JP2014124581A - 水処理用担体、その製造方法および排水処理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂発泡体2の樹脂骨格表面に、HLB値が11以上、且つ、親水基がショ糖またはグリセリンであるエステル型ノニオン界面活性剤を付着する水処理用担体1とする。
【選択図】図1
Description
生物処理方法には、好気処理と嫌気処理とこれらを併用する処理とがある。好気処理方法では、排水を処理する微生物が空気を必要とするため、排水を処理する際に曝気して処理槽内の微生物に空気を供給する。また、嫌気処理方法は、排水を処理する微生物が空気を必要としない。
そのため、排水を貯留する処理槽に担体を投入しても、担体が排水中に浸漬するまでには長い時間を要する。その結果、担体を処理槽に投入した後に処理槽内の排水を曝気して排水を流動しても、担体が排水内に沈降しない場合があった。つまり、担体を処理槽に投入してから排水の処理が安定するまでには、多くの時間が必要だった。
この要求に対応する技術として、例えば、特許文献1には、担体基材としてのポリプロピレン、界面活性剤などの親水性高分子を所望の配合比で混合し混合物を成型する水処理用微生物固定化担体の開示がある。
また、特許文献2には、生分解性を有する親水化剤をポリウレタン発泡体に付着する水処理用微生物担体の開示がある。
また、特許文献3には、ポリウレタンフォーム発泡体の原料中に界面活性剤を配合する技術の開示がある。
また、特許文献4には、界面活性剤などの親水性向上剤をポリウレタンフォームなどのスポンジ担体に含浸する開示がある。
また、特許文献4に記載の技術では、親水性向上剤として水生生物などへ毒性の懸念がある界面活性剤を使用する場合があった。
また、本発明の水処理用担体の製造方法は、樹脂発泡体に、HLB値が11以上、且つ、親水基がショ糖またはグリセリンであるエステル型ノニオン界面活性剤を含む表面処理剤を付着して乾燥する工程を含む。
また、本発明の排水処理システムは、排水を貯留する処理槽と、排水に浸漬する水処理用担体とを備え、水処理用担体は微生物を担持し、排水と水処理用担体との接触により、排水を処理する。
図1は、本実施形態の水処理用担体1の一例を示す模式図である。図1に示す水処理用担体1は、樹脂発泡体2の樹脂骨格表面に、エステル型ノニオン界面活性剤を付着する。
樹脂発泡体2は、水処理用担体1の強度を規定する。図1に示すように、樹脂発泡体2には、複数の空隙3(セル)を形成する。空隙3には、排水を処理する微生物が着床する。
すなわち、ポリオール、イソシアネート及び発泡剤を主成分とする配合物を用いて、スラブフォーム、モールドフォーム、ブロックフォームなどの形状で、セル膜を有するポリウレタンフォームを製造する。その後、クラッシング、爆発処理やアルカリ処理などの方法を用いて、セル膜を除去する。セル膜が多い場合は、樹脂発泡体2の通気性が低下する。セル膜を除去する場合は、樹脂発泡体2の通気性が向上する。
また、ポリウレタンフォームは、セル膜を生じない配合物を用いて製造してもよい。
ショ糖脂肪酸エステルは、式(1)に示す通り、ショ糖(スクロース)のヒドロキシル基の一部が、脂肪酸とエステル化する構造である。このため、ショ糖脂肪酸エステルは、分子中に多くのヒドロキシル基を有しており優れた親水性を発現する。
次に、図1に示す本実施形態の水処理用担体1の製造方法の一例として、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態の水処理用担体1の製造方法の一例の工程図である。
水処理用担体1の製造には、まず、樹脂発泡体2と、エステル型ノニオン界面活性剤5を含む表面処理剤4とを用意する。次いで、表面処理剤4を樹脂発泡体2に付着する。そして、樹脂発泡体2を乾燥して水処理用担体1を得る。
本実施形態においては、水処理用担体1の生産性が高くて、表面処理剤4を樹脂発泡体に付着して乾燥する際の取り扱い性に優れるシート状のポリウレタンフォーム2aを用いる。
なお、表面処理剤4中のエステル型ノニオン界面活性剤5の濃度が上記範囲未満の場合は、水処理用担体1におけるエステル型ノニオン界面活性剤5の濃度が不十分となる。つまり、樹脂発泡体2に表面処理剤4を付着して乾燥する工程を複数回行って表面処理をしても、表面処理剤4中の先に付着したエステル型ノニオン界面活性剤5が溶出して親水性を発現しない虞がある。また、表面処理剤4中のエステル型ノニオン界面活性剤5の濃度が上記範囲を超える場合は、表面処理剤4の粘度が上昇して取扱い性が悪化する。
水処理用担体1におけるエステル型ノニオン界面活性剤5の付着量調節は、表面処理剤4中のエステル型ノニオン界面活性剤5の濃度と、シート状のポリウレタンフォーム2aを表面処理剤4に浸漬する時間と、シート状のポリウレタンフォーム2aの形状、見かけ密度、セル数などの調節による。
また、この工程のローラ装置7は、ローラ間の間隔を調整することによっても、水処理用担体1におけるエステル型ノニオン界面活性剤5の付着量の調節ができる。
以上の工程によって、図1に示す水処理用担体1を形成する。
これらの方法を用いて表面処理剤4をシート状のポリウレタンフォーム2aに付着する場合は、表面処理剤4中のエステル型ノニオン界面活性剤5の濃度と、表面処理剤4の塗布量との調節で、水処理用担体1におけるエステル型ノニオン界面活性剤5の濃度調節ができる。
次に、本発明の排水処理システムの一例として、図1に示す水処理用担体1を備える排水処理システム9を例に挙げて図3を用いて説明する。
図3に示す排水処理システム9は、流量調整槽10と曝気槽11と沈殿槽12との3つの槽を備える。
図3に示す排水処理システム9を用いて排水14を処理するには、まず、流入管13を介して流量調整槽10に排水14を供給する。次いで、流量調整槽10から曝気槽11に排水14を供給する。その後、排水処理システム9では、曝気槽11の排水14に水処理用担体1を投入し、水処理用担体1が曝気槽11の排水14中に浸漬する。
立ち上げ運転工程は、水処理用担体1が排水14中に浸漬した後、所定の排水14の処理性能が得られるまで、水処理用担体1に付着する微生物を増殖する工程である。
立ち上げ運転工程においては、散気手段160を用いてブロア22から酸素を含有する気体を散気口20へ送り曝気槽11内を曝気して、曝気槽11内の排水14を対流してもよい。本実施形態においては、水処理用担体1が優れた親水性を有するので、立ち上げ運転工程において水処理用担体1が浮き上がることがない。また、排水14の対流によって水処理用担体1が流動して、水処理用担体1に付着する微生物の増殖を促進できる。
本実施形態では、排水14を処理する際に、散気手段160を用いてブロア22から酸素を含有する気体を散気口20へ送り曝気槽11内を曝気して、曝気槽11内の排水14を対流する。
しかも、エステル型ノニオン界面活性剤は環境への負荷が少ない。このため、樹脂発泡体2の樹脂骨格表面にエステル型ノニオン界面活性剤を付着する水処理用担体1は、環境への負荷が少ない。
これに対して、例えば、水処理用担体1に代えて、表面処理を行わないポリウレタン発泡体を用いる場合は、ポリウレタン発泡体の親水性が低い。このため、ポリウレタン発泡体は排水14に浮かんでしまい、排水14中に浸漬するまでに長い時間が掛かる。
例えば、図3に示す排水処理システム9は、曝気槽11を1つのみ設ける場合を例に説明した。しかし、曝気槽11の数は特に限定されず2つ以上でもよい。また、曝気槽11と嫌気性処理を行う嫌気槽とを併用しても良い。
また、図3に示す排水処理システム9は、曝気槽11と沈殿槽12とを別々に設けるが、曝気槽11と沈殿槽12とを兼ねる回分式の処理槽としてもよい。
「実験例1〜実験例17」
図2に示す製造方法を用いて図1に示す水処理用担体1を製造した。
まず、表面処理剤であるエステル型ノニオン界面活性剤として、脂肪酸がラウリン酸、モノエステル含量80%であるショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ株式会社製、商品名:リョートーシュガーエステルL−1695、HLB値:16、有効成分100%)5.3重量部を秤量し、純水100重量部を加え、加温、攪拌し、有効成分5.0重量%の製剤を調製した。
その後、図2(f)に示すように、乾燥したポリウレタンフォーム2aを、トムソン型切断装置を用いて10mm四方の正方形に裁断し、図1に示す水処理用担体1を得た。
実験例2では、エステル型ノニオン界面活性剤をリョートーシュガーエステルL−1695に代えて、実験例1と同じくエステル型ノニオン界面活性剤であり、脂肪酸がラウリン酸、モノエステル含量70%であるショ糖脂肪酸エステル(理研ビタミン株式会社製、商品名:リケマールA、HLB値:15、有効成分40%)を用いて、表面処理剤とした。純水100重量部に本表面処理剤2.6重量部を加え、均一になるまで攪拌し、有効成分濃度1.0重量%の表面処理液を得た。それ以外は、実施例1と同様の工程によって、界面活性剤が表面処理された軟質ポリウレタン発泡体(樹脂発泡体)2からなる水処理用担体1を得た。
実験例3では、エステル型ノニオン界面活性剤をリョートーシュガーエステルL−1695に代えて、実験例1と同じくエステル型ノニオン界面活性剤であり、脂肪酸がラウリン酸、モノエステル含量30%であるショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ株式会社製、商品名:リョートーシュガーエステルL−595、HLB値:5、有効成分100%)を用いて表面処理剤とした。そして、実験例1と同様に有効成分濃度1.0重量%の表面処理液を得た。それ以外は、実施例1と同様にして、界面活性剤を表面処理した軟質ポリウレタン発泡体2からなる水処理用担体1を得た。
実験例4では、エステル型ノニオン界面活性剤をリョートーシュガーエステルL−1695に代えて、実験例1と同じくエステル型ノニオン界面活性剤であり、脂肪酸がパルミチン酸、モノエステル含量70%であるショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ株式会社製、商品名:リョートーシュガーエステルP−1570、HLB値:15、有効成分100%)を用いて表面処理剤とした。そして、実験例1と同様に有効成分濃度1.0重量%の表面処理液を得た。それ以外は、実験例1と同様にして、界面活性剤を表面処理した軟質ポリウレタン発泡体2からなる水処理用担体1を得た。
実験例5では、エステル型ノニオン界面活性剤をリョートーシュガーエステルL−1695に代えて、実験例1と同じくエステル型ノニオン界面活性剤であり、脂肪酸がステアリン酸、モノエステル含量70%であるショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ株式会社製、商品名:リョートーシュガーエステルS−1570、HLB値:15、有効成分100%)を用いて表面処理剤とした。そして、実験例1と同様に有効成分濃度1.0重量%の表面処理液を得た。それ以外は、実験例1と同様にして、界面活性剤を表面処理した軟質ポリウレタン発泡体2からなる水処理用担体1を得た。
実験例6では、エステル型ノニオン界面活性剤をリョートーシュガーエステルL−1695に代えて、実験例1と同じくエステル型ノニオン界面活性剤であり、脂肪酸がオレイン酸、モノエステル含量70%であるショ糖脂肪酸エステル(三菱化学フーズ株式会社製、商品名:リョートーシュガーエステルO−1570、HLB値:15、有効成分100%)を用いて表面処理剤とした。そして、実験例1と同様に有効成分濃度1.0重量%の表面処理液を得た。それ以外は、実験例1と同様にして、界面活性剤を表面処理した軟質ポリウレタン発泡体2からなる水処理用担体1を得た。
実験例7では、エステル型ノニオン界面活性剤をリョートーシュガーエステルL−1695に代えて、実験例1と同じくエステル型ノニオン界面活性剤であり、脂肪酸がステアリン酸、パルミチン酸の比率が7:3、モノエステル含量100%であるショ糖脂肪酸エステル(第一工業製薬(株)製、商品名:DKエステルSS、HLB値:19、有効成分100%)に換え表面処理剤とした。そして、実験例1と同様に有効成分濃度1.0重量%の表面処理液を得た。それ以外は、実験例1と同様にして、界面活性剤を表面処理した軟質ポリウレタン発泡体2からなる水処理用担体1を得た。
実験例8では、エステル型ノニオン界面活性剤をリョートーシュガーエステルL−1695に代えて、実験例1と同じくエステル型ノニオン界面活性剤であり、脂肪酸がステアリン酸、パルミチン酸の比率が7:3、モノエステル含量70%であるショ糖脂肪酸エステル(第一工業製薬(株)製、商品名:DKエステルF−160、HLB値:15、有効成分100%)に換え表面処理剤とした。そして、実験例1と同様に有効成分濃度1.0重量%の表面処理液を得た。それ以外は、実験例1と同様にして、界面活性剤を表面処理した軟質ポリウレタン発泡体2からなる水処理用担体1を得た。
実験例9では、エステル型ノニオン界面活性剤をリョートーシュガーエステルL−1695に代えて、実験例1と同じくエステル型ノニオン界面活性剤であり、脂肪酸がステアリン酸、パルミチン酸の比率が7:3、モノエステル含量50%であるショ糖脂肪酸エステル(第一工業製薬(株)製、商品名:DKエステルF−110、HLB値:11、有効成分100%)に換え表面処理剤とした。そして、実験例1と同様に有効成分濃度1.0重量%の表面処理液を得た。それ以外は、実験例1と同様にして、界面活性剤を表面処理した軟質ポリウレタン発泡体2からなる水処理用担体1を得た。
実験例10では、エステル型ノニオン界面活性剤をリョートーシュガーエステルL−1695に代えて、実験例1と同じくエステル型ノニオン界面活性剤であり、脂肪酸がステアリン酸、パルミチン酸の比率が7:3、モノエステル含量30%であるショ糖脂肪酸エステル(第一工業製薬(株)製、商品名:DKエステルF−50、HLB値:6、有効成分100%)に換え表面処理剤とした。そして、実験例1と同様に有効成分濃度1.0重量%の表面処理液を得た。それ以外は、実験例1と同様にして、界面活性剤を表面処理した軟質ポリウレタン発泡体2からなる水処理用担体1を得た。
実験例11では、エステル型ノニオン界面活性剤をリョートーシュガーエステルL−1695に代えて、実験例1と同じくエステル型ノニオン界面活性剤である、デカグリセリンラウリン酸エステル(理研ビタミン(株)製、商品名:ポエムJ−0021、HLB15、有効成分100%)を表面処理剤とした。そして、実験例1と同様に有効成分濃度1.0重量%の表面処理液を得た。それ以外は、実験例1と同様にして、界面活性剤を表面処理した軟質ポリウレタン発泡体2からなる水処理用担体1を得た。
実験例12では、エステル型ノニオン界面活性剤をリョートーシュガーエステルL−1695に代えて、実験例1と同じくエステル型ノニオン界面活性剤である、ソルビタンカプリル酸エステル(理研ビタミン(株)製、商品名:リケマールC−250、HLB11、有効成分100%)を表面処理剤とした。そして、実験例1と同様に有効成分濃度1.0重量%の表面処理液を得た。それ以外は、実験例1と同様にして、界面活性剤を表面処理した軟質ポリウレタン発泡体2からなる水処理用担体1を得た。
実験例13では、エステル型ノニオン界面活性剤であるリョートーシュガーエステルL−1695に代えて、エーテル型ノニオン界面活性剤であるポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル(ライオン(株)製、商品名:レオコールTD−120、有効成分濃度:100%)を表面処理剤とした。そして、実験例1と同様に有効成分濃度1.0重量%の表面処理液を得た。それ以外は、実験例1と同様にして、界面活性剤を表面処理した軟質ポリウレタン発泡体2からなる水処理用担体1を得た。
実験例14では、エステル型ノニオン界面活性剤であるリョートーシュガーエステルL−1695に代えて、カチオン界面活性剤である塩化アルキルトリメチルアンモニウム(ライオン(株)製、商品名:アーカードT−28、有効成分濃度:28重量%)を表面処理剤とした。純水100重量部に本表面処理剤3.6重量部を加え、均一になるまで攪拌し、有効成分濃度1.0重量%の表面処理液を得た。それ以外は、実験例1と同様にして、界面活性剤を表面処理した軟質ポリウレタン発泡体2からなる水処理用担体1を得た。
実験例15では、エステル型ノニオン界面活性剤であるリョートーシュガーエステルL−1695に代えて、アニオン界面活性剤である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(ライオン(株)製、商品名:ライポンPS−260、有効成分濃度:61重量%)を表面処理剤とした。純水100重量部に本表面処理剤1.7重量部を加え、均一になるまで攪拌し、有効成分濃度1.0重量%の表面処理液を得た。それ以外は、実験例1と同様にして、界面活性剤を表面処理した軟質ポリウレタン発泡体2からなる水処理用担体1を得た。
実験例1〜実験例15に対して、表面処理剤として界面活性剤を用いるのに代えて、親水化剤として水溶性高分子であり、かつ生分解性樹脂でもあるポリビニルアルコール(電気化学工業(株)製、商品名:デンカポバールK−17E、ケン化度:98%)7.5重量部に対し、90℃に熱した純水100重量部を混合し、ポリビニルアルコールが完全に溶解するまで攪拌し、有効成分7.0重量%の表面処理液を調製した。それ以外は、実験例1と同様にして、ポリビニルアルコールを表面処理した軟質ポリウレタン発泡体2からなる水処理用担体1を得た。
実験例1〜実験例16に対して、軟質ポリウレタン発泡体2に一切の表面処理を行わず、10mm×10mm×10mmの立方体としたものを水処理用担体1とした。
実験例1〜実験例16の水処理用担体1について、それぞれ以下に示す方法により親水性能を評価した。その結果を表3および図4に示す。
すなわち、ビーカーに静置した純水の水面にそれぞれの水処理用担体1を水処理用担体1同士が重ならないよう10個ずつ純水に投入し、10個全ての水処理用担体1が水面下に沈むまでの沈降時間を測定した。
実験例1〜実験例16の水処理用担体1について、それぞれ以下に示す方法により有効成分が水中へ溶出する事による水質への影響を調べた。その結果を表3と図4とに示す。
すなわち、純水1.0Lに対して水処理用担体1を100個ずつ投入(純水に対する担体投入量20容積%)した。そして、250rpmの攪拌機にて24時間攪拌した後の水のCODMn濃度を測定した。
また、表3において、24時間後のCODMn濃度についての値が無いものは、24時間以内に水処理用担体1が沈降しなかったため、CODMn濃度が測定不能であったことを示す。
表3と図4に示す通り、表面処理剤がショ糖脂肪酸エステルの内では、HLB値が15以上のものが優れた沈降性を示す。中でも、エステル化する脂肪酸が飽和脂肪酸の場合は、脂肪酸の炭素数が16以下のショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステルなどが優れた沈降性を示す。または、エステル化する脂肪酸が不飽和脂肪酸の場合は、脂肪酸の炭素数が18以下のショ糖オレイン酸エステルなどが優れた沈降性を示す。実施例中の、実験例1、実験例2、実験例4、実験例6は、表面処理を行わない実験例17と比較して、特に優れた沈降性を示す事が確認できた。
実験例13から実験例15の中でも、特に、実験例15は優れた親水性を示す。しかし、実験例15は、化学物質排出把握管理促進法において第1種指定化学物質と規定がある直鎖アルキルベンゼンスルホン酸を用いる。
実験例2の水処理用担体1と、実験例17の表面処理を行わない水処理用担体1とを用いて、それぞれ以下に示す担体流動法を用いる簡易的な排水処理試験を行った。
すなわち、BOD濃度900〜1100mg/L、CODMn濃度700〜900mg/Lに調製した人工排水を原水とした。この原水1.0Lを種汚泥2.5Lに混合して合計3.5Lの排水として曝気槽に充填した。
また、実験例2の水処理用担体1を用いて排水処理を行った上澄み液は、実験例17のCODMn濃度と同等である。この結果、実験例2の水処理用担体1は、排水の水質の悪化がわずかであると確認できた。
一方、実験例17の水処理用担体1は、生物反応槽に水処理用担体1を投入しても、水処理用担体1はすぐに沈降せずに大部分が排水に触れない状態だった。また、実験例17では、生物反応槽内で水処理用担体1が流動を開始するまでに7日程度を要した。
その結果、実験例2の水処理用担体1では16.8mg/個であった。
また、実験例17の水処理用担体1では9.6mg/個であった。
Claims (11)
- 樹脂発泡体の樹脂骨格表面に、HLB値が11以上、且つ、親水基がショ糖またはグリセリンであるエステル型ノニオン界面活性剤を付着することを特徴とする水処理用担体。
- 前記エステル型ノニオン界面活性剤は、HLB値が15以上のショ糖脂肪酸エステルであって、エステル化する脂肪酸の炭素数が、飽和脂肪酸においては16以下であり、不飽和脂肪酸においては18以下である、1種類または2種類以上であることを特徴とする請求項1に記載の水処理用担体。
- 前記ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステルであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の水処理用担体。
- 前記エステル型ノニオン界面活性剤の濃度は、樹脂発泡体1g当たり5〜30mgであることを特徴とする請求項1〜請求項の3いずれか一項に記載の水処理用担体。
- 前記樹脂発泡体は、ポリウレタン発泡体であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の水処理用担体。
- 前記樹脂発泡体の見かけ密度は、20〜50kg/m3であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の水処理用担体。
- 樹脂発泡体に、HLB値が11以上、且つ、親水基がショ糖またはグリセリンであるエステル型ノニオン界面活性剤を含む表面処理剤を付着して乾燥する工程を含むことを特徴とする水処理用担体の製造方法。
- 前記エステル型ノニオン界面活性剤は、HLB値が15以上のショ糖脂肪酸エステルであって、エステル化する脂肪酸の炭素数が、飽和脂肪酸においては16以下であり、不飽和脂肪酸においては18以下である、1種類または2種類以上であることを特徴とする請求項7に記載の水処理用担体の製造方法。
- 前記ショ糖脂肪酸エステルは、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステルであることを特徴とする請求項7または請求項8記載の水処理用担体の製造方法。
- 前記表面処理剤中のエステル型ノニオン界面活性剤の濃度は、0.1〜10重量%であることを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれか一項に記載の水処理用担体の製造方法。
- 排水を貯留する処理槽と、
前記排水に浸漬する請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の水処理用担体とを備え、
該水処理用担体は微生物を担持して、
前記排水と前記水処理用担体との接触により、前記排水を処理することを特徴とする排水処理システム。
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