JP2014129682A - レンガ壁の壁面構造、及びレンガ壁の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】地震発生時における躯体の層間変位量とレンガ壁の層間変位量との差に起因するレンガ壁の面内方向に沿ったせん断力によって、レンガ壁の強度が低下してしまうことを防止するレンガ壁の壁面構造、及びレンガ壁の施工方法を提供すること。
【解決手段】レンガ壁2の壁面構造は、建物の躯体1の外側に空気層3を隔てて形成された複数のパネル20であり、鉛直方向に沿って並設された複数のパネル20と、パネル20の鉛直荷重を受ける敷設部11と、敷設部11を躯体1に対して固定するための固定部12と、を備えるアングル10と、を備え、パネル20は、中空レンガ21と、敷設部11及び複数の中空レンガ21に固定された縦補強筋23と、を備え、パネル20が、パネル20と上方又は下方において隣接する他のパネル20によって妨げられることなく、躯体1の変位に伴ってレンガ壁2の面内方向に沿って変位することを可能とした。
【選択図】図3
【解決手段】レンガ壁2の壁面構造は、建物の躯体1の外側に空気層3を隔てて形成された複数のパネル20であり、鉛直方向に沿って並設された複数のパネル20と、パネル20の鉛直荷重を受ける敷設部11と、敷設部11を躯体1に対して固定するための固定部12と、を備えるアングル10と、を備え、パネル20は、中空レンガ21と、敷設部11及び複数の中空レンガ21に固定された縦補強筋23と、を備え、パネル20が、パネル20と上方又は下方において隣接する他のパネル20によって妨げられることなく、躯体1の変位に伴ってレンガ壁2の面内方向に沿って変位することを可能とした。
【選択図】図3
Description
本発明は、レンガ壁の壁面構造に関する。
従来、建物の美観性を向上させることを目的として、建物の躯体の外部に複数のレンガを積み上げて形成したレンガ壁を設けることによって、建物の外観をレンガ調とする化粧方法が採用されている(例えば、特許文献1参照)。このような化粧方法では、建物の躯体の外側に空気層を隔ててレンガ壁を形成し、このレンガ壁と躯体とを接続する荷重受け金具を架設する。そして、躯体が、この荷重受け金具を介して、レンガ壁の荷重を支えている。
ここで、上述したように躯体とレンガ壁とは荷重受け金具を介して接続されているが、地震発生時においては、レンガ壁には殆ど層間変位が発生せず、一方、躯体には大きな層間変位が発生する。そのため、躯体とレンガ壁が荷重受け金具により接続されている位置においては、躯体の変位量とレンガ壁の変位量に差が生じないが、躯体とレンガ壁が荷重受け金具により接続されていない位置においては、躯体が変位するために、躯体の変位量とレンガ壁の変位量に差が生じてしまう。
そして、このようにレンガ壁における躯体とレンガ壁との変位量に差が生じる部分と、レンガ壁における躯体とレンガ壁との変位量に差が生じない部分とは、モルタル等の接合剤によって相互に接続されている。そのため、地震発生時には、レンガ壁に対して大きなせん断力が加わってしまい、その結果、レンガ壁の強度が低下してしまう可能性があった。
本発明は、地震発生時における躯体の層間変位量とレンガ壁の層間変位量との差に起因するレンガ壁の面内方向に沿ったせん断力によって、レンガ壁の強度が低下してしまうことを防止するレンガ壁の壁面構造、及びレンガ壁の施工方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載のレンガ壁の壁面構造は、レンガ壁の壁面構造であって、建物の躯体の外側に空気層を隔てて形成された複数のパネルであり、鉛直方向に沿って並設された複数のパネルと、前記躯体から前記パネルに亘って設置された荷重受け手段であって、前記パネルの下方に敷設されて、その上方に載置された前記パネルの鉛直荷重を受ける敷設部と、当該敷設部を前記躯体に対して固定するための固定部と、を備える荷重受け手段と、を備え、前記パネルは、鉛直方向に沿って積み上げられた複数の中空レンガと、前記敷設部の上方に載置された前記複数の中空レンガの内部に鉛直方向に沿って挿通されたものであって、前記敷設部及び前記複数の中空レンガに固定された縦補強筋と、を備え、前記パネルが、当該パネルと上方又は下方において隣接する他のパネルによって妨げられることなく、前記躯体の変位に伴って前記レンガ壁の面内方向に沿って変位することを可能とした。
また、請求項2に記載のレンガ壁の壁面構造は、請求項1に記載のレンガ壁の壁面構造において、前記敷設部は、当該敷設部を鉛直方向に貫通する挿通孔を備え、前記縦補強筋は、前記パネルと上方において隣接する前記他のパネルの鉛直荷重を受ける前記敷設部に設けられた前記挿通孔に対して、前記レンガ壁の面内方向に沿って変位することが可能となるように挿通されている。
また、請求項3に記載のレンガ壁の壁面構造は、請求項2に記載のレンガ壁の壁面構造において、前記挿通孔は、前記レンガ壁の面内方向に沿った長孔である。
また、請求項4に記載のレンガ壁の壁面構造は、請求項1から3のいずれか一項に記載のレンガ壁の壁面構造において、前記パネルと、当該パネルと上方又は下方において隣接する他のパネルとの相互間に空間層を備える。
また、請求項5に記載のレンガ壁の壁面構造は、請求項4に記載のレンガ壁の壁面構造において、前記空間層の少なくとも一部に充填された伸縮目地を備える。
また、請求項6に記載のレンガ壁の施工方法は、複数の中空レンガと縦補強筋とを備える複数のパネルを、建物の躯体の外側に空気層を隔てて鉛直方向に沿って並設するレンガ壁の施工方法であって、前記パネルの鉛直荷重を受ける敷設部と、当該敷設部を前記躯体に対して固定するための固定部と、を備える荷重受け手段を、前記躯体に取り付ける荷重受け手段取り付け工程と、前記敷設部に前記縦補強筋を固定する縦補強筋固定工程と、前記中空レンガの内部に前記縦補強筋が挿通されるように、前記敷設部の上方に前記複数の中空レンガを鉛直方向に沿って積み上げつつ、前記複数の中空レンガに前記縦補強筋を固定する中空レンガ積み上げ工程と、を含み、前記荷重受け手段取り付け工程、縦補強筋固定工程、及び中空レンガ積み上げ工程を少なくとも2回以上繰り返し、前記パネルが、当該パネルと上方又は下方において隣接する他のパネルによって妨げられることなく、前記躯体の変位に伴って前記レンガ壁の面内方向に沿って変位することを可能とした。
請求項1に記載のレンガ壁の壁面構造、及び請求項6に記載のレンガ壁の施工方法によれば、レンガ壁を複数のパネルによって形成し、異なる荷重受け手段によって其々のパネルの鉛直荷重を受け、各パネルを相互に隣接する他のパネルによって妨げられることなく躯体の変位に伴って前記レンガ壁の面内方向に沿って変位させることによって、それぞれのパネルが面内方向に沿って変位した場合であっても、隣接する他のパネルに対して面内方向に沿った向きの力を与えることがないため、地震発生時における躯体の層間変位量とレンガ壁の層間変位量との差に起因する面内方向に沿ったせん断力を低減することが可能であり、このことによって、レンガ壁の強度が低下してしまうことを防止することが可能である。
請求項2に記載のレンガ壁の壁面構造によれば、縦補強筋を、上に隣接する他のパネルに設けられた挿通孔に対して、レンガ壁の面内方向に沿って変位することが可能となるように挿通することによって、縦補強筋の上端部及び下端部の両方を荷重受け手段に対して連係させることができるため、縦補強筋をレンガ壁の面内方向に沿って変位可能とした構造においても、縦補強筋が固定されたパネルの強度を確保することができる。
請求項3に記載のレンガ壁の壁面構造によれば、挿通孔としてレンガ壁の面内方向に沿った長孔を設けるのみで、当該長孔の内部を縦補強筋が面内方向に沿って変位することが可能となるため、極めて簡易な構成によって、縦補強筋をレンガ壁の面内方向に沿って変位させることができる。
請求項4に記載のレンガ壁の壁面構造によれば、パネルの相互間に空間層を設けるのみで、当該空間層を介して相互に隣接するパネル同士が、互いに干渉することなく面内方向に沿って変位することが可能となるため、極めて簡易な構成によって、パネルを、他のパネルにより妨げられることなく、レンガ壁の面内方向に沿って変位させることができる。
請求項5に記載のレンガ壁の壁面構造によれば、空間層に伸縮目地を設けることによって、レンガ壁の外部から空間層に向けて侵入する水やゴミ等を遮断することが可能となるため、空間層を形成したことによる不具合が発生することを防止できる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係るレンガ壁の壁面構造、及びレンガ壁の施工方法の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態に係るレンガ壁の壁面構造は、建物の躯体の外側に空気層を隔てて形成されたレンガ壁の壁面構造である。ここで、「建物」とは、レンガ壁による化粧が施される建築物のことを指す。また、「躯体」とは、レンガ壁による化粧が施される建物の躯体のことであるが、本実施の形態においては、躯体の全体については図示せず、躯体の外壁における一部分のみを図示して説明する。なお、建物及び躯体の、形状、素材、及び大きさ等は特に限定されず、任意の建物の躯体に対して本実施の形態に係る方法を行うことが可能であるが、本実施の形態では、RC(Reinforced Concrete)造の建物の躯体に対して当該方法を行うものとして説明する。
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態に係るレンガ壁の壁面構造は、建物の躯体の外側に空気層を隔てて形成されたレンガ壁の壁面構造である。ここで、「建物」とは、レンガ壁による化粧が施される建築物のことを指す。また、「躯体」とは、レンガ壁による化粧が施される建物の躯体のことであるが、本実施の形態においては、躯体の全体については図示せず、躯体の外壁における一部分のみを図示して説明する。なお、建物及び躯体の、形状、素材、及び大きさ等は特に限定されず、任意の建物の躯体に対して本実施の形態に係る方法を行うことが可能であるが、本実施の形態では、RC(Reinforced Concrete)造の建物の躯体に対して当該方法を行うものとして説明する。
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、本発明に係る実施の形態の具体的内容について説明する。
次に、本発明に係る実施の形態の具体的内容について説明する。
以下、本発明に係るレンガ壁の壁面構造、及びレンガ壁の施工方法の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(構成)
まずは、本発明の実施の形態に係るレンガ壁2の壁面構造の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るレンガ壁2の壁面構造の立面図である。図2は、図1のA−A矢視断面図である。図3は、レンガ壁2の要部斜視図である。これら図1から図3に示すように、本実施の形態に係るレンガ壁2は、概略的に、アングル10、複数のパネル20、空間層30、及び伸縮目地40を備えて構成されている。なお、以下では、図3におけるX方向を「幅方向」、Y方向を「奥行き方向」、Z方向を「高さ方向」と必要に応じて称して説明する。また、Y方向における、レンガ壁2が配置されている方を外側、躯体1が配置されている方を内側と必要に応じて称して説明する。また、図1に示すレンガ壁2は、実際にはコーナー部50において互いに直交するものであるが、図1においては一つの平面上に仮想的に展開した状態を示している。
まずは、本発明の実施の形態に係るレンガ壁2の壁面構造の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るレンガ壁2の壁面構造の立面図である。図2は、図1のA−A矢視断面図である。図3は、レンガ壁2の要部斜視図である。これら図1から図3に示すように、本実施の形態に係るレンガ壁2は、概略的に、アングル10、複数のパネル20、空間層30、及び伸縮目地40を備えて構成されている。なお、以下では、図3におけるX方向を「幅方向」、Y方向を「奥行き方向」、Z方向を「高さ方向」と必要に応じて称して説明する。また、Y方向における、レンガ壁2が配置されている方を外側、躯体1が配置されている方を内側と必要に応じて称して説明する。また、図1に示すレンガ壁2は、実際にはコーナー部50において互いに直交するものであるが、図1においては一つの平面上に仮想的に展開した状態を示している。
(構成−アングル)
アングル10は、躯体1からパネル20に亘って設置された荷重受け手段である。このアングル10は、図3のように、幅方向に直交する断面が略L字形状の部材である。この略L字形に形成された部材のうち、水平方向に沿って配置されている部分を敷設部11、鉛直方向に沿って配置されている部分を固定部12と称して以下ではこれら敷設部11及び固定部12について説明する。なお、これらの敷設部11と固定部12とは、1枚の平板を折り曲げることにより一体形成され、あるいは、2枚の平板を相互に溶接等にて接合することにより形成されている。
アングル10は、躯体1からパネル20に亘って設置された荷重受け手段である。このアングル10は、図3のように、幅方向に直交する断面が略L字形状の部材である。この略L字形に形成された部材のうち、水平方向に沿って配置されている部分を敷設部11、鉛直方向に沿って配置されている部分を固定部12と称して以下ではこれら敷設部11及び固定部12について説明する。なお、これらの敷設部11と固定部12とは、1枚の平板を折り曲げることにより一体形成され、あるいは、2枚の平板を相互に溶接等にて接合することにより形成されている。
(構成−アングル−敷設部)
敷設部11は、パネル20の下方に敷設されて、パネル20の鉛直荷重を受ける敷設手段である。この敷設部11は、長方形の板状体として形成されており、幅方向に沿って配置された所定数の中空レンガ21の其々の鉛直荷重を受けることが可能な程度の幅を有し、躯体1の外面からレンガ壁2の外面(厳密には、レンガ壁2の外面よりも所定距離だけ内側)に略至る奥行きを有している。
敷設部11は、パネル20の下方に敷設されて、パネル20の鉛直荷重を受ける敷設手段である。この敷設部11は、長方形の板状体として形成されており、幅方向に沿って配置された所定数の中空レンガ21の其々の鉛直荷重を受けることが可能な程度の幅を有し、躯体1の外面からレンガ壁2の外面(厳密には、レンガ壁2の外面よりも所定距離だけ内側)に略至る奥行きを有している。
この敷設部11には、幅方向に沿って複数の長孔13が所定の間隔で設けられている。この長孔13は、敷設部11を鉛直方向に貫通する挿通孔であり、また、レンガ壁2の面内方向に沿った長孔13である。この長孔13の形状は、具体的には、少なくとも縦補強筋23を挿通する事が可能な程度に縦補強筋23の直径よりも大きい奥行きを有し、また、挿通された縦補強筋23が幅方向に沿って可動できる程度の幅を有する孔である。
そして、敷設部11は、所定のパネル20と上方又は下方において隣接する他のパネル20との相互間に位置する空間層30に配置され、かつ、敷設部11の上面が、パネル20を構成する中空レンガ21のうち最下段の中空レンガ21の底面に接するように配置されている。例えば、上下に2段のパネル20が配置されている場合には、下のパネル20を構成する複数の中空レンガ21の中の最下段の中空レンガ21の下方と、上のパネル20を構成する複数の中空レンガ21の中の最下段の中空レンガ21の下方とに、それぞれ敷設部11が配置され、下のパネル20の下方に配置された敷設部11は、当該下のパネル20の鉛直荷重を受け、上のパネル20の下方に配置された敷設部11は、当該上のパネル20の鉛直荷重を受ける。なお、図1の立面図における最も上方のアングル10の敷設部11には中空レンガ21が載置されていないが、実際には、このアングル10の敷設部11の上方にも中空レンガ21が載置されている。すなわち、図1は、このように敷設部11の上方に載置された中空レンガ21の記載を省略することによって、アングル10の構成を見易くしたものである。
(構成−アングル−固定部)
固定部12は、敷設部11を躯体1に対して固定するための固定手段である。この固定部12は、長方形の板状体として形成された部分であって、固定部12と略同一の幅を有し、パネル20の鉛直荷重を受ける敷設部11を躯体1に対して安定的に固定するのに十分な程度の高さを有している。そして、この固定部12は、任意の方法によって躯体1に対して接合されている。例えば、本実施の形態のように、固定部12を奥行き方向に貫通する孔部を、固定部12の幅方向に沿って複数設け、当該複数の孔部に外側から内側にかけてボルトを挿通し、躯体1における当該複数の孔部に対応する位置に設けた複数のボルト孔に締結しても良い。このように、パネル20の鉛直荷重を受ける敷設部11と一体に形成された固定部12を躯体1に対して接合することによって、躯体1の層間変位にパネル20を追従させることが出来る。
固定部12は、敷設部11を躯体1に対して固定するための固定手段である。この固定部12は、長方形の板状体として形成された部分であって、固定部12と略同一の幅を有し、パネル20の鉛直荷重を受ける敷設部11を躯体1に対して安定的に固定するのに十分な程度の高さを有している。そして、この固定部12は、任意の方法によって躯体1に対して接合されている。例えば、本実施の形態のように、固定部12を奥行き方向に貫通する孔部を、固定部12の幅方向に沿って複数設け、当該複数の孔部に外側から内側にかけてボルトを挿通し、躯体1における当該複数の孔部に対応する位置に設けた複数のボルト孔に締結しても良い。このように、パネル20の鉛直荷重を受ける敷設部11と一体に形成された固定部12を躯体1に対して接合することによって、躯体1の層間変位にパネル20を追従させることが出来る。
(構成−パネル)
パネル20は、建物の躯体1の外側に空気層3を隔てて形成されたユニットである。図4は、地震動発生時におけるレンガ壁2の変位を概略的に示す図である。この図4に示すように、これら複数のパネル20は、鉛直方向に沿って並設されており、地震動発生時において、図4に示すように其々異なる動きをすることが可能である。すなわち、各パネル20は、其々のパネル20の鉛直荷重を受けるアングル10の変位に追従して面内方向に沿って変位することが可能であり、隣接する他のパネル20によって面内方向に沿った変位を妨げられることがないように形成されている。以下では、このように変位するパネル20の構成について説明する。なお、以下では、このように鉛直方向に沿って並設された複数のパネル20のうち、所定の一のパネル20について説明し、他のパネル20については、これと同様に構成することが可能なものとして、特記しない限りその詳細な説明を省略する。
パネル20は、建物の躯体1の外側に空気層3を隔てて形成されたユニットである。図4は、地震動発生時におけるレンガ壁2の変位を概略的に示す図である。この図4に示すように、これら複数のパネル20は、鉛直方向に沿って並設されており、地震動発生時において、図4に示すように其々異なる動きをすることが可能である。すなわち、各パネル20は、其々のパネル20の鉛直荷重を受けるアングル10の変位に追従して面内方向に沿って変位することが可能であり、隣接する他のパネル20によって面内方向に沿った変位を妨げられることがないように形成されている。以下では、このように変位するパネル20の構成について説明する。なお、以下では、このように鉛直方向に沿って並設された複数のパネル20のうち、所定の一のパネル20について説明し、他のパネル20については、これと同様に構成することが可能なものとして、特記しない限りその詳細な説明を省略する。
図1から図3に戻り、図示のように、このパネル20は、概略的に、中空レンガ21、モルタル22、縦補強筋23、及びパッキン24を備えて構成されている。以下では、パネル20を構成するこれらの構成要素について詳細に説明する。
(構成−パネル−中空レンガ)
中空レンガ21は、鉛直方向に沿って積み上げられた建材である。図3に示すように、この中空レンガ21は、奥行き方向に比して幅方向が長く形成された略直方形状のレンガである。そして、この中空レンガ21には、幅方向に沿って3つのレンガ孔21aが並設されている。このレンガ孔21aは、中空レンガ21を鉛直方向に貫通する孔であって、少なくとも上部ナット23c、下部ナット23d、高ナット23e、及びワッシャー23fを内部に収容することが可能な程度の幅及び奥行きを有する孔として形成されている。なお、このような中空レンガ21は公知のものを用いることが可能である。また、これら複数のレンガはいずれも略同一の形状にて構成されている。
中空レンガ21は、鉛直方向に沿って積み上げられた建材である。図3に示すように、この中空レンガ21は、奥行き方向に比して幅方向が長く形成された略直方形状のレンガである。そして、この中空レンガ21には、幅方向に沿って3つのレンガ孔21aが並設されている。このレンガ孔21aは、中空レンガ21を鉛直方向に貫通する孔であって、少なくとも上部ナット23c、下部ナット23d、高ナット23e、及びワッシャー23fを内部に収容することが可能な程度の幅及び奥行きを有する孔として形成されている。なお、このような中空レンガ21は公知のものを用いることが可能である。また、これら複数のレンガはいずれも略同一の形状にて構成されている。
そして、この中空レンガ21が幅方向及び高さ方向に沿って其々所定の隙間を設けて配置されることによって、パネル20の一部を構成している。なお、この中空レンガ21同士の隙間には、モルタル22が充填されているが、この点については後述する。
また、図1に示すように、レンガ壁2のコーナー部50の付近には、高さ方向に略沿って図示のように中空レンガ21の相互間に弾性目地51が敷き詰められており、このように弾性目地51が敷き詰められた部分にはモルタル22が充填されていない。このことにより、互いに直交する面に沿って形成されたパネル20が、互いに干渉し合うことなく其々の面内方向に沿って変位できる。また、躯体1と、中空レンガ21の相互間に配置された縦補強筋23やモルタル22とを公知のウォールタイ60によって接続することによって、レンガ壁2を躯体1に対してより強固に固定することが可能である。
(構成−パネル−モルタル)
モルタル22は、各中空レンガ21同士を接合し、また、各中空レンガ21と縦補強筋23とを接合する接合手段である。このモルタル22は、中空レンガ21同士の隙間に充填されており、このことにより互いに隣接する中空レンガ21同士を接合している。また、モルタル22は、各中空レンガ21に設けられたレンガ孔21aのうち、縦補強筋23が挿通されているレンガ孔21aの内部にも充填されており、このことによって、縦補強筋23を中空レンガ21に対して強く固定することが可能であり、レンガ壁2の耐震強度をより一層向上させることができる。なお、各中空レンガ21に設けられたレンガ孔21aのうち、縦補強筋23が挿通されていないレンガ孔21aの内部には、モルタル22が充填されていない。
モルタル22は、各中空レンガ21同士を接合し、また、各中空レンガ21と縦補強筋23とを接合する接合手段である。このモルタル22は、中空レンガ21同士の隙間に充填されており、このことにより互いに隣接する中空レンガ21同士を接合している。また、モルタル22は、各中空レンガ21に設けられたレンガ孔21aのうち、縦補強筋23が挿通されているレンガ孔21aの内部にも充填されており、このことによって、縦補強筋23を中空レンガ21に対して強く固定することが可能であり、レンガ壁2の耐震強度をより一層向上させることができる。なお、各中空レンガ21に設けられたレンガ孔21aのうち、縦補強筋23が挿通されていないレンガ孔21aの内部には、モルタル22が充填されていない。
(構成−パネル−縦補強筋)
縦補強筋23は、敷設部11及び複数の中空レンガ21に固定された補強手段である。この縦補強筋23は、棒状体として形成された鉄筋である。そして、縦補強筋23は、鉛直方向に沿って配置されており、複数の中空レンガ21のレンガ孔21aの内部に挿通されている。具体的には、図1に示すように、各中空レンガ21のいずれかのレンガ孔21aの内部を縦補強筋23が通るように、幅方向に沿って等間隔に配置されている。なお、縦補強筋23は、必ずしも等間隔に配置する必要はなく、図示のように、例えばコーナー部50の付近のように地震動によって欠損し易い部分には、多くの縦補強筋23を配置して補強しても良い。また、コーナー部50には図示のように、コーナー部50に沿って配置されたコーナー補強筋52を配置することによって、さらにコーナー部50を補強することが可能である。
縦補強筋23は、敷設部11及び複数の中空レンガ21に固定された補強手段である。この縦補強筋23は、棒状体として形成された鉄筋である。そして、縦補強筋23は、鉛直方向に沿って配置されており、複数の中空レンガ21のレンガ孔21aの内部に挿通されている。具体的には、図1に示すように、各中空レンガ21のいずれかのレンガ孔21aの内部を縦補強筋23が通るように、幅方向に沿って等間隔に配置されている。なお、縦補強筋23は、必ずしも等間隔に配置する必要はなく、図示のように、例えばコーナー部50の付近のように地震動によって欠損し易い部分には、多くの縦補強筋23を配置して補強しても良い。また、コーナー部50には図示のように、コーナー部50に沿って配置されたコーナー補強筋52を配置することによって、さらにコーナー部50を補強することが可能である。
ここで、縦補強筋23の構成を具体的に説明するに際し、上下において空間層30を介して隣接する2つのパネル20を例に挙げて説明し、このうち、当該所定の一の縦補強筋23により接合された複数の中空レンガ21を含むパネル20を「下パネル20a」と称し、この下パネル20aの上方において隣接するパネル20を「上パネル20b」と称して説明する。
まず、縦補強筋23の下端部23bは、下パネル20aの敷設部11に対して任意の方法によって固定されている。例えば本実施の形態においては、図3に示すように、縦補強筋23の下端部23bは、下パネル20aの敷設部11に設けられた長孔13に挿通され、敷設部11の下方にさらに所定距離だけ突出している。そして、縦補強筋23における、この敷設部11の下方に突出した部分には下部ナット23dが装着されており、敷設部11の上方の部分には高ナット23eが装着されている。そして、これらの高ナット23eと下部ナット23dを締め付けて敷設部11を挟み込むことにより、縦補強筋23の下端部23bを敷設部11に固定することが可能である。なお、高ナット23eは、下パネル20aの敷設部11に載置された中空レンガ21のレンガ孔21aの内部において、高ナット23eが装着された縦補強筋23と一体として収容される。また、縦補強筋23における、この敷設部11の下方に突出した部分は、空間層30に配置される。
一方、縦補強筋23の上端部23aは、下パネル20aと上方において隣接する上パネル20bの鉛直荷重を受ける敷設部11に設けられた長孔13に対して、レンガ壁2の面内方向に沿って変位することが可能となるように挿通されている。具体的には、縦補強筋23の上端部23aは、上パネル20bの敷設部11に設けられた長孔13に挿通され、敷設部11の上方にさらに所定距離だけ突出している。そして、この敷設部11の上方に突出した部分には上部ナット23cが装着されており、この上部ナット23cと、上パネル20bの敷設部11の上面との間にはワッシャー23fが介装されている。この際に、上部ナット23cを緩く締めることによって、縦補強筋23が、その上端部23aにおいてレンガ壁2の面内方向に沿って変位することが可能となる。
ここで、図2のように、縦補強筋23における上パネル20bの敷設部11の上方に突出した部分、及びその突出した部分に装着された上部ナット23cとワッシャー23fは、上パネル20bの敷設部11に載置された中空レンガ21のレンガ孔21aの内部に収容されている。そして、このように縦補強筋23の上端部23a等が収容されたレンガ孔21aにはモルタル22を充填しない。具体的には、このレンガ孔21aの内部における上方を図示のようにパッキン24で覆うことによって、このレンガ孔21aの内部にモルタル22が侵入することを防止する。このようにして、縦補強筋23の上端部23aがモルタル22で固定されてしまうことにより、縦補強筋23がレンガ壁2の面内方向に沿って変位できなくなってしまうことを防ぐことができる。
ここで、地震動発生時においては、躯体1におけるより上の方である程、躯体1の面内方向に沿った層間変位量が大きく、それに追従して変位するパネル20の面内方向に沿った層間変位量も大きくなる。すなわち、上のパネル20は、下のパネル20よりも面内方向に沿った層間変位量が大きい。しかし、上記の構成を採用することにより、上のパネル20が大きく変位した場合であっても縦補強筋23が面内方向に沿って長孔13を摺動するのみであって、上のパネル20の変位に引きずられて下のパネル20が変位することはない。そのため、レンガ壁2に対して、躯体1の層間変位量とレンガ壁2の層間変位量の差に伴うせん断力を低下させることが可能であり、その結果、レンガ壁2の強度が低下してしまうことを防止することが可能である。
ここで、図1に示すように、上パネル20bの敷設部11のうち、下パネル20aの縦補強筋23の上端部23aが挿通された長孔13の隣の長孔13には、上述した縦補強筋23の下端部23bと同様の構成により、当該上パネル20bの縦補強筋23の下端部23bが固定されている。そして、当該隣の長孔13に固定された縦補強筋23の上端部23aは、上パネル20bのさらに上のパネル20の敷設部11に設けられた長孔13に対して、上述した縦補強筋23の上端部23aと同様の構成により、面内方向に沿って変位することが可能となるように挿通されている。このように、敷設部11の幅方向に沿って並設された長孔13に対して、縦補強筋23の下端部23bと上端部23aが交互に接続され、その上のパネル20には、対応する上端部23aと下端部23bが交互に接続されている。なお、必ずしも上端部23aと下端部23bを交互に敷設部11に対して接続する必要はなく、任意の配置により縦補強筋23を敷設部11に対して接続して構わない。
(構成−パネル−パッキン)
図2に戻り、パッキン24は、縦補強筋23の上端部23aが収容されたレンガ孔21aを封止する封止手段である。このパッキン24は、ゴムや樹脂など任意の素材により形成することができる。また、このパッキン24は、縦補強筋23の上端部23aが収容されたレンガ孔21aにおける、縦補強筋23の上端部23aの上方に配置されている。このことにより、当該レンガ孔21aの上方に充填されたモルタル22が固化する前にレンガ孔21aの内部に侵入してしまうことにより縦補強筋23の面内方向に沿った変位を妨げてしまうことを防止する。
図2に戻り、パッキン24は、縦補強筋23の上端部23aが収容されたレンガ孔21aを封止する封止手段である。このパッキン24は、ゴムや樹脂など任意の素材により形成することができる。また、このパッキン24は、縦補強筋23の上端部23aが収容されたレンガ孔21aにおける、縦補強筋23の上端部23aの上方に配置されている。このことにより、当該レンガ孔21aの上方に充填されたモルタル22が固化する前にレンガ孔21aの内部に侵入してしまうことにより縦補強筋23の面内方向に沿った変位を妨げてしまうことを防止する。
(構成−空間層)
空間層30は、パネル20と、当該パネル20と上方又は下方において隣接する他のパネル20との相互間に設けられたパネル分離層である。ここで、図3に示すように、その他の中空レンガ21同士の隙間と異なり、この空間層30には、モルタル22が敷き詰められていない。すなわち、空間層30を介した上下のパネル20は接合されておらず、このように空間層30を設けて互いに隣接し合うパネル20同士を分断することによって、其々のパネル20が異なる変位量において自由に変位することができる。このような構成によって、所定のパネル20が、隣接する所定の他のパネル20によって妨げられることなく、躯体1の変位に伴ってレンガ壁2の面内方向に沿って変位することが可能となる。なお、本実施の形態では、空間層30と表現しているが、実際には空間層30の内部には縦補強筋23の敷設部11や伸縮目地40が介在している。
空間層30は、パネル20と、当該パネル20と上方又は下方において隣接する他のパネル20との相互間に設けられたパネル分離層である。ここで、図3に示すように、その他の中空レンガ21同士の隙間と異なり、この空間層30には、モルタル22が敷き詰められていない。すなわち、空間層30を介した上下のパネル20は接合されておらず、このように空間層30を設けて互いに隣接し合うパネル20同士を分断することによって、其々のパネル20が異なる変位量において自由に変位することができる。このような構成によって、所定のパネル20が、隣接する所定の他のパネル20によって妨げられることなく、躯体1の変位に伴ってレンガ壁2の面内方向に沿って変位することが可能となる。なお、本実施の形態では、空間層30と表現しているが、実際には空間層30の内部には縦補強筋23の敷設部11や伸縮目地40が介在している。
(構成−伸縮目地)
伸縮目地40は、空間層30の少なくとも一部に充填された充填剤である。この伸縮目地40は、空間層30における、覆設部の外側に充填されており、このようにして伸縮目地40によって空間層30を塞ぐことによって、レンガ壁2の外側から空間層30の内部に水やゴミ等が入り込んでしまうことを防止できる。なお、伸縮目地40はパネル20の変位を妨げない程度の伸縮性を有するものであればどのような素材のものであっても良い。
伸縮目地40は、空間層30の少なくとも一部に充填された充填剤である。この伸縮目地40は、空間層30における、覆設部の外側に充填されており、このようにして伸縮目地40によって空間層30を塞ぐことによって、レンガ壁2の外側から空間層30の内部に水やゴミ等が入り込んでしまうことを防止できる。なお、伸縮目地40はパネル20の変位を妨げない程度の伸縮性を有するものであればどのような素材のものであっても良い。
(施工方法)
続いて、上記のように構成されたレンガ壁2の施工方法について説明する。ここで、本実施の形態に係るレンガ壁2の施工方法は、概略的に、アングル取り付け工程、縦補強筋固定工程、及び中空レンガ積み上げ工程を含んで構成される。そして、上記の工程を行うことにより一つのパネル20を形成することができ、これらの工程を繰り返し行うことによって、鉛直方向に沿って複数のパネル20を並設することができる。なお、本実施の形態では、これらの工程を行うことにより下パネル20aを形成し、これらの工程を再度繰り返すことにより上パネル20bを形成するまでの工程について説明する。なお、これらの各工程については適宜順序を入れ替えて行うことが可能であり、本実施の形態においてはその一例を示す。
続いて、上記のように構成されたレンガ壁2の施工方法について説明する。ここで、本実施の形態に係るレンガ壁2の施工方法は、概略的に、アングル取り付け工程、縦補強筋固定工程、及び中空レンガ積み上げ工程を含んで構成される。そして、上記の工程を行うことにより一つのパネル20を形成することができ、これらの工程を繰り返し行うことによって、鉛直方向に沿って複数のパネル20を並設することができる。なお、本実施の形態では、これらの工程を行うことにより下パネル20aを形成し、これらの工程を再度繰り返すことにより上パネル20bを形成するまでの工程について説明する。なお、これらの各工程については適宜順序を入れ替えて行うことが可能であり、本実施の形態においてはその一例を示す。
(施工方法−下パネル)
まずは下パネル20aの形成方法について説明する。
まずは下パネル20aの形成方法について説明する。
(施工方法−下パネルの形成方法−アングル取り付け工程)
アングル取り付け工程は、アングル10を、躯体1に取り付ける荷重受け手段取り付け工程である。具体的には、まず、下パネル20aのアングル10の固定部12に設けられた孔部の位置と対応する躯体1の位置にボルト孔を穿孔する。そして、これらのボルト孔の位置と、アングル10の固定部12に設けられた孔部の位置を合わせた状態において、任意の方法によってアングル10を仮固定する。そして、この孔部に外側から内側にかけてボルトを挿通し、ボルトを躯体1のボルト孔に締結する。このようにして、アングル10の幅方向に沿って配置された全ての孔部にボルトを挿通し、対応する位置に配置された躯体1のボルト孔にボルトを締結していくことで、アングル10を躯体1に取り付けることができる。
アングル取り付け工程は、アングル10を、躯体1に取り付ける荷重受け手段取り付け工程である。具体的には、まず、下パネル20aのアングル10の固定部12に設けられた孔部の位置と対応する躯体1の位置にボルト孔を穿孔する。そして、これらのボルト孔の位置と、アングル10の固定部12に設けられた孔部の位置を合わせた状態において、任意の方法によってアングル10を仮固定する。そして、この孔部に外側から内側にかけてボルトを挿通し、ボルトを躯体1のボルト孔に締結する。このようにして、アングル10の幅方向に沿って配置された全ての孔部にボルトを挿通し、対応する位置に配置された躯体1のボルト孔にボルトを締結していくことで、アングル10を躯体1に取り付けることができる。
(施工方法−下パネルの形成方法−縦補強筋固定工程)
縦補強筋固定工程は、敷設部11に縦補強筋23を固定する縦補強筋固定工程である。具体的には、まず、高ナット23eを所定の位置に装着した縦補強筋23を敷設部11の長孔13に挿通する。この際に、縦補強筋23の下端部23bが長孔13の下方に突出するように挿通する。そして、このように突出した部分に下部ナット23dを装着して、高ナット23eと下部ナット23dによって敷設部11を挟み込むことによって、敷設部11に縦補強筋23を固定する。
縦補強筋固定工程は、敷設部11に縦補強筋23を固定する縦補強筋固定工程である。具体的には、まず、高ナット23eを所定の位置に装着した縦補強筋23を敷設部11の長孔13に挿通する。この際に、縦補強筋23の下端部23bが長孔13の下方に突出するように挿通する。そして、このように突出した部分に下部ナット23dを装着して、高ナット23eと下部ナット23dによって敷設部11を挟み込むことによって、敷設部11に縦補強筋23を固定する。
(施工方法−下パネルの形成方法−中空レンガ積み上げ工程)
中空レンガ積み上げ工程は、複数の中空レンガ21に縦補強筋23を固定する中空レンガ積み上げ工程である。具体的には、まず、複数の中空レンガ21を幅方向に沿って所定の間隔を設けつつ敷設部11の上面に載置する。この際に、各中空レンガ21のうち少なくとも一つのレンガ孔21aには縦補強筋23が挿通されるように、各中空レンガ21を載置する。そして、各中空レンガ21の相互間に設けられた隙間、各中空レンガ21における縦補強筋23が挿通されたレンガ孔21a、及び各中空レンガ21の上面に、モルタル22を充填する。このようにして第一段目の中空レンガ21の積み上げが完成する。
中空レンガ積み上げ工程は、複数の中空レンガ21に縦補強筋23を固定する中空レンガ積み上げ工程である。具体的には、まず、複数の中空レンガ21を幅方向に沿って所定の間隔を設けつつ敷設部11の上面に載置する。この際に、各中空レンガ21のうち少なくとも一つのレンガ孔21aには縦補強筋23が挿通されるように、各中空レンガ21を載置する。そして、各中空レンガ21の相互間に設けられた隙間、各中空レンガ21における縦補強筋23が挿通されたレンガ孔21a、及び各中空レンガ21の上面に、モルタル22を充填する。このようにして第一段目の中空レンガ21の積み上げが完成する。
そして、その上に同様の方法により第二段、第三段と中空レンガ21を積み上げていく。この際にも、各中空レンガ21のうち少なくとも一つのレンガ孔21aには縦補強筋23が挿通されるように中空レンガ21を積み上げる。このようにして所望の数の中空レンガ21を積み上げることが可能である。例えば、図1に示すように、本実施の形態では、19段の中空レンガ21を敷設部11の上方に積み上げて下パネル20aを形成している。なお、最上段の中空レンガ21の上方にはモルタル22を充填せず、このことによって、下パネル20aと上パネル20bの相互間に空間層30を設けることができる。
また、中空レンガ積み上げ工程では、下パネル20aの敷設部11に下パネル20aを構成する最下段の中空レンガ21を載置した後に、当該最下段の中空レンガ21に設けられたレンガ孔21aのうち下パネル20aの下方において隣接する他のパネル20の縦補強筋23の上端部23aが収容されたレンガ孔21aに、パッキン24を充填する。
(施工方法−上パネルの形成方法)
このように、アングル取り付け工程、縦補強筋固定工程、及び中空レンガ積み上げ工程を行うことによって、複数の中空レンガ21によって形成された下パネル20aを形成することが可能であり、上記の各工程と略同一の方法によって上パネル20bを形成することが可能である。以下では、上パネル20bの形成方法を説明する上で、上述した下パネル20aの施工方法と異なる点についてのみ説明する。
このように、アングル取り付け工程、縦補強筋固定工程、及び中空レンガ積み上げ工程を行うことによって、複数の中空レンガ21によって形成された下パネル20aを形成することが可能であり、上記の各工程と略同一の方法によって上パネル20bを形成することが可能である。以下では、上パネル20bの形成方法を説明する上で、上述した下パネル20aの施工方法と異なる点についてのみ説明する。
まず、アングル取り付け工程では、中空レンガ積み上げ工程により積み上げた19段の中空レンガ21からなるパネル20の上方にアングル10を取り付ける。この際に、上述した縦補強筋固定工程において固定した縦補強筋23の上端部23aが、アングル10の長孔13に挿通されて、縦補強筋23の上端部23aが長孔13の上方に突出した状態となるように上パネル20bのアングル10を取り付ける。そして、当該縦補強筋23の上端部23aにおける長孔13の上方に突出した部分に対してワッシャー23f及び上部ナット23cを装着する。なお、アングル10を躯体1に対して取り付ける方法については上述した方法と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、縦補強筋固定工程では、下パネル20aの縦補強筋23の上端部23aが配置されていない長孔13に対して縦補強筋23を固定する。例えば図1のように、下パネル20aの上端部23aが配置された各長孔13の間に配置された長孔13に対して上パネル20bの縦補強筋23を固定しても良い。
(効果)
このように本実施の形態によれば、レンガ壁2を複数のパネル20によって形成し、異なるアングル10によって其々のパネル20の鉛直荷重を受け、各パネル20を相互に隣接する他のパネル20によって妨げられることなく躯体1の変位に伴って前記レンガ壁2の面内方向に沿って変位させることによって、それぞれのパネル20が面内方向に沿って変位した場合であっても、隣接する他のパネル20に対して面内方向に沿った向きの力を与えることがないため、地震発生時における躯体1の層間変位量とレンガ壁2の層間変位量との差に起因する面内方向に沿ったせん断力を低減することが可能であり、このことによって、レンガ壁2の強度が低下してしまうことを防止することが可能である。
このように本実施の形態によれば、レンガ壁2を複数のパネル20によって形成し、異なるアングル10によって其々のパネル20の鉛直荷重を受け、各パネル20を相互に隣接する他のパネル20によって妨げられることなく躯体1の変位に伴って前記レンガ壁2の面内方向に沿って変位させることによって、それぞれのパネル20が面内方向に沿って変位した場合であっても、隣接する他のパネル20に対して面内方向に沿った向きの力を与えることがないため、地震発生時における躯体1の層間変位量とレンガ壁2の層間変位量との差に起因する面内方向に沿ったせん断力を低減することが可能であり、このことによって、レンガ壁2の強度が低下してしまうことを防止することが可能である。
また、縦補強筋23を、上に隣接する他のパネル20に設けられた挿通孔に対して、レンガ壁2の面内方向に沿って変位することが可能となるように挿通することによって、縦補強筋23の上端部23a及び下端部23bの両方をアングル10に対して連係させることができるため、縦補強筋23をレンガ壁2の面内方向に沿って変位可能とした構造においても、縦補強筋23が固定されたパネル20の強度を確保することができる。
また、挿通孔としてレンガ壁2の面内方向に沿った長孔13を設けるのみで、当該長孔13の内部を縦補強筋23が面内方向に沿って変位することが可能となるため、極めて簡易な構成によって、縦補強筋23をレンガ壁2の面内方向に沿って変位させることができる。
また、パネル20の相互間に空間層30を設けるのみで、当該空間層30を介して相互に隣接するパネル20同士が、互いに干渉することなく面内方向に沿って変位することが可能となるため、極めて簡易な構成によって、パネル20を、他のパネル20により妨げられることなく、レンガ壁2の面内方向に沿って変位させることができる。
また、空間層30に伸縮目地40を設けることによって、レンガ壁2の外部から空間層30に向けて侵入する水やゴミ等を遮断することが可能となるため、空間層30を形成したことによる不具合が発生することを防止できる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(寸法や材料について)
発明の詳細な説明や図面で説明したレンガ壁2の各部の寸法、形状、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、比率等とすることができる。また、各部を構成する材料については、金属や樹脂を含む任意の材料を用いることができる。
発明の詳細な説明や図面で説明したレンガ壁2の各部の寸法、形状、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、比率等とすることができる。また、各部を構成する材料については、金属や樹脂を含む任意の材料を用いることができる。
(アングルについて)
本実施の形態においては、アングル10は、19段からなる中空レンガ21の荷重を支えるものであるが、アングル10が支える中空レンガ21の段数はいくつであっても構わない。また、パネル20毎に異なる段数の中空レンガ21の鉛直荷重を受けても良い。
本実施の形態においては、アングル10は、19段からなる中空レンガ21の荷重を支えるものであるが、アングル10が支える中空レンガ21の段数はいくつであっても構わない。また、パネル20毎に異なる段数の中空レンガ21の鉛直荷重を受けても良い。
(縦補強筋について)
本実施の形態では、縦補強筋23は上方において隣接する他のパネル20の敷設部11に設けられた長孔13を挿通するものとして説明したが、長孔13を挿通しなくても良い。例えば、縦補強筋23の上端部23aは、空間層30に配置することとしても良い。また、縦補強筋23の上端部23aが長孔13を挿通している場合に、縦補強筋23の上端部23aに上部ナット23cやワッシャー23fを取り付けなくても良い。
本実施の形態では、縦補強筋23は上方において隣接する他のパネル20の敷設部11に設けられた長孔13を挿通するものとして説明したが、長孔13を挿通しなくても良い。例えば、縦補強筋23の上端部23aは、空間層30に配置することとしても良い。また、縦補強筋23の上端部23aが長孔13を挿通している場合に、縦補強筋23の上端部23aに上部ナット23cやワッシャー23fを取り付けなくても良い。
また、本実施の形態において、縦補強筋23の下端部23bは、長孔13に対して固定されるものとして説明したが、これに限定されず、縦補強筋23を鉛直方向に沿って設置することが可能であればどのようにして固定しても良い。例えば、敷設部11に、長孔13以外の固定用の孔を設けて、当該固定用の孔に対して縦補強筋23を挿通した状態において、下部ナット23dと高ナット23eにより固定しても良い。
また、縦補強筋23を複数に分割し、高さ方向に沿って複数に分割した縦補強筋23を任意の方法により繋ぎ合わせても良い。
(挿通孔について)
本実施の形態において、縦補強筋23を挿通する挿通孔は長孔13であるものとして説明したが、縦補強筋23が面内方向に沿って変位することが可能な構成であればこのような長孔13に限られない。たとえば、挿通孔を、当該挿通孔の外径よりも大きい内径を有する正円形に形成しても良い。この場合には、例えば縦補強筋23の外径と略同一の内径を有し、かつ挿通孔と略同一の外径を有する中空筒体のゴムを縦補強筋23に装着し、当該中空筒体のゴムを装着した縦補強筋23を挿通孔に挿入することによって、中空筒体のゴムの内部において、縦補強筋23が自由に変位することができる。
本実施の形態において、縦補強筋23を挿通する挿通孔は長孔13であるものとして説明したが、縦補強筋23が面内方向に沿って変位することが可能な構成であればこのような長孔13に限られない。たとえば、挿通孔を、当該挿通孔の外径よりも大きい内径を有する正円形に形成しても良い。この場合には、例えば縦補強筋23の外径と略同一の内径を有し、かつ挿通孔と略同一の外径を有する中空筒体のゴムを縦補強筋23に装着し、当該中空筒体のゴムを装着した縦補強筋23を挿通孔に挿入することによって、中空筒体のゴムの内部において、縦補強筋23が自由に変位することができる。
(パネルについて)
一つのパネル20を構成する中空レンガ21の幅方向に沿って配置される数は任意である。また、本実施の形態では、図1に示すように、所定の中空レンガ21の幅方向に沿った中央部のちょうど真上に上の段の各中空レンガ21の隙間が位置することとなるように中空レンガ21を配列したが、このような配列に限らず、任意の配列によって中空レンガ21を積み上げて良い。ただし、各中空レンガ21のいずれかのレンガ孔21aには縦補強筋23が挿通されていることが望ましい。
一つのパネル20を構成する中空レンガ21の幅方向に沿って配置される数は任意である。また、本実施の形態では、図1に示すように、所定の中空レンガ21の幅方向に沿った中央部のちょうど真上に上の段の各中空レンガ21の隙間が位置することとなるように中空レンガ21を配列したが、このような配列に限らず、任意の配列によって中空レンガ21を積み上げて良い。ただし、各中空レンガ21のいずれかのレンガ孔21aには縦補強筋23が挿通されていることが望ましい。
(パッキンについて)
パッキン24は必要に応じて省略しても良い。
パッキン24は必要に応じて省略しても良い。
(伸縮目地について)
伸縮目地40は必要に応じて省略しても良い。
伸縮目地40は必要に応じて省略しても良い。
(高ナットについて)
本実施の形態では、下パネル20aの縦補強筋23の下端部23bを高ナット23eと下部ナット23dにより挟み込むことによって、縦補強筋23を敷設部11に対して固定したが、高ナット23eは通常のナットであっても良い。
本実施の形態では、下パネル20aの縦補強筋23の下端部23bを高ナット23eと下部ナット23dにより挟み込むことによって、縦補強筋23を敷設部11に対して固定したが、高ナット23eは通常のナットであっても良い。
(縦補強筋の下端部を敷設部に固定する方法について)
本実施の形態では、縦補強筋23に装着した高ナット23eと下部ナット23dによって敷設部11を挟み込むことにより縦補強筋23の下端部23bを敷設部11に固定するものとして説明したが、縦補強筋23を敷設部11に固定する方法はこの方法に限定されない。ここで、その他の方法の一例を以下に示す。なお、この方法においては、下部ナット23dは使用しない。まず、公知の薄頭ボルトを、敷設部11の下方から敷設部11の長孔13に挿入し、薄頭ボルトの先端部を敷設部11の上方に突出させる。そして、この突出した薄頭ボルトの先端部に、高ナット23eの一端部を螺合する。このようにして敷設部11に高ナット23eを取り付けた状態において、第一段目の中空レンガ21のうち少なくとも一つのレンガ孔21aに高ナット23eが挿通されるように、第一段目の中空レンガ21を敷設部11に載置する。その後、高ナット23eの他端部に縦補強筋23を螺合することにより、縦補強筋23を敷設部11に固定することが可能である。
本実施の形態では、縦補強筋23に装着した高ナット23eと下部ナット23dによって敷設部11を挟み込むことにより縦補強筋23の下端部23bを敷設部11に固定するものとして説明したが、縦補強筋23を敷設部11に固定する方法はこの方法に限定されない。ここで、その他の方法の一例を以下に示す。なお、この方法においては、下部ナット23dは使用しない。まず、公知の薄頭ボルトを、敷設部11の下方から敷設部11の長孔13に挿入し、薄頭ボルトの先端部を敷設部11の上方に突出させる。そして、この突出した薄頭ボルトの先端部に、高ナット23eの一端部を螺合する。このようにして敷設部11に高ナット23eを取り付けた状態において、第一段目の中空レンガ21のうち少なくとも一つのレンガ孔21aに高ナット23eが挿通されるように、第一段目の中空レンガ21を敷設部11に載置する。その後、高ナット23eの他端部に縦補強筋23を螺合することにより、縦補強筋23を敷設部11に固定することが可能である。
このような縦補強筋23の固定方法によれば、第一段目の中空レンガ21の積み上げの際に、中空レンガ21のレンガ孔21aに縦補強筋23を挿通する必要がなく、縦補強筋23よりも短い高ナット23eのみを挿通すれば良いため、第一段目の中空レンガ21の積み上げに要する手間を低減することが可能であり、施工性が向上する。また、このような縦補強筋23の固定方法によれば、敷設部11の下方の空間層30には、下部ナット23dよりも厚みの小さい薄頭ボルトの頭部のみが位置する。そのため、パネル20が変位した場合であっても、薄頭ボルトの頭部が敷設部11の下方に配置された中空レンガ21に接触する可能性が小さい。よって、空間層30が小さい場合(パネル20の相互間の距離が小さい場合)であっても、当該空間層30を介して相互に隣接するパネル20同士が、互いに干渉することなく面内方向に沿って変位することが可能となる。
1 躯体
2 レンガ壁
3 空気層
10 アングル
11 敷設部
12 固定部
13 長孔
20 パネル
20a 下パネル
20b 上パネル
21 中空レンガ
21a レンガ孔
22 モルタル
23 縦補強筋
23a 上端部
23b 下端部
23c 上部ナット
23d 下部ナット
23e 高ナット
23f ワッシャー
24 パッキン
30 空間層
40 伸縮目地
50 コーナー部
51 弾性目地
52 コーナー補強筋
60 ウォールタイ
2 レンガ壁
3 空気層
10 アングル
11 敷設部
12 固定部
13 長孔
20 パネル
20a 下パネル
20b 上パネル
21 中空レンガ
21a レンガ孔
22 モルタル
23 縦補強筋
23a 上端部
23b 下端部
23c 上部ナット
23d 下部ナット
23e 高ナット
23f ワッシャー
24 パッキン
30 空間層
40 伸縮目地
50 コーナー部
51 弾性目地
52 コーナー補強筋
60 ウォールタイ
Claims (6)
- レンガ壁の壁面構造であって、
建物の躯体の外側に空気層を隔てて形成された複数のパネルであり、鉛直方向に沿って並設された複数のパネルと、
前記躯体から前記パネルに亘って設置された荷重受け手段であって、前記パネルの下方に敷設されて、その上方に載置された前記パネルの鉛直荷重を受ける敷設部と、当該敷設部を前記躯体に対して固定するための固定部と、を備える荷重受け手段と、を備え、
前記パネルは、
鉛直方向に沿って積み上げられた複数の中空レンガと、
前記敷設部の上方に載置された前記複数の中空レンガの内部に鉛直方向に沿って挿通されたものであって、前記敷設部及び前記複数の中空レンガに固定された縦補強筋と、を備え、
前記パネルが、当該パネルと上方又は下方において隣接する他のパネルによって妨げられることなく、前記躯体の変位に伴って前記レンガ壁の面内方向に沿って変位することを可能とした、
レンガ壁の壁面構造。 - 前記敷設部は、当該敷設部を鉛直方向に貫通する挿通孔を備え、
前記縦補強筋は、前記パネルと上方において隣接する前記他のパネルの鉛直荷重を受ける前記敷設部に設けられた前記挿通孔に対して、前記レンガ壁の面内方向に沿って変位することが可能となるように挿通されている、
請求項1に記載のレンガ壁の壁面構造。 - 前記挿通孔は、前記レンガ壁の面内方向に沿った長孔である、
請求項2に記載のレンガ壁の壁面構造。 - 前記パネルと、当該パネルと上方又は下方において隣接する他のパネルとの相互間に空間層を備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載のレンガ壁の壁面構造。 - 前記空間層の少なくとも一部に充填された伸縮目地を備える、
請求項4に記載のレンガ壁の壁面構造。 - 複数の中空レンガと縦補強筋とを備える複数のパネルを、建物の躯体の外側に空気層を隔てて鉛直方向に沿って並設するレンガ壁の施工方法であって、
前記パネルの鉛直荷重を受ける敷設部と、当該敷設部を前記躯体に対して固定するための固定部と、を備える荷重受け手段を、前記躯体に取り付ける荷重受け手段取り付け工程と、
前記敷設部に前記縦補強筋を固定する縦補強筋固定工程と、
前記中空レンガの内部に前記縦補強筋が挿通されるように、前記敷設部の上方に前記複数の中空レンガを鉛直方向に沿って積み上げつつ、前記複数の中空レンガに前記縦補強筋を固定する中空レンガ積み上げ工程と、を含み、
前記荷重受け手段取り付け工程、縦補強筋固定工程、及び中空レンガ積み上げ工程を少なくとも2回以上繰り返し、
前記パネルが、当該パネルと上方又は下方において隣接する他のパネルによって妨げられることなく、前記躯体の変位に伴って前記レンガ壁の面内方向に沿って変位することを可能とした、
レンガ壁の施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012287827A JP2014129682A (ja) | 2012-12-28 | 2012-12-28 | レンガ壁の壁面構造、及びレンガ壁の施工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012287827A JP2014129682A (ja) | 2012-12-28 | 2012-12-28 | レンガ壁の壁面構造、及びレンガ壁の施工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2014129682A true JP2014129682A (ja) | 2014-07-10 |
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ID=51408271
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012287827A Pending JP2014129682A (ja) | 2012-12-28 | 2012-12-28 | レンガ壁の壁面構造、及びレンガ壁の施工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014129682A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101636850B1 (ko) * | 2015-05-18 | 2016-07-06 | 최연수 | 외부벽돌벽 지지장치 및 이를 이용한 외부벽돌벽 시공방법 |
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KR101854772B1 (ko) | 2016-09-22 | 2018-05-04 | 주식회사 대도벽돌시스템 | 정밀 시공이 가능한 외부벽돌벽 지지장치 및 이를 이용한 외부벽돌벽 시공방법 |
CN108457409A (zh) * | 2018-05-16 | 2018-08-28 | 中建八局装饰工程有限公司 | 一种串挂陶土砖的外装饰立面及其安装方法 |
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-
2012
- 2012-12-28 JP JP2012287827A patent/JP2014129682A/ja active Pending
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