JP2014130704A - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】材質及び鍋底径の異なる調理容器を加熱した場合、調理容器の材質及び鍋底径によっては、調理容器への入力が不十分或いは、インバータの損失が大きい状態となってしまう。
【解決手段】インバータ回路への入力電流を検知する入力電流検知部と、共振電圧を検知する共振電圧検知部とを備え、共振電圧検知部にて検知した共振電圧が制限値を超えないようにインバータ回路の出力を制限するとともに、入力電流検知部にて検知した入力電流及び、スイッチング素子のオン時間が所定値を超えると、共振電圧に対する制限値を高く変更する。
【選択図】図1
【解決手段】インバータ回路への入力電流を検知する入力電流検知部と、共振電圧を検知する共振電圧検知部とを備え、共振電圧検知部にて検知した共振電圧が制限値を超えないようにインバータ回路の出力を制限するとともに、入力電流検知部にて検知した入力電流及び、スイッチング素子のオン時間が所定値を超えると、共振電圧に対する制限値を高く変更する。
【選択図】図1
Description
本発明は、一般家庭のキッチンや業務用等に用いられる誘導加熱調理器に関するものである。
近年、誘導加熱調理器は安全・清潔・高効率という優れた特徴が認知され、一般家庭のキッチンや業務用途等に広く普及されている。
以下、従来構成の誘導加熱調理器について、図4を用いて説明する。
図4は、特許文献1、2に記載された従来の誘導加熱調理器のブロック図である。商用電源101は、整流回路102で全波整流され平滑コンデンサ103で平滑して直流電源を構成している。インバータ回路104は、加熱コイル105と、加熱コイル105に並列接続された共振コンデンサ106と、加熱コイル105に直列接続されたスイッチング素子107と、スイッチング素子107に逆並列に接続された逆導通ダイオード108から構成され、スイッチング素子107のオンオフ動作により加熱コイル105に高周波電流を供給する。入力電流検知部109は商用電源101からインバータ回路104への入力電流を検知し、共振電圧検知部110はインバータ回路104の加熱コイル105と共振コンデンサ106との共振電圧を検知し、コイル電流検知部111はインバータ回路104の加熱コイル105に流れる電流を検知し、火力設定部112はインバータ回路4の火力出力を設定する。また、制御部113は入力電流検知部109にて検知した入力電流が、火力設定部112にて設定された目標電流となるように、スイッチング素子107のオン時間を制御することによりインバータ回路104の出力を制御する。
上記構成において、スイッチング素子107をオンオフすると、加熱コイル105に高周波電流が流れ、加熱コイル105上方に載置された負荷鍋114が加熱される。加熱コイル105に電流が流れると共振コンデンサ106との共振回路により共振電圧が発生する。このとき加熱コイル105に過大な電流が流れると、インバータ回路104の共振電圧が過大となりインバータ回路104の過電圧破壊や過電流破壊及び、冷却能力の限界を超えた熱破壊を起こしてしまう。
このような破壊を防止するため、加熱コイル105と共振コンデンサ106との共振電圧を共振電圧検知部110で検知し、検知した共振電圧が予め設定した制限レベルを超えないようにスイッチング素子107のオン時間を制御するとともに、スイッチング素子107近傍の温度が所定温度を超えるとその制限レベルを低下させる。これにより、所定の火力設定以上で共振電圧による制限リミッタが動作し、インバータ回路104の損失が大きくなる場合においても、スイッチング素子107近傍の温度を検知し所定温度を超えると共振電圧の制限レベルを低下させるため、インバータ回路104の発熱が許容値を超えて破壊するのを抑制して、共振電圧によるリミッタ制限動作が動作するまでの火力を大きくすることができる(例えば、特許文献1参照)。
また、インバータ回路104の過電圧破壊や、過電流破壊、熱破壊を防止するため、加熱コイル105に流れるコイル電流をコイル電流検知部111で検知し、検知したコイル電流が予め設定した制限レベルを超えないようにスイッチング素子107のオン時間を制御するとともに、所定以上の火力設定で連続加熱した時間を計時し、所定時間経過すると、その制限レベルを低下させる。これにより、所定の火力設定以上でコイル電流による制限リミッタが動作し、インバータ回路104の損失が大きくなる場合においても、所定時
間が経過するとコイル電流の制限レベルを低下させるため、インバータ回路104の発熱が許容値を超えて破壊するのを抑制して、コイル電流によるリミッタ制限動作が動作するまでの火力を大きくすることができる(例えば、特許文献2参照)。
間が経過するとコイル電流の制限レベルを低下させるため、インバータ回路104の発熱が許容値を超えて破壊するのを抑制して、コイル電流によるリミッタ制限動作が動作するまでの火力を大きくすることができる(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、前記従来の構成では、負荷鍋の材質がSUS304といった電気抵抗が鉄やSUS430に比べ低い材質の場合、鉄やSUS430と同様の入力を得るためにはより大きなコイル電流を発生させる必要があるため、インバータ回路の損失が大きくなる傾向にあり、スイッチング素子の温度が規定温度以下の場合(特許文献1)や加熱時間が規定時間以下の場合(特許文献2)に対して、インバータ回路の入力を大きくすることには有効であるものの、材質が鉄やSUS430といった電気抵抗が比較的高いもので、加熱コイル上に載置される鍋底径の異なる負荷鍋の場合、その材質及び鍋底径によっては、インバータ回路への入力電力と、インバータ回路の損失を両立することが困難であるという課題を有していた。
例えば、加熱コイルの直径が180mmである場合に、材質が鉄で鍋底の直径が120mmである鉄小鍋と、材質がSUS430で鍋底の直径が170mmであるSUS大鍋を加熱した場合、鉄小鍋は加熱コイルの直径に対して鍋底の直径が小さいため、インバータ回路の入力を大きくすると漏洩磁界が大きくなってしまうため、インバータ回路の入力を制限する必要がある。逆に、SUS大鍋は加熱コイルの直径に対して鍋底の直径が略同一であるため、インバータ回路の入力を制限する必要はない。しかしながら、前記従来の構成では、鉄小鍋とSUS大鍋の各々に対してインバータ回路の入力を変更することは困難である。(特許文献1ではスイッチング素子の温度が、特許文献2では加熱時間がインバータ回路の入力を制限するパラメータになっているため)
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱調理器は、加熱コイルと、スイッチング素子を有し、スイッチング素子のオンオフにより直流を高周波交流に変換し、加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、インバータ回路の動作を制御する制御部と、インバータ回路への入力電流を検知する入力電流検知部と、インバータ回路の共振電圧を検知する共振電圧検知部とを備え、制御部は、共振電圧検知部にて検知した共振電圧が制限値を超えないようにインバータ回路の出力を制限するとともに、入力電流検知部にて検知した入力電流が所定値Aを超え、スイッチング素子のオン時間が所定値Bを超えると、共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値を高く変更するようにしたものである。
材質や鍋底の直径が異なる負荷鍋を誘導加熱する場合において、インバータ回路への入力電流とスイッチング素子のオン時間に応じて、インバータ回路の共振電圧に対する制限値を変更するため、材質が鉄やSUS430といった電気抵抗が比較的高いもので、加熱コイル上に載置される鍋底径の異なる負荷鍋の場合、その材質及び鍋底径に応じて、インバータ回路への入力電力をインバータ回路の損失が許容される範囲において最大化することができる。
第1の発明は、加熱コイルと、スイッチング素子を有し、スイッチング素子のオンオフにより直流を高周波交流に変換し、加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、インバータ回路の動作を制御する制御部と、インバータ回路への入力電流を検知する入力電流検知部と、インバータ回路の共振電圧を検知する共振電圧検知部とを備え、制御部は、共振電圧検知部にて検知した共振電圧が制限値を超えないようにインバータ回路の出力を制限するとともに、入力電流検知部にて検知した入力電流が所定値Aを超え、スイッチング素子のオン時間が所定値Bを超えると、共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値を高く変更することを特徴としたものである。これにより、材質や鍋底の直径が異なる負荷鍋を誘導加熱する場合において、インバータ回路への入力電流とスイッチング素子のオン時間に応じて、インバータ回路の共振電圧に対する制限値を変更するため、材質が鉄やSUS430といった電気抵抗が比較的高いもので、加熱コイル上に載置される鍋底径の異なる負荷鍋の場合、その材質及び鍋底径に応じて、インバータ回路への入力電力をインバータ回路の損失が許容される範囲において最大化することができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値は、入力電流検知部にて検知した入力電流に対応付けて設定されており、入力電流検知部にて検知した入力電流が前記所定値Aを超え、スイッチング素子のオン時間が前記所定値Bを超えると、少なくとも一部の範囲の入力電流に対応した共振電圧に対する制限値のみを高く変更し、他の範囲の入力電流に対応した共振電圧に対する制限値は変更しないことを特徴としたものである。これにより、共振電圧に対する制限値の設定変更範囲を限定することができ、不用意にインバータ回路への入力電力が低くなったり、インバータ回路の損失が増大したりすることを防止できる。
第3の発明は、特に第2の発明において、制御部は、共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値を高く変更した後、入力電流検知部にて検知した入力電流が前記所定値Aを下回ったとき、前記スイッチング素子のオン時間が前記所定値Bを下回っていると、前記共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値を変更前の値に戻すことを特徴としたものである。これにより、負荷鍋を加熱コイル中央に載置し加熱した後に、負荷鍋の取り、置きや、コイル中央から外側へのずらし、コイル中央への戻し操作を行った場合において、負荷鍋をコイル中央から遠ざける操作を行うことで、共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値を高く設定されたとしても、再度負荷鍋をコイル中央に戻す操作を行うことにより、変更された制限値が初期の値に再設定されるため、不用意にインバータ回路への入力電力が低くなったり、インバータ回路の損失が増大したりすることを防止できる。
第4の発明は、特に第3の発明において、制御部は、共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値を高く変更した後、入力電流検知部にて検知した入力電流に対応する前記所定値Aを下回ったときに代えて、前記入力電流検知部にて検知した入力電流に対応する所定値Cを下回ったとき、共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値を変
更前の値に戻すものとし、前記所定値Cは前記所定値Aよりも低い値に設定することを特徴としたものである。これにより、インバータ回路等からのノイズにより、共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値が高く設定されたり初期値に再設定されたりを頻繁に繰り替えされるといった誤動作を防止することができる。
更前の値に戻すものとし、前記所定値Cは前記所定値Aよりも低い値に設定することを特徴としたものである。これにより、インバータ回路等からのノイズにより、共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値が高く設定されたり初期値に再設定されたりを頻繁に繰り替えされるといった誤動作を防止することができる。
第5の発明は、特に第3または第4の発明において、制御部は、共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値を高く変更した後、スイッチング素子のオン時間に対応する前記所定値Bを下回ったときに代えて、前記入力電流検知部にて検知した入力電流に対応する所定値Dを下回ったとき、共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値を変更前の値に戻すものとし、前記所定値Dは前記所定値Bよりも低い値に設定することを特徴としたものである。これにより、インバータ回路等からのノイズにより、共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値が高く設定されたり初期値に再設定されたりを頻繁に繰り替えされるといった誤動作を防止できる。
第6の発明は、特に第3〜5の発明において、インバータ回路に供給される電源電圧を検知する入力電圧検知部を有し、制御部は、入力電圧検知部にて検知した電源電圧に応じて、前記所定値Aまたは、前記所定値Bの値を補正することを特徴としたものである。これにより、インバータ回路に供給される電源電圧が変動した場合においても、同一の負荷鍋においては、共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値の設定を、同様となるように設定できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の構成を示すブロック図、図2は、同誘導加熱調理器の入力電流に対する共振電圧の制限値を示す図、図3は、同誘導加熱調理器の共振電圧の制限値を変更する領域を示す図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の構成を示すブロック図、図2は、同誘導加熱調理器の入力電流に対する共振電圧の制限値を示す図、図3は、同誘導加熱調理器の共振電圧の制限値を変更する領域を示す図である。
図1において、商用電源1から入力される商用交流は、整流回路2で全波整流され、平滑コンデンサ3で平滑されて直流電源となり、インバータ回路4に供給されている。インバータ回路4は、直流電源に直列に接続された第1の共振コンデンサ6aおよび第2の共振コンデンサ6b、直流電源に直列に接続された第1のスイッチング素子7aおよび第2のスイッチング素子7b、第1のスイッチング素子7aと第2のスイッチング素子7bにそれぞれ逆並列に接続された第1の逆導通ダイオード8aと第2の逆導通ダイオード8b、第2のスイッチング素子7bと並列に接続されたスナバコンデンサ9により構成されており、第1の共振コンデンサ6aと第2の共振コンデンサ6bとの接続点が加熱コイル5の一端に接続され、第1のスイッチング素子7aと第2のスイッチング素子7bとの接続点が加熱コイル5の他端に接続されている。入力電流検知部10は、商用電源1からインバータ回路4への入力電流を検知し、共振電圧検知部11は、加熱コイル5と第1の共振コンデンサ6a及び第2の共振コンデンサ6bとの共振電圧を検知し、電源電圧検知部12は、インバータ回路4へ印加される直流電圧を検知し、制御部13は、入力電流検知部10にて検知した入力電流が予め設定された目標電流となるように、第1のスイッチング素子7a及び第2のスイッチング素子7bのオン時間を制御することによりインバータ回路4の出力を制御する。
以上のように構成された誘導加熱調理器において、以下、図2、図3を用いて、その動作、作用を説明する。
制御部13により第1のスイッチング素子7a及び第2のスイッチング素子7bをオン
オフすると、加熱コイル5に高周波電流が流れ、加熱コイル5上方に載置された負荷鍋15が加熱される。負荷鍋15に入力される火力は入力電流検知部10にて検知しており、火力設定部14にて設定された火力となるように制御部13は第1のスイッチング素子7a及び第2のスイッチング素子7bのオン時間を制御する。加熱コイル5に電流が流れると、第1の共振コンデンサ6a及び第2の共振コンデンサ6bとの共振回路により共振電圧が発生する。このとき、第1のスイッチング素子7a及び第2のスイッチング素子7bに過大な電流が流れると、加熱コイル5にも過大な電流が流れるため、第1のスイッチング素子7a及び第2のスイッチング素子7bとで発生する共振電圧も過大となることを利用して、インバータ回路の過電圧破壊や過電流破壊及び、冷却能力の限界を超えた熱破壊を防止するために、その共振電圧を共振電圧検知部11で検知し、検知した共振電圧が予め設定した制限値を超えないように第1のスイッチング素子7aおよび第2のスイッチング素子7bのオン時間を制御する。
オフすると、加熱コイル5に高周波電流が流れ、加熱コイル5上方に載置された負荷鍋15が加熱される。負荷鍋15に入力される火力は入力電流検知部10にて検知しており、火力設定部14にて設定された火力となるように制御部13は第1のスイッチング素子7a及び第2のスイッチング素子7bのオン時間を制御する。加熱コイル5に電流が流れると、第1の共振コンデンサ6a及び第2の共振コンデンサ6bとの共振回路により共振電圧が発生する。このとき、第1のスイッチング素子7a及び第2のスイッチング素子7bに過大な電流が流れると、加熱コイル5にも過大な電流が流れるため、第1のスイッチング素子7a及び第2のスイッチング素子7bとで発生する共振電圧も過大となることを利用して、インバータ回路の過電圧破壊や過電流破壊及び、冷却能力の限界を超えた熱破壊を防止するために、その共振電圧を共振電圧検知部11で検知し、検知した共振電圧が予め設定した制限値を超えないように第1のスイッチング素子7aおよび第2のスイッチング素子7bのオン時間を制御する。
共振電圧の制限値は、図2に示すように、入力電流検知部10にて検知した入力電流に対応して変化するように設定されており、入力電流が小さくても共振電圧が高くなるような動作軌跡を示す例えばSUS304のように電気抵抗が低い材質の鍋を加熱する場合は同じ入力電流でもインバータ回路4の損失が大きくなることから共振電圧の制限値を低くして入力電力を低くすることによりインバータ回路4の損失を低減するようにしている。
このとき、負荷鍋15の材質が鉄やSUS430といった電気抵抗が比較的高いもので、加熱コイル5上に載置される鍋底径が大小異なる負荷鍋を加熱する場合、共振電圧検知部11にて検知した共振電圧の制限値を一定値にて制御しようとすると、その材質及び鍋底径が変化する条件において、インバータ回路4への入力電力を調理に必要な火力を得るために充分な入力電力とすることと、インバータ回路4にて発生する損失を抑えることとを両立することが困難な場合がある。例えば、加熱コイル5の直径が180mmである場合に、材質が鉄で鍋底の直径が120mmである鉄小径鍋と、材質がSUS430で鍋底の直径が170mmであるSUS大径鍋とをそれぞれ加熱する場合、鉄小径鍋は加熱コイル5の直径に対して鍋底の直径が小さいため、インバータ回路4の入力を大きくすると加熱コイル5と負荷鍋15との間から漏洩する漏洩磁界が大きくなってしまうため、インバータ回路4の入力を低く制限する必要がある。逆に、SUS大径鍋は加熱コイル5の直径に対して鍋底の直径が略同一であり、加熱コイル5と負荷鍋15との間から漏洩する漏洩磁界が少ないため、インバータ回路4の入力を低く制限する必要はない。
そこで、本実施の形態では、図3の負荷Bを加熱した場合の動作軌跡のように、入力電流検知部10にて検知した入力電流が所定値Aを超えかつ、スイッチング素子のオン時間が所定値Bを超えると、図2の変更後の共振電圧の制限値のように、共振電圧検知部11にて検知した共振電圧に対する制限値を変更前の共振電圧の制限値に対して高く設定する。
これにより、図2の負荷Aのような動作軌跡を示す鉄小径鍋の加熱時は共振電圧の制限値を高くせずに確実に入力電力を低く安定させて漏洩磁界の増加を抑制し、図2の負荷Bのような動作軌跡を示すSUS大径鍋の加熱時は入力電力に対応した共振電圧の制限値のうち負荷Aの加熱を低位安定させるための制限値により負荷Bも低位にて入力電力が制限されてしまう可能性の高い一部の領域の制限値を高くして入力電力が低位安定せずに高い火力で調理できるようにしている。したがって、材質や鍋底の直径が異なる負荷鍋を誘導加熱する場合において、インバータ回路への入力電流とスイッチング素子のオン時間に応じて、インバータ回路の共振電圧に対する制限値を変更するため、材質が鉄やSUS430といった電気抵抗が比較的高いもので、加熱コイル上に載置される鍋底径の異なる負荷鍋の場合、その材質及び鍋底径に応じて、インバータ回路への入力電力をインバータ回路の損失が許容される範囲において最大化することができる。
また、図2における変更前の共振電圧の制限値と変更後の共振電圧の制限値が重ならない一部の領域のように、入力電流検知部10にて検知した入力電流に対応付けて設定されている共振電圧検知部11にて検知した共振電圧の制限値に対して、一部の入力電流に対応した共振電圧に対する制限値のみを高く設定することもできる。これにより、共振電圧に対する制限値の設定変更範囲を限定することができ、不用意にインバータ回路への入力電力が低くなったり、インバータ回路の損失が増大したりすることを防止できる。
さらに、一度、入力電流検知部10にて検知した入力電流が所定値Aを超えかつ、スイッチング素子のオン時間が所定値Bを超えたために、共振電圧検知部11にて検知した共振電圧の制限値が高く設定された後、入力電流検知部10にて検知した入力電流が所定値Aを下回りかつ、スイッチング素子のオン時間が所定値Bを下回ると、共振電圧検知部11にて検知した共振電圧の高く設定した制限値を、初期の値に再設定するようにすることができる。これにより、負荷鍋を加熱コイル中央に載置し加熱した後に、負荷鍋の取り、置きや、コイル中央から外側へのずらし、コイル中央への戻し操作を行った場合において、負荷鍋をコイル中央から遠ざける操作を行うことで、共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値を高く設定されたとしても、再度負荷鍋をコイル中央に戻す操作を行うことにより、変更された制限値が初期の値に再設定されるため、不用意にインバータ回路への入力電力が低くなったり、インバータ回路の損失が増大したりすることを防止できる。
また、一度、入力電流検知部10にて検知した入力電流が所定値Aを超えかつ、スイッチング素子のオン時間が所定値Bを超えたために、共振電圧検知部11にて検知した共振電圧の制限値が高く変更した後、初期の値に再設定するパラメータとして、入力電流検知部10にて検知した入力電流に対応する所定値Aを下回ったときに代えて、入力電流検知部10にて検知した入力電流に対応する所定値C(所定値Cは所定値Aよりも低い値)を下回ったとき、共振電圧検知部11にて検知した共振電圧に対する制限値を変更前の値に戻すものとする。さらに、スイッチング素子のオン時間に対応する所定値Bを下回ったときに代えて、入力電流検知部10にて検知した入力電流に対応する所定値D(所定値Dは所定値Bよりも低い値)を下回ったとき、共振電圧検知部11にて検知した共振電圧に対する制限値を変更前の値に戻すものとする。これにより、インバータ回路等からのノイズにより、共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値が高く設定されたり初期値に再設定されたりを頻繁に繰り替えされるといった誤動作を防止できる。
さらに、電源電圧検知部12にて検知した電圧に応じて、共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値を変更するための所定値(入力電流検知部10にて検知した入力電流の所定値A、スイッチング素子のオン時間の所定値B)を変更する。これにより、インバータ回路に供給される電源電圧が変動した場合においても、同一の負荷鍋においては、共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値の設定を、同様となるように設定できる。
なお、インバータ回路4の各構成要素の接続は本実施例に限らず、例えば第1の共振コンデンサ6a及び第2の共振コンデンサ6bは直流電源の低電圧側に、或いは高電圧側に接続されるなど、高周波的に同等の動作を行う接続であれば同様の効果を得られることはいうまでも無いことである。
以上のように、材質や鍋底の直径が異なる負荷鍋を誘導加熱する場合において、インバータ回路への入力電流とスイッチング素子のオン時間に応じて、インバータ回路の共振電圧に対する制限値を変更するため、材質が鉄やSUS430といった電気抵抗が比較的高いもので、加熱コイル上に載置される鍋底径の異なる負荷鍋の場合、その材質及び鍋底径
に応じて、インバータ回路への入力電力をインバータ回路の損失が許容される範囲において最大化することができる。
に応じて、インバータ回路への入力電力をインバータ回路の損失が許容される範囲において最大化することができる。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱調理器は、加熱コイル上に載置される鍋底径の異なる負荷鍋の場合、その材質及び鍋底径に応じて、インバータ回路への入力電力をインバータ回路の損失が許容される範囲において最大化することができるため、家庭用の誘導加熱調理器だけでなく、レストランの厨房などで使用される業務用の誘導加熱調理器などに適用できる。
1 商用電源
2 整流回路
3 平滑コンデンサ
4 インバータ回路
5 加熱コイル
6a 第1の共振コンデンサ
6b 第2の共振コンデンサ
7a 第1のスイッチング素子
7b 第2のスイッチング素子
8a 第1の逆導通ダイオード
8b 第2の逆導通ダイオード
9 スナバコンデンサ
10 入力電流検知部
11 共振電圧検知部
12 電源電圧検知部
13 制御部
14 火力設定部
15 負荷鍋
2 整流回路
3 平滑コンデンサ
4 インバータ回路
5 加熱コイル
6a 第1の共振コンデンサ
6b 第2の共振コンデンサ
7a 第1のスイッチング素子
7b 第2のスイッチング素子
8a 第1の逆導通ダイオード
8b 第2の逆導通ダイオード
9 スナバコンデンサ
10 入力電流検知部
11 共振電圧検知部
12 電源電圧検知部
13 制御部
14 火力設定部
15 負荷鍋
Claims (6)
- 加熱コイルと、スイッチング素子を有し、前記スイッチング素子のオンオフにより直流を高周波交流に変換し、前記加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、前記インバータ回路の動作を制御する制御部と、前記インバータ回路への入力電流を検知する入力電流検知部と、前記インバータ回路の共振電圧を検知する共振電圧検知部とを備え、前記制御部は、前記共振電圧検知部にて検知した共振電圧が制限値を超えないように前記インバータ回路の出力を制限するとともに、前記入力電流検知部にて検知した入力電流が所定値Aを超え、前記スイッチング素子のオン時間が所定値Bを超えると、前記共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値を高く変更することを特徴とする誘導加熱調理器。
- 前記共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値は、前記入力電流検知部にて検知した入力電流に対応付けて設定されており、前記入力電流検知部にて検知した入力電流が前記所定値Aを超え、前記スイッチング素子のオン時間が前記所定値Bを超えると、少なくとも一部の範囲の入力電流に対応した共振電圧に対する制限値のみを高く変更し、他の範囲の入力電流に対応した共振電圧に対する制限値は変更しないことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
- 前記制御部は、前記共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値を高く変更した後、前記入力電流検知部にて検知した入力電流が前記所定値Aを下回ったとき、前記スイッチング素子のオン時間が前記所定値Bを下回っていると、前記共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値を変更前の値に戻すことを特徴とする請求項2に記載の誘導加熱調理器。
- 前記制御部は、前記共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値を高く変更した後、前記入力電流検知部にて検知した入力電流に対応する前記所定値Aを下回ったときに代えて、前記入力電流検知部にて検知した入力電流に対応する所定値Cを下回ったとき、前記共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値を変更前の値に戻すものとし、前記所定値Cは前記所定値Aよりも低い値に設定することを特徴とした請求項3に記載の誘導加熱調理器。
- 前記制御部は、前記共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値を高く変更した後、前記スイッチング素子のオン時間に対応する前記所定値Bを下回ったときに代えて、前記入力電流検知部にて検知した入力電流に対応する所定値Dを下回ったとき、前記共振電圧検知部にて検知した共振電圧に対する制限値を変更前の値に戻すものとし、前記所定値Dは前記所定値Bよりも低い値に設定することを特徴とした請求項3または4に記載の誘導加熱調理器。
- 前記インバータ回路に供給される電源電圧を検知する入力電圧検知部を有し、前記制御部は、前記入力電圧検知部にて検知した電源電圧に応じて、前記所定値Aまたは、前記所定値Bの値を補正することを特徴とする請求項3〜5に記載の誘導加熱調理器。
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