まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、パチンコ遊技機を示す背面図である。図3は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ機1の前面側、奥側を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ機1の前面とは、遊技者側からパチンコ機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
パチンコ遊技機1は、図1、図2に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠100と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
下扉枠103の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球(パチンコ玉)を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。この上皿3の下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、その上端部には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン516や遊技者が発生する音声を入力するための指向性マイク61bが設けられている。また、上皿3の前面端面の左右位置端部位置には、図1に示すように遊技機周囲の音を入力するための指向性マイク61a,61cが設けられている。
これら指向性マイク61a〜61cは、向けられている方向からの音を高利得で入力可能な指向性を有する集音マイクとされており、パチンコ遊技機1の中央に遊技者を向けて配置された指向性マイク61bは、遊技者の発声や遊技者が所持する携帯電話等からの出力音を高利得で集音し、指向性マイク61aは、パチンコ遊技機1の右側(向かって左側)に向けて配置されていることで、パチンコ遊技機1の右側の周囲音を高利得で集音し、指向性マイク61cは、パチンコ遊技機1の左側(向かって右側)に向けて配置されていることで、パチンコ遊技機1の左側の周囲音を高利得で集音する。
プッシュボタン516は、図2に示すように、上下に可動可能とされて、遊技者により操作されていない非操作状態である非押下(高背)状態と、遊技者により操作されている操作状態である押下(低背)状態とを反復するようになっているとともに、プッシュボタン516の直下に設けられたバネ部材517により、常時、非押下(高背)状態に付勢されており、遊技者が操作したときにおいてのみ非押下(高背)状態から押下(低背)状態となる。
これらプッシュボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を受付け可能に構成されていればよい。プッシュボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(図2を参照)が設けられている。
操作レバー600のパチンコ機1内方側には、送風口が設けられていることで、操作レバー600を操作する遊技者の手に対し、演出に応じて送風するとともにバイブレータを動作させて振動させることにより臨場感を高めることができるようになっている。
ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠101に対して着脱可能に取り付けられている。
ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた遊技盤6が配置されている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄(演出図柄)を可変表示する複数の可変表示部を含む演出表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられているとともに、該演出表示装置(飾り図柄表示装置)9の上部位置には、遊技者を撮像するための2つのCCDカメラ60a,60bが設けられている。
演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。演出図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。
2つのCCDカメラ60a,60bは演出制御基板80に接続されており、該CCDカメラ60a,60bにて撮像した画像により、遊技者が所定の動作(ポーズ)をとっているか否かが判定される。
尚、本実施例では、離間して配置されたCCDカメラ60aとCCDカメラ60bとの画像差から、遊技者の前後方向の動作も把握できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらCCDカメラを1つのみ設けるようにしても良い。
また、遊技者の前後方向の動作を検出するために、遊技者との距離を精密に測定する方法としては、例えば、レーザー側長や超音波側長を利用することが考えられるが、これらレーザーを使用した場合には、レーザー光が遊技者の目に入射してしまう危険性が高く使用が困難であり、超音波側長を利用する場合には、隣接する他のパチンコ遊技機1からの超音波が干渉してしまって良好な側長ができないという問題があるが、本実施例のように、離間配置されたCCDカメラ60aとCCDカメラ60bとを使用することにより、これらの問題を解消して遊技者との距離を良好に測定することができる。
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13a(例えば、近接スイッチ)及び第1入賞確認スイッチ13b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)及び第2入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
また、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13bの検出結果及び第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、この例では、第1始動入賞口13への入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口14への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面には、後述する保留予告フラグがセットされているときにおいて第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部(図1参照)と第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部(図1参照)とが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23(例えば、近接スイッチ)及び第3入賞確認スイッチ23a(例えば、フォトセンサ)で検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13や第2始動入賞口14といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
なお、7セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a,29cに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出され、入賞口29b,29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
第1始動入賞口13内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b)が設けられている。この実施例では、第1始動入賞口13内で、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13bとが上下に配置されている(本例では、第1始動口スイッチ13aが上側に配置され、第1入賞確認スイッチ13bが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第1始動入賞口13内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第1始動口スイッチ13aで検出され、次いで第1入賞確認スイッチ13bで検出される。
また、第2始動入賞口14内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b)が設けられている。この実施例では、第2始動入賞口14内で、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14bとが上下に配置されている(本例では、第2始動口スイッチ14aが上側に配置され、第2入賞確認スイッチ14bが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第2始動入賞口14内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第2始動口スイッチ14aで検出され、次いで第2入賞確認スイッチ14bで検出される。
また、大入賞口内には、大入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23a)が設けられている。この実施例では、大入賞口内で、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとが配置されている(本例では、カウントスイッチ23が上側に配置され、第3入賞確認スイッチ23aが下側に配置されている)。従って、この実施例では、大入賞口内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まずカウントスイッチ23で検出され、次いで第3入賞確認スイッチ23aで検出される。
また、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとして、それぞれ異なる検出方式のスイッチが用いられる。この実施例では、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23として近接スイッチを用い、第1入賞確認スイッチ13b、第2入賞確認スイッチ14b、第3入賞確認スイッチ23aとしてフォトセンサを用いている。
また、第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第1特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第2特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第1カウントスイッチ23または第2カウントスイッチ24によって遊技球が検出されたことにもとづいて、賞球払出が実行される。また、第1始動口スイッチ13aによる検出結果に加えて第1入賞確認スイッチ13bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、第2始動口スイッチ14aによる検出結果に加えて第2入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、カウントスイッチ23による検出結果に加えて第3入賞確認スイッチ23aの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。従って、第1入賞確認スイッチ13b、第2入賞確認スイッチ14b、第3入賞確認スイッチ23aは、異常入賞の判定のみに用いられる。
このように、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23は近接スイッチを用いて構成し、第1〜第3入賞確認スイッチ14b,15b,23aはフォトセンサを用いているが、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aの検出方式はこの実施例で示したものにかぎらず、例えば、第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23と、第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aとで異なる検出方式であれば、逆に第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23としてフォトセンサを用い、第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aとして近接スイッチを用いてもよい。この場合、フォトセンサである第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23の検出結果にもとづいて特別図柄の変動表示や賞球払出処理が実行され、近接スイッチである第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aの検出結果は、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口の異常入賞の判定のみに用いられることになる。また、例えば、電磁式のスイッチである近接スイッチや光学式のフォトセンサに代えて、第1,2始動口スイッチ14a,15a及びカウントスイッチ23または第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aとして、機械式のスイッチ(マイクロスイッチなど)を用いてもよい。
また、この実施例では、特別図柄の変動表示や賞球払出処理の実行の契機となる第1,2始動口スイッチ14a,15aカウントスイッチ23は、異常入賞の判定に用いられる第1〜3入賞確認スイッチ14b,15b,23aよりも上流側に設けられていたが、異常入賞の判定に用いられるスイッチの下流側に設けてもよい。
そして遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、第1始動口スイッチ13a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第1入賞確認スイッチ13b(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第1始動口スイッチ13aにて検出された遊技球数と第1入賞確認スイッチ13bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、15以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、第1始動入賞口13への異常入賞が発生したと判定する。また、第2始動口スイッチ14a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第2入賞確認スイッチ14b(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第2始動口スイッチ14aにて検出された遊技球数と第2入賞確認スイッチ14bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、15以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定する。また、カウントスイッチ23(近接スイッチ)から入力した検出信号と第3入賞確認スイッチ23a(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、カウントスイッチ23にて検出された遊技球数と第3入賞確認スイッチ23aにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、5以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、大入賞口への異常入賞が発生したと判定する。
このように、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aと、を互いに異なる検出方式のセンサ(本例では、近接スイッチとフォトセンサ)により構成していることで、例えば電磁波などを用いて第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口への入賞数が実際の入賞数よりも多くなるように認識させるような不正行為が行われた場合に、近接スイッチにて検出された遊技球数とフォトスイッチにて検出された遊技球数とに差が生じ、遊技制御用マイクロコンピュータ1560はこの差球数が所定の閾値を超えた場合に異常入賞が発生したと判定するため、確実な不正行為対策を講ずることができる。
遊技領域7には、遊技状態に応じて発光する複数の装飾LED25a、25bを有する装飾部材25L,25Rが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ機1に設けられている装飾発光体の一例である。
図1では、図示を省略しているが、左枠LED28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、天ランプモジュール530の近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。なお、賞球LED51および球切れLED52は、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100によって点灯制御される。さらに、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる所定の小当り図柄(所定表示結果)であると「小当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
この実施例では、特図ゲームにおける確定特別図柄が「確変大当りA」または「通常大当りC」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、多ラウンド特定遊技状態としての第1大当り状態(15ラウンド大当り状態)に移行する。大当り遊技状態(15ラウンド大当り状態)では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が、第1期間となる所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出玉(賞球)が得られる。なお、15ラウンド大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「確変大当りB」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、多ラウンド特定遊技状態としての第2大当り状態(高速2ラウンド大当り状態)に移行する。第2大当り状態では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が、第1大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.5秒間)あるいは所定個数(例えば3個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。第2大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第2ラウンド数(例えば「2」)となる。
このような第2大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば15個の出玉(賞球)が得られるが、大入賞口の開放期間が第2期間(0.5秒間)であって、非常に短い。そのため、第2大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、第2大当り状態は第2特定遊技状態ともいう。また、第2大当り状態は、本実施例のように、第1大当り状態に比べてラウンドの実行回数が少ないものではなく、同一のラウンド数であって、大入賞口の開放期間が非常に短い(例えば0.1秒間)としたものであってもよい。すなわち、第2大当り状態は、各ラウンドで大入賞口を開放状態に変化させる期間が第1大当り状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が第1大当り状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであってもよい。
また、非確変大当りである「通常大当りC」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第1大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば70回等)の特図ゲーム(変動表示)が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。このように非確変大当りである「通常大当りC」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基に対応する大当り図柄特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
「確変大当りA」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第1大当り状態が終了した後や、確変状態において「確変大当りB」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき第2大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時短制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。
こうした「確変大当りA」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。また、「確変大当りB」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、突確大当り図柄と称される。また、大当り図柄のうち確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「確変大当り」と称される。突確大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「突確大当り」(「突確大当り」ともいう)と称される。なお、これら大当り図柄は任意であり、例えば、遊技者に大当り図柄であることや、大当り種別を認識されないようにするために、大当り図柄を数字とせずに予め定められた記号等にしてもよい。
「小当り」に対応する特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示された後には、小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、確変大当りB(第2大当り状態)と同様に特別可変入賞球装置20において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置20を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が、第2回数{第2ラウンド数に等しい実行回数(本例では2回)に達するまで繰り返し実行される。なお、小当り遊技状態では、第2大当り状態と同様に、特別可変入賞球装置20を第1状態とする期間が第2期間となることと、第1状態とする動作の実行回数が第2回数となることのうち、少なくともいずれか一方が行われるように制御されればよい。小当り遊技状態が終了した後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御されることになる。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口14を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合せられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口14は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施例における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態であり、高開放制御期間ではない確変状態である潜伏確変状態は高確低ベース状態とも称される遊技状態である。
また、この実施例では、通常状態において「確変大当りB」の終了後には、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない第2確変制御(潜伏確変状態;高確低ベース状態)へ移行する。また、確変状態において「突確大当り」となったことに基づく第2大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態)へ移行する。
このように確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるものの他に、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われないもの(潜伏確変)が含まれていてもよい。また、例えば、特図ゲームにける可変表示結果が「確変大当り」となったことに基づく第1大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態ともいう)に制御され、その後、特図表示結果が「大当り」となることなく、特図ゲームの実行回数が所定回数(例えば70回)に達したときには、確変制御は継続して行われるものの、時短制御や高開放制御が終了して行われなくなる第2確変状態(高確低ベース状態ともいう)に制御されるようにしてもよい。
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(変動表示)が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された飾り図柄が大当り組み合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組み合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
次に、パチンコ遊技機1の背面の構造について簡単に説明する。パチンコ遊技機1の背面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声制御基板70および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケースに収納されている。
さらに、パチンコ遊技機1背面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板やタッチセンサ基板(図示略)が設けられている。電源基板には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ1560のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、この実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。なお、この実施例では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチによって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板が設置されている。ターミナル基板には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。なお、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくてもよく、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしてもよい。
パチンコ遊技機1の背面上部の貯留タンクに貯留された遊技球は誘導レールを通り、カーブ樋を経て球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチが設けられている。球切れスイッチが球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチが遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ1560(遊技制御手段に相当)が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ1560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ1560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ1560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ1560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560には、乱数回路53が内蔵されている。乱数回路53は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、乱数回路53が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ1560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ1560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路53が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路53が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路53から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ100)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路52が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータ100にも、遊技制御用マイクロコンピュータ1560とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ1560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ1560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ1560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ1560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ1560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ1560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ1560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ1560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14a、第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23、第3入賞確認スイッチ23aおよび各入賞口スイッチ30a,30bや、演出装置500に設けられる昇降センサ90からの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、演出装置500の可動部800を昇降する昇降モータ533を基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ1560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100で構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ1560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
演出制御基板80は、演出制御用CPU120およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100や、指向性マイク61a〜61cにより集音された音声を入力するための音声入力用回路122や、指向性マイク61a〜61cから入力された音声信号やCCDカメラ60a,60bにて撮像した画像信号を処理して、所定の合言葉やポーズと一致するか等を判定する信号処理回路121を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
音声入力用回路122は、図48に示すように、パチンコ遊技機1の右側(向かって左側)に設けられている指向性マイク(右マイク)61aと、パチンコ遊技機1の左側(向かって右側)に設けられている指向性マイク(左マイク)61cとが接続され、これら指向性マイク(右マイク)61a並びに指向性マイク(左マイク)61cからパチンコ遊技機1の周囲の音声が入力され、該入力された各音声の波形を合成し、該合成した音声波形を反転して出力する波形合成反転回路125と、該波形合成反転回路125から出力された音声波形の音量レベル、つまり、パチンコ遊技機1の周囲音の音量レベルを検出する音量レベル検出回路126と、該音量レベル検出回路126を通過した波形合成反転回路125により合成反転された波形を有する周囲音の波形と、指向性マイク(中央マイク)61bから入力される音の波形とを合成する波形合成回路127と、該波形合成回路127で合成されることで強調される指向性マイク(中央マイク)61bからの入力音を増幅するアンプ等から成る音声増幅回路128と、該音声増幅回路128にて増幅された音声をデジタルデータにA/D変換するA/D変換回路129とが設けられている。
つまり、音声入力用回路122においては、指向性マイク(右マイク)61a並びに指向性マイク(左マイク)61cから入力されるパチンコ遊技機1の周囲音の音、すなわち、パチンコ遊技機1に隣接している他のパチンコ遊技機1や他の遊技者の声等の周囲音を合成するとともに波形反転させて、指向性マイク(中央マイク)61bからの入力音の波形と合成することで、指向性マイク(中央マイク)61bから遊技者の発声や遊技者が所持する携帯電話等からの出力音とともに入力される周囲音が減衰されることにより、遊技者の発声や遊技者が所持する携帯電話等からの出力音が相対的に強調されることになり、これら遊技者の発声や遊技者が所持する携帯電話等からの出力音を、周囲の音が大きくても良好に取り出すことができる。
また、音量レベル検出回路126は、検出した周囲音の音量レベルを演出制御用CPU120とともに音声増幅回路128に出力しており、音声増幅回路128は、該周囲音の音量レベルに基づいて波形合成回路127から出力される音声波形、つまり、周囲音が減衰された音声を増幅する。具体的には、周囲音の音量レベルが高ければ増幅を大きくし、周囲音の音量レベルが低ければ増幅を小さくする。
尚、本実施例では設けていないが、これら音声増幅回路128による増幅を、A/D変換回路129における量子化状況に応じて制御する増幅制御回路を設けるようにして、これら増幅によってA/D変換回路129における量子化レベルと、増幅された音声の音量レベルとが不一致となることによる不具合の発生を防止できるようにしても良い。
信号処理回路121は、A/D変換回路129にて変換された音声データや、CCDカメラ60a,60bから出力される画像データが、演出制御用CPU120からプッシュボタン516の操作期間において出力される格納指示信号に基づいて一時記憶されるワークメモリや、これらワークメモリに記憶されている音声データや画像データを高速で処理可能なデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等を有しており、これら音声データに基づいて、入力された音声の総音量を特定して出力する処理や入力された音声を文字列データに変換する音声認識を実施し、該音声認識にて変換した文字列が所定の合言葉に合致しているかを判定する処理や、画像データに基づいて、画像から遊技者を抽出して特定し、特定した遊技者のポーズ(動作)が所定の動作に合致しているかを判定する処理等を実施する。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU120は、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、演出制御用CPU120から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ1560側)に入り込まない。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段である演出制御用CPU120が、遊技盤6に設けられているステージLED(図示略)の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c並びに天ランプモジュール530内の各LEDの表示制御を行う。
遊技盤6側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板としての装飾基板98、ステージ装飾基板99が設けられている。盤側IC基板98,99は、中継基板88を介して演出制御基板80と接続される。また、前面枠101側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板としての天ランプモジュール基板542、左前板天基板473b、右前板天基板473c、操作台基板508、枠ボタン基板509が設けられている。これら各枠側IC基板542、473b、473c、508、509は、中継基板88,89を介して演出制御基板80と接続される。
操作台基板508には、操作レバー600に設けられたレバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513から出力される信号を検出し、信号入力に対応した所定の検知信号を出力するセンサ監視IC(図示略)と、該センサ監視ICによる検知信号が入力されるパラレル−シリアル変換IC(図示略)が搭載されており、操作レバー600の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
同様に、枠ボタン基板509には、プッシュボタン516の操作を検出するボタンスイッチ516からの出力信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板89を介して演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)に出力するパラレル−シリアル変換ICが実装されており、これらプッシュボタン516の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ1560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ1560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施例では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ1560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ1560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ1560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施例では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23、24の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施例では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである所定の図柄(小当りの種別に対応する所定記号)が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が後述する「確変大当りB」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(確変大当りB図柄と同じ図柄。例えば「355」等)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である所定の図柄(記号)が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施例では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−0〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−2(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2(ノーマルリーチC)、スペシャルPA3−1(ノーマルリーチD)、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−3の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が2回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スペシャルPA3−1を用いる場合にも、再変動が3回行われる。
また、図6に示すように、この実施例では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−4(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4(ノーマルリーチC)、スペシャルPA3−2(ノーマルリーチD)、スーパーPB3−4〜スーパーPB3−6、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1(ノーマルリーチA)〜特殊PG2−2(ノーマルリーチB)の変動パターンが用意されている。なお、図7において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、確変大当りBまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンであり、確変大当りBまたは小当りとなる場合には、ノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1や、ノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが決定される場合がある。また、図6に示すように、確変大当りBまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スペシャルPA3−2を用いる場合にも、再変動が3回行われる。また、確変大当りBまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3、特殊PG2−2の変動パターンについては、再変動が2回行われる。
なお、この実施例では、図6に示すように、変動パターンの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、非リーチ短縮なしの場合は6.75秒で固定であり、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が26.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
また、この実施例では、非リーチPA1−3が特殊PG1−2と、非リーチPA1−4が特殊PG1−3と同一の変動パターンを含むものとされており、はずれにおいても、確変大当りBや小当り時と同様の変動演出態様が実施される場合があるため、確変大当りBや小当りが発生したことを遊技者が認識し難くされている。
このように本実施例では、確変大当りBまたは小当りの当選時に選択される複数の変動パターン(特殊PG1−1〜3、2−1〜2)のうちの2つの変動パターン(特殊PG1−2,1−3)の演出態様および確変大当りB遊技状態/小当り遊技状態において実行される演出態様からなる一連の演出態様が、はずれの時に選択される複数の変動パターンのいずれか(非リーチPA1−3,4)の演出態様と同じとされているため、非リーチPA1−3,4または特殊PG1−2,3のいずれの変動パターンにもとづく演出態様であるかを特定することを困難とすることができる。言い換えると、非リーチPA1−3,4、特殊PG1−2,3にもとづく変動パターンは、確変大当りB、小当り、はずれのいずれの場合にも選択される変動パターンであるため、確変大当りBや小当りが発生した場合でも、確変大当りBや小当りが発生したことを遊技者に悟られ難くでき、その結果、確変大当りBや小当りのみを発生させる場合に比較して、確変大当りBが発生に伴って遊技状態が確変状態に移行していることを、より一層、遊技者に悟られ難くできるようになっている。
なお、この実施例では、非リーチPA1−3および特殊PG1−2、非リーチPA1−4および特殊PG1−3のみが変動演出態様が同じ変動パターンとされていたが、他の変動パターンにおいても、はずれ時と確変大当りBまたは小当り時とで同じ変動パターンを設定してもよい。
また、この実施例では、はずれ時において、確変大当りBまたは小当り時に選択される複数の変動パターンのうち、いずれかと同じ演出態様の変動パターンが選択されるようにしていたが、必ずしも同じ演出態様の変動パターンが選択されるようにしなくてもよい。すなわち、はずれ時において確変大当りBまたは小当り時に選択される変動パターンと同じ演出態様の変動パターンが選択されなくても、特殊PG1−1〜3、2−1〜2を、確変大当りBまたは小当り時に選択される変動パターンとしていることで、特殊PG1−1〜3、2−1〜2のいずれかの変動パターンが選択された場合、少なくとも遊技者が確変大当りBの発生を特定することは困難となるため、確変大当りBが発生してその後の遊技状態が確変状態に移行することを遊技者に悟られないようにすることができる。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する確変大当りA、確変大当りB、通常大当りC)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
(6)ランダム6(MR6):確変大当りBまたは小当りの種類(種別)を決定する(当り種別判定用)
なお、この実施例では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施例では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、各種ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施例では、確変大当りAである場合には、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチCおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、ノーマルリーチとスペシャルリーチおよびスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、確変大当りBである場合には、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合にも、確変大当りBである場合と同じく、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、「はずれ」である場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチCおよび再変動3回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチCおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、ノーマルリーチとスペシャルリーチおよびスーパーリーチC以外のスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7と、全てのスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−8とに種別分けされている。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、(1)の大当り種別判定用乱数、(4)の普通図柄当り判定用乱数および(6)の当り種別判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施例では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ1560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ1560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図8(a)は、大当り判定テーブル130aを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(a)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(a)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(a)に記載されている数値が大当り判定値である。
図8(b),(c)は、小当り判定テーブル130b,130cを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bと、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cとがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bには、図8(b)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cには、図8(c)に記載されている各数値が設定されている。また、図8(b),(c)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(a)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する確変大当りA、確変大当りB)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(b),(c)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(a)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(b),(c)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施例では、図8(b),(c)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合には70分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)130cを用いる場合には120分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施例では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
つまり、第1特別図柄表示器8aの変動表示が実行されるのは、遊技状態が通常状態または確変状態(高確低ベース状態)のときであり、確変大当りBにより遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行したことを遊技者に悟られないようにするために小当りの発生確率を高めているのに対し、第2特別図柄表示器8bの変動表示が実行されるのは、遊技状態が確変・時短状態(高確高ベース状態)のときであり、この場合は確変大当りBにより遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行したことを遊技者に悟られないようにする必要はないので、小当りの発生確率を抑えている。
また、本実施例では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの変動表示結果として小当り図柄が導出されるようになっているが、第2特別図柄表示器8bの変動表示結果として小当り図柄が導出されないようにしてもよい。
また、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合に小当りと決定される割合(1/70)は、確変大当りBに決定する割合(1/1596(低確時)、1/160(高確時))に比較して高く、小当りが確変大当りBよりも高頻度にて発生するようになっている。
図8(d)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)および遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)を用いて大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブルである。つまり、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示においても、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示においても、同一の大当り種別判定テーブル131aが使用されて、大当り種別が決定される。
大当り種別判定テーブル131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」、「通常大当りC」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、「確変大当りA」に対して5個の判定値が割り当てられ(40分の5の割合で確変大当りAと決定される)、「確変大当りB」に対して15個の判定値が割り当てられている(40分の15の割合で確変大当りBと決定される)、「通常大当りC」に対して20個の判定値が割り当てられている(40分の20の割合で通常大当りCと決定される)。従って、この実施例では、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、「確変大当りA」となる確率は「確変大当りB」となる確率よりも低いが、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りA」または「確変大当りB」または「確変大当りC」と決定される割合は同じである。なお、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りB」と決定される割合を異ならせてもよい。
また、この実施例では、図8(d)に示すように、第2特定遊技状態としての2ラウンドの確変大当りBと、この確変大当りBと比較して、ラウンド数を多くした第1特定遊技状態としての確変大当りAと、を決定する場合を説明するが、付与される遊技価値は、この実施例で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第2特定遊技状態と比較して、大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第2特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とでラウンド数が同じ5ラウンドであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第2特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第1特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を5回開放したときに(この場合、第2特定遊技状態の場合には5ラウンド全てを終了し、第1特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出(いわゆるランクアップボーナスの演出)を実行するようにしてもよい。そして、第2特定遊技状態の場合には内部的に5ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第1特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も5回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
「確変大当りA」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態(確変・時短状態、高確高ベース状態)に移行させる大当りである。尚、本実施例では、これら時短状態は始動回数70回で終了するとともに、確変状態は、始動回数78回で終了するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら時短状態と確変状態が大当り終了後、次の大当りが発生するまで継続するようにしても良い。
「確変大当りB」とは、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が「確変大当りA」に比べて短くかつラウンド数も少ない2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態にのみ移行させる大当りである。確変状態(高確状態)は、変動表示を78回終了するまで(始動回数が79回となるまで)継続する。ただし、大当り終了後に時短状態には移行せずに低ベース状態に移行される。従って、この実施例では、確変大当りBの終了後、変動表示を78回終了するまでは高確率状態のみとされ、高ベース状態には移行されない(高確低ベース状態)。
つまり、「確変大当りA」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長くラウンド数も15ラウンドと多いのに対して、「確変大当りB」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.5秒と短いとともに、ラウンド数も2ラウンドと少なく、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施例では、その確変大当りBの大当り遊技状態の終了後には確変状態に移行されるが高ベース状態には移行しない。
なお、この実施例では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回(2ラウンド)行われ、「確変大当りB」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の高速開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、例え遊技者が大入賞口の開放を確認できたとしても、「確変大当りB」または「小当り」のいずれにもとづく開放なのかを特定しにくく、しかもその後の遊技状態が確変状態または通常状態のいずれに移行したかを特定することもできなくなるため、遊技者にわからないように、確変大当りBを発生させ、かつ、該大当りの終了後に遊技状態を確変状態に移行させる、つまり確変状態を潜伏させることができる。また、逆に、低確状態において確変大当りBと同様の演出制御が実施される小当りを発生させることで、該小当りの終了後は遊技状態が確変状態に移行しないので、低確状態を潜伏させることができる。
「通常大当りC」とは、確変大当りAと同じく15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態とはならずに、変動表示を70回終了するまで(始動回数が70回となるまで)、時短状態のみの低確高ベース状態に移行させる大当りである。つまり、大当り終了後、変動表示が70回となるまで時短状態が継続する。
図9(a)は、大当りA・C用変動パターン種別判定テーブル132aを示す説明図である。大当りA・C用変動パターン種別判定テーブル132aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
大当りA・C用変動パターン種別判定テーブル132aには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が、大当りの種別毎に設定されている。
これら判定値の数としては、図9(a)に示すように、大当りの種別が「確変大当りA」である場合には、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2に比較してスーパーCA3−3の判定値の数が多くなるように設定されており、「確変大当りA」となる場合には、変動パターンとしてスーパーリーチ、プレミアムリーチ(スーパーリーチC)またはスペシャルリーチが多く決定されるように設定されている。
一方、大当りの種別が「通常大当りC」である場合には、スーパーCA3−3に比較してノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2の判定値の数が多くなるように設定されており、「通常大当りC」となる場合には、変動パターンとしてノーマルリーチが多く決定されるように設定されている。
また、図9(b)は、確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bを示す説明図である。確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bは、ランダムR並びにランダム1に基づく当り種別の判定において、確変大当りB及び小当りが決定されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、図9(b)に示すように、確変大当りBまたは小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2のうちいずれかが決定される場合が示されている。
また、確変大当りBでは、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、確変大当りBとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチBを含む特殊PG2−2等の擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
尚、これらノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがはずれとなる演出が実施された後、再変動が2回実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組合せ(チャンス目図柄)が表示される。
また、小当りについては、該小当りとすることに決定された時点の遊技状態が、高確状態であるか、低確状態であるか、つまり、確変フラグがセットされているか否かに応じて、判定値の割り当てが異なっている。
具体的には、高確時の小当りでは、確変大当りBと同様に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、高確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
一方、低確時の小当りでは、確変大当りBとは逆に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜201の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して202〜251の判定値が割り当てられており、低確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチAを含む特殊PG2−1等の滑りの演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
尚、これらノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがはずれとなる演出が実施された後、滑り変動が実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組合せ(チャンス目図柄)が表示される。
このように、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBの場合には、ノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定され、高確状態に移行しない小当りの場合には、ノーマルリーチAのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴わない滑りの変動パターンが多く決定されることで、ノーマルリーチBや擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に確変大当りBの遊技状態(小当りの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、発生したのが高確状態に移行する確変大当りBである可能性が高いのではとの期待感を与えることができるようになっている。
つまり、潜伏条件が成立する確変大当りBや小当りが発生するときにおいては、変動パターンとしてノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときよりも高確(確変)状態に移行しない小当りのときにおいて多く決定され、変動パターンとしてノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行しない小当りのときよりも高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときにおいて多く決定される。
尚、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBのときと、高確状態に移行しない小当りのときとで、決定される変動パターンの種別が異なるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態に移行する確変大当りBであるか高確状態に移行しない小当りであるかにかかわらずに、変動パターンを選択して決定するようにしても良い。
また、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるので、擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に小当りの遊技状態(確変大当りBの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、確変大当りBと同じく、その後の遊技状態が高確状態となっている可能性が高いのではとの期待感を与えることができる。
尚、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、ノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態における小当りの場合にも、低確状態における小当りと同様に、擬似連の演出を伴わない滑り変動パターン種別である特殊CA4−1が多く決定されるようにしても良い。
図10(a),(b)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Bを示す説明図である。はずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Bは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブルA,Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−8の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図10(a)〜(b)に示すように、この実施例では、はずれである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCのいずれか)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図10(a)示す通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルA135aにおいては、超短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や、短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)を含む非リーチCA2−3や、擬似連3回よりも変動時間が短い擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に対して判定値の割り当てがないのに対し、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルB135bでは、該非リーチCA2−3に対して100〜199の判定値が割り当てられているとともに、擬似連3回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−5に代えて擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に判定値が割り当てられていることにより、変動時間が短い非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)が決定されるようになるため、変動時間の平均時間が通常よりも短縮されることで、単位時間当たりに実施される変動回数が多くなる。
なお、図10に示す例では、遊技状態が時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルB135bを用いる場合を示しているが、時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、別々に用意されたはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、さらに、時短状態用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施例では、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブルA135aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブルB135bとの2種類のテーブルを用いた例を示しているが、この実施例で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施例では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。
なお、この実施例では、図10に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルやはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施例では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図10(b)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が時短状態や確変状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図11(a),(b)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137a〜137bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」や「小当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図11(a)に示す例では、変動パターン種別として、各種のノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチCおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図11(b)に示す例では、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図11(b)において、擬似連の演出の有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、リーチ演出の有無や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出となる擬似連の演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1、特殊PG1−2、特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出となる擬似連の演出を伴う特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成すれば良い。
図12は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
尚、この実施例のはずれ変動パターン判定テーブル138aでは、スーパーCA2−7には、スーパーリーチCに対応するスーパーPB3−3の変動パターンに対する判定値の割り当てが存在しないのに対し、スーパーCA2−8には、スーパーリーチCに対応するスーパーPB3−3の変動パターンに対する判定値の割り当てが存在する。
図13および図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ1560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13および図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、第1始動入賞口13への入賞時において、どの大当りとなるか或いは特定のリーチ状態であるプレミアムリーチ(スーパーリーチC)となるか否かの判定結果を指定(通知)する演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド1)である。尚、「XX」は、入賞時に判定される各種の判定結果に予め付与された数値(はずれがX1、確変大当りAがX2、確変大当りBがX3、通常大当りCがX4、小当りがX5、非リーチが0X、ノーマルリーチが1X、スーパーリーチが2X、プレミアリーチが3X等)である。
コマンド96XX(H)は、第2始動入賞口14への入賞時において、どの大当りとなるか或いは特定のリーチ状態であるプレミアムリーチ(スーパーリーチC)となるか否かの判定結果を指定(通知)する演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド2)である。尚、「XX」は、入賞時に判定される各種の判定結果に予め付与された数値(はずれがX1、確変大当りAがX2、確変大当りBがX3、通常大当りCがX4、小当りがX5、非リーチが0X、ノーマルリーチが1X、スーパーリーチが2X、プレミアリーチが3X等)である。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、大当り開始画面(ファンファーレ画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(確変大当りA開始指定コマンド:ファンファーレ1指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、大当り遊技の開始を指定するものであるが、大当り遊技であることを特定しにくい大当り開始画面(図示略)を表示することを指定する演出制御コマンド(確変大当りB開始指定コマンド:ファンファーレ2指定コマンド)である。コマンドA003(H)は、通常大当りCの開始を指定する演出制御コマンド(通常大当りC開始指定コマンド:ファンファーレ3指定コマンド)である。コマンドA004(H)は、小当り遊技の開始を指定するものであるが、小当り遊技であることを特定しにくい小当り開始画面(図示略)を表示することを指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド:ファンファーレ4指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、確変大当りBである場合および小当りである場合に共通の確変大当りB/小当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りAであったことを指定する演出制御コマンド(確変大当りB終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りBであったことを指定する演出制御コマンド(確変大当りB終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、大当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りCであったことを指定する演出制御コマンド(通常大当りC終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。コマンドA304(H)は、小当り終了画面(エンディング画面)を表示すること、すなわち小当り遊技の終了を指定するとともに、小当りであったことを指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド:エンディング4指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、確変大当りBである場合および小当りである場合に共通の確変大当りB/小当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するように構成してもよい。
なお、本実施例では、上記コマンドA002(H)にて指定する大当り開始画面とコマンドA004(H)にて指定する小当り開始画面とは同一の開始画面であり、また、コマンドA302(H)にて指定する大当り終了画面とコマンドA304(H)にて指定する小当り終了画面とは同一画面である。詳しくは、これら大当り/小当り開始画面および大当り/小当り終了画面は、前述した非リーチPA1−3,4の後半において表示される画面(図示略)と同じ態様の表示画面とされており、確変大当りBまたは小当りのいずれが発生したかの特定を困難とするとともに、確変大当りBが発生して遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行した可能性があることを示唆する画面とされている。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変(高確)状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、時短状態が終了したことを通知する演出制御コマンド(時短終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、時短状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短状態の残り回数を示す。
コマンドB2XX(H)は、確変状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで確変状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(確変回数指定コマンド)である。コマンドB2XX(H)における「XX」が、確変状態の残り回数を示す。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず(例えば、高確率状態や高ベース状態であるか否かや、大当り遊技中であるか否かにかかわらず)、始動入賞が発生して保留記憶が実施されるごとに入賞時判定の処理が実行され、必ず図13に示す図柄指定コマンドが送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドにもとづいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやスーパーリーチとなるか否かを予告する後述する保留予告を実行する。なお、本実施例では、確変大当りBおよび小当りについての保留予告は実行しない、つまり確変大当りAについての保留予告のみを実行するようになっているので、確変大当りBおよび小当りの発生が保留予告により遊技者に把握され易くなってしまうことを回避できる。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU120)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ1560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13および図14に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施例では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取り込みを指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図13および図14に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用できるので、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ1560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図15および図16は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ1560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ1560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図17は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図17(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図17(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図17(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213A)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS214A)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図18(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図18(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図18(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図18(A)に示すように、保留特定領域には、合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図18(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215A)。なお、ステップS214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図18(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図18(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施例では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果並びに変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時判定処理を実行する(ステップS216A)。そして、CPU56は、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンド1を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御(入賞時判定結果指定コマンド1の送信セット)を行うとともに、入賞時判定結果指定コマンド1に次いで第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御(第1保留記憶数指定コマンドの送信セット)を行う(ステップS217A)。
次に、図17(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213B)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合計保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS214B)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図18(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215B)。なお、ステップS214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理におけるステップS216Aの入賞時判定処理と同様に入賞時判定処理を実行する(ステップS216B)。そして、CPU56は、入賞時判定処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンド2を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、入賞時判定結果指定コマンド2に次いで第2保留記憶数カウンタの値にもとづいて第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS217B)。
図19は、ステップS216A,S216Bの入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU56は、まず、ステップS215A,S215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(a)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施例では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別や小当りの種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、予め大当りとなるか否かとともにいずれの変動パターン種別となるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め大当りとなるか否かとともにいずれの変動パターン種別を特定(予測)し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、後述する合言葉予告演出において入力が成功することによって保留予告実行フラグがセットされているときに、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、これら保留記憶について大当りとなるかの予告(大当り保留予告)や、保留記憶についてプレミアムリーチとなるかの予告(プレミアムリーチ保留予告)を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のNo)、CPU56は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS215A,S215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(a)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS215A,S215Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(b),(c)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図17(A)に示す第1始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(ステップS216A参照)を実行する場合)には、図8(b)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bに設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図17(B)に示す第2始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(ステップS216B参照)を実行する場合)には、図8(c)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cに設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のNo)、CPU56は、その始動入賞に対応する変動表示が実施されるときの遊技状態を判定する処理を行う(ステップS224)。この実施例では、CPU56は、ステップS224において、その始動入賞に対応する変動表示が実施される時点において、時短フラグがセットされているか、合算保留記憶数が3であるかを判定する。
そして、CPU56は、ステップS224の判定結果に応じて、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを設定する(ステップS225)。具体的には、CPU56は、第1に、時短フラグがセットされているか否かを判定し、時短フラグがセットされていない場合には、合算保留記憶数が3以上であるか否かを判定する。そして、時短フラグがセットされているか、或いは、合算保留記憶数が3以上である場合には、図10(b)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルB(短縮用)135bを設定する。一方、時短フラグがセットされておらず、合算保留記憶数が3未満である場合には、図10(a)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルA(通常用)135aを設定する。なお、遊技状態に応じていずれのはずれ用変動パターン種別判定テーブル135a、135bを用いるかを区別するのではなく、遊技状態等に関係なく、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルA135aを選択して設定するようにしてもよい。また、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるのではなく、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムを組み込んでおき、閾値より大きいか否かを判定することにより、後述するステップS229で変動パターン種別を判定するようにしてもよい。例えば、この実施例では、図9(a)に示すように、スーパーリーチ大当りとなるスーパーCA3−3の変動パターン種別に対して80〜251の範囲に判定値が割り当てられているのであるから、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が閾値80以上であるか否かを判定し、80以上であればスーパーCA3−4の変動パターン種別となると判定してもよい。また、例えば、この実施例では、図10(a)、(b)に示すように、スーパーリーチはずれとなるスーパーCA2−7、スーパーCA2−8の変動パターン種別に対して少なくとも230〜251の共通の範囲に判定値が割り当てられているのであるから、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が閾値230以上であるか否かを判定し、230以上であればスーパーCA2−7、スーパーCA2−8の変動パターン種別となると判定してもよい。さらに、例えば、この実施例では、図10(a)、(b)に示すように、非リーチはずれとなる非リーチCA2−1の変動パターン種別に対して1〜79の共通の範囲に判定値が割り当てられているのであるから、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の値が閾値79以下であるか否かを判定し、79以下であれば非リーチCA2−1の変動パターン種別となると判定してもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のYes)、CPU56は、図9(b)に示す確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bを設定する(ステップS226)。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS215A,S215Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定し、該判定した大当り種別を一時記憶する(ステップS227)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図17(A)に示す第1始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(ステップS216A参照)を実行する場合)および第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図17(B)に示す第2始動口スイッチ通過処理で入賞時判定処理(ステップS216B参照)を実行する場合)において、図8(d)に示す大当り種別判定テーブル131を用いて大当り種別が「確変大当りA」または「確変大当りB」または「通常変大当りC」のいずれとなるかを判定する。そして、CPU56は、判定した大当り種別が「確変大当りB」であるか否かを判断する(ステップS227+)。判定した大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ステップS226に進んで、図9(b)に示す確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bを設定する一方、判定した大当り種別が「確変大当りB」でない場合、つまり、「確変大当りA」または「通常変大当りC」である場合には、図9(a)に示す大当りA・C用変動パターン種別判定テーブル132aを設定する(ステップS228)。
次いで、CPU56は、ステップS225,S226,S228で設定した変動パターン種別判定テーブルと、ステップS215A,S215Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別を判定する(ステップS229)。
そして、CPU56は、判定した判定結果を入賞時判定結果指定コマンド1、2に設定する処理を行う(ステップS230)。具体的には、判定結果がはずれとなるとの判定結果であるときにはMODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「X1(H)」を設定する処理を行う。また、判定結果が確変大当りAとなるとの判定結果であるときには「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「X2(H)」を設定する処理を行う。また、判定結果が確変大当りBとなるとの判定結果であるときには「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「X3(H)」を設定する処理を行う。また、判定結果が通常大当りCとなるとの判定結果であるときには「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「X4(H)」を設定する処理を行う。また、判定結果が小当りとなるとの判定結果であるときには「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「X5(H)」を設定する処理を行う。
また、CPU56は、判定した変動パターン種別が非リーチであるときには、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「0X(H)」を設定する処理を行う。判定した変動パターン種別がノーマルリーチであるときには、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「1X(H)」を設定する処理を行う。判定した変動パターン種別がスーパーリーチ(スーパーリーチC以外)であるときには、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「2X(H)」を設定する処理を行う。判定した変動パターン種別がプレミアムリーチであるスーパーリーチCであるときには、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「3X(H)」を設定する処理を行う。
つまり、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータの上位桁が変動パターン種別を示す値であり、EXTデータの上位桁がはずれまたは当り種別を示す値であり、これらが組み合わされることで、どの変動パターン種別が発生してどの遊技結果となるのかが特定できるようになっている。尚、入賞時判定結果指定コマンド2の場合には、MODEデータ「96(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドを送信する。
図20および図21は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図18(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定した後(ステップS54)、保留特定領域(図18(A)参照)に設定されている1番目のデータを削除して、2番目以降の各データの順序を1つづつ繰り上げてシフトして(2番目→1番目、3番目→2番目、4番目→3番目…)保留特定領域のデータを更新する(S55−)。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(ステップS57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(低確状態または通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなる(10倍)ように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(a)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(a)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(a)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りAまたは確変大当りBとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のNo)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(b),(c)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(b),(c)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(b)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(c)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットする(ステップS63)。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のNo)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「確変大当りA」または「確変大当りB」または「通常大当りC」)を大当りの種別に決定する。この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS215Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS215Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。
そして、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「確変大当りA」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「確変大当りB」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「通常大当りC」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別バッファの設定値から特定される大当り種別に応じて、種別毎に異なる大当り図柄となる所定の大当り記号を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り種別バッファの設定値から特定される小当り種別に応じて、種別毎に異なる所定の小当り記号を特別図柄の停止図柄に決定する。このように、大当り図柄を複数種類の大当り記号のうちから決定するとともに、小当り図柄を複数種類の小当り記号のうちから決定することで、遊技者に大当りであるか小当りであるかを特別図柄によって特定しにくくすることができる。
なお、本実施例では、遊技球の入賞時において実施される入賞時判定処理(ステップS216A,S216B)において大当りか否かの判定を行っているので、該判定結果を個々の入賞記憶毎に記憶しておき、特別図柄の変動表示の開始時においては、大当りか否かの判定を実施せずに、変動パターンの決定のみを行うようにしてもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図22は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認するとともに(ステップS91)、大当りフラグがセットされている場合には、更に、大当り種別バッファに記憶されているデータにより、大当りが確変大当りBであるか否かを判定する(ステップS91+)。
大当りが確変大当りBでない場合、つまり、確変大当りAまたは通常大当りCである場合には、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当りA・C用変動パターン種別判定テーブル132a(図9(a)参照)を選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
一方、大当りが確変大当りBである場合には、ステップS94に進んで、確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132b(図9(b)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
また、大当りフラグがセットされていない場合にCPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132b(図9(b)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合にCPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りAまたは確変大当りBとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(ステップS95のYes)、CPU56は、ステップS98に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のNo)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のNo)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブルA135a(図10(a)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS102に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のYes)または合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS96のYes)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブルB135b(図10(b)参照)を選択した後(ステップS98)、ステップS102に移行する。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137a、137b(図11参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138a(図12参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S101の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
図23は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りAであるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、確変大当りAであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が確変大当りAではないときには、ステップS113に進み、大当りの種別が通常当りCであるか否かを判定する。通常大当りCでない場合、すなわち確変大当りBであるときには、確変大当りBの種別に対応して表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114)。なお、確変大当りBであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であれば「確変大当りB」であると判定できる。
また、ステップS113において通常大当りCである場合には、通常大当りCの種別に対応して表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。なお、通常大当りCであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「04」であれば「通常大当りC」であると判定できる。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のNo)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、小当りの種別に対応して表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。なお、小当りの種別は、具体的には、特別図柄通常処理のステップS65で小当り種別バッファに設定されたデータが「05」であれば「小当り」であると判定できる。また、小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のNo)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS140に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS133a)、セットされている場合には、大当り遊技状態において遊技状態を一旦通常状態に移行させるが、後述する大当り終了処理において大当り遊技状態の終了後の遊技状態を決定する際に、大当り前の遊技状態が確変状態であったか否かを判断できるようにするために、大当り前の遊技状態が確変状態であったことを示す大当り前確変フラグをセットする(ステップS133b)。
次いで、確変フラグや時短フラグがあった場合にはそれらをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が確変大当りAである場合には確変大当りA開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りBである場合には確変大当りB開始指定コマンドを送信する。大当りの種別が通常大当りCである場合には通常大当りC開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が確変大当りA、確変大当りB、通常大当りCのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS136)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、15回或いは2回)および大当り種別に応じた開放時間をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
ステップS140では、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認し、確変フラグがセットされている場合には、確変状態における特別図柄の変動可能回数を示す確変回数カウンタの値を−1する(ステップS153)。そして、CPU56は、減算後の確変回数カウンタの値にもとづいて確変回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS154)。次いで、CPU56は、減算後の確変回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS155)、確変フラグをリセットするとともに、高確報知フラグがセットされている場合には該高確報知フラグをリセットする(ステップS156)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS157)。
ステップS155において減算後の確変回数カウンタの値が0になっていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。時短フラグがセットされている場合(すなわち、確変・時短状態に制御されている場合)には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値にもとづいて時短回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行った後(ステップS143)、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。
ステップS145にて時短フラグをリセットした場合、またはステップS140でNo,S141でNo,S144でNoの場合、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り開始指定コマンドを送信する(ステップS148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば15回)および小当りに対応した開放時間(確変大当りBと同じ開放時間)をセットする(ステップS150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS151)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS147でNo)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS195)。
図25は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合、つまり大当り終了表示タイマが動作中である場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットするともに(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、確変大当りAであった場合には確変大当りA終了指定コマンドを送信し、確変大当りBであった場合には小当り/確変大当りB終了指定コマンドを送信し、通常大当りCであった場合には通常大当りC終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。尚、確変大当りBであった場合において設定される大当り終了表示時間は、後述する小当り終了表示時間と同様の時間が設定される。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、大当りの種別が確変大当りBであるか否かを確認する(ステップS166A)。具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りBであれば、CPU56は、ステップS166Bに進んで、大当り前確変フラグがセットされているか否かを確認する。
大当り前確変フラグがセットされていなければ、ステップS170に進む一方、大当り前確変フラグがセットされていれば、ステップS167に進む。尚、ステップS166Aにおいて確変大当りBで無い場合もステップS167に進む。
ステップS167においてCPU56は、遊技状態を時短状態に移行させるために時短フラグをセットするとともに、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば70回)をセットし(ステップS168)、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行った後(ステップS169)、大当り種別が確変大当りCであるかを判定する。
大当り種別が確変大当りCである場合には、ステップS170〜ステップS173を経由しないことで、確変フラグをセットすることなく処理を終了する。一方、大当り種別が確変大当りCでない場合、つまり、大当り種別が確変大当りAまたは確変大当りBである場合には、CPU56は、遊技状態を確変状態に移行させるために確変フラグをセットするとともに(ステップS170)、確変回数をカウントするための確変回数カウンタに所定回数(例えば78回)をセットし(ステップS171)、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS172)。そして、ステップS173に移行する。
すなわち、通常状態(低確低ベース状態)において確変大当りBが発生した場合は、確変回数が更新(セット)され、確変状態(高確低ベース状態)または確変・時短状態(高確高ベース状態)において確変大当りBが発生した場合は、時短状態に移行することで高確状態であったことが遊技者に報知され、時短回数および確変回数が更新(セット)される。
また、発生した大当りが通常大当りCである場合には、通常大当りCの終了後の変更回数が所定回数である70回となるまで時短状態に移行することになり、確変状態とはならない。つまり、通常大当りCが発生する前において確変状態であっても、通常大当りCが発生することで確変状態が終了することになる。
なお、この実施例では、ステップS167でセットした時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、ステップS167でセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS173)。
図26は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS180)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS187に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットし(ステップS181)、小当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS185)。
そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS186)、処理を終了する。
ステップS187では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS188)。経過していなければ処理を終了する。
小当り終了表示時間を経過していれば(ステップS188のY)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS189)。
次に、演出制御手段である演出制御基板80の動作を説明する。図27は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU120)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702に移行する。
図28は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ1560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ1560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13および図14参照)であるのか解析する。
図29は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図29に示すように、この実施例では、予告演出決定用乱数SR1、予告演出種別決定用乱数SR2、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
予告演出決定用乱数SR1は、大当りとならない場合において予告演出を実施するか否かを決定する、つまり、大当りとならないのに予告演出を実施することを決定する(いわゆるがせ)ための乱数である。
予告演出種別決定用乱数SR2は、予告演出の種別(キャラクタ予告演出、操作予告演出、大声予告演出、合言葉予告演出、ジェスチャー予告演出)を決定するために用いられる乱数である。
ステージ(モード)種別決定用乱数SR3は、潜伏条件の成立となる確変大当りBまたは小当りとなったときに決定されるステージ(モード)を、変動表示が実施される毎に変更するか否か(変更なし、昇格、降格)を決定するために用いられる乱数である。
尚、これらSR1〜SR3の各乱数を生成するためのカウンタがRAMに形成されている。そして、各カウンタの数値は、図27に示す乱数更新処理(ステップS706)で更新される。すなわち、値が+1される。そして、カウンタのカウント値が乱数の上限値(図29に示された範囲における最大値)を越えると下限値(図290に示された範囲における最小値)に戻される。乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出すことを、乱数を抽出するという。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、図30に示す図柄変動制御パターンテーブル180を初めとする、操作予告演出の演出制御パターンを含む予告演出制御パターンテーブル(図示略)、大当り状態や小当り状態における演出制御パターンを含む各種演出制御パターンテーブル(図示略)等が記憶されている。図30に示す図柄変動制御パターンテーブル180には、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示動作等の演出動作の制御内容を示すデータが、変動パターンに応じて格納されている。各図柄変動制御パターンには、例えば、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、並びに音制御実行データ、音声入力等の入力の受付け開始や受付け終了のタイミング等を特定可能な入力受付け期間データ、終了コードといった演出図柄の可変表示に応じた各種の演出動作を制御するための複数の制御データ(プロセスデータ)が時系列的に設定されている。
また、各種演出制御パターンテーブルには、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間における、各種の演出制御の内容を示すデータが、ラウンド等に応じて格納されている。各演出制御パターンには、プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データといった各種の演出動作を制御するための複数の制御データが時系列的に設定されている。
尚、本実施例の確変大当りB遊技状態や小当り遊技状態の演出制御パターンテーブルは、同一の演出内容を含むことで、発生した遊技状態が確変大当りBであるのか小当り遊技状態であるのかを遊技者が識別困難となる状況が発生する場合があるとともに、これら確変大当りBや小当り遊技状態においては、該確変大当りや小当りの終了時においてステージ(モード)の種別を決定するための合言葉の受付けに使用される複数の合言葉のうち、いずれかの合言葉に該当する演出制御パターンが決定されて実行されるようになっており、このようにすることで、遊技者は入力が成功となる合言葉を把握しようとするので、これら確変大当りや小当りへの遊技者の注目を向上させることができる。
なお、図柄変動制御パターン、各種予告の予告演出制御パターン、各種演出制御パターン等、各々の制御データの集まりを、プロセステーブルという。
プロセスタイマ設定値は、演出制御用CPU120における演出制御用のプロセスタイマの格納値であるプロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、プロセスタイマ設定値に代えて、例えば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御実行データは、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示動作を指定するデータである。音制御実行データには、例えば演出図柄の可変表示中における演出図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、各スピーカ27からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音制御実行データは、各スピーカ27からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御実行データには、例えば装飾LED25や天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28cといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御実行データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御実行データ、ランプ制御実行データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用役物が備える可動部材における動作態様を示す可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
演出制御用CPU120は、これら演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、プロセスタイマ値がプロセスタイマ設定値のいずれかと合致したときには、そのプロセスタイマ設定値と対応付けられた演出制御実行データに含まれる表示制御実行データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させる制御を行う。また、音声制御実行データにより指定される態様で各スピーカ27から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御実行データにより指定される態様で装飾LED25や天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c等の発光体を点滅させる制御を行う。なお、プロセスタイマ設定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
また、予告演出制御パターンには、各種の予告演出を実施する際に、各予告演出が開始されてから予告演出が終了するまでの期間における、演出表示動作や操作ボタンの有効・無効の制御動作や入力される音声や画像の処理動作等の演出動作の制御内容を示すデータ(予告演出制御パターン)が格納されている。予告演出制御パターンには、図柄変動制御パターンと同じく、予告プロセスタイマ設定値、表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データといった予告演出の演出動作を制御するための複数の制御データ(予告プロセスデータ)とともに、遊技者からの操作を受付けるためにプッシュボタン516や操作レバー600の操作を受付ける期間等のデータやこれら操作を受付けるための制御データや、音声や画像の入力を可能とする入力受付け期間に関する入力受付け期間データが時系列的に設定されている。
尚、これら操作予告演出制御パターンは、変動開示後に各予告演出を開始するまでの予告演出開始待ち時間を特定可能とされており、これら特定される予告演出開始待ち時間に基づいて、後述する予告演出開始待ちタイマがセットされるようになっている(ステップS825参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMには、図39に示す、第1保留記憶表示部並びに第2保留記憶表示部の表示を行うための第1保留表示バッファと第2保留表示バッファや、時短回数をカウントするための時短回数カウンタ、確変回数をカウントするための確変回数カウンタ等の各種カウンタが設けられている。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるROMには、図31〜図33に示す、予告演出の種別を決定するための予告演出決定用テーブルA、Bや、確変大当りBの終了時においてモード(ステージ)を決定する際に使用される図32(a)に示すモード種別決定用テーブルA182aや、小当りの終了時においてモード(ステージ)を決定する際に使用される図32(b)に示すモード種別決定用テーブルB182bや、通常状態において確変大当りBが発生してから始動回数が所定回数(本実施例では70回)となるまでの期間において変動表示の終了時においてモード(ステージ)の変化を決定する際に使用される図33(a)に示すモード変化決定用テーブルA183aや、通常状態において小当りが発生してから始動回数が所定回数(本実施例では70回)となるまでの期間において変動表示の終了時においてモード(ステージ)の変化を決定する際に使用される図33(b)に示すモード変化決定用テーブルB183bや、通常状態において発生した確変大当りBの終了時に合言葉の入力の実施があった場合において、該確変大当りBが発生してからの始動回数が所定回数(本実施例では70回)に達してから高確状態が終了する78回となるまでの期間において変動表示の終了時においてモード(ステージ)の変化を決定する際に使用される図33(c)に示すモード変化決定用テーブルC183cや、通常状態において発生した確変大当りBの終了時に合言葉の入力の実施がなかった場合において、該確変大当りBが発生してからの始動回数が所定回数(本実施例では70回)に達してから高確状態が終了する78回となるまでの期間において変動表示の終了時においてモード(ステージ)の変化を決定する際に使用される図33(d)に示すモード変化決定用テーブルD183dが記憶されている。
予告演出決定用テーブルA、Bには、図31に示すように、予告演出種別決定用乱数SR2と比較される判定値が、演出種別決定用乱数SR2の乱数値範囲である1〜60の内、図31(a)、(b)に示す判定値数となるように、キャラクタのアニメーションが演出表示装置9に表示されるキャラクタ予告演出、遊技者がプッシュボタン516を操作することに応じて予告対象が変化する予告である操作予告、遊技者がプッシュボタン516を操作して入力した声の総音量レベルに基づいて判断される入力の成否に応じた予告がなされる大声予告や、当該パチンコ遊技機1のメーカーサイトにおいて示されている当該機種に特定の合言葉に基づいて判断される入力の成否に応じた予告がなされる合言葉予告や、前回の確変大当りAや通常大当りC中において表示されているジェスチャー(ポーズ)基づいて判断される入力の成否に応じた予告がなされるジェスチャー予告のそれぞれに対応して、演出表示装置9の表示結果が、最終的に大当りとなる場合とはずれとなる場合とで個別に設定されている。尚、本実施例では、音声や画像の入力を伴わないキャラクタ予告演出と操作予告を非入力系予告、音声や画像の入力を伴う大声予告や合言葉予告やジェスチャー予告を入力系予告として区別して呼称する場合がある。
尚、この実施例では、後述する入力制限フラグがセットされていない通常の場合には、図31(a)に示す予告演出決定用テーブルA181aが使用され、入力制限フラグがセットされている場合には、図31(b)に示す予告演出決定用テーブルA181bが使用される。この、予告演出決定用テーブルA181bにおいては、図31(b)に示すように、入力系予告に対しては演出種別決定用乱数SR2の判定値数の割当がいずれも「0」とされていることで、これら入力制限フラグがセットされている状態においては入力系予告が決定されないようになっている。
つまり、後述するように、いずれかの入力系予告が実施された際に、プッシュボタン516の操作がない場合、すなわち、遊技者が声を入力するための発声や画像の入力するためのポーズ等の動作をしたくない場合には、所定の変動回数の期間において入力制限フラグが有効にセットされることで、入力系予告が決定されないようになる。尚、これら入力制限フラグは、所定の変動回数が経過する場合のみではなく、遊技機が非稼働となることにより主基板31から送信されてくる客待ちデモ指定コマンドの受信に応じてもクリアされることで、遊技者が変わった場合には入力の制限が解除されて、入力系予告が決定されるようになる。
尚、この実施例では、図31(a)に示すように、非入力系予告であるキャラクタ予告や操作予告については、予告演出種別決定用乱数SR2と比較される判定値数が、可変表示の表示結果が最終的にはずれとなるはずれ時(20)>当り時(5)とされていることで、はずれとなる場合に発生し易いのに対し、入力系予告である大声予告や合言葉予告やジェスチャー予告については、予告演出種別決定用乱数SR2と比較される判定値数が、可変表示の表示結果が最終的にはずれとなるはずれ時(5)>当り時(15)とされていることで、当りとなる場合に発生し易くなっており、これら入力系予告が発生した場合には、最終的に当りとなる可能性が、非入力系予告が発生した場合に比較して高いものとなるので、最終的に当りとなる遊技者の期待感を高めることができる。
モード種別決定用テーブルA182aやモード種別決定用テーブルB182bには、図32に示すように、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3と比較される判定値が、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3の乱数値範囲である1〜100の内、図33(a)、(b)に示す判定値数となるように、明るい昼状態の背景(昼ステージ)が演出表示装置9における背景画像として表示されるモードである昼モードと、暗い夜状態の背景(夜ステージ)が演出表示装置9における背景画像として表示されるモードである夜モードのそれぞれに対応して、音声や画像による入力の成功時、入力の不成功時、入力なし(操作なし)時の種別毎に個別に設定されている。なお、図32における各数値は、判定値の数を示している。
モード種別決定用テーブルA182aは、確変大当りBである場合に使用されて確変大当りBの遊技状態終了後のモードが昼モード、夜モードのいずれかに決定される一方、モード種別決定用テーブルB182bは、小当りである場合に使用されて小当りの遊技状態終了後のモードが昼モード、夜モードのいずれかに決定される。
この実施例のモード種別決定用テーブルA182aは、図32(a)に示すように、入力成功時には大当りの期待度が大きい高期待モードである夜モードに決定され易く、入力不成功時には大当りの期待度が小さい低高期待モードである昼モードに決定され易く、入力なし時には、ほぼ確実に低高期待モードである昼モードに決定されるように設定されている。つまり、確変状態となる確変大当りBが発生した場合において入力が成功した場合には、遊技者にとって有利な高確状態であることに対応した夜モードに非常に決定され易くなることで、高確状態であることを遊技者が認識し易くなる一方、入力が成功した場合や遊技者が入力を行わなかった場合には、遊技者にとって不利な低確状態であることに対応した昼モードに非常に決定され易くなることで、実際には高確状態であることを遊技者が把握しずらくなる。
また、小当りが発生したときに使用されるモード種別決定用テーブルB182bは、図32(b)に示すように、入力成功時には夜モードに昼モードと同じ割合で決定されるので、これら夜モードに決定されることにより、実際には高確状態ではなくても、遊技者に対し、「高確状態かもしれない」との期待感を持たせることができるようになるので、遊技機の興趣を向上させることができる。尚、入力成功時、入力不成功時並びに入力なし時における夜モードの決定割合は、確変大当りBが発生した時よりもいずれも低くされており、夜モードに移行した場合の方が確変大当りBの発生による高確状態である可能性が高いことになり、夜モードが昼モードに比較して遊技者にとって有利な高確状態である期待度が高いモードである。
尚、この実施例では、小当りの場合には、遊技状態にかかわらずモード種別決定用テーブルB182bを使用する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変フラグがセットされている高確(確変)状態においては、モード種別決定用テーブルB182bに代えてモード種別決定用テーブルA182aを使用するようにしたり、或いは、モード種別決定用テーブルB182bよりも夜モードが決定され易いものとされたモード種別決定用テーブルB182b’を使用するようにして、高確(確変)状態において小当りが発生した場合に、モード(ステージ)が急に昼モードに転落してしまう事態が発生し難いようにすることで、これらモード(ステージ)の急激な変化による違和感を遊技者に与えないようにしても良い。
また、本実施例では、入力制限フラグがセットされている場合には、これらモード種別決定用テーブルA182aやモード種別決定用テーブルB182bに代えて、入力の成否に係わらずにモードの種別を決定するための図示しないモード種別決定用テーブルCが使用されることにより、確変大当りBや小当り後のモードが決定される。
また、モード変化決定用テーブルA〜Dには、図33に示すように、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3と比較される判定値が、「変化なし」、「転落」、「昇格」のそれぞれに対応して個別に設定されている。なお、図33における各数値も、図32と同様に判定値の数を示している。尚、各モードの格付けとしては、確変大当りBである場合において移行する割合が、前述したように、夜モード>昼モードであることを踏まえ、夜モードの格付けが高く、「昇格」の場合には、夜モードに移行し、「転落」の合には、昼モードに移行し、夜モードでの「昇格」や、昼モードでの「転落」は無く、この場合には、夜モードまたは昼モードが維持(継続)される。
図33(a)に示すモード変化決定用テーブルA183aは、通常状態において確変大当りBの発生後に、始動回数が所定回数である70回となるまでの期間において演出表示装置9における可変表示(変動表示)の終了時においてモード(ステージ)の変化の態様を決定する際に使用されるテーブルであり、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3の数値範囲である1〜100の判定値の内、60個の判定値数が「変化なし」に割り当てられ、10個の判定値数が「転落」に割り当てられ、30個の判定値数が「昇格」に割り当てられている。
つまり、確変大当りBの発生後に70回となるまでの期間においては、「変化なし」或いは「昇格」が「転落」よりも決定され易いので、確変大当りBの発生時において入力が成功した場合には、該入力の成功に応じて多く決定される夜モードが、始動回数が70回となるまでの期間においては維持され易くなるとともに、入力失敗時や入力なし時においても昼モードから夜モードに移行する可能性がある。但し、夜モードに移行しない場合や夜モードに移行しても昼モードに転落してしまう可能性もある。
図33(b)に示すモード変化決定用テーブルB183bは、通常状態において小当りの発生後に、始動回数が所定回数である70回となるまでの期間において演出表示装置9における可変表示(変動表示)の終了時においてモード(ステージ)の変化の態様を決定する際に使用されるテーブルであり、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3の数値範囲である1〜100の判定値の内、50個の判定値数が「変化なし」に割り当てられ、35個の判定値数が「転落」に割り当てられ、15個の判定値数が「昇格」に割り当てられている。
よって、小当りが発生した場合には、夜モードに移行しても昼モードに転落し易いとともに夜モードに昇格し難いとともに、希に昼モードから夜モードに移行しても、再度、昼モードに転落し易く、昼モードである可能性が高くなる。
図33(c)に示すモード変化決定用テーブルC183cは、通常状態において発生した確変大当りBの終了時に合言葉の入力の実施があった場合において、該確変大当りの発生後に、始動回数が所定回数である70回に達してから高確状態が終了する78回となるまでの期間において演出表示装置9における可変表示(変動表示)の終了時においてモード(ステージ)の変化の態様を決定する際に使用されるテーブルであり、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3の数値範囲である1〜100の判定値の内、50個の判定値数が「変化なし」に割り当てられ、1個の判定値数が「転落」に割り当てられ、49個の判定値数が「昇格」に割り当てられている。
つまり、高確状態が終了する直前の始動回数が71回から78回までの期間においては、入力の成否に係わらず、合言葉の入力があった場合には、該期間内にほぼ確実に夜モードとなることで高確状態であることが遊技者に示唆されるようになる。
図33(d)に示すモード変化決定用テーブルD183dは、通常状態において発生した確変大当りBの終了時に合言葉の入力の実施が無かった場合において、該確変大当りの発生後に、始動回数が所定回数である70回に達してから高確状態が終了する78回となるまでの期間において演出表示装置9における可変表示(変動表示)の終了時においてモード(ステージ)の変化の態様を決定する際に使用されるテーブルであり、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3の数値範囲である1〜100の判定値の内、50個の判定値数が「変化なし」に割り当てられ、49個の判定値数が「転落」に割り当てられ、1個の判定値数が「昇格」に割り当てられている。
つまり、確変大当りBの終了時に合言葉の入力をしなかった場合には、高確状態が終了する直前の始動回数が71回から78回までの期間においては、ほぼ確実に昼モードとなることで、高確状態であることの示唆が実施されないようになっている。
尚、この実施例では、モード変化決定用テーブルA〜Dを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、モード変化決定用テーブルCに代えて、始動回数が71回から78回までの期間においては、モード変化決定用テーブルAの昇格比率を倍等に高めて使用するようにしたり、モード変化決定用テーブルDに代えて、始動回数が71回から78回までの期間においては、モード変化決定用テーブルBの転落比率を倍等に高めて使用するようにしても良い。
図34〜図37は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)単位にて読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU120は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU120は、その表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU120は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが確変大当りA開始指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU120は、確変状態フラグがセットされているか否かを確認し、確変状態フラグがセットされていれば、確変大当りA開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが確変大当りB開始指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU120は、確変大当りB開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドであれば(ステップS625)、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS629)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS630)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU120は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが通常大当りC開始指定コマンドであれば(ステップS635)、演出制御用CPU120は、通常大当りC開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS637)。
受信した演出制御コマンドが時短終了指定コマンドであれば(ステップS638)、演出制御用CPU120は、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS639)。
受信した演出制御コマンドが確変大当りA終了指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU120は、確変大当りA終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが確変大当りB終了指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU120は、確変大当りB終了指定コマンドをセットする(ステップS644)。そして、受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU120は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが通常大当りC終了指定コマンドであれば(ステップS647)、演出制御用CPU120は、通常大当りC終了指定コマンドをセットする(ステップS648)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU120は、その第1保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第1保留記憶数保存領域に格納する(ステップS652)。また、演出制御用CPU120は、受信した第1保留記憶数指定コマンドで示される第1保留記憶数(具体的には、EXTデータの値)に従って、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する第1保留記憶数表示更新処理を実施する(ステップS653)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS654)、演出制御用CPU120は、その第2保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第2保留記憶数保存領域に格納する(ステップS655)。また、演出制御用CPU120は、受信した第2保留記憶数指定コマンドで示される第2保留記憶数(具体的には、EXTデータの値)に従って、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する第2保留記憶数表示更新処理を実施する(ステップS656)。
受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU120は、セットされていれば、遊技状態が確変状態であることを示す確変状態フラグをリセットする(ステップS658)。また、受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドであれば(ステップS659)、演出制御用CPU120は、時短状態フラグをセットする(ステップS660)。また、受信した演出制御コマンドが確変状態指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU120は、確変状態フラグをセットする(ステップS662)。
受信した演出制御コマンドが時短回数指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU120は、その時短回数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を時短回数保存領域に格納する(ステップS664)。すなわち、演出制御用CPU120は、時短回数指定コマンドで示される時短状態の残り回数を保存する。
受信した演出制御コマンドが確変回数指定コマンドであれば(ステップS665)、演出制御用CPU101は、その確変回数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を確変回数保存領域に格納する(ステップS666)。すなわち、演出制御用CPU101は、確変回数指定コマンドで示される確変状態の残り回数を保存する。
受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果指定コマンド1であれば(ステップS670でY)、演出制御用CPU120は、その入賞時判定結果指定コマンド1の2バイト目のデータ(EXTデータ)が「X2」(Xは任意の値を示す)であるかを判定し(ステップS671)、「X2」である場合には入賞時判定結果1フラグをセットする(ステップS672)。また、入賞時判定結果指定コマンド1の2バイト目のデータ(EXTデータ)が「X3」(Xは任意の値を示す)である場合には(ステップS673でY)、入賞時判定結果2フラグをセットする(ステップS674)。入賞時判定結果指定コマンド1の2バイト目のデータ(EXTデータ)が「X4」(Xは任意の値を示す)である場合には(ステップS675でY)、入賞時判定結果3フラグをセットする(ステップS676)。入賞時判定結果指定コマンド1の2バイト目のデータ(EXTデータ)が「3X」(Xは任意の値を示す)である場合には(ステップS677でY)、入賞時判定結果4フラグをセットする(ステップS678)。
受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果指定コマンド2であれば(ステップS680でY)、演出制御用CPU120は、その入賞時判定結果指定コマンド2の2バイト目のデータ(EXTデータ)が「X2」(Xは任意の値を示す)であるかを判定し(ステップS681)、「X2」である場合には入賞時判定結果5フラグをセットする(ステップS682)。また、入賞時判定結果指定コマンド2の2バイト目のデータ(EXTデータ)が「X3」(Xは任意の値を示す)である場合には(ステップS683でY)、入賞時判定結果6フラグをセットする(ステップS684)。入賞時判定結果指定コマンド2の2バイト目のデータ(EXTデータ)が「X4」(Xは任意の値を示す)である場合には(ステップS685でY)、入賞時判定結果7フラグをセットする(ステップS686)。入賞時判定結果指定コマンド2の2バイト目のデータ(EXTデータ)が「3X」(Xは任意の値を示す)である場合には(ステップS687でY)、入賞時判定結果8フラグをセットする(ステップS688)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS689)。そして、ステップS611に移行する。
ここで、ステップS653およびステップS656で実施される第1保留記憶数表示更新処理および第2保留記憶数表示更新処理について以下に説明する。なお、処理の内容は、図38に示すように、第1保留記憶と第2保留記憶で同様であるので、第2についての内容を括弧書きにて記載することで省略する。
なお、この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMには、図39に示す、第1保留記憶表示部並びに第2保留記憶表示部の表示を行うための第1保留表示バッファと第2保留表示バッファとが設けられている。図39に示すように、第1保留表示バッファと第2保留表示バッファには、各第1(第2)保留記憶数の順位(表示の向かって左が上位に対応し、表示の向かって右が下位に対応する)に対応した保存領域が確保されており、入賞(保留記憶)の有無や各保留記憶にてどの種別の大当りやプレミアムリーチが発生するかを特定可能な数値データが格納できるように構成されている。
第1(第2)保留記憶数表示更新処理において演出制御用CPU120は、まず、受信した第1(第2)保留記憶数指定コマンドで示される第1(第2)保留記憶数が増加であるか否かを判定する(ステップS901)。
ステップS901において保留記憶数が増加である場合、確変大当りAの発生を示す入賞時判定結果1(5)フラグがセットされているか否か、つまり、新たに追加された保留記に対応する演出図柄変動によって確変大当りAが発生するか否かを判定する(ステップS902)。
入賞時判定結果1(5)フラグがセットされている場合にはステップS909に進み、第1(第2)保留表示バッファの最下位(入賞なしを示す「0」が記憶されている順位の内の最も上位の順位)のデータとして、確変大当りAが発生することを示す予告対象データ「2」を格納した後、ステップS910に進む。
入賞時判定結果1(5)フラグがセットされていない場合には、更に、確変大当りBの発生を示す入賞時判定結果2(6)フラグがセットされているか否か、つまり、新たに追加された保留記に対応する演出図柄変動によって確変大当りBが発生するか否かを判定する(ステップS903)。
入賞時判定結果2(6)フラグがセットされている場合にはステップS908に進み、第1(第2)保留表示バッファの最下位(入賞なしを示す「0」が記憶されている順位の内の最も上位の順位)のデータとして、確変大当りBが発生することを示す予告対象データ「3」を格納した後、ステップS910に進む。
入賞時判定結果2(6)フラグがセットされていない場合には、更に、通常大当りCの発生を示す入賞時判定結果3(7)フラグがセットされているか否か、つまり、新たに追加された保留記に対応する演出図柄変動によって通常大当りCが発生するか否かを判定する(ステップS904)。
入賞時判定結果3(7)フラグがセットされている場合にはステップS907に進み、第1(第2)保留表示バッファの最下位(入賞なしを示す「0」が記憶されている順位の内の最も上位の順位)のデータとして、通常大当りCが発生することを示す予告対象データ「4」を格納した後、ステップS910に進む。
入賞時判定結果3(7)フラグがセットされていない場合には、更に、プレミアムリーチの発生を示す入賞時判定結果4(8)フラグがセットされているか否か、つまり、新たに追加された保留記に対応する演出図柄変動においてプレミアムリーチ(スーパーリーチC)が発生するか否かを判定する(ステップS905)。
入賞時判定結果4(8)フラグがセットされている場合にはステップS906に進み、第1(第2)保留表示バッファの最下位(入賞なしを示す「0」が記憶されている順位の内の最も上位の順位)のデータとして、プレミアムリーチが発生することを示す予告対象データ「5」を格納した後、ステップS910に進む。
一方、ステップS905において入賞時判定結果4(8)フラグがセットされていない場合、つまり、いずれの入賞時判定結果フラグもセットされていない場合には(ステップS905でNo)、ステップS913に進み、第1(第2)保留表示バッファの最下位(入賞なしを示す「0」が記憶されている順位の内の最も上位の順位)のデータとして入賞したことを示す入賞データ「1」を格納した後、ステップS911に進む。
ステップS910では、セットされている全ての入賞時判定結果フラグをクリアする。そして、更新後の第1(第2)保留表示バッファに基づいて、第1(第2)保留記憶表示部の表示を更新する保留記憶表示更新処理を実施する(ステップS911)。
この保留記憶表示更新処理においては、まず、保留予告実行フラグがセットされているか否かを判定し、保留予告実行フラグがセットされていない場合には、第1(第2)保留表示バッファに入賞なしを示す「0」が格納されている順位については、保留有りを示す「●」の表示を行わない一方、「0」以外のデータが格納されている順位に対応する保留表示については、保留有りを示す「●」の表示を行うことで、図38に示すように、演出表示装置9の表示画面の所定位置(本実施例では画面の下方位置)に表示される。
一方、保留予告実行フラグがセットされている場合には、第1(第2)保留表示バッファに入賞なしを示す「0」が格納されている順位については、保留有りを示す「●」の表示を行わない一方、入賞ありを示す「1」が格納されている順位については、保留有りを示す「●」の表示を行う。
更に、第1(第2)保留表示バッファに確変大当りAに対応する予告対象データ「2」や通常大当りBに対応する予告対象データ「4」が格納されている順位については、第1表示態様(例えば「★」)の表示を行い、プレミアリーチに対応する予告対象データ「5」が格納されている順位については、第2表示態様(例えば「◇」)の表示を行うことで、遊技者に大当りとなる可能性やプレミアリーチが出現する可能性があることを遊技者に報知する。尚、これら第1表示態様や第2表示態様の表示は、該当する予告対象データであっても抽選により実施しない場合や、該当する予告対象データでなくても抽選等により表示する(いわゆるがせ)を行うようにしても良い。
また、第1(第2)保留記憶数が増加でない場合(ステップS901でNo)、つまり、第1(第2)保留記憶数が減少した場合にはステップS912に進み、第1(第2)保留表示バッファにおける最上位(1位)の保存領域のデータをクリアするとともに、各保存領域の内容を1つ上位の順位にシフトして更新する。つまり、第1(第2)保留表示バッファにおいて順位1のデータを削除するとともに、順位2,3,4に対応する保存領域に格納されているデータを、順位1,2,3に対応する保存領域に格納し、順位4には、入賞なしを示す「0」を格納した後、ステップS911に進んで保留表示が更新される。
このように本実施例では、保留予告の対象は、確変大当りAや通常大当りCやプレミアリーチでであり、確変大当りBまたは小当りは保留予告の対象データとされていない。すなわち、確変大当りBまたは小当りの場合は保留予告が実行されることがないので、確変大当りBとなる保留予告の実行により確変(高確)状態に制御される可能性があることを遊技者が予測しやすくなってしまうことを回避できる。
図40は、図27に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ1560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当り或いは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中或いは小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
当り終了演出処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
なお、本実施例では、小当りが発生した場合においては、ステップS804〜806において、確変大当りBが発生した場合と同様の演出処理を実施することで、発生したのが、確変状態に移行する確変大当りBであるのか、確変状態に移行しない小当りが発生したのかを遊技者が判別できないようになっている。
図41は、図40に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄(飾り図柄)の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する表示結果2指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が奇数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。受信した表示結果指定コマンドが通常大当りCに該当する表示結果4指定コマンドである場合においては、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りB或いは小当りに該当する表示結果3〜8指定コマンドである場合においては、停止図柄として、予めチャンス目として設定されている図柄の複数の組合せ(例えば「135」、「334」、「787」…などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが、はずれに該当する表示結果1指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。尚、演出図柄の組合の中には、はずれ図柄並びにチャンス目の双方に含まれるものが存在し、小当りの場合とはずれの場合とで同一の停止図柄となる場合が存在する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。よって、確変大当りBと小当りにおいては、同一の停止図柄が決定される場合があり得る。
次に、演出表示装置9における背景画像を更新する背景画像更新処理を実施する(ステップS822+)。この実施例の背景画像更新処理においては、確変大当りBや小当りの発生時において後述するように決定されるステージ(モード)の種別や、各可変(変動)表示の終了時におけるモード移行処理にて決定されたステージ(モード)の種別(夜、昼)のステージ(モード)の背景画像に更新される。
次いで、演出制御用CPU101は、予告選択処理を実施して、当該図柄変動について予告演出を実施するか否かや、どの種類の予告演出を実施するのかを決定する(S823)。
具体的に、本実施例の予告選択処理において演出制御用CPU101は、まず、ステップS821にて読み出した変動パターンコマンドが、当りとなる変動パターンコマンドであるか否か、つまり、最終的に当りとなるか否かを特定する。
そして、当りとなる場合には予告演出実行フラグをセットする一方、当りとならない場合、すなわちはずれである場合には、予告演出決定用乱数SR1を抽出する。
次に、該抽出した予告演出決定用乱数SR1の値が偶数であるか否かを判定し、偶数である場合には、予告演出実行フラグをセットする一方、奇数である場合には、当該予告選択処理を終了する。
つまり、本実施例では、最終的に当りとなる場合には全て、予告演出実行フラグがセットされて、いずれかの予告演出が実施されるようになっているとともに、最終的にはずれとなる場合においては、50%の確率で予告演出が実施されるようになっている。尚、本発明はこれに限定されるものではなく、最終的に当りとなる場合にも予告演出決定用乱数SR1を抽出して、予告演出の実施・非実施を抽選することで、当りとなる場合において予告演出が実施されないようにしても良いし、はずれの場合における抽選にて予告演出を実施する確率を、50%より高く、或いは50%より低くしても良い。
これら予告演出実行フラグをセットした後、演出制御用CPU101は、予告演出種別決定用乱数SR2を抽出するとともに、該抽出した予告演出種別決定用乱数SR2と対比する予告演出決定用テーブルとして、入力制限フラグがセットされていない場合には予告演出決定用テーブルAを選択し、入力制限フラグがセットされている場合には予告演出決定用テーブルBを選択し、選択した予告演出決定用テーブルA、Bにおいて抽出した予告演出種別決定用乱数SR2の値が該当する判定値に対応する種別を、実施する予告演出の種別として決定し、該決定した予告種別(予告演出1(キャラクタ予告)、予告演出2(操作予告)、予告演出3(大声予告)、予告演出4(合言葉予告)、予告演出5(ジェスチャー予告)を記憶する。
そして、ステップS823の予告選択処理の後に演出制御用CPU101は、予告演出があるか否か、具体的には、予告実行決定フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS824)。
そして、演出制御用CPU101は、予告実行決定フラグがセットされている場合には、記憶されている予告種別(予告演出1〜5)に対応する予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)に基づいて、予告演出開始待ち時間を特定し、該特定した待ち時間を予告演出開始待ちタイマにセットした後(ステップS825+)、ステップS825に進む。
一方、予告実行決定フラグがセットされていない場合には、ステップS825+を経由することなくステップS825に進み、変動パターンコマンドに応じた図柄変動制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS826)。
そして演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L、操作部50)の制御を実行する(ステップS827)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施例では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS828)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS829)。
図42は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。また、演出制御用CPU120は、予告演出を行うことに決定されているか、または予告演出の実行中である場合には(ステップS841でYes)、図43に示す予告演出処理を実行する(ステップS842)。予告演出を行うことに決定されているか否かは、予告実行決定フラグがセットされているか否かによって判定される。予告演出の実行中であるか否かは、予告演出を開始するときにセットされる予告実行中フラグによって判定される。予告実行決定フラグも予告実行中フラグもセットされていない場合にはステップS842の予告演出処理を実施することなく、ステップS843に進む。
また、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS843)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS845)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS846)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS847)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS848)。そのようにして、演出制御装置9において、演出図柄の変動制御が実現される。VDP109は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、演出図柄の変動における背景画像、保留表示、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(ステップS849)。
また、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS850)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS851)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。なお、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、ステップS843の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データおよびランプ制御実行データ)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。演出図柄の変動制御(演出図柄の変動に関連するキャラクタ画像や背景を表示させる制御を含む。)は、あくまでも変動期間経過時(最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイムアウトした時点に相当)に終了するのであるが、予告演出の制御は、図44に示されたステップS532,S533の処理によって終了する。尚、この実施例では、ステップS532,S533の処理が終了する時点(予告期間タイマがタイムアウトする時点)は演出図柄の変動期間が経過する時点よりも前である。
図43〜図44は、予告演出処理の一例を示すフローチャートである。予告演出処理において、演出制御用CPU120は、予告演出が開始されている場合には(ステップS501でYes)、ステップS521(図44)に移行する。予告演出が開始されているか否かは、予告演出の開始時にセットされる予告実行中フラグによって確認される。
予告演出が開始されていない場合には、予告演出開始待ちタイマの値を−1する(ステップS502)。なお、予告演出開始待ちタイマは、演出図柄変動開始処理において、予告演出を行うことに決定されたときに、プロセステーブルの選択においてセットされる(図41におけるステップS825+参照)。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS503)、処理を終了する。予告演出開始待ちタイマがタイムアウトしている場合には、予告実行決定フラグをリセットして(ステップS504)、ステップS511に移行する。
ステップS511では、演出制御用CPU120は、予告演出の実行中であることを示す予告実行中フラグをセットする。また、実行する予告演出である操作予告並びに操作予告のパターンを特定し(ステップS512)、特定した操作予告やパターンが該当する予告演出期間に相当する値を予告期間タイマにセットする(ステップS513)。
次いで、演出制御用CPU120は、実行する操作予告に対応する予告演出制御パターンを、予告演出制御パターンテーブル(図示略)から読み出して選択した後(ステップS515)、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)のプロセスデータ1における予告プロセスタイマをスタートさせる(ステップS517)。
そして演出制御用CPU120は、選択した予告演出制御パターン(予告プロセステーブル)の最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1、入力制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27、プッシュボタン516、操作レバー600、CCDカメラ60a,60b、指向性マイク61a〜61c、信号処理回路121、音声入力用回路122)の制御を開始する(ステップS518)。
これら予告プロセスデータに基づいて操作予告が開始された後において実施されるステップS525〜S528では、ステップS823の予告選択処理において記憶された予告種別を判定して、予告種別に応じた処理が実施される。
具体的には、ステップS525においては、予告選択処理において記憶された予告種別が入力系予告である予告演出3〜5であるか否かを判定し、予告演出3〜5である場合には、ステップS526に進んで、図45に示す入力予告処理を実施した後、ステップS530に進む。
ステップS525において予告演出3〜5でない場合には、操作予告であるか否かを判定し、操作予告であればステップS528に進んで、操作予告処理を実施した後、ステップS530に進む。
このステップS530において演出制御用CPU120は、予告演出期間の終了を計時するための予告期間タイマの値を−1する。予告期間タイマがタイムアウト(値が0になる)した場合には(ステップS531でYes)、演出表示装置9に表示されている予告演出に関する画像を消去する制御を行い(ステップS532)、予告実行中フラグをリセットする(ステップS533)。
予告期間タイマがタイムアウトしていない場合には、演出制御用CPU120は、予告プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS535)。予告プロセスタイマがタイムアウトしていたら、予告プロセスデータの切り替えを行う(ステップS536)。すなわち、予告プロセステーブルにおける次に設定されている予告プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS537)。また、その次に設定されている予告プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ、入力制御実行データ1等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して実施する(ステップS538)。
予告プロセスタイマがタイムアウトしていない場合は、ステップS535〜ステップS538を経由することなく処理を終了する。
ステップS528において実施される操作予告処理は、例えば、変動パターンにおける擬似連の再変動タイミング等においてプッシュボタン516や操作レバー600の操作を受付け、該受付けた操作の履歴に基づいて、受付け次数(1次、2次)とともに、演出表示装置9に表示する選択内容(選択肢の項目)を特定して表示し、選択された選択肢の組合せに基づいて最終的に予告する対象(例えば、大当りとなる期待度、確変となる期待度、ラウンド回数の期待度、スーパーリーチとなる期待度等)を決定することで、遊技者が操作によって選択した選択技により、最終的に実施される予告の対象が異なるようになっている。
ここで、ステップS526において実施される入力予告処理について、図45を用いて説明すると、該入力予告処理においては、まず、後述するステップS553でセットされる操作異常フラグがセットされているか否か、つまり、該入力系予告演出におけるプッシュボタン516の操作受付け開始タイミングにおいて、既にプッシュボタン516の操作がされていることで操作異常と判定されているか否かを判定する(ステップS540)。
操作異常フラグがセットされている場合には、ステップS541に進むことなく当該入力予告処理を終了する一方、操作異常フラグがセットされていない場合には、ステップS541に進んで、各入力系予告演出の予告演出制御パターンから特定される入力操作受付けを開始する開始タイミングであるか否かを判定し、入力操作受付け開始タイミングでない場合にはステップS544に進む。
入力操作受付け開始タイミングである場合には、その時点においてプッシュボタン516が既に操作されているか否か、つまり、プッシュボタン516の上に物や遊技者の手等が無意識に置かれていることで、プッシュボタン516による遊技者の操作を良好に受付け不能な状態であるかを判定する。
プッシュボタン516が既に操作されている場合には、ステップS555に進み、操作異常と判断して操作異常フラグをセットする。尚、該操作異常フラグは、入力系予告演出の終了時においてリセットされる。
そして、演出表示装置9に、プッシュボタン516の操作異常があった旨のメッセージを含む入力操作エラー表示を開始して当該入力予告処理を終了する。
一方、ステップS542においてプッシュボタン516の操作がない場合には、入力操作可能フラグをセットするとともに、入力操作が可能であることを遊技者に報知するための入力操作可能表示を演出表示装置9において開始する。
ステップS544においては、入力操作可能フラグがセットされているか否か、つまり、入力操作の開始タイミングから入力操作の終了タイミングまでの入力可能期間であるか否かを判定し、入力操作可能フラグがセットされていない場合には、当該入力予告処理を終了する。
入力操作可能フラグがセットされている場合には、遊技者によるプッシュボタン516の操作が有るかをステップS545、ステップ546において判定する。
遊技者によるプッシュボタン516の操作が有る場合、つまり、遊技者が、声や合言葉を入力したり、或いは、所定のジェスチャー(ポーズ)を入力するためにプッシュボタン516を操作した場合には、ステップS557に進み、予告演出の種別がジェスチャー予告であるか否かを判定する。
ジェスチャー予告である場合には、ジェスチャーの入力するためには、プッシュボタン516の操作を解除する必要があることから、これらプッシュボタン516の操作を解除しても所定時間に亘り、ジェスチャー(ポーズ)の入力を可能とするための時間であって、入力操作受付け期間が終了するまでの時間範囲内の計時時間を画像入力タイマにセットして、該画像入力タイマのタイマカウントを開始した後(ステップS558)、ステップS560に進んで、CCDカメラ60a,60bからの画像の入力を有効として、該入力された画像データのワークメモリへの格納を開始(継続)する。
一方、ジェスチャー予告でない場合には、ステップS559に進んで、音声制御基板70に対し、スピーカ27から出力する効果音のボリュームを低減する指示を送信して、スピーカ27から出力する効果音の音量低減制御を開始した後、上記したステップS560に進む。
また、遊技者によるプッシュボタン516の操作が無い場合、つまり、遊技者が、音声の入力を一時中断するためにプッシュボタン516を操作していない場合には、ステップS561に進み、ステップS558にてセットされる画像入力タイマが動作中(カウント中)であるか否か、つまり、ジェスチャー(ポーズ)の入力受付け中であるか否かを判定する。
画像入力タイマが動作中(カウント中)である場合には、ステップS564に進み、ジェスチャー(ポーズ)の入力受付け中であると判断して、プッシュボタン516の操作が無くても、CCDカメラ60a,60bからの入力を有効として、該入力された画像データのワークメモリへの格納を継続する。
つまり、画像入力タイマが動作中(カウント中)である期間については、遊技者がポーズの動作を行うためにプッシュボタン516の操作が出来なくても、画像データの格納が継続されることにより、該動作によるポーズの画像の入力を行うことができる。尚、本実施例では、これら画像入力タイマが動作中(カウント中)において、遊技者が、ポーズのやり直しを行うために、再度プッシュボタン516を操作した場合には、入力操作受付け期間が終了するまでの残時間が所定時間以上であることを条件に、それまで格納されていた画像データが消去されるとともに、再度、画像入力タイマがセットされて画像データの格納が開始されることで、ジェスチャー(ポーズ)の入力のやり直しが可能とされている。
画像入力タイマが動作中(カウント中)でない場合、つまり、ジェスチャー予告ではない場合には、ステップS562に進み、入力された音声の音声データを破棄することで、指向性マイク61a〜61cからの音声の入力を無効とし、音声データのワークメモリへの格納を終了(中断)する。
そして、ステップS547に進み、ワークメモリに記憶された入力データに基づいて演出表示装置9における表示を更新する。例えば、予告演出の種別が大声予告であれば、入力データに基づいて特定される入力された声の総音量レベルの大きさに応じた画像である、ガラスにひび割れが生じる画像(図50(d)参照)を更新表示する。
ステップS548では、入力操作受付けを終了する終了タイミングであるか否かを判定し、入力操作受付け終了タイミングでない場合には該入力予告処理を終了する。
入力操作受付け終了タイミングである場合には、入力操作可能フラグをリセットするとともに、ステップS543にて表示を開始した入力操作可能表示終了する(ステップS549)。
そしてステップS550に進み、ワークメモリに格納した入力データ(音声データ、画像データ)に基づいて、入力が成功したか否かを判定する。
具体的には、予告演出の種別が大声予告であれば、入力データに基づいて特定される入力された声の総音量レベルの大きさが所定の音量レベル閾値に到達しているか否かを判定し、音量レベル閾値に到達している場合には入力成功と判断する。
また、予告演出の種別が合言葉予告であれば、ワークメモリに格納した音声データにより音声認識を実施して入力された合言葉をテキストデータに変換し、当該パチンコ遊技機1のメーカーサイトにおいて示されている複数の合言葉の内の1に該当するか否かを判定する。尚、この場合、テキストデータが全て合言葉のテキストと合致する必要はなく、音声認識による認識精度を考慮して、例えば、4文字の合言葉であれば、所定の閾値である3文字以上が合致すれば一致と判断する。
尚、これら音声をテキストデータに変換する音声認識の手法としては、公知の音声認識の手法を利用することができる。
また、本実施例では、これら合言葉の照合を音声認識によるテキスト照合により実施しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め記憶されている合言葉の音声波形と音声データに基づく遊技者の合言葉の音声波形とを照合することで、入力の成否を判断するようにしても良い。
また、予告演出の種別がジェスチャー予告であれば、ワークメモリに格納した画像データに基づく画像から、画像認識により遊技者の領域並びに特徴点を特定するともに、該特定した遊技者の特徴点の変化による動作が、該ジェスチャー予告において表示されたジェスチャー(ポーズ)と一致するかを、例えば、これら遊技者の特徴点の移動パターンと、予め登録されているジェスチャー(ポーズ)の移動パターンとの一致度を求め、該一致度が所定の閾値以上であれば、入力成功と判断する。尚、これら画像認識の手法としては、公知の画像認識の手法を利用することができる。
そして、ステップS551において入力成功であるか否かを判定し、入力が成功であれば、更に、ワークメモリに格納された遊技者の音声データや画像データから、遊技者の属性、具体的には、男性か女性かを特定する遊技者属性特定処理を実施する(ステップS552)。尚、予告演出の種別によっては、遊技者属性特定処理を実施しない場合がある。また、本実施例では、属性として男女を特定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら属性として、年代や方言による地域を特定しても良い。
そして、ステップS553に進み、遊技者属性特定処理にて特定した属性に応じた成功演出用データ、例えば、遊技者が男性であれば女性のキャラクタが登場する成功演出や、遊技者が女性であれば男性のキャラクタが登場する成功演出を実施するための演出用データをセットすることで、入力可能期間の終了後から予告演出が終了するまでの期間においては、これら成功演出用データに基づく演出が実施される。
尚、ステップS553においては、入力成功した予告演出が、ジェスチャー予告演出であるか否かが判定され、ジェスチャー予告演出である場合には、所定の変動回数となるまでの期間において保留予告フラグがセットされることで、前述した保留予告が実施される先読みモードに移行する。
一方、ステップS551において入力成功でない場合、つまり、入力不成功である場合には、不成功演出用データをセットすることで、入力可能期間の終了後から予告演出が終了するまでの期間においては、これら不成功演出用データに基づく演出が実施される。
これら成功演出用データとしては、例えば、大声予告であれば、最終的に大当りとなる場合には、ガラス板が全て崩壊する演出画像のデータがセットされることで、最終的に大当りとなる可能性が高いことを示唆する一方、不成功演出用データとしては、最終的に大当りとなる場合であっても、ガラス板が崩壊せずに、割れたままガラスが残る画像が表示されることで、最終的に大当りとなる可能性が高いことが示唆されないようになっている。
尚、これら成功演出用データや不成功演出用データや、予告演出の種別に応じて異なるデータがセットされる。
そして、ステップS566に進み、ワークメモリに入力データの記憶が存在するか否かに基づいて、当該入力演出において遊技者によるプッシュボタン516の操作の有無を判定する。つまり、ワークメモリに入力データの記憶が全く存在しない場合には、遊技者によるプッシュボタン516の操作が無しと判断する。
遊技者によるプッシュボタン516の操作が無い場合には、ステップS567に進んで、入力制限フラグをセットして、該入力予告処理を終了する一方、プッシュボタン516の操作が有る場合にはステップS567を実施することなく該入力予告処理を終了する。
これにより、入力系予告演出において遊技者によるプッシュボタン516の操作が無い場合、つまり、遊技者が音声や画像の入力を希望していない場合には、入力制限フラグがセットされることにより、予告演出として入力系予告演出が決定されずに、非入力系予告演出が決定されるようになるので、これら音声や画像の入力を希望していない遊技者の興趣が低下してしまうことを防止できる。
ここで、これら入力予告処理に基づく各入力系予告演出の演出状況を、図50〜図52に基づいて説明する。
図50は、本実施例の大声予告演出の流れを示す図である。大声予告演出においては、図50(a)に示すように、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始された後、大声予告演出が開始されることにより、図50(b)に示すように、「ボタンを押して大声を出せ!!」のメッセージとボタンの表示が演出表示装置9に表示されることで、プッシュボタン516を押して大声を入力することを遊技者に促す。
その後、操作受付け開始タイミングとなったことに応じて図50(c)に示すように、「入力有効」が表示される。この入力有効が表示されている期間において、遊技者は、図50(d)に示すように、プッシュボタン516を押して、プッシュボタン516の前方位置に設けられている指向性マイク61cに向けて、大声を発声して入力する。
このプッシュボタン516の操作中において入力された音声の音声データ(入力データ)に基づく総音量レベルに応じて、ガラス板のひび割れが徐々に拡大する演出画像が演出表示装置9に表示される。
尚、「入力有効」が表示されている期間においては、遊技者はプッシュボタン516の操作・非操作を繰返し実施することができ、プッシュボタン516を操作しているときに指向性マイク61cから入力された音声のデータが入力データとして一時記憶される。
そして、「入力有効」の表示は、操作受付け終了タイミングとなったことに応じて終了され、該操作受付け終了タイミングにおいて一時記憶されている音声のデータ(入力データ)により特定される総音量レベルが所定の音量レベル閾値に到達している入力成功の場合であって、最終的に大当りとなる場合には、図50(e)に示すように、ガラス板が全て崩壊する演出画像が表示されることで最終的に大当りとなる可能性が高いことが示唆された後、大声予告演出が終了した後に、図50(f)に示すように、変動パターンに応じたリーチ演出に移行し、当該可変表示が終了する時点で、例えば、図50(g)に示すように、「777」が揃って確変大当りAが発生する。
尚、総音量レベルが所定の音量レベル閾値に到達していない入力不成功の場合には、最終的に大当りとなる場合であっても、ガラス板が崩壊せずに、割れたままガラスが残る不成功画像が表示されることで、最終的に大当りとなる可能性が高いことの示唆が実施されない。
つまり、遊技者は、大声を出して入力に成功することで、大当りとなる可能性が高いか否かの情報を得ることができるようになり、遊技機の興趣を向上できる
図51は、本実施例の合言葉予告演出の流れを示す図である。合言葉予告演出においては、図51(a)に示すように、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始された後、合言葉予告演出が開始されることにより、図51(b)に示すように、「ボタンを押して合言葉を言え!!」のメッセージとボタンの表示が演出表示装置9に表示されることで、プッシュボタン516を押して合言葉を発声することを遊技者に促す。
その後、操作受付け開始タイミングとなったことに応じて図51(c)に示すように、「合言葉は○○○○」のメッセージが表示されるとともに、「入力有効」が表示される。この入力有効が表示されている期間において、遊技者は、プッシュボタン516を押して、プッシュボタン516の前方位置に設けられている指向性マイク61cに向けて、合言葉を発声して入力する。尚、「入力有効」が表示されている期間においては、遊技者はプッシュボタン516の操作・非操作を繰返し実施することができ、プッシュボタン516を操作しているときに指向性マイク61cから入力された合言葉の音声データが入力データとして一時記憶される。つまり、「入力有効」が表示されている期間においては、合言葉の入力を、連続的に継続する必要はなく、例えば、一文字づつ思いついた段階でプッシュボタン516の操作して逐次入力することができる。
そして、「入力有効」の表示は、操作受付け終了タイミングとなったことに応じて終了され、該操作受付け終了タイミングにおいて一時記憶されている合言葉の音声データ(入力データ)が信号処理回路121による音声認識処理によってテキストデータに変換されて、合言葉である、例えば「たいよう」の文字列と照合されて、所定の閾値である3文字以上が合致すれば入力成功と判断される。
このように入力成功した場合には、図51(d)に示すように、合言葉が合致したことを示す演出画像と合言葉である「たいよう」とが演出表示装置9に表示された後、入力された音声データから特定される遊技者の属性が男性である場合には、男性遊技者に対応する成功演出用データがセットされることで、図51(e)に示すように、女性のキャラクタが表示されるとともに、高確状態である可能性を示す確変潜伏期待度が表示される一方、音声データから特定される遊技者の属性が女性である場合には、女性遊技者に対応する成功演出用データがセットされることで、図51(f)に示すように、男性のキャラクタが表示されるとともに、高確状態である可能性を示す確変潜伏期待度が表示される。尚、合言葉が合致せずに入力が不成功となった場合には、「残念」のメッセージを含む画面が表示され、男性や女性のキャラクタや確変潜伏期待度の表示は実施されない。
尚、図51における確変潜伏期待度としては、高確状態にある場合には、例えば80%が表示されることで、潜伏している可能性が高いことを報知する一方、低確状態にある場合には、例えば20%が表示されることで、潜伏している可能性が低いことを報知するようにすれば良い。
また、図51においては、遊技者に示す情報を確変潜伏期待度としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの情報は、大声予告と同じく当該可変表示において大当りとなる可能性の情報等であっても良い。
図52は、本実施例のジェスチャー予告演出の流れを示す図である。ジェスチャー予告演出においては、図52(a)に示すように、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始された後、ジェスチャー予告演出が開始されることにより、「ボタンを押して同じポーズをとれ!」のメッセージとボタンの表示が演出表示装置9に表示されることで、プッシュボタン516を押してからポーズをとることを遊技者に促す。
その後、操作受付け開始タイミングとなったことに応じて図52(b)に示すように、「入力有効」が表示される。
この入力有効が表示されている期間において、遊技者は、プッシュボタン516を押した後、所定時間内に演出表示装置9に表示されているポーズと同じポーズをすることで、ポーズの入力を行う。
遊技者によりプッシュボタン516が押されてから所定時間において、CCDカメラ60a,60bにて撮像された画像データが入力データとして一時記憶される。
そして、所定時間が経過するとともに操作受付け終了タイミングとなったことに応じて、一時記憶された画像データの画像認識と、演出表示装置9に表示されたポーズとの比較照合が前述したように実施されて、入力の成否が判定される。
そして、入力成功と判定された場合には、図52(d)に示すように、「OK」の文字を含む入力成功の演出画像が演出表示装置9に表示された後、図52(e)に示すように、入力成功に応じて保留予告フラグがセットされることを報知する「先読みモード突入」のメッセージが表示される。
そして、保留予告フラグがセットされていることにより、図52(f)に示すように、その後のリーチ演出等において、演出表示装置9の下方に形成された第1保留記憶表示部と第2保留記憶表示部において、保留予告(先読み予告)が実施される。
尚、本実施例では、これら保留予告フラグを所定回数の変動表示が実施されるまで有効とするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら保留予告フラグを当該可変表示のみにおいて有効とすることで、該可変表示の間においてのみ保留予告(先読み予告)が表示されるようにしても良い。
図45は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU120は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS861)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS862)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行うとともに、操作予告における受付け履歴並びに決定された予告の種別等が記憶されている場合には、該記憶を消去する(ステップS863)。
そして、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS867)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認できる。なお、この実施例では、演出図柄表示結果格納領域に格納されている停止図柄のデータによっても、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS868)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU120は、モード移行処理を実施した後(ステップS869)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS870)。
なお、この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄(飾り図柄)の変動(可変表示)を終了させる(ステップS861,S863参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄(飾り図柄)の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ1560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
ここで、ステップS869にて実施されるモード移行処理の内容について簡潔に説明すると、まず、演出制御用CPU101は、確変状態フラグがセットされているか否かを判定する。確変状態フラグがセットされている場合には、確変回数指定コマンドに基づく確変状態の残り回数が、8回以下であるか否かを更に判定する。
確変状態フラグがセットされていない低確状態である場合には、図33(b)に示すモード変化決定用テーブルBを選択するとともに、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3を抽出して、該抽出したステージ(モード)種別決定用乱数SR3の値が該当する判定値に対応する種別を、実施する変化種別(変化なし、昇格、転落)として決定し、該変化に対応したモード(夜モード、昼モード)を、次の変動におけるモードとして記憶する。
これら記憶されたモード(夜、昼)に基づいて、前述した背景画像更新処理(ステップS822+)において演出表示装置9における背景画像が更新される。
確変状態フラグがセットされている場合であって、確変状態の残り回数が、8回以下ではない場合には、図33(a)に示すモード変化決定用テーブルAを選択するとともに、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3を抽出して、該抽出したステージ(モード)種別決定用乱数SR3の値が該当する判定値に対応する種別を、実施する変化種別(変化なし、昇格、転落)として決定し、該変化に対応したモード(夜モード、昼モード)を、次の変動におけるモードとして記憶する。
確変状態フラグがセットされている場合であって、確変状態の残り回数が、8回以下である場合には、さらに、確変大当りBの終了時に合言葉の入力の実施があった場合においてセットされる入力操作フラグがセットされているか否かを判定し、該入力操作フラグがセットされている場合には、図33(c)に示すモード変化決定用テーブルCを選択する一方、入力操作フラグがセットされていない場合には、図33(d)に示すモード変化決定用テーブルDを選択し、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3を抽出して、該抽出したステージ(モード)種別決定用乱数SR3の値が該当する判定値に対応する種別を、実施する変化種別(変化なし、昇格、転落)として決定して、該変化に対応したモード(夜モード、昼モード)を、次の変動におけるモードとして記憶する。
尚、確変状態の残り回数の判定において確変状態の残り回数が1回である場合には、該判定の後、入力操作フラグをリセットする。
また、ステップS804の当り表示処理において演出制御用CPU120は、確変大当りA開始指定コマンドを受信したことを示す確変大当りA開始指定コマンド受信フラグ、確変大当りB指定コマンドを受信したことを示す確変大当りB開始指定コマンド受信フラグ、通常大当りC指定コマンドを受信したことを示す通常大当りC開始指定コマンド受信フラグ、または小当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り開始指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされているか否か確認する。いずれかの当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。また、セットされているフラグ(確変大当りA開始指定コマンド受信フラグ、確変大当りB開始指定コマンド受信フラグ、通常大当りC開始指定コマンド受信フラグ、小当り開始指定コマンド受信フラグ)をリセットする。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り遊技中処理(ステップS805)に応じた値に更新する。
図47は、演出制御プロセス処理における当り終了演出処理(ステップS806)を示すフローチャートである。当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、大当り終了演出タイマ或いは小当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマ或いは小当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS889に移行する。大当り終了演出タイマ或いは小当り終了演出タイマが設定されていない場合には、確変大当りA終了指定コマンドを受信したことを示す確変大当りA終了指定コマンド受信フラグ、確変大当りB終了指定コマンドを受信したことを示す確変大当りB終了指定コマンド受信フラグ、通常大当りC終了指定コマンドを受信したことを示す通常大当りC終了指定コマンド受信フラグ、または小当り終了指定コマンドを受信したことを示す小当り終了指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされているか否か確認する(ステップS881)。
確変大当りA終了指定コマンド受信フラグ、確変大当りB終了指定コマンド受信フラグ、通常大当りC終了指定コマンド受信フラグ、小当り終了指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされている場合には、セットされている当り終了指定コマンド受信フラグに応じて、当り終了演出タイマに大当り終了表示時間或いは小当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)或いは、小当り終了画面(小当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884)。尚、確変大当りB終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り遊技の終了を報知する画面ではなく、小当り遊技の終了を報知する画面と同様の画面を表示する制御が実施される。
次に、終了した当りが、該当り後に時短状態に移行しない小当り或いは低確状態において発生した確変大当りBであるかを判定し(ステップS884)、判定結果が「No」である場合には、ステップS885のモード決定処理を実施することなくステップS888に移行して、セットされている確変大当りA終了指定コマンド受信フラグ、確変大当りB終了指定コマンド受信フラグ、通常大当りC終了指定コマンド受信フラグ、小当り終了指定コマンド受信フラグのいずれかをリセットして処理を終了する。
一方、ステップS884における判定結果が「Yes」である場合には、合言葉予告演出と同様の処理を実施することで、遊技者から、確変大当りB或いは小当りにおいて表示された合言葉の音声入力を、プッシュボタン516の操作に伴って遊技者から受付けて照合し、プッシュボタン516の操作の有無と、合言葉の一致・不一致とを判定するとともに、これらの判定結果に応じて、移行するステージ(モード)の種別を決定するステージ(モード)決定処理を実施した後(ステップS885)、前述したステップS888に進む。
該ステージ(モード)決定処理においては、終了した当りが低確状態において発生した確変大当りBである場合には、図32(a)に示すモード種別決定用テーブルAを選択するとともに、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3を抽出して、プッシュボタン516の操作の有無や合言葉の一致・不一致に対応する判定値に基づいて、該抽出したステージ(モード)種別決定用乱数SR3の値が該当する判定値に対応する種別を、該当り後に移行するステージ(モード)として決定して記憶する。
具体的には、プッシュボタン516の操作が有って合言葉が一致した入力成功の場合には、図32(a)に示すモード種別決定用テーブルAにおける「入力成功」の項目に該当する判定値に基づいて、抽出したステージ(モード)種別決定用乱数SR3の値が該当する判定値に対応する種別を移行するステージ(モード)として決定するとともに入力操作フラグをセットし、プッシュボタン516の操作が有って合言葉が一致しなかった入力不成功の場合には、図32(a)に示すモード種別決定用テーブルAにおける「入力不成功」の項目に該当する判定値に基づいて、抽出したステージ(モード)種別決定用乱数SR3の値が該当する判定値に対応する種別を移行するステージ(モード)として決定するとともに入力操作フラグをセットし、プッシュボタン516の操作が無く合言葉が一致しなかった入力不成功の場合には、図32(a)に示すモード種別決定用テーブルAにおける「入力なし」の項目に該当する判定値に基づいて、抽出したステージ(モード)種別決定用乱数SR3の値が該当する判定値に対応する種別を移行するステージ(モード)として決定するとともに入力操作フラグはセットしない。
一方、終了した当りが小当りである場合には、図32(b)に示すモード種別決定用テーブルBを選択するとともに、ステージ(モード)種別決定用乱数SR3を抽出して、プッシュボタン516の操作の有無や合言葉の一致・不一致に対応する判定値に基づいて、該抽出したステージ(モード)種別決定用乱数SR3の値が該当する判定値に対応する種別を、該当り後に移行するステージ(モード)として決定して記憶する。
具体的には、プッシュボタン516の操作が有って合言葉が一致した入力成功の場合には、図32(b)に示すモード種別決定用テーブルBにおける「入力成功」の項目に該当する判定値に基づいて、抽出したステージ(モード)種別決定用乱数SR3の値が該当する判定値に対応する種別を移行するステージ(モード)として決定するとともに入力操作フラグをセットし、プッシュボタン516の操作が有って合言葉が一致しなかった入力不成功の場合には、図32(b)に示すモード種別決定用テーブルBにおける「入力不成功」の項目に該当する判定値に基づいて、抽出したステージ(モード)種別決定用乱数SR3の値が該当する判定値に対応する種別を移行するステージ(モード)として決定するとともに入力操作フラグをセットし、プッシュボタン516の操作が無く合言葉が一致しなかった入力不成功の場合には、図32(b)に示すモード種別決定用テーブルBにおける「入力なし」の項目に該当する判定値に基づいて、抽出したステージ(モード)種別決定用乱数SR3の値が該当する判定値に対応する種別を移行するステージ(モード)として決定するとともに入力操作フラグはセットしない。
このようにして決定されたステージ(モード)の種別への移行は、前述したステップS822+の背景画像更新処理において実施される。
また、ステップS891では、大当り(小当り)終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り(小当り)終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り(小当り)終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS892)。経過していなければ処理を終了する。大当り(小当り)終了演出時間が経過している場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS893)。
ここで、本実施例のパチンコ遊技機1におけるモード移行の状況について図49に基づいて説明すると、本実施例では、確変大当りBが発生したときには、確変大当りBの発生後の遊技状態は、図49に示すように、所定の確変回数である78回が経過するまで高確低ベース状態に制御される。
この高確低ベース状態は、小当りが発生した後の遊技状態である低確低ベース状態と識別不能とされているので、遊技者は、遊技状態が高確状態にあるのか、或いは、遊技状態が低確状態にあるのかを明確に判別することができない。
しかし、前述したように、確変大当りBの終了時において実施される合言葉の入力を伴うステージ(モード)決定処理(ステップS885)においては、合言葉の入力に成功したときには、高期待モードの夜モードに決定され易いとともに、その後の確変回数(78回)までの高確状態においては、モードの維持または昇格が決定され易いことで、夜モードである可能性が高くなるため、確変状態にあることが示唆されるようになる。
一方、合言葉を入力したが、合言葉の入力に成功しなかったときには、高期待モードの夜モードに決定される割合が低くなることで、合言葉の入力に成功した場合よりも夜モードである可能性が低くなり、確変回数(78回)までの高確状態においては高確状態にあることが示唆され難くなる。
このため、図49(a)に示すように、変動回数が71〜78回までの確変回数が残り少なくなった期間においては、ステージ(モード)決定処理において合言葉の入力を実施した場合において、変動回数が70回までの期間においてモード変化の決定に使用されるモード変化決定用テーブルAよりも、夜モードに昇格し易いモード変化決定用テーブルC183cをモード変化の決定に使用することで、ほぼ確実に夜モードに移行させて、高確状態にあることを遊技者に示唆する。
これに対し、ステージ(モード)決定処理においてプッシュボタン516を操作しないことで、合言葉の入力を行わなかった場合には、図49(b)に示すように、変動回数が71〜78回までの確変回数が残り少なくなった期間においては、変動回数が70回までの期間においてモード変化の決定に使用されるモード変化決定用テーブルAよりも、昼モードに転落し易いモード変化決定用テーブルD183dをモード変化の決定に使用することで、ほぼ確実に昼モードに移行させて、高確状態にあることの示唆が実施されないようにする。
このように、合言葉の入力の有無によって、高確状態にあることの示唆についての有利度合いを異ならせることにより、遊技者は、高確状態にあることの示唆を得られるようにするために、合言葉の入力を積極的に実施するようになるので、遊技差による音声の入力を促進することができる。
本発明が適用された遊技機の他の例であるスロットマシンの実施例2を、図面にもとづいて説明する。
本実施例のスロットマシン1001は、前面が開口する筐体1001aと、この筐体1001aの側端に回動自在に枢支された前面扉1001bと、から構成されている。本実施例のスロットマシン1001の筐体1001aの内部には、図54に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図53に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1001bに設けられた透視窓1003から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図55に示すように、それぞれ「黒7」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「オレンジ」、「ブドウ」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓1003において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図56参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓1003に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓1003に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED1055と、が設けられている。また、リールLED1055は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1001bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器1051(図53参照)の表示領域1051aが配置されている。液晶表示器1051は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域1051aの透視窓1003に対応する透過領域1051b及び透視窓1003を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域1051aの透過領域1051bを除く領域の裏面には、背後から表示領域1051aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられていて、種々の画像の表示が可能とされており、特に、透視窓1003の上部領域は、種々の演出が表示される演出表示領域1051cとされている。
また、前面扉1001bには、遊技媒体であるメダルを投入可能なメダル投入部1004、メダルが払い出されるメダル払出口1009、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ1005、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ1006、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ101010、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ1007、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられているとともに、遊技者が発生する音声や遊技機周囲の音を入力するための指向性マイク1061a〜1061cが設けられている。
これら指向性マイク1061a〜1061cは、向けられている方向からの音を高利得で入力可能な指向性を有する集音マイクとされており、スロットマシン1001の中央に遊技者を向けて配置された指向性マイク1061bは、遊技者の発声や遊技者が所持する携帯電話等からの出力音を高利得で集音し、指向性マイク1061aは、スロットマシン1001の右側(向かって左側)に向けて配置されていることで、スロットマシン1001の右側の周囲音を高利得で集音し、指向性マイク1061cは、スロットマシン1001の左側(向かって右側)に向けて配置されていることで、スロットマシン1001の左側の周囲音を高利得で集音する。
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1001bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器1011、後述するBB中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器1012、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器1013が設けられている。
また、前面扉1001bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED1014、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED1015、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED1016、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED1017、スタートスイッチ1007の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED1018、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED1019、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED1020、遊技者を撮像するための2つのCCDカメラ1060a,1060b、が設けられている。
MAXBETスイッチ1006の内部には、1枚BETスイッチ1005及びMAXBETスイッチ1006の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED1021(図56参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図56参照)がそれぞれ設けられている。
ストップスイッチ8Rの右側には、操作レバー1600が揺動自在に軸支されるとともに、その上端部には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン1516が遊技者により操作可能に設けられている。
プッシュボタン1516は、実施例1のプッシュボタン516と同じく、上下に可動可能とされて、遊技者により操作されていない非操作状態である非押下(高背)状態と、遊技者により操作されている操作状態である押下(低背)状態とを反復するようになっているとともに、プッシュボタン1516の直下に設けられたバネ部材により、常時、非押下(高背)状態に付勢されており、遊技者が操作したときにおいてのみ非押下(高背)状態から押下(低背)状態となる。
これらプッシュボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を受付け可能に構成されていればよい。プッシュボタン1516の設置位置における筐体内部などには、プッシュボタン1516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ1516a(図56を参照)が設けられている。
前面扉1001bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ1023、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器1024、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ1036a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ1036b、メダル投入部1004から投入されたメダルの流路を、筐体1001a内部に設けられた後述のホッパータンク1034a(図54参照)側またはメダル払出口1009側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド1030、メダル投入部1004から投入され、ホッパータンク1034a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ1031を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1001bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ1025(図56参照)が設けられている。
筐体1001a内部には、図54に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図56参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板2000、メダル投入部1004から投入されたメダルを貯留するホッパータンク1034a、ホッパータンク1034aに貯留されたメダルをメダル払出口1009より払い出すためのホッパーモータ1034b、ホッパーモータ1034bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ1034cからなるホッパーユニット1034、電源ボックス1100が設けられている。
ホッパーユニット1034の側部には、ホッパータンク1034aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク1035が設けられている。オーバーフロータンク1035の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ1035aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク1035内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス1100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ1037、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ1038、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ1039が設けられている。
本実施例のスロットマシン1001においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部1004から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ1005またはMAXBETスイッチ1006を操作すれば良い。遊技状態(通常、内部中、ビッグボーナス(レギュラーボーナス))に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図53参照)のうち遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ1007の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓1003に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図53に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわちV字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち山型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ライン5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ1007を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓1003に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化され入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口1009(図53参照)から払い出されるようになっている。
尚、有効化され複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化され入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では10枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化され入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施例におけるスロットマシン1001にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。尚、中リールでは、中段にしか入賞ラインが設定されないため、リール2Cにおいて、ストップスイッチ8Cが操作されたときに当該ストップスイッチに対応する中リールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図56は、スロットマシン1001の構成を示すブロック図である。スロットマシン1001には、図56に示すように、遊技制御基板1040、演出制御基板1090、電源基板1101が設けられており、遊技制御基板1040によって遊技状態が制御され、演出制御基板1090によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板1101によってスロットマシン1001を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板1101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1001を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板1040及び遊技制御基板1040を介して接続された演出制御基板1090に供給されるようになっている。
また、電源基板1101には、前述したホッパーモータ1034b、払出センサ1034c、満タンセンサ1035a、設定キースイッチ1037、リセット/設定スイッチ1038、電源スイッチ1039が接続されている。
遊技制御基板1040には、前述した1枚BETスイッチ1005、MAXBETスイッチ1006、スタートスイッチ1007、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ1010、リセットスイッチ1023、打止スイッチ1036a、自動精算スイッチ1036b、投入メダルセンサ1031、ドア開放検出スイッチ1025、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板1101を介して前述した払出センサ1034c、満タンセンサ1035a、設定キースイッチ1037、リセット/設定スイッチ1038が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板1040には、前述したクレジット表示器1011、遊技補助表示器1012、ペイアウト表示器1013、1〜3BETLED1014〜1016、投入要求LED1017、スタート有効LED1018、ウェイト中LED1019、リプレイ中LED1020、BETスイッチ有効LED1021、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器1024、流路切替ソレノイド1030、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板1101を介して前述したホッパーモータ1034bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板1040に搭載された後述のメイン制御部1041の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板1040には、メインCPU1041a、ROM1041b、RAM1041c、I/Oポート1041dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部1041、所定範囲(本実施例では0〜65535)の乱数を生成する乱数回路1042、一定周波数のクロック信号を乱数回路1042に供給するパルス発振器1043、遊技制御基板1040に直接または電源基板1101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路1044、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路1045、流路切替ソレノイド1030の駆動制御を行うソレノイド駆動回路1046、遊技制御基板1040に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路1047、スロットマシン1001に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部1041に対して出力する電断検出回路1048、電源投入時またはメインCPU1041aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU1041aにリセット信号を与えるリセット回路1049、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU1041aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM1041bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板1040に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM1041bは、メインCPU1041aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM1041cは、メインCPU1041aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート1041dは、メイン制御部1041が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部1041には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM1041cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU1041aは、基本処理として遊技制御基板1040に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU1041aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路1048から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
メインCPU1041aは、I/Oポート1041dを介して演出制御基板1090に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板1040から演出制御基板1090へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板1090から遊技制御基板1040へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板1040から演出制御基板1090へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板1080を介して接続されており、遊技制御基板1040と演出制御基板1090とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板1090には、スロットマシン1001の前面扉1001bに配置された液晶表示器1051(図53参照)、演出効果LED1052、スピーカ1053、1054、前述したリールLED1055、ボタンスイッチ1516a、CCDカメラ1060a,1060b、指向性マイク1061a〜1061c等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板1090に搭載された後述のサブ制御部1091による制御に基づいて駆動されるようになっている。
また、操作レバー1600に設けられたレバースイッチ1510a〜1510d、トリガースイッチ1512a、タッチセンサ1513から出力される信号を検出し、信号入力に対応した所定の検知信号を出力するセンサ監視IC(図示略)と、該センサ監視ICによる検知信号が入力されるIC(図示略)が搭載されており、操作レバー1600の操作をサブCPU1091aが検知できるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板1090に搭載されたサブ制御部1091により、液晶表示器1051、演出効果LED1052、スピーカ1053、1054、リールLED1055等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部1091とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板1090または他の基板に搭載し、サブ制御部1091がメイン制御部1041からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部1091が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部1091及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器1051、演出効果LED1052、スピーカ1053、1054、リールLED1055を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板1090には、メイン制御部1041と同様にサブCPU1091a、ROM1091b、RAM1091c、I/Oポート1091dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部1091、演出制御基板1090に接続された液晶表示器1051の表示制御を行う表示制御回路1092、演出効果LED1052、リールLED1055の駆動制御を行うLED駆動回路1093、スピーカ1053、1054からの音声出力制御を行う音声出力回路1094、電源投入時またはサブCPU1091aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU1091aにリセット信号を与えるリセット回路1095、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置1097、スロットマシン1001に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU1091aに対して出力する電断検出回路1098、指向性マイク1061a〜1061cにより集音された音声を入力するための音声入力用回路1099aや、指向性マイク1061a〜1061cから入力された音声信号やCCDカメラ1060a,1060bにて撮像した画像信号を処理して、所定の音程と一致するかやポーズと一致するか等を判定する信号処理回路1099b、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU1091aは、遊技制御基板1040から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板1090に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
音声入力用回路1099aは、図48に示す実施例1の音声入力用回路120と同一の構成とされており、波形合成反転回路125、音量レベル検出回路126、波形合成回路127、音声増幅回路128、A/D変換回路129が設けられており、指向性マイク(右マイク)1061a並びに指向性マイク(左マイク)1061cから入力されるスロットマシン1001の周囲音の音、すなわち、スロットマシン1001に隣接している他のスロットマシン1001や他の遊技者の声等の周囲音を合成するとともに波形反転させて、指向性マイク(中央マイク)1061bからの入力音の波形と合成することで、指向性マイク(中央マイク)1061bから遊技者の発声や遊技者が所持する携帯電話等からの出力音とともに入力される周囲音が減衰されることにより、遊技者の発声や遊技者が所持する携帯電話等からの出力音が相対的に強調されることになり、これら遊技者の発声や遊技者が所持する携帯電話等からの出力音を、周囲の音が大きくても良好に取り出すことができる。
信号処理回路1099bも、実施例1の信号処理回路121と同一の構成とされ、A/D変換回路129にて変換された音声データや、CCDカメラ1060a,1060bから出力される画像データが、プッシュボタン1516の操作期間においてメイン制御部1041から出力される格納指示信号に基づいて一時記憶されるワークメモリや、これらワークメモリに記憶されている音声データや画像データを高速で処理可能なデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等を有しており、これら音声データに基づいて、入力された遊技者の声の音程を、出力した音の音程と比較して合致しているかを判定する処理や、入力された音声を文字列データに変換する音声認識を実施して該音声認識にて変換した文字列が所定の合言葉に合致しているかを判定する処理や、画像データに基づいて、画像から遊技者を抽出して特定し、特定した遊技者のポーズ(動作)が所定の動作に合致しているかを判定する処理等を実施する機能を有している。
サブCPU1091aは、メインCPU1041aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部1091の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部1041がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU1091aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部1041からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU1091aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部1091の割込端子の1つは、電断検出回路1098と接続されており、サブCPU1091aは、電断検出回路1098から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。また、サブCPU1091aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、サブ制御部1091にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM1091cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1001は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ1037をON状態としてからスロットマシン1001の電源をONする必要がある。設定キースイッチ1037をON状態として電源をONすると、設定値表示器1024にRAM1041cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ1038の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ1038が操作されると、設定値表示器1024に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ1007が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ1037がOFFされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部1041のRAM1041cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ1037をON状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ1037をON状態とすると、設定値表示器1024にRAM1041cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ1037をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1001においては、メインCPU1041aが電断検出回路1048からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM1041cのスタックに退避し、RAM1041cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM1041cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM1041cに格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM1041cの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM1041cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM1041cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メインCPU1041aは、その起動時においてRAM1041cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM1041cに記憶されているデータに基づいてメインCPU1041aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ1023やリセット/設定スイッチ1038を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
尚、本実施例では、RAM1041cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メインCPU1041aは、電源投入時においてRAM1041cのデータが正常であると判定した場合に、RAM1041cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM1041cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
また、サブCPU1091aも電断検出回路1098からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM1091cのスタックに退避し、RAM1091cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM1091cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM1091cに格納する処理を行うようになっている。
そして、サブCPU1091aは、その起動時においてRAM1091cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM1091cに記憶されているデータに基づいてサブCPU1091aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM1091cを初期化するようになっている。この場合、メインサブCPU1091aと異なり、RAM1091cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
尚、本実施例では、RAM1091cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブCPU1091aは、電源投入時においてRAM1091cのデータが正常であると判定した場合に、RAM1091cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM1091cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。例えば、BB中か、通常遊技状態か、などの遊技状態を示すデータのみをバックアップするとともに、遊技状態に対応する演出(BB中であればBB中演出、通常遊技状態であれば通常演出)以外の特定の演出(小役告知など)の実行中に電断が発生した場合に、次回電源投入時において電断時に実行されていた特定の演出を再開するのではなく、電源投入時においてバックアップされている遊技状態に対応する演出を最初から実行するようにしても良い。
本実施例のスロットマシン1001においては、いずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。
尚、ビッグボーナスをBBと示し、ビッグボーナス中に提供されるレギュラーボーナスをRBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM1041cに設定されている必要がある。
次に、メイン制御部1041のRAM1041cの初期化について説明する。メイン制御部1041のRAM1041cの格納領域は、図57(a)に示すように、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、初期化すると不都合があるデータに加え、後述する遊技状態フラグ、RTフラグ及びRT残りゲーム数、後述する当選フラグ、BB中のメダル払出総数等が格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM1041cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数等のデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM1041cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部1041のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメイン制御部1041は、図57(b)に示すように、設定キースイッチ1037がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、BB終了時、設定キースイッチ1037がoffの状態での起動時でRAM1041cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ1037がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化1では、RAM1041cの格納領域のうち、重要ワーク及び使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)、すなわち図57(a)に示す非保存ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化2は、BB終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM1041cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域、すなわち図57(a)に示す一般ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ1037がoffの状態であり、かつRAM1041cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM1041cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行うようにしても良い。
このように本実施例では、電源投入時などにRAM異常エラーが発生した場合には、初期化1が実行され、それ以前の制御状態が初期化されることとなるが、この際、重要ワークに割り当てられてられた遊技状態フラグ、RTフラグ、RT残りゲーム数及び当選フラグは初期化されることなく保持されるようになっている
本実施例のスロットマシン1001は、前述のように遊技状態(通常、内部中、BB(RB))に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1〜L5が有効化される。
本実施例のスロットマシン1001は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM1041cに設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ1007の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ1007の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM1041cに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM1041cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、後述するRTを特定するためのRTフラグの値、賭数及び設定値に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、対応する役の判定値数に応じて行われる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時に乱数値レジスタ(図示略)にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、乱数値レジスタに新たな数値データがラッチされる毎に、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM1041cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部1041は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM1041bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓1003の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部1041がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓1003の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で外して停止させる制御が行われることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲で外して停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
尚、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した特別役よりも当選した小役が優先され、小役が引き込めない場合のみ、特別役を入賞ライン上に揃える制御を行っているが、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
本実施例においてメイン制御部1041は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
次に、メイン制御部1041がサブ制御部1091に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部1041がサブ制御部1091に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ1007が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ1007が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ1007が操作されたことを特定可能である。
フリーズコマンドは、後述するフリーズ状態に制御する旨が決定された場合に、フリーズ状態に制御するか否か及びフリーズ状態に制御する場合にはそのタイミングを示すコマンドであり、後述するフリーズ抽選の終了時に送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部1041が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部1041の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ1025の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ1025の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(1枚BETスイッチ1005、MAXBETスイッチ1006、スタートスイッチ1007、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのか、onからoffに変化したのか及び他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドであり、これら操作スイッチ類のいずれかの検出状態が変化したときに送信される。
次に、メイン制御部41が演出制御基板1090に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部1091が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部1091は、メイン制御部1041からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM1091cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
サブ制御部1091は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM1091bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器1051、演出効果LED1052、スピーカ1053、1054、リールLED1055等の各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器1051の表示パターン、演出効果LED1052の点灯態様、スピーカ1053、1054の音量等の出力態様、リールLED1055の点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部1091は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM1091cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部1091は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施例では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部1091が、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部1091が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM1091cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM1091bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部1091は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM1091cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
本実施例のスロットマシン1における役としては、図58に示すように、特別役としてビッグボーナス(1)(2)(以下ではビッグボーナス(1)をBB(1)、ビッグボーナス(2)をBB(2)とする)が、再遊技役としてリプレイ(1)、リプレイ(2)、リプレイ(3)が、小役としてブドウ、スイカ、チェリー、10枚役(1)〜(3)、2枚役(1)〜(4)、1枚役(1)〜(4)が定められている。
ブドウは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ−ブドウ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態に関わらず10枚のメダルが払い出される。
スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは10枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では5枚のメダルが払い出される。
チェリーは、いずれの遊技状態においても左リールについて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、RBでは5枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では4枚のメダルが払い出される。尚、「チェリー」の図柄は左リールの上段または下段のいずれかに必ず停止するように制御されるようになっており、入賞ラインL1、L3の入賞ラインまたは入賞ラインL2、L4の入賞ラインにチェリー組合せが揃うこととなり、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞したこととなるため、RBでは10枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では8枚のメダルが払い出されることとなる。
10枚役(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7−黒7−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態に関わらず10枚のメダルが払い出される。10枚役(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7−白7−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態に関わらず10枚のメダルが払い出される。10枚役(3)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白7−オレンジ−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態に関わらず10枚のメダルが払い出される。
2枚役(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「リプレイ−プラム−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では2枚のメダルが払い出される。2枚役(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「リプレイ−スイカ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では2枚のメダルが払い出される。2枚役(3)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「リプレイ−チェリー−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では2枚のメダルが払い出される。2枚役(4)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「リプレイ−ベル−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では2枚のメダルが払い出される。
1枚役(1)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ−プラム−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では1枚のメダルが払い出される。1枚役(2)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ−スイカ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では1枚のメダルが払い出される。1枚役(3)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ−チェリー−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では1枚のメダルが払い出される。1枚役(4)は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ブドウ−ベル−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、RBでは4枚のメダルが払い出され、RB以外の遊技状態では1枚のメダルが払い出される。
リプレイ(1)は、通常遊技状態及び内部中において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイ(2)は、通常遊技状態及び内部中において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−ブドウ」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイ(3)は、通常遊技状態及び内部中において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(1)〜(3)のいずれかが入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
尚、本実施例では、リプレイ(3)は、必ずリプレイ(1)、リプレイ(2)と同時に当選し、この場合には、リプレイ(1)、リプレイ(2)のいずれかが入賞するため、リプレイ(3)の組合せが入賞ラインに揃うことはない。また、通常遊技状態のうち抽選対象となる再遊技役及びその当選確率を定めたRTの種類がRT(2)(3)の場合にリプレイ(2)は、必ずBB(1)(2)のいずれかと当選し、BB(1)(2)の当選時に当該ゲームの終了を待つことなく通常遊技状態から内部中へ移行するので、RT(2)(3)においてリプレイ(2)の組合せが入賞ラインに揃うことはない。
BB(1)は、内部中において入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となり、BB(2)は、内部中において入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。尚、BB(1)(2)の当選時に当該ゲームの終了を待つことなく内部中へ移行するので、BB(1)(2)は、内部中においてのみ入賞可能となる。
BB(1)(2)のいずれかが入賞すると、遊技状態がBBに移行するとともに同時にRBに移行する。RBは、小役、特にブドウの当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RBが開始した後、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行し、BBが終了するまで繰り返しRBに制御される。すなわちBB中は、常にRBに制御されることとなる。そして、当該BB中において遊技者に払い出したメダルの総数が348枚を超えたときに終了する。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かに関わらずRBも終了する。
本実施例では、図59に示すように、遊技状態が、通常遊技状態であるか、内部中(特別役が当選している状態)であるか、BB(RB)であるか、によって内部抽選の対象となる役及びその当選確率が異なる。さらに遊技状態が通常遊技状態であれば、RT(0)〜(3)の種類によって、内部抽選の対象となる再遊技役及びその当選確率の少なくとも一方が異なる。
遊技状態が通常遊技状態であり、RT(0)であれば、BB(1)、BB(1)+リプレイ(2)、BB(2)、BB(2)+リプレイ(2)、リプレイGR(1)(リプレイ(1)+リプレイ(2))、リプレイGR(2)(リプレイ(1)+リプレイ(2)+リプレイ(3))、スイカ、チェリー、ブドウ、小役GR(1)(ブドウ+2枚役(1)+2枚役(2)+2枚役(3)+2枚役(4)+1枚役(1)+1枚役(2)+1枚役(3)+1枚役(4))、小役GR(2)(ブドウ+2枚役(1)+2枚役(2)+2枚役(3)+2枚役(4)+1枚役(1)+1枚役(2)+1枚役(3)+1枚役(4)+10枚役(1))、小役GR(3)(ブドウ+2枚役(1)+2枚役(2)+2枚役(3)+2枚役(4)+1枚役(1)+1枚役(2)+1枚役(3)+1枚役(4)+10枚役(2))、小役GR(4)(ブドウ+2枚役(1)+2枚役(2)+2枚役(3)+2枚役(4)+1枚役(1)+1枚役(2)+1枚役(3)+1枚役(4)+10枚役(3))、小役GR(5)(ブドウ+2枚役(1)+2枚役(2)+2枚役(3)+2枚役(4)+1枚役(1)+1枚役(2)+1枚役(3)+1枚役(4)+10枚役(1)+10枚役(2))が内部抽選の対象役となる。
遊技状態が通常遊技状態であり、RT(0)において対象役の設定1におけるおおよその当選確率は、図59に示す確率となるように判定値数が定められている。すなわち遊技状態が通常遊技状態であり、RT(0)において対象役の設定1におけるおおよその当選確率は、BB(1):1/800、BB(1)+リプレイ(2):1/800、BB(2):1/800、BB(2)+リプレイ(2):1/800、リプレイGR(1):1/4、リプレイGR(2):1/4、スイカ:1/200、チェリー:1/60、ブドウ:1/100、小役GR(1):1/30、小役GR(2):1/30、小役GR(3):1/30、小役GR(4):1/30、小役GR(5):1/30となる。
遊技状態が通常遊技状態であり、RT(1)であれば、BB(1)、BB(1)+リプレイ(2)、BB(2)、BB(2)+リプレイ(2)、リプレイ(1)、リプレイ(2)、スイカ、チェリー、ブドウ、小役GR(1)、小役GR(2)、小役GR(3)、小役GR(4)、小役GR(5)が内部抽選の対象役となる。
遊技状態が通常遊技状態であり、RT(1)において対象役の設定1におけるおおよその当選確率は、図59に示す確率となるように判定値数が定められている。すなわち遊技状態が通常遊技状態であり、RT(1)において対象役の設定1におけるおおよその当選確率は、BB(1):1/800、BB(1)+リプレイ(2):1/800、BB(2):1/800、BB(2)+リプレイ(2):1/800、リプレイ(1):1/8、リプレイ(2):1/80、スイカ:1/200、チェリー:1/60、ブドウ:1/100、小役GR(1):1/30、小役GR(2):1/30、小役GR(3):1/30、小役GR(4):1/30、小役GR(5):1/30となる。
遊技状態が通常遊技状態であり、RT(2)(3)であれば、BB(1)、BB(1)+リプレイ(2)、BB(2)、BB(2)+リプレイ(2)、リプレイ(1)、スイカ、チェリー、ブドウ、小役GR(1)、小役GR(2)、小役GR(3)、小役GR(4)、小役GR(5)が内部抽選の対象役となる。
遊技状態が通常遊技状態であり、RT(2)において対象役の設定1におけるおおよその当選確率は、図59に示す確率となるように判定値数が定められている。すなわち遊技状態が通常遊技状態であり、RT(2)において対象役の設定1におけるおおよその当選確率は、BB(1):1/800、BB(1)+リプレイ(2):1/800、BB(2):1/800、BB(2)+リプレイ(2):1/800、リプレイ(1):1/1.3、スイカ:1/200、チェリー:1/60、ブドウ:1/100、小役GR(1):1/30、小役GR(2):1/30、小役GR(3):1/30、小役GR(4):1/30、小役GR(5):1/30となる。
また、遊技状態が通常遊技状態であり、RT(3)において対象役の設定1におけるおおよその当選確率は、図59に示す確率となるように判定値数が定められている。すなわち遊技状態が通常遊技状態であり、RT(3)において対象役の設定1におけるおおよその当選確率は、BB(1):1/800、BB(1)+リプレイ(2):1/800、BB(2):1/800、BB(2)+リプレイ(2):1/800、リプレイ(1):1/7.3、スイカ:1/200、チェリー:1/60、ブドウ:1/100、小役GR(1):1/30、小役GR(2):1/30、小役GR(3):1/30、小役GR(4):1/30、小役GR(5):1/30となる。
遊技状態が内部中であれば、リプレイ(1)、リプレイ(2)、スイカ、チェリー、ブドウ、小役GR(1)、小役GR(2)、小役GR(3)、小役GR(4)、小役GR(5)が内部抽選の対象役となる。
遊技状態が内部中において対象役の設定1におけるおおよその当選確率は、図59に示す確率となるように判定値数が定められている。すなわち遊技状態が内部中において対象役の設定1におけるおおよその当選確率は、リプレイ(1):1/10、リプレイ(2):1/10、スイカ:1/200、チェリー:1/60、ブドウ:1/100、小役GR(1):1/30、小役GR(2):1/30、小役GR(3):1/30、小役GR(4):1/30、小役GR(5):1/30となる。
遊技状態がBB(RB)であれば、スイカ、チェリー、ブドウが内部抽選の対象役となる。
遊技状態がBB(RB)において対象役の設定1におけるおおよその当選確率は、図59に示す確率となるように判定値数が定められている。すなわち遊技状態がBB(RB)において対象役の設定1におけるおおよその当選確率は、スイカ:1/200、チェリー:1/60、ブドウ:1/1.25となる。
尚、ここでは、設定1における当選確率を例示しているが、設定値が高くなるほど特別役の当選確率が徐々に高くなるように設定されているのみで、各遊技状態及びRTでの抽選対象役は、設定値に関わらず同一であり、当選確率についても上記と類似する確率がそれぞれ設定されている。
このように、遊技状態が通常遊技状態であるか、内部中であるか、BB(RB)であるか、によって内部抽選の対象役が異なるとともに、BB(RB)では、小役の当選確率が通常遊技状態及び内部中よりも高く定められた抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
また、遊技状態が通常遊技状態である場合には、RT(0)〜(3)のいずれかであるかによって、内部抽選の対象となる再遊技役が異なるとともに、RT(0)〜(3)のいずれかであるかによって、対象となる再遊技役の当選確率が異なる抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。尚、RT(2)とRT(3)とでは、対象となる再遊技役が共通であるが、該当する再遊技役の当選確率の異なる抽選テーブルが用いられる。
本実施例では、複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(リプレイGR(1)(2))には、リールの停止順に応じて異なる図柄の組合せを入賞ラインに停止させる制御を行う。
リプレイGR(1)(リプレイ(1)+リプレイ(2))が当選している場合には、左を第1停止とする順番(左、中、右または左、右、中)でリールの停止操作を行った場合に、いずれかの入賞ラインにリプレイ(1)の組合せを揃え、左以外(中または右)を第1停止とする順番(中、左、右または中、右、左または右、左、中または右、中、左)でリールの停止操作を行った場合に、いずれかの入賞ラインに(2)の組合せを揃える制御が行われる。
一方、リプレイGR(2)(リプレイ(1)+リプレイ(2)+リプレイ(3))が当選している場合には、左以外(中または右)を第1停止とする順番でリールの停止操作を行った場合に、いずれかの入賞ラインにリプレイ(1)の組合せを揃え、左を第1停止とする順番でリールの停止操作を行った場合に、いずれかの入賞ラインに(2)の組合せを揃える制御が行われる。
このように本実施例では、リプレイGR(1)(2)が当選した場合には、当選したリプレイGRの種類に応じた特定の順番で停止操作を行うことで、リプレイ(1)が入賞ラインに揃い、特定の順番以外の順番で停止操作を行うことで、リプレイ(2)が入賞ラインに揃うこととなる。すなわちリプレイGR(1)(2)が当選した場合には、停止操作の順番に応じて入賞ラインに揃う再遊技役の種類が異なる。
また、リプレイGR(1)(2)のいずれかが当選しても、その種類が分からなければ意図的にリプレイ(1)(2)の一方が入賞する順番を選択することはできないことから、1/2の割合でそれぞれリプレイ(1)(2)が入賞することとなる。
本実施例では、複数種類の小役が同時に当選している場合(小役GR(1)〜(5))には、図60(a)(b)に示すように、特別役が当選していない状態(通常遊技状態)であるか、特別役が当選している状態(内部中)であるか、によって異なり、特に特別役が当選していない状態においては、リールの停止順に応じて異なる図柄の組合せを入賞ラインに停止させる制御を行う。
図60(a)に示すように、特別役が当選していない状態で小役GR(1)(ブドウ+2枚役(1)+2枚役(2)+2枚役(3)+2枚役(4)+1枚役(1)+1枚役(2)+1枚役(3)+1枚役(4))が当選している場合には、左、中、右の順番でリールの停止操作を行った場合に、図60(c)に示すように、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃え、他の小役を揃えない制御が行われ、左、中、右以外の順番でリールの停止操作を行った場合には、図60(d)に示すように、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に揃えさせる制御が行われる。この際、1枚役(1)〜(4)のいずれが揃うか、2枚役(2)〜(4)のいずれが揃うか、は中リールの中段に停止する図柄によって異なり、中リールの中段にプラムが停止すれば1枚役(1)と2枚役(1)がそれぞれ揃い、中リールの中段にスイカが停止すれば1枚役(2)と2枚役(2)がそれぞれ揃い、中リールの中段にチェリーが停止すれば1枚役(3)と2枚役(3)がそれぞれ揃い、中リールの中段にベルが停止すれば1枚役(4)と2枚役(4)がそれぞれ揃うこととなる。
特別役が当選していない状態で小役GR(2)(ブドウ+2枚役(1)+2枚役(2)+2枚役(3)+2枚役(4)+1枚役(1)+1枚役(2)+1枚役(3)+1枚役(4)+10枚役(1))が当選している場合には、左、右、中の順番でリールの停止操作を行った場合に、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃え、他の小役を揃えない制御が行われ、左、右、中以外の順番でリールの停止操作を行った場合には、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に揃えさせる制御が行われる。
特別役が当選していない状態で小役GR(3)(ブドウ+2枚役(1)+2枚役(2)+2枚役(3)+2枚役(4)+1枚役(1)+1枚役(2)+1枚役(3)+1枚役(4)+10枚役(2))が当選している場合には、右、左、中の順番でリールの停止操作を行った場合に、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃え、他の小役を揃えない制御が行われ、右、左、中以外の順番でリールの停止操作を行った場合には、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に揃えさせる制御が行われる。
特別役が当選していない状態で小役GR(4)(ブドウ+2枚役(1)+2枚役(2)+2枚役(3)+2枚役(4)+1枚役(1)+1枚役(2)+1枚役(3)+1枚役(4)+10枚役(3))が当選している場合には、右、中、左の順番でリールの停止操作を行った場合に、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃え、他の小役を揃えない制御が行われ、右、中、左以外の順番でリールの停止操作を行った場合には、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に揃えさせる制御が行われる。
特別役が当選していない状態で小役GR(5)(ブドウ+2枚役(1)+2枚役(2)+2枚役(3)+2枚役(4)+1枚役(1)+1枚役(2)+1枚役(3)+1枚役(4)+10枚役(1)+10枚役(2))が当選している場合には、中リールを第1停止とする順番(中、左、右または中、右、左の順番)でリールの停止操作を行った場合に、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃え、他の小役を揃えない制御が行われ、中リール以外を第1停止とする順番でリールの停止操作を行った場合には、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に揃えさせる制御が行われる。
このように本実施例では、小役GR(1)〜(5)が当選した場合には、当選した小役GRの種類に応じた特定の順番で停止操作を行うことで、1本の入賞ラインにブドウが揃い、特定の順番以外の順番で停止操作を行うことで、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役が同時に揃うこととなる。すなわち小役GR(1)〜(5)が当選した場合には、停止操作の順番に応じて入賞ラインに揃う小役の種類だけでなく、小役が揃う入賞ライン数も異なるようになるため、小役が入賞した際のリールの停止態様のバリエーションを増やすことができる。
また、当選した小役GRの種類に応じた特定の順番で停止操作を行って1本の入賞ラインにブドウを入賞させた場合には、10枚のメダルの払出を受けられるのに対して、特定の順番以外の順番で停止操作を行って2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に入賞させた場合には、3枚のメダルの払出しか受けることができない。すなわち特定の順番で停止操作するか、特定の順番以外で停止操作するかによって払い出されるメダル数を変化させることができる。
また、小役GR(1)〜(5)のいずれかが当選しても、その種類が分からなければ意図的にブドウが入賞する順番を選択することはできないことから、1/5の割合でブドウを入賞させることができるものの、4/5の割合で1枚役と2枚役が同時入賞することとなる。すなわち小役GR(1)〜(5)のいずれかが当選した場合には、1/5の割合で10枚のメダルを獲得できるが、4/5の割合では3枚しかメダルを獲得することができない。
本実施例では前述のように、特別役の当選後、小役が当選した場合(内部中において子役が当選した場合)には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させる制御を行うようになっているが、このように小役を優先させる制御を行う場合であっても、特別役が当選していることに変わりはないことから、特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方を引込範囲で引き込めるのであれば、小役の構成図柄のみが単独で入賞ラインに停止する停止位置よりも、特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方が入賞ラインに停止する停止位置を優先して導出させることが好ましい。
前述のように小役GR(1)〜(5)が当選した場合には、停止操作の順番に応じて1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃える制御か、2本の入賞ラインに1枚役の組合せと2枚役の組合せを同時に揃える制御か、のいずれかの制御を行うこととなるが、特別役、例えばBB(1)の当選後、小役GR(1)〜(5)が当選した場合に、後者の制御を行うと、小役の構成図柄のみが単独で入賞ラインに停止する停止位置よりも、特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方が入賞ラインに停止する停止位置を優先して導出させる制御を行った場合に、左リールにおいてBB(1)の構成図柄である黒7と1枚役の構成図柄であるブドウと2枚役の構成図柄であるリプレイがそれぞれ入賞ラインに停止する停止位置、すなわち小役の構成図柄のみが単独で入賞ラインに停止する停止位置よりも優先される停止位置は、17・18・19番図柄の黒7・ブドウ・リプレイの位置しか存在しない(18番図柄が下段のタイミングで停止すると、1枚役しか入賞ラインに揃えることができなくなることからこの場合には、0〜2番のブドウ・リプレイ・BARが停止することとなる)。
そして、左リールにおいてBB(1)の構成図柄である黒7と1枚役の構成図柄であるブドウと2枚役の構成図柄であるリプレイをそれぞれ入賞ラインに停止する停止位置、すなわち特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方が入賞ラインに停止する停止位置を増やそうとすると、黒7の前後に1枚役の構成図柄であるブドウと2枚役の構成図柄であるリプレイそれぞれ配置する必要があり、黒7の上下の図柄配置が制限を受けることとなる。
これに対して本実施例では、図55に示すように、左リールの図柄配列の一部として、BB(1)の構成図柄である黒7と、ブドウの構成図柄であるブドウと、を同時に異なる入賞ラインに停止可能であるが、BB(1)の構成図柄である黒7と、1枚役の構成図柄であるブドウと、2枚役の構成図柄であるリプレイと、を同時に異なる入賞ラインに停止させることが不可能な配置とし、さらに図60(b)に示すように、特別役が当選している状態で小役GR(1)〜(5)のいずれかが当選している場合には、リールの停止操作を行った順番に関わらず、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃え、他の小役を揃えない制御を行うようになっており、2本の入賞ラインに1枚役と2枚役を同時に揃えさせる制御が行われることはない。
このため、BB(1)の当選後、小役GR(1)〜(5)が当選した場合に、17・18・19番図柄の黒7・ブドウ・リプレイの位置だけでなく、18・19・20番図柄の白7・黒7・ブドウの位置も、左リールにおいてBB(1)の構成図柄である黒7とブドウの構成図柄であるブドウがそれぞれ入賞ラインに停止する停止位置、すなわち特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方が入賞ラインに停止する停止位置となり、BB(1)の構成図柄である黒7の上下どちらか一方のみに小役の構成図柄を配置するのみで、BB(1)の構成図柄である黒7とブドウの構成図柄であるブドウがそれぞれ入賞ラインに停止する停止位置を増やすことが可能となり、BB(1)の構成図柄である黒7の上下どちらか他方に配置される図柄が制限されることなく、自由に設定することが可能となる。
すなわち、BB(1)と小役GR(1)〜(5)のいずれかが当時に当選した場合に、小役の構成図柄のみが単独で入賞ラインに停止する停止位置よりも、特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方が入賞ラインに停止する停止位置を優先して導出させる構成にしても、左リールにおいてBB(1)を構成する黒7とブドウを構成するブドウとが同時に入賞ラインに停止する図柄配置、すなわち2種類の図柄が入賞ラインに停止する図柄配置とすることで、BB(1)を構成する黒7、1枚役を構成するブドウ、2枚役を構成するリプレイからなる3つの図柄が全て同時に入賞ラインに停止する図柄配置、すなわち3種類の図柄が入賞ラインに停止する図柄配置に比較して図柄配列の制限が少なくて済む。このため、左リールにおける図柄配置の設計自由度が増すこととなる。
さらに、特別役が当選していない状態では小役GR(1)〜(5)のいずれかが当選した場合に、リールの停止操作を行った順番に応じて1/5の割合でしかブドウの組合せが揃わないのに対して、特別役が当選している状態で小役GR(1)〜(5)のいずれかが当選している場合には、リールの停止操作を行った順番に関わらず、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃える制御を行うこととなるため、ブドウが入賞ラインに揃う頻度が高まることにより特別役の当選に対する期待感を高めることができる。
また、前述のように特別役の当選後、小役が当選した場合に特別役よりも小役を優先させる制御を行う場合であっても、特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方を引込範囲で引き込めるのであれば、小役の構成図柄のみが単独で入賞ラインに停止する停止位置よりも、特別役の構成図柄と小役の構成図柄の双方が入賞ラインに停止する停止位置を優先して導出させることが好ましいが、このような制御を行うと、小役GR(1)〜(5)のいずれかが当選した場合に、リールの停止操作を行った順番に応じて1枚役と2枚役が同時入賞させるか、ブドウを入賞させるか、を変化させると、特別役の当選後、遊技者の停止操作を行ったタイミングによっては、本来であれば1枚役と2枚役が同時に入賞する停止順にも関わらず、1枚役または2枚役のいずれか一方しか入賞させることができなかったり、ブドウが入賞してしまう可能性があり、このような場合には、特別役の当選後において小役GR(1)〜(5)のいずれかが当選した場合に、遊技者の技量によって獲得できるメダル数に変化が生じて不公平となるが、本実施例では、特別役が当選している状態で小役GR(1)〜(5)のいずれかが当選している場合に、リールの停止操作を行った順番に関わらず、いずれか1本の入賞ラインにブドウの組合せを揃える制御を行うので、このような状況であっても遊技者の技量によって獲得できるメダル数は変化しないため、不公平となることもない。
本実施例では、図61及び図62に示すように、通常遊技状態、内部中、BB(RB)のいずれかに制御され、さらに通常遊技状態においては、RT(0)〜(3)のいずれかに制御される。
前述のように、メイン制御部1041のRAM1041cには、遊技状態を特定可能な遊技状態フラグが格納される領域と、RTの種類を特定可能なRTフラグが格納される領域と、が割り当てられている。遊技状態フラグは、4ビットのデータであり、0000が通常遊技状態を示し、0001が内部中を示し、1100がBB(RB)を示す。RTフラグは、4ビットのデータであり、0000がRT(0)を示し、0001がRT(1)を示し、0010がRT(2)を示し、0011がRT(3)を示す。また、RAM1041cには、RTフラグの格納領域とともにRT残りゲーム数を格納可能な領域が1バイト分割り当てられており、RTが終了するまでの残りゲーム数が格納される。尚、ゲーム数の消化で終了しないRT(0)(3)の場合には、RT残りゲーム数として0が設定される。
図62に示すように、遊技状態フラグの値が0000、RTフラグの値が0000の場合は、通常遊技状態かつRT(0)であることを示し、遊技状態フラグの値が0000、RTフラグの値が0001の場合は、通常遊技状態かつRT(1)であることを示し、遊技状態フラグの値が0000、RTフラグの値が0010の場合は、通常遊技状態かつRT(2)であることを示し、遊技状態フラグの値が0000、RTフラグの値が0011の場合は、通常遊技状態かつRT(3)であることを示し、遊技状態フラグの値が0001、RTフラグの値が0000の場合は、内部中であることを示し、遊技状態フラグの値が1100、RTフラグの値が0000の場合は、BB(RB)であることを示す。
一方、本実施例では、対象役の判定値数が定められた抽選テーブルとして、内部中用の抽選テーブル、BB(RB)用の抽選テーブル、通常遊技状態用の抽選テーブルをそれぞれ有しており、さらに通常遊技状態用の抽選テーブルとして、RT(0)用の抽選テーブル、RT(1)用の抽選テーブル、RT(2)用の抽選テーブル、RT(3)用の抽選テーブルをそれぞれ有している。
そして、内部抽選処理においてRAM1041cに格納されている遊技状態フラグの値及びRTフラグの値を参照して遊技状態及びRTの種類を特定し、それに応じて抽選テーブルを選択し、選択した抽選テーブルを用いて抽選を行うことにより、遊技状態及びRTの種類に応じた抽選対象役について、遊技状態及びRTの種類に応じた当選確率にて抽選が行われるようになっている。
詳しくは、まず、RAM1041cに格納されている遊技状態フラグの値を参照し、現在の遊技状態がBB(RB)中か否か、内部中か否か、を判定し、現在の遊技状態がBB(RB)中であれば、BB(RB)中における内部抽選の対象役及びその判定値数が格納されたRB用の抽選テーブルを選択して抽選を行い、内部中であれば、内部中における内部抽選の対象役及びその判定値数が格納されたRB用の抽選テーブルを選択して抽選を行う一方で、現在の遊技状態がBB(RB)中でもなく、内部中でもない場合、すなわち通常遊技状態であれば、さらにRAM41cに格納されているRTフラグの値を参照し、その値から特定されるRTの種類に応じて内部抽選の対象役及びその判定値数が格納された通常用の抽選テーブルを選択して抽選を行うことで、各遊技状態及びRTの種類に応じた対象役の抽選が、各遊技状態及びRTの種類に応じた当選確率にて行われることとなる。
通常遊技状態におけるRT(0)は、RT(3)において1枚役と2枚役が同時に入賞したとき(小役GR(1)〜(5)のいずれかが当選し、特定の順番以外で停止操作がなされたとき)、RT(1)(2)が規定ゲーム数の消化により終了したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、通常遊技状態を示す0000から変わらず、RTフラグの値が、RT(0)を示す0000に更新され、RT残りゲーム数としてゲーム数の制限がない旨を示す0が設定される。そして、通常遊技状態におけるRT(0)は、RT(0)に移行してからのゲーム数に関わらず、リプレイ(1)が入賞してRT(1)に移行するか、リプレイ(2)が入賞してRT(2)に移行するか、特別役が当選して内部中に移行することで終了する。
図59に示すように、設定1において通常遊技状態のRT(0)における特別役の当選確率は通常(約1/200)、再遊技役の当選確率は高確率(約1/2)、小役の当選確率は通常(約1/5)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。また、通常遊技状態のRT(0)では、特別役と同時に当選する場合を除いて、再遊技役のうちリプレイGR(1)及びリプレイGR(2)のみが内部抽選の対象となり、リプレイ(1)、リプレイ(2)は内部抽選の対象外となる。また、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)の当選確率は、それぞれ約1/4であり、かつRT(1)へ移行するリプレイ(1)またはRT(2)へ移行するリプレイ(2)のいずれかが必ず入賞し、RT(1)またはRT(2)へ移行することとなるので、当選確率の低い特別役の当選を考慮しなければ、通常遊技状態においてRT(0)に移行した場合、その期待ゲーム数(平均ゲーム数)は約2ゲームとなる。尚、本実施例では、設定1の当選確率で計算した場合に、後述のように通常遊技状態を構成するRT(0)〜(3)のうちRT(0)が、特定の遊技状態において設定変更した場合に、他の遊技状態または他のRTへ移行するまでの期待ゲーム数(平均ゲーム数)が最も少ない構成となるが、設定1以外の設定値が設定されている場合でも、通常遊技状態を構成するRT(0)〜(3)のうちRT(0)が、特定の遊技状態において設定変更した場合に、他の遊技状態または他のRTへ移行するまでの期待ゲーム数(平均ゲーム数)が最も少ない構成となっている。
通常遊技状態におけるRT(1)は、RT(0)においてリプレイ(1)が入賞したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、通常遊技状態を示す0000から変わらず、RTフラグの値が、RT(1)を示す0001に更新され、RT残りゲーム数として1000が設定される。そして、通常遊技状態におけるRT(1)は、1ゲーム毎に、RT残りゲーム数が減算されるようになっており、規定ゲーム数(本実施例では1000G)消化してRT残りゲーム数が0となることでRT(0)に移行するか、特別役が当選して内部中に移行することで終了する。
図59に示すように、設定1において通常遊技状態のRT(1)における特別役の当選確率はRT(0)と同じく通常(約1/200)、再遊技役の当選確率はRT(0)よりも低く通常(約1/7.3)、小役の当選確率はRT(0)と同じく通常(約1/5)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。また、通常遊技状態のRT(1)では、再遊技役のうちリプレイ(1)及びリプレイ(2)のみが内部抽選の対象となり、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)は内部抽選の対象外となる。また、規定ゲーム数の前に特別役が当選することがほとんどであるため、通常遊技状態においてRT(1)に移行した場合、その期待ゲーム数(平均ゲーム数)は特別役が当選するまでの約200ゲームとなる。
通常遊技状態におけるRT(2)は、RT(0)においてリプレイ(2)が入賞したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、通常遊技状態を示す0000から変わらず、RTフラグの値が、RT(2)を示す0010に更新され、RT残りゲーム数として30が設定される。そして、通常遊技状態におけるRT(2)は、1ゲーム毎に、RT残りゲーム数が減算されるようになっており、規定ゲーム数(本実施例では30G)消化してRT残りゲーム数が0となることでRT(0)に移行するか、特別役が当選して内部中に移行することで終了する。
図59に示すように、設定1において通常遊技状態のRT(2)における特別役の当選確率はRT(0)と同じく通常(約1/200)、再遊技役の当選確率はRT(0)よりもさらに高く高確率(約1/1.3)、小役の当選確率はRT(0)と同じく通常(約1/5)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。また、通常遊技状態のRT(2)では、特別役と同時に当選する場合を除いて、再遊技役のうちリプレイ(1)のみが内部抽選の対象となり、リプレイ(2)、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)は内部抽選の対象外となる。また、当選確率の低い特別役の当選を考慮しなければ、通常遊技状態においてRT(2)に移行した場合、その期待ゲーム数(平均ゲーム数)は規定ゲーム数である約30ゲームとなる。
通常遊技状態におけるRT(3)は、BB(RB)の終了時に移行する。この際、遊技状態フラグの値は、通常遊技状態を示す0000から変わらず、RTフラグの値が、RT(3)を示す0011に更新され、RT残りゲーム数としてゲーム数の制限がない旨を示す0が設定される。そして、通常遊技状態におけるRT(3)は、RT(3)に移行してからのゲーム数に関わらず、1枚(1)と2枚(2)が同時入賞してRT(0)に移行するか、特別役が当選して内部中に移行することで終了する。
図59に示すように、設定1において通常遊技状態のRT(3)における特別役の当選確率は通常(約1/200)、再遊技役の当選確率はRT(0)よりも低く通常(約1/7.3)、小役の当選確率はRT(0)と同じく通常(約1/5)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。また、通常遊技状態のRT(3)では、特別役と同時に当選する場合を除いて、再遊技役のうちリプレイ(1)のみが内部抽選の対象となり、リプレイ(2)、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)は内部抽選の対象外となる。1枚(1)と2枚(2)が同時入賞しうる小役GRの(1)〜(5)の当選確率は約1/6であり、そのうち約4/5の割合で1枚(1)と2枚(2)が同時入賞し、RT(0)へ移行することとなるので、当選確率の低い特別役の当選を考慮しなければ、通常遊技状態においてRT(3)に移行した場合、その期待ゲーム数(平均ゲーム数)は約7.5ゲームとなる。
内部中は、通常遊技状態において特別役が当選したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、内部中を示す0001に更新され、RTフラグの値が、RT(0)を示す0000に更新され、RT残りゲーム数としてゲーム数も0に更新される。そして、内部中は、内部中に移行してからのゲーム数に関わらず、内部中に移行する契機となった特別役が入賞してBB(RB)に移行することで終了する。
図59に示すように、設定1において内部中においては、特別役が内部抽選の対象外となり、再遊技役の当選確率はRT0よりは低いがRT(1)(3)よりも若干高く高確率(約1/5)、小役の当選確率は通常(約1/5)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。また、内部中では、再遊技役のうちリプレイ(1)及びリプレイ(2)のみが内部抽選の対象となり、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)は内部抽選の対象外となる。尚、内部中では、RT(1)(3)よりも若干再遊技役の確率が高くなるものの、少ないゲーム数でその違いが特定できるほどの違いはない。
BB(RB)は、内部中において特別役が入賞したときに移行する。この際、遊技状態フラグの値は、BB(RB)を示す1100に更新され、RTフラグの値は、RT(0)を示す0000から変わらず、RT残りゲーム数も0から変わらない。そして、BB(RB)は、BB(RB)に移行してからのゲーム数に関わらず、BB(RB)に払い出されたメダルの総数が規定数を超えることで終了する。
図59に示すように、設定1においてBB(RB)においては、特別役及び再遊技役が内部抽選の対象外となり、小役の当選確率は、通常遊技状態、内部中よりも高く高確率(約1/1.2)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。
通常遊技状態、内部中、BB(RB)のうち、BB(RB)が1ゲームあたりのメダルの払出率がもっとも高く、最も有利な遊技状態である。
また、通常遊技状態におけるRT(0)〜(4)のうちRT(2)は、再遊技役の当選確率がRT(0)(1)(3)よりも高く、1ゲームあたりのメダルの払出率が1以上となるため、RT(0)(1)(3)に比較して相対的に有利な遊技状態となる。
また、RT(0)(1)(3)は、いずれも1ゲームあたりのメダルの払出率が1未満となるが、これらのうちRT(0)は、再遊技役の当選確率がRT(1)(3)よりも高く、RT(1)(3)に比較して相対的に有利な遊技状態となる。
また、RT(1)(3)は、いずれも1ゲームあたりのメダルの払出率が1未満であり、再遊技役の当選確率もほぼ同じであるが、RT(3)は、1枚役と2枚役が同時に入賞することで遊技者にとって有利なRT(2)への移行が期待できるRT(0)に移行するのに対して、RT(1)は、規定ゲーム数消化するまではRT(0)にもRT(2)にも移行することがないため、RT(3)は、RT(1)に比較して相対的に有利な遊技状態となり、RT(1)は、RT(0)(2)(3)のうち相対的に最も不利な遊技状態となる。
ここで本実施例の遊技状態の移行状況について説明すると、図61に示すように、BB(RB)が終了すると、通常遊技状態のRT(3)に移行する。
通常遊技状態のRT(3)では、1枚役と2枚役が同時に入賞することで、RT(0)に移行し、特別役が当選することで内部中に移行する。
通常遊技状態のRT(3)において小役GR(1)〜(5)のいずれかが当選し、かつ特定の順番以外の順番で停止操作を行ってブドウを入賞させることができなかった場合に1枚役と2枚役が同時に入賞することとなるため、BB(RB)の終了後に移行した通常遊技状態のRT(3)において小役GR(1)〜(5)のいずれかが当選し、かつ1枚役と2枚役を同時に入賞させた場合よりも多くのメダルが獲得できるブドウを入賞させることができなかった場合に、RT(0)に移行することとなる。
通常遊技状態のRT(0)では、リプレイ(1)が入賞することでRT(1)に移行し、リプレイ(2)が入賞することでRT(2)に移行する。また、特別役が当選した場合には、内部中に移行する。
通常遊技状態のRT(1)では、RT(1)へ移行後、特別役が当選せずに規定ゲーム数(1000G)消化することで再びRT(0)に戻り、規定ゲーム数消化する前に特別役が当選した場合には内部中に移行する。
通常遊技状態のRT(2)では、RT(2)へ移行後、特別役が当選せずに規定ゲーム数(30G)消化することで再びRT(0)に戻り、規定ゲーム数消化する前に特別役が当選した場合には内部中に移行する。
内部中では、当該内部中へ移行する契機となった特別役が入賞することでBB(RB)に移行する。
このように本実施例では、BBの終了後に移行するRT(3)からは、直接、遊技者にとって有利なRT(2)へ移行することがなく、RT(3)からRT(2)へ移行させる場合には、RT(3)において必ずしも成立するとは限らない1枚役と2枚役が同時に入賞することで移行するRT(0)を必ず介して移行することとなる。さらにRT(0)からRT(2)へ移行させる場合には、RT(0)において必ずしも成立するとは限らないリプレイ(2)を入賞させる必要がある。すなわちRT(3)からRT(2)へ移行するためには、必ずしも成立するとは限らない複数の条件を満たすことが必要となるため、BBの終了後、遊技者にとって有利なRT(2)へ移行するまでのゲーム性が単調化することがなく、RT(3)からRT(2)へ移行するまでの興趣を効果的に高めることができる。
また、本実施例では、RT(3)において小役GR(1)〜(5)のいずれかが当選し、特定の順番以外の順番で停止操作が行われ、1枚役と2枚役が同時に入賞したときに、RT(3)からRT(0)へ移行させるようになっている。すなわち小役GR(1)〜(5)の当選時には、特定の順番以外で停止操作を行えば1枚役と2枚役が同時に入賞し、3枚のメダルが払い出されるのに対して、特定の順番で停止操作を行うことによりブドウが入賞し、10枚のメダルが払い出されるが、このうち獲得できるメダル数が少ない1枚役と2枚役の同時入賞時であっても、遊技者にとって有利なRT(2)へ移行させることが可能なRT(0)へ移行するので、RT(3)においては、小役GR(1)〜(5)の当選時に、獲得枚数の少ない1枚役と2枚役の同時入賞であっても遊技者にとって利益となる。一方で、RT(0)へ移行させることができなかった場合には、常にRT(0)への移行条件となる1枚役と2枚役の同時入賞よりも多い数のメダルが付与されることとなるため、いずれの場合であっても遊技者にとって有利となる。
また、RT(0)においては、メダルの増加が期待できないRT(1)、メダルの増加が期待できるRT(2)の双方に移行する可能性がある。そしてRT(2)は、終了後再びRT(0)に戻るため、RT(0)からRT(2)へ一度移行すると、RT(2)が終了しても再びRT(2)へ移行する機会が提供されることとなり、RT(2)に周期的に制御することが可能となる。一方、RT(0)からRT(1)へ移行すると、当該RT(1)が終了するまでRT(2)へ移行することがないが、RT(1)が終了すると再びRT(0)となるため、このような場合でも周期的にRT(2)へ移行する機会が訪れることとなる。すなわちRT(0)は、メダルの増加が期待できるRT(2)へ移行する可能性のあるチャンスゾーンとして機能し、このようなチャンスゾーンからRT(1)へ移行した場合でもRT(2)へ移行した場合でも周期的に訪れることとなる。
また、前述のようにRT(0)においてリプレイ(1)が同時に入賞すると、遊技者にとって有利なRT(2)への移行が期待できないRT(1)に移行することとなる。リプレイGR(1)(2)のいずれかが当選した際に、前述した遊技者にとって有利なRT(2)へ移行するリプレイ(2)及び遊技者にとって不利なRT(1)へ移行するリプレイ(1)のいずれかが入賞することとなるが、当選したリプレイGRの種類に応じた特定の順番で停止操作を行うことによりリプレイ(2)が入賞、すなわちRT(1)への移行を回避しつつRT(2)へ移行させることが可能となる。
しかしながら、RT(0)においてリプレイGR(1)(2)のいずれかが当選した場合に、その種類が分からなければ意図的にリプレイ(2)を入賞させ、リプレイ(1)の入賞を回避することとなる停止順を選択することはできず、1/2の割合でリプレイ(2)が入賞することとなる停止順が選択され、RT(1)への移行を回避し、RT(2)へ移行させることができるが、1/2の割合でリプレイ(1)が入賞することとなる停止順が選択され、RT(1)へ移行してしまうこととなる。
これに対してサブCPU1091aは、RT(0)においてリプレイGR(1)(2)のいずれかが当選した場合に、リプレイ(1)の入賞を回避し、かつリプレイ(2)が入賞することとなる停止順を報知するリプレイナビを実行することが可能であり、リプレイナビが実行されることにより、遊技者はリプレイ(1)の入賞を回避し、かつリプレイ(2)が入賞することとなる停止順を特定することが可能となり、報知された停止順に従ってリールの停止操作を行うことでリプレイ(1)の入賞を回避してリプレイ(2)を入賞させることが可能となり、RT(1)への移行を回避し、かつRT(2)へ移行させることができるようになっている。
また、サブCPU1091aは、RT(2)において小役GR(1)〜(5)のいずれかが当選した場合に小役ナビを実行するようになっており、RT(2)中において小役GR(1)〜(5)が当選した場合には、小役ナビにより報知された順番にて停止操作を行うことにより、1枚役と2枚役が同時に入賞した場合よりも多くのメダルを獲得できるブドウを入賞させることが可能となり、RT(2)の有利度を一層高めることができる。
尚、リプレイナビは、リールの停止順を遊技者が認識可能なものであれば良く、リールの停止順を示唆する画像などを液晶表示器1051に表示することで報知するものや、対応するLEDの点灯、対応する音声の出力などによって報知するものであっても良い。
また、本実施例では、前述のように小役GR(1)〜(5)のいずれかが当選した際に、当選した小役GRの種類に応じた特定の順番で停止操作を行うことにより、ブドウが入賞して10枚のメダルを獲得することが可能となる。
しかしながら、小役GR(1)〜(5)のいずれかが当選した場合に、その種類が分からなければ意図的にブドウを入賞させることとなる停止順を選択することはできず、1/5の割合でブドウが入賞することとなる停止順が選択され、ブドウが入賞し、10枚のメダルを獲得できるが、4/5の割合で1枚役と2枚役が同時に入賞することとなる停止順が選択され、3枚のメダルしか獲得することができない。
これに対してサブCPU1091aは、小役GR(1)〜(5)のいずれかが当選した場合に、ブドウが入賞することとなる停止順を報知する小役ナビを実行することが可能であり、小役ナビが実行されることにより、ブドウが入賞することとなる停止順を特定することが可能となり、報知された停止順に従ってリールの停止操作を行うことでブドウを入賞させることが可能となり、1枚役と2枚役が同時入賞した場合よりも多くのメダルを獲得することができるようになっている。
尚、小役ナビは、リールの停止順を遊技者が認識可能なものであれば良く、リールの停止順を示唆する画像などを液晶表示器51に表示することで報知するものや、対応するLEDの点灯、対応する音声の出力などによって報知するものであっても良い。
また、本実施例では、前述のように遊技状態フラグ、RTフラグ、RT残りゲーム数、当選フラグ、BB中のメダル払出総数は、RAM41cの領域のうち設定変更時に初期化されない重要ワークに割り当てられている。
このため、設定変更がされた場合には、設定値が新しく設定された設定値に更新され、新しい設定値に基づく確率にて内部抽選が行われることとなるが、遊技状態フラグの値、RTフラグの値及びRT残りゲーム数の値、当選フラグの値、BB中のメダル払出総数は、設定変更前のまま維持されるので、通常遊技状態において設定変更された場合には、設定変更前のRTの種類及び残りRTゲーム数が設定変更後も引き継がれることとなり、内部中において設定変更された場合には、内部中及び当該内部中の契機となった特別役の当選フラグが設定変更後も引き継がれることとなり、BB(RB)中において設定変更された場合には、BB(RB)及びBB中のメダル払出総数、すなわちBBの終了条件も引き継がれることとなる。
本実施例のサブCPU1091aは、遊技状態に対応する遊技状態演出を実行する。遊技状態演出には、通常演出、チャンスゾーン演出、ナビ付きチャンスゾーン演出、RT中演出、ボーナス確定演出、ボーナス中演出が含まれる。
これら遊技状態演出のうち通常演出は、主に通常遊技状態におけるRT(1)(3)において実行される遊技状態演出であるが、通常遊技状態においていずれかの特別役に当選し、内部中に移行した後も、後述する移行演出が実行されてボーナス確定演出に移行するまでは、通常演出が実行されるようになっている。
遊技状態演出のうちチャンスゾーン演出は、RT(0)、すなわち遊技者にとって有利なRT(2)へのチャンスゾーンとなる遊技状態において実行される遊技状態演出である。また、ナビ付きチャンスゾーン演出は、RT(0)において前述したリプレイナビを実行する権利が付与されている場合に実行される遊技状態演出であり、ナビ付きチャンスゾーン演出が実行されているRT(0)においてリプレイGR(1)(2)が当選した場合には、リプレイナビが実行されるので、そのナビに従って停止操作を行うことで、RT(2)へ移行させることが可能となる。
遊技状態演出のうちRT中演出は、遊技者にとって有利なRT(2)において実行される遊技状態演出であり、他の遊技状態では実行されることのないRT(2)に固有の遊技状態演出である。
遊技状態演出のうちボーナス確定演出は、内部中、すなわち特別役が当選している状態において実行される演出であり、他の遊技状態では実行されることのない内部中に固有の遊技状態演出である。
遊技状態演出のうちボーナス中演出は、BB(RB)において実行される遊技状態演出であり、他の遊技状態では実行されることのないBB(RB)に固有の遊技状態である。
また、前述のように、設定変更がされた場合には、設定値が新しく設定された設定値に更新され、新しい設定値に基づく確率にて内部抽選が行われることとなるが、遊技状態フラグの値、RTフラグの値及びRT残りゲーム数の値、当選フラグの値は、設定変更前のまま維持されるので、内部中において設定変更された場合には、内部中及び当該内部中の契機となった特別役の当選フラグが設定変更後も引き継がれることとなるが、この場合、ボーナス確定演出が既に実行されている場合でも、設定変更後は、設定変更前に実行していたボーナス確定演出は実行せず、通常演出を実行するようになっている。
これに対してチャンスゾーン演出、ナビ付きチャンスゾーン演出、RT演出、ボーナス中演出が実行されている状態で設定変更がされた場合には、設定変更後も、変更前に実行されていたチャンスゾーン演出、ナビ付きチャンスゾーン演出、RT演出、ボーナス中演出を引き続き実行するようになっている。
また、前述のように通常遊技状態においていずれかの特別役に当選し、内部中に移行した場合に、移行演出が実行された後、ボーナス確定演出が実行されるようになっている。
移行演出は、移行演出選択抽選に当選した場合に実行される。移行演出抽選では、図63(a)に示す確率にて移行演出が実行されるか否か及びその種類が決定される。
移行演出は、パターンA〜Fの6種類からなり、ゲーム数及び演出態様が異なる。
パターンAは、1ゲームの移行演出であり、RT(1)(3)において通常演出が実行されている場合(非内部中)にはA1の確率で選択され、通常遊技状態においてRT(1)(3)において特別役が当選して内部中に移行し、通常演出が実行されている場合(通常→内部中)にはA2の確率で選択され、特別役が当選している状態で設定変更がなされた後、通常演出が実行されている場合(設定→内部中)にはA3の確率で選択される。
パターンBは、1ゲームの移行演出であり、RT(1)(3)において通常演出が実行されている場合(非内部中)にはB1の確率で選択され、通常遊技状態においてRT(1)(3)において特別役が当選して内部中に移行し、通常演出が実行されている場合(通常→内部中)にはB2の確率で選択され、特別役が当選している状態で設定変更がなされた後、通常演出が実行されている場合(設定→内部中)にはB3の確率で選択される。
パターンCは、3ゲームの移行演出であり、RT(1)(3)において通常演出が実行されている場合(非内部中)にはC1の確率で選択され、通常遊技状態においてRT(1)(3)において特別役が当選して内部中に移行し、通常演出が実行されている場合(通常→内部中)にはC2の確率で選択され、特別役が当選している状態で設定変更がなされた後、通常演出が実行されている場合(設定→内部中)にはC3の確率で選択される。
パターンDは、3ゲームの移行演出であり、RT(1)(3)において通常演出が実行されている場合(非内部中)にはD1の確率で選択され、通常遊技状態においてRT(1)(3)において特別役が当選して内部中に移行し、通常演出が実行されている場合(通常→内部中)にはD2の確率で選択され、特別役が当選している状態で設定変更がなされた後、通常演出が実行されている場合(設定→内部中)にはD3の確率で選択される。
パターンEは、4ゲームの移行演出であり、RT(1)(3)において通常演出が実行されている場合(非内部中)にはE1の確率で選択され、通常遊技状態においてRT(1)(3)において特別役が当選して内部中に移行し、通常演出が実行されている場合(通常→内部中)にはE2の確率で選択され、特別役が当選している状態で設定変更がなされた後、通常演出が実行されている場合(設定→内部中)にはE3の確率で選択される。
パターンFは、4ゲームの移行演出であり、RT(1)(3)において通常演出が実行されている場合(非内部中)にはF1の確率で選択され、通常遊技状態においてRT(1)(3)において特別役が当選して内部中に移行し、通常演出が実行されている場合(通常→内部中)にはF2の確率で選択され、特別役が当選している状態で設定変更がなされた後、通常演出が実行されている場合(設定→内部中)にはF3の確率で選択される。
尚、設定→内部中の場合には、設定変更後、5ゲーム間は、移行演出選択抽選を実行せず、その間は、移行演出が実行されることもなくボーナス確定演出が実行されることもない。
図63(b)−(1)に示すように、パターンA〜Fのいずれかが選択される確率、すなわち移行演出が実行される確率が非内部中よりも通常→内部中の場合の方が選択率が高く、移行演出が実行されることで、特別役に当選している可能性が高い旨が示唆されることとなる。また、特別役が当選している場合には、移行演出の後、ボーナス確定演出に移行する。
図63(b)−(2)に示すように、パターンA〜Fのいずれかが選択される確率、すなわち移行演出が実行される確率が設定→内部中よりも通常→内部中の場合の方が選択率が高く、通常→内部中よりも設定→内部中の場合の方が移行演出が実行されるまでに要するゲーム数が多くなりやすく、ボーナス確定演出に移行するまでに要するゲーム数も多くなる割合が高い。
図63(b)−(3)に示すように、ゲーム数がともに1ゲームのパターンA、パターンBのうちパターンAが選択される比率が、通常→内部中(A2/(A2+B2))よりも設定→内部中(A3/(A3+B3))の方が高くなる選択率にてパターンA、Bが選択される。
図63(b)−(4)に示すように、ゲーム数がともに3ゲームのパターンC、パターンDのうちパターンCが選択される比率が、通常→内部中(C2/(C2+D2))よりも設定→内部中(C3/(C3+D3))の方が高くなる選択率にてパターンC、Dが選択される。
図63(b)−(5)に示すように、ゲーム数がともに4ゲームのパターンE、パターンFのうちパターンEが選択される比率が、通常→内部中(E2/(E2+F2))よりも設定→内部中(E3/(E3+F3))の方が高くなる選択率にてパターンE、Fが選択される。
このため、設定→内部中の場合には、通常→内部中よりもパターンA、BのうちパターンAが選択されやすく、パターンC、DのうちパターンCが選択されやすく、パターンE、FのうちパターンEが選択されやすい。
図63(b)−(6)に示すように、設定→内部中において選択される移行演出のゲーム数の平均値((A3×1)+(B3×1)+(C3×3)+(D3×3)+(E3×4)+(F3×4))が、通常→内部中において選択される移行演出のゲーム数の平均値((A2×1)+(B2×1)+(C2×3)+(D2×3)+(E2×4)+(F2×4))よりも大きくなる選択率にてパターンA〜Fが選択される。このため、設定→内部中の場合には、通常→内部中よりも長いゲーム数の移行演出が選択されやすい。
前述のように本実施例のスロットマシン1001では、設定変更がされた場合には、設定値が新しく設定された設定値に更新され、新しい設定値に基づく確率にて内部抽選が行われることとなるが、遊技状態フラグの値、RTフラグの値及びRT残りゲーム数の値、当選フラグの値、BB中のメダル払出総数は、設定変更前のまま維持されるようになっている。
そして、内部中において設定変更された場合には、内部中及び当該内部中の契機となった特別役の当選フラグが設定変更後も引き継がれることとなるが、この場合、ボーナス確定演出が既に実行されている場合でも、設定変更後は、設定変更前に実行していたボーナス確定演出は実行せず、通常演出を実行するようになっている。
このため、遊技店の開店時において通常演出が実行されている場合であっても、前日の内部中が維持されていることを期待させることができる。さらに、内部中が維持され、その後、ボーナス確定演出が実行された場合には、遊技者から見て前日から維持されていたものであるかを判別はできないことから、遊技者が自力で特別役を当選させたと思わせることができる。
また、本実施例では、遊技者にとって有利な遊技状態が内部中だけでなく、BB(RB)やRT(2)、RT(0)も遊技者にとって有利であるが、これらBB(RB)やRT(2)、RT(0)は、遊技者にとって不利なRT(1)やRT(3)に比較して小役または再遊技役の当選確率が非常に高く、小役や再遊技役の入賞頻度などから遊技状態の違いが明らかであり、このような遊技状態の場合には、設定変更後も、これら遊技状態に固有なボーナス中演出、RT中演出、チャンスゾーン演出またはナビ付きチャンスゾーン演出が引き続き実行されるようになっている。そして、これらBB(RB)やRT(2)、RT(0)ではなく、役の入賞頻度などからその遊技状態であることを特定することが困難な内部中のみ、設定変更後、その状態に固有なボーナス中演出を実行せず、通常演出を実行するので、遊技者から見て前日から維持されていたものであるかの判別を一層困難とすることができる。
また、本実施例では、移行演出が実行される確率が設定→内部中よりも通常→内部中の場合の方が選択率が高く、通常→内部中よりも設定→内部中の場合の方が移行演出が実行されるまでに要するゲーム数が多くなりやすく、設定→内部中の場合には、ボーナス確定演出に移行するまでに要するゲーム数も多くなる割合が高いので、効果的に遊技者が自力で特別役を当選させたと思わせることができる。
さらに本実施例では、設定→内部中において選択される移行演出のゲーム数の平均値が、通常→内部中において選択される移行演出のゲーム数の平均値よりも大きく、設定→内部中の場合には、通常→内部中よりも長いゲーム数の移行演出が選択されやすく、設定→内部中の場合には、ボーナス確定演出に移行するまでに要するゲーム数がさらに多くなる割合が高くなるので、一層効果的に遊技者が自力で特別役を当選させたと思わせることができる。
また、本実施例では、設定→内部中の場合に、設定変更後、5ゲーム間は、移行演出選択抽選を実行せず、その間は、移行演出が実行されることもなくボーナス確定演出が実行されることが制限されるので、一層効果的に遊技者が自力で特別役を当選させたと思わせることができる。
また、本実施例では、ナビ付きチャンスゾーン演出が実行されている場合にリプレイGR(1)(2)のいずれかが当選した場合に、RT(2)へ移行するリプレイ(2)を入賞させる停止順が報知されるリプレイナビが実行されるようになっているが、RT(0)においてナビ付きチャンスゾーン演出が実行されている場合に設定変更がなされた場合には、設定変更後も、リプレイナビの権利が維持されるとともに、ナビ付きチャンスゾーン演出も維持されるようになっており、設定変更後、通常演出が実行されているにも関わらず、リプレイナビが突然行われてしまうようなことがなく、本来であればナビ付きチャンスゾーン演出が実行されている状態で実行されるべきリプレイナビが通常演出が実行されている状態において実行されてしまうことにより、遊技者に不信感を与えてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、通常演出が実行されている状態において特別役が当選した場合に、その後、移行演出を介してボーナス確定演出が実行されることとなるが、設定→内部中の場合には、通常→内部中よりもパターンA、BのうちパターンAが選択されやすく、パターンC、DのうちパターンCが選択されやすく、パターンE、FのうちパターンEが選択されやすいので、開店後、通常演出から最初にボーナス確定演出へ移行した際に実行された移行演出の種類に応じてボーナス確定演出にて示された内部中が、前日から維持されている内部中であるのか、自ら引き当てた内部中であるのか、をある程度推測することができる。
ここで、本実施例のスロットマシン1において実施される移行演出や、チャンスゾーン演出の状況について説明する。
図64は、本実施例におけるチャンスゾーン演出の一例を示す図である。このチャンスゾーン演出では、チャンスゾーン演出の1種類を成す音程合わせ演出が開始されることにより、図64(a)に示すように、演出表示領域1051cに「ボタンを押して音程を合わせろ!」のメッセージとボタンの表示が演出表示装置9に表示される。
そして、合わせる音程の音がスピーカ1053、1054を出力した後、図64(b)に示すように、「入力有効」が表示される。この入力有効が表示されている期間において、遊技者は、プッシュボタン1516を押して、正面に設けられている指向性マイク1061cに向けて、出力された音と同じ音程の音を発声して入力する。
尚、「入力有効」が表示されている期間においてプッシュボタン1516の操作がボタンスイッチ1516aにより検出されている間においてサブCPU1091aは、音声出力回路1094に対して、スピーカ1053、1054からの出力音の音量を下げる指示を出して出力音の音量を下げることにより、遊技者の発声の指向性マイク1061bへの入力が出力音によって妨げられて、入力された音声が不明瞭になってしまうことを防止する。
これら入力された音は、実施例1の場合と同様に、プッシュボタン1516の操作が検出されている期間において信号処理回路1099bのワークメモリに記憶されている入力データ(音声データ)に基づいて、スピーカ1053、1054から出力された音の音程と比較照合され、その一致度合いが所定の閾値以上である場合、例えば、3つの音のうち、2つ以上の音が合致している場合には入力成功と判断されて、図64(e)に示す画面が表示されて、全ての音の音程が合致していることが遊技者に報知される。一方、一致度合いが所定の閾値以上でない場合には、図64(c)に示すように、入力された3種類の音の内、2の音の音程が違っていることを示す表示画面が演出表示領域1051cに表示されて、音程が違っていることを遊技者に報知する。
この図64(c)に示す画面が表示された場合において本実施例では、図64(d)に示す「再挑戦!!」の画面が表示されることに応じて、合わせる音程の音がスピーカ1053、1054が出力された後、「入力有効」が表示される。
そして、再度、プッシュボタン1516を押して入力された遊技者の声の音程が、信号処理回路1099bにて比較照合されて、再度、上記したように、音程の一致度合いに基づいて入力成否が判定される。
そして、入力が成功と判断された場合には、リプレイナビを実行する権利が付与されることで、ほほ確実にRT(2)へ移行させることができるようになるとともに、図64(f)に示すように、「有利RT確定」の表示がなされる。尚、入力が不成功と判断された場合には、リプレイナビを実行する権利は付与されず、「残念!!」の表示が表示される。
尚、本実施例2では、実施例1のパチンコ遊技機1のように、合言葉や大声の音声入力を行う演出を実施してないが、当然ながら、これら音程合わせ演出ともに、チャンスゾーン演出やその他の演出の1種類として、合言葉や大声の音声入力を行う演出を実施するようにしても良い。同様に、実施例1のパチンコ遊技機1において、図64に示すように、音程を合わせる演出を、予告演出の1つとして実施するようにしても良い。
図65は、本実施例における移行演出の一例を示す図である。この移行演出では、移行演出の1種類を成すジェスチャー(ポーズ)演出が開始されることにより、図65(a)に示すように、演出表示領域1051cに「ボタンを押して同じポーズをとれ!」のメッセージとボタンの表示が演出表示領域1051cに表示されることで、プッシュボタン1516を押してからポーズをとることを遊技者に促した後、図65(b)に示すように、遊技者が行うジェスチャー(ポーズ)の画像と「入力有効」が表示される。
この入力有効が表示されている期間において、遊技者は、プッシュボタン1516を押した後、画像の入力が有効とされる所定時間内に演出表示領域1051cに表示されているポーズと同じポーズをすることで、ポーズの入力を行う。
遊技者によりプッシュボタン1516が押されてから所定時間(入力有効期間)において、CCDカメラ1060a,1060bにて撮像された画像データが入力データとしてワークメモリに一時記憶される。
そして、所定時間が経過することに応じて、一時記憶された画像データの画像認識と、演出表示領域1051cに表示されたポーズとの比較照合が、実施例1の場合と同様に実施されて、入力の成否が判定される。
そして、入力成功と判定された場合には、図65(c)に示すように、「OK」の文字を含む入力成功の演出画像が演出表示領域1051cに表示された後、内部当選している可能性を示す内部当選期待度が表示される演出が実施される一方、入力不成功と判定された場合には、「NG」の文字を含む入力不成功の演出画像が演出表示領域1051cに表示されて演出が終了することで、内部当選期待度の表示が実施されない。
尚、入力成功と判定された場合には、画像から遊技者の属性である女性か男性かが特定され、これら属性に応じたキャラクタによる内部当選期待度の表示演出が実施される。
具体的には、入力された画像データから特定される遊技者の属性が男性である場合には、男性遊技者に対応する成功演出用データがセットされることで、図65(d)に示すように、女性のキャラクタが表示されるとともに、内部中状態である可能性を示す内部当選期待度が表示される一方、画像データから特定される遊技者の属性が女性である場合には、女性遊技者に対応する成功演出用データがセットされることで、図65(e)に示すように、男性のキャラクタが表示されるとともに、内部中状態である可能性を示す内部当選期待度が表示される。
尚、図65における内部当選期待度としては、内部中状態にある場合には、例えば80%が表示されることで、内部中である可能性が高いことを報知する一方、内部中でない通常状態にある場合には、例えば20%が表示されることで、内部中である可能性が低いことを報知するようにすれば良い。
また、図65は、1ゲームの移行演出であるパターンAの場合を例示したが、2ゲームの移行演出であるパターンB、3ゲームの移行演出であるパターンC等であっても良く、この場合には、個々のゲーム毎に入力するジェスチャー(ポーズ)を異なるものとして、全てのジェスチャー(ポーズ)の入力に成功した場合に、内部当選期待度を表示するようにしても良く、このように複数のジェスチャー(ポーズ)の入力を行う場合には、より多くのジェスチャー(ポーズ)の入力に成功することで、内部中状態にある場合において、より高い%表示、例えば、2回成功で90%、3回成功で95%、4回成功で100%(確定報知)とするようにしても良い。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、入力情報として遊技者の声やジェスチャー(ポーズ)を入力する場合を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技者が携行する携帯電話等の携帯端末に、前述のメーカーサイトから合言葉の音声やキャラクタの映像や特定データがシンボル化された2次元情報記録シンボル等をダウンロードして記憶しておき、これら記憶している合言葉の音声を携帯端末にて再生出力してパチンコ遊技機1やスロットマシン1001に入力したり、記憶しているキャラクタの映像や2次元情報記録シンボルを表示出力してパチンコ遊技機1やスロットマシン1001に入力することで、これら合言葉の音声やキャラクタの映像や2次元情報記録シンボルが照合されて入力が成功することにより、前述した保留予告の演出制御が実施されたり、或いは確変潜伏期待度や大当り期待度等の情報が表示される演出制御が実施されるようにしても良い。
また、前記実施例では、音量レベル検出回路126における音量レベルに応じて音声増幅回路128が指向性マイク61bからの入力音を増幅するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら音声増幅回路128における増幅量を、遊技場の店員等が変更する変更ボリュームを設けて、指向性マイク61bからの入力音の増幅量を遊技場の店員等が適宜に変更できるようにしても良い。
また、前記実施例1では、プッシュボタン516の操作受付け開始タイミングにおいて、プッシュボタン516の操作が既に継続されていることにより、該操作受付け開始タイミング時に演出制御用CPU120がプッシュボタン516の操作異常を判定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらプッシュボタン516の操作受付け開始タイミングにおいて異常判定するための判定時間がセットされる異常判定タイマのタイマカウントを開始して、該異常判定タイマがタイマアップしたときまでプッシュボタン516の操作が継続している場合において操作異常と判定して操作異常フラグをセットすることで、音声の入力を無効とするようにしても良い。
また、これら操作異常フラグは、入力予告処理においてのみセットするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらプッシュボタン516の操作を演出制御用CPU120が常に監視して、プッシュボタン516の操作が上記した判定時間において継続している場合は、操作異常フラグや入力制限フラグをセットするようにしても良い。つまり、プッシュボタン516の操作が継続している継続期間に基づいて操作異常を判定するようにしても良い。
また、前記実施例1では、遊技者が入力系予告演出においてプッシュボタン516を操作しなかった場合に入力制限フラグをセットするようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、プッシュボタン516の操作があっても音声やジェスチャー(ポーズ)の入力が無かった場合においても入力制限フラグをセットするようにしても良い。
また、前記実施例1では、複数の指向性マイク61a〜61cを使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら指向性マイク61a〜61cを指向性マイク61bの1つのみとしても良いし、使用するマイクとして61bのみを指向性を有するマイクとし、61a、61cを、指向性を有しないマイクとしても良い。
また、前記実施例では、遊技者が入力系予告演出においてプッシュボタン516を操作しなかった場合において入力制限フラグをセットすることにより、入力系予告演出を決定しないようにすることで、音声やジェスチャー(ポーズ)の入力を制限しており、このようにすることは、これら音声やジェスチャー(ポーズ)の入力を希望しない遊技者に対応した演出を行うことができるようになることから、以降の遊技者の興趣を向上できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら音声やジェスチャー(ポーズ)の入力制限を実施しないようにしても良い。
また、前記実施例では、入力制限フラグをセットされている場合には、入力系予告演出を決定しないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら入力系予告演出を決定可能とし、例えば、合言葉予告演出であれば、音声の入力に代えて、合言葉の最初の文字から最後の文字の各選択候補を、各文字毎に順次表示して選択操作を受付ける演出とすることで、音声の入力やジェスチャー(ポーズ)の入力を恥ずかしいと感じる遊技者でも、入力成功による成功演出の実行を受けられるようにしても良い。
また、前記実施例では、音声の入力に際しては、画像データの記憶を実施しないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら画像データの記憶を並行して実施し、音声認識が良好に実施できないときには、これら記憶している画像データに基づく遊技者の口の動きから、遊技者が発声した語句や語音を特定して、音声認識を補完するようにしても良い。
また、前記実施例では、音声の入力やジェスチャー(ポーズ)の入力を個別に実施する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら音声とジェスチャー(ポーズ)とを同時に入力するようにしても良い。
また、前記実施例では、入力の完了した段階で、ワークメモリに一時記憶している音声データや画像データによる音声認識や画像認識による照合を実施するようにすることで、音声認識や画像認識の精度を向上できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、音声認識を入力に伴って実施し、認識により変換する変換候補の複数の文字を演出表示装置9に表示して、これらの候補の中から入力した文字の選択を遊技者から受付けるようにしても良い。
また、前記実施例では、入力の成否を比較照合における一致度合いに基づいて判定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出表示装置9に表示された文字列(語句)の末尾の文字から始まる文字列(語句)を入力して、遊技機としりとりをするしりとり演出を実施し、所定回数のしりとりに成功することで、入力成功と判断するようにしても良い。
また、前記実施例では、指向性マイク(右マイク)61a,1061a並びに指向性マイク(左マイク)61c,1061cを設けて、中央の指向性マイク61b,1061bから遊技者の音声が入力される時点の遊技機の周囲の音を入力し、該周囲の音量に基づいて指向性マイク61b,1061bから入力された音の増幅を行うようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、指向性マイク(右マイク)61a,1061a並びに指向性マイク(左マイク)61c,1061cを設けずに、中央の指向性マイク61b,1061bのみを設ける場合には、該指向性マイク61b,1061bからの入力を有効としない、プッシュボタン516、1516が操作されていないときにおける音量を遊技機の周囲の音の音量として特定し、該音量に応じて、有効時に指向性マイク61b,1061bから入力される音を増幅するようにしても良い。
また、前記実施例では、操作部の操作を検出しないこと若しくは画像入力タイマにセットされる所定時間の経過を本発明の無効条件とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、プッシュボタンとして、例えば、一度の押下操作において低背状態(ON状態)に維持され、その後の再操作により維持されている低背状態が解除されて高背状態(OFF状態)に復帰する機能を備えるプッシュボタンを使用する場合にあっては、プッシュボタンを高背状態(OFF状態)に復帰させるプッシュボタン操作が為されることが無効条件の成立に該当する。
また、前記実施例では、ワークメモリに記憶された音声データや画像データに基づいて遊技者の属性である性別を特定することで、入力者の属性を正確に特定できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、入力操作受付け期間中においてプッシュボタンが操作されていないことでワークメモリに記憶されない入力情報である音声データや画像データに基づいて遊技者の属性を特定するようにしても良い。