憶されている前回に実行した演出の演出状態情報を更新する。
また、演出状態選択手段184は、前回の演出状態選択抽選の結果に応じて選択された演出状態の演出が実行されたことを条件に、予め定められた順序に従って演出状態を移行させる制御を行うようにしてもよい。具体的には、後述する演出実行抽選の結果、演出を実行しないことになった場合に、演出状態選択抽選結果を破棄する制御を行う。このようにすることで、演出実行抽選の結果、演出を実行しないことになった場合であっても、演出状態のみが移行されてしまう事態を防ぐことが可能となる。
演出実行抽選手段186は、内部抽選の結果に応じて、演出テーブル記憶手段195の演出実行抽選テーブル記憶手段198に記憶されている複数の演出実行抽選テーブルの中からいずれの演出実行抽選テーブルを用いて演出実行抽選を行うかを決定し、演出を実行するか否か及び、演出を実行する場合には実行する演出の内容を決定する抽選を遊技毎に行う。
また、演出実行抽選手段186は、演出状態毎に演出実行抽選テーブルを設けている場合には、内部抽選の結果、演出状態記憶手段197に記憶されている前回に実行した演出の演出状態情報、及び演出状態選択抽選の結果から、演出実行抽選テーブル記憶手段198に記憶されている複数の演出実行抽選テーブルの中からいずれの演出実行抽選テーブルを用いて演出実行抽選を行うかを決定する。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310やホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
1.2.本実施形態の制御手法
図3〜図8を参照しながら、本実施形態の遊技機で採用されている制御手法を具体的に説明する。
最初に、本実施形態の遊技機における演出状態の移行制御手法の一例について図3を用いて説明する。
本実施形態の遊技機では、背景(スプライト、レイヤー、シート)上を移動体が通過する演出画像を液晶ディスプレイLCDに表示させている。特に、本実施形態の遊技機では、移動体(例えば、気球)が空を通過する空通過演出状態、移動体(例えば、手漕ぎボート)が海を通過する海通過演出状態、移動体(例えば、自動車)がキャラクタの手前を通過する手前通過演出状態の3種類の演出状態(複数種類の演出状態の一例)を用意しており、演出状態選択抽選で「演出状態移行」に当選すること等を条件に、図3に示すように、これらの演出状態を「空通過演出状態→海通過演出状態→手前通過演出状態→空通過演出状態→…」の順序(所定の順序の一例)で移行させるように制御している。また、本実施の形態の遊技機では、内部抽選で当選した役に応じて、演出状態選択抽選の当選確率を変更する制御を行っている。
次に、本実施形態の遊技機における演出画像の生成手法の一例について図3、図4を用いて説明する。
本実施形態の遊技機では、複数のスプライトを重ね合わせて合成することで、空通過演出状態の演出画像IMG1、海通過演出状態の演出画像IMG2、手前通過演出状態の演出画像IMG3のそれぞれを生成する手法を採用している。例えば、図3、図4に示された演出画像IMG3は、自動車が描かれたスプライトSPR1の下にキャラクタが描かれたスプライトSPR2を重ね、スプライトSPR2の下に海の背景が描かれたスプライトSPR3を重ね、スプライトSPR3の下に空の背景が描かれたスプライトSPR4を重ね合わせて合成することで生成された画像であり、最前面に配置されたスプライトSPR1に描かれた自動車を画像上で動かせるための制御を行うことで、自動車がキャラクタの手前を通過する演出画像となっている。
なお、空通過演出状態の演出画像IMG1を生成する場合には、自動車が描かれたスプライトSPR1の代わりに気球が描かれたスプライトを空の背景が描かれたスプライトSPR4の上に重ね合わせ、他のスプライトと共に合成して画像を生成すればよい。また、海通過演出状態の演出画像IMG2を生成する場合には、自動車が描かれたスプライトSPR1の代わりに手漕ぎボートが描かれたスプライトを海の背景が描かれたスプライトSPR3の上に重ね合わせ、他のスプライトと共に合成して画像を生成すればよい。
次に、本実施形態の遊技機における演出抽選の制御手法の一例について図5を用いて説明する。
本実施形態の遊技機では、図5に示すように、内部抽選、演出状態選択抽選、演出実行抽選の3つの抽選結果に基づいて、演出装置に実行させる演出画像を決定する。本実施形態の遊技機では、最初に、内部抽選を行い、内部当選状態に設定されたフラグの有無または内部当選状態に設定されたフラグに応じて、演出状態選択抽選で使用する演出状態選択抽選テーブルを決定する。続いて、演出状態選択抽選結果及び前回実行された演出の演出状態に応じて、新たに実行する演出の演出状態を決定する。最後に、演出状態毎に用意された複数の演出実行抽選テーブルの中から、内部抽選結果に応じて、演出実行抽選で使用する演出実行抽選テーブルを決定し、演出実行抽選結果に応じて、演出装置に実行させる演出を決定する。
以下、内部抽選、演出状態選択抽選、演出実行抽選のそれぞれの制御手法について、図6〜図8を用いて説明する。
本実施形態の遊技機が通常状態の内部抽選で使用する図6に示された抽選テーブルでは、0〜65535までの65536個の乱数値のそれぞれに対して、ビッグボーナス、リプレイ、小役(ベル、スイカ)の各役のいずれか1つ以上またはハズレが対応づけられている。特に、本実施形態の遊技機における抽選テーブルでは、ビッグボーナスのみが対応づけられる乱数値群A(第1の乱数値群)と、スイカのみが対応づけられる乱数値群B(第2の乱数値群)と、スイカ及びビッグボーナスが共通に対応づけられる乱数値群C(第3の乱数値群)とが設定されている。このようにすることによって、内部抽選で乱数値群Aに属する乱数値が取得された場合にはビッグボーナスが単独当選し、内部抽選で乱数値群Bに属する乱数値が取得された場合にはスイカが単独当選し、内部抽選で乱数値群Cに属する乱数値が取得された場合にはスイカとビッグボーナスとが重複当選させることができる。
なお、通常状態において、乱数値群Aあるいは乱数値群Cのいずれかに属する乱数値が取得されると、ビッグボーナスのフラグが内部当選状態に設定され、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスのフラグは内部当選状態に維持される。そして、ビッグボーナスのフラグが内部当選状態に設定されている期間においては、図6に示す乱数値群Aがハズレに対応づけられるとともに、図6に示す乱数値群Cがスイカのみに対応づけられた抽選テーブルを使用して内部抽選が実行される。
本実施形態の遊技機が演出状態選択抽選で使用する図7に示された演出状態選択抽選テーブルは、演出状態を移行させずに前回と同一の演出状態の演出を演出装置に実行させる「演出状態維持」と、演出状態を「空通過→海通過→手前通過→…」の順序で移行させ、移行された演出状態の演出を演出装置に実行させる「演出状態移行」とから構成されている。そして、演出状態選択抽選テーブルには、「演出状態維持」の当選確率が12.5%、「演出状態移行」の当選確率が87.5%になるように乱数値が対応づけられ、リプレイ、ベル、またはハズレが内部当選した際の演出状態選択抽選で使用される演出状態選択抽選テーブル1と、「演出状態維持」の当選確率が87.5%、「演出状態移行」の当選確率が12.5%になるように乱数値が対応づけられ、ビッグボーナスのフラグが内部当選状態に設定されている場合、またはスイカに内部当選した際の演出状態選択抽選に使用される演出状態選択抽選テーブル2との2種類のテーブルが用意されている。
このように、リプレイ、ベル、またはハズレが内部当選した際の演出状態選択抽選では、7/8の確率で「演出状態移行」が当選するため、演出状態を「空通過→海通過→手前通過…」の順序で移行させやすいように制御することができる。また、ビッグボーナスのフラグが内部当選状態に設定されている場合、またはスイカに内部当選した際の演出状態選択抽選では、7/8の確率で「演出状態維持」が当選するため、前回と同一の演出状態の演出を繰り返し実行させやすいように制御することができる。すなわち、本実施形態の遊技機では、実行される演出の演出状態を複数回の遊技に渡って観察することで、遊技状態が遊技者に有利な状態に移行する契機であるか否かを遊技者に判断(予測)させることができる。
本実施形態の遊技機が演出実行抽選で使用する図8(A)に示された演出状態選択抽選テーブルは、演出1、演出2、演出3、演出なしから構成されている。本実施形態の遊技機では、通常状態時の演出実行抽選で使用する演出実行抽選テーブル1と、ビッグボーナスのフラグが内部当選状態に設定されている場合の演出実行抽選で使用する演出実行抽選テーブル2を含む、複数種類の演出実行抽選テーブルが用意されている。なお、演出実行抽選テーブル1、演出実行抽選テーブル2を含む複数種類の演出実行抽選テーブルは、演出状態毎に用意されている。
また、本実施形態の遊技機では、図8(B)に示すように、演出状態及び実行される演出の種類毎に背景上を通過する移動体が異なっており、空通過演出状態時に演出実行抽選で演出1が当選すると、演出画像IMG1のように、移動体である気球が空の背景上を通過する演出が実行される。なお、演出実行抽選で演出2が当選した場合には、移動体がカモメとなり、演出実行抽選で演出3が当選した場合には、移動体がヘリコプタとなる。
また、海通過演出状態時に演出実行抽選で演出1が当選すると、演出画像IMG2のように、移動体である手漕ぎボートが海の背景上を通過する演出が実行される。なお、演出実行抽選で演出2が当選した場合には、移動体がアヒルボートとなり、演出実行抽選で演出3が当選した場合には、移動体が水上スキーとなる。
また、手前通過演出状態時に演出実行抽選で演出1が当選すると、演出画像IMG2のように、移動体である自動車がキャラクタの手前を通過する演出が実行される。なお、演出実行抽選で演出2が当選した場合には、移動体がトラックとなり、演出実行抽選で演出3が当選した場合には、移動体が焼イモ屋となる。
なお、図8(B)に示す移動体テーブルを、演出テーブル記憶手段195に記憶することで、各演出と各演出に出現する移動体との関係を特定してもよいし、演出毎に対応する移動体を特定するための情報を保持するようにしてもよい。
次に、図9のフローチャートを参照しながら本実施形態の遊技機における遊技制御処理の全体の流れの一例について説明する。
最初に、遊技者がスタートレバーSLを押下操作してスタートスイッチが作動すると(ステップS10でY)、内部抽選を行う(ステップS12)。内部抽選では、遊技スタート信号に基づいて、インクリメントカウンタより乱数値を取得して、取得した乱数値を抽
選テーブルと比較することにより役の当否を決定する。そして内部抽選の結果に基づいて、当選した役のフラグを内部当選状態に設定するフラグ設定処理を行う。
続いて、スタートスイッチの作動により入力される遊技スタート信号に基づいて、ステップモータへの駆動パルスの供給が開始され、第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動が開始される(ステップS14)。そして、第1リールR1〜第3リールR3の各リールの回転速度が所定速度に達するとストップボタンB1〜B3に対する停止操作が有効化される。
続いて、遊技者がストップボタンB1〜B3を押下操作すると各ボタンに対応したストップスイッチが作動し、ストップスイッチのオン動作に基づいて対応するリールのステップモータを駆動するパルスの供給を停止してリールの回転を停止させる処理を行う(ステップ16でY、ステップS18)。
そして第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止すると(ステップS20でY)、全リールの停止状態に基づいて役が入賞したか否かが判定される入賞判定処理が行われる(ステップS22)。このとき内部抽選において当選した役が入賞していた場合には(ステップS22でY)、入賞時の処理として入賞役に応じた処理(入賞時処理)が行われる(ステップS24)。具体的には、小役が入賞した場合には、ホッパーユニットによりメダルを払い出す払出処理が行われ、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ投入枚数が遊技者の所有するメダルを要さずに自動的に投入されて次回の遊技開始の操作を待機するリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスが入賞した場合には、遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。なお内部抽選の結果、何らかの役に当選していても、入賞を果たせなかった場合には(ステップS22でN)、ステップS24の入賞時処理は行われない。
次に、図10のフローチャートを参照しながら本実施形態の遊技機における演出制御処理の全体の流れの一例について説明する。
最初に、遊技者がスタートレバーSLを押下操作してスタートスイッチが作動すると(ステップS30でY)、図10のステップS12で行われた内部抽選の結果を取得する(ステップS32)。
続いて、内部当選状態に設定されたフラグ等に応じて、演出状態選択抽選で使用する演出状態選択抽選テーブルを選択し、演出状態選択抽選を行う(ステップS34、ステップS36)。演出状態選択抽選では、インクリメントカウンタより乱数値を取得して、取得した乱数値を選択された演出状態選択抽選テーブルと比較することにより演出状態を移行するか否かを決定する。そして、記憶手段に記憶された前回の演出実行後の演出状態及び演出状態選択抽選の結果から、次に実行する演出の演出状態を決定する(ステップS38)。なお、演出状態を移行しない場合には、前回の演出の演出状態に決定される。
続いて、決定された演出状態及び内部当選状態に設定されたフラグ等に応じて、演出実行抽選で使用する演出実行抽選テーブルを選択し、演出実行抽選を行う(ステップS40)。演出実行抽選では、インクリメントカウンタより乱数値を取得して、取得した乱数値を選択された演出実行抽選テーブルと比較することにより演出を実行するか否か、及び演出を実行する場合には実行する演出の内容を決定する。
そして、演出実行抽選に当選した場合には、演出実行契機になったことを条件に、当選した内容の演出を演出装置に実行させる(ステップS42でY、ステップS44でY、ステップS46)。なお、遊技者のスタートレバーSLの押下操作、またはストップボタンB1〜B3のいずれかに対する押下操作が演出実行契機であり、スタートレバーSLを押下操作してスタートスイッチが作動したこと、またはストップボタンB1〜B3のいずれかを押下操作してストップスイッチが作動したことに基づいて、演出を演出装置に実行させる。なお、演出の実行契機は演出毎に定められている。
最後に、実行された演出の演出状態を記憶手段に更新する処理を行う(ステップS48)。
なお、演出実行抽選に当選しなかった場合には、演出の実行や演出状態の更新処理(ステップS44〜ステップS48)は行わない。
1.3.変形例
なお、本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。
例えば、上記実施形態では、演出状態選択抽選と演出実行抽選とを別々に行う抽選である場合を例に取り説明をしたが、これらの抽選を1つの抽選にまとめるようにしてもよい。具体的には、図11に示す入れ子構造の抽選テーブルのように、実行する演出それぞれに対して「演出状態維持」、「演出状態移行」の項目を割り振った抽選テーブルを使用して抽選を行ってもよい。このようにすれば、実行する演出の内容及び実行する演出の演出状態を1回の抽選で特定することができるため、処理を簡素化することができる。
また、例えば、上記実施形態では、図8(A)に示す演出抽選テーブルのように、演出実行抽選テーブルの項目に、演出状態に依存する演出及び演出実行の有無のみを割り振った場合を例に取り説明をしたが、これらの項目の他に、演出状態に依存されない演出であって、いずれの演出状態においても同一の演出が実行される共通演出を割り振ってもよい。このようにすれば、演出状態の移行順序に関する法則性を発見することが難しくなるため、当該法則性を発見する楽しみを遊技者に与えることができる。
また、例えば、上記実施形態では、前回の演出状態選択抽選の結果に応じて選択された演出状態の演出が実行されたことを条件に、予め定められた順序に従って演出状態を移行させる制御を行う場合を例に取り説明をしたが、このような条件を設定せずに、予め定められた順序に従って演出状態を移行させる制御を行ってもよい。このようにすれば、演出状態の移行順序に関する法則性を発見することが難しくなるため、当該法則性を発見する楽しみを遊技者に与えることができる。
また、例えば、上記実施形態では、図6の通常状態用演出テーブルに示すように、ビッグボーナスと小役であるスイカとを重複当選させることができる場合を例に取り説明をしたが、スイカに加え、スイカ以外の小役であるにベルついてもビッグボーナスと重複当選させるようにしてもよい。また、ビッグボーナスと重複当選させることができる役は小役に限られず、例えば、リプレイをビッグボーナスと重複当選させるようにしてもよい。
2.第2実施形態
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態については、第1実施形態と異なる事項についてのみ説明し、第1実施形態と実質的に同一の事項については説明を省略する。
2.1.構成
図12は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
演出制御手段180は、演出テーブル記憶手段195に記憶されている演出テーブルを参照して、演出テーブルを構成する演出データに基づいて演出装置(表示装置330、スピーカ340)に遊技演出を実行させる制御を行う。例えば、ランプ、LED、液晶ディスプレイ等の表示装置330を用いて行う表示演出やスピーカ340から出力される音による音演出に関する制御を行う。具体的には、遊技状態の変化、役の入賞、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカ340から音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出制御を行う。
そして、本実施形態の遊技機では、演出制御手段180が、演出状態選択手段184、演出実行抽選手段186を含んで構成されている。
演出状態選択手段184は、内部抽選の結果に応じて、演出状態の移行順序を変更するか否かを決定し、決定された移行順序に従って演出状態を移行する制御を行う。
具体的には、内部当選状態に設定されたフラグの有無または内部当選状態に設定されたフラグに応じて、演出テーブル記憶手段195の演出状態移行順序テーブル記憶手段199に記憶されている演出状態移行順序テーブルから演出状態の移行順序を決定(変更)する。
例えば、ビッグボーナスに対応するフラグが内部当選状態に設定されている場合の演出状態の移行順序と、ビッグボーナスに対応するフラグが内部当選状態に設定されていない場合の演出状態の移行順序とを異ならせて演出移行順序テーブルに設定しておくことで、ビッグボーナスに内部当選したことを契機として、演出状態を移行させる順序を変更することができる。
また、ビッグボーナスに対応するフラグまたはビッグボーナスとともに重複当選する可能性ある小役が内部当選状態に設定されている場合の演出状態の移行順序と、ビッグボーナスに対応するフラグ及びビッグボーナスとともに重複当選する可能性ある小役が内部当選状態に設定されていない場合の演出状態の移行順序とを異ならせて演出移行順序テーブルに設定しておくことで、ビッグボーナスに内部当選したことを契機として、演出状態を移行させる順序を変更するようにしてもよい。
演出状態選択手段184は、演出テーブル記憶手段195の演出状態記憶手段197に記憶されている前回に実行した演出の演出状態情報を参照し、決定された移行順序に従って前回に実行した演出の演出状態を次の演出状態に移行させる制御を行う。そして、移行された演出状態の演出が実行されたことを条件に、演出状態記憶手段197に記憶されている前回に実行した演出の演出状態情報を更新する。
また、演出状態選択手段184は、前回の演出状態選択で演出状態を移行された演出が実行されたことを条件に、決定された移行順序に従って演出状態を移行させる制御を行うようにしてもよい。具体的には、後述する演出実行抽選の結果、演出を実行しないことになった場合に、演出状態選択処理の処理結果を破棄する制御を行う。このようにすることで、演出実行抽選の結果、演出を実行しないことになった場合であっても、演出状態のみが移行されてしまう事態を防ぐことが可能となる。
演出実行抽選手段186は、内部抽選の結果に応じて、演出テーブル記憶手段195の演出実行抽選テーブル記憶手段198に記憶されている複数の演出実行抽選テーブルの中からいずれの演出実行抽選テーブルを用いて演出実行抽選を行うかを決定し、演出を実行するか否か及び、演出を実行する場合には実行する演出の内容を決定する抽選を遊技毎に行う。
また、演出実行抽選手段186は、演出状態毎に演出実行抽選テーブルを設けている場合には、内部抽選の結果、演出状態記憶手段197に記憶されている前回に実行した演出の演出状態情報、及び演出状態選択処理の結果から、演出実行抽選テーブル記憶手段198に記憶されている複数の演出実行抽選テーブルの中からいずれの演出実行抽選テーブルを用いて演出実行抽選を行うかを決定する。
2.2.本実施形態の制御手法
図13〜図15を参照しながら、本実施形態の遊技機で採用されている制御手法を具体的に説明する。
最初に、本実施形態の遊技機における演出状態の移行制御手法の一例について図13を用いて説明する。
本実施形態の遊技機では、背景(スプライト、レイヤー、シート)上を移動体が通過する演出画像を液晶ディスプレイLCDに表示させている。特に、本実施形態の遊技機では、移動体(例えば、気球)が空を通過する空通過演出状態、移動体(例えば、手漕ぎボート)が海を通過する海通過演出状態、移動体(例えば、自動車)がキャラクタの手前を通過する手前通過演出状態の3種類の演出状態(複数種類の演出状態の一例)を用意しており、演出状態の移行順序については「空通過演出状態→海通過演出状態→手前通過演出状態→空通過演出状態→…」の順序と、「手前通過演出状態→海通過演出状態→空通過演出状態→手前通過演出状態→…」の順序とが用意されている。
次に、本実施形態の遊技機における演出抽選の制御手法の一例について図14を用いて説明する。
本実施形態の遊技機では、図14に示すように、内部抽選、演出状態移行順序選択、演出実行抽選に基づいて、演出装置に実行させる演出画像を決定する。本実施形態の遊技機では、最初に、内部抽選を行い、内部当選状態に設定されたフラグの有無または内部当選状態に設定されたフラグに応じて、いずれの移行順序で演出状態を移行させるかを決定する。続いて、決定された演出状態の移行順序及び前回実行された演出の演出状態に応じて、新たに実行する演出の演出状態を決定する。最後に、演出状態毎に用意された複数の演出実行抽選テーブルの中から、内部抽選結果に応じて、演出実行抽選で使用する演出実行抽選テーブルを決定し、演出実行抽選結果に応じて、演出装置に実行させる演出を決定する。
以下、演出状態の移行順序の制御手法について、図15を用いて説明する。
本実施形態の遊技機が演出状態選択で使用する図15に示された演出状態移行順序テーブルは、演出状態を「空通過→海通過→手前通過→…」の順序で移行させ、リプレイ、ベル、またはハズレが内部当選した際の演出状態選択で使用されるパターン1と、演出状態を「手前通過→海通過→空通過→…」の順序で移行させ、ビッグボーナスのフラグが内部当選状態に設定されている場合、またはスイカに内部当選した際の演出状態選択抽選に使用されるパターン2とから構成されている。
このように、リプレイ、ベル、またはハズレが内部当選した際の演出状態の移行順序と、ビッグボーナスのフラグが内部当選状態に設定されている場合、またはスイカに内部当選した際の演出状態の移行順序とを異ならせているため、実行される演出の演出状態を観察することで、遊技状態が遊技者に有利な状態に移行する契機であるか否かを遊技者に判断(予測)させることができる。
次に、図16のフローチャートを参照しながら本実施形態の遊技機における演出制御処理の全体の流れの一例について説明する。
最初に、遊技者がスタートレバーSLを押下操作してスタートスイッチが作動すると(ステップS60でY)、図10のステップS12で行われた内部抽選の結果を取得する(ステップS62)。
続いて、内部当選状態に設定されたフラグ等に応じて、演出状態移行順序テーブルの中からいずれの移行順序で演出状態を移行させるかを決定する(ステップS64)。そして、記憶手段に記憶された前回の演出実行後の演出状態及び決定された演出状態の移行順序から、次に実行する演出の演出状態を決定する(ステップS66)。
続いて、決定された演出状態及び内部当選状態に設定されたフラグ等に応じて、演出実行抽選で使用する演出実行抽選テーブルを選択し、演出実行抽選を行う(ステップS68)。演出実行抽選では、インクリメントカウンタより乱数値を取得して、取得した乱数値を選択された演出実行抽選テーブルと比較することにより演出を実行するか否か、及び演出を実行する場合には実行する演出の内容を決定する。
そして、演出実行抽選に当選した場合には、演出実行契機になったことを条件に、当選した内容の演出を演出装置に実行させる(ステップS70でY、ステップS72でY、ステップS74)。なお、遊技者のスタートレバーSLの押下操作、またはストップボタンB1〜B3のいずれかに対する押下操作が演出実行契機であり、スタートレバーSLを押下操作してスタートスイッチが作動したこと、またはストップボタンB1〜B3のいずれかを押下操作してストップスイッチが作動したことに基づいて、演出を演出装置に実行させる。なお、演出の実行契機は演出毎に定められている。
最後に、実行された演出の演出状態を記憶手段に更新する処理を行う(ステップS76)。
なお、演出実行抽選に当選しなかった場合には、演出の実行や演出状態の更新処理(ステップS72〜ステップS76)は行わない。