JP2014128932A - 画像記録装置及びテストチャート出力方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストの増加や生産性の低下を発生させずに色のみ異なる同一パターンのテストチャートを記録する。
【解決手段】
N色の記録色毎に備えられたN個の記録ヘッドがそれぞれ搬送方向に間隔を空けて順に配置された画像記録手段を備え、各色の記録ヘッドの記録タイミング信号に基づいて各色の記録ヘッドを制御して各色の画像データをそれぞれ対応する色の記録ヘッドに記録させる画像記録装置において、テストモードであると判断された場合に、搬送手段により順次搬送されるN枚の記録媒体の各記録媒体に対して、N個の記録ヘッドのうちそれぞれ異なる1色の記録ヘッドを割り当て、搬送される記録媒体に割り当てられた記録ヘッドの記録タイミング信号のみを出力させて、色のみ異なる同一パターンのテストチャートを記録する。
【選択図】図5

Description

本発明は、画像記録装置及びテストチャート出力方法に関し、特にシングルパス方式のインクジェット記録装置においてテストチャートを記録する技術に関する。
シングルパス方式のインクジェット記録装置は、搬送されてくる用紙に対して正確なタイミングで記録ヘッドからインクを吐出する必要がある。また、複数色の記録ヘッドが用紙搬送方向に順に配置されている場合、記録ヘッド毎に記録タイミングをそれぞれ制御する必要がある。
例えば、特許文献1には、搬送される用紙の搬送経路に沿って配列された複数の画像出力部を備え、用紙の搬送に同期して出力されるページ同期信号に同期して画像データを各画像出力部に転送し、各画像出力部に画像を出力させるカラープリンタが記載されている。このページ同期信号は、用紙搬送経路上に設けられた各色に対応する用紙センサに用紙の先端部が達した時に、各色に対応するページ同期信号が出力される。
また、特許文献2には、回転ドラムに臨ませて円周方向の相異なる位置に複数の記録ヘッドを配した回転ドラム走査方式のプリンタにおいて、回転ドラムの回転を所定角度毎に検出する回転検出器と、回転検出器の検出に関連付けてクロック信号を発生するクロック信号発生器と、クロック信号に基づいて記録ヘッドの記録タイミングを決定する制御部と、クロック信号発生器の前段又は制御部の後段に設けられた遅延回路と、を備えたプリンタが記載されている。
このように、これら2つの特許文献では、用紙の位置情報又は搬送手段の回転情報に基づいて、記録タイミング制御を行っている。
特開平8−192542号公報 実開平1−32135号公報
インクジェット記録装置においては、通常の画像記録とは別に、記録ヘッドの状態を確認するためのテストチャートを記録し、補正データを生成することが行われている。ここで、記録ヘッド毎の補正データを取得するためには、同一のテストチャートを記録ヘッド毎(色毎)に記録する必要がある。
テストチャートを記録する際に、用紙の搬送速度を通常の記録を行う場合より下げてしまうと、生産性を落とすだけでなく、インクの打滴に関する状態が変化することで、適切な補正データを生成することができなくなるという問題点が発生する。したがって、補正データ生成のためのテストチャートは、通常の記録を行う場合と同等の速度で用紙を搬送して記録する必要がある。
さらに、補正データを生成してから長時間が経過すると、記録ヘッドの状態が変化してしまい、補正データが適切でないものになってしまう。したがって、補正データは常に最新の状態に維持しておく必要がある。このため、通常の画像記録の直前に、各色のテストチャートを連続して記録することが好ましい。
各色のテストチャートを連続して記録するには、バリアブル印刷を行うことが考えられる。しかしながら、バリアブル印刷では、画像データを複数用意するためのメモリ容量の増大、データの転送速度アップによるコストアップに繋がってしまう。また、これらを行わないように用紙搬送速度を下げると、上述のように、適切な補正データを生成することができないとともに、生産性を落とすことになる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、コストの増加や生産性の低下を発生させずに色のみ異なる同一パターンのテストチャートを記録可能な画像記録装置及びテストチャート出力方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために画像記録装置の一の態様は、記録媒体を搬送方向に搬送する搬送手段と、搬送される記録媒体の搬送位置を検出する検出手段と、記録媒体に画像を記録する画像記録手段であって、N色の記録色毎に備えられたN個の記録ヘッドがそれぞれ搬送方向に間隔を空けて順に配置された画像記録手段と、画像記録手段によって記録する画像データを取得する画像データ取得手段と、取得した画像データからN色に対応する各色の画像データを生成する画像処理手段と、記録媒体の搬送位置とN個の記録ヘッドの各色の記録ヘッドの配置位置に基づいて、各色の記録ヘッドの記録タイミングを示す記録タイミング信号を生成する記録タイミング信号生成手段と、記録タイミング信号に基づいて各色の記録ヘッドを制御する制御手段であって、各色の画像データをそれぞれ対応する色の記録ヘッドに記録させる制御手段と、通常の画像記録を行う通常モードとテストチャートを記録するテストモードとのいずれのモードであるかを判断する判断手段と、通常モードであると判断された場合には、搬送手段により搬送される記録媒体にN個の記録ヘッドを全て割り当て、テストモードであると判断された場合には、搬送手段により順次搬送されるN枚の記録媒体の各記録媒体に対して、N個の記録ヘッドのうちそれぞれ異なる1色の記録ヘッドを割り当てる割り当て手段と、記録タイミング信号の出力の有無を切り替えるマスク手段であって、搬送される記録媒体に割り当てられた記録ヘッドの記録タイミング信号のみを出力させるマスク手段とを備え、テストモードであると判断された場合の各色の画像データは、同一パターンの画像データである。
本態様によれば、N色の記録色毎に備えられたN個の記録ヘッドがそれぞれ搬送方向に間隔を空けて順に配置された画像記録手段を備え、各色の記録ヘッドの記録タイミング信号に基づいて各色の記録ヘッドを制御して各色の画像データをそれぞれ対応する色の記録ヘッドに記録させる画像記録装置において、テストモードであると判断された場合に、搬送手段により順次搬送されるN枚の記録媒体の各記録媒体に対して、N個の記録ヘッドのうちそれぞれ異なる1色の記録ヘッドを割り当て、搬送される記録媒体に割り当てられた記録ヘッドの記録タイミング信号のみを出力させるようにしたので、コストの増加や生産性の低下を発生させずに色のみ異なる同一パターンのテストチャートを記録することができる。
マスク手段は、各色の記録ヘッドの記録タイミング以外のタイミングにおいて出力の有無を切り替えることが好ましい。これにより、適切なタイミングで記録タイミング信号を無効にすることができる。
マスク手段は、記録ヘッド毎に記録タイミング信号の出力の有無の切り替えタイミングが異なることが好ましい。これにより、前に搬送された記録媒体の後端と次に搬送される記録媒体の先端とが接近している場合であっても、生産性を落とすことなく、適切に色のみ異なる同じ画像のテストチャートを出力することができる。
マスク手段は、各色の記録ヘッドのマスク信号を生成するマスク信号生成手段を備え、各色の記録ヘッドの記録タイミング信号とマスク信号の論理積によって搬送される記録媒体に割り当てられていない記録ヘッドの記録タイミングを無効にすることが好ましい。これにより、簡単な構成で記録タイミングを無効にすることができる。
搬送手段は、通常モード及びテストモードにおいて同じ搬送速度で記録媒体を搬送することが好ましい。これにより、生産性を落とすことなく、適切にテストチャートを出力することができる。
画像記録手段は、少なくともマゼンタ、ブラック、シアン、及びイエローの4色の記録色毎に備えられた4個の記録ヘッドを備えてもよい。このように、本態様は、マゼンタ、ブラック、シアン、及びイエローの記録色を備えた画像記録装置に適用可能である。
搬送手段は、ドラムの外周に記録媒体を吸着保持して記録媒体を搬送してもよい。これにより、適切に記録媒体を搬送することができる。
検出手段は、ドラムの回転角度を検出するエンコード信号に基づいて記録媒体の搬送位置を検出することが好ましい。これにより、適切に記録媒体の搬送位置を検出することができる。
割り当て手段は、各記録媒体に対して、N個の記録ヘッドのうち搬送方向の上流側に配置されている記録ヘッドから順に割り当ててもよい。これにより、適切に色のみ異なる同一パターンのテストチャートを記録することができる。
ジョブ毎にテストモードに設定されることが好ましい。これにより、最新のテストチャートを出力することができるので、最新の補正データを維持することができる。
上記目的を達成するためにテストチャート出力方法の一の態様は、搬送手段によって記録媒体を搬送方向に搬送する搬送工程と、搬送される記録媒体の搬送位置を検出する検出工程と、N色の記録色毎に備えられたN個の記録ヘッドがそれぞれ搬送方向に間隔を空けて順に配置された画像記録手段によって記録媒体に画像を記録する画像記録工程と、画像記録手段によって記録する画像データを取得する画像データ取得工程と、取得した画像データからN色に対応する各色の画像データを生成する画像処理工程と、記録媒体の搬送位置とN個の記録ヘッドの各色の記録ヘッドの配置位置に基づいて、各色の記録ヘッドの記録タイミングを示す記録タイミング信号を生成する記録タイミング信号生成工程と、記録タイミング信号に基づいて各色の記録ヘッドを制御する制御工程であって、各色の画像データをそれぞれ対応する色の記録ヘッドに記録させる制御工程と、通常の画像記録を行う通常モードとテストチャートを記録するテストモードとのいずれのモードであるかを判断する判断工程と、通常モードであると判断された場合には、搬送手段により搬送される記録媒体にN個の記録ヘッドを全て割り当て、テストモードであると判断された場合には、搬送手段により順次搬送されるN枚の記録媒体の各記録媒体に対して、N個の記録ヘッドのうちそれぞれ異なる1色の記録ヘッドを割り当てる割り当て工程と、記録タイミング信号の出力の有無を切り替えるマスク工程であって、搬送される記録媒体に割り当てられた記録ヘッドの記録タイミング信号のみを出力させるマスク工程とを備え、テストモードであると判断された場合の各色の画像データは、同一パターンの画像データである。
本態様によれば、N色の記録色毎に備えられたN個の記録ヘッドがそれぞれ搬送方向に間隔を空けて順に配置された画像記録手段を備え、各色の記録ヘッドの記録タイミング信号に基づいて各色の記録ヘッドを制御して各色の画像データをそれぞれ対応する色の記録ヘッドに記録させる画像記録工程において、テストモードであると判断された場合に、搬送手段により順次搬送されるN枚の記録媒体の各記録媒体に対して、N個の記録ヘッドのうちそれぞれ異なる1色の記録ヘッドを割り当て、搬送される記録媒体に割り当てられた記録ヘッドの記録タイミング信号のみを出力させるようにしたので、コストの増加や生産性の低下を発生させずに色のみ異なる同一パターンのテストチャートを記録することができる。
本発明によれば、コストの増加や生産性の低下を発生させずに、色のみ異なる同一パターンのテストチャートを記録することができる。
インクジェット記録装置を示す側面模式図 インクジェット記録装置を示す平面模式図 ラインヘッドの構造例を示す図 インク室ユニットの立体的構成を示す断面図 インクジェット記録装置のシステム構成を示すブロック図 各記録タイミング信号を示すタイミングチャート 搬送される用紙とラインヘッドの位置関係を説明するための図 テストチャートの一例を示す図 テストチャートの出力処理の一例を示すフローチャート テストチャート出力時の各信号の状態の一例を示すタイミングチャート マスク信号の切り替えタイミングを説明するための図 テストチャート出力時の各信号の状態の一例を示すタイミングチャート インクジェット記録装置の全体構成を示した構成図 インクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。
<インクジェット記録装置の概要>
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置を示す側面模式図であり、図2は平面模式図である。インクジェット記録装置200は、用紙1(記録媒体の一例)の記録面に画像を形成するシングルパス方式のラインプリンタであり、搬送ドラム210、ラインヘッド220M,220K,220C,220Y、及びロータリエンコーダ230等を備えている。
搬送ドラム210(搬送手段の一例)の搬送面の回転軸を挟んで対向する位置には、用紙1の先端を把持するための2つのグリッパー212が設けられている。また、搬送ドラム210の搬送面には、多数の吸引穴(不図示)が所定のパターンで形成されている。給紙部202から導入され、グリッパー212によって先端を把持されながら搬送ドラム210の周面に巻き掛けられた用紙1は、この吸引穴から吸引されることにより、搬送ドラム210の周面に吸着保持されながら搬送ドラム210の回転方向である用紙搬送方向に搬送される。
4つのラインヘッド220M,220K,220C,220Yは、それぞれ搬送ドラム210の用紙搬送方向に所定の間隔を空けて上流側から順に配置されている(画像記録手段の一例)。各ラインヘッド220M,220K,220C,220Yの搬送ドラム210と対向する面には、それぞれマゼンタインク(Mインク)、ブラックインク(Kインク)、シアンインク(Cインク)、イエローインク(Yインク)を吐出するための複数のノズルが、用紙1の全幅にわたって形成されている。この4つのラインヘッド220M,220K,220C,220Yは、N=4におけるN色の記録色毎に備えられたN個の記録ヘッドの一例に相当する。
搬送ドラム210には、搬送ドラム210の回転に伴ってエンコード信号を出力するロータリエンコーダ230が設けられている。このエンコード信号により、インクジェット記録装置200は、用紙1の搬送位置(例えば用紙1の先端位置)を知ることができる。
制御部(図1、2では不図示)は、この用紙1の搬送位置に基づいて、ラインヘッド220M,220K,220C,220Yを制御し、各ノズルからインクを吐出させる。これにより、搬送ドラム210によって搬送される用紙1の記録面に画像を形成する。
ラインヘッド220M,220K,220C,220Yにより記録面に画像が形成された用紙1は、排紙部204から排出される。
このように、インクジェット記録装置200は、搬送ドラム210による1回の搬送(シングルパス)により、用紙1の記録面の全面に画像を形成することができる。
<インクジェットヘッドの構成例>
次に、ラインヘッドの構造について説明する。各ラインヘッド220M,220K,220C,220Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号220によってラインヘッドを示すものとする。
図3(a)はラインヘッド220(記録ヘッドの一例)の構造例を示す平面透視図であり、図3(b)はその一部の拡大図である。また、図3(c)はラインヘッド220の他の構造例を示す平面透視図、図4はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3(a),(b)中のA−A線に沿う断面図)である。
記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、ラインヘッド220におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のラインヘッド220は、図3、図4に示したように、インク滴を吐出するノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリックス状に配置させた構造を有し、これにより見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。
即ち、本実施形態におけるラインヘッド220は、図3(a),(b)に示すように、インクを吐出する複数のノズル51が用紙搬送方向(副走査方向)と略直交する方向(主走査方向)に用紙1の全幅(印字可能幅)に対応する長さにわたって配列された1列以上のノズル列を有するフルラインヘッドである。
また、図3(c)に示すように、短尺の2次元に配列されたヘッド222aを千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、用紙の全幅に対応する長さとしたラインヘッド222を構成してもよい。
図3(b)に示すように、各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。
図4に示すように、圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。圧力室52の天面を構成している加圧板(振動板)56には個別電極57を備えた圧電素子(圧電アクチュエータ)58が接合されている。加圧板56と兼用される共通電極と個別電極57との間に駆動信号を印加することによって圧電素子58が変形して圧力室52の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル51からインクが吐出される。インク吐出後、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
係る構造を有するインク室ユニット53は、図3(a),(b)に示す如く、ラインヘッド220の長手方向である主走査方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜め方向に沿って一定の配列パターンで格子状に配列させた構造になっている。なお、インク室ユニット53の構造はあくまでも一例であり、他の構造を適用してもよい。
このように、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd×cosθとなる。
即ち、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ、2400dpi)におよぶ高密度のノズルを実現することが可能になる。
なお、ノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、インクを吐出させる方式についても特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインクを吐出するサーマルジェット方式等、各種方式を適用できる。
〔制御系の説明〕
図5は、インクジェット記録装置200のシステム構成を示すブロック図である。同図に示すように、インクジェット記録装置200は、制御部240、画像データ取得部250、画像データ処理部252、画像メモリ254M,254K,254C,254Y、ヘッド選択部262、タイミング信号生成部264、マスク信号生成部266、及びヘッドコントローラ268M,268K,268C,268Y等から構成される。
制御部240は、インクジェット記録装置200を構成する各ブロックを統括制御する。また、制御部240は、インクジェット記録装置200が通常の画像記録を行う通常モードとテストチャートを記録するテストモードとのいずれのモードであるかを判断する(判断手段の一例)。
画像データ取得部250(画像取得手段の一例)は、有線又は無線の通信インターフェースを介して画像データを取得する。画像データ処理部252(画像処理手段の一例)は、入力された画像データに対して色変換処理、分版処理、ガンマ変換処理、ハーフトーン処理等を施し、ラインヘッド220M,220K,220C,220Yに対応するマゼンタ、ブラック、シアン、及びイエローの画像データを生成する。これらの画像データは、N=4におけるN色に対応する各色の画像データの一例に相当する。
画像メモリ254M,254K,254C,254Yは、画像データ処理部252によって生成された色毎の画像データをそれぞれ記憶するメモリであり、それぞれラインヘッド220Mで記録するためのマゼンタの画像データ、ラインヘッド220Kで記録するためのブラックの画像データ、ラインヘッド220Cで記録するためのシアンの画像データ、ラインヘッド220Yで記録するためのイエローの画像データが記憶される。
ヘッド選択部262は、詳細を後述するテストモードにおいて、4つのラインヘッド220M,220K,220C,220Yの中から、テストチャートを記録するラインヘッドを1つ選択する。なお、通常モードにおいては、4つのラインヘッド220M,220K,220C,220Yの全てを選択した状態となる。
タイミング信号生成部264(記録タイミング信号生成手段の一例)は、ロータリエンコーダ230のエンコード信号に基づいて、搬送ドラム210によって搬送される用紙1の搬送位置を算出し、各ラインヘッド220M,220K,220C,220Yに対応する位置(記録可能位置)を用紙1が通過しているタイミングをHレベルとして出力する記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yを生成する。即ち、各記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yは、Hレベルのときに各ラインヘッド220M,220K,220C,220Yが記録可能であることを示している。
図6は、各記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yを示すタイミングチャートである。同図に示す基準位置信号は、ロータリエンコーダ230のZ相信号であり、搬送ドラム210が基準角度となったときにHレベルが出力される信号である。なお、ここでは基準位置信号が出力されたときの用紙1の先端位置(搬送ドラム210上の位置)は予めわかっているものとする。
搬送ドラム210が基準回転角度にあるときの用紙1の先端位置と、各ラインヘッド220M,220K,220C,220Yとの配置位置とから、基準位置信号出力時からのロータリエンコーダ230のエンコード信号をカウントすることで、用紙1の先端が各ラインヘッド220M,220K,220C,220Yの記録可能位置に到達したことを知ることができる。例えば、図7(a)に示すように、基準位置信号出力時の用紙1の先端位置とラインヘッド220Mの位置とが、搬送ドラム210の回転角度θだけ異なる位置に配置されている場合に、ロータリエンコーダ230のエンコード信号がΔθ毎に出力されるとすると、基準位置信号出力時からエンコード信号をθ/Δθだけカウントしたときに用紙1の先端位置がラインヘッド220Mに到達する。ここでは、基準位置信号出力時から各ラインヘッド220M,220K,220C,220Yに到達するまでのエンコード信号のカウント数を、それぞれN,N,N,Nとする。
したがって、図6に示すように、タイミング信号生成部264は、基準位置信号がHレベルとなってからエンコード信号をNだけカウントしたときにPageSync_MをHレベルとする。同様に、NだけカウントしたときにPageSync_K、NだけカウントしたときにPageSync_C、NだけカウントしたときにPageSync_YをHレベルとする。
また、用紙1の搬送方向長さと各ラインヘッド220M,220K,220C,220Yの搬送方向記録可能幅とから、用紙1の後端が各ラインヘッド220M,220K,220C,220Yの記録可能位置を通り過ぎたことを知ることができる。例えば、図7(b)に示すように、用紙1の搬送方向長さが、先端位置と後端位置とが搬送ドラム210の回転角度θだけ異なる位置に配置される長さであり、ラインヘッド220Mの搬送方向記録可能幅(用紙1の搬送方向の最上流側のノズルの位置と最下流側のノズルの位置との差)が搬送ドラム210の回転角度θに相当する場合に、記録タイミング信号PageSync_MがHレベルになってから、エンコード信号を(θ+θ)/Δθだけカウントしたときに、用紙1の後端位置がラインヘッド220Mの記録可能位置を通り過ぎる。ここでは、このエンコード信号のカウント数を、各ラインヘッド220M,220K,220C,220YにおいてNとする。
したがって、図6に示すように、タイミング信号生成部264は、各記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_YをHレベルとしてから、エンコード信号をNだけカウントしたときに、それぞれLレベルとする。
マスク信号生成部266は、ロータリエンコーダ230のZ相信号及びエンコード信号に基づいて、各記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yを無効化するためのマスク信号を生成する。生成されたマスク信号は、タイミング信号生成部264に入力され、各記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yとの論理積がとられる。即ち、マスク信号は、Lレベルにおいて各記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_YをLレベルに固定する。本明細書では、記録タイミング信号のHレベルの状態を「記録タイミングを示す信号」、マスク信号のLレベルの状態を「無効化信号」、記録タイミングを示す信号を無効化信号でLレベルに固定することを「無効にする」と表現する場合がある。
このように生成された各記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yは、それぞれヘッドコントローラ268M,268K,268C,268Yに入力される。なお、マスク信号生成部266が各マスク信号を生成するのは、後述するテストチャートを出力する場合であり、通常の画像記録時には生成しない。
ヘッドコントローラ268M,268K,268C,268Yは、画像メモリ254M,254K,254C,254Yに記憶された画像データとタイミング信号生成部264から入力された記録タイミング信号とに基づいて、各ラインヘッド220M,220K,220C,220Yを制御し、用紙1の記録面に画像を記録する。
〔テストチャート〕
図8は、本実施形態においてインクジェット記録装置200が用紙1に出力するテストチャートの一例を示す図である。図8(a)はラインヘッド220Mによって出力されたテストチャート2M、図8(b)はラインヘッド220Kによって出力されたテストチャート2K、図8(c)はラインヘッド220Cによって出力されたテストチャート2C、図8(d)はラインヘッド220Yによって出力されたテストチャート2Yを示しており、それぞれ異なる用紙1に出力されている。
各テストチャート2M,2K,2C,2Yは、それぞれ色のみ異なる同一パターンの画像である。ここでは、主走査方向に濃度が一定で、用紙搬送方向に4段の濃度パッチを、それぞれ各ラインヘッド220M,220K,220C,220Yの全てのノズルを用いて出力している。
このように、4枚の用紙1に対して、4つのラインヘッド220M,220K,220C,220Yを用いて、4つのテストチャート2M,2K,2C,2Yを出力する。この出力したテストチャート2M,2K,2C,2Yをスキャナ等で読み取り、読み取りデータに基づいて各ラインヘッド220M,220K,220C,220Yの補正データを生成する。図8に示したテストチャート2M,2K,2C,2Yの場合であれば、各ラインヘッド220M,220K,220C,220Yのノズル毎の濃度補正データを生成することができる。
本実施形態では、コストの増加や生産性の低下を発生させずに、この4つのテストチャート2M,2K,2C,2Yを出力する。
〔第1の実施形態〕
図9は、第1の実施形態に係るテストチャートの出力処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、図1〜図5を用いて説明したインクジェット記録装置200によって、1枚目の用紙1にテストチャート2M、2枚目の用紙1にテストチャート2K、3枚目の用紙1にテストチャート2C、4枚目の用紙1にテストチャート2Yを出力する例を説明する。
○1枚目のテストチャートの出力
(ステップS1:判断工程の一例)
最初に、制御部240は、インクジェット記録装置200がテストチャートを記録するテストモードであるかを判定する。テストモードは、例えば印字ジョブ毎に自動的に設定される。印字ジョブとは、指定された画像の全てを印字(記録)することをいう。なお、装置電源投入時や、用紙1の種類を変更したときに設定されてもよいし、ユーザが操作部(不図示)によって設定するように構成してもよい。ここでは、すでにテストモードに設定されているものとする。
(ステップS2:画像データ取得工程の一例)
最初に、画像データ取得部250がテストチャート用の画像データを取得する。テストチャート用の画像データは、予めインクジェット記録装置200のテストチャート用メモリ(不図示)に記憶しておいてもよい。
(ステップS3:画像処理工程の一例)
次に、画像データ処理部252は、テストチャート用の画像データに所望の処理を施し、色毎のテストチャート画像データを生成し、画像メモリ254M,254K,254C,254Yに記憶させる。なお、色毎のテストチャート画像データを、予め画像メモリ254M,254K,254C,254Yに記憶しておく態様も可能である。
(ステップS4)
制御部240が、変数nを0に初期化する。本実施形態では、変数nは搬送される用紙1の枚数を示している。
(ステップS5)
さらに、制御部240は、変数nをインクリメントする。ここでは、n=1となる。
(ステップS6:搬送工程の一例)
続いて、制御部240は、給紙部202を制御し、n枚目の用紙の搬送を開始する。ここでは、1枚目の用紙を搬送する。搬送ドラム210による用紙1の搬送速度は、通常モードとテストモードとでは同じ速度である。
(ステップS7:検出工程、タイミング信号生成工程の一例)
タイミング信号生成部264は、ロータリエンコーダ230の基準位置信号及びエンコード信号に基づいて、記録タイミング信号を生成する。
図10は、本実施形態に係るテストチャート出力時の各信号の状態の一例を示すタイミングチャートである。図10に示す基準位置信号、及びPageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yは、図6と同様の信号である。ここでは、用紙1の搬送方向長さは予めわかっているものとする。
また、Mask_Mb,Mask_Kb,Mask_Cb,Mask_Ybは、マスク信号生成部266によって生成されるマスク信号である。これらのマスク信号についての詳細は、後述する。
1枚目の用紙1が搬送され、ロータリエンコーダ230から基準位置信号が出力されると、タイミング信号生成部264は、基準位置信号出力時からのエンコード信号をカウントし、各記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yを生成する。
(ステップS8:割り当て工程の一例)
ヘッド選択部262は、変数nに基づいて、4つのラインヘッド220M,220K,220C,220Yの中から、テストチャートを記録するラインヘッドを1つ選択する。本実施形態では、1枚目の用紙1にラインヘッド220M、2枚目の用紙1にラインヘッド220K、3枚目の用紙1にラインヘッド220C、4枚目の用紙1にラインヘッド220Yを用いてテストチャートを出力する。ここでは、n=1であるため、ラインヘッド220Mが選択される。
(ステップS9:マスク工程の一例)
マスク信号生成部266は、ロータリエンコーダ230の基準位置信号及びエンコード信号に基づいて、1枚目のテストチャートを出力するためのマスク信号Mask_Mb,Mask_Kb,Mask_Cb,Mask_Ybを生成する。
本実施形態では、1枚目の用紙1には、ヘッド選択部262によって選択されたラインヘッド220Mのみを用いてテストチャート2Mを出力し、ラインヘッド220K,220C,220Yについてはインクを吐出しない。したがって、1枚目の用紙1に対応する記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yのうち、PageSync_K,PageSync_C,及びPageSync_Yを無効とするようにマスク信号を生成する。具体的には、マスク信号Mask_MbをHレベルとし、マスク信号Mask_Kb,Mask_Cb,Mask_YbをLレベルとする。
このマスク信号の切り替えは、1枚目の用紙1が4つのラインヘッド220M,220K,220C,220Yのうち搬送方向最上流に位置するラインヘッド220Mに到達するまでに行う必要がある。即ち、マスク信号生成部266は、図10に示すように、エンコード信号のカウント数がNに到達するまでの間に各マスク信号Mask_Mb,Mask_Kb,Mask_Cb,Mask_Ybのレベルを確定する。
(ステップS10)
このマスク信号Mask_Mb,Mask_Kb,Mask_Cb,Mask_Ybは、タイミング信号生成部264に入力される。タイミング信号生成部264は、生成した各記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yと入力された各マスク信号Mask_Mb,Mask_Kb,Mask_Cb,Mask_Ybとのそれぞれの論理積を演算し、最終的な記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yを生成する。
即ち、図10に示すように、1枚目の用紙1に対しては、各マスク信号Mask_Mb,Mask_Kb,Mask_Cb,Mask_YbのうちMask_MbだけがHレベルであるため、記録タイミング信号PageSync_Mだけが記録タイミングにおいてHレベルとなり、その他の記録タイミング信号PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yは、Lレベルを維持した信号となる。図10において、各記録タイミング信号の破線で示した領域は、マスク信号により無効化された信号を示している。
このように生成された記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yは、各ヘッドコントローラ268M,268K,268C,268Yに入力される。
(ステップS11:画像記録工程、制御工程の一例)
n枚目のテストチャートを記録する。ここでは、1枚目のテストチャートを記録する。
ヘッドコントローラ268Mは、記録タイミング信号PageSync_Mと、画像メモリ254Mに記憶されたマゼンタのテストチャート画像データとに基づいて、ラインヘッド220Mを制御し、1枚目の用紙1にマゼンタのテストチャートを出力する。
また、ヘッドコントローラ268K,268C,268Yは、記録タイミング信号PageSync_K,PageSync_C,PageSync_YがLレベルを維持しているため、ラインヘッド220K,220C,220Yを動作させず、画像メモリ254K,254C,254Yの画像データにかかわらず、1枚目の用紙1にはブラック、シアン、イエローのインクは出力されない。
このように、1枚目の用紙1に、マゼンタのテストチャート2Mが記録される。
(ステップS12)
n=4であるか、即ち4枚(4色)のテストチャートの出力が終了したか否かを判定する。ここでは、n=1であるので、ステップS4に戻る。
○2枚目のテストチャートの出力
(ステップS5)
制御部240は、変数nをインクリメントし、n=2とする。
(ステップS6)
2枚目の用紙の搬送を開始する。
(ステップS7)
2枚目の用紙1が搬送され、ロータリエンコーダ230から基準位置信号が出力されると、タイミング信号生成部264は、基準位置信号出力時を0としてエンコード信号をカウントし、各記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yを生成する。
(ステップS8)
ヘッド選択部262は、n=2に基づいて、ラインヘッド220Kを選択する。
(ステップS9)
マスク信号生成部266は、ロータリエンコーダ230の基準位置信号及びエンコード信号に基づいて、2枚目のテストチャートを出力するためのマスク信号Mask_Mb,Mask_Kb,Mask_Cb,Mask_Ybを生成する。
本実施形態では、2枚目の用紙1には、ヘッド選択部262によって選択されたラインヘッド220Kのみを用いてテストチャート2Mを出力し、ラインヘッド220M,220C,220Yについてはインクを吐出しない。したがって、2枚目の用紙1に対応する記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yのうち、PageSync_M,PageSync_C,及びPageSync_Yを無効とするようにマスク信号を生成する。具体的には、マスク信号Mask_KbをHレベルとし、マスク信号Mask_Mb,Mask_Cb,Mask_YbをLレベルとする。
このマスク信号の切り替えは、1枚目の用紙1の後端が搬送方向最下流のラインヘッド220Yの記録可能位置を通過してから、2枚目の用紙1が搬送方向最上流のラインヘッド220Mに到達するまでの間に行う必要がある。即ち、マスク信号生成部266は、エンコード信号のカウント数が、1枚目のN+Nから2枚目の基準位置信号でクリアされて0になるまで、及び2枚目の基準位置信号でクリアされてからNに到達するまでの間に、各マスク信号Mask_Mb,Mask_Kb,Mask_Cb,Mask_Ybのレベルを確定する。
(ステップS10)
このマスク信号Mask_Mb,Mask_Kb,Mask_Cb,Mask_Ybは、タイミング信号生成部264に入力される。タイミング信号生成部264は、生成した各記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yと入力された各マスク信号Mask_Mb,Mask_Kb,Mask_Cb,Mask_Ybとのそれぞれの論理積を演算し、最終的な記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yを生成する。
即ち、図10に示すように、2枚目の用紙1に対しては、各マスク信号Mask_Mb,Mask_Kb,Mask_Cb,Mask_YbのうちMask_KbだけがHレベルであるため、記録タイミング信号PageSync_Kだけが記録タイミングにおいてHレベルとなり、その他の記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_C,PageSync_Yは、Lレベルを維持した信号となる。
このように生成された記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yは、各ヘッドコントローラ268M,268K,268C,268Yに入力される。
(ステップS11)
2枚目(2色目)のテストチャートを記録する。
ヘッドコントローラ268Mは、記録タイミング信号PageSync_Kと、画像メモリ254Kに記憶されたブラックのテストチャート画像データとに基づいて、ラインヘッド220Kを制御し、2枚目の用紙1にブラックのテストチャートを出力する。
また、ヘッドコントローラ268M,268C,268Yは、記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_C,PageSync_YがLレベルを維持しているため、ラインヘッド220M,220C,220Yを動作させず、画像メモリ254M,254C,254Yの画像データにかかわらず、2枚目の用紙1にはマゼンタ、シアン、イエローのインクは出力されない。
このように、2枚目の用紙1に、ブラックのテストチャート2Kが記録される。
(ステップS12)
n=4であるか否かを判定する。ここでは、n=2であるので、ステップS4に戻る。
○3枚目(シアン)、4枚目(イエロー)のテストチャートの出力
3枚目、4枚目の用紙1についても、同様に出力する。
即ち、3枚目の用紙1に対しては、マスク信号Mask_CのみをHレベルとすることで、ラインヘッド220Cのみを用いて画像メモリ254Cに記憶された画像データに基づいてテストチャート2Cを出力する。また、4枚目の用紙1に対しては、マスク信号Mask_YのみをHレベルとすることで、ラインヘッド220Yのみを用いて画像メモリ254Yに記憶された画像データに基づいてテストチャート2Yを出力する。
これらのマスク信号の切り替えは、2枚目の用紙1のときと同様に、その前に搬送されている用紙1が搬送方向最下流のラインヘッド220Yの記録可能位置を通過してから、次の用紙1が搬送方向最上流のラインヘッド220Mに到達するまでの間に行う必要がある。
4枚目のテストチャートの記録が終了すると、ステップS12の判定においてYesとなり、テストチャート出力処理が終了する。
このように、本実施形態によれば、通常の記録を行う場合のデータ転送速度、メモリ容量、用紙搬送速度で、色のみ異なる同じ画像のテストチャートを出力することができるので、コストの増加や生産性の低下を発生させることがない。
ここでは、4色の記録色に対応する4個のラインヘッドを例に説明しているが、ラインヘッドの数は4個に限定されない。この場合、N枚の用紙に対してN個のラインヘッドのうちそれぞれ異なる1色のラインヘッドを割り当ててテストチャートを出力すればよい。
また、各マスク信号Mask_Mb,Mask_Kb,Mask_Cb,Mask_Ybの切り替えを、全ての記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_YがLレベルのとき、即ち全てのラインヘッドの記録タイミング以外のタイミングで行っているため、適切にマスクするラインヘッドを切り替えることができる。
本実施形態では、用紙搬送方向の上流側に位置するラインヘッドから順にテストチャートの出力を行っているが、出力する順序は特に限定されない。また、色のみ異なる同一パターンの4枚のテストチャートを出力した後に、5枚目の用紙1に4つのラインヘッドを用いてテストチャートを記録するように構成してもよい。また、4つのラインヘッドを用いたテストチャートは、色のみ異なる同一パターンの4枚のテストチャート出力の直前に出力してもよい。
また、本実施形態では、搬送ドラムの回転に伴ってエンコード信号を出力するロータリエンコーダの出力信号に基づいて各色ラインヘッドの記録タイミング信号を生成したが、各ラインヘッドの記録可能位置に用紙1が到達したことを検出する用紙センサをそれぞれ配置し、これらの用紙センサの出力結果に応じて各ラインヘッドの記録タイミング信号を生成してもよい。この場合、出力を行わないラインヘッドに対応する用紙センサを不感状態(例えば電源を遮断する等)とすることで、対応する記録タイミング信号の出力を無効化してもよい。
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態では、各ラインヘッドのマスクの切り替えを同時に行った。即ち、各マスク信号Mask_Mb,Mask_Kb,Mask_Cb,Mask_Ybのレベルの切り替えを、同じタイミングで行っていた。
これに対し、インクジェット記録装置200は、用紙1の搬送方向長さが長くなると、n枚目の用紙1の後端と(n+1)枚目の用紙1の先端とが接近するため、n枚目の用紙1に出力するラインヘッドのマスク信号と(n+1)枚目の用紙1に出力するラインヘッドのマスク信号とを同じタイミングで切り替えると、不具合が発生することがある。
例えば、図11に示す例において、n枚目の用紙1にラインヘッド220Kによってテストチャート2Kを記録し、n+1枚目の用紙1n+1にラインヘッド220Cによってテストチャート2Cを記録するものとする。
図11は、用紙1の後端がラインヘッド220Kの記録可能位置を通過したところを示している。用紙1n+1には、ラインヘッド220Kからは出力を行わないため、用紙1n+1の先端がラインヘッド220Kの記録可能位置に到達する前に、ラインヘッド220Kのマスク信号Mask_KbをLレベルにし、ラインヘッド220Kの記録タイミング信号PageSync_Kを無効にする必要がある。
しかし、このとき用紙1がまだラインヘッド220Cの記録可能位置を通過中であるため、マスク信号Mask_KbをLレベルにするタイミングで同時にマスク信号Mask_CbをHレベルしてしまうと、ラインヘッド220Cが記録を開始し、テストチャート2Kが記録された用紙1にシアンインクが出力されてしまう。
逆に、用紙1の後端がラインヘッド220Cの記録可能位置を通過するまでラインヘッド220Cのマスク信号Mask_CbをLレベルにしておくと、用紙1n+1の先端がラインヘッド220Kの記録可能位置に到達したときに、ラインヘッド220Kのマスク信号Mask_KbがHレベルになっているため、用紙1n+1に対してラインヘッド220Kからブラックイングが出力されてしまう。
このように、複数のマスク信号を同じタイミングで切り替えると、不整合が生じ、正確に出力できない場合がある。図11に示した例であれば、用紙1の後端がラインヘッド220Kの記録可能位置を通過してから用紙1n+1の先端がラインヘッド220Kの記録可能位置に到達するまでの間に、ラインヘッド220Kのマスク信号Mask_KbをLレベルにし、その後用紙1の後端ラインヘッド220Cの記録可能位置を通過してから用紙1n+1の先端がラインヘッド220Cの記録可能位置に到達するまでの間に、ラインヘッド220Cのマスク信号Mask_KbをLレベルにする必要がある。即ち、各マスク信号Mask_Mb,Mask_Kb,Mask_Cb,Mask_Ybのレベルをそれぞれ異なるタイミングで切り替えることが必要となる。
図12は、本実施形態に係るテストチャート出力時の各信号の状態の一例を示すタイミングチャートである。第1の実施形態と同様に、1枚目の用紙1にテストチャート2M、2枚目の用紙1にテストチャート2K、3枚目の用紙1にテストチャート2C、4枚目の用紙1にテストチャート2Yを出力する例を示している。なお、図10に示したタイミングチャートの例とは、用紙1の搬送方向長さが異なっている。
図12に示すように、1枚目の用紙1が搬送され、基準位置信号が出力されると、マスク信号生成部266は、各記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_Yのうち、PageSync_Mだけを有効とし、PageSync_K,PageSync_C,及びPageSync_Yを無効とするように各マスク信号Mask_Mb,Mask_Kb,Mask_Cb,Mask_Ybを生成する。その結果、タイミング信号生成部264からは、エンコード信号のカウント数がNからN+Nまでの間に記録タイミング信号PageSync_MがHレベルとして出力される。ヘッドコントローラ268Mは、この信号に基づいてラインヘッド220Mを制御し、1枚目の用紙1にテストチャート2Cを出力する。
2枚目の用紙1には、ラインヘッド220Mからは出力しない。したがって、マスク信号生成部266は、エンコード信号のカウント数がN+Nから0、又は0からNまでの間にマスク信号Mask_MbをLレベルに切り替える。
また、2枚目の用紙1には、ラインヘッド220Kから出力する。したがって、マスク信号生成部266は、エンコード信号のカウント数がN+Nから0、又は0からNの間にマスク信号Mask_KbをHレベルに切り替える。
これにより、タイミング信号生成部264からは、エンコード信号のカウント数がNからN+Nまでの間に記録タイミング信号PageSync_KがHレベルとして出力される。ヘッドコントローラ268Kは、この信号に基づいてラインヘッド220Kを制御し、2枚目の用紙1にテストチャート2Kを出力する。
同様に、2枚目の用紙1への出力が終了すると、マスク信号Mask_Kbはエンコード信号のカウント数がN+Nから0、又は0からNの間にLレベルに切り替えられ、マスク信号Mask_Cbはエンコード信号のカウント数がN+Nから0、又は0からNの間にHレベルに切り替えられる。
これにより、3枚目の用紙1にテストチャート2Cが出力される。4枚目の用紙1に対しても同様である。
このように、各マスク信号Mask_Mb,Mask_Kb,Mask_Cb,Mask_Ybの切り替えを、異なるタイミングで行うことで、用紙1の搬送方向長さが長い場合、即ち、前に搬送された記録媒体の後端と次に搬送される記録媒体の先端とが接近していることで複数のラインヘッドの記録可能領域に複数の用紙が搬送されている場合であっても、生産性を落とすことなく、適切に色のみ異なる同じ画像のテストチャートを出力することができる。したがって、用紙1の用紙搬送方向の長さ制限を設ける必要が無い。
また、各マスク信号Mask_Mb,Mask_Kb,Mask_Cb,Mask_Ybの切り替えは、各記録タイミング信号PageSync_M,PageSync_K,PageSync_C,PageSync_YがLレベルのとき、即ち各ラインヘッドの記録タイミング以外のタイミングで行うことで、適切にマスクするラインヘッドを切り替えることができる。
〔インクジェット記録装置の他の実施形態〕
図13は、他の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成を示した構成図である。同図に示すインクジェット記録装置10は、色材を含有するインクと該インクを凝集させる機能を有する凝集処理液を用いて、所定の画像データに基づいて記録媒体14(用紙1に相当)の記録面に画像を形成する2液凝集方式の記録装置である。
インクジェット記録装置10は、主として、給紙部20、処理液塗布部30、描画部40、乾燥処理部50、定着処理部60、及び排出部70を備えて構成される。処理液塗布部30、描画部40、乾燥処理部50、定着処理部60の前段に搬送される記録媒体14の受け渡しを行う手段として渡し胴32,42,52,62が設けられるとともに、処理液塗布部30、描画部40、乾燥処理部50、定着処理部60のそれぞれに記録媒体14を保持しながら搬送する手段として、ドラム形状を有する圧胴34,44,54,64が設けられている。
渡し胴32,42,52,62及び圧胴34,44,54,64は、外周面の所定位置に記録媒体14の先端部を挟んで保持するグリッパー80A,80Bが設けられている。グリッパー80A及びグリッパー80Bにおける記録媒体14の先端部を挟んで保持する構造、及び他の圧胴又は渡し胴に備えられるグリッパーとの間で記録媒体14の受け渡しを行う構造は同一であり、かつ、グリッパー80Aとグリッパー80Bは、圧胴34の外周面の圧胴34の回転方向について180°移動させた対称位置に配置されている。
グリッパー80A,80Bにより記録媒体14の先端部を狭持した状態で渡し胴32〜62及び圧胴34,44,54,64を所定の方向に回転させると、渡し胴32〜62及び圧胴34,44,54,64の外周面に沿って記録媒体14が回転搬送される。
なお、図13中、圧胴34に備えられるグリッパー80A,80Bのみ符号を付し、他の圧胴及び渡し胴のグリッパーの符号は省略する。
給紙部20に収容されている記録媒体(枚葉紙)14が処理液塗布部30に給紙されると、圧胴34の外周面に保持された記録媒体14の記録面に、凝集処理液(以下、単に「処理液」と記載することがある。)が付与される。なお、「記録媒体14の記録面」とは、圧胴34,44,54,64の保持された状態における外側面であり、圧胴34,44,54,64に保持される面と反対面である。
その後、凝集処理液が付与された記録媒体14は描画部40に送出され、描画部40において記録面の凝集処理液が付与された領域に色インクが付与され、所望の画像が形成される。
さらに、該色インクによる画像が形成された記録媒体14は乾燥処理部50に送られ、乾燥処理部50において乾燥処理が施されるとともに、乾燥処理後に定着処理部60に送られ、定着処理が施される。乾燥処理及び定着処理が施されることで、記録媒体14上に形成された画像が堅牢化される。このようにして、記録媒体14の記録面に所望の画像が形成され、該画像が記録媒体14の記録面に定着した後に、排出部70から装置外部に搬送される。
以下、インクジェット記録装置10の各部(給紙部20、処理液塗布部30、描画部400、乾燥処理部50、定着処理部60、排出部70)について詳細に説明する。
(給紙部)
給紙部20は、給紙トレイ22と不図示の送り出し機構が設けられ、記録媒体14は給紙トレイ22から一枚ずつ送り出されるように構成されている。給紙トレイ22から送り出された記録媒体14は、渡し胴(給紙胴)32のグリッパー(不図示)の位置に先端部が位置するように不図示のガイド部材によって位置決めされて一旦停止する。
(処理液塗布部)
処理液塗布部30は、給紙胴32から受け渡された記録媒体14を外周面に保持して記録媒体14を所定の搬送方向へ搬送する圧胴(処理液ドラム)34と、処理液ドラム34の外周面に保持された記録媒体14の記録面に処理液を付与する処理液塗布装置36と、含んで構成されている。処理液ドラム34を図20における反時計回りに回転させると、記録媒体14は処理液ドラム34の外周面に沿って反時計回り方向に回転搬送される。
図13に示す処理液塗布装置36は、処理液ドラム34の外周面(記録媒体保持面)と対向する位置に設けられている。処理液塗布装置36の構成例として、処理液が貯留される処理液容器と、処理液容器の処理液に一部が浸漬され、処理液容器内の処理液を汲み上げる汲み上げローラと、汲み上げローラにより汲み上げられた処理液を記録媒体14上に移動させる塗布ローラと、を含んで構成される態様が挙げられる。
なお、該塗布ローラを上下方向(処理液ドラム34の外周面の法線方向)に移動させる塗布ローラ移動機構を備え、該塗布ローラとグリッパー80A,80Bとの衝突を回避可能に構成する態様が好ましい。
処理液塗布装置36により記録媒体14に付与される処理液は、描画部40で付与されるインク中の色材(顔料)を凝集させる色材凝集剤を含有し、記録媒体14上で処理液とインクとが接触すると、インク中の色材と溶媒との分離が促進される。
処理液塗布部30は、記録媒体14に塗布される処理液量を計量しながら塗布することが好ましく、記録媒体14上の処理液の膜厚は、描画部40から打滴されるインク液滴の直径より十分に小さくすることが好ましい。
(描画部)
描画部40は、記録媒体14を保持して搬送する圧胴(描画ドラム)44(搬送手段の一例)と、記録媒体14を描画ドラム44に密着させるための用紙抑えローラ46と、記録媒体14にインクを付与するインクジェットヘッド48M,48K,48C,48Y(画像記録手段の一例)を備えている。なお、描画ドラム44の基本構造は、先に説明した処理液ドラム34と共通しているので、ここでの説明は省略する。
用紙抑えローラ46は、描画ドラム44の外周面に記録媒体14を密着させるためのガイド部材であり、描画ドラム44の外周面に対向し、渡し胴42と描画ドラム44との記録媒体14の受け渡し位置よりも記録媒体14の搬送方向下流側であり、且つ、インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yよりも記録媒体14の搬送方向上流側に配置される。
渡し胴42から描画ドラム44に受け渡された記録媒体14は、グリッパー(符号省略)によって先端が保持された状態で回転搬送される際に、用紙抑えローラ46によって押圧され、描画ドラム44の外周面に密着する。このようにして、記録媒体14を描画ドラム44の外周面に密着させた後に、描画ドラム44の外周面から浮き上がりのない状態で、インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yの直下の印字領域(記録可能位置)に送られる。
インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yはそれぞれ、マゼンダ、ブラック、シアン、イエローの4色のインクに対応しており、それぞれ描画ドラム44の回転方向(図13における反時計回り方向)に間隔を空けて上流側から順に配置されるとともに、インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yのインク吐出面(ノズル面)が描画ドラム44に保持された記録媒体14の記録面と対向するように配置される。なお、「インク吐出面(ノズル面)」とは、記録媒体14の記録面と対向するインクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yの面であり、ノズルが形成される面である。
また、図13に示すインクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yは、描画ドラム44の外周面に保持された記録媒体14の記録面とインクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yのノズル面が略平行となるように、水平面に対して傾けられて配置されている。
インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yは、記録媒体14における画像形成領域の最大幅(記録媒体14の搬送方向と直交する方向の長さ)に対応する長さを有するフルライン型のヘッドであり、記録媒体14の搬送方向と直交する方向に延在するように固定設置される。
インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yのノズル面には、記録媒体14の画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルがマトリクス配置されて形成されている。
記録媒体14がインクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yの直下の印字領域に搬送されると、インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yから記録媒体14の凝集処理液が付与された領域に画像データに基づいて各色のインクが吐出(打滴)される。
インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yから、対応する色インクの液滴が、描画ドラム44の外周面に保持された記録媒体14の記録面に向かって吐出されると、記録媒体14上で処理液とインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料系色材)又は不溶化する色材(染料系色材)の凝集反応が発現し、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体14上に形成された画像における色材の移動(ドットの位置ズレ、ドットの色ムラ)が防止される。
また、描画部40の描画ドラム44は、処理液塗布部30の処理液ドラム34に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yに処理液が付着することがなく、インクの吐出異常の要因を低減することができる。
なお、本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
(乾燥処理部)
乾燥処理部50は、画像形成後の記録媒体14を保持して搬送する圧胴(乾燥ドラム)54と、該記録媒体14上の水分(液体成分)を蒸発させる乾燥処理を施す乾燥処理装置56を備えている。なお、乾燥ドラム54の基本構造は、先に説明した処理液ドラム34及び描画ドラム44と共通しているので、ここでの説明は省略する。
乾燥処理装置56は、乾燥ドラム54の外周面に対向する位置に配置され、記録媒体14に存在する水分を蒸発させる処理部である。描画部40により記録媒体14にインクが付与されると、処理液とインクとの凝集反応により分離したインクの液体成分(溶媒成分)及び処理液の液体成分(溶媒成分)が記録媒体14上に残留してしまうので、かかる液体成分を除去する必要がある。
乾燥処理装置56は、ヒータによる加熱、ファンによる送風、又はこれらを併用して記録媒体14上に存在する液体成分を蒸発させる乾燥処理を施し、記録媒体14上の液体成分を除去するための処理部である。記録媒体14に付与される加熱量及び送風量は、記録媒体14上に残留する水分量、記録媒体14の種類、及び記録媒体14の搬送速度(干渉処理時間)等のパラメータに応じて適宜設定される。
乾燥処理装置56による乾燥処理が行われる際に、乾燥処理部50の乾燥ドラム54は、描画部40の描画ドラム44に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yにおいて、熱又は送風によるヘッドメニスカス部の乾燥によるインクの吐出異常の要因を低減することができる。
記録媒体14のコックリングの矯正効果を発揮させるために、乾燥ドラム54の曲率を0.002(1/mm)以上とするとよい。また、乾燥処理後の記録媒体の湾曲(カール)を防止するために、乾燥ドラム54の曲率を0.0033(1/mm)以下とするとよい。
また、乾燥ドラム54の表面温度を調整する手段(例えば、内蔵ヒータ)を備え、該表面温度を50℃以上に調整するとよい。記録媒体14の裏面から加熱処理を施すことによって乾燥が促進され、次段の定着処理時における画像破壊が防止される。かかる態様において、乾燥ドラム54の外周面に記録媒体14を密着させる手段を具備するとさらに効果的である。記録媒体14を密着させる手段の一例として、真空吸着、静電吸着などが挙げられる。
なお、乾燥ドラム54の表面温度の上限については、特に限定されるものではないが、乾燥ドラム54の表面に付着したインクをクリーニングするなどのメンテナンス作業の安全性(高温による火傷防止)の観点から75℃以下(より好ましくは60℃以下)に設定されることが好ましい。
このように構成された乾燥ドラム54の外周面に、記録媒体14の記録面が外側を向くように(すなわち、記録媒体14の記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥処理を施すことで、記録媒体14のシワや浮きに起因する乾燥ムラが確実に防止される。
(定着処理部)
定着処理部60は、記録媒体14を保持して搬送する圧胴(定着ドラム)64と、画像形成がされ、さらに、液体が除去された記録媒体14に加熱処理を施すヒータ66と、該記録媒体14を記録面側から押圧する定着ローラ68と、を備えて構成される。なお、定着ドラム64基本構造は処理液ドラム34、描画ドラム44、及び乾燥ドラム54と共通しているので、ここでの説明は省略する。ヒータ66及び定着ローラ68は、定着ドラム64の外周面に対向する位置に配置され、定着ドラム64の回転方向(図20において反時計回り方向)の上流側から順に配置される。
定着処理部60では、記録媒体14の記録面に対してヒータ66による予備加熱処理が施されるとともに、定着ローラ68による定着処理が施される。ヒータ66の加熱温度は記録媒体の種類、インクの種類(インクに含有するポリマー微粒子の種類)などに応じて適宜設定される。例えば、インクに含有するポリマー微粒子のガラス転移点温度や最低造膜温度とする態様が考えられる。
定着ローラ68は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性ポリマー微粒子を溶着し、インクを被膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体14を加熱加圧するように構成される。具体的には、定着ローラ68は、定着ドラム64に対して圧接するように配置されており、定着ドラム64との間でニップローラを構成するようになっている。これにより、記録媒体14は、定着ローラ68と定着ドラム64との間に挟まれ、所定のニップ圧でニップされ、定着処理が行われる。
定着ローラ68の構成例として、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内にハロゲンランプを組み込んだ加熱ローラによって構成する態様が挙げられる。かかる加熱ローラで記録媒体14を加熱することによって、インクに含まれるポリマー微粒子のガラス転移点温度以上の熱エネルギーが付与されると、該ポリマー微粒子が溶融して画像の表面に透明の被膜が形成される。
この状態で記録媒体14の記録面に加圧を施すと、記録媒体14の凹凸に溶融したポリマー微粒子が押し込み定着されるとともに、画像表面の凹凸がレベリングされ、好ましい光沢性を得ることができる。なお、画像層の厚みやポリマー微粒子のガラス転移点温度特性に応じて、定着ローラ68を複数段設けた構成も好ましい。
また、定着ローラ68の表面硬度は71°以下であることが好ましい。定着ローラ68の表面をより軟質化することで、コックリングにより生じた記録媒体14の凹凸に対して追随効果を期待でき、記録媒体14の凹凸に起因する定着ムラがより効果的に防止される。
図13に示すインクジェット記録装置10は、定着処理部60の処理領域の後段(記録媒体搬送方向の下流側)に、インラインセンサ(ILS)82(撮像手段に相当)が設けられている。ILS82は、記録媒体14表面に形成された画像(又は記録媒体14の余白領域に形成されたチェックパターン)を読み取るためのセンサである。
ILS82としては、CCDラインセンサが好適に用いられ、例えば125dpiの解像度のものを用いることができる。この場合、画素ピッチは約0.2mmであり、記録媒体14の搬送速度を500mm/secとすると、読み出し時間は0.4msecである。
本例に示すインクジェット記録装置10は、ILS82の読取結果に基づいてインクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yの吐出異常の有無が判断される。また、ILS82は、水分量、表面温度、光沢度などを計測するための計測手段を含む態様も可能である。かかる態様において、水分量、表面温度、光沢度の読取結果に基づいて、乾燥処理部50の処理温度や定着処理部60の加熱温度及び加圧圧力などのパラメータを適宜調整し、装置内部の温度変化や各部の温度変化に対応して、上記制御パラメータが適宜調整される。
(排出部)
図13に示すように、定着処理部60に続いて排出部70が設けられている。排出部70は、張架ローラ72A,72Bに巻きかけられた無端状の搬送ベルト74と、画像形成後の記録媒体14が収容される排出トレイ76と、を備えて構成されている。
定着処理部60から送り出された定着処理後の記録媒体14は、搬送ベルト74によって搬送され、排出トレイ76に排出される。
〔制御系の説明〕
図14は、インクジェット記録装置10の制御系の概略構成を示すブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース140、システム制御部142、搬送制御部144、画像処理部146、ヘッド駆動部148を備えるとともに、記憶部(メモリ)150、一時記憶部152を備えている。
通信インターフェース140は、図5に示した画像データ取得部250と同様の構成要素であり、ホストコンピュータ154から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース140は、USB(Universal Serial Bus)などのシリアルインターフェースを適用してもよいし、セントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用してもよい。通信インターフェース140は、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
システム制御部142は、図5に示した制御部240と同様の構成要素であり、ここでは、さらにヘッド選択部262、タイミング信号生成部264、及びマスク信号生成部266を含んで構成される。
システム制御部142は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能し、さらに、記憶部150及び一時記憶部152のメモリコントローラとして機能する。即ち、システム制御部142は、通信インターフェース140、搬送制御部144等の各部を制御し、ホストコンピュータ154との間の通信制御、記憶部150及び一時記憶部152の読み書き制御等を行うとともに、上記の各部を制御する制御信号を生成する。
ホストコンピュータ154から送出された画像データは通信インターフェース140を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、画像処理部146によって所定の画像処理が施される。
画像処理部146は、図5に示した画像データ処理部252と同様の構成要素であり、画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号(画像)処理機能を有し、生成した印字データをヘッド駆動部148に供給する制御部である。画像処理部146において所要の信号処理が施された画像データに基づいて、ヘッド駆動部148を介してヘッド48の吐出液滴量(打滴量)や吐出タイミングの制御が行われる。
ヘッド駆動部148は、図5に示したヘッドコントローラ268M,268K,268C,268Yと同様の構成要素であり、ヘッド48の各ノズルに対応したアクチュエータ(図4に示した圧電素子58)を駆動するための駆動信号波形を生成する駆動波形発生部が含まれる。駆動波形発生部から出力される信号は、デジタル波形データであってもよいし、アナログ電圧信号であってもよい。この信号波形は、ヘッド48の各ノズルが1回の吐出を行うための1吐出周期分の波形が、所定の周期で繰り返し出力される。
これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。なお、図14に示すヘッド駆動部148には、ヘッド48の駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
また、搬送制御部144は、画像処理部146により生成された印字制御用の信号に基づいて記録媒体14(図13参照)の搬送タイミング及び搬送速度を制御する。図14における搬送駆動部256は、図13に示した圧胴34,44,54,64を回転させるモータや、渡し胴32〜62を回転させるモータ、給紙部20における記録媒体14の送出機構のモータ、排出部70の張架ローラ72A(72B)を駆動するモータなどが含まれ、搬送制御部144は上記のモータのドライバーとして機能している。
記憶部150は、システム制御部142のCPUが実行するプログラムや、装置各部の制御に必要な各種データ、制御パラメータなどが格納されており、システム制御部142を通じてデータの読み書きが行われる。記憶部150は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。また、外部インターフェースを備え、着脱可能な記憶媒体を用いてもよい。
一時記憶部(一時記憶メモリ)152は、通信インターフェース140を介して入力された画像データを一旦格納する一時記憶手段としての機能や、記憶部150に記憶されている各種プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域(例えば、画像処理部146の作業領域)としての機能を有している。一時記憶部152には、逐次読み書きが可能な揮発性メモリ(RAM)が用いられる。
さらに、このインクジェット記録装置10は、処理液付与制御部160、乾燥処理制御部162、及び定着処理制御部164を備えており、システム制御部142からの指示に従って、それぞれ、処理液塗布部30、乾燥処理部50、及びヒータ66、定着ローラ68(図13参照)を含む定着処理部60の各部の動作を制御する。
処理液付与制御部160は、処理液付与のタイミングの制御を制御するとともに、処理液の付与量を制御する。処理液塗布部30に具備される処理液塗布装置36は、塗布ローラに対して塗布ローラへ供給される処理液量を計量するアニロックスローラの当接(接触)及び離間が可能となるように、該アニロックスローラを移動させるアニロックスローラ移動機構を備えている。
図14に示す処理液付与制御部160は、アニロックスローラと塗布ローラとの当接タイミング及び離間タイミングを制御している。
乾燥処理制御部162は、乾燥処理のタイミングを制御するとともに、処理温度、送風量等を制御し、定着処理制御部164は、ヒータ66の温度を制御するとともに、定着ローラ68の押圧を制御する。
検出部166は、図13に示したILS82から出力される読取信号にノズル除去や増幅、波形整形などの所定の信号処理を施す信号処理部を含む処理ブロックである。システム制御部142は、検出部166により得られた検出信号に基づいて、ヘッド48の吐出異常の有無を判断する。
エンコーダ168は、図5に示したロータリエンコーダ230と同様の構成要素であり、圧胴34,44,54,64を回転させるための駆動源となるモータに取り付けられ、該モータの回転に応じたパルス信号が出力される。エンコーダ168から出力されるパルス信号をカウントすることで、圧胴34,44,54,64の回転量を把握することができ、記録媒体14の搬送経路上の位置を把握することができる。また、エンコーダ168から出力されるパルス信号の周波数変動に基づいて圧胴34,44,54,64の回転ムラを把握することも可能である。
すなわち、エンコーダ168から出力されたパルス列は、波形整形やノイズ除去などの所定の信号処理が施され、システム制御部142へ送られる。システム制御部142は、エンコーダ168から取得したパルス列に基づいて、各インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yを制御するための記録タイミング信号をヘッド駆動部148へ送出し、また、アニロックスローラの当接タイミング、離間タイミングを制御するための指令信号を処理液付与制御部160へ送出する。
用紙センサ170は、記録媒体14の搬送経路に設けられるセンサであり、用紙センサ170の検出結果に基づいて記録媒体14の搬送経路上の位置を把握することができる。例えば、圧胴34(44,54,64)のグリッパー80の近傍に設けられる用紙センサ170が記録媒体14を検出すると、グリッパー80を動作させて記録媒体14の先端部を挟持し、圧胴34の吸着制御や温度制御が記録媒体保持状態に切り換えられる。上述したように、用紙センサ170の出力信号を用いて、各インクジェットヘッド48M,48K,48C,48Yを制御するための記録タイミング信号を生成してもよい。図14では、記録媒体の搬送路上に設けられる複数の用紙センサを代表して、符号170を付して図示している。
本例では、圧胴搬送方式が適用されるインクジェット記録装置10を例示したが、記録媒体14の搬送方式は圧胴搬送方式に限定されず、搬送ベルト上に記録媒体を吸着保持して記録媒体を搬送するベルト搬送方式や他の搬送方式を適宜選択することも可能である。
上記実施の形態では画像形成装置の一例としてインクジェット記録装置を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。インクジェット方式以外では、ラインヘッドを有する熱転写記録装置(サーマル素子を記録素子とする装置)、LED電子写真プリンタ、LEDライン露光ヘッドを有する銀塩写真方式プリンタ(LED素子を記録素子とする装置)など各種方式の画像形成装置についても本発明を適用することが可能である。
本発明の技術的範囲は、上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。各実施形態における構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施形態間で適宜組み合わせることができる。
1…用紙、210…搬送ドラム、220M,220K,220C,220Y…ラインヘッド、230…ロータリエンコーダ、240…制御部、250…画像データ取得部、252…画像データ処理部、254M,254K,254C,254Y…画像メモリ、262…ヘッド選択部、264…タイミング信号生成部、266…マスク信号生成部、268M,268K,268C,268Y…ヘッドコントローラ

Claims (11)

  1. 記録媒体を搬送方向に搬送する搬送手段と、
    前記搬送される記録媒体の搬送位置を検出する検出手段と、
    前記記録媒体に画像を記録する画像記録手段であって、N色の記録色毎に備えられたN個の記録ヘッドがそれぞれ前記搬送方向に間隔を空けて順に配置された画像記録手段と、
    前記記録媒体の搬送位置と前記N個の記録ヘッドの各色の記録ヘッドの配置位置に基づいて、前記各色の記録ヘッドの記録タイミングを示す記録タイミング信号を生成する記録タイミング信号生成手段と、
    前記記録タイミング信号に基づいて前記各色の記録ヘッドを制御する制御手段であって、各色の画像データをそれぞれ対応する色の記録ヘッドに記録させる制御手段と、
    通常の画像記録を行う通常モードとテストチャートを記録するテストモードとのいずれのモードであるかを判断する判断手段と、
    前記通常モードであると判断された場合には、前記搬送手段により搬送される記録媒体に前記N個の記録ヘッドを全て割り当て、前記テストモードであると判断された場合には、前記搬送手段により順次搬送されるN枚の記録媒体の各記録媒体に対して、前記N個の記録ヘッドのうちそれぞれ異なる1色の記録ヘッドを割り当てる割り当て手段と、
    前記記録タイミング信号の出力の有無を切り替えるマスク手段であって、搬送される記録媒体に割り当てられた記録ヘッドの記録タイミング信号のみを出力させるマスク手段と、
    を備え、
    前記テストモードであると判断された場合の前記各色の画像データは、同一パターンの画像データである画像記録装置。
  2. 前記マスク手段は、前記各色の記録ヘッドの記録タイミング以外のタイミングにおいて出力の有無を切り替える請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 前記マスク手段は、記録ヘッド毎に前記記録タイミング信号の出力の有無の切り替えタイミングが異なる請求項1又は2に記載の画像記録装置。
  4. 前記マスク手段は、前記各色の記録ヘッドのマスク信号を生成するマスク信号生成手段を備え、
    前記各色の記録ヘッドの前記記録タイミング信号と前記マスク信号の論理積によって前記搬送される記録媒体に割り当てられていない記録ヘッドの記録タイミングを無効にする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  5. 前記搬送手段は、前記通常モード及び前記テストモードにおいて同じ搬送速度で前記記録媒体を搬送する請求項1から4のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  6. 前記画像記録手段は、少なくともマゼンタ、ブラック、シアン、及びイエローの4色の記録色毎に備えられた4個の記録ヘッドを備えた請求項1から5のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  7. 前記搬送手段は、ドラムの外周に前記記録媒体を吸着保持して記録媒体を搬送する請求項1から6のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  8. 前記検出手段は、前記ドラムの回転角度を検出するエンコード信号に基づいて前記記録媒体の搬送位置を検出する請求項7に記載の画像記録装置。
  9. 前記割り当て手段は、前記テストモードであると判断された場合に、前記各記録媒体に対して、前記N個の記録ヘッドのうち前記搬送方向の上流側に配置されている記録ヘッドから順に割り当てる請求項1から8のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  10. ジョブ毎に前記テストモードに設定される請求項1から9のいずれか1項に記載の画像記録装置。
  11. 搬送手段によって記録媒体を搬送方向に搬送する搬送工程と、
    前記搬送される記録媒体の搬送位置を検出する検出工程と、
    N色の記録色毎に備えられたN個の記録ヘッドがそれぞれ前記搬送方向に間隔を空けて順に配置された画像記録手段によって前記記録媒体に画像を記録する画像記録工程と、
    前記記録媒体の搬送位置と前記N個の記録ヘッドの各色の記録ヘッドの配置位置に基づいて、前記各色の記録ヘッドの記録タイミングを示す記録タイミング信号を生成する記録タイミング信号生成工程と、
    前記記録タイミング信号に基づいて前記各色の記録ヘッドを制御する制御工程であって、各色の画像データをそれぞれ対応する色の記録ヘッドに記録させる制御工程と、
    通常の画像記録を行う通常モードとテストチャートを記録するテストモードとのいずれのモードであるかを判断する判断工程と、
    前記通常モードであると判断された場合には、前記搬送手段により搬送される記録媒体に前記N個の記録ヘッドを全て割り当て、前記テストモードであると判断された場合には、前記搬送手段により順次搬送されるN枚の記録媒体の各記録媒体に対して、前記N個の記録ヘッドのうちそれぞれ異なる1色の記録ヘッドを割り当てる割り当て工程と、
    前記記録タイミング信号の出力の有無を切り替えるマスク工程であって、搬送される記録媒体に割り当てられた記録ヘッドの記録タイミング信号のみを出力させるマスク工程と、
    を備え、
    前記テストモードであると判断された場合の前記各色の画像データは、同一パターンの画像データであるテストチャート出力方法。
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