以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る遊技台(例えば、スロットマシン100等の回胴遊技機やパチンコ機等の弾球遊技機)について詳細に説明する。
<全体構成>
まず、図1乃至図2を用いて、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。図2は、図1のスロットマシン100における前面扉102を開放した状態を示す正面図である。
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な扉部である前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
音孔159はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
図2において本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板(後述する主制御部300)を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110〜112が配置されている。主制御基板収納ケース210およびリール110〜112の側方、すなわち向って左側の側面板260には、内部に副制御基板(後述する副制御部400)を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
さらに、この外部集中端子板248近傍にはスロットマシン100における遊技に関する制御等の設定を変更するための設定キースイッチ230が設けられている。設定キースイッチ230は、所定の設定キー(図示省略)を差し込んで回転することにより電気的にON/OFFするキースイッチである。具体的には、設定キースイッチ230に所定の設定キーを差し込んで右回転すると、設定キースイッチ230に設けられている設定キーセンサ335がON状態を検出してCPU310にオンレベルの信号を出力し、左回転すると、設定キーセンサ335がOFF状態を検出てCPU310にオフレベルの信号を出力する。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケット20に溜まったメダルを払出す装置としてのホッパー)が配設され、このメダル払出装置180の上方、すなわちリール110〜112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源スイッチ244は、電源装置252と電気的に接続されたトグルスイッチである。この電源スイッチ244によりスロットマシン100の電源投入(電源ON)又は電源遮断(電源OFFまたは電断)を行うことができる。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、副制御部400等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード254を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード254が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して開閉自在に蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、および、この演出装置160を制御する演出制御基板(後述する副制御部400、図示省略)、上部スピーカ272、を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過するキャンセルシュート266、および、投入されたメダルをメダル払出装置180のバケット20に案内する通路171や、スロットマシン100に対する不正行為(例えば、メダルの投入または払出しに関する不正行為)による異常を検知することによって遊技の進行を不能動化された状態を解除するための解除操作手段であるリセットボタン291(図9(b)参照)を備えた扉中継基板290等を設けている。かかるメダルセレクタ170は、前面扉102の背面におけるメダル投入口141の下方に固定されている。さらに、音孔159に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。また、メダルセレクタ170のヒンジ装置276の反対側の側方(図の左側)には、閉じた前面扉102をロック(施錠)するための施錠部280を設けている。さらに、施錠部280には、前面扉102が開錠されたこと、すなわち前面扉102の開状態を検出する扉センサ(ドアオープンセンサ)や、ドアキー孔140に鍵を挿入して行うリセット操作(以下、これを扉リセットキー操作とも称する)を検出してスロットマシン100をリセットするための扉リセットセンサ(リセットセンサ)等の扉部検出手段を覆うようにリセットセンサカバー282が設けられ、不正を防止するようになっている。なお、扉中継基板290、ドアオープンセンサおよび扉リセットセンサの詳細については後述する。
ここで、設定変更の操作手順を説明する。設定キースイッチ230に設定キー(図示省略)を挿入して右回し(設定キーOFF→ON)をし、電源スイッチ244を電源遮断状態(電源OFF)から電源投入状態(電源ON)とすることにより設定変更が有効となり、設定変更スイッチ292を押下する毎に遊技モード(設定または、設定値とも言う)が1〜6まで順番に変わり、所定の遊技モードに設定することができる。なお、設定キーにより設定キースイッチ230を左回し(設定キーON→OFF)にすると、その時に設定されていた遊技モードが当該遊技台の遊技モードに決定される。
なお、設定キースイッチ230は、キースイッチに限定されず他のスイッチを用いても好ましい。また、電源スイッチ244は、トグルスイッチに限定されず、例えば、プッシュスイッチ等を用いてもよい。
<制御部>
次に、図3および図4を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分の制御、すなわち、スロットマシン100の遊技進行に関する処理を実行する主制御部300と、主制御部300より送信された信号(制御コマンド)に応じて各種機器を制御、すなわち、演出に関する処理を実行する副制御部400と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、図3を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。なお、同図は主制御部300の回路ブロック図を示したものである。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバスおよびアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、センサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを8MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを47に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
さらに、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。なお、本実施形態の場合、RAM313にコンデンサ318を設け、RAM313に保存する一時的なデータのバックアップを取るようにしてもよい。
また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル投入センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、第1および第2のメダル払出しセンサ326a、326b、電源判定回路327、リセットボタンセンサ328、設定変更ボタンセンサ329、ドアオープンセンサ333、リセットセンサ334、および、設定キーセンサ335の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル投入センサ320は、メダル投入口141の内部の通路に設置されており、メダル投入口141に投入されたメダルを検出するためのセンサである。スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137〜139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入のためのベットボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM313に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作、換言すれば、いずれかのベットボタン130〜132が押下された場合、どのベットボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算スイッチセンサ324は、精算ボタン134に設けられており、精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルおよびベットされているメダルを精算する。第1および第2のメダル払出しセンサ326a、326bは、メダル払出装置180に設けられており、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。電源判定回路327は、スロットマシン100に供給される電源の遮断を検出するための回路である。リセットボタンセンサ328は、扉中継基板290に設けられており、扉中継基板290のリセットボタン291が押下されたか否かを検出するためのセンサである。設定変更ボタンセンサ329は、扉中継基板290の設定変更ボタン292が押下されたか否かを検出するためのセンサである。扉部検出手段の一つであるドアオープンセンサ333は、前面扉102の開状態(すなわち、開放状態)を検知するためのセンサであり、前面扉102の開放を検知した場合にその旨を音、液晶などの制御をしている副制御部400に伝えて、音声や映像により前面扉102が開放している旨を報知するようになっている。また、扉部検出手段の一つであるリセットセンサ334は、ドアキー孔140に鍵が差し込まれて、左回りに回動することにより、エラー状態を解除(リセット)するための検知片を検知するためのセンサである。なお、このとき、リセットセンサ334は、ドアキー孔140に鍵が差し込まれて、右回りに回動することにより、エラー状態を解除するようにしてもよい。設定変更キーセンサ335は、設定キースイッチ230による設定変更操作が行われたか否かを検知するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。また、ドアオープンセンサ333およびリセットセンサ334の詳細については後述する。
CPU310には、更に、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リール110〜112に設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにハイレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、メダル払出装置180(ホッパー)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、遊技開始ランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、リールパネルランプ128、遊技メダル投入ランプ129等)と、7セグメント(SEG)表示器341(貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127等)、および後述する外部集中端子板248が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311および水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。
さらに、CPU310には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力するリセット信号出力回路としての起動信号出力回路338がデータバスを介して接続されている。
CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<副制御部>
次に、図4を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。なお、同図は副制御部400の回路ブロック図を示したものである。
副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバスおよびアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令およびデータ、ライン表示LEDの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
さらに、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、図柄表示窓113の外枠に配設され、点滅や点灯などの点灯制御によって有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED420、RAM413に記憶されている情報を初期化するリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を遊技店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。すなわち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ164、払出口ストロボ156を制御する。タイトルパネルランプ164は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ156は、メダル払い出し口155の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410は、扉・液晶画面制御部490への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。扉・液晶画面制御部490は、液晶表示装置157および扉装置163を制御する制御部である。
<図柄配列>
ここで、図5(a)を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では8種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「リプレイ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「スイカ」の図柄、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図5(b)を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示している。
本実施形態における入賞役のうち、ビッグボーナス(BB1、BB2)および、レギュラーボーナス(RB)はボーナス遊技に移行する役として、また、再遊技(リプレイ)は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、再遊技への入賞が含まれる。
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB1、BB2)と、レギュラーボーナス(RB)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)と、再遊技(リプレイ)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
「ビッグボーナス(BB1、BB2)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、BB1が「白7−白7−白7」、BB2が「青7−青7−青7」である。また、BB1、BB2についてはフラグ持越しを行う。すなわち、BB1、BB2に内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBB1、BB2に入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBB1、BB2に内部当選中となり、BB1に対応する図柄組み合わせ「白7−白7−白7」、BB2に対応する図柄組み合わせ「青7−青7−青7」が、揃って入賞する状態にある。
「レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ボーナス−ボーナス−ボーナス」である。なお、RBについても上述のBBと同様にフラグ持越しを行う。但し、(詳細は後述するが)ビッグボーナス遊技(BB遊技)においては、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)が内部当選することや、図柄組み合わせが入賞ライン上に表示されること、を開始条件とせずに、ビッグボーナス遊技の開始後からレギュラーボーナス遊技を開始し、1回のレギュラーボーナス遊技を終了した場合には次のレギュラーボーナス遊技をすぐに開始するような自動的にレギュラーボーナス遊技を開始させる設定としてもよい。 「小役(チェリー、スイカ、ベル)」(以下、単に、「チェリー」、「スイカ」、「ベル」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、チェリーが「チェリー−ANY−ANY」、スイカが「スイカ−スイカ−スイカ」、ベルが「ベル−ベル−ベル」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「チェリー−ANY−ANY」の場合、左リール110の図柄が「チェリー」であればよく、中リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」である。
<遊技状態の種類>
次に、スロットマシン100の遊技状態の種類について説明する。遊技状態とは、抽選などにおいて選択する抽選データの種別を識別するための情報である。本実施形態では、スロットマシン100の遊技状態は、通常遊技と、BB遊技と、RB遊技と、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技と、に大別した。但し、内部当選遊技は、通常遊技に含まれる区分けであってもよい。
<通常遊技>
通常遊技に内部当選する入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、レギュラーボーナス(RB)と、再遊技(リプレイ)と、小役(チェリー、スイカ、ベル)がある。
「ビッグボーナス(BB)」は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。レギュラーボーナス(RB)」は、入賞によりレギュラーボーナス遊技(RB遊技)を開始する特殊役(作動役)である。「再遊技(リプレイ)」は、入賞により次回の遊技でメダルの投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出も行われない。「小役」は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役である。なお、各々の役の内部当選確率は、通常遊技に用意された抽選データから、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(例えば65535)で除した値で求められる。通常遊技に用意された抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、何れの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部抽選役を決定する。この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
通常遊技は、内部抽選の結果が概ねハズレ(ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、再遊技(リプレイ)および小役に当選していない)となる設定、または、停止表示結果がいずれの役の図柄組合せに該当しないハズレの停止表示結果が概ね導出される設定がされており、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数に満たない遊技状態になっている。よって、遊技者にとっては不利益となる遊技状態である。但し、予め定めた条件を満たした場合(例えば、特定の図柄組み合わせが表示された場合)には、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせてもよい遊技状態であり、この場合、遊技に用いられるメダルの消費が抑えられ、小役の入賞によって所定数のメダルが払い出されることにより、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態になり、遊技者にとっては利益となる遊技状態になる場合がある。
<BB遊技>
BB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、BB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。BB遊技は、本実施形態では、ビッグボーナス(BB)の入賞により開始され、RB遊技(後述する)を連続して繰り返し実行可能になっており、遊技中に予め定められた一の数(例えば、465枚)を超えるメダルが獲得された場合に終了する。但し、BB遊技はRB遊技を複数回数実行可能であればよく、例えば、RB遊技を開始する役(図柄組み合わせは例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイ)を設定し、この役が内部当選した場合、または、入賞した場合に、RB遊技を開始するように設定してもよい。さらには、BB遊技は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
<RB遊技>
RB遊技は、遊技者にとっては利益となる遊技状態になるように設定されている。つまり、RB遊技は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数を超える遊技状態となる。RB遊技は、本実施形態では、レギュラーボーナス(RB)の入賞により開始され、予め定めた一の役が内部当選の確率を上昇させる変動(例えば、「設定1」「通常遊技」に設定された「小役1」の内部当選確率1/15を、予め定めた一の値である内部当選確率1/1.2に上昇させる)をし、予め定めた一の数(例えば、8回)の入賞があった場合に終了する。RB遊技は、予め定めた回数(少なくとも2回)の入賞があった場合(例えば、8回)、または、RB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、8回)に終了するようにしてもよい。上述したBB遊技は、RB遊技を複数回数実行可能であるので、一回のRB遊技を行った場合には、BB遊技で得られるメダルの総数よりも少ないメダル数を獲得して終了することとなる。
<ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技>
ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)の内部当選遊技に内部当選する入賞役には、再遊技(リプレイ)と、小役がある。ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)は内部当選することはなく、ビッグボーナス(BB)かレギュラーボーナス(RB)に対応する図柄組み合わせを入賞させることが可能となっている遊技状態である。
但し、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)に内部当選した次遊技から、再遊技の内部当選の確率を変動させてもよく、例えば、再遊技の内部当選の確率を上昇させる変動をさせて、ビッグボーナス(BB)およびレギュラーボーナス(RB)対応する図柄組み合わせが入賞するまでの間は、獲得するメダルの総数が、投入したメダルの総数とほぼ同じとなる遊技状態とし、通常遊技と比べると遊技者にとっては利益となる遊技状態としてもよい。なお、BB遊技、RB遊技は両者とも遊技者にとって利益となる遊技状態であるため、総じて、ボーナス遊技、または、特別遊技と称する場合がある。
<外部装置との接続>
次に図6を用いて、スロットマシン100と、外部装置との接続について説明する。なお図6は、スロットマシン100と、スロットマシン100に接続される外部装置としての情報収集装置550の構成を示した概略構成図である。
スロットマシン100の主制御部300は、主基板300aとモータ駆動基板300bとの2つの基板を備える。そして、これら2つの基板を、メダルの投入枚数を「メダル投入信号」として伝達するための信号線と、メダルの払出枚数を「メダル払出信号」として伝達するための信号線と、遊技の状態(すなわち、RB中(BB中のRBを含む)、BB1、BB2、RB中(BB中のRBを含まず)など)を「外部信号1〜4」として伝達するための信号線からなる6本のパラレル信号線や、複数種類の遊技情報を1つの「状態複合信号(以下、これをセキュリティ信号と称する)」として伝達する1本のシリアル信号線などにより接続する。詳細は後述するが、シリアル信号線によって伝達する「セキュリティ信号(外部信号5)」は、「ドア開放信号」と、「設定変更信号」と、「扉リセット信号」と、「リセットボタン信号」と、「投入エラー信号」と、「払出エラー信号」と、「電源信号(予備信号)」の7種類の信号を含んで構成する。
主制御部300の主基板300aには、上述のメダル投入センサ320、設定変更ボタンセンサ329、リセットセンサ334、リセットボタンセンサ328やドアオープンセンサ333を接続するほか、電源基板460との間に、スロットマシン100の各遊技装置に供給する電源電圧の低下を検知するための電圧低下信号を伝達する電圧低下信号線を接続する。
スロットマシン100は、さらに外部集中端子板248を備える。そして、この外部集中端子板248と、主制御部300のモータ駆動基板300bを6本のパラレル信号線と1本のシリアル信号線で接続すると共に、外部集中端子板248に入力するパラレル信号(メダル投入信号、メダル払出信号、外部信号1〜4)とシリアル信号(外部信号5)をスロットマシン100の外部に出力可能に構成する。これにより、外部集中端子板248を、遊技店などに設置される情報収集装置550(例えば、ホールコンピュータ)に接続することで、スロットマシン100の遊技情報を各種信号として外部に出力することを可能としている。
また、外部集中端子板248は、情報収集装置550の情報受信装置550aに接続される。情報受信装置550aは、6本のパラレル信号線やリレーコモン線によって接続されるほか、1本のシリアル信号線によって外部集中端子板248に接続される。このとき、1本のシリアル信号線は、外部集中端子板248に入力するセキュリティ信号としての外部信号5に基づいて生成されるドア開放信号、設定変更信号、扉リセット信号、リセットボタン信号、投入エラー信号、払出エラー信号、電源信号(予備信号)の7種の信号を伝達する。
なお、外部集中端子板248と情報受信装置550aとの間に図示省略する情報提供端子板を設け、外部集中端子板248から入力するセキュリティ信号(シリアル信号)をパルス変換回路やドライブ回路によりドア開放信号、設定変更信号、扉リセット信号、リセットボタン信号、投入エラー信号、払出エラー信号、電源信号からなるパラレル信号に変換して、情報収集装置550の情報受信装置550aに出力するようにしてもよい。
<外部集中端子板の内部回路構成>
図7は、外部集中端子板248の内部回路構成を示した図である。外部集中端子板248は、信号入力回路452と、信号伝達回路454と、信号出力回路456からなる。信号入力回路452(例えば、コネクタ)は10個の入力端子1〜10を備え、入力端子1にはモータ駆動基板300bのシリアル信号線を、入力端子2〜7にはモータ駆動基板300bのパラレル信号線を、入力端子8〜10には+24v電源をそれぞれ接続する。信号伝達回路454は、発光ダイオード454aや、電磁コイルと機械式スイッチを有するリレー454bなどを備える。信号出力回路456(例えば、コネクタ)は8個の出力端子1〜8を備え、出力端子6には情報受信端子板550aのリレーコモン信号線を、出力端子1〜5、7には情報受信端子板550aのパラレル信号線を、出力端子8には情報受信端子板550aのシリアル信号線をそれぞれ接続する。
信号入力回路452の入力端子1〜7にローレベルの信号が入力すると、発光ダイオード454aが点灯すると共に、リレー454bの電磁コイルが作動して機械式スイッチをオン状態(閉状態)にする。これにより、外部集中端子板248は、オン状態となったリレー454bに対応する信号出力回路456の出力端子1〜5、7、8からローレベルの信号を出力する。一方、信号入力回路452の入力端子1〜7にハイレベルの信号が入力すると、発光ダイオード454aが消灯すると共に、リレー454bの電磁コイルの作動が停止して機械式スイッチをオフ状態(開状態)にする。これにより、外部集中端子板248は、オフ状態となったリレー454bに対応する信号出力回路456の出力端子1〜5、7、8からリレーコモン信号線によって供給されるハイレベルの信号を出力する。
<メダルセレクタ>
次に、図8を用いて、スロットマシン100におけるメダルセレクタ170について詳細に説明する。なお、図8は、スロットマシン100におけるメダルセレクタ170を示し、(a)、(b)、(d)は、それぞれ異なる方向から見て示すメダルセレクタ170の斜視図である。(c)は、メダルセレクタ170のメダル投入センサ320のうちの一つであるセンサユニット175を拡大して示す断面図である。
図8(a)に示すように、メダルセレクタ170は、メダル投入口141(図1参照)に投入されたメダルM(図8(c)参照)が落下して直接メダルセレクタ170内に進入するように構成されている。メダルセレクタ170には、図8(a)の右側に向けて低くなる斜面が設けられており、メダル投入口141から投入されたメダルMは、この斜面に沿って転動しながら各種センサ等によって適正なメダルであるか否かを検査されるようになっている。
投入されたメダルMが適正なメダルMである場合、CPU310は、メダルMをそのまま右方に向けて転動させ、樋状に形成された案内部材としての通路171を通してメダル払出装置180のバケット20内にメダルMを投入する。このとき、メダルMが、メダル投入センサ320の一つである第1のセンサユニット175を通過することにより、CPU310は適正なメダルMが投入されたことを検出し得るようになっている。この第1のセンサユニット175は、図8(c)に示すように、転動するメダルMを挟むように対峙する一対の受光素子175aおよび発行素子175bと、受光素子175cおよび発行素子175dとが、メダルMの進行方向に沿って2組設けられることにより構成されている。なお、以下、受光素子175aおよび発行素子175bと、受光素子175cおよび発行素子175dとを便宜上、第1のセンサユニットと称す場合がある。また、図8(b)、(d)に示すように、通路171にはメダル投入センサ320の一つである第2のセンサユニット176が設けられている。かかる第2のセンサユニット176は、通路171を通過するメダルMの上下方向に一対の受光素子176aと発行素子176b(受光素子176bと発行素子176aでもよい)を設けている。この第2のセンサユニット176は、一端側に検出片177aを形成し、他端側の端部177bが連結部材178に固定された第1アーム部177と、一端側の端部179aが通路171に突出し、他端側の端部179bが連結部材178に固定された第2アーム部179とを備えている。このとき、第1および第2アーム部177、179は、連結部材178に対して所定角度をもって固定されている。そして、通路171を適正なメダルMが通過する際、第2アーム部179の端部179aを乗り越えることに伴って、突出した端部179aが押下され、第2アーム部179が揺動する。すると、この揺動が連結部材178を介して第1アーム部177に伝達され、当該第1アーム部177の一端側に形成された検出片177aが、一対の受光素子176aと発行素子176bとの間に介在されるため、メダルMの通過を検出する。これにより、主制御部300のCPU310は、適正なメダルMが投入されたことを検出し得るようになっている。
一方、投入されたメダルMが不正なメダルMである場合、CPU310は、駆動回路324(図3参照)によりメダルセレクタ170のソレノイドを駆動してメダルMを下方に落下させ、キャンセルシュート266内(図2参照)に排出する。そして、キャンセルシュート266内に進入した不正なメダルMは、そのままキャンセルシュート266に沿って落下し、メダル払出口155(図1参照)からメダル受皿161に排出される。メダルセレクタ170の下側部分は、セレクタフレーム172によって図8(a)の奥側および左右両側を覆われると共に、セレクタカバー173によって同図の手前側を覆われているため、ソレノイドにより落下させた不正なメダルMは、キャンセルシュート266以外の部分には進入しないようになっている。なお、このセレクタカバー173は、メダルセレクタ170内部の清掃を容易にするために、開閉可能に設けられている。また、メダルセレクタ170は、前面扉102(図2参照)の背面に取り付けられたセレクタホルダ174によって、当該前面扉102の背面に対し、着脱可能に保持されるようになっている。このように、メダルセレクタ170を前面扉102から容易に着脱可能にすることで、メンテナンス性を向上させることができる。
本実施形態では、主制御部300のCPU310は、メダルセレクタ170における適正メダルMのカウントに関する異常(エラー)をメダル投入センサ320によって検出した場合(例えば、第1および第2のセンサユニット175a〜175dからの信号に基づいて異常を検出した場合)、制御状態をエラー状態にすると共に、エラー報知を行う。具体的には、遊技の進行を不能動化させた(すなわち、遊技を継続不可能なエラー状態に制御状態を変更した)上で、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、遊技開始ランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、リールパネルランプ128、遊技メダル投入ランプ129等)や、7SEG表示器341(具体的には、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127等)、液晶表示装置157、スピーカ483などの報知手段を少なくとも1つ使用してエラー状態であることを周囲に報知すると共に、外部集中端子板248を介して外部のホールコンピュータ等の情報入力回路(例えば、情報受信端子板550a)にエラー情報を送信する。従って、遊技店の店員は、エラー報知によりスロットマシン100がエラー状態になったことを知ることができる。勿論、エラー状態の報知は、上述した報知手段を1つ選択して行ってもよく、複数選択して行ってもよく、全て利用して行ってもよい。かかる報知手段の選択は、適宜、変更可能であることは言うまでもない。
このとき、エラー状態の解除に関する操作(以下、これをエラー解除操作と称す)は、後述する扉中継基板290のリセットボタン291や、施錠部280の操作によって行うようになっている。とりわけ、本実施形態の場合、CPU310は、リセットボタン291によって遊技の進行が不能動化されたエラー状態を解除した後であっても、スロットマシン100に対する電源の供給が断たれる(電断される)まで、このスロットマシン100がエラー状態であること(エラーの発生)を継続して報知するように、上述した各種報知手段を制御するようになっている。このため、スロットマシン100に対して不正行為を行うことにより、当該スロットマシン100がエラー状態になった場合、エラー状態自体はリセットボタン291を操作することによって解除することができるものの、当該エラー状態であることの報知は、電断されるまで継続して実行される。従って、不正行為を行うことでエラー状態になったことを解除したとしても電断されるまで、このエラー状態であることの報知が継続して実行されることとなる。すなわち、所謂ゴト師のように不正を行う不正行為者が、エラー解除のことまで周知した上で不正行為を行ったとしても、エラー状態であることが電断されるまで継続して報知されるため、当該不正行為の後に不正の証拠を消す行為を行ったとしても、その間に発見される可能性が格段と向上されることとなる。このように、本実施形態のスロットマシン100においては、簡素な構成によって、スロットマシン100に対して繰り返し実行される不正行為(不正の証拠を消す行為を含む)の間隔を延長させることができ、当該不正行為を発見し易くすることができるようになっている。
また、本実施形態の場合、主制御部300のCPU310による制御によって、異常の発生(エラー検出)から予め定めた期間(例えば、6秒間)においては、扉中継基板290によるエラー解除操作(換言すれば、遊技の進行が不能動化された状態を解除する操作)ができないようになっている。このため、例えば、スロットマシン100が不正行為によってエラー状態になった場合、当該エラー状態を解除するためのエラー解除操作を所定時間経過しない限り実行することができないことから、エラー状態を確実に報知することができ、スロットマシン100の周囲の人や、遊技店の店員などに知らしめることができるようになっている。これにより、スロットマシン100では、エラー状態を引き起こす不正行為を未然に防止することができるようになっている。
さらに、本実施形態の場合、上述した報知手段としての遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、遊技開始ランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、リールパネルランプ128、遊技メダル投入ランプ129等)や、7SEG表示器341(具体的には、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127等)、液晶表示装置157、スピーカ483などは、主制御部300のCPU310によって、スロットマシン100に対して電源の供給が開始される電源投入時に、当該電源が投入されたことを、例えば、音声出力やランプ点滅などによって報知するように制御されている。これにより、電源を投入する行為を一段と目立たせることができる。従って、不正行為者が継続したエラー報知を停止させるためにスロットマシン100を意図的に電断状態にした場合、その後の電源の投入時に、当該電源の投入を報知することで電源投入行為を格段と目立たせることができ、このような不正行為者による電源投入を発見し易くすることができるようになっている。かくして、不正行為を未然に防止することができるようになっている。
<施錠部および扉中継基板>
続いて、図9を用いてスロットマシン100における施錠部280と、解除操作手段としての扉中継基板290について詳細に説明する。なお、図9は、図2のスロットマシン100における要部を拡大して示し、(a)は、施錠部280を示す要部拡大図である。(b)は、扉中継基板290を示す要部拡大図である。
図9(a)に示すように、施錠部280は、スロットマシン100の前面扉102背面における、メダルセレクタ170およびセレクタカバー173と、該メダルセレクタ170下方のキャンセルシュート266等のヒンジ装置276(図2参照)の反対側(図の左側)に配置され、ドアキー孔140(図1参照)に挿入された鍵(図示省略する)の操作によって前面扉102を施錠または開錠するものである。また、施錠部280は、例えばメダルセレクタ170等のスロットマシン100内部の装置にエラー(異常)が発生した場合に、ドアキー孔140に挿入された鍵の操作によってスロットマシン100をリセットすることができるように構成されている。
図9(a)に示されるように、施錠部280は、前面扉102における図の左端部からやや内側に設けられた錠装置281と、前面扉102における図の左端部側に設けられた第1可動部材283と、前面扉102における図の左端部の下側に設けられたドアオープンセンサ333と、前面扉102における図の左端部側において第1可動部材283に重ねて設けられた第2可動部材284と、前面扉102における図の左端部の上側に設けられたリセットセンサ334と、ドアオープンセンサ333の下方に設けられた前面扉102と本体101とを係合するための係合部材286と等を含んで構成されている。ドアオープンセンサ333は、閉扉時にはL(OFF)で開放時にはH(ON)になるように構成されている。また、施錠部280のドアオープンセンサ333およびリセットセンサ334には、これらを覆うようにリセットセンサカバー282が設けられている。このリセットセンサカバー282は、施錠部280を前面扉102へと固定するボルトを用いて、施錠部280と一体に前面扉102に取り付けられている。
このリセットセンサカバー282は、メダル払出口155(図1参照)からキャンセルシュート266を介して、その上部開口部266aからスロットマシン100内に突出させた長尺の不正器具等によって、ドアオープンセンサ333やリセットセンサ334が不正に利用されることを未然に防止し得るようになっている。
錠装置281は、ドアキー孔140(図1参照)に挿入された鍵と共に回動部材285を回動(回転)させるように構成されている。回動部材285は、略V字状に構成されており、2つの先端部である操作片285aおよび285bを当接させて第1可動部材283および第2可動部材284を上下動させる。
第1可動部材283は、係合部材286を揺動させて前面扉102を施錠または開錠させるための部材であり、回動部材285の操作片285aの回動に伴って上下にスライド可能に設けられている。本実施形態では、錠装置281によって第1可動部材283が下方に押し下げられた場合に、係合部材286と本体101との係合が解除され、前面扉102が開錠されるようになっている。
ドアオープンセンサ333は、投光部と受光部からなるフォトインタラプタであり、前面扉102の開錠を検出するためのものである。第1可動部材283のドアオープンセンサ333の近傍には遮光片(図示省略する)が設けられており、ドアオープンセンサ333は、下方にスライドした第1可動部材283の遮光片によって光を遮られた場合に、前面扉102の開錠を検出する。また、ドアオープンセンサ333は、前面扉102の開状態(すなわち、開放可能な状態)を検知するためのセンサであり、当該開状態を検知した場合にその旨を音や、表示などの制御をしている副制御部400に伝えて、音声や映像により前面扉102が開放している旨を報知するようになっている。
第2可動部材284は、スロットマシン100にエラーが発生した場合にリセットするためのものであり、第1可動部材283と同様に回動部材285の操作片285bの回動に伴って上下にスライド可能に設けられている。第2可動部材284のリセットセンサ334の近傍には、遮光片(図示省略する)が設けられており、本実施形態では、錠装置281によって第2可動部材284が上方に押し上げられた場合に、リセットセンサ334が遮光片を検出するようになっている。主制御部300のCPU304は、リセットセンサ334が遮光片を検出したことを示す信号を、センサ回路320を介して受信した場合、スロットマシン100の制御状態を初期状態にリセットする。
リセットセンサ334は、ドアオープンセンサ333と同様のフォトインタラプタであり、上方にスライドした第2可動部材284の遮光片によって光を遮られた場合に、ドアキー孔140に挿入した鍵によりリセット操作が行われたことを検出する。
本実施形態では、このように、メダルセレクタ170および施錠部280を、ヒンジ装置276の反対側の前面扉102背面において互いに近接して配置している。このようにすることで、スロットマシン100内のスペースを効率的に利用することができる。また、施錠部280にリセット機能を持たせることにより、前面扉102を開かなくてもスロットマシン100をリセットすることを可能としている。
ただし、メダルセレクタ170に繋がるキャンセルシュート266は、メダル払出口155を介してスロットマシン100外部と連通しているため、本実施形態のように、キャンセルシュート266の近傍、特にキャンセルシュート266の上部開口部266aの近傍にリセットセンサ334を配置した場合、メダル払出口155から針金等の長尺の不正器具をキャンセルシュート266内に挿入して上部開口部266aから突出させて、リセットセンサ334にアクセスされる可能性がある。
すなわち、不正行為者がメダル払出口155からキャンセルシュート266内に挿入した長尺の不正器具をリセットセンサ334に検出させようとした場合、スロットマシン100がリセットされることとなるため、遊技店の店員が気付く前に不正行為により生じたエラー状態を解除されてしまう可能性がある。すなわち、不正行為を隠蔽することが可能となる場合がある。
このため、本実施形態では、ドアオープンセンサ333およびリセットセンサ334を覆うようにリセットセンサカバー282を設けることにより、メダル払出口155からキャンセルシュート266内を介して挿入された不正器具によるドアオープンセンサ333およびリセットセンサ334へのアクセスを制限し、不正行為の隠蔽を未然に防止し得るようにしている。
扉中継基板290は、上述したエラー検出により、遊技の進行が不能動化されたエラー状態を解除するための操作部であり、前面扉102の背面における図柄表示窓113下方に配設されている。
図9(b)に示すように、扉中継基板290は、かかるエラー状態を解除するためのリセットボタン291と、扉中継基板290における設定を変更するための設定変更ボタン292と、当該設定の状態を示す設定値表示器293と、ハーネス294とを備えている。リセットボタン291は、プッシュボタン式のスイッチであり、このリセットボタン291を押下(短期押下)することによりスロットマシン100のエラー解除を行うことができる。また、このリセットボタン291には、当該リセットボタン291が押下されたか否かを検出するためのリセットボタンセンサ328が設けられている。設定変更ボタン292も、リセットボタン291と同様なプッシュボタン式のスイッチである。この設定変更ボタン292による設定変更の操作手順については、後述する。
設定値表示器293は、7セグメントLED等の表示器である。この設定値表示器293は、設定変更ボタン292により設定された遊技モード1〜6を数字で表示することができる。なお、設定値表示器293は、設定キーを設定キースイッチ230に挿入して右回し(設定キーOFF→ON)をし、電源スイッチ244を電源遮断状態(電源OFF)から電源投入状態(電源ON)にすると、現在設定されている遊技モード(例えば、1)が数字で表示されるので、現在設定されている遊技モードの確認をするのに使用することができる。
ハーネス294は、複数のハーネスから構成されている。このハーネス294は、主制御部300(詳細は後述)、設定キースイッチ230、電源スイッチ244等に設けられたコネクタと電気的に接続されている。したがって、例えば、設定キーにより設定キースイッチ230が右回しされ、且つ電源が投入された場合には、それを後述する設定キーセンサ335にて検知して、設定変更ボタン292を有効にしたり、リセットボタン291の押下(長押し)に基づいて、主制御部300のRAM313(詳細は後述)のメモリを強制RAMクリアすることができる。
このように、本実施形態では、スロットマシン100のエラー状態を解除するための扉中継基板290を前面扉102の背面に配設するようにしたことにより、エラー状態解除のためにリセットボタン291を押下するために、前面扉102を開状態にして開放しなければならないように配慮した。従って、不正行為者が不正行為を隠蔽するためにリセットを行う更なる不正行為を行い難くすることができ、当該不正行為の隠蔽を未然に防止することができるようになっている。
<メダル払出装置の構成>
次に、図10および図11を参照して、メダル払出装置180の構成について詳細に説明する。なお、図10は、スロットマシン100におけるメダル払出装置180を拡大して示し、(a)は、メダル払出装置180の外観を示す斜視図であり、(b)は、メダル払出装置180の一部を欠截して示す断面斜視図である。また、図11は、メダル払出装置180の払出装置本体としてのバケット20を示し、(a)は、メダル払出装置180の払出装置本体としてのバケット20のメインディスク22およびサブディスク23の一部を破断して表した上面図、(b)は、メダル払出装置180のバケット20をメダル払出口27方向から見た側面図である。
図10および図11に示すように、メダル払出装置180は、上述したように、概略、メダルMを蓄積するメダルタンク10と、メダルタンク10に蓄積したメダルを払い出すバケット20と、を備えている。また、バケット20は、メダルMをメダル払出口11へ導く案内手段(後述のディスク24)と、この案内手段を駆動させる駆動手段(後述のモータ31)と、を有している。
すなわち、メダル払出装置180が備えるメダルMを蓄積するメダルタンク10は、上方が開口すると共に、底面12が傾斜する箱状であって、底面12にはメダルMを案内手段へ導く導出口(図示せず)を有している。また、メダルタンク10の側面には、当該メダルタンク10に収容しきれなくなったメダルMを、補助収納ケース240に排出するための排出口13が開設してある。
バケット20は、メダルタンク10の基台となり、メダルタンク10を上部に取り付け可能なユニット装置である。バケット20の傾斜する上面には、メダルタンク10に貯留したメダルMを捕捉する円孔である複数の嵌入孔21が周方向に等間隔に配置された円板上のメインディスク22と、メインディスク22の下底面に当接するサブディスク23とを備えている。メインディスク22とサブディスク23は、ディスク回転軸32を中心に一体的に回転するように設けられている(メインディスク22とサブディスク23を合わせてディスク24と称する)。すなわち、バケット20の内部には、モータ31が内蔵されると共に、このモータ31のディスク回転軸32がディスク24の中心を突出して形成されているので、このディスク回転軸32と係合したディスク24が、傾斜した状態でモータ31により回転駆動されるようになっている。
メインディスク22に形成されたそれぞれの嵌入孔21は、メダルMより若干大きな開口径を有し、メダルタンク10に貯留する1枚のメダルMを捕捉するようになっている。また、サブディスク23には、嵌入孔21とほぼ同一の曲率を有する湾入部23aと、隣接する各湾入部23a間の位置から半径方向に伸長し、かつ回転方向とは逆方向に緩やかに曲がる突起部23bが形成されている。すなわち、メインディスク22の嵌入孔21を介して湾入部23aに捕捉されたメダルMは、モータ31を駆動することにより、突起部23bに押圧されながら回転に同調して搬送路面28上を周回するように搬送される。
一方、搬送路面28の一端にはメダル払出口11が形成され、メダル払出口11の一側には搬送路面28上に突出するローラ部25が設けられている。
また、搬送路面28の裏面側のメダル払出口11近傍には、検出レバー33が検出レバー回転軸34を中心に回動自在に取り付けられている。検出レバー33には図示しない長孔を介して搬送路面28上に突出するローラ26が設けられており、ローラ26は、サブディスク23により搬送されたメダルMが当接して、押圧されると、検出レバー回転軸34を中心に回動するようになっている。すなわち、検出レバー33は、第1の位置(ローラ26がローラ25に対して最も近い位置であり、後述する第1のメダル払出しセンサ326aが検出レバー33の検知片33aを検知する位置)と第2の位置(ローラ26がローラ25に対して最も遠い位置であり、後述する第1のメダル払出しセンサ326aが検出レバー33の検知片33aを検知しない位置)との間を往復運動するようになっている。そして、搬送されて、ローラ部25および26に当接したメダルMは、検出レバー33のこの往復運動により、方向を転換してメダル払出口11に向けて押し出される。なお、検出レバー33はバネ等により常時、検出レバー33を第2の位置から第1の位置の方向に付勢されているので、メダルMがメダル払出口11から払い出された後、メダルMが検出レバー33に当接していない状態では、検出レバー33は第1の位置に位置付けられる。
また、搬送路面28の裏面側のメダル払出口11近傍には、第1および第2のメダル払出しセンサ326a、326bが設けられている。第1のメダル払出しセンサ326aは、検出レバー33の回動位置を検出する、投光部と受光部からなる透過型光センサであり、スロットマシン100は、第1のメダル払出しセンサ326aの検出結果に基づいて、メダルMの払出しがあるか否かを判断する。
具体的には、検出レバー33が第1の位置から第2の位置、そして第2の位置から第1の位置に戻る1往復運動を第1のメダル払出しセンサ326aが検出することにより、スロットマシン100は1枚のメダルMが払い出されたと判断する。本実施形態では、第1のメダル払出しセンサ326aが検出レバー33の一端に設けられた検知片33aを検知している状態(投光部から出射された光が検知片33aにより遮光されている状態)では、ハイレベルの信号(H信号)を出力し、第1のメダル払出しセンサ326aが検知片33aを検知していない状態(投光部から出射された光が検知片33aにより遮光されず、受光部で受光している状態)では、ローレベルの信号(L信号)を出力するようになっている。従って、スロットマシン100は、第1のメダル払出しセンサ326aから出力される信号が、H信号→L信号に変化し、さらにL信号→H信号に変化したときに1枚のメダルMの払出し完了と判断する。
第2のメダル払出しセンサ326bは、第1のメダル払出しセンサ326aと同様に、投光部と受光部からなる透過型光センサであり、メダル払出装置180とスロットマシン100本体を接続するコネクタの挿抜(第2のメダル払出しセンサ326bの電圧変化監視:L信号→H信号)を検出する。なお、ここでは、第2のメダル払出しセンサ326bによるメダルMの払出しの検出については、便宜上、割愛するが、第1および第2のメダル払出しセンサ326a、326bでは、各々の検出結果や、検出結果の組合せに基づいて、メダルMの払出しがあるか否かを判断する。すなわち、第2のメダル払出しセンサ326bは、検知片33aを検知している状態(投光部から出射された光が検知片33aにより遮光されている状態)で出力する信号(H信号)と検知片33aを検知していない状態(投光部から出射された光が検知片33aにより遮光されず、受光部で受光している状態)で出力する信号(L信号)を加味することにより、メダルMの払出しを判断する。例えば、上述した第1のメダル払出しセンサ326aから出力される信号のH信号→L信号→H信号の一連の流れの中で、第1のメダル払出しセンサ326aから出力される信号がL信号に変化したときに、第2のメダル払出しセンサ326bから出力される信号がH信号であるかの条件も加えて、メダルMの払出しを判断する。これにより、より厳格に1枚のメダルMの払出し完了を判断することができるので、メダル払出装置180に対する不正行為をより行い難い構成とすることができる。
なお、モータ31やディスク24はフレーム14に組み付けられており、ディスク24を回転可能に支持している払出装置本体15も、傾斜状に位置しており、ディスク24もまた傾斜面において回転するように構成してある。もちろん、ディスク24を水平面において回転するように構成してもよい。また、メダルMが一枚ずつ嵌入する嵌入孔23は、切欠部であってもよい。
<メダル払出装置の払出処理>
次に、図12および図13を参照して、メダル払出装置180のメダル払出動作について説明する。図12および図13は、メダル払出装置180を示し、(a)〜(c)は、それぞれメダル払出装置180のディスク24が回転することにより、メダルMが移動し払い出されていく様子をバケット20のメインディスク22を破断して示す上面図である。
以下、嵌入孔21にメダルM1、M2、M3が収納され、先頭のメダルM1が排出されるまでの場合を例にとって説明する。なお、メダルM1は払出要求枚数(詳細は後述)の最後の1枚であるとする(例えば、所定の入賞役に入賞して5枚払い出される場合において、5枚目のメダルMが払い出されるときの払出処理)。
まず、ディスク24が回転駆動し、メダルM1、M2、M3が搬送されている状態で、メダルM1がローラ25およびローラ26に当接すると、メダルM1がローラ26を介して検出レバー33の回動を開始させる(図12(a)の状態;第1の位置)。次いで、この状態から、ディスク24がさらに回転すると、メダルM1はディスク24の回転に伴い移動するので、さらにローラ26を押圧し続け、検出レバー33はさらに回動する(図12(b)の状態)。なお、図12(a)および図12(b)の状態では、第1のメダル払出しセンサ326aは検知片33aを検知しているので、H信号を出力している。
次いで、この状態から、ディスク24がさらに回転すると、メダルM1はさらに移動して、検出レバー33は最大回動位置まで移動して、回動を停止する(図12(c)の状態:第2の位置)。なお、図12(c)の状態では、第1のメダル払出しセンサ326aは検知片33aを検知していないので、L信号を出力している。
次いで、この状態から、ディスク24がさらに回転すると、検出レバー33は第2の位置から第1の位置に向かって回動を開始するとともに、メダルM1は、サブディスク23、ローラ25、およびローラ26の押圧とメダルの慣性により、メダル払出口11方向に押し出され始める(図13(a)の状態)。なお、図13(a)の状態では、第1のメダル払出しセンサ326aは検知片33aを検知していないので、L信号を出力している。
次いで、この状態から、ディスク24がさらに回転すると、検出レバー33はさらに第1の位置に向かって回動し、第1のメダル払出しセンサ326aが検知片33aを検知可能な位置まで到達すると、再びH信号を出力するので、スロットマシン100は、L信号→H信号の変化から1枚のメダルが払出し完了、すなわち、5枚目のメダルが払出し完了と判断して、モータ31は駆動停止する(図13(b)の状態)。
ここで、メダル払出装置180のモータ31は、駆動停止を行う際に短絡ブレーキを使用しているため、ディスク24は駆動停止位置で停止するのではなく、若干惰性で移動後、停止することとなる。すなわち、図13(b)の状態から若干移動した図13(c)の状態でディスク24は停止する。なお、図13(c)において、実線で表されたサブディスク23は、ディスク停止位置、破線で表されたサブディスク23は駆動停止時のディスク位置を示している。本実施形態においては、ディスク24が1回転するのに要する時間は約690ms、駆動停止からディスク停止までに要する時間は約22ms〜25ms程度、サブディスク半径は約69mm、サブディスク23の停止までの平均角度は11.9°程度であるので、駆動停止後、ディスク24が停止するまでの平均移動量Lは、L=2πr×11.9/360より、約14mm〜15mm程度移動してディスク24が停止するようになっている。
そして、サブディスク23、ローラ25、およびローラ26の押圧とメダルの慣性によりメダル払出口11方向に押し出されたメダルM1は、メダル払出口11から排出される。
<電源投入処理>
次に、図14を用いて、スロットマシン100の電源投入時に主制御部300のCPU310にて実行される電源投入処理について説明する。なお、同図は、主制御部300における電源投入処理の流れを示すフローチャートである。
スロットマシン100の電源スイッチ244がONされることによって、スロットマシン100に電源が投入されると、主制御部300のCPU310にて、以下に説明する電源投入処理が実行される。
すなわち、ステップS10では、各種の初期化処理(イニシャル処理)を行う。この初期設定では、CPU310のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、入力インタフェース360、361および出力インタフェース370、371の初期設定、RAM313に記憶する各種変数の初期設定、ウォッチドッグタイマ(WDT)への動作許可および初期値の設定等などの初期化処理を実行する。これにより、主制御部300のRAM313に記憶されている情報は初期化される。ステップS10の処理終了後はステップS11に進む。
ステップS11では、電源の投入に応じて、不正行為によるエラーの検出結果を示すエラー検出フラグを「OFF」にする。ステップS12では、電源投入時におけるリセット操作異常(すなわち、施錠部280のリセットセンサ334を利用したリセット操作や、扉中継基板290のリセットボタン291を利用したリセット操作などを不正に操作することによるエラー)をリセットするリセット操作異常リセット処理を実行する。なお、詳細については後述する。
ステップS13では、RAM313の少なくとも一部に異常があるか否かを判定する。そして、RAM313に異常がある場合はステップS14に進み、異常が無い場合はステップS15に進む。なお、RAM313の異常を検出する方法は種々考えられるが、例えば、同一の情報を2つの第1の記憶領域および第2の記録領域に記憶しておき、電源投入後に、第1の記憶領域に記憶された情報と、第2の記憶領域に記憶された情報を比較し、両者が異なる場合に異常と判定する方法が一例として挙げられる。
ステップS14では、RAMエラー処理を行う。このRAMエラー処理では、使用スタックエリアを除く全てのRAM313の記憶領域をクリアする準備を行い、また、副制御部400にエラー発生コマンドの送信準備等を行う。ステップS14において、CPU310は、強制的にRAM313をクリアする強制RAMクリア、およびRAM313に異常が生じることによるRAMクリア(設定変更時のRAMクリア時は除く)のいずれかのRAMエラー処理を行った後に、副制御部400に対し、これらRAMクリアに関する強制RAMクリアコマンドを送信し、後述するステップS18へと進む。
ステップS15では、強制RAMクリアがON状態か否かを判定する。具体的には、電源が投入され、且つ前述したリセットボタン291が長押し(例えば、5秒間の押下)されたことに基づき、強制RAMクリアのON状態とする。そして、強制RAMクリアがON状態の場合はステップS14に移行し、OFF状態の場合はステップS16に進む。
ステップS16では、設定キースイッチ230がON状態か否かを判定する。そして、設定キースイッチ230がON状態の場合はステップS17に進み、OFF状態の場合はステップS20に進む。
ステップS17では、扉中継基板290に設けられた設定変更ボタン292を操作することによって、後述する設定値変更処理を実行し、ステップS18へ移行する。
ステップS18では、初期状態遊技開始処理を行う。この初期状態遊技開始処理では、「設定値の記憶領域」や「RAM313のクリア時に使用するスタック領域を除く記憶領域」のクリア、自動精算及び打ち止めの有無などの設定、内部当選の有無の設定、副制御部400に対する制御コマンドの送信などを行う。
ステップS19では、遊技実行処理(詳細は後述)を行う。
ステップS20では、復帰処理によりスロットマシン100を電源が遮断された前の状態に復帰し、当該復帰を示す電源投入コマンドを副制御部400へ送信して後述する遊技実行処理を再開する。
<電源投入時リセット操作異常リセット処理>
次に、図15を用いて、上述した電源投入処理における電源投入時リセット操作異常リセット処理(ステップS12)について説明する。なお、同図は、CPU310が実行するリセット操作異常リセット処理の流れを示すフローチャートである。また、本実施形態において、リセット操作とは、上述したドアキー孔140に鍵を挿入して行うリセット操作(扉リセットキー操作)と、扉中継基板290におけるリセットボタン291を操作することによりリセットボタン操作とに大別されるが、本発明はこれに限ることはない。
CPU310は、ステップS30において、リセットセンサ334やリセットボタンセンサ328から送信されたエラー状態であることを示すエラー情報(異常識別情報)に設定されたエラー状態が、リセット操作異常の状態(リセット操作によるエラー状態)が第1の状態(リセット操作異常1)であるか、第2の状態(リセット操作異常2)であるかを判断する。
具体的にリセット操作異常1とは、非異常中の扉リセットキー操作により発生したリセット操作エラーであることを示すフラグであり、RAM313の所定記憶領域に記憶される情報である。また、リセット操作異常2とは、非異常中のリセットボタン操作により発生したリセット操作エラーであることを示すフラグであり、RAM313の所定記憶領域に記憶される情報である。そして、このステップS30では、エラー情報にリセット操作異常1または2のいずれかが設定されているか否かを確認(判断)する。このとき、エラー情報にリセット操作異常1または2のいずれかが設定されていると、ステップS31へ進み、リセット操作異常1および2のいずれも設定されていなければ、このリセット操作異常リセット処理を終了する。
ステップS31では、タイマ回路315における異常リセット無効タイマが「0」より大きい値であるか否かを判断する。このとき、異常リセット無効タイマの値が「0」よりも大きい値である場合、このリセット操作異常リセット処理を終了する。一方、異常リセット無効タイマの値が「0」よりも小さい値である場合、ステップS32に進み、エラー情報に含まれるエラーが発生しているか否かを示す異常有無情報を、エラーが発生していないことを示す「異常なし」として設定する。なお、異常リセット無効タイマとは、エラー状態が検出された場合に、当該エラー状態を解除するためのリセット操作が無効扱いとなるように、例えば、上記ステップS10のイニシャル処理などにおいて予め時間が設定されるタイマのことである。この異常リセット無効タイマを予め設定しておくことにより、スロットマシン100が不正行為によってエラー状態になった場合に、不正行為者がすぐにエラー状態を解除することを不可能にして、当該不正行為の隠蔽を防止し得るようになっている。従って、不正行為を発見し易くすることができる。
ステップS33では、リセット操作異常1の異常識別情報をクリアする。すなわち、ステップS30にて確認したエラー情報におけるリセット操作異常1の設定を解除(クリア)する。
ステップS34では、リセット操作異常2の異常識別情報をクリアする。すなわち、ステップS30にて確認したエラー情報におけるリセット操作異常2の設定を解除(クリア)する。
ステップS35では、メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカを非返却状態に設定する。ステップS36では、メダル払出装置180を駆動状態に設定し、このリセット操作異常リセット処理を終了する。
<設定値変更処理>
次に、図16を用いて、上述した電源投入処理における設定値変更処理(ステップS17)について説明する。なお、同図は、設定値変更処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS40では、現在設定されている設定値(遊技モード)を設定値表示器293に表示させる。
ステップS41では、RAM313の所定記憶領域を初期化(RAMクリア)する。
ステップS42では、設定変更を行うための設定変更コマンド(第1設定変更状態コマンドとも言う)を副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS43では、設定変更ボタンセンサ329から入力する信号を検出し、設定変更ボタン292の押下操作があったか否かを判定する。そして、設定変更ボタン292の押下操作があった場合はステップS44に進み、そうでない場合はステップS45に進む。
ステップS44では、設定値表示器293に表示されている設定値を設定値変更操作に基づいて更新する。この設定値の更新は、設定変更ボタン292の押下操作を1回検出する毎に、現在設定されている設定値1〜6に対して1ずつ加算更新し、設定値が6を超えると1に戻ることを繰り返して実行する。
ステップS45では、スタートレバーセンサ321から入力する信号を検出し、スタートレバー135の操作があったか否かを判定する。そして、スタートレバー135の操作があった場合はステップS46に進み、そうでない場合はステップS43に戻って設定値の変更操作の可否を特定する処理を継続する。
ステップS46では、現在、設定値表示器293に表示されている設定値(変更操作ありで変更された設定値、変更操作なしで元々設定されていた設定値)をRAM313の設定値記憶領域に記憶し、設定値を確定する。
ステップS47では、設定キースイッチ230がONからOFFに切り替えられたか否かを判定する。そして、設定キースイッチ230がOFFにされた場合はステップS48へ進み、そうでない場合はステップS47の処理を繰り返し、設定キースイッチ230がOFFにされるのを待つ。
ステップS48では、設定変更可能状態が終了したことを示す設定変更終了コマンド(第1設定変更終了コマンドとも言う)を副制御部400に送信する準備を行い設定変更処理を終了する。なお、設定変更終了コマンドは、少なくとも設定された設定値が把握できる情報を含む情報(コマンド)である。
<遊技実行処理>
次に、図17を用いて、主制御部300のCPU310が実行する遊技の基本的制御である遊技実行処理について説明する。なお、同図は遊技実行処理の流れを示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電断等を検知しないかぎり、ステップS103〜ステップS121の処理を繰り返し実行する。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338が設けられている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU310は、リセット割込によりリセットスタートしてROM312に予め記憶している制御プログラムに従って図17に示す主制御部300のメイン処理である遊技実行処理を実行する。
まず、ステップS103ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタートレバー135の操作があればステップS105へ進む。
ステップS105では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。ステップS107では乱数発生回路317で発生させた乱数を取得する。ステップS109では、現在の遊技状態に応じてROM312に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS107で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合、その入賞役のフラグがONになる。ステップS111では内部抽選結果に基づき、リール停止データを選択する。
ステップS113では全リール110〜112の回転を開始させる。ステップS115では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリール110〜112のいずれかをステップS111で選択したリール停止制御データに基づいて停止させる。全リール110〜112が停止するとステップS117へ進む。ステップS117では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならばベル入賞と判定する。ステップS119では払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを入賞ライン数に応じて払い出す。ステップS121では遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、通常遊技、BB遊技、RB遊技、内部当選遊技、の各遊技状態の移行に関する処理を行い、それらの開始条件、終了条件の成立により、遊技状態を移行する。以上により1ゲームが終了する。以降ステップS103へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<主制御部300タイマ割込処理>
図18を用いて、主制御部300のCPU310が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマとしてのタイマ回路315を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU310の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS203では、WDTのカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、入力インタフェース360の入力ポートを介して、各種センサ(メダル投入センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、第1および第2のメダル払出しセンサ326a、326b、電源判定回路327、リセットボタンセンサ328、設定変更ボタンセンサ329、ドアオープンセンサ333、リセットセンサ334、および、設定キーセンサ335)の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM313に各種センサごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS207では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得(各種センサからの信号に基づいて各種割込みステータスを取得)し、このステータスに従った処理を行う(例えば、取得した各ストップボタン137〜139の割込みステータスに基づいて、停止ボタン受付処理を行う)。
ステップS209では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。
ステップS211では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まずはステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、メダル投入異常およびメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合にはエラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ(例えば、遊技ランプ340)、7セグメント(SEG)表示器341の設定を行う。
ステップS213では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが副制御部400に送信される。なお、副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出抽選処理に伴う演出コマンド、リール110〜112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137〜139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110〜112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンドおよび払出終了コマンド、遊技状態を示すコマンド、電源投入コマンド、設定変更コマンド、設定変更終了コマンド、リセットコマンド、扉開放コマンド、異常識別情報(エラー情報)に基づく異常コマンド1〜13等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成されている。
副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になると共に、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。また、副制御部400は当該コマンドデータの情報に基づいて、各種報知(例えば、エラー報知など)を実行することができる。
さらに、コマンド設定送信処理では、各種リセット処理や電源投入によって異常識別情報がクリアされた場合(例えば、扉閉鎖となった場合や、エラー状態がリセットされる異常リセット処理が施行された場合)は、各処理において準備された送信準備情報に基づき、リセットされたことを示すリセットコマンドを副制御部400へ送信するようになっている。なお、上述した各処理においては、それぞれ副制御部400に対して送信する情報に関し、送信前段階の送信準備情報を生成していることについて、便宜上、説明を割愛している。
ステップS215では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM313に記憶している遊技情報を、モータ駆動基板300bおよび副制御部400の外部集中端子板248を介してスロットマシン100とは別体の情報収集装置550(図6参照)における情報受信端子板550a等に出力する。
ステップS217では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS221に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS219に進む。
ステップS219では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図17に示す遊技実行処理に復帰する。
一方、ステップS221では、電源の供給が復旧する復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM313の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図17に示す遊技実行処理に復帰する。
<コマンド>
ここで、図19を用いて、上述した各種コマンド、とりわけ、電源投入コマンド、設定変更コマンド、設定変更終了コマンド、リセットコマンド、扉開放コマンド、および、異常コマンド1〜13について詳細に説明する。同図は、本実施形態におけるコマンド種別の一部を表すコマンド表である。
図19に示すように、本実施形態では、主制御部300のCPU310によって、電源投入コマンド、設定変更コマンド、設定変更終了コマンド、リセットコマンド、扉開放コマンド、および、異常コマンド1〜13が設定される。そして、これら各種コマンドに応じて、遊技ランプ340(より詳細には、入賞ライン表示ランプ120、遊技開始ランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、リールパネルランプ128、遊技メダル投入ランプ129等)および上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルランプ164、払出口ランプ156等の各種ランプ(以下、これらを総じてランプ類と称す)における点灯、スピーカ483による音声出力、液晶表示装置157および/または7セグメント(SEG)表示器341(具体的には、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127等)による画像表示が制御されるようになっている。なお、ここでは、液晶表示装置157による画像表示に関して詳しく説明するが、7SEG表示器341による画像表示を併用してもよいし、7SEG表示器341のみの画像表示を用いることも可能である。
具体的に、例えば電源投入コマンドは、電源投入されたことを示すコマンドであり、副制御部400に対し、ランプ類の全点灯(3000ms期間)、「電源を投入しました」旨の音声を1回出力、液晶表示装置157におけるデモ映像の表示を実行させる内容となっている。
設定変更コマンドは、設定変更されていることを示すコマンドであり、副制御部400に対し、ランプ類の中速点滅(次回の電断まで継続)、「設定変更中です」旨の音声を3回出力、液晶表示装置157における「設定変更中」の映像表示を実行させる内容となっている。
設定変更終了コマンドは、設定変更が終了したことを示すコマンドであり、副制御部400に対し、ランプ類の全点灯(3000ms期間)、「設定変更しました」旨の音声を1回出力、液晶表示装置157におけるデモ映像の表示を実行させる内容となっている。
リセットコマンドは、リセットされたことを示すコマンドであり、副制御部400に対し、ランプ類のデフォルト演出点灯(電断まで継続)、「リセットしました」旨の音声を1回出力、液晶表示装置157におけるデフォルト画像の表示を実行させる内容となっている。このとき、デフォルト演出点灯は、通常遊技中であれば通常中デフォルト演出となり、BB中であれば、BB中デフォルト演出となる。
扉開放コマンドは、前面扉102が開放されていることを示すコマンドであり、副制御部400に対し、ランプ類の全点灯(電断まで継続)、「扉が開いています」旨の音声を2回出力、液晶表示装置157における「扉開放」の映像表示を実行させる内容となっている。
異常コマンド1〜4は、それぞれメダル投入異常1〜4を示すコマンドであり、副制御部400に対し、ランプ類の高速点灯(電断まで継続)、「不正投入です」旨の音声を電断まで継続出力、液晶表示装置157における「不正投入異常1」〜「不正投入異常4」の映像表示を実行させる内容となっている。
異常コマンド5は、メダル払出異常1を示すコマンドであり、副制御部400に対し、ランプ類の全点灯(電断まで継続)、異常時用BGM(Back Ground Music)を電断まで継続出力、液晶表示装置157における「払出異常1」の映像表示を実行させる内容となっている。
異常コマンド6および7は、それぞれメダル払出異常2および3を示すコマンドであり、副制御部400に対し、ランプ類の高速点灯(電断まで継続)、「不正払出です」旨の音声を電断まで継続出力、液晶表示装置157における「不正払出異常1」および「不正払出異常2」の映像表示を実行させる内容となっている。
異常コマンド8は、オーバフロー異常を示すコマンドであり、副制御部400に対し、ランプ類の全点灯(電断まで継続)、異常時用BGMを電断まで継続出力、液晶表示装置157における「オーバフロー異常」の映像表示を実行させる内容となっている。
異常コマンド9および10は、それぞれリセット操作異常1および2を示すコマンドであり、副制御部400に対し、ランプ類の高速点灯(電断まで継続)、「リセット操作異常です」旨の音声を電断まで継続出力、液晶表示装置157における「リセット操作異常1」〜「リセット操作異常2」の映像表示を実行させる内容となっている。
異常コマンド11および12は、それぞれRWM不良および表示異常を示すコマンドであり、副制御部400に対し、ランプ類の全点灯(電断まで継続)、異常時用BGMを電断まで継続出力、液晶表示装置157における「払出異常2」および「払出異常3」の映像表示を実行させる内容となっている。
異常コマンド13は、打ち止めを示すコマンドであり、副制御部400に対し、ランプ類の全点灯(電断まで継続)、「打ち止めです」旨の音声を電断まで継続出力、液晶表示装置157における「打ち止め中」の映像表示を実行させる内容となっている。
<デバイス監視処理>
次に図20を用いて、上述した主制御部タイマ割込処理におけるデバイス監視処理(ステップS211)について説明する。なお、同図は、デバイス監視処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS50では、後述する異常リセット処理を行い、ステップS51へ移行する。ステップS51では、後述するリセット操作監視処理を行う。
ステップS52では、後述する扉開放監視処理を行う。ステップS53では、後述するメダル投入監視処理を行い、ステップS54へ移行してメダル払出し監視処理を行う。
ステップS55では、その他のデバイス(例えば、演出に必要な演出デバイスとしての遊技ランプ343、上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、スピーカ483、液晶表示装置157等)を監視するその他のデバイス監視処理を実行する。その他のデバイス監視処理では、主制御部タイマ割込処理におけるデバイス監視処理(ステップS211)と同様に、まずは主制御部タイマ割込処理におけるステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、メダル投入異常およびメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合にはエラー処理を実行させる。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ(例えば、遊技ランプ340)、7セグメント(SEG)表示器341の設定を行う。
<異常リセット処理>
次に図21を用いて、上述したデバイス監視処理における異常リセット処理(ステップS50)について説明する。なお、同図は、異常リセット処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS60では、扉開放センサとしてのドアオープンセンサ333の検出結果に基づいて、前面扉102が開放中(すなわち、扉開放中)の状態であるか否かを判断する。このとき、ドアオープンセンサ333が開放状態を示すH(ON)であれば、ステップS61へ進む。一方、ドアオープンセンサ333が閉扉状態を示すL(OFF)であれば、ステップS63へ進む。
ステップS61では、ドアオープンセンサ333の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがあるか否かを判断する。そして、ドアオープンセンサ333の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがある場合、ステップS62に進む。一方、ドアオープンセンサ333の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがなければ、ステップS63へ進む。
ステップS62では、ドアオープンセンサ333の検出結果に基づき、エラー情報としての異常識別情報における情報扉開放に関する(すなわち、「扉開放あり」を示す)エラー(異常)をクリアする。
ステップS63では、後述するメダル投入異常リセット処理を行い、ステップS64では、後述するメダル払出異常リセット処理を行い、ステップS65では、後述するリセット操作異常リセット処理を行う。
ステップS66では、その他(例えば、メダル払出異常1、オーバフロー異常、表示異常、打止めによる異常等の不正によるエラーではない異常状態)のリセット処理を行う。これら、メダル払出異常1、オーバフロー異常、表示異常、打止めによる異常は、図22に示すように、扉リセットキー操作、リセットボタン291による操作、設定変更ボタン292による操作により、それぞれ対応するリセットセンサ334、リセットボタンセンサ328、設定変更ボタンセンサ329の「OFF」から「ON」への切替えによって、エラー状態がリセット(解除)される。
<メダル投入異常リセット処理>
次に図23を用いて、上述した異常リセット処理におけるメダル投入異常リセット処理(ステップS63)について説明する。なお、同図は、メダル投入異常リセット処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS70では、エラー情報としての異常識別信号に基づいて、メダル投入異常中であるか否かを判断する。すなわち、異常識別信号にメダル投入異常1〜4の発生を示すコマンドが存在するか否かを確認する。このとき、メダル投入異常が検出された場合、ステップS71へ進む。一方、メダル投入異常が検出されなければ、メダル投入異常リセット処理を終了する。
ステップS71では、タイマ回路315における異常リセット無効タイマが「0」より大きい値であるか否かを判断する。このとき、異常リセット無効タイマの値が「0」よりも大きい値である場合、このメダル投入異常リセット処理を終了する。一方、異常リセット無効タイマの値が「0」よりも小さい値である場合、ステップS72に進む。
ステップS72では、リセットボタンセンサ328の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがあるか否かを判断する。そして、リセットボタンセンサ328の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがある場合、ステップS73に進む。一方、リセットボタンセンサ328の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがなければ、このメダル投入異常リセット処理を終了する。
ステップS73では、異常識別情報に含まれるエラーが発生しているか否かを示す異常有無情報を、エラーが発生していないことを示す「異常なし」として設定する。
ステップS74では、メダル投入異常1〜4における異常識別情報の設定をクリアする。すなわち、ステップS70にて確認した異常識別情報におけるメダル投入異常1〜4の設定を解除(クリア)する。
ステップS75では、メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカを非返却状態に設定する。
ステップS76では、メダル払出装置180を駆動状態に設定し、このメダル投入異常リセット処理を終了する。
<メダル払出異常リセット処理>
次に図24を用いて、上述した異常リセット処理におけるメダル払出異常リセット処理(ステップS64)について説明する。なお、同図は、メダル払出異常リセット処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS80では、エラー情報としての異常識別信号に基づいて、メダル払出異常中であるか否かを判断する。すなわち、異常識別信号にメダル払出異常1〜3の発生を示すコマンドが存在するか否かを確認する。このとき、メダル払出異常が検出された場合、ステップS81へ進む。一方、メダル払出異常が検出されなければ、メダル払出異常リセット処理を終了する。
ステップS81では、タイマ回路315における異常リセット無効タイマが「0」より大きい値であるか否かを判断する。このとき、異常リセット無効タイマの値が「0」よりも大きい値である場合、このメダル払出異常リセット処理を終了する。一方、異常リセット無効タイマの値が「0」よりも小さい値である場合、ステップS82に進む。
ステップS82では、リセットボタンセンサ328の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがあるか否かを判断する。そして、リセットボタンセンサ328の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがある場合、ステップS83に進む。一方、リセットボタンセンサ328の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがなければ、ステップS84へ進む。
ステップS83では、異常識別情報に含まれるエラーが発生しているか否かを示す異常有無情報を、エラーが発生していないことを示す「異常なし」として設定する。
ステップS85では、メダル払出異常1〜3における異常識別情報の設定をクリアする。すなわち、ステップS80にて確認した異常識別情報におけるメダル払出異常1〜3の設定を解除(クリア)する。
ステップS86では、メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカを非返却状態に設定する。
ステップS87では、メダル払出装置180を駆動状態に設定し、このメダル払出異常リセット処理を終了する。
他方、ステップS84では、異常識別信号に基づいて、メダル払出異常1中であるか否かを判断する。すなわち、異常識別信号にメダル払出異常1〜3のうちメダル払出異常1の発生を示すコマンドが存在するか否かを確認する。このとき、メダル払出異常1が検出された場合、ステップS88へ進む。一方、メダル払出異常1が検出されなければ、メダル払出異常リセット処理を終了する。
ステップS88では、リセットセンサ334の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがあるか否かを判断する。そして、リセットセンサ334の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがある場合、ステップS83に進む。一方、リセットセンサ334の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがなければ、メダル払出異常リセット処理を終了する。
<リセット操作異常リセット処理>
次に図25を用いて、上述した異常リセット処理におけるリセット操作異常リセット処理(ステップS65)について説明する。ここでは、上述した電源投入時において主制御部300のCPU310が実行するリセット操作異常リセット処理(図15参照)とは異なる通常の遊技時におけるリセット操作異常リセット処理について説明する。従って、以下の説明において、リセット操作とは、上述したドアキー孔140に鍵を挿入して行うリセット操作(扉リセットキー操作)のことを指す。これは、通常、遊技中において扉中継基板290におけるリセットボタン291を操作することが不可能(つまり、通常、遊技中にスロットマシン100の前面扉102を開放して、リセットボタン291を操作することはあり得ない)ためである。なお、同図は、通常の遊技時におけるリセット操作異常リセット処理の流れを示すフローチャートである。また、リセット操作に関する定義は、上述した電源投入時の同処理と同様、これに限ることはない。
ステップS90では、リセット操作異常1が設定されているか否かを確認(判断)し、エラー情報にリセット操作異常1が設定されている(すなわち、エラーの種類をリセット操作異常1と特定する)と、ステップS91へ進み、リセット操作異常1が設定されていなければ、このリセット操作異常リセット処理を終了する。
ステップS91では、タイマ回路315における異常リセット無効タイマが「0」より大きい値であるか否かを判断する。このとき、異常リセット無効タイマの値が「0」よりも大きい値である場合、このリセット操作異常リセット処理を終了する。一方、異常リセット無効タイマの値が「0」よりも小さい値である場合、ステップS92に進む。
ステップS92では、リセットボタンセンサ328の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがあるか否かを判断する。そして、リセットボタンセンサ328の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがなければ、このリセット操作異常リセット処理を終了する。一方、リセットボタンセンサ328の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがある場合、ステップS93に進む。
ステップS93では、エラー情報に含まれるエラーが発生しているか否かを示す異常有無情報を、エラーが発生していないことを示す「異常なし」として設定する。
ステップS94では、リセット操作異常1の異常識別情報をクリアする。すなわち、ステップS90にて確認したエラー情報におけるリセット操作異常1の設定を解除(クリア)する。
ステップS95では、メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカを非返却状態に設定する。ステップS96では、メダル払出装置180を駆動状態に設定し、このリセット操作異常リセット処理を終了する。
このように、本実施形態において、非異常中の扉リセットキー操作によって発生したリセット操作エラー(リセット操作異常1)は、リセットボタン291による操作と、電源再投入(一度、電断した後の電源投入)との双方を行うことでリセット(解除)することが可能となっている。
<リセット操作監視処理>
次に図26を用いて、上述したデバイス監視処理におけるリセット操作監視処理(ステップS51)について説明する。なお、同図は、リセット操作監視処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS600では、エラー情報としての異常識別情報に含まれるエラーが発生しているか否かを示す異常有無情報に、エラーが発生していることを示す「異常あり」が設定されているか否かを判断する。このとき、異常有無情報として「異常あり」が設定されていなければ、ステップS601へ進み、「異常あり」が設定されていれば、このリセット操作監視処理を終了する。なお、扉開放中は非異常扱いなので、他の異常がない状態で、扉開放中にリセット操作を行うとリセット操作異常であると誤認識される。
ステップS601では、扉中継基板290において設定変更ボタン292が操作されるか、設定キーにより設定キースイッチ230が操作されることによる設定変更中であるか否かを判断する。このとき、設定変更ボタンセンサ329または設定キーセンサ335において、設定変更中であることを示す検出結果が得られない場合、ステップS602へ進む。一方、当該設定変更中であることを示す検出結果を得ると、リセット操作監視処理を終了する。ここでは、設定変更中の状態を第1優先とするため、設定変更中であればリセット操作の監視を行わない。これにより、設定変更中の報知は、リセット操作異常の報知で上書きされることはない。
ステップS602では、リセットセンサ334の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがあるか否かを判断する。そして、リセットセンサ334の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがなければ、ステップS604へ進む。一方、リセットセンサ334の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがある場合、ステップS603に進む。
ステップS603では、異常識別情報にリセット操作異常1が発生していることを示す「リセット操作異常1あり」情報を設定する。リセット操作異常1のエラー状態は、非異常中に扉リセットキー操作を行うことによって検出され、その場合、遊技の進行が不能動化されるようになっている。そこで、本実施形態では、リセット操作異常1のエラー状態に関し、エラー発生から6秒経過した後に、リセットボタン291によるリセット操作、または電源再投入によるリセット操作によってクリア(解除)可能となっている。
ステップS604では、リセットボタンセンサ328の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがあるか否かを判断する。そして、リセットボタンセンサ328の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがなければ、ステップS606へ進む。一方、リセットボタンセンサ328の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがある場合、ステップS605に進む。
ステップS605では、異常識別情報にリセット操作異常2が発生していることを示す「リセット操作異常2あり」情報を設定する。リセット操作異常2のエラー状態は、非異常中にリセットボタン291の操作を行うことによって検出され、その場合、遊技の進行が不能動化されるようになっている。そこで、本実施形態では、リセット操作異常2のエラー状態に関し、エラー発生から6秒経過した後に、電源再投入によるリセット操作によってクリア(解除)可能となっている。
ステップS606では、タイマ回路315における異常リセット無効タイマを設定する。本実施形態の場合、異常リセット無効タイマは、任意に設定できるが、6秒程度に設定することが好ましい。従って、この異常リセット無効タイマをセットした後においては、設定された時間(ここでは、6秒間)が経過するまで、エラー状態の解除が無効とされる。
ステップS607では、エラー情報に含まれるエラーが発生しているか否かを示す異常有無情報を、エラーが発生していることを示す「異常あり」として設定する。
ステップS608では、メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカを返却状態に設定する。ステップS609では、メダル払出装置180を駆動停止状態に設定し、このリセット操作監視処理を終了する。
このように、本実施形態において、非異常中の扉リセットキー操作によって発生したリセット操作エラー(リセット操作異常1)は、リセットボタン291による操作と、電源再投入(一度、電断した後の電源投入)と、設定変更の全てを行わなければリセット(解除)することができないようになっている。また、非異常中のリセットボタン291の操作によって発生したリセット操作エラー(リセット操作異常2)は、電源再投入(一度、電断した後の電源投入)と、設定変更の双方を行わなければリセット(解除)することができないようになっている。
<扉開放監視処理>
次に図27を用いて、上述したデバイス監視処理における扉開放監視処理(ステップS52)について説明する。なお、同図は、扉開放監視処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS700では、扉開放センサとしてのドアオープンセンサ333の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがあるか否かを判断する。そして、ドアオープンセンサ333の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがなければ、この扉開放監視処理を終了する。一方、ドアオープンセンサ333の検出において「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがある場合、ステップS701に進む。なお、前面扉102を開放する扉開放行為では、遊技の進行を不能動化させるエラーとして検出されることはないため、この扉開放監視処理において、異常有無情報の設定は割愛している。
ステップS701では、ドアオープンセンサ333の検出結果に基づく扉開放コマンドに、不正によるエラーを示す検出結果、故障等の異常の発生を示す検出結果、または設定変更を示す検出結果のいずれかのエラー情報が含まれているのか否かを判断する。そして、かかる扉開放コマンドに、当該エラー情報が含まれている場合、この扉開放監視処理を終了する。一方、当該エラー情報が含まれていない場合、ステップS702へ進む。なお、扉開放よりも優先度の高い不正異常、異常、設定変更がすでに発生している場合、扉開放の状態は無視され当該監視の対象とはならない。これは、扉開放状態とすることで、不正異常、異常、設定異常の監視が邪魔されることを考慮しているためである。ただし、発生していた不正異常、異常、が終了した際に、扉が開放されている場合については、ドアオープンセンサ333の検出において、「OFF」の状態から「ON」の状態への切替えがあったことが保持されるため、扉開放を知らせる扉開放報知が始まるようになっている(なお、設定変更には、RAM313のクリア処理が伴うので、扉開放を知らせる扉開放報知が始まることはない)。
ステップS702では、ステップS701の判定結果(すなわち、ステップS701にて確認した扉開放コマンド)に基づいて、異常識別情報に「扉開放あり」を示す情報を設定する。
<メダル投入監視処理>
次に図28を用いて、上述したデバイス監視処理におけるメダル投入監視処理(ステップS53)について説明する。なお、同図は、メダル投入監視処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS800では、不正異常中であるか、または、設定変更中であるか判断する。すなわち、ここでは、すでに不正行為に起因したエラーが生じている状態、または設定変更が生じている状態であるかを確認する。これにより、すでに行われた不正行為によるエラーや、設定変更に関する報知は上書きされないようになっている。そして、不正異常中または設定変更中であれば、メダル投入監視処理を終了する。一方、不正異常中または設定変更中のいずれでもない場合、ステップS801へ進む。
ステップS801では、各メダル投入異常の判定を実行する。すなわち、ここでは、ステップS800において検出された結果が、メダル投入異常1〜4のうちのどれに該当するか個別に判定を実行する。
ステップS802では、ステップS801の判定に基づいて、メダル投入異常(具体的には、メダル投入異常1〜4のうちのいずれか)が発生しているか否かを判断する。このとき、メダル投入異常1〜4のうちのいずれかが発生していれば、ステップS803へ進む。また、メダル投入異常1〜4のいずれも発生していなければ、メダル投入監視処理を終了する。
ステップS803では、タイマ回路315における異常リセット無効タイマを設定する。本実施形態の場合、異常リセット無効タイマは、任意に設定できるが、6秒程度に設定することが好ましい。従って、この異常リセット無効タイマをセットした後においては、設定された時間(ここでは、6秒間)が経過するまで、エラー状態の解除が無効とされる。
ステップS804では、エラー情報に含まれるエラーが発生しているか否かを示す異常有無情報を、エラーが発生していることを示す「異常あり」として設定する。異常有無情報が「異常あり」を含んでいる場合、メインループの各処理における予め定められた処理工程(問題が生じないステップ)にて待機し、遊技の進行が不能動化される。
ステップS805では、メダル投入異常に応じた異常識別情報を設定する。すなわち、異常識別情報としてステップS802で検出されたメダル投入に関するエラーが、メダル投入異常1〜4のうちのいずれかであることを識別可能な形態で設定する。
ステップS806では、メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカを返却状態に設定する。ステップS807では、メダル払出装置180を駆動停止状態に設定し、このメダル投入監視処理を終了する。
このように、本実施形態において、投入されたメダルが滞留する(例えば、1.001秒以上)ことによって発生したメダル投入異常1、投入されたメダルが第1のセンサユニット175を正常に通過しなかったことによって発生したメダル投入異常2、メダルセレクタ170によるメダルブロッカが返却状態で、第1のセンサユニット175における2組の受光素子175aおよび発行素子175bと、受光素子175cおよび発行素子175dのうちのいずれか1組が「ON」になった場合に発生したメダル投入異常3、メダル正常通過後に第2のセンサユニット176が「ON」になり、以降5枚のメダルが正常通過した場合において、第2のセンサユニット176によるメダルの検出がない場合に発生したメダル投入異常4は、全てリセットボタン291による操作と、設定変更との双方を行わなければリセット(解除)することができないようになっている。
<メダル払出し監視処理>
次に図29を用いて、上述したデバイス監視処理におけるメダル払出し監視処理(ステップS54)について説明する。なお、同図は、メダル払出し監視処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS900では、不正異常中であるか、または、設定変更中であるか判断する。すなわち、ここでは、すでに不正行為に起因したエラーが生じている状態、または設定変更が生じている状態であるかを確認する。これにより、すでに行われた不正行為によるエラーや、設定変更に関する報知は上書きされないようになっている。そして、不正異常中または設定変更中であれば、メダル払出し監視処理を終了する。一方、不正異常中または設定変更中のいずれでもない場合、ステップS901へ進む。
ステップS901では、各メダル投入異常の判定を実行する。すなわち、ここでは、ステップS900において検出された結果が、メダル払出異常1〜3のうちのどれに該当するか個別に判定を実行する。
ステップS902では、ステップS901の判定に基づいて、メダル払出異常(具体的には、メダル払出異常1〜3のうちのいずれか)が発生しているか否かを判断する。このとき、メダル払出異常1〜3のうちのいずれかが発生していれば、ステップS903へ進む。また、メダル払出異常1〜3のいずれも発生していなければ、メダル払出し監視処理を終了する。
ステップS903では、前段のステップS902において検出されたメダル払出しに関するエラーが、メダル払出異常1であるか否かを判断する(すなわち、不正異常の種類をメダル払出異常1と特定する)。このとき、メダル払出異常1である肯定結果を得ると、ステップS905へ進み、メダル払出異常1ではない否定結果を得ると、ステップS904へ進む。
ステップS904では、タイマ回路315における異常リセット無効タイマを設定する。本実施形態の場合、異常リセット無効タイマは、任意に設定できるが、6秒程度に設定することが好ましい。従って、この異常リセット無効タイマをセットした後においては、設定された時間(ここでは、6秒間)が経過するまで、エラー状態の解除が無効とされる。
ステップS905では、エラー情報に含まれるエラーが発生しているか否かを示す異常有無情報を、エラーが発生していることを示す「異常あり」として設定する。異常有無情報が「異常あり」を含んでいる場合、メインループの各処理における予め定められた処理工程(問題が生じないステップ)にて待機し、遊技の進行が不能動化される。
ステップS906では、メダル払出異常に応じた異常識別情報を設定する。すなわち、異常識別情報としてステップS902で検出されたメダル払出しに関するエラーが、メダル払出異常1〜3のうちのいずれかであることを識別可能な形態で設定する。
ステップS907では、メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカを返却状態に設定する。ステップS908では、メダル払出装置180を駆動停止状態に設定し、このメダル投入監視処理を終了する。
このように、本実施形態において、メダル払出装置180の駆動時に一定時間メダルの払出しがないことによって発生したメダル払出異常1は、扉リセットキー操作、リセットボタン291による操作、および、設定変更の全ての操作を行わなければリセット(解除)することができないようになっている。また、メダル払出装置180の駆動時にメダルが滞留したことによって発生したメダル払出異常2と、メダル払出装置180からの払出し中以外で、第1および第2のメダル払出しセンサ326a、326bのうちのいずれかが「ON」となった場合、または、メダル払出装置180が抜かれた場合に発生したメダル払出異常3は、いずれもリセットボタン291による操作と、設定変更との双方を行わなければリセット(解除)することができないようになっている。
<外部信号設定処理>
次に図30を用いて、上述した主制御部タイマ割込処理における外部信号設定処理(ステップS215)について説明する。なお、同図は、外部信号設定処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1000では、後述するセキュリティ信号設定処理を実行する。すなわち、RAM313に記憶している遊技情報を、モータ駆動基板300bおよび副制御部400の外部集中端子板248を介してスロットマシン100とは別体の情報収集装置550(図6参照)における情報受信端子板550a等に出力するための各種設定を行う。例えば、メダル投入センサ320によって検出されたメダル投入に関するエラー情報(メダル投入異常1〜4)、第1および第2のメダル払出しセンサ326a、326bによって検出されたメダル払出しに関するエラー情報(メダル払出異常1〜3)、ドアオープンセンサ333によって検出された扉開放に関するエラー情報、リセットセンサ334によって検出された扉リセットキー操作に関するエラー情報(リセット操作異常1)、リセットボタンセンサ328によって検出されたリセットボタン291の操作に関するエラー情報(リセット操作異常2)、設定変更ボタンセンサ329によって検出された設定変更情報、設定キーセンサ335によって検出された設定変更情報などに基づいて、「ドア開放信号」と、「設定変更信号」と、「扉リセット信号」と、「リセットボタン信号」と、「投入エラー信号」と、「払出エラー信号」と、「電源信号(予備信号)」との7種類の信号を含んで構成されるセキュリティ信号(外部信号5)を設定する。
ステップS1001では、その他の外部信号設定処理を実行する。ここでは、セキュリティ信号以外の外部信号、すなわち、メダルの投入枚数に関する「メダル投入信号」、メダルの払出枚数に関する「メダル払出信号」、遊技の状態(すなわち、RB中(BB中のRBを含む)、BB1、BB2、RB中(BB中のRBを含まず)など)に関する「外部信号1〜4」について設定処理を行う。
ステップS1002では、出力ポートに用意した各種データ(「メダル投入信号」、「メダル払出信号」、「外部信号1〜4」、「セキュリティ信号(外部信号5)」)を外部集中端子板248を介して、スロットマシン100に接続される外部の装置(例えば、遊技店におけるホールコンピュータ等)へと出力する。
<セキュリティ信号設定処理>
次に図31を用いて、上述した外部信号設定処理におけるセキュリティ信号設定処理(ステップS1000)について説明する。なお、同図は、セキュリティ信号設定処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1100では、不正異常(すなわち、メダル投入異常1〜4、メダル払出異常2、3、または、リセット操作異常1、2のうちのいずれか)が発生したか否かを判断し、不正異常が発生した場合、ステップS1101へ進む。このとき、不正異常の発生が認められなければステップS1102へ進む。
ステップS1101では、不正異常の検出フラグを「ON」に設定する。すなわち、スロットマシン100に不正行為によるエラーが発生したことを認識し、該不正異常の報知に備える。
ステップS1102では、前段のステップS1101で「ON」に設定された不正異常の検出フラグに基づいて、この不正異常の種類が、扉開放によるもの、設定変更によるもの、不正行為によるもの、のうちのいずれかに該当するか否かを判断する。すなわち、非異常扱いとなる扉開放中に、他の異常がない状態で、リセット操作を行うことにより、この行為がリセット操作異常であると誤認識される場合があるため、ここでは、前段のステップS1101で「ON」に設定された検出フラグを有する不正異常が何に起因するのか特定することを目的としている。そして、検出された不正異常の種類が、扉開放・設定変更・不正行為のいずれかに起因したものであると判明すると、ステップS1103へ進み、それ以外の場合、ステップS1105へ進む。
ステップS1103では、ステップS1102において判明した不正異常に基づいて、セキュリティ信号(外部信号5)が出力中であるか否かを判断する。ここで、セキュリティ信号が出力中であればステップS1105へ進み、出力中でなければステップS1104へ進む。
ステップS1104では、セキュリティ信号の出力状態を保持(継続)するためのセキュリティ信号出力保持タイマとして、タイマ回路315に対し30秒を設定し、このセキュリティ信号の出力時間が出力開始から30秒間保持されるように設定する。このとき、セキュリティ信号出力保持タイマに対する時間の設定が、当該タイマを更新する処理である場合、セキュリティ信号の出力を保持するタイマの設定値が「0」より大きければ、「1」を減算するようにする。
ステップS1105では、セキュリティ信号の出力を「OFF」に設定、すなわちセキュリティ信号の出力を停止させる設定を行う。これにより、出力中であったセキュリティ信号は、出力が停止される。また、出力前のセキュリティ信号は、出力が延期される。
ステップS1106では、ステップS1101で「ON」に設定された不正異常の検出フラグに基づいて、この不正異常の種類が、扉開放によるもの、設定変更によるもの、不正行為によるもの、のうちのいずれかに該当するか否かを再度、判断する。つまり、ステップS1106ではステップS1102と同様に、前段のステップS1101で「ON」に設定された検出フラグを有する不正異常が何に起因するのか特定することにより、当該検出した不正異常が誤認識によるものか否かを判断することを目的としている。そして、検出された不正異常が、扉開放・設定変更・不正行為のいずれかに起因したものであると判明すると、ステップS1107へ進み、それ以外の場合、ステップS1109へ進む。
ステップS1107では、セキュリティ信号の出力を保持するセキュリティ信号出力保持タイマの設定値が「0」より大きいか否かを判断し、大きければステップS1109へ進む。一方、セキュリティ信号の出力を保持するタイマの設定値が「0」より小さい場合、ステップS1108へ進む。
ステップS1108では、不正異常の検出フラグが「ON」に設定されているか否かを判断し、設定されていればステップS1109へ進み、設定されていなければステップS1110へ進む。
ステップS1109では、ステップS1108において、不正異常の検出フラグが「ON」に設定されていることに基づいて、セキュリティ信号の出力を「ON」に設定、すなわち、セキュリティ信号の出力を開始するための準備を行う。
ステップS1110では、ステップS1109において出力準備されたセキュリティ信号を出力ポートに出力する。
このように、本実施形態では、不正行為による異常(不正異常)が発生した場合、不正異常の発生からセキュリティ信号(外部信号5)の出力(すなわち、不正異常の発生を示す報知)を開始し、不正異常をリセットする操作後もセキュリティ信号の出力を継続し、電断した後の電源再投入を行うことによって、セキュリティ信号の出力を停止するようにした。ただし、電断後、30秒以内に電源再投入した場合は、はじめの不正異常発生から30秒後にセキュリティ信号の出力を停止させる。
また、前面扉102が開いた状態であることを示す扉開放状態の場合(扉開放後に設定変更する場合も含む)、扉開放からセキュリティ信号を出力し、出力から30秒後にセキュリティ信号の出力を自動停止させる。
さらに、扉開放せずに設定変更の操作を行った場合(すなわち、ドアオープンセンサ333に小細工(不正行為)された場合を考慮)、設定変更の操作の開始からセキュリティ信号を出力し、出力から30秒後にセキュリティ信号の出力を自動停止させる。
これは、扉開放や設定変更の操作は、遊技店において店員により頻繁に行われる作業であるため、不正異常の誤報を防止する目的で、セキュリティ信号の出力を30秒後に自動停止させるように設定している。なお、不正異常を報知するためのセキュリティ信号の出力は、電断まで継続されるが、この継続されるセキュリティ信号の出力を、扉開放の状態を報知するセキュリティ信号(出力から30秒間で自動停止)によって打ち消すことは不可となっている。
従って、不正行為によるエラー状態となった場合、当該エラー状態から通常状態に復帰させる(エラー状態をクリアにする)ために、リセット操作や、電源再投入(電断)の作業が必要、とりわけ、電源再投入によってイニシャル処理が必須となるため、スロットマシン100におけるシステムの立ち上がりまでに時間を要するようになっている。このため、不正行為者にとっては、不正行為の実行が面倒となることから、かかる不正行為を未然に防止することができる格別な効果を奏することができる。
<副制御部400メイン処理>
図32を用いて、副制御部400の処理について説明する。なお、図32(a)は、副制御部400のCPU410が実行するメイン処理のフローチャートである。図32(b)は、副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。図32(c)は、副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、図32(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM413内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。ステップS307では、コマンド処理を行う。コマンド処理において副制御部400のCPU410は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する処理を行う。例えば、主制御部300から上述の電源投入コマンドを受信した場合には、ランプ類の全点灯、スピーカ483による「電源を投入しました」旨の音声出力、液晶表示装置157におけるデモ映像の表示を実行し、主制御部300から上述の扉開放コマンドを受信した場合には、ランプ類の全点灯(電断まで継続)、スピーカ483による「扉が開いています」旨の音声出力、液晶表示装置157における「扉開放」の映像表示を実行する。
また、この処理では、例えば、演出データをROM412から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う、すなわち、主制御部300からのコマンドに基づき、演出データが上書きされることが含まれる。通常演出において、CPU410は、設定変更、異常、不正異常(リセット操作異常を含む)の各コマンドを主制御部300から受信すると、通常演出を各コマンドに対応する報知演出に切り替えて実行する。これは、主制御部300側で、設定変更、不正異常、異常、通常演出の各演出が、順に階層を下げる設定となっており、上位に設定される演出の実行中は、下位に設定される演出が発生してもコマンドが送信されず、この新たに発生した下位の演出に切り替わることなく無視されるため、上位の演出は下位の演出によって上書きされることはない。ただし、リセット報知演出だけは例外である。
ステップS311では、ステップS309の処理結果に基づいて音制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に音源IC480への命令がある場合には、この命令を音源IC480に出力する。
ステップS313では、ステップS309の処理結果に基づいてランプ制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に各種ランプ(上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルランプ164、払出口ランプ156等)への命令がある場合には、この命令を出力インタフェース470、デマルチプレクサ419を介して出力する。
ステップS315では、ステップS309の処理結果に基づいて、スロットマシン100に接続される外部装置としての情報収集装置550(図6参照)や、扉・液晶画面制御部490等に制御コマンドを送信する設定を行う情報出力処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に情報収集装置550に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS303へ戻る。また、ステップS309で読み出した演出データの中に扉・液晶画面制御部490に送信する制御コマンド(例えば、エラー状態を報知するためのエラー報知コマンド)がある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS303へ戻る。
<副制御部400コマンド受信割込処理>
次に、図32(b)を用いて、副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS401では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM413に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
<副制御部400タイマ割込処理>
次に、図32(c)を用いて、副制御部400のCPU410によって実行する副制御部タイマ割込処理について説明する。副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS501では、図32(a)に示す副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM413のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS503では、ステップS315で設定された情報収集装置550(図6参照)等への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<各種信号出力について>
ここで、上述した各種異常時の信号出力について、図33乃至図40を用いて説明する。
<メダル投入異常2について>
以下、上述したメダル投入異常2について、図33を用いて説明する。なお、図33は、メダル投入異常2の説明に供するタイムチャートであって、(a)は、正常時におけるメダル投入センサの出力について示すタイムチャートである。(b)は、異常時におけるメダル投入センサの出力について示すタイムチャートである。
スロットマシン100では、メダル投入口141から投入されたメダルMが適正なメダルMである正常時、図33(a)に示すように、メダルMの通過する方向の上流側に設けられたメダルセレクタ170における第1のセンサユニット175a、175bにおいてメダルMを検出した(「OFF」の状態から「ON」の状態に切り替わる)後、メダルMの通過する方向の下流側に設けられた第1のセンサユニット175c、175dにおいてメダルMを検出する(「OFF」の状態から「ON」の状態に切り替わる)。このため、上流側の第1のセンサユニット175a、175bにおいて出力される波形と、下流側の第1のセンサユニット175c、175dにおいて出力される波形とは、ほぼ同形状の波形ではあるが、上流側の第1のセンサユニット175a、175bと、下流側の第1のセンサユニット175c、175dとの、それぞれの配設位置に応じたずれ(第1のセンサユニット175c、175dの波形の立ち上がりエッジのずれと立下りエッジのずれ)が反映されて現れる。
これに対して、投入されたメダルMが不正なメダルMである場合、または不正器具を用いてメダルセレクタ170にメダルMの投入を不正にカウントさせる不正行為の場合、図33(b)に示すように、第1のセンサユニット175a、175bにおいて出力される波形と、第1のセンサユニット175c、175dにおいて出力される波形とのずれ方が、正常時におけるずれ方と異なって現れる。具体的には、一例として、第1のセンサユニット175a、175bの波形における「ON」の状態から「OFF」の状態に切り替わる位置と、第1のセンサユニット175c、175dの波形における「ON」の状態から「OFF」の状態に切り替わる位置(第1のセンサユニット175c、175dの波形の立下りエッジ)が一致してしまう。このため、主制御部300のCPU310は、メダルMの投入におけるエラー(メダル投入異常2)が発生したと判断する。
この場合、当該メダル投入異常2のエラー状態は、リセットボタン291による操作と、設定変更との双方を行わなければリセット(解除)することができないようになっている。
なお、かかるメダル投入異常2の判断としては、これに限らず、要は投入されたメダルMが、第1のセンサユニット175a、175bと、第1のセンサユニット175c、175dとを正常に通過しないものであれば、この他、例えば、第1のセンサユニット175a、175bにおける信号波形の2つ分に跨って第1のセンサユニット175c、175dにおける信号波形が検出されたり、第1のセンサユニット175c、175dにおける信号波形の方が、第1のセンサユニット175a、175bにおける信号波形よりも先に検出されたり等、他の種々の検出結果を広く適用することができる。
<メダル投入異常4について>
次に、上述したメダル投入異常4について、図34を用いて説明する。なお、図34は、メダル投入異常4の説明に供するタイムチャートであって、(a)は、正常時におけるメダル投入センサの出力について示すタイムチャートである。(b)は、異常時におけるメダル投入センサの出力について示すタイムチャートである。
スロットマシン100では、上述のメダル投入異常2の場合と同様に、メダル投入口141から投入されたメダルMが適正なメダルMである正常時、メダルMの通過する方向の上流側に設けられたメダルセレクタ170における第1のセンサユニット175a、175bにおいてメダルMを検出した後、メダルMの通過する方向の下流側に設けられた第1のセンサユニット175c、175dにおいてメダルMを検出する。そして、この後、さらに下流側のメダルセレクタ170における通路171に設けられた第2のセンサユニット176a、176bにおいてメダルMを検出する。
このため、図34(a)に示すように、上流側の第1のセンサユニット175a、175bにおいて出力される波形と、下流側の第1のセンサユニット175c、175dにおいて出力される波形とは、ほぼ同形状の波形ではあるが、上流側の第1のセンサユニット175a、175bと、下流側の第1のセンサユニット175c、175dとの、それぞれの配設位置に応じたずれが反映されて現れる。そして、さらに下流側の第2のセンサユニット176a、176bにおいて出力される波形も前記した2つのセンサユニット175a、175bおよび175c、175dの波形と同形状の波形ではあるが、配設位置がさらに下流側となることから、これに応じたすれが反映されて現れる。
具体的には、かかる正常時においては、適正なメダルMが第2のセンサユニット176a、176bを通過した後(換言すれば、第1のセンサユニット175a、175bおよび175c、175dにおいて、メダルMの正常な通過を検出し、第1のセンサユニット175c、175dにおける波形が「ON」の状態から「OFF」の状態に切り替わり、続いて第2のセンサユニット176a、176bにおいて、メダルMの正常な通過を検出したことを表す信号の波形が「OFF」の状態から「ON」の状態に切り替わった後)、5枚のメダルMが第1センサユニット175a、175bおよび175c、175dを正常通過した時点(すなわち、下流側の第1のセンサユニット175c、175dにおける波形が「ON」の状態から「OFF」の状態に切り替わった時点)において、第2のセンサユニット176a、176bでは、4枚のメダルMの通過を表す信号が検出される。
これに対して、投入されたメダルMが不正なメダルMである場合、または不正器具を用いてメダルセレクタ170にメダルMの投入を不正にカウントさせる不正行為の場合、図34(b)に示すように、前記正常時とは異なり、第2のセンサユニット176a、176bにおいて、メダルMの正常な通過を表す信号の立ち上がりが検出された(第2のセンサユニット176a、176bにおける波形が「OFF」の状態から「ON」の状態に切り替わった)後、第1センサユニット175a、175bおよび175c、175dにて5枚のメダルMが正常に通過した時点(すなわち、下流側の第1のセンサユニット175c、175dにおける波形が「ON」の状態から「OFF」の状態に切り替わった時点)において、第2のセンサユニット176a、176bにおけるメダルMの通過を表す信号が検出されない。このため、主制御部300のCPU310は、メダルMの投入におけるエラー(メダル投入異常4)が発生したと判断する。
この場合、当該メダル投入異常4のエラー状態は、リセットボタン291による操作と、設定変更との双方を行わなければリセット(解除)することができないようになっている。
<メダル払出異常2について>
次に、上述したメダル払出異常2について、図35を用いて説明する。なお、図35は、メダル払出異常2の説明に供するタイムチャートであって、(a)は、正常時におけるメダル払出し投入センサの出力について示すタイムチャートである。(b)は、異常時におけるメダル払出しセンサの出力について示すタイムチャートである。
スロットマシン100では、メダルMの払出しを正常に検出する場合、図35(a)に示すように、メダル払出装置180が駆動することによって、この駆動を表す信号が立ち上がる。そして、メダル払出装置180の駆動に伴ってメダルMが払出されるため、例えば、第2のメダル払出しセンサ326bによるメダルMの検出を表す信号の立ち上がりは、前記メダル払出装置180の駆動を表す信号の立ち上がりよりも後となる。この正常時においては、メダル払出装置180によってメダルMの払出しを表す信号が立ち上がってから約1.011秒後に、メダル払出装置180の駆動が停止する(すなわち、メダル払出装置180の駆動を表す信号が「ON」から「OFF」に切り替わる)。そして、この後、次にメダル払出装置180が駆動することを表す信号が立ち上がる時点(約84.224ms以内)において、第2のメダル払出しセンサ326bによるメダルMの検出を表す信号が、「ON」から「OFF」に切り替わる。従って、次にメダル払出装置180が駆動することによって、この駆動を表す信号が立ち上がる時点では、第2のメダル払出しセンサ326bによるメダルMの検出を表す信号は「OFF」の状態となっている。
これに対して、メダル払出装置180によってメダルMの払出しを表す信号が立ち上がってから約1.011秒後に、メダル払出装置180が停止し、メダル払出装置180の駆動を表す信号が「ON」から「OFF」に切り替わった後、次にメダル払出装置180が駆動することを表す信号が立ち上がる時点(約84.224ms以内)において、第2のメダル払出しセンサ326bによるメダルMの検出を表す信号が、メダルMの払出しを表す「ON」の状態である場合、主制御部300のCPU310は、メダルMの払出しにおけるエラー(メダル払出異常2)が発生した判断する。
この場合、当該メダル払出異常2のエラー状態は、リセットボタン291による操作と、設定変更との双方を行わなければリセット(解除)することができないようになっている。
<不正異常とセキュリティ信号との関係について>
次に、上述した不正異常とセキュリティ信号との関係について、図36を用いて説明する。なお、図36は、不正異常とセキュリティ信号の関係を示すタイムチャートであって、(a)は、不正異常の発生から30秒経過後に電源再投入した場合を示すタイムチャートである。(b)は、不正異常の発生から30秒以内に電源再投入した場合を示すタイムチャートである。(c)は、リセットボタン操作前に電源再投入した場合を示すタイムチャートである。
スロットマシン100においては、上述したような各種異常(とりわけ、不正異常)を検出すると、図36(a)に示すように、当該不正異常を検出したことを表すフラグが立ち上がる(「なし」の状態から「ある」の状態に切り替わる)と共に、セキュリティ信号が出力されるため、当該セキュリティ信号の出力を表すフラグも立ち上がる(「OFF」の状態から「ON」の状態に切り替わる)。
このとき、セキュリティ信号は少なくとも30秒間出力を継続される。また、エラー状態を解除するためのリセット操作(例えば、リセットボタン291を押下する操作など)は、セキュリティ信号出力後、予め設定される任意の時間(本実施形態では、6秒)経過後でなければ、無効扱いとなる。エラー状態の解除に関しては、セキュリティ信号出力後、6秒経過してからリセット操作することにより解除できるものの、セキュリティ信号の出力自体は、少なくとも30秒間継続され、さらにその後、電断を伴う電源再投入が実行されるまで、その出力が継続され停止させることができない。換言すれば、セキュリティ信号出力後、6秒経過してからリセット操作しただけでは、セキュリティ信号の出力を停止させることはできない。なお、エラー状態の解除方法は、上述したように、異常の種類に応じて異なるため(図22参照)、所定時間経過後にリセット操作するだけで解除可能であるとは限らない。
このように、本実施形態では、セキュリティ信号出力後、6秒経過してからリセット操作を行い、セキュリティ信号が30秒出力された後に電断され、さらに電源の再投入が行われた場合、当該電源の再投入時に、セキュリティ信号の出力が停止され、このセキュリティ信号の出力を表すフラグも「ON」の状態から「OFF」の状態に切り替わる。従って、予めエラー解除を周知していたとしても、電断不正行為によって発生したエラー状態は、上述した所定の手順に則って実行しなければならず、加えて電断(電源再投入)が必須条件であるため、不正行為者にとっては格段と煩雑となる。
また、スロットマシン100では、図36(b)に示すように、セキュリティ信号出力後、6秒経過してからリセット操作を行ったとしても、セキュリティ信号が出力されてから30秒以内に電断を伴う電源の再投入が行われた場合、セキュリティ信号が必要最低限の条件である30秒の出力を終えていないため、当該電源の再投入時に、電断までに出力した時間を差し引いた残りの時間分の出力が実行される。このため、不正行為によってエラー状態を引き起こし、これを隠蔽するべく電断を行ったとしても、電断中のみ見かけ上、エラー状態を隠せるものの、実際はセキュリティ信号の出力が電源再投入後に継続されるため、かかる不正行為の隠蔽を回避することができると共に、このような不正行為を確実に発見することができる。
さらに、スロットマシン100では、図36(c)に示すように、セキュリティ信号出力後、6秒経過以降のリセット操作を行う前に、電断を伴う電源の再投入が行われた場合、リセット操作を行っていないために、エラー状態の解除を行うことができず、また、セキュリティ信号が必要最低限の条件である30秒の出力を終えていないため、当該電源の再投入時に、電断までに出力した時間を差し引いた残りの時間分の出力が実行される。このため、不正行為によってエラー状態を引き起こし、これを隠蔽するべく電断をリセット操作前に行ったとしても、電断中のみ見かけ上、エラー状態を隠せるものの、実際はエラー解除も行うことができないばかりか、セキュリティ信号の出力が電源再投入後に継続されるため、かかる不正行為の隠蔽を回避することができると共に、このような不正行為を確実に発見することができる。
このように、本実施形態のスロットマシン100では、エラー状態の解除作業が格段と煩雑となっていることにより、スロットマシン100に対する不正行為を未然に防止することができる。しかも、エラー状態の解除方法を知った上で(すなわち、不正行為の隠蔽までも考慮した)不正行為を行った場合、不正行為によるエラー状態の解除に時間を要すことから、当該エラー状態を解除している間に不正行為を発見し易くすることが可能となり、不正行為の隠蔽を確実に回避して不正行為の防止を格段と強化することが可能となる。
<扉開放または設定変更とセキュリティ信号の関係について>
次に、上述した扉開放または設定変更とセキュリティ信号の関係について、図37を用いて説明する。なお、図37は、扉開放または設定変更とセキュリティ信号の関係を示すタイムチャートであって、(a)は、はじめの処理から30秒以内に終了した場合を示すタイムチャートある。(b)は、はじめの処理から30秒を越えて終了した場合を示すタイムチャートある。
スロットマシン100においては、上述したような前面扉102の開状態である扉開放や、設定キースイッチ230、設定変更ボタン292等よる各種設定の変更が行われたことを検出すると、図37(a)に示すように、前面扉102の開状態や各種設定の変更が行われたことを表すフラグが立ち上がる(「なし」の状態から「ある」の状態に切り替わる)と共に、セキュリティ信号が出力されるため、当該セキュリティ信号の出力を表すフラグも立ち上がる(「OFF」の状態から「ON」の状態に切り替わる)。このとき、セキュリティ信号は少なくとも30秒間出力を継続される。
そして、当該セキュリティ信号が出力されている30秒(例えば、図示のように、扉開放または設定変更の処理が複数回行われる場合においては、出力中のセキュリティ信号のフラグを立てることの原因となった当初(一番はじめ)の処理から30秒)の間に、当該扉開放や設定変更の処理が終了した場合、出力中のセキュリティ信号は、30秒後に出力が停止する(セキュリティ信号の出力を表すフラグが「ON」の状態から「OFF」の状態に切り替わる)。
これに対し、当該セキュリティ信号が出力されている30秒の間に、当該扉開放や設定変更の処理が終了せず、出力中のセキュリティ信号のフラグを立てることの原因となった当初(一番はじめ)の処理から30秒を越えて終了した場合、出力中のセキュリティ信号は、30秒後に出力が停止することなく、当該扉開放や設定変更の処理が終了するまで出力を継続して、この処理が終了した時点で出力が終了する(セキュリティ信号の出力を表すフラグが「ON」の状態から「OFF」の状態に切り替わる)。このとき、当該扉開放や設定変更の処理の終了と同時にセキュリティ信号の出力を停止することにより、過剰な報知を防止することができるようになっている。
<不正異常および扉開放とセキュリティ信号の関係について>
次に、上述した不正異常および扉開放とセキュリティ信号の関係について、図38を用いて説明する。なお、図38は、不正異常および扉開放とセキュリティ信号の関係を示すタイムチャートであって、(a)は、扉開放中に不正異常が発生した場合を示すタイムチャートである。(b)は、扉開放から30秒以内に不正異常が発生した場合を示すタイムチャートである。
スロットマシン100においては、上述したような前面扉102の開状態である扉開放が行われたことを検出すると、図38(a)に示すように、前面扉102が開放されたことを表すフラグが立ち上がる(「なし」の状態から「ある」の状態に切り替わる)と共に、セキュリティ信号が出力されるため、当該セキュリティ信号の出力を表すフラグも立ち上がる(「OFF」の状態から「ON」の状態に切り替わる)。このとき、セキュリティ信号は少なくとも30秒間出力を継続される。
そして、この扉開放中に不正異常が発生した場合、扉開放の開始に起因したセキュリティ信号の出力から6秒後にリセット操作したとしても、当該セキュリティ信号は電断を伴う電源の再投入時まで出力が継続される。すなわち、扉開放中に不正異常が発生した場合、所定時間(6秒)後のリセット操作を行った上で、且つ、セキュリティ信号の出力開始から30秒以降に電源を再投入されるまで、当該セキュリティ信号が出力され続ける。
また、図38(b)に示すように、扉開放開始から30秒以内に不正異常が発生した場合も同様に、扉開放の開始に起因したセキュリティ信号の出力から6秒後にリセット操作したとしても、当該セキュリティ信号は電断を伴う電源の再投入時まで出力が継続される。すなわち、扉開放の開始から30秒以内に不正異常が発生した場合、セキュリティ信号出力から所定時間(6秒)後のリセット操作を行った上で、且つ、セキュリティ信号の出力開始から30秒以降に電源を再投入されるまで、当該セキュリティ信号が出力され続ける。
このように、スロットマシン100では、扉開放と不正行為による不正異常とを併用しても、セキュリティ信号は少なくとも電源再投入まで継続して出力される。すなわち、不正異常発生中に扉開放が終了し、扉閉鎖状態になったとしても、この扉閉鎖については処理的に無視されるため、不正異常を扉開閉で打ち消すことが不可能になっている。
<不正異常および設定変更とセキュリティ信号の関係について>
次に、上述した不正異常および設定変更とセキュリティ信号の関係について、図39を用いて説明する。なお、図39は、不正異常および設定変更とセキュリティ信号の関係を示すタイムチャートであって、(a)は、不正異常後に設定変更した場合を示すタイムチャートである。(b)は、設定変更中に不正異常が発生した場合を示すタイムチャートである。(c)は、設定変更から30秒以内に不正異常が発生した場合を示すタイムチャートである。
スロットマシン100においては、上述したような不正異常が発生したことを検出すると、図39(a)に示すように、不正異常が発生したことを表すフラグが立ち上がる(「なし」の状態から「ある」の状態に切り替わる)と共に、セキュリティ信号が出力されるため、当該セキュリティ信号の出力を表すフラグも立ち上がる(「OFF」の状態から「ON」の状態に切り替わる)。このとき、セキュリティ信号は少なくとも30秒間出力を継続される。
そして、この不正異常によるセキュリティ信号出力中に電断を伴う電源再投入を行うと共に、設定変更の処理を行うことによって、当該不正異常を打ち消す(隠蔽する)処理が行われた場合、当該設定変更によってRAMクリアが実行され、当該エラー状態は解除される。しかしながら、セキュリティ信号は、かかる設定変更に伴ったRAMクリアにより、当初30秒に設定されていたセキュリティ信号出力保持タイマがリセットされるため、かかる電源再投入時から改めてセキュリティ信号の出力が30秒継続される。これにより、電源再投入以降においてエラー状態は解除されるものの、該電源再投入後、30秒間はセキュリティ信号の出力が継続されるためエラーが発生した事実が打ち消されることを防止することができる。
また、設定変更の処理中に不正異常が発生した場合、図39(b)に示すように、まず、この設定変更の開始を表すフラグが立ち上がる(「なし」の状態から「ある」の状態に切り替わる)と共に、セキュリティ信号が出力されるため、当該セキュリティ信号の出力を表すフラグも立ち上がる(「OFF」の状態から「ON」の状態に切り替わる)。このとき、セキュリティ信号は少なくとも30秒間出力を継続される。そして、この設定変更の処理中に不正異常が発生すると、不正異常が発生したことを表すフラグが立ち上がる(「なし」の状態から「ある」の状態に切り替わる)。そして、設定変更の処理が終了した後、所定のリセット操作によってエラー状態が解除(不正異常の発生を表すフラグが「ある」の状態から「なし」の状態に切り替わる)されたとしても、セキュリティ信号は出力開始から30秒後に停止されることなく、電源再投入が行われるまで継続して出力される。
さらに、設定変更の処理が開始してから30秒以内に不正異常が発生した場合、図39(c)に示すように、まず、この設定変更の開始を表すフラグが立ち上がる(「なし」の状態から「ある」の状態に切り替わる)と共に、セキュリティ信号が出力されるため、当該セキュリティ信号の出力を表すフラグも立ち上がる(「OFF」の状態から「ON」の状態に切り替わる)。この後、設定変更の開始から30秒以内に不正異常が発生すると、不正異常が発生したことを表すフラグが立ち上がる(「なし」の状態から「ある」の状態に切り替わる)。そして、設定変更の処理が終了した(設定の変更処理を表すフラグが「ある」の状態から「なし」の状態に切り替わる)後、所定のリセット操作によってエラー状態が解除(不正異常の発生を表すフラグが「ある」の状態から「なし」の状態に切り替わる)されたとしても、セキュリティ信号は出力開始から30秒後に停止されることなく、電源再投入が行われるまで継続して出力される。なお、同図の場合、不正異常の発生前に設定変更は終了している。
このように、スロットマシン100では、不正異常と設定変更とを併用しても、不正異常によって出力されるセキュリティ信号は、少なくとも電源再投入まで継続して出力される。すなわち、不正異常発生中に当該不正を打ち消す(隠蔽する)ための設定変更を行うことでエラー状態は解除されるものの、セキュリティ信号の出力は電源再投入まで継続され、設定変更を実行することにより、不正異常を打ち消す(隠蔽する)ことが不可能になっている。
<リセット操作異常について>
次に、上述したリセット操作異常について、図40を用いて説明する。なお、図40は、リセット操作異常の説明に供するタイムチャートであって、(a)は、正常時におけるリセット操作異常について示すタイムチャートである。(b)は、異常時におけるリセット操作異常について示すタイムチャートである。
スロットマシン100においては、異常が発生していない(エラー状態でない)正常時、図40(a)に示すように、異常を表すフラグが「なし」の状態となっている。この状態において、リセット操作異常(例えば、施錠部280のリセットセンサ334を利用した扉リセットキー操作における異常)が生じると、当該リセット操作異常を表すフラグが立ち上がる(「なし」の状態から「ある」の状態に切り替わる)。すると、この後、タイマ回路315における異常リセット無効タイマに予め設定されたリセット不可とする時間(この場合、6秒)が経過するまでリセット操作ができなくなる。また、リセット操作異常のフラグが立ち上がった時点で、通常演出がキャンセルされ、リセット操作異常を報知するリセット操作異常報知演出へ切り替わる。なお、このとき、通常演出をキャンセルすることなく、リセット操作異常報知演出と併用する(例えば、液晶表示装置157において通常演出画像に被せるようにリセット操作異常報知画像を表示する等)ようにしてもよい。
そして、異常リセット無効タイマに設定されたリセット不可とする時間が経過した後、扉中継基板290のリセットボタン291を利用したリセット操作が実行されると、リセット操作異常であるエラー状態が解除される(すなわち、リセット操作異常を表すフラグが「あり」の状態から「なし」の状態へと切り替わる)と共に、リセット操作異常報知演出がキャンセルされて、当該エラー状態が解除されたことを表すリセット報知演出へと切り替わる。
一方、スロットマシン100においては、すでに異常が発生している(エラー状態)異常時、図40(b)に示すように、当該異常を表すフラグが「あり」の状態となっており、演出内容としては、異常が発生していることを表す異常報知演出が行われている。なお、このとき、リセット操作異常が発生していない場合、このリセット操作異常を表すフラグは「なし」の状態となっている。この状態において、リセット操作(例えば、施錠部280のリセットセンサ334を利用した扉リセットキー操作)が実行されると、当該異常(エラー状態)が解除され、この異常を表すフラグが「あり」の状態から「なし」の状態に切り替わる。それと共に、前記異常報知演出がキャンセルされ、リセット報知演出へと切り替わる。
そして、この状態において、リセット操作(例えば、施錠部280のリセットセンサ334を利用した扉リセットキー操作)が実行されると、当該リセット操作異常を表すフラグが立ち上がる(「なし」の状態から「ある」の状態に切り替わる)と共に、演出内容において、リセット報知演出がキャンセルされ、同時にリセット操作異常報知演出へと切り替わる。この後、タイマ回路315における異常リセット無効タイマに予め設定されたリセット不可とする時間(この場合、6秒)が経過するまでリセット操作ができなくなる。
但し、かかる異常リセット無効タイマに設定されたリセット不可とする時間(6秒)が経過する前であっても、設定変更を処理するための設置変更操作が行われると、リセット操作異常であるエラー状態が解除される(すなわち、リセット操作異常を表すフラグが「あり」の状態から「なし」の状態へと切り替わる)と共に、リセット操作異常報知演出がキャンセルされて、当該設定変更処理が実行中であることを表す設定変更中報知演出へと切り替わる。
以上説明したように、本実施形態に係るスロットマシン100は、遊技に関する制御を行う制御部(例えば、主制御部300、副制御部400)と、少なくとも、前記遊技に用いられる遊技媒体(例えば、メダルM)の投入、または、前記遊技媒体の払出しに関する異常を検出する異常検出手段(例えば、第1および第2にセンサユニット175a〜175dを有するメダル投入センサ320、第1および第2のメダル払出しセンサ326a、326b、リセットボタンセンサ328、設定変更ボタンセンサ329、ドアオープンセンサ333、リセットセンサ334、設定キーセンサ335)と、前記異常検出手段による前記異常の検出に基づいて、前記遊技の進行を不能動化させる遊技不能動化手段(例えば、主制御部300のデバイス監視処理)と、前記制御手段に制御され、前記異常検出手段による前記異常の検出に基づいて、前記異常の発生を報知する報知手段(例えば、液晶表示装置157、遊技ランプ340、7SEG表示器440、スピーカ483)と、前記遊技不能動化手段によって前記遊技の進行が不能動化された状態を解除する解除操作手段(例えば、施錠部280、リセットボタン291、リセット操作監視処理)と、を備える遊技台であって、前記制御部は、前記解除操作手段によって前記遊技の進行が不能動化された状態を解除した後であっても、電源の供給を断たれるまで、前記異常の発生を継続して報知するよう前記報知手段を制御するようにした。
このような構成にすることで、主制御部300のCPU310は、メダル投入センサ320(第1および第2にセンサユニット175a〜175d)、第1および第2のメダル払出しセンサ326a、326b、リセットボタンセンサ328、設定変更ボタンセンサ329、ドアオープンセンサ333、リセットセンサ334、設定キーセンサ335等の異常検出手段によって、エラーが検出されると、制御状態を遊技の進行を不能動化させた(すなわち、遊技を継続不可能なエラー状態に制御状態を変更した)エラー状態にすると共に、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、遊技開始ランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、リールパネルランプ128、遊技メダル投入ランプ129等)や、7SEG表示器341(具体的には、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127等)、液晶表示装置157、スピーカ483などの報知手段を少なくとも1つ使用してエラー状態であることを周囲に報知(エラー報知)する。このとき、このエラー報知と共に、外部集中端子板248を介して外部のホールコンピュータ等の情報入力回路(例えば、情報受信端子板550a)にエラー情報を送信する。
従って、遊技店の店員は、当該エラー報知によりスロットマシン100がエラー状態になったことを知ることができる。勿論、エラー状態の報知は、上述した報知手段を1つ選択して行ってもよく、複数選択して行ってもよく、全て利用して行ってもよい。かかる報知手段の選択は、適宜、変更可能であることは言うまでもない。
そして、エラー状態を解除するエラー解除操作は、リセットボタン291や、施錠部280の操作によって行う。一方、CPU310は、リセットボタン291によって遊技の進行が不能動化されたエラー状態を解除した後であっても、スロットマシン100に対する電源の供給が断たれる(電断される)まで、このスロットマシン100がエラー状態であること(エラーの発生)を継続して報知するように、上述の各種報知手段を制御する。
このため、スロットマシン100に対して不正行為を行うことにより、当該スロットマシン100がエラー状態になった場合、エラー状態自体はリセットボタン291を操作することによって解除することができるものの、当該エラー状態であることの報知は、電断されるまで継続して実行される。
換言すれば、不正行為者がエラー解除まで周知した上でスロットマシン100に対して不正行為を行い、エラー状態になったことを解除したとしても、このエラー状態であることの報知は、電断されるまで継続して実行されることとなる。すなわち、エラー状態であることが電断されるまで継続して報知されるため、当該不正行為の後に不正の証拠を消す行為を行ったとしても、その間に発見される可能性を格段と向上させることができる。
このように、本実施形態のスロットマシン100においては、簡素な構成によって、スロットマシン100に対して繰り返し実行される不正行為(不正の証拠を消す行為を含む)の間隔を延長させることができ、当該不正行為を発見し易くし得る格別な効果を奏することができる。
しかも、本実施形態の場合、主制御部300のCPU310は、異常の発生(エラー検出)から予め定めた期間(例えば、6秒間)、リセットボタン291によるエラー解除操作(換言すれば、遊技の進行が不能動化された状態を解除する操作)ができないように制御する。
このため、例えば、スロットマシン100が不正行為によってエラー状態になった場合、当該エラー状態を解除するためのエラー解除操作を所定時間経過しない限り実行することができないことから、エラー状態を確実に報知することができ、スロットマシン100の周囲の人や、遊技店の店員などに知らしめることができる。これにより、スロットマシン100では、エラー状態を引き起こす不正行為を未然に防止することができる。
さらに、本実施形態の場合、上述した各種遊技ランプ340や、7SEG表示器341、液晶表示装置157、スピーカ483などは、主制御部300のCPU310により、スロットマシン100に対して電源の供給が開始される電源投入時に、当該電源が投入されたことを、音声出力、ランプ点滅、報知画像表示などによって報知するように制御される。例えば、「電源が投入されました。」のような音声や、電源投入専用のサイレンによる音声出力、電源投入専用のランプ点滅、電源投入専用の報知画像表示などを、少なくとも1つ利用し、好ましくは複数併用して報知する。
これにより、スロットマシン100における電源の投入を一段と目立たせることができる。従って、不正行為者が継続したエラー報知を停止させるためにスロットマシン100を意図的に電断状態にした場合、その後の電源の投入時に、当該電源の投入を報知することで、不正な電源投入行為を格段と目立たせることができ、このような不正行為者による電源投入を発見し易くすることができるようになっている。かくして、不正行為を未然に防止することができるようになっている。
これらに加えて、本実施形態のスロットマシン100では、リセットセンサカバー282を施錠部280に設けるようにしたことにより、施錠部280における特にリセットセンサ334、ドアオープンセンサ333がリセットセンサカバー282に覆われるため、メダル払出口155から侵入されてメダル誘導シュート266を通過した不正器具によって、リセットセンサ334等の不正行為の対象となる箇所に到達することを困難にすることができる。これにより、不正行為の対象となる箇所に対する直接的な不正行為を効果的に防止することができるだけではなく、不正行為により生じたエラー状態を解除することによって不正行為を隠蔽する行為までも効果的に防止することができる。
本発明によれば、メダルセレクタ170、メダル誘導シュート266、およびリセットセンサ334を上述のように配置することで、スロットマシン100内部のスペースを効率的に使用しながらも、メダル誘導シュート266を通過した不正器具がリセットセンサ334等の不正行為の対象となる箇所に到達することを困難にすることができる。
なお、本発明に係る遊技台は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、リセットセンサカバーの形状は、上記実施形態において示した形状に限定されるものではなく、その他の形状、例えば不正器具の進入方向を所定の方向に誘導するように曲折されたものであってもよい。
また、メダルセレクタ170、メダル誘導シュート266、およびリセットセンサ334の相対的な位置関係は、上記実施形態において示した例に限定されるものではなく、その他の配置であってもよい。
また、上記実施形態では、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシンの例を示
したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技球(例えば、パチンコ玉
)を遊技媒体としたスロットマシンやパチンコ機などにも、本発明は適用可能である。
具体的には、本発明に係る遊技台は、「所定の遊技領域に遊技球を発射する発射装置と、発射装置から発射された遊技球を入球可能に構成された入賞口と、入賞口に入球した遊技球を検知する検知手段と、検知手段が遊技球を検知した場合に遊技球(賞球)を払出す払出手段と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機」にも好適である。この場合、本発明で防止し得るエラーを引き起こす不正行為としては、大当たり以外でのアタッカー入賞、パチンコ機に対して振動を与える行為、パチンコ機に対する電波送信等の電波を用いた行為、不正器具として磁石を用いる行為、払出異常などが考えられる。
さらに、本発明をアレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、スマートボール、およびカ
ジノマシン等に適用しても、同様の効果を得ることができる。
さらに、本発明では、エラーの発生から該エラーのリセットまでの時間が所定時間より早い場合、エラーの発生から次のエラーの発生までの時間が所定時間より早い場合、エラーのリセットから次のエラーのリセットまでの時間が所定時間より早い場合、エラーのリセットから次のエラーの発生までの時間が所定時間より早い場合、エラーの発生頻度(例えば、単に累積回数、単位時間あたり、消化ゲーム数等)が高い場合などに、不正行為によるエラーとして判定するようにしてもよい。
また、本発明の実施形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。