図1は、本実施例の遊技システムを示すシステム構成図であり、本実施例の遊技システムは、図1に示すように、遊技場に設置された遊技機の一例であるパチンコ遊技機1と、インターネットに接続された管理サーバ900と、遊技者が携行する携帯端末(携帯電話機)901と、から構成され、パチンコ遊技機1と、管理サーバ900と、は2次元コード読み取り機能、パスワード音声の出力機能及び履歴記録音声の入力機能、並びにインターネットへの接続機能を備える携帯端末901を介してデータのやり取りを行うことが可能とされている。
次に、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1について説明する。図2は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図3は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図2の手前側をパチンコ機1の前面側、奥側を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ機1の前面とは、遊技者側からパチンコ機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
パチンコ遊技機1は、図2に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠100と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
下扉枠103の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。この上皿3の下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、その上端部には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン516(操作部)が設けられている。プッシュボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(図3を参照)が設けられていればよい。
操作レバー600のパチンコ機1内方側には、送風口が設けられていることで、操作レバー600を操作する遊技者の手に対し、演出に応じて送風するとともにバイブレータを動作させて振動させることにより臨場感を高めることができるようになっている。
ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠101に対して着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の演出図柄(演出図柄)を変動表示する複数の変動表示部を含む演出表示装置(演出図柄表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。演出図柄の変動表示を行う演出表示装置9は、パチンコ遊技機1の内部に設置された演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(演出図柄ともいう)の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13a(例えば、近接スイッチ)及び第1入賞確認スイッチ13b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)及び第2入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
また、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13bの検出結果及び第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、この例では、第1始動入賞口13への入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口14への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施例では、図2に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図2に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23(例えば、近接スイッチ)及び第3入賞確認スイッチ23a(例えば、フォトセンサ)で検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13や第2始動入賞口14といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行われ、例えば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
なお、セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を変動表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a,29cに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出され、入賞口29b,29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
第1始動入賞口13内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b)が設けられている。この実施例では、第1始動入賞口13内で、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13bとが上下に配置されている(本例では、第1始動口スイッチ13aが上側に配置され、第1入賞確認スイッチ13bが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第1始動入賞口13内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第1始動口スイッチ13aで検出され、次いで第1入賞確認スイッチ13bで検出される。
また、第2始動入賞口14内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b)が設けられている。この実施例では、第2始動入賞口14内で、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14bとが上下に配置されている(本例では、第2始動口スイッチ14aが上側に配置され、第2入賞確認スイッチ14bが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第2始動入賞口14内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第2始動口スイッチ14aで検出され、次いで第2入賞確認スイッチ14bで検出される。
また、大入賞口内には、大入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23a)が設けられている。この実施例では、大入賞口内で、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとが配置されている(本例では、カウントスイッチ23が上側に配置され、第3入賞確認スイッチ23aが下側に配置されている)。従って、この実施例では、大入賞口内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まずカウントスイッチ23で検出され、次いで第3入賞確認スイッチ23aで検出される。
また、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとして、それぞれ異なる検出方式のスイッチが用いられる。この実施例では、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23として近接スイッチを用い、第1入賞確認スイッチ13b、第2入賞確認スイッチ14b、第3入賞確認スイッチ23aとしてフォトセンサを用いている。
また、第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第1特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第2特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第1カウントスイッチ23または第2カウントスイッチ24によって遊技球が検出されたことにもとづいて、賞球払出が実行される。また、第1始動口スイッチ13aによる検出結果に加えて第1入賞確認スイッチ13bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、第2始動口スイッチ14aによる検出結果に加えて第2入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、カウントスイッチ23による検出結果に加えて第3入賞確認スイッチ23aの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。従って、第1入賞確認スイッチ13b、第2入賞確認スイッチ14b、第3入賞確認スイッチ23aは、異常入賞の判定のみに用いられる。
そして遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第1入賞確認スイッチ13b(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第1始動口スイッチ13aにて検出された遊技球数と第1入賞確認スイッチ13bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、15以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、第1始動入賞口13への異常入賞が発生したと判定する。また、第2始動口スイッチ14a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第2入賞確認スイッチ14b(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第2始動口スイッチ14aにて検出された遊技球数と第2入賞確認スイッチ14bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、15以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定する。また、カウントスイッチ23(近接スイッチ)から入力した検出信号と第3入賞確認スイッチ23a(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、カウントスイッチ23にて検出された遊技球数と第3入賞確認スイッチ23aにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、5以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、大入賞口への異常入賞が発生したと判定する。
このように、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aと、を互いに異なる検出方式のセンサ(本例では、近接スイッチとフォトセンサ)により構成していることで、例えば電磁波などを用いて第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口への入賞数が実際の入賞数よりも多くなるように認識させるような不正行為が行われた場合に、近接スイッチにて検出された遊技球数とフォトスイッチにて検出された遊技球数とに差が生じ、遊技制御用マイクロコンピュータ560はこの差球数が所定の閾値を超えた場合に異常入賞が発生したと判定するため、確実な不正行為対策を講ずることができる。
遊技領域7には、遊技状態に応じて発光する複数の装飾LED25a、25bを有する装飾部材25L,25Rが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つの演出用スピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ機1に設けられている装飾発光体の一例である。
図2では、図示を省略しているが、左枠LED28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、天ランプモジュール530の近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。なお、賞球LED51および球切れLED52は、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100によって点灯制御される。さらに、図1において図示はしていないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
また、本実施例では、後述するように、遊技者が所有する携帯端末901を用いてパチンコ遊技機1に対してパスワード音声(特定の音声)の入力操作が行うことができるようになっており、このパスワード音声の入力を行う際に、遊技者が所有する携帯端末901を置くための携帯端末置台61が下扉枠103の左側に設けられている。また、この携帯端末置台61には、携帯端末901から発せられる音声信号により構成されるパスワード音声を取得するためのモデム用マイク61a(入力用マイク)が設置されている。携帯端末置台61は、携帯端末901におけるパスワード音声が発せられる音声入出力部970とモデム用マイク61aとが密着して、パスワード音声がモデム用マイク61aにより良好に取得できる形状となっている。
更に、携帯端末置台61の上方近傍には、モデム用マイク61aがパスワード音声を取得する際に、周囲の雑音を低減させるための雑音低減用音声を発する雑音低減用スピーカ62が設けられている。また、下扉枠103の中央側には、雑音低減用音声を生成するためにパチンコ遊技機1の周囲の雑音を取得する雑音取得用マイク63が設けられている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(演出図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(演出図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる所定の小当り図柄(所定表示結果)であると「小当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、特別可変入賞球装置20が開放される遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
この実施例では、特図ゲームにおける確定特別図柄として「確変大当りA」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には15回のラウンド遊技が実行される第1大当り状態に移行するとともに、第1大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態並びに大当りに当選する確率を通常遊技状態に比較して高める確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される第1確変状態に移行する。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態並びに確変状態は、所定回数(例えば、10回)の特図ゲーム(変動表示)が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が成立したときに終了すればよい。尚、15回のラウンド遊技においては、例えば、所定時間(29秒)が経過するか或いは所定数(10球)の遊技球が入賞するかのいずれかの条件が成立するまで、特別可変入賞球装置20が開放される。
また、特図ゲームにおける確定特別図柄として「確変大当りB」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、2回のラウンド遊技が実行される第2大当り状態に移行するとともに、第2大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば、確率変動制御(確変制御)のみが行われる第1確変状態(高確率状態;低ベース高確状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや演出図柄の変動表示において、変動表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、「確変大当りA」と同様に、所定回数(例えば、10回)の特図ゲーム(変動表示)が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が成立したときに終了すればよい。尚、2回のラウンド遊技においては、例えば、所定時間(0.2秒)が経過するか或いは所定数の遊技球が入賞するかのいずれかの条件が成立するまで、特別可変入賞球装置20が開放される。よって、特別可変入賞球装置20の開放時間が非常に短いので、確変大当りBは確変大当りAに比較して遊技者が獲得できる遊技球数が少ない(殆ど得られない)大当り状態である。
尚、この実施例では、確変大当りBのラウンド数を、特別可変入賞球装置20の開放制御を小当りと同じようにするために小当りと同じ2ラウンドとした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りAも確変大当りBも小当りも同一のラウンド数(例えば15ラウンド)とし、確変大当りAについては、上述した所定時間(29秒)が経過するか或いは所定数(10球)の遊技球が入賞するかのいずれかの第1条件が成立するまで、特別可変入賞球装置20を開放する第1開放制御(長開放制御)を実施し、確変大当りB並びに小当りについては、所定時間(0.2秒)が経過するか或いは所定数(10球)の遊技球が入賞するかのいずれかの第2条件が成立するまで、特別可変入賞球装置20を開放する第2開放制御(短開放制御)を実施するようにしても良い。
時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口14を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。このように、時短状態において第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口14は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態に制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施例における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態であり、高開放制御期間ではない確変状態である後述する潜伏確変状態は高確低ベース状態とも称される遊技状態である。
また、この実施例では、通常状態において発生した「確変大当りB」の終了後には、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない第2確変状態(潜伏確変状態;高確低ベース状態)へ移行する。また、第2確変状態において「確変大当りB」となったことに基づく第2大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態)へ移行する。
このように確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるものの他に、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われないもの(潜伏確変)が含まれていてもよい。また、この実施例では、確変制御の期間を、第1大当り状態並びに第2大当り状態の終了後、所定回数(例えば、10回)までの期間とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1大当り状態の終了後に時短状態にのみ移行する通常大当りを有する場合には、確変制御の期間を次の大当りまで継続するように制御しても良い。
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示(可変表示ともいう)が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリアなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
図3は、パチンコ遊技機1内に設置されている主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560(遊技制御手段に相当)が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、乱数回路53が内蔵されている。乱数回路53は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。
乱数回路53は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路53が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路53が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路53が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路53から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ100)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路52が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータ100にも、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14a、第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23、第3入賞確認スイッチ23a、および各入賞口スイッチ30a,30bからの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16や、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21や、役物(ギミック)を動作させる役物モータ17を基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、図示しないターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100で構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
演出制御基板80は、演出制御用CPU120(制御手段)およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100や、モデム用マイク61aにより集音されたパスワード音声に符号化(変調)されているパスワードを復号(復調)するための音声入力用回路122(音声入力手段)を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
音声入力用回路122(音声入力手段)は、モデム用マイク61aから入力された音声に変調されているパスワードのデータを、復調して取り出す復調機能とともに、入力されたデータ列を変調した音声の音声データとして出力する変調機能とを備える、いわゆるモデム回路を備えており、これら音声入力用回路122及びモデム用マイク61aにより音声入力手段が構成されている。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU120は、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、演出制御用CPU120から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、中継基板77介して演出制御基板80に入力される。中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。尚、本実施例では、中継基板77を設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら中継基板77を設けずに、演出制御基板80と主基板31とを直接接続するようにしても良い。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段である演出制御用CPU120が、遊技盤6に設けられているステージLED(図示略)等の各種LEDの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c並びに天ランプモジュール530内の各LEDの点灯(発光)制御を行う。
遊技盤6側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板としての装飾基板98、ステージ装飾基板99が設けられている。盤側IC基板98,99は、中継基板88を介して演出制御基板80と接続される。また、前面枠101側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板としての天ランプモジュール基板542、左前板天基板473b、右前板天基板473c、操作台基板508、枠ボタン基板509が設けられている。これら各枠側IC基板542、473b、473c、508、509は、中継基板88,89を介して演出制御基板80と接続される。
操作台基板508には、操作レバー600に設けられたレバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513から出力される信号を検出し、信号入力に対応した所定の検知信号を出力するセンサ監視IC(図示略)と、該センサ監視ICによる検知信号が入力されるパラレル−シリアル変換IC(図示略)が搭載されており、操作レバー600の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
同様に、枠ボタン基板509には、プッシュボタン516の操作を検出するボタンスイッチ516からの出力信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板89を介して演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)に出力するパラレル−シリアル変換ICが実装されており、これらプッシュボタン516の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を演出用スピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。尚、音声制御基板70と演出制御基板80とを単一の制御基板にて形成しても良い。
また、雑音低減用スピーカ62及び雑音取得用マイク63は、音声制御基板70により制御されるようになっている。音声制御基板70は、遊技者が所有する携帯端末901を用いてパスワード音声の取得を行う際に、雑音取得用マイク63により集音される周囲の音、すなわち、自機のパチンコ遊技機1や、自機に隣接している他のパチンコ遊技機1の音や各遊技者の声等の周囲の雑音を波形反転させて雑音低減用音声を生成し、この雑音低減用音声を雑音低減用スピーカ62から出力するようになっている。この雑音低減用スピーカ62から出力される雑音低減用音声の音声波形により、雑音の音声波形が相殺され、モデム用マイク61aがパスワード音声を取得するときに周囲の雑音が低減されるようになる(雑音低減音出力手段)。なお、雑音低減用スピーカ62から出力される雑音低減用音声は、雑音を完全に消音するものでなくてもよく、雑音の音圧を低減してモデム用マイク61aがパスワード音声を取得し易くするものであればよい。
次に、遊技機の動作について説明する。先ず、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理について簡潔に説明する。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する。次に、割込モードを割込モード2に設定し、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、後述する通常の初期化処理を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、このバックアップRAM領域のデータチェックでは、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する。そして、後述する乱数回路設定処理を実行する。なお、この実施例では、CPU56は、停電復旧指定コマンドを送信する処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する。
これら初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定する処理と、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定するが実施されることで、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路53を初期設定する乱数回路設定処理を実行する。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路53にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施例では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄(演出図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
特別図柄プロセス処理において、CPU56は、内部状態に応じて、以下に示すステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施例では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである所定の図柄(小当りの種別に対応する所定記号)が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示態様が後述する「確変大当りB」である場合と同様に演出図柄の変動表示が行われた後、所定の小当り図柄(確変大当りB図柄と同じ図柄。例えば「355」等)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である所定の図柄(記号)が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の変動表示態様という。
ここで、小当りとは、後述する確変大当りAと比較して大入賞口の開放時間が短い(この実施例では0.2秒間の開放を2回)当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、確変大当りBとは、確変大当りAと比較して大入賞口の開放時間が短い(この実施例では0.2秒間の開放を2回)大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させる大当りである(但し、大当り遊技後の遊技状態は時短状態にはならない、つまり、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立しにくい状況となり、始動条件の成立状況は通常状態と共通であるため、見た目上は通常状態と変わらない)。つまり、この実施例では、確変大当りBと小当りとは、特別可変入賞球装置20の大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.2秒間の開放が2回行われると、確変状態に移行する確変大当りBであるか、確変状態に移行しない小当りであるかを識別できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図7は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図7に示すように、この実施例では、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−0〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−2(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2(ノーマルリーチC)、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−3の変動パターンが用意されている。なお、図7に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が2回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。
また、図7に示すように、この実施例では、特別図柄の変動表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−4(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4(ノーマルリーチC)、スーパーPB3−4〜スーパーPB3−6、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1(ノーマルリーチA)〜特殊PG2−2(ノーマルリーチB)の変動パターンが用意されている。なお、図7において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、確変大当りBまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンであり、確変大当りBまたは小当りとなる場合には、ノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1や、ノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが決定される場合がある。また、図7に示すように、確変大当りBまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、確変大当りBまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3、特殊PG2−2の変動パターンについては、再変動が2回行われる。
この実施例では、スーパーリーチの演出が実施されるスーパーリーチの変動パターンとしてスーパーリーチA〜Cの3つの変動パターンが設定されており、スーパーリーチA〜Cの各スーパーリーチ演出では、異なるキャラクタが敵キャラクタと対戦する演出が実施され、変動表示結果がはずれとなる場合には、対戦においてキャラクタが敵キャラクタに敗北し、変動表示結果が大当りとなる場合には、対戦においてキャラクタが敵キャラクタに勝利する演出が実施される。
尚、スーパーリーチA〜Cのうち、スーパーリーチCが最も出現率が低いとともに、最も大当りとなる信頼度(期待度)が高い演出であって、キャラクタとして特別キャラクタが登場するプレミア演出が実施されるスーパーリーチであり、該スーパーリーチCが後述するミッションの対象に設定されていて、該スーパーリーチCが実行されることで、ミッションをクリアすることができ、管理サーバ900にて所定価値である特典の付与を受けることが可能となる。
尚、本実施例では、スーパーリーチCについて、ハズレとなる変動パターンであるスーパーリーチC(はずれ)を設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチC(はずれ)を設けずに、スーパーリーチC(大当り)のみを設けるようにしても良い。
なお、この実施例では、図7に示すように、変動パターンの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、非リーチ短縮なしの場合は5.50秒で固定であり、擬似連ありのノーマルリーチCの場合には変動時間が11.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が25.50秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。また、この実施例では、擬似連なしのスーパーリーチA〜Cの変動時間を同一の変動時間(25.50秒)とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらスーパーリーチA〜Cの変動時間をそれぞれ異なる変動時間としても良い。
また、この実施例では、非リーチPA1−3が特殊PG1−2と、非リーチPA1−4が特殊PG1−3と同一の変動パターンを含むものとされており、はずれにおいても、確変大当りBや小当り時と同様の変動演出態様が実施される場合があるため、確変大当りBや小当りが発生したことを遊技者が認識し難くされている。
このように本実施例では、確変大当りBまたは小当りの当選時に選択される複数の変動パターン(特殊PG1−1〜3、2−1〜2)のうちの2つの変動パターン(特殊PG1−2,1−3)の演出態様および確変大当りB遊技状態/小当り遊技状態において実行される演出態様からなる一連の演出態様が、はずれの時に選択される複数の変動パターンのいずれか(非リーチPA1−3,4)の演出態様と同じとされているため、非リーチPA1−3,4または特殊PG1−2,3のいずれの変動パターンにもとづく演出態様であるかを特定することを困難とすることができる。言い換えると、非リーチPA1−3,4、特殊PG1−2,3にもとづく変動パターンは、確変大当りB、小当り、はずれのいずれの場合にも選択される変動パターンであるため、確変大当りBや小当りが発生した場合でも、確変大当りBや小当りが発生したことを遊技者に悟られ難くでき、その結果、確変大当りBや小当りのみを発生させる場合に比較して、確変大当りBが発生に伴って遊技状態が確変状態に移行していることを、より一層、遊技者に悟られ難くできるようになっている。
なお、この実施例では、非リーチPA1−3および特殊PG1−2、非リーチPA1−4および特殊PG1−3のみが変動演出態様が同じ変動パターンとされていたが、他の変動パターンにおいても、はずれ時と確変大当りBまたは小当り時とで同じ変動パターンを設定してもよい。
また、この実施例では、はずれ時において、確変大当りBまたは小当り時に選択される複数の変動パターンのうち、いずれかと同じ演出態様の変動パターンが選択されるようにしていたが、必ずしも同じ演出態様の変動パターンが選択されるようにしなくてもよい。すなわち、はずれ時において確変大当りBまたは小当り時に選択される変動パターンと同じ演出態様の変動パターンが選択されなくても、特殊PG1−1〜3、2−1〜2を、確変大当りBまたは小当り時に選択される変動パターンとしていることで、特殊PG1−1〜3、2−1〜2のいずれかの変動パターンが選択された場合、少なくとも遊技者が確変大当りBの発生を特定することは困難となるため、確変大当りBが発生してその後の遊技状態が確変状態に移行することを遊技者に悟られないようにすることができる。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する確変大当りA、確変大当りB)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施例では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施例では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら変動パターン種別を決定せずに、変動パターンを決定するようにしても良い。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、各種ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチCを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施例では、確変大当りAである場合には、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチCおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、確変大当りBである場合には、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合にも、確変大当りBである場合と同じく、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、「はずれ」であるときには、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチCおよび再変動3回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチCおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチC以外のスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7と、全てのスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−8とに種別分けされている。
ここで、本実施例の各変動パターンについての信頼度について簡単に説明する。尚、信頼度とは、個々の変動パターンが最終的に大当りとなるときに出現する確率(最終的に大当りとなるときに表示される確率)を、当該変動パターンが出現する全確率(当該の変動パターンがハズレの場合に表示される確率と大当りとなるときに表示される確率との合計)で除した値(割合)である。
本実施例では、図7に示すように、変動パターンを、「非リーチ」の変動パターンと、「リーチ」の変動パターンと、「スーパーリーチ」の変動パターンに大別することができ、最終的に大当りとなるときには、必ずリーチまたはスーパーリーチが出現し、非リーチにて大当りとなることがないので、「非リーチ」の変動パターンの信頼度は「0」である。また、「リーチ」の変動パターンの信頼度Aは、「スーパーリーチ」の変動パターンの信頼度Bよりも低く(つまりA<B)に設定されており、スーパーリーチの変動パターンの信頼度が最も高くなっている。
また、スーパーリーチについては、スーパーリーチAの信頼度α、スーパーリーチBの信頼度β、スーパーリーチCの信頼度γは、γ>β>αの順に設定されている。
図6に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(ランダム1)の大当り種別判定用乱数、(ランダム4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施例では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい)が生成する乱数を用いる。
図9(a)は、大当り判定テーブル130aを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図9(a)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(a)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図9(a)に記載されている数値が大当り判定値である。
図9(b),(c)は、小当り判定テーブル130b,130cを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bと、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cとがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bには、図9(b)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cには、図9(c)に記載されている各数値が設定されている。また、図9(b),(c)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路53のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(a)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りA、確変大当りB)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図9(b),(c)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図9(a)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図9(b),(c)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施例では、図9(b),(c)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合には67分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)130cを用いる場合には100分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施例では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
つまり、第1特別図柄表示器8aの変動表示が実行されるのは、遊技状態が通常状態または確変状態(高確低ベース状態)のときであり、確変大当りBにより遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行したことを遊技者に悟られないようにするために小当りの発生確率を高めているのに対し、第2特別図柄表示器8bの変動表示が実行されるのは、遊技状態が確変・時短状態(高確高ベース状態)のときであり、この場合は確変大当りBにより遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行したことを遊技者に悟られないようにする必要はないので、小当りの発生確率を抑えている。
また、本実施例では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの変動表示結果として小当り図柄が導出されるようになっているが、第2特別図柄表示器8bの変動表示結果として小当り図柄が導出されないようにしてもよい。
また、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合に小当りと決定される割合(1/67)は、確変大当りBに決定する割合(1/131×12/40(低確時))に比較して高く、通常状態においては、小当りが確変大当りBよりも高頻度にて発生するようになっている。
図9(d)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)および遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)を用いて大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブルである。つまり、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示においても、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示においても、同一の大当り種別判定テーブル131aが使用されて、大当り種別が決定される。
大当り種別判定テーブル131aは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、「確変大当りA」に対して28個の判定値が割り当てられ(40分の28の割合で確変大当りAと決定される)、「確変大当りB」に対して12個の判定値が割り当てられている(40分の12の割合で確変大当りBと決定される)。従って、この実施例では、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、「確変大当りB」となる確率は「確変大当りA」となる確率よりも低いが、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りB」と決定される割合は同じである。なお、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りB」と決定される割合を異ならせてもよい。
また、この実施例では、図9(d)に示すように、第2特定遊技状態としての2ラウンドの確変大当りBと、この確変大当りBと比較して、大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くすることで、第2特定遊技状態と比較して、遊技価値として大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第1特定遊技状態を決定するようにした第1特定遊技状態としての確変大当りAと、を決定する場合を説明するが、付与される遊技価値は、この実施例で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第2特定遊技状態のラウンド数を第1特定遊技状態のラウンド数と同一(例えば、5ラウンドや15ラウンド等)とし、ラウンドにおいて大入賞口の開放時間を、第1特定遊技状態では長く、第2特定遊技状態では短くなるようにしても良い。また、例えば、第2特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ5ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第2特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第1特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を5回開放したときに(この場合、第2特定遊技状態の場合には5ラウンド全てを終了し、第1特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出(いわゆるランクアップボーナスの演出)を実行するようにしてもよい。そして、第2特定遊技状態の場合には内部的に5ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第1特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も5回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
「確変大当りA」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態(確変・時短状態、高確高ベース状態)に移行させる大当りである。大当り終了後、変動表示を10回終了するまで(始動回数が10回となるまで)確変状態が継続する。ただし、時短状態は、大当り終了後、変動表示を8回終了したとき(始動回数が8回となってとき)に終了して低ベース状態に移行され、高確率状態のみ変動表示を10回終了するまで(始動回数が10回となるまで)継続される。従って、この実施例では、大当り終了後、8回目の変動表示を終了してから10回目の変動表示を終了するまでの間、高確率状態のみとされ、高ベース状態とはならない(高確低ベース状態である)。
「確変大当りB」とは、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が「確変大当りA」に比べて短い2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態にのみ移行させる大当りである。大当り終了後、変動表示を所定回数(本実施例では10回)終了するまで確変状態が継続する。ただし、大当り終了後に時短状態には移行せずに低ベース状態に移行され、高確率状態のみ変動表示を10回終了するまで継続される。従って、この実施例では、確変大当りBの終了後、10回目の変動表示を終了するまでは高確率状態のみとされ、高ベース状態には移行されない(高確低ベース状態)。
つまり、「確変大当りA」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「確変大当りB」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.2秒と極めて短く(高速開放)、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施例では、その確変大当りBの大当り遊技状態の終了後には確変状態に移行されるが高ベース状態には移行しない。
なお、この実施例では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.2秒間ずつ2回行われ、「確変大当りB」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の高速開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、例え遊技者が大入賞口の開放を確認できたとしても、「確変大当りB」または「小当り」のいずれにもとづく開放なのかを特定しにくく、しかもその後の遊技状態が確変状態または通常状態のいずれに移行したかを特定することもできなくなるため、遊技者にわからないように、確変大当りBを発生させ、かつ、該大当りの終了後に遊技状態を確変状態に移行させる、つまり確変状態を潜伏させることができる。また、逆に、低確状態において確変大当りBと同様の演出制御が実施される小当りを発生させることで、該小当りの終了後は遊技状態が確変状態に移行しないので、低確状態を潜伏させることができる。
大当り種別判定テーブル131aには、ランダム1の値と比較される数値であって、「確変大当りA」、「確変大当りB」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
尚、ROM54には、これらの各種テーブルの外、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル(図10(a))や、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル(図10(b))や、変動表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜B(図11(a)、(b))や、変動表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される当り変動パターン判定テーブル(図12(a)、(b))や、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるはずれ変動パターン判定テーブル(図13)等が記憶されており、これらのテーブルと各乱数とに基づいて変動パターンが決定される。
図10(a)は、確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル132aを示す説明図である。確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル132aは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル132aには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
これら判定値の数としては、図10(a)に示すように、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2に比較してスーパーCA3−3の判定値の数が多くなるように設定されており、確変大当りAとなる場合には、変動パターンとしてスーパーリーチが多く決定されるように設定されている。
また、図10(b)は、確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bを示す説明図である。確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bは、ランダムR並びにランダム1に基づく当り種別の判定において、確変大当りB及び小当りが決定されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、図10(b)に示すように、確変大当りBまたは小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2のうちいずれかが決定される場合が示されている。
また、確変大当りBでは、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、確変大当りBとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチBを含む特殊PG2−2等の擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
尚、これらノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがはずれとなる演出が実施された後、再変動が2回実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組合せ(チャンス目図柄)が表示される。
また、小当りについては、該小当りとすることに決定された時点の遊技状態が、高確状態であるか、低確状態であるか、つまり、確変フラグがセットされているか否かに応じて、判定値の割り当てが異なっている。
具体的には、高確時の小当りでは、確変大当りBと同様に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、高確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
一方、低確時の小当りでは、確変大当りBとは逆に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜201の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して202〜251の判定値が割り当てられており、低確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチAを含む特殊PG2−1等の滑りの演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
尚、これらノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがはずれとなる演出が実施された後、滑り変動が実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組合せ(チャンス目図柄)が表示される。
このように、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBの場合には、ノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定され、高確状態に移行しない小当りの場合には、ノーマルリーチAのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴わない滑りの変動パターンが多く決定されることで、ノーマルリーチBや擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に確変大当りBの遊技状態(小当りの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、発生したのが高確状態に移行する確変大当りBである可能性が高いのではとの期待感を与えることができるようになっている。
つまり、潜伏条件が成立する確変大当りBや小当りが発生するときにおいては、変動パターンとしてノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときよりも高確(確変)状態に移行しない小当りのときにおいて多く決定され、変動パターンとしてノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行しない小当りのときよりも高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときにおいて多く決定される。
尚、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBのときと、高確状態に移行しない小当りのときとで、決定される変動パターンの種別が異なるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態に移行する確変大当りBであるか高確状態に移行しない小当りであるかにかかわらずに、変動パターンを選択して決定するようにしても良い。
また、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるので、擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に小当りの遊技状態(確変大当りBの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、確変大当りBと同じく、その後の遊技状態が高確状態となっている可能性が高いのではとの期待感を与えることができる。
尚、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、ノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態における小当りの場合にも、低確状態における小当りと同様に、擬似連の演出を伴わない滑り変動パターン種別である特殊CA4−1が多く決定されるようにしても良い。
以上のように、本実施例では、確変大当りBの場合や小当りの場合には、確変大当りAの場合とは異なる変動パターンが決定され、スーパーリーチA〜Cが決定されない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、確変大当りBの場合や小当りの場合にも確変大当りAの場合と同様に変動パターンを決定することにより、ノーマルリーチB以外にも、スーパーリーチA〜Cが決定されるようにしても良い。尚、この場合にあっては、スーパーリーチA〜Cの演出の実行後に、確変大当りBや小当りに対応する演出図柄の組合せが表示結果として導出されることとなる。
図11(a),(b)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Bを示す説明図である。はずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Bは、変動表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブルA,Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7、スーパーCA2−8の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図11(a)〜(b)に示すように、この実施例では、はずれである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCのいずれか)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図11(a)示す通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルA135aにおいては、超短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や、短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)を含む非リーチCA2−3や、擬似連3回よりも変動時間が短い擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に対して判定値の割り当てがないのに対し、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルB135bでは、該非リーチCA2−3に対して100〜199の判定値が割り当てられているとともに、擬似連3回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−5に代えて擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に判定値が割り当てられていることにより、変動時間が短い非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)が決定されるようになるため、変動時間の平均時間が通常よりも短縮されることで、単位時間当たりに実施される変動回数が多くなる。
なお、図11に示す例では、遊技状態が時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルB(短縮用)135bを用いる場合を示しているが、時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、別々に用意されたはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、さらに、時短状態用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施例では、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブルA135aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブルB135bとの2種類のテーブルを用いた例を示しているが、この実施例で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施例では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。
なお、この実施例では、図11に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルやはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施例では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図11(b)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が時短状態や確変状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図12(a),(b)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137a〜137bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の変動表示結果が「大当り」や「小当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図12(a)に示す例では、変動パターン種別として、各種のノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチCおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図12(b)に示す例では、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図12(b)において、擬似連の演出の有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、リーチ演出の有無や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出となる擬似連の演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1、特殊PG1−2、特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出となる擬似連の演出を伴う特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成すれば良い。
図13は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
尚、この実施例のはずれ変動パターン判定テーブル138aでは、スーパーCA2−7には、スーパーリーチCに対応するスーパーPB3−3の変動パターンに対する判定値の割り当てが存在しないのに対し、スーパーCA2−8には、スーパーリーチCに対応するスーパーPB3−3の変動パターンに対する判定値の割り当てが存在する。
つまり、この実施例では、スーパーリーチCの変動パターンは、通常において高い割合にて決定される変動表示結果であるはずれとなる場合において、スーパーCA2−8の変動パターン種別が決定されて、且つ、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)が「997」となるときにおいてのみ決定されるので、非常に希少性(プレミアム性)が高いリーチ演出に設定されている。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作について説明する。演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMには、遊技者の遊技履歴を集計するための図14に示す遊技履歴テーブル等の各種データが記憶されている。
本実施例の遊技履歴テーブル(遊技履歴蓄積手段)には、図14に示すように、遊技開始時に入力されるパスワードから解析により特定される遊技履歴(前回の遊技終了までの遊技履歴)が格納される「遊技開始時」のデータ格納領域と、パスワードが入力されてからの遊技結果が随時格納されていく「今回遊技」のデータ格納領域と、が設けられている。
このうち「遊技開始時」のデータ格納領域には、遊技データの引き継ぎが可能とされた兄弟機種(継承対象機種)と共通となる共通データと、当該パチンコ遊技機1の機種に固有となる固有データと、が個別に格納される。共通データは、遊技の開始時に入力されたパスワード、当該機種以外の他の機種(後述するパスワードによる遊技データの引き継ぎが可能とされた兄弟機種(継承対象機種))と共通となるレベル、経験値、特典を得るために使用されるポイント、始動回数、大当り回数(大当りA回数)及び確変回数の総発生回数等のデータから成る。また、固有データは、当該機種のパチンコ遊技機1においてのみ発生する大当りBやスーパーリーチCの総発生回数や各ミッションの達成/未達成等のデータから成る。この「遊技開始時」のデータ格納領域に格納されているデータは、当該遊技中に更新されること無く保持される。
尚、この実施例においては、ミッションとして、プレミアムリーチであるスーパーリーチCの実行や、所定数以上の始動回数の実施や、確変大当りAの連続回数や、確変大当りBの連続回数や、小当りの連続回数等の複数のミッションが設定されており、これら設定されているミッションに付与されているミッション番号に対応づけて当該ミッションの達成(*)/未達成(−)等のデータが固有データとして格納される。
また、「今回遊技」のデータ格納領域にも、図14に示すように、共通データと固有データとが格納されるようになっており、これら共通データにおけるレベル、経験値、ポイント、始動回数、大当り回数(大当りA回数)及び確変回数の総発生回数や、固有データにおける大当りBやスーパーリーチCの総発生回数や各ミッションの達成/未達成等の遊技履歴データの蓄積が、パスワードの入力や、簡単スタートの操作に応じて開始されることで、該開始された時点からの当該遊技における上記各データから成る遊技履歴が集計されて蓄積されるようになっている。
つまり、例えば、特定の予告演出が実施されること等の所定条件が達成される毎に経験値が加算され、経験値が所定値(例えば100)に達する毎にレベルに1が加算され、付与されたポイント数がポイントに加算され、変動表示が実施される毎に総始動回数に1が加算され、大当りAが発生する毎に総大当り回数に1が加算され、大当りAや大当りBの発生後に確変状態が発生する毎に総確変回数に1が加算され、大当りBが発生する毎に総大当りB回数に1が加算され、スーパーリーチCが発生する毎に総スーパーリーチC回数に1が加算され、ミッションが達成される毎に該当するミッション番号のデータが非達成(−)から達成(*)に更新される。尚、ポイントは、所定の付与条件が成立したときに付与され、レベルは、経験値が所定値に達したことや、所定のレベルアップ条件を達成したことによって更新(アップ)される。尚、本実施例では、レベルを用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、「称号」や「階級」等であっても良い。
尚、経験値が加算(付与)される所定条件としては、特定の予告演出が実施されること以外に、大当り遊技状態が発生すること(大当りとなること)、リーチとなること、特定の予告演出以外のその他の予告演出が1または複数回実行されること(今回遊技だけでなく、今回遊技+過去遊技で複数回実行されること)、所定数以上の始動回数が実施されること(今回遊技だけでなく、今回遊技+過去遊技で所定数以上実行されること)、確変大当りAが所定回数連続すること(今回遊技だけでなく、今回遊技+過去遊技で所定回数連続すること)、確変大当りBが所定回数連続すること(今回遊技だけでなく、今回遊技+過去遊技で所定回数連続すること)、小当りが所定回数連続すること(今回遊技だけでなく、今回遊技+過去遊技で所定回数連続すること)等の一部または複数の条件としても良い。
また、ポイントの付与条件やレベルアップ条件についても、上記した経験値が加算(付与)される所定条件として例示した条件と同様のものが例示され、これらのうちから適宜に選択して決定すれば良い。尚、これら経験値が加算(付与)される所定条件、ポイントの付与条件、レベルアップ条件の一部または全てに同一の条件が設定されていても良いし、これら経験値が加算(付与)される所定条件、ポイントの付与条件、レベルアップ条件が個別の条件となるにしても良い。
尚、本実施例においてレベルがアップした場合には、は後述するように、大当りの遊技中において選択できる楽曲が追加されることで、演出をカスタマイズできるようになる。
このように本実施例では遊技履歴テーブルに、パスワードが解析されたことで特定される前回の遊技までの遊技履歴が格納される「遊技開始時」のデータ格納領域と、当該遊技の遊技結果が集計されていく「今回遊技」のデータ格納領域とを個別に設けることで、遊技終了時において、「今回遊技」のデータ格納領域を参照して当該遊技が勝ちか負けかを判定する等、今回遊技の遊技履歴のみを容易に特定できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、「今回遊技」のデータ格納領域を個別に設けずに、「遊技開始時」のデータに加算更新して蓄積するようにしても良い。
尚、「遊技開始時」のデータ格納領域に格納されているデータと「今回遊技」のデータ格納領域に格納されているデータとは、2次元コードや履歴記録音声の出力時に集計され、2次元コードや履歴記録音声が出力される遊技終了時の遊技履歴のデータが特定され、該特定された遊技終了時の遊技履歴がデータと、遊技開始時に入力されたパスワードとを含む2次元コードや履歴記録音声が出力される。
図15は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御メイン処理において、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定などを行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
その後、演出制御用CPU120は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセット(1に)する。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリア(0に)し(ステップS704)、ステップS705〜S709の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理などを行う(コマンド解析処理:ステップS705)。
次いで、演出制御用CPU120は、図24(b)のメインメニュー画面を表示するメインメニュー表示処理(ステップS706)、メインメニュー画面に表示された各メニューの操作受付けに応じた処理を実施するメインメニュー操作処理(ステップS707)、演出制御プロセス処理(ステップS709)を実行する。
演出制御プロセス処理(ステップS709)では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御等を実行する。
この実施例では、音声やテキストのパスワードの入力やバーコードや履歴記録音声の出力を行うことで、遊技者が、遊技を行うことで変化させたレベル、経験値、大当り回数等の遊技履歴を、同一機種である他のパチンコ遊技機1や、兄弟機種のパチンコ遊技機に引き継ぐことができる。
具体的には、図24(b)に示すメニュー画面からパスワードの入力を選択し、管理サーバ900にて発行されたパスワードを後述するように音声やテキストにて入力することにより、遊技により変化したレベル、経験値、総始動回数や総大当り回数等の遊技履歴を引き継いで遊技を行うことが、同一機種のみならず、兄弟機種(継承対象機種)でも可能となる。
尚、本実施例では、音声にて入力されるパスワードと、テキストにて入力されるパスワードから特定される遊技履歴を同一のものとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、テキストによるパスワードの場合には、遊技履歴のうちの一部のみの遊技履歴を含むようにする一方、音声によるパスワードの場合には、全ての遊技履歴を含むように、含まれる遊技履歴をパスワードの入力態様に応じて異なるようにしても良い。
パスワードは、前述したように、機種を特定可能な機種情報やレベルや経験値や大当り回数等の同一機種並びに兄弟機種において共通な共通データと、大当りB回数や当該機種に固有なリーチの発生回数やミッション等の個々の機種において固有の固有データとを含む2進数データを、所定配列の2進数データに対応付けられた所定長(本実施例では16文字)の記号列に変換したものである。
図24(b)に示すメニュー画面は、メインメニュー表示処理(ステップS706)が実施されることによって、演出表示装置9に表示される。
本実施例のメインメニュー操作処理において演出制御用CPU120は、まず、保留記憶数が0であるか否かを、第1保留記憶数保存領域および第2保留記憶数保存領域の記憶データに基づいて判定するとともに、保留記憶数が0である場合には、変動表示中でも大当り中でもない状態であるか否かを、演出制御プロセスフラグが変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応する値であるか否かにより判定する。
保留記憶数が0ではないか、或いは、演出制御プロセスフラグが変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応する値ではない場合(例えば、変動表示中である場合)には、メインメニュー画面、メインメニュー画面における「パスワード入力」のメニュー操作(図24(b))により表示されるパスワード受付け画面(図24(c))、メインメニュー画面における「パスワード音声入力」のメニュー操作(図25(a))により表示されるパスワード音声受付け画面(図25(b))、メインメニュー画面における「履歴出力」のメニュー操作(図26(a))により表示される「履歴記録音声出力」または「2次元コード」の選択画面(図26(b))、該選択画面における「履歴記録音声出力」のメニュー操作により表示される履歴記録音声出力画面(図27(a))、該選択画面における「2次元コード出力」のメニュー操作により表示される2次元コードの出力画面(図27(b))のいずれかの画面が表示中であるか否かが判定され、いずれかの画面が表示中である場合には、該表示中の画面操作を無効とするとともに、表示中の画面表示を終了し、デモ画面またはデモ画面となる前の演出図柄の表示結果画面等に表示を戻した後、当該処理を終了する。
一方、メインメニュー画面、メインメニュー画面における「パスワード入力」のメニュー操作により表示されるパスワード受付け画面(図24(c))、メインメニュー画面における「パスワード音声入力」のメニュー操作(図25(a))により表示されるパスワード音声受付け画面(図25(b))、メインメニュー画面における「履歴出力」のメニュー操作(図26(a))により表示される「履歴記録音声出力」または「2次元コード」の選択画面(図26(b))、該選択画面における「履歴記録音声出力」のメニュー操作により表示される履歴記録音声出力画面(図27(a))、該選択画面における「2次元コード出力」のメニュー操作により表示される2次元コードの出力画面(図27(b))のいずれかの画面が表示中でない場合には、当該処理を終了する。
また、保留記憶数が0ではなく、且つ、演出制御プロセスフラグが変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応する値ではない場合、つまり、変動表示中でも大当りや小当り中でもない場合には、既に図24(b)に示すメインメニュー画面を表示中であるか否かを判定し、メインメニュー画面を表示中である場合には、当該処理を終了することにより、メインメニュー画面の表示を継続する一方、メニュー画面を表示していない場合には、プッシュボタン516が所定操作されているか、例えば、1秒以上の期間に亘って連続してプッシュボタン516が押圧操作されている状態である長押し操作がされているか否かを判定する。尚、これら長押し操作の有無の判定は、例えば、プッシュボタン516の操作開始時点において、プッシュボタン516の操作解除によりリセットされる1秒の判定タイマをセットしておき、該判定タイマがタイマアップしたか否かにより判定すれば良い。
尚、本実施例のデモ画面には、図24(a)に示すように、「ボタンを長押しするとメニュー画面が表示されます」というメッセージが表示画面の下部に表示されており、プッシュボタン516を長押しするとメニュー画面を表示できることが遊技者に報知(案内)されるようになっている。
遊技者が、メインメニュー画面を表示させるためにプッシュボタン516を長押し操作した場合には、図24(b)のメインメニュー画面の表示を演出表示装置9において開始した後、該メインメニュー画面における操作レバー600やプッシュボタン516の操作を有効化した後、当該処理を終了する。このように、操作を有効化されることで、表示が開始されたメインメニュー画面における各メニュー項目の選択を受付けが、後述するメインメニュー操作処理にて実施される。
つまり、本実施例では、変動表示中でも大当り中でも小当り中でもない状態においてプッシュボタン516を長押し操作することによって、メインメニュー画面が表示されるとともに、該表示された画面における操作レバー600やプッシュボタン516の操作が有効化されることで、遊技者が、パスワードの入力や、パスワード音声の入力や、簡単スタートの開始や、履歴出力の選択により履歴記録音声の出力または2次元コードの出力(表示)を実施できるとともに、これらの実施中であっても、保留記憶数が存在するか、或いは、保留記憶数が存在しなくても変動表示中である場合、すなわち、演出表示装置9において演出表示等が実行される可能性がある場合には、各種画面の表示が終了されて、図24(b)のメニュー画面が表示されることがないので、これらメニュー画面の表示や、メニュー画面内のメニュー選択による処理によって演出表示等に支障が生じることを回避できる。
尚、本実施例では、演出表示等への影響を防止するために、いち早くメインメニュー画面等の表示を終了させることを目的として保留記憶数が0であるか否かを判定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら保留記憶数が0であるか否かを判定せずに、演出制御プロセスフラグが変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応する値であるか否かの判定のみを実施するようにしても良い。
尚、本実施例のメインメニュー画面では、図24(b)に示すように、「パスワード入力」、「履歴出力」、「終了」、「簡単スタート」のメニュー項目が表示されるようになっており、ステップS707のメインメニュー操作処理においては、該メニュー画面において操作レバー600の傾倒操作及びプッシュボタン516の操作により、いずれのメニューが選択されたか否かを判定し、選択されたメニューに応じた処理を実施する。
このメインメニュー画面において、操作レバー600が左側に傾倒操作されることで左側のメニュー項目に移動し、操作レバー600が右側に傾倒操作されることで右側のメニュー項目に移動し、操作レバー600が上側に傾倒操作されることで上側のメニュー項目に移動し、操作レバー600が下側に傾倒操作されることで下側のメニュー項目に移動する。そして、プッシュボタン516が操作されることで反転表示されているメニュー項目が選択される。
メインメニュー操作処理では、図16に示すように、メインメニュー画面(図24(b))に含まれる「パスワード入力」のメニュー項目が選択されたか否か(ステップS740a)、「パスワード音声入力」のメニュー項目が選択されたか否か(ステップS740b)、「簡単スタート」のメニュー項目が選択されたか否か(ステップS741)、「履歴入力」のメニュー項目が選択されたか否か(ステップS742)、「パスワード入力」のメニュー項目が選択された場合に表示される図24(c)に示すパスワード受付け画面を表示中であるか否か(ステップS743a)、「パスワード音声入力」のメニュー項目が選択された場合に表示される図25(b)に示すパスワード音声受付け画面を表示中であるか否か(ステップS743b)、「履歴出力」のメニュー項目が選択された場合に表示される図27(a)示す履歴記録音声、または、図27(b)に示す2次元コードの出力画面の表示中であるか否か(ステップS744)、および、「終了」のメニュー項目が選択されたか否か(ステップS745)を判定する。
ステップS740〜ステップS745のいずれの判定もNである場合には、当該処理を終了し、いずれか判定がYであれば、対応する処理を実行する。
具体的に、ステップS740aの判定がYである場合、つまり「パスワード入力」のメニュー項目が選択された場合には、ステップS750aに進み、図24(c)に示すパスワード受付け画面の表示を開始して当該処理を終了する。尚、このパスワード受付け画面の表示の開始により、次のタイマ割込においては、ステップS743aにおいてYと判定されることになる。
また、ステップS740bの判定がYである場合、つまり「パスワード音声入力」のメニュー項目が選択された場合には、ステップS750bに進み、図25(b)に示すパスワード音声受付け画面の表示を開始して当該処理を終了する。そして、このパスワード音声受付け画面は、パチンコ遊技機1の携帯端末置台61に、遊技者が所有する携帯端末901を置いて、該携帯端末901のパスワード音声入力用アプリを起動してパスワード音声の入力するように、遊技者に案内するものとなっている。尚、このパスワード受付け画面の表示の開始により、次のタイマ割込においては、ステップS743bにおいてYと判定されることになる。
また、ステップS741の判定がYである場合、つまり「簡単スタート」のメニュー項目が選択された場合には、ステップS751に進み、特定演出モードフラグをセットするとともに、遊技履歴テーブルにおける遊技履歴の蓄積を開始した後(ステップS752)、当該処理を終了する。尚、この際、図16に示していないが、メインメニュー画面の表示が終了されることで、迅速に遊技を開始できるようになっている。
これら「簡単スタート」を選択した場合は、パスワードを入力した場合と異なり、以前の遊技履歴を引き継いで遊技を行うことはできないが、遊技者は、「簡単スタート」選択後から遊技終了時までにおける、遊技履歴、現在のレベル、経験値、演出設定(機種情報、および、直近情報は含まず)、達成ミッションの履歴などが含まれる履歴記録音声または2次元コードをパチンコ遊技機1から出力させることができる。
また、ステップS742の判定がYである場合、つまり図26(a)に示すように、「履歴出力」のメニュー項目が選択された場合には、ステップS747aに進んで、図26(b)に示すように、「履歴記録音声出力」または「2次元コード出力」を選択する画面を表示する(終了操作手段)。ここで、「履歴記録音声出力」のメニュー項目が選択された場合には、ステップS747bに進んで、履歴記録音声を生成する。また、「2次元コード出力」のメニュー項目が選択された場合には、ステップS753に進んで、2次元コードを生成する。
具体的に、ステップS747bにおいて演出制御用CPU120は、図14に示す遊技履歴テーブルの「今回遊技」の格納領域に集計されている各データを、「遊技開始時」の格納領域に記憶されている各対応データに加算して(パスワード入力時のみ)、当該遊技終了時における遊技履歴を特定し、該特定した遊技終了時における遊技履歴(遊技終了時のポイント、レベル、経験値、始動回数、大当り回数、確変回数、大当りB回数、ミッション等のデータ)や、遊技履歴テーブルに記憶されている、遊技開始時に入力されたパスワード(パスワード入力時のみ)等を含む履歴記録音声を生成する。
これら、履歴記録音声の生成方法としては、後述する2次元コードの場合と同様に、特定した遊技終了時における遊技履歴と遊技開始時に入力されたパスワード(パスワード入力時のみ)のデータ列を生成し、該生成したデータ列を音声入力用回路122に出力して、パスワード音声の復調とは逆に変調する処理を実施させて、当該データ列が変調された音のデータ(例えばPCMデータ)を音声入力用回路122から取得することで、これら特定した遊技終了時における遊技履歴と遊技開始時に入力されたパスワード(パスワード入力時のみ)のデータ列が変調された履歴記録音声を生成する。
そして、ステップS747cに進み、履歴記録音声取得用のアプリを起動して携帯端末901を演出用スピーカ27に近づける旨を遊技者に案内する図27(a)に示す案内画面の表示を開始した後、該生成した履歴記録音声を音声制御基板70に出力する等により、履歴記録音声の出力を開始して当該処理を終了する。尚、この履歴記録音声の案内画面の表示、及び履歴記録音声の出力を開始することにより、次のタイマ割込においては、ステップS744においてYと判定されることになる。
また、ステップS753において演出制御用CPU120は、履歴記録音声の生成時と同様に、図14に示す遊技履歴テーブルの「今回遊技」の格納領域に集計されている各データを、「遊技開始時」の格納領域に記憶されている各対応データに加算して(パスワード入力時のみ)、当該遊技終了時における遊技履歴を特定し、該特定した遊技終了時における遊技履歴(遊技終了時のポイント、レベル、経験値、始動回数、大当り回数、確変回数、大当りB回数、ミッション等のデータ)や、遊技履歴テーブルに記憶されている、遊技開始時に入力されたパスワード(パスワード入力時のみ)等を含む2次元コードを生成する。
そして、ステップS754に進み、該生成した2次元コードを含む図27(b)に示す出力画面の表示を開始した後、当該処理を終了する。尚、この2次元コードの出力画面の表示を開始により、次のタイマ割込においては、ステップS744においてYと判定されることになる。
また、ステップS743aの判定がYである場合、つまりパスワード受付け画面が表示中である場合には、ステップS755に進んで、パスワードの入力を受付けるパスワード受付け処理を実行する。
ステップS755のパスワード受付け処理においては、図24(c)に示すように、パスワード受付け画面において操作レバー600を操作することで文字が移動し、トリガースイッチ512aを操作することで、手前に表示されている文字が選択される(情報入力手段)。
また、本実施例のパスワード受付け処理では、1文字選択する毎に、次の文字が選択可能となる。また、「1文字戻る」が手前に表示されている状態でトリガースイッチ512aを操作することで、手前の文字を再度選択可能となる。そして、16文字のパスワードを選択すると、決定欄に移動し、「1文字戻る」以外の文字が手前に表示されている状態でプッシュボタン516を操作することで、パスワードが決定(入力完了)される。
そして、入力されたパスワードが正規のパスワードであるか否かを認証し、正規のパスワードであると認証された場合には、ステップS756において正規のパスワードの入力完了と判断されてステップS757に進む。なお、正規のパスワードでないと認証された場合には、パスワードが違っている旨を表示して後、当該処理を終了する。
また、ステップS743bの判定がYである場合、つまりパスワード音声受付け画面が表示中である場合には、ステップS748aに進む。ステップS748aでは、携帯端末901から出力されたパスワード音声(音声信号)が携帯端末置台61のモデム用マイク61aにより取得され、ステップS748bに進む。
ステップS748bにおいて演出制御用CPU120は、プッシュボタン516の操作が継続しているか否かを判定する。プッシュボタン516の操作が継続している場合には、ステップS748aに戻り、パスワード音声の取得が継続される。プッシュボタン516の操作が継続していない場合には、ステップS748cに進む。
つまり、遊技者は、パスワードデータを携帯端末901にて再生してパスワード音声を出力するとともに、図25(b)に示すように、パスワード音声受付け画面においてプッシュボタン516を押下しつづけることで、携帯端末901から発せられるパスワード音声の入力が可能となる。
このように、演出制御用CPU120は、遊技者がプッシュボタン516を押下している期間においてのみ、音声入力用回路122に、モデム用マイク61aから入力される信号を変調させてパスワード音声を取得する、つまり、パスワード音声の入力を有効とする一方、遊技者がプッシュボタン516を押下していないときには、モデム用マイク61aから入力される信号の変調を実施させないことで、モデム用マイク61aからの入力を無効とする(入力制御手段)。そのため、遊技者がプッシュボタン516を操作していない通常状態においては、常に音声の入力が無効とされるので、当該パチンコ遊技機1を遊技する遊技者が所有する携帯端末901から発せられるパスワード音声以外の音声、例えば、隣接するパチンコ遊技機1を遊技する遊技者が所有する携帯端末901から発せられるパスワード音声が、遊技中にモデム用マイク61aから音声入力用回路122に入力されて遊技者が希望しない制御が実行されてしまうことを防止することができる。
なお、図16には示していないが、パスワード音声受付け画面が表示中においては、演出制御用CPU120は、音声制御基板70に、雑音低減用音声を出力させるための指示コマンドを出力することで、パスワード音声受付け画面の表示中においては、前述した雑音低減用スピーカ62から雑音低減用音声の音声が出力され、これら雑音低減用音声の音声波形により、雑音の音声波形が相殺され、パスワード音声がモデム用マイク61aに入力されるときに周囲の雑音が低減されるようになっている。
ここで、演出制御用CPU120は、パスワード音声の認証を行う。具体的には、音声入力用回路122から、遊技者がプッシュボタン516を押下している期間において変調されたパスワード音声の復調データのデータ列(2値データ)をテキストデータで構成される通常のパスワードに変換するとともに、テキストデータの入力の場合と同様に、認証の処理を行う。尚、この変換に際して、演出制御用CPU120は、復調データのデータ列(2値データ)から確認用キーワードを抽出する。
次いでステップS748cに進み、演出制御用CPU120は、携帯端末901から出力されたパスワード音声が正常に取得されたか否かを確認するための確認用キーワードを演出表示装置9に表示する。この確認用キーワードの情報は、携帯端末901から出力されたパスワード音声に含まれており、同様の確認用キーワードが携帯端末901の画面にも表示される。遊技者は、携帯端末901に表示された確認用キーワードと、演出表示装置9に表示された確認用キーワードが一致しているか否かを判断し、一致している場合には、所定の操作(例えば、操作レバー600に設けられたトリガースイッチ512aの操作)を行い、一致していない場合には、プッシュボタン516を再度押下してパスワードデータ音声の再入力を行う。そして、ステップS748dにおいて演出制御用CPU120は、遊技者がプッシュボタン516を再度押下してパスワード音声の再入力を行った場合には、ステップS748aに戻りパスワード音声受付け処理を再度実行する。パスワード音声の再入力が行われない場合には、ステップS748eに進む。
そして、ステップS748eにおいて演出制御用CPU120は、入力されたパスワード音声が正規のパスワード音声であるか否かを認証し(判定手段)、正規のパスワード音声であると認証された場合には、正規のパスワード音声の入力完了と判断されてステップS757に進む。なお、正規のパスワード音声でないと認証された場合には、パスワード音声が違っている旨を表示して後、当該処理を終了する。なお、ステップS748eにおいて演出制御用CPU120が入力されたパスワード音声が正規のパスワード音声であるか否かを認証する部分が本実施例における判定手段を構成する。
ステップS757において演出制御用CPU120は、パスワード入力フラグと特定演出モードフラグをセットするとともに、パスワード(パスワード音声)の解析によって遊技履歴の各データが特定されて、遊技履歴テーブルの「遊技開示時」の格納領域に、該当するデータとして格納され、「今回遊技」への遊技履歴の集計(蓄積)が開始される(ステップS758)。そして、パスワード受付け画面の表示を終了して(ステップS759)、当該処理を終了する。尚、入力されたパスワード(パスワード音声)が正規のパスワード(パスワード音声)であると認証されたときには、パスワード入力OK画面を表示するようにしても良い。
尚、入力されたパスワード(パスワード音声)が正規のパスワード(パスワード音声)であると認証されなかった場合には、例えば、入力NG画面を所定期間において表示した後、再度、パスワード(パスワード音声)が入力されていない初期状態のパスワード受付け画面を表示するようにすれば良い。
また、ステップS744の判定がYである場合、つまり履歴記録音声または2次元コードの出力画面が表示中である場合には、ステップS760に進んで、プッシュボタン516が操作されたか否かを判定し、プッシュボタン516の操作が無ければ当該処理を終了することで履歴記録音声または2次元コードの出力画面の表示を継続する一方、プッシュボタン516の操作が有ればステップS761に進んで、表示中の履歴記録音声または2次元コードの出力画面の表示を終了(履歴記録音声を出力している場合は、履歴記録音声の出力終了)して、当該処理を終了する。
また、ステップS745の判定がYである場合、つまり、「終了」メニュー項目が選択された場合には、メインメニュー画面の表示を終了して(ステップS746)、基本画面(メニュー画面に移行する前の通常画面)に戻って、当該処理を終了するようになっている。
図17は、図15に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS709)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、履歴記録管理処理を実行する(ステップS799)。その後、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
履歴記録管理処理(ステップS799):RAMの所定領域に記憶されている遊技履歴テーブルにおける遊技履歴の記録の更新やクリア(初期化)等を行う。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングなどを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図18は、履歴記録管理処理として、図17のステップS799にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す履歴記録管理処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU120は、まず、RAMの所定領域に記憶されている遊技履歴テーブルをチェックして、ミッション対象遊技として予め定められた特定遊技の実行があったか否かを判定する(ステップS401)。そして、スーパーリーチC等のミッション対象遊技の実行があった場合には(ステップS401;Yes)、遊技履歴テーブルにおける遊技履歴の記録を更新する(ステップS402)。例えば、演出制御用CPU120は、実行された特定演出を示す「ミッション対象遊技」の項目に対応する「達成/未達」の項目が「未達」を示している場合に、「達成」を示すようにテーブルデータを変更(書替え)する設定を行う。なお、ステップS401の処理では、遊技履歴テーブルで「ミッション対象遊技」の項目に示される遊技のうちで、「達成/未達」の項目が「未達」を示している遊技が実行されたときに、ミッション対象遊技の実行があったと判定することで、ステップS402の処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS401にてミッション対象遊技の実行がない場合や(ステップS401;No)、ステップS402の処理を実行した後には、簡単スタート開始可能タイミングとして予め定められたタイミングとなったか否かを判定する(ステップS403)。簡単スタート開始可能タイミングは、例えば図24(b)に示すメインメニューで「簡単スタート」の項目が表示される場合を除き、パスワードの入力や簡単スタートの開始設定が行われていないときに、大当り遊技状態におけるラウンドの実行が開始されたこと、あるいはラウンドの実行回数が所定回数に達したことといった、所定条件が成立したタイミングであればよい。
ステップS403にて簡単スタート開始可能タイミングであると判定された場合には(ステップS403;Yes)、遊技履歴テーブルにおける遊技履歴の記録をチェックして(ステップS404)、簡単スタート促進報知を開始するための設定を行う(ステップS405)。図19は、簡単スタート促進報知となる演出画像の表示例を示している。図19(A)に示すような大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンドの実行が開始される。そして、例えば第1ラウンド(1R)の実行に対応して、図19(B)に示すような画像を演出表示装置9の画面上に表示させる。このときには、可変表示結果が「大当り」となる可変表示中における演出の実行結果などに対応した遊技履歴テーブルにおける遊技履歴の記録に基づいて、ミッション対象遊技のうちで達成された特定遊技を認識可能に報知する画像が表示される。こうして、簡単スタート促進報知では、遊技履歴テーブルにおいて記録されている遊技履歴を示す情報が遊技者に報知される。
また、簡単スタート促進報知では、例えば第2ラウンド(2R)の実行に対応して、図19(C)に示すような画像を演出表示装置9の画面上に表示させる。このときには、達成したミッションを各遊技者により実行された遊技の履歴として保存できることを報知するメッセージを示す画像が表示される。図18に示すステップS403にて簡単スタート開始可能タイミングではないと判定されたときには(ステップS403;No)、こうした簡単スタート促進報知が実行されている簡単スタート促進報知中であるか否かを判定する(ステップS406)。そして、簡単スタート促進報知中である場合には(ステップS406;Yes)、プッシュボタン516や操作レバー600等による指示入力の検出結果などに基づいて、簡単スタートの開始を指定する簡単スタート操作があったか否かを判定する(ステップS407)。例えば図19(C)に示すような画像が表示されているときに、「YES」の項目に対する選択があったことに対応して、簡単スタート操作があったと判定すればよい。
ステップS407にて簡単スタート操作ありと判定された場合には(ステップS407;Yes)、遊技履歴テーブルの読出結果に応じて、記録されている遊技履歴の内容に基づく簡単スタート用の演出設定を行う(ステップS408)。これにより、例えば図19(E)に示す画像の表示などのように、遊技履歴の内容に応じたレベルや経験値、キャラクタなどが設定され、これらの設定が特定可能に報知される。こうして、簡単スタート促進報知に応じて簡単スタートの開始設定が行われたときには、その開始設定が行われる以前に遊技履歴テーブルで記録されている遊技履歴を、簡単スタートの開始設定が行われた後に記録される遊技履歴とあわせて、各遊技者により実行された遊技の履歴とすることができる。尚、この簡単スタート操作の受付けにより、特定演出モードフラグがセットされる。
ステップS407にて簡単スタート操作なしと判定された場合には(ステップS407;No)、簡単スタート促進報知が終了したか否かを判定する(ステップS409)。例えば図19(C)に示すような画像が表示された後に、「NO」の項目に対する選択があったとき、あるいは項目が選択されずに第2ラウンド(2R)の実行が終了したときには、第3ラウンド(3R)の実行に対応して、図19(D)に示すような画像を演出表示装置9の画面上に表示させる。このときには、簡単スタートの開始設定が行われなければ遊技履歴テーブルのクリア(初期化)が行われることで達成したミッションがクリア(初期化)されることを報知するメッセージを示す画像が表示される。なお、図19(D)に示す画像の表示によるメッセージの報知は、図19(C)に示す画像の表示による達成したミッションを保存できることの報知とともに行われるようにしてもよい。すなわち、遊技履歴テーブルにおいて記録されている遊技履歴を示す情報とともに、簡単スタートの開始設定が行われなければ当該情報が初期化されることを遊技者に報知する場合には、単一の画面表示などにより双方の報知が同時に行われてもよいし、一連の画像表示などにより双方の報知が順次に行われてもよい。図19(D)に示す画像が表示されているときに、「NO」の項目に対する選択があった場合には、簡単スタート操作ありと判定して図18に示すステップS408の処理に進み、記録されている遊技履歴の内容に基づく簡単スタート用の演出設定が行われる。これにより、例えば図19(E)に示す画像の表示などが行われる。
そして、図19(D)に示すような画像が表示された後に、「YES」の項目に対する選択があったとき、あるいは項目が選択されずに第3ラウンド(3R)の実行が終了したときには、第3ラウンド(3R)の実行が終了したことに対応して、図18に示すステップS409にて簡単スタート促進報知が終了したと判定され(ステップS409;Yes)、遊技履歴テーブルをクリア(初期化)することで遊技履歴の記録を消去し(ステップS410)、引き続き遊技を行うことを促す図19(F)に示す画像が表示される。その後、遊技履歴テーブルを用いた遊技履歴の記録をリスタート(再開)させる(ステップS411)。こうして、簡単スタート開始可能タイミングにて簡単スタート促進報知が行われても、簡単スタートの開始設定が行われなかったという条件が成立した場合には、遊技履歴の記録をクリア(初期化)してから、改めて遊技履歴の記録がリスタート(再開)される。
ステップS406にて簡単スタート促進報知中ではない場合には(ステップS406;No)、パスワードを入力済みであるか否かの判定と、簡単スタートの開始設定が行われた後であるか否かの判定とを行う(ステップS412)。このとき、パスワードを入力済みである場合と、簡単スタートの開始設定が行われた後である場合には(ステップS412;Yes)、履歴記録管理処理を終了して、遊技履歴テーブルがクリア(初期化)されないようにする。一方、パスワードの入力が済んでいない場合であって、簡単スタートの開始設定も行われていない場合には(ステップS412;No)、その他の記録クリア条件として予め定められた条件が成立したか否かを判定する(ステップS413)。すなわち、簡単スタート開始可能タイミングにて簡単スタート促進報知が行われても簡単スタートの開始設定が行われなかった場合の他にも、例えば演出表示装置9に所定のデモンストレーション画面が1回表示された場合または所定回数(3回など)まで繰返し表示された場合などに、所定の記録クリア条件が成立したと判定すればよい。
ステップS413にて記録クリア条件が成立していない場合には(ステップS413;No)、履歴記録管理処理を終了する。一方、記録クリア条件が成立した場合には(ステップS413;Yes)、ステップS410の処理に進んで遊技履歴の記録をクリア(初期化)した後、ステップS411の処理により遊技履歴の記録をリスタート(再開)させる。
図18に示す履歴記録管理処理では、パスワードの入力や、簡単スタートの開始設定に基づいて、各遊技者により実行された遊技の履歴を記録するための特殊条件が設定された場合に、ステップS412の処理が実行されてステップS410の処理は実行されないように制限することで、遊技履歴の記録がクリア(初期化)されないようになる。すなわち、特殊条件が設定されているときには、ミッション対象遊技となる特定遊技が実行されたことに基づいて遊技履歴テーブルを更新して遊技履歴を示す情報が記憶される。そして、予め定められた記録クリア条件(例えばデモンストレーション画面の表示など)が成立する場合であっても、ステップS410の処理が実行されないことから、遊技履歴テーブルによる遊技履歴を示す情報の記憶を継続させる。
一方、パスワードの入力や簡単スタートの開始設定による特殊条件の設定が行われていない場合でも、履歴記録管理処理が実行されるごとにステップS401、S402の処理が実行されることで、ミッション対象遊技となる特定遊技が実行されたときには遊技履歴テーブルが更新され、遊技履歴を示す情報が記憶される。ただし、ステップS409の処理で簡単スタート促進報知が終了したと判定された場合や、ステップS413の処理でその他の記録クリア条件が成立したと判定された場合のように、所定条件が成立したときには、ステップS410の処理が実行されて遊技履歴を示す情報がクリア(初期化)される。そして、ステップS407の処理で簡単スタート操作ありと判定されることで特殊条件の設定が開始されたときには、ステップS408の処理で遊技履歴テーブルによる遊技履歴の記録に基づく演出設定が行われる。この場合には、特殊条件が設定される以前に記憶されている遊技履歴を示す情報を、特殊条件が設定された後に記憶される遊技履歴を示す情報とあわせて、各遊技者により実行された遊技の履歴を示す情報として記憶させることができる。
こうした簡単スタートの開始設定に基づいて遊技履歴を示す情報の記憶が行われた後、例えば図26(b)に示すメインメニュー後の選択画面にて「履歴記録音声出力」または「2次元コード出力」の項目に対する選択が確定したときには、遊技履歴テーブルをチェックして、簡単スタートの開始設定が行われる以前に記憶された遊技履歴を示す情報を、簡単スタートの開始設定が行われた後に記憶された遊技履歴を示す情報とあわせて、それまでの遊技履歴を特定可能な情報を含む履歴記録音声または2次元コードが作成される。したがって、簡単スタートの開始設定が行われる以前に実行された遊技がミッション対象遊技となる特定遊技であった場合には、その遊技が実行されたことを遊技履歴テーブルにより記録させておき、簡単スタートの開始設定が行われた後の遊技履歴とあわせて取得し、各遊技者により実行された遊技の履歴として履歴記録音声または2次元コードの出力に用いることができる。
ステップS411の処理で遊技履歴テーブルを用いた遊技履歴の記録がリスタートされてから次にステップS410の処理で記録がクリア(初期化)されるより前に、例えばステップS405の処理で開始された簡単スタート促進報知が実行されることで特定期間となる。この特定期間では、ステップS406の処理で簡単スタート促進報知中であると判定されるとともに、プッシュボタン516や操作レバー600等による指示入力の検出結果などに基づいてステップS407の処理で簡単スタート操作ありと判定された場合にのみ、ステップS408の処理が実行され、簡単スタートの開始設定が行われる以前に記憶された遊技履歴を示す情報を、履歴記録音声または2次元コードの出力に用いることができる。これに対して、ステップS407の処理で簡単スタート操作ありと判定されずにステップS409の処理で簡単スタート促進報知が終了したと判定された場合には、ステップS410の処理で遊技履歴の記録がクリア(初期化)されるので、簡単スタートの開始設定が行われる以前に記憶された遊技履歴を示す情報を取得して履歴記録音声または2次元コードの出力に用いることは、できなくなるように制限される。このように、特定期間にて遊技者の指示入力により簡単スタートの開始設定が行われて特殊条件が設定された場合にのみ、その開始設定が行われる以前に記憶された遊技履歴を示す情報を、履歴記録音声または2次元コードから特定可能な遊技履歴を示す情報として記憶させ、各遊技者により実行された遊技の履歴として履歴記録音声または2次元コードの出力に用いることができる。
なお、ステップS403の処理では、大当り遊技状態が終了するときに、簡単スタート開始タイミングと判定されてもよい。この場合には、大当り遊技状態であるときに実行される演出などに基づいて、ステップS401の処理でミッション対象遊技の実行ありと判定されることがあり、このようなミッション対象遊技を、簡単スタートの開始設定が行われる以前に記録された遊技履歴に含ませることができる。
大当り遊技状態のうちでも、通常状態とならずに時短状態や確変状態といった特別遊技状態となる遊技状態から大当り遊技状態に制御された場合には、ラウンドの実行が開始されてもステップS403の処理で簡単スタート開始可能タイミングではないと判定してもよい。すなわち、通常状態となる遊技状態から大当り遊技状態となった場合(いわゆる「初当り」の場合)に限り簡単スタート開始可能タイミングとなり、時短状態や確変状態から大当り遊技状態となった場合(いわゆる「連チャン中」の場合)には簡単スタート開始可能タイミングとはならないようにしてもよい。これにより、簡単スタートの開始設定が遊技者に対して繰返し促されることを防止して、報知の煩わしさを解消することができる。
パチンコ遊技機1の遊技領域には、始動入賞口を形成する普通可変入賞球装置が設けられている。時短状態や確変状態では、通常状態よりも始動入賞口を遊技球が通過しやすい有利変化態様で普通可変入賞球装置を第2状態(例えば閉鎖状態または通常開放状態)から第1状態(例えば開放状態または拡大開放状態)へと変化させる有利開放制御(高ベース制御)が行われることがある。こうした時短状態や確変状態にて高ベース制御が行われているときに、可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて大当り遊技状態となることで高ベース制御が終了し、大当り遊技状態の終了後にも高ベース制御が開始されない場合(いわゆる「低ベース状態」となる場合)や、高ベース制御が開始されたものの再び可変表示結果が「大当り」となることなく高ベース制御が終了した場合のように、いわゆる「連チャン終了」となる場合に、ステップS413の処理で記録クリア条件が成立したと判定してもよい。すなわち、予め定められた特別遊技終了条件が成立して、時短状態や確変状態といった特別遊技状態の制御が終了するときに、記録クリア条件が成立したと判定して、遊技履歴を示す情報がクリア(初期化)されるようにしてもよい。この場合、大当り遊技状態にて簡単スタート開始可能タイミングとなり簡単スタート促進報知が行われた後に、簡単スタートの開始設定を行うための簡単スタート操作がないままステップS409の処理で簡単スタート促進報知が終了したと判定されたときでも、ステップS410の処理は実行せずに遊技履歴を示す情報の記憶を継続させればよい。一方、簡単スタート促進報知は、いわゆる「初当り」の場合ではない「連チャン中」の場合でも行われるようにして、これまでに実行された遊技のうちでミッションを達成させる特定遊技が実行された履歴を示す情報とともに、大当り遊技状態の終了後に高ベース制御が終了すれば遊技履歴の記録がクリア(初期化)され消去されてしまうことを報知してもよい。このように、簡単スタート操作ありと判定されずに促進報知終了となった場合でも、遊技履歴を示す情報の記憶をクリア(初期化)しないようにする一方、特別遊技終了条件のような予め定められた記録クリア条件が成立したときに、遊技履歴を示す情報の記憶をクリア(初期化)するようにしてもよい。
ステップS413の処理では、パチンコ遊技機1による可変表示が実行されるごとに、記録クリア条件が成立したと判定してもよい。この場合、1回の可変表示が実行されるごとに、その可変表示中に実行された演出などに基づいて、ミッション対象遊技となる特定遊技の実行に応じた遊技履歴テーブルの更新を行い、可変表示が終了すると遊技履歴テーブルにおける遊技履歴の記録をクリア(初期化)する。なお、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御される場合には、その大当り遊技状態が終了するまで遊技履歴の記録を継続させ、大当り遊技状態が終了するときに遊技履歴の記録をクリア(初期化)すればよい。また、例えば連続予告となる先読み予告のように、複数回の可変表示にわたって実行された演出などに基づいてミッション対象遊技となる特定遊技が実行された場合には、そのミッション対象遊技の実行が終了するまで遊技履歴の記録を継続させ、ミッション対象遊技が終了するときに遊技履歴の記録をクリア(初期化)すればよい。したがって、可変表示結果が「大当り」となる可変表示中に実行された演出などに基づいてミッション対象遊技となる特定遊技が実行された場合には、その遊技履歴を示す情報を、簡単スタートの開始設定が行われた後に記憶される遊技履歴を示す情報とあわせて、履歴記録音声または2次元コードの出力に用いることができる。これにより、遊技履歴を示す情報が他の遊技者に流用されることを確実に防止して、遊技の公平性を確保することができる。その他にも、可変表示の実行回数が所定回数(例えば10回)に達するごとに、記録クリア条件が成立したと判定して遊技履歴の記録がクリア(初期化)されるようにしてもよい。
ステップS403の処理では、例えばパチンコ遊技機1においてスーパーリーチのリーチ態様が出現する可変表示が実行された場合のように、所定割合で決定される所定遊技が実行されたときに、簡単スタート開始可能タイミングであると判定してもよい。すなわち、簡単スタート促進報知は、可変表示に対応して所定割合で選択される所定遊技が実行されることに基づいて、行われるように設定してもよい。そして、ステップS407の処理で簡単スタート操作ありと判定されずにステップS409の処理で簡単スタート促進報知が終了したと判定された場合には、ステップS410の処理で遊技履歴の記録がクリア(初期化)される。このように、可変表示の実行に対応して所定割合で遊技履歴の記録がクリア(初期化)されるようにしてもよい。これにより、遊技履歴を示す情報が他の遊技者に流用される可能性を低減して、遊技の公平性を確保することができる。その他にも、可変表示が実行されるごとに、遊技履歴の記録をクリア(初期化)するか否かが、所定割合で決定されてもよい。
なお、簡単スタート用の演出設定が行われたときや、パスワードに基づく演出設定が行われたときには、図18に示すステップS413の処理で記録クリア条件が成立したと判定して、ステップS410の処理で遊技履歴の記録がクリア(初期化)されるようにしてもよい。図24(b)に示すようなパスワード入力前のメインメニューに設けられた「パスワード入力」や「簡単スタート」の項目が選択されたときには、遊技者がパチンコ遊技機1による遊技を開始したことを特定できる。このタイミングで遊技履歴の記録をクリア(初期化)して新たに遊技履歴の記録を開始させることにより、各遊技者に応じて正確な遊技履歴を示す情報を記憶させることができる。一方、例えば大当り遊技状態におけるラウンドが実行されたときのように、ステップS403の処理で簡単スタート開始可能タイミングであると判定されたときには、それ以前に記憶されている遊技履歴を示す情報を含めて遊技履歴を記録させたい遊技者と、このような情報を含めず現時点から遊技履歴を記録させたい遊技者とが存在する可能性がある。そこで、ステップS405の処理に基づいて実行された簡単スタート促進報知に応じて簡単スタートの開始設定が行われる場合には、その開始設定が行われる以前に記憶されている遊技履歴を消去するか否かを、遊技者による指示入力などに応じて選択できるようにしてもよい。例えば図19(E)に示す画像の表示を行う前に、現時点で記憶されている遊技履歴をクリア(初期化)するか否かを選択するための画像を表示し、プッシュボタン516や操作レバー600等による指示入力の検出結果などに基づいて、遊技履歴テーブルにおいて記録されている遊技履歴を示す情報をクリア(初期化)するか否かを判定すればよい。これにより、遊技者の嗜好に応じた遊技履歴の使用を可能として、正確な遊技履歴を示す情報の取得や使用と、簡単スタートの開始設定が行われる以前に記憶されている遊技履歴の取得や使用とを、選択的に実現することができる。
簡単スタートの開始設定が行われる以前に実行された遊技の履歴を示す情報のうち、例えば可変表示の実行回数を示す情報は、現時点にてパチンコ遊技機1で遊技を行っている遊技者とは異なる遊技者による可変表示の実行回数を含んでいる可能性がある。このような情報を簡単スタートの開始設定が行われた後の遊技履歴を示す情報とあわせて記憶させてしまうと、簡単スタートの開始設定を行った遊技者が他の遊技者により実行された遊技の情報を流用してしまい、遊技の公平性が損ねられるおそれがある。そこで、簡単スタートの開始設定が行われる以前に実行される遊技の履歴を示す情報のうちで、予め定られた一部の情報については、簡単スタートの開始設定が行われた後の遊技履歴を示す情報への加入が制限(禁止)されてもよい。例えば可変表示の実行回数を示す情報に関して、簡単スタートの開始設定が行われる以前に記録されている情報は、簡単スタートの開始設定が行われたときなどにクリア(初期化)されて取得されず、履歴記録音声または2次元コードの出力には用いられないように、他の遊技履歴を示す情報とは異なる制限を設けてもよい。
図20は、図17に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(ステップS821)。変動パターン指定コマンドは、特別図柄プロセス処理において変動開始時に決定される変動パターンを指定するコマンドであり、図7に示す変動パターンのうちのいずれの変動パターンを実行するかを指定するためのコマンドである。
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する表示結果2指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が奇数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りB或いは小当りに該当する表示結果3〜8指定コマンドである場合においては、停止図柄として、予めチャンス目として設定されている図柄の複数の組合せ(例えば「135」、「334」、「787」…などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが、はずれに該当する表示結果1指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。尚、演出図柄の組合の中には、はずれ図柄並びにチャンス目の双方に含まれるものが存在し、小当りの場合とはずれの場合とで同一の停止図柄となる場合が存在する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。よって、確変大当りBと小当りにおいては、同一の停止図柄が決定される場合があり得る。
次いで、演出制御用CPU120は、図21に示す示唆演出決定処理を実施して、当該変動表示についてスーパーリーチCとなってミッションが達成されるか否かを示唆する示唆演出を実施するか否かを決定する(S823)。
具体的に、本実施例の示唆演出決定処理では、図21に示すように、演出制御用CPU120は、まず、パスワードの設定があるか否か、つまり、パスワード(パスワード音声)が入力されて遊技が開始された場合であるか否かを判定する(ステップS830)。パスワードが入力されて遊技が開始された場合であるか否かは、具体的には、パスワード入力フラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。
パスワードの設定がある場合(ステップS830でY)には、ステップS837に進んで、図示しないパスワード設定用の決定テーブルをセットする。
一方、パスワードの設定がない場合(ステップS830でN)には、簡単スタートの設定が有るか否か、つまり、簡単スタートが入力されて遊技が開始された場合であるか否かを判定する(ステップS831)。簡単スタートの設定が有る、つまり、簡単スタートが入力されて遊技が開始された場合であるか否かは、特定演出モードフラグがセットされていて、パスワード入力フラグがセットされていないことを確認することにより判定できる。
簡単スタートの設定が有る場合(ステップS831でY)には、ステップS836に進んで、図示しない簡単スタート用の決定テーブルをセットする。
また、簡単スタートの設定もない場合(ステップS831でN)には、ステップS832に進んで、図示しない設定なし用の決定テーブルをセットする。
このように、ステップS832、ステップS836、ステップS837において各種の決定テーブルがセットされた後、ステップS833Aに進んで、当該変動表示の変動表示結果と変動パターンとを特定する。当該変動表示の変動表示結果と変動パターンは、ステップS717において前述したように、表示結果指定コマンド並びに変動パターン指定コマンドに基づいて特定すれば良い。
次いで、示唆演出決定用乱数を抽出し、ステップS832、ステップS836、ステップS837においてセットされた各種の決定テーブルを用いて、ステップS833Aにおいて特定結果に基づいて、変動表示結果と変動パターンに応じて示唆演出の実行の有無を決定する。
そして、ステップS834に進み、示唆演出の実行を決定したか否かを判定し、実行を決定していない場合には当該処理を終了する一方、実行を決定している場合には、ステップS835に進んで、示唆演出実行フラグをセットした後、当該処理を終了する。
図22は、ステップS833において示唆演出の実行・非実行が決定される割合について示す図である。
図22(a)は、ステップS837においてパスワード設定用の決定テーブルがセットされた場合の決定割合を示す図である。
パスワード設定用の決定テーブルによる決定割合では、図22(a)に示すように、ステップS833Aにおいて特定された当該変動表示における変動パターンが、スーパーリーチCの変動パターンと、スーパーリーチA,Bの変動パターンと、ノーマルリーチの変動パターンとで、決定割合が異なるように設定されている。また、ステップS833Aにおいて特定された当該変動表示における変動表示結果が確変大当りAとなる場合、つまり、確変大当りAに当選している場合と、「はずれ」となる場合とで、各変動パターンのそれぞれの決定割合が異なるように設定されている。
具体的には、図22(a)に示すように、変動表示結果が確変大当りAとなる場合においては、変動パターンがスーパーリーチCであるときには99%の割合で「実行する」が決定され1%の割合で「実行しない」が決定される。また、変動パターンスーパーリーチA,Bであるときには、60%の割合で「実行する」が決定され40%の割合で「実行しない」が決定される。また、変動パターンがノーマルリーチであるときには、40%の割合で「実行する」が決定され60%の割合で「実行しない」が決定される。
一方、変動表示結果が「はずれ」となる場合においては、変動パターンがスーパーリーチCであるときには、20%の割合で「実行する」が決定され80%の割合で「実行しない」が決定される。また、変動パターンがスーパーリーチA,Bであるときには、10%の割合で「実行する」が決定され90%の割合で「実行しない」が決定される。また、変動パターンがノーマルリーチであるときには、2%の割合で「実行する」が決定され98%の割合で「実行しない」が決定される。
つまり、図22(a)に示すように、変動表示結果(確変大当りA、「はずれ」)にかかわらず、「実行する」の決定割合が、スーパーリーチCの変動パターン>スーパーリーチA,Bの変動パターン>ノーマルリーチの変動パターンの順となるように設定されており、ミッション対象のスーパーリーチCの変動パターンのときに示唆演出の実行割合が高くなるようになっている。
また、いずれの変動パターンについても、変動表示結果が確変大当りAとなる場合の決定割合は、変動表示結果が「はずれ」となる場合の決定割合よりも高くなるように設定されており、同一の変動パターン(スーパーリーチC、スーパーリーチA,B、ノーマルリーチ)であっても、示唆演出が実行されたときの方が、示唆演出を実行されない場合よりも、変動表示結果が確変大当りAとなる可能性(期待度)が高くなるようになっている。
同様に、簡単スタート用の決定テーブルによる決定割合でも、図22(b)に示すように、ステップS833Aにおいて特定される当該変動表示における変動パターンが、スーパーリーチC、スーパーリーチA,B、ノーマルリーチである場合で、決定割合が異なるように設定されている。また、ステップS833Aにおいて特定される当該変動表示における変動表示結果が確変大当りAとなる場合、つまり、確変大当りAに当選している場合と、変動表示結果が「はずれ」となる場合とで、各変動パターンのそれぞれの決定割合が異なるように設定されている。
具体的には、図22(b)に示すように、変動表示結果が確変大当りAとなる場合においては、変動パターンがスーパーリーチCであるときには、90%の割合で「実行する」が決定され10%の割合で「実行しない」が決定される。また、変動パターンがスーパーリーチA,Bであるときには、50%の割合で「実行する」が決定され50%の割合で「実行しない」が決定される。また、変動パターンがノーマルリーチであるときには、30%の割合で「実行する」が決定され70%の割合で「実行しない」が決定される。
一方、変動表示結果が「はずれ」となる場合においては、変動パターンがスーパーリーチCであるときには、15%の割合で「実行する」が決定され85%の割合で「実行しない」が決定される。また、変動パターンがスーパーリーチA,Bであるときには、5%の割合で「実行する」が決定され95%の割合で「実行しない」が決定される。また、変動パターンがノーマルリーチであるときには、1%の割合で「実行する」が決定され99%の割合で「実行しない」が決定される。
つまり、簡単スタート用の決定テーブルを用いて決定される場合についても、図22(b)に示すように、変動表示結果にかかわらず、「実行する」の決定割合が、スーパーリーチCの変動パターン>スーパーリーチA,Bの変動パターン>ノーマルリーチの変動パターンの順となるように設定されており、ミッション対象のスーパーリーチCの変動パターンのときに示唆演出の実行割合が高くなるようになっている。
また、いずれの変動パターンについても、変動表示結果が確変大当りAとなる場合の決定割合は、変動表示結果が「はずれ」となる場合の決定割合よりも高くなるように設定されており、同一の変動パターン(スーパーリーチC、スーパーリーチA,B、ノーマルリーチ)であっても、示唆演出が実行されたときの方が、示唆演出を実行されない場合よりも、変動表示結果が確変大当りAとなる可能性(期待度)が高くなるようになっている。
また、設定なし用の決定テーブルによる決定割合でも、図22(c)に示すように、ステップS833Aにおいて特定される当該変動表示における変動パターンが、スーパーリーチC、スーパーリーチA,B、ノーマルリーチである場合で、決定割合が異なるように設定されている。また、ステップS833Aにおいて特定される当該変動表示における変動表示結果が確変大当りAとなる場合、つまり、確変大当りAに当選している場合と、変動表示結果が「はずれ」となる場合とで、各変動パターンのそれぞれの決定割合が異なるように設定されている。
具体的には、図22(c)に示すように、変動表示結果が確変大当りAとなる場合においては、変動パターンがスーパーリーチCであるときには、50%の割合で「実行する」が決定され50%の割合で「実行しない」が決定される。また、変動パターンがスーパーリーチA,Bであるときには、30%の割合で「実行する」が決定され70%の割合で「実行しない」が決定される。また、変動パターンがノーマルリーチであるときには、20%の割合で「実行する」が決定され80%の割合で「実行しない」が決定される。
一方、変動表示結果が「はずれ」となる場合においては、変動パターンがスーパーリーチCであるときには、5%の割合で「実行する」が決定され95%の割合で「実行しない」が決定される。また、変動パターンがスーパーリーチA,Bであるときには、1%の割合で「実行する」が決定され99%の割合で「実行しない」が決定される。また、変動パターンがノーマルリーチであるときには、0%の割合で「実行する」が決定され100%の割合で「実行しない」が決定される。
つまり、設定なし用の決定テーブルを用いて決定される場合についても、図22(c)に示すように、変動表示結果にかかわらず、「実行する」の決定割合が、スーパーリーチCの変動パターン>スーパーリーチA,Bの変動パターン>ノーマルリーチの変動パターンの順となるように設定されており、ミッション対象のスーパーリーチCの変動パターンのときに示唆演出の実行割合が高くなるようになっている。
尚、設定なしの場合においてはコインや特典などの所定価値が付与されないようにしても良く、この場合にあっては、示唆演出を実行しないようにしても良い。
また、いずれの変動パターンについても、変動表示結果が確変大当りAとなる場合の決定割合は、変動表示結果が確変大当りAとならない場合の決定割合よりも高くなるように設定されており、同一の変動パターン(スーパーリーチC、スーパーリーチA,B、ノーマルリーチ)であっても、示唆演出が実行されたときの方が、示唆演出を実行されない場合よりも、変動表示結果が確変大当りAとなる可能性(期待度)が高くなるようになっている。
よって、本実施例において示唆演出は、パスワード設定用の決定テーブル、簡単スタート用の決定テーブル、設定なし用の決定テーブルのいずれの決定テーブルにおいても、非リーチの変動パターンに対しては決定割合の割り当てがないので、示唆演出は、非リーチの変動パターンであるときには実行されず、スーパーリーチまたはノーマルリーチが発生するときにおいてのみ実行されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら示唆演出を非リーチの変動パターンにおいても、スーパーリーチまたはノーマルリーチが発生するときよりも低い割合にて示唆演出を実行するようにしても良い。
尚、本実施例では、決定テーブルにおいて非リーチの変動パターンに対して決定割合を割り当てないことにより、非リーチの変動パターンであるときに示唆演出を実行しないようにした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図21の示唆演出決定処理において、ステップS833Aにて特定した変動パターンが、非リーチの変動パターンであるか否かを判定し(ステップS833A’)、該判定結果が非リーチの変動パターンである場合には(ステップS833A’でYes)、示唆演出決定処理を終了することで、非リーチの変動パターンについては示唆演出を実行しないようにしても良い。
また、本実施例では、図22に示すように、変動表示結果が「はずれ」の場合や、変動パターンがスーパーリーチC以外である場合にも示唆演出が実行される態様を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果が確変大当りAであって、且つ変動パターンがスーパーリーチCであるときにおいてのみ所定の割合にて示唆演出を実行するようにしても良い。つまり、示唆演出が実行された場合には、必ずスーパーリーチCとなってミッションを達成して確変大当りAとなるようにしても良い。
尚、本実施例では、変動表示結果が確変大当りBや小当りの演出図柄の組合せとなる場合には、図7に示すように、スーパーリーチCが実施されないので、示唆演出の対象から除外しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら確変大当りBや小当りとなる場合にも、スーパーリーチCが実施されるようにしても良く、この場合にあっては、確変大当りAと同様に、これら確変大当りBや小当りについても、示唆演出の対象に加えるようにしても良い。
以上のように、本実施例では、各場合(パスワードが設定されている場合、簡単スタートが設定されている場合、設定なしの場合)の決定割合は、パスワードが設定されている場合>簡単スタートが設定されている場合>設定なしの場合となるように設定されており、パスワードが設定されている場合の方が、簡単スタートが設定されている場合よりも示唆演出が実行され易く、簡単スタートが設定されている場合の方が、設定がない場合よりも示唆演出が実行され易くなっており、これら示唆演出が実行され易くなることで、ミッションが達成できるスーパーリーチCが発生するか否かの示唆を得ることができるとともに、大当りとなる可能性の示唆も得ることができるようになるので、パスワードの入力や簡単スタートの設定を実施して遊技を開始することの動機付けをすることが可能となる。
尚、図22に示す決定割合は、一例であって、上記した傾向と同様の傾向が得られるものであれば、その他の決定割合に設定しても良い。
図23は、本実施例における示唆演出の演出態様を示す図である。本実施例では、図23(A)に示すように、変動開始時において、当該変動においてミッションの達成条件とされているプレミアリーチであるスーパーリーチCが発生して、ミッションをクリアできるかもしれないことが、特別キャラクタと該特別キャラクタのメッセージとして表示されることで示唆される演出が実施される(図23(A))。
そして、変動表示が進んでリーチ状態が発生(図23(B))したのち、ミッションの達成条件に設定されているスーパーリーチCの演出である特別キャラクタと敵キャラクタが対戦する演出が実行される(図23(C))。尚、図23(A)に示す示唆演出が実施されても、スーパーリーチCではなく、スーパーリーチAやスーパーリーチBとなる場合もあれば、ノーマルリーチになる場合もあり得る。
また、図23では、スーパーリーチCの演出である特別キャラクタと敵キャラクタが対戦する演出が実行され、特別キャラクタと敵キャラクタに勝利して確変大当りAとなる例(図23(D))を示しているが、スーパーリーチCの演出となっても、特別キャラクタが敵キャラクタに敗北してはずれとなる場合もあり得る。
尚、本実施例では、スーパーリーチCが終了して停止図柄が導出表示されるのに伴って、図23(D)に示すように、ミッションがクリアされたことと共に、該ミッションがクリアされたことに応じて所定のデジタルコンテンツ(デジコン)が特典として付与されることのメッセージを表示するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらのメッセージを表示しないようにしても良い。
図20に戻り、ステップS823の示唆演出決定処理の後に演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS826)。
この際、演出制御用CPU120は、ステップS823の示唆演出決定処理において示唆演出の実行が決定されたか否かを、示唆演出実行フラグにより判定し、示唆演出の実行が決定されている場合には、示唆演出の演出制御内容を含む演出制御パターン(プロセステーブル)を選択し、示唆演出の実行が決定されていない場合には、示唆演出の演出制御内容を含まない演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。
尚、示唆演出以外に、大当りとなること、スーパーリーチとなること、より出玉が多い(ラウンド数が多い)大当りとなること、或いは確変状態や時短状態に制御される変動回数が多い当りとなること等を予告する各種の予告演出を実行するようにしても良く、この場合には、該実行が決定された予告演出の演出制御内容を含む演出制御パターン(プロセステーブル)を選択すれば良い。尚、プロセステーブルには、演出表示装置9の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのランプ制御実行データ、演出用スピーカ27から出力する音の制御するための音制御実行データや、プッシュボタン516や操作レバー600の操作を制御するための操作制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS826)。
次いで、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としての演出用スピーカ27、操作部(プッシュボタン516、操作レバー600等))の制御を実行する(ステップS827)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDPに指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、演出用スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS828)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS828+)。なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDPがVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS829)。
図4(a)は、携帯端末901の構成例を示している。図4(a)に示す携帯端末901は、制御部910と、記憶部920と、操作部930と、表示部940と、無線通信部950と、アンテナ951と、カメラ部960と、音声入出力部970とを備えている。
記憶部920は、ROMなどの書換不能な不揮発性メモリ、フラッシュメモリなどの書換可能な不揮発性メモリ、RAMなどの揮発性メモリ、これらの一部または全部を組合せた任意の半導体メモリで構成される。記憶部920は、携帯端末901の各種機能を制御部910に実行させるためのアプリケーションプログラム(アプリ)等のコンピュータプログラムやデータを記憶する。
操作部930は、電話番号や各種データといった数字やアルファベット、その他の文字などを入力するためのダイヤルキーや十字操作キーやその他のファンクションキーで構成される。あるいは、操作部930は、タッチパネルを含んで構成されてもよい。操作部930は、ユーザからの操作入力を受付けて、受付けた操作に係る信号を制御部910に送出する。
表示部940は、液晶表示装置(LCD)で構成される。なお、表示部940は、ELディスプレイ等の表示装置で構成されてもよい。表示部940は、制御部910から供給される文字データや画像データによって表される文字や画像を表示する。
無線通信部950は、他の携帯端末やサーバからアンテナ951を介して受信した信号を制御部910に送出し、制御部910から他の携帯端末やサーバへ送信する信号をアンテナ951から出力させる。
カメラ部960は、遊技者の操作に応じて、撮影対象を撮像し、撮像した画像を画像データに変換して、制御部910に供給する。本実施例においては、カメラ部960は、2次元コードを撮像する。
音声入出力部970は、遊技者の操作に応じて、サーバから取得したパスワードデータが変調されたパスワード音声の出力を行うとともに、パチンコ遊技機1から発せられる履歴記録音声の取得(入力)を行う。なお、音声入出力部970を用いて、電話回線を用いた通話ができるとともに、着信音やその他のアプリを用いて記憶部920に記憶された音声ファイル(例えば、MP3やWAV等のファイル)を再生して音声を出力することができる。なお、このパスワード音声は、テキストデータで構成される通常のパスワードが、記憶部920に記憶されている所定のパスワード音声出力機能を有する後述するパスワード音声出力用アプリに組み込まれている変調用モジュールプログラムによって、通常のパスワードのパスワードデータ列(2値データ)が、所定のデジタル変調方式により可聴音に変調(符号化)されたモデム信号となっている。
尚、本実施例では、音声入出力部970は、通話用のために表示部940面である前面側に設けられた第1音声出力部と、パスワード音声や再生音声等を出力するために裏面側に設けられた第2音声出力部を有しており、表示部940面である前面側を遊技者に向けた状態で携帯端末901を携帯端末置台61に載置することで、裏面側に設けられた第2音声出力部がモデム用マイク61aと対向した状態で近接するとともに、該載置した状態で、携帯端末901の前面における操作を実施できるようになっている。
このように本実施例では、第1音声出力部と第2音声出力部の2つの音声出力部を備えた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの音声出力部を1つのみとしても良い。
制御部910は、マイクロプロセッサ(MPU)で構成される。制御部910は、記憶部920に記憶されたアプリなどのコンピュータプログラムに従って、記憶部920、操作部930、無線通信部950、カメラ部960、音声入出力部970からのデータ等に対して処理を施し、処理後のデータを記憶部920、表示部940、無線通信部950、音声入出力部970に供給する。
なお、携帯端末901は、上記の構成のほか、一般の携帯電話機が備える赤外線通信機能などを備えていてもよい。
図5に示すように、遊技者が携帯端末901において、パスワード音声を出力するためのパスワード音声出力用アプリを起動すると(図25(a)参照)、携帯端末901の制御部910は、パスワード音声出力処理を実行する。このパスワード音声出力処理では、まず、ステップS100において制御部910は、既にパスワードデータがダウンロード済みか否か、つまり管理サーバ900からダウンロードされたパスワードデータが記憶部920に記憶されているか否かを判定する。ここで、パスワードデータがダウンロード済みの場合は、ステップS101に進む。一方、パスワードデータがダウンロード済みでない場合は、ステップS109に進む。
ステップS109において制御部910は、パスワードデータを管理サーバ900からダウンロードするための操作画面であるダウンロード画面を表示部940に表示する。そして、ステップS110において制御部910は、ダウンロード操作が有るか否かを判定する。ダウンロード操作が有る場合には、ステップS111に進む。一方、ダウンロード操作が無い場合には、ステップS108に進む。
ステップS111において制御部910は、管理サーバ900からパスワードデータをダウンロードするダウンロード処理を実行する。このダウンロード処理では、遊技者が携帯端末901から管理サーバ900のダウンロード用のサイトにアクセスし、管理サーバ900にて所定の認証処理、具体的には、後述するように、アクセスしてきた携帯端末901の端末ID(SIMデータ)が遊技履歴の管理対象として登録されているか否かによる認証が行われることで、管理サーバ900において管理されている当該遊技者の遊技履歴に対応するパスワードデータが携帯端末901にダウンロードされ、該パスワードデータが記憶部920に記憶される(図28参照)。なお、このパスワードデータには、遊技者に対応する経験値、レベル、総始動回数、総大当り回数等の遊技履歴に基づく履歴情報が含まれている。
また、ステップS100においてパスワードデータがダウンロード済みである場合に進むステップS101において制御部910は、パスワード音声の出力操作を案内する案内画面を表示部940に表示する(図25(b)参照)。
次いで、ステップS102において制御部910は、パスワード音声の出力操作が有るか否かを判定する。ここで、パスワード音声の出力操作が有る場合には、ステップS103に進む。一方、パスワード音声の出力操作が無い場合には、ステップS108に進む。
ステップS103において制御部910は、前述した変調用モジュールプログラムによってパスワードデータ並びに確認用パスワードを変調したパスワード音声を生成して、該生成したパスワード音声を音声入出力部970(第2音声出力部)出力する。なお、携帯端末901がパチンコ遊技機1の携帯端末置台61に置かれている状態では、音声入出力部970(第2音声出力部)から出力されたパスワード音声は、携帯端末置台61のモデム用マイク61aに高利得にて入力される。
尚、確認用パスワードは、パスワード音声を出力する毎に異なるものを生成しても良いし、予め遊技者が登録した複数の確認用パスワードの中から選択したものであってもよい。
ステップS104において制御部910は、パスワード音声の出力が完了したか否かを判定する。ここで、パスワード音声の出力が完了した場合には、ステップS105に進む。一方、パスワード音声の出力が完了していない場合には、ステップS103に戻り、パスワード音声の出力が完了するまでループする。
次いで、ステップS105において制御部910は、パスワード音声に変調した確認用キーワードを含むとともに、遊技者にパスワード音声がパチンコ遊技機1に正常に入力されたか否かを該確認用キーワードを比較して確認するように遊技者に案内する案内画面を表示し(図25(c)参照)、ステップS106に進む。
この確認用キーワードは、音声入出力部970から出力されるパスワード音声に変調(符号化)されており、後述するように、パスワード音声が入力されたパチンコ遊技機1の演出表示装置9にも、入力されたパスワード音声に変調されている確認用キーワードが表示される。遊技者は、双方の確認用パスワードが一致しているか否か確認して、パスワードの入力が良好になされているか否かを確認する。なお、パスワード音声が、例えば、周囲の雑音等の影響により正常に入力されなかった場合には、双方の確認用パスワードが一致せず、遊技者はパスワード音声の入力が失敗したことを認識することができる。
ステップS106において制御部910は、パスワード音声の再出力操作が有るか否かを判定する。ここで、パスワード音声の再出力操作が有る場合には、ステップS103に戻る。一方、パスワード音声の再出力操作が無い場合には、ステップS107に進む。また、ステップS107において制御部910は、記憶部920に記憶されたパスワードデータを消去してステップS108に進む。
よって、パスワード音声の再出力操作が有る場合には、パスワードデータは消去されていないので、再度サーバ900からパスワードデータをダウンロードすることなく、パスワード音声の出力を実施できるとともに、再出力操作が無い場合、つまり、パスワード音声を良好に入力できた場合には、パスワードデータが消去されるので、管理サーバ900から新たなパスワードデータを取得ぜすに、誤って古い遊技履歴のパスワード音声を出力してしまうことを防止できる。
ステップS108において制御部910は、パスワード音声出力用アプリの終了操作が有るか否かを判定する。ここで、パスワード音声出力用アプリの終了操作が有る場合には、パスワード音声出力処理を終了する。一方、パスワード音声出力用アプリの終了操作が無い場合には、ステップS100に戻る。
図4(b)は、管理サーバ900の構成例を示している。管理サーバ900は、一般的なWebサーバとしての機能を有し、制御部210と、記憶部220と、操作部230と、表示部240と、通信部250とを備えている。
記憶部220は、ROMやRAM、フラッシュメモリやハードディスクドライブといった外部記憶装置などから構成される。記憶部220には、管理サーバ900の各種機能を制御部210に実行させるためのコンピュータプログラムやデータが記憶される。
操作部230は、キーボード、マウス、キーパッド、タッチパッドやタッチパネルといった入力装置で構成される。操作部230は、管理サーバ900の管理者といったユーザからの操作入力を受付けて、受付けた操作に係る信号を制御部210に送出する。
表示部240は、例えば、LCDで構成される。なお、表示部240は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイやELディスプレイなど他の表示装置で構成されてもよい。表示部240は、制御部210から供給される文字データや画像データによって表される文字や画像を表示する。
通信部250は、携帯端末901や他のサーバなどから、インターネット網を介して受信したデータを制御部210に供給し、制御部210から供給されたデータを、インターネット網を介して携帯端末901や他のサーバなどに送信する。
制御部210は、例えばMPUで構成される。制御部210は、記憶部220に記憶されたコンピュータプログラムに従って、記憶部220、操作部230、表示部240、通信部250からのデータや信号等に基づく処理を実行し、その処理にて生成されたデータや信号を記憶部220、操作部230、表示部240、通信部250に供給する。
また、管理サーバ900は、CPU、RAMなどを備えた一般的なサーバコンピュータにて構成されており、インターネットを介して携帯端末901からアクセス可能とされており、遊技履歴の管理や、パスワードの発行などを行う。
管理サーバ900は、遊技者の情報を管理する遊技者データベースや各遊技履歴が登録される遊技履歴データベース及び遊技者に対して付与される特典データを格納する特典データベースを備えている。
遊技者データベースは、遊技者を個々に識別可能であって、該遊技者が使用する携帯端末901に固有に付与された端末ID(SIMデータ)に対応付けて、該遊技者に対して発行されたパスワード、ポイント、レベル、総始動回数(共通データ)、総大当り回数(共通データ)、総確変回数(共通データ)、大当りB回数(固有データ)、ミッション(固有データ)等の各種データが格納されている。
また、管理サーバ900は、CPU、RAMなどを備えた一般的なサーバコンピュータにて構成されており、インターネットを介して携帯端末901からアクセス可能とされており、遊技履歴の管理や、パスワード(テキスト)やパスワードデータの発行などを行う。
管理サーバ900は、遊技者の情報を管理する遊技者データベースや各遊技履歴が登録される遊技履歴データベース及び遊技者に対して付与される特典データを格納する特典データベースを備えている。
遊技者データベースは、遊技者を個々に識別可能であって、該遊技者が使用する携帯端末901に固有に付与された端末ID(SIMデータ)に対応付けて、該遊技者に対して発行されたパスワード、レベル、経験値、総始動回数(共通データ)、総大当り回数(共通データ)、総確変回数(共通データ)、大当りB回数(固有データ)、ミッション(固有データ)等の各種データが格納されている。
また、遊技履歴データベースは、図29に示すように、遊技を行った遊技者の所有する携帯端末901の端末ID(SIMデータ)及び遊技日時に対応して、当該遊技の遊技にて入力されたパスワードと、当該遊技にて付与されたポイント、当該遊技終了時のレベル、当該遊技終了時の経験値、当該遊技での始動回数、当該遊技での大当り回数、当該遊技での確変回数、当該遊技での大当りB回数、ミッション等のデータが格納されている。
特典データベースは、特典を識別可能な特典IDに対応して、特典データの格納場所、特典データの種別、特典を付与する条件の種別、該当する種別の条件値が格納されている。条件の種別としては、ポイント数、レベル、特定のミッションの達成、ミッションの達成率、始動回数、大当り回数、確変回数などが設定可能であり、その種別に応じた条件値が設定可能とされている。
尚、これら特典は、携帯端末901にデータとして残ることで繰返し利用できるものであっても良いし、携帯端末901にデータとして記憶できずに、一時的にだけ視聴できるものであっても良い。
また、本実施例では、上記したように、特典を、壁紙やキャラ画像等のデジタルコンテンツ(デジコン)とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの特典を、ポイント数等に応じて懸賞に応募できる権利を付与するもの、つまり、直接的に特典を付与するものではなく、特典を獲得できる権利を付与するものであっても良いし、本実施例のように潜伏状態が発生する機種の遊技機であれば、いずれの遊技状態(高確であるか、低確であるか)を画像表示などによって教唆する権利を付与するもの、すなわち、遊技において有利となるものを付与するようにしても良い。
次に、パスワードデータを発行して遊技を行う際の管理サーバ900や、携帯端末901、パチンコ遊技機1の動作について、図28に基づいて説明する。
図28に示すように、携帯端末901から新たなパスワードデータの発行要求がなされると、管理サーバ900は、発行要求を行った携帯端末の端末識別情報が、遊技者データベースに登録されている端末識別情報と一致するか否かを判定し、一致する端末ID(端末識別情報)がない場合には、発行不可としてその旨を携帯端末901に対して通知する。尚、このように、一致する端末ID(端末識別情報)がない場合において所定の登録ページを配信して、利用登録を促すようにしても良い。
一方、発行要求を行った携帯端末901の端末IDが、遊技者データベースに登録されている端末IDと一致した場合には、端末IDに対応する、経験値、レベル、総始動回数、総大当り回数等の遊技履歴に基づく履歴情報を遊技者データベースから取得してパスワードデータを発行する。
パスワードデータは、所定のパスワードの解析手順と逆の手順にて生成される。まずは、該当する端末IDの経験値、レベル、総始動回数、総大当り回数等の遊技履歴情報を取得し、取得したデータ(遊技履歴情報)に基づいて96ビットの値を作成する。この際、例えば、共通データについては60ビット、固有データについては36ビットを割り当てる。
次いで、作成した96ビットの値を6ビット毎に分断し、10進数に置き換え、置き換えた値をパスワード解析テーブルに基づいて文字に置き換えることにより、16文字のパスワードを生成する。
管理サーバ900は、生成したパスワードデータを、発行要求を行った携帯端末901に送信するとともに、遊技者データベースにおいて発行要求を行った携帯端末の端末IDに対応するパスワードを今回生成したパスワードに更新する。
なお、本実施例では、携帯端末901を、種々のアプリを実行可能ないわゆるスマートホン(高機能携帯電話端末)とした形態を例示しているので、前述したように、パスワードデータを変調したパスワード音声の生成を携帯端末901において実施する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら携帯端末が、種々のアプリの実行機能を有しない、いわゆるフィーチャーホンである場合には、これらの変調を、予め管理サーバ900において実施して、パスワードデータを変調したパスワード音声のMP3ファイルやWAVファイルや、着信音メロディデータ等の変調したパスワード音声を再生するためのファイルに変換した音声パスワードデータとして携帯端末901に配信し、携帯端末901では、該音声パスワードデータによる音声を再生する等により、パスワード音声を出力するようにしても良い。尚、このように、管理サーバ900において変調したパスワード音声のファイルを生成する場合には、確認用パスワードも管理サーバ900にて発行して、該確認用パスワードを含むパスワード音声の音声再生用ファイルを生成し、発行した確認用パスワードを音声再生用ファイルとともに携帯端末に送信して表示させるようにすれば良い。
尚、上記では、音声にて入力する場合のパスワードの発行を示しているが、テキストのパスワードの発行も同様に実施される。尚、これらテキストのパスワードをパチンコ遊技機1に入力する場合には、表示部940にテキストのパスワードが表示され、該表示されたテキストのパスワードを図24(c)のパスワード受付け画面において入力すれば良い。
パスワードデータの発行要求に応じてパスワードデータが送信されると携帯端末901には、パスワードデータが記憶されることとなり、前述したように、遊技者は、パスワード音声の出力操作を実施して、該記憶されたパスワードデータと確認用パスワードとが変調されたパスワード音声をパチンコ遊技機1に入力する。そしてパスワード音声が入力されたパチンコ遊技機1では、前述のように入力されたパスワード音声を解析し、パスワード音声が認証されると、パスワード音声から特定されるレベル、経験値、ポイント数、獲得コイン数、総始動回数、総大当り回数、ミッション等の履歴情報がパチンコ遊技機1の遊技履歴テーブルの「遊技開始時」の格納領域の各データに反映されることにより、管理サーバ900にて管理されているレベル、経験値、ポイント数、獲得コイン数、総始動回数、総大当り回数、ミッション等の履歴情報(遊技履歴)を引き継いで遊技を行うことが可能となる。この際、入力されたパスワードも遊技履歴テーブルに格納される。
そして遊技者が遊技を終了し、前述した図26(b)に示す選択画面から「履歴記録音声出力」または「2次元コード出力」を選択することで、遊技履歴テーブルへの遊技履歴の蓄積が終了され、該遊技履歴テーブルに格納されているパスワードと遊技履歴の各データ、つまり、レベル、経験値、ポイント数、獲得コイン数、総始動回数、総大当り回数、総確変回数、ミッション等が取得されて、これらのデータと、更新ページの所在を示すURLと、から履歴記録音声または2次元コードが生成され、演出表示装置9に表示または演出用スピーカ27から出力されるとともに、遊技履歴テーブルが初期化される。
遊技者は、演出表示装置9に表示された2次元コードを読み取るか、パチンコ遊技機1から出力された履歴記録音声を携帯端末901に入力して、該履歴記録音声を履歴記録解析用アプリにより復調し、これら履歴記録音声または2次元コードから解析された遊技履歴、パスワード及び携帯端末901の端末IDを含む更新要求を管理サーバ900に対して行うことにより、履歴記録音声または2次元コードにて取得した遊技履歴を管理サーバ900の遊技者データベースに反映させることができる。
携帯端末901から更新要求がされると、管理サーバ900は、更新要求を行った携帯端末の端末IDが、遊技者データベースに登録されている端末IDと一致するか否かを判定し、一致する端末IDがない場合には、更新不可としてその旨を携帯端末901に対して通知する。
一方、更新要求を行った携帯端末901の端末IDが、遊技者データベースに登録されている端末IDと一致した場合には、更新要求から特定されるパスワードを、更新要求から特定される端末IDに対応付けて遊技者データベースに登録されているパスワードと照合する。そして、更新要求から特定されるパスワードと、遊技者データベースに登録されているパスワードと、が一致した場合には、パスワードを発行した遊技者であると認証し、認証OKである場合には、更新要求から特定される遊技履歴に基づいて遊技者データベースの該当する端末IDの対応する項目を更新するとともに、該端末ID及び遊技日時(現在の日時データ)に対応付けて更新要求から特定される遊技履歴を遊技履歴データベースに登録した後、更新要求を行った携帯端末901に対して更新完了を通知する。一方、認証結果が認証NGである場合には、更新不可としてその旨を携帯端末901に対して通知する。
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1によれば、プッシュボタン516(操作部)が操作されていない通常状態において無効とされている音声の入力が、遊技者によるプッシュボタン516の操作が検出されたときに、無効条件が成立するまでの期間(プッシュボタン516の操作をやめるまでの期間)において有効とされるため、遊技者は、プッシュボタン516を操作することで、所持している携帯端末901から出力されるパスワード音声(特定の音声)を入力することができるとともに、遊技者がプッシュボタン516を操作していない通常状態においては入力が無効とされるので、遊技者が意図しない音声が入力されて、該入力された音声による遊技者が希望しない制御が実行されてしまうことを防止することができる。
尚、前記音声の入力を無効とすることには、音声入力用回路122(音声入力手段)の動作自体を無効として音声入力用回路122から音声を入力させないことや、音声入力用回路122の動作自体は常に有効として音声入力用回路122から音声情報を入力させるが、入力された音声情報を無効な音声として処理することを含む。同様に、前記音声の入力を有効とすることには、動作自体が無効とされている音声入力用回路122を動作させて音声入力用回路122から音声を入力させるようにすることや、音声入力用回路122の動作自体は常に有効として音声入力用回路122から音声を入力させ、これら入力された音声情報のうち、有効とする期間において入力された音声を有効な音声として処理することを含む。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120は、遊技履歴テーブル(遊技履歴蓄積手段)における遊技履歴の蓄積を開始する蓄積開始制御と、該開始後の終了操作に応じて該開始により遊技履歴テーブルに蓄積された遊技履歴を特定可能な履歴記録音声を出力する情報出力制御とを実行することで、パスワード音声(特定の音声)を入力することにより、遊技履歴を蓄積させて該蓄積された遊技履歴を出力させることができるため、これら遊技履歴を、パチンコ遊技機1以外の管理サーバ900(装置)や遊技者が所持する携帯端末901等において管理できるようになる。
また、本実施例によれば、テキストデータで構成される通常のパスワード(音声以外の情報)を操作レバー600及びトリガースイッチ512aにより入力可能となっていることで、パスワード音声(特定の音声)を出力可能な携帯端末901を所持していないこと等により、音声入力手段を用いて特定の音声を入力することができない場合であっても、モデム用マイク61a及び音声入力用回路122(情報入力手段)を用いて特定の情報を入力して、特定の音声と同様の制御を実行させることができる。
また、本実施例によれば、携帯端末901から出力されたパスワード音声が正常に取得されたか否かを確認するための確認用キーワードを演出表示装置9に表示することで、遊技者は、出力される確認用キーワード(確認情報)を用いてパスワード音声が正常に入力されたか否かを確認することができる。
また、本実施例によれば、モデム用マイク61a(入力用マイク)の近傍に設けられ、モデム用マイク61aに入力される周囲雑音の音圧を低減するための雑音低減用音声を出力する音声制御基板70及び雑音低減用スピーカ62(雑音低減音出力手段)を備えることで、雑音低減用スピーカ62から出力される雑音低減用音声によりモデム用マイク61aに入力される周囲雑音の音圧を低減できるので、これら周囲雑音によるパスワード音声(特定の音声)の入力への悪影響を抑止できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、パスワード音声は、テキストデータで構成される通常のパスワードなどをモデム信号として変換したものとして説明されているが、パスワード音声は、モデム信号に変換したものに限らず、電話回線で用いられているDTMF等のトーン信号でパスワード音声を構成してもよい。また、その他の音声処理の技術、例えば、音声信号を時間領域で符号化する技術や周波数領域で符号化する技術、更には、複数の音声符号化技術を組合せてパスワード音声を生成してもよい。
また、前記実施例では、管理サーバ900側でパスワード音声を生成する場合における音声ファイルとしてMP3やWAV等の音声ファイルを例示しているが、パスワードデータは、必ずしも音声ファイルでなくてもよく、例えば、音階等の演奏情報をデジタル化したMIDIファイルなどであってもよい。このMIDIファイルでパスワードデータを構成することで、音声ファイルの再生機能を有さない携帯電話機等であっても、パスワードデータを再生してパスワード音声を出力することができる。
また、前記実施例では、パスワードデータを管理サーバ900から携帯端末901にダウンロードして記憶部920に記憶し、この記憶されたパスワードデータを変調して出力する態様を例示しているが、必ずしもパスワードデータを携帯端末901の記憶部920に記憶する必要はなく、特に、前述したように、管理サーバ900側でパスワード音声を生成する場合いおいては、管理サーバ900から携帯端末901にダウンロードしながら、携帯端末901にてパスワード音声を出力するようにしても良い。
また、前記実施例では、モデム用マイク61aに、携帯端末901が発するパスワード音声を入力する際に、周囲の雑音を低減させるための雑音低減用音声を発する雑音低減用スピーカ62が設けられており、雑音低減用スピーカ62は、雑音取得用マイク63により集音される周囲音の波形を反転させて生成した雑音低減用音声を出力することで、モデム用マイク61aが、携帯端末901が発するパスワード音声を良好に取得できるようになっているが、その他の方法によりパスワード音声を良好に取得できるようにしてもよい。
例えば、雑音取得用マイク63により集音される周囲の雑音の音声波形を反転させて、モデム用マイク61aからの入力音の音声波形と合成することで、モデム用マイク61aから携帯端末901からの出力音とともに入力される周囲音が減衰されることにより、携帯端末901からの出力音が相対的に強調されることになり、これら携帯端末901からの出力音を、周囲の音が大きくても良好に取り出すことができるようにしてもよい。
例えば、モデム用マイク61aが設けられた携帯端末置台61の周囲の領域に高指向性の帯状の平面波音を遊技機の前方に向けて出力する平面波音出力部を、携帯端末置台61を平面波音にて囲むように設け、音の伝達を遮る音壁を携帯端末置台61を囲むように形成して、周囲の雑音による影響を低減できるようにしてもよい。なお、平面波音は、従来の球面波とは異なり、一方向にのみ伝搬するので、指向性が非常に高いとともに、音の減衰が少ないので、これら平面波を音波が通過し難くできるので、これら平面波によって、音の伝達を遮る音壁を形成することができる。
また、前記実施例では、演出用スピーカ27から履歴記録音声の出力が行われるようになっているが、携帯端末置台61にモデム用スピーカを設け、この携帯端末置台61のモデム用スピーカから履歴記録音声の出力が行われるようにしてもよい。
また、前記実施例では、パスワードの入力や、「簡単スタート」の操作や、操作予告における操作によって、遊技履歴テーブルにおける「今回遊技」への遊技履歴の更新記憶による蓄積を開始する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これら遊技履歴の更新記憶については常に実施しておき、パスワードの入力や、「簡単スタート」の操作や、操作予告における操作が実施された時点の遊技履歴を開始時点の遊技履歴として記憶し、遊技終了時点における遊技履歴と開始時点の遊技履歴との差から、当該遊技者の遊技履歴を特定するようにしても良い。
また、前記実施例では、管理サーバ900を用いた形態を例示したが、これら管理サーバ900は必須のものではなく、例えば、遊技履歴の管理を、管理サーバ900に代えて携帯端末(携帯電話機)901が実施するものであっても良いし、遊技履歴の管理をパチンコ遊技機1のみで実施するもの(複数の遊技の遊技履歴を管理しないもの)であっても良い。尚、これら、遊技履歴の管理をパチンコ遊技機1のみで実施する場合における「遊技履歴の出力」としては、例えば、メニュー画面に表示される「遊技履歴」の項目を遊技者が選択することで、当該遊技機における自分の遊技履歴を表示出力すれば良い。
また、前記実施例で示した構成を様々に組合せて遊技システム、遊技機、管理手段を構成することが可能である。つまり、前記実施例で示した遊技システムの各構成要素は、少なくともパスワード音声を入力する構成と履歴記録音声や2次元コードを出力する構成がパチンコ遊技機1側で備えるべき構成であることを除いて、パチンコ遊技機1側と管理サーバ900側とのいずれに備えていてもよい。つまり、特典(特典)を付与する構成が、管理サーバ900側であっても良いし、携帯端末(携帯電話機)901側であっても良いし、パチンコ遊技機1側であっても良い。
また、前記実施例では、経験値がレベルアップしたことによる大当り演出における楽曲の追加が、レベルアップした時点においてパチンコ遊技機1において実施される形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技機1にて出力される履歴記録音声や2次元コードの解析による遊技履歴の更新時に、レベルの変化があったか否かを判定し、レベルの変化があった場合に、変化したレベルに対応する楽曲の追加処理を管理サーバ900側で実施することにより、新たなパスワードを入力する次の遊技において可能とすることで、遊技者の次の遊技への意欲を高めることができるようにしても良い。
また、前記実施例では、履歴記録音声や2次元コードを遊技終了においてのみ出力する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、経験値がレベルアップに対応した所定値(例えば100)を越えたときやミッションをクリアしたときに、所定価値である特典を獲得するためにアクセスするURL等のデータが変調された音声や2次元コードが出力されるようにしてもよい。
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU56は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU56の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われるパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
また、前記実施例では、遊技機としてパチンコ機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技媒体としてメダルを使用して遊技を行うスロットマシンに、携帯端末置台61、モデム用マイク61a等を搭載し、履歴記録音声の入出力を行えるようにして、該スロットマシンを本発明の遊技機としてもよい。
尚、前記実施例では、遊技開始時に入力されたパスワードを特定可能な情報として、遊技開始時に入力されたパスワード自体を含む履歴記録音声を出力するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、パスワード自体に代えて、個々のパスワードに付与された識別番号等の情報を含むようにして、これら識別番号を含む履歴記録音声を出力することで、携帯端末901或いは管理サーバ900にて遊技開始時に入力されたパスワードを特定するようにしても良い。