JP2014126273A - 熱交換器および冷凍装置 - Google Patents

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Tomotsugu Inoue
智嗣 井上
Genei Kin
鉉永 金
Hirokazu Fujino
宏和 藤野
Toshimitsu Kamata
俊光 鎌田
Fumi Okuno
文 奥野
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Abstract

【課題】ヘッダの内部空間において上下に並んで配置された扁平多穴管の入口に向かう冷媒流れの偏流を抑制させることが可能な熱交換器および冷凍装置を提供する。
【解決手段】圧力損失付加板42は、第2円柱部材41内の第2上方小空間141を流入開口141x側の分流空間141aと扁平多穴管側空間141bに仕切っており、両空間を連通させる微小開口42bが形成されている。微小開口42bの面積の大きさは、分流空間141aに流入する冷媒の量が10〜90kg/hrの条件下で10kPa以上の圧力差を生じさせる大きさである。高さh(mm)である分流空間141aの断面積は、分流空間141aに流入する冷媒の量が10〜90kg/hrの条件下で、R410Aの場合は0.0016×h+0.44<体積流速Va<0.003×h+1.0を満たし、R32の場合は0.002×h+0.5<体積流速Vb<0.004×h+1.1を満たすように定められている。
【選択図】図9

Description

本発明は、熱交換器および冷凍装置に関する。
従来から、特許文献1(特開2010−243076号公報)に示すように、ヘッダに対して複数の扁平多穴管が連結するようにして構成された熱交換器が提案されている。
この熱交換器では、複数の扁平多穴管は、ヘッダに対して径方向から挿入されることで連結されており、複数の扁平多穴管の端部は、いずれもヘッダの内部空間の壁面よりも内側に位置している。
上述のように、特許文献1(特開2010−243076号公報)に記載の熱交換器では、ヘッダの内部空間は特に仕切等が設けられていないため、ヘッダの内部空間を冷媒が上方に向けて移動する際の水平断面積は大きい。このため、例えば、冷媒の循環量が減っている場合には、ヘッダの内部空間を上方に向けて移動する際の冷媒の通過速度を十分に高めることができないおそれがある。
また、ヘッダの内部空間の冷媒の通過速度を高めるだけでは、上下方向に並んで配置された複数の扁平多穴管に対する冷媒流れの偏流を十分に抑制できないおそれがある。
本発明は上記上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、ヘッダの内部空間において上下に並んで配置された扁平多穴管の入口に向かう冷媒流れの偏流を抑制させることが可能な熱交換器および冷凍装置を提供することにある。
第1観点に係る熱交換器は、圧縮機、放熱器および膨張機構と共に冷凍装置の冷媒回路を構成する熱交換器であって、ヘッダおよび複数の扁平多穴管を有している。ヘッダは、冷媒を取り込む流入開口が設けられており、鉛直方向に延びている。複数の扁平多穴管は、水平方向に延びており、異なる高さ位置でヘッダの内部空間に対して端部が連通するように設けられている。ヘッダは、圧力損失付加部材を有している。圧力損失付加部材は、ヘッダの内部空間を、流入開口が設けられている側の第1空間と扁平多穴管が接続されている側の第2空間とに仕切っている。圧力損失付加部材は、第1空間と第2空間とを連通させる開口が形成されている。開口の面積の大きさは、第1空間に流入する冷媒の量が10〜90kg/hrの条件下で用いられた場合に、圧力損失付加部材の上流側と下流側とで少なくとも10kPa以上の圧力差を生じさせる大きさである。ヘッダの第1空間における高さ毎の水平断面積から求まる平均水平断面積は、第1空間に流入する冷媒の量が10〜90kg/hrの条件下で用いられた場合において、第1空間内部の鉛直方向の高さをh(mm)とすると、循環させる冷媒がR410Aである場合には、流入開口を通過して第1空間を上方に向かう冷媒の体積流速Va(m/s)が、0.0016×h+0.44<体積流速Va<0.003×h+1.0の関係式を満たすように定められている。また、ヘッダの第1空間における高さ毎の水平断面積から求まる平均水平断面積は、第1空間に流入する冷媒の量が10〜90kg/hrの条件下で用いられた場合において、第1空間内部の鉛直方向の高さをh(mm)とすると、循環させる冷媒がR32である場合には、流入開口を通過して第1空間を上方に向かう冷媒の体積流速Vb(m/s)が、0.002×h+0.5<体積流速Vb<0.004×h+1.1の関係式を満たすように定められている。
なお、圧力損失付加部材の開口の面積の大きさは、さらなる圧力損失を付与させて偏流をさらに抑制させる観点からは、第1空間に流入する冷媒の量が10〜90kg/hrの条件下で用いられた場合に、圧力損失付加部材の上流側と下流側とで20kPa以上の圧力差を生じさせる大きさであってもよい。
この熱交換器では、ヘッダの内部空間は、圧力損失付加部材によって第1空間と第2空間に仕切られている。このため、流入開口を介して第1空間に流入した冷媒が上方に向かう際に通過する通過断面積を小さくすることができている。したがって、第1空間を上方に向かう冷媒の流速を上げることができている。さらに、ヘッダの第1空間における鉛直方向の冷媒の体積流速が所定の範囲内となるように、ヘッダの第1空間における平均水平断面積が定められている。これにより、ヘッダの第1空間内の冷媒を上方まで到達させやすくすることが可能になっている。
しかも、圧力損失付加部材に設けられている開口の大きさは、圧力損失付加部材の上流側と下流側とで少なくとも10kPa以上の圧力差を生じさせる大きさとなるように定められている。これにより、ヘッダの第1空間を流れる冷媒に対して、十分に圧力損失を付加することができるため、異なる高さ位置に設けられている複数の扁平多穴管に対する冷媒流れの偏流を十分に抑制することが可能になっている。
したがって、ヘッダの内部空間において上方に配置されている扁平多穴管に対して冷媒を十分に到達させることができると共に、冷媒流れの偏流を抑制させることが可能になっている。
第2観点に係る熱交換器は、第1観点に係る熱交換器であって、圧力損失付加部材の開口は、複数の微小開口によって構成されている。開口面積は、複数の微小開口の面積の合計値である。
この熱交換器では、圧力損失付加部材の開口が複数の微小開口に分かれて構成されている。このため、圧力損失付加部材によって圧力損失を受けた冷媒を、複数の微小開口を介した複数の流れに分流させることで、複数の微小開口同士の間の偏流を抑制することが可能になる。
第3観点に係る熱交換器は、第2観点に係る熱交換器であって、微小開口の数は、扁平多穴管の数の1/10以上、扁平多穴管の数以下である。
この熱交換器では、微小開口が扁平多穴管の数の1/10以上の多数設けられているため、複数の微小開口を通過する際に複数の微小開口同士の間の偏流が抑制された冷媒分布状態を維持させたままで、各扁平多穴管に冷媒を送ることが可能になる。また、微小開口が扁平多穴管の数以下となるように設けられているため、微小開口の1つ当たりの大きさが小さくなり過ぎないようにすることができ、設計誤差の影響を小さく抑えることができる。
第4観点に係る冷凍装置は、第1観点から第3観点のいずれかの熱交換器を有しており、実質的にR32からなる単一冷媒が内部を循環する冷媒回路を備えている。なお、実質的にR32からなる単一冷媒は、特に限定されないが、冷媒におけるR32の重量比率が90重量%以上であってよく、95重量%以上であってもよく、99重量%以上であってもよい。
この冷凍装置では、従来のR410A等の冷媒と比べて低い流速で循環される実質的にR32からなる単一冷媒を、冷媒回路を循環する冷媒として用いている。このため、従来よりも、冷媒循環量が低い状態とされることや冷媒の物性の違いに起因して、ヘッダの内部空間において扁平多穴管の入口に向かう冷媒流れの偏流が生じやすい。これに対して、この冷凍装置では、上記熱交換器を採用して上流側の空間で圧力損失を確保したことによって、冷媒を上方に到達させやすくして、冷媒流れの偏流を抑制することが可能になっている。
第1観点に係る熱交換器では、ヘッダの内部空間において上方に配置されている扁平多穴管に対して冷媒を十分に到達させることができると共に、冷媒流れの偏流を抑制させることが可能になっている。
第2観点に係る熱交換器では、複数の微小開口同士の間の偏流を抑制することが可能になる。
第3観点に係る熱交換器では、偏流が抑制されたままで扁平多穴管に冷媒を送ることができつつ、微小開口の設計誤差を小さく抑えることができる。
第4観点に係る冷凍装置では、冷媒流れの偏流を抑制することが可能になっている。
実施形態に係る熱交換器および冷凍装置における冷媒回路の概略構成図である。 実施形態に係る熱交換器の概略外観斜視図である。 冷媒回路に組み込まれた熱交換器の例を示す図である。 伝熱フィンの構成を示す部分拡大図である。 熱交換器の冷媒パスの例を示す図である。 圧力損失付加板の概略外観斜視図である。 第2ヘッダの第2上方小空間(143)近傍の正面視概略断面図である。 図5のC−C断面における第2ヘッダ近傍を示す上面視断面図である。 第2ヘッダの第2上方小空間(141)近傍の正面視概略断面図である。 図5のA−A断面における第2ヘッダ近傍を示す上面視断面図である。 第2ヘッダの第2上方小空間(142)近傍の正面視概略断面図である。 図5のB−B断面における第2ヘッダ近傍を示す上面視断面図である。 扁平多穴管1本当たりに流れる平均冷媒通過量と微小開口の直径との関係を示したグラフである。 分流空間の高さと、冷媒の偏流を抑制するために必要な分流空間の冷媒体積流速との関係を示したグラフである。 他の実施形態(6−1)に係る圧力損失付加板の概略外観斜視図である。 他の実施形態(6−2)に係る第2ヘッダの第2上方小空間近傍の正面視概略断面図である。 他の実施形態(6−3)に係る第2ヘッダの第2上方小空間近傍の正面視概略断面図である。 他の実施形態(6−4)に係る圧力損失付加板の概略外観斜視図である。 他の実施形態(6−4)に係る第2ヘッダの第2上方小空間近傍の正面視概略断面図である。 他の実施形態(6−5)に係る第2ヘッダの第2上方小空間近傍の正面視概略断面図である。 他の実施形態(6−9)に係る第2ヘッダの分解概略斜視図である。 他の実施形態(6−5)に係る第2ヘッダの分流空間(747)近傍の正面視概略断面図である。 他の実施形態(6−5)に係る第2ヘッダの分流空間(747)近傍の上面視断面図である。
以下、実施形態およびその変形例に係る熱交換器および冷凍装置について、図面に基づいて説明する。なお、以下の記載は、本発明を限定するものではない。
(1)冷凍装置1
図1に、本実施形態の熱交換器3を備えた冷凍装置1の冷媒回路構成図を示す。
冷凍装置1は、室外ユニット1aおよび室内ユニット1bを備えている。室外ユニット1aと室内ユニット1bは、液側連絡配管7およびガス側連絡配管8を介して互いに接続されている。冷凍装置1は、室外ユニット1a、室内ユニット1b、液側連絡配管7およびガス側連絡配管8が互いに接続されることで構成される冷媒回路10を有している。
冷媒回路10は、循環することで冷凍サイクルを行う作動冷媒が充填された閉回路である。なお、特に限定されないが、本実施形態では、作動冷媒としてR32からなる単一冷媒が用いられている。冷媒回路10は、圧縮機2、四路切換弁6、室内熱交換器としての熱交換器3、膨張弁4、分流器29、各細管57,58,59、室内熱交換器としての熱交換器5が互いに冷媒配管によって接続されて構成されている。四路切換弁6は、図1に示すように、圧縮機2の吐出側、圧縮機2の吸入側、室外熱交換器としての熱交換器3側、室内熱交換器としての熱交換器5側のそれぞれに接続される4つのポートを有している。
室外ユニット1aは、室外ファン3aと、上記冷媒回路10を構成している圧縮機2、四路切換弁6、膨張弁4、分流器29、各細管57,58,59および熱交換器3と、を収納している。室外ファン3aは、室外熱交換器としての熱交換器3に対して、室外空気を供給するための送風手段である。圧縮機2は、スクロール型またはロータリ型の全密閉型圧縮機である。膨張弁4は、いわゆる電子膨張弁である。分流器29は、膨張弁4を通過した冷媒が各細管57,58,59に分流させながら熱交換器3に送られるように、膨張弁4と熱交換器3との間に設けられている。室外熱交換器としての熱交換器3は、内部を通過する冷媒と室外空気との間で熱交換を行わせる。この室外熱交換器としての熱交換器3の詳細構成については、後述する。
室内ユニット1bは、室内ファン5aと、上記冷媒回路10を構成している室内熱交換器としての熱交換器5と、を収納している。室内ファン5aは、室内熱交換器としての熱交換器5に対して、室内空気を供給するための送風手段である。室内熱交換器としての熱交換器5は、内部を通過する冷媒と室内空気との間で熱交換を行わせる。室内熱交換器としての熱交換器5は、円管である伝熱管を備えたいわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器によって構成されている。
(2)全体の動作
冷凍装置1は、冷房運転時には、圧縮機2の吐出側と室外熱交換器としての熱交換器3側が接続され、圧縮機2の吸入側と室内熱交換器としての熱交換器5側が接続されるように、四路切換弁6の接続状態が切り換えられて、冷凍サイクルが行われる。冷媒回路10では、具体的には、圧縮機2から吐出された冷媒が、四路切換弁6を通って室外熱交換器としての熱交換器3へ流入し、冷媒の熱を室外空気に対して放熱する。室外熱交換器としての熱交換器3から流出した冷媒は、膨張弁4を通過する際に減圧されることで気液二相状態となり、室内熱交換器としての熱交換器5へ流入する。室内熱交換器としての熱交換器5では、冷媒は、室内空気から吸熱することで蒸発する。室内熱交換器としての熱交換器5から流出した冷媒は、四路切換弁6を通過して、圧縮機2に吸入され、再び圧縮されて吐出される。
冷凍装置1は、暖房運転時には、圧縮機2の吐出側と室内熱交換器としての熱交換器5側が接続され、圧縮機2の吸入側と室外熱交換器としての熱交換器3側が接続されるように、四路切換弁6の接続状態が切り換えられて、冷凍サイクルが行われる。冷媒回路10は、具体的には、圧縮機2から吐出された冷媒が、四路切換弁6を通って室内熱交換器としての熱交換器5へ流入し、冷媒の熱を室内空気に対して放熱する。室内熱交換器としての熱交換器5から流出した冷媒は、膨張弁4を通過する際に減圧されることで気液二相状態となり、室外熱交換器としての熱交換器3へ流入する。室外熱交換器としての熱交換器3では、冷媒は、室外空気から吸熱することで蒸発する。室外熱交換器としての熱交換器3から流出した冷媒は、四路切換弁6を通過して、圧縮機2へ吸入され、再び圧縮されて吐出される。
(3)熱交換器3の詳細構造
冷凍装置1の室外熱交換器としての熱交換器3の詳細構造を、図面を参照しながら説明する。
図2は、本実施形態に係る熱交換器3の概略外観斜視図である。図3は、冷凍装置1の冷媒回路10に組み込まれた熱交換器3の例を示す。図4に、設置状態における扁平多穴管11の長手方向から見た伝熱フィン12の拡大図を示す。
本実施形態に係る熱交換器3は、内部を作動冷媒が流れ、外部を空気が通過する、いわゆる空気熱交換器である。この熱交換器3は、積層型熱交換器である。
以下の説明において、冷媒の流れに関連する説明では、主として、冷凍装置1が暖房運転を行っている場合において室外熱交換器としての熱交換器3が冷媒の蒸発器として機能している場合を例に挙げて説明する。
室外熱交換器としての熱交換器3が冷媒の蒸発器として機能する場合には、図3に示すように、膨張弁4において減圧されて気液二相状態となった冷媒は、分流器29によって各細管57,58,59に分流されて、熱交換器3に送られる。なお、熱交換器3の内部を通過した冷媒は、冷媒配管71を介して四路切換弁6まで送られる。
熱交換器3は、図3に示されるように、主として、分流器29から延びる各細管57,58,59に接続された第1ヘッダ13と、もう1つのヘッダである第2ヘッダ14と、複数の扁平多穴管11と、複数の伝熱フィン12と、第2ヘッダ14を流れる冷媒を連絡する第1連絡配管54および第2連絡配管55を有している。
(3−1)扁平多穴管11
扁平多穴管11は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属素材を用いて、押し出し成形等により製造される。
扁平多穴管11は、伝熱面となる平面部と、冷媒が流れる複数の内部流路11a(図4参照)を有している。
平面部は、長尺かつ幅広であって、設置状態において内部流路11aの上方部分を構成し鉛直上方を法線方向とする面と、内部流路11aの下方部分を構成し鉛直下方を法線方向とする面と、を有している。平面部の幅寸法(空気流れ方向における上流側端部から下流側端部までの水平方向の長さ)は、約25mmである。各扁平多穴管11の一端は、後述する第1ヘッダ13に接続され、他端が後述する第2ヘッダ14に接続される。
各内部流路11aは、扁平多穴管11の長手方向の一端側から他端側に向けて貫通するように延びている。複数の内部流路11aは、扁平多穴管11の幅方向に所定の間隔を開けながら並んでいる。特に限定されないが、本実施形態では、図4では一部省略しているが、1本の扁平多穴管11には、24〜28個の内部流路11aが設けられている。また、本実施形態では、内部流路11aの流路断面形状は、鉛直方向の長さが0.5mmであって、水平方向の長さが0.5mmである方形となっている。
長手方向が鉛直方向となるように配置された第1ヘッダ13と第2ヘッダ14の間において、複数の扁平多穴管11は、上下方向に間隔を開けながら並んでいる。一の扁平多穴管11と他の扁平多穴管11との間に形成された空間は、室外ファン3aから供給される空気流れが扁平多穴管11の幅方向に通過する通風空間となる。このように配置された扁平多穴管11は、平面部のうちの上方の面が、1つ上に配置された扁平多穴管11の平面部のうちの下方の面に対面するように配置されている。
(3−2)伝熱フィン12
伝熱フィン12は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製のフィンである。伝熱フィン12は、板状部材であって、一方の面とその裏面が扁平多穴管11の内部流路11aが延びる方向を向くように配置されている。
伝熱フィン12は、設置状態における空気流れの風上方向側端部から風下方向の端部の手前まで水平方向に延びた切り欠き12aが、上下方向に所定の間隔で形成されている。この切り欠き12aは、扁平多穴管11の上下の平面部に沿った形状を有しており、挿入された扁平多穴管11の外周面と接触している。
なお、伝熱フィン12は、扁平多穴管11が挿入された状態において、扁平多穴管11の空気流れの風上側端部よりもさらに風上側に膨出した部分が形成されるように構成されている。
(3−3)第1ヘッダ13
第1ヘッダ13は、扁平多穴管11の長手方向の一端近傍を、内部空間が扁平多穴管11の内部流路11aと連通した状態で固定支持するように設けられている。
第1ヘッダ13は、図5に示すように、主として、第1円柱部材31と、第1上下仕切板13a〜13cとからなる。
(3−3−1)第1円柱部材31
第1円柱部材31は、軸方向が鉛直方向となるように延びた円柱形状の部材であって、第1ヘッダ13の外形を構成している。第1円柱部材31は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製である。
第1円柱部材31には、鉛直方向に所定の間隔を開けて複数の開口31aが設けられている。これらの開口31aに対して複数の扁平多穴管11の長手方向の一端近傍部分が挿入され、各扁平多穴管11の内部流路11aと第1円柱部材31の内部空間が連通した状態で、第1円柱部材31と複数の扁平多穴管11とがロウ付けによって互いに接合されている。
第1円柱部材31は、第1円柱部材31に対して連結された複数の扁平多穴管11のうち最も上方に位置している扁平多穴管11と同等の高さ位置において、四路切換弁6側に向かって延びた冷媒配管71が接続されている。
第1円柱部材31は、第1円柱部材31に対して連結された複数の扁平多穴管11のうち最も下方に位置している扁平多穴管11と同等の高さ位置において、分流器29側に向かって延びた細管59が接続されている。同様に、第1円柱部材31は、第1円柱部材31に対して連結された複数の扁平多穴管11のうち下から3段目に位置している扁平多穴管11と同等の高さ位置において分流器29側に向かって延びた細管58が接続されており、下から5段目に位置している扁平多穴管11と同等の高さ位置において分流器29側に向かって延びた細管57が接続されている。
なお、第1円柱部材31の鉛直上方端部と鉛直下方端部は、いずれも閉鎖されている。
(3−3−2)第1上下仕切板13a〜13c
第1上下仕切板13a〜13cは、図5に示すように、第1円柱部材31の内部空間を上下に並んだ4つの小空間に仕切るようにしてロウ付け固定された円盤状部材である。
第1上下仕切板13aは、第1円柱部材31の内部空間を、下から7段目の扁平多穴管11と下から6段目の扁平多穴管11の間の高さ位置で上下に仕切るように配置されている。同様に、第1上下仕切板13bは、第1円柱部材31の内部空間を下から5段目の扁平多穴管11と下から4段目の扁平多穴管11の間の高さ位置で上下に仕切るように配置され、第1上下仕切板13cは、第1円柱部材31の内部空間を下から3段目の扁平多穴管11と下から2段目の扁平多穴管11の間の高さ位置で上下に仕切るように配置されている。
これにより、第1円柱部材31の内部空間は、第1上下仕切板13aの上方である第1上方小空間131と、第1上下仕切板13aの下方であって第1上下仕切板13bの上方である第1下方小空間132と、第1上下仕切板13bの下方であって第1上下仕切板13cの上方である第1下方小空間133と、第1上下仕切板13cの下方である第1下方小空間134と、の4つの小空間に仕切られている。
第1上方小空間131は、上から1段目から23段目までの23の扁平多穴管11と冷媒配管71とを連通させる空間である。第1下方小空間132は、上から24段目および25段目の2つの扁平多穴管11と細管57とを連通させる空間である。第1下方小空間133は、上から26段目および27段目の2つの扁平多穴管11と細管58とを連通させる空間である。第1下方小空間134は、上から28段目および29段目の2つの扁平多穴管11と細管59とを連通させる空間である。
(3−4)第2ヘッダ14
第2ヘッダ14は、扁平多穴管11の長手方向における第1ヘッダ13側端部とは反対側の端部近傍を、内部空間が扁平多穴管11の内部流路11aと連通した状態で固定支持するように設けられている。
第2ヘッダ14は、図5〜図12に示すように、主として、第2円柱部材41と、第2上下仕切板14a〜14eと、圧力損失付加板42とからなる。
(3−4−1)第2円柱部材41
第2円柱部材41は、複数の扁平多穴管11の第1円柱部材31側とは反対側の端部近傍に接続された部材であり、軸方向が鉛直方向となるように延びた円柱形状の部材であって、第2ヘッダ14の外形を構成している。第2円柱部材41は、アルミニウム製またはアルミニウム合金製である。
第2円柱部材41には、鉛直方向に所定の間隔を開けて複数の開口41aが設けられている。これらの開口41aに対して複数の扁平多穴管11の長手方向の他端近傍部分(第1円柱部材31側とは反対側の端部近傍部分)が挿入され、各扁平多穴管11の内部流路11aと第2円柱部材41の内部空間が連通した状態で、第2円柱部材41と複数の扁平多穴管11とがロウ付けによって互いに接合されている。なお、第2円柱部材41の内部空間には、半径方向において半径の60%程度まで、第2円柱部材41の内周面から内側に向けて、扁平多穴管11の端部近傍が延び出している。
なお、第2円柱部材41の鉛直上方端部と鉛直下方端部は、いずれも閉鎖されている。
(3−4−2)第2上下仕切板14a〜14e
第2上下仕切板14a〜14eは、図5、図7、図9および図11に示すように、第2円柱部材41の内部空間を上下に並んだ6つの小空間に仕切るようにしてロウ付け固定された円盤状部材である。
第2上下仕切板14aは、第2円柱部材41の内部空間を、上から8段目の扁平多穴管11と上から9段目の扁平多穴管11の間の高さ位置で上下に仕切るように配置されている。第2上下仕切板14bは、第2円柱部材41の内部空間を、上から15段目の扁平多穴管11と上から16段目の扁平多穴管11の間の高さ位置で上下に仕切るように配置されている。第2上下仕切板14cは、第2円柱部材41の内部空間を、下から7段目の扁平多穴管11と下から6段目の扁平多穴管11の間の高さ位置(第1上下仕切板13aと同じ高さ位置)で上下に仕切るように配置されている。同様に、第2上下仕切板14dは、第2円柱部材41の内部空間を下から5段目の扁平多穴管11と下から4段目の扁平多穴管11の間の高さ位置(第1上下仕切板13bと同じ高さ位置)で上下に仕切るように配置され、第2上下仕切板14eは、第2円柱部材41の内部空間を下から3段目の扁平多穴管11と下から2段目の扁平多穴管11の間の高さ位置(第1上下仕切板13cと同じ高さ位置)で上下に仕切るように配置されている。
これにより、第2円柱部材41の内部空間は、第2上下仕切板14aの上方である第2上方小空間141と、第2上下仕切板14aの下方であって第2上下仕切板14bの上方である第2上方小空間142と、第2上下仕切板14bの下方であって第2上下仕切板14cの上方である第2上方小空間143と、第2上下仕切板14cの下方であって第2上下仕切板14dの上方である第2下方小空間144と、第2上下仕切板14dの下方であって第2上下仕切板14eの上方である第2下方小空間145と、第2上下仕切板14eの下方である第2下方小空間146と、の6つの小空間に仕切られている。
なお、本実施形態において、第2上方小空間141の内部の高さ、第2上方小空間142の内部の高さ、および、第2上方小空間143の内部の高さは、いずれも320mmとなるように構成されている。
第2円柱部材41の内部空間のうち、第2下方小空間146の上方空間と、第2上方小空間141の下方空間とは、第1連絡配管54を介して連通している。第2円柱部材41の内部空間のうち、第2下方小空間145の上方空間と、第2上方小空間142の下方空間とは、第2連絡配管55を介して連通している。なお、第2上下仕切板14cには、上下方向である板厚方向に貫通した流入開口141xが形成されている。この第2上下仕切板14cの連通孔は、第2上方小空間143と第2下方小空間144とを連通させている。
(3−4−3)圧力損失付加板42
圧力損失付加板42は、熱交換器3が冷媒の蒸発器として機能する運転状態において、第2円柱部材41の内部空間から扁平多穴管11の内部流路11aに向けて冷媒が流れて行く際に、冷媒体積流速を上げることによって上方まで冷媒を到達させやすくしつつ、冷媒に圧力損失を付加させることによって高さ位置の異なる扁平多穴管11同士における冷媒の偏流を抑制させるために、設けられている。
圧力損失付加板42は、図6の概略外観斜視図に示すように、第2円柱部材41の内径と同程度の幅寸法を有して鉛直方向に広がった板状部材であり、平面部42a、および、複数の微小開口42bを有している。この圧力損失付加板42についても、アルミニウム製またはアルミニウム合金によって構成されている。
平面部42aは、図8、図10および図12の上面視断面図に示すように、第2上方小空間143、第2上方小空間141、第2上方小空間142の内部において、鉛直方向で且つ空気流れ方向に広がる平面を構成している。平面部42aは、第2上方小空間143、第2上方小空間141、第2上方小空間142の内部において、第2円柱部材41の内周面のうち空気流れ方向の上流側の部分から、第2円柱部材41の内周面のうち空気流れ方向の下流側の部分に至るまで広がっている。
複数の微小開口42bは、圧力損失付加板42の板厚方向に開口しており、第2上方小空間143については分流空間143aと扁平多穴管側空間143bとを連通させており、第2上方小空間141については分流空間141aと扁平多穴管側空間141bとを連通させており、第2上方小空間142については分流空間142aと扁平多穴管側空間142bとを連通させている。複数の微小開口42bは、本実施形態では、扁平多穴管11の数に1対1に対応するように複数個設けられている。複数の微小開口42bは、複数の扁平多穴管11の高さ位置にそれぞれ対応するように設けられている。本実施形態では、微小開口42bは、配置位置は特に限定されるものではないが、本実施形態においては、圧力損失付加板42の上面視における中心近傍において、鉛直方向に所定の間隔で複数設けられている。なお、本実施形態では、微小開口42bは、分流空間141a、142a、143a側から扁平多穴管側空間141b、142b、143b側に向かう方向を軸方向とした円形状となっている。
図7の正面視概略断面図に示すように、圧力損失付加板42は、第2上方小空間143を、第2上下仕切板14cに形成された流入開口143xが面しており扁平多穴管11が位置することなく鉛直方向に貫通した空間である分流空間143aと、複数の扁平多穴管11が接続されている扁平多穴管側空間143bと、に仕切ることで第2上方小空間143を二分するように設けられている。第2上方小空間143において、圧力損失付加板42は、その外縁が、第2円柱部材41の内周面や第2上下仕切板14cの上面にロウ付けされることで固定されている。図8に、図5のC−C断面における第2ヘッダ14の第2円柱部材41の内部構造を示す。第2上方小空間143は、この圧力損失付加板42によって、分流空間143aと、複数の扁平多穴管側空間143bと、に仕切られている。分流空間143aは、第2上方小空間143の内部空間において扁平多穴管11が鉛直方向に存在していない空間である。この第2上方小空間143の下端近傍には、下端部分を仕切っている第2上下仕切板14cが位置している。この第2上下仕切板14cには、第2下方小空間144と第2上方小空間143とを鉛直方向に貫通させる流入開口143xが設けられているため、第2下方小空間144と分流空間143aを鉛直方向に連通させることができている。これにより、第2下方小空間144から、上方に位置している第2上方小空間143の分流空間143aに上昇した冷媒は、扁平多穴管11が存在していない分流空間143a内を鉛直上方に上昇していきながら、各微小開口42bの高さ位置毎に分流し、各微小開口42bを介して各扁平多穴管11の内部流路11aに分流されていくことになる。ここで、第2円柱部材41の内部を冷媒が鉛直方向に通過する場合の冷媒通過断面積は、圧力損失付加板42で分流空間143aが仕切られることによって、第2円柱部材41の内周面で囲われる円の面積よりも小さくなっているため、冷媒をより上方に到達させやすくすることができている。
図9の正面視概略断面図に示すように、第2上方小空間141に設けられた圧力損失付加板42についても、上記第2上方小空間143と同様であり、圧力損失付加板42は、第2上方小空間141にも設けられており、第1連絡配管54の端部の流入開口141xが面しており扁平多穴管11が位置することなく鉛直方向に貫通した空間である分流空間141aと、複数の扁平多穴管11が接続されている扁平多穴管側空間141bと、に仕切ることで第2上方小空間141を二分するように設けられている。第2上方小空間141において、圧力損失付加板42は、その外縁が、第2円柱部材41の内周面や第2上下仕切板14aの上面にロウ付けされることで固定されている。図10に、図5のA−A断面における第2ヘッダ14の第2円柱部材41の内部構造を示す。第2上方小空間141は、この圧力損失付加板42によって、分流空間141aと、複数の扁平多穴管側空間141bと、に仕切られている。分流空間141aは、第2上方小空間141の内部空間において扁平多穴管11が鉛直方向に存在していない空間である。この第2上方小空間141の下端近傍には、第1連絡配管54が接続されているため、この第1連絡配管54を介して、第2下方小空間146の冷媒が流入する。これにより、第2上方小空間141の分流空間141aに流入した冷媒は、扁平多穴管11が存在していない分流空間141a内を鉛直上方に上昇していきながら、各微小開口42bの高さ位置毎に分流され、各微小開口42bで分流された冷媒が各扁平多穴管11の内部流路11aを流れていくことになる。ここで、第2円柱部材41の内部を冷媒が鉛直方向に通過する場合の冷媒通過断面積は、圧力損失付加板42で分流空間141aが仕切られることによって、第2円柱部材41の内周面で囲われる円の面積よりも小さくなっているため、冷媒をより上方に到達させやすくすることができている。
図11の正面視概略断面図に示すように、第2上方小空間142に設けられた圧力損失付加板42についても、上記第2上方小空間141と同様であり、圧力損失付加板42は、第2上方小空間142にも設けられており、第2連絡配管55の端部の流入開口142xが面しており扁平多穴管11が位置することなく鉛直方向に貫通した空間である分流空間142aと、複数の扁平多穴管11が接続されている扁平多穴管側空間142bと、に仕切ることで第2上方小空間142を二分するように設けられている。第2上方小空間142において、圧力損失付加板42は、その外縁が、第2円柱部材41の内周面や第2上下仕切板14bの上面にロウ付けされることで固定されている。図12に、図5のB−B断面における第2ヘッダ14の第2円柱部材41の内部構造を示す。第2上方小空間142は、この圧力損失付加板42によって、分流空間142aと、複数の扁平多穴管側空間142bと、に仕切られている。分流空間142aは、第2上方小空間142の内部空間において扁平多穴管11が鉛直方向に存在していない空間である。この第2上方小空間142の下端近傍には、第2連絡配管55が接続されているため、この第2連絡配管55を介して、第2下方小空間145の冷媒が流入する。これにより、第2上方小空間142の分流空間142aに流入した冷媒は、扁平多穴管11が存在していない分流空間142a内を鉛直上方に上昇していきながら、各微小開口42bの高さ位置毎に分流され、各微小開口42bで分流された冷媒が各扁平多穴管11の内部流路11aを流れていくことになる。ここで、第2円柱部材41の内部を冷媒が鉛直方向に通過する場合の冷媒通過断面積は、圧力損失付加板42で分流空間142aが仕切られることによって、第2円柱部材41の内周面で囲われる円の面積よりも小さくなっているため、冷媒をより上方に到達させやすくすることができている。
なお、第2上方小空間141に設けられた圧力損失付加板42、第2上方小空間142に設けられた圧力損失付加板42、および、第2上方小空間143に設けられた圧力損失付加板42は、特に限定されないが、本実施形態においては、別部材である。
(3−5)微小開口42bの合計面積
まず、熱交換器3での偏流を抑制するためには、以下の条件を満たす必要があることを確認した。すなわち、熱交換器3が、3つの分流空間141a、142a、143aのうちの1つに流入する冷媒の量が10〜90kg/hrであるという条件下で用いた場合において、偏流を抑制するには、圧力損失付加板42の上流側と下流側とで10kPaの圧力差を生じさせることが必要であることを、サーモグラフによって実験的に確認した。
ここで、図13に、扁平多穴管1本当たりに流れる平均冷媒循環量と、偏流を望ましく抑制できる微小開口の直径との関係を示したグラフを示す。
以下に、本実施形態の圧力損失付加板42に形成された微小開口42bの合計面積(分流空間側から扁平多穴管側空間に冷媒が通過する際の通過方向を法線とする面積の合計)の決定方法を説明する。
ここで、冷媒の循環量(kg/hr)から、扁平多穴管11の1本当たりの冷媒通過量を求める。扁平多穴管11の1本当たりの冷媒通過量は、冷媒の循環量(kg/hr)を、分流されている扁平多穴管11の数で除することで算出される。具体的には、本実施形態では、循環している冷媒は、圧力損失付加板42が設けられている第2上方小空間141、第2上方小空間142および第2上方小空間143に接続されている全ての扁平多穴管11に分流されることになるため、冷媒の循環量(kg/hr)を23(本)除して、扁平多穴管11の1本当たりの冷媒通過量を求めることになる。このようにして求められる扁平多穴管11の1本当たりの冷媒通過量が、図13の横軸の「扁平多穴管1本当たりに流れる平均冷媒通過量(kg/hr)」に対応している。
そして、3つの分流空間141a、142a、143aのうちの1つに流入する冷媒の量(kg/hr)が10〜90(kg/hr)となるように冷凍装置1が運転されている状況で、圧力損失付加板42の上流側と下流側とで10kPaの圧力差を生じさせることができる合計面積を実験的に求めた。そのように求めた合計面積を、微小開口42bの個数(本実施形態では扁平多穴管11の本数と同数)で除して、微小開口42bの1つ当たりの面積を求めた。この微小開口42bの1つ当たりの面積から算出される微小開口42bの直径を、「微小開口の直径(mm)」として、図13の縦軸とした。そして、上述のようにして特定した「扁平多穴管1本当たりに流れる平均冷媒通過量(kg/hr)」の値と「微小開口の直径(mm)」の値との関係を基準としつつ、「扁平多穴管1本当たりに流れる平均冷媒通過量(kg/hr)」の値を基準から変化させた場合の「微小開口の直径(mm)」の変化を、オリフィスの式と補正係数を用いて、算出し、プロットした。すなわち、実験で得られた圧力損失値に合うようにオリフィスの式で得られた計算結果に補正係数を掛け、10kPa以上の圧力損失が得られる微小開口の最小の直径を算出した。
以上により、図13の横軸である「扁平多穴管1本当たりに流れる平均冷媒通過量(kg/hr)」をXとして、図13の縦軸である「微小開口の直径(mm)」をYとすると、圧力損失付加板42は、次の(式1)を満たした場合に、良好な圧力損失を付加することができ、好ましい。
Figure 2014126273
ここで、本実施形態では、圧力損失付加板42の各微小開口42bはいずれも円形状であるため、1つ当たりの微小開口42bの面積は(Y/2)2×πで求められることになる。なお、ここで微小開口の直径であるYの値の下限は、特に限定されるものではないが、例えば、冷媒と共に流れるコンタミによって目詰まりが生ずることが無い程度の大きさであることが好ましい。このコンタミには、例えば、圧縮機2における金属摩耗片や炭化した冷媒や冷凍機油等が含まれる。
(3−6)分流空間141a、142a、143aの水平断面の面積
図14に、分流空間の高さと、冷媒の偏流を抑制するために必要な分流空間の冷媒体積流速との関係を示したグラフを示す。
なお、図14のグラフにおける2本の点線は、冷媒の種類がR410Aの場合の各分流空間の高さに対応した望ましい流速の上限と下限を示している。また、図14のグラフにおける2本の実線は、冷媒の種類がR32の場合の各分流空間の高さに対応した望ましい流速の上限と下限を示している。
具体的には、循環させる冷媒がR410Aである場合には、分流空間141a等の冷媒通過量(kg/hr)が、10〜90(kg/hr)の範囲である場合に、流入開口141x等を通過して分流空間141a等を上方に向かう冷媒の体積流速Va(m/s)が、以下の関係式を満たすことになるように、分流空間141a等の水平断面の面積が定められている。
0.0016×h+0.44<体積流速Va<0.003×h+1.0
また、循環させる冷媒がR32である場合には、分流空間141a等の冷媒通過量(kg/hr)が、10〜90(kg/hr)の範囲である場合に、流入開口141x等を通過して分流空間141a等を上方に向かう冷媒の体積流速Vb(m/s)が、以下の関係式を満たすように、分流空間141a等の水平断面の面積が定められている。
0.002×h+0.5<体積流速Vb<0.004×h+1.1
なお、図14の実線および点線は、分流空間の高さが320mmである場合について実験的にサーモグラフィー画像により上下方向にわたって分流されていることが確認された状態での分流空間の冷媒体積流速(m/s)を基準として、分流空間の高さに対する運動エネルギーと位置エネルギーの関係に従って算出して得られたものである。
以下に、本実施形態の圧力損失付加板42が配置される位置の決定方法(すなわち、本実施形態では、第2上方小空間141における分流空間141aの水平断面の面積、第2上方小空間142における分流空間142aの水平断面の面積、および、第2上方小空間143における分流空間143aの水平断面の面積の決定方法)を説明する。
まず、冷媒回路10を循環している冷媒の循環量(kg/hr)を、分岐された数(第2上方小空間141、第2上方小空間142および第2上方小空間143の数(本実施形態では3つ))で除して、第2上方小空間141の分流空間141a、第2上方小空間142の分流空間142aおよび第2上方小空間143の分流空間143aのそれぞれの空間の冷媒通過量(kg/hr)を算出する。なお、ここでは、それぞれの冷媒通過量(kg/hr)が、10〜90(kg/hr)となるように運転状態が制御されていることが前提である。次に、それぞれの空間の冷媒通過量(kg/hr)を、各空間に流入する冷媒の平均密度によって除する。そして、この冷媒の平均密度によって除して得られる値をさらに分流空間141a等の水平断面の面積で除すると、図14のグラフの縦軸に相当する「分流空間における冷媒体積流速(m/s)」が求められることになる。ここで、分流空間141a等の水平断面の面積は、図14で示す冷媒の種類毎の望ましい流速の範囲が得られるように、規定される。すなわち、第2上方小空間141等における圧力損失付加板42は、図14が示す望ましい流速が得られる位置に配置されることになる。具体的には、本実施形態の第2上方小空間141等の内部の高さは320mmであるため、図14の横軸の「分流空間の高さ(mm)」が320mmである場合に、対応する望ましい流速の範囲内となるように、分流空間141a等の水平断面の面積が規定される。なお、冷媒の種類毎に望ましい流速が異なるため、本実施形態では、図14のうち実線で示されたR32の望ましい流速の範囲内となるように分流空間141a等の水平断面の面積が規定される。
なお、第2上方小空間141、第2上方小空間142および第2上方小空間143の各空間に流入する冷媒の平均密度(ρave)は、以下の式2によって求めることができる。
Figure 2014126273
ここで、ρGasは、ガス冷媒の密度であり、ρLiqは、液冷媒の密度である。
(4)熱交換器3における冷媒の流れ
以下、冷凍装置1の冷媒回路10が暖房運転を行うことで、室外熱交換器としての熱交換器3が冷媒の蒸発器として機能している場合の冷媒の流れを例に挙げて説明する。
図1および図3に示すように、圧縮機2によって吐出された高温高圧冷媒は、四路切換弁6を介して室内熱交換器としての熱交換器5に送られて放熱した後、膨張弁4に向けて流れる。膨張弁4では、冷媒は、減圧されて気液二相状態となり、分流器29を通過して各細管57,58,59に分流された冷媒は、その後、第1ヘッダ13の下3つの第1下方小空間132,133,134に送られる(図3および図5参照)。具体的には、細管57に分流された冷媒は、第1下方小空間132へと流れ込み、細管58に分流された冷媒は、第1下方小空間133へ流れ込み、細管59に分流された冷媒は、第1下方小空間134へと流れ込む。
第1下方小空間132に流れ込んだ冷媒は、扁平多穴管11の内部流路11aに吸い込まれて第2下方小空間144に流れ込む。第2下方小空間144に流れ込んだ冷媒は、その後、図6に示すように、第2上下仕切板14cに形成された流入開口141xを通って第2上方小空間143へと流れ込む。第2上方小空間143へと流れ込んだ冷媒は、その後、分流空間143a内を鉛直上方に上昇していきながら、各微小開口42bの高さ位置毎に分流し、各扁平多穴管11の内部流路11aを介して第1上方小空間131に流れ込む。
第1下方小空間133に流れ込んだ冷媒は、扁平多穴管11の内部流路11aに吸い込まれて第2下方小空間145に流れ込む。第2下方小空間145に流れ込んだ冷媒は、その後、第2連絡配管55を通って流入開口142xを通過して第2上方小空間142に流れ込む(図9参照)。第2上方小空間142に流れ込んだ冷媒は、その後、分流空間142a内を鉛直上方に上昇していきながら、各微小開口42bの高さ位置毎に分流し、各扁平多穴管11の内部流路11aを介して第1上方小空間131に流れ込む。
第1下方小空間134に流れ込んだ冷媒は、扁平多穴管11の内部流路11aに吸い込まれて第2下方小空間146に流れ込む。第2下方小空間146に流れ込んだ冷媒は、その後、第1連絡配管54を通って流入開口142xを通過して第2上方小空間141に流れ込む(図11参照)。第2上方小空間141に流れ込んだ冷媒は、第2上方小空間142に流れ込んだ冷媒と同様、分流空間141a内を鉛直上方に上昇していきながら、各微小開口42bの高さ位置毎に分流し、各扁平多穴管11の内部流路11aを介して第1上方小空間131に流れ込む。
熱交換を終えて第1上方小空間131で合流した冷媒は、蒸発を終えたガス冷媒となって冷媒配管71および四路切換弁6をこの順に通過して、圧縮機2に吸入される。
(5)本実施形態の特徴
本実施形態の冷凍装置1に採用された熱交換器3では、蒸発器として機能される場合の冷媒流れの上流側に位置するヘッダ(第2ヘッダ14)において、微小開口42bの合計面積が特定の面積となるように構成された圧力損失付加板42を採用することで、分流空間141a、142a、143aにおいて必要な圧力損失を冷媒に付加させることが可能になっている。
しかも、冷媒の種類および分流空間の高さに応じて定まる望ましい流速を得ることができるように、第2上方小空間141の分流空間141aの水平断面の面積、第2上方小空間142の分流空間142aの水平断面の面積、および、第2上方小空間143の分流空間143aの水平断面の面積(圧力損失付加板42の配置)が、定められている。これにより、熱交換器3において、冷媒の種類および分流空間の高さに応じた流速を実現させることが可能になっている。
以上により、分流空間141a、142a、143aを流れる冷媒を上方に到達させやすくしつつ、偏流を抑制することが可能になっている。
また、本実施形態の冷凍装置1の冷媒回路10では、作動冷媒としてR32の単一冷媒を用いている。このように、作動冷媒としてR32の単一冷媒を用いた場合には、従来のR410A冷媒を作動冷媒とした場合と比べ、冷媒循環量が少なくなりがち、すなわち、冷媒の流速が低くなりがちである。このように冷媒の流速が低くなってしまうと、鉛直方向に延びる第2円柱部材41の内部空間において上方においても冷媒を均一に届かせることがより一層困難になる。このように冷媒としてR32の単一冷媒が用いられている場合であっても、本実施形態の冷凍装置1では熱交換器3において圧力損失付加板42を採用したことにより、冷媒をより上方に届きやすくさせて、偏流を抑制することが可能になっている。
(6)他の実施形態
上記実施形態は、その要旨を逸脱しない範囲で、例えば、以下のように、適宜変更してもよい。
(6−1)
上記実施形態では、圧力損失付加板42が有する平面部42aには、凹凸形状が設けられていない場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、上記実施形態の圧力損失付加板42に換えて、図15の概略外観斜視図に示すような、圧力損失付加板242が用いられていてもよい。
この圧力損失付加板242は、上記実施形態の圧力損失付加板42と同様に平面部42aおよび複数の微小開口42cを有すると共に、さらに、鉛直方向に延びた複数の溝42cを有している。なお、この複数の溝42cは、圧力損失付加板242のうち分流空間141a、142a、143a側の面にのみ形成されていてもよい。
このように圧力損失付加板242には溝42cが形成されていることで、分流空間141a、142a、143aの冷媒を、表面張力によって上方に導きやすくすることが可能になっている。なお、他の特徴は、上記実施形態と同様である。
(6−2)
上記実施形態では、圧力損失付加板42が平板状の部材である場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、上記実施形態の圧力損失付加板42に換えて、図16の正面視概略断面図に示すように、波形の圧力損失付加板342が用いられていてもよい。
この波形の圧力損失付加板342は、水平方向に延びた折り目が複数の高さ位置に形成されており、分流空間141aの水平方向の面積を狭めるように斜め上方に広がった面と、分流空間141aの水平方向の面積を広げるように逆の斜め上方に広がった面と、が交互に設けられて構成された波形面342aを有している。
この波形の圧力損失付加板342の波形面342aのうち、分流空間141aの水平方向の面積を狭めるように斜め上方に広がった面には、各扁平多穴管11の高さ位置に対応するように微小開口342bが複数設けられている。他の構成は、上記実施形態と同様である。また、図16では、第2上方小空間141を例に挙げて説明したが、同様の構成を第2上方小空間142や第2上方小空間143において採用してもよい。
なお、圧力損失付加板342が波上に構成されている場合には、分流空間141aのうち水平方向の幅が絞られている部分の各面積の平均を平均水平断面積とすることができる。この波形の圧力損失付加板342は、微小開口342bを通過することで分流された冷媒を、その分流された状態を維持したままで、各扁平多穴管11に個別に送り込むことができる。このため、分流された後に再び冷媒が混合してしまうこと等に起因して生じる偏流を防ぐことができる。
この例であっても、上記実施形態と同様に、冷媒をより上方に到達させつつ偏流を抑制させることが可能であり、かつ、微小開口342bを通過した後の冷媒偏流についても抑制することができる。
(6−3)
上記実施形態では、圧力損失付加板42の扁平多穴管側空間141b、142b、143b側の面と、複数の扁平多穴管11の各端部と、が互いに接しておらず、離れて配置されている場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、上記実施形態の圧力損失付加板42に換えて、図17の正面視概略断面図に示すように、微小開口42bの周辺のうち扁平多穴管側空間141b側の部分に扁平多穴管11との被当接部442pが設けられた圧力損失付加板342が用いられていてもよい。
この圧力損失付加板342の被当接部442pでは、各扁平多穴管11の端部が当接し、圧力損失付加板342の各微小開口42bと各扁平多穴管11の内部流路11aとが接続されている。このため、圧力損失付加板342の微小開口42bによって分流された冷媒は、扁平多穴管側空間141bに漏れ出すことなく、各扁平多穴管11に送り込むことができる。したがって、圧力損失付加板342の微小開口42bを通過した冷媒の分流態様をそのまま維持しつつ、各扁平多穴管11に均等に冷媒を送ることが可能になる。
また、図17では、第2上方小空間141を例に挙げて説明したが、同様の構成を第2上方小空間142や第2上方小空間143において採用してもよい。
(6−4)
上記実施形態では、圧力損失付加板42に形成された微小開口42bが、扁平多穴管11の数に1対1に対応するように多く設けられた場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、上記実施形態の圧力損失付加板42に換えて、図18の概略外観斜視図に示すような、微小開口542bが形成された圧力損失付加板542を用いてもよい。図19に、圧力損失付加板542が第2上方小空間141において設けられた場合の正面視概略断面図を示す。
圧力損失付加板542は、上記実施形態と同様に、鉛直方向に広がった平面部42aを有しつつ、上記実施形態の微小開口42bよりも数が少なく、1つ当たりの開口面積が上記実施形態の微小開口42bよりも大きな微小開口542bを複数有している。この例では、微小開口542bの数が、扁平多穴管11の数の半数となっている。複数の微小開口542bは、2本の扁平多穴管11に対して1つの微小開口542bが対応するように高さ方向に並んで配置されている。
例えば、圧力損失付加板542に対して、扁平多穴管11の数に1対1に対応するだけの数の微小開口を設けると、扁平多穴管11の数が多い場合には、微小開口の合計面積を微小開口の個数で割った1つ当たりの微小開口の面積が小さくなってしまう。このように、1つ当たりの微小開口の面積が小さくなってしまうと、微小開口の大きさの設計誤差が大きくなる場合や、形成可能な最小の開口の大きさを下回ってしまう場合がある。
これに対して、(6−4)の例では、圧力損失付加板542によって付与される圧力損失を確保したままで、微小開口542bの数を少なくしつつ、1つ当たりの微小開口542bの大きさを大きくすることが可能になる。
また、図19では、第2上方小空間141を例に挙げて説明したが、同様の構成を第2上方小空間142や第2上方小空間143において採用してもよい。
なお、微小開口の数は、特に限定されないが、例えば、扁平多穴管の本数の1/10以上であることが好ましく、1/4以上であることがより好ましい。
(6−5)
上記他の実施形態(6−4)では、扁平多穴管11の数よりも少ない数の微小開口542bが形成された圧力損失付加板542を用いた例を説明した。
扁平多穴管11の数よりも少ない数の微小開口が形成された場合の例は、これに限定されず、例えば、図20に示すように、扁平多穴管11の数よりも少ない数の微小開口642bが形成された圧力損失付加板642を用いつつ、分離板614によって扁平多穴管側空間141bが上下に仕切られた構成としてもよい。
この圧力損失付加板642には、2本の扁平多穴管11に対して1つの微小開口642bが形成されている。そして、分離板614も、扁平多穴管11を2本ずつに分けるように、扁平多穴管側空間141bを上下に複数に仕切っている。これにより、圧力損失付加板642の微小開口642bによって分流された冷媒は、扁平多穴管側空間141bにおいて自重によって下方に移動する等することが抑制され、圧力損失付加板642の微小開口642bによって分流された状態を維持させたままで各扁平多穴管11に送られる。これにより、冷媒の偏流をより確実に抑制させることが可能になる。
また、図20では、第2上方小空間141を例に挙げて説明したが、同様の構成を第2上方小空間142や第2上方小空間143において採用してもよい。
(6−6)
上記実施形態では、第2ヘッダ14の第2上方小空間141等において、圧力損失付加板42の平面部42aが鉛直方向に広がるように配置される場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、圧力損失付加板の平面部は、第2ヘッダ14の第2上方小空間141等において、上方に向かうにつれて分流空間側の上昇通過断面積が小さくなるように、傾斜させて配置されていてもよい。この場合には、上方における冷媒の流速の低下を抑えることができ、偏流をより効果的に抑制できる。
なお、圧力損失付加板が傾斜して配置されている場合には、分流空間の体積を分流空間の高さで除することで、分流空間の平均水平断面積を特定することができる。
また、圧力損失付加板または圧力損失付加部材が傾斜して配置されていてもよいことは、上記他の実施形態(6−1)〜(6−5)においても同様である。
(6―7)
上記実施形態では、微小開口42bが、分流空間141a、142a、143a側から扁平多穴管側空間141b、142b、143b側に向かう方向を軸方向とした円形状である場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、軸方向が分流空間141a、142a、143a側から扁平多穴管側空間141b、142b、143b側に向かう方向である楕円柱状であってもよいし、方形であってもよい。
なお、このように微小開口の形状は特に限定されないが、微小開口の開口面積の合計値は、上記実施形態に示したように、圧力損失が確保される大きさにする必要がある。
(6―8)
上記実施形態では、扁平多穴管11の1本当たりの冷媒通過量を、冷媒の密度と分流空間の水平断面積で除することで、冷媒体積流速を特定する場合を例に挙げて説明した。
これに対して、分流空間内の冷媒体積流速の特定方法は、これに限られるものではない。例えば、分流空間内の冷媒体積流速を、センサ等によって検出した値から特定してもよい。その場合には、流入開口141x、142xの上方を鉛直上方に向けて流れている位置を検出位置とすることが望ましい。
(6−9)
上記実施形態では、円筒形状の第2円柱部材41の内部空間である第2上方小空間141、142、143を左右に仕切るように圧力損失付加板42が配置されている場合を例に挙げて説明した。
これに対して、熱交換器としては、例えば、上記実施形態の第2ヘッダ14のうちの第2上方小空間141、142、143に対応する部分が、図21の分解概略斜視図に示すような、第2部材741、分離板714、および、支持部材742によって構成されていてもよい。
図22に、他の実施形態(6−9)に係る熱交換器の第2ヘッダ14の分流空間747近傍の正面視概略断面図を示す。図23に、他の実施形態(6−9)に係る熱交換器の第2ヘッダ14の分流空間747近傍の上面視断面図を示す。
第2部材741は、軸方向が鉛直方向に伸びている円筒形状の筒状部分741aと、筒状部分741aの外側に対して繋がっている板状部分741bを有している。筒状部741aには、上記実施形態と同様に、第2上下仕切板14aの上方の分流空間747のうちの下端近傍に対して、外部から第1連絡配管54が連通するように接続されている。本他の実施形態においては、分流空間747は、水平方向には仕切られていない円筒形状の空間が上下方向に広がって構成されている。このため、分流空間747を流れる冷媒の圧力が高くなったり低くなったりした場合であっても、その冷媒の圧力を各径方向に対して均等に作用させることが可能であるため、信頼性を高めることができている。また、耐圧を確保するために必要な肉厚を薄くすることができ、材料コストを低減させることが可能になっている。なお、本他の実施形態(6−9)では、扁平多穴管11は筒状部分741aの内部まで挿入されることがなく、筒状部分741aの内径は、扁平多穴管11の前後方向の幅(扁平多穴管11の長手方向に垂直な断面形状における長手方向の幅)よりも短くなるように構成されている。板状部分741bは、筒状部分741aのうちの扁平多穴管11が接続される側の外側に繋がって、筒状部分741aと一体的に設けられており、板状形状を有している。この板状部分741bは、前後方向でかつ鉛直方向に広がるように設けられている。板状部分741bは、前後方向の中心近傍において筒状部分741aと繋がっており、この繋がっている部分において、上下方向に所定の間隔で設けられた複数の微小開口741cを有している。本他の実施形態においては、微小開口741cは扁平多穴管11の本数に1対1に対応するように設けられている。各微小開口741cは、板状部分741bを板厚方向に(左右方向に)貫通するように設けられており、筒状部分741a内部の分流空間747と筒状部分741a外部の空間(扁平多穴管側空間748)とを繋いでいる。
分離板714は、複数の微小開口741cおよび複数の扁平多穴管11に1対1に対応するように、上下方向に所定の間隔で並ぶようにして複数の管端部支持開口714aが設けられている。管端部支持開口714aは、分離板714の板厚方向に(左右方向に)貫通するように設けられている。管端部支持開口714aは、扁平多穴管11の端部の形状に概ね対応するように前後方向が長手方向となるように構成されている。管端部支持開口714aの上下方向の幅は、扁平多穴管11の上下方向の幅よりも大きくなるように構成されている。管端部支持開口714aの前後方向の幅は、扁平多穴管11の前後方向の幅よりもわずかに小さくなるように構成されている。具体的には、図23に示すように、管端部支持開口714aの前側端部は、扁平多穴管11の前側端部よりも後ろ側に位置しており、管端部支持開口714aの後側端部は、扁平多穴管11の後側端部よりも前側に位置している。そして、管端部支持開口714aの前側端部は、扁平多穴管11の最も前側の内部流路11aを塞がないように、最も前側の内部流路11aよりもさらに前側に位置しており、管端部支持開口714aの後側端部は、扁平多穴管11の最も後側の内部流路11aを塞がないように、最も後側の内部流路11aよりもさらに後側に位置している。このようにして、扁平多穴管側空間748は、第2部材741の板状部分741bの外側の面、扁平多穴管11の端部、および、分離板714の管端部支持開口714aの内周面によって囲われて構成されている。
支持部材742は、分離板714に対して第2部材741側とは反対側に設けられ、複数の扁平多穴管11を支持するための部材である。この支持部材742は、板状に広がった部分の前方および後方のそれぞれにおいて、第2部材741側に伸びた後、内側に折れ曲がるように形成された係止部分742cを有している。支持部材742は、この係止部分742cと板状に広がった部分との間に、第2部材741の板状部分742bと分離板714を収容する。第2部材741の板状部分742bの前後方向の各端部は、支持部材742の係止部分742cによって係止される。支持部材742の板状に広がった部分には、板厚方向に貫通しており、複数の扁平多穴管11に1対1に対応するように、鉛直方向に所定の間隔を開けて並んだ複数の連通開口742aが設けられている。各連通開口742aの形状および大きさは、扁平多穴管11の外縁形状および大きさに対応するように構成されている。各扁平多穴管11は、この支持部材742の各連通開口742aを通じて、端部が分離714に当接するまで挿入されている。また、支持部材742の板状に広がった部分には、各連通開口742aの間に所定の間隔で複数のロウ付け用開口742bが設けられている。複数のロウ付け用開口742bには、第2部材741と分離板714と支持部材742と複数の扁平多穴管11が組まれた状態で、ロウ材が流し込まれ、各構成物品をロウ付けする。
以上のように、本他の実施形態(6−9)に係る熱交換器であっても、上記実施形態と同様の効果を奏することができるとともに、第2部材741の信頼性を高めつつ耐圧確保のために必要な材料コストを低減することが可能になっている。しかも、筒状部分741aの内径を、扁平多穴管11の前後方向の幅よりも短くなるように構成されているため、扁平多穴管11の前後方向の幅が大きくなるように構成された場合であっても、筒状部分741aの内径が大きくなり過ぎることを避けることができ、筒状部分741aの内部を上方に向けて流れる冷媒の流速の低下を抑制し、冷媒が上方まで到達しやすくすることができている。
本発明は、扁平多穴管を有する熱交換器およびこの熱交換器を備えた冷凍装置において、特に有用である。
1 冷凍装置
2 圧縮機
3 熱交換器
4 膨張弁(膨張機構)
5 熱交換器(放熱器)
10 冷媒回路
11 扁平多穴管
11a 内部流路
13 第1ヘッダ
14 第2ヘッダ(ヘッダ)
41 第2円柱部材
42、242、342、442、542、642 圧力損失付加板(圧力損失付加部材)
42b、342b、542b、642b 微小開口(開口)
141、142、143 第2上方小空間(内部空間)
141a、142a、143a 分流空間(第1空間)
141b、142b、143b 扁平多穴管側空間(第2空間)
141x、142x、143x 流入開口
741 第2部材
747 分流空間(第1空間、内部空間)
748 扁平多穴管側空間(第2空間、内部空間)
741b 板状部分(圧力損失付加部材)
741c 微小開口(開口)
特開2010−243076号公報

Claims (4)

  1. 圧縮機(2)、放熱器(5)および膨張機構(4)と共に冷凍装置(1)の冷媒回路(10)を構成する熱交換器(3)であって、
    冷媒を取り込む流入開口(141x、142x、143x)が設けられており、鉛直方向に延びたヘッダ(14)と、
    水平方向に延びており、異なる高さ位置で前記ヘッダの内部空間(141、142、143、747、748)に対して端部が連通するように設けられた複数の扁平多穴管(11)と、
    を備え、
    前記ヘッダは、前記流入開口(141x、142x、143x)が設けられている側の第1空間(141a、142a、143a、747)と前記扁平多穴管が接続されている側の第2空間(141b、142b、143b、748)とに前記ヘッダの前記内部空間(141、142、143、747、748)を仕切り、前記第1空間と前記第2空間とを連通させる開口(42b、342b、542b、741c)が形成された圧力損失付加部材(42、242、342、442、542、741b)を有し、
    前記開口の面積の大きさは、前記第1空間に流入する冷媒の量が10〜90kg/hrの条件下で用いられた場合に、前記圧力損失付加部材の上流側と下流側とで少なくとも10kPa以上の圧力差を生じさせる大きさであり、
    前記ヘッダの前記第1空間(141a、142a、143a、747)における高さ毎の水平断面積から求まる平均水平断面積は、前記第1空間に流入する冷媒の量が10〜90kg/hrの条件下で用いられた場合において、前記第1空間内部の鉛直方向の高さをh(mm)とすると、
    循環させる冷媒がR410Aである場合には、前記流入開口を通過して前記第1空間を上方に向かう冷媒の体積流速Va(m/s)が、以下の関係式を満たすように定められており、
    0.0016×h+0.44<体積流速Va<0.003×h+1.0
    循環させる冷媒がR32である場合には、前記流入開口を通過して前記第1空間を上方に向かう冷媒の体積流速Vb(m/s)が、以下の関係式を満たすように定められている、
    0.002×h+0.5<体積流速Vb<0.004×h+1.1
    熱交換器(3)。
  2. 前記圧力損失付加部材の前記開口は、複数の微小開口によって構成されており、
    前記開口面積は、複数の前記微小開口の面積の合計値である、
    請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記微小開口の数は、前記扁平多穴管の数の1/10以上、前記扁平多穴管の数以下である、
    請求項2に記載の熱交換器。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の熱交換器を有し、実質的にR32からなる単一冷媒が内部を循環する前記冷媒回路を備えた冷凍装置。
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