図1に示すように、スロットマシン(遊技機)10は、収納箱12と、前面扉14とを備えている。収納箱12には、後述する第1〜第3リール20a〜20cがユニット化されたリールユニットや、後述する払い出し口32を介してメダル受け皿34にメダルの払い出しを行うホッパ装置などが収納されている。前面扉14は上扉14aと下扉14bとに分割されており、これら上扉14a及び下扉14bはそれぞれ収納箱12に軸着され、開閉自在に支持されている。
上扉14aには、表示窓16が設けられ、表示窓16の奥には、回転自在な第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cが設けられている。各リール20a〜20cの外周面には複数種類の図柄が配列されており、各リール20a〜20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄が表示される。
下扉14bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットする際に操作されるベットボタン24、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー26、回転しているリールを停止させるための第1ストップボタン30a、第2ストップボタン30b、第3ストップボタン30c、メダルを払い出す払い出し口32、払い出し口32から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿34が設けられている。
スロットマシン10は、メダル投入口22にメダルを投入、または、クレジットされたメダルが存在する状態でベットボタン24を操作することでメダルがベットされ、スタートレバー26が有効化される。そして、有効化されたスタートレバー26が操作されると、これに伴って遊技が開始される。遊技が開始されると、当選役抽選が行われて複数種類の当選役のいずれか又はハズレが決定されるとともに、各リール20a〜20cが回転を開始する。この後、各ストップボタン30a〜30cが有効化され、有効化されたストップボタン30a〜30cが操作されると、対応するリールの回転が個別に停止される。
そして、全てのリールが停止したときに、当選役抽選で決定された当選役に対応する図柄の組合せが表示されるとこの当選役が入賞となる。当選役抽選で決定される当選役は、リプレイ、小役、ボーナスの3種類に大別され、リプレイが入賞すると新たなメダルの投入無しに次回の遊技が可能となり、小役が入賞するとホッパ装置が作動され、入賞した小役の種類に対応した枚数のメダルがメダル受け皿34に払い出され、ボーナスが入賞すると次回の遊技からボーナスモードでの遊技が実行される。
また、スロットマシン10には、各種画像を表示する液晶ディスプレイ36、及び、各種音声を出力するスピーカ38が設けられており、スロットマシン10では、これらを用いて遊技の演出が行われる。さらに、スロットマシン10には、演出ボタン(操作部材)40が設けられており、スロットマシン10は、前述した演出の一種として、遊技者に演出ボタン40を操作させる遊技者参加型演出を行う。
なお、本実施形態では、遊技者参加型演出として、演出ボタン40を連打することで液晶ディスプレイ36に表示された3段階のゲージが1段ずつ上昇していき、ゲージが最高の3段目まで上昇すると当選役抽選で特別当選役が当選したことが確定となる演出を行う例で説明を行う。
特別当選役は、周知の各種当選役の中から1つまたは複数を自由に設定できるが、例えば、当選し、所定の停止操作をしたことに基づいて有利な遊技状態へと移行させる契機となる当選役(移行役)を特別当選役としてもよい。なお、有利な遊技状態としては、RTモード(リプレイの当選確率が通常とは異なる遊技モード)や、ATモード(当選した当選役を報知したり、当選した当選役を入賞させるためのリールの停止順序などを報知する遊技モード)、ボーナスモードなどが考えられ、移行役としては、これら各モードへと移行させる契機となるRT移行役、AT移行役、ボーナス移行役などが考えられる。もちろん、移行役が、リプレイ、小役、ボーナスのいずれかに属する当選役であってもよい(すなわち、移行役が、リプレイの一種であってもよいし、小役の一種であってもよいし、ボーナスの一種であってもよい)。
図2に示すように、スロットマシン10の内部には、スロットマシン10の各部を制御することによって遊技の実行及び進行を制御するメイン制御基板50と、液晶ディスプレイ36及びスピーカ38を制御することによって演出の実行及び進行を制御するサブ制御基板52とが設けられている。
メイン制御基板50とサブ制御基板52とは、メイン制御基板50からサブ制御基板52へは遊技状態を示す情報など各種情報の送信が可能となっているが、サブ制御基板52からメイン制御三晩50へは一切の情報を送信できないようになっている(情報の通信はメイン制御基板50からサブ制御基板52への一方通行となっている)。そして、本実施形態では、メイン制御基板50に、当選役抽選を行う当選役抽選部54が設けられ、当選役抽選が実行されると、当選役抽選の結果がメイン制御基板50からサブ制御基板52へと出力される。
サブ制御基板52には、演出決定部56、達成条件記憶部58が設けられている。サブ制御基板52は、メイン制御基板50から当選役抽選の結果が入力されると演出決定部56を作動させる。演出決定部56は、演出決定テーブルを備え、演出決定テーブルを用いた演出抽選を行い、実行する演出の種類を決定する。演出決定テーブルは、当選役抽選の結果に対応して複数設けられており、演出抽選では、当選役抽選の結果に基づく演出が決定される。
本実施形態では、特別当選役が当選している場合に用いられる演出決定テーブルの方が、当選していない場合に用いられる演出決定テーブルよりも、遊技者参加型演出が決定される確率を高くしている。このため、本実施形態では、遊技者参加型演出が実行されることで、特別当選役に当選していることへの期待感を遊技者に与えることができる。
達成条件記憶部58には、遊技者参加型演出において、ゲージを0段目から1段目に上昇させるための第1達成条件、ゲージを1段目から2段目に上昇させるための第2達成条件、ゲージを2段目から3段目に上昇させるための第3達成条件が記憶される。
本実施形態では、第1、第2達成条件として、演出ボタン40を所定回数(例えば、10回)連打することに加えて演出ボタン40が所定回数連打された際に実行される所定の当選確率(例えば、当選確率50%)の上昇抽選に当選することが予め記憶されている。また、本実施形態では、第3達成条件として、演出ボタン40を所定回数連打することと上昇抽選に当選することに加えて当選役抽選で特別当選役が当選していることが予め記憶されている。
図3に示すように、サブ制御基板52は、遊技者参加型演出を実行することが決定されると、液晶ディスプレイ36に演出ボタン40の連打を促すメッセージを表示する。そして、第1達成条件を達成するとゲージを1段目に上昇させ、第1達成条件を達成した後に第2達成条件を達成するとゲージを2段目に上昇させ、第2達成条件を達成した後に第3達成条件を達成するとゲージを3段目に上昇させる。
第1〜第3の全ての達成条件を達成し、ゲージが3段目(最高段)まで上昇すると遊技者参加型演出が終了される。また、本実施形態では、第1〜第3達成条件を達成するまでの許容期間が予め設定されており、この許容期間を過ぎると達成条件を達成できなかったと判定されて、遊技者参加型演出が終了する。
なお、図3の例では、演出ボタン40の連打を促すメッセージが表示されてから所定時間(例えば、30秒)を許容期間とし、この間に第1〜第3達成条件の全てを達成しなければならないといったように、許容期間が一連の期間として設定された例を示しているが、第1達成条件を達成するまでの第1許容期間として、演出ボタン40の連打を促すメッセージが表示されてから第1所定時間(例えば、10秒)が設定され、第2達成条件を達成するまでの第2許容期間として、第1達成条件を達成してから第2所定時間(例えば、7秒)が設定され、第3達成条件を達成するまでの第3許容期間として、第2達成条件を達成してから第3所定時間(例えば、5秒)が設定されるといったように、各達成条件毎に個別に許容期間を設定してもよい。
図2に戻り、サブ制御基板52には、演出履歴記憶部60、難易度判定部(判定手段)62、及び、達成条件変更部(達成条件可変手段)64が設けられている。スロットマシン10では、これらにより遊技者参加型演出への参加意欲が向上するように、達成条件記憶部58に記憶された第1〜第3達成条件を変更する。
すなわち、遊技者参加型演出では、演出ボタン40を懸命に連打したにも関わらず連打回数が足りずに達成条件を達成できない場合や、達成条件が簡単で達成条件を達成しても達成感が得られない場合、また、演出ボタン40の連打回数は足りているにも関わらず上昇抽選に落選するといったことが繰り返された場合、参加意欲が低下してしまう。このような問題を防止するために、演出履歴記憶部60、難易度判定部62、及び、達成条件変更部64が設けられている。
演出履歴記憶部60は、遊技者参加型演出が実行されると、この演出中の演出ボタン40の操作履歴(操作回数や操作タイミングなど)、及び、第1〜第3の各達成条件の達成履歴を記憶する。なお、本実施形態では、達成履歴として、第1〜第3の全ての達成条件が達成された場合(すなわち、ゲージが最高段(本実施形態では3段目)まで上昇した場合)に、達成条件が達成された旨の履歴が記録され、遊技者参加型演出が実行されたが第1〜第3のいずれかの条件が達成できなかった場合(すなわち、ゲージが最高段まで上昇しなかった場合)に、達成条件が達成されなかった旨の履歴が記録される例で説明を行う。
図4に示すように、難易度判定部62は、遊技者参加型演出が終了すると、演出履歴記憶部60に記憶された達成履歴に基づき、遊技者にとって第1〜第3の各達成条件が容易であるか否かを示す達成度を判定する。具体的には、難易度判定部62は、先ず、達成条件が達成された達成確率(分母を遊技者参加型演出の実行回数とし、分子を達成条件が達成された回数(ゲージが最高段まで上昇した回数)として算出される確率)を算出する。このように算出される達成確率は、達成条件の達成度を示すものであり、難易度判定部62は、達成度判定部として機能する。
続いて、難易度判定部62は、算出された達成確率を所定の上限閾値(例えば、70%)及び下限閾値(例えば、30%)と比較する。そして、難易度判定部62は、達成確率が、上限閾値以上であれば、達成条件が容易であると判定し、達成確率が下限閾値以下であれば、達成条件が困難であると判定し、それ以外については達成条件が適切であると判定する。
図5に示すように、達成条件変更部64は、難易度判定部62により達成条件が容易であると判定された場合は、達成難易度が上がるように第1〜第3の各達成条件を変更する。具体的には、第1〜第3達成条件として設定された演出ボタン40の連打回数に所定の加算値(例えば、2回)を加算する。また、第1、第2達成条件として設定された上昇抽選の当選確率を所定の低下率(例えば、10%)だけ低下させる。
他方、達成条件変更部64は、難易度判定部62により達成条件が困難であると判定された場合は、達成難易度が下がるように第1〜第3の各達成条件を変更する。具体的には、第1〜第3達成条件として設定された演出ボタン40の連打回数から所定の減算値(例えば、3回)を減算する。また、第1、第2達成条件として設定された上昇抽選の当選確率を所定の上昇率(例えば、15%)だけ上昇させる。
以上のように、スロットマシン10では、遊技者参加型演出において、遊技者にとって達成が容易な場合(達成確率が高い場合)、達成が困難となるように達成条件を変更し、達成が困難な場合(達成確率が低い場合)、達成が容易となるように達成条件を変更する。そして、このように変更された達成条件は、次回の遊技者参加型演出で用いられる。このように、スロットマシン10では、達成条件の達成確率(達成度)に応じて達成条件の難易度を判定し、判定した難易度に応じて次回の遊技者参加型演出で用いられる達成条件を変更、すなわち、遊技者に合わせて達成条件へと変更する。これにより、スロットマシン10によれば、遊技者参加型演出への参加意欲を向上させることができる。
また、同一の遊技者であっても、初めのうちは懸命に連打していたが、遊技者参加型演出の回数を重ねるうちに疲れてしまい連打の速度が低下する場合があり、このような場合に達成条件が変化しないと、徐々に達成確率が下がり、参加意欲が低下してしまうといった問題があるが、スロットマシン10ではこのような場合に徐々に達成条件が緩和されるので、同一の遊技者に対して長い時間、参加意欲を維持させることができる。
なお、本発明は、遊技者参加型演出で用いられる達成条件を、遊技者に合わせて変更できればよいので、細部の構成は上記実施形態に限定されず適宜変更できる。例えば、上記実施形態では、当選役抽選で特別当選役が決定された状態でないと、ゲージが最上段まで上昇しない例、すなわち、遊技者参加型演出において達成条件を達成できるか否か(ゲージが最上段まで上昇するか否か)が、メイン制御基板で管理される情報に依存する例で説明をしたが、遊技者参加型演出で達成条件を達成できるか否かが、メイン制御基板で管理される情報に依存しないように構成することも可能である。
この場合、例えば、第3達成条件として当選役抽選の結果によらない達成条件(第1、第2達成条件と同様の達成条件)を達成条件記憶部に記憶させればよい。こうすることによって、メイン制御基板で管理される情報に依存することなく遊技者参加型演出において達成条件を達成できるか否かを決められるようになる。
なお、メイン制御基板で管理される情報に依存することなく遊技者参加型演出において達成条件を達成できるか否かを決められるようにした場合、達成条件を達成しても単にゲージが最高段まで上昇するだけでは、達成条件を達成することの意義が薄れ、遊技者の参加意欲が低下してしまう恐れがある。このため、達成条件を達成することによってゲージが最高段まで上昇すること以外の何らかの特典を遊技者に付与してもよい。
遊技者に付与する特典としては、例えば、通常では実行されることのないプレミアム演出を実行する(プレミアム画像の表示であってもよいし、プレミアム楽曲などの音声の出力であってもよいし、これら両方からなるものもよい)といったことが考えられる。なお、特典は、プレミアム演出を「実行」することだけに限定されず、例えば、達成条件を達成すると以降のボーナスモード中にプレミアム演出が選択されるようになる、すなわち、達成条件を達成することで、規制を解除する(実行されないようになっていたプレミアム演出が実行されるようになる)ことを特典としてもよい。さらに、特典として解除する規制は、プレミアム演出を実行しないことだけに限定されず、特典としてこれ以外の規制を解除してもよい。
また、達成条件を達成した際に、例えば、当選役抽選で当選した当選役を入賞させるための手順を報知する状態、いわゆるATモードへ移行させるといった特典を付与することもできる。ATモードは、メイン制御基板の制御に関わらず、サブ制御基板の制御による演出の態様により発現する遊技モードであるので、前述のように、メイン制御基板で管理される情報によらず、達成条件を満たした場合にATモードへ移行させることもできる。なお、ATモードへの移行(毎遊技前述した手順が報知されるモードへの移行)に限定されず、通常状態よりも前述した手順の報知が行われる確率が高くなる状態へ移行させてもよい(以降の説明では、毎遊技報知を行うモード、及び、通常よりも報知確率が高くなる状態を合わせて単にATモードと称する)。
もちろん、サブ制御基板で行われる演出抽選の結果に基づいてATモードへ移行させるか否かを決定するとともに、達成条件として、「演出抽選においてATモードへ移行させることが決定されていること」といった条件を設定することにより、演出抽選でATモードへ移行させることが決定されていない状態では、達成条件が達成できない(ゲージが最高段まで上昇しない)ようにしてもよい。この場合、演出抽選の結果によって、遊技者参加型演出において達成条件を達成できるか否かが左右されるが、演出抽選はサブ制御基板で行われるものなので、メイン制御基板で管理される情報に依存することなく遊技者参加型演出において達成条件を達成できるか否かを決めることができる。
また、上記実施形態では、第1、第2達成条件が共通の条件である例で説明をしたが、第1、第2達成条件を異ならせてもよい。また、反対に、全ての達成条件を共通としてもよい。
さらに、上記実施形態では、第1〜第3の3つ達成条件を設け、これら全てを満たすことによって、ゲージが最高段まで到達し、達成条件が達成されたとして達成履歴に記憶する例で説明をしたが、達成条件を1つのみ設け、この達成条件を満たせば、ゲージが最高段まで到達し、達成条件が達成されたとして達成履歴に記憶されるようにしてもよい。もちろん、2つ、または、4つ以上の達成条件を設け、これら全てを満たすことによって、ゲージが最高段まで到達し、達成条件が達成されたとして達成履歴に記憶されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、達成が容易または困難と判定された場合、複数の達成条件(第1〜第3達成条件)の全てを一斉に変更する例で説明をしたが、例えば、難易度が高いまたは低いと判定された場合、第1達成条件のみを変更するなど、複数の達成条件のうちの一部のみを変更してもよい。
さらに、上記実施形態では、達成が容易と判定された際に、達成条件として設定された演出ボタンの連打回数を増やすことと、上昇抽選の当選確率を下げることとの両方を行う例で説明をしたが、いずれか一方のみを行ってもよい。同様に、上記実施形態では、達成が困難と判定された際に、達成条件として設定された演出ボタンの連打回数を減らすことと、上昇抽選の当選確率を上げることとの両方を行う例で説明をしたが、いずれか一方のみを行ってもよい。
また、達成確率と低下させる原因としては、演出ボタンの連打回数が足りない場合と、上昇抽選に当選できない場合とが存在する。このため、前者の場合(演出ボタンの連打回数が足りずに達成条件を達成できなかった回数の方が、上昇抽選に当選できずに達成条件を達成できなかった回数よりも多い場合)、上昇抽選の当選確率を変更せずに演出ボタンの連打回数を減らすことによって達成条件を変更し、後者の場合(上昇抽選に当選できずに達成条件を達成できなかった回数の方が、演出ボタンの連打回数が足りずに達成条件を達成できなかった回数よりも多い場合)、演出ボタンの連打回数を変更せずに上昇抽選の当選確率を上昇させることによって達成条件を変更してもよい。
また、上記実施形態では、達成条件を変更する際に、達成条件を達成できたか否かについては考慮するが、例えば、達成条件を達成できなかったときに後少しで達成できたのかそれとも全く達成まで遠かったのかや、達成条件を達成できたときにぎりぎりで達成できたのかそれとも余裕を持って達成できたのかなどについては考慮しない例で説明をしたが、このような点を考慮して達成条件を達成条件を変更してもよい。
この場合、例えば、複数の達成条件(第1〜第3達成条件)をどの段階まで達成したか(ゲージが何段階目まで上昇させることができたか)を記録する。そして、より高い段階まで達成条件を達成できた場合よりも、より低い段階までしか達成条件を達成できなかった場合の方が、変更後の達成条件が容易となるように達成条件を変更するといったことが考えられる。
なお、複数の達成条件をどの段階まで達成できたかによって、変更する達成条件は複数の達成条件の全てを一斉に変更する構成に限定されず、例えば、第1達成条件が達成できなかった場合に、第1達成条件を、より容易となるように変更するといったように、複数の達成条件の各々の達成度合い(達成できたか否か、及び、達成確率(与えられた挑戦回数を分母とし、実際に達成した回数を分子として算出される確率)に基づいて、対応する達成条件の難易度のみを変更してもよい。
この場合、例えば、第1達成条件として「(演出ボタンを)第1回数(例えば、10回)連打する」という条件が設定されている状態において、8回しか連打できなかった場合、第1達成条件を「第2回数(第1回数より少ない回数であり、例えば、8回以下の回数)連打する」という条件へと変更し、5回しか連打できなかった場合、第1達成条件を「第3回数(第2回数より少ない回数であり、例えば、5回以下の回数)連打する」という条件へと変更するといったことが考えられる。
もちろん、第1達成条件として「第1回数連打する」という条件が設定されている状態において、15回連打できた場合、第1達成条件を「第4回数(第1回数より多い回数であり、例えば、15回以上の回数)連打する」という条件へと変更し、20回連打できた場合、第1達成条件を「第5回数(第4回数より多い回数であり、例えば、20回以上の回数)連打する」という条件へと変更してもよい。
なお、前述のように、複数の達成条件の各々の達成度合いに基づいて、対応する達成条件を変更する構成に限定されず、例えば、第1達成条件として「第1回数連打する」という条件が設定されている状態において、15回連打できた場合、第2達成条件を「第4回数(第1回数より多い回数であり、例えば、15回以上の回数)連打する」という条件へと変更し、20回連打できた場合、第2達成条件を「第5回数(第4回数より多い回数であり、例えば、20回以上の回数)連打する」という条件へと変更してもよい。
このように、1回の遊技者参加型演出中に連続して達成すべき達成条件のうち先に達成のチャンスが訪れた達成条件を、どのように達成したか(または達成できなかったか)によって、次に達成のチャンスが訪れる達成条件を変更することで、次回の遊技者参加型演出を待たずに、より早く遊技者の技量に応じた最適な達成条件へと変更できる。
また、本発明は、遊技者が替わっても少し経てばその遊技者に合わせて達成条件が変更される。しかし、前の遊技者の達成条件で遊技者参加型演出が実行されると参加意欲の低下の原因となってしまう恐れがある。このため、所定時間が経過したり、所定時間遊技が行われなかった場合に、達成条件を初期化して初期状態(出荷時の状態)に戻してもよい。また、所定時刻(例えば、パチスロ点の営業時間終了時刻)となった際に達成条件を初期化してもよい。さらに、リセットボタンを設け、リセットボタンを操作することによって、達成条件を初期化できるようにしてもよい。
さらに、設定保存ボタン、設定引き継ぎボタンを設け、遊技を終了する際に、設定保存ボタンを操作することによって、液晶ディスプレイに達成条件などの各種設定を引き継ぐための識別情報(QRコードやバーコードなど)を表示し、次回の遊技を行う際に、設定引き継ぎボタンを操作して、前回の遊技終了時に表示された識別情報に基づくパスワードなどを同種のスロットマシンに入力することで前回と同じ設定(達成条件など)で遊技を行えるようにしてもよい。なお、このように、遊技者毎に設定(達成条件など)の引き継ぎを可能としたスロットマシンでは、遊技を終了する際(設定保存ボタンが操作された際)に、次の遊技者のために設定(達成条件など)を初期化することが好ましい。
また、上記実施形態では、達成条件が、演出ボタンを所定回数連打し、かつ、上昇抽選に当選することである例で説明をしたが、演出ボタンを所定回数連打することのみを達成条件としてもよい。また、演出ボタンを1回操作すると上昇抽選が行われ、上昇抽選に当選するとゲージが1段上昇するといったように、達成条件から演出ボタンの連打を除外してもよい。
なお、演出ボタンを所定回数連打することのみが達成条件として設定されている場合など、遊技者の操作によってのみ、達成条件が達成できるか否かが決定される場合は、達成条件を達成できたか否かは、達成履歴を参照するまでもなく、演出履歴記憶部に記録済みの操作履歴を参照すれば判明する。このため、このような場合は、達成履歴を廃止し(記録せず)、操作履歴を参照し、達成条件が達成されたか否かや、どのように達成されたか(または、達成されなかったか)を判定してもよい。
さらに、上記実施形態では、遊技者参加型演出において演出ボタンを連打させるスロットマシンに本発明を適用する例で説明をしたが、これ以外の態様の遊技者参加型演出を行うスロットマシンに本発明を適用してもよい。この場合、回転操作される演出ダイヤルを備え、遊技者参加型演出において演出ダイヤルを所定量回転させることが達成条件として設定されており、これを達成することで演出が進行するスロットマシンに本発明を適用するといったことが考えられる。
また、演出ボタンをタイミング良く操作すること(例えば、音楽に合わせて演出ボタンを操作したり、相対移動するポインタとターゲットとが重なったときに演出ボタンを操作するなど)が達成条件として設定されており、これを達成することで演出が進行するスロットマシンに本発明を適用してもよい。
なお、演出ボタンをタイミング良く操作することが達成条件として設定されている場合、演出ボタンを操作するタイミングがどの程度ズレたかに応じて達成条件を変更(例えば、ズレが大きいほどタイミングが合っているとみなす範囲を拡大(タイミングの判定を甘く)するなど)してもよい。また、演出の態様を変更(例えば、音楽に合わせて演出ボタンを操作する場合、ズレが大きいほど音楽の再生スピードを遅くしたり、ポインタとターゲットが重なったときに演出ボタンを操作する場合、ズレが大きいほどポインタとターゲットとの相対移動速度を低下させるなど)することによって、達成条件を変更する場合と同様の効果を得られるように構成してもよい。
もちろん、演出ボタンを所定回数連打することや演出ダイヤルと所定量回転させることが達成条件として設定されている場合に、連打や回転を受け付ける許容期間を長くしたり短くしたりすることによって、達成条件を変更する場合と同様の効果を得られるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、遊技者参加型演出に参加して達成条件を達成することによって得られる特典が、演出が進行すること(ゲージが上昇すること)及び特別当選役に当選したことの報知(ゲージが最上段まで上昇した場合)である例で説明をしたが、遊技者参加型演出で達成条件を達成した際に付与する特典は自由に設定できる。例えば、特別当選役以外の当選役が当選したことを報知してもよいし、発生頻度が少ないプレミアム演出を行ってもよい。また、通常モードから、当選役抽選で当選した当選役を入賞させるための手順を報知するATモードへ以降させるなど、遊技モードや遊技状態を移行させてもよい。
さらに、上記実施形態では、演出ボタンが機械式のスイッチである例で説明をしたが、このような演出ボタンを操作させることに変えて、タッチパネルに表示されたボタンの画像などをタッチ操作させてもよい。さらに、ベットボタンやスタートレバー、ストップボタンなど演出ボタン以外の操作部材に演出ボタンと同様の機能を付与し、これら操作部材の少なくとも1つを操作させてもよい。
なお、上記実施形態では、遊技機として、スロットマシンに本発明を適用する例で説明をしたが、スロットマシン以外の遊技機(例えば、パチンコ機)に本発明を適用してもよい。