JP2014130207A - 眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法および眼鏡レンズ用塗布液塗布装置 - Google Patents

眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法および眼鏡レンズ用塗布液塗布装置 Download PDF

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Abstract

【課題】眼鏡レンズ基材の上方と下方とから塗布液を塗布する構成を採りながら、眼鏡レンズの上側と下側とで膜厚が大きく異なることがないように塗布液を塗布できる眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法を提供する。
【解決手段】眼鏡レンズ基材を光軸が上下方向を指向する状態で回転中心となるように回転させてレンズ面に塗布液を遠心力で拡げる塗布ステップS0を有する。塗布ステップS0の後に塗布液が遠心力で眼鏡レンズ基材の外に飛ばされる回転速度で眼鏡レンズ基材を回転させる高速回転ステップS3を有する。塗布ステップS0において、眼鏡レンズ基材の上側レンズ面への塗布液の塗布は、水平方向に移動する上部ノズルから塗布液を下方に向けて噴出させて行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、眼鏡レンズ基材の両面に塗布液を塗布する眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法および眼鏡レンズ基材用塗布液塗布装置に関するものである。
眼鏡レンズを製造するための基材(以下、単に眼鏡レンズ基材という)に膜を形成する方法としては、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法などがある。これらの方法のうち、ハードコート膜の膜厚の均一化を実現可能な方法は、スピンコート法である。
スピンコート法によって塗布液を眼鏡レンズ基材に塗布する塗布液塗布方法は、例えば特許文献1に記載されているように実施される。
特許文献1に開示されている塗布液塗布方法によれば、先ず、眼鏡レンズ基材が回転させられる。このとき、眼鏡レンズは、レンズ面が上下方向を指向する状態で回転する。そして、回転している眼鏡レンズ基材のレンズ面に塗布液が吐出ノズルによって塗布される。特許文献1中には、塗布液を眼鏡レンズ基材の上方のみから塗布する方法と、眼鏡レンズ基材を停止させることなく塗布液を眼鏡レンズ基材の上方と下方の両方から塗布する方法とが開示されている。
塗布液が眼鏡レンズ基材に塗布された後、眼鏡レンズ基材が高速で回転させられる。
特開2007−21355号公報
発明者は、生産性の向上を図るために、特許文献1に記載されているように、眼鏡レンズ基材を停止させることなく両面に塗布液を塗布することを考えている。しかし、眼鏡レンズ基材に上方と下方とから塗布液を塗布するにあたっては、後述するような問題が生じた。
眼鏡レンズ基材の上側レンズ面に塗布液を塗布するためには、塗布液を上側レンズ面に向けて自然落下させるだけでもよい。しかし、眼鏡レンズ基材の下側レンズ面に塗布液を塗布するためには、塗布液をレンズ基材の下方に位置するノズルから上方に飛ばさなければならない。すなわち、塗布液がレンズ面に塗布されるときの速度、圧力は、眼鏡レンズ基材の上側と下側とで異なるようになってしまう。このため、特許文献1に記載されている塗布液塗布方法では、眼鏡レンズ基材に形成された膜の厚みが眼鏡レンズ基材の上側と下側とで大きく異なってしまうおそれがあった。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、眼鏡レンズ基材の上方と下方とから塗布液を塗布する構成を採りながら、眼鏡レンズの上側と下側とで膜厚が大きく異なることがないように塗布液を塗布できる眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、上述した塗布液塗布方法を簡単に実施できる塗布液塗布装置を提供することを第2の目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係る眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法は、眼鏡レンズ基材を光軸が上下方向を指向する状態で回転中心となるように回転させてレンズ面に塗布液を遠心力で拡げる塗布ステップと、前記塗布ステップの後に前記塗布液が遠心力で前記眼鏡レンズ基材の外に飛ばされる回転速度で前記眼鏡レンズ基材を回転させる高速回転ステップとを有し、前記塗布ステップにおいて、眼鏡レンズ基材の上側レンズ面への塗布液の塗布は、水平方向に移動する上部ノズルから塗布液を下方に向けて噴出させて行う方法である。
本発明は、前記発明において、前記塗布ステップは、塗布液を前記眼鏡レンズ基材の下側レンズ面に下部ノズルによって塗布し、遠心力で拡げる第1の塗布ステップと、前記第1の塗布ステップの後に、水平方向に移動する前記上部ノズルによって前記眼鏡レンズ基材の上側レンズ面に塗布液を塗布する第2の塗布ステップとによって構成されていることを特徴とする。
本発明は、前記発明において、前記塗布ステップは、前記眼鏡レンズ基材の下側レンズ面と上側レンズ面とに同時に塗布液を塗布し、その後、前記塗布液を遠心力で下側レンズ面と上側レンズ面とに拡げて実施することを特徴とする。
本発明は、前記発明において、前記上側レンズ面への塗布液の塗布は、前記上部ノズルを前記上側レンズ面に倣うように上下方向に移動させながら行われることを特徴とする。
本発明に係る眼鏡レンズ基材用塗布液塗布装置は、請求項1ないし請求項4記載の眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法を実施するための塗布液塗布装置であって、前記眼鏡レンズ基材の外周部を上端部で保持して前記眼鏡レンズ基材を光軸が上下方向を指向するとともに回転中心となるように回転させる回転部と、前記回転部の軸心部を上下方向に貫通する状態で位置付けられ、前記眼鏡レンズ基材の下側レンズ面に向けて前記塗布液を噴出させる下部ノズルと、前記眼鏡レンズ基材より上方に位置付けられ、前記上側レンズ面に向けて前記塗布液を噴出させる上部ノズルと、前記下部ノズルを上下方向に移動させる第1の移動装置と、前記上部ノズルを上下方向と水平方向とに移動させる第2の移動装置とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、水平方向に移動する上部ノズルから回転中の眼鏡レンズ基材の上側レンズ面に塗布液が塗布されるから、前記上側レンズ面の全域に塗布液を塗布することができる。この眼鏡レンズ基材の上側レンズ面に塗布される塗布液の量は、上部ノズルの移動速度を変えることによって容易に制御することができる。
このため、この発明によれば、上側レンズ面に形成される膜の厚みと、下側レンズ面に形成される膜の厚みとが等しくなるように上側レンズ面に塗布液を塗布することが可能になる。
したがって、本発明によれば、眼鏡レンズ基材に上方と下方とから塗布液を塗布する構成を採りながら、眼鏡レンズ基材の上側と下側とで膜厚が一致するか、殆ど等しくなるように塗布液を塗布することができる。
本発明に係る眼鏡レンズ基材用塗布液塗布装置は、眼鏡レンズ基材の上方に形成される広い空間で上部ノズルを回転部に干渉されることなく移動させることができる。このため、上部ノズルを上下方向と水平方向とに移動させる構成を採っているにもかかわらず、上部ノズルを移動させる第2の移動装置として簡単な構造のものを用いることができる。
したがって、この発明によれば、上述した塗布液塗布方法を簡単に実現できる塗布液塗布装置を提供することができる。
本発明に係る塗布液塗布方法の第1の実施の形態を説明するためのフローチャートである。 第1の塗布ステップを説明するための断面図で、同図(A)は、下部ノズル位置決めステップを実施している状態を示し、同図(B)は、第1の塗布液噴出ステップを実施している状態を示し、同図(C)は、第1の塗り拡げステップを実施している状態を示す。 第2の塗布ステップを説明するための断面図で、同図(A)は、上部ノズル位置決めステップを実施している状態を示し、同図(B)は、第2の塗布液噴出ステップを実施している状態を示し、同図(C)は、ノズル移動ステップを実施している状態を示し、同図(D)は、第2の塗り拡げステップを実施している状態を示す。 高速回転ステップを説明するための断面図である。 本発明に係る眼鏡レンズ基材用塗布液塗布装置の構成を示す断面図である。 眼鏡レンズ基材用保持装置の平面図である。 図6におけるVII−VII線断面図である。 図6におけるVIII−VIII線断面図である。 図6におけるIX−IX線断面図である。 フレーム部の開いた状態を示す平面図である。 眼鏡レンズ基材用保持装置の一部を拡大して示す斜視図である。 眼鏡レンズ基材とフレーム部の一部を拡大して示す断面図である。 本発明に係る塗布液塗布方法の第2の実施の形態を説明するためのフローチャートである。 第2の実施の形態の各ステップを説明するための断面図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法および眼鏡レンズ用塗布液塗布装置の一実施の形態を図1〜図12によって詳細に説明する。
本発明に係る眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法は、図1のフローチャートに示すように実施される。この実施の形態による塗布液塗布方法は、前記フローチャートに示す第1の塗布ステップS1と第2の塗布ステップS2とを有する塗布ステップS0と、高速回転ステップS3とをこの順序で実施する方法である。塗布ステップS0においては、第1の塗布ステップS1と第2の塗布ステップS2とがこの順序で実施される。
前記第1の塗布ステップS1において、先ず、下部ノズル位置決めステップS1Aが実施される。この下部ノズル位置決めステップS1Aにおいては、図2(A)に示すように、眼鏡レンズ基材1の下方の所定位置に下部ノズル2が位置決めされる。眼鏡レンズ基材1は、円盤状に形成されたもので、この方法を実施するにあたって、レンズ面1a,1bが上下方向を指向する状態で使用される。この実施の形態に示す眼鏡レンズ基材1は、凸面からなる上側レンズ面1aと、凹面からなる下側レンズ面1bとを有するマイナスレンズである。なお、本発明による塗布液塗布方法は、マイナスレンズの他にプラスレンズにも適用することができる。
前記下部ノズル2は、図示していない塗布液供給装置に接続されており、塗布液3{図2(B)参照}を予め定めた圧力と塗布量となるように上方に向けて噴出させるものである。本発明に係る塗布液塗布方法は、使用する塗布液の種類に制約を受けることなく実施可能である。すなわち、本発明に係る塗布液塗布方法を実施するにあたっては、熱可塑性の塗布液、熱硬化性の塗布液、紫外線硬化型の塗布液などを使用することができる。
前記下部ノズル2は、眼鏡レンズ基材1の中心部の下方に眼鏡レンズ基材1の光軸C上に位置するように配置されている。
下部ノズル位置決めステップS1Aにおいては、前記下部ノズル2と眼鏡レンズ基材1の下側レンズ面1bとの間隔D1{図2(A)参照}が予め定めた値となるように、下部ノズル2が上下方向に位置決めされる。
次に、塗布液噴出ステップS1Bが実施される。このステップにおいては、図2(B)に示すように、前記下部ノズル2から予め定めた圧力で塗布液3が噴出される。また、この塗布液噴出ステップS1Bにおいては、眼鏡レンズ基材1が予め定めた第1の回転速度V1で回転させられる。このとき、眼鏡レンズ基材1は、その光軸Cが回転中心となるように回転する。
第1の回転速度V1が得られる眼鏡レンズ基材1の回転数は、50〜1000rpmであるが、塗布液噴出ステップS1Bを実施するうえで最適な眼鏡レンズ1の回転数は、200〜700rpmである。
塗布液3の噴出は、例えば1〜10秒間行われる。この塗布液3は、眼鏡レンズ基材1の下側レンズ面1bに付着する。塗布液3としては、図示してはいないが、プライマー膜を形成するためのプライマー液、干渉縞低減用の膜を形成するための塗布液などを用いることができる。
その後、第1の塗り拡げステップS1Cが実施される。なお、第1の塗り拡げステップS1Cは、塗布液3を下部ノズル2から噴出させながら実施することができる。
第1の塗り拡げステップS1Cは、図2(C)に示すように、眼鏡レンズ基材1を予め定めた塗り拡げ時間だけ前記第1の回転速度V1で回転させて行われる。第1の回転速度V1が得られる眼鏡レンズ基材1の回転数は、50〜1000rpmであり、第1の塗り拡げステップS1Cを実施するうえで最適な眼鏡レンズ1の回転数は、200〜700rpmである。前記塗り拡げ時間は0〜30秒である。
前記第1の回転速度V1は、下側レンズ面1bに付着した塗布液3が遠心力で眼鏡レンズ基材1の外周部まで流れるような回転速度に設定されている。
塗布液3が下側レンズ面1bの全域に拡げられた後、後述する第2の塗布ステップS2が実施される。
第2の塗布ステップS2においては、先ず、図1に示すように、上部ノズル位置決めステップS2Aが実施される。上部ノズル位置決めステップS2Aにおいては、図3(A)に示すように、眼鏡レンズ基材1の上方の塗布開始位置P0に上部ノズル4が位置決めされる。
前記上部ノズル4は、図示していない塗布液供給装置に接続されており、塗布液3を予め定めた圧力と塗布量となるように下方に向けて噴出させるものである。この上部ノズル4は、眼鏡レンズ基材1の上方で水平方向と上下方向とに移動できるものである。
この実施の形態による前記塗布開始位置P0は、眼鏡レンズ基材1の中心部の上方であって、上部ノズル4が上側レンズ面1aから上方に予め定めた間隔D2だけ離間する位置である。上部ノズル位置決めステップS2Aが実施されることによって、眼鏡レンズ基材1の中心部から間隔D2だけ離れた上方に、上部ノズル4が眼鏡レンズ基材1の光軸C上に位置するように配置される。
次に、第2の塗布液噴出ステップS2Bが実施されるとともにノズル移動ステップS2Cが実施される。第2の塗布液噴出ステップS2Bにおいては、図3(B)に示すように、前記上部ノズル4から塗布液3が下方に向けて噴出させられる。この塗布液3は、眼鏡レンズ基材1の上側レンズ面1aに上方から塗布される。また、第2の塗布液噴出ステップS2Bとノズル移動ステップS2Cとが実施されるときは、眼鏡レンズ基材1が予め定められた第2の回転速度V2で回転させられる。第2の回転速度V2が得られる眼鏡レンズ基材1の回転数は、0〜1000rpmであり、第2の塗布液噴出ステップS2Bとノズル移動ステップS2Cとを実施するうえで最適な眼鏡レンズ1の回転数は、50〜700rpmである。
ノズル移動ステップS2Cにおいては、図3(C)に示すように、上部ノズル4が塗布液3を噴出させながら前記塗布開始位置P0から塗布終了位置P1まで前記上側レンズ面1aに倣うように移動する。この塗布終了位置P1は、眼鏡レンズ基材1の外周部の上方または前記外周部より眼鏡レンズ基材1の外側となる位置の上方に設定されている。第2の塗布液噴出ステップS2Bとノズル移動ステップS2Cとが実施される時間は1〜10秒である。
ノズル移動ステップS2Cで上部ノズル4が移動するときの移動経路Lは、上部ノズル4が眼鏡レンズ基材1の径方向の外側に向けて水平方向に移動するとともに、上側レンズ面1aとの間隔D2が一定となるように上部ノズル4が下降するような経路である。なお、上部ノズル4は、この実施の形態で示す移動方向とは逆方向に移動させることができる。すなわち、上部ノズル4は、図3(C)に示す塗布終了位置P1から図3(A)に示す塗布開始位置P0に向けて移動させることができる。
上部ノズル4が塗布終了位置P1まで移動することにより、前記上側レンズ面1aの全域に塗布液3が塗布される。上側レンズ面1aに塗布された塗布液3は、遠心力で眼鏡レンズ基材1の外周側へ移動する。このため、塗布液3は、上側レンズ面1a上に螺旋状に滴下されるような場合であっても、上側レンズ面1aの全域に均等に塗布されるようになる。
上部ノズル4が前記塗布終了位置P1に移動した後、上部ノズル4による塗布液3の噴出が停止され、第2の塗り拡げステップS2Dが実施される。第2の塗り拡げステップS2Dは、図3(D)に示すように、眼鏡レンズ基材1を予め定めた塗り拡げ時間だけ前記第1の回転速度V1で回転させて行われる。第1の回転速度V1が得られる眼鏡レンズ基材1の回転数は、50〜1000rpmであり、第2の塗り拡げステップS2Dを実施するうえで最適な眼鏡レンズ1の回転数は、200〜700rpmである。前記塗り拡げ時間は0〜30秒である。
前記第2の塗り拡げステップS2Dが終了した後、後述する高速回転ステップS3が実施される。
高速回転ステップS3においては、図4に示すように、眼鏡レンズ基材1が予め定めた第3の回転速度V3で回転させられる。前記第3の回転速度V3は、前記上側レンズ面1aおよび下側レンズ面1bに塗布されている塗布液3が遠心力で眼鏡レンズ基材1の外に飛ばされるような回転速度に設定されている。第3の回転速度V3が得られる眼鏡レンズ基材1の回転数は、例えば1000〜3000rpm程度である。なお、第3の回転速度V3は、前記1000〜3000rpmに限定されることはなく、高速回転が可能な塗布液塗布装置を用いる場合であれば、例えば6000rpm程度とすることも可能である。
この高速回転ステップS3は、5〜30秒間実施される。高速回転ステップS3が実施されることによって、下側レンズ面1bと上側レンズ面1aに塗布された塗布液3の余剰分3aが遠心力によって飛ばされて除去される。
高速回転ステップS3が終了した後、眼鏡レンズ基材1の回転が停止され、眼鏡レンズ基材1が次の工程、例えば乾燥工程に送られる。
このように構成された塗布液塗布方法によれば、眼鏡レンズ基材1が回転している状態で上部ノズル4から塗布液3を噴出させ、この上部ノズル4を水平方向に移動させるから、眼鏡レンズ基材1の上側レンズ面1aの全域に塗布液3を塗布することができる。この眼鏡レンズ基材1の上側レンズ面1aに塗布される塗布液3の量は、上部ノズル4の移動速度を変えることによって容易に制御することができる。
このため、この実施の形態によれば、上側レンズ面1aに形成される膜の厚みと、下側レンズ面1bに形成される膜の厚みとが等しくなるように上側レンズ面1aに塗布液3を塗布することが可能になる。
したがって、この実施の形態によれば、眼鏡レンズ基材1に上方と下方とから塗布液3を塗布する構成を採りながら、眼鏡レンズの上側と下側とで膜厚が一致するか、殆ど等しくなるように塗布液3を塗布することができる。
この実施の形態において、前記上側レンズ面1aへの塗布液3の塗布は、前記上部ノズル4を前記上側レンズ面1aに倣うように上下方向に移動させながら行われる。このため、上部ノズル4の水平方向の位置が変化しても塗布液3の塗布条件が変わることはないから、上側レンズ面1aに膜厚が均等になるように膜を形成することができる。
上述した塗布液塗布方法は、図5に示す眼鏡レンズ基材用塗布液塗布装置11を用いて実施することができる。
図5に示す塗布液塗布装置11は、眼鏡レンズ基材1を回転させるための回転部12と、眼鏡レンズ基材1の上側レンズ面1aと下側レンズ面1bに向けて塗布液3を噴出させる塗布部13とを備えている。
眼鏡レンズ基材1は、後述する眼鏡レンズ基材用保持装置14に保持された状態で前記回転部12に組み付けられている。ここでは先ず、眼鏡レンズ基材用保持装置14について説明する。
眼鏡レンズ基材用保持装置14は、図6に示すように、前記眼鏡レンズ基材1の外周面1cを径方向の外側から囲む形状の枠体からなるフレーム部15と、このフレーム部15の内側に設けられた四つのレンズ押圧部16とを備えている。
この実施の形態による前記フレーム部15は、図1に示すように、前記眼鏡レンズ基材1の光軸Cの方向から見て円環状に形成されている。
このフレーム部15の厚み(前記光軸に沿う方向の厚み)は、図7および図12に示すように、眼鏡レンズ基材1の外周部の厚みより薄く形成されている。また、このフレーム部15には、塗布液塗布装置11の固定用ボルト17(図5参照)や位置決めピン(図示せず)などが嵌合する複数の貫通孔15aが穿設されている。この貫通孔15aは、フレーム部15を厚み方向に貫通するように形成されている。
また、このフレーム部15は、図1に示すように、前記眼鏡レンズ基材1の周方向に分割された第1の枠体21と第2の枠体22とによって構成されている。第1の枠体21と第2の枠体22は、円を周方向に2分割したような形状に形成されている。第1の枠体21と第2の枠体22は、アルカリ性の洗浄液やその他の薬品に対する耐性が高くなるように、ステンレス鋼によって形成されている。
前記第1の枠体21の一端部21aと前記第2の枠体22の一端部22aとは、図1および図8に示すように、後述する蝶番機構23によって一方が他方に対して回動できるように互いに連結されている。この実施の形態による蝶番機構23は、図8に示すように、第1の連結片24と、第2の連結片25と、支軸26とによって構成されている。前記第1の連結片24は、前記第1の枠体21の一端部21aを部分的に薄く形成したものである。
前記第2の連結片25は、前記第2の枠体22の一端部22aを部分的に薄く形成したもので、前記第1の連結片24に重ねられている。第2の連結片25を第1の連結片24に重ねる方向は、フレーム部15の厚み方向である。前記支軸26は、前記第1の連結片24と第2の連結片25とを厚み方向に貫通している。第1の連結片24と第2の連結片25は、それぞれ支軸26に対して回動できるように形成されている。前記支軸26は、第1、第2の枠体21,22と同様にステンレス鋼によって形成されている。
第1の枠体21の他端部21bと第2の枠体22の他端部22bとは、図1におよび図9に示すように、後述する結合機構27によって互いに着脱可能に連結されている。この実施の形態による結合機構27は、図9に示すように、第1の接続片28と、第2の接続片29と、ボルト30とによって構成されている。前記ボルト30は、第1、第2の枠体21,22と同様にステンレス鋼によって形成されている。
前記第1の接続片28は、前記第1の枠体21の他端部21bを部分的に薄く形成したものである。前記第2の接続片29は、前記第2の枠体22の他端部22bを部分的に薄く形成したもので、前記第1の接続片28に重ねられている。第2の接続片29を第1の接続片28に重ねる方向は、フレーム部15の厚み方向である。前記ボルト30は、第2の接続片29を貫通して第1の接続片28に螺着されている。
すなわち、第1の枠体21の他端部21bと、第2の枠体22の他端部22bとは、これらの他端部21b,22bどうしが前記ボルト30によって結合される結合形態と、前記ボルト30が取り外されて前記他端部21b,22bの一方が他方に対して離脱可能になる開放形態とを切り換えることができるように形成されている。
前記フレーム部15は、前記ボルト30によって第1、第2の接続片28,29どうしが結合されている前記結合形態においては、図6に示すように、閉じた状態になる。
一方、フレーム部15は、前記ボルト30が取り外された前記開放形態においては、図10に示すように、開くことが可能になる。眼鏡レンズ基材1は、図10に示すように、フレーム部15が開いている状態でフレーム部15の中に挿入される。そして、眼鏡レンズ基材1は、その後にフレーム部15が図6に示すように閉じられることによって、複数のレンズ押圧部16によって挟まれた状態でフレーム部15内に保持される。
前記レンズ押圧部16は、図6に示すように、前記フレーム部15に支持されたばね部材31と、このばね部材31に支持されて眼鏡レンズ基材1に接触する押圧子32とを備えている。
この実施の形態によるばね部材31は、前記第1の枠体21または第2の枠体22に支持されて前記フレーム部15の内方に延びる第1、第2の板ばね33,34と、これらの板ばね33,34の先端部に設けられた押圧子ホルダー35とによって構成されている。
前記第1の板ばね33と第2の板ばね34は、眼鏡レンズ基材1の周方向(フレーム部15の周方向)に離れた位置において、前記フレーム部15の内周面に溶接されて支持されている。この実施の形態においては、フレーム部15の第1の枠体21の2箇所に第1、第2の板ばね33,34を有するばね部材31がそれぞれ設けられ、第2の枠体22の2箇所に第1、第2の板ばね33,34を有するばね部材31がそれぞれ設けられている。
これらの第1の板ばね33と第2の板ばね34とは、前記フレーム部15の内方に向かうにしたがって互いに接近するように傾斜している。この実施の形態による第1の板ばね33と第2の板ばね34は、図6に示すように、眼鏡レンズ基材1の光軸Cの方向から見て、それぞれフレーム部15に向けて凸になる円弧状に湾曲している。
これらの第1の板ばね33の先端部と、第2の板ばね34の先端部とは、押圧子ホルダー35を介して互いに接続されている。押圧子ホルダー35は、後述する押圧子32を支持するためのものである。すなわち、第1の板ばね33と第2の板ばね34は、押圧子ホルダー35からなる接続部において前記押圧子32を支持している。第1の板ばね33と、第2の板ばね34と、押圧子ホルダー35とは、ステンレス鋼によって一体に形成されている。
押圧子ホルダー35は、図7および図6に示すように、フレーム部15の厚み方向に延びるように形成されており、両端部に一対の支持板35a,35aを有している。これらの支持板35aは、第1、第2の板ばね33,34の先端部よりフレーム部15の中央側に突出している。
前記押圧子32は、図7および図6に示すように、円柱状に形成され、フレーム部15の厚み方向に延びる状態で前記押圧子ホルダー35に取付けられている。この押圧子32は、前記押圧子ホルダー35の一対の支持板35a,35aどうしの間に挿入され、固定用ねじ36によって固定されている。固定用ねじ36は、一対の支持板35a,35aと押圧子32とをフレーム部15の厚み方向に貫通している。
この押圧子32は、眼鏡レンズ基材1が傷付くことを防ぐとともに、アルカリ性の洗浄液やその他の薬品に対する耐性が高くなるように、フッ素樹脂によって形成されている。
また、この実施の形態による押圧子32は、長手方向の中央部が両端部より細くなるように形成されている。すなわち、この押圧子32は、図7に示すように、長手方向の一端側に位置する第1のテーパ部32aと、長手方向の他端側に位置する第2のテーパ部32bとによって構成されている。第1のテーパ部32aと第2のテーパ部32bとは、それぞれテーパ角度が一定になるように形成されている。言い換えれば、第1のテーパ部32aと第2のテーパ部32bとは、図7に示すように、外周縁の外形を表す線が直線L1となるように形成されている。
この押圧子32は、図7に示すように、最も細くなる部位がフレーム部15の厚み方向の略中央に位置するように、フレーム部15の内側に位置付けられている。すなわち、押圧子32における眼鏡レンズ基材1と接触する部位は、図7に示すように、前記フレーム部15の厚み方向の中央に向かうにしたがって前記フレーム部15に接近するように傾斜している。
この押圧子32とフレーム部15との間隔は、フレーム部15内に挿入された眼鏡レンズ基材1の外周面に押圧子32が前記ばね部材31のばね力で押し付けられるように形成されている。詳述すると、4箇所のレンズ押圧部16の各押圧子32は、図6に示すように、前記第1の枠体21の他端部21bと前記第2の枠体22の他端部22bとが前記結合形態となる状態において、フレーム部15の内方に挿入された眼鏡レンズ基材1の外周縁に略均等に接触する。また、これらの押圧子32は、前記接触状態において、眼鏡レンズ基材1の外周縁を前記ばね部材31のばね力で眼鏡レンズ基材1の中央に向けて押圧する。
これらの押圧子32と、各押圧子32を支持するばね部材31とからなる四ヶ所のレンズ押圧部16は、眼鏡レンズ基材1を円環状のフレーム部15と同一軸線上に位置付けて保持するように形成されている。
前記フレーム部15に保持された眼鏡レンズ基材1は、保持装置14に保持された状態で必要に応じて洗浄され、保持装置14とともに後述する塗布液塗布装置11(図5参照)に送られる。
図5に示す塗布液塗布装置11の前記回転部12は、眼鏡レンズ用保持装置14を眼鏡レンズ基材1のレンズ面が上下方向を指向する状態で支持する回転ステージ41を備えている。回転ステージ41は、前記保持装置14が取付けられる取付部材42と、下方に延びる筒状軸43とが設けられており、この筒状軸43を介して回転駆動装置44に接続されている。
回転駆動装置44は、モータ45の回転をベルト46によって筒状軸43に伝達するものである。
前記取付部材42は、前記眼鏡レンズ用保持装置14のフレーム部15を筒状軸43と同一軸線上に保持するように形成されている。このため、回転ステージ41に保持装置14を装着することにより、眼鏡レンズ基材1の光軸Cが筒状軸43の軸線と一致するようになる。すなわち、前記回転部12は、眼鏡レンズ基材用保持装置14を眼鏡レンズ基材1の光軸Cが回転軸線となるように回転させる。
前記回転ステージ41の周囲には、塗布液3の飛散を防ぐためにカバー50が設けられている。
図7に示す塗布液塗布装置11の前記塗布部13は、上部ノズル4と下部ノズル2とを備えている。前記上部ノズル4は、第1の昇降装置51と水平方向移動装置52とに支持されており、塗布液3が下方に向けて吐出されるように前記回転ステージ41の上方に位置付けられている。
前記第1の昇降装置51は、上部ノズル4と眼鏡レンズ基材1との間隔D2が一定になるように上部ノズル4を上下方向に移動させるものである。
前記水平方向移動装置52は、塗布位置を変えるために上部ノズル4を水平方向に移動させるものである。この実施の形態においては、前記第1の昇降装置51と前記水平方向移動装置52とが請求項5記載の発明でいう「第2の移動装置」に相当する。
前記下部ノズル2は、前記筒状軸43の軸心部を貫通して上下方向に延びており、塗布液3が上方に向けて噴出されるように第2の昇降装置53に支持されている。第2の昇降装置53は、下部ノズル2と眼鏡レンズ基材1との距離を調整するために下部ノズル2を上下方向に移動させる。この実施の形態においては、この第2の昇降装置53が請求項5記載の発明でいう「第1の移動装置」に相当する。
下部ノズル2には、サックバック装置54が設けられている。このサックバック装置54は、下部ノズル2の上端に塗布液3が露出して乾燥することを防ぐためのもので、塗布液塗布後に下部ノズル2内を減圧する構成が採られている。
前記カバー50の外には、上部ノズル4に塗布液3が乾燥して固着することを防ぐために溶媒カップ55が設けられている。
この溶媒カップ55の中にはエタノールなどの溶媒が溜められている。また、この溶媒カップ55は、上下方向に移動できるように、第3の昇降装置56に支持されている。
前記上部ノズル4は、塗布液3を塗布した後に前記第1の昇降装置51と水平方向移動装置52とによる駆動によって溶媒カップ55に接近させられ、第3の昇降装置56によって上昇させられた溶媒カップ55の中に上方から浸漬させられる。
図5に示す塗布液塗布装置11を用いて上述した塗布液塗布方法を実施するためには、先ず、第1の塗布ステップS1において、所定量の塗布液3が下部ノズル2によって下側のレンズ面に塗布される。そして、眼鏡レンズ基材1が第1の回転速度V1で回転させられ、前記塗布液3が下側レンズ面1bの全域に拡げられる。
次に、第2の塗布ステップS2において、眼鏡レンズ基材1が回転している状態で上部ノズル4が所定量の塗布液3を上側レンズ面1aに塗布する。
この上部ノズル4による塗布は、上部ノズル4を前記第1の昇降装置51と水平方向移動装置52とによる駆動によって上下方向と水平方向に移動させるとともに、眼鏡レンズ基材1を前記第2の回転速度V2で回転させながら行われる。上部ノズル4は、例えば、眼鏡レンズ基材1の外周部の上方から中央部の上方に向けて水平方向に移動するとともに、上側レンズ面1aとの間隔D2が一定になるように上下方向に移動する。なお、上部ノズル4を水平方向に移動させるときの移動方向は、眼鏡レンズ基材1の中央部の上方から外周部の上方に向かう方向でもよい。
上部ノズル4によって上側レンズ面1aの全域に塗布液3が塗布された後、眼鏡レンズ基材1が第1の回転速度V1で回転させられ、前記塗布液3が上側レンズ面1aの全域に拡げられる。その後、高速回転ステップS3において、眼鏡レンズ基材1が第3の回転速度V3で回転させられる。このように眼鏡レンズ基材1が高速で回転することによって、上側レンズ面1a上と下側レンズ面1b上の余剰な塗布液3a(図12参照)が遠心力によって飛ばされて除去される。
この実施の形態による眼鏡レンズ基材用塗布液塗布装置11は、眼鏡レンズ基材1の上方に形成される広い空間で上部ノズル4を回転部12に干渉されることなく移動させることができるものである。このため、上部ノズル4を上下方向と水平方向とに移動させる構成を採っているにもかかわらず、上部ノズル4を移動させる第2の移動装置(第1の昇降装置51と水平方向移動装置52)として簡単な構造のものを用いることができる。
したがって、この実施の形態によれば、上述した塗布液塗布方法を簡単に実現できる塗布液塗布装置を提供することができる。
(第2の実施の形態)
本発明に係る眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法は、図13および図14に示すように実施することができる。図13および図14において、前記図1〜図12によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。この実施の形態による眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法は、図5に示す眼鏡レンズ基材用塗布液塗布装置11を用いて実施することができる。この実施の形態による塗布液塗布方法を実施するにあたっても、円盤状の眼鏡レンズ基材1をレンズ面1a,1bが上下方向を指向する状態で使用する。また、この実施の形態による塗布液塗布方法においても、熱可塑性の塗布液、熱硬化性の塗布液、紫外線硬化型の塗布液などを使用することができる。
この実施の形態による眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法においては、先ず、図13に示すフローチャートの位置決めステップS11が実施される。この位置決めステップS11においては、下部ノズル位置決めステップS11Aと上部ノズル位置決めステップS11Bとが同時にまたは実施開始時間を変えて実施される。下部ノズル位置決めステップS11Aにおいては、図14(A)に示すように、下部ノズル2と眼鏡レンズ基材1の下側レンズ面1bとの間隔D1が予め定めた値となるように、下部ノズル2が上下方向に位置決めされる。上部ノズル位置決めステップS11Bにおいては、図14(A)に示すように、眼鏡レンズ基材1の上方の塗布開始位置P0に上部ノズル4が位置決めされる。この位置決めステップS11が実施されることにより、下部ノズル3と上部ノズル4とが眼鏡レンズ基材1の光軸C上に位置するように配置される。
次に、塗布ステップS12が実施される。この塗布ステップS12においては、下部ノズル噴出ステップS12Aと、上部ノズル噴出ステップS12Bと、上部ノズル移動ステップS12Cとが同時に実施される。また、この塗布ステップS12においては、図14(B)に示すように、眼鏡レンズ基材1が予め定めた第1の回転速度V1で回転させられる。このとき、眼鏡レンズ基材1は、その光軸Cが回転中心となるように回転する。
第1の回転速度V1が得られる眼鏡レンズ基材1の回転数は、50〜1000rpmであるが、塗布ステップS12を実施するうえで最適な眼鏡レンズ1の回転数は、200〜700rpmである。
下部ノズル噴出ステップS12Aにおいては、図14(B)に示すように、前記下部ノズル2から予め定めた圧力で塗布液3が噴出する。
上部ノズル噴出ステップS12Bにおいては、同図に示すように、前記上部ノズル4から塗布液3が下方に向けて噴出する。
上部ノズル移動ステップS12Cにおいては、同図に示すように、上部ノズル4が塗布液3を噴出させながら前記塗布開始位置P0から塗布終了位置P1まで前記上側レンズ面1aに倣うように移動する。この塗布終了位置P1は、眼鏡レンズ基材1の外周部の上方または前記外周部より眼鏡レンズ基材1の外側となる位置の上方に設定されている。
この塗布ステップS12は、開始から終了まで約1〜10秒で実施される。
上部ノズル移動ステップS12Cで上部ノズル4が移動するときの移動経路Lは、上部ノズル4が眼鏡レンズ基材1の径方向の外側に向けて水平方向に移動するとともに、上側レンズ面1aとの間隔D2が一定となるように上部ノズル4が下降するような経路である。なお、上部ノズル4は、この実施の形態で示す移動方向とは逆方向に移動させることができる。すなわち、上部ノズル4は、塗布終了位置P1から塗布開始位置P0に向けて移動させることができる。
上部ノズル4が塗布終了位置P1まで移動することにより、前記上側レンズ面1aの全域に塗布液3が塗布される。上側レンズ面1aに塗布された塗布液3は、遠心力で眼鏡レンズ基材1の外周側へ移動する。このため、塗布液3は、上側レンズ面1a上に螺旋状に滴下されるような場合であっても、上側レンズ面1aの全域に均等に塗布されるようになる。上部ノズル4が前記塗布終了位置P1に移動した後、下部ノズル3による塗布液3の塗布の噴出と、上部ノズル4による塗布液3の噴出とが停止され、後述する塗り拡げステップS13が実施される。
塗り拡げステップS13は、図14(C)に示すように、眼鏡レンズ基材1を予め定めた塗り拡げ時間だけ前記第1の回転速度V1で回転させて行われる。第1の回転速度V1が得られる眼鏡レンズ基材1の回転数は、50〜1000rpmであり、塗り拡げステップS13を実施するうえで最適な眼鏡レンズ1の回転数は、200〜700rpmである。前記塗り拡げ時間は0〜30秒である。
前記塗り拡げ時間だけ眼鏡レンズ基材1が第1の回転速度V1で回転した後、高速回転ステップS14が実施される。
高速回転ステップS14は、図14(D)に示すように、眼鏡レンズ基材を前記第3の回転速度V3で回転させて実施される。前記第3の回転速度V3は、前記上側レンズ面1aおよび下側レンズ面1bに塗布されている塗布液3が遠心力で眼鏡レンズ基材1の外に飛ばされるような回転速度に設定されている。第3の回転速度V3が得られる眼鏡レンズ基材1の回転数は、例えば1000〜3000rpm程度である。なお、第3の回転速度V3は、前記1000〜3000rpmに限定されることはなく、高速回転が可能な塗布液塗布装置を用いる場合であれば、例えば6000rpm程度とすることも可能である。
この実施の形態による眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法においては、下部ノズル3から塗布液3が噴出しているときに同時に上部ノズル4が塗布液3を噴出させながら水平方向に移動する。このため、この実施の形態によれば、眼鏡レンズの上側と下側とで膜厚が一致するか、殆ど等しくなるように塗布液3を塗布することができるだけでなく、塗布液3の塗布を生産性よく行うことが可能になる。
1…眼鏡レンズ基材、1a…上側レンズ面、1b…下側レンズ面、3…塗布液、4…上部ノズル、11…眼鏡レンズ基材用塗布液塗布装置、12…回転部、51…第1の昇降装置、52…水平方向移動装置、53…第2の昇降装置、S0…塗布ステップ、S1…第1の塗布ステップ、 S2…第2の塗布ステップ、S3…高速回転ステップ、S11…位置決めステップ、S12…塗布ステップ、S13…塗り拡げステップ、S14…高速回転ステップ、C…光軸。

Claims (5)

  1. 眼鏡レンズ基材を光軸が上下方向を指向する状態で回転中心となるように回転させてレンズ面に塗布液を遠心力で拡げる塗布ステップと、
    前記塗布ステップの後に前記塗布液が遠心力で前記眼鏡レンズ基材の外に飛ばされる回転速度で前記眼鏡レンズ基材を回転させる高速回転ステップとを有し、
    前記塗布ステップにおいて、眼鏡レンズ基材の上側レンズ面への塗布液の塗布は、水平方向に移動する上部ノズルから塗布液を下方に向けて噴出させて行うことを特徴とする眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法。
  2. 請求項1記載の眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法において、前記塗布ステップは、塗布液を前記眼鏡レンズ基材の下側レンズ面に下部ノズルによって塗布し、遠心力で拡げる第1の塗布ステップと、
    前記第1の塗布ステップの後に、水平方向に移動する前記上部ノズルによって前記眼鏡レンズ基材の上側レンズ面に塗布液を塗布する第2の塗布ステップとによって構成されていることを特徴とする眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法。
  3. 請求項1記載の眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法において、前記塗布ステップは、前記眼鏡レンズ基材の下側レンズ面と上側レンズ面とに同時に塗布液を塗布し、その後、前記塗布液を遠心力で下側レンズ面と上側レンズ面とに拡げて実施することを特徴とする眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちいずれか一つに記載の眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法において、前記上側レンズ面への塗布液の塗布は、前記上部ノズルを前記上側レンズ面に倣うように上下方向に移動させながら行われることを特徴とする眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のうちいずれか一つに記載の眼鏡レンズ基材の塗布液塗布方法を実施するための塗布液塗布装置であって、
    前記眼鏡レンズ基材の外周部を上端部で保持して前記眼鏡レンズ基材を光軸が上下方向を指向するとともに回転中心となるように回転させる回転部と、
    前記回転部の軸心部を上下方向に貫通する状態で位置付けられ、前記眼鏡レンズ基材の下側レンズ面に向けて前記塗布液を噴出させる下部ノズルと、
    前記眼鏡レンズ基材より上方に位置付けられ、前記上側レンズ面に向けて前記塗布液を噴出させる上部ノズルと、
    前記下部ノズルを上下方向に移動させる第1の移動装置と、
    前記上部ノズルを上下方向と水平方向とに移動させる第2の移動装置とを備えていることを特徴とする眼鏡レンズ基材用塗布液塗布装置。
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