JP2014131831A - Cbn装甲切削タップおよびcbn装甲切削タップの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 切削タップの切り刃の切削性および雌ねじの形成精度を損なうことなく、耐久性の向上と切削屑の短片化を実現したCBN装甲切削タップの提供。
【解決手段】 台金11の表面に下地メッキ層13を形成した後、その上に、#1500(12μm〜8μmの平均粒径10.16μm)以下のCBN砥粒14の一層形態からなる層厚12μm以下のCBN砥粒群15を仮着した仮着メッキ層16を形成し、その後CBN砥粒群15を固定する該CBN砥粒群15の層厚の60%〜90%を埋込形態とする埋込メッキ層20を形成し、その後CBN砥粒14よりも微細な粒径0.98μmの微細CBN砥粒32が分散保持された最表面メッキ層33を形成している
【選択図】 図9
【解決手段】 台金11の表面に下地メッキ層13を形成した後、その上に、#1500(12μm〜8μmの平均粒径10.16μm)以下のCBN砥粒14の一層形態からなる層厚12μm以下のCBN砥粒群15を仮着した仮着メッキ層16を形成し、その後CBN砥粒群15を固定する該CBN砥粒群15の層厚の60%〜90%を埋込形態とする埋込メッキ層20を形成し、その後CBN砥粒14よりも微細な粒径0.98μmの微細CBN砥粒32が分散保持された最表面メッキ層33を形成している
【選択図】 図9
Description
本発明は、装甲材料としてCBN(立方品窒化棚素)砥粒(粒子)で装甲したCBN装甲切削タップおよび該CBN装甲切削タップの製造方法に関する。
出願人が調査したところでは、被削材に形成した下穴に雌ねじを切削加工する切削タップ(「下穴を先行穿孔しながら該下穴に雌ねじを切削加工して行く先端にドリルなどの先行穴あけ刃を備えた穿孔刃付切削タップ」を含む。)では特許公報をはじめとする先行技術となる文献は発見できず、またそのような切削タップは実用化されていない。
そこで、本願発明の切削タップとは異なるものではあるが類似の先行技術文献として、参考的にCBN(立方品窒化棚素)砥粒を電着層により装甲したCBN装甲ドリル(例えば特許文献1)、CBN装甲エンドミル(例えば特許文献2)を取り上げることにした。
定義:<オープニング概算値(μm)=25.4mm÷メッシュ(mesh)数(#)×0.6×1000=15240/メッシュ数(#)>の値とする。
オープニング概算値とは、オープニング(メッシュの目開)を求める計算の結果を概数で表した概算値。本発明および本明細書では対比説明を分かり易くするために、オープニング概算値を砥粒の「平均粒径」として説明する。平均粒径という記述が無いもの、単に粒径との記述も特別な断りがない場合は平均粒径である。
オープニング概算値とは、オープニング(メッシュの目開)を求める計算の結果を概数で表した概算値。本発明および本明細書では対比説明を分かり易くするために、オープニング概算値を砥粒の「平均粒径」として説明する。平均粒径という記述が無いもの、単に粒径との記述も特別な断りがない場合は平均粒径である。
特許文献1のドリルの発明は、ドリル本体1の外周に形成された切屑排出溝5のドリル回転方向側を向く壁面5aとドリル本体1の先端逃げ面6との交差稜線部に切刃7が形成されてなるドリルにおいて、少なくともドリル本体1の先端から外周面にかけては、硬質砥粒を含有してなる砥粒層10が形成されていて、この砥粒層10は、CBNなどの硬質砥粒として粒度#50(304.8μm)〜#1000(15.24μm)(好ましくは#100(152.4μm)〜#600(25.4μm))の超砥粒を含有したニッケルバインダーを主成分とする電着砥粒層であり、ドリル本体1の外周面において先端逃げ面6と外周面との交差稜線上の最も基端側に位置する点11から、少なくともドリル本体1の軸線O方向基端側に幅W=1mmの範囲にまで形成されているというものである。
「加工穴のドリルが挿入される側の開口部やドリルの抜け際の開口部に発生したバリは、その後に通過する外周面の砥粒層10の幅W=1mmの範囲によって削り取られて除去される(段落[0020]〜[0021]の)という記載から、硬質砥粒はニッケルバインダー(ニッケルメッキ層)から突出した砥石構造であることが明らかである。
硬質砥粒(硬質砥粒)を#50(304.8μm)〜#1000(15.24μm)、好ましくは#100(152.4μm)〜#600(25.4μm)(段落[0019])との記載から、15.24μmは単に技術的範囲を広くするための記述であり実際の製品においては、バリをよりよく削り取り除去するには粒径が大きいものが良いことは明らかであるので、硬質砥粒は平均粒径25.4μm以上の大きさであるとするのが相当であるものである。
「加工穴のドリルが挿入される側の開口部やドリルの抜け際の開口部に発生したバリは、その後に通過する外周面の砥粒層10の幅W=1mmの範囲によって削り取られて除去される(段落[0020]〜[0021]の)という記載から、硬質砥粒はニッケルバインダー(ニッケルメッキ層)から突出した砥石構造であることが明らかである。
硬質砥粒(硬質砥粒)を#50(304.8μm)〜#1000(15.24μm)、好ましくは#100(152.4μm)〜#600(25.4μm)(段落[0019])との記載から、15.24μmは単に技術的範囲を広くするための記述であり実際の製品においては、バリをよりよく削り取り除去するには粒径が大きいものが良いことは明らかであるので、硬質砥粒は平均粒径25.4μm以上の大きさであるとするのが相当であるものである。
特許文献2のエンドミルの発明は、エンドミルの台金に平均粒径が80μm〜300μm(好ましく150μm〜200μm)超砥粒を電着したのち、形成された超砥粒層を切削加工することにより、外周端部の丸コーナのコーナ半径を0.05〜0.3mmとするというものであり、「超砥粒の平均粒径が80μm未満であると、電着エンドミルの切れ味が悪く、加工能率が低下するおそれがある」(段落[0006])というものである。
また、図面から、超砥粒はメッキ2(ニッケルメッキ層)から突出した砥石構成である。
超砥粒層の切削加工方法に特に制限はないが、ダイヤモンド砥石を用いることで好適に行うことができるとし、試験はダイヤモンド砥粒のものによって行い、CBN砥粒によっては行っていない。
また、図面から、超砥粒はメッキ2(ニッケルメッキ層)から突出した砥石構成である。
超砥粒層の切削加工方法に特に制限はないが、ダイヤモンド砥石を用いることで好適に行うことができるとし、試験はダイヤモンド砥粒のものによって行い、CBN砥粒によっては行っていない。
特許文献1、2の発明を切削タップに適用するには次に述べるような欠点を有するものである。
(1)砥粒の平均粒径が25.4μm以上と大きいため、その砥粒層に装甲されたままの状態ではねじ切削形成部(食付き部から完全山部)の切り刃の鋭利性が著しく損なわれる、
砥粒層の厚みだけねじ山が幅広の高山になり且つ谷部を形成する対抗壁が砥粒層となる、すなわち25.4μm×2=50.8μmも谷部が埋まり著しく浅く狭くなるものであるから、切削性能が著しく低下する、切削形成される雌ねじの精度が著しく低下することになるものであった。
ここに、電着等のメッキによってCBN砥粒(粒子)を装甲した切削タップが実現していない主な理由がある。
(2)砥粒がニッケルメッキ層から突出した砥石構造、すなわち砥粒の一部のみがニッケルメッキ層に埋まり保持されている構造であるため、切削の際の抵抗・衝撃によって脱落するものが生じるという欠点を有するものであった。
(3)無電解ニッケルメッキ層(硬度:Hv450〜550 熱処理後Hv975〜1075)および電解ニッケルメッキ層(硬度:Hv100〜150)は、CBN砥粒(硬度:Hv4700程度)に比べて硬度が低いので、このニッケルメッキ層がCBN砥粒の耐久性を向上させることにはそれほど貢献しないものであった。
(1)砥粒の平均粒径が25.4μm以上と大きいため、その砥粒層に装甲されたままの状態ではねじ切削形成部(食付き部から完全山部)の切り刃の鋭利性が著しく損なわれる、
砥粒層の厚みだけねじ山が幅広の高山になり且つ谷部を形成する対抗壁が砥粒層となる、すなわち25.4μm×2=50.8μmも谷部が埋まり著しく浅く狭くなるものであるから、切削性能が著しく低下する、切削形成される雌ねじの精度が著しく低下することになるものであった。
ここに、電着等のメッキによってCBN砥粒(粒子)を装甲した切削タップが実現していない主な理由がある。
(2)砥粒がニッケルメッキ層から突出した砥石構造、すなわち砥粒の一部のみがニッケルメッキ層に埋まり保持されている構造であるため、切削の際の抵抗・衝撃によって脱落するものが生じるという欠点を有するものであった。
(3)無電解ニッケルメッキ層(硬度:Hv450〜550 熱処理後Hv975〜1075)および電解ニッケルメッキ層(硬度:Hv100〜150)は、CBN砥粒(硬度:Hv4700程度)に比べて硬度が低いので、このニッケルメッキ層がCBN砥粒の耐久性を向上させることにはそれほど貢献しないものであった。
本発明は以上のような類似の先行技術の欠点に鑑み、切削タップの切り刃の切削性および雌ねじの形成精度を損なうことなく、耐久性の向上と切削屑の短片化(短くできる)を実現したCBN装甲切削タップおよびCBN装甲切削タップの製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は次に述べるような構成としている。
<請求項1記載の発明>
すくい面と逃げ面で作る稜である切れ刃が形成さている食付き部あるいは食付き部と完全山部とからなるねじ切削形成部を有する切削タップであって、
前記ねじ切削形成部を直接的に覆うようにあるいは該ねじ切削形成部に被覆した下地メッキ層を介して覆うように設けられた、粒度が#1500(平均粒径10.16μm)以下のCBN砥粒(立方晶窒化ホウ素砥粒)の一層形態からなるCBN砥粒群と、
このCBN砥粒群を固定している、層厚が前記CBN砥粒群の層厚の80%〜120%の電解メッキ層あるいは無電解メッキ層からなる固定メッキ層と
前記CBN砥粒群と前記固定メッキ層からなる装甲層と、を備えたことを特徴とするCBN装甲切削タップである。
「電解メッキ層あるいは無電解メッキ層からなる固定メッキ層」とは、電解メッキ層のみからなる固定メッキ層、無電解メッキ層のみからなる固定メッキ層、電解メッキ層と無電解メッキ層との複数メッキ層からなる固定メッキ層を含むものである。
「CBN砥粒(立方晶窒化ホウ素砥粒)の一層形態」とは、CBN砥粒同士の重なりが殆ど無い一重形態ということである。
<請求項1記載の発明>
すくい面と逃げ面で作る稜である切れ刃が形成さている食付き部あるいは食付き部と完全山部とからなるねじ切削形成部を有する切削タップであって、
前記ねじ切削形成部を直接的に覆うようにあるいは該ねじ切削形成部に被覆した下地メッキ層を介して覆うように設けられた、粒度が#1500(平均粒径10.16μm)以下のCBN砥粒(立方晶窒化ホウ素砥粒)の一層形態からなるCBN砥粒群と、
このCBN砥粒群を固定している、層厚が前記CBN砥粒群の層厚の80%〜120%の電解メッキ層あるいは無電解メッキ層からなる固定メッキ層と
前記CBN砥粒群と前記固定メッキ層からなる装甲層と、を備えたことを特徴とするCBN装甲切削タップである。
「電解メッキ層あるいは無電解メッキ層からなる固定メッキ層」とは、電解メッキ層のみからなる固定メッキ層、無電解メッキ層のみからなる固定メッキ層、電解メッキ層と無電解メッキ層との複数メッキ層からなる固定メッキ層を含むものである。
「CBN砥粒(立方晶窒化ホウ素砥粒)の一層形態」とは、CBN砥粒同士の重なりが殆ど無い一重形態ということである。
<請求項2記載の発明>
前記固定メッキ層の層厚が前記CBN砥粒群の層厚の100%〜120%であることを特徴とする請求項1記載のCBN装甲切削タップある。
前記固定メッキ層の層厚が前記CBN砥粒群の層厚の100%〜120%であることを特徴とする請求項1記載のCBN装甲切削タップある。
<請求項3記載の発明>
前記ねじ切削形成部の表面に前記下地メッキ層を形成した後、前記CBN砥粒群を仮着した仮着メッキ層を形成し、その後前記CBN砥粒群を固定する該CBN砥粒群の60%〜90%を前記仮着メッキ層とで埋込形態とする埋込メッキ層を形成し、その後前記最表面メッキ層を形成し、前記仮着メッキ層と前記埋込メッキ層と前記最表面メッキ層とで前記固定メッキ層を形成してなることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載のCBN装甲切削タップである。
前記ねじ切削形成部の表面に前記下地メッキ層を形成した後、前記CBN砥粒群を仮着した仮着メッキ層を形成し、その後前記CBN砥粒群を固定する該CBN砥粒群の60%〜90%を前記仮着メッキ層とで埋込形態とする埋込メッキ層を形成し、その後前記最表面メッキ層を形成し、前記仮着メッキ層と前記埋込メッキ層と前記最表面メッキ層とで前記固定メッキ層を形成してなることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載のCBN装甲切削タップである。
<請求項4記載の発明>
前記CBN砥粒の粒度が#2000(平均粒径7.62μm)以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のCBN装甲切削タップである。
前記CBN砥粒の粒度が#2000(平均粒径7.62μm)以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のCBN装甲切削タップである。
<請求項5記載の発明>
前記最表面メッキ層に前記CBN砥粒よりも微細な微細CBN砥粒が分散保持されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のCBN装甲切削タップである。
前記最表面メッキ層に前記CBN砥粒よりも微細な微細CBN砥粒が分散保持されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のCBN装甲切削タップである。
<請求項6記載の発明>
すくい面と逃げ面で作る稜である切れ刃が形成さている食付き部および完全山部とからなるねじ切削形成部を有する切削タップの、前記ねじ切削形成部に直接的に覆うようにあるいは該ねじ切削形成部に被覆した下地メッキ層を介して覆うように設けられた、#1500(平均粒径10.16μm)以下のCBN砥粒(立方晶窒化ホウ素砥粒)の一層形態からなるCBN砥粒群を支持し、 前記CBN砥粒群の層厚の80%〜120%の層厚の電解メッキ層あるいは無電解メッキ層からなる固定メッキ層で前記CBN砥粒群を固定して、前記CBN砥粒群と前記固定メッキ層からなる装甲層を形成することを特徴とするCBN装甲切削タップの製造方法である。
「電解メッキ層あるいは無電解メッキ層からなる固定メッキ層」とは、電解メッキ層のみからなる固定メッキ層、無電解メッキ層のみからなる固定メッキ層、電解メッキ層と無電解メッキ層との複数メッキ層からなる固定メッキ層を含むものである。
「CBN砥粒(立方晶窒化ホウ素砥粒)の一層形態」とは、CBN砥粒同士の重なりが殆ど無い一重形態ということである。
すくい面と逃げ面で作る稜である切れ刃が形成さている食付き部および完全山部とからなるねじ切削形成部を有する切削タップの、前記ねじ切削形成部に直接的に覆うようにあるいは該ねじ切削形成部に被覆した下地メッキ層を介して覆うように設けられた、#1500(平均粒径10.16μm)以下のCBN砥粒(立方晶窒化ホウ素砥粒)の一層形態からなるCBN砥粒群を支持し、 前記CBN砥粒群の層厚の80%〜120%の層厚の電解メッキ層あるいは無電解メッキ層からなる固定メッキ層で前記CBN砥粒群を固定して、前記CBN砥粒群と前記固定メッキ層からなる装甲層を形成することを特徴とするCBN装甲切削タップの製造方法である。
「電解メッキ層あるいは無電解メッキ層からなる固定メッキ層」とは、電解メッキ層のみからなる固定メッキ層、無電解メッキ層のみからなる固定メッキ層、電解メッキ層と無電解メッキ層との複数メッキ層からなる固定メッキ層を含むものである。
「CBN砥粒(立方晶窒化ホウ素砥粒)の一層形態」とは、CBN砥粒同士の重なりが殆ど無い一重形態ということである。
<請求項7記載の発明>
前記固定メッキ層の層厚が前記CBN砥粒群の層厚の100%〜120%であることを特徴とする請求項6記載のCBN装甲切削タップの製造方法である。
前記固定メッキ層の層厚が前記CBN砥粒群の層厚の100%〜120%であることを特徴とする請求項6記載のCBN装甲切削タップの製造方法である。
<請求項8記載の発明>
前記ねじ切削形成部の表面に前記下地メッキ層を形成した後、前記CBN砥粒群を仮着した仮着メッキ層を形成し、その後前記CBN砥粒群を固定する該CBN砥粒群の60%〜90%を前記仮着メッキ層とで埋込形態とする埋込メッキ層を形成し、その後前記最表面メッキ層を形成し、前記仮着メッキ層と前記埋込メッキ層と前記最表面メッキ層とで前記固定メッキ層を形成してなることを特徴とする請求項7、8いずれか1項に記載のCBN装甲切削タップの製造方法である。
「CBN砥粒群の60%〜90%を埋込形態とする埋込メッキ層」とは、CBN砥粒群の60%〜90%を仮着メッキ層と埋込メッキ層とで60%〜90%を埋込形態とするという意味である。
前記ねじ切削形成部の表面に前記下地メッキ層を形成した後、前記CBN砥粒群を仮着した仮着メッキ層を形成し、その後前記CBN砥粒群を固定する該CBN砥粒群の60%〜90%を前記仮着メッキ層とで埋込形態とする埋込メッキ層を形成し、その後前記最表面メッキ層を形成し、前記仮着メッキ層と前記埋込メッキ層と前記最表面メッキ層とで前記固定メッキ層を形成してなることを特徴とする請求項7、8いずれか1項に記載のCBN装甲切削タップの製造方法である。
「CBN砥粒群の60%〜90%を埋込形態とする埋込メッキ層」とは、CBN砥粒群の60%〜90%を仮着メッキ層と埋込メッキ層とで60%〜90%を埋込形態とするという意味である。
<請求項9記載の発明>
前記CBN砥粒の粒度が#2000(平均粒径7.62μm)以下であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のCBN装甲切削タップの製造方法である
前記CBN砥粒の粒度が#2000(平均粒径7.62μm)以下であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のCBN装甲切削タップの製造方法である
<請求項10記載の発明>
前記最表面メッキ層の形成時に、メッキ槽内に予め浮遊された粒度が前記CBN砥粒よりも微細な微細CBN砥粒が、前記最表面メッキ層に分散保持されるようにしたことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載のCBN装甲切削タップの製造方法である。
前記最表面メッキ層の形成時に、メッキ槽内に予め浮遊された粒度が前記CBN砥粒よりも微細な微細CBN砥粒が、前記最表面メッキ層に分散保持されるようにしたことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載のCBN装甲切削タップの製造方法である。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
<請求項1記載の発明の効果>
ねじ切削形成部を覆うCBN砥粒群は、粒度が#1500(平均粒径10.16μm)以下のCBN砥粒(立方晶窒化ホウ素砥粒)の一層形態からなるものであるので、その平均層厚は10.16μm以下と極薄層であり、あるいは固定メッキ層はその120%以下(平均層厚12.19μm)という極薄装甲層であるので、切れ刃の鋭利さを損なわずよって切削能力が低下することが無く、むしろ、ダイヤモンドに次ぐ高度(Hv4700程度)を有しかつ耐熱温度(1300℃程度)が高いCBN砥粒によって、切削能力、切削耐久および耐熱性が著しく向上する。
かつ、装甲層によるねじ切削形成部の谷部の埋まり量は20.32μm(固定メッキ層100%以下)〜24.38μm(固定メッキ層120%)と、特許文献1の技術の50.8μmの半分以下の谷の埋まり量であるので、雌ねじの形成精度を損なうことがないという効果を奏する。
<請求項1記載の発明の効果>
ねじ切削形成部を覆うCBN砥粒群は、粒度が#1500(平均粒径10.16μm)以下のCBN砥粒(立方晶窒化ホウ素砥粒)の一層形態からなるものであるので、その平均層厚は10.16μm以下と極薄層であり、あるいは固定メッキ層はその120%以下(平均層厚12.19μm)という極薄装甲層であるので、切れ刃の鋭利さを損なわずよって切削能力が低下することが無く、むしろ、ダイヤモンドに次ぐ高度(Hv4700程度)を有しかつ耐熱温度(1300℃程度)が高いCBN砥粒によって、切削能力、切削耐久および耐熱性が著しく向上する。
かつ、装甲層によるねじ切削形成部の谷部の埋まり量は20.32μm(固定メッキ層100%以下)〜24.38μm(固定メッキ層120%)と、特許文献1の技術の50.8μmの半分以下の谷の埋まり量であるので、雌ねじの形成精度を損なうことがないという効果を奏する。
無処理のハイス鋼の最大摩擦係数は0.18μであるのに対して発明のCBN砥粒を有する装甲層は0.55μと、その3倍である。
切れ刃によって切削された切屑が接触するすくい面もCBN砥粒を有する装甲層であるので、切屑との摩擦が増大するので攻撃性が高くなり(切屑が摩擦によって熱くなり)、結果切屑のカールの小径化と発熱温度と冷却温度の温度差によってせん断が早く生じることになり、よって切屑の長さが短くなる短片化が実現され、切屑の短片化は切屑詰まりによる切屑のタップへの絡み付きを減少させ、切屑の噛み込によるタップの破損が起こり難いものにするという効果を奏する。
試作のCBN装甲切削タップ(スパイラルタップM6)、被切削材料がアルミニウムでは、切削速度50m/mimで最大切屑長さは39mmであり、従来のハイスタップ(スパイラルタップM6)では76mmであるのに対し格段の短片化を実現している。従来のハイスタップは切屑が巻き付いて目詰まりを起こしてしまうのに対して、本発明のCBN装甲切削タップは切屑が早く折損(せん断)短片化されるので目詰まりが確実に防止された。
切れ刃によって切削された切屑が接触するすくい面もCBN砥粒を有する装甲層であるので、切屑との摩擦が増大するので攻撃性が高くなり(切屑が摩擦によって熱くなり)、結果切屑のカールの小径化と発熱温度と冷却温度の温度差によってせん断が早く生じることになり、よって切屑の長さが短くなる短片化が実現され、切屑の短片化は切屑詰まりによる切屑のタップへの絡み付きを減少させ、切屑の噛み込によるタップの破損が起こり難いものにするという効果を奏する。
試作のCBN装甲切削タップ(スパイラルタップM6)、被切削材料がアルミニウムでは、切削速度50m/mimで最大切屑長さは39mmであり、従来のハイスタップ(スパイラルタップM6)では76mmであるのに対し格段の短片化を実現している。従来のハイスタップは切屑が巻き付いて目詰まりを起こしてしまうのに対して、本発明のCBN装甲切削タップは切屑が早く折損(せん断)短片化されるので目詰まりが確実に防止された。
CBN砥粒群の固定メッキ層への埋込量はメッキ時間よって決定される。従って、固定メッキ層からのCBN砥粒の最大突出高さは、CBN装甲切削タップの用途に応じたものを容易に製造できる。すなわち、より摩擦係数が必要な場合は、CBN砥粒の最大突出高さを40%〜90%の間に設定すればよいので、摩擦係数の設定が行いやすいという効果を奏する。
CBN砥粒(粒子)は、(1)耐熱性があり、空気中で1360℃まで安定している、(2)熱伝導率も3.8caL/secと高く、切削熱はタップ側に多く伝わり、加工表面への熱は少ない、(3)化学的にも安定し鋼に対して不活性であるので、切れ刃の摩耗が少ない、(4)CBN砥粒が脱落しても粒径が小さいので、ねじ切削形成部は破損しない。
これらによって、工具寿命の向上や加工速度の向上に加えて難削材(例えば、チタン、インコネル(登録商標)、ハステロイ(登録商標)、ワスバロイなど。)加工等に容易に対応することができるという効果を奏する。
これらによって、工具寿命の向上や加工速度の向上に加えて難削材(例えば、チタン、インコネル(登録商標)、ハステロイ(登録商標)、ワスバロイなど。)加工等に容易に対応することができるという効果を奏する。
また、固定メッキ層の層厚がCBN砥粒群の層厚の80%〜120%と、固定メッキ層によるCBN砥粒の保持が実質的に略全部と言ってよい埋込状態であるので、その保持力および固定力が堅固であり、よってCBN砥粒が脱落するということが殆ど起きないとい効果を奏する。
下地メッキ層を残しCBN砥粒を取り除いて、再度装甲層を形成して再利用ができる。
また、少なくとも固定メッキ層が電解メッキ層である場合は、電解槽で逆電解を行うことにより、容易に固定メッキ層および該固定メッキ層に保持されているCBN砥粒を除去し、再度電解メッキによる装甲層を再度形成して再利用ができる。
また、少なくとも固定メッキ層が電解メッキ層である場合は、電解槽で逆電解を行うことにより、容易に固定メッキ層および該固定メッキ層に保持されているCBN砥粒を除去し、再度電解メッキによる装甲層を再度形成して再利用ができる。
<請求項2記載の発明の効果>
請求項1記載の発明と同様な効果を奏するとともに、固定メッキ層の層厚がCBN砥粒群の層厚の100%〜120%であるので、固定メッキ層によるCBN砥粒の保持がより深くよってその保持力および固定力がより堅固であり、よってCBN砥粒が脱落するということが起きないとい効果を奏する。
請求項1記載の発明と同様な効果を奏するとともに、固定メッキ層の層厚がCBN砥粒群の層厚の100%〜120%であるので、固定メッキ層によるCBN砥粒の保持がより深くよってその保持力および固定力がより堅固であり、よってCBN砥粒が脱落するということが起きないとい効果を奏する。
<請求項3記載の発明の効果>
このような構成としても、請求項1、2のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏する。
このような構成としても、請求項1、2のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏する。
<請求項4記載の発明の効果>
請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、装甲層の層厚が7.62μm(100%)〜9.14μm(120%)という極薄装甲層(谷部の埋めは15.24μm〜18.2μm)であるので、切削性および雌ねじ形成精度をより損なうことがないという効果を奏する。
請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、装甲層の層厚が7.62μm(100%)〜9.14μm(120%)という極薄装甲層(谷部の埋めは15.24μm〜18.2μm)であるので、切削性および雌ねじ形成精度をより損なうことがないという効果を奏する。
<請求項5記載の発明の効果>
請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、微細な微細CBN砥粒が分散保持されている最表面メッキ層によって、固定メッキ層の減り速度が少なくなるので耐久性が大きく向上し、かつ、微細CBN砥粒によるすくい面の摩擦が増大するので、切屑とすくい面との増大した摩擦によって切屑のすくい面側の摩擦温度が上昇し、よって、切屑の表側面とすくい面側の温度差が増大することになり、この増大した温度差によって切屑の表側への反りが増大する、すなわち切屑のカールが小さくなる。この切屑のカールが小さくなることと発熱温度と冷却温度の温度差が大きくなることによってより早くせん断が起こり、よって切屑のより短片化を実現するという効果を奏する。
また、微細CBN砥粒によってすくい面の耐熱性も著しく向上するので、切屑との摩擦熱に十分耐えるすくい面を実現する。
請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、微細な微細CBN砥粒が分散保持されている最表面メッキ層によって、固定メッキ層の減り速度が少なくなるので耐久性が大きく向上し、かつ、微細CBN砥粒によるすくい面の摩擦が増大するので、切屑とすくい面との増大した摩擦によって切屑のすくい面側の摩擦温度が上昇し、よって、切屑の表側面とすくい面側の温度差が増大することになり、この増大した温度差によって切屑の表側への反りが増大する、すなわち切屑のカールが小さくなる。この切屑のカールが小さくなることと発熱温度と冷却温度の温度差が大きくなることによってより早くせん断が起こり、よって切屑のより短片化を実現するという効果を奏する。
また、微細CBN砥粒によってすくい面の耐熱性も著しく向上するので、切屑との摩擦熱に十分耐えるすくい面を実現する。
また、微細CBN砥粒が分散保持さている最表面メッキ層は硬度が高くなるので、耐摩耗性・耐久性の向上とCBN砥粒の保持力の向上を実現するものである。この微細CBN砥粒の分散は最表面メッキ層の熱伝導性を高めるので、その摩耗性・耐久性の向上との相乗効果によってCBN砥粒への切削負荷を軽減することになるので、CBN砥粒の摩耗の少ない、すなわち耐久性が高くかつ高速切削にも対応可能な切削タップを実現するという
効果を奏する。
効果を奏する。
<請求項6記載の発明の効果>
CBN装甲切削タップの製造方法によって製造されたCBN装甲切削タップは、請求項1記載の発明のCBN装甲切削タップと同様な効果を奏する。
CBN装甲切削タップの製造方法によって製造されたCBN装甲切削タップは、請求項1記載の発明のCBN装甲切削タップと同様な効果を奏する。
<請求項7記載の発明の効果>
製造されたCBN装甲切削タップは、請求項2記載の発明のCBN装甲切削タップと同様な効果を奏する。
製造されたCBN装甲切削タップは、請求項2記載の発明のCBN装甲切削タップと同様な効果を奏する。
<請求項8記載の発明の効果>
製造されたCBN装甲切削タップは、請求項3記載の発明のCBN装甲切削タップと同様な効果を奏する。
製造されたCBN装甲切削タップは、請求項3記載の発明のCBN装甲切削タップと同様な効果を奏する。
<請求項9記載の発明の効果>
製造されたCBN装甲切削タップは、請求項4記載の発明のCBN装甲切削タップと同様な効果を奏する。
製造されたCBN装甲切削タップは、請求項4記載の発明のCBN装甲切削タップと同様な効果を奏する。
<請求項10記載の発明の効果>
製造されたCBN装甲切削タップは、請求項5記載の発明のCBN装甲切削タップと同様な効果を奏する。
製造されたCBN装甲切削タップは、請求項5記載の発明のCBN装甲切削タップと同様な効果を奏する。
以下、本発明を実施するための最良の形態である実施例について説明する。但し、本発明をこれら実施例のみに限定する趣旨のものではない。また、後述する実施例の説明に当って、前述した実施例の同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図1〜図8に示す本発明の実施例において、1はCBN装甲切削タップであって、このCBN装甲切削タップ1は、シャンク部2と、このシャンク部2の先端側に設けられた、すくい面3と逃げ面4で作る稜である切れ刃5が形成されている食付き部6および完全山部7とからなるねじ切削形成部8と、ねじ切削形成部8に形成された複数の切屑排出溝9と、ねじ切削形成部8の全部およびシャンク部2の一部に施された装甲層10とからなっている。
ねじ切削形成部8はシャンク部2を延長した超鋼合金からなる台金11に形成されている。
ねじ切削形成部8はシャンク部2を延長した超鋼合金からなる台金11に形成されている。
台金11(母材)の表面に厚さ0.1μm〜0.5μmの下地メッキ層13(ニッケルメッキ)を形成した後、この下地メッキ層13の上に、粒度が#1500(12μm〜8μmの平均粒径10.16μm)以下のCBN砥粒14の一層形態(一重形態)からなる最高高さ部位Haが12μm以下(平均高さ部位が10.16μm)のCBN砥粒群15を仮着した仮着メッキ層16(ニッケルメッキ)を形成し、その後CBN砥粒群15を固定する該CBN砥粒群15の層厚の60%〜90%(ここでは70%)を埋込形態とする埋込メッキ層20(ニッケルメッキ層)を形成し、その後最表面メッキ層17を形成している。
仮着メッキ層16と埋込メッキ層20と最表面メッキ層17とで固定メッキ層18を形成している。
固定メッキ層18とCBN砥粒群15とで装甲層10を形成している。
仮着メッキ層16と埋込メッキ層20と最表面メッキ層17とで固定メッキ層18を形成している。
固定メッキ層18とCBN砥粒群15とで装甲層10を形成している。
仮着メッキ層16はCBN砥粒群15の層厚の30%〜40%の層厚であり、固定メッキ層18の層厚はCBN砥粒群15の80%〜120%の層厚あるいは80%〜100%の層厚としている。
CBN砥粒群15の層厚の80%〜120%である固定メッキ層18の深い埋込形態によって、CBN砥粒14の堅固な固定安定性が得られている。また、より堅固な固定安定性を得る場合は固定メッキ層18の層厚はCBN砥粒群15の層厚100%〜120%とするのがよい。
CBN砥粒群15の層厚の80%〜120%である固定メッキ層18の深い埋込形態によって、CBN砥粒14の堅固な固定安定性が得られている。また、より堅固な固定安定性を得る場合は固定メッキ層18の層厚はCBN砥粒群15の層厚100%〜120%とするのがよい。
CBN砥粒群15は、平均粒径10.16μm以下のCBN砥粒14が略一重形態(略一層形態)で覆う形態であり、そのCBN砥粒群15の最高さ部位Haは12μm以下である。尚、砥粒径=(長径LD+短径SD)/2である。
「略一重形態(略一層形態)」とは、隣り合うCBN砥粒の向きによっては、その一部分同士が部分的に重なることが生じる可能性を排除しない趣旨である。
#1500(12μm〜8μmの平均粒径10.16μm)以下としているが、好ましくは平均粒径7.62μm(#2000)〜平均粒径5.08μm(#3000)、より好ましくは平均粒径5.08μm(#3000)〜平均粒径2.18μm(#7000)がよい。
「略一重形態(略一層形態)」とは、隣り合うCBN砥粒の向きによっては、その一部分同士が部分的に重なることが生じる可能性を排除しない趣旨である。
#1500(12μm〜8μmの平均粒径10.16μm)以下としているが、好ましくは平均粒径7.62μm(#2000)〜平均粒径5.08μm(#3000)、より好ましくは平均粒径5.08μm(#3000)〜平均粒径2.18μm(#7000)がよい。
図5の表によってねじのピッチによる砥粒径の選定について説明する。
タップのねじ研は、有効径寸法を規格に入れることを重視しねじ谷(ねじ溝)は、ねじ山の切り取り高さがH/6以下になっていれば合格である。(ねじ研は、総型砥石を使用するため、有効径寸法のバラツキに連動しねじ谷の径も変化している。)
これに対し、雌ねじ加工では、下穴寸法をひっかかり率で85〜90%(規格は85〜100%)の寸法に入るドリルを選定して加工し、タッピングを行う。(タップのねじ谷と下穴の間にクリアランスがないと、タッピングトルクが大きくなり、切屑つまり等で折損する。)
本実施例では、ねじ研後にCBN砥粒群15を保持した固定メッキ層18からなる装甲層10でねじ切削形成部8の全面を被覆するめ、当然タップのねじ谷は浅くなってしまう、よってタップのねじのピッチに応じた最適の砥粒径のCBN砥粒14の選定が必要になる。
CBN砥粒14の砥粒径の算定には、タップの使用条件の加味も必要であるので、タップの振れを10μm、下穴とタップの芯ずれはWPM3未満で20μm、M3〜M4で30μm、それ以上は50μmと想定し、下穴寸法をひっかかり率で87.5%とするとねじ谷の切り取り高さに換算すると、H/4+(5/8H×0.125)=0.28416Pになるので、図5の表により、ねじ研時のねじ谷の切り取り高さをH/6→H/8と深くする必要がある。
P=0.2はシングル砥石の使用が必要である。
タップのねじ研は、有効径寸法を規格に入れることを重視しねじ谷(ねじ溝)は、ねじ山の切り取り高さがH/6以下になっていれば合格である。(ねじ研は、総型砥石を使用するため、有効径寸法のバラツキに連動しねじ谷の径も変化している。)
これに対し、雌ねじ加工では、下穴寸法をひっかかり率で85〜90%(規格は85〜100%)の寸法に入るドリルを選定して加工し、タッピングを行う。(タップのねじ谷と下穴の間にクリアランスがないと、タッピングトルクが大きくなり、切屑つまり等で折損する。)
本実施例では、ねじ研後にCBN砥粒群15を保持した固定メッキ層18からなる装甲層10でねじ切削形成部8の全面を被覆するめ、当然タップのねじ谷は浅くなってしまう、よってタップのねじのピッチに応じた最適の砥粒径のCBN砥粒14の選定が必要になる。
CBN砥粒14の砥粒径の算定には、タップの使用条件の加味も必要であるので、タップの振れを10μm、下穴とタップの芯ずれはWPM3未満で20μm、M3〜M4で30μm、それ以上は50μmと想定し、下穴寸法をひっかかり率で87.5%とするとねじ谷の切り取り高さに換算すると、H/4+(5/8H×0.125)=0.28416Pになるので、図5の表により、ねじ研時のねじ谷の切り取り高さをH/6→H/8と深くする必要がある。
P=0.2はシングル砥石の使用が必要である。
図5の表の選定では、
ピッチ0.6mm以上では#1500(平均粒径10.16μm)以下で基準のねじ谷でよく、
ピッチ0.5mmでは#2000(平均粒径7.62μm)以下で基準のねじ谷でよく、
ピッチ0.4mmでは#3000(平均粒径5.08μm)以下で基準のねじ谷でよく、
ピッチ0.3mmでは#7000(平均粒径2.18μm)で基準のねじ谷でよく、
ピッチ0.2mmでは#7000(平均粒径2.18μm)が使用できるところまでねじ谷を深くねじ研する。
以上のことから、ピッチ0.7mm以下にあっては、固定メッキ層18の層厚はCBN砥粒群15の層厚の80%〜100%とするのがよい。
ピッチ0.6mm以上では#1500(平均粒径10.16μm)以下で基準のねじ谷でよく、
ピッチ0.5mmでは#2000(平均粒径7.62μm)以下で基準のねじ谷でよく、
ピッチ0.4mmでは#3000(平均粒径5.08μm)以下で基準のねじ谷でよく、
ピッチ0.3mmでは#7000(平均粒径2.18μm)で基準のねじ谷でよく、
ピッチ0.2mmでは#7000(平均粒径2.18μm)が使用できるところまでねじ谷を深くねじ研する。
以上のことから、ピッチ0.7mm以下にあっては、固定メッキ層18の層厚はCBN砥粒群15の層厚の80%〜100%とするのがよい。
CBN砥粒群15を最表面メッキ層17面からどれだけ突出させるか、CBN砥粒群15の上にどれだけの厚さの最表面メッキ層17で完全に覆うかは、雌ねじを形成する被切削材料の材質、切削速度、切削タップの材質、ねじの寸法、耐久性、生産性などの例えば優先順位によって最適な層厚を選択する。
固定メッキ層18の層厚がCBN砥粒群15の層厚の80%(CBN砥粒14の20%は層面から突出している。)であれば、固定メッキ層18最上面のCBN砥粒14に当接縁部位が形成する口部位の面積は、固定メッキ層18に埋もれているCBN砥粒14の本体の広い部位の面積より狭い、すなわち抜けない引っ掛かり形態であるので、CBN砥粒14の突出している部に強い衝撃があってもCBN砥粒14が脱落することが生じない堅固な固定状態を実現している。
図4に示すように、CBN砥粒群15によるすくい面3の摩擦が増大するので、切屑21とすくい面3との増大した摩擦によって切屑21のすくい面3側の摩擦温度が上昇し、よって、切屑21の表側面とすくい面側の温度差が増大することになり、この増大した温度差によって切屑21の表側への反りが増大し切屑21のカールが小さくなる。この切屑21のカールが小さくなることと発熱温度の高温化と冷却温度との温度差が増大することよって、CBN装甲層の無い従来の切屑23と比較して早くせん断22が起こり、よって切屑21の短片化が実現される。
大きい摩擦係数が必要な場合には、CBN砥粒14の固定メッキ層18の最表面からの最大突出を、CBN砥粒14の最大高さHaの30%〜10%(CBN砥粒14の70%〜90%は固定メッキ層18に埋まっている状態)にするのが好適である。
大きい摩擦係数が必要な場合には、CBN砥粒14の固定メッキ層18の最表面からの最大突出を、CBN砥粒14の最大高さHaの30%〜10%(CBN砥粒14の70%〜90%は固定メッキ層18に埋まっている状態)にするのが好適である。
使用不可能になったものは、下地メッキ層13を残して他の部位を研磨やレーザー光線等によって取り除き、装甲層10を再装甲して再使用することが容易に可能である。
固定メッキ層18の厚さは、ねじ切削形成部8の表面にCBN砥粒14の保持力強化と主にすくい面3の摩擦係数の調節のために行うのであるが、保持力や硬度をさらに上げるために熱処理を行う場合もある。
CBN砥粒14が浮遊状態にされた硫酸ニッケルなどの電解液が入ったメッキ槽の中に、台金11が超鋼合金などからなるタップのねじ切削形成部8を浸漬状態にし、その後ニッケル棒を電解液中に浸漬して電源の陽極に接続し、陰極には台金11を接続し、その後所定の電圧を印加することにより、電解液中に浮遊させたCBN砥粒14を台金11の表面に集め、析出したニッケル電解層により電着固定する方法を基本としている。
CBN装甲切削タップ1の製造方法について述べる。
(1)先ず、所定の処理槽にてシャンク部2にマスキング25(図7)が施された台金11の脱脂、洗浄等の前処理が施され、その後に台金11のねじ切削形成部8の表面に、厚さ0.1μm〜0.5μmの下地メッキ層13(ニッケルメッキ)を形成する。(図6の(a)図)
(1)先ず、所定の処理槽にてシャンク部2にマスキング25(図7)が施された台金11の脱脂、洗浄等の前処理が施され、その後に台金11のねじ切削形成部8の表面に、厚さ0.1μm〜0.5μmの下地メッキ層13(ニッケルメッキ)を形成する。(図6の(a)図)
(2)次に、下地メッキ層13の上にCBN砥粒14からなるCBN砥粒群15を仮着する仮着した仮着メッキ層16(ニッケルメッキ)を形成する。(図6の(b)図)
この際、図7に示すように、電源の陽極に接続されたニッケル棒26を収納してなる電着仮着メッキ槽27においては、電源の陰極に接続された台金11が支持容器28内に横置きにされ、そのねじ切削形成部8にCBN砥粒14が振り掛けられた状態で電着が施される。そして、必要に応じて、台金11を反転(裏返し)させて、下地メッキ層13の上に均一にCBN砥粒14が略一重形態(略一層形態)に敷き詰められてなるCBN砥粒群15を仮着した仮着メッキ層16を形成する。
この際、図7に示すように、電源の陽極に接続されたニッケル棒26を収納してなる電着仮着メッキ槽27においては、電源の陰極に接続された台金11が支持容器28内に横置きにされ、そのねじ切削形成部8にCBN砥粒14が振り掛けられた状態で電着が施される。そして、必要に応じて、台金11を反転(裏返し)させて、下地メッキ層13の上に均一にCBN砥粒14が略一重形態(略一層形態)に敷き詰められてなるCBN砥粒群15を仮着した仮着メッキ層16を形成する。
仮着メッキ層16を形成しながらCBN砥粒14を該仮着メッキ層16に埋込状態に仮着させる方法は、次に述べるような方法もよい。
予め金属メッキが施されたCBN砥粒14が電解液内に多数浮遊させた状態下で行う方法もよい。
また、メッキ槽内に予め金属メッキがほどこされたCBN砥粒14を多数沈殿させ、その後メッキ液を撹拌して、CBN砥粒14を浮遊させた状態下でメッキを行うのもよい。
予め銅、ニッケル、チタン等の金属メッキが施されて表面に導電性をもたされたCBN砥粒は、その導電性によって電着速度の向上、メッキ層との強い密着力による保持強度および熱の拡散性の向上を図る利点があり、これらの利点によりメッキ層の形成速度の向上(生産性の向上)、耐久性能の向上およびタップの寿命をのばすことができる。
予め金属メッキが施されたCBN砥粒14が電解液内に多数浮遊させた状態下で行う方法もよい。
また、メッキ槽内に予め金属メッキがほどこされたCBN砥粒14を多数沈殿させ、その後メッキ液を撹拌して、CBN砥粒14を浮遊させた状態下でメッキを行うのもよい。
予め銅、ニッケル、チタン等の金属メッキが施されて表面に導電性をもたされたCBN砥粒は、その導電性によって電着速度の向上、メッキ層との強い密着力による保持強度および熱の拡散性の向上を図る利点があり、これらの利点によりメッキ層の形成速度の向上(生産性の向上)、耐久性能の向上およびタップの寿命をのばすことができる。
(3)次に、仮着メッキ層16の上に、CBN砥粒群15を保持・固定する埋込メッキ層20(ニッケルメッキ)を施して、埋込量L1が全埋込量L2の60%〜90%(ここでは70%)となるようにする。(図6の(c)図)
この際、図8に示すように、電源の陽極に接続されたニッケル棒26を収容してなる電着埋込メッキ槽29においては、電源の陰極に接続された台金11が吊り下げられた状態でメッキ液中に浸漬され、埋込メッキが施される。
この際、図8に示すように、電源の陽極に接続されたニッケル棒26を収容してなる電着埋込メッキ槽29においては、電源の陰極に接続された台金11が吊り下げられた状態でメッキ液中に浸漬され、埋込メッキが施される。
(4)最後に、埋込メッキ層20の上に、同じ電着埋込メッキ槽29内において、最表面メッキ層17を形成する。(図6の(d)図)
仮着メッキ層16と埋込メッキ層20と最表面メッキ層17とで固定メッキ層18を形成し、固定メッキ層18とCBN砥粒群15とで装甲層10を形成する。
仮着メッキ層16と埋込メッキ層20と最表面メッキ層17とで固定メッキ層18を形成し、固定メッキ層18とCBN砥粒群15とで装甲層10を形成する。
固定メッキ層は、電解メッキのみによる単層あるいは複層メッキ層、無電解メッキのみによる単層あるいは複層メッキ層、電解メッキ層と無電解メッキ層の組み合わせによる複数メッキ層がある。
これらは、用途、コストなどの条件によって選択される。
これらは、用途、コストなどの条件によって選択される。
下地メッキ層13は、Ni電解メッキまたはNi合金無電解メッキとするのがよく、台金11との密着性を改善しメッキ層の剥離を防止する。但し、これらに限定する趣旨ではない。
また、固定メッキ層18としては、Niメッキ、Ni−WメッキなどのNi合金メッキ、Ni−PメッキまたはNi−BメッキなどのNi合金無電解メッキ、Cuメッキ、Cu−SnメッキなどのCu合金メッキ、Crメッキ、Snメッキ、及びSn−CuメッキなどのSn合金メッキなどがある。但し、これらに限定する趣旨ではない。
また、固定メッキ層18としては、Niメッキ、Ni−WメッキなどのNi合金メッキ、Ni−PメッキまたはNi−BメッキなどのNi合金無電解メッキ、Cuメッキ、Cu−SnメッキなどのCu合金メッキ、Crメッキ、Snメッキ、及びSn−CuメッキなどのSn合金メッキなどがある。但し、これらに限定する趣旨ではない。
前記(3)の埋込メッキ層20(ニッケルメッキ)を、あるいは前記(3)の埋込メッキ層20(ニッケルメッキ)および前記(4)の最表面メッキ層17を、無電解二ケルメッキ層(硬度:Hv450〜550)あるいは熱処理した無電解二ケルメッキ層(Hv975〜1075)にするのがよい。
少なくとも、埋込メッキ層20を熱処理した無電解二ケルメッキ層(Hv975〜1075 400℃、1時間で最高高度が得られる。)とするのがよい。こうすることにより、CBN砥粒14はHv975〜1075の高度の高い埋込メッキ層20に中ほどを固定され、上下を電解ニッケルメッキ層(硬度:Hv100〜150)に支持された構造ということになり、この構造はCBN砥粒14を高硬度の埋込メッキ層20によって強固に動かないように保持しながら、衝撃を上下の硬度の低い最表面メッキ層17と仮着メッキ層16で緩衝する構造を実現しているものである。
少なくとも、埋込メッキ層20を熱処理した無電解二ケルメッキ層(Hv975〜1075 400℃、1時間で最高高度が得られる。)とするのがよい。こうすることにより、CBN砥粒14はHv975〜1075の高度の高い埋込メッキ層20に中ほどを固定され、上下を電解ニッケルメッキ層(硬度:Hv100〜150)に支持された構造ということになり、この構造はCBN砥粒14を高硬度の埋込メッキ層20によって強固に動かないように保持しながら、衝撃を上下の硬度の低い最表面メッキ層17と仮着メッキ層16で緩衝する構造を実現しているものである。
その技術的思想は、CBN砥粒、ダイヤモンド砥粒などの平均粒径が10.16μm以下の高硬度砥粒の一層形態からなる高硬度砥粒群の下部側を支持する仮着メッキ層と、この仮着メッキ層の上に形成された前記高硬度砥粒の該仮着メッキ層の上部に突出している部位を支持する該仮着メッキ層の硬度より高硬度の埋込メッキ層と、この埋込メッキ層の上に形成された前記高硬度砥粒の該埋込メッキ層の上部に突出している部位を支持する最表面メッキ層と、前記仮着メッキ層と前記埋込メッキ層と前記最表面メッキ層からなる固定メッキ層と、この固定メッキ層と前記高硬度砥粒群からなる装甲層とを備えてなる前記エンドミル、ドリル、リーマ、切削タップなどの切削工具、というところにあるものである。
加熱により硬化する合金メッキとして以下のものがある。
硬さHv 加熱温度℃ 加熱後の硬度Hv
ニッケル・リン 600 400 1000
ニッケル・タングステン 700 600 1400
コバルト・タングステン 800 650 1300
ニッケル・ホウ素 750 400 1250
鉄・タングステン 900 650 1400
クロム・炭素 1000 700 2000
硬さHv 加熱温度℃ 加熱後の硬度Hv
ニッケル・リン 600 400 1000
ニッケル・タングステン 700 600 1400
コバルト・タングステン 800 650 1300
ニッケル・ホウ素 750 400 1250
鉄・タングステン 900 650 1400
クロム・炭素 1000 700 2000
図9に示す本発明の実施例2において、前記実施例1と主に異なる点は、最表面メッキ層をCBN砥粒14よりも微細な微細CBN砥粒32(試験では平均粒径0.98μmのものを使用。)が分散保持された最表面メッキ層33(ニッケルメッキ)とした点にある。
仮着メッキ層16と埋込メッキ層20と最表面メッキ層33とで固定メッキ層30を形成し、固定メッキ層30とCBN砥粒群15とで装甲層31を形成している。
仮着メッキ層16と埋込メッキ層20と最表面メッキ層33とで固定メッキ層30を形成し、固定メッキ層30とCBN砥粒群15とで装甲層31を形成している。
微細CBN砥粒32が分散保持されている最表面メッキ層33の表面硬度がより一層高められ、また、熱伝導率・熱拡散性も向上するので、固定メッキ層18の減り速度が少なくなり耐久性が大きく向上し、かつ、微細CBN砥粒32によるすくい面3の摩擦が増大するので、切屑21のすくい面3側の摩擦温度がより上昇し、よって切屑21のカールがより小さくなって切屑のより短い段階でのせん断22を実現する。
また、微細CBN砥粒32が分散保持さている最表面メッキ層33は硬度が高くなるので、耐摩耗性・耐久性の向上とCBN砥粒14の保持力の向上を実現するものである。この微細CBN砥粒32の分散は最表面メッキ層33の熱伝導性を高めるので、その摩耗性・耐久性の向上との相乗効果によってCBN砥粒14への切削負荷を軽減することになるので、CBN砥粒14の摩耗の少ない、すなわち耐久性が高くかつ高速切削にも対応可能な切削タップを実現している。
また、微細CBN砥粒32が分散保持さている最表面メッキ層33は硬度が高くなるので、耐摩耗性・耐久性の向上とCBN砥粒14の保持力の向上を実現するものである。この微細CBN砥粒32の分散は最表面メッキ層33の熱伝導性を高めるので、その摩耗性・耐久性の向上との相乗効果によってCBN砥粒14への切削負荷を軽減することになるので、CBN砥粒14の摩耗の少ない、すなわち耐久性が高くかつ高速切削にも対応可能な切削タップを実現している。
微細CBN砥粒19の最表面メッキ層17の混合量、分散量、粒径は、被切削材料の材質、工具の用途などによって最適な摩擦係数が得られるように調整される。
その製法は、最表面メッキ層17のメッキ時に、電着埋込メッキ槽29内に予め金属メッキ(ニッケルメッキ)が施された微細CBN砥粒32(例えば、#5000(2μm〜4μm、平均粒径3.05μm)又は#15000(0.5μm〜2μm、平均粒径1.02μm))、あるいは#5000と#15000の混合したものを浮遊させて、微細CBN砥粒32も同時にメッキする。
尚、微細CBN砥粒32が微細すぎて金属メッキが施せない場合は、例えば、金属メッキが施せる最少粒度の微細CBN砥粒に金属メッキを施し、その処理後に粉砕して微細CBN砥粒32を得るようにする。
尚、微細CBN砥粒32が微細すぎて金属メッキが施せない場合は、例えば、金属メッキが施せる最少粒度の微細CBN砥粒に金属メッキを施し、その処理後に粉砕して微細CBN砥粒32を得るようにする。
図10に示す本発明の実施例3において、前記実施例1と主に異なる点は、電着仮着メッキ槽27内に予め金属メッキ(ニッケルメッキ)が施された微細CBN砥粒32(例えば、#5000(2μm〜4μm、平均粒径3.05μm)又は#15000(0.5μm〜2μm、平均粒径1.02μm))を多数浮遊させておいて、微細CBN砥粒32も同時にメッキして、微細CBN砥粒32が分散保持された最表面メッキ層34を形成するようにしたものである。
最表面メッキ層34が固定メッキ層となっていて、固定メッキ層(最表面メッキ層34)とCBN砥粒群15とで装甲層36を形成する。
これによれば、仮着メッキ層、埋込メッキ層を形成する工程(図6の(b)、(c)の工程)が行われないのでコストダウンが図れる。
最表面メッキ層34が固定メッキ層となっていて、固定メッキ層(最表面メッキ層34)とCBN砥粒群15とで装甲層36を形成する。
これによれば、仮着メッキ層、埋込メッキ層を形成する工程(図6の(b)、(c)の工程)が行われないのでコストダウンが図れる。
メッキ層内に予め金属メッキがほどこされた微細CBN砥粒32を多数沈殿させ、その後メッキ液を撹拌して、微細CBN砥粒32を浮遊させた状態下でメッキを行うのもよい。
図11に示す本発明の実施例4において、前記実施例3と主に異なる点は、シャンク部2をメッキ液に浸漬せずねじ切削形成部8のみをメッキ液に浸漬してメッキ処理するようにした点にある。
マスキング25を施す工程および取り除く工程をなくすことができコストの軽減となる。
マスキング25を施す工程および取り除く工程をなくすことができコストの軽減となる。
前記実施例1〜3にあっては、電解メッキ(電着メッキ)によって、下地メッキ層、固定メッキ層を形成するようにしているが、浴中の金属イオンを還元剤によって還元し金属として析出させる無電解メッキ(化学メッキ)により、各メッキ層を形成するようにしてもよい。特に無電解ニッケルメッキは、耐摩耗性や耐食性に優れ硬度が上げられるので、特に最表面メッキ層に適用して好適である。
本発明は、タップを製造する産業、使用する産業で利用される。
1:CBN装甲切削タップ、
2:シャンク部、
3:すくい面、
4:逃げ面、
5:切れ刃、
6:食付き部、
6a、6b、6c:食付き刃、
7:完全山部、
7a、7b:完全山刃、
8:ねじ切削形成部、
9:切屑排出溝、
10:装甲層、
11:台金、
13:下地メッキ層、
14:CBN砥粒、
15:CBN砥粒群、
16:仮着メッキ層、
17:最表面メッキ層、
18:固定メッキ層、
20:埋込メッキ層、
21:切屑、
22:せん断、
23:切屑、
25:マスキング、
26:ニッケル棒、
27:電着仮着メッキ槽、
28:支持容器、
29:電着埋込メッキ槽、
30:固定メッキ層、
31:装甲層、
32:微細CBN砥粒、
33:最表面メッキ層、
34:最表面メッキ層、
36:装甲層。
2:シャンク部、
3:すくい面、
4:逃げ面、
5:切れ刃、
6:食付き部、
6a、6b、6c:食付き刃、
7:完全山部、
7a、7b:完全山刃、
8:ねじ切削形成部、
9:切屑排出溝、
10:装甲層、
11:台金、
13:下地メッキ層、
14:CBN砥粒、
15:CBN砥粒群、
16:仮着メッキ層、
17:最表面メッキ層、
18:固定メッキ層、
20:埋込メッキ層、
21:切屑、
22:せん断、
23:切屑、
25:マスキング、
26:ニッケル棒、
27:電着仮着メッキ槽、
28:支持容器、
29:電着埋込メッキ槽、
30:固定メッキ層、
31:装甲層、
32:微細CBN砥粒、
33:最表面メッキ層、
34:最表面メッキ層、
36:装甲層。
Claims (10)
- すくい面と逃げ面で作る稜である切れ刃が形成さている食付き部あるいは食付き部と完全山部とからなるねじ切削形成部を有する切削タップであって、
前記ねじ切削形成部を直接的に覆うようにあるいは該ねじ切削形成部に被覆した下地メッキ層を介して覆うように設けられた、粒度が#1500(平均粒径10.16μm)以下のCBN砥粒(立方晶窒化ホウ素砥粒)の一層形態からなるCBN砥粒群と、
このCBN砥粒群を固定している、層厚が前記CBN砥粒群の層厚の80%〜120%の電解メッキ層あるいは無電解メッキ層からなる固定メッキ層と、
前記CBN砥粒群と前記固定メッキ層からなる装甲層と、を備えたことを特徴とするCBN装甲切削タップ。 - 前記固定メッキ層の層厚が前記CBN砥粒群の層厚の100%〜120%であることを特徴とする請求項1記載のCBN装甲切削タップ。
- 前記ねじ切削形成部の表面に前記下地メッキ層を形成した後、前記CBN砥粒群を仮着した仮着メッキ層を形成し、その後前記CBN砥粒群を固定する該CBN砥粒群の60%〜90%を前記仮着メッキ層とで埋込形態とする埋込メッキ層を形成し、その後前記最表面メッキ層を形成し、前記仮着メッキ層と前記埋込メッキ層と前記最表面メッキ層とで前記固定メッキ層を形成してなることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載のCBN装甲切削タップ。
- 前記CBN砥粒群を構成する前記CBN砥粒の粒度が#2000(平均粒径7.62μm)以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のCBN装甲切削タップ。
- 前記最表面メッキ層に、前記CBN砥粒よりも微細な微細CBN砥粒が分散保持されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のCBN装甲切削タップ。
- すくい面と逃げ面で作る稜である切れ刃が形成さている食付き部および完全山部とからなるねじ切削形成部を有する切削タップの、前記ねじ切削形成部に直接的に覆うようにあるいは該ねじ切削形成部に被覆した下地メッキ層を介して覆うように設けられた、#1500(平均粒径10.16μm)以下のCBN砥粒(立方晶窒化ホウ素砥粒)の一層形態からなるCBN砥粒群を支持し、
前記CBN砥粒群の層厚の80%〜120%の層厚の電解メッキ層あるいは無電解メッキ層からなる固定メッキ層で前記CBN砥粒群を固定して、前記CBN砥粒群と前記固定メッキ層からなる装甲層を形成することを特徴とするCBN装甲切削タップの製造方法。 - 前記固定メッキ層の層厚が前記CBN砥粒群の層厚の100%〜120%であることを特徴とする請求項6記載のCBN装甲切削タップの製造方法。
- 前記ねじ切削形成部の表面に前記下地メッキ層を形成した後、前記CBN砥粒群を仮着した仮着メッキ層を形成し、その後前記CBN砥粒群を固定する該CBN砥粒群の60%〜90%を前記仮着メッキ層とで埋込形態とする埋込メッキ層を形成し、その後前記最表面メッキ層を形成し、前記仮着メッキ層と前記埋込メッキ層と前記最表面メッキ層とで前記固定メッキ層を形成してなることを特徴とする請求項7、8いずれか1項に記載のCBN装甲切削タップの製造方法。
- 前記CBN砥粒の粒度が#2000(平均粒径7.62μm)以下であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のCBN装甲切削タップの製造方法。
- 前記最表面メッキ層の形成時に、メッキ槽内に予め浮遊された粒度が前記CBN砥粒よりも微細な微細CBN砥粒が、前記最表面メッキ層に分散保持されるようにしたことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載のCBN装甲切削タップの製造方法。
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