JP2014128302A - シリンジ型噴出容器 - Google Patents

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【課題】少量の内容液であっても噴霧できるシリンジ型噴出容器を提供する。
【解決手段】噴出容器1は、噴出部10と操作部50とを備える。操作部50は、先端筒部51cを有するシリンジ51と、先端筒部51cの内側を貫通するロッド53と、ロッド53を先端筒部51cから突出させる操作用シャフト52を備える。噴出部10は、噴出口1aを有する外筒部11と、外筒部11内に配置される内筒部12と、内筒部12内の内容液Mを押し出すプランジャ14と、内筒部12とともに外筒部11内の噴出口1a側に配置されて噴出口1aに旋回溝r2が形成されたスピンエレメント13を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、シリンジに操作用シャフトを押し込んで内容液を、外界に噴出させることができるシリンジ型噴出容器に関するものである。
従来のシリンジ型噴出容器としては、バルブを内蔵した噴霧ノズルを内容液が充填されたシリンジ(バレル)に装着し、ピストンで内容液を押し出すことで内容液を噴霧できるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−137344号公報
しかしながら、従来のシリンジ型噴出容器は、使用者によって操作される操作器具に内容液を充填したものであることから、少量噴霧を目的にシリンジの小型化を図ると、使い勝手が悪くなる。このため、従来のシリンジ型噴出容器は、少量の内容液を噴霧させるのには不向きであった。
本発明の目的とするところは、少量の内容液であっても噴霧できる、新規なシリンジ型噴出容器を提供することにある。
本発明のシリンジ型噴出容器は、使用者によって操作される操作部と、内容液が噴出される噴出部とを備え、
前記操作部は、先端筒部を有するシリンジと、先端筒部の内側を貫通するロッドと、当該ロッドを先端筒部から突出させる操作用シャフトを備え、
噴出部は、噴出口を有して先端筒部に装着される外筒部と、外筒部の内側に配置される内筒部と、内筒部の内側に充填された内容液を押し出すプランジャと、内筒部とともに外筒部内側の噴出口側に配置されて当該噴出口に内容液を流通させる旋回溝が形成されたスピンエレメントを備える。
本発明では、外筒部の内側に、内筒部からの内容液をスピンエレメントに通じさせる弾性弁を配置することができる。
また噴出部は、操作部に対して取り外し可能に装着することができる。
本発明のシリンジ型噴出容器は、操作部の操作用シャフトを押し込むことで、ロッドがシリンジの先端筒部から突出する。次いで、この先端筒部から突出したロッドは、噴出部の内筒部に内蔵されたプランジャとともに内容液をスピンエレメントに向かって押し込む。このため、内容液は、スピンエレメントに形成された旋回溝を通って回転力を得たのち、外筒部の噴出口に押し出される。
このように、本発明では、噴出部の内容液に回転力を与えつつ、噴出口に送り出すことにより、当該内容液を霧状に噴出させることができる。
また、本発明では、内容液を噴出部に充填することで、内容液を噴出させるための操作部を別構成とすることができる。このため、操作部を小型化させることなく、内容液が充填される噴出部のみを小型化することができる。従って、本発明は、操作性を損なうことなく、内容液を少量だけ噴霧させたい場合に有効である。
本発明の第1実施形態である、シリンジ型噴出容器を示す要部断面図である。 (a)は同シリンジ型噴出容器を示す拡大断面図であり、(b)は(a)の拡大図である。 同シリンジ型噴出容器から内容液を噴霧した状態を示す拡大断面図である。 第1実施形態に係るスピンエレメントを模式的に示す斜視図である。 (a)は本発明の第2実施形態である、シリンジ型噴出容器を示す拡大断面図であり、(b)は(a)の拡大図である。 同シリンジ型噴出容器から内容液を噴霧した状態を示す拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係る弾性弁をスピンエレメントとともに、模式的に示す斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明である、シリンジ型噴出容器の様々な実施形態を詳細に説明する。
図1中、符号1は、本発明の第1実施形態である、シリンジ型噴出容器(以下、「噴出容器」)である。噴出容器1は、使用者によって操作される操作部50と、噴出部10を備える。
操作部50は、シリンジ51を有する。シリンジ51は、中空の胴部51aの一端に環状の肩部51bが形成されている。シリンジ51は、肩部51bを介して胴部51aよりも小径の先端筒部51cが一体に設けられている。先端筒部51cの内側には、胴部51aの内側に形成された空間に通じる内部通路が形成されている。また、シリンジ51には、先端筒部51cを取り囲む装着筒部51dが設けられている。さらに、シリンジ51には、指掛け部シリンジ51eが設けられている。
また操作部50は、操作用シャフト52を有する。操作用シャフト52は、シリンジ51の内側にスライド可能に収納される本体52aと、使用者からの押し込み力を受ける押圧部52bを有する。さらに、本体52aの先端には、プランジャロッド53が設けられている。プランジャロッド53の先端側は、先端筒部51cの内側に配置される。これにより、使用者がシリンジ51の指掛け部51eに指を掛けて操作用シャフト52を押し込むことで、プランジャロッド53は、先端筒部51cから突出させることができる。本発明に従えば、プランジャロッド53は、操作用シャフト52に対して一体又は別体に設けることができる。
操作部50は、上述のように操作器具として構成される一方、噴出部10は、噴出ノズルとして機能する。
噴出部10は、図2(a)に示すように、先端筒部51cに装着される外筒部11を有する。外筒部11は、先端部に噴出口1aを有する。一方、外筒部11の後端部11eは、シリンジ51に装着される。外筒部11の後端部11eは、フランジ部を形成する。外筒部11の後端部11eは、ねじ部として機能し、装着筒部51dの内側に形成されたねじ部51sに取り外し可能に螺合する。これにより、噴出部10は、図示のように、シリンジ51に螺合させることで、操作部50に装着させることができる。なお、本発明に従えば、外筒部11とシリンジ51との接続は、凹凸によるアンダーカット嵌合などの既存の手段を選択することができる。
また噴出部10は、外筒部11の内側に配置される内筒部12を有する。外筒部11の内側には、軸線O周りを周回する環状の凸部11aが設けられている。内筒部12は、凸部11aによって保持固定されている。加えて、内筒部12の内側上端部には、スピンエレメント13が配置されている。スピンエレメント13は、円柱状の大径部13aと、この大径部13aよりも径の小さな小径部13bで形成されている。大径部13aの外周面は、外筒部11の内周面を液密な状態のままスライドできる。また大径部13aの端面は、外筒部11の前端内側に突き当てることができる。小径部13bは、大径部13aから内筒部12の前端に向かって突出する。小径部13bの外周面は、内筒部12の内周面を液密な状態のままスライドさせることができる。また大径部13aと小径部13bとの間に形成された環状の段差面は内筒部12の前端に接触する。これにより、小径部13bの外周面とともに、内筒部12の前端側を液密な状態に保持する。
さらに、内筒部12の後端側には、図2(a)に示すように、プランジャ14が配置されている。プランジャ14は、内筒部12の内周面を液密な状態のままスライドさせることができる。プランジャ14は、スピンエレメント13とともに、内筒部12の内側に、内容液Mの充填空間Sを形成する。すなわち、本実施形態では、噴出部10は、外筒部11、内筒部12、スピンエレメント13およびプランジャ14で構成されている。
本実施形態では、スピンエレメント13の側面には、図4に示すように、軸線O周りに間隔を置いて3箇所に、3つの溝が形成されている。この溝はそれぞれ、小径部13b側の端面から切り欠かれて軸線Oに沿って伸びる第1条溝13c1と、この第1条溝13c1に繋がり、大径部13aと小径部13bとの間の段差面を径方向に伸びる第2条溝13c2と、この第2条溝13c2に繋がり、軸線Oに沿って伸びるとともに小径部13b側の端面を切り欠く第3条溝13c3で形成されている。また大径部13a側の端面には、各々の第2条溝13c2に繋がる旋回溝13sが形成されている。3つの旋回溝13sはそれぞれ、第3条溝13c3から軸線O周りを旋回しながら軸線Oに向かって伸びる。これにより、3つの旋回溝13sは、大径部13a側の端面で合流することにより円筒形の合流部13dを形成する。加えて、本実施形態では、大径部13a側の端面の外縁を切り欠いて、軸線O周りを周回する環状の切り欠き13c4が形成されている。
すなわち、外筒部11の内側に、内筒部12とともにスピンエレメント13を組み込むと、外筒部11と内筒部12との間には、図2(b)に示すように、内容液Mの充填空間Sに通じる3つの導入路r1(13c1〜13c3)とともに、各々の導入路r1に通じる3つの旋回流路r2(13s)と、これらの旋回流路r2を噴出口1aに通じさせる合流路r3(13d)が形成される。とくに本実施形態では、導入路r1と旋回流路r2との接続部分はそれぞれ、環状流路r4(13c4)によって環状に接続されている。
なお、導入路r1と旋回流路r2とは軸線O周りにオフセットして配置させることで、環状流路r4を導入路r1と旋回流路r2との間を接続する迂回流路とすることもできる。また、導入路r1の個数は、旋回流路r2に対応させることなく、少なくとも1つとすることができる。このことは、後述する他の実施形態に係るスピンエレメント13についても同様である。
次に、図1〜3を参照して、噴出容器1の使用方法を説明する。
使用者が噴出部10を操作部50に装着すると、図2(a)に示すように、プランジャ14の後端は、プランジャロッド53の先端から押し込み力を受ける押圧部として機能する。これにより、プランジャ14は、プランジャロッド53に押し込まれることで、充填空間S内の内容液Mをスピンエレメント13に向かって押し出すことができる。スピンエレメント13に向かって押し出された内容液Mは、図3の白抜き矢印で示すように、スピンエレメント13に形成された旋回流路r2を通って回転力を得たのち、合流路r3で攪拌される。
すなわち、使用者が操作部50の操作用シャフト52を押し込むことで、噴出部10の充填空間Sからは、図3の白抜き矢印で示すように、回転力を与えられた内容液Mが噴出口1aに押し出される。これにより、噴出口1aからは、霧状(比較的大きな粒子で飛散させる状態を含む)の内容液Mが噴出される。
このように、本発明に従う噴出容器1では、噴出部10に充填した内容液Mに回転力を与えつつ、噴出口1aに送り出すことにより、当該内容液Mを霧状に噴出させることができる。
また、本発明に従う噴出容器1では、内容液Mを噴出部10に充填することで、内容液Mを噴出させるための操作部50を別構成とすることができる。このため、操作部50を小型化させることなく、内容液Mが充填される噴出部10のみを小型化することができる。従って、本発明に従う噴出容器1は、操作性を損なうことなく、内容液Mを少量だけ噴霧させたい場合に有効である。
本実施形態に係る噴出部10は、内筒部12の下端をプランジャ14で密閉する。このため、内筒部12の上側(スピンエレメント13側)から内容液Mを充填することができる。内容液Mを充填したのちは、スピンエレメント13および外筒部11を組み付けることで、噴出部10を形成できる。このため、本実施形態に係る噴出部10によれば、内容液Mの充填を容易に行うことができる。
図5(a),(b)は、本発明の第2実施形態である、噴出容器2を示す拡大断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、噴出部20は、図5(a)に示すように、外筒部11の内側に、弾性弁15が配置されている。本実施形態では、スピンエレメント13の小径部13bは、内筒部12の内径よりも小径に形成されている。これにより、スピンエレメント13の小径部13bは、内筒部12に挿入されることで、内筒部12との間に、充填空間Sに通じる内部通路r0を形成する。
さらに、スピンエレメント13の小径部13bには、弾性弁15が設けられている。スピンエレメント13の小径部13bには、図5(b)に示すように、第1条溝13c1に替えて、軸線O周りに周回する環状溝13gが形成されている。環状溝13gには、弾性弁15が嵌合保持されている。弾性弁15は、変形および復元が可能な樹脂からなる。弾性弁15は、基部15aに形成された開口部内縁を環状溝13gに嵌合させることで固定されている。これにより、弾性弁15は、スピンエレメント13に近接する位置に配置される。
弾性弁15は、図5(b)に示すように、基部15aから一体に拡径する円錐形の弁体15bを有する。弁体15bは、弾性弁15がスピンエレメント13に固定されることで、噴出口1aに向かって拡径する。これにより、弾性弁15は、内部通路r0からの内容液Mの流通を可能にする一方、スピンエレメント13の大径部13aからの内容液Mの逆流を阻止する。なお、本実施形態では、外筒部11の内側に、軸線O周りを周回する環状の隆起部11pが設けられており、スピンエレメント13の大径部13aを抜け止め保持する。
噴出容器2は、操作用シャフト52を押し込んだとき、外筒部11に内蔵された弾性弁15は、図5(b)に示すように、内容液Mが一定の圧力に達するまで開放されることがない。このため、内容液Mは、弁体15bが開放されるまで、弾性弁15とプランジャ14との間で圧縮される。弁体15bは、内容液Mの圧力に対して自己の弾性力によって外筒部11の内周面を密閉する一方、内容液Mの圧力が弾性力を上回ると、その弾性力に抗して開放される。弁体15bが内容液Mの圧力によって開放されると、図6に示すように、内容液Mは一気に、スピンエレメント13に押し出される。この押し出された内容液Mはさらに、スピンエレメント13に形成された旋回流路r2を通って回転力を得たのち、噴出口1aに押し出される。これにより、噴出口1aからは、霧状の内容液Mが噴出される。
このように、噴出容器2では、噴出部10に充填した内容液Mを一定の圧力まで圧縮したのち、それを一気に開放させることで、スピンエレメント13を通してより大きな回転力を与えた内容液Mを噴出口1aに送り出すことにより、内容液Mを一定の状態を保ちつつ霧状に噴出させることができる。特に本実施形態では、充填空間Sが弾性弁15とプランジャ14で密封されているため、噴出部20をカートリッジとして用いることができる。
なお、本実施形態では、内筒部12の下端部(内筒下端部)12bを、軸線O周りに周回する突起部に形成している。加えて、外筒部11の内側には、軸線O周りを周回する段差(以下、「外筒段差」)11sが形成されている。外筒段差11sと内筒下端部12bは、互いに接触することにより、外筒部11に対する内筒部12の挿入量を制限する。本実施形態では、図示のように、スピンエレメント13の小径部13bが内筒部11の前端に収納されるように設定されている。
本実施形態に係る噴出部20も、内筒部12の下端をプランジャ14で密閉する。このため、内筒部12は、内筒下端部12bを接地した状態で内筒部12の上側(スピンエレメント13側)から内容液Mを充填することができる。内容液Mを充填したのちは、弾性弁15を有するスピンエレメント13とともに外筒部11を組み付けることで、噴出部20を形成できる。このため、本実施形態に係る噴出部20によっても、内容液Mの充填を容易に行うことができる。
上述したところは、本発明の一形態を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。例えば、本発明によれば、噴出部10及び20は、操作部50に対して取り外せないように構成することも可能である。また、本発明によれば、メッシュリングを装着して、内容液Mを泡状に噴出させることもできる。また、本発明に従えば、各実施形態の構成は適宜、互いに組み合わせることができる。
内容液の噴出を目的とした噴出容器であれば、様々なものに適用することができる。また、内容液の種類についても、限定されない。
1 シリンジ型噴出容器(第1の実施形態)
1a 噴出口
2 シリンジ型噴出容器(第2の実施形態)
10 噴出部(第1の実施形態)
11 外筒部
12 内筒部
13 スピンエレメント
13a 大径部
13b 小径部
13c1 第1条溝
13c2 第2条溝
13c3 第3条溝
13c4 切り欠き
13d 合流部
13s 旋回溝
14 プランジャ
15 弾性弁
20 噴出部(第2の実施形態)
50 操作部
51 シリンジ
51a 胴部
51b 肩部
51c 先端筒部
51d 装着筒部
52 操作用シャフト
53 プランジャロッド
1 導入路
2 旋回流路
3 合流路
4 環状流路
S 充填空間

Claims (3)

  1. 使用者によって操作される操作部と、内容液が噴出される噴出部とを備え、
    前記操作部は、先端筒部を有するシリンジと、先端筒部の内側を貫通するロッドと、当該ロッドを先端筒部から突出させる操作用シャフトを備え、
    噴出部は、噴出口を有して先端筒部に装着される外筒部と、外筒部の内側に配置される内筒部と、内筒部の内側に充填された内容液を押し出すプランジャと、内筒部とともに外筒部内側の噴出口側に配置されて当該噴出口に内容液を流通させる旋回溝が形成されたスピンエレメントを備える、シリンジ型噴出容器。
  2. 請求項1において、外筒部内側に、内筒部からの内容液をスピンエレメントに通じさせる弾性弁を配置した、シリンジ型噴出容器。
  3. 請求項1又は2において、噴出部が操作部に対して取り外し可能に装着されるものである、シリンジ型噴出容器。
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