JP2014125611A - キャッサバ由来のでんぷんを含有する生分解性プラスチック組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた生分解性を有し、環境に配慮したプラスチックを提供すること。
【解決手段】原材料として、キャッサバ由来のでんぷんと、ポリカプロラクトン及び/又はポリヒドロキシ酪酸とを含む、生分解性プラスチック組成物。
【選択図】なし
【解決手段】原材料として、キャッサバ由来のでんぷんと、ポリカプロラクトン及び/又はポリヒドロキシ酪酸とを含む、生分解性プラスチック組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、生分解性プラスチック組成物に関し、詳細には、キャッサバ由来のでんぷんを用いて製造された生分解性プラスチック組成物に関する。
従来から、大量のプラスチック製品が製造されているが、そのために大量の化石燃料(石油)が消費され、石油の価格が高騰する一因になっている。
また、プラスチック製品は、使用後廃棄されるが、埋め立てや焼却などで廃棄処分されており、環境破壊や温暖化の原因になっている。
このような状況に鑑み、土壌などで微生物により分解される、生分解性プラスチックが開発されている。また、化石燃料以外に由来する原材料、例えば植物由来の物質、でんぷん等を原材料の一部として用いた生分解性プラスチック及び非生分解性プラスチックが開発されている。
例えば、特許文献1には、でんぷんをベースにした成分と、ヒドロキシ酸又はそれらの混合物よりなるポリマーとエチレン性不飽和モノマーから誘導されるポリマーを含んで成る高分子組成物が開示されている。
また、特許文献2には、非生分解性プラスチック99.6〜70重量%とココナツ中果皮繊維滓圧縮乾燥粉末0.4〜30重量%を含有する混合物を形成してなる非生分解性プラスチック成形品が開示されている。
しかし、開発された生分解性プラスチック及び非分解性プラスチックは、その原材料に未だ多くの化石燃料を使用しており、従来のプラスチックに比べて環境への負担が少ないとはいえ、まだ不十分と考えられる。また、原材料の一部にでんぷんを用いていても、そのでんぷんは、例えば、とうもろこし、じゃがいも、米、小麦等の食用作物に由来するものが多い。
本発明は、優れた生分解性を有し、環境に配慮したプラスチックを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとを主な原材料とすることにより、又は、キャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシ酪酸とを主な原材料とすることにより、あるいは、キャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシ酪酸とポリカプロラクトンとを主な原材料とすることにより、より環境に負担の少ない生分解性プラスチックを製造できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、要約すると以下の通りである。
[1]キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとを原材料として含む、生分解性プラスチック組成物。
[2]キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとの合計重量を100重量%としたときに、キャッサバ由来のでんぷんを52.7重量%〜99.9重量%の量で含む、[1]に記載の生分解性プラスチック組成物。
[3]キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとその他の原材料との合計重量を100重量%としたときに、52.7重量%〜99.9重量%のキャッサバ由来のでんぷんと、0.1重量%〜47.3重量%のポリカプロラクトンと、0重量%〜47.2重量%のその他の原材料と含む、[1]に記載の生分解性プラスチック組成物。
[4]キャッサバ由来のでんぷんと、ポリカプロラクトンと、任意にその他の原材料とを混合し、溶融することを含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の生分解性プラスチック組成物の製造方法。
[1]キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとを原材料として含む、生分解性プラスチック組成物。
[2]キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとの合計重量を100重量%としたときに、キャッサバ由来のでんぷんを52.7重量%〜99.9重量%の量で含む、[1]に記載の生分解性プラスチック組成物。
[3]キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとその他の原材料との合計重量を100重量%としたときに、52.7重量%〜99.9重量%のキャッサバ由来のでんぷんと、0.1重量%〜47.3重量%のポリカプロラクトンと、0重量%〜47.2重量%のその他の原材料と含む、[1]に記載の生分解性プラスチック組成物。
[4]キャッサバ由来のでんぷんと、ポリカプロラクトンと、任意にその他の原材料とを混合し、溶融することを含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の生分解性プラスチック組成物の製造方法。
[5]キャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシ酪酸とを原材料として含む、生分解性プラスチック組成物。
[6]キャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシ酪酸との合計重量を100重量%としたときに、キャッサバ由来のでんぷんを52.7重量%〜99.9重量%の量で含む、[5]に記載の生分解性プラスチック組成物。
[7]キャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシ酪酸とその他の原材料との合計重量を100重量%としたときに、52.7重量%〜99.9重量%のキャッサバ由来のでんぷんと、0.1重量%〜47.3重量%のポリヒドロキシ酪酸と、0重量%〜47.2重量%のその他の原材料と含む、[5]に記載の生分解性プラスチック組成物。
[8]キャッサバ由来のでんぷんと、ポリヒドロキシ酪酸と、任意にその他の原材料とを混合し、溶融することを含む、[5]〜[7]のいずれかに記載の生分解性プラスチック組成物の製造方法。
[6]キャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシ酪酸との合計重量を100重量%としたときに、キャッサバ由来のでんぷんを52.7重量%〜99.9重量%の量で含む、[5]に記載の生分解性プラスチック組成物。
[7]キャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシ酪酸とその他の原材料との合計重量を100重量%としたときに、52.7重量%〜99.9重量%のキャッサバ由来のでんぷんと、0.1重量%〜47.3重量%のポリヒドロキシ酪酸と、0重量%〜47.2重量%のその他の原材料と含む、[5]に記載の生分解性プラスチック組成物。
[8]キャッサバ由来のでんぷんと、ポリヒドロキシ酪酸と、任意にその他の原材料とを混合し、溶融することを含む、[5]〜[7]のいずれかに記載の生分解性プラスチック組成物の製造方法。
[9]キャッサバ由来のでんぷんと、ポリカプロラクトンと、ポリヒドロキシ酪酸とを原材料として含む、生分解性プラスチック組成物。
[10]キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸との合計重量を100重量%としたときに、キャッサバ由来のでんぷんを52.7重量%〜99.8重量%の量で含む、[9]に記載の生分解性プラスチック組成物。
[11]キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸とその他の原材料との合計重量を100重量%としたときに、52.8重量%〜99.8重量%のキャッサバ由来のでんぷんと、0.1重量%〜47.1重量%のポリカプロラクトンと、0.1重量%〜47.1重量%のポリヒドロキシ酪酸と、0重量%〜47.0重量%のその他の原材料と含む、[9]に記載の生分解性プラスチック組成物。
[12]キャッサバ由来のでんぷんと、ポリカプロラクトンと、ポリヒドロキシ酪酸と、任意にその他の原材料とを混合し、溶融することを含む、[9]〜[11]のいずれかに記載の生分解性プラスチック組成物の製造方法。
[10]キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸との合計重量を100重量%としたときに、キャッサバ由来のでんぷんを52.7重量%〜99.8重量%の量で含む、[9]に記載の生分解性プラスチック組成物。
[11]キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸とその他の原材料との合計重量を100重量%としたときに、52.8重量%〜99.8重量%のキャッサバ由来のでんぷんと、0.1重量%〜47.1重量%のポリカプロラクトンと、0.1重量%〜47.1重量%のポリヒドロキシ酪酸と、0重量%〜47.0重量%のその他の原材料と含む、[9]に記載の生分解性プラスチック組成物。
[12]キャッサバ由来のでんぷんと、ポリカプロラクトンと、ポリヒドロキシ酪酸と、任意にその他の原材料とを混合し、溶融することを含む、[9]〜[11]のいずれかに記載の生分解性プラスチック組成物の製造方法。
[13]キャッサバ由来のでんぷんと、ポリカプロラクトンと、ポリヒドロキシ酪酸と、非生分解性プラスチックを原材料として含む、半生分解性プラスチック組成物。
[14]キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸と非生分解性プラスチックとの合計重量を100重量%としたときに、キャッサバ由来のでんぷんを52.7重量%〜99.7重量%の量で含む、[13]に記載の半生分解性プラスチック組成物。
[15]キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸と非生分解性プラスチックとその他の原材料との合計重量を100重量%としたときに、52.7重量%〜99.7重量%のキャッサバ由来のでんぷんと、0.1重量%〜47.1重量%のポリカプロラクトンと、0.1重量%〜47.1重量%のポリヒドロキシ酪酸と、0.1重量%〜47.1重量%の非生分解性プラスチックと、0重量%〜47.0重量%のその他の原材料と含む、[13]に記載の半生分解性プラスチック組成物。
[16]キャッサバ由来のでんぷんと、ポリカプロラクトンと、ポリヒドロキシ酪酸と、非生分解性プラスチックと、任意にその他の原材料とを混合し、溶融することを含む、[13]〜[15]のいずれかに記載の半生分解性プラスチック組成物の製造方法。
[14]キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸と非生分解性プラスチックとの合計重量を100重量%としたときに、キャッサバ由来のでんぷんを52.7重量%〜99.7重量%の量で含む、[13]に記載の半生分解性プラスチック組成物。
[15]キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸と非生分解性プラスチックとその他の原材料との合計重量を100重量%としたときに、52.7重量%〜99.7重量%のキャッサバ由来のでんぷんと、0.1重量%〜47.1重量%のポリカプロラクトンと、0.1重量%〜47.1重量%のポリヒドロキシ酪酸と、0.1重量%〜47.1重量%の非生分解性プラスチックと、0重量%〜47.0重量%のその他の原材料と含む、[13]に記載の半生分解性プラスチック組成物。
[16]キャッサバ由来のでんぷんと、ポリカプロラクトンと、ポリヒドロキシ酪酸と、非生分解性プラスチックと、任意にその他の原材料とを混合し、溶融することを含む、[13]〜[15]のいずれかに記載の半生分解性プラスチック組成物の製造方法。
[17]キャッサバ由来のでんぷんと、非生分解性プラスチックと、ポリカプロラクトン又はポリヒドロキシ酪酸を原材料として含む、半生分解性プラスチック組成物。
[18]キャッサバ由来のでんぷんと非生分解性プラスチックとポリカプロラクトン又はポリヒドロキシ酪酸との合計重量を100重量%としたときに、キャッサバ由来のでんぷんを52.8重量%〜99.8重量%の量で含む、[17]に記載の半生分解性プラスチック組成物。
[19]キャッサバ由来のでんぷんと非生分解性プラスチックとポリカプロラクトン又はポリヒドロキシ酪酸とその他の原材料との合計重量を100重量%としたときに、52.8重量%〜99.8重量%のキャッサバ由来のでんぷんと、0.1重量%〜47.1重量%の非生分解性プラスチックと、0.1重量%〜47.1重量%のポリカプロラクトン又はポリヒドロキシ酪酸と、0重量%〜47.0重量%のその他の原材料と含む、[17]に記載の半生分解性プラスチック組成物。
[20]キャッサバ由来のでんぷんと、ポリカプロラクトン又はポリヒドロキシ酪酸と、非生分解性プラスチックと、任意にその他の原材料とを混合し、溶融することを含む、[17]〜[19]のいずれかに記載の半生分解性プラスチック組成物の製造方法。
[18]キャッサバ由来のでんぷんと非生分解性プラスチックとポリカプロラクトン又はポリヒドロキシ酪酸との合計重量を100重量%としたときに、キャッサバ由来のでんぷんを52.8重量%〜99.8重量%の量で含む、[17]に記載の半生分解性プラスチック組成物。
[19]キャッサバ由来のでんぷんと非生分解性プラスチックとポリカプロラクトン又はポリヒドロキシ酪酸とその他の原材料との合計重量を100重量%としたときに、52.8重量%〜99.8重量%のキャッサバ由来のでんぷんと、0.1重量%〜47.1重量%の非生分解性プラスチックと、0.1重量%〜47.1重量%のポリカプロラクトン又はポリヒドロキシ酪酸と、0重量%〜47.0重量%のその他の原材料と含む、[17]に記載の半生分解性プラスチック組成物。
[20]キャッサバ由来のでんぷんと、ポリカプロラクトン又はポリヒドロキシ酪酸と、非生分解性プラスチックと、任意にその他の原材料とを混合し、溶融することを含む、[17]〜[19]のいずれかに記載の半生分解性プラスチック組成物の製造方法。
[21]上記[1]〜[3]、[5]〜[7]及び[9]〜[11]のいずれかに記載の生分解性プラスチック組成物、又は、[13]〜[15]及び[17]〜[19]のいずれかに記載の半生分解性プラスチック組成物から製造されたゴルフティー。
[22]土壌改良剤を含有する上記[1]〜[3]、[5]〜[7]及び[9]〜[11]のいずれかに記載の生分解性プラスチック組成物から製造された育苗ポット。
[22]土壌改良剤を含有する上記[1]〜[3]、[5]〜[7]及び[9]〜[11]のいずれかに記載の生分解性プラスチック組成物から製造された育苗ポット。
本発明の生分解性プラスチック組成物によれば、化石燃料の使用量を低減することができる。原材料にキャッサバ由来のでんぷんを多く用いるので、ごくわずかしか食用にされないキャッサバを有効利用することができる。
また、本発明の生分解性プラスチック組成物を成形して製品を製造すれば、焼却処分せずに、そのまま廃棄可能なものを作ることが可能となり、生分解性に優れ、環境への負担も少ない。
焼却処分したとしても、本発明の生分解性プラスチック組成物から発生した二酸化炭素は、温室効果ガスとしてカウントされず控除の扱いとなり、二酸化炭素排出量を低減することに寄与する。
さらに、生物由来の資源を活用し、一定の品質、基準、規格等に合致している商品を表すバイオマスマークを付して、消費者に環境に配慮した商品であることをアピールすることもできる。
〈1.キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとを含む生分解性プラスチック組成物〉
本発明の生分解性プラスチック組成物は、原材料として、キャッサバ由来のでんぷんと、生分解性プラスチックであるポリカプロラクトンとを含むことを特徴とする。
本発明の生分解性プラスチック組成物は、原材料として、キャッサバ由来のでんぷんと、生分解性プラスチックであるポリカプロラクトンとを含むことを特徴とする。
(1−1)キャッサバ由来のでんぷん
キャッサバは、熱帯地方で盛んに栽培される。栽培は極めて簡単で、挿し木で増え、半年で芋(根茎)が収穫できるので、二毛作も可能である。芋における炭水化物の含量量も高いため、でんぷんの生産性が非常に高い。
キャッサバは、熱帯地方で盛んに栽培される。栽培は極めて簡単で、挿し木で増え、半年で芋(根茎)が収穫できるので、二毛作も可能である。芋における炭水化物の含量量も高いため、でんぷんの生産性が非常に高い。
本発明で使用するキャッサバ由来のでんぷんには、いわゆるタピオカでんぷんを含み、タピオカは根茎から製造され、広く食されている。
しかし、キャッサバ植物体自体は、毒性を持っており、シアン化合物が含まれるため、食用にするには、毒性が低い品種を選択したり、シアン化合物を分解等して無毒化する必要がある。従って、食用にされるキャッサバは、キャッサバの繁殖量に対して、ごく少量である。
本発明の生分解性プラスチック組成物では、必ずしも食用に向いているとはいえないキャッサバ由来のでんぷんを多量に使用する。
キャッサバ由来のでんぷんは市販されており、容易に入手することができる。例えば、General Starch Industry Co., Ltd.(タイ王国)より、Modified TPS Compound GS20001 (CAS 9005-25-8)を入手することができる。このModified TPS Compound GS20001は、タピオカでんぷん乾燥粉末で、成分は、キャッサバ由来のでんぷん100%であり、バイオマス度は約95%である。また、キャッサバ由来のでんぷんは、その他の製品、例えば、医薬品工業、ゴム手袋、化粧品工業、製紙工業などに利用されている。
ここで、本明細書におけるバイオマス度とは、ASTM D6866試験によって測定された生物起源炭素濃度をいう。ASTM D6866試験とは、放射性炭素年代測定法を利用した固体・液体・気体試料中の生物起源炭素濃度を決定する標準規格である。ASTM D6866標準規格は、現在、アメリカのFederal Law (7 CFR part 2902)に記載されている。本発明では、フロリダ州マイアミに拠点をおく、ISO 17025認証ASTM D6866分析機関であるベータ・アナリティック社に測定を依頼した。
なお、本発明に用いるキャッサバ由来のでんぷんは、本発明の生分解性プラスチック組成物を製造する際に、あらかじめ、好ましくは250℃〜265℃、より好ましくは256℃〜258℃の範囲で加熱して、ペレット化しておくことが好ましい。
(1−2)ポリカプロラクトン
本発明の原材料のポリカプロラクトン((C6H10O2)n、CAS番号24980-41-4)は、脂肪族ポリエステルに属し、石油化学原料から合成される生分解性プラスチックであり、微生物によって分解される性質を持つ。入手は容易であり、例えば、株式会社ダイセル(日本)、和光純薬工業株式会社(日本)などから入手可能である。
本発明の原材料のポリカプロラクトン((C6H10O2)n、CAS番号24980-41-4)は、脂肪族ポリエステルに属し、石油化学原料から合成される生分解性プラスチックであり、微生物によって分解される性質を持つ。入手は容易であり、例えば、株式会社ダイセル(日本)、和光純薬工業株式会社(日本)などから入手可能である。
ポリカプロラクトンを本発明の生分解性プラスチック組成物の原料に含めることにより、通気性が低くなり、密封性が高い生分解性プラスチック製品を作ることができる。
(1−3)キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンの配合量
本発明の生分解性プラスチック組成物において、原材料であるキャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンの合計重量を100重量%としたときに、好ましくは、キャッサバ由来のでんぷんは52.7重量%〜99.9重量%、ポリカプロラクトンは0.1重量%〜47.3重量%の量で含まれる。このような範囲にしたのは、バイオマス度が上がり、二酸化炭素削減になるからである。
本発明の生分解性プラスチック組成物において、原材料であるキャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンの合計重量を100重量%としたときに、好ましくは、キャッサバ由来のでんぷんは52.7重量%〜99.9重量%、ポリカプロラクトンは0.1重量%〜47.3重量%の量で含まれる。このような範囲にしたのは、バイオマス度が上がり、二酸化炭素削減になるからである。
より好ましくは、キャッサバ由来のでんぷんは85.0重量%〜95.0重量%、ポリカプロラクトンは5.0重量%〜15.0重量%量で含まれる。これらの範囲の配合量にすれば、混練した時、ポリカプロラクトンがバインダーの役目を果たし、結合しやすくなるからである。
(1−4)その他の原材料及びその配合量
本発明の生分解性プラスチック組成物には、ポリカプロラクトン及びポリヒドロキシ酪酸以外のその他の原材料を含めることができる。本明細書において、「その他の原材料」とは、従来のプラスチックを製造する際に用いられるプラスチック用添加物、並びにポリカプロラクトン及びポリヒドロキシ酪酸以外の生分解性プラスチックを含む。
本発明の生分解性プラスチック組成物には、ポリカプロラクトン及びポリヒドロキシ酪酸以外のその他の原材料を含めることができる。本明細書において、「その他の原材料」とは、従来のプラスチックを製造する際に用いられるプラスチック用添加物、並びにポリカプロラクトン及びポリヒドロキシ酪酸以外の生分解性プラスチックを含む。
プラスチック用添加物として、例えば、可塑剤(フタル酸エステル、トリメット酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、塩素化パラフィン、脂肪酸エステル、エポキシ系、リン酸エステル、ポリエステル系、クエン酸エステルなど)、酸化防止剤(フェノール系、チオエーテル系、リン酸系など)、光安定剤(ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチレート系、シアノアクリルレート系などの紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系のラジカル捕捉剤、ニッケル錯体系の消光剤など)、着色剤(酸化チタン、酸化鉄系、黄鉛、バーミリオン、群青、複合酸化物系などの無機顔料、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、ペリレン系、ペリノン系、アンソラキノン系、キノフタロン系、ジケトピロロピロール系などの有機顔料、アゾ系、アンソラキノン系、ペリノン系などの油溶性染料など)、滑剤(炭化水素系、脂肪酸系、高級アルコール系、アミド系、エステル系、金属せっけん系など)、帯電防止剤(アニオン活性剤、カチオン活性剤、両性活性剤、非イオン活性剤など)、難燃剤(リン系、リン+ハロゲン系、塩素系、ブロム系などの有機系、水酸化アルミニウム、アンチモン系、水酸化マグネシウム、グアニジン系、ジルコニウム系、ホウ酸亜鉛などの無機系など)、発泡剤(重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、水酸化ホウ酸ナトリウム、アジド化合物などの無機系、アゾ化合物、ニトロソ化合物、スルホニルヒドラジッド化合物などの有機系など)、充填剤(炭酸カルシウム、天然ケイ酸、ケイ酸塩、水酸化物など)、抗菌・防かび剤(2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、2,3,5,6−チトクロロ−4−(メチルスルフォニル)−ピリジン、10,10’−オキシビスフェノキシアルシン、トリメトキシシリル−プロピルオクタデシルアンモニウムクロライド、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛などの有機系、リン酸ジルコニウム、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、シリカ、アルミナ、シリカゲルなどの無機系など)、架橋剤、モノマー誘導体、ヘテロモノマー、硬化剤、土壌改良剤等が挙げられる。
また、ポリカプロラクトン及びポリヒドロキシ酪酸以外の生分解性プラスチックとして、例えば、ポリ(ブチレンサクシネート)、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリグリコール酸、変性ポリビニルアルコール、カゼイン等が挙げられる。
なお、その他の原材料は、製造される本発明の生分解性プラスチック組成物に所望される、可塑性、熱安定性(耐寒性、耐熱性)、耐水性、耐油性、酸化防止性、光安定性、滑性、帯電防止性、難燃性、発泡性、着色、抗菌・防かび性、剛性、寸法安定性などに応じて、1又は複数種類を選択し、添加量を決定することができる。
その他の原材料の添加量は、キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとその他の原材料との合計重量を100重量%としたときに、好ましくは0重量%〜47.2重量%、より好ましくは0重量%〜30.0重量%である。
(1−5)キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンを含む生分解性プラスチック組成物の製造方法
キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトン、及び任意のその他の原材料を、上記(1−3)及び(1−4)に記載した量で混合し、好ましくは250℃〜265℃、より好ましくは256℃〜258℃の範囲で加熱、溶融し、レジン化する。キャッサバ由来のでんぷんの乾燥粉末の融点が、これらの温度範囲内にあるからである。
キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトン、及び任意のその他の原材料を、上記(1−3)及び(1−4)に記載した量で混合し、好ましくは250℃〜265℃、より好ましくは256℃〜258℃の範囲で加熱、溶融し、レジン化する。キャッサバ由来のでんぷんの乾燥粉末の融点が、これらの温度範囲内にあるからである。
混合、レジン化の操作には、例えば、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、単軸混練機、多軸混練機、ミキシングロール、ニーダー等を用いることができる。
このようにしてレジン化したものを、本明細書では、以下「キャッサバ由来でんぷん−ポリカプロラクトンコンパウンド」ということがある。
キャッサバ由来でんぷん−ポリカプロラクトンコンパウンドは、好ましくは50.1%〜95.0%、より好ましくは80.0%〜90.0%のバイオマス度を有する。
〈2.キャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシ酪酸を含む生分解性プラスチック組成物〉
本発明の生分解性プラスチック組成物は、原材料として、キャッサバ由来のでんぷんと、生分解性プラスチックであるポリヒドロキシ酪酸とを含むことを特徴とする。
本発明の生分解性プラスチック組成物は、原材料として、キャッサバ由来のでんぷんと、生分解性プラスチックであるポリヒドロキシ酪酸とを含むことを特徴とする。
(2−1)ポリヒドロキシ酪酸
本発明の原材料のポリヒドロキシ酪酸(C12H18O6X2、CAS番号26063-00-3)は、脂肪族ポリエステルに属し、生分解性プラスチックの熱可塑性高分子であって、微生物によって分解される。入手は容易であり、例えば、Shigematu & Co., Ltd.(日本)、Advanced Synthesis Technologies (米国)、Service Chemical Inc.(ドイツ)などから入手可能である。
本発明の原材料のポリヒドロキシ酪酸(C12H18O6X2、CAS番号26063-00-3)は、脂肪族ポリエステルに属し、生分解性プラスチックの熱可塑性高分子であって、微生物によって分解される。入手は容易であり、例えば、Shigematu & Co., Ltd.(日本)、Advanced Synthesis Technologies (米国)、Service Chemical Inc.(ドイツ)などから入手可能である。
ポリヒドロキシ酪酸を本発明の生分解性プラスチック組成物の原料に含めることにより、酸素透過性が上がるため、通気性が良くなり、所望のプラスチック製品に合った性質を付与することができる。
(2−2)キャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシ酪酸の配合量
本発明の生分解性プラスチック組成物において、原材料であるキャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシ酪酸の合計重量を100重量%としたときに、キャッサバ由来のでんぷんは52.7重量%〜99.9重量%、ポリヒドロキシ酪酸は0.1重量%〜47.3重量%の量で含まれることが好ましい。このような範囲にしたのは、バイオマス度が上がり二酸化炭素削減になるからである。
本発明の生分解性プラスチック組成物において、原材料であるキャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシ酪酸の合計重量を100重量%としたときに、キャッサバ由来のでんぷんは52.7重量%〜99.9重量%、ポリヒドロキシ酪酸は0.1重量%〜47.3重量%の量で含まれることが好ましい。このような範囲にしたのは、バイオマス度が上がり二酸化炭素削減になるからである。
より好ましくは、キャッサバ由来のでんぷんは80.0重量%〜90.0重量%、ポリヒドロキシ酪酸は10.0重量%〜20.0重量%の量で含まれる。これらの範囲の配合量にすれば、混練した時、ポリヒドロキシ酪酸がバインダーの役目を果たし、結合しやすくなるからである。
(2−3)その他の原材料及びその配合量
本発明の生分解性プラスチック組成物は、更に、その他の原材料を含めることができる。
本発明の生分解性プラスチック組成物は、更に、その他の原材料を含めることができる。
その他の原材料は、上記(1−4)の記載と同様のものを使用することができ、キャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシ酪酸とその他の原材料との合計重量を100重量%としたときに、好ましくは0重量%〜47.2重量%、より好ましくは0重量%〜30.0重量%で添加する。
(2−4)キャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシ酪酸を含む生分解性プラスチック組成物の製造方法
キャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシ酪酸、及び任意のその他の原材料を、上記(2−2)及び(2−3)に記載した量で混合し、好ましくは250℃〜265℃、より好ましくは256℃〜258℃の範囲で加熱、溶融し、レジン化する。キャッサバ由来のでんぷんの乾燥粉末の融点が、これらの温度範囲内にあるからである。
キャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシ酪酸、及び任意のその他の原材料を、上記(2−2)及び(2−3)に記載した量で混合し、好ましくは250℃〜265℃、より好ましくは256℃〜258℃の範囲で加熱、溶融し、レジン化する。キャッサバ由来のでんぷんの乾燥粉末の融点が、これらの温度範囲内にあるからである。
このようにしてレジン化したものを、本明細書では、以下「キャッサバ由来でんぷん−ポリヒドロキシ酪酸コンパウンド」ということがある。
キャッサバ由来でんぷん−ポリヒドロキシ酪酸コンパウンドは、好ましくは50.1%〜95.0%、より好ましくは85.0%〜95.0%のバイオマス度を有する。
〈3.キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸とを含む生分解性プラスチック組成物〉
本発明の生分解性プラスチック組成物は、原材料として、キャッサバ由来のでんぷんと、生分解性プラスチックであるポリカプロラクトン及びポリヒドロキシ酪酸とを含むことを特徴とする。
本発明の生分解性プラスチック組成物は、原材料として、キャッサバ由来のでんぷんと、生分解性プラスチックであるポリカプロラクトン及びポリヒドロキシ酪酸とを含むことを特徴とする。
(3−1)キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸の配合量
本発明の生分解性プラスチック組成物において、原材料であるキャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸の合計重量を100重量%としたときに、キャッサバ由来のでんぷんは52.8重量%〜99.8重量%、ポリカプロラクトンは0.1重量%〜47.1重量%、ポリヒドロキシ酪酸は0.1重量%〜47.1重量%の量で含まれることが好ましい。このような範囲にしたのは、バイオマス度が上がり二酸化炭素削減になるからである。
本発明の生分解性プラスチック組成物において、原材料であるキャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸の合計重量を100重量%としたときに、キャッサバ由来のでんぷんは52.8重量%〜99.8重量%、ポリカプロラクトンは0.1重量%〜47.1重量%、ポリヒドロキシ酪酸は0.1重量%〜47.1重量%の量で含まれることが好ましい。このような範囲にしたのは、バイオマス度が上がり二酸化炭素削減になるからである。
より好ましくは、キャッサバ由来のでんぷんは82.5重量%〜92.5重量%、ポリカプロラクトンは0.1重量%〜7.0重量%、ポリヒドロキシ酪酸は0.1重量%〜10.5重量%の量で含まれる。これらの範囲の配合量にすれば、混練した時、ポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸がバインダーの役目を果たし、結合しやすくなるからである。
(3−2)その他の原材料及びその配合量
本発明の生分解性プラスチック組成物は、更に、その他の原材料を含めることができる。
本発明の生分解性プラスチック組成物は、更に、その他の原材料を含めることができる。
その他の原材料は、上記(1−4)の記載と同様のものを使用することができ、キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸とその他の原材料との合計重量を100重量%としたときに、好ましくは0重量%〜47.0重量%、より好ましくは0重量%〜30.0重量%を添加する。
(3−3)キャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシラクトンとポリヒドロキシ酪酸を含む生分解性プラスチック組成物の製造方法
本発明の生分解性プラスチック組成物の製造方法では、キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸、及び任意のその他の原材料を、上記(3−1)及び(3−2)に記載した量で混合し、好ましくは250℃〜265℃、より好ましくは256℃〜258℃の範囲で加熱、溶融し、レジン化する。
本発明の生分解性プラスチック組成物の製造方法では、キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸、及び任意のその他の原材料を、上記(3−1)及び(3−2)に記載した量で混合し、好ましくは250℃〜265℃、より好ましくは256℃〜258℃の範囲で加熱、溶融し、レジン化する。
好ましくは、キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸とを、充分に混合された状態で溶融するために、これら3つを上記(3−1)及び(3−2)に記載した配合量で一度に合わせて混合する以外に、まず、キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとを混合、溶融してレジン化(ペレット化)し、キャッサバ由来でんぷん−ポリカプロラクタンコンパウンドを製造し、もう一方で、キャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシ酪酸とを混合、溶融してレジン化し、キャッサバ由来でんぷん−ポリヒドロキシ酪酸コンパウンドを製造し、これら2つのコンパウンドを混合し、溶融して、本発明の生分解性プラスチックを製造することができる。
より好ましくは、キャッサバ由来でんぷん−ポリカプロラクトンコンパウンドと、キャッサバ由来でんぷん−ポリヒドロキシ酪酸コンパウンドと、ペレット化したキャッサバ由来のでんぷんと、任意のその他の原材料の合計重量を100重量%としたときに、好ましくは、キャッサバ由来でんぷん−ポリカプロラクトンコンパウンドを12.5重量%〜17.5重量%、キャッサバ由来でんぷん−ポリヒドロキシ酪酸コンパウンドを22.5重量%〜27.5重量%、ペレット化したキャッサバ由来のでんぷんを25.0重量%〜35.0重量%、その他の原材料を0.1重量%〜30.0重量%の量で配合し、本発明の生分解性プラスチック組成物を製造する。このような配合にすると、成形時の流動性が良くなり、また、現存する化石燃料プラスチック製品や非生分解性プラスチック製品の製品特性に近い性質を持つ、安定した生分解性プラスチック製品を作ることができ、かつ、従来のプラスチックに比べて、より大きい温度変化(-40℃以下〜110℃以上)に耐えられる性質を付与することができる。
キャッサバ由来でんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸とを含む生分解性プラスチック組成物は、好ましくは61.5%〜66.5%のバイオマス度を有する。
〈4.キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸と非生分解性プラスチックを含む半生分解性プラスチック組成物〉
本発明の半生分解性プラスチック組成物は、原材料として、キャッサバ由来のでんぷんと、ポリカプロラクトンと、ポリヒドロキシ酪酸と、非生分解性プラスチックとを含むことを特徴とする。
本発明の半生分解性プラスチック組成物は、原材料として、キャッサバ由来のでんぷんと、ポリカプロラクトンと、ポリヒドロキシ酪酸と、非生分解性プラスチックとを含むことを特徴とする。
(4−1)非生分解性プラスチック
本発明では、非生分解性プラスチックを原材料として更に含めることにより、多様なプラスチック特性が付与された半生分解性プラスチック組成物を製造することができる。
非生分解性プラスチックとしては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の熱可塑性樹脂、及び、ポリウレタン系樹脂、アルキッド系樹脂、アミノ系樹脂、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられるが、特に、ポリエチレン、プロプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が好ましい。
本発明では、非生分解性プラスチックを原材料として更に含めることにより、多様なプラスチック特性が付与された半生分解性プラスチック組成物を製造することができる。
非生分解性プラスチックとしては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の熱可塑性樹脂、及び、ポリウレタン系樹脂、アルキッド系樹脂、アミノ系樹脂、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられるが、特に、ポリエチレン、プロプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が好ましい。
(4−2)キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸と非生分解性プラスチックの配合量
本発明の半生分解性プラスチック組成物において、原材料であるキャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸と非生分解性プラスチックの合計重量を100重量%としたときに、キャッサバ由来のでんぷんは52.7重量%〜99.7重量%、ポリカプロラクトンは0.1重量%〜47.1重量%、ポリヒドロキシ酪酸は0.1重量%〜47.1重量%、非生分解性プラスチックは0.1重量%〜47.1重量%の量で含まれることが好ましい。このような範囲にしたのは、混練した非生分解性プラスチックの特性で物性が変わり幅広い製品に使用出来る。バイオマス度も50%以上ある為、二酸化炭素削減にもつながるからである。
本発明の半生分解性プラスチック組成物において、原材料であるキャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸と非生分解性プラスチックの合計重量を100重量%としたときに、キャッサバ由来のでんぷんは52.7重量%〜99.7重量%、ポリカプロラクトンは0.1重量%〜47.1重量%、ポリヒドロキシ酪酸は0.1重量%〜47.1重量%、非生分解性プラスチックは0.1重量%〜47.1重量%の量で含まれることが好ましい。このような範囲にしたのは、混練した非生分解性プラスチックの特性で物性が変わり幅広い製品に使用出来る。バイオマス度も50%以上ある為、二酸化炭素削減にもつながるからである。
(4−3)その他の原材料及びその配合量
本発明の半生分解性プラスチック組成物は、更に、その他の原材料を含めることができる。
本発明の半生分解性プラスチック組成物は、更に、その他の原材料を含めることができる。
その他の原材料は、上記(1−4)の記載と同様のものを使用することができ、キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸と非生分解性プラスチックとその他の原材料との合計重量を100重量%としたときに、好ましくは0重量%〜47.0重量%、より好ましくは0重量%〜30.0重量%を添加する。
(4−4)キャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシラクトンとポリヒドロキシ酪酸と非生分解性プラスチックを含む半生分解性プラスチック組成物の製造方法
本発明の半生分解性プラスチック組成物の製造方法では、キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸と非生分解性プラスチック、及び任意のその他の原材料を、上記(4−2)及び(4−3)に記載した量で混合し、好ましくは200℃〜265℃、より好ましくは230℃〜250℃の範囲で加熱、溶融し、レジン化する。
本発明の半生分解性プラスチック組成物の製造方法では、キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸と非生分解性プラスチック、及び任意のその他の原材料を、上記(4−2)及び(4−3)に記載した量で混合し、好ましくは200℃〜265℃、より好ましくは230℃〜250℃の範囲で加熱、溶融し、レジン化する。
好ましくは、キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸と非生分解性プラスチックを、充分に混合された状態で溶融するために、これら4つを上記(4−2)及び(4−3)に記載した配合量で一度に合わせて混合する以外に、まず、キャッサバ由来のでんぷんとポリカプロラクトンとを混合、溶融してレジン化(ペレット化)し、キャッサバ由来でんぷん−ポリカプロラクタンコンパウンドを製造し、もう一方で、キャッサバ由来のでんぷんとポリヒドロキシ酪酸とを混合、溶融してレジン化し、キャッサバ由来でんぷん−ポリヒドロキシ酪酸コンパウンドを製造し、これら2つのコンパウンドと非生分解性プラスチックとを混合し、溶融して、本発明の生分解性プラスチックを製造することができる。
より好ましくは、キャッサバ由来でんぷん−ポリカプロラクトンコンパウンドと、キャッサバ由来でんぷん−ポリヒドロキシ酪酸コンパウンドと、非生分解性プラスチックと、ペレット化したキャッサバ由来のでんぷんと、任意のその他の原材料の合計重量を100重量%としたときに、好ましくは、キャッサバ由来でんぷん−ポリカプロラクトンコンパウンドを12.5重量%〜17.5重量%、キャッサバ由来でんぷん−ポリヒドロキシ酪酸コンパウンドを22.5重量%〜27.5重量%、非生分解性プラスチックを0.1重量%〜44.4重量%、ペレット化したキャッサバ由来のでんぷんを25.0重量%〜35.0重量%、その他の原材料を0重量%〜30.0重量%の量で配合し、本発明の半生分解性プラスチック組成物を製造する。このような配合にすると、成形時の流動性が非生分解性プラスチックの原料によっては特に良くなる。また、非生分解性プラスチックの原料を幅広く選択できる為、様々な製品に応用が出来る。他にも上記配合範囲であれば50重量%以上の二酸化炭素の排出量を減少させる事が出来る。
キャッサバ由来でんぷんとポリカプロラクトンとポリヒドロキシ酪酸と非生分解性プラスチックを含む半生分解性プラスチック組成物は、好ましくは50.1%〜64.0%のバイオマス度を有する。
〈5.本発明の生分解性プラスチック組成物及び半生分解性プラスチック組成物を用いた成形品〉
本発明の生分解性プラスチック組成物及び半生分解性プラスチック組成物は、例えば、インフレーション法やTダイ法を用いてフィルム化することができる。また、紙製品等の表面にコートすることもできる。
本発明の生分解性プラスチック組成物及び半生分解性プラスチック組成物は、例えば、インフレーション法やTダイ法を用いてフィルム化することができる。また、紙製品等の表面にコートすることもできる。
また、射出成形機、真空成形機、押出し機、ブロー成形機などで加工することができる。例えば、育苗鉢(ポット)、杭、管、壁材、板状品、エンプラ製品、包装材、農漁業用製品、日常用製品、建築材料などに加工することができる。
これらの成形品は、自動車部品や、土木用、医療用、スポーツ用、緑化用等の資材及び部品などに用いることができる。
更に具体的には、例えば、本発明の生分解性プラスチック組成物及び半生分解性プラスチック組成物を成形等して、ゴルフティー、トイレ用合成洗剤用容器、妊娠検査薬用プラスチック本体、食品用トレー、電子レンジ用食品容器、吊り下げ式害虫忌避剤容器、石けん用トレー、弁当容器、弁当用おかず入れ、家庭用ゴミ箱、生分解プラスティックフィルム(生分解レジ袋)、飴・のど飴用容器、ラップ・アルミホイルのカット刃、インフレートフィルム製品(栽培用袋、花栽培用袋、ゴミ袋など)、工業用トレー、菓子用仕切部材、特殊パッケージなど、様々なプラスチック商品を製造することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の実験において、キャッサバ由来のでんぷん(CAS9005-25-8、製品名Modified TPS Compound GS20001、General Starch Industry Co., Ltd.(タイ王国))、ポリカプロラクトン(CAS24980-41-4、製品名Aliphatic Polyester Starch Compound(キャッサバ由来のでんぷんを成分として含む)、MAXRITCH CO., LTD(タイ王国))、ポリヒドロキシ酪酸(CAS26063-00-3、製品名Starch Polyester Blend(キャッサバ由来のでんぷんを成分として含む)、MAXRITCH CO., LTD(タイ王国))、炭酸カルシウム(タルク)(CAS471-34-1、製品名Calcium carbonate、Sclencelab.com, Inc.(米国))、グリセロール(CAS56-81-5、製品名Glycerin (Glycerol) Reagent A.C.S、Scienco Stuff, Inc.(米国))及び顔料(製品名PE Masterbatch(成分:ポリエチレン90重量%、酸化チタン1.0重量%)、Salee Colour Co., Ltd(タイ王国))、ポリプロピレン(李長栄化学工業(台湾))、ポリエチレン(李長栄化学工業(台湾))を用いた。
なお、以下の実験において、キャッサバ由来のでんぷん(CAS9005-25-8、製品名Modified TPS Compound GS20001、General Starch Industry Co., Ltd.(タイ王国))、ポリカプロラクトン(CAS24980-41-4、製品名Aliphatic Polyester Starch Compound(キャッサバ由来のでんぷんを成分として含む)、MAXRITCH CO., LTD(タイ王国))、ポリヒドロキシ酪酸(CAS26063-00-3、製品名Starch Polyester Blend(キャッサバ由来のでんぷんを成分として含む)、MAXRITCH CO., LTD(タイ王国))、炭酸カルシウム(タルク)(CAS471-34-1、製品名Calcium carbonate、Sclencelab.com, Inc.(米国))、グリセロール(CAS56-81-5、製品名Glycerin (Glycerol) Reagent A.C.S、Scienco Stuff, Inc.(米国))及び顔料(製品名PE Masterbatch(成分:ポリエチレン90重量%、酸化チタン1.0重量%)、Salee Colour Co., Ltd(タイ王国))、ポリプロピレン(李長栄化学工業(台湾))、ポリエチレン(李長栄化学工業(台湾))を用いた。
[実施例1]
キャッサバ由来のでんぷん85重量%、ポリカプロラクトン15重量%の割合で混合し、256℃〜258℃に加熱してペレット化し、キャッサバ由来でんぷん−ポリカプロラクトンコンパウンドを作製した。
キャッサバ由来のでんぷん85重量%、ポリカプロラクトン15重量%の割合で混合し、256℃〜258℃に加熱してペレット化し、キャッサバ由来でんぷん−ポリカプロラクトンコンパウンドを作製した。
キャッサバ由来のでんぷん90重量%、ポリヒドロキシ酪酸10重量%の割合で混合し、256℃〜258℃に加熱してペレット化し、キャッサバ由来でんぷん−ポリヒドロキシ酪酸コンパウンドを作製した。
キャッサバ由来のでんぷんを256℃〜258℃に加熱してペレット化した。
キャッサバ由来のでんぷんを256℃〜258℃に加熱してペレット化した。
次に、キャッサバ由来でんぷん−ポリカプロラクトンコンパウンド15.0重量%、キャッサバ由来でんぷん−ポリヒドロキシ酪酸コンパウンド25.0重量%、ペレット化したキャッサバ由来でんぷん30.0重量%、炭酸カルシウム15.0重量%、グリセロール10.0重量%、PE Masterbatch5.0重量%を混合し、256℃〜258℃に加熱してペレット化し、生分解性プラスチック組成物を得た。
得られた生分解性プラスチック組成物の組成は、全原材料を100重量%として、キャッサバ由来のでんぷん65.25重量%、ポリカプロラクトン2.25重量%、ポリヒドロキシ酪酸2.5%、炭酸カルシウム15.0重量%、グリセロール10.0重量%、及びPE Masterbatch5.0重量%となった。
バイオマス度は64%であった。
バイオマス度は64%であった。
上記生分解性プラスチック組成物を0.5mmと0.3mmのシートにし、これらのシートの物性を試験した。結果は以下の表1及び表2の通りである。
[実施例2]
実施例1で得られた生分解性プラスチック組成物を、厚さ0.5mmの弁当用トレーに成形し、物性試験を行った。
実施例1で得られた生分解性プラスチック組成物を、厚さ0.5mmの弁当用トレーに成形し、物性試験を行った。
試験項目と試験方法は以下の通りである。
(a)耐アルカリ性:弁当用トレーの中に40%水酸化ナトリウム水溶液を満水容量入れ、23℃中で72時間放置後、弁当用トレーの外観異常の有無と質量の変化を確認した。
(b)耐酸性:弁当用トレーの中に30%硫酸を満水容量入れ、23℃中で72時間放置後の弁当用トレーの外観異常の有無と質量の変化を確認した。
(c)耐水性:弁当用トレーの中に蒸留水を満水容量入れ、23℃中で72時間放置後の弁当用トレーの外観異常の有無と質量の変化を確認した。
試験項目(a)〜(c)の結果は、以下の表3の通りである。
(a)耐アルカリ性:弁当用トレーの中に40%水酸化ナトリウム水溶液を満水容量入れ、23℃中で72時間放置後、弁当用トレーの外観異常の有無と質量の変化を確認した。
(b)耐酸性:弁当用トレーの中に30%硫酸を満水容量入れ、23℃中で72時間放置後の弁当用トレーの外観異常の有無と質量の変化を確認した。
(c)耐水性:弁当用トレーの中に蒸留水を満水容量入れ、23℃中で72時間放置後の弁当用トレーの外観異常の有無と質量の変化を確認した。
試験項目(a)〜(c)の結果は、以下の表3の通りである。
本発明の生分解性プラスチック組成物の弁当用トレーは、アルカリ性や酸性の物質に充分耐え、水に対しても強いことが分かった。
(d)耐熱温度:家庭用品品質表示法、合成樹脂加工品品質表示規程(平成9年12月1日通商産業省告示第671号)による。
(e)耐冷温度:家庭用品品質表示法、合成樹脂加工品品質表示規程(平成9年12月1日通商産業省告示第671号)による。(-40℃を下限とした。)
(f)電子レンジ高周波適正性:JIS S 2029:2002(プラスチック製食器類)による。
試験項目(d)〜(f)の結果は、以下の表4の通りである。
(e)耐冷温度:家庭用品品質表示法、合成樹脂加工品品質表示規程(平成9年12月1日通商産業省告示第671号)による。(-40℃を下限とした。)
(f)電子レンジ高周波適正性:JIS S 2029:2002(プラスチック製食器類)による。
試験項目(d)〜(f)の結果は、以下の表4の通りである。
本発明の生分解性プラスチック組成物の弁当用トレーは、温度の負荷に充分耐えうるものであった。また、ポリプロピレンの耐冷温度が約-20℃、PPフィラーの耐冷温度が約-5℃、HIPSの耐冷温度が約-10℃といわれているのに比べ、本発明の生分解性プラスチック組成物の耐冷温度は、-40℃以下と考えられ、特に優れた耐冷性を有していることが分かった。
(g)電子レンジ耐久性:JIS S 2029:2002(プラスチック製食器類)に準拠した試験を実施した後、弁当用トレーの外観異常の有無とJIS S 2029に規定される耐衝撃性と質量変化を確認した。
試験項目(g)の結果は、以下の表5の通りである。
試験項目(g)の結果は、以下の表5の通りである。
本発明の生分解性プラスチック組成物の弁当用トレーは、電子レンジに入れても充分に耐えうることが分かった。
(h)落球試験:弁当用トレーを気温-40℃中で1時間以上放置した後、弁当用トレーの中央部に重さ1kgの球を落下させた時の弁当用トレーが割れる高さを求めた。
試験項目(h)の結果は、以下の表6の通りである。
試験項目(h)の結果は、以下の表6の通りである。
本発明の生分解性プラスチック組成物の弁当用トレーは、十分な強度を有していることが分かった。
(i)トレーの外観:弁当用トレーの中に餃子を入れ、温湿度80℃、95%の恒温器中で15分及び30分後の弁当用トレーの外観異常の有無と質量の変化を確認した。
試験項目(i)の結果は、以下の表7の通りである。
試験項目(i)の結果は、以下の表7の通りである。
本発明の生分解性プラスチック組成物の弁当用トレーは、高温・高湿度中でも充分耐えられることが分かった。
(j)温度測定:弁当用トレーの中に餃子を入れ、温湿度80℃、95%の恒温器中に餃子の内部温度が80℃になるまで放置した後、弁当用トレーを5℃の恒温器中に放置し、餃子の内部温度が40℃まで下がる時間を測定した。
試験項目(j)の結果は、以下の表8の通りである。
試験項目(j)の結果は、以下の表8の通りである。
本発明の生分解性プラスチック組成物の弁当用トレーは、熱変化に対して、充分対応できることが分かった。
(k)落下試験:弁当用トレーの中に餃子を入れ、温湿度80℃、95%の恒温器中に15分及び30分放置後、-40℃の恒温器中に30分放置後、-30℃の恒温器中に24時間放置した。 その弁当用トレーを恒温器から取り出し、直ちに高さ1mから落下させ、弁当用トレーの外観異常の有無と質量の変化を確認した。
試験項目(k)の結果は、以下の表9の通りである。
試験項目(k)の結果は、以下の表9の通りである。
本発明の生分解性プラスチック組成物の弁当用トレーは、熱変化後であっても、充分な強度を有していることが分かった。
また、お菓子用トレーを成形し、物性試験を行った。
また、お菓子用トレーを成形し、物性試験を行った。
(l)トレーの耐冷温度:菓子6個入れ、4個入れの菓子用トレーを、家庭用品品質表示法、合成樹脂加工品品質表示規程(平成9年12月1日通商産業省告示第671号)に従って試験した。(-60℃を下限とした。)
試験項目(l)の結果は、以下の表10の通りである。
試験項目(l)の結果は、以下の表10の通りである。
本発明の生分解性プラスチックの菓子用トレーは、-60℃であっても充分耐えることが分かった。
なお、実施例1で用いた生分解性プラスチック組成物について、財団法人日本食品分析センターに依頼し、食品安全性検査を行ったので、その結果を以下の表11に示す。
[実施例3]
キャッサバ由来のでんぷん54.5重量%、炭酸カルシウム(タルク)27.3重量%、グリセロール18.2重量%を混合し、256℃〜258℃に加熱してペレット化した。
キャッサバ由来のでんぷん54.5重量%、炭酸カルシウム(タルク)27.3重量%、グリセロール18.2重量%を混合し、256℃〜258℃に加熱してペレット化した。
実施例1で製造したキャッサバ由来でんぷん−ポリカプロラクトンコンパウンド15.0重量%、キャッサバ由来でんぷん−ポリヒドロキシ酪酸コンパウンド25.0重量%、実施例2で製造した上記ペレット化した炭酸カルシウム(タルク)とグリセロールを含むキャッサバ由来のでんぷん55.0重量%、及びPE Masterbatch5.0重量%を混合し、256℃〜258℃に加熱し、ミキサーにて生分解性プラスチック組成物のペレットを作製した。
[実施例4]
実施例1で製造した生分解性プラスチック組成物に、ポリプロピレンを0重量%、10重量%、20重量%、及び30重量%の割合で混合し、それぞれペレットを作製した。これらのペレットを、全日発I040(台湾製)の成形機を用い、成形時の樹脂温度を240℃、背圧90kg/cm3の条件の射出成形にて、スタンプ式トイレ用合成洗剤容器を作製した。
実施例1で製造した生分解性プラスチック組成物に、ポリプロピレンを0重量%、10重量%、20重量%、及び30重量%の割合で混合し、それぞれペレットを作製した。これらのペレットを、全日発I040(台湾製)の成形機を用い、成形時の樹脂温度を240℃、背圧90kg/cm3の条件の射出成形にて、スタンプ式トイレ用合成洗剤容器を作製した。
得られたスタンプ式トイレ用合成洗剤容器について、強度検査を行った。強度検査は、一方を固定し、片方に荷重を掛け、どのぐらいの荷重で変形するかを測定した。0重量%の場合は100g、20重量%の場合は170g、30重量%の場合は200gの荷重で変形し始めた。
その結果、ポリプロピレンを増量するにしたがって強度が増すことが分かった。また、製品寸法精度も上がることが分かった。
[実施例5]
実施例1で製造した生分解性プラスチック組成物に、ポリエチレンを0重量%、10重量%、20重量%、及び30重量%の割合で混合し、それぞれペレットを作製した。これらのペレットを、実施例4と同様にして、スタンプ式トイレ用合成洗剤容器を作製した。
実施例1で製造した生分解性プラスチック組成物に、ポリエチレンを0重量%、10重量%、20重量%、及び30重量%の割合で混合し、それぞれペレットを作製した。これらのペレットを、実施例4と同様にして、スタンプ式トイレ用合成洗剤容器を作製した。
得られたスタンプ式トイレ用合成洗剤容器について、柔軟性試験を行った。柔軟性試験は、一方を固定し、片方に荷重を掛け、どのぐらいの荷重で変形するかを測定した。0重量%の場合は100g、20重量%の場合は80g、30重量%の場合は70gの荷重で変形し始めた。
その結果、柔軟性はポリエチレンを増量するほど上がることが分かった。
その結果、柔軟性はポリエチレンを増量するほど上がることが分かった。
[実施例6]
実施例1で製造した生分解性プラスチック組成物に、ポリプロピレンを0重量%、10重量%、20重量%、30重量%、50重量%の割合で混合し、それぞれペレットを作製した。これらのペレットを、震雄I009(台湾製)の成形機を用い、成形時の樹脂温度を240℃、背圧90kg/cm3の条件の射出成形にて、ゴルフティーを作製した。
実施例1で製造した生分解性プラスチック組成物に、ポリプロピレンを0重量%、10重量%、20重量%、30重量%、50重量%の割合で混合し、それぞれペレットを作製した。これらのペレットを、震雄I009(台湾製)の成形機を用い、成形時の樹脂温度を240℃、背圧90kg/cm3の条件の射出成形にて、ゴルフティーを作製した。
得られたゴルフティーについて、強度検査を行った。強度検査は、実施例3と同様にして行った。
その結果、ポリプロピレンを増量するにしたがって強度が増した。また、製品使用時の変形なども改善することが分かった。
本発明によれば、環境に対して負荷が少ないプラスチック製品を製造することができ、次世代のプラスチックとして、様々な分野で応用されることが期待される。
Claims (1)
- キャッサバ由来のでんぷんと、ポリカプロラクトン及び/又はポリヒドロキシ酪酸とを原材料として含む、生分解性プラスチック組成物。
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JP2012285427A JP2014125611A (ja) | 2012-12-27 | 2012-12-27 | キャッサバ由来のでんぷんを含有する生分解性プラスチック組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2012
- 2012-12-27 JP JP2012285427A patent/JP2014125611A/ja active Pending
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