JP2014125383A - 高純度アンモニア及びその製造方法並びに高純度アンモニア製造装置 - Google Patents

高純度アンモニア及びその製造方法並びに高純度アンモニア製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】発光特性に優れたGaN系化合物半導体を効率的に生産することができる高純度アンモニア及びその製造方法を提供する。また、前記高純度アンモニアを製造する高純度アンモニア製造装置を提供する。
【解決手段】メタノールとアンモニアを併産するプロセスにおいて製造された粗製アンモニアは、分子中に酸素原子を有する炭化水素化合物を含有しているので、精密蒸留を行うことにより、前記炭化水素化合物の含有率が1体積ppm以下である高純度アンモニアを製造した。この高純度アンモニアを窒素源としてGaN系化合物を形成し、そのGaN系化合物を用いてGaN系化合物半導体素子を製造すれば、発光特性に優れたGaN系化合物半導体を効率的に生産することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、分子中に酸素原子を有する炭化水素化合物の含有率が1体積ppm以下である高純度アンモニア、及びその製造方法に関する。また、本発明は、前記高純度アンモニアを製造する高純度アンモニア製造装置に関する。
発光ダイオード(LED)素子、レーザダイオード(LD)素子、パワー半導体等に利用される窒化物化合物半導体やSi半導体、あるいは、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等に使用されるアモルファスSi系薄膜トランジスタ(TFT)など、多くの電子デバイスを製造するプロセスにおける窒化物を形成する工程で、高純度アンモニアが用いられている。
高純度アンモニア中に不純物が含有されていると、電子デバイスの電気特性あるいは物理化学的特性に悪影響を及ぼすことが広く知られている。例えば、特許文献1には、原料として用いるアンモニア中に含有される水分の濃度がGaN系化合物半導体素子の輝度等の発光特性に大きな悪影響を与えることが開示されている。また、特許文献2、3には、純度99.999質量%以上の高純度アンモニアを製造するための精製方法がそれぞれ開示されている。
高純度アンモニアを使用して製造される電子デバイスとしては、例えば、図5に示されるようなGaN系化合物半導体素子が知られている。ここに示すGaN系化合物半導体素子は、サファイア基板101上に、GaN系化合物であるGaAl1-xN(ただしxは0以上1以下)からなるバッファ層102、Siがドープされたn型のクラッド層であるSiドープn型GaAl1-xN層(n型クラッド層)103、Znがドープされた発光する活性層であるZnドープGaAl1-xN層(活性層)104、及び、Mgがドープされたp型のクラッド層であるMgドープp型GaAl1-xN層(p型クラッド層)105が順に積層され、n型クラッド層103及びp型クラッド層105に電極106、107がそれぞれ設けられて構成されている。GaN系化合物半導体素子は、例えば、青色発光ダイオード(青色LED)として用いられている。青色LEDは、低消費電力で高輝度であることが特長であり、且つ長寿命であることから、省エネルギー型の液晶バックライト用光源あるいは照明用光源としての需要が急速に拡大している。
高純度アンモニアガスの原料となる粗製アンモニアは、農業用肥料、繊維・樹脂原料、あるいは、火力発電所における脱硝用等の広範な用途があり、天然ガス、液化石油ガス(LPG)、ナフサ等の炭化水素から取り出した水素を原料として製造されている。図6に、アンモニア製造プロセスの一例を示す。
天然ガス、LPG、ナフサ等の炭化水素原料を脱硫した後、改質炉で改質(CXY +H2 O→CO+H2 )し、さらに一酸化炭素(CO)のシフト(転化)反応(CO+H2 O→CO2 +H2 )を行う。シフト反応により生成した二酸化炭素(CO2 )を除去した後、残留する微量の一酸化炭素及び二酸化炭素のメタネーション(メタン化)反応(CO+3H2 →CH4 +H2 O、CO2 +4H2 →CH4 +2H2 O)を行ってアンモニア合成ガスとし、このアンモニア合成ガスからアンモニア合成炉にてアンモニア(NH3 )を合成する(N2 +3H2 →2NH3 )。
一方、各種工業用原料や燃料として使用されるメタノール(CH3 OH)の製造においても、アンモニアの製造と同様に水素が主原料とされており、天然ガス、LPG、ナフサ等の炭化水素原料から水素(H2 )と一酸化炭素(CO)を含有する合成ガスを製造する技術が必要である。そのため、炭化水素原料を改質した改質ガスを、アンモニアの製造プロセスと共通に利用できることから、従来より、メタノールとアンモニアを併産する方法が種々提案されている。例えば、特許文献4には、メタノール製造プロセスより排出される水素ガスを多く含むガスを、アンモニア製造プロセスのアンモニア合成工程よりも前の工程に導き、アンモニア合成の追加原料ガスとして利用する方法が開示されている。
メタノールとアンモニアを併産するプロセスは、併産を行わずにメタノール及びアンモニアをそれぞれ個別に製造するプロセスに比べて、原料となる水素及び炭素の原単位を大幅に向上させることができるとともに、熱エネルギー及び電気エネルギーを省力化した高効率なプロセスを構築することができることから、メタノールとアンモニアを併産するプロセスは広く一般的に採用されている。
特開2000−91235号公報 特開2003−183021号公報 特開2006−206410号公報 特開2010−138051号公報
上記のようなメタノールとアンモニアを併産するプロセスにおいて製造されたアンモニアから不純物を除去して精製したアンモニアを用いて、各種の電子デバイスが製造されている。しかしながら、メタノールとアンモニアを併産するプロセスにおいて製造されたアンモニアを窒素源としてGaN系化合物半導体素子を生産した場合には、GaN系化合物半導体素子の発光特性、特に輝度が不十分となる場合があり、製品歩留まりが低下するという問題があることが分かった。
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、発光特性に優れたGaN系化合物半導体を効率的に生産することができる高純度アンモニア及びその製造方法を提供することを課題とする。また、本発明は、前記高純度アンモニアを製造する高純度アンモニア製造装置を提供することを併せて課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、メタノールとアンモニアを併産するプロセスでは、メタノール合成プロセスにおける触媒活性の変化や運転条件の変化によって、分子中に酸素原子を有する炭化水素化合物が副生することがあり、その炭化水素化合物の生成量を予測することは難しいことが分かった。そのため、メタノール合成プロセスからアンモニア合成プロセスへ供給される水素ガス中には、分子中に酸素原子を有する炭化水素化合物が含有している場合があること、さらに、アンモニア合成プロセスで合成されたアンモニア中には、分子中に酸素原子を有する炭化水素化合物が含有している場合があることが分かった。
そして、本発明者らは、メタノールとアンモニアを併産するプロセスにおいて製造されたアンモニアから一般的な方法により不純物を除去した精製アンモニア中には、分子中に酸素原子を有する炭化水素化合物が混入することがあること、また、この精製アンモニアを原料(窒素源)として利用してGaN系化合物半導体素子を製造すると、前記炭化水素化合物(特にエーテル系化合物)が有する酸素原子がGaN系化合物半導体素子の発光特性(特に輝度)に深刻な悪影響を与えることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、前記課題を解決する本発明の一態様に係る高純度アンモニアの製造方法は、分子中に酸素原子を有する炭化水素化合物の含有率が1体積ppm超過である粗製アンモニアを蒸留することにより、前記炭化水素化合物を除去して、前記炭化水素化合物の含有率が1体積ppm以下である高純度アンモニアを得ることを特徴とする。
前記炭化水素化合物としては、アルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、及びエーテルから選ばれる1種以上があげられ、これらの中でもエーテル、特にジメチルエーテルが、GaN系化合物半導体素子の発光特性(特に輝度)に深刻な悪影響を与える。
また、前記粗製アンモニアとしては、メタンを含有する原料ガスと水蒸気を反応させて一酸化炭素と水素を生成する水蒸気改質工程と、前記水蒸気改質工程で生成した一酸化炭素に水蒸気を反応させて二酸化炭素を生成するCO転化工程と、前記水蒸気改質工程で生成した一酸化炭素及び前記CO転化工程で生成した二酸化炭素の少なくとも一方にメタノール合成触媒存在下で水素を反応させてメタノールを生成するメタノール合成工程と、前記水蒸気改質工程で生成した水素に窒素を反応させてアンモニアを生成するアンモニア合成工程と、を備える、メタノールとアンモニアの併産プロセスにより製造されたアンモニアを用いてもよい。
この高純度アンモニアの製造方法においては、前記粗製アンモニア中の前記炭化水素化合物の含有率に基づいて、前記粗製アンモニアの蒸留における前記粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を設定してもよい。例えば、前記粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を0.5以上8以下としてもよいし、1以上5以下としてもよい。
また、この高純度アンモニアの製造方法においては、前記粗製アンモニア中の前記炭化水素化合物の含有率に基づいて、前記粗製アンモニアの蒸留における蒸留塔の塔高を設定してもよい。例えば、塔高を3m以上55m以下としてもよいし、6m以上25m以下としてもよい。
また、本発明の他の態様に係る高純度アンモニアは、前記高純度アンモニアの製造方法により製造された高純度アンモニアであって、前記炭化水素化合物の含有率が1体積ppm以下であることを特徴とする。この高純度アンモニアは、窒化ガリウム系化合物の製造に窒素源として使用することができる。
さらに、本発明の他の態様に係る高純度アンモニア製造装置は、分子中に酸素原子を有する炭化水素化合物の含有率が1体積ppm超過である粗製アンモニアが導入される蒸留塔を備え、前記粗製アンモニアから前記炭化水素化合物を蒸留によって除去し、前記炭化水素化合物の含有率が1体積ppm以下である高純度アンモニアを製造する高純度アンモニア製造装置であって、前記蒸留塔の塔高が前記粗製アンモニア中の前記炭化水素化合物の含有率に基づいて設定されており、3m以上55m以下であることを特徴とする。
本発明に係る高純度アンモニアは、発光特性に優れたGaN系化合物半導体を効率良く生産することができる。
また、本発明に係る高純度アンモニアの製造方法及び高純度アンモニア製造装置によれば、分子中に酸素原子を有する炭化水素化合物の含有率が1体積ppm以下である高純度アンモニアを製造することができる。
本発明に係る高純度アンモニアの製造方法の一実施形態を説明する製造フロー概略図である。 本発明に係る高純度アンモニア製造装置の一実施形態を説明する概略図である。 GaN系化合物半導体の製造に用いられる製造装置の構成を示す概略図である。 GaN系化合物半導体素子の一例を示す部分断面図である。 従来のGaN系化合物半導体素子の一例を示す部分断面図である。 アンモニアの製造方法の一例を示す製造フロー概略図である。
本発明に係る高純度アンモニア及びその製造方法並びに高純度アンモニア製造装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係る高純度アンモニアの製造方法の一実施形態を説明する製造フロー概略図であり、図2は、本発明に係る高純度アンモニア製造装置の一実施形態を説明する概略図である。
図1は、メタノールとアンモニアを併産するプロセスを説明する図であり、該プロセスは、メタノール合成プロセスとアンモニア合成プロセスを備えている。
まず、メタンを含有する炭化水素原料ガス(例えば天然ガス、LPG、ナフサ)を、脱硫触媒が充填された脱硫塔に通して脱硫処理した後、改質炉に導入して、脱硫処理した原料ガスと水蒸気を反応させ水蒸気改質を行う(水蒸気改質工程)。水蒸気改質により一酸化炭素と水素が生成し(CXY +H2 O→CO+H2 )、一酸化炭素と水素を含有する改質ガス(合成ガス)が得られる。水蒸気改質の方法は特に限定されるものではなく、一般的な方法を採用可能である。例えば、水蒸気改質触媒の存在下で700〜1100℃で反応させる方法があげられる。
次に、得られた改質ガス(合成ガス)を分配し、一部をメタノール合成プロセスに、他部をアンモニア合成プロセスに送る。
メタノール合成プロセスにおいては、メタノール合成触媒が充填されたメタノール合成塔に前記合成ガスを導入し、合成ガス中の一酸化炭素と水素を高温・高圧条件で反応させる。すると、メタノール合成反応(CO+2H2 →CH3 OH、CO2+3H2 →CH3 OH+H2 O)が進行し、メタノールが生成する(メタノール合成工程)。メタノール合成反応としては、例えば、銅系触媒(例えば、酸化銅−酸化亜鉛/アルミナ複合酸化物)をメタノール合成触媒として用い、温度が200〜300℃、圧力が数十気圧(例えば50〜100気圧)という条件で反応させる方法があげられる。
メタノール蒸気を含有する生成ガスがメタノール合成塔から冷却器に送られて冷却され、液体のメタノールとなり、液体のメタノールと未反応成分を含有するガスとに分離される。液体のメタノールは凝縮器で回収され、未反応成分を含有するガスはメタノール合成塔に再び戻され、メタノール合成反応に使用される。すなわち、メタノール合成反応に使用された合成ガスは、メタノールを分離した後にメタノール合成塔に戻されて新しい合成ガスとともにメタノール合成反応に使用され、その後には再びメタノール合成塔に戻されるから、メタノール合成塔と冷却器との間を循環することとなる。
ただし、水蒸気改質により得られた合成ガスは、通常は、メタノール合成反応に必要な化学量論比に対して水素を過剰に含むため、メタノール合成塔と冷却器とを循環する循環系内には水素が蓄積される。よって、循環するガスの一部をパージして、前記循環系内に水素が過剰に蓄積することを防いでいる。そして、このパージガスは、アンモニア合成用の原料ガスの一部として、後述するアンモニア合成プロセスに供給される。すなわち、パージガスは、分配された改質ガスに混合されて、一酸化炭素のシフト(転化)反応に供される。これにより、脱硫処理した原料ガスが有効活用されて原料の原単位が向上することに加えて、メタノールとアンモニアを併産するプロセス全体のエネルギーコストが圧縮される。
一方、アンモニア合成プロセスにおいては、分配された改質ガス(前述のパージガスが混合されたもの)に対して、一酸化炭素(CO)のシフト(転化)反応(CO+H2 O→CO2 +H2 )を行うことによって、水蒸気改質により生成した一酸化炭素を二酸化炭素に転化する(CO転化工程)。そして、シフト反応により生成した二酸化炭素(CO2 )を分離、除去する(二酸化炭素除去工程)。
改質ガスから二酸化炭素を分離する方法は特に限定されるものではなく、改質ガスから二酸化炭素を化学的又は物理的に吸収する方法など、一般的な分離方法を採用することが可能である。分離された二酸化炭素は、液化炭酸ガスやドライアイスとして固定化されたり、あるいは、尿素合成プロセス等の別のプロセスにおける原料として利用することが可能である。
二酸化炭素を除去した改質ガスには、微量の一酸化炭素及び二酸化炭素が残留している場合があるが、これらの残留物によって、後のアンモニア合成反応において使用されるアンモニア合成触媒が劣化するおそれがあるので、残留物を除去する処理を施すことが好ましい。まず、第一の残留物除去処理として、前述のメタノール合成プロセスにおけるメタノール合成反応と同様の反応を行うことにより、残留する一酸化炭素と二酸化炭素をメタノールに変換する(第二メタノール合成工程)。ここで得られたメタノールは、メタノール合成プロセス側に送られ、メタノール取得量の向上が図られる。このように第二メタノール合成工程を行う場合には、前記の二酸化炭素除去工程は必須ではないため、不要とすることができる。
次に、第二メタノール合成工程により得られたメタノールを分離、除去した後の改質ガスに対して、第二の残留物除去処理として、メタネーション(メタン化)反応(CO+3H2 →CH4 +H2 O、CO2 +4H2 →CH4 +2H2 O)を行うことにより、残留する一酸化炭素と二酸化炭素をメタン(CH4 )と水に変換する。
なお、微量の残留物を除去するための第一の残留物除去処理及び第二の残留物除去処理は、両方を行うことが好ましいが、一方のみを行ってもよい。
このようにして得られたガスをアンモニア合成ガスとし、アンモニア合成触媒が充填されたアンモニア合成炉に導入する。そして、アンモニア合成炉において、アンモニア合成ガス中の水素に窒素を反応させて(N2 +3H2 →2NH3 )、アンモニアを合成する(アンモニア合成工程)。
合成された粗製アンモニアは、蒸留や吸着等の一般的な精製技術により精製され、例えばシリンダーに液化充填された状態で流通されて、例えば、各種電子デバイスに用いられる金属窒化物の形成に対して窒素源として用いられる。あるいは、農業用肥料、繊維・樹脂の原料として用いられたり、火力発電所における脱硝用途に用いられる。
ただし、上記のようなメタノールとアンモニアを併産するプロセスにおいて、メタノール合成プロセスからアンモニア合成プロセスへの前記パージガスの供給や前記第一の残留物除去処理(第二メタノール合成工程)を経てアンモニア合成工程に供されるアンモニア合成ガスには、組成分析を行った結果、分子中に酸素原子を有する炭化水素化合物を10体積ppm以上1000体積ppm以下含有している場合があることが分かった。
また、分子中に酸素原子を有する炭化水素化合物の含有率は、メタノール合成工程(メタノール合成プロセスのメタノール合成工程及びアンモニア合成プロセスの第二メタノール合成工程)における温度、圧力等の運転条件の変動に伴って変動していることが分かった。さらに、メタノール合成触媒の経時的な劣化に起因するメタノール収率の低下に伴って、分子中に酸素原子を有する炭化水素化合物の含有率は、10体積ppm程度から1000体積ppm程度の範囲で大きく変動していること、また、その含有率の変化は、一定ではなく予測することは困難であることが分かった。
さらに、前記炭化水素化合物を含有するアンモニア合成ガスを使用してアンモニアを合成した場合は、得られた粗製アンモニア中に数体積ppm(例えば5体積ppm)から数百体積ppmの前記炭化水素化合物が含有していることが分かった。なお、本発明においては、アンモニア中の前記炭化水素化合物の含有率は、アンモニアが気体状である場合は、この気体状のアンモニア中の前記炭化水素化合物の体積分率を意味し、アンモニアが液体状である場合は、液体状のアンモニアを気化させて得られたガス中の前記炭化水素化合物の体積分率を意味する。
さらに、前記炭化水素化合物としては、アルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、及びエーテルがあげられ、これらの化合物のうち1種類又は2種類以上がアンモニア合成ガスに含有している場合があるが、これらの中でもエーテル、特にジメチルエーテルが問題となることが分かった。
すなわち、アンモニアの沸点が−33℃であるのに対し、ジメチルエーテルの沸点は−24℃であり、両者の沸点差は小さいため、一般的なアンモニア合成プロセスに使用されている蒸留工程によってアンモニア中に含有するジメチルエーテルを完全に除去することは困難である。
そこで、本発明においては、ジメチルエーテル等の前記炭化水素化合物を1体積ppm超過含有する粗製アンモニアを精製して、目標とする高純度(99.999体積%以上、あるいは、99.9999体積%以上)を達成するために、前記アンモニア合成工程で得られた粗製アンモニアを高純度アンモニア製造装置を用いて精密に蒸留する(精密蒸留工程)。
精密蒸留工程で用いる高純度アンモニア製造装置としては、例えば、図2に示すものがあげられる。図2に示す高純度アンモニア製造装置は、蒸留塔41を備えており、蒸留塔41の塔頂部には、低沸点成分排出管45及びコンデンサ43が備えられており、また、蒸留塔41の塔底部には、高純度アンモニア抜出管46及びリボイラ42が備えられている。
粗製アンモニアが、粗製アンモニア導入管44を介して蒸留塔41の中間部に連続的に供給される。蒸留塔41の塔頂部から出たアンモニアはコンデンサ43によって冷却されて液化し、その一部が低沸点成分排出管45を介して排出され、残部は蒸留塔41に戻され、還流される。
低沸点成分排出管45を介してアンモニアの一部が排出されることにより、低沸点成分であるジメチルエーテル等の前記炭化水素化合物が除去されるので、粗製アンモニアが精製されて高純度アンモニアとなる。高純度アンモニアは、塔底部から高純度アンモニア抜出管46を介して抜き出される。
蒸留塔41の塔高は、粗製アンモニア中の前記炭化水素化合物の含有率に基づいて設定することが好ましく、3m以上55m以下とすることが好ましく、6m以上25m以下とすることがより好ましい。塔高を大きく設計するほど成分分離性能が向上するが、一方で、塔高を大きく設定し過ぎると設備コストが大幅に増加する。粗製アンモニア中の前記炭化水素化合物の含有率を測定し、例えばジメチルエーテルの含有率が数百体積ppm以上と高濃度である場合には、塔高を6m以上に設計することが好ましい。
また、高純度アンモニアを得るためには、粗製アンモニア中の前記炭化水素化合物の含有率に基づいて、精密蒸留の運転条件を設定することが好ましいが、特に粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を好適値に設定することが好ましい。よって、粗製アンモニア中の前記炭化水素化合物の含有率、特にジメチルエーテルの含有率を測定し、その数値によって粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を変化させることが有効である。
ジメチルエーテルが高濃度(例えば数百体積ppm)である場合には、精密蒸留工程における粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を大きく設定して分離性能を向上しなければ、ジメチルエーテルの含有率を1体積ppm以下の低濃度まで低下させて、アンモニアの純度を99.9999体積%以上まで向上させることができない。
よって、粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を0.5以上8以下とすることが好ましく、1以上5以下とすることがより好ましい。粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を大きく設定するほど成分分離性能が向上するが、粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を大きく設定し過ぎると熱効率が低下して生産性が大幅に低下する。粗製アンモニア中のジメチルエーテルの含有率が数百体積ppm以上と高濃度の場合には、粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を1以上に設定することが好ましい。
なお、前述したように、粗製アンモニア中の前記炭化水素化合物の含有率を予測することは困難であるが、不純物である前記炭化水素化合物の量が例えば数百体積ppm程度となると予想できる場合には、蒸留塔の高さを例えば55m以下まで高くすればよく、不純物の量が数体積ppm程度となると予想できる場合には、蒸留塔の高さを例えば3m以上とすればよい。前記炭化水素化合物の含有率が予想値から変動する可能性があるが、その場合には、粗製アンモニアの蒸留における粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を前記炭化水素化合物の量に応じて0.5以上8以下に設定すれば、前記炭化水素化合物の量を目標値以下に低減することができる。
ただし、設備コストと生産性(ランニングコスト)の両方を考慮して、蒸留塔における塔高の設計と、粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)の設定を好適に組み合わせることが好ましい。
このように精密蒸留を行って得られた精製アンモニアは、分子中に酸素原子を有する炭化水素化合物の含有率が1体積ppm以下、好ましくは0.8体積ppm以下、より好ましくは0.5体積ppm以下、更に好ましくは0.1ppm以下である高純度アンモニアである。この高純度アンモニアは、半導体素子に用いられる金属窒化物の形成に対して窒素源として好適に用いることができる。例えば、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN、Gax Al1-x N(ただしxは0以上1以下)、Gax In1-x N(ただしxは0以上1以下)等のGaN系化合物の形成に対して窒素源として好適に用いることができる。そして、得られた金属窒化物を用いて、優れた発光特性(特に輝度)を有する半導体素子を製造することが可能である。
〔実施例〕
以下に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す製造フローにしたがって、高純度アンモニアを製造した。すなわち、アンモニア合成プロセスで得られた粗製アンモニアを精密蒸留して、高純度アンモニアを得た。粗製アンモニア中のジメチルエーテルの含有率は100体積ppmであった。精密蒸留には、市販の充填材であるステンレス製ラッシヒリングを約1.2L充填した内径16mm、高さ6mの蒸留塔を用いた。
このような蒸留塔を備える蒸留装置に、100g/hの流量で粗製アンモニアを供給し、圧力を約0.8MPa、湯浴温度を約30℃、還流量を100g/hとして粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を1に設定して、精密蒸留を行った。精密蒸留により得られた高純度アンモニア中のジメチルエーテルの含有率は、0.8体積ppmであった。なお、アンモニア中のジメチルエーテルの含有率は、ガスクロマトグラフィーにより測定した。
次に、この高純度アンモニアをGaN系化合物の窒素源とし、図3に示すGaN系化合物半導体の製造装置を使用して、図4に示すGaN系化合物半導体素子を製造した。以下に製造方法を詳細に説明する。
図3に示す製造装置は、有機金属化学気相成長(MOCVD)装置であり、サファイア基板1を収容する反応室11と、この反応室11内のサファイア基板1を支持する支持部12と、支持部12に支持されたサファイア基板1を加熱するヒータ13と、有機金属の供給源である有機金属用容器14、15と、有機金属用容器14、15に水素ガスを導入する水素ガス導入管21、22と、これら有機金属用容器14、15から供給された有機金属ガスを反応室11内に導入する有機金属ガス導入管16、17と、アンモニアガスの供給源であるアンモニア用容器18と、アンモニア用容器18から供給されたアンモニアガスを反応室11内に導入するアンモニアガス導入管19と、反応室11内のガスを室外に排出する排出管20と、Si化合物用容器23と、Zn化合物用容器24と、Mg化合物用容器25と、これら容器23、24、25から供給された化合物を反応室11内に導入するSi化合物導入管26、Zn化合物導入管27、Mg化合物導入管28と、を備えている。
サファイア基板1としては、直径が50mm、厚さが0.3mmであり、表面を鏡面研磨した円板状のものを用いた。まず、有機洗浄したc面を主面とする単結晶の上記サファイア基板1を、反応室11内の支持部12に支持させた。次に、反応室11の圧力を0.133Pa(1×10-3torr)以下に減圧した後、H2 を反応室11内に導入して反応室11内の圧力を大気圧(760torr)に戻し、流速5slm(standard l/min. )でH2 を反応室11内に導入しつつサファイア基板1の温度を1150℃とし、サファイア基板1をサーマルクリーニングした。
次に、サファイア基板1の温度を450℃まで低下させて、H2 及びN2 からなるキャリアガスを流速6slmで、アンモニアガスを流速1slmで、トリメチルアルミニウム(TMAl)蒸気を含むH2 を流速20sccm(standard cc/min.)で、それぞれ1.5分間反応室11内に供給した。このとき、TMAlのモル供給量は、3.8×10-5mol/minであった。この過程で、サファイア基板1上にAlNからなる厚さ約20nmのバッファ層31が形成された。
次いで、TMAlの供給を停止して、サファイア基板1の温度を1100℃まで昇温してこの温度に保ち、上記キャリアガスを流速6slmで、アンモニアガスを流速2.5slmで、濃度が1体積ppmとなるようにH2 で希釈したジシラン(Si26 )を流速5sccmで、トリメチルガリウム(TMGa)蒸気を含むH2 を流速15sccmで、それぞれ90分間反応室11内に供給した。このとき、TMGaのモル供給量は、5.8×10-5mol/minであった。この過程で、厚さが約1.5μm、キャリア濃度がおよそ3×1017/cm3 のn型GaN層32が形成された。
続いて、TMGaの供給を停止してから、サファイア基板1の温度を850℃に降温してこの温度に保ち、キャリアガスを流速6slmで、アンモニアガスを流速2.5slmで、濃度が100体積ppmとなるようにH2 で希釈したジエチル亜鉛(DEZn)を流速10sccmで、濃度が1体積ppmとなるようにH2 で希釈したSi26 を流速10sccmで、TMGa蒸気を含むH2 を流速5sccmで、トリメチルインジウム(TMIn)蒸気を含むH2 を流速13sccmで、それぞれ15分間反応室11内に供給した。このとき、TMGa及びTMInのモル供給量は、それぞれ1.9×10-5mol/min及び7.6×10-6mol/minであった。この過程で、厚さが約100nmのSi及びZn不純物を含むInGaN活性層33が形成された。
続いて、サファイア基板1の温度を上記InGaN活性層33の形成時と同じ温度に保ったまま、TMInの供給を停止して、キャリアガスを流速6slmで、アンモニアガスを流速4.5slmで、TMGa蒸気を含むH2 を流速1sccmで、それぞれ2分間反応室11内に供給した。このとき、TMGaのモル供給量は、3.8×10-6mol/minであった。この過程で、厚さが約3nmのGaN層34が形成された。
次いで、TMGaの供給を停止して、サファイア基板1の温度を1150℃まで昇温してこの温度に保ち、キャリアガスを流速6slmで、アンモニアガスを流速3slmで、TMAl蒸気を含むH2 を流速4.3sccmで、TMGa蒸気を含むH2 を流速5sccmで、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2 Mg)蒸気を含むH2 を流速135sccmで、それぞれ10分間反応室11内に供給した。このとき、TMAl、TMGa、及びCp2 Mgのモル供給量は、それぞれ2.3×10-6mol/min、1.5×10-5mol/min、及び1.1×10-4mol/minであった。この過程で、厚さが約70nm、キャリア濃度がおよそ1×1017/cm3 のp型AlGaN層35が形成された。
次いで、TMAl、TMGa、及びCp2 Mgの供給を停止して、サファイア基板1の温度を1100℃まで降温してこの温度に保ち、キャリアガスを流速6slmで、アンモニアガスを流速2.5slmで、TMGa蒸気を含むH2 を流速15sccmで、Cp2 Mg蒸気を含むH2 を流速135sccmで、それぞれ10分間反応室11内に供給した。このとき、TMGa及びCp2 Mgのモル供給量は、5.7×10-5mol/min及び1.1×10-4mol/minであった。この過程で、厚さが約300nm、キャリア濃度がおよそ3×1017/cm3 のp型GaN層36が形成された。
上記のようにして得られたエピタキシャルウェハを反応室11から取り出し、公知の素子化技術を用いてn型GaN層32及びp型GaN層36にそれぞれn電極37及びp電極38を設けて、図4に示す半導体素子を得た。得られた半導体素子のn電極37とp電極38の間に、順方向の電流20mAを通し、この素子を発光させたときの輝度を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
精密蒸留における還流量を300g/hとして粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を3に設定した点と、得られた高純度アンモニア中のジメチルエーテルの含有率が0.1体積ppmであった点以外は、実施例1と同様にしてGaN系化合物半導体素子を製造し、実施例1と同様に素子性能の評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例3)
精密蒸留における還流量を500g/hとして粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を5に設定した点と、得られた高純度アンモニア中のジメチルエーテルの含有率が0.01体積ppmであった点以外は、実施例1と同様にしてGaN系化合物半導体素子を製造し、実施例1と同様に素子性能の評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例4)
アンモニア合成プロセスで得られた粗製アンモニア中のジメチルエーテルの含有率が1000体積ppmであった点と、精密蒸留における還流量を800g/hとして粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を8に設定した点と、得られた高純度アンモニア中のジメチルエーテルの含有率が0.01体積ppmであった点以外は、実施例1と同様にしてGaN系化合物半導体素子を製造し、実施例1と同様に素子性能の評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例5)
アンモニア合成プロセスで得られた粗製アンモニア中のジメチルエーテルの含有率が10体積ppmであった点と、蒸留塔の塔高を3mとして充填材の量を約0.6Lとした点と、精密蒸留における還流量を50g/hとして粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を0.5に設定した点と、得られた高純度アンモニア中のジメチルエーテルの含有率が0.8体積ppmであった点以外は、実施例1と同様にしてGaN系化合物半導体素子を製造し、実施例1と同様に素子性能の評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(実施例6)
アンモニア合成プロセスで得られた粗製アンモニア中のジメチルエーテルの含有率が5体積ppmであった点と、蒸留塔の塔高を2.4mとして充填材の量を約0.48Lとした点と、精密蒸留における還流量を50g/hとして粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を0.5に設定した点と、得られた高純度アンモニア中のジメチルエーテルの含有率が0.8体積ppmであった点以外は、実施例1と同様にしてGaN系化合物半導体素子を製造し、実施例1と同様に素子性能の評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(比較例1)
蒸留塔の塔高を3mとして充填材の量を約0.6Lとした点と、精密蒸留における還流量を30g/hとして粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を0.3に設定した点と、得られた高純度アンモニア中のジメチルエーテルの含有率が10体積ppmであった点以外は、実施例1と同様にしてGaN系化合物半導体素子を製造し、実施例1と同様に素子性能の評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
(比較例2)
蒸留塔の塔高を2.4mとして充填材の量を約0.48Lとした点と、精密蒸留における還流量を50g/hとして粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を0.5に設定した点と、得られた高純度アンモニア中のジメチルエーテルの含有率が10体積ppmであった点以外は、実施例1と同様にしてGaN系化合物半導体素子を製造し、実施例1と同様に素子性能の評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
Figure 2014125383
上記の結果から、本発明の方法を用いれば、メタノールとアンモニアを併産するプロセスにおいて製造された粗製アンモニアを原料として、目標とする純度(99.999体積%以上、あるいは、99.9999体積%以上)の高純度アンモニアを製造することが可能であることが分かった。また、この高純度アンモニアを窒素源としてGaN系化合物を形成し、そのGaN系化合物を用いてGaN系化合物半導体素子を製造すれば、輝度が2.8cdを超えるような発光特性に優れたGaN系化合物半導体を製造可能であることが分かった。
1…サファイア基板
11…反応室
12…支持部
13…ヒータ
14、15…有機金属用容器、
16、17…有機金属ガス導入管
18…アンモニア用容器
19…アンモニアガス導入管
20…排出管
21…水素ガス導入管
22…水素ガス導入管
23…Si化合物用容器
24…Zn化合物用容器
25…Mg化合物用容器
26…Si化合物導入管
27…Zn化合物導入管
28…Mg化合物導入管
31…バッファ層
32…n型GaN層
33…活性層
34…GaN層
35…p型AlGaN層
36…p型GaN層
37…n電極
38…p電極
41…蒸留塔
42…リボイラ
43…コンデンサ
44…粗製アンモニア導入管
45…低沸点成分排出管
46…高純度アンモニア抜出管

Claims (13)

  1. 分子中に酸素原子を有する炭化水素化合物の含有率が1体積ppm超過である粗製アンモニアを蒸留することにより、前記炭化水素化合物を除去して、前記炭化水素化合物の含有率が1体積ppm以下である高純度アンモニアを得ることを特徴とする高純度アンモニアの製造方法。
  2. 前記炭化水素化合物がアルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、及びエーテルから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の高純度アンモニアの製造方法。
  3. 前記エーテルがジメチルエーテルであることを特徴とする請求項2に記載の高純度アンモニアの製造方法。
  4. メタンを含有する原料ガスと水蒸気を反応させて一酸化炭素と水素を生成する水蒸気改質工程と、前記水蒸気改質工程で生成した一酸化炭素に水蒸気を反応させて二酸化炭素を生成するCO転化工程と、前記水蒸気改質工程で生成した一酸化炭素及び前記CO転化工程で生成した二酸化炭素の少なくとも一方にメタノール合成触媒存在下で水素を反応させてメタノールを生成するメタノール合成工程と、前記水蒸気改質工程で生成した水素に窒素を反応させてアンモニアを生成するアンモニア合成工程と、を備える、メタノールとアンモニアの併産プロセスにより製造されたアンモニアを、前記粗製アンモニアとして用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の高純度アンモニアの製造方法。
  5. 前記粗製アンモニア中の前記炭化水素化合物の含有率に基づいて、前記粗製アンモニアの蒸留における前記粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高純度アンモニアの製造方法。
  6. 前記粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を0.5以上8以下とすることを特徴とする請求項5に記載の高純度アンモニアの製造方法。
  7. 前記粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を1以上5以下とすることを特徴とする請求項5に記載の高純度アンモニアの製造方法。
  8. 前記粗製アンモニア中の前記炭化水素化合物の含有率に基づいて、前記粗製アンモニアの蒸留における前記粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)及び蒸留塔の塔高を設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高純度アンモニアの製造方法。
  9. 前記粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を0.5以上8以下、前記蒸留塔の塔高を3m以上55m以下とすることを特徴とする請求項8に記載の高純度アンモニアの製造方法。
  10. 前記粗製アンモニアの供給量(F)に対する還流量(R)の比(R/F)を1以上5以下、前記蒸留塔の塔高を6m以上25m以下とすることを特徴とする請求項8に記載の高純度アンモニアの製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の高純度アンモニアの製造方法により製造された高純度アンモニアであって、前記炭化水素化合物の含有率が1体積ppm以下であることを特徴とする高純度アンモニア。
  12. 窒化ガリウム系化合物の製造に窒素源として使用されることを特徴とする請求項11に記載の高純度アンモニア。
  13. 分子中に酸素原子を有する炭化水素化合物の含有率が1体積ppm超過である粗製アンモニアが導入される蒸留塔を備え、前記粗製アンモニアから前記炭化水素化合物を蒸留によって除去し、前記炭化水素化合物の含有率が1体積ppm以下である高純度アンモニアを製造する高純度アンモニア製造装置であって、前記蒸留塔の塔高が前記粗製アンモニア中の前記炭化水素化合物の含有率に基づいて設定されており、3m以上55m以下であることを特徴とする高純度アンモニア製造装置。
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