JP2014126249A - ヒートシンク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】LED素子11が熱的に接続されるベース板21と、ベース板21に横並びに配置される複数のヒートパイプ22とを備えたヒートシンクであって、ベース板21は、複数のヒートパイプ22のうち、LED素子11との距離が近い中央側ヒートパイプ22Aを側方側ヒートパイプ22BよりもLED素子11からベース板21の厚み方向に離間させる肉厚部31を備えた。
【選択図】図3
Description
この種の熱密度が高い状況では、熱はベース板内を、発熱体を中心とした略同心円状に伝播する。このため、複数のヒートパイプのうち、発熱体に近いヒートパイプに多くの熱が入り、その後、ヒートパイプ同士の接触伝熱効果によって他のヒートパイプにも熱が伝わる。この場合、発熱体に近いヒートパイプの入熱部の熱流束が大きくなるため、ヒートパイプの蒸発熱伝達係数が小さくなり、その結果として発熱体の冷却効率が低下する問題があった。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態にかかるヒートシンク10の外観斜視図であり、図2は、ヒートシンク10の分解斜視図である。
ヒートシンク10は、例えば、LED(Light Emitting Diode)照明装置に用いられ、不図示の回路基板に搭載されるLED素子(発熱体)11と熱的に接続されて、当該LED素子11の冷却を行うものである。
また、ベース板21の他方の面(反対の面)21Bには、このベース板21の幅方向(図中X方向)に複数(本実施形態では4本)のヒートパイプ22の一端部220が横並びに配置されている。これらヒートパイプ22の他端部221には、放熱フィン(放熱部)23が接続されている。
本実施形態では、図2に示すように、横並びに配置された4本のヒートパイプ22のうち、ベース板21の幅方向において、LED素子11の近くに配置される中央の2本のヒートパイプを中央側ヒートパイプ(一のヒートパイプ)22Aとし、この中央側ヒートパイプ22Aの側方に配置される2本のヒートパイプを側方側ヒートパイプ(他のヒートパイプ)22Bと表記して区分けする。区分けの必要のない場合には、単にヒートパイプ22と表記する。
これらフィン板41には、それぞれ並列に形成された複数(本実施形態では4つ)の孔部42を備え、これら各孔部42にヒートパイプ22の他端部221が貫通されている。これにより、各フィン板41は、相互に隙間を設けつつヒートパイプ22の延出方向に並列に配置される。各フィン板41は、例えば、半田付けによって一体に固定され、隣接するフィン板41間の隙間を通じて空気が流通可能となっている。このため、放熱フィン23では、ヒートパイプ22に伝達された熱を放熱フィン23全体に拡散させることができ、この熱をフィン板41間の隙間を流れる空気と熱交換する。
本実施形態では、放熱部として空気と熱交換する放熱フィン23を例示したが、これに限るものではなく、例えば、水冷式の放熱部を採用しても良い。
具体的には、ベース板21の他方の面21Bと対向した場合に、肉厚部31は、LED素子11よりもベース板21の幅方向よりも大きく、かつ、LED素子11と重なる領域に設けられる。この肉厚部31は、中央側ヒートパイプ22AをLED素子11からベース板21の厚み方向に離間させる機能とともに、ベース板21に比べて小さなLED素子11から発せられた熱を拡散させる機能を有する。このため、肉厚部31にて熱が拡散されることにより、中央側ヒートパイプ22Aの一部に局所的に熱がかかることが防止され、いわゆるドライアウトを防止できる。
中央側ヒートパイプ22Aは、少なくとも、肉厚部31の平行面31Aに対向する対向面22A1が扁平に形成され、この対向面22A1と上記平行面31Aとの伝熱面積を確保している。同様に、側方側ヒートパイプ22Bは、少なくとも、肉厚部31の垂直面31Bに対向する第1対向面22B1、及び、ベース板21の他方の面21Bに対向する第2対向面22B2がそれぞれ扁平に形成されて、第1対向面22B1と垂直面31B、及び、第2対向面22B2と他方の面21Bとの伝熱面積を確保している。
なお、本実施形態では、ヒートパイプ22は、一端部220側が略矩形状に形成されているが、側方側ヒートパイプ22Bのように、第1対向面22B1、及び、第2対向面22B2が扁平に形成されているのであれば、他の面の形状は変更が可能であり、いわゆるDシェイプと呼ばれる形状のヒートパイプを用いても良い。
上述のように、ベース板21にLED素子11のような熱密度の高い素子を配置した構成では、熱はベース板21内をLED素子11を中心とした略同心円状に伝播する。本実施形態では、図4に示すように、ベース板21は、LED素子11に対応する位置に、このLED素子11との距離が近い中央側ヒートパイプ22Aを側方側ヒートパイプ22BよりもLED素子11からベース板21の厚み方向に離間させる肉厚部31を備えたため、中央側ヒートパイプ22A及び側方側ヒートパイプ22BのLED素子11からの距離が略均等化されることにより、中央側ヒートパイプ22Aへの熱負荷が減少する。
さらに、LED素子11から発せられた熱は、肉厚部31で拡散されることにより、各ヒートパイプ22に伝熱されるため、ヒートシンク10全体での熱抵抗を低減でき、LED素子11を効率良く冷却することができる。
次に、ヒートシンクの別の実施形態について説明する。この第2実施形態のヒートシンク100は、上記した第1実施形態のものとベース板の肉厚部の形状が異なる。このため、この第2実施形態では、構成の異なる点のみを説明し、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のベース板121は、ヒートパイプ22を略円弧状に配置すべく、略円弧状に形成された肉厚部131を備え、この肉厚部131の表面にヒートパイプ22が収容される溝部132が形成されている。
ヒートパイプ22(中央側ヒートパイプ22A及び側方側ヒートパイプ22B)は、それぞれ円筒形状に形成され、溝部132は、ヒートパイプ22の外形に合わせた円弧状となっている。
この実施形態によれば、上記のように、LED素子11と中央側ヒートパイプ22A及び側方側ヒートパイプ22Bとの距離をより均等にすることができ、冷却効率の向上を実現できる。
例えば、上記実施形態では、ベース板21、121に4本のヒートパイプ22を配置する構成としたが、少なくとも中央側ヒートパイプ22Aとして少なくとも1本配置すれば、ヒートパイプ22全体の本数は、3本や5本に適宜変更しても良い。さらに、ヒートパイプ22は、扁平形状としたが丸型としても良いことは勿論である。
また、上記実施形態では、肉厚部31を略矩形に形成し、1つの段差を設ける構成としたが、ヒートパイプ22の本数に合わせて、段数を適宜変更しても良い。
また、図示は省略したが、肉厚部をドーム状(略半球状)に形成し、このドーム状の表面形状に追従してヒートパイプ22を湾曲させても良い。
また、上記実施形態では、回路基板に配置されるLED素子11を発熱体とする構成としたが、これに限られるものではないことは勿論である。
11 LED素子(発熱体)
21、121 ベース板
21A 一方の面
21B 他方の面(反対の面)
22 ヒートパイプ
22A 中央側ヒートパイプ(一のヒートパイプ)
22A1 対向面
22B 側方側ヒートパイプ(他のヒートパイプ)
22B1 第1対向面
22B2 第2対向面
23 放熱フィン
31、131 肉厚部(突部)
31A 平行面
31B 垂直面
41 フィン板
42 孔部
132 溝部
220 一端部
221 他端部
Claims (6)
- 発熱体が熱的に接続されるベース板と、前記ベース板に横並びに配置される複数のヒートパイプとを備えたヒートシンクであって、
前記ベース板は、複数の前記ヒートパイプのうち、前記発熱体との距離が近い少なくとも一のヒートパイプを、他のヒートパイプよりも前記発熱体から当該ベース板の厚み方向に離間させる突部を備えたことを特徴とするヒートシンク。 - 前記突部は、前記ベース板の前記発熱体と反対面における当該発熱体に対応する位置を含む領域に設けられたことを特徴とする請求項1に記載のヒートシンク。
- 前記突部は、前記発熱体よりも前記ベース板の幅方向に大きく形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のヒートシンク。
- 前記突部は、略矩形状に形成され、該突部の前記ベース板と略平行な面に接触して前記一のヒートパイプが配置されるとともに、該突部の前記ベース板に略垂直な面に接触して前記他のヒートパイプが配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のヒートシンク。
- 前記突部は、略円弧状に形成され、該突部の表面に前記ヒートパイプが収容される溝部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のヒートシンク。
- 前記突部は、略半球状に形成され、前記ヒートパイプは、前記突部の形状に追従して湾曲していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のヒートシンク。
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