図1は、本実施例の遊技システムを示すシステム構成図であり、本実施例の遊技システムは、図1に示すように、遊技場に設置された遊技機の一例であるパチンコ遊技機1と、インターネットに接続された管理サーバ900と、遊技者が携行する携帯端末(携帯電話機)901と、から構成され、パチンコ遊技機1と、管理サーバ900と、は2次元コード読み取り機能、連携演出音出力機能、並びにインターネットへの接続機能を備える携帯端末(スマートホン)901を介してデータのやり取りを行うことが可能とされている。
次に、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1について説明する。図2は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図3は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図2の手前側をパチンコ遊技機1の前面側、奥側を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
パチンコ遊技機1は、図2に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠と、外枠に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
下扉枠103の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。この上皿3の下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、その上端部には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン516(操作部)が設けられている。プッシュボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(図3を参照)が設けられていればよい。
操作レバー600のパチンコ遊技機1内方側には、送風口が設けられていることで、操作レバー600を操作する遊技者の手に対し、演出に応じて送風するとともにバイブレータを動作させて振動させることにより臨場感を高めることができるようになっている。
ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠101に対して着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の演出図柄(演出図柄)を変動表示する複数の変動表示部を含む演出表示装置(演出図柄表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。演出図柄の変動表示を行う演出表示装置9は、パチンコ遊技機1の内部に設置された演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(演出図柄ともいう)の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13a(例えば、近接スイッチ)及び第1入賞確認スイッチ13b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)及び第2入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
また、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13bの検出結果及び第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば8セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、この例では、第1始動入賞口13への入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口14への入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施例では、図2に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図2に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23(例えば、近接スイッチ)及び第3入賞確認スイッチ23a(例えば、フォトセンサ)で検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13や第2始動入賞口14といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行われ、例えば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
なお、セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を変動表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a,29cに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出され、入賞口29b,29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
第1始動入賞口13内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b)が設けられている。この実施例では、第1始動入賞口13内で、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13bとが上下に配置されている(本例では、第1始動口スイッチ13aが上側に配置され、第1入賞確認スイッチ13bが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第1始動入賞口13内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第1始動口スイッチ13aで検出され、次いで第1入賞確認スイッチ13bで検出される。
また、第2始動入賞口14内には、始動入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b)が設けられている。この実施例では、第2始動入賞口14内で、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14bとが上下に配置されている(本例では、第2始動口スイッチ14aが上側に配置され、第2入賞確認スイッチ14bが下側に配置されている)。従って、この実施例では、第2始動入賞口14内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まず第2始動口スイッチ14aで検出され、次いで第2入賞確認スイッチ14bで検出される。
また、大入賞口内には、大入賞口内に入賞した遊技球を検出可能な2つのスイッチ(カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23a)が設けられている。この実施例では、大入賞口内で、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとが配置されている(本例では、カウントスイッチ23が上側に配置され、第3入賞確認スイッチ23aが下側に配置されている)。従って、この実施例では、大入賞口内に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、まずカウントスイッチ23で検出され、次いで第3入賞確認スイッチ23aで検出される。
また、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aとして、それぞれ異なる検出方式のスイッチが用いられる。この実施例では、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23として近接スイッチを用い、第1入賞確認スイッチ13b、第2入賞確認スイッチ14b、第3入賞確認スイッチ23aとしてフォトセンサを用いている。
また、第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第1特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことにもとづいて、第2特別図柄の変動表示が開始され、賞球払出が実行される。また、第1カウントスイッチ23または第2カウントスイッチ24によって遊技球が検出されたことにもとづいて、賞球払出が実行される。また、第1始動口スイッチ13aによる検出結果に加えて第1入賞確認スイッチ13bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、第2始動口スイッチ14aによる検出結果に加えて第2入賞確認スイッチ14bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。また、カウントスイッチ23による検出結果に加えて第3入賞確認スイッチ23aの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。従って、第1入賞確認スイッチ13b、第2入賞確認スイッチ14b、第3入賞確認スイッチ23aは、異常入賞の判定のみに用いられる。
そして遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第1入賞確認スイッチ13b(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第1始動口スイッチ13aにて検出された遊技球数と第1入賞確認スイッチ13bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、15以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、第1始動入賞口13への異常入賞が発生したと判定する。また、第2始動口スイッチ14a(近接スイッチ)から入力した検出信号と第2入賞確認スイッチ14b(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、第2始動口スイッチ14aにて検出された遊技球数と第2入賞確認スイッチ14bにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、15以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、第2始動入賞口14への異常入賞が発生したと判定する。また、カウントスイッチ23(近接スイッチ)から入力した検出信号と第3入賞確認スイッチ23a(フォトセンサ)から入力した検出信号とにもとづいて、カウントスイッチ23にて検出された遊技球数と第3入賞確認スイッチ23aにて検出された遊技球数との差が所定の閾値を超えた(本例では、5以上となった)と判定すると、所定のエラーとして、大入賞口への異常入賞が発生したと判定する。
このように、第1始動口スイッチ13aと第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14aと第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23と第3入賞確認スイッチ23aと、を互いに異なる検出方式のセンサ(本例では、近接スイッチとフォトセンサ)により構成していることで、例えば電磁波などを用いて第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口への入賞数が実際の入賞数よりも多くなるように認識させるような不正行為が行われた場合に、近接スイッチにて検出された遊技球数とフォトスイッチにて検出された遊技球数とに差が生じ、遊技制御用マイクロコンピュータ560はこの差球数が所定の閾値を超えた場合に異常入賞が発生したと判定するため、確実な不正行為対策を講ずることができる。
遊技領域7には、遊技状態に応じて発光する複数の装飾LED25a、25bを有する装飾部材25L,25Rが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上部には、演出の効果を高める演出音(効果出力)や操作音を発する2つの演出用スピーカ27(効果出力手段)が設けられている。また、本実施例の演出用スピーカ27は、演出音や操作音等の可聴音以外にも、後述する携帯端末901にて演出音の制御タイミングとなる準備信号、開始信号、終了信号を伝送するための所定周波数の超音波音(連携信号)が出力できるようになっている。このように演出用スピーカ27は、遊技者に聴こえる可聴音である演出音等と、遊技者に聴こえずに携帯端末901にて取得される超音波音(非可聴音)である各種信号と、を同時に出力できる。
また、遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
図2では、図示を省略しているが、左枠LED28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、天ランプモジュール530の近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。なお、賞球LED51および球切れLED52は、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100によって点灯制御される。さらに、図1において図示はしていないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が(図3参照)、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(演出図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(演出図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる所定の小当り図柄(所定表示結果)であると「小当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、特別可変入賞球装置20が開放される遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
この実施例では、特図ゲームにおける確定特別図柄として「確変大当りA」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には15回のラウンド遊技が実行される第1大当り状態に移行するとともに、第1大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態並びに大当りに当選する確率を通常遊技状態に比較して高める確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される第1確変状態に移行する。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態並びに確変状態は、所定回数(例えば、10回)の特図ゲーム(変動表示)が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が成立したときに終了すればよい。尚、15回のラウンド遊技においては、例えば、所定時間(29秒)が経過するか或いは所定数(10球)の遊技球が入賞するかのいずれかの条件が成立するまで、特別可変入賞球装置20が開放される。
また、特図ゲームにおける確定特別図柄として「確変大当りB」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、2回のラウンド遊技が実行される第2大当り状態に移行するとともに、第2大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば、確率変動制御(確変制御)のみが行われる第1確変状態(高確率状態;低ベース高確状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや演出図柄の変動表示において、変動表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、「確変大当りA」と同様に、所定回数(例えば、10回)の特図ゲーム(変動表示)が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が成立したときに終了すればよい。尚、2回のラウンド遊技においては、例えば、所定時間(0.2秒)が経過するか或いは所定数の遊技球が入賞するかのいずれかの条件が成立するまで、特別可変入賞球装置20が開放される。よって、特別可変入賞球装置20の開放時間が非常に短いので、確変大当りBは確変大当りAに比較して遊技者が獲得できる遊技球数が少ない(殆ど得られない)大当り状態である。
尚、この実施例では、確変大当りBのラウンド数を、特別可変入賞球装置20の開放制御を小当りと同じようにするために小当りと同じ2ラウンドとした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りAも確変大当りBも小当りも同一のラウンド数(例えば15ラウンド)とし、確変大当りAについては、上述した所定時間(29秒)が経過するか或いは所定数(10球)の遊技球が入賞するかのいずれかの第1条件が成立するまで、特別可変入賞球装置20を開放する第1開放制御(長開放制御)を実施し、確変大当りB並びに小当りについては、所定時間(0.2秒)が経過するか或いは所定数(10球)の遊技球が入賞するかのいずれかの第2条件が成立するまで、特別可変入賞球装置20を開放する第2開放制御(短開放制御)を実施するようにしても良い。
時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口14を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。このように、時短状態において第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口14は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態に制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施例における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態であり、高開放制御期間ではない確変状態である後述する潜伏確変状態は高確低ベース状態とも称される遊技状態である。
また、この実施例では、通常状態において発生した「確変大当りB」の終了後には、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない第2確変状態(潜伏確変状態;高確低ベース状態)へ移行する。また、第2確変状態において「確変大当りB」となったことに基づく第2大当り状態の終了後には、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる第1確変状態(高確高ベース状態)へ移行する。
このように確変状態のうちには、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われるものの他に、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われないもの(潜伏確変)が含まれていてもよい。また、この実施例では、確変制御の期間を、第1大当り状態並びに第2大当り状態の終了後、所定回数(例えば、10回)までの期間とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1大当り状態の終了後に時短状態にのみ移行する通常大当りを有する場合には、確変制御の期間を次の大当りまで継続するように制御しても良い。
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示(可変表示ともいう)が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリアなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、本実施例では、後述するように、遊技者が所有する携帯端末901は、パチンコ遊技機1の演出用スピーカ27から出力される演出音(効果出力)と同じ音声である連携演出音(連携効果出力)を出力できるようになっており、遊技者は、携帯端末901に接続されたイヤホンEPを用いることで、周囲の雑音に邪魔されずにクリアな連携演出音を聴くことができる(図7参照)。なお、本実施例では、有線ケーブルにより携帯端末901とイヤホン本体が接続される態様を例示するが、イヤホンEPの態様は特に限定されず、例えば、携帯端末901がブルートゥース(登録商標)等の短距離無線通信技術に対応した通信モジュールを有している場合には、該通信モジュールを用いて、携帯端末901と接続されるイヤホンを用いてもよい。
また、本実施例における携帯端末901では、パチンコ遊技機1の出用スピーカ27から出力される超音波音による準備信号、開始信号、終了信号が入力されることで、連携演出音の出力タイミングが制御されて、パチンコ遊技機1から出力される演出音(効果出力)と同期して連携演出音が出力される。
また、遊技者が所有する携帯端末901を置くための携帯端末置台61が下扉枠103の左側に設けられている。更に、この携帯端末置台61には、連携演出音を携帯端末901から長時間出力してバッテリの電力を多量に消費するような場合であっても、携帯端末901を長時間使用できるように、携帯端末901のバッテリを充電できる非接触給電ユニット331(給電手段)が設けられている(図3及び図7参照)。なお、この非接触給電ユニット331は、後述する電源基板110に接続されている。
ここで、本実施例に用いた非接触給電ユニット331について図6を用いて説明すると、非接触給電ユニット331には、携帯端末901に非接触にて充電電力を電界結合方式による電界電力にて供給する電界発生器381と、電界発生器381を制御する制御回路382や、電界発生器381に電力を供給する電力回路383が内蔵されている。
電力回路383は、パチンコ遊技機1内部の電源基板110に接続されて、該電源基板110から所定電圧の直流電力を電界発生器381の動作電圧に変換して供給する回路である。尚、制御回路382は、携帯端末901が携帯端末置台61に置かれたこと、つまり携帯端末901が電界発生器381に近接したことを、電界発生器381内の図示しないセンサによって定期的(例えば、1秒毎)に検知し、該検知結果に基づいて電界発生器381の動作開始または動作停止の制御を行う。
また、図7に示すように、携帯端末置台61は、携帯端末901の操作画面を遊技者に向けた状態で配置できるように、若干斜め上方に向いて傾斜された配置面を有している。そして、非接触給電ユニット331は、携帯端末置台61の内部に設けられ、携帯端末901の背面側に非接触給電ユニット331が近接して配置される。
本実施例では、上記したように、公知の非接触充電方式である、電磁誘導方式、電界結合(共鳴型)方式、電波受信方式のうち、電界結合方式を採用しており、これら非接触充電方式の技術としては、実用化されているワイヤレス充電器「eZone」(米国クアルコム社商品名)等の技術を好適に使用することができる。
つまり、この電界結合方式は、電波受信方式に比較して送信できる電力が大きいので充電に要する時間を短くできるとともに、電磁誘導(型)方式のように、仮に充電時に金属であるパチンコ玉やスロットマシンのメダル等が携帯端末901との間に誤って介在したとしても、該パチンコ玉やメダルが発熱してしまう危険性がないので、金属の遊技媒体を使用する遊技場において非接触充電を行う方式として好適であることによるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本実施例のように、携帯端末901を立設させた状態で携帯端末置台61に配置することにより、パチンコ玉やメダルが介在する危険性が著しく小さくできる場合には、電界結合方式ではなく電磁誘導(型)方式を採用しても良いし、これら電磁誘導(型)方式と電界結合(型)方式等、複数の方式を併用して、携帯端末901(スマートホンまたは携帯電話機等)が対応している方式を特定して、該特定した方式にて充電を実施するようにしても良い。
なお、本実施例の携帯端末置台61では、下部の2つの小さなフック状の部位により携帯端末901の下端を保持するようになっており、仮に、携帯端末901が置かれる前に、携帯端末置台61上に遊技球がこぼれ落ちたとしても、遊技球が速やかに携帯端末置台61の下方に流下されるようになっている。
更に、本実施例の非接触給電ユニット331は、非接触充電を行う方式であるため、充電用の金属端子が外部に露呈されておらず、仮に、携帯端末置台61上に遊技球や飲料等の液体がこぼれ落ちたとしても、この遊技球や液体が充電用の金属端子に接触して短絡等が生じる危険性がない。
図3は、パチンコ遊技機1内に設置されている主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560(遊技制御手段に相当)が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、乱数回路53が内蔵されている。乱数回路53は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。
乱数回路53は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路53が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路53が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路53が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路53から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ100)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路が内蔵されている。なお、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータ100にも、遊技制御用マイクロコンピュータ560とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板110において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板110からのリセット信号が入力される。電源基板110には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板110からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板110には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。なお、電源監視回路を電源基板110に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第1入賞確認スイッチ13b、第2始動口スイッチ14a、第2入賞確認スイッチ14b、カウントスイッチ23、第3入賞確認スイッチ23a、および各入賞口スイッチ30a,30bからの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16や、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21や、役物(ギミック)を動作させる役物モータ17を基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100で構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
演出制御基板80は、演出制御用CPU120(連携信号出力手段)およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU120は、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、演出制御用CPU120から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、中継基板77介して演出制御基板80に入力される。中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。尚、本実施例では、中継基板77を設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら中継基板77を設けずに、演出制御基板80と主基板31とを直接接続するようにしても良い。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段である演出制御用CPU120が、遊技盤6に設けられているステージLED(図示略)等の各種LEDの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c並びに天ランプモジュール530内の各LEDの点灯(発光)制御を行う。
遊技盤6側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板としての装飾基板98、ステージ装飾基板99が設けられている。盤側IC基板98,99は、中継基板88を介して演出制御基板80と接続される。また、前面枠101側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板としての天ランプモジュール基板542、左前板天基板473b、右前板天基板473c、操作台基板508、枠ボタン基板509が設けられている。これら各枠側IC基板542、473b、473c、508、509は、中継基板88,89を介して演出制御基板80と接続される。
操作台基板508には、操作レバー600に設けられたレバースイッチ510a〜510d、トリガースイッチ512a、タッチセンサ513から出力される信号を検出し、信号入力に対応した所定の検知信号を出力するセンサ監視IC(図示略)と、該センサ監視ICによる検知信号が入力されるパラレル−シリアル変換IC(図示略)が搭載されており、操作レバー600の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
同様に、枠ボタン基板509には、プッシュボタン516の操作を検出するボタンスイッチ516からの出力信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板89を介して演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)に出力するパラレル−シリアル変換ICが実装されており、これらプッシュボタン516の操作を演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU120)が検知できるようになっている。
音声制御基板70において、音声データROM70aには、音声データIDに応じた音声データが格納されている。また、音声データIDが入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音声データIDに応じた演出音等の音声信号を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を演出用スピーカ27に出力する。また、音声データIDに応じた音声データが所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における演出音等の音声信号の出力態様を示しており、1つの演出図柄の変動期間において複数の音声データを時系列的に再生して出力する場合もある。尚、音声制御基板70と演出制御基板80とを単一の制御基板にて形成しても良い。
また、この音声データIDには、前述した演出音に対応する演出音用音声データIDや、操作音に対応する操作音用音声データIDがある。更に、パチンコ遊技機1における演出音は、携帯端末901にて出力される連携演出音と同一の音声データとなっており、後述するように、携帯端末901にて実行される連携演出音再生処理において、演出音用音声データID(連携演出音用音声データID)に基づいて出力する音声データ(演出音)を特定できるようになっている。なお、本実施例における操作音は、後述する操作予告演出において遊技者が操作部(プッシュボタン516等)を適切なタイミングで操作した際に、パチンコ遊技機1の演出用スピーカ27のみから出力されるようになっている。
次に、遊技機の動作について説明する。先ず、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理について簡潔に説明する。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する。次に、割込モードを割込モード2に設定し、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定する。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板110に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、後述する通常の初期化処理を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、このバックアップRAM領域のデータチェックでは、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する。そして、後述する乱数回路設定処理を実行する。なお、この実施例では、CPU56は、停電復旧指定コマンドを送信する処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する。
これら初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定する処理と、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定するが実施されることで、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路53を初期設定する乱数回路設定処理を実行する。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路53にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施例では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄(演出図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板110に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
特別図柄プロセス処理において、CPU56は、内部状態に応じて、以下に示すステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施例では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである所定の図柄(小当りの種別に対応する所定記号)が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示態様が後述する「確変大当りB」である場合と同様に演出図柄の変動表示が行われた後、所定の小当り図柄(確変大当りB図柄と同じ図柄。例えば「355」等)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である所定の図柄(記号)が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の変動表示態様という。
ここで、小当りとは、後述する確変大当りAと比較して大入賞口の開放時間が短い(この実施例では0.2秒間の開放を2回)当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、確変大当りBとは、確変大当りAと比較して大入賞口の開放時間が短い(この実施例では0.2秒間の開放を2回)大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させる大当りである(但し、大当り遊技後の遊技状態は時短状態にはならない、つまり、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立しにくい状況となり、始動条件の成立状況は通常状態と共通であるため、見た目上は通常状態と変わらない)。つまり、この実施例では、確変大当りBと小当りとは、特別可変入賞球装置20の大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.2秒間の開放が2回行われると、確変状態に移行する確変大当りBであるか、確変状態に移行しない小当りであるかを識別できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図9は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図9に示すように、この実施例では、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−0〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−2(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2(ノーマルリーチC)、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−3の変動パターンが用意されている。なお、図9に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が2回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。
また、図9に示すように、この実施例では、特別図柄の変動表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−4(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4(ノーマルリーチC)、スーパーPB3−4〜スーパーPB3−6、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1(ノーマルリーチA)〜特殊PG2−2(ノーマルリーチB)の変動パターンが用意されている。なお、図9において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、確変大当りBまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンであり、確変大当りBまたは小当りとなる場合には、ノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1や、ノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが決定される場合がある。また、図9に示すように、確変大当りBまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、確変大当りBまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3、特殊PG2−2の変動パターンについては、再変動が2回行われる。
この実施例では、スーパーリーチの演出が実施されるスーパーリーチの変動パターンとしてスーパーリーチA〜Cの3つの変動パターンが設定されており、スーパーリーチA〜Cの各スーパーリーチ演出では、異なるキャラクタが敵キャラクタと対戦する演出が実施され、変動表示結果がはずれとなる場合には、対戦においてキャラクタが敵キャラクタに敗北し、変動表示結果が大当りとなる場合には、対戦においてキャラクタが敵キャラクタに勝利する演出が実施される。
尚、スーパーリーチA〜Cのうち、スーパーリーチCが最も出現率が低いとともに、最も大当りとなる信頼度(期待度)が高い演出であって、キャラクタとして特別キャラクタが登場するプレミア演出が実施されるスーパーリーチである。
尚、本実施例では、スーパーリーチCについて、ハズレとなる変動パターンであるスーパーリーチC(はずれ)を設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチC(はずれ)を設けずに、スーパーリーチC(大当り)のみを設けるようにして、スーパーリーチCは、大当りが確定であることを報知するスーパーリーチとしても良い。
なお、この実施例では、図9に示すように、変動パターンの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、非リーチ短縮なしの場合は5.50秒で固定であり、擬似連ありのノーマルリーチCの場合には変動時間が11.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が25.50秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
また、この実施例では、非リーチPA1−3が特殊PG1−2と、非リーチPA1−4が特殊PG1−3と同一の変動パターンを含むものとされており、はずれにおいても、確変大当りBや小当り時と同様の変動演出態様が実施される場合があるため、確変大当りBや小当りが発生したことを遊技者が認識し難くされている。
このように本実施例では、確変大当りBまたは小当りの当選時に選択される複数の変動パターン(特殊PG1−1〜3、2−1〜2)のうちの2つの変動パターン(特殊PG1−2,1−3)の演出態様および確変大当りB遊技状態/小当り遊技状態において実行される演出態様からなる一連の演出態様が、はずれの時に選択される複数の変動パターンのいずれか(非リーチPA1−3,4)の演出態様と同じとされているため、非リーチPA1−3,4または特殊PG1−2,3のいずれの変動パターンにもとづく演出態様であるかを特定することを困難とすることができる。言い換えると、非リーチPA1−3,4、特殊PG1−2,3にもとづく変動パターンは、確変大当りB、小当り、はずれのいずれの場合にも選択される変動パターンであるため、確変大当りBや小当りが発生した場合でも、確変大当りBや小当りが発生したことを遊技者に悟られ難くでき、その結果、確変大当りBや小当りのみを発生させる場合に比較して、確変大当りBが発生に伴って遊技状態が確変状態に移行していることを、より一層、遊技者に悟られ難くできるようになっている。
なお、この実施例では、非リーチPA1−3および特殊PG1−2、非リーチPA1−4および特殊PG1−3のみが変動演出態様が同じ変動パターンとされていたが、他の変動パターンにおいても、はずれ時と確変大当りBまたは小当り時とで同じ変動パターンを設定してもよい。
また、この実施例では、はずれ時において、確変大当りBまたは小当り時に選択される複数の変動パターンのうち、いずれかと同じ演出態様の変動パターンが選択されるようにしていたが、必ずしも同じ演出態様の変動パターンが選択されるようにしなくてもよい。すなわち、はずれ時において確変大当りBまたは小当り時に選択される変動パターンと同じ演出態様の変動パターンが選択されなくても、特殊PG1−1〜3、2−1〜2を、確変大当りBまたは小当り時に選択される変動パターンとしていることで、特殊PG1−1〜3、2−1〜2のいずれかの変動パターンが選択された場合、少なくとも遊技者が確変大当りBの発生を特定することは困難となるため、確変大当りBが発生してその後の遊技状態が確変状態に移行することを遊技者に悟られないようにすることができる。
図10は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する確変大当りA、確変大当りB)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施例では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施例では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら変動パターン種別を決定せずに、変動パターンを決定するようにしても良い。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、各種ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチCを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施例では、確変大当りAである場合には、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチCおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、確変大当りBである場合には、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合にも、確変大当りBである場合と同じく、擬似連を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、「はずれ」であるときには、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、各種ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチCおよび再変動3回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチCおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチC以外のスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7と、全てのスーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−8とに種別分けされている。
ここで、本実施例の各変動パターンについての信頼度について簡単に説明する。尚、信頼度とは、個々の変動パターンが最終的に大当りとなるときに出現する確率(最終的に大当りとなるときに表示される確率)を、当該変動パターンが出現する全確率(当該の変動パターンがハズレの場合に表示される確率と大当りとなるときに表示される確率との合計)で除した値(割合)である。
本実施例では、図9に示すように、変動パターンを、「非リーチ」の変動パターンと、「リーチ」の変動パターンと、「スーパーリーチ」の変動パターンに大別することができ、最終的に大当りとなるときには、必ずリーチまたはスーパーリーチが出現し、非リーチにて大当りとなることがないので、「非リーチ」の変動パターンの信頼度は「0」である。また、「リーチ」の変動パターンの信頼度Aは、「スーパーリーチ」の変動パターンの信頼度Bよりも低く(つまりA<B)に設定されており、スーパーリーチの変動パターンの信頼度が最も高くなっている。
また、スーパーリーチについては、スーパーリーチAの信頼度α、スーパーリーチBの信頼度β、スーパーリーチCの信頼度γは、γ>β>αの順に設定されている。
図8に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(ランダム1)の大当り種別判定用乱数、(ランダム4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施例では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい)が生成する乱数を用いる。
図11(a)は、大当り判定テーブル130aを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図11(a)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図11(a)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図11(a)に記載されている数値が大当り判定値である。
図11(b),(c)は、小当り判定テーブル130b,130cを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bと、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cとがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bには、図11(b)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)130cには、図11(c)に記載されている各数値が設定されている。また、図11(b),(c)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路53のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図11(a)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りA、確変大当りB)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図11(b),(c)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図11(a)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図11(b),(c)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施例では、図11(b),(c)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合には67分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)130cを用いる場合には100分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施例では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
つまり、第1特別図柄表示器8aの変動表示が実行されるのは、遊技状態が通常状態または確変状態(高確低ベース状態)のときであり、確変大当りBにより遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行したことを遊技者に悟られないようにするために小当りの発生確率を高めているのに対し、第2特別図柄表示器8bの変動表示が実行されるのは、遊技状態が確変・時短状態(高確高ベース状態)のときであり、この場合は確変大当りBにより遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)に移行したことを遊技者に悟られないようにする必要はないので、小当りの発生確率を抑えている。
また、本実施例では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの変動表示結果として小当り図柄が導出されるようになっているが、第2特別図柄表示器8bの変動表示結果として小当り図柄が導出されないようにしてもよい。
また、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)130bを用いる場合に小当りと決定される割合(1/67)は、確変大当りBに決定する割合(1/131×12/40(低確時))に比較して高く、通常状態においては、小当りが確変大当りBよりも高頻度にて発生するようになっている。
図11(d)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)および遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)を用いて大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブルである。つまり、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示においても、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示においても、同一の大当り種別判定テーブル131aが使用されて、大当り種別が決定される。
大当り種別判定テーブル131aは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「確変大当りA」、「確変大当りB」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、「確変大当りA」に対して28個の判定値が割り当てられ(40分の28の割合で確変大当りAと決定される)、「確変大当りB」に対して12個の判定値が割り当てられている(40分の12の割合で確変大当りBと決定される)。従って、この実施例では、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、「確変大当りB」となる確率は「確変大当りA」となる確率よりも低いが、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りB」と決定される割合は同じである。なお、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合と、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合とで、「確変大当りB」と決定される割合を異ならせてもよい。
また、この実施例では、図11(d)に示すように、第2特定遊技状態としての2ラウンドの確変大当りBと、この確変大当りBと比較して、大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くすることで、第2特定遊技状態と比較して、遊技価値として大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第1特定遊技状態を決定するようにした第1特定遊技状態としての確変大当りAと、を決定する場合を説明するが、付与される遊技価値は、この実施例で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第2特定遊技状態のラウンド数を第1特定遊技状態のラウンド数と同一(例えば、5ラウンドや15ラウンド等)とし、ラウンドにおいて大入賞口の開放時間を、第1特定遊技状態では長く、第2特定遊技状態では短くなるようにしても良い。また、例えば、第2特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第1特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ5ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第2特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第1特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を5回開放したときに(この場合、第2特定遊技状態の場合には5ラウンド全てを終了し、第1特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出(いわゆるランクアップボーナスの演出)を実行するようにしてもよい。そして、第2特定遊技状態の場合には内部的に5ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第1特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も5回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
「確変大当りA」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態および時短状態(確変・時短状態、高確高ベース状態)に移行させる大当りである。大当り終了後、変動表示を10回終了するまで(始動回数が10回となるまで)確変状態が継続する。ただし、時短状態は、大当り終了後、変動表示を8回終了したとき(始動回数が8回となってとき)に終了して低ベース状態に移行され、高確率状態のみ変動表示を10回終了するまで(始動回数が10回となるまで)継続される。従って、この実施例では、大当り終了後、8回目の変動表示を終了してから10回目の変動表示を終了するまでの間、高確率状態のみとされ、高ベース状態とはならない(高確低ベース状態である)。
「確変大当りB」とは、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が「確変大当りA」に比べて短い2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態にのみ移行させる大当りである。大当り終了後、変動表示を所定回数(本実施例では10回)終了するまで確変状態が継続する。ただし、大当り終了後に時短状態には移行せずに低ベース状態に移行され、高確率状態のみ変動表示を10回終了するまで継続される。従って、この実施例では、確変大当りBの終了後、10回目の変動表示を終了するまでは高確率状態のみとされ、高ベース状態には移行されない(高確低ベース状態)。
つまり、「確変大当りA」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「確変大当りB」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.2秒と極めて短く(高速開放)、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施例では、その確変大当りBの大当り遊技状態の終了後には確変状態に移行されるが高ベース状態には移行しない。
なお、この実施例では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.2秒間ずつ2回行われ、「確変大当りB」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の高速開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、例え遊技者が大入賞口の開放を確認できたとしても、「確変大当りB」または「小当り」のいずれにもとづく開放なのかを特定しにくく、しかもその後の遊技状態が確変状態または通常状態のいずれに移行したかを特定することもできなくなるため、遊技者にわからないように、確変大当りBを発生させ、かつ、該大当りの終了後に遊技状態を確変状態に移行させる、つまり確変状態を潜伏させることができる。また、逆に、低確状態において確変大当りBと同様の演出制御が実施される小当りを発生させることで、該小当りの終了後は遊技状態が確変状態に移行しないので、低確状態を潜伏させることができる。
大当り種別判定テーブル131aには、ランダム1の値と比較される数値であって、「確変大当りA」、「確変大当りB」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
尚、ROM54には、これらの各種テーブルの外、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル(図12(a))や、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル(図12(b))や、変動表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜B(図13(a)、(b))や、変動表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される当り変動パターン判定テーブル(図14(a)、(b))や、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるはずれ変動パターン判定テーブル(図15)等が記憶されており、これらのテーブルと各乱数とに基づいて変動パターンが決定される。
図12(a)は、確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル132aを示す説明図である。確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル132aは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
確変大当りA用変動パターン種別判定テーブル132aには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
これら判定値の数としては、図12(a)に示すように、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2に比較してスーパーCA3−3の判定値の数が多くなるように設定されており、確変大当りAとなる場合には、変動パターンとしてスーパーリーチが多く決定されるように設定されている。
また、図12(b)は、確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bを示す説明図である。確変大当りB/小当り用変動パターン種別判定テーブル132bは、ランダムR並びにランダム1に基づく当り種別の判定において、確変大当りB及び小当りが決定されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施例では、図12(b)に示すように、確変大当りBまたは小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2のうちいずれかが決定される場合が示されている。
また、確変大当りBでは、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、確変大当りBとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチBを含む特殊PG2−2等の擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
尚、これらノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがはずれとなる演出が実施された後、再変動が2回実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組合せ(チャンス目図柄)が表示される。
また、小当りについては、該小当りとすることに決定された時点の遊技状態が、高確状態であるか、低確状態であるか、つまり、確変フラグがセットされているか否かに応じて、判定値の割り当てが異なっている。
具体的には、高確時の小当りでは、確変大当りBと同様に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜51の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して52〜251の判定値が割り当てられており、高確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
一方、低確時の小当りでは、確変大当りBとは逆に、擬似連の演出を伴わない変動パターンを含む特殊CA4−1に対して1〜201の判定値が割り当てられているのに対し、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む特殊CA4−2に対して202〜251の判定値が割り当てられており、低確時において小当りとすることに決定されている場合には、変動パターンとして、リーチ演出としてノーマルリーチAを含む特殊PG2−1等の滑りの演出を伴う変動パターンが多く決定されるようになっている。
尚、これらノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンにおいては、リーチ演出が実施され、該リーチがはずれとなる演出が実施された後、滑り変動が実施されて、停止図柄として後述する確変大当りBや小当りに対応した演出図柄の組合せ(チャンス目図柄)が表示される。
このように、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBの場合には、ノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定され、高確状態に移行しない小当りの場合には、ノーマルリーチAのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴わない滑りの変動パターンが多く決定されることで、ノーマルリーチBや擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に確変大当りBの遊技状態(小当りの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、発生したのが高確状態に移行する確変大当りBである可能性が高いのではとの期待感を与えることができるようになっている。
つまり、潜伏条件が成立する確変大当りBや小当りが発生するときにおいては、変動パターンとしてノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときよりも高確(確変)状態に移行しない小当りのときにおいて多く決定され、変動パターンとしてノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが、遊技状態が高確(確変)状態に移行しない小当りのときよりも高確(確変)状態に移行する確変大当りBのときにおいて多く決定される。
尚、この実施例では、高確状態に移行する確変大当りBのときと、高確状態に移行しない小当りのときとで、決定される変動パターンの種別が異なるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態に移行する確変大当りBであるか高確状態に移行しない小当りであるかにかかわらずに、変動パターンを選択して決定するようにしても良い。
また、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるので、擬似連の演出を伴う変動パターンの実施後に小当りの遊技状態(確変大当りBの遊技状態と同一)が実施されたときには、遊技者に対して、確変大当りBと同じく、その後の遊技状態が高確状態となっている可能性が高いのではとの期待感を与えることができる。
尚、この実施例では、高確状態における小当りの場合には、確変大当りBの場合と同様に、ノーマルリーチBのリーチ演出を伴う変動パターンや、擬似連の演出を伴う変動パターンが多く決定されるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら高確状態における小当りの場合にも、低確状態における小当りと同様に、擬似連の演出を伴わない滑り変動パターン種別である特殊CA4−1が多く決定されるようにしても良い。
以上のように、本実施例では、確変大当りBの場合や小当りの場合には、確変大当りAの場合とは異なる変動パターンが決定され、スーパーリーチA〜Cが決定されない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、確変大当りBの場合や小当りの場合にも確変大当りAの場合と同様に変動パターンを決定することにより、ノーマルリーチB以外にも、スーパーリーチA〜Cが決定されるようにしても良い。尚、この場合にあっては、スーパーリーチA〜Cの演出の実行後に、確変大当りBや小当りに対応する演出図柄の組合せが表示結果として導出されることとなる。
図13(a),(b)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Bを示す説明図である。はずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Bは、変動表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブルA,Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7、スーパーCA2−8の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図13(a)〜(b)に示すように、この実施例では、はずれである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、遊技状態や合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB、スーパーリーチCのいずれか)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図13(a)示す通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルA135aにおいては、超短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や、短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)を含む非リーチCA2−3や、擬似連3回よりも変動時間が短い擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に対して判定値の割り当てがないのに対し、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルB135bでは、該非リーチCA2−3に対して100〜199の判定値が割り当てられているとともに、擬似連3回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−5に代えて擬似連2回の演出を伴う変動パターンを含むノーマルCA2−6に判定値が割り当てられていることにより、変動時間が短い非リーチPA1−0(変動時間1.25秒)や非リーチPA1−2(変動時間2.5秒)が決定されるようになるため、変動時間の平均時間が通常よりも短縮されることで、単位時間当たりに実施される変動回数が多くなる。
なお、図13に示す例では、遊技状態が時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルB(短縮用)135bを用いる場合を示しているが、時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、別々に用意されたはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、さらに、時短状態用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施例では、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブルA135aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブルB135bとの2種類のテーブルを用いた例を示しているが、この実施例で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施例では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。
なお、この実施例では、図13に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルやはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施例では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図13(b)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が時短状態や確変状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図14(a),(b)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137a〜137bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137a〜137bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の変動表示結果が「大当り」や「小当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図14(a)に示す例では、変動パターン種別として、各種のノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチCおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図14(b)に示す例では、変動パターン種別として、擬似連の演出を伴う変動パターンを含まない変動パターン種別である特殊CA4−1と、擬似連の演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図14(b)において、擬似連の演出の有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、リーチ演出の有無や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出となる擬似連の演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1、特殊PG1−2、特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出となる擬似連の演出を伴う特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成すれば良い。
図15は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
尚、この実施例のはずれ変動パターン判定テーブル138aでは、スーパーCA2−7には、スーパーリーチCに対応するスーパーPB3−3の変動パターンに対する判定値の割り当てが存在しないのに対し、スーパーCA2−8には、スーパーリーチCに対応するスーパーPB3−3の変動パターンに対する判定値の割り当てが存在する。
つまり、この実施例では、スーパーリーチCの変動パターンは、通常において高い割合にて決定される変動表示結果であるはずれとなる場合において、スーパーCA2−8の変動パターン種別が決定されて、且つ、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)が「997」となるときにおいてのみ決定されるので、非常に希少性(プレミアム性)が高いリーチ演出に設定されている。
図16は、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されている変動パターン別音声データ対応テーブルを示す説明図である。図16に示すように、この実施例では、各変動パターンに対応して、特定演出の種類と、変動パターン中に出力される音声データに対応する音声データIDと、が登録されている。なお、各変動パターンにおいて複数の音声データが時系列順に再生される場合には、各音声データの再生順に各音声データIDが登録されている。例えば、変動パターンとしての非リーチPA1−0は、変動時間が1.25秒と短いため、この非リーチPA1−0に対応してSD−00100の1つの音声データIDが登録されているのに対して、変動パターンとしてのスーパーPB3−4は、変動時間が25.50秒と長いため、このスーパーPB3−4に対応して、SD−00001、SD−00002、SD−00003・・・の複数の音声データIDが再生順に登録されている。
また、異なる変動パターンであっても、同一の演出音が出力される部分の音声データIDは同一のものを用いている。例えば、変動パターンとしてのノーマルPA2−3の前半部分の音声データID(SD−00001、SD−00002、SD−00003)は、変動パターンとしてのスーパーPB3−4の冒頭部分の音声データID(SD−00001、SD−00002、SD−00003)と共通なものを用いている。
なお、特に図示はしないが、後述する操作予告演出において用いられる操作音についても演出音と同様に、各操作音に対応付けて各音声データIDが登録される操作音用音声データ対応テーブルが演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されている。
図18は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御メイン処理において、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定などを行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
その後、演出制御用CPU120は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセット(1に)する。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリア(0に)し(ステップS704)、ステップS705〜S709の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理などを行う(コマンド解析処理:ステップS705)。
次いで、演出制御用CPU120は、遊技者の所定操作に応じて図30(b)の音連携選択画面を表示し、音連携選択画面に表示された各メニューの操作受付けに応じた処理を実施する音連携選択処理(ステップS706)、演出制御プロセス処理(ステップS709)を実行する。
演出制御プロセス処理(ステップS709)では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御等を実行する。
図19は、図18に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS709)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、超音波信号出力処理を実行する(ステップS799)。その後、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
超音波信号処理(ステップS799):超音波音により伝送される準備信号、開始信号、終了信号の出力タイミングであれば、出力タイミングの各種信号の出力を行う処理を行う。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングなどを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態または小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図20は、図19に示された演出制御プロセス処理における超音波信号出力処理(ステップS799)を示すフローチャートである。超音波信号出力処理のステップS200において演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに応じたプロセステーブルを参照し、準備信号の出力タイミングであるか否かを判定する。ここで、準備信号の出力タイミングである場合には、ステップS201に進む。一方、準備信号の出力タイミングでない場合は、ステップS202に進む。尚、本実施例においては、プロセスタイマのスタートにより、プロセステーブルの実行が開始されたときに準備信号が出力され、該準備信号の出力から所定の時間が経過したときに、実際の変動表示が開始(演出音の出力開始タイミングと同じ)されるようにプロセステーブルが設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら準備信号の開始タイミングは、プロセステーブルに依らずに、変動開始する際に準備信号を出力し、該準備信号を出力したタイミングから所定時間の経過を計時して、該所定時間が経過したときに、演出図柄変動中処理を開始することで、プロセステーブルの実行を開始するようにしても良い。
ステップS201において演出制御用CPU120は、音声制御基板70を制御して変動パターンコマンドに対応する音声データIDを含む準備信号を演出用スピーカ27から出力する準備信号の出力処理を行ってステップS202に進む。
ステップS202において演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに応じたプロセステーブルを参照し、開始信号の出力タイミングであるか否かを判定する。ここで、開始信号の出力タイミングである場合には、ステップS203に進む。一方、準備信号の出力タイミングでない場合は、ステップS204に進む。
ステップS203において演出制御用CPU120は、音声制御基板70を制御して演出用スピーカ27から演出音を出力するときに、該演出音に対応する音声データIDを含む開始信号を演出用スピーカ27から出力する開始信号の出力処理を行ってステップS204に進む。
ステップS204において演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに応じたプロセステーブルを参照し、終了信号の出力タイミングであるか否かを判定する。ここで、終了信号の出力タイミングである場合には、ステップS205に進む。一方、準備信号の出力タイミングでない場合は、処理を終了する。
ステップS205において演出制御用CPU120は、音声制御基板70を制御して連携演出音の終了させる終了信号を演出用スピーカ27から出力する終了信号の出力処理を行って処理を終了する。
図21は、図19に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。変動パターンコマンドは、特別図柄プロセス処理において変動開始時に決定される変動パターンを指定するコマンドであり、図9に示す変動パターンのうちのいずれの変動パターンを実行するかを指定するためのコマンドである。
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する表示結果2指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が奇数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りB或いは小当りに該当する表示結果3〜8指定コマンドである場合においては、停止図柄として、予めチャンス目として設定されている図柄の複数の組合せ(例えば「135」、「334」、「787」…などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが、はずれに該当する表示結果1指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。尚、演出図柄の組合の中には、はずれ図柄並びにチャンス目の双方に含まれるものが存在し、小当りの場合とはずれの場合とで同一の停止図柄となる場合が存在する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。よって、確変大当りBと小当りにおいては、同一の停止図柄が決定される場合があり得る。
次に、演出制御用CPU120は、操作予告演出決定用テーブル及び操作予告演出種別決定用テーブルを参照し(図示略)、操作予告演出を実行するか否かを決定する操作予告決定処理を実施する(ステップS823)。この実施例の操作予告決定処理において、演出制御用CPU120は、図柄変動について操作予告演出を実施するか否かや、どの種類の操作予告演出を実施するのかを決定する。
なお、本実施例の操作予告演出では、該操作予告演出の実行中に、演出表示装置9に操作部(プッシュボタン516等)を操作するように促す案内表示等がなされ、この案内表示に従って遊技者が適切なタイミングで操作部を操作することで、演出の効果を高める操作音が演出用スピーカ27から出力されるようになっている。
具体的に、本実施例の操作予告決定処理において演出制御用CPU120は、まず、ステップS821にて読み出した変動パターンコマンドが、大当りとなる変動パターンコマンドであるか否か、つまり、最終的に大当りとなるか否かを特定する。
そして、大当りとなる場合には、操作予告演出実施決定用乱数を抽出し、操作予告演出決定用テーブル(図示略)に登録された大当り時の判定値に基づいて、操作予告演出を実行するか実行しないかを決定する。本実施例では、最終的に当りとなる場合には、70%の確率で操作予告演出が実施されるようになっている。尚、判定値が実行する値である場合には、操作予告実行決定フラグをセットする一方、実行しない値である場合には、当該予告決定処理を終了する。
また、スーパーリーチはずれとなる場合には、操作予告演出実施決定用乱数を抽出し、操作予告演出決定用テーブル(図示略)に登録されたスーパーリーチはずれ時の判定値に基づいて、操作予告演出を実行するか実行しないかを決定する。本実施例では、最終的にはずれとなる場合には、30%の確率で操作予告演出が実施されるようになっている。尚、判定値が実行する値である場合には、操作予告実行決定フラグをセットする一方、実行しない値である場合には、当該操作予告決定処理を終了する。
これら操作予告実行決定フラグをセットした後、演出制御用CPU120は、操作予告演出種別決定用乱数を抽出するとともに、該抽出した操作予告演出種別決定用乱数と対比する操作予告演出決定用テーブル(図示略)において抽出した操作予告演出種別決定用乱数の値が該当する判定値に対応する種別を、実施する操作予告演出の種別として決定し、該決定した操作予告種別を記憶する。
そして、ステップS823の操作予告選択処理の後に演出制御用CPU120は、操作予告演出があるか否か、具体的には、操作予告実行決定フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS824)。
そして、演出制御用CPU120は、操作予告実行決定フラグがセットされている場合には、記憶されている操作予告種別に対応する操作予告演出制御パターン(操作予告制御プロセステーブル)に基づいて、操作予告演出開始待ち時間を特定し、該特定した待ち時間を操作予告演出開始待ちタイマにセットした後(ステップS825+)、ステップS825に進む。
一方、操作予告実行決定フラグがセットされていない場合には、ステップS825+を経由することなくステップS825に進み、変動パターンコマンドに応じた図柄変動制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS826)。
そして演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1、超音波信号出力制御データ)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27、操作部(プッシュボタン516、操作レバー600等))の制御(超音波信号(準備信号)出力の出力制御を含む)を実行する(ステップS827)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた演出画像を表示させるために、VDPに指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、演出用スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声制御基板70に対して制御信号(音声データID)を出力する。また、演出用スピーカ27からの超音波信号(準備信号)の出力を行わせるために、音声制御基板70に対して当該変動パターンに対応した一連の音声データIDを含む準備信号の出力指示を出力する。
なお、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS828)、また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS828+)。なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDPがVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS829)。
図22は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。また、演出制御用CPU120は、操作予告演出を行うことに決定されているか、または操作予告演出の実行中である場合には(ステップS841でYes)、操作予告演出処理を実行する(ステップS842)。操作予告演出を行うことに決定されているか否かは、操作予告実行決定フラグがセットされているか否かによって判定される。操作予告演出の実行中であるか否かは、操作予告演出を開始するときにセットされる操作予告実行中フラグによって判定される。操作予告実行決定フラグも操作予告実行中フラグもセットされていない場合にはステップS842の操作予告演出処理を実施することなく、ステップS843に進む。
また、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS843)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS844)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS845)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS846)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS847でYes)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS848)。そのようにして、演出表示装置9において、演出図柄の変動制御が実現される。VDPは、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出表示装置9において、演出図柄の変動における背景画像、保留表示、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(ステップS849)。
また、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か確認する(ステップS850)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS851)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS852)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
また、本実施例におけるパチンコ遊技機1では、前述したように、演出用スピーカ27から所定周波数の超音波音が出力される。この超音波音により伝送される信号には、携帯端末901にて連携演出音の出力の準備をさせるための準備信号(連携信号)と、携帯端末901にて各音声データの再生を開始させるための開始信号(連携信号)と、携帯端末901にて連携演出音の出力を終了させるための終了信号(連携信号)とがある。
パチンコ遊技機1の演出制御用CPU120は、変動表示が開始される直前に、変動パターン別音声データ対応テーブル(図16)の当該変動表示に対応する変動パターンの項目を参照し、該変動パターンに対応する音声データIDを取得する。そして、演出制御用CPU120は、音声制御基板70を制御して、該変動パターンに対応する音声データIDを含む準備信号を演出用スピーカ27から出力する。
図28(a)に示すように、準備信号には、自機と他のパチンコ遊技機1を識別する遊技対象台ID(識別情報)を有するヘッダ情報と、携帯端末901に連携演出音の出力の準備を実施する準備指令となる指令情報と、連携演出音の音声データIDが再生順に並んだ再生順序情報と、が含まれている。
また、パチンコ遊技機1の演出制御用CPU120は、音声制御基板70を制御して演出用スピーカ27から演出音を出力するときに、該演出音に対応する音声データIDを含む開始信号を演出用スピーカ27から出力する。
図28(b)に示すように、開始信号には、自機と他のパチンコ遊技機1を識別する遊技対象台IDを有するヘッダ情報と、携帯端末901に連携演出音の出力を開始させる開始指令となる指令情報と、出力する連携演出音の音声データIDを示す再生対象情報と、が含まれている。
また、パチンコ遊技機1の演出制御用CPU120は、音声制御基板70を制御して演出用スピーカ27から演出音の出力を終了するときに、終了信号を演出用スピーカ27から出力する。
図28(c)に示すように、終了信号には、自機と他のパチンコ遊技機1を識別する遊技対象台IDを有するヘッダ情報と、携帯端末901に連携演出音の出力を終了させる終了指令となる指令情報と、が含まれている。
なお、開始信号が出力される前に準備信号を出力することで、該準備信号を取得した携帯端末901において、準備信号を取得してから連携演出音の出力を開始する時点までの期間に、携帯端末901の制御部910が、連携演出音の出力の準備処理(後述する再生用格納領域に一連の音声データIDを格納する処理)を行うことができる。このように、予め連携演出音の出力の準備処理を行うことで、携帯端末901の制御部910が、開始信号を取得した時点で即座に連携演出音の出力を行うことができるようになる。更に、携帯端末901の制御部910が、準備信号により予め一連の音声データIDを取得することで、周囲の雑音等の影響により開始信号の取得に失敗した場合であっても、予め再生用格納領域に格納された音声データIDに基づいて、次に再生する連携演出音を特定することができ、連携演出音の出力を続行することができる(図25参照)。
次に、本実施例における携帯端末901の構成について説明する。図4に示すように、携帯端末901は、制御部910(連携効果出力手段)と、記憶部920と、操作部930と、表示部940と、無線通信部950と、アンテナ951と、カメラ部960と、通話用スピーカ970aと、通話用マイク970b(入力手段)と、背面側スピーカ970cと、イヤホン接続部970dとを備えている。
記憶部920は、ROMなどの書換不能な不揮発性メモリ、フラッシュメモリなどの書換可能な不揮発性メモリ、RAMなどの揮発性メモリ、これらの一部または全部を組合せた任意の半導体メモリで構成される。記憶部920は、携帯端末901の各種機能を制御部910に実行させるためのアプリケーションプログラム(アプリ)等のコンピュータプログラムや連携演出音の音声データ等を記憶する。
なお、本実施例では、連携演出音の音声データを管理サーバ900からダウンロードして記憶部920に記憶する。この音声データは、例えば、MP3やWAV等の音声ファイルとなっている。
操作部930は、表示部940に対応して設けられたタッチパネルで構成され、電話番号や各種データといった数字やアルファベット、その他の文字などを入力するために用いられる。あるいは、操作部930は、ダイヤルキーや十字操作キーやその他のファンクションキーで構成されてもよい。操作部930は、ユーザからの操作入力を受付けて、受付けた操作に係る信号を制御部910に送出する。
表示部940は、液晶表示装置(LCD)で構成される。なお、表示部940は、ELディスプレイ等の表示装置で構成されてもよい。表示部940は、制御部910から供給される文字データや画像データによって表される文字や画像を表示する。
無線通信部950は、他の携帯端末やサーバからアンテナ951を介して受信した信号を制御部910に送出し、制御部910から他の携帯端末やサーバへ送信する信号をアンテナ951から出力させる。
カメラ部960は、遊技者の操作に応じて、撮影対象を撮像し、撮像した画像を画像データに変換して、制御部910に供給する。本実施例においては、カメラ部960は、2次元コードを撮像する。
通話用スピーカ970a及び通話用マイク970bは、表示部940面である正面側に設けられ、遊技者が通話機能を使用するときに音声の入出力が行われる。なお、通話用マイク970bは、所定周波数の超音波音により伝送される準備信号、開始信号、終了信号を取得することができ、通話用マイク970bにて取得された各種信号は、制御部910に入力されて各種処理が行われる。
背面側スピーカ970cは、表示部940面の反対側の背面側に設けられ、携帯端末901における着信音や各種アプリの出力音が背面側スピーカ970cから出力される。
イヤホン接続部970dは、携帯端末901に設けられたイヤホンEPを接続するための端子部となっている。遊技者は、イヤホン接続部970dにイヤホンEPを接続して連携演出音を聴くことができる。
制御部910は、マイクロプロセッサ(MPU)で構成される。制御部910は、記憶部920に記憶されたアプリなどのコンピュータプログラムに従って、記憶部920、操作部930、無線通信部950、カメラ部960、通話用マイク970bからのデータ等に対して処理を施し、処理後のデータを記憶部920、表示部940、無線通信部950、通話用スピーカ970a、背面側スピーカ970c、イヤホン接続部970dに供給する。
なお、本実施例における制御部910は、記憶部920に記憶された音声データを適切なタイミングで再生することで、パチンコ遊技機1の動作、例えば、変動表示中に演出表示装置9に表示される画像等の動作に合わせた連携演出音の出力がなされる。
なお、携帯端末901は、上記の構成のほか、一般の携帯電話機が備える赤外線通信機能などを備えていてもよい。
図29に示すようには、携帯端末901の記憶部920におけるメモリ領域には、再生用格納領域と音量低減用格納領域とが設定されている。この再生用格納領域には、連携演出音の音声データの再生順序に対応して音声データIDが格納されている。この再生用格納領域における先頭に格納された音声データIDの演出音の再生が終了すると、当該音声データIDは消去され、次の音声データIDが繰り上がって格納される。また、音量低減用格納領域は、後述するように、再生用格納領域における先頭に格納された音声データIDの演出音の再生中に次に格納された音声データIDの開始信号を取得した場合に、再生中の演出音の音量を低減するために、当該演出音の音声データIDを格納する領域となっている。
次に、本実施例における管理サーバ900の構成について説明する。図5に示すように、管理サーバ900は、一般的なWebサーバとしての機能を有し、制御部210と、記憶部220と、操作部230と、表示部240と、通信部250とを備えている。
記憶部220は、ROMやRAM、フラッシュメモリやハードディスクドライブといった外部記憶装置などから構成される。記憶部220には、管理サーバ900の各種機能を制御部210に実行させるためのコンピュータプログラムや連携演出音の音声データ等が記憶される。
操作部230は、キーボード、マウス、キーパッド、タッチパッドやタッチパネルといった入力装置で構成される。操作部230は、管理サーバ900の管理者といったユーザからの操作入力を受付けて、受付けた操作に係る信号を制御部210に送出する。
表示部240は、例えば、LCDで構成される。なお、表示部240は、CRTディスプレイやELディスプレイなど他の表示装置で構成されてもよい。表示部240は、制御部210から供給される文字データや画像データによって表される文字や画像を表示する。
通信部250は、携帯端末901や他のサーバなどから、インターネット網を介して受信したデータを制御部210に供給し、制御部210から供給されたデータを、インターネット網を介して携帯端末901や他のサーバなどに送信する。
制御部210は、例えばMPUで構成される。制御部210は、記憶部220に記憶されたコンピュータプログラムに従って、記憶部220、操作部230、表示部240、通信部250からのデータや信号等に基づく処理を実行し、その処理にて生成されたデータや信号を記憶部220、操作部230、表示部240、通信部250に供給する。
また、管理サーバ900は、CPU、RAMなどを備えた一般的なサーバコンピュータにて構成されており、インターネットを介して携帯端末901からアクセス可能とされている。
また、管理サーバ900の記憶部220には、パチンコ遊技機1の全ての機種の音声データが記憶されている。なお、携帯端末901は、インターネットを介して管理サーバ900が記憶する各音声データをダウンロードできるようになっている。更に、管理サーバ900の記憶部220には、各パチンコ遊技機1の機種毎に異なる連携演出音に対応する音声データIDが登録される機種別音声データ対応テーブルが記憶されている。図17に示すように、機種別音声データ対応テーブルは、各機種を識別可能な機種IDに対応付けて、機種名と当該機種にて用いられる連携演出音用音声データIDとが登録されている。
次に、連携演出音を携帯端末901から出力して遊技を行う際の管理サーバ900や、携帯端末901、パチンコ遊技機1の動作について、図30及び図33に基づいて説明する。
図33に示すように、遊技者が連携演出音の出力を行うために携帯端末901にて音連携アプリを起動する。ここで、パチンコ遊技機1の演出表示装置9には、図30(a)に示すデモ画面が表示されている。このデモ画面には、「ボタンを長押しすると音連携選択画面が表示されます」というメッセージが表示画面の下部に表示されており、遊技者がプッシュボタン516を長押しすると音連携選択画面を表示できることが遊技者に報知(案内)されるようになっている。
遊技者が音連携選択画面を表示させるためにプッシュボタン516を長押し操作した場合には、図30(b)の音連携選択画面が演出表示装置9に表示される。この音連携選択画面において、遊技者は、プッシュボタン516及び操作レバー600を用いて選択入力が行える。
なお、遊技者が携帯端末901を用いて連携演出音を聴くことを選択した場合には、図30(c)に示す2次元コードを含む案内画面が演出表示装置9に表示される。この案内画面を表示する際に、演出制御用CPU120は、各機種を識別するための機種毎に付与される機種IDと、自機と他のパチンコ遊技機1を識別するための遊技対象台IDと、に基づいて2次元コードを生成する。遊技者は、案内画面に従って携帯端末901のカメラ部960にて2次元コードを読み取る操作を行う。
図33に示すように、パチンコ遊技機1では、遊技者が携帯端末901を用いて連携演出音を聴くことを選択した場合に、以降の遊技において演出用スピーカ27から出力される演出音の出力音量を低減する制御を行うとともに、演出音の出力に対応して各種信号を伝送する超音波音の出力を行う。尚、演出音の出力音量を低減する制御は、遊技者の遊技が終了してデモ画面が表示されることに応じて解除され、元の出力音量に復帰される。
また、携帯端末901の制御部910は、カメラ部960にて読み取られた2次元コードを解析し、該2次元コードに含まれる機種IDと遊技対象台IDとを取得して、取得した機種IDと遊技対象台IDとを記憶部920に記憶する。そして、機種IDに対応する音声データが既にダウンロードされて記憶部920に記憶されているか否かを判定し、既にダウンロード済みである場合には、後述する連携演出音再生処理の実行を開始して超音波音の取得を開始する。一方、音声データが未だダウンロードされていない場合には、携帯端末901の制御部910は、音声データIDのダウンロードを行うために、取得した機種IDを含むダウンロード要求を管理サーバ900に送信する。
管理サーバ900(管理サーバコンピュータ)の制御部210は、携帯端末901からダウンロード要求を受信した際に、機種別音声データ対応テーブル(図17)を参照し、ダウンロード要求に含まれる機種IDに対応する全ての音声データIDを取得し、該音声データIDに対応する音声データ(連携効果出力データ)を携帯端末901に送信する処理を行う。
携帯端末901の制御部910は、管理サーバ900からダウンロードした音声データを記憶部920に記憶して、後述する連携演出音再生処理の実行を開始して超音波音の取得を開始する。
そして、遊技が開始されたパチンコ遊技機1では、変動表示が開始される際に、当該変動表示中に用いる連携演出音の音声データの再生順序情報と、自機の遊技対象IDとを含む準備信号(超音波音)を演出用スピーカ27から出力する。また、この準備信号は、携帯端末901の通話用マイク970bで取得される。
準備信号(超音波音)を取得した携帯端末901の制御部910は、準備信号に含まれる遊技対象台IDが前述の2次元コードにより予め取得した遊技対象台IDと一致するか否かを判定し、一致しない場合には、当該準備信号を無効として、超音波音の取得を続行する。一方、準備信号に含まれる遊技対象台IDが予め取得した遊技対象台IDと一致する場合には、準備信号に含まれる再生順序情報に基づいて、記憶部920におけるメモリ領域の再生用格納領域に、音声データIDを再生順に格納し、超音波音の取得を続行する。
そして、遊技が開始されたパチンコ遊技機1では、演出音を演出用スピーカ27から出力する際に(演出音の再生開始時)、演出音の音声データIDの再生対象情報と、自機の遊技対象IDとを含む開始信号(超音波音)を演出用スピーカ27から出力する。また、この開始信号も、携帯端末901の通話用マイク970bで取得される。
なお、演出用スピーカ27から可聴音の演出音も出力されるようになっているが、前述したように、演出音の出力音量を低減する制御がなされるため、演出用スピーカ27から出力される開始信号(超音波音)が可聴音である演出音により邪魔されることがない。
開始信号(超音波音)を取得した携帯端末901の制御部910は、開始信号に含まれる遊技対象台IDが前述の2次元コードにより予め取得した遊技対象台IDと一致するか否かを判定し、一致しない場合には、当該開始信号を無効として、超音波音の取得を続行する。一方、開始信号に含まれる遊技対象台IDが予め取得した遊技対象台IDと一致する場合には、開始信号に含まれる再生対象情報に基づいて、記憶部920におけるメモリ領域の再生用格納領域に格納された対応する音声データIDの連携演出音の再生を開始するとともに、超音波音の取得を続行する。遊技者は、携帯端末901のイヤホン接続部970dに接続されたイヤホンEPを介して連携演出音を聴くことができる。
次に、図31及び図32を参照し、携帯端末901の制御部910が実行する連携演出音再生処理について詳述する。この連携演出音再生処理では、先ずステップS100において制御部910は、通話用マイク970bから所定周波数の超音波音の取得信号が入力された否かを判定する。なお、この超音波音はパチンコ遊技機1の演出用スピーカ27から出力された超音波音である。ここで、超音波音の取得信号が入力された場合には、ステップS101に進む。一方、超音波音の取得信号が入力されていない場合には、後述のステップS114に進む。
ステップS101において制御部910は、取得した超音波音を解析して、該超音波音に含まれる遊技対象台IDを取得してステップS102に進む。
ステップS102において制御部910は、取得した遊技対象台IDが前述の2次元コードにより予め取得した遊技対象台IDと一致するか否かを判定する。ここで、遊技対象台IDが一致する場合には、ステップS103に進む。一方、遊技対象台IDが一致しない場合には、後述のステップS114に進む。
ステップS103において制御部910は、取得した超音波音が準備信号であるか否かを判定する。ここで、超音波音が準備信号である場合には、ステップS107に進む。
このステップS107において制御部910は、準備信号に含まれる再生順序情報に基づいて、記憶部920におけるメモリ領域の再生用格納領域の空き領域に、音声データIDを再生順に格納し、後述のステップS114に進む。
なお、ステップS107において、再生用格納領域に音声データIDが格納されていない場合、つまり再生用格納領域の全てが空き領域である場合には、再生用格納領域の先頭から順に音声データIDが再生順に格納される。また、再生用格納領域に既に音声データIDが格納されている場合、つまり前回格納した音声データIDが残っている場合には、既に格納された音声データIDに続く次の空き領域に、新たに取得した音声データIDが格納される。
一方、ステップS103の判定において超音波音が準備信号でない場合には、ステップS104に進んで、後述する出力停止保留カウンタをクリアしてステップS105に進む。
ステップS105において制御部910は、取得した超音波音が開始信号であるか否かを判定する。ここで、超音波音が開始信号である場合には、ステップS108に進む。
このステップS108において制御部910は、現在再生中の連携演出音の音声データがあるか否かを判定する。ここで、再生中の音声データがある場合には、ステップS110に進む。一方、再生中の音声データがない場合には、ステップS109に進む。
ステップS110において制御部910は、現在再生中の連携演出音の音声データIDを再生用格納領域から音量低減用格納領域に音量低減対象音声データIDとして格納して、ステップS111に進んで、後述する連携演出音の再生音量を低減させる処理を実行するための音量低減実行フラグをセットしてステップS109に進む。
ステップS109において制御部910は、開始信号に含まれる音声データIDに対応する音声データの再生を開始する。
なお、開始信号に含まれる音声データIDは、通常の進行状況では、再生用格納領域の先頭に格納されており、対応する連携演出音の再生が終了した時点で再生用格納領域の先頭の音声データIDが消去され、次の音声データIDが繰り上がって再生用格納領域の先頭に登録される。なお、いくつかの開始信号の取得に失敗したときなど、非常時の進行状況では、開始信号に含まれる音声データIDが再生用格納領域の先頭以外に格納された音声データIDである場合がある。この場合には、再生用格納領域において、開始信号に含まれる音声データID以前に格納された音声データIDを消去して、開始信号に含まれる音声データIDを再生用格納領域の先頭に格納し、当該音声データIDに対応する音声データの再生を開始する。
一方、ステップS105の判定において超音波音が開始信号でない場合には、ステップS106に進む。
ステップS106において制御部910は、取得した超音波音が終了信号であるか否かを判定する。ここで、超音波音が終了信号である場合には、ステップS112に進む。一方、超音波音が終了信号でない場合には、ステップS114に進む。
ステップS112において制御部910は、現在再生中の連携演出音の音声データがあるか否かを判定する。ここで、再生中の音声データがある場合には、ステップS113に進む。一方、再生中の音声データがない場合には、ステップS114に進む。
ステップS113において制御部910は、現在再生中の連携演出音の音声データの再生を終了して記憶部920におけるメモリ領域の再生用格納領域をクリアしてステップS114に進む。
ステップS114において制御部910は、音量低減実行フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、音量低減実行フラグがセットされている場合には、後述のステップS124に進む。一方、音量低減実行フラグがセットされていない場合には、ステップS115に進む
ステップS115において制御部910は、現在再生中の連携演出音の音声データがあるか否かを判定する。ここで、再生中の音声データがある場合には、ステップS116に進む。一方、再生中の音声データがない場合には、処理を終了する。
ステップS116において制御部910は、現在再生中の連携演出音の音声データの再生終了タイミングであるか否かを判定する。ここで、音声データの再生終了タイミングである場合には、ステップS117に進む。一方、音声データの再生終了タイミングでない場合には、処理を終了する。
ステップS117において制御部910は、現在再生中の連携演出音の音声データの再生を終了してステップS118に進む。
ステップS118において制御部910は、再生が終了した音声データIDを記憶部920におけるメモリ領域の再生用格納領域から消去してステップS119に進む。
ステップS119において制御部910は、次に再生する連携演出音の音声データIDが記憶部920におけるメモリ領域の再生用格納領域に格納されているか否かを判定する。ここで、次に再生する連携演出音の音声データIDが格納されている場合には、ステップS120に進む。一方、次に再生する連携演出音の音声データIDが格納されていない場合には、処理を終了する。
ステップS120において制御部910は、出力停止保留カウンタの値が2以上(閾値以上)であるか否かを判定する。ここで、出力停止保留カウンタの値が2以上である場合には、処理を終了する。一方、出力停止保留カウンタの値が2未満である場合には、ステップS121に進む。
なお、後述するように、出力停止保留カウンタの値は、周囲の雑音等の影響により開始信号の取得に連続して失敗した場合に、即座に連携演出音の再生の停止を行うのではなく、所定の条件が成立するまで(例えば、開始信号の取得に3回連続して失敗するまで)、連携演出音の停止を保留するために設けられている(図25参照)。
ステップS121において制御部910は、出力停止保留カウンタの値に1を加算してステップS122に進む。
ステップS122において制御部910は、記憶部920におけるメモリ領域の再生用格納領域を更新し、次に再生する連携演出音の音声データIDを繰り上げて再生用格納領域の先頭に格納してステップS123に進む。
ステップS123において制御部910は、再生用格納領域の先頭に格納された音声データIDに対応する連携演出音の音声データの再生を開始し、処理を終了する。
一方、ステップS114の判定において音量低減実行フラグがセットされている場合に進むステップS124では、制御部910は、音量低減対象音声データIDに対応する連携演出音の再生音量を低減させる。つまり既に次の連携演出音の再生が開始されている状態において、先に再生されていた連携演出音の音量は徐々に低減されていく(図26参照)。そして、ステップS125に進む。
ステップS125において制御部910は、音量低減対象音声データの再生終了タイミングか否かを判定する。ここで、音量低減対象音声データの再生終了タイミングである場合には、ステップS126に進む。一方、音量低減対象音声データの再生終了タイミングでない場合には、前述のステップS115に進む。
ステップS126において制御部910は、現在再生中の音量低減対象音声データの再生を終了してステップS127に進む。
ステップS127において制御部910は、再生が終了した音量低減対象音声データIDを記憶部920におけるメモリ領域の再生用格納領域から消去してステップS128に進む。
ステップS128において制御部910は、音量低減実行フラグをクリアして前述のステップS115に進む。
次に、図23から図26を参照し、本実施例におけるパチンコ遊技機1から出力される開始信号と、携帯端末901にて再生される連携演出音の再生タイミングとの関係について詳述する。
図23(a)は、ノーマルリーチAにおける開始信号と連携演出音の再生タイミングとの関係を示し、図23(b)は、スーパーリーチAにおける開始信号と連携演出音の再生タイミングとの関係を示している。
本実施例では、パチンコ遊技機1の演出表示装置9にて変動表示が開始される直前に、演出用スピーカ27から準備信号が出力される。この準備信号が入力された携帯端末901では、前述したように音声データIDを再生用格納領域に格納する。
そして、パチンコ遊技機1は、最初に再生される連携演出音のブロックAに対応する音声データID(SD−00001)を含む開始信号を出力し、携帯端末901では、この連携演出音のブロックAの開始信号が入力された時点で、対応するブロックAの音声データの再生を開始する。
また、連携演出音のブロックAの再生が終了する時点で、パチンコ遊技機1は、次に再生される連携演出音のブロックBに対応する音声データID(SD−00002)を含む開始信号を出力し、携帯端末901では、この連携演出音のブロックBの開始信号が入力された時点で、対応するブロックBの音声データの再生を開始する。
また、パチンコ遊技機1の演出表示装置9にて変動表示が終了するときに、パチンコ遊技機1が終了信号を出力し、この終了信号が入力された携帯端末901では、連携演出音の再生中を終了する。
また、図23に示すように、異なる変動パターンであっても、同一の連携演出音が出力される部分のブロックは、同一のものを用いており、同じ連携演出音のブロックの音声データIDは同一のものを用いている。例えば、変動パターンとしてのノーマルリーチAの前半部分の各ブロックA〜C(図23(a)参照)の音声データID(SD−00001、SD−00002、SD−00003)は、変動パターンとしてのスーパーリーチAの冒頭部分の各ブロックA〜C(図23(b)参照)の音声データID(SD−00001、SD−00002、SD−00003)と共通なものを用いている。
このようにすることで、同一の連携演出音のブロックに対応する開始信号には、同一の音声データIDが含まれた状態で出力されるので、音声データIDの種類を低減することができ、これら音声データIDを含む開始信号に関する制御が複雑化してしまうことを抑止できる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、操作予告演出が実行中に操作部(プッシュボタン516等)の操作が有効になる操作有効期間が設けられており、パチンコ遊技機1の演出制御用CPU120は、この操作有効期間中に、遊技者が操作部(プッシュボタン516等)を適切なタイミングで操作した際に、演出用スピーカ27から操作音を出力する制御を行う。この操作音は、演出音と異なり出力音量の低減がなされていない大きな音量で出力されるため、この操作音の出力中に、演出用スピーカ27から開始信号が重畳して出力された場合には、操作音に開始信号がかき消されてしまい、携帯端末901にて良好に開始信号を取得できなくなる場合がある。そこで、本実施例では、操作音の出力中に開始信号が重畳して出力されることを防止するため、操作音出力猶予期間が設けられる。
図24(a)に示すように、演出制御用CPU120は、連携演出音のブロックBの再生中に、操作部(プッシュボタン516等)の操作があった場合、この操作音が次の連携演出音のブロックCの開始信号を重畳される虞がないタイミング、つまり操作音の再生終了が次の連携演出音のブロックCの開始信号の前となる場合には、操作部の操作と同時に、操作音を演出用スピーカ27から出力する制御を行う。
図24(b)に示すように、演出制御用CPU120は、連携演出音のブロックBの再生中に、操作部(プッシュボタン516等)の操作があった場合、この操作音が次の連携演出音のブロックCの開始信号を重畳される虞があるタイミング、つまり操作音の再生終了が次の連携演出音のブロックCの開始信号の後となる場合には、操作部が操作された時点から所定の操作音出力猶予期間が経過した後、つまり次の連携演出音のブロックCの開始信号の後に、操作音を演出用スピーカ27から出力する制御を行う。
このようにすることで、操作予告演出に伴う操作音の出力により、開始信号の出力に悪影響が及ぶことを防止できる。尚、本実施例では、操作音の出力中に開始信号が重畳して出力されることを防止するため、操作予告演出に伴う操作音の出力タイミングを、開始信号を出力するタイミングとは異なるタイミングに変更して実施するようにしているが、本発明はこれに限ることなく、操作予告演出に伴う操作音の出力を実施しないことで、操作音の出力中に開始信号が重畳して出力されることを防止するようにしてもよいし、遊技者が携帯端末901を用いて連携演出音を聴く場合には、操作予告演出自体の実行を制限することで、操作音の出力中に開始信号が重畳して出力されることを防止するようにしてもよい。
また、パチンコ遊技機1の演出用スピーカ27から出力された開始信号を携帯端末901が取得する際に、周囲の雑音等の影響により良好に開始信号を取得できない場合がある。このような場合に、携帯端末901にて即座に連携演出音の再生を停止してしまうと興趣が低下してしまう虞があるため、本実施例では、所定の条件が成立するまで(例えば、開始信号の取得に3回連続して失敗するまで)、連携演出音の停止を保留する。
図25(a)は、開始信号の取得に2回連続して失敗して3回目の取得に成功した場合のタイミングチャートを示している。この図25(a)に示すように、携帯端末901の制御部910は、連携演出音のブロックAの終了時点において、次の連携演出音のブロックBの開始信号の取得に失敗した場合に、出力停止保留カウンタの値に1を加算し、出力停止保留カウンタの値を「1」とする(前述の図32のステップS121参照)。ここで、携帯端末901の制御部910は、開始信号が取得できなくても、自動的に連携演出音のブロックBの再生を開始する(前述の図32のステップS123参照)。
そして、携帯端末901の制御部910は、次の連携演出音のブロックCの開始信号の取得に失敗した場合も同様に、出力停止保留カウンタの値に1を加算し、出力停止保留カウンタの値を「2」とする。携帯端末901の制御部910は、開始信号が取得できなくても、自動的に連携演出音のブロックCの再生を開始する。
そして、携帯端末901の制御部910は、次の連携演出音のブロックDの開始信号の取得に成功した場合に、出力停止保留カウンタの値をクリアするとともに(前述の図31のステップS104参照)、連携演出音のブロックDの再生を開始する(前述の図31のステップS109参照)。
図25(b)は、開始信号の取得に3回連続して失敗した場合のタイミングチャートを示している。この図25(b)に示すように、携帯端末901の制御部910は、連携演出音のブロックAの終了時点において、次の連携演出音のブロックBの開始信号の取得に失敗した場合に、出力停止保留カウンタの値に1を加算し、出力停止保留カウンタの値を「1」とする(前述の図32のステップS121参照)。ここで、携帯端末901の制御部910は、開始信号が取得できなくても、自動的に連携演出音のブロックBの再生を開始する(前述の図32のステップS123参照)。
そして、携帯端末901の制御部910は、次の連携演出音のブロックCの開始信号の取得に失敗した場合も同様に、出力停止保留カウンタの値に1を加算し、出力停止保留カウンタの値を「2」とする。携帯端末901の制御部910は、開始信号が取得できなくても、自動的に連携演出音のブロックCの再生を開始する。
そして、携帯端末901の制御部910は、次の連携演出音のブロックDの開始信号の取得にも失敗した場合に、出力停止保留カウンタの値を参照し、出力停止保留カウンタの値が「2」以上となっているため(前述の図32のステップS120がYes)、以後の連携演出音の再生を停止する。
本実施例において、携帯端末901の制御部910が、先に連携演出音を出力中に次の連携演出音の開始信号を取得した場合に、次の連携演出音の再生を開始するとともに、先の連携演出音の音量を低減する処理を行う。
図26は、先に再生中の連携演出音のブロックBと、次に再生される連携演出音のブロックCの音量の変化について示した図である。この図26に示すように、携帯端末901の制御部910は、先に再生中の連携演出音のブロックBの再生が終了する前に、連携演出音のブロックCの開始信号を取得した場合に(前述のステップS108がYes)、連携演出音のブロックBの再生音量の低減を開始する(前述の図32のステップS124参照)。そして、携帯端末901の制御部910は、次の連携演出音のブロックCの再生を通常の音量で開始する。
このようにすることで、連携演出音のブロックBから連携演出音のブロックCへの出力の切り換えがスムーズになされ、連携演出音のブロックBと連携演出音のブロックCとが重畳して出力されても、遊技者に違和感なく連携演出音を聴かせることができる。
本実施例では、携帯端末901における連携演出音の進行状況が、パチンコ遊技機1よりも遅れている場合であっても、開始信号を取得した時点で速やかに修正されて、携帯端末901から出力される連携演出音がパチンコ遊技機1の変動表示や演出音に同期されるようになる。
また、携帯端末901における連携演出音の進行状況が、パチンコ遊技機1よりも進んでいる場合には、連携演出音が自動的に再生された後に、当該連携演出音の開始信号が入力される場合がある。例えば、携帯端末901の制御部910は、連携演出音のブロックAが終了した時点で、連携演出音のブロックBの開始信号が未取得である場合に、連携演出音のブロックBの再生を自動的に開始する。そして、連携演出音のブロックBが再生中に連携演出音のブロックBの開始信号が取得できた場合には、先に再生された連携演出音のブロックBの再生音量の低減を開始するとともに、開始信号の取得に基づいて新たに連携演出音のブロックBの再生を通常の音量で開始する。このように、携帯端末901における連携演出音の進行状況が、パチンコ遊技機1よりも進んでいる場合であっても、開始信号を取得した時点で速やかに修正されて、携帯端末901から出力される連携演出音がパチンコ遊技機1の変動表示や演出音に同期されるようになる。
なお、図27は、変形例としても音量低減実行時の音量の変化について示した図である。この図27に示すように、携帯端末901の制御部910は、先の変動表示に対応して再生中の連携演出音のブロックZの再生が終了する前に、次の変動表示に対応する準備信号を取得した場合に、再生中の連携演出音のブロックZの再生音量の低減を開始する。そして、携帯端末901の制御部910は、次の変動表示に対応する連携演出音のブロックAの開始信号を取得した時点で、次の連携演出音のブロックAの再生を通常の音量で開始する。
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1によれば、超音波音により伝送される各種信号(連携信号)がパチンコ遊技機1の演出用スピーカ27(効果出力手段)を介して出力されるので、これら各種信号を送信するための特別な通信手段をパチンコ遊技機1に設けることなく、携帯端末901にてパチンコ遊技機1からの演出音(効果出力)に同期した連携演出音(連携効果出力)を出力させることができる。尚、本発明の遊技機には、パチンコ遊技機1に対応して設置される遊技媒体貸し出し装置等の装置を含むようにしてもよい。
また、本実施例によれば、携帯端末901は、連携演出音(連携効果出力)を出力するための音声データ(連携効果出力データ)を管理する管理サーバ900(管理サーバコンピュータ)との通信機能を有し、携帯端末901の制御部910(連携効果出力手段)は、管理サーバ900から取得した音声データを用いて連携演出音を出力することで、音声データをパチンコ遊技機1から携帯端末901に送信する必要がないので、これら音声データを送信するための通信手段や音声データを記憶するための記憶手段をパチンコ遊技機1に設ける必要がなく、パチンコ遊技機1のコストの上昇を抑止できるとともに、音声データが管理サーバ900にて一元管理されているので、これらの音声データの修正や変更を容易に実施することもできる。更に尚、パチンコ遊技機1の機種を交換しなくても管理サーバ900の音声データを変更することで、日替わりまたは週替わりで異なる曲調の音声データに変更することも容易に行えるようになる。
また、本実施例によれば、パチンコ遊技機1は、機種IDと遊技対象台IDとを含む2次元コードを表示し、携帯端末901制御部910は、カメラ部960にて読み取られた2次元コードを解析し、該2次元コードに含まれる機種IDと遊技対象台IDとを取得して記憶部920に記憶し、制御部910が通話用マイク970bから取得した超音波音を解析して取得した遊技対象台IDが2次元コードにより予め取得した遊技対象台IDと一致するか否かを判定し、携帯端末901の制御部910は、遊技対象台IDが、一致しない場合には、特に処理を行わずに超音波音の取得を続行し、遊技対象台IDが一致する場合には、開始信号に含まれる再生対象情報に基づいて、記憶部920におけるメモリ領域の再生用格納領域に格納された対応する音声データIDの連携演出音の再生を開始することで、携帯端末901の制御部910は、取得した超音波音が遊技しているパチンコ遊技機1から出力されたものであるか否かを判断できるようになるので、遊技場において、遊技者が遊技しているパチンコ遊技機1の近傍に設置されている他のパチンコ遊技機1から出力される開始信号(連携信号)により、不適切な演出音(連携効果出力)が出力されてしまうことを防止できる。
また、本実施例によれば、例えば、パチンコ遊技機1は、図23(a)及び図23(b)に示す共通する連携演出音ブロックA〜Cが、互いに異なる演出であるノーマルリーチA及びスーパーリーチAにて共通に使用されており、パチンコ遊技機1の演出制御用CPU120は、異なる演出であっても演出用スピーカ27から同一の演出音が出力されるときには、該同一の演出音に対応する開始信号として同一の連携演出音ブロックA〜Cの開始信号を出力することで、同一の連携演出音に対応する開始信号(連携信号)として同一の開始信号が出力されるので、開始信号の種類を低減することができ、これら開始信号に関する制御が複雑化してしまうことを抑止できる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120は、演出用スピーカ27が演出音を出力するよりも前に、該演出音に対応した準備信号を出力させることで、パチンコ遊技機1において演出音(効果出力)が出力される前に準備信号(連携信号)が出力されるので、これら事前に出力される準備信号に基づいて、連携演出音(連携効果出力)を同期して出力するための準備を携帯端末901において実施できるようになるので、同期をとるための制御を簡素化することができる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120は、例えば、図23(a)において1つのリーチ演出中にある複数のブロックA〜Dに対応する複数の開始信号を出力させることで、1の演出中に複数の開始信号(連携信号)が出力されるため、1の演出中に1回の開始信号だけが出力される場合に比較して、パチンコ遊技機1から出力される演出音(効果出力)と携帯端末901から出力される連携演出音(連携効果出力)との同期を容易化できる。
また、本実施例によれば、図32示す携帯端末901の制御部910が実行する連携演出音再生処理のステップS124において、音量低減対象音声データIDに対応する連携演出音の再生音量を低減させることで、パチンコ遊技機1から出力される演出音(効果出力)との同期のずれを、遊技者に大きな違和感を与えることなく修正できる。
また、本実施例によれば、図24に示すように、操作予告演出中に遊技者が操作部の操作を行ったときに操作音が発生するようになっており、この操作音の発生を操作音出力猶予期間に行い、開始信号の出力タイミングの時点で操作音を発生させないように制限することで、操作予告演出(付加演出)に伴う操作音(効果出力)の出力により、開始信号(連携信号)の出力に悪影響が及ぶことを防止できる。尚、操作予告演出(付加演出)に伴う操作音の出力を制限することには、操作予告演出に伴う操作音の出力を実施しないことで制限することや、操作予告演出自体の実行を制限すること等が含まれる。
また、本実施例によれば、パチンコ遊技機1は、携帯端末901に充電電力を供給するための非接触給電ユニット331(給電手段)を備えることで、連携演出音(連携効果出力)による携帯端末901の電池残量の消耗を補うことができ、長時間の遊技においても連携演出音の出力を実行できる。