JP2014125879A - エンジンカバー - Google Patents

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龍治 高科
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Abstract

【課題】2重構造のエンジンカバーの重量を低減する。
【解決手段】エンジンカバー1は、第1カバー3と第2カバー5とが重ね合わされた2重構造を有し、第1カバー3がエンジン側に対向して該エンジンを覆っている。第1カバー3と第2カバー5との間には、空間部60が形成され、第1カバー3には、複数の貫通孔39が形成され、空間部60が貫通孔39を介して、外部と連通している。
【選択図】図5

Description

本発明は、エンジンを覆うエンジンカバーに関する。
特許文献1には、第1カバーと第2カバーとの2重構造のエンジンカバーが開示されている。このエンジンカバーでは、第1カバーの外面側(エンジン側と反対側)には第2カバーが取り付けられており、第1カバーの内面側(エンジン側)及び第1カバーと第2カバーとの間には吸音材が設けられており、これにより、エンジン音の吸音を可能としている。
特開2012−149556号公報
上記特許文献1のエンジンカバーのように、第1カバーと第2カバーとの2重構造のエンジンカバーは、エンジン音の吸音の観点では1重構造のエンジンカバーよりも有利であり、さらにエンジンカバーに吸音材を設けるとより効果的である。しかしながら、単純にエンジンカバーを2重構造にして、吸音材を設ける構成では重量が増大してしまう。特に、特許文献1では、吸音材を第1カバーと第2カバーとの間だけでなく、第1カバーのエンジン側にまで設けられているため、重量がより増大し、また、吸音材のコストも大きくなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、2重構造のエンジンカバーの重量を低減できるようにすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、第1カバーと第2カバーとの間の空間部が外部と連通するように、第1カバーに複数の貫通孔を設けたことを特徴とする。
具体的には、本発明は、第1カバーと第2カバーとが重ね合わされた2重構造を有し、第1カバーがエンジン側に対向して該エンジンを覆うエンジンカバーを対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、前記第1カバーと前記第2カバーとの間には、空間部が形成され、前記第1カバーには、複数の貫通孔が形成され、前記空間部が前記貫通孔を介して、外部と連通していることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記第1カバー及び前記第2カバーは、樹脂材料からなり、前記第1カバー及び前記第2カバーの一方又は両方は、樹脂材料が発泡されて形成された発泡部を有することを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明において、前記発泡部は、前記第1カバーにおける前記第2カバーに覆われていない部分に形成されていることを特徴とする。
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれか1つにおいて、前記第1カバー及び前記第2カバーの一方又は両方には、格子状のリブが前記空間部側に向かって突設されていることを特徴とする。
第5の発明は、第1〜第4の発明のいずれか1つにおいて、前記第1カバーには、格子状のリブが前記エンジン側に向かって突設されていることを特徴とする。
第6の発明は、第1〜第5の発明のいずれか1つにおいて、前記空間部に、吸音材が設けられていることを特徴とする。
第1の発明によれば、貫通孔が、第1カバーと第2カバーとの間の空間部が外部と連通するように形成されているため、軽量化できると共にエンジン音に対する吸音効果を得ることができる。具体的に、エンジン音の音波がこの貫通孔を通る際に孔内の空気が空間部内の空気をスプリングとして孔内で振動して空気自身の粘性及び周囲との摩擦によって、振動エネルギーの一部が熱エネルギーに変換されて吸音効果が得られる。その結果、エンジン音を吸音することができる。このため、吸音材を設ける必要がないので、重量を低減でき、さらにコストも低減できる。また、上記のように第1カバーには複数の貫通孔が形成されているため、重量をさらに低減することができる。
第2の発明によれば、第1カバー及び第2カバーの一方又は両方は、樹脂密度が小さい発泡部を有しているため、エンジンカバーを軽量化できる。
さらに、発泡部は、上記の通り樹脂密度が小さく、多数の空隙を有するため、エンジン音の音波が発泡部内の空気を振動して、その空気と樹脂材料との摩擦等が生じ、その結果、上記と同様にエンジン音を吸音することができる。
第3の発明によれば、樹脂密度が小さい発泡部の形成により、エンジンカバーを軽量化することができる。さらに、空間部が形成されていない領域における第1カバーが発泡部であるため、空間部による吸音効果を得ることができない領域であっても、その代わりに発泡部による吸音効果を得ることができる。
第4の発明によれば、空間部に格子状のリブによって区切られた複数の小室が形成されるため、エンジン音が貫通孔を通る際に、それらの小室内における音波の振動による共鳴効果が生じて、小室の広さに従って所望の周波数の音を吸音することができる。
第5の発明によれば、エンジン側に、格子状のリブによって区切られた複数の小室が形成されるため、上記と同様に、それらの小室内における共鳴効果によって所望の周波数の音を吸音することができる。
第6の発明によれば、貫通孔を通って空間部に進入したエンジン音を吸音材によって吸音できるため、吸音効果をさらに向上することができる。この発明では、重量が上記の発明よりも大きくなるが、第1のカバーと第2のカバーとの間に吸音材を設けており、第1カバーに複数の貫通孔を設けているため、特許文献1よりも重量は低減できる。
エンジンカバーを示す斜視図である。 エンジンカバーを示す分解斜視図である (a)は図2のC−C線における斜視断面図であり、(b)はD−D線における斜視断面図である。 図2の領域Eにおける拡大平面図である。 (a)及び(b)は第1の実施形態のエンジンカバーを示し、(a)は図1のA−A線における断面図(図2のA’−A’線に相当する断面図)であり、(b)は図1のB−B線における断面図(図2のB’−B’線に相当する断面図)である。 第2の実施形態のエンジンカバーの一部を示す、第1の実施形態の図4に相当する拡大平面図である。 (a)及び(b)は第2の実施形態のエンジンカバーを示し、(a)は図1のA−A線における断面図であり、(b)は図1のB−B線における断面図である。 (a)及び(b)は第2の実施形態の一変形例のエンジンカバーを示し、(a)は第1カバーを示す斜視図であり、(b)は第2カバーを示す斜視図である。 (a)及び(b)は第2の実施形態の一変形例のエンジンカバーを示し、(a)は図7(a)と同等の位置における断面図であり、(b)は図7(b)と同等の位置における断面図である。 第3の実施形態に係る第1カバーの凹部の1つを示す平面図である。 (a)及び(b)は第3の実施形態のエンジンカバーを示し、(a)は図1のA−A線における断面図であり、(b)は図1のB−B線における断面図である。 (a)及び(b)は第3の実施形態の一変形例のエンジンカバーを示し、(a)は図11(a)と同等の位置における断面図であり、(b)は図11(b)の同等の位置における断面図である。 (a)及び(b)は第4の実施形態のエンジンカバーを示し、(a)は図1のA−A線における断面図であり、(b)は図1のB−B線における断面図である。 (a)及び(b)は第5の実施形態のエンジンカバーを示し、(a)は図1のA−A線における断面図であり、(b)は図1のB−B線における断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態に係るエンジンカバー1を示す。エンジンカバー1は、樹脂製の矩形第1カバー3と、該第1カバー3よりも一回り小さい矩形第2カバー5とが重ね合わされた2重構造であり、エンジンへの装着時には、第1カバー3がエンジン側と対向して該エンジンを覆う。
第1カバー3の中央部には、エンジン側に窪んだ窪み部31が形成されており、その窪み部31には、複数の矩形凹部33が行列状に形成されており、凹部33同士の間には、凹部33の行方向及び列方向に沿って延びる縁部31rが形成されている(図2及び図3(a)参照)。図2では、凹部33は、8行3列で構成されているが、これに限られず、任意の数を設けることができる。また、凹部33の大きさも任意に変更が可能である。また、窪み部31の周縁部及び縁部31rの所定の位置に、第2カバー5を第1カバー3に取り付けるための複数の取付孔35が形成されている。図2及び図3(a)では、図面の簡略化のために省略しているが、凹部33の内側にはリブ37及び開口形状が円形の貫通孔39が形成されている(図4及び図5参照)。なお、貫通孔39の開口形状は円形に限らず、楕円形、四角形又は四角形以外の多角形等の任意の形状であってもよい。また、図4では、リブ37間の底部の一部に貫通孔39が形成されているが、その底部の全体に貫通孔39が形成されていてもよい。
ここで、凹部33の内側の構造について図4を参照しながら説明する。図4は、図2の領域Eを拡大した平面図である。図4に示すように、凹部33の内側には、格子状のリブ37が第2カバー5側に向かって突設されている。この格子状のリブ37によって、凹部33内が複数の小室41に区画されており、これら小室41の底部には、その底部を厚さ方向に貫通する貫通孔39が形成されている。このような凹部33と貫通孔39を形成することにより、エンジンカバー1の軽量化が可能となる。なお、格子状のリブ37により区画される小室41の平面形状は、四角形に限らない。四角形以外の多角形であってもよいし、その他に円形状又は楕円形状等の任意の形状であっても構わない。
一方、第2カバー5は、第1カバー3の窪み部31に対応するサイズであり、第2カバー5の中央部には裏面側に向かって突出するように環状の凹部53が設けられている。また、第2カバー5の外周部及び凹部53における裏面側の取付孔35に対応する位置に取付用ボス(段付ボス)51が設けられている(図3(b)参照)。第2カバー5を第1カバー3の窪み部31に被せ、取付用ボス51を取付孔35に挿入して、例えば取付用ボス51の先端部を第1カバー3に溶着することにより、第1カバー3に第2カバー5が取り付けられる(図5(a)及び(b)参照)。なお、第1カバー3への第2カバー5の固定方法は、上記方法に限らず、タッピングによる締結構造であってもよい。
また、図5(a)及び(b)に示すように、第2カバー5は、その周縁部及び取付用ボス51を除いて、第1カバー3とは接しておらず、第1カバー3と第2カバー5との間には、空間部60が形成されている。この空間部60は、貫通孔39を介してエンジンカバー1の外部と連通している。
第1カバー3及び第2カバー5は、上述の通り樹脂からなり、例えば射出成形により形成することが可能である。また、エンジンカバー1をより軽量化するために、それらの一部又は全部の樹脂を発泡させて発泡部43を形成することが好ましい。本実施形態では、第1カバー3の周縁部に発泡部43を形成している。発泡部43は、発泡層43aとスキン層43bとからなる。発泡部43の形成方法としては、所謂コアバック法(Moving Cavity法)を用いることができる。すなわち、固定型と可動型とからなる成形型を型閉じしてキャビティに第1カバー3の材料となる熱可塑性樹脂を充填し、該熱可塑性樹脂の型成形面近傍にスキン層43bが生成され始めた時点で、上記可動型を型開き方向に僅かに後退させてキャビティ容積を拡大させることで上記熱可塑性樹脂を発泡させ、これにより、樹脂密度が高いソリッド層からなるスキン層43bの内部に該スキン層43bに比べて樹脂密度が低い発泡層43aを一体に成形することができる。
本実施形態では、第1カバー3において、薄肉の底部を有する凹部33が形成された窪み部31には発泡部43を形成せず、第1カバー3の周縁部のみに発泡部43を形成している。但し、エンジンカバー1をより軽量化するために、第2カバー5に発泡部43を形成してもよい。
また、本実施形態のエンジンカバー1では、上述の通り、第1カバー3と第2カバー5との間に空間部60が設けられ、その空間部60は、貫通孔39を介してエンジンカバー1の外部と連通している。このため、エンジン音の音波が貫通孔39を通って空間部60に取り込まれることとなる。このとき、エンジン音の音波がこの貫通孔39を通ることにより、貫通孔39内の空気が空間部60内の空気をスプリングとして貫通孔39内で振動し、空気自身の粘性及び周囲との摩擦によって、振動エネルギーの一部が熱エネルギーに変換されて吸音効果が得られる。さらに、空間部60において、格子状のリブ37により区切られた小室41が形成されており、音波が貫通孔39を通ると、小室41内における共鳴効果が生じて、小室41の大きさに従った所定の周波数の吸音が可能となる。
なお、標的とする周波数を調整するために、小室41の大きさを自由に調整して構わない。すなわち、リブ37を設ける間隔を自由に調整して構わない。また、格子状のリブ37の形状を変更して、小室41の形状も任意に変更できる。また、吸音効果を向上するために、リブ37の高さを上げてもよく、第2カバー5と接するように構成して小室41を密閉空間としても構わない。また、反対に、第2カバー5から第1カバー3に向かって格子状のリブを突設させても構わない。以上のようにして、小室41の大きさを任意に変えることによって、任意の周波数の吸音が可能となる。また、小室41の大きさ及び形状を複数種設けることにより、複数種の周波数の吸音を可能とする。また、貫通孔39の大きさ形状も、同様に自由に変更でき、複数種の貫通孔39を設けても構わない。さらに、凹部33の大きさ、形状及び深さ等も任意に変更でき、これによっても吸音する周波数を任意に調整できる。
本実施形態では、第1カバー3の周縁部には空間部60及び貫通孔39が設けられていないため、その周縁部では空間部60及び貫通孔39に起因する効果が生じない。しかし、発泡部43が設けられており、発泡部43は、樹脂密度が小さく、多数の空隙を有するため、その空気の振動等によって吸音することができる。その結果、第1カバー3の全体で吸音効果が生じる。また、上記のように第1カバー3の周縁部を発泡させることによって、軽量化を図ることもできる。
以上の通り、本実施形態では、吸音材を設けずとも、吸音効果を得ることができるため、エンジンカバーの軽量化を可能とし、さらに、コストの低減も可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図6及び図7に基づいて説明する。なお、図6は第1の実施形態の図4に相当する図であり、図7(a)及び(b)は第1の実施形態の図5(a)及び(b)に相当する図である。ここでは、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付けて説明を省略し、異なる部分について説明する。
第2の実施形態では、第1カバー3の窪み部31に凹部33が形成されておらず、第1カバー3の全体に亘って発泡部43が形成されていることが第1の実施形態と異なる。
具体的に、図6並びに図7(a)及び(b)に示すように、第1カバー3と第2カバー5との間に空間部60が形成され、第1カバー3に空間部60とエンジンカバー1の外部とを連通する貫通孔39は形成されているものの、凹部33及び格子状のリブ37は形成されていない。また、第1カバー3には、その全体に亘って発泡部43が形成されている。本実施形態では、第1カバー3に凹部33が形成されておらず、第1カバー3の全体を同一の厚さに形成できるため、容易に第1カバー3の全体に発泡部43を形成することができる。このようにすることで、エンジンカバー1をより軽量化することができる。
また、本実施形態では、第1カバー3に凹部33及び格子状のリブ37が形成されていないため、小室41が形成されていないが、上述の貫通孔39及び空間部60による吸音効果、及び発泡部43による吸音効果が生じ得る。
(第2の実施形態の一変形例)
第2の実施形態の一変形例として、第2の実施形態の第1カバー3の窪み部31に、第2カバー5側に突出する突出部45が設けられていてもよい。
具体的に、図8(a)及び(b)並びに図9(a)及び(b)に示すように、本変形例のエンジンカバー1では、第1カバー3の窪み部31の中央部に、第2カバー5側に突出する矩形突出部45が設けられている。言い換えると、本変形例の第1カバー3では、中央部に形成された突出部45を囲うように、環状の矩形窪み部31が形成されている。一方、本変形例の第2カバー5は、その中央部に、第1カバー3の上記突出部45に対応するように、開口された矩形環状開口部59が構成されている。なお、図8(a)では、図面の簡略化のために貫通孔39を省略している。
本変形例において、第1カバー3には、突出部45も含めて全体に発泡部43が形成されている。このようにすると、エンジンカバー1を軽量化できると共に、第1カバー3の周縁部と同様に発泡部43による吸音効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付けて説明を省略し、異なる部分について説明する。
第3の実施形態では、第1の実施形態の凹部33が形成された領域に、凹部33でなく孔部34が形成されている。さらに、空間部60に吸音材70が設けられていることが第1の実施形態と異なる。
具体的に、図10並びに図11(a)及び(b)に示すように、第1カバー3の窪み部31に縁部31rが形成されており、該縁部31r同士の間にそれぞれ孔部34が形成され、その孔部34には格子状のリブ37が設けられている。この格子状のリブ37によって、孔部34内が複数の小室41に区切られている。第1の実施形態では、凹部33における小室41の底部の一部に貫通孔39が設けられていたが、本実施形態では、小室41の底部の全体に孔部34及びリブ37により構成された貫通孔40が設けられているため、吸音材70が設けられているものの軽量化が可能となる。
本実施形態では、空間部60に不織布からなる吸音材70が設けられている。吸音材70は、空間部60の全体に設けられており、第2カバー5の取付用ボス51と第1カバー3との間に挟み込まれて固定されている。このように、吸音材70の厚みを確保しながら複数箇所挟むだけで空間部60に簡単に組み込むことができるので、貫通孔40から空間部60に進入する音波をより効率よく吸音することができる。
本実施形態では、吸音材70に不織布を用いたが、吸音効果を生じ得る材料であれば、これに限られず、例えばポリウレタン及びポリプロピレン等の発泡体又はグラスウール等を用いることができる。
なお、第3の実施形態においても、第2の実施形態の一変形例と同様に、第1カバー3の中央部に、第2カバー5側に突出する突出部45を設けてもよい(図12(a)及び(b)を参照。)。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付けて説明を省略し、異なる部分について説明する。
第4の実施形態では、図13に示すように、第1カバー3の凹部33には、空間部60側に突出する格子状のリブ37だけでなく、そのリブ37が形成された位置に対応して、リブ37と反対側、すなわちエンジン側に突出する格子状の第2リブ38が形成されていることが第1の実施形態と異なる。
本実施形態によると、エンジン側に突出する格子状の第2リブ38が設けられているため、第1カバー3のエンジン側にも複数の第2小室42が形成される。その結果、このエンジン側の第2小室42においても吸音することができて、その結果、吸音効果を向上することができる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。ここでは、第2の実施形態と同一の構成については同一の符号を付けて説明を省略し、異なる部分について説明する。
第5の実施形態は、図14に示すように、第1カバー3に凹部33が形成されておらず、第1カバー3の全体に発泡部43が形成されている点では第2の実施形態と同様である。本実施形態では、第2の実施形態と異なり、第1カバー3においてエンジン側に突出するリブ48が形成されている。このリブ48は、第1カバー3における貫通孔39が設けられていない位置に形成されて格子状である。
このようにすると、第4の実施形態と同様に、第1カバー3のエンジン側にリブ48により区画された複数の小室49が形成される。その結果、このエンジン側の小室49においても吸音することができて、その結果、吸音効果を向上することができる。
以上の実施形態において、第2カバー5には、発泡部43を形成していないが、その重量を低減するために、発泡部43が形成されていてもよい。その結果、エンジンカバー1の重量をさらに低減することが可能となる。
また、本実施形態においても、第1の実施形態の格子状リブ37のような空間部60側に突出する格子状リブを設けてもよい。
また、第3の実施形態及びその一変形例では吸音材70を空間部60に設けたが、他の実施形態においても、重量が増大しない程度に吸音材70を適用することができる。
また、以上の実施形態において、エンジンカバー1は加飾されていてもよい。意匠性を向上するためにエンジンカバー1の全体でなく、部分的に加飾する場合、例えば、塗装する場合、1重構造のエンジンカバーではマスキングして部分的に塗装を行う必要があり、工程が煩雑となる。これに対して、本実施形態のエンジンカバー1は2重構造であるため、第1カバー3と第2カバー5との一方の表面に、マスキング工程を設けることなく塗装を施すことで、1重構造のエンジンカバーよりも容易に部分的な加飾を行うことができる。部分金属めっき処理をする場合においても同様で、めっき処理にかかる費用を低減することができる。また、めっき処理をすることによって遮音効果を得ることもできる。
また、第1、第3及び第4の実施形態では、第1カバー3に形成された発泡部43は、第2カバー5と重なる部分にまで形成されていてもよい。
本発明は、エンジンを覆うエンジンカバーに有用である。
1 エンジンカバー
3 第1カバー
5 第2カバー
31 窪み部
31r 縁部
33 (第1カバーの)凹部
34 孔部
35 取付孔
37 リブ
38 第2リブ
39 貫通孔
40 貫通孔
41 小室
42 第2小室
43 発泡部
43a 発泡層
43b スキン層
45 突出部
48 (エンジン側)リブ
49 (エンジン側)小室
51 取付用ボス
53 (第2カバーの)凹部
59 開口部
60 空間部
70 吸音材

Claims (6)

  1. 第1カバー(3)と第2カバー(5)とが重ね合わされた2重構造を有し、前記第1カバー(3)がエンジン側に対向して該エンジンを覆うエンジンカバーであって、
    前記第1カバー(3)と前記第2カバー(5)との間には、空間部(60)が形成され、
    前記第1カバー(3)には、複数の貫通孔(39)が形成され、前記空間部(60)が前記貫通孔(39)を介して、外部と連通していることを特徴とするエンジンカバー。
  2. 前記第1カバー(3)及び前記第2カバー(5)は、樹脂材料からなり、
    前記第1カバー(3)及び前記第2カバー(5)の一方又は両方は、樹脂材料が発泡されて形成された発泡部(43)を有することを特徴とする請求項1に記載のエンジンカバー。
  3. 前記発泡部(43)は、前記第1カバー(3)における前記第2カバー(5)に覆われていない部分に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のエンジンカバー。
  4. 前記第1カバー(3)及び前記第2カバー(5)の一方又は両方には、格子状のリブ(37)が前記空間部(60)側に向かって突設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンカバー。
  5. 前記第1カバー(3)には、格子状のリブ(38,48)が前記エンジン側に向かって突設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジンカバー。
  6. 前記空間部(60)に、吸音材(70)が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエンジンカバー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016061182A (ja) * 2014-09-16 2016-04-25 株式会社Roki エンジンカバー
KR102299692B1 (ko) * 2020-03-24 2021-09-07 현대중공업 주식회사 엔진 캠 커버

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