本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
[ゲームシステムの概要の説明]
まず、図1を用いて、ゲームシステムの概要について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るゲームシステム1の全体像を模式的に示す概略図である。
ゲームシステム1は、ホール管理サーバ10、ボーナスサーバ11、設定管理サーバ12、会員管理サーバ13、および複数のゲーミングマシンを備えている。
ホール管理サーバ10は、ホール(遊技場)内の金銭の流れを集計・管理し、賃借表等を作成するとともに、他のサーバを管理する。また、ゲーミングマシンが単位ゲームを開始したタイミング、単位ゲームを終了したタイミング、および単位ゲームにおける抽籤結果などを含むアカウンティング情報を、各ゲーミングマシンから取得し蓄積する。
ボーナスサーバ11は、ボーナスゲームにおけるボーナス抽籤と、ボーナス抽籤に関連して実施される連動演出を制御する。また、ボーナス付与のための蓄積値(例えば、プログレッシブボーナスのために蓄積されるクレジット)の管理等も行う。設定管理サーバ12は、ボーナス抽籤の対象となるゲーミングマシンに関する設定や連動演出に関する設定を記憶、管理する。なお、本実施形態では、ボーナスゲームを例にとって説明するが、スロットトーナメント等、他の種類のゲームであってもよい。
会員管理サーバ13は、会員の個人情報、会員カード(ICカード)の情報、会員についての過去の遊技結果等の記憶、管理を行うためのサーバである。会員カード(ICカード)の発券は、例えば、会員カード発券端末によって行われる。会員登録時に、入力された会員の個人情報が、会員カードの識別コードとともに、会員管理サーバ13に記憶される。また、会員カード発券端末は、カメラを備えており、会員カードの発券時に、ICカードの発券を受けるプレーヤの顔の撮影を行うようにすることもできる。撮影した画像は、識別コードに対応付けて会員管理サーバ13に記憶される。
ゲーミングマシンは、図1に示すように、複数のエリア(例えば、図1に示すように、A−1〜A−3)に亘って設置される。ここで、エリアは、例えば、ホールの1フロアや、フロア内のエリアに対応する。この例では、エリアはA−1からA−3まで示されているが、これは一例にすぎない。
ゲーミングマシンはさらに、エリア内のゾーン(例えば、図1に示すように、Z−1〜Z−4)ごとに設置される。ここで、ゾーンは、エリア内の特定のスペースに対応する。この例では、ゾーンは、エリア内にそれぞれ4つ(Z−1からZ−4)設けられているが、これも一例にすぎない。また、この例では、1つのゾーンにそれぞれ8台のゲーミングマシンが配置されているが、これも一例に過ぎず、様々な台数を配置することができる。
ゲーミングマシンは、図1に示すように、エリアA−1のゾーンZ−1には、T−11a〜T−11hの8台が配置され、同様に、エリアA−1のゾーンZ−2には、T−12a〜T−12hの8台が配置され(以下、不図示)、エリアA−1のゾーンZ−3には、T−13a〜T−13hの8台が配置され、エリアA−1のゾーンZ−4には、T−14a〜T−14hの8台が配置される。
さらに、図1に示すように、エリアA−2のゾーンZ−1には、T−21a〜T−21hの8台が配置され、同様に、エリアA−2のゾーンZ−2には、T−22a〜T−22hの8台が配置され(以下、不図示)、エリアA−2のゾーンZ−3には、T−23a〜T−23hの8台が配置され、エリアA−2のゾーンZ−4には、T−24a〜T−24hの8台が配置される。また、エリアA−3のゾーンZ−1には、T−31a〜T−31hの8台が配置され、同様に、エリアA−3のゾーンZ−2には、T−32a〜T−32hの8台が配置され(以下、不図示)、エリアA−3のゾーンZ−3には、T−33a〜T−33hの8台が配置され、エリアA−3のゾーンZ−4には、T−34a〜T−34hの8台が配置される。
なお、ゲーミングマシンのそれぞれは、Ethernet(登録商標)によるLAN接続を介して、ホール管理サーバ10やボーナスサーバ11に接続されることが模式的に示されているが、より詳細な接続形態については、後述する。
また、各ゲーミングマシンにはそれぞれ、固有の識別子が付されており、ホール管理サーバ10等は、その識別子により、各ゲーミングマシンから送られてくるデータの出所を判別している。また、ホール管理サーバ10等からゲーミングマシンにデータを送信する場合にも、その識別子に基づいて送信先を指定している。このような識別子には、例えば、IPアドレスなどのネットワークアドレスが使用されうるが、ネットワークアドレス以外の識別子を設けて、個々のゲーミングマシンを管理することもできる。
なお、ゲームシステム1は、様々な遊技を行うことが可能な1つのホール(遊技場)内に構築されてもよいし、複数のホールに亘って構築されてもよい。また、1つのホール内に構築される場合には、ホールのフロアやセクションごとにゲームシステム1が構築されてもよい。サーバとゲーミングマシンを接続する通信回線は、有線であっても無線であってもよく、専用回線や交換回線等を採用することも可能である。
[ゲーミングマシンの概略の説明]
次に、図2を参照して、本発明の実施形態に係るゲーミングマシンの概略について説明する。図2には、プレーヤトラッキング装置(Player Tracking Device)と一体的に構成されたゲーミングマシンである、スロットマシン1010の構成が概念的に示されている。なお、プレーヤトラッキング装置は、プレーヤトラッキングシステム(Player Tracking System)を実現するための端末であり、本明細書では、この装置を以降、PTS端末と称する。なお、以下の説明では、ゲーミングマシンとしてスロットマシンを用いる場合について説明するが、本発明は、スロットマシンに限らず、種々のゲームを行うゲーミングマシンに適用することができる。
図2に示すように、スロットマシン1010は、PTS端末1700を搭載し、さらに精算機1868を備えている。スロットマシン1010は、PTS端末1700を介してホール管理サーバ10やボーナスサーバ11等と、ネットワークを介して接続されている。本実施形態では、1つのスロットマシン1010に対して、その筐体の一部に1つのPTS端末1700が設けられている。
本実施形態では、PTS端末1700は、通信回線(又はスロットマシン1010)を介して、紙幣識別器1022と接続されている。
また、PTS端末1700は、所定のプロトコルに基づいて、コントローラ(後述する、スロットマシン1010のコントローラ1100)とデータの送受信を行うとともに、ネットワークを介して接続されているホール管理サーバ10やボーナスサーバ11等とデータ通信を行う。例えば、PTS端末1700からコントローラに対しては、ゲームを開始するのに必要なクレジットの情報や、連動演出の際に単位ゲームの停止を指示する停止コマンドなどが送信され、ゲーミングコントローラからPTS端末1700に対しては、ゲーム結果としてのクレジットの情報や単位ゲームの開始通知、終了通知が送信されうる。
また、PTS端末1700からホール管理サーバ10には、単位ゲームの開始通知や終了通知、抽籤結果等を含むアカウンティング情報等が送信され、ボーナスサーバ11から(所定のスロットマシン1010の)PTS端末1700には、ボーナス当籤通知が送信される。さらに、PTS端末1700と会員管理サーバ13との間では、会員のクレジットの情報等がやりとりされる。
ここで、会員の場合の遊技フローは概略以下のようになる。最初に、会員カード発券端末によって会員登録を行い、その際に、会員カード(ICカード)が発券される。その後、プレーヤは、スロットマシン1010のPTS端末1700に会員カードを挿入し、そこで、現金を投入する。紙幣識別器1022は、紙幣が投入されると、金種および金額を識別し、その識別結果として、金種データおよび金額データがPTS端末1700へ送信される。PTS端末1700は、金種データおよび金額データから、ゲーム用のクレジットを求め、これをコントローラに送信する。
コントローラは、PTS端末1700から送信されたクレジットに基づいてゲームを実行する。ゲーム結果に応じたクレジットは、コントローラからPTS端末1700へ送信され、PTS端末1700において、ゲーム結果に基づく払出し計算が行われて、プレーヤに払い出される金額が決定される。PTS端末1700では、この決定された金額をそのまま会員カードに書き込み、会員カードを排出する。また、会員カードには、ゲームの実行等に応じて、所定のポイントが付与される。
会員であるプレーヤが次にゲームを行う場合、PTS端末1700は、挿入された会員カードを読み込むと、会員カードに記憶されている金額を読み取る。読み取られた金額は、クレジットに変換され、コントローラに送信される。ゲーム結果に応じたクレジットは、上記と同様に、コントローラからPTS端末1700へ送信され、PTS端末1700において、ゲーム結果に基づく払出し計算が行われて、プレーヤに払い出される金額が決定される。このとき、挿入されている会員カードの金額に対して、ゲームの結果得られた金額を加算することによりこれを更新する。
このときさらに、PTS端末1700は、会員カードから読み取った識別コード(又は会員ID)と更新された金額を会員管理サーバ13に送信し、会員管理サーバ13は、PTS端末1700から送信された金額を、上記の識別コードで特定される会員の金額に加算し記憶する。この処理により、会員の保持する金額が常に管理される。
会員であるプレーヤはその後必要に応じて、キャッシャーカウンタ等で、会員カードに記憶されている金額に基づいて精算を行うことができる。また、上述したスロットマシン1010のように精算機1868を備える場合は、当該スロットマシン1010において会員カードによる精算を行うことができる。
一方、非会員の場合の遊技フローは概略以下のようになる。プレーヤは、スロットマシン1010のPTS端末1700に現金を投入する。紙幣識別器1022は、紙幣が投入されると、金種および金額を識別し、その識別結果として、金種データおよび金額データがPTS端末1700へ送信される。PTS端末1700は、金種データおよび金額データから、ゲーム用のクレジットを求め、これをコントローラへ送信する。
コントローラは、PTS端末1700から送信されたクレジットに基づいてゲームを実行する。ゲーム結果に応じたクレジットは、コントローラからPTS端末1700に送信され、PTS端末1700において、ゲーム結果に基づく払出し計算が行われて、プレーヤに払い出される金額が決定される。PTS端末1700では、この決定された金額を、スロットマシン1010にストックされている新たなICカードに書き込み、そのICカードを排出する。非会員は、ここで初めてICカードを手にすることになる。
非会員であるプレーヤはその後必要に応じて、キャッシャーカウンタ等で、ICカードに記憶されている金額に基づいて精算を行うことができる。また、上述したスロットマシン1010のように精算機1868を備える場合は、当該スロットマシン1010においてICカードによる精算を行うことができる。
[機能フロー図の説明]
図3を参照して、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの基本的な機能について説明する。図3に示すように、スロットマシン1010は、外部制御装置(例えば、ボーナスサーバ11)にデータ通信可能に接続され、外部制御装置は、ホール内に設置された他の複数のスロットマシン1010にデータ通信可能に接続されている。
〈コイン投入・スタートチェック〉
まず、スロットマシン1010は、BETボタンがプレーヤにより押されたか否かをチェックし、続いて、スピンボタンがプレーヤにより押されたか否かをチェックする。
〈シンボル決定〉
次に、スロットマシン1010は、スピンボタンがプレーヤにより押されると、シンボル決定用乱数値を抽出し、ディスプレイ上に表示する複数のビデオリールのそれぞれに応じて、シンボル列のスクロールを停止させたときにプレーヤに表示するシンボルを決定する。
〈シンボル表示〉
次に、スロットマシン1010は、各ビデオリールのシンボル列のスクロールを開始させ、決定されたシンボルがプレーヤに表示されるようにスクロールを停止させる。
〈入賞判定〉
次に、スロットマシン1010は、各ビデオリールのシンボル列のスクロールが停止されると、プレーヤに表示されたシンボルの組合せが入賞に係るものであるか否かを判定する。
〈払い出し〉
次に、スロットマシン1010は、プレーヤに表示されたシンボルの組合せが入賞に係るものであるとき、そのシンボルの組合せの種類に応じた特典をプレーヤに与える。例えば、スロットマシン1010は、コインの払い出しに係るシンボルの組合せが表示されたとき、そのシンボルの組合せに応じた数のコインをプレーヤに払い出す。
また、スロットマシン1010は、スピンボタンがプレーヤにより押されたことによって単位ゲームが開始された場合、および単位ゲームが終了した場合に、それに応じて、ボーナスサーバ11でボーナスゲームの抽籤が行われる。ボーナスゲームの抽籤の結果、いずれかのスロットマシン1010が当籤すると、スロットマシン1010において単位ゲームが停止され、その後、PTS端末1700において連動演出が行われる。ここで、単位ゲームとは、BETの受付開始から賞成立となり得る状態までの一連の動作である。
ボーナスゲームに当籤したスロットマシン1010には、ボーナスサーバ11からPTS端末1700を経由して払い出しが行われる。また、ボーナスサーバ11は、例えば、それぞれのスロットマシン1010においてプレーヤが消費したクレジットの一部を、例えば、プログレッシブボーナスのためのクレジットとして蓄積し、スロットマシン1010がボーナスゲームに当籤した場合に、そのスロットマシン1010に対して、プログレッシブボーナスの一部を払い出す。
〈演出の決定〉
スロットマシン1010は、ディスプレイによる画像の表示、ランプによる光の出力、およびスピーカによる音の出力によって演出を行う。スロットマシン1010は、演出用乱数値を抽出し、抽籤により決定されたシンボルなどに基づいて、演出の内容を決定する。
また、ボーナスゲームの抽籤に際し、PTS端末1700の表示装置、発光部、およびスピーカによって、複数のゲーミングマシンに亘る連動演出が行われる。
[スロットマシンの全体構成]
次に、図4を参照して、スロットマシン1010の全体構造について説明する。
スロットマシン1010では、遊技媒体として、コイン、紙幣又はこれらに相当する電子的な有価情報が用いられる。特に、本実施形態では、ICカード1500に記憶された現金データなどのクレジット関連データが用いられている。
スロットマシン1010は、キャビネット1011と、キャビネット1011の上側に設置されたトップボックス1012と、キャビネット1011の前面に設けられたメインドア1013と、を備えている。
メインドア1013には、下側画像表示パネル1141と称されるシンボル表示装置1016が設けられている。シンボル表示装置1016は、透明液晶パネルにより形成されている。シンボル表示装置1016が表示する画面では、中央部に表示窓1150を有している。表示窓1150は、5列、4行の20個の表示ブロック1028により構成されている。各列の4個の表示ブロック1028は、擬似リール1151〜1155を形成し、プレーヤの操作に応じて回転するようになっている。各擬似リール1151〜1155は、4個の表示ブロック1028が全体的に速度を変更しながら下方向に移動表示されることによって、各表示ブロック1028に表示されたシンボル1501を縦方向に回転させた後に停止する再配置を行うことを可能にしている。
ここで、「再配置」とは、シンボル1501の配置が解除された後、再びシンボル1501が配置される状態を意味する。「配置」とは、シンボル1501が外部のプレーヤに対して目視により確認可能な状態であることを意味する。スロットマシン1010は、回転した擬似リール1151〜1155が停止することによるシンボル1501の配置状態によって、所定の役に応じた配当を付与する所謂スロットゲームを実行する。
なお、本実施形態では、スロットマシン1010が所謂ビデオスロットマシンである場合について説明しているが、本発明のスロットマシン1010は、所謂機械式リールを一部の擬似リール1151〜1155に代用してもよい。
さらに、シンボル表示装置1016の前面には、タッチパネル1069が設けられていて、プレーヤはタッチパネル1069を操作して各種の指示を入力することができる。タッチパネル1069から入力信号がメインCPU1071に対して送信される。
トップボックス1012の前面には、上側画像表示パネル1131が設けられている。上側画像表示パネル1131は、液晶パネルからなり、ディスプレイを構成する。上側画像表示パネル1131は、演出にかかる画像や、遊技の内容の紹介やルールの説明を示す画像が表示される。また、トップボックス1012には、スピーカ1112およびランプ1111が設けられている。スロットマシン1010では、画像の表示、音の出力および光の出力によって単位ゲームの演出が実行される。
また、表示窓1150の上方には、クレジット数表示部(不図示)が表示されており、現在のクレジット数が表示されている。ここで、「クレジット」とは、プレーヤがBETする際に使用するゲーム上での仮想の遊技媒体である。なお、クレジット数表示部には、プレーヤが現在所有するクレジットの合計数が表示されるようになっている。
また、クレジット数表示部の下方には、端数現金表示部(不図示)が表示されている。端数現金表示部には、端数現金が表示されている。「端数現金」とは、投入された金額が足らないために、クレジットに換算されなかった現金の事である。
後述するPTS端末1700にICカード1500が挿入され、クレジット数表示部に、ICカードに記憶されていたクレジット数が表示され、端数現金表示部に、ICカードに記憶されていた端数現金が表示される。なお、これらの数値は、会員カードの識別コードに対応付けて、会員管理サーバ13に記憶される。
ここで、ICカードは、非接触ICカードであり、クレジットなどの各種データの記録や演算をするためのIC(Integrated Circuit)を組み込まれ、例えば、NFC(Near Field Communication)のようなRFID(Radio Frequency Identification)技術を用いた近距離無線通信が可能となっている。プレーヤは、ICカード1500を用いることによりクレジット関連データを所有でき、さらに、異なるスロットマシン間において、これを自由に持ち運びすることができる。そして、プレーヤは、スロットマシン1010のPTS端末1700にICカード1500を挿入することにより、ICカード1500内に記憶されたクレジット関連データ(金額データ)を使用して、スロットマシン1010で単位ゲーム等の遊技を行うことができる。
なお、プレーヤは、ホールに設置される機械から、コインや紙幣などの現金を現金データとして、ICカード1500に貯めることができてもよい。
また、下側画像表示パネル1141の下方では、キャビネット1011にPTS端末1700が組み込まれている。さらに、PTS端末1700の左右には、それぞれ、スピーカ1112が設けられ、トップボックス1012の上部にはランプ1111が設けられている。スロットマシン1010では、上側画像表示パネル1131による画像の表示、スピーカ1112による音の出力、および、ランプ1111による光の出力等によって単位ゲームの演出が実行される。
[PTS端末の構成]
図5は、スロットマシン1010に組み込まれているPTS端末1700を示す図である。PTS端末1700は、ゲーミングマシンとの間で共通化されたデータインタフェースを用いてデータのやりとりを行うことによって、様々なメーカの様々なタイプのゲーミングマシンに組み込むことが可能である。
図6は、図5に示したPTS端末1700の拡大図である。図6に示すように、PTS端末1700はパネル1710を有しており、パネル1710の前面に配置された各部がプレーヤによって視認され、パネル1710の裏面に配置された部材は、スロットマシン1010の内部に収納され、プレーヤからは視認できないようになっている。
パネル1710の前面右側には、タッチパネル機能を有したLCD1719が設けられている。LCD1719は、例えば、会員の情報や会員向けの情報を表示し、画面のサイズは6.2インチ(約15.7cm)である。また、LCD1719の周囲には、LCDカバー1719aが設けられている。なお、この例では、LCD1719がタッチパネル機能を有するように構成されるが、キーボードやマウスといった他の入力装置によってプレーヤの指示を入力するようにしてもよい。
また、LCD1719、LCDカバー1719aの上方には、LEDに接続されて発光する発光板1720aが設けられている。発光板1720aは、例えば、ポリカーボネートで構成され、パネル1710の裏側に配置された複数の(例えば、7つの)フルカラーLED1721aに接続され、フルカラーLED1721aの発光に応じて発光する。
LCD1719、LCDカバー1719aの下方には、同様に、LEDに接続されて発光する発光板1720bが設けられている。発光板1720bは、例えば、ポリカーボネートで構成され、パネル1710の裏側に配置された複数の(例えば、7つの)フルカラーLED1721b(不図示)に接続され、これらのフルカラーLED1721bの発光に応じて発光する。
また、LCD1719の右側には、撮像窓1712が設けられており、LCDカバー1719aの内部又はパネル1710の裏側に配置された人体検出カメラ1713(不図示)が、この撮像窓1712を介してプレーヤを撮像する。撮像窓1712は、例えば、スモーク等のシールド処理がなされたハーフミラー材であってもよい。
また、LCD1719の右下のLCDカバー1719aには、ホームボタン1722が設けられている。ホームボタン1722は、LCD1719に表示された画面を所定の上位画面に遷移させるためのボタンである。
さらに、LCD1719の右側のLCDカバー1719aには、スピーカ用ダクト1706が設けられており、これに対応するパネル1710の裏側の位置には、バスレフ型(バス・レフレックス型)のスピーカ1707が設けられている。同様に、LCD1719の左側には、スピーカ用ダクト1708が設けられており、これに対応するパネル1710の裏側の位置には、バスレフ型(バス・レフレックス型)のスピーカ1709(不図示)が設けられている。これらのスピーカは、PTS端末1700の専用スピーカであり、スロットマシン1010に設けられたスロットマシンゲーム用のスピーカとは別に設けられている。これらのスピーカは、連動演出や、音声による通話を実現したり、ICカード1500の抜き忘れによる報知音を出力したりすることができる。なお、スピーカからの音が、上述したスピーカ用ダクト1706、1708を通って前方(プレーヤ側)にステレオで聞こえるように構成されているため、パネル1710の裏側にスピーカを設置することができ、結果的にPTS端末1700の(パネル面の)省スペース化が実現される。
また、LCD1719の左下のLCDカバー1719aには、マイク用開口部1714と、マイク用開口部1716が設けられており、これらに対応するLCDカバー1719aの内部には、それぞれマイク1715、1717(不図示)が設けられている。
パネル1710の前面左下には、ICカード1500を挿入又は取り出すことができるカード挿入口1730が設けられている。カード挿入口1730のカード挿入部には、フルカラーLED1731(不図示)が設けられており、複数色に点灯することによって、後述するカードスタッカー1742に溜まったICカード1500の残数を報知することができる。カード挿入口1730には、イジェクトボタン1732が設けられており、イジェクトボタン1732の位置や、イジェクト操作の工程がわかるように、イジェクトボタン1732の近傍に設けられた赤色のLED1733(不図示)が点灯するようになっている。
また、カード挿入口1730に対応するパネル1710の裏側の位置には、カードユニット1741とカードスタッカー1742が設けられており、カード挿入口1730は、カードユニット1741の一部として構成されている。カードスタッカー1742には、ICカード1500を30枚程度保管しておくことができ、新たに単位ゲームを行ったプレーヤがクレジットの精算を行う場合に、カードスタッカー1742に保管してあるICカード1500が取り出され、カード挿入口1730に排出される。
カード挿入口1730から取り込まれ、カードユニット1741において保持されているICカード1500は、クレジットの精算時において、NFC等によりクレジット情報を更新し、その後、ICカード1500をカード挿入口1730から排出する。ICカード1500は、プレーヤが単位ゲームを行っている間は、完全にカードユニット1741の内部に格納されている。
また、クレジットの精算時において、ICカード1500が残っているにもかかわらず人体検出カメラ等によってプレーヤの不在が検出された場合、ICカード1500をカードスタッカー1742に保管するように構成することもできる。これにより、例えば、プレーヤが、残りクレジットが少ないことを知った上でICカード1500を放置し席を立った場合や、単にICカード1500を取り忘れて席を離れた場合でも、ICカード1500が長時間に亘ってカードユニット1741に保持されたままになることがない。
パネル1710の前面左上には、USB端子1737とオーディオ端子1738が設けられている。USB端子1737は、ここにUSB機器を接続して充電等を行うことができるように構成されている。また、オーディオ端子1738は、例えば、4極の端子であり、ここにヘッドセットを挿入して、ヘッドフォンとマイクで相手と通話をすることができる。また、オーディオ端子1738を2極又は3極の端子として、ヘッドフォンで音声を聴くことができるようにもできる。
パネル1710の前面で、LCD1719の左側には、タッチユニット1745が設けられている。タッチユニット1745は、ICチップを含んだICデバイス(例えば、非接触ICカードやNFCによる通信機能を備えた携帯電話やスマートフォン等)に対してデータ通信によりデータを書き込むライタや、当該ICデバイスからデータ通信によりデータを読み取るリーダとして機能することが可能なRFIDモジュールを含んでいる。また、タッチユニット1745の前面4隅には、それぞれLED1746(不図示)が配置されている。また、タッチユニット1745の他に、あるいはタッチユニット1745に替えて、磁気カードのような情報記録媒体に記憶された情報を読み取るための情報記録媒体読取装置を備えるようにしてもよい。この場合、ICカード1500の代わりに、磁気カードを会員カードとすることができる。
上述したように、本発明の一実施形態に係るPTS端末1700は、マイク機能、カメラ機能、スピーカ機能、表示機能、などを有する各種装置が、一体となって一つのユニットを形成しているため、省スペース化を実現している。これにより、例えば、それぞれの機能が単品で設置されることによって、LCDをプレーヤの方に向けると、スピーカがプレーヤの方に向けて設置できないなどの不都合を生じることがない。
[カードユニットとタッチユニットを併設する利点]
また、本発明の一実施形態に係るPTS端末1700は、カード挿入口1730にICカード1500が挿入されると、カードユニット1741によってICカード1500の内容が読み込まれ、ICカード1500全体を(PTS端末1700の内部に)取り込んで保持するように構成されるが、これに加えて、タッチユニット1745が設けられ、これによって、さらに別のICカードや携帯電話、スマートフォンとデータ通信を行うことができる。
本発明のPTS端末1700の、このような構成により、例えば、会員であるプレーヤがゲーミングマシンでゲームを行っている途中で(このとき、カードユニット1741には、会員カードが保持されている)、何らかのメンテナンスが必要となった場合に、スタッフが、メンテナンス用のICカードをこのタッチユニット1745にタッチすることによって、メンテナンス用の画面をPTS端末1700のLCD1719に表示させたり、メンテナンス内容や履歴をサーバに送信し蓄積したりすることが可能となる。
また、複数台同時に、又は多くの台数を連続的にメンテナンスする場合などに、メンテナンス用のカードをこのタッチユニット1745に順にタッチしていくことで、メンテナンス用の画面を表示させたり、メンテナンスの内容を登録したりする操作等を素早く行うことができる。
一方、PTS端末1700において、タッチユニット1745でのみICカード等へのアクセスが可能という構成にしてしまうと、最初にICカード1500をタッチしてゲームを行ったプレーヤがゲーミングマシンを離れた後、別のプレーヤがそのゲーミングマシンを利用しても、ゲーミングマシンはプレーヤが代わったことを認識できない。このような不都合を解消するためにも、ICカード1500を、ゲーム中に保持するカードユニット1741が必要となる。例えば、最初にICカード1500をタッチしてゲームを行ったプレーヤがゲーミングマシンを離れた後、別のプレーヤが(ICカードを用いずに)紙幣を投入してそのゲーミングマシンでゲームを行い、精算を行うと、最初のプレーヤのICカード1500にクレジット関連データが記憶されることになってしまう。
[スロットマシンの回路構成]
次に、図7を参照して、スロットマシン1010が備える回路の構成について説明する。
ゲーミングボード1050は、内部バスによって互いに接続されたCPU1051、ROM1052およびブートROM1053と、メモリカード1054に対応したカードスロット1055と、GAL(Generic Array Logic)1056に対応したICソケット1057と、を備えている。
メモリカード1054は、不揮発性メモリからなり、ゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムを記憶している。ゲームプログラムには、遊技進行に係るプログラム、画像や音による演出を実行するためのプログラムが含まれている。また、上記ゲームプログラムには、シンボル決定プログラムが含まれている。シンボル決定プログラムは、表示ブロック1028に再配置されるシンボルを決定するためのプログラムである。
また、カードスロット1055は、メモリカード1054を挿抜可能に構成されており、IDEバスによってマザーボード1070に接続されている。従って、カードスロット1055からメモリカード1054を抜き取り、メモリカード1054に別のゲームプログラムを書き込み、そのメモリカード1054をカードスロット1055に差し込むことにより、スロットマシン1010で行われるゲームの種類や内容を変更することができる。
GAL1056は、OR固定型アレイ構造を有するPLD(Programmable Logic Device)の一種である。GAL1056は、複数の入力ポートと出力ポートとを備えており、入力ポートに所定の入力があると、対応するデータを出力ポートから出力する。
また、ICソケット1057は、GAL1056を着脱可能なように構成されており、PCIバスによってマザーボード1070に接続されている。メモリカード1054を別のプログラムが書き込まれたものに差し替えるか、又は、メモリカード1054に書き込まれたプログラムを別のものに書き換えることによって、スロットマシン1010で行われる遊技の内容を変更することができる。
内部バスによって互いに接続されたCPU1051、ROM1052およびブートROM1053は、PCIバスによってマザーボード1070に接続されている。PCIバスは、マザーボード1070とゲーミングボード1050との間の信号伝達を行うとともに、マザーボード1070からゲーミングボード1050への電力供給を行う。
ROM1052には、認証プログラムが記憶される。ブートROM1053には、予備認証プログラムおよびCPU1051が予備認証プログラムを起動するためのプログラム(ブートコード)等が記憶されている。
認証プログラムは、ゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムを認証するためのプログラム(改竄チェックプログラム)である。予備認証プログラムは、上記認証プログラムを認証するためのプログラムである。認証プログラムおよび予備認証プログラムは、対象となるプログラムが改竄されていないことの認証を行う手順(認証手順)に沿って記述されている。
マザーボード1070は、市販の汎用マザーボード(パーソナルコンピュータの基本部品を実装したプリント配線板)を用いて構成され、メインCPU1071と、ROM(Read Only Memory)1072と、RAM(Random Access Memory)1073と、通信インターフェイス1082と、を備えている。なお、マザーボード1070は、本実施形態におけるコントローラ1100に相当する。
ROM1072は、フラッシュメモリ等のメモリデバイスからなり、メインCPU1071により実行されるBIOS(Basic Input/Output System)などのプログラムと恒久的なデータとが記憶されている。メインCPU1071によってBIOSが実行されると、所定の周辺装置の初期化処理が行われる。また、ゲーミングボード1050を介して、メモリカード1054に記憶されているゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムの取込処理が開始される。なお、本発明に置いて、ROM1072は、内容の書き換えが可能なものであってもよく、不可能なものであってもよい。
RAM1073には、メインCPU1071が動作する際に用いられるデータやシンボル決定プログラムなどのプログラムが記憶される。例えば、前述のゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムや認証プログラムの取込処理を行った際、これらを記憶することができる。また、RAM1073には、上記プログラムを実行する際の作業用の領域が設けられている。例えば、遊技回数、BET数、払出数、クレジット数などを管理するカウンタを記憶する領域や、抽籤により決定したシンボル(コードナンバー)を記憶する領域などが設けられている。
通信インターフェイス1082は、PTS端末1700との間でデータの送受信を制御するためのものである。また、マザーボード1070には、後述するドアPCB(Printed Circuit Board)1090および本体PCB1110が、それぞれUSBによって接続されている。また、マザーボード1070には、電源ユニット1081が接続されている。
電源ユニット1081からマザーボード1070に電力が供給されると、マザーボード1070のメインCPU1071が起動するとともに、PCIバスを介してゲーミングボード1050に電力が供給されてCPU1051が起動される。
ドアPCB1090および本体PCB1110には、スイッチやセンサなどの入力装置や、メインCPU1071により動作が制御される周辺装置が接続されている。
ドアPCB1090には、コントロールパネル1030、リバータ1091、コインカウンタ1092Cおよび冷陰極管1093が接続されている。
コントロールパネル1030には、前述の各ボタンに対応して、スピンスイッチ1031S、チェンジスイッチ1032S、CASHOUTスイッチ1033S、1−BETスイッチ1034S、および最大BETスイッチ1035Sが設けられている。各スイッチは、対応するボタンがプレーヤによって押されたことを検出し、メインCPU1071に対して信号を出力する。
コインエントリー1036の内部には、リバータ1091およびコインカウンタ1092Cが設けられている。そして、リバータ1091によってコインエントリー1036に投入されたコインの適否を識別し、正規のコイン以外のものは、コイン払出口から排出する。また、コインカウンタ1092Cによって、受け入れられた正規のコインを検出し、その枚数をカウントする。
リバータ1091は、メインCPU1071から出力される制御信号に基づいて動作するものであり、コインカウンタ1092Cによって選別された適正なコインを、ホッパー1113又はキャッシュボックス(不図示)に振り分ける。ホッパー1113がコインで満たされていない場合はホッパー1113に、ホッパー1113がコインで満たされている場合はキャッシュボックスに振り分けられる。
冷陰極管1093は、上側画像表示パネル1131および下側画像表示パネル1141の背面側に設置されるバックライトとして機能するものであり、メインCPU1071から出力される制御信号に基づいて点灯する。
本体PCB1110には、ランプ1111、スピーカ1112、ホッパー1113、コイン検出部1113S、タッチパネル1069、およびグラフィックボード1130が接続されている。なお、紙幣識別器1022は、この例では、PTS端末1700に接続されているが、スロットマシン1010に接続されている構成としてもよい。
ランプ1111は、メインCPU1071から出力される制御信号に基づいて点灯する。スピーカ1112は、メインCPU1071から出力される制御信号に基づいてBGM等の音を出力する。
ホッパー1113は、メインCPU1071から出力される制御信号に基づいて動作し、指定された払出数のコインをコイン払出口からコイントレイ1018に払い出す。コイン検出部1113Sは、ホッパー1113により払い出されるコンを検出し、メインCPU1071に対して信号を出力する。
タッチパネル1069は、下側画像表示パネル1141上でプレーヤの指などが触れた位置を検出し、その検出した位置に対応した信号をメインCPU1071に対して出力する。
紙幣識別器1022は、紙幣の適否を識別するとともに正規の紙幣をキャビネット1011内に受け入れるものである。そして、キャビネット1011内に投入された紙幣はコイン枚数に換算され、換算されたコイン枚数に相当するクレジットがプレーヤの所有クレジットとして加算される。
グラフィックボード1130は、メインCPU1071から出力される制御信号に基づいて、上側画像表示パネル1131および下側画像表示パネル1141のそれぞれにより行う画像の表示を制御する。グラフィックボード1130は、画像データを生成するVDP(Video Display Processor)や、VDPによって生成される画像データを記憶するビデオRAMなどを備えている。なお、VDPによって画像データを生成する際に用いられる画像データは、メモリカード1054から読み出されてRAM1073に記憶されたゲームプログラム内に含まれている。
また、グラフィックボード1130は、メインCPU1071から出力される制御信号に基づいて、画像データを生成するVDP(Video Display Processor)や、VDPによって生成される画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどを備えている。なお、VDPによって画像データを生成する際に用いられる画像データは、メモリカード1054から読み出されてRAM1073に記憶されたゲームプログラム内に含まれている。
[PTS端末の回路構成]
次に、図8を参照して、PTS端末1700が備える回路の構成について説明する。
PTS端末1700を制御するPTSコントローラ1750は、CPU1751、ROM1752、およびRAM1753を有する。
CPU1751は、PTS端末1700の各構成部の実行制御を行うとともに、ROM1752に格納された各種プログラムを実行したり、演算したりする。例えば、CPU1751は、クレジット更新プログラムを実行して、ICカード1500に記憶されたクレジット関連データを更新する。
ROM1752は、フラッシュメモリなどのメモリデバイスからなり、CPU1751により実行される恒久的なデータが記憶されている。例えば、ROM1752には、ICカード1500に記憶されたクレジット関連データを書き換えるクレジット更新プログラムや、ボーナスサーバ11からの要求に応じて実行される連動演出制御プログラム等が記憶されうる。
RAM1753は、ROM1752に記憶された各種プログラムを実行する際に必要なデータを一時的に記憶する。
外部記憶装置1754は、例えばハードディスク装置のような記憶装置であり、CPU1751で実行されるプログラムや、CPU1751で実行されるプログラムが利用するデータを記憶する。
サーバI/F(インターフェイス)1755は、ホール管理サーバ10やボーナスサーバ11等のサーバとPTS端末1700とのデータ通信を実現する。ゲーミングマシンI/F(インターフェイス)1756は、スロットマシン1010のコントローラ1100とPTS端末1700とのデータ通信を実現するものであり、当該データ通信には、規定のプロトコルが使用されうる。
その他、PTS端末1700は、紙幣識別器I/F(インターフェイス)1757を介して紙幣識別器1022と、精算機I/F(インターフェイス)1758を介して精算機1868と接続され、必要に応じてデータの送受信を行うことができる。
USB制御部1759は、USB端子1737において電源ユニット1760からの電源を供給するかどうかを判定し、所定の条件を満たす場合に、USB端子1737を充電可能とする。プレーヤは、所定条件を満たす場合に、USB端子1737に電子機器を接続し、当該電子機器を充電することができる。
発光部LED駆動部1761は、ボーナスサーバ11からの連動演出開始要求に応じて、LCD1719の上側の発光板1720aを発光させるために、フルカラーLED1721aを所定のタイミングで点灯させるよう制御するとともに、LCD1719の下側の発光板1720bを発光させるために、フルカラーLED1721bを所定のタイミングで点灯させるよう制御する。
LCD制御部1762は、LCD1719に会員の情報や会員向けの情報等を表示させたり、ICカード1500から読み取ったデータや、プレーヤによって入力されたデータを表示させたりするよう制御する。また、LCD1719はタッチパネル機能を備えており、プレーヤによってタッチパネルが操作されたとき、所定の信号がCPU1751に送信される。
ホームボタン1722は、LCD1719の近傍に設けられ、LCD1719に表示された画面を所定の上位画面に遷移させるためのボタンである。プレーヤによりホームボタン1722が押されると、そのプレーヤの操作がCPU1751に送信され、CPU1751は、当該操作に応じて、LCD1719の表示を更新するよう、LCD制御部1762に指令を送信する。
ICカード制御部1763は、ICカード1500の挿入、排出、クレジットデータの書き込み等を制御する。ICカード制御部1763は、ICカードR/W(リーダライタ)制御部1763a、ICカード吸入排出制御部1763b、LED制御部1763cを備える。
ICカードR/W制御部1763aは、カードユニット1741を制御して、ICカード1500に記憶されているクレジット関連データを更新する。また、新たにICカード1500を発行する場合は、精算された金額に対応するクレジット関連データを記憶する。カードユニット1741は、ICカード1500にNFC等によりデータを読み取り、又は書き込むためのアンテナ部を有する。
カードユニット1741は、ICカード1500に記憶された情報を読み取るICカードリーダ、および、ICカード1500に情報を書き込むICカードライタの機能を備えるが、必要に応じてどちらか一方の機能を有するものとしてもよい。
ICカード吸入排出制御部1763bは、ICカード1500の吸入および排出の制御を行う。プレーヤによってカード挿入口1730にICカード1500が挿入されると、プレーヤがゲームを実行している間、ICカードをカードユニット1741の中に保持するよう制御する。また、精算時にクレジット関連データがICカード1500に書き込まれた後、そのICカード1500を排出するよう制御する。さらに、イジェクトボタン1732が押された場合に、ICカード1500の排出を行う。
また、新たにICカード1500を発行する場合は、カードスタッカー1742からICカード1500を新たに取り出して、クレジット関連データを記憶させるために、ICカード1500をカードユニット1741に供給する。
LED制御部1763cは、カードユニット1741のカード挿入口1730の近傍に設けられたLED(フルカラーLED1731)を点灯するよう制御するとともに、イジェクトボタン1732の近傍に設けられたLED(赤色LED1733)を点灯するよう制御する。
タッチユニット制御部1764は、ICカード1500、携帯電話、スマートフォン等のタッチ操作に伴うデータ送受信を制御する。タッチユニット制御部1764は、非接触R/W(リーダライタ)制御部1764aとLED制御部1764bを備えている。
非接触R/W制御部1764aは、タッチユニット1745でICカード1500や携帯電話が所定の距離に近接した(例えば、タッチ操作があった)か否かを判定し、所定の距離に近接した場合に、タッチユニット1745から読み取り結果等を取得する。タッチユニット1745は、ICカード1500や携帯電話との間でNFC等によりデータ送受信を行うためのアンテナ部を有する。
タッチユニット1745は、ICカード1500や携帯電話に記憶された情報を読み取るICカードリーダ、および、ICカード1500や携帯電話に情報を書き込むICカードライタの機能を備えるが、必要に応じてどちらか一方の機能を有するものとしてもよい。
LED制御部1764bは、タッチユニット1745の前面4隅に配置されているLED1746を制御し、所定のタイミングで点灯させる。
DSP1765は、マイク1715、1717から取得した音声データを受信し、所定の音声処理を行った後、そのデータをCPU1751に送信する。また、DSP1765は、受信した音声データをスピーカ1707、1709に送信する。さらに、DSP1765は、ヘッドセットの接続されたオーディオ端子に対して、受信した音声をヘッドフォンに出力するとともに、マイクから受信した音声を処理してCPU1751に送信する。なお、ここでは概略の構成を示すものであり、A/D変換器、D/A変換器、アンプ等は省略してある。
カメラ制御部1766は、人体検出カメラ1713により撮像されたプレーヤ等の画像を取得し、必要に応じて所定の画像処理を施し、処理後のデータをCPU1751に送信する。当該データは、例えば、サーバI/F1755を介して、ホール管理サーバ10や会員管理サーバ13等に送信される。
[シンボル組合せテーブルの構成]
次に、図9を参照して、シンボル組合せテーブルについて説明する。
シンボル組合せテーブルは、入賞に係るシンボルの図柄の組合せと払出数とを規定している。スロットマシン1010では、5列の擬似リール1151〜1155(第1ビデオリール〜第5ビデオリール)のシンボル列のスクロールが停止され、入賞ライン上に表示されるシンボルの組合せが、シンボル組合せテーブルにより規定されているシンボルの組合せと一致する場合に、入賞が成立する。そして、入賞役に応じて、コインの払い出し等の特典がプレーヤに与えられる。なお、入賞ライン上に表示されたシンボルの組合せが、シンボル組合せテーブルにより規定されているシンボルの組合せの何れとも一致しない場合には、入賞が不成立(いわゆるハズレ)となる。
基本的に、「RED」、「APPLE」、「BLUE 7」、「BELL」、「CHERRY」、「STRAWBERRY」、「PLUM」および「ORANGE」の各シンボルが全5列の擬似リール1151〜1155において入賞ライン上に揃って表示された場合、入賞が成立する。ただし、「CHERRY」および「ORANGE」の各シンボルについては、1つ又は3つの擬似リールにおいて入賞ライン上に表示された場合にも、入賞が成立する。
例えば、全5列の擬似リール1151〜1155においてシンボル「BLUE 7」が入賞ライン上に揃って表示された場合、入賞役は「BLUE」となり、払出数として「10」が決定される。そして、決定された払出数に基づいてコインの払い出しが行われる。コインの払い出しは、例えば、ICカード1500に加算されたクレジットが記憶された後、カード挿入口1730から排出されることによって行われる。
[スロットマシンで実行されるプログラムの内容]
次に、図10〜図14を参照して、スロットマシン1010により実行されるプログラムについて説明する。
〈メイン制御処理〉
まず、図10を参照して、メイン制御処理について説明する。はじめに、スロットマシン1010に電源が投入されると、メインCPU1071は、ゲーミングボード1050を介して、メモリカード1054から認証したゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムを読み出し、RAM1073に書き込む(ステップ(以下、Sと略記する)11)。
次に、メインCPU1071は、1ゲーム終了時初期化処理を行う(S18)。例えば、BET数や抽籤により決定されたシンボルなど、RAM1073の作業領域において1回の遊技ごとに不要となるデータがクリアされる。
次に、メインCPU1071は、後で説明するコイン投入・スタートチェック処理を行う(S19)。この処理では、BETスイッチやスピンスイッチの入力のチェックなどが行われる。
次に、メインCPU1071は、後で説明するシンボル抽籤処理を行う(S20)。この処理では、シンボル決定用乱数値に基づいて停止予定シンボルが決定される。
次に、メインCPU1071は、演出内容決定処理を行う(S21)。メインCPU1071は、演出用乱数値を抽出し、予め定められた複数の演出内容の何れかを抽籤により決定する。演出内容は、入賞役やスロットマシン1010におけるゲームの状況に応じて決定することができる。例えば、入賞役とスロットマシン1010におけるゲームの状況とに応じて、それぞれの演出に関する抽籤確率を変動させるように構成することができる。
次に、メインCPU1071は、後で説明するシンボル表示制御処理を行う(S22)。この処理では、5列の擬似リール1151〜1155(第1ビデオリール〜第5ビデオリール)のスクロールが開始され、S20のシンボル抽籤処理において決定された停止予定シンボルが所定の位置(例えば、下側画像表示パネル1141の表示窓1150)に停止される。つまり、各リールに関して、停止予定シンボルを含む4つのシンボルが表示窓1150内に表示される。例えば、停止予定シンボルがコードナンバー「10」のシンボルであり、これを上段の領域に表示する場合であれば、コードナンバー「11」、「12」および「13」の各シンボルが表示窓1150内の中上段、中下段および下段のそれぞれに表示される。
次に、メインCPU1071は、後で説明する払出数決定処理を行う(S23)。この処理では、入賞ラインL上に表示されたシンボルの組合せに基づいて払出数が決定され、RAM1073に設けられた払出数カウンタに格納される。
次に、メインCPU1071は、払出処理を行う(S24)。メインCPU1071は、払出数カウンタに格納されている値をRAM1073に設けられているクレジット数カウンタに加算する。ここで例えば、プレーヤがCASHOUTボタンを押すと、これを検出したCASHOUTスイッチ1033SがメインCPU1071に信号を出力し、カードユニット1741に保持されているICカード1500に記憶されているクレジット数が、クレジット数カウンタの値に更新される。
また、CASHOUTスイッチ1033Sの入力に基づいてホッパー1113の駆動を制御し、払出数カウンタに格納されている値に応じたコインをコイントレイ1018に排出するようにしても良い。
次に、メインCPU1071は、ゲーム終了通知処理を行う(S25)。この処理は、1つの単位ゲームが終了したことを示すデータを(ICカード1500等が挿入されていてプレーヤが識別できる場合は、ICカード1500の識別コード等とともに)、PTS端末1700に送信する処理である。PTS端末1700は、このデータを、ホール管理サーバ10に送信し、これに応じてボーナスサーバ11は、ボーナスゲームの抽籤を行う。S25の処理が終了したら、S18の処理に戻り、単位ゲームを繰り返す。
〈コイン投入・スタートチェック処理〉
次に、図11を参照して、コイン投入・スタートチェック処理について説明する。はじめに、メインCPU1071は、コインカウンタ1092Cによりコイン等の投入を検出したか否かを判別する(S41)。メインCPU1071は、コインの投入を検出したと判別したときには、クレジット数カウンタを加算する(S42)。また、コインの投入に加えて、紙幣識別器1022により紙幣の投入を検出したか否かを判別し、紙幣の投入を検出したと判別したときに、紙幣に応じた値をクレジット数カウンタに加算する。
メインCPU1071は、S42の後、又はS41においてコイン等の投入を検出していないと判別したときには、クレジット数カウンタは0であるか否かを判別する(S43)。メインCPU1071は、クレジット数カウンタは0ではないと判別したときには、BETボタンの操作受付を許可する(S44)。
次に、メインCPU1071は、BETボタンの操作を検出したか否かを判別する(S45)。メインCPU1071は、BETボタンが遊技者によって押されたことをBETスイッチにより検出したときは、BETボタンの種別に基づいて、RAM1073に設けられているBET数カウンタを加算し、クレジット数カウンタを減算する(S46)。
次に、メインCPU1071は、BET数カウンタは最大であるか否かを判別する(S47)。メインCPU1071は、BET数カウンタは最大であると判別したときには、BET数カウンタの更新を禁止する(S48)。メインCPU1071は、S48の後、又はS47においてBET数カウンタは最大ではないと判別したときには、スピンボタンの操作受付を許可する(S49)。
メインCPU1071は、S49の後、S45においてBETボタンの操作を検出していないと判別したとき、又はS43においてクレジット数カウンタは0であると判別したときには、スピンボタンの操作を検出したか否かを判別する(S50)。メインCPU1071は、スピンボタンの操作を検出していないと判別したときには、S41に移る。
メインCPU1071は、スピンボタンの操作を検出したと判別したときには、プログレッシブボーナス処理を行う。この処理は、BETされたクレジットの一部を、例えば、プログレッシブボーナスのために蓄積されるクレジットとして、PTS端末1700を介してボーナスサーバ11に払い出す(S51)。
次に、メインCPU1071は、ゲーム開始通知処理を行う(S52)。この処理は、1つの単位ゲームが開始することを示すデータを(ICカード1500等が挿入されていてプレーヤが識別できる場合は、ICカード1500の識別コード等とともに)、PTS端末1700に送信する処理である。PTS端末1700は、このデータを、ホール管理サーバ10に送信し、これに応じてボーナスサーバ11は、ボーナスゲームの抽籤を行う。S52の処理が終了したら、コイン投入・スタートチェック処理を終了する。
〈シンボル抽籤処理〉
次に、図12を参照して、シンボル抽籤処理について説明する。はじめに、メインCPU1071は、シンボル決定用の乱数値を抽出する(S111)。次に、メインCPU1071は、5列の擬似リール1151〜1155(第1ビデオリール〜第5ビデオリール)の停止予定シンボルを抽籤により決定する(S112)。メインCPU1071は、各ビデオリールに応じて抽籤を行い、22個のシンボル(コードナンバー「00」〜「21」)の何れかを停止予定シンボルとして決定する。このとき、22個のシンボル(コードナンバー「00」〜「21」)のそれぞれは均等の確率(つまり、1/22)で決定される。
次に、メインCPU1071は、決定した各ビデオリールの停止予定シンボルをRAM1073に設けられているシンボル格納領域に格納する(S113)。次に、メインCPU1071は、シンボル組合せテーブル(図9)を参照し、シンボル格納領域に基づいて入賞役を判定する(S114)。メインCPU1071は、各ビデオリールにより入賞ライン上に表示されるシンボルの組合せと、シンボル組合せテーブルに規定されているシンボルの組合せとが一致するか否かを判定し、入賞役を決定する。この処理が行われると、シンボル抽籤処理を終了する。
〈シンボル表示制御処理〉
次に、図13を参照して、シンボル表示制御処理について説明する。はじめに、メインCPU1071は、下側画像表示パネル1141の表示窓1150に表示した各ビデオリールのシンボル列のスクロールを開始する(S131)。次に、メインCPU1071は、前述のシンボル格納領域に基づいて、各ビデオリールのシンボル列のスクロールを停止する(S132)。この処理が行われると、シンボル表示制御処理を終了する。
なお、シンボル表示制御処理によるシンボル列のスクロール開始・停止のタイミング、又はその他のタイミングに合わせて、演出内容決定処理(図10)で決定された演出が実行される。例えば、スロットマシン1010の上側画像表示パネル1131に動画や静止画を表示するとともに、これに同期させてスピーカ1112から音声を出力させ、ランプ1111を点灯することによって、当該演出を実行することができる。
〈払出数決定処理〉
次に、図14を参照して、払出数決定処理について説明する。はじめに、メインCPU1071は、入賞役に対応する払出数を決定する(S151)。例えば、入賞役が「BELL」であるとき、払出数として「8」が決定される(図9を参照)。なお、ハズレのときは払出数として「0」が決定される。次に、メインCPU1071は、決定した払出数を払出数カウンタに格納する(S152)。この処理が行われると、払出数決定処理を終了する。
なお、ボーナスサーバ11によるボーナスゲーム抽籤において当籤した場合は、当籤したスロットマシン1010を含む複数のスロットマシン1010の間で、PTS端末1700による連動演出が行われ、それとともに、ボーナスサーバ11よりボーナスの払い出しが行われ、そのボーナスが、例えば、払出数カウンタに加算される。
[サイネージの構成]
図15は、本発明の一実施形態に係るゲームシステム1で使用されうるサイネージ100を示している。サイネージ100は、主に、店舗の広告(広告看板を含む)やホールのフロア案内等を表示するために用いられる情報表示装置であり、ゲームシステム1のサーバ(例えば、ボーナスサーバ11や会員管理サーバ13)にネットワークを介して接続されうる。
サイネージ100は、LCD101、およびタッチパネル機能を有したLCD103を備える。LCD101は、例えば24インチ(約60.96cm)液晶表示装置であり、LCD103は、例えば、46インチ(約116.84cm)の液晶表示装置であり、上述の通り、これらのLCDには、広告情報や案内情報等が表示される。また、LCD103が有するタッチパネル機能は、例えば、赤外線方式を用いたタッチパネルである。なお、この例では、LCD103はタッチパネル機能を有するように構成されるが、キーボードやマウスといった他の入力装置によって指示入力を行うようにしてもよい。
LCD101、LCD103のそれぞれは、キャビネットに格納されるが、当該キャビネット前面の周辺部には、演出用の演出LED102、104がそれぞれ設けられる。演出LED102、104は、例えば、テープ上のLEDライトである。
さらに、サイネージ100は、LCD101のキャビネット、LCD103のキャビネットに、それぞれモーションセンサ105、106を備えている。モーションセンサ105、106は、例えば、カメラであり、モーションセンサ105、106により撮像された映像を用いて、サイネージ100のユーザや、通路を通行する顧客の行動を解析する。
サイネージ100はまた、タッチユニット107を備えており、非接触ICカードやNFCによる通信機能を備えた携帯電話やスマートフォンとデータ通信を行うことが可能なRFIDモジュールを含んでいる。会員は、その会員と紐付けられた会員カード(ICカード)をこのタッチユニット107にかざすことによりログインすることができ、そこで会員用のメニュー画面や、その会員に関する情報を、LCD101、又はLCD103に表示させることができる。会員の情報は、例えば、会員管理サーバ13から取得される。
また、ホールのスタッフは、スタッフのICカードをかざすことによってログインし、スタッフ用のメニュー画面等をLCD101、又はLCD103に表示させることができる。
サイネージ100は、PTS端末1700と比較すると、ICカード1500を保持するカードユニットがなく、タッチユニット107を備えるのみである。ただし、サイネージ100は、ユーザがICカードをタッチした後、ログオフをせずにそのまま立ち去っても、そのタッチによってLCD103等に表示された会員の情報は、所定時間が経過すると非表示となり、自動的にログオフがされる仕組みになっている。
さらに、サイネージ100は、LCD103のキャビネット内に、音声を取得するマイク133を備える。LCD103のキャビネットには、マイクが設けられた位置に対応するマイク用開口部110が設けられている。図15には、モーションセンサ106の横に、このマイク用開口部110が示されている。
また、サイネージ100は、LCD103のキャビネット内に、音声を出力するスピーカ134、135を備える。LCD103のキャビネットには、スピーカが設けられた位置にそれぞれ対応するスピーカ用ダクトが設けられている。図15には、一方のスピーカに対応するスピーカ用ダクト111が示されている。
この他、サイネージ100は、LCD101のキャビネットやLCD103のキャビネットを支持するベースユニット108、各LCDやLED等の制御を行う制御部を収納したコントロールユニット109を備えている。
[サイネージの回路構成]
次に、図16を参照して、サイネージ100が備える回路の構成について説明する。
サイネージ100を制御するサイネージコントローラ120は、CPU121、ROM122、およびRAM123を有する。
CPU121は、サイネージの各構成部の実行制御を行うとともに、ROM122に格納された各種プログラムを実行したり、演算したりする。
ROM122は、フラッシュメモリなどのメモリデバイスからなり、CPU121により実行される恒久的なデータが記憶されている。例えば、ボーナスサーバ11からの要求に応じて実行される連動演出制御プログラム等が記憶されうる。
RAM123は、ROM122に記憶された各種プログラムを実行する際に必要なデータを一時的に記憶する。
外部記憶装置124は、例えばハードディスク装置のような記憶装置であり、CPU121で実行されるプログラムや、CPU121で実行されるプログラムが利用するデータを記憶する。
ネットワークI/F(インターフェイス)125は、ボーナスサーバ11、会員管理サーバ13等のサーバやPTS端末1700とのデータ通信を実現する。
LED駆動部126は、ボーナスサーバ11からの連動演出開始要求に応じて、演出LED102、104を所定のタイミングで点灯させるよう制御する。また、広告情報の表示、案内情報の表示、会員による操作に基づく会員情報の表示等に同期して演出LED102、104を発光させるようにすることもできる。
LCD制御部129は、LCD101に、上述した広告情報等の情報を表示させるよう制御する。
LCD制御部130は、LCD103に、上述した広告情報等の情報を表示させるよう制御する。また、LCD103はタッチパネル機能を備えており、ユーザからの操作がCPU121に送信される。
タッチユニット制御部131は、タッチユニット107における、ICカードや携帯電話のタッチ操作に伴うデータ送受信を制御する。タッチユニット制御部131は、非接触R/W(リーダライタ)制御部131aを備えている。
非接触R/W制御部131aは、タッチユニット107でICカードや携帯電話のタッチ操作があったか否かを判定し、タッチ操作があった場合に、タッチユニット107から読み取り結果等を取得する。タッチユニット107は、ICカードや携帯電話との間でNFC等によりデータ送受信を行うためのアンテナ部を有する。
CPU121は、タッチユニット107から会員カード(ICカード)の識別コードを取得すると、その識別コードに対応する会員の情報を会員管理サーバ13から取得し、LCD101やLCD103に表示する。また、その会員用の操作メニューをLCD103に表示させたり、その会員に適した広告情報をLCD101やLCD103に表示させたりすることもできる。
DSP132は、マイク133から取得した音声データを受信し、所定の処理を行った後、そのデータをCPU121に送信する。また、DSP132は、受信した音声データを出力するために、スピーカ134、135にこれを送信する。
モーションセンサ制御部136は、モーションセンサ(例えば、カメラ)105、106から受信したユーザ等の画像を取得し、必要に応じて所定の画像処理を施し、処理後のデータをCPU121に送信する。
[キオスク端末の構成]
図17は、本発明の一実施形態に係るゲームシステム1で使用されうるキオスク(KIOSK)端末200を示している。キオスク端末200は、主に、ホールで行われているゲームに関する情報、例えば、ボーナスサーバ11で行われるボーナスゲームの開始や、当該開始に際してのカウントダウン、本日の当籤ランキング、人気台ランキング等を表示するために用いられる情報表示装置であり、ゲームシステム1のサーバ(例えば、ボーナスサーバ11や会員管理サーバ13)にネットワークを介して接続されうる。
キオスク端末200は、タッチパネル機能を有したLCD201を備える。LCD201は、例えば24インチ(約60.96cm)液晶表示装置であり、上述の通り、このLCDには、ホールで行われているゲームに関する情報等が表示される。なお、この例では、LCD201がタッチパネル機能を有するように構成されるが、キーボードやマウスといった他の入力装置によって指示入力を行うようにしてもよい。
さらに、キオスク端末200は、LCD201の上下に、それぞれモーションセンサ202、203を備えている。モーションセンサ202、203は、例えば、カメラであり、モーションセンサ202、203により撮像された映像を用いて、キオスク端末200のユーザや、通路を通行する顧客の行動を解析する。
キオスク端末200はまた、タッチユニット204を備えており、非接触ICカードやNFCによる通信機能を備えた携帯電話やスマートフォンとデータ通信を行うことが可能なRFIDモジュールを含んでいる。会員は、その会員と紐付けられた会員カード(ICカード)をこのタッチユニット204にかざすことによりログインすることができ、そこで会員用のメニュー画面や、その会員に関する情報を、LCD201に表示させることができる。会員の情報は、例えば、会員管理サーバ13から取得される。また、タッチユニット204の他に、あるいはタッチユニット204に替えて、磁気カードのような情報記録媒体に記憶された情報を読み取るための情報記録媒体読取装置を備えるようにしてもよい。この場合、ICカード1500の代わりに、磁気カードを会員カードとすることができる。
また、ホールのスタッフは、スタッフのICカードをかざすことによってログインし、スタッフ用のメニュー画面等をLCD201に表示させることができる。
さらに、キオスク端末200には、ICカード1500を挿入又は取り出すことができるカード挿入口205が設けられている。カード挿入口205には、イジェクトボタンが設けられている。また、カード挿入口205に対応するキオスク筐体の内部には、カードユニット230が設けられており、カード挿入口205は、カードユニット230の一部として構成されている。
会員カードがカード挿入口205から挿入された場合、会員用のメニュー画面や、その会員に関する情報を、LCD201に表示させることができる。また、カードユニット230は、限定カードやリワードカードの発券、回収を行うことができる。
また、キオスク端末200は、チケットプリンタ206を備えている。チケットプリンタ206は、チケットやクーポンの発行、回収を行うことができ、紙幣識別器の機能を有するようにすることもできる。
さらに、キオスク端末200は、VoIPによる通話で用いられる受話器207を備えている。キオスク端末200のユーザは、受話器207を介して、他のキオスク端末200のユーザやゲーミングマシンのプレーヤと会話することができる。また、着信LED208は、VoIPによる通話の着信があった場合に、発光するよう制御される。
キオスク端末200はまた、ユーザが(会員登録やテキストチャットで)データを入力するのに使用するキーボード209とテンキーパッド210を備え、さらに、テンキーパッド210の両側には、覗き防止のLED板211が設けられている。
さらに、キオスク端末200には、QRコード(登録商標)を読み取らせるためのQRコードスキャナ212が設けられており、携帯電話等に宛てたメールに添付されるQRコードを読み取らせる。
この他、キオスク端末200は、LCDやLED等の制御を行う制御部を収納した収納部213を備えている。
[キオスク端末の回路構成]
次に、図18を参照して、キオスク端末200が備える回路の構成について説明する。
キオスク端末200を制御するキオスク端末コントローラ220は、CPU221、ROM222、およびRAM223を有する。
CPU221は、キオスク端末の各構成部の実行制御を行うとともに、ROM222に格納された各種プログラムを実行したり、演算したりする。
ROM222は、フラッシュメモリなどのメモリデバイスからなり、CPU221により実行される恒久的なデータが記憶されている。例えば、VoIPによる通話制御プログラム等が記憶されうる。
RAM223は、ROM222に記憶された各種プログラムを実行する際に必要なデータを一時的に記憶する。
外部記憶装置224は、例えばハードディスク装置のような記憶装置であり、CPU221で実行されるプログラムや、CPU221で実行されるプログラムが利用するデータを記憶する。
ネットワークI/F(インターフェイス)225は、ボーナスサーバ11、会員管理サーバ13等のサーバやPTS端末1700とのデータ通信を実現する。
LCD制御部226は、LCD201に、上述したゲーム情報等の情報を表示させるよう制御する。また、LCD201はタッチパネル機能を備えており、ユーザからの操作がCPU221に送信される。
モーションセンサ制御部227は、モーションセンサ(例えば、カメラ)202、203から受信したユーザ等の画像を取得し、必要に応じて所定の画像処理を施し、処理後のデータをCPU221に送信する。
タッチユニット制御部228は、タッチユニット204における、ICカードや携帯電話のタッチ操作に伴うデータ送受信を制御する。タッチユニット制御部228は、非接触R/W(リーダライタ)制御部228aを備えている。
非接触R/W制御部228aは、タッチユニット204でICカードや携帯電話のタッチ操作があったか否かを判定し、タッチ操作があった場合に、タッチユニット204から読み取り結果等を取得する。タッチユニット204は、ICカードや携帯電話との間でNFC等によりデータ送受信を行うためのアンテナ部を有する。
また、ICカード制御部229は、ICカード1500の挿入、排出、データの読み取り等を制御する。ICカード制御部229は、ICカードR/W(リーダライタ)制御部229a、ICカード吸入排出制御部229bを備える。
ICカードR/W制御部229aは、カードユニット230を制御して、ICカード1500に記憶されている識別コード等を読み取る。カードユニット230は、ICカード1500にNFC等によりデータを書き込むためのアンテナ部を有する。
ICカード吸入排出制御部229bは、ICカード1500の吸入および排出の制御を行う。ユーザによってカード挿入口205にICカード1500が挿入されると、ユーザがログオフするまで、ICカードをカードユニット230の中に保持するよう制御する。また、イジェクトボタンが押された場合に、ICカード1500の排出を行う。
チケットプリンタ制御部231は、チケットプリンタ/ビルバリ232を制御して、チケットやクーポンの発行、回収、および紙幣の識別等を行う。チケットプリンタ制御部231は、プリンタ制御部231aとビルバリ制御部231bを有する。
音声制御部233は、受話器207に含まれるマイク234、およびスピーカ235を使用して、音声入出力を行う。音声制御部233は、DSP233a、およびLED制御部233bを備える。DSP233aは、マイク234からの音声入力とスピーカ235からの音声出力に関し、所定の音声信号処理を行って制御する。LED制御部233bは、VoIP通話等による着信信号に基づいて、着信LED208を発光させるよう制御する。
入力制御部236は、ユーザからのキーボード209の入力やテンキーパッド210の入力を信号化してCPU221に送信する。
[友達登録サービス]
次に、図19、および図20を参照して、スロットマシン1010(PTS端末1700)で実行される友達登録サービスについて説明する。ここでは、PTS端末1700における友達登録サービスについて説明するが、キオスク端末200においても同様のサービスが提供される。
図19(A)は、プレーヤが会員カードをスロットマシン1010のPTS端末1700のカード挿入口1730に挿入して、会員のログインが終了した後に、PTS端末1700のLCD1719に表示される会員用のメニュー画面30を示している。
図19(A)に示されたメニュー画面30には、広告表示部31、会員名表示部32、およびサービスメニュー表示部33が表示されている。サービスメニュー表示部33には、この例では、2つのスクロール表示によって、同時に2つのサービスメニューが表示されている。左側のスクロール表示では、「HELP」サービス(PTS端末1700やスロットマシン1010の操作方法等のヘルプ表示サービス)のボタンが示され、右側のスクロール表示では、「FRIENDS」サービスのボタンが示され、それぞれのスクロール表示において、上三角表示、又は下三角表示をタッチすることによって、他のサービスメニューのボタンが表示される。
ここで、プレーヤが、「FRIENDS」サービスのボタンをタッチすると、LCD1719の表示は、図19(B)に示すような画面に遷移する。
図19(B)は、友達サービスのトップメニュー41を示しており、タイトル表示部41a、友達設定ボタン表示部42、友達検索ボタン表示部43、および「戻る」ボタン表示部44が表示されている。プレーヤが、友達設定ボタン表示部42、友達検索ボタン表示部43の一方をタッチすると、それに応じた下位画面が表示される。また、プレーヤが「戻る」ボタン表示部44をタッチすると、CPU1751がそのタッチ操作の位置を検知して、LCD1719の表示を、図19(A)に示したメニュー画面30に遷移させる。
上述の各サービスメニュー、および当該サービスの提供システムは、例えば、PTS端末1700で実行されるウエブブラウザによって、HTMLデータや画像等が解釈、表示されることによって実現される。この場合、ホール管理サーバ10等は、WEBサーバとして機能し、PTS端末1700のウエブブラウザのリクエストに応じて、必要なデータをPTS端末1700に送信する。
図20(A)は、図19(B)に示す友達サービスのトップメニュー41において友達設定ボタン表示部42がタッチされた場合に、LCD1719に表示される友達設定画面51を示している。この友達設定画面51では、ログインした会員(会員カードにより特定された会員)に関して登録されている友達が友達表示部52に一覧表示される。一度に表示されるのは、図20(A)に示すように最大で4件であるが、タイトル表示部の右側に表示されたページ表示部をタッチしたり、タッチパネルをフリック等することにより、さらに他の友達を表示することができる。
図20(A)に示す友達設定画面51に表示された友達に関するデータは、例えば、図21(B)に示す(会員管理サーバ13に記憶された)友達管理テーブルで、ログイン中の会員の識別コードに対応する友達識別コードを参照し、それぞれの友達識別コードについて、図21(A)に示す(会員管理サーバ13に記憶された)会員管理テーブルを参照して、友達識別コードに対応する識別コードのレコードを参照することによって取得される。
例えば、ログインした会員の識別コードが会員カードから読み取られ、それが「0001」であったとすると、図21(B)の友達管理テーブルから、「0001」に対応する友達の識別コードは、「0002」、「0003」、「0005」、「0007」を含んでいることが分かる。この識別コードについてそれぞれ、図21(A)の会員管理テーブルで対応する情報(例えば、名前やアイコンデータ等)を取得する。この例では、識別コード「0002」の会員の名前は「△△△△」であり、アイコンデータは、..¥image0002.jpgである。
図20(A)では、友達詳細表示部52bに、識別コード「0002」で特定される会員の名前とアイコンが示され、友達詳細表示部52cに、識別コード「0003」で特定される会員の名前とアイコンが示され、友達詳細表示部52dに、識別コード「0005」で特定される会員の名前とアイコンが示されている。また、それぞれの友達詳細表示部に表示されている「DELETE」ボタン表示部をタッチすることで、その友達を設定から削除することができる。
なお、識別コード「0005」の友達は、図21(B)の友達管理テーブルでステータスが「BLOCK」と設定されており、友達詳細表示部52dでも、この設定を反映して、ステータス表示部が「BLOCK」と表示されている。このように、ステータスが「BLOCK」と設定されると、VoIP通話やテキストチャットなどのリクエストに関して対象外とされる。友達詳細表示部52bと友達詳細表示部52cにおいては、ステータス表示部が「OK」と表示され、その相手と、VoIP通話やテキストチャットなどが可能となっている。
また、図20(A)の友達詳細表示部52aは、新たに友達を登録するための新規登録ボタン表示部53が示されており、これをタッチすることにより、新しい友達を登録することができる。
友達詳細表示部52aの新規登録ボタン表示部53をタッチすると、図20(B)に示す新規登録画面56が、LCD1719に表示される。ここで、会員としてログインしているプレーヤは、PTS端末1700のタッチユニット1745に、登録する友達の会員カードをタッチするよう案内する案内表示58に従って、登録する友達の会員カードをタッチユニット1745にタッチする。このタッチ操作は、通常、登録される友達によって、その友達の同意のもとに行われる。
このタッチ操作が完了すると、図20(C)に示すように、LCD1719に友達登録完了画面61が表示される。友達登録完了画面61には、友達登録が完了した旨を表す友達登録終了案内表示63とともに、今回新たに登録された友達の友達詳細表示部62aが表示される。
このような友達登録により、PTS端末1700のCPU1751は、図21(B)に示す友達管理テーブルに、今回登録された友達のレコードを追加する。追加の際には、タッチユニット1745にタッチされた会員カードから読み取った識別コードが、図21(A)の会員管理テーブルに登録されている識別コードのいずれかと一致する、すなわち、正規の会員であることがチェックされ、正規の会員でなければ、エラー表示が行われて、登録が失敗に終わる。
このような友達登録サービスは、上述の通り、キオスク端末200において行うこともできる。この場合、LCD201は、PTS端末1700のLCD1719より大きなサイズであるため、より多くの友達をより大きなサイズで一覧表示することができる。また、友達の会員カードをタッチユニット204にタッチすることで、その会員カードの識別コードを取得できる。
[VoIP通話サービス]
次に、図22〜図25を参照して、スロットマシン1010(PTS端末1700)同士で、スロットマシン1010とキオスク端末200との間で、又はキオスク端末200同士で実現可能なVoIP通話サービスについて説明する。
図22は、VoIP通話サービスに係るゲームシステムのネットワーク構成を示す図である。図22に示す例では、ホールのエリアA−1に2つのゾーンZ−1、Z−2があり、ゾーンZ−1では、4台のゲーミングマシン(GM−1〜GM−4)がEthernet等のネットワークでLAN接続され、ゾーンZ−2では、3台のゲーミングマシン(GM−9〜GM−11)と1台のキオスク端末(KIOSK−1)がEthernet等のネットワークでLAN接続されている。なお、ここで、各ゲーミングマシンは、スロットマシン1010である。
また、ホール管理サーバ10、会員管理サーバ13、呼制御サーバ16、およびPSTNゲートウエイ17が、Ethernet等のネットワークを介して、上述した2つのゾーンの各装置と、スイッチングハブ15を介して接続される。なお、ルータやハブ等、他の必要なネットワーク接続機器については、表示を省略している。
ここで、呼制御サーバ16は、VoIP通話を制御するためのサーバであり、PSTNゲートウエイ17は、ホール内の装置とホール外の電話との通話を実現するために、PSTN(公衆電話交換回線網:Public Switched Telephone Network)18との接続を制御するための装置である。
ここでは、例えば、識別コード「0001」の会員から、識別コード「0007」の会員へのVoIP通話(実質的には、ゲーミングマシンGM−2とゲーミングマシンGM−9との間のVoIP通話)を例にとって説明を行う。
図23は、ゲーミングマシンGM−2とゲーミングマシンGM−9との間のVoIP通話の実現するための制御手順を示す。図23では、ゲーミングマシンGM−2、呼制御サーバ16、ゲーミングマシンGM−9の装置ごとに、処理内容が示されている。VoIP通話は、例えば、SIP(Session Initiation Protocol)やH.323など、様々なプロトコルがあるが、ここでは、SIPによる処理手順を例にとって説明する。なお、SIPを用いる場合、呼制御サーバは、SIPサーバと呼ばれる。
図23の説明の前に、VoIP通話制御とは別に行われている登録処理について説明する。各ゲーミングマシンは、自身のURIや電話番号をIPアドレスに対応付けて、随時、呼制御サーバ16に送信する。ここでは、便宜上、URIや電話番号に相当するものとして、会員カードから取得される識別コードを用いるものとする。従って、呼制御サーバは、図21(C)に示すアドレス管理テーブルを有し、どのIPアドレスのゲーミングマシン(スロットマシン1010のPTS端末1700)が、どの識別コードの会員に利用されているのかをリアルタイムで把握することができる。もちろん、プレーヤがスロットマシン1010を変更すれば、それに応じて、アドレス管理テーブルの内容も変化する。なお、アドレス管理テーブルに記憶されているゲーミングマシン識別子は、説明の便宜上追加しているに過ぎず、実際の呼制御処理では必要ない。
図23のフローにおいて、最初に、識別コード「0001」の会員がゲームを行っているゲーミングマシンGM−2から、友達登録がされている識別コード「0007」の会員に向けて、VoIP通話の発信が行われると、ゲーミングマシンGM−2から呼制御サーバ16に対して呼び出し要求(INVITE)が行われる(S251)。このとき、ゲーミングマシンGM−2からの呼び出し要求には、通話の相手である識別コード「0007」が含まれる。
このとき、発信側である識別コード「0001」の会員は、着信側の相手がどのスロットマシン1010を使っているかや、そのスロットマシン1010がどのIPアドレスを使っているかを意識する必要はない。ただし、後述するように、発信側の会員は、友達のうち誰がスロットマシン1010を用いてゲームを行っており、VoIP通話に応答可能な状態であるかを把握することができるようになっている。
次に、呼制御サーバ16が、この呼び出し要求を受信すると、通話の相手である識別コード「0007」の会員が使用しているスロットマシン1010のIPアドレスを特定する(S252)。この処理は、呼び出し要求に含まれる識別コードを元に、図21(C)に示すアドレス管理テーブルを参照して特定する。この例では、アドレス管理テーブルにより、通話の相手である識別コード「0007」の会員が使用しているスロットマシン1010のIPアドレスは、「192.168.52.48」であることが分かる。
次に、呼制御サーバ16は、特定したIPアドレスのスロットマシン1010(すなわち、この時点では、ゲーミングマシンGM−9)に対して、呼び出し要求を送信する(S253)。ゲーミングマシンGM−9は、この呼び出し要求を受信すると(S254)、ゲーミングマシンGM−9のPTS端末1700のLCD1719に、VoIP通話の着信があったことを報知する着信表示を行う(S255)。このような着信表示に加えて、PTS端末1700のスピーカ1707、1709から、着信音を出力することもできる。
その後、呼制御サーバ16は、ゲーミングマシンGM−9からの呼び出し中の信号を受信すると、これをゲーミングマシンGM−2に送信し(S256)、ゲーミングマシンGM−2は、この呼び出し中の信号を受信すると(S257)、ゲーミングマシンGM−2のPTS端末1700のLCD1719に、呼び出しを行っていることを表す呼び出し表示を行う(S258)。
ゲーミングマシンGM−9では、着信に対する応答があるまで、着信表示を継続して行う(S259のNO)。着信に対する応答は、例えば、LCD1719に表示された着信表示の応答ボタン表示部をゲーミングマシンGM−9のプレーヤがタッチすることによって行われる。ゲーミングマシンGM−9において、着信に対する応答があると(S259のYES)、呼制御サーバ16が、呼び出し成功の信号(OK)を送信する(S260)。
ゲーミングマシンGM−2は、この呼び出し成功の信号を受信すると、呼び出し表示を停止し(S261)、確認応答の信号(ACK)を送信する(S262)。呼制御サーバ16は、この確認応答の信号を受信すると、これをさらに、ゲーミングマシンGM−9に送信する(S263)。
ゲーミングマシンGM−9で、確認応答の信号を受信すると(S264)、ここで、ゲーミングマシンGM−2とゲーミングマシンGM−9とのセッションが確立され、この間の通話が可能となる(S265、S266のNO)。この通話は、ゲーミングマシンGM−2とゲーミングマシンGM−9とが直接接続されるので、呼制御サーバは介在しない。
通話が終了(ここでは、ゲーミングマシンGM−2の方で、通話を終了するものとする)すると(S266のYES)、ゲーミングマシンGM−2が呼制御サーバ16にセッション終了通知(BYE)を送信し(S267)、さらに、呼制御サーバ16が、ゲーミングマシンGM−9にこのセッション終了通知を送信する(S268)。このセッション終了通知をゲーミングマシンGM−9が受信すると(S269)、了解通知(OK)を呼制御サーバ16に送信する(S270)。呼制御サーバ16は、この了解通知を受信すると、ゲーミングマシンGM−2に了解通知を送信し(S271)、ゲーミングマシンGM−2がこの了解通知を受信して(S272)一連のセッションが終了し、通話が切れる。
このようなVoIPの呼制御手順は一例に過ぎず、採用するプロトコルに応じて様々な手順で呼制御処理が行われる。また、この例では、ゲーミングマシン(スロットマシン1010)同士の通話であったが、上述のように、スロットマシン1010とキオスク端末200との間や、キオスク端末200同士の通話も可能である。
スロットマシン1010では、着信側のゲーミングマシンGM−9のプレーヤの声は、スピーカ1707、1709、又はオーディオ端子1738に接続されたヘッドフォン等により提供され、発信側であるゲーミングマシンGM−2のプレーヤの声は、マイク1715、1717やオーディオ端子1738に接続されたマイクを介して相手方に提供される。
また、キオスク端末200では、受話器207に含まれるマイク234、およびスピーカ235を使用して、音声入出力を行う。着信側のユーザの声は、スピーカ235から提供され、発信側のユーザの声は、マイク234を介して相手方に提供される。
次に、図24、および図25を参照して、VoIP通話の発信操作について説明する。図24(A)は、プレーヤが会員カードをスロットマシン1010のPTS端末1700のカード挿入口1730に挿入して、会員のログインが終了した後に、PTS端末1700のLCD1719に表示される会員用のメニュー画面30を示している。
図24(A)に示されたメニュー画面30には、広告表示部31、会員名表示部32、およびサービスメニュー表示部33が表示されている。サービスメニュー表示部33には、この例では、2つのスクロール表示によって、同時に2つのサービスメニューが表示されている。左側のスクロール表示では、「HELP」サービス(PTS端末1700やスロットマシン1010の操作方法等のヘルプ表示サービス)のボタンが示され、右側のスクロール表示では、会員同士のVoIP通話を可能とする「VoIP通話」サービスのボタンが示され、それぞれのスクロール表示において、上三角表示、又は下三角表示をタッチすることによって、他のサービスメニューのボタンが表示される。
ここで、プレーヤが、「VoIP通話」サービスのボタンをタッチすると、LCD1719の表示は、図24(B)に示すような電話帳画面71に遷移する。この電話帳画面71では、ログインした会員(会員カードにより特定された会員)がVoIP通話により通話可能な対象が、一覧で表示されている。電話帳表示部72に一度に表示されるのは、図24(B)に示すように最大で4件であるが、タイトル表示部の右側に表示されたページ表示部をタッチしたり、タッチパネルをフリック等することにより、さらに他の通話先を表示することができる。
図24(B)では、電話帳表示部72の電話帳詳細表示部72aに、友達リストのリンク表示部(「ENTER」ボタン表示部)が表示され、電話帳詳細表示部72bに、家族リストのリンク表示部(「ENTER」ボタン表示部)が表示され、電話帳詳細表示部72cに、ショップリストのリンク表示部(「ENTER」ボタン表示部)が表示され、電話帳詳細表示部72dに、チケットオフィスの発信指示部(「CALL」ボタン表示部)が表示されている。このように、電話帳表示部72には、さらにリストを展開表示させるリンク表示部(「ENTER」ボタン表示部)と、そのままVoIP通話のための発信が可能な発信指示部(「CALL」ボタン表示部)が混在して表示されうる。
ここで、電話帳詳細表示部72aの友達リストのリンク表示部をタッチすると、PTS端末1700のLCD1719は、図25(A)に示す友達リスト表示画面81に遷移する。ここでは、ログインした会員によって友達登録がされた(図19〜図21参照)、友達のリストが表示される。ここでは、識別コード「0001」のプレーヤについての友達リストが表示されている。
友達リスト表示画面81では、通話先表示部82に一度に表示されるのは、図25(A)に示すように最大で4件であるが、タイトル表示部の右側に表示されたページ表示部をタッチしたり、タッチパネルをフリック等することにより、さらに他の通話先を表示することができる。
この例では、それぞれの通話先詳細表示部(82a〜82d)について、それぞれ発信指示部(「CALL」ボタン表示部)と、「TEXT」ボタン表示部が示されている。「CALL」ボタン表示部は、これをタッチすることによって、対応する会員に向けてVoIP通話の発信が行われ、これは、図23に関連して説明した呼び出し要求(INVITE)に相当する。また、通話先詳細表示部82bの「CALL」ボタン表示部83aと通話先詳細表示部82dの「CALL」ボタン表示部83bはグレーアウト表示がされ、タッチできないようになっているが、これは、このスロットマシン1010のプレーヤによって友達登録されているが、現時点でスロットマシン1010を利用しておらず(会員カードでログインしていない)、キオスク端末200にもログインしていないため、VoIP通話ができる状況にないことを示している。
ここで、通話先表示部82には、識別コード「0001」の会員により登録された友達が表示されており(図21(A)、図21(B)参照)、通話先詳細表示部82aには、識別コード「0002」の会員の情報が表示され、通話先詳細表示部82bには、識別コード「0003」の会員の情報が表示され、通話先詳細表示部82cには、識別コード「0007」の会員の情報が表示され、通話先詳細表示部82dには、識別コード「0009」の会員の情報が表示される。また、識別コード「0005」の会員については、友達リストに登録されているものの、ステータスが「BLOCK」となっているため、通話先表示部82には表示されないようになっている。
「TEXT」ボタン表示部は、これをタッチすることによって、対応する会員との間でテキストメッセージのやりとりを行うことができる。通話先詳細表示部82dにおいて、「TEXT」ボタン表示部の右上に「NEW」表示84が表示されているが、これは、その会員から、テキストメッセージが送信されてきていることを示しており、プレーヤは、この「TEXT」ボタン表示部をタッチすることによって、その会員から送信されてきたテキストメッセージをPTS端末1700のLCD1719に表示させることができる。
ここで、通話先詳細表示部82aの「CALL」ボタン表示部をタッチすると、対応する会員(識別コード「0002」の会員)に対してVoIP通話の発信が行われ、図25(B)に示すような通話中画面91が、PTS端末1700のLCD1791に表示される。通話先表示部92には、図25(A)の通話先詳細表示部82aに示されていた、通話相手の会員の名前とアイコンが表示され、さらに、「切断」ボタン表示部93、通話経過時間表示部94、およびポイント消費案内95が表示される。
「切断」ボタン表示部93がタッチされると、VoIP通話が切断される。通話経過時間表示部94には、現在の通話の経過時間が表示される。
また、ポイント消費案内95には、通話時間が所定の時間(この例では3分)を超えると、通話料が発生し、それを会員に付与されているポイントから徴収する旨の案内が表示されている。このように、VoIP通話について、所定の通話時間が経過した場合に、ポイントやクレジット関連データ等から、通話料を徴収するようにもできる。また、このような通話料の徴収は、ホール外部との通話に限ることもできるし、ホール内での通話と、ホール外部との通話で、通話料徴収の条件を異なるように設定してもよい。
図24(B)の電話帳画面71に示すように、VoIP通話は、ホール内だけでなく、チケットオフィスやショップなど、ホール外部の相手に対しても行うこともでき、このとき、呼制御サーバ16は、PSTNゲートウエイ17を介して、PSTN18に接続された電話と通話制御を行う(図22参照)。
また、図25(B)の通話中画面91の右上に表示されているウインドウ縮小指示部96をタッチすることによって、通話中画面91のサイズを小さくすることができ、他の情報を表示させることができる。
また、このようなVoIP通話サービスは、上述の通り、キオスク端末200において行うこともできる。この場合、LCD201は、PTS端末1700のLCD1719より大きなサイズであるため、電話帳画面71などで、より多くの通話先をより大きなサイズで一覧表示することができる。また、上述したサイネージ100を用いてVoIP通話を行うこともできる。
[指向性マイクを用いた音声信号処理]
次に、指向性マイクを用いた音声信号処理について説明する。スロットマシン1010のPTS端末1700のLCDカバー1719aには、マイク用開口部1714、1716が所定の間隔で配置され、2つのマイク1715、1717も、これらのマイク用開口部の間隔に応じて隔置され、LCDカバー1719aの内部に設けられている。
マイク用開口部1714、1716は、プレーヤの正面に向いて、プレーヤの音声を効果的に入力できるように構成されているとともに、スピーカ1707、1709から出力される音声は、スピーカ用ダクト1706、1708の形状により、マイク1715、1717から拾いにくい構成となっている。また、内部の駆動音(ファン等)や振動を検知しにくいよう防音対策も施されている。
さらに、マイク1715、1717はともに指向性マイクであり、プレーヤからの音声をより効率的に拾うことができるように制御される。本実施形態では、2つのマイク1715、1717は、例えば、特に前面180度の範囲の方向からの音を捉えやすい性質を有している単一指向性マイク、又は、単一指向性マイクより狭い範囲の方向からの音を捉えやすい性質を有している超指向性マイクである。以下、これらの指向性マイクを用いた音声信号処理の手順を、図26のフローチャートを参照して説明する。
最初に、上述のように所定の間隔をおいて配置された2つのマイク1715、1717により音声を入力する(S281)。次に、入力された音声から、スピーカより出力された音声をキャンセル(エコーキャンセル)する(S282)。スロットマシン1010のPTS端末1700では、自身のスピーカ1707、1709から出力される音声データを把握しているため、このようなキャンセル処理が可能となる。また、PTS端末1700のゲーミングマシンI/F1756を介して、スロットマシン1010のスピーカ1112から出力される音声データを用いてさらにキャンセル処理を行うことができる。
またさらに、ネットワークを介して、他のスロットマシン1010のスピーカ(スピーカ1112、およびPTS端末1700のスピーカ1707、1709)から出力される音声データによってキャンセル処理を行うようにすることもできる。
次に、2つのマイク1715、1717の相対的位置関係とS282のキャンセル処理により得られた音声データとから、2つのマイク1715、1717により入力された音声の差に基づいて、音声データ処理を実行する(S283)。ここで、音声の差には、例えば、時間(伝搬遅延時間)の差、音量の差、周波数の差等が含まれる。また、この処理には、例えば、指向性を制御するビームフォーミング技術が用いられる。例えば、2つのマイク1715、1717を用いる場合、方向θ(2つのマイクを結ぶ直線に対する垂線との角度であって、所定範囲の角度を含みうる)からプレーヤの音声が到来する状況を考えると、そのプレーヤの音声は、第1のマイクに到達した後、dSin(θ)の伝搬遅延時間をもって第2のマイクに到達する(dは、2つのマイクの距離)。ここで、第1のマイクに到達した音声の音声信号について、上記伝搬遅延時間を補償するよう遅延させ、その出力信号を、第2のマイクに到達した(遅れて到達した)音声の音声信号に加算(例えば、同じ周波数帯の音声信号を加算)することによって、方向θから到来する信号の位相が一致し、方向θから到来した音声信号が強調され、結果的に、プレーヤからの音声をより効率的に集音することができる。このような音声データ処理を実行した結果得られた音声データは、例えば、VoIP通話のために、CPU1751によって他のPTS端末1700に送信される。
プレーヤの位置に係る方向θは、例えば、固定的な推定値を用いたり、入力した音声データの周波数により判定したり、人体検出カメラ1713により判定したりするなど、様々な方法が考えられる。
このような処理は、DSP1765によって行われるが、方向θの調整については、様々なタイミング、インターバルで行うことが可能である。
また、上述したS283の処理を、以下の処理により実現することも考えられる。最初に、2つのマイク1715、1717の相対的位置関係とS282のキャンセル処理により得られた音声データとから、2つのマイク1715、1717により入力された音声の差を解析する。ここで、音声の差には、上記と同様に、時間(伝搬遅延時間)の差、音量の差、周波数の差等が含まれる。また、当該解析には、例えば、指向性を制御するビームフォーミング技術が用いられる。その後、当該判定結果に基づいて、特定方向(例えば、プレーヤの位置)からだけの音を収音するように音声データ処理を実行する。このような音声データ処理が実行された音声データは、例えば、VoIP通話のために、CPU1751によって他のPTS端末1700に送信される。
なお、これらの例では、2つの指向性マイクが用いられているが、3つ以上の指向性マイクが用いられてもよい。また、指向性のないマイクを用いて上記音声信号処理を実現することも可能である。