JP2014123487A - 二次電池の発生ガス量の定量方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発生ガス量を簡単かつ迅速に定量でき、しかも、発生ガス量が少なくても精確に定量することが可能な二次電池の発生ガス量の定量方法を提供する。
【解決手段】二次電池の発生ガス量を定量する方法であって、ガスを発生させたラミネートセル1に添加ガスを供給し、ラミネートセル1からラミネートセル1に供給した添加ガスと同量のサンプルガスを抜き取り、サンプルガスにおける添加ガスの濃度を測定する。サンプルガス中の添加ガスの濃度を測定すれば、ラミネートセル内に発生したガスの量を定量することができる。しかも、ラミネートセル1内に添加ガスを供給しサンプルガスを抜き取って、サンプルガスの濃度を測定するだけであるから、発生ガスの定量を簡単かつ迅速に行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池の発生ガス量の定量方法に関する。さらに詳しくは、過充電等によって二次電池内で発生するガスの量を定量する二次電池の発生ガス量の定量方法に関する。
近年、携帯電話やノート型パソコンなどの携帯電子機器の普及に伴い、高いエネルギー密度を有する小型で軽量な非水系電解質二次電池の開発が強く望まれている。また、ハイブリット自動車を始めとする電気自動車用の電池として高出力の二次電池の開発が強く望まれている。このような要求を満たす二次電池として、リチウムイオン二次電池がある。
リチウムイオン二次電池は、4V級の高い電圧が得られるため、高いエネルギー密度を有する電池として実用化が進んでいる。
しかし、リチウムイオン二次電池は、従来の二次電池に比べて、充放電サイクルの実施によりガスが発生しやすいという性質がある。また、正極を高い電位となるまで充電して使用すると、高温保存時に正極活物質と電解液とが反応してガスが発生する可能性がある。そして、発生したガスが正負極間に留まった場合には、正負極間の対向状態が悪くなり、スムーズな充放電が阻害されるという問題もある。
かかるリチウムイオン二次電池におけるガス発生を抑えるために、電解液や負極活物質などの研究開発が進められている(例えば特許文献1、2)。
かかる研究開発において、新たに開発された電解液や負極活物質などによるガス発生抑制効果を把握する上では、開発された材料などを使用してリチウムイオン二次電池を形成し、形成されたリチウムイオン二次電池を充放電等させて、その際に発生したガスの量を測定することが必要である。
リチウムイオン二次電池におけるガス発生量を測定する試験が、特許文献5に開示されている。この特許文献5の試験では、既知の容積を持つ密閉空間中に二次電池のセルを収容し、その空間を真空にした時の圧力とその空間内でセルを解体した時に生じるガスによる圧力差を読み取り、その圧力差をガスの体積に換算して定量している。
また、特許文献5の試験よりも簡易にガス量を測定する方法として、ラミネートセルを使用することも行われている(特許文献2〜4参照)。
ラミネートセルは、正極集電箔に正極活物質層が形成された正極シートと、負極集電箔に負極活物質層が形成された負極シートとの間にセパレーターを介挿して積層シートを形成し、この積層シートを袋内に収容して電解液を注入し、その後袋を密封して製造されたものである。
そして、特許文献2〜4には、このラミネートセルを使用して、簡易的にガス発生量を測定する方法が開示されている。
特許文献2、3には、アルキメデスの原理を利用した方法(ラミネートセルを液中(例えばオイル)に浸漬し、その液量の増加分を測定し、体積を算出する方法)が記載されている。
また、特許文献4には、水上置換法を用いてラミネートセルから発生したガスを収集し、ガスクロマトグラフィーによりガス発生量を測定する方法が記載されている。
特開平11−45741号公報 特開2007−258102号公報 特開2005−166487号公報 特開2007−273259号公報 特開2001−332312号公報
上述したように、リチウム二次電池のセル内に発生したガスの量を測定するために、種々の方法が使用されているものの、上述したような方法では、以下のごとき問題がある。
まず、特許文献5の試験では、リチウム二次電池のセル内に発生したガスの体積を定量するためには、自ら設備の設計を行った上で分析装置を組み立てる必要があり、設備を保有するまでに時間がかかる。しかも、リチウム二次電池を解体しなければならないなど、試験に手間がかかるので、様々な条件で試作した試験品を簡易的に数多く評価することが困難な場合が多い。
特許文献2〜4に記載されている方法の場合、簡易に測定することができるという利点はあるものの、以下のような問題がある。
特許文献2、3の方法の場合には、微妙な液量の変化を容器の目盛で判断するので、読み取り誤差が生じやすいという問題がある。また、導電性の液体の場合感電する危険性があるので、液の種類が絶縁性のオイルなどに限定されてしまう。さらには、測定毎にセルから液分を拭き取る必要があり手間がかかってしまう。
また、特許文献4の方法では、発生ガス量の評価を行う毎に水上置換法とガスクロマトグラフィーによる測定を行わなければならない。このため、測定日数を要するだけでなく、分析コストもかかるので、様々な条件で試作した多数のセルのガス発生量を評価することには適さない。しかも、水に溶解し易いガスが発生した場合には、正しい評価が行えないという問題もある。
本発明は上記事情に鑑み、発生ガス量を簡単かつ迅速に定量でき、しかも、発生ガス量が少なくても精確に定量することが可能な二次電池の発生ガス量の定量方法を提供することを目的とする。
第1発明の二次電池の発生ガス量の定量方法は、二次電池の発生ガス量を定量する方法であって、ガスを発生させたラミネートセルに添加ガスを供給し、該ラミネートセルから該ラミネートセルに供給した前記添加ガスと同量のサンプルガスを抜き取り、サンプルガスにおける前記添加ガスの濃度を測定し、この濃度に基づいて発生ガス量を定量することを特徴とする。
第2発明の二次電池の発生ガス量の定量方法は、二次電池の発生ガス量を定量する方法であって、ラミネートセルに添加ガスを供給し、該ラミネートセル内でガスを発生させて、該ラミネートセルから、該ラミネートセルに供給した前記添加ガスと同量のサンプルガスを抜き取り、該サンプルガスにおける前記添加ガスの濃度を測定し、この濃度に基づいて発生ガス量を定量することを特徴とする。
第3発明の二次電池の発生ガス量の定量方法は、第1または第2発明において、前記添加ガスが、前記ラミネートセル内の物質と非反応性のガスであることを特徴とする。
第4発明の二次電池の発生ガス量の定量方法は、第3発明において、前記添加ガスが、ヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガス、キセノンガスまたは炭酸ガスであることを特徴とする。
第1および第2発明によれば、サンプルガス中の添加ガスの濃度を測定すれば、ラミネートセル内に発生したガスの量を定量することができる。しかも、ラミネートセル内に添加ガスを供給しサンプルガスを抜き取って、サンプルガス中の添加ガスの濃度を測定するだけであるから、発生ガスの定量を簡単かつ迅速に行うことができる。さらに、サンプルガス中の添加ガスの濃度に基づいて発生したガスの量を定量するので、発生ガス量が少なくても、精確に発生ガス量を定量することが可能となる。
第3発明によれば、添加ガスの影響による測定誤差が生じないので、精確に発生ガス量を定量することができる。
第4発明によれば、添加ガスが、ヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガス、キセノンガスまたは炭酸ガスであるので、空気の混入などに起因する誤差が生じることを防止することができる。
本発明の定量方法において、添加ガスを注入または抽出する作業の概略説明図である。 本発明の定量方法において使用するラミネートセル1の概略説明図である。 サンプルガス中の添加ガスの濃度(希釈濃度)をガスクロマトグラフ装置の測定結果から求める原理の概略説明図である。 本発明の定量方法において使用する他のラミネートセル1の概略説明図である。
本発明の二次電池の発生ガス量の定量方法は、充電放電を繰り返す二次電池の内部で発生するガスの量を定量する方法であって、発生するガス量がそれほど多くなくても、発生するガス量を精確に定量することができるようにしたことに特徴を有している。
本発明の二次電池の発生ガス量の定量方法の対象となる二次電池はとくに限定されず、ラミネートセルを形成することができる二次電池であればよい。例えば、リチウムイオン二次電池などの発生ガス量を測定することができる。
(ラミネートセル)
まず、本発明の定量方法では、図2(B)に示すような構造を有するラミネートセル1を使用して測定を行う。このラミネートセル1は、図2(A)に示す部材によって形成されたものである。
まず、正極集電箔に正極活物質層が形成された正極リード2aを有する正極シート2と、負極集電箔に負極活物質層が形成された負極リード3aを有する負極シート3との間にセパレーター4を介挿して、3枚のシートが積層した積層シートを形成する。この積層シートを、正極リード2aおよび負極リード3aが一対のラミネートフィルム5,5の端縁から突出した状態になるように挟む。そして、一対のラミネートフィルム5,5の3辺を熱融着などの方法で密封し、その後、残った辺の開口から一対のラミネートフィルム5,5間の空間を真空引きする。その後、開口から電解液を所定の量だけ注入して、その開口も熱融着などの方法で密封する。すると、測定に使用するラミネートセル1を形成することができる(図2(B))。
なお、ラミネートセル1の形成方法は上記の方法に限定されず、図2(B)に示すような構造を有するラミネートセル1を形成できるのであれば、とくに限定されない。
上記の方法では、一対のラミネートフィルム5,5で積層シートを挟む場合を説明したが、一枚のラミネートフィルム5を折り曲げた間に積層シートを挟んでもよい。また、2枚のシートを重ねて2辺または3辺をシールすることによって形成された袋状のものに積層シートを挿入して、ラミネートセル1を形成してもよい。
また、ラミネートセル1は、図4(C)に示すような構造を有するラミネートセル1であってもよい。かかるラミネートセル1は、以下の方法で形成することができる。
まず、正極シート2と、負極シート3と、セパレーター4とからなる積層シートを形成する(図4(A))。ついで、この積層シートを、二つ折りにしたラミネートフィルム5の間に挟んで、正極リード2aおよび負極リード3aがラミネートフィルム5の端縁から突出した状態になるように収容し、ラミネートフィルム5の2辺を熱融着などの方法で密封する(図4(B))。その後、残った辺の開口からラミネートフィルム5内を真空引きしたのち電解液を所定の量だけ注入して、その開口も熱融着などの方法で密封すれば、ラミネートセル1を形成することができる(図4(C))。
(ガス発生方法)
ラミネートセル1内にガスを発生させる方法はとくに限定されない。例えば、ラミネートセル1を過充電することなどの方法によって、ガスを発生させることができる。
例えば、測定温度(つまり雰囲気温度)を25〜60℃の範囲に設定し、ラミネートセル1を過充電させる。例えば、リチウムイオン二次電池に使用される正極負極の材料と電解液を使用して製造したラミネートセル1であれば、正極の電位がリチウム基準で4.0〜5.5Vとなるまで充電させる。過充電状態となれば、正極と電解液との反応によって、ラミネートセル1内に水素や二酸化炭素等のガスを発生させることができる。
(本発明の二次電池の発生ガス量の定量方法の説明)
本発明の二次電池の発生ガス量の定量方法では、上記のごとく、内部でガスが発生したラミネートセル1に対して添加ガスを供給した後、ラミネートセル1内からサンプルガスを抜き取る。そして、そのサンプルガス中の添加ガスの濃度を測定することによって、ラミネートセル1の内部で発生したガスの量を定量する。
なお、上記添加ガスは、その濃度および含まれている成分が把握されているガスである。
かかる方法によってラミネートセル1の内部で発生したガスの量、つまり、正極と電解液との反応などによって発生したガスの量を測定できる理由は以下の通りである。
なお、以下では、正極と電解液との反応などによってラミネートセル1の内部で発生したガスを発生ガスといい、この発生ガスの量を発生ガス量という。
まず、所定の濃度(以下、初期濃度という)の添加ガスを所定の量(以下、供給量という)だけラミネートセル1内に供給する。ラミネートセル1に発生ガスが存在している場合には、その発生ガスによって添加ガスは希釈される。つまり、添加ガスをラミネートセル1内に供給した際にラミネートセル1に存在している発生ガス量に応じて、添加ガスの希釈割合が決定される。言い換えれば、発生ガス量によって、ラミネートセル1内に存在する全てのガス中における添加ガスの濃度(以下、希釈濃度という)が決定されるのである。
一方、ラミネートセル1からサンプルガスを抜き取ると、サンプルガス中の添加ガスの濃度は希釈濃度と同じである。このため、供給量と同じ量だけラミネートセル1内からサンプルガスを抜き取った場合、発生ガス量に応じて、サンプルガス中の添加ガスの量は供給量よりも少なくなる。
したがって、希釈濃度が把握できれば、供給量の添加ガスで希釈濃度となるガス量、つまり、サンプルガスを抜き取る前のラミネートセル1内のガスの量(以下、総ガス量という)を求めることができる。そして、総ガス量から供給量を除けば、添加ガスを供給する前にラミネートセル1内に存在していたガス量、つまり、発生ガス量を求めることができるのである。
上記説明をまとめると、以下の式1、2のようになる。

発生ガス量 =総ガス量−供給量 式1
総ガス量 =(初期濃度×供給量)/希釈濃度 式2
(本発明の定量方法を利用した発生ガスの定量作業の説明)
以下、本発明の定量方法を利用した発生ガスの定量作業を説明する。
まず、上述したようなガス発生方法によってラミネートセル1内にガスを発生させると、ラミネートセル1を一対の板状部材P,Pによって挟んで保持する。このとき、ラミネートセル1の一端縁(図1では右端部)が一対の板状部材P,Pから露出した露出部EPとなるようにする。しかも、ラミネートセル1を一対の板状部材P,Pによって挟むときに、ラミネートセル1内の発生ガスが露出部EPに集まるようにする。すると、露出部EPは、集められた発生ガスによって膨らんだ状態となる(図1(A))。
そして、ラミネートセル1の露出部EPが膨らんだ状態となると、露出部EPに対して添加ガスを供給する。具体的には、図1(B)に示すように、添加ガスを所定の量(つまり供給量)だけ吸引したガスタイトシリンジGSの針Nを露出部EPに突き刺す。そして、ガスタイトシリンジGSのピストンを押して、ラミネートセル1内に添加ガスを注入する。すると、ラミネートセル1では、発生ガスと添加ガスとが混合した状態となる。
ガスタイトシリンジGS内の全ての添加ガスをラミネートセル1内に注入すると、ガスタイトシリンジGSのピストンを引いて、ラミネートセル1内のガスをガスタイトシリンジGS内に、供給量と同じ量だけ吸引する。すると、ガスタイトシリンジGS内に、発生ガスと添加ガスとが混合した気体を回収することができる。
そして、ガスタイトシリンジGS内に回収した気体を、ガスクロマトグラフ装置に供給する。すると、ガスクロマトグラフ装置の測定結果に基づいて、希釈濃度が把握できるので、上記式1、2に基いで、ラミネートセル1内の発生ガス量を定量化することができる。
以上のごとく、本発明の定量方法では、ラミネートセル1内にガスを発生させた後、ラミネートセル1内に添加ガスを供給しサンプルガスを抜き取ってサンプルガスの濃度を測定するだけで発生ガス量を定量化できるから、発生ガス量を簡単かつ迅速に定量することができる。
しかも、サンプルガス中の添加ガスの濃度に基づいて発生したガスの量を定量するので、発生ガス量が少なくても、精確に発生ガス量を定量することが可能となる。
なお、発生ガス量を精度よく算出する上では、ラミネートセル1内における発生ガスと添加ガスとの混合状態が均一になっていることが好ましい。両ガスの混合状態を均一にする上では、ラミネートセル1に対して添加ガスを注入した後で、ガスタイトシリンジGSによって、複数回、ラミネートセル1内のガスの吸引注入を繰り返すことが好ましい。
(サンプルガスの濃度測定)
サンプルガス中の添加ガスの濃度(希釈濃度)を測定する方法はとくに限定されない。例えば、上記説明のようにガスクロマトグラフ装置によって測定した場合には、以下の式3によって希釈濃度を求めることができる。
なお、式3において、ピーク面積SAは、添加ガス(ラミネートセル1に添加する添加ガス)単体を測定したときのピーク面積であり、ピーク面積SBは、サンプルガス中の添加ガスを測定したときのピーク面積SAである(図3参照)。

希釈濃度=(ピーク面積SB/ピーク面積SA)×100 式3
また、希釈濃度の測定にガスクロマトグラフを使用した場合には、サンプルガスの各成分の濃度を測定することが可能となるので、添加ガスの濃度だけでなく、他の気体の濃度も測定することができる。すると、発生ガスに複数の気体が含まれている場合には、どのような気体がどのような割合で発生ガスに含まれているかも把握することができる。
(添加ガス)
添加ガスは、上述したように、その濃度および含まれている成分が把握されているガスであればよく、単一の気体だけからなるものでもよいし、複数の気体が混合しているものでもよい。例えば、ヘリウムガスが100%のガスを添加ガスとして使用できるし、ヘリウムガスが98%、他のガスが2%のガスも添加ガスとして使用できる。また、ヘリウムガスが50%、アルゴンガスが50%のように、特定の成分が特定の濃度となるように混合したガスを添加ガスとして使用してもよい。
添加ガスを構成する気体の成分もとくに限定されないが、活性な気体を添加ガスとして使用した場合には、ラミネートセル1内の正極材料、負極材料、電解液あるいは電解質が添加ガスと反応して、ガス発生の際に発生する発生ガス以外のガスを生じる恐れがある。
一方、酸素や窒素は電解液などとの反応性はそれほど高くないが、これらの気体は大気中に大量に含まれている。このため、添加ガスをラミネートセル1に供給する際に誤って空気がラミネートセル1内に混入したり、ガスタイトシリンダGSからガスクロマトグラフにサンプルガスを注入する際に不純物として混入したりする恐れがあり、測定誤差の原因となる。また、純度の低い気体を含む添加ガスを使用した場合には、添加ガスに最初から含まれている酸素や窒素が測定誤差の原因となる。
したがって、添加ガスは、ラミネートセル1内の物質と反応しない気体や活性が低い気体、酸素や窒素の混入量が少ない純度の高い気体が好ましい。このような添加ガスとしては、例えば、ヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガス、キセノンガスまたは炭酸ガスを挙げることができる。これらの気体は、大気中でも濃度が非常に低いため、空気がラミネートセル1内に混入した場合でも誤差が生じにくいので、好ましい。
以上のごとく、添加ガスは、電解液などと反応せず、空気がラミネートセル1内に混入した場合でも測定誤差が生じる可能性が低い気体が好ましく、ヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガス、キセノンガス、炭酸ガスが添加ガスとして適している。
(添加ガスの供給抜き取り方法)
添加ガスをラミネートセル1に供給する方法および、ラミネートセル1からサンプルガスを抜き取る方法はとくに限定されない。
しかし、上述したように、針Nを備えたガスタイトシリンジGSを使用すれば、添加ガスの供給量やサンプルガスの抜き取り量を正確に調整することができる。また、ラミネートセル1に特殊な加工や構造を設けなくても、ラミネートシート1に針Nを突き刺せば、添加ガスの供給やサンプルガスの抜き取りができるので、好ましい。
なお、ラミネートシート1に針Nを突き刺す際に若干の空気がラミネートセル1内に侵入する可能性があるが、その量は非常に僅かな量(数μl〜数十μl以下)であるから、添加ガスとして酸素や窒素を使用していなければ、発生ガス量の定量に与える影響は殆どない。
(他の方法)
上記例では、ガスを発生させた後で添加ガスをラミネートセル1に供給する場合を説明したが、ガス発生を行う前に添加ガスをラミネートセル1内に供給してもよい。この場合には、ガス発生を行っている際に、針Nによって形成された穴から添加ガスや発生ガスが抜けることを防ぐ必要がある。したがって、ガス発生を行う前に添加ガスをラミネートセル1内に供給する場合には、針Nを刺すための吸排気部、つまり、針Nを刺しても気密性を維持できる部分を設けておくことが好ましい。
例えば、吸排気部として、ラミネートセル1の一部にゴム等の弾性を有する素材で形成された部分を設けておき、その吸排気部に針Nを刺して添加ガスを供給するようにする。すると、吸排気部を形成する素材の弾性によって針Nが形成した穴が塞がれるので、ガス発生を行っている際に、針Nによって形成された穴から添加ガスや発生ガスが漏れることを防止することが可能となる。
つぎに、本発明の発生ガス量の評価方法によって、ガス発生量を適切に評価できることを確認した。
実験では、ラミネートセルに注入する添加ガスを変化させて、添加ガスが発生ガス量の定量に与える影響を確認した。
(ラミネートセルの作製)
実験で使用したラミネートセルは、上述したラミネートセルの形成方法を使用して作製した。
まず、アルミニウム製集電箔(厚さ0.02mm)にリチウム金属酸化物層(正極活物質層)が形成された正極シートと、銅製集電箔(厚さ0.02mm)にカーボン層(負極活物質層)が形成された負極シートの間に、ポリプロピレン製微多孔膜(厚さ20.7μm、空孔率密度43.9%)からなるセパレーターを介挿して積層シートを形成した。そして、この積層シートを2枚のアルミラミネートシート(厚さ0.55mm)によって挟み、アルミラミネートシートの3辺を熱融着して密封した。
その後、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートとの混合溶媒(容量比3:3:4)にLiPF(1mol/L)とシクロヘキシルベンゼン(2wt%)を溶解した宇部興産製の電解液を260μl注入し、残りの一辺を熱融着して、図4(C)に示すようなラミネートセルを作製した。
なお、作成されたラミネートセルは、縦60mm、幅90mm、厚さ550μmとなった。
(実施例1)
上記方法で形成されたラミネートセルには、ガスタイトシリンジによってガスの注入、抜き取りを行った。
実施例1では、添加ガスとして、純度100%のヘリウムガスを0.1ml注入した。
(ガス発生試験)
充放電を行う前に、作製したラミネートセルにヘリウムガスを0.1ml注入したのち、25℃に設定された日立アプライアンス製の恒温槽(コスモピア)に12時間保存した。
12時間保存した後、恒温槽内に収容した状態のまま、充放電装置(北斗電工製:HJ1001SD8)を用いて、3.0−4.3Vの範囲で、0.2Cの一定電流モードで3回充放電させた。
充放電の後に、4.6Vまで1Cの一定電流モードで充電したのち、恒温槽内に72時間放置して、ガスをラミネートセル内に発生させた。
(ガス発生)
上記方法でガス発生させた後、ラミネートセルを2枚の鉄板で挟み、ラミネートセル内に発生したガスをラミネートセルの端に集めて膨らませた後、ガスタイトシリンジによって0.1mlのサンプルガスを採取した。
(希釈濃度および発生ガス量の定量)
ガスタイトシリンジによって採取したサンプルガスをガスクロマトグラフ装置に供給して、上記式3により希釈濃度を算出した。そして、この希釈濃度を用いて、式1、2によって発生ガス量を定量した。
結果を表1に示す。
表1に示すように、本発明の方法で測定すれば、ラミネートセル内に発生するガスの量が0.25mlという少量であっても、ガスの体積を精確に測定することが可能であることが確認された。
(実施例2)
ラミネートセルに注入する添加ガスとして、100%アルゴンガスを使用したこと以外は実施例1と同様に行い、ラミネートセル内に発生したガスの体積を測定した。
結果を表1に示す。
実施例1と同様に、本発明の方法で実施した場合にはセル内に発生したガスの体積を精確に測定することが可能であった。
(実施例3)
ラミネートセルに注入する添加ガスとして、100%キセノンガスを使用したこと以外は実施例1と同様に行い、ラミネートセル内に発生したガスの体積を測定した。
結果を表1に示す。
実施例1と同様に、本発明の方法で実施した場合にはラミネートセル内に発生したガスの体積を精確に測定することが可能であった。
(実施例4)
ラミネートセルに注入する添加ガスとして、100%炭酸ガスを使用したこと以外は実施例1と同様に行い、ラミネートセル内に発生したガスの体積を測定した。
結果を表1に示す。
実施例1と同様に、本発明の方法で実施した場合にはラミネートセル内に発生したガスの体積を精確に測定することが可能であった。
(実施例5)
ラミネートセルへの添加ガスの注入を充放電後に注入したこと以外は実施例1と同様に行い、ラミネートセル内に発生したガスの体積を測定した。
結果を表1に示す。
実施例1と同様に、本発明の方法で実施した場合にはラミネートセル内に発生したガスの体積を精確に測定することが可能であった。
(実施例6)
ラミネートセルに注入する添加ガスとして、100%アルゴンガスを注入したこと以外は実施例5と同様に行い、ラミネートセル内に発生したガスの体積を測定した。
結果を表1に示す。
実施例1と同様に、本発明の方法で実施した場合にはラミネートセル内に発生したガスの体積を精確に測定することが可能であった。
(実施例7)
ラミネートセルに注入する添加ガスとして、100%キセノンガスを注入したこと以外は実施例5と同様に行い、ラミネートセル内に発生したガスの体積を測定した。
結果を表1に示す。
実施例1と同様に、本発明の方法で実施した場合にはラミネートセル内に発生したガスの体積を精確に測定することが可能であった。
(実施例8)
ラミネートセルに注入する添加ガスとして、100%炭酸ガスを注入したこと以外は実施例5と同様に行い、ラミネートセル内に発生したガスの体積を測定した。
結果を表1に示す。
実施例1と同様に、本発明の方法で実施した場合にはラミネートセル内に発生したガスの体積を精確に測定することが可能であった。
(比較例1)
ラミネートセルに注入する添加ガスとして、100%酸素ガスを使用したこと以外は実施例1と同様に行い、ラミネートセル内に発生したガスの体積を測定した。
結果を表1に示す。
この酸素ガスを用いた場合では、充放電後のセルから採取したガスをガスクロマトグラフに注入した時に大気中に存在する酸素ガスが混入した影響でラミネートセル内に発生したガスの体積が多めに定量されている。
したがって、酸素ガスを用いた場合には、発生ガス量を精確に測定することは困難であることが確認された。
(比較例2)
ラミネートセルに注入する添加ガスとして、100%窒素ガスを使用したこと以外は実施例1と同様に行い、ラミネートセル内に発生したガスの体積を測定した。
結果を表1に示す。
この窒素ガスを用いた場合では、充放電後のセルから採取したガスをガスクロマトグラフに注入した時に大気中に存在する窒素ガスが混入した影響で、ラミネートセル内に発生したガスの体積が多めに定量されている。
したがって、窒素ガスを用いた場合には、発生ガス量を精確に測定することは困難であることが確認された。
本発明の二次電池の発生ガス量の定量方法は、二次電池内で発生するガスの量を定量する方法として適している。
1 ラミネートセル
2 正極シート
3 負極シート
4 セパレーター
5 ラミネートフィルム
GS ガスタイトシリンジ
N 針

Claims (4)

  1. 二次電池の発生ガス量を定量する方法であって、
    ガスを発生させたラミネートセルに添加ガスを供給し、
    該ラミネートセルから、該ラミネートセルに供給した前記添加ガスと同量のサンプルガスを抜き取り、
    サンプルガスにおける前記添加ガスの濃度を測定し、この濃度に基づいて発生ガス量を定量する
    ことを特徴とする二次電池の発生ガス量の定量方法。
  2. 二次電池の発生ガス量を定量する方法であって、
    ラミネートセルに添加ガスを供給し、
    該ラミネートセル内でガスを発生させて、該ラミネートセルから、該ラミネートセルに供給した前記添加ガスと同量のサンプルガスを抜き取り、
    該サンプルガスにおける前記添加ガスの濃度を測定し、この濃度に基づいて発生ガス量を定量する
    ことを特徴とする二次電池の発生ガス量の定量方法。
  3. 前記添加ガスが、
    前記ラミネートセル内の物質と非反応性のガスである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の二次電池の発生ガス量の定量方法。
  4. 前記添加ガスが、
    ヘリウムガス、アルゴンガス、ネオンガス、キセノンガスまたは炭酸ガスである
    ことを特徴とする請求項3記載の二次電池の発生ガス量の定量方法。
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