JP2014125242A - 紙容器 - Google Patents

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真一 栗栖
Yoshihiko Okubo
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Abstract

【課題】 紙容器の意匠性を向上させ、且つ、重ねた紙容器を取り出し易くさせる胴ラベルが容易に取り付けられる紙容器を提供する。
【解決手段】 紙容器の側壁部12は、内方側より、第1の内方フィルム層14、第2の内方フィルム層15、板紙16、発泡層17及び発泡層17の外方面を覆うように巻き付けられた胴ラベル20を備える。胴ラベル20は、紙部分21と、紙部分21の外方面に形成され、印刷より形成されるインキ層22とを含む。このように構成すると、ざらついた発泡層17の表面を胴ラベル20にて覆い隠せると共に、発泡層17の表面のざらつきにより胴ラベル20がずれにくいので、紙容器10の意匠性を向上させ、且つ、重ねた紙容器10を取り出し易くさせる胴ラベル20が容易に取り付けられる。又、平坦な紙部分21に印刷を施すことが可能となるので、印刷が容易となり、且つ、鮮明となる。
【選択図】 図3

Description

この発明は紙容器に関し、特に熱湯を収容する紙容器に関するものである。
熱湯を注いで調理する即席カップめんやスープの容器として、例えば以下のような紙容器が既に存在している。
図9は、そのような紙容器の外観形状を示す正面図であり、図10は、図9で示したX−Xラインの端面図であり、図11は、図10で示した“Y”部分の拡大図である。
まず、図9及び図10を参照して、紙容器80は、底面部81と、底面部81の外縁より立ち上がる側壁部82とからなり、上部が開放されたものである。側壁部82の表面には図柄89が描写されている。
次に、図11を参照して、側壁部82は、内方側より、ポリエチレン(PE)よりなる第1の内方フィルム層83、ポリエチレンテレフタレート(PET)よりなる第2の内方フィルム層84、PEよりなる第3の内方フィルム層85、板紙86、発泡ポリエチレンを発泡させた発泡層87及びインキ層88を備えるものである。尚、図11では第1の内方フィルム層83、第2の内方フィルム層84、第3の内方フィルム層85及びインキ層88の各々を、各々が隣接する部材より離れるように図示しているが、図示の関係上このように表現しただけであって、実際にはこれらの部材は隣接する部材に密着状態で配置されている。
第1の内方フィルム層83及び第3の内方フィルム層85の各々は熱湯や汁等の液体が、第2の内方フィルム層84は食品より発生する油が、それぞれ板紙86に染み出さないようにするものである。又、発泡層87は断熱材として機能し、熱湯が注がれた紙容器80の内部の熱により側壁部82の外面が熱くなりすぎるのを防いでいる。インキ層88は、図柄89を描写して紙容器80の意匠性を向上させると共に、成分表示等の種々の情報を側壁部82の表面に表示させるものである。
上記のような従来の紙容器80は、発泡層87が発泡ポリエチレンの発泡により形成されるため、発泡層87の表面は平滑ではなく所々に凹凸が生じるざらついたものとなっていた。そのため、インキ層88に割れが生じ、図9に示すように図柄89等の印刷が不鮮明となっていた。又、紙容器80を重ねた場合に、一方の紙容器80の内方面に他方の紙容器80の発泡層87のざらついた表面が接触するため、紙容器80の取り出し時に、紙容器80同士が引っ掛かりやすく、取り出しにくいものとなっていた。
尚、発泡ポリエチレンの量を増加すると共に発泡ポリエチレンの発泡度合を低く設定すればインキ層88の割れは減少するが、コストが嵩む。
又、発泡層に代えて片面段ボール等よりなる断熱部材を板紙の外方面に取付けた紙容器も存在しているが、このような紙容器は断熱部材と板紙とを接着剤等にて接着しなければならず、製造上煩わしいものであった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、紙容器の意匠性を向上させ、且つ、重ねた紙容器を取り出し易くさせる胴ラベルが容易に取り付けられる紙容器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、底面部と、底面部の外縁より立ち上がる側壁部とからなり、上部が開放された紙容器であって、側壁部が、内方側に位置する板紙と、板紙の外方面に形成され、発泡性樹脂を発泡させた発泡層と、発泡層の外方面の少なくとも一部を覆うように巻き付けられた、紙製の胴ラベルとを備えたものである。
このように構成すると、発泡層の表面のざらつきにより胴ラベルがずれにくい。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、胴ラベルは、内方側に位置し、その外方面に印刷が施された紙部分と、紙部分の外方面を覆うように形成され、透明な合成樹脂よりなるフィルム層とを含むものである。
このように構成すると、平坦な紙部分に印刷を施すことが可能となる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、胴ラベルは、紙部分と、紙部分の少なくとも一方の面を覆うように形成され、合成樹脂よりなるフィルム層とを含むものである。
このように構成すると、容器の内方側に生じる熱い空気が外方に抜けにくくなる。
以上説明したように、請求項1記載の発明は、発泡層の表面のざらつきにより胴ラベルがずれにくいので、紙容器の意匠性を向上させ、且つ、紙容器を取り出し易くさせる胴ラベルが容易に取り付けられる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、平坦な紙部分に印刷を施すことが可能となるので、印刷が容易となり、且つ、鮮明となる。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、容器の内方側に生じる熱い空気が外方に抜けにくくなるので、胴ラベルが薄さと高い断熱性とを兼ね備えたものとなる。
この発明の第1の実施の形態による紙容器の外観形状を示す正面図である。 図1で示したII−IIラインの端面図である。 図2で示した“X”部分の拡大図である。 図1で示した胴ラベルの取付前の外観形状を示す正面図である。 この発明の第2の実施の形態による紙容器の側壁部の拡大端面図であって、第1の実施の形態の図3に対応する図である。 この発明の第3の実施の形態による紙容器の側壁部の拡大端面図であって、第1の実施の形態の図3に対応する図である。 この発明の第4の実施の形態による紙容器の側壁部の拡大端面図であって、第1の実施の形態の図3に対応する図である。 この発明の第5の実施の形態による紙容器の側壁部の拡大端面図であって、第3の実施の形態の図6に対応する図である。 従来の紙容器の外観形状を示す正面図である。 図9で示したX−Xラインの端面図である。 図10で示した“Y”部分の拡大図である。
図1は、この発明の第1の実施の形態による紙容器の外観形状を示す正面図であり、図2は、図1で示したII−IIラインの端面図であり、図3は、図2で示した“X”部分の拡大図であり、図4は、図1で示した胴ラベルの取付前の外観形状を示す正面図である。
これらの図を参照して、紙容器10は、底面部11と、底面部11の外縁より立ち上がる側壁部12とからなり、上部が開放されたものである。
側壁部12は、内方側より、ポリエチレンテレフタレート(PET)よりなる厚さ25μmの第1の内方フィルム層14、ポリエチレン(PE)よりなる厚さ30μmの第2の内方フィルム層15、板紙16、板紙16の外方面にて厚さ60μmに塗布された発泡ポリエチレンを、115℃のオーブンに入れて2分間加熱して発泡させて形成したものよりなる発泡層17及び発泡層17の外方面のほぼ全域を覆うように巻き付けられた胴ラベル20を備えるものである。
胴ラベル20は、図4に示したように扇状の形状を有し、図3に示したように、紙部分21と、紙部分21の外方面に形成されたインキ層22とを含むものである。胴ラベル20の紙容器10への取付は、胴ラベル20を発泡層17の表面に密着させて巻き付けた状態で、胴ラベル20の一方端部24を他方端部25に接着剤等で接着して輪状にすることにより行われる。
第1の内方フィルム層14及び第2の内方フィルム層15は、食品より発生する油、熱湯や汁等の液体が、板紙16に染み出さないようにするものである。又、発泡層17は断熱材として機能し、熱湯が注がれた紙容器10の内部の熱により側壁部12の外面が熱くなりすぎるのを防いでいる。胴ラベル20のインキ層22は、図柄29を描写して紙容器10の意匠性を向上させると共に、成分表示等の種々の情報を側壁部12の表面に表示させるものである。尚、図3では第1の内方フィルム層14、第2の内方フィルム層15、紙部分21及びインキ層22の各々を、各々が隣接する部材より離れるように図示しているが、図示の関係上このように表現しただけであって、実際にはこれらの部材は隣接する部材に密着状態で配置されている。
このように構成すると、ざらついた発泡層17の表面を胴ラベル20にて覆い隠せると共に、発泡層17の表面のざらつきにより胴ラベル20がずれにくいので、紙容器10の意匠性を向上させ、且つ、重ねた紙容器10を取り出し易くさせる胴ラベル20が容易に取り付けられる。又、平坦な紙部分21に印刷を施すことが可能となるので、印刷が容易となり、且つ、鮮明となる。
図5は、この発明の第2の実施の形態による紙容器の側壁部の拡大端面図であって、第1の実施の形態の図3に対応する図である。
図を参照して、第1の実施の形態による紙容器10の側壁部12において、胴ラベル20が、紙部分21の内方側の面を覆うように、ポリブチレンテレフタレート(PBT)よりなる厚さ18μmのフィルム層23が押出成形により形成されたものに置き換えられている。尚、他の紙容器10の構成要素は第1の実施の形態によるものと同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。このように構成すると、容器10の内方側に生じる熱い空気が外方に抜けにくくなるので、胴ラベル20が薄さと高い断熱性とを兼ね備えたものとなる。
図6は、この発明の第3の実施の形態による紙容器の側壁部の拡大端面図であって、第1の実施の形態の図3に対応する図である。
図を参照して、第1の実施の形態による紙容器10の側壁部12において、胴ラベル20が、内方側に位置し、その外方面に印刷が施された、すなわちインキ層22が形成された紙部分21と、紙部分21の外方面を覆うように、透明のポリブチレンテレフタレート(PBT)よりなる厚さ18μmのフィルム層26が押出成形により形成されたものに置き換えられている。尚、他の紙容器10の構成要素は第1の実施の形態によるものと同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。このように構成すると、容器10の内方側に生じる熱い空気が外方に抜けにくくなるので、胴ラベル20が薄さと高い断熱性とを兼ね備えたものとなる。又、胴ラベル20の外方面が透明なフィルム層26に覆われるため、インキ層22を保護すると共に紙容器10の意匠性及び紙容器10の表面の平滑度がより向上する。
図7は、この発明の第4の実施の形態による紙容器の側壁部の拡大端面図であって、第1の実施の形態の図3に対応する図である。
図を参照して、第1の実施の形態による紙容器10の側壁部12において、胴ラベル20が、紙部分21の内方側の面を覆うように接着されたポリエチレンテレフタレート(PET)よりなる厚さ12μmのフィルム層23と、紙部分21の外方面を覆うように接着された透明のポリエチレンテレフタレート(PET)よりなる厚さ12μmのフィルム層26とを有するものに置き換えられている。尚、他の紙容器10の構成要素は第1の実施の形態によるものと同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。このように構成すると、容器10の内方側に生じる熱い空気がより外方に抜けにくくなるので、胴ラベル20の断熱性がより向上する。又、胴ラベル20の外方面が透明なフィルム層26に覆われるため、インキ層22を保護すると共に紙容器10の意匠性及び紙容器10の表面の平滑度がより向上する。
図8は、この発明の第5の実施の形態による紙容器の側壁部の拡大端面図であって、第3の実施の形態の図6に対応する図である。
図を参照して、第3の実施の形態による紙容器10の側壁部12において、胴ラベル20の紙部分21の厚みが増したものに置き換えられている。尚、他の紙容器10の構成要素は第3の実施の形態によるものと同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。このように構成すると、胴ラベル20の厚みが増すので、胴ラベル20の断熱性がより向上する。
尚、上記の各実施の形態では、胴ラベルはその外方面に印刷が施されたものであったが、印刷が施されていないものであってもよい。
又、上記の各実施の形態では、胴ラベルは発泡層の外方面のほぼ全域を覆うように巻き付けられていたが、発泡層の少なくとも一部を覆うように巻き付けられていればよい。
更に、上記の各実施の形態では、胴ラベルは一方端部と他方端部とを接着することのみによって発泡層に巻き付けて紙容器に取付けられていたが、胴ラベルと発泡層とを接着することによって紙容器に取付けてもよい。
更に、上記の各実施の形態では、発泡層は特定の発泡性樹脂を発泡させたものよりなるものであったが、他の発泡性樹脂を発泡させたものよりなるものであってもよい。
更に、上記の第2の実施の形態から第5の実施の形態では、フィルム層は特定の合成樹脂よりなるものであったが、他の合成樹脂よりなるものであってもよい。
更に、上記の各実施の形態では、胴ラベルは一重巻きのものであったが、二重以上に巻かれるものであってもよい。
このように、紙容器10は、胴ラベル20を備えることにより、断熱性、意匠性、取り出し易さ(すべり性)が向上する。しかし、上述した各実施の形態のように、胴ラベル20の構成は種々あり、その構成によって、断熱性、意匠性、すべり性の向上度合いが異なる。
そこで、各実施の形態による断熱性、意匠性、すべり性の向上度合いを検討するために、実験を行った。
まず、実験に際して、後述する表1に示すような、従来の紙容器に対応する比較例1(日清食品株式会社の商品「カップヌードル」(カップヌードルは登録商標です)の容器)と、コップ成形機によって発泡前の口径100φ×高さ120mm×テーパー6度からなる紙カップを形成し、比較例2及び比較例3と、第1の実施の形態に対応する実施例1、第2の実施の形態に対応する実施例2、第3の実施の形態に対応する実施例3、第4の実施の形態に対応する実施例4及び第5の実施の形態に対応する実施例5とを準備する。尚、比較例3及び実施例1〜5の各々の発泡は、115℃のオーブンに入れて2分間加熱することにより行う。このようにして得た各試料につき、断熱性、意匠性、すべり性の向上度合いの判定を行った。
1.断熱性に対する実験
(1)測定条件
各試料において、沸騰したお湯を350ml入れ、お湯を入れてから一分後にまずお湯の温度を測定する。次に、お湯の温度を測定してから1分後に紙コップの側面を接触温度計にて測定する。
(2)測定基準
まず、1.(1)に記載の測定条件にて測定を三回行い、それぞれの測定におけるお湯の温度と側面の温度の平均を求める。次に、試料毎にお湯の温度の平均値と側面の温度の平均値との差を求め、その温度差より試料毎に温度勾配を算出する。尚、温度勾配は以下の式により算出する。
温度勾配=温度差/素材厚み(m)/60(秒)
素材厚みはマイクロメーターにより実測する。このようにして算出した温度勾配より、比較例3の温度勾配を基準とした評価値(比較例3を1.00とする)を試料毎に算出する。
2.意匠性に対する実験
(1)測定条件
各試料において、印刷面にPOSバーコードを印刷したものを10個準備し、バーコードリーダーを用いて、印刷したPOSバーコードの読み取りの可否を試料毎に測定する。
(2)測定基準
各試料において、10個とも正確にPOSバーコードが読み取れたものを合格と判断する。
3.すべり性に対する実験
(1)測定条件
各試料において、10個の紙コップをスタックし、最上段の紙コップに350mlの水を注ぎ、10分間放置した。その後、最上段の紙コップより、紙コップを1個ずつ順番に引き出し分離した。
(2)測定基準
各試料において、10個の紙コップ全てが1個ずつ引き出されて分離できれば合格とし、紙コップが2個以上連なって引き出されて分離される場合があれば不合格とする。
各試料毎の上記各実験による判定結果を以下の表に示す。
Figure 2014125242
Figure 2014125242
4.断熱性に対する実験の測定結果
上記の表2の「評価値」の列を参照して、各試料の評価値を比較した。
測定結果から以下の内容が判明した。
基準となる比較例3よりも低い評価となった比較例2は断熱性がほとんど無く、それ以外の試料については断熱性が認められる。これは、発泡層により、各試料の内方側の熱が側面側に伝わりにくくなることに起因しているものと思われる。
尚、評価値の低いものから順に、1点から7点までの評価点数をつける。試料が8種類あるにも関わらず評価点数が1点から7点までとなっているのは、評価値が同じ値であった実施例2及び実施例3に同じ点数をつけたからである。
5.意匠性に対する実験の測定結果
上記の表2の「意匠性」の列を参照して、合格したものには○印を、不合格のものには×印を付けている。尚、インキ層を設けなかった比較例2及び比較例3はいずれも、評価の対象外とした。
測定結果から以下の内容が判明した。
発泡層に直接印刷を施す比較例1は印刷が不鮮明であり、意匠性に問題がある。一方、胴ラベルに印刷が施される実施例1〜5については印刷が鮮明であり、意匠性に問題は無い。これは、印刷を施す場所が平坦でない場合には、インキ層に割れが生じることに起因しているものと思われる。
尚、合格した試料には1点の評価点数をつける。
6.すべり性に対する実験の測定結果
上記の表2の「すべり性」の列を参照して、合格したものには○印を、不合格のものには×印を付けている。尚、断熱性ほとんど無し及び意匠性の評価対象外とした比較例2と、意匠性の評価対象外とした比較例3とは、いずれも容器としての必要基準を満たさないとして、評価の対象外としている。
測定結果から以下の内容が判明した。
発泡層がむき出しになっている比較例1は試料同士が引っ掛かりやすく、すべり性に問題がある。一方、発泡層を覆う胴ラベルが取付けられた実施例1〜5については試料同士が引っ掛からず、すべり性に問題は無い。これは、発泡層の表面のざらつきにより、試料同士が引っ掛かり易くなることに起因しているものと思われる。
尚、合格した試料には1点の評価点数をつける。
7.総括
表1、表2及び上記の測定結果を参照して、3つの実験の全てにおいて対象外とならなかった比較例1、実施例1〜5の各々について評価点数を合計した総合評価点数を算出した。そして、総合評価点数の高いものを上位として総合順位をつけると、実施例4が1位となり、以下、実施例2と実施例3とが同位、実施例5、実施例1と比較例1とが同位という順位となった。
以上のことから、胴ラベルの有無及びその構成の選択は、紙容器の断熱性、意匠性及びすべり性に大きな影響を与える要素と言える。
10…紙容器
11…底面部
12…側壁部
16…板紙
17…発泡層
20…胴ラベル
21…紙部分
22…インキ層
23…フィルム層
26…フィルム層
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、底面部と、底面部の外縁より立ち上がる側壁部とからなり、上部が開放された紙容器であって、側壁部が、内方側に位置する板紙と、板紙の外方面に形成され、発泡性樹脂を発泡させた発泡層と、発泡層の外方面の少なくとも一部を覆うように巻き付けられた、紙製の胴ラベルとを備え、胴ラベルは、紙部分と、紙部分の少なくとも一方の面を覆うように形成され、断熱性を有する合成樹脂よりなるフィルム層とを含むものである。
このように構成すると、発泡層の表面のざらつきにより胴ラベルがずれにくい。又、容器の内方側に生じる熱い空気が外方に抜けにくくなる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、紙容器は複数個重ねた状態から一つずつ取り出して使用されるものであり、紙部分は内方側に位置し、その外方面に印刷を施したことによるインキ層が形成され、フィルム層は、インキ層が形成された紙部分の外方面を覆うように形成され、透明であるものである。
このように構成すると、平坦な紙部分に印刷を施すことが可能となる。又、胴ラベルの外方面が透明なフィルム層に覆われる。
以上説明したように、請求項1記載の発明は、発泡層の表面のざらつきにより胴ラベルがずれにくいので、紙容器の意匠性を向上させ、且つ、紙容器を取り出し易くさせる胴ラベルが容易に取り付けられる。又、容器の内方側に生じる熱い空気が外方に抜けにくくなるので、胴ラベルが薄さと高い断熱性とを兼ね備えたものとなる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、平坦な紙部分に印刷を施すことが可能となるので、印刷が容易となり、且つ、鮮明となる。又、胴ラベルの外方面が透明なフィルム層に覆われるため、インキ層を保護すると共に紙容器の意匠性及び紙容器の表面の平滑度がより向上する。

Claims (3)

  1. 底面部と、前記底面部の外縁より立ち上がる側壁部とからなり、上部が開放された紙容器であって、
    前記側壁部が、
    内方側に位置する板紙と、
    前記板紙の外方面に形成され、発泡性樹脂を発泡させた発泡層と、
    前記発泡層の外方面の少なくとも一部を覆うように巻き付けられた、紙製の胴ラベルとを備えた、紙容器。
  2. 前記胴ラベルは、
    内方側に位置し、その外方面に印刷が施された紙部分と、
    前記紙部分の外方面を覆うように形成され、透明な合成樹脂よりなるフィルム層とを含む、請求項1記載の紙容器。
  3. 前記胴ラベルは、
    紙部分と、
    前記紙部分の少なくとも一方の面を覆うように形成され、合成樹脂よりなるフィルム層とを含む、請求項1記載の紙容器。
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