JP2014124290A - 口腔内装置及び口腔内装置の製造方法 - Google Patents

口腔内装置及び口腔内装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】口呼吸を防止して鼻呼吸に誘導し、舌根沈下を防止して気道を確保するとともに、コスト面や加工面に優れた閉塞性睡眠時無呼吸症候群を改善するための口腔内装置及び口腔内装置の製造方法を提供する。
【解決手段】上顎の歯列を装着する上顎用ピース11と、下顎の歯列を装着する下顎用ピース12と、舌を装着する舌用ピース13とからなる、閉塞性睡眠時無呼吸症候群改善用の口腔内装置10であって、下顎用ピース12は、通常の噛み合わせ位置よりも前方に配置されており、舌用ピース13は、上顎の歯列と下顎の歯列との隙間を塞ぐように前方に突出して配置されており、上顎用ピース11、下顎用ピース12及び舌用ピース3は、EVAシートにより成形されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を改善するための口腔内装置に関するものである。
従来、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を改善するために、様々な口腔内装置が提案されている。その1つとして「下顎前方位型」の口腔内装置があり、特許文献1には、上側モールドに対し、通常の噛み合わせ位置よりも顔前面側にずらして固定されている下側モールドを備え、睡眠中に上下顎の歯列が離脱しにくくするとともに、上気道を開くようにしたマウスピースに関する発明が記載されている。
またその他に「舌前方保持型」の口腔内装置があり、特許文献2には、舌根が気道に落ち込むのを防ぐために、舌を挿入して舌根近くで舌の一部を固定する舌固定部を備えたマウスピースに関する発明が記載されている。
また、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の改善用ではないが、特許文献3には、材料としてEVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)シートを用いた歯列矯正マウスピースに関する発明が記載されている。
特開平7−241341号公報 特開2010−264090号公報 特開2008−131978号公報
しかしながら、特許文献1に記載された「下顎前方位型」の口腔内装置は、前面に空気通路が存在していることからもわかるように、口呼吸を行うことを目的としたものである。口呼吸になると舌根沈下が起きやすく気道が閉塞する恐れがある。また、風邪をひきやすい、起床時に喉が痛い、口が乾燥する、歯周病、いびき、歯ぎしり等の原因になる等の問題が考えられる。これに対して鼻呼吸の場合には、舌根沈下が起きにくく、加湿された空気で呼吸ができ、口呼吸の問題点を解消することができる。
また、特許文献2に記載された「舌前方保持型」の口腔内装置は、舌固定部に舌を挿入して舌根近くで舌の一部を固定するようになっているが、舌の位置が上下の歯列よりも後方にあるため、気道の確保が十分とはいえない。
また、特許文献1及び特許文献2に記載された口腔内装置には、コスト面や加工面等で使用する材料に改善の余地がある。なお、特許文献3には、材料としてEVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)シートを用いたマウスピースが記載されているが、これは歯列矯正マウスピースに関するものであり、使用目的に応じた形状の違いが大きく、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を改善するための口腔内装置に適用することは容易ではない。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、口呼吸を防止して鼻呼吸に誘導し、舌根沈下を防止して気道を確保するとともに、コスト面や加工面に優れた閉塞性睡眠時無呼吸症候群を改善するための口腔内装置及び口腔内装置の製造方法を提供するものである。
上記課題を解決するため、本発明の口腔内装置は、上顎の歯列を装着する上顎用ピースと、下顎の歯列を装着する下顎用ピースと、舌を装着する舌用ピースとからなる、閉塞性睡眠時無呼吸症候群改善用の口腔内装置であって、前記下顎用ピースは、通常の噛み合わせ位置よりも前方に配置されており、前記舌用ピースは、上顎の歯列と下顎の歯列との隙間を塞ぐように前方に突出して配置されており、前記上顎用ピース、前記下顎用ピース及び前記舌用ピースは、EVAシートにより成形されていることを特徴とする。
また、本発明の口腔内装置の製造方法は、上顎の歯列を装着する上顎用ピースと、下顎の歯列を装着する下顎用ピースと、舌を装着する舌用ピースとからなる、閉塞性睡眠時無呼吸症候群改善用の口腔内装置の製造方法であって、上顎の歯列及び下顎の歯列の印象を採取して上顎用歯型及び下顎用歯型を作成する工程と、前記作成した上顎用歯型及び下顎用歯型にEVAシートを圧接して前記上顎用ピース及び前記下顎用ピースを成形する工程と、前記成形した上顎用ピース及び下顎用ピースを口腔内に試着し、上顎の歯列と下顎の歯列との間に隙間を設けるとともに、前記下顎用ピースが通常の噛み合わせ位置よりも前方に配置されるように位置決めする工程と、前記位置決めした状態で、前記上顎用歯型、前記下顎用歯型、前記上顎用ピース及び前記下顎用ピースを固定する工程と、前記隙間から前方に突出して配置されるように前記舌用ピースの型を作成する工程と、前記舌用ピースの型にEVAシートを圧接して前記隙間を塞ぐように前記舌用ピースを成形する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の口腔内装置の製造方法は、上顎の歯列を装着する上顎用ピースと、下顎の歯列を装着する下顎用ピースと、舌を装着する舌用ピースとからなる、閉塞性睡眠時無呼吸症候群改善用の口腔内装置の製造方法であって、上顎の歯列及び下顎の歯列の印象を採取して上顎用歯型及び下顎用歯型を作成する工程と、前記作成した下顎用歯型にEVAシートを圧接して前記下顎用ピースを成形する工程と、前記成形した下顎用ピースを口腔内に試着し、上顎の歯列と下顎の歯列との間に隙間を設けるとともに、前記下顎用ピースが通常の噛み合わせ位置よりも前方に配置されるように位置決めする工程と、前記位置決めした状態で、前記上顎用歯型、前記下顎用歯型及び前記下顎用ピースを固定する工程と、前記隙間から前方に突出して配置されるように前記舌用ピースの型を作成する工程と、前記上顎用歯型及び前記舌用ピースの型にEVAシートを圧接して前記隙間を塞ぐように前記上顎用ピース及び前記舌用ピースを成形する工程とを有することを特徴とする。
本発明の口腔内装置は、下顎用ピースが通常の噛み合わせ位置よりも前方に配置されているので、「下顎前方位型」として気道を開きやすくすることができる。また、舌用ピースが上顎の歯列と下顎の歯列との隙間を塞ぐように前方に突出して配置されているので、前方からの空気通路をなくすことにより口呼吸を防止して鼻呼吸に誘導し、口呼吸による問題点を解消することができる。また、舌を挿入するスペースを前方に確保することにより、「舌前方保持型」として舌根が気道に落ち込むのをより効果的に防止し、気道を十分に確保することができる。また、各ピースをEVAシートにより成形することにより、低コストで容易に加工することができる。
また本発明の口腔内装置の製造方法によれば、上記口腔内装置を、3枚のEVAシート又は2枚のEVAシートを用いて、確実かつ容易に製造することができる。特に、上記口腔内装置が有する、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を改善するための特別な形状を実現するためには、加工性に優れたEVAシートを材料とすることが効果的である。
以上、本発明によれば、口呼吸を防止して鼻呼吸に誘導し、舌根沈下を防止して気道を確保するとともに、コスト面や加工面に優れた閉塞性睡眠時無呼吸症候群を改善するための口腔内装置及び口腔内装置の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る口腔内装置を示す斜視図である。 実施形態1に係る口腔内装置を示す正面図である。 実施形態1に係る口腔内装置を示す側面図である。 歯型を示す斜視図である。 歯型にEVAシートを圧接した状態を示す斜視図である。 上顎用ピース及び下顎用ピースを口腔内に試着した状態を示す(a)正面図、(b)側面図である。 上顎用ピース及び下顎用ピースを位置決めした状態を示す正面図である。 位置決めした上顎用ピース及び下顎用ピースを歯型に装着した状態を示す斜視図である。 位置決めした状態で、上顎用歯型、下顎用歯型、上顎用ピース及び下顎用ピースを固定した状態を示す斜視図である。 舌用ピースの型を作成した状態を示す正面図である。 舌用ピースの型を作成した状態を示す側面図である。 本発明の実施形態2に係る口腔内装置を示す斜視図である。 実施形態2に係る口腔内装置を示す正面図である。 実施形態2に係る口腔内装置を示す側面図である。 位置決めした下顎用ピースを歯型に装着した状態を示す斜視図である。 位置決めした状態で、上顎用歯型、下顎用歯型及び下顎用ピースを固定した状態を示す斜視図である。 舌用ピースの型を作成した状態を示す正面図である。 舌用ピースの型を作成した状態を示す側面図である。 口腔内装置を装着したときの状態を説明するための概念図である。
次に、図1乃至図11を参照して、本発明の実施形態1に係る口腔内装置及び口腔内装置の製造方法について説明する。まず、実施形態1に係る口腔内装置10の構成について説明する。図1乃至図3はそれぞれ、口腔内装置10を示す斜視図、正面図、側面図である。
口腔内装置10は、上顎の歯列を装着する上顎用ピース11と、下顎の歯列を装着する下顎用ピース12と、舌を装着する舌用ピース13とから構成されている。上顎用ピース11、下顎用ピース12及び舌用ピース13は、それぞれEVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)シートにより成形されており、本実施形態においては、後述するように3枚のEVAシートが用いられている。
上顎用ピース11及び下顎用ピース12は、歯列に合わせて断面略U字状に形成されており、上顎用ピース11が下顎用ピース12の上に、後方から前方に向けて徐々に離間するように配置されている。これにより、口腔内装置10を装着したときに、上顎の歯列と下顎の歯列との間に隙間が発生するようになっている。また、下顎用ピース12は、通常の噛み合わせ位置よりも前方に配置されている。
一方、舌用ピース13は、上顎の歯列と下顎の歯列との間に発生する隙間を前方から塞ぐように前方に突出して配置されている。舌用ピース13の前方への突出部分には、装着時に舌が挿入される空間が形成されている。また、舌用ピース13は、上顎用ピース11及び下顎用ピース12を前方からほぼ全体に亘って覆うように形成されている。
次に、図4乃至図11を参照して、実施形態1に係る口腔内装置10の製造方法について説明する。まず、図4に示すように、上顎の歯列及び下顎の歯列の印象を採取して、石膏により(a)上顎用歯型1及び(b)下顎用歯型2を作成する。
次に、作成した上顎用歯型1及び下顎用歯型2に、それぞれEVAシート3,3を圧接して、図5に示すように上顎用ピース11及び下顎用ピース12を成形する。EVAシート3,3の圧接にあたっては、マウスピース等の製造に用いられる公知の加圧成形機を用いる。
次に、図6に示すように、成形した上顎用ピース11及び下顎用ピース12を患者の口腔内に試着する。このとき、上顎用ピース11と下顎用ピース12とを離間するようにして、上顎の歯列と下顎の歯列との間に隙間4を設けるようにする。また、下顎用ピース12が通常の噛み合わせ位置よりも前方になるように(下顎前方位)配置する。どの程度前方とするかは、患者の顎態形体による個人差がありケースごとの対応が重要であるが、下顎の最大前方位量の約70%を目安にするとよい。例えば、最大前方位量が10mmのケースでは、前方位量を7mmとする。なお位置決めは、隙間4にワックスバイト5を噛まして行う。そして、位置決めした状態を記録するために、図7に示すように、上顎の歯列と下顎の歯列との隙間4にシリコーンゴム等の印象材6を挿入する。
次に、位置決めした状態で上顎用ピース11及び下顎用ピース12を口腔内から取り外し、図8に示すように、上顎用歯型1及び下顎用歯型2に装着する。そして、図9に示すように、上顎用歯型1及び下顎用歯型2の後方を石膏7で固定し、印象材6を除去する。これにより、患者の口腔内において位置決めした状態で、上顎用歯型1、下顎用歯型2、上顎用ピース11及び下顎用ピース12が固定される。
次に、図10に示すように、上顎の歯列と下顎の歯列との隙間4に、シリコーンパテ8を挿入して舌用ピース13の型を作成する。舌用ピース13の型は、隙間4から前方に突出して配置されるようにする。また、シリコーンパテ8の左右方向の挿入範囲は、左右の犬歯間を目安とする。
次に、図11に示すように、舌用ピースの型にEVAシート3を圧接して舌用ピース13を成形する。このとき、EVAシート3により隙間4が塞がれるようにする。従って、舌用ピース13が、上顎用ピース11及び下顎用ピース12を前方からほぼ全体に亘って覆うようになる。また、舌用ピース13が加熱されて溶融し、上顎用ピース11及び下顎用ピース12に融着して、3つのピースが一体化される。最後に、不要部分の切除や研磨等を行って、図1乃至図3に示す口腔内装置10が完成する。そして患者の口腔内に装着して調整する。
実施形態1に係る口腔内装置10は、下顎用ピース12が通常の噛み合わせ位置よりも前方に配置されているので、「下顎前方位型」として気道を開きやすくすることができる。また、舌用ピース13が上顎の歯列と下顎の歯列との隙間4を塞ぐように前方に突出して配置されているので、前方からの空気通路をなくすことにより口呼吸を防止して鼻呼吸に誘導し、口呼吸による問題点を解消することができる。また、舌を挿入するスペースを前方に確保することにより、「舌前方保持型」として舌根が気道に落ち込むのをより効果的に防止し、気道を十分に確保することができる。また、各ピースをEVAシートにより成形することにより、低コストで容易に加工することができる。
また実施形態1に係る口腔内装置の製造方法によれば、口腔内装置10を、3枚のEVAシートを用いて、確実かつ容易に製造することができる。特に、口腔内装置10が有する、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を改善するための特別な形状を実現するためには、加工性に優れたEVAシートを材料とすることが効果的である。
次に、図12乃至図18を参照して、本発明の実施形態2に係る口腔内装置及び口腔内装置の製造方法について説明する。まず、実施形態2に係る口腔内装置20の構成について説明する。図12乃至図14はそれぞれ、口腔内装置20を示す斜視図、正面図、側面図である。
口腔内装置20は、上顎の歯列を装着する上顎用ピース21と、下顎の歯列を装着する下顎用ピース22と、舌を装着する舌用ピース23とから構成されている。上顎用ピース21、下顎用ピース22及び舌用ピース23は、それぞれEVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)シートにより成形されており、本実施形態においては、後述するように2枚のEVAシートが用いられている。
下顎用ピース22は、歯列に合わせて断面略U字状に形成されている。一方、上顎用ピース21は、装着時に上顎の歯列が前面から覆われるように成形されている。そして、上顎用ピース21が下顎用ピース22の上に、後方から前方に向けて徐々に離間するように配置されている。これにより、口腔内装置20を装着したときに、上顎の歯列と下顎の歯列との間に隙間が発生するようになっている。また、下顎用ピース22は、通常の噛み合わせ位置よりも前方に配置されている。
一方、舌用ピース23は、上顎の歯列と下顎の歯列との間に発生する隙間を前方から塞ぐように前方に突出して配置されている。舌用ピース23の前方への突出部分には、装着時に舌が挿入される空間が形成されている。また、舌用ピース23は、上顎用ピース21と1枚のEVAシートにより一体成形されており、下顎用ピース22を前方からほぼ全体に亘って覆うように形成されている。
次に、図15乃至図18を参照して、実施形態2に係る口腔内装置20の製造方法について説明する。なお、実施形態1と類似する工程については、図4乃至図7を参照して説明する。まず、実施形態1と同様、図4に示すように、上顎の歯列及び下顎の歯列の印象を採取して、石膏により(a)上顎用歯型1及び(b)下顎用歯型2を作成する。
次に、作成した下顎用歯型2に、EVAシート3を圧接して、図5(b)に示すように下顎用ピース22を成形する。EVAシート3の圧接にあたっては、マウスピース等の製造に用いられる公知の加圧成形機を用いる。なお、実施形態1と異なり、この段階では上顎用ピースを成形しない。
次に、図6に示すように、成形した下顎用ピース22を患者の口腔内に試着する。なお、実施形態1と異なり、上顎用ピースは装着しない。このとき、上顎の歯列と下顎用ピース22とを離間するようにして、上顎の歯列と下顎の歯列との間に隙間4を設けるようにする。また、下顎用ピース22が通常の噛み合わせ位置よりも前方になるように(下顎前方位)配置する。どの程度前方とするかは、患者の顎態形態による個人差がありケースごとの対応が重要であるが、下顎の最大前方位量の約70%を目安にするとよい。例えば、最大前方位量が10mmのケースでは、前方位量を7mmとする。なお位置決めは、隙間4にワックスバイト5を噛まして行う。そして、位置決めした状態を記録するために、図7に示すように、上顎の歯列と下顎の歯列との隙間4にシリコーンゴム等の印象材6を挿入する。
次に、位置決めした状態で下顎用ピース22を口腔内から取り外し、図15に示すように、下顎用歯型2に装着する。また、印象材6に合わせて上顎用歯型1を装着する。そして、図16に示すように、上顎用歯型1及び下顎用歯型2の後方を石膏7で固定し、印象材6を除去する。これにより、患者の口腔内において位置決めした状態で、上顎用歯型1、下顎用歯型2及び下顎用ピース22が固定される。
次に、図17に示すように、上顎の歯列と下顎の歯列との隙間4に、シリコーンパテ8を挿入して舌用ピース23の型を作成する。舌用ピース23の型は、隙間4から前方に突出して配置されるようにする。また、シリコーンパテ8の左右方向の挿入範囲は、左右の犬歯間を目安とする。
次に、図18に示すように、上顎用歯型1及び舌用ピースの型にEVAシート3を圧接して上顎用ピース21及び舌用ピース23を成形する。このとき、EVAシート3により隙間4が塞がれるようにする。従って、上顎用ピース21及び舌用ピース23が、1枚のEVAシートにより一体成形されるとともに、下顎用ピース12を前方からほぼ全体に亘って覆うようになる。また、上顎用ピース21及び舌用ピース23が加熱されて溶融し、下顎用ピース22に融着して、3つのピースが一体化される。最後に、不要部分の切除や研磨等を行って、図12乃至図14に示す口腔内装置20が完成する。そして患者の口腔内に装着して調整する。
実施形態2に係る口腔内装置20は、下顎用ピース22が通常の噛み合わせ位置よりも前方に配置されているので、「下顎前方位型」として気道を開きやすくすることができる。また、舌用ピース23が上顎の歯列と下顎の歯列との隙間4を塞ぐように前方に突出して配置されているので、前方からの空気通路をなくすことにより口呼吸を防止して鼻呼吸に誘導し、口呼吸による問題点を解消することができる。また、舌を挿入するスペースを前方に確保することにより、「舌前方保持型」として舌根が気道に落ち込むのをより効果的に防止し、気道を十分に確保することができる。また、各ピースをEVAシートにより成形することにより、低コストで容易に加工することができる。
また実施形態2に係る口腔内装置の製造方法によれば、口腔内装置20を、2枚のEVAシートを用いて、確実かつ容易に製造することができる。特に、口腔内装置20が有する、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を改善するための特別な形状を実現するためには、加工性に優れたEVAシートを材料とすることが効果的である。
図19は、口腔内装置10,20を装着したときの状態を説明するための概念図である(実際に装着した状態ではない。)。図19(a)に示すように患者の下顎が前方に位置するとともに(下顎前方位型)、図19(b)に示すように患者の舌9が前方に保持される(舌前方保持型)。
以上、本実施形態に係る口腔内装置及び口腔内装置の製造方法によれば、口呼吸を防止して鼻呼吸に誘導し、舌根沈下を防止して気道を確保するとともに、コスト面や加工面に優れた閉塞性睡眠時無呼吸症候群を改善するための口腔内装置及び口腔内装置の製造方法を提供することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
1 上顎用歯型
2 下顎用歯型
3 EVAシート
4 隙間
5 ワックスバイト
6 印象材
7 石膏
8 シリコーンパテ
9 舌
10 口腔内装置
11 上顎用ピース
12 下顎用ピース
13 舌用ピース
20 口腔内装置
21 上顎用ピース
22 下顎用ピース
23 舌用ピース

Claims (3)

  1. 上顎の歯列を装着する上顎用ピースと、下顎の歯列を装着する下顎用ピースと、舌を装着する舌用ピースとからなる、閉塞性睡眠時無呼吸症候群改善用の口腔内装置であって、
    前記下顎用ピースは、通常の噛み合わせ位置よりも前方に配置されており、
    前記舌用ピースは、上顎の歯列と下顎の歯列との隙間を塞ぐように前方に突出して配置されており、
    前記上顎用ピース、前記下顎用ピース及び前記舌用ピースは、EVAシートにより成形されていることを特徴とする口腔内装置。
  2. 上顎の歯列を装着する上顎用ピースと、下顎の歯列を装着する下顎用ピースと、舌を装着する舌用ピースとからなる、閉塞性睡眠時無呼吸症候群改善用の口腔内装置の製造方法であって、
    上顎の歯列及び下顎の歯列の印象を採取して上顎用歯型及び下顎用歯型を作成する工程と、
    前記作成した上顎用歯型及び下顎用歯型にEVAシートを圧接して前記上顎用ピース及び前記下顎用ピースを成形する工程と、
    前記成形した上顎用ピース及び下顎用ピースを口腔内に試着し、上顎の歯列と下顎の歯列との間に隙間を設けるとともに、前記下顎用ピースが通常の噛み合わせ位置よりも前方に配置されるように位置決めする工程と、
    前記位置決めした状態で、前記上顎用歯型、前記下顎用歯型、前記上顎用ピース及び前記下顎用ピースを固定する工程と、
    前記隙間から前方に突出して配置されるように前記舌用ピースの型を作成する工程と、
    前記舌用ピースの型にEVAシートを圧接して前記隙間を塞ぐように前記舌用ピースを成形する工程とを有することを特徴とする口腔内装置の製造方法。
  3. 上顎の歯列を装着する上顎用ピースと、下顎の歯列を装着する下顎用ピースと、舌を装着する舌用ピースとからなる、閉塞性睡眠時無呼吸症候群改善用の口腔内装置の製造方法であって、
    上顎の歯列及び下顎の歯列の印象を採取して上顎用歯型及び下顎用歯型を作成する工程と、
    前記作成した下顎用歯型にEVAシートを圧接して前記下顎用ピースを成形する工程と、
    前記成形した下顎用ピースを口腔内に試着し、上顎の歯列と下顎の歯列との間に隙間を設けるとともに、前記下顎用ピースが通常の噛み合わせ位置よりも前方に配置されるように位置決めする工程と、
    前記位置決めした状態で、前記上顎用歯型、前記下顎用歯型及び前記下顎用ピースを固定する工程と、
    前記隙間から前方に突出して配置されるように前記舌用ピースの型を作成する工程と、
    前記上顎用歯型及び前記舌用ピースの型にEVAシートを圧接して前記隙間を塞ぐように前記上顎用ピース及び前記舌用ピースを成形する工程とを有することを特徴とする口腔内装置の製造方法。
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