JP2014126302A - 空気調和システム、空気調和方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】温度取得手段40は、室内空間の温度を、異なる高さでそれぞれ取得する。高さ決定手段41は、室内空間内の居室者の姿勢に関連する情報に基づいて、居室者の姿勢に応じた高さを決定する。算出手段42は、温度取得手段40で取得された温度に基づいて、高さ決定手段41で決定された高さにおける温度情報を算出する。制御手段43は、算出手段42で算出された温度情報に基づいて、空調機を制御する。
【選択図】図3
Description
室内空間の空調を行う空調機を備える空気調和システムであって、
前記室内空間の温度を、異なる高さでそれぞれ取得する温度取得手段と、
前記室内空間内の居室者の姿勢に関連する情報に基づいて、前記居室者の姿勢に応じた高さを決定する高さ決定手段と、
前記温度取得手段で取得された温度に基づいて、前記高さ決定手段で決定された高さにおける温度情報を算出する算出手段と、
前記算出手段で算出された温度情報に基づいて、前記空調機を制御する制御手段と、
を備える。
まず、この発明の実施の形態1について説明する。
図1には、本発明の実施の形態に係る空気調和システム1の概略的な構成が示されている。図2には、空気調和システム1の室内機21が設置される室内空間のレイアウトの一例が示されている。
次に、空気調和システム1の制御動作について説明する。空気調和システム1は、居室者の運転開始指令により運転を開始する。居室者は、例えば、リモコン32等を操作して空気調和システム1に運転開始指令を与える。運転開始指令には、冷房運転、暖房運転などの運転モードの設定指令が含まれている。空気調和システム1では、運転開始指令が入力されると、運転モードも設定される。
冷凍サイクルの冷房動作について説明する。圧縮機26から吐出された冷媒は四方弁29を通過して室外熱交換器27へと流れる。室外熱交換器27に流入した冷媒は、室内の空気と熱交換して凝縮液化し、膨張弁28へと流れる。冷媒は膨張弁28で減圧された後、室内熱交換器25へと流れる。室内熱交換器25に流入した冷媒は室内の空気と熱交換して蒸発した後、四方弁29を通過して再び圧縮機26に吸入される。このように冷媒を流すことによって室内熱交換器25で室内の空気が冷却される。室内熱交換器25での冷媒と空気の熱交換量を冷却能力と呼ぶ。冷却能力は圧縮機26の周波数を変えるなどして調整される。
冷凍サイクルの暖房動作について説明する。圧縮機26から吐出された冷媒は四方弁29を通過して室内熱交換器25へと流れる。室内熱交換器25に流入した冷媒は空気と熱交換して凝縮液化し、膨張弁28へと流れる。冷媒は膨張弁28で減圧された後、室外熱交換器27へと流れる。室外熱交換器27に流入した冷媒は空気と熱交換して蒸発した後、四方弁29を通過して再び圧縮機26に吸入される。このように冷媒を流すことによって室内熱交換器25では、室内空気が暖められる。室内熱交換器25での冷媒と空気の熱交換量を加熱能力と呼ぶ。加熱能力は、圧縮機26の周波数を変えるなどして調整される。
図4には、冷房時の室内空間Aの室温の変動の一例がグラフ表示されている。図4において、縦軸は室内空間Aの床からの高さを示している。また、横軸は、床からの高さにおける温度を示している。図4に示すように、冷房中において、床の表面温度(床表面温度)及び天井の表面温度(天井表面温度)は、高い外気温度の影響を受けて室内空間Aにおける空気の温度(空気温度)よりも高温となっている。また、室内空間Aにおける空気温度は、床から天井に向かうにつれて、徐々に高くなっている。これによると、居室者の姿勢に応じた床からの高さの空気温度(人周囲空気温度)は、臥位、座位、立位の順に高くなる。室内機21は、壁掛け式の場合には、天井近くの高い場所に設置されるため、吸込空気温度センサ31で計測した吸込空気温度は、天井近くの空気温度を検出していることになる。このため、室内機21の吸込空気温度に相当する空気温度は、居室者の姿勢に応じた高さにおける温度よりもさらに高くなる。
T3=T4−(T1−T2)×α …(1)
式(1)では、(T1−T2)×αの項により、空気の上下温度差が考慮されている。αには、床を基準とする居室者の高さに比例する値を設定することができる。例えば、αには、居室者の重心と床との距離に応じた値を設定することができる。また、αには、居室者の体感に最も影響する部位(例えば顔)と床との距離に応じた値を設定することができる。また、αには、居室者の姿勢に応じた高さごとに値を設定することができる。
T3=T4−ΔT1×α …(1)’
式(1)’では、壁表面の上下温度差ΔT1に代えて、上下温度勾配ΔT2を用いてもよい。
T6=T3+(T2−T3)×β+(T2−T7)×γ …(2)
上記式(2)では、(T2−T3)×βの項で居室者に対する床からの輻射の影響が考慮されている。また、(T2−T7)×γの項で床から居室者に伝わる熱伝導の影響が考慮されている。
係数α、β、γは、高さ決定手段42で決定された高さに基づいて、算出手段42によって決定される。係数α、β、γを決定する方法には、居室者の姿勢及び居室者に用いられる設備に対して予め割り当てられた係数を用いる方法と、居室者の重心と床との距離によって決定する方法と、居室者の顔と床との距離によって決定する方法とがある。以下では、予め割り当てられた係数を用いる方法、居室者の重心と床との距離の求め方、居室者の顔と床との距離の求め方について、それぞれ説明する。
まず、予め割り当てられた係数を用いる方法について説明する。
続いて、居室者の重心と床との距離の求め方について説明する。リモコン32などで居室者が姿勢又は使用する設備を入力する。姿勢又は使用する設備には、上述のように、立位、座位、臥位、ソファー、椅子、敷き布団、ベッドなどの選択肢がある。立位、座位、臥位、ソファー、椅子、敷き布団、ベッドなどの入力操作に応じて、居室者の姿勢に応じた高さ、すなわち居室者の重心と床との代表的な距離(統計的に予め求められた距離)が決定される。体感温度T6の演算に使用される係数α、β、γの値は、上述のように、各姿勢での代表的な距離に基づいて決定される。
居室者の顔と床との距離の求め方について説明する。居室者が、リモコン32などに姿勢又は設備の使用状態を入力する。居室者の姿勢又は使用する設備には、上述のように、立位、座位、臥位、ソファー、椅子、敷き布団、ベッドなどの選択肢がある。立位、座位、臥位、ソファー、椅子、敷き布団、ベッドなどの入力操作に応じて、居室者の顔と床の代表的な距離が決定される。体感温度や新設定温度の演算に使用する係数α、β、γの値は、この代表的な距離によって決定される。
以上詳細に説明したように、この実施の形態によれば、上述のようにして体感温度T6を求めることで、以下のような効果を得ることができる。
居室者の姿勢に応じて適切な高さで求められた体感温度で空調制御が行われる。これにより、例えば冷房中、床表面温度が吸込空気温度よりも高くても、足元の温度が高いと誤って判断して足元の空気温度が必要以上に低下するのを防止することができる。また、居室者の姿勢の高さに応じた適切な高さで求められた人の周囲の空気温度で空調制御が行われる。例えば、冷房中では、座位や臥位のように姿勢が低いほど、人の周囲空気温度が低くなるように算出される。このため、運転容量を小さくして冷やしすぎを防止し、快適性を向上することができるうえ、消費電力を削減することができる。
人周囲空気温度T3と床表面温度T2から輻射の影響を考慮して体感温度が求められる。これにより、体感温度T6の推定精度を向上することができる。この結果、快適性を向上するとともに過剰冷房や過剰暖房を防いで、消費電力を削減することができる。
床と人との熱伝導の影響を考慮して、人の体感温度T6が演算される。このため、例えば、座位及び臥位などのように、床などの躯体との接する面積が大きい姿勢となっている場合には、床の冷たさでひんやり感じる体感を空調制御に反映することができるようになる。この結果、運転容量を小さくして冷やしすぎを防止し、快適性を向上することができるうえ、消費電力を削減することができる。
居室者の重心と床との距離に応じて体感温度が求められる。これにより、様々な居室者の姿勢に対して汎用的な制御が可能となる。この結果、快適性を向上することができるうえ、過剰冷房や過剰暖房を防いで消費電力を削減することができる。
顔と床との距離に応じて体感温度が求められる。顔は常に露出しており衣服を着用している部分よりも高感度に温冷を感じるため、居室者の体感に最も影響する部位である。顔の体感温度で空調制御を行えば、居室者の快適性を向上することができる。また、過剰冷房や過剰暖房を防いで消費電力を削減することができる。また、顔は、外部に露出しており、周囲の床及び壁よりも高温であるため、赤外線センサ33で検出するのが容易である。
体感温度を求める際に、居室者の姿勢に応じた高さ毎に係数を定めることで、係数の決定方法を単純化することができる。これにより、計測制御装置30の計算処理の負荷を少なくすることができる。
リモコン操作で、人の姿勢などを入力するので、正確な姿勢情報が得られ誤検知のおそれが少なくなる。また、赤外線センサ33で検出された高温部の形状や時間変化に基づいて、自動的に、姿勢、重心と床との距離、顔と床との距離を求める場合には、居室者の操作が不要になるので、利便性が向上する。
次に、この発明の実施の形態2について説明する。
この実施の形態では、計測制御装置30(算出手段42)は、体感温度T6を求めるのではなく、天井表面温度T1と床表面温度T2と人周囲空気温度T3と居室者の表面温度T7とに基づいて、以下の式(3)を用いて設定温度T11を補正して、新設定温度T12を求める。
T12=T11+(T1−T2)×α’+(T3−T2)×β’+(T2−T7)×γ’ …(3)
この式では、天井表面温度T1と床表面温度T2の差(T1−T2)に基づいて、室内空気の上下温度差が考慮されている。また、人周囲空気温度T3と床表面温度T2の差(T3−T2)に基づいて、室内の輻射の影響が考慮されている。さらに、床表面温度T2と人表面温度T7との差(T2−T7)に基づいて、熱伝導の影響が考慮されている。すなわち、室内空気の上下温度差と、室内の輻射の影響と、熱伝導の影響とに基づいて、新設定温度T12が設定されている。
T12=T11+ΔT1×α’+(T3−T2)×β’+(T2−T7)×γ’ …(3)’
壁表面の上下温度差ΔT1は、上下温度勾配ΔT2でもよい。
以上詳細に説明したように、上述のようにして新設定温度T12を求めることで、以下のような効果を得ることができる。
人の姿勢に応じた適切な高さに対応する新設定温度で空調制御が行われる。これにより、例えば冷房中に床表面温度が吸込空気温度よりも高い場合であっても、足元の温度が高いと誤って判断して、足元の空気温度が必要以上に低下するのを防止することができる。また、人の姿勢の高さに応じた適切な高さで求められた人の周囲の空気温度で空調制御が行われる。例えば、冷房中では、座位や臥位のように姿勢が低いほど、人の周囲空気温度は低くなるように算出される。このため、運転容量を小さくして冷やしすぎを防止し、快適性を向上することができるうえ、消費電力を削減することができる。
人周囲空気温度T3と床表面温度T2から輻射の影響を考慮して新設定温度T12を求める。これにより、体感温度の推定精度を向上することができる。この結果、快適性を向上するとともに過剰冷房や過剰暖房を防いで、消費電力を削減することができる。
床と人との熱伝導の影響を考慮して、新設定温度を演算した。このため、例えば、座位や臥位などのように、床などの躯体との接する面積が大きい姿勢となっている場合には、床の冷たさでひんやり感じる体感が空調制御を反映することができるようになる。この結果、運転容量を小さくして冷やしすぎを防止し、快適性を向上することができるうえ、消費電力を削減することができる。
居室者の重心と床との距離に応じて設定温度を補正することで、様々な姿勢に対して汎用的な制御となる。この結果、快適性を向上することができるうえ、過剰冷房や過剰暖房を防いで消費電力を削減することができる。
居室者の体感に最も影響する部位と床との距離に応じて設定温度を補正することで、体感を精度良く空調制御に反映することができる。この結果、居室者の快適性を向上するとともに過剰冷房や過剰暖房を防いで消費電力を削減することができる。このような部位は、例えば、腕であってもよいし、足であってもよいし、腹部などの胴体であってもよい。
顔と床との距離に応じて設定温度を補正する。顔は常に露出しており衣服を着用している部分よりも高感度に温冷を感じるため、顔における体感温度で空調制御を行えば、居室者の快適性を向上することができる。また、過剰冷房や過剰暖房を防いで消費電力を削減することができる。また、顔は、外部に露出しており、周囲の床や壁よりも高温であるため、赤外線センサ33で検出するのが容易である。
設定温度を補正する際に、居室者の姿勢に応じた高さごとに係数を定めることで、係数の決定方法を単純化することができる。これにより、計測制御装置30の計算処理の負荷を少なくすることができる。
リモコン操作で、居室者の姿勢などを入力するので、正確な姿勢情報が得られ誤検知のおそれが少なくなる。また、赤外線センサ33で検出された高温部の形状や時間変化に基づいて、自動的に、姿勢、重心と床との距離、顔と床との距離を求める場合には、居室者の操作が不要になるので、利便性が向上する。
Claims (15)
- 室内空間の空調を行う空調機を備える空気調和システムであって、
前記室内空間の温度を、異なる高さでそれぞれ取得する温度取得手段と、
前記室内空間内の居室者の姿勢に関連する情報に基づいて、前記居室者の姿勢に応じた高さを決定する高さ決定手段と、
前記温度取得手段で取得された温度に基づいて、前記高さ決定手段で決定された高さにおける温度情報を算出する算出手段と、
前記算出手段で算出された温度情報に基づいて、前記空調機を制御する制御手段と、
を備える空気調和システム。 - 前記温度取得手段は、
前記居室者に対向する物体の表面温度を取得し、
前記算出手段は、
前記温度取得手段で取得された前記物体の表面温度と、前記高さ決定手段で決定された高さとに基づいて、前記物体からの輻射の影響を考慮して、前記居室者の姿勢に応じた高さにおける温度情報を算出する、
請求項1に記載の空気調和システム。 - 前記温度取得手段は、
前記居室者と接する物体の表面温度を取得し、
前記算出手段は、
前記温度取得手段で取得された前記物体の表面温度と、前記高さ決定手段で決定された高さとに基づいて、前記物体からの熱伝導の影響を考慮して、前記居室者の姿勢に応じた高さにおける温度情報を算出する、
請求項1又は2に記載の空気調和システム。 - 前記温度取得手段は、
前記室内空間に設けられた赤外線センサのセンサ出力に基づいて、前記居室者の表面温度を取得し、
前記算出手段は、
前記温度取得手段で取得された前記居室者の表面温度と、前記物体の表面温度との差に基づいて、前記物体からの熱伝導の影響を考慮して、前記居室者の姿勢に応じた高さにおける温度情報を算出する、
請求項3に記載の空気調和システム。 - 前記算出手段は、前記物体の材質を考慮して、前記物体からの熱伝導の影響を考慮して、前記居室者の姿勢に応じた高さにおける温度情報を算出する、
請求項3又は4に記載の空気調和システム。 - 前記高さ決定手段は、
前記居室者の重心の高さを、前記居室者の姿勢に応じた高さとして決定する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の空気調和システム。 - 前記高さ決定手段は、
前記赤外線センサで検出される前記室内空間の温度分布における高温部の形状の中心から底部までの距離を、前記居室者の重心の高さとして決定する、
請求項6に記載の空気調和システム。 - 前記高さ決定手段は、
前記居室者の体感に最も影響する部位の高さを、前記居室者の姿勢に応じた高さとして決定する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の空気調和システム。 - 前記高さ決定手段は、
前記部位を顔とする場合に、
前記赤外線センサで検出される前記室内空間の温度分布における高温部の形状の上部から底部までの距離を、前記居室者の姿勢に応じた高さとして決定する、
請求項8に記載の空気調和システム。 - 前記高さ決定手段は、
前記居室者の操作入力で指定された前記居室者の姿勢に関連する情報に基づいて、現在の前記居室者の姿勢に応じた高さを決定する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の空気調和システム。 - 前記居室者の操作入力で指定された前記居室者の姿勢に関連する情報には、
前記居室者の姿勢と、前記居室者が使用する設備を示す情報とのいずれかが含まれる、
請求項10に記載の空気調和システム。 - 前記空調機を構成する室内機の吸込空気温度を検出する吸込空気温度検出手段をさらに備え、
前記算出手段は、
前記吸込空気温度検出手段で検出された吸込空気温度を、前記居室者の姿勢に応じた高さにおける温度情報で補正することにより体感温度を算出し、
前記制御手段は、
算出された体感温度が、設定温度に近づくように、前記空調機を制御する、
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の空気調和システム。 - 前記算出手段は、
前記室内機に設定された設定温度を、前記居室者の姿勢に応じた高さにおける温度情報で補正し、
前記制御手段は、
補正された設定温度に基づいて、前記空調機を制御する、
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の空気調和システム。 - 室内空間の空調を行う空調機を備える空気調和方法であって、
コンピュータが、前記室内空間の温度を、異なる高さでそれぞれ取得する温度取得工程と、
コンピュータが、前記室内空間内の居室者の姿勢に関連する情報に基づいて、前記居室者の姿勢に応じた高さを決定する高さ決定工程と、
コンピュータが、前記温度取得工程で取得された温度に基づいて、前記高さ決定工程で決定された高さにおける温度情報を算出する算出工程と、
コンピュータが、前記算出工程で算出された温度情報に基づいて、前記空調機を制御する制御工程と、
を含む空気調和方法。 - 室内空間の空調を行う空調機を制御するコンピュータを、
前記室内空間の温度を、異なる高さでそれぞれ取得する温度取得手段、
前記室内空間内の居室者の姿勢に関連する情報に基づいて、前記居室者の姿勢に応じた高さを決定する高さ決定手段、
前記温度取得手段で取得された温度に基づいて、前記高さ決定手段で決定された高さにおける温度情報を算出する算出手段、
前記算出手段で算出された温度情報に基づいて、前記空調機を制御する制御手段、
して機能させるプログラム。
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