JP2014132867A - 農作物等栽培用隔離床容器 - Google Patents

農作物等栽培用隔離床容器 Download PDF

Info

Publication number
JP2014132867A
JP2014132867A JP2013003122A JP2013003122A JP2014132867A JP 2014132867 A JP2014132867 A JP 2014132867A JP 2013003122 A JP2013003122 A JP 2013003122A JP 2013003122 A JP2013003122 A JP 2013003122A JP 2014132867 A JP2014132867 A JP 2014132867A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cement
inorganic binder
water
container
porous body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013003122A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5691025B2 (ja
Inventor
Hirokazu Kawanaka
洋和 川中
Hiroyoshi Tsuda
博洋 津田
Tomomi Matsubara
友美 松原
Keisuke Ito
啓介 伊藤
Satomi Ono
さとみ 小野
Hiroyasu Tsuge
弘安 柘植
Masayuki Kishikawa
允幸 岸川
Satoshi Kawase
聡 川瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TAIYU CONCRETE KOGYO KK
Original Assignee
TAIYU CONCRETE KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TAIYU CONCRETE KOGYO KK filed Critical TAIYU CONCRETE KOGYO KK
Priority to JP2013003122A priority Critical patent/JP5691025B2/ja
Publication of JP2014132867A publication Critical patent/JP2014132867A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5691025B2 publication Critical patent/JP5691025B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

【課題】火山礫等の発泡性骨材をセメントで結合した多孔質体からなり、軽量で強度が大きく、しかもアルカリ溶出がなくて植物の育成を妨げることのない農作物等栽培用隔離床容器を提供する。
【解決手段】容器本体1が、発泡性骨材2をセメント3で結合して内部に網目状の3次元連通気孔4が形成された多孔質体からなり、容器本体1および3次元連通気孔4の表面が有機シラン化合物を含有する無機バインダーでコーティングされているものとした。前記無機バインダーは、メチルトリエトキシシラン、硝酸、水を混合したものであり、またポリビニルブチラールとエタノール溶媒を添加することもできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、火山礫等の発泡性骨材をセメントで結合した多孔質体からなり、軽量で強度が大きく、しかもアルカリ溶出がなくて植物の育成を妨げることのない農作物等栽培用隔離床容器に関するものである。
従来から、植木鉢やプランターや公園等の大規模な植栽用鉢のような農作物等栽培用隔離床容器として、素焼鉢やプラスチック鉢が広く使用されている(例えば、特許文献1や特許文献2を参照)。
前記の素焼鉢は、適度な通気性や透水性があるため植物に優しいという利点があるが、重量があり割れやすいという問題や、コストが高くなるという問題があった。一方、プラスチック鉢は安価であり、軽くて割れにくいため取扱性に優れているが、通気性や透水性がないため用土が過湿になりやすいという問題や、耐久性がなく長期間使用すると著しく劣化するという問題があった。
そこで本件出願人は、従来技術の欠点を解消し、しかも安価な農作物等栽培用隔離床容器として、火山礫等の発泡性骨材をセメントで結合した多孔質体に着目し検討を行った。しかしながら、セメントで結合させた多孔質体を植物の栽培用器に利用すると、セメントからのアルカリ溶出により植物の生育を妨げるという問題があった。また、バインダーであるセメントは安価であるが接着強度が劣るため、農作物等栽培用隔離床容器として十分な強度を確保することが難しいという問題もあった。
一方、本件出願人は、常温硬化が可能な透明無機バインダーの作製法として、メチルトリメトキシシランやトリメトキシビニルシランを用いたものを確立している。そこで、この無機バインダーと前記発泡性骨材をセメントで結合した多孔質体との組み合わせを検討してみたが、前記シランは高価であり、このバインダーを農作物等栽培用隔離床容器に適用することはコスト面で適さないものであった。従って、セメント並の安価なバインダーの開発が求められていた。
実用新案登録第3070890号公報 特開平11−243784号公報
本発明は上記のような問題点を解決して、火山礫等の発泡性骨材をセメントで結合した多孔質体からなり、優れた軽量性と機械的強度を発揮することができ、また通気性や透水性を有していて植物の育成を促進することができ、しかもセメントからのアルカリ溶出を防止することができる農作物等栽培用隔離床容器を提供することを目的として完成されたものである。
上記課題を解決するためになされた本発明の農作物等栽培用隔離床容器は、容器本体が、発泡性骨材をセメントで結合して内部に網目状の3次元連通気孔が形成された多孔質体からなり、容器本体および3次元連通気孔の表面が有機シラン化合物を含有する無機バインダーでコーティングされていることを特徴とするものであり、これを請求項1に係る発明とする。
前記無機バインダーは、メチルトリエトキシシラン、硝酸、水を混合したものが好ましく、これを請求項2に係る発明とする。
また、無機バインダーに、ポリビニルブチラールとエタノール溶媒が添加してあることが好ましく、これを請求項3に係る発明とする。
また、無機バインダーに、チタニア光触媒が添加してあることが好ましく、これを請求項4に係る発明とする。
請求項1に係る発明では、容器本体が、発泡性骨材をセメントで結合して内部に網目状の3次元連通気孔が形成された多孔質体からなり、容器本体および3次元連通気孔の表面が有機シラン化合物を含有する無機バインダーでコーティングされているので、適度な通気性や透水性があり植物に優しいものである。また、無機バインダーのコーティング膜で覆われているためアルカリの溶出を防止することができ、更には前記発泡性骨材の接着強度も高めることができる。
請求項2に係る発明では、無機バインダーは、メチルトリエトキシシラン、硝酸、水を混合したものとしたので、高価なメチルトリメトキシシランやトリメトキシビニルシランと異なりメチルトリエトキシシランが安価で園芸用容器へ適用することが可能となる。また、メチルトリエトキシシラン、硝酸、水を所定の割合で混合することで、高い接着力を確保することができる。
請求項3に係る発明では、無機バインダーに、ポリビニルブチラールとエタノール溶媒が添加してあるので、より高い接着力を得ることができる。
請求項4に係る発明では、無機バインダーに、チタニア光触媒が添加してあるので、園芸用容器の表面に光触媒を密着させることができ、十分な光触媒活性を発揮することができる。
本発明の実施の形態を示す要部の拡大断面図である。 本発明の実施の形態を示す全体斜視図である。 本発明の実施の形態を示す正面断面図である。
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図面は、農作物等栽培用隔離床容器の一例として植木鉢を示すものであり、図において1は容器本体である。この容器本体1は、図1に示すように、発泡性骨材2をセメント3で結合して内部に網目状の3次元連通気孔4が形成された多孔質体からなるものである。
即ち、前記発泡性骨材2をセメント3で結合することにより、隣り合う発泡性骨材同士の接触部が接着結合され、かつ多数の発泡性骨材2の間に微細な網目状の3次元連通気孔4が形成された構造となっている。
これにより、軽量で、かつ適度な通気性および透水性を有して植木鉢に適した性能を有する多孔質体となっている。
また、図3に示すように、容器本体1は適度な通気性および透水性を有しているので、そのための孔を設ける必要がない。なお、10は用土である。
更に、前記容器本体1の外表面、および3次元連通気孔4の内表面が有機シラン化合物を含有する無色透明の無機バインダーでコーティングされた構造となっている。このコーティング膜は、例えば、容器本体1を無機バインダー液中に浸漬することにより形成することができる。コーティング膜厚は、約2〜30μm程度の薄い膜である。なお、コーティング膜は、セメント3の外表面を均一に覆うように形成されているが、薄いため図1には記載していない。
前記多孔質体を構成する発泡性骨材2は、火山礫や砕いた岩石を高温で焼成した岩石発泡体であり、特にコスト面から火山礫及びパーライトが好ましい。この発泡性骨材のかさ比重は0.03〜0.7kg/L、粒度が0.3〜25.0mm程度である。
また、セメント3としては、通常使用されるセメントであればいずれも使用することができ、例えばポルトランドセメント・高炉セメントが挙げられる。
有機シラン化合物を含有する無機バインダーは、メチルトリエトキシシラン、硝酸、水を混合したものである。
前記メチルトリエトキシシラン(CHSi(OC)(MTESと記される)は、無色で低粘度の液体であり、緩やかに水と加水分解反応を生じる。このメチルトリエトキシシランを、硝酸、水と混合溶解し、粘性が出るまで70℃程度で加熱濃縮して、無色透明の無機バインダーを得ることができる。この無機バインダーは、常温乾燥によって容易に硬化させることができる。
このセメント並に安価なメチルトリエトキシシランを用いた無機バインダーで多孔質体をコーティングすることにより、多孔質体の強化、セメントからのアルカリ溶出の防止、通気性や透水性などの植物の育成を可能とする植物親和性の付与を達成することができる。
なお本件発明者は、前記メチルトリエトキシシランに対して、水と硝酸の添加量を変えることにより、乾燥後のバインダー固形体の透明性、接着性、硬度は変化すること、水の添加量を多くするほど、透明性と接着性は低くなり、バインダー固形体は硬くなること、また、硝酸の添加量を多くするほど、透明性は低く、接着性は高くなり、バインダー固形体は硬くなることを究明した。
また、前記無機バインダーに、ポリビニルブチラールとエタノール溶媒を添加することで、十分な接着性を付与し多孔質体の強度をより向上させることができる。これにより、容器本体1の厚みを薄くでき軽量化を図ることができる。
更に、前記無機バインダーに、チタニア光触媒を添加することができる。
チタニア光触媒を含有させた無機バインダーを用いて、多孔質体表面へ光触媒を塗布することにより、空気浄化性能や脱臭性能や抗菌・防汚性能等も付与することができる。
(1)無機バインダーの調製
透明無機バインダーは、メチルトリエトキシシラン(以下、MTESと書く)、硝酸、水を様々な組成で混合溶解し、粘性が出るまで70℃程度で加熱濃縮して調製した。また、ポリビニルブチラール(以下、PVBと書く)含有無機バインダーは、上記組成に加え、PVBを固形分率で7.5〜15mass%添加して、常温下で透明溶液になるまで12時間以上撹拌して調製した。
(2)チタニアコート剤の調製
調製した無機バインダーに所定量のチタニア光触媒(JRC-TIO-4(2)、触媒学会チタニア参照触媒またはA-100、石原産業(株))を撹拌混合してチタニアコート剤を調製した。バインダーの粘性が高いので、チタニアコート剤として用いる場合には、塗布する際にエタノール溶媒で1.4倍程度に希釈した。JRC-TIO-4(2)とA-100の純度及び平均粒径は以下のとおりである。
・JRC-TIO-4(2):純度:99.5%以上、平均粒径:21 nm
・A-100:純度:98%、平均粒径:0.15μm
(3)多孔質体
火山礫をセメントで結合した多孔質体(大有コンクリート工業(株))、コンクリートブロック(普通セメント(W/C: 41)、大有コンクリート工業(株))、合成ゼオライトA-4(東ソー(株)、ゼオラム)を被コーティング材として用いた。
<無機バインダーの組成分析>
無機バインダーを常温乾燥させて固形体とし、蛍光X線分析により行った。
<接着率の測定>
無機バインダーの接着性の強度については、下記の吸着率の式に示したように、10gの合成ゼオライトA-4に対して、1gの無機バインダーを用いて成形体を作製したとき、80℃で1時間の加熱処理後に全体の何パーセントを接着することができたかによる接着率で評価した。
接着率 =(接着した部分の重量/成形体全重量)X100(%)
<溶出pHの測定>
セメント結合多孔質体やコンクリートブロック(普通セメント(W/C: 41))を500mLの純水(pH6)中に常温下で24時間浸漬させた後、水のpHをユニバーサル試験紙により調べた。
<吸水率の測定>
吸水率を下記の式により算出した。
吸水率(Q)= (m1− m2)/ m2 X100 (%)
水中(21.3℃)24h浸漬後のコート試料の質量:m1 (g)
105℃X24h 乾燥後の質量:m2 (g)
<密度の測定>
密度を下記の式より算出した。
密度= 質量/体積 (g/cm3)
<光触媒活性の評価>
光触媒活性を評価するため、A-100 よりも光触媒活性の高いJRC-TIO-4(2)を用いて、セメント結合多孔質体及びコンクリートブロックには20 mass%含有チタニアコート剤で、合成ゼオライトA-4には、30 mass%含有チタニアコート剤を用いてチタニアコートを行った。それぞれ以下に示した前処理を行った後に、光触媒活性をアセトアルデヒドの分解により調べた。
・コンクリートブロック:表面積:50 cm2、水に浸漬させた後、110℃で2時間加熱処理、168時間UV照射(ブラックライト、1.0 mW / cm2)。
・火山礫多孔質体:表面積:50 cm2、水に浸漬させた後、110℃で2時間加熱処理、168時間UV照射(ブラックライト、1.0 mW / cm2)。
・ゼオライト:水に浸漬させた後、105℃で24時間加熱処理、直径90 mmシャーレ(63.6cm2)に敷き詰め、168時間UV照射(ブラックライト、1.0 mW / cm2)。
表1に示すように、MTESに対して水と硝酸の添加量を変えることにより、乾燥後のバインダー固形体の透明性、接着性、硬度が変化した。水の添加量を多くするほど、透明性と接着性は低くなり、バインダー固形体は硬くなった。硝酸の添加量を多くするほど、透明性は低く、接着性は高くなり、バインダー固形体は硬くなった。
MTES:水:硝酸の組成を、モル比で1:4:2.5X10-5〜2.5X10-4、及び1:4.5:2.5X10-4と組成を最適化して加熱濃縮することにより、接着性を有した透明な無機バインダーを合成できることがわかった。しかしながら、MTES、硝酸、水のみから調製した無機バインダーを用いて作製したゼオライト成形体では、組成を最適化しても、手による加圧により容易に破壊するような低い接着性と硬度しか示さなかった。
Figure 2014132867
次に、接着性を向上させるため、最適化した無機バインダーにPVBの添加量を変えて添加し、接着性を調べたところ、表2に示すように、固形分比率(PVB/(CH3SiO3/2 +PVB)×100(mass%))で15mass%のPVBを添加することにより、手による加圧で破壊しない十分な接着性を付与することができた。
Figure 2014132867
表3に、水を過剰量加えて作製したPVB非含有無機バインダー及び15mass%のPVBを含有するPVB含有無機バインダー(MTES:水:硝酸=1:4:2.5X10-5)固形体の組成分析を行った結果を示す。無機バインダーの組成分析について、主成分であるメチルトリエトキシシランが完全に加水分解重合したと仮定して計算すると、以下のような組成になる。
・メチルシルセスキオキサン(CH3SiO3/2):85 mass%
・PVB(-[(C7O2H12)-CH2]n-): 15 mass%
過剰の水を添加して作製したPVB非含有無機バインダー固形体の組成では、メチルシルセスキオキサン(CH3SiO3/2)でのC:Si:O=1:1:1.5の原子比に対して、Cの原子比が0.8と低い値を示したが、ほぼ一致した結果が得られ、加水分解重合反応が十分に進んでいたことが推測できる。一方、PVB含有無機バインダー固形体での組成では、計算上ではCの原子比が1.2程度となるところが、1.5と大きい値が得られた。
これより、PVB含有無機バインダー固形体では、加水分解重合反応が十分に進んでいないことによる残留炭素の存在が示唆された。そこで、このPVB含有無機バインダー固形体を24時間水中に浸漬後、105℃で24時間加熱処理を行った後に組成分析を行ったところ、C の原子比は1.0に低下した。この値はPVB非含有無機バインダー固形体でのCの原子比0.8にPVBの添加によるC の増加分0.2を加えた値と一致しているので、残留炭素を除去できたと考えられる。
以上の結果より、常温乾燥による硬化後に水中浸漬し、105℃程度で加熱処理することが残留炭素の除去に効果的であることがわかった。
Figure 2014132867
表4に示すように、その他の有機シランについて、エタノール溶媒を用いず、水、硝酸または、水、硝酸、PVBを添加して混合撹拌することにより、均一で安定な透明バインダーが調製できるかどうかを調べた。
その結果、MTESに水、硝酸、PVBを添加した場合のみに、均一で安定な透明バインダーが調製でき、しかも、強度な接着性を有していることがわかった。これは、MTESが加水分解することにより生じるエタノールにPVBが溶解するためである。MTESはコスト的にも安価であるため、最適な有機シランといえる。トリメトキシビニルシシランを用いた場合、水と硝酸を添加して透明な溶液を調製することはできたが、接着率は71%と低い結果であった。
トリメトキシビニルシシラン溶液にPVBを添加した場合、均一に溶解させることはできず不均一なバインダーではあったが、接着率は98%と向上した。この溶液に均一にPVBを溶解させるためには、エタノール溶媒の添加が必須である。
Figure 2014132867
セメント結合多孔質体をPVB含有ビニルシランコート、PVB含有メチルシランコート及びPVB+20mass%チタニア(A-100)含有メチルシランコートしたものを比較した。
セメント結合多孔質体のビニルシランとメチルシランコートでは、両者とも密着性の高い皮膜が作製できた。これは多孔質体表面にコート剤が浸透することで、作製皮膜へのアンカー効果が得られることによると考えられる。コンクリートブロックのコートにおいても同様の効果が得られる。また、通常、ガラス等のコートでは、皮膜の硬化に数時間以上を要するのに対して、コンクリートブロックやセメント結合多孔質体をコートした場合、1時間程度で皮膜の硬化が見られた。
セメント結合多孔質体の20mass%チタニア(A-100)含有メチルシランコートの前後において、コート剤を常温乾燥して得た固形体の組成分析を行ったところ、コート後ではセメント成分より溶出したと考えられるカルシウムが約0.2 mass%検出された。このことより、コンクリートブロックやセメント結合多孔質体のコートでは、溶出カルシウムの共存により、皮膜の硬化が促進されたと考えられる。
これらの試料の吸水率・密度・溶出pHについて調べた結果を表5に示す。比較として、コンクリートブロックについてのデータも示した。
コンクリートブロックの溶出pHが11で、未コートのセメント結合多孔質体の溶出pHは9でアルカリ性を示した。それに対して、メチルシランコート試料の溶出pHは7の中性を示し、アルカリ溶出を抑制した。また、ビニルシランコート及び20 mass%チタニアコート試料の溶出pHは6と使用した純水のpHと全く変わらず、アルカリ溶出を完全に防止した。
吸水率では、コンクリートブロックが7.0 %であるのに対して、未コートのセメント結合多孔質体で25%と高い吸水率を示した。この吸水率の値はメチルシランコートした場合には23%、チタニアコートした場合には20 %と5ポイント以内の低下であったのに対し、ビニルシランコートでは12%と半分以下に低下した。
密度については、未コートのセメント結合体で1.4 g/ml、ビニルシランコートした場合に1.2 g/ml、メチルシランコートした場合で1.3 g/ml、20mass%チタニア(A-100)含有メチルシランコートした場合で1.4 g/mlと3つの試料間で顕著な差は見られなかった。
これらの結果より、20mass%チタニア(A-100)含有メチルシランコートはセメント結合多孔質体の有する吸水性を保持しながら、アルカリ溶出の防止に非常に効果的に働くことが明らかとなった。
Figure 2014132867
合成ゼオライトA-4に30 mass%チタニア(JRC-TIO-4(2))配合バインダーを用いて、また、セメント結合多孔質体及びコンクリートブロックに、20 mass%チタニア(JRC-TIO-4(2))配合バインダーを用いて作製したチタニアコート試料について、アセトアルデヒドの分解による光触媒活性を調べたところ、30 mass%チタニアコートした合成ゼオライトA-4では、6時間のUV照射を要したのに対して、20 mass%チタニアコートしたコンクリートブロックでは、2.5時間のUV照射でほぼ分解することができた。20 mass%チタニアコートしたセメント結合多孔質体も光触媒活性を示すことがわかった。
以上の説明からも明らかなように、本発明は、各種有機シランの中でも、安価な有機シランであるメチルトリエトキシシランより調製した無機バインダーを用いて、軽量骨材である火山礫をセメントで結合した多孔質体の吸水率を低下させることなくアルカリ溶出を抑制することができた。常温乾燥により強固に固化させることができるので、焼結させることなく、光触媒活性を有したチタニアコート多孔質体の作製が可能である。
1 容器本体
2 発泡性骨材
3 セメント
4 3次元連通気孔
10 用土

Claims (4)

  1. 容器本体が、発泡性骨材をセメントで結合して内部に網目状の3次元連通気孔が形成された多孔質体からなり、容器本体および3次元連通気孔の表面が有機シラン化合物を含有する無機バインダーでコーティングされていることを特徴とする農作物等栽培用隔離床容器。
  2. 無機バインダーは、メチルトリエトキシシラン、硝酸、水を混合したものである請求項1に記載の農作物等栽培用隔離床容器。
  3. 無機バインダーに、ポリビニルブチラールとエタノール溶媒が添加してある請求項2に記載の農作物等栽培用隔離床容器。
  4. 無機バインダーに、チタニア光触媒が添加してある請求項2または3に記載の農作物等栽培用隔離床容器。
JP2013003122A 2013-01-11 2013-01-11 農作物等栽培用隔離床容器 Expired - Fee Related JP5691025B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013003122A JP5691025B2 (ja) 2013-01-11 2013-01-11 農作物等栽培用隔離床容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013003122A JP5691025B2 (ja) 2013-01-11 2013-01-11 農作物等栽培用隔離床容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014132867A true JP2014132867A (ja) 2014-07-24
JP5691025B2 JP5691025B2 (ja) 2015-04-01

Family

ID=51411689

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013003122A Expired - Fee Related JP5691025B2 (ja) 2013-01-11 2013-01-11 農作物等栽培用隔離床容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5691025B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105218140A (zh) * 2015-09-30 2016-01-06 河南科技大学 一种透气上水花盆及其材料和制备方法
CN111205023A (zh) * 2020-01-14 2020-05-29 湖南大学 一种种植模块载体

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50132036A (ja) * 1974-04-02 1975-10-18
JPH0576246A (ja) * 1991-09-19 1993-03-30 Sato Doro Kk 植木鉢およびその製造方法
JP2001181065A (ja) * 1999-12-27 2001-07-03 Taiyu Concrete Kogyo Kk 多孔体およびその製造方法
JP4146747B2 (ja) * 2003-03-26 2008-09-10 積水化学工業株式会社 硬化性組成物
JP4176998B2 (ja) * 2001-01-25 2008-11-05 積水化学工業株式会社 熱現像性感光材料、セラミックグリーンシート用スラリー及びセラミックグリーンシート
JP2012106910A (ja) * 2010-10-27 2012-06-07 F Consultant:Kk 無機質組成物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50132036A (ja) * 1974-04-02 1975-10-18
JPH0576246A (ja) * 1991-09-19 1993-03-30 Sato Doro Kk 植木鉢およびその製造方法
JP2001181065A (ja) * 1999-12-27 2001-07-03 Taiyu Concrete Kogyo Kk 多孔体およびその製造方法
JP4176998B2 (ja) * 2001-01-25 2008-11-05 積水化学工業株式会社 熱現像性感光材料、セラミックグリーンシート用スラリー及びセラミックグリーンシート
JP4146747B2 (ja) * 2003-03-26 2008-09-10 積水化学工業株式会社 硬化性組成物
JP2012106910A (ja) * 2010-10-27 2012-06-07 F Consultant:Kk 無機質組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105218140A (zh) * 2015-09-30 2016-01-06 河南科技大学 一种透气上水花盆及其材料和制备方法
CN111205023A (zh) * 2020-01-14 2020-05-29 湖南大学 一种种植模块载体

Also Published As

Publication number Publication date
JP5691025B2 (ja) 2015-04-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20070116393A (ko) 시멘트가 함유되지 않은 몰탈 조성물
CN104891829B (zh) 一种纳米氧化钛在玻璃纤维表面的生长方法
CN105131692A (zh) 一种贝壳粉腻子及其制备方法和用途
CN102701661A (zh) 一种内墙装饰用硅藻泥壁材粉
CN104556912A (zh) 具有吸附分解室内有害气体能力的墙面材料及其制备方法
KR20100113971A (ko) 발수성과 대기정화성을 가지는 하이드록시 아파타이트가 피복된 이산화티탄을 포함하는 광촉매 도료 조성물
CN109053034A (zh) 一种多功能复合硅藻泥及其制备方法
JP5691025B2 (ja) 農作物等栽培用隔離床容器
KR20010105338A (ko) 시멘트계 접합체 및 그것을 위한 접합 물질
CN107140910A (zh) 一种可吸附甲醛的瓷砖填缝剂及其制备方法
CN107129709A (zh) 一种硅酸钾复合型成品硅藻泥及其制备方法
KR100559741B1 (ko) 피톤치드를 담지한 바이오 세라믹 코팅제 제조방법
CN103172321B (zh) 一种环保型硅藻海泡泥涂料
CN105906238B (zh) 一种健康环保壁材及其制备方法
CN104353425A (zh) 一种能吸附甲醛的粉煤灰及其制备方法
CN105218036A (zh) 具有净化空气功能的硅藻土彩色涂料粉
CN109437804A (zh) 一种防泛碱硅藻泥内墙涂料及其施工方法
CN107311590A (zh) 一种具有吸湿除臭功能的硅藻土成型组合物及其制备方法
KR101577527B1 (ko) 천연바인더를 이용한 친환경 기능성 옥 도료 및 마감재 및 그 제조방법
JP3995633B2 (ja) 光触媒塗料
JP2018158878A (ja) ゼオライト含有組成物およびゼオライト含有組成物の製造方法
JPH045207A (ja) 抗菌・消臭材
CN111995950A (zh) 一种纳米渗透防水剂及其制备方法
JP6545637B2 (ja) ゼオライト含有硬化体およびゼオライト含有硬化体の製造方法
CN110342852A (zh) 一种多功能的光触媒气凝胶墙面涂料及其制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140617

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140723

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141216

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5691025

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees