JP2014122808A - 放射性廃棄物の処理装置および処理方法 - Google Patents

放射性廃棄物の処理装置および処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】セシウム等の放射性物質を含み遮蔽保管が必要な放射性廃棄物を処理して、より減容化された放射性廃棄物を得ることができる放射性廃棄物の処理装置の提供。
【解決手段】セシウムを含む放射性廃棄物を900℃以上の燃焼温度に調整した還元雰囲気にて燃焼し、燃焼体および排ガスを排出する燃焼部と、前記排ガスを500℃以下の冷却温度に冷却し、前記排ガスからセシウム含有ダストを回収する冷却部と、を有し、前記燃焼体を除染処理廃棄物として回収する、放射性廃棄物の処理装置。
【選択図】図1

Description

本発明は放射性廃棄物の処理装置および処理方法に関する。
従来、セシウム等の放射性物質を含む放射性廃棄物を処理する方法が提案されている。
例えば特許文献1には、放射性固体廃棄物をプラズマ加熱によって溶融させる放射性固体廃棄物のプラズマ溶融処理方法において、前記放射性固体廃棄物を250℃以上でかつセシウムの沸点未満の温度で予熱した後に前記プラズマ加熱溶融処理を行うことを特徴とする放射性固体廃棄物のプラズマ溶融処理方法が記載されている。そして、このような処理方法によって、放射性物質の環境放出を防いで放射線の保護に一層寄与できると記載されている。
特開平10−26696号公報
放射性セシウムを高濃度で含む放射性廃棄物は遮蔽保管が必要となるため、その容量をできるだけ少なくすることが重要である。
しかしながら従来法では、放射性廃棄物の減容化が不十分であった。
本発明は、上記のような課題を解決することを目的とする。
すなわち、本発明の目的は、セシウムを含み遮蔽保管が必要な放射性廃棄物を処理して、より減容化された放射性廃棄物が得られる処理装置および処理方法を提供することである。
本発明者は上記のような課題を解決するために鋭意検討し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の(1)〜(6)である。
(1)セシウムを含む放射性廃棄物を900℃以上の燃焼温度に調整した還元雰囲気にて燃焼し、燃焼体および排ガスを排出する燃焼部と、
前記排ガスを500℃以下の冷却温度に冷却し、前記排ガスからセシウム含有ダストを回収する冷却部と、
を有し、前記燃焼体を除染処理廃棄物として回収する、放射性廃棄物の処理装置。
(2)さらに、前記燃焼部と前記冷却部との間に高温集塵部を有し、
前記高温集塵部において、前記燃焼部から排出された前記排ガスを集塵処理して、集塵ダストおよび集塵後ガスを排出し、
前記冷却部において、前記集塵後ガスを前記排ガスとして前記冷却温度に冷却し、前記集塵後ガスからセシウム含有ダストを回収し、
前記集塵ダストを前記除染処理廃棄物として回収する、上記(1)に記載の放射性廃棄物の処理装置。
(3)前記燃焼部が、前記放射性廃棄物を前記還元雰囲気にて燃焼した後、さらに酸化雰囲気にて燃焼して、前記燃焼体および前記排ガスを排出する、上記(1)または(2)に記載の放射性廃棄物の処理装置。
(4)セシウムを含む放射性廃棄物を900℃以上の燃焼温度に調整した還元雰囲気にて燃焼し、燃焼体および排ガスを排出する燃焼工程と、
前記排ガスを500℃以下の冷却温度に冷却し、前記排ガスからセシウム含有ダストを回収する冷却工程と、
を備え、前記燃焼体を除染処理廃棄物として回収する、放射性廃棄物の処理方法。
(5)前記燃焼工程から排出された前記排ガスを集塵処理して、集塵ダストおよび集塵後ガスを排出する高温集塵工程を、前記燃焼工程と前記冷却工程との間にさらに備え、
前記冷却工程において、前記集塵後ガスを前記排ガスとして前記冷却温度に冷却し、前記集塵後ガスからセシウム含有ダストを回収し、
前記集塵ダストを前記除染処理廃棄物として回収する、上記(4)に記載の放射性廃棄物の処理方法。
(6)前記燃焼工程が、前記放射性廃棄物を前記還元雰囲気にて燃焼した後、さらに酸化雰囲気にて燃焼して、前記燃焼体および前記排ガスを排出する工程である、上記(4)または(5)に記載の放射性廃棄物の処理方法。
本発明によれば、セシウムを含み遮蔽保管が必要な放射性廃棄物を処理して、より減容化された放射性廃棄物が得られる処理装置および処理方法を提供することができる。
本発明の装置を示す概略図である。 本発明の装置の好ましい態様を示す概略図である。 実施例1において用いる装置の概略図である。 比較例1において用いる装置の概略図である。
本発明について説明する。
本発明は、セシウムを含む放射性廃棄物を900℃以上の燃焼温度に調整した還元雰囲気にて燃焼し、燃焼体および排ガスを排出する燃焼部と、前記排ガスを500℃以下の冷却温度に冷却し、前記排ガスからセシウム含有ダストを回収する冷却部と、を有し、前記燃焼体を除染処理廃棄物として回収する、放射性廃棄物の処理装置である。
このような処理装置を、以下では「本発明の装置」ともいう。
また、本発明は、セシウムを含む放射性廃棄物を900℃以上の燃焼温度に調整した還元雰囲気にて燃焼し、燃焼体および排ガスを排出する燃焼工程と、前記排ガスを500℃以下の冷却温度に冷却し、前記排ガスからセシウム含有ダストを回収する冷却工程と、を備え、前記燃焼体を除染処理廃棄物として回収する、放射性廃棄物の処理方法である。
このような処理方法を、以下では「本発明の処理方法」ともいう。
本発明の処理方法は、本発明の装置によって実施することが好ましい。
以下において「本発明」と記した場合、「本発明の装置」および「本発明の処理方法」の両方を意味するものとする。
<放射性廃棄物>
本発明を適用する放射性廃棄物には、セシウムを含む廃棄物の内、土壌や下水汚泥が含まれる。また、例えば、土壌から分離したシルトや粘土分も、放射性廃棄物に相当する。また、土壌や下水汚泥を混合したものも、放射性廃棄物に相当する。
土壌においてセシウムはシルトや粘土分に濃縮する傾向があるため、土壌を分級し、得られたシルトや粘土分のみを、本発明における放射性廃棄物として処理することが好ましい。
放射性廃棄物はセシウムを含むものであればよい。放射性廃棄物におけるセシウムの含有量は、例えば3000Bq/kg以上であってよい。
放射性廃棄物は可燃物を含むことが好ましい。燃焼部において、燃焼装置(燃料炉等)の加熱に用いるエネルギー量を低減することができるからである。例えば下水汚泥は可燃物を含むので、放射性廃棄物として好ましく用いることができる。ここで可燃物とは、炉での燃焼に寄与する成分を意味し、具体的には、乾燥固形物中の主成分として炭素、水素、窒素、硫黄および酸素を意味するものとする。
エネルギー量の低減等のためには、放射性廃棄物における可燃物含有率は、例えば60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
例えば、土壌へ下水汚泥等の可燃物を加えて、好ましい範囲の可燃物含有率に調整された放射性廃棄物を得ることができる。
放射性廃棄物は水分を含んでもよい。水分量が多い場合(水分量が概ね80質量%以上の場合。特に水分量が多いことに加えて可燃物が少ない場合)、本発明の装置は燃焼部の前に乾燥部を有することが好ましく、また、本発明の処理方法は、燃焼工程の前に乾燥工程を備えることが好ましい。
放射性廃棄物が下水汚泥の場合、70〜83質量%程度の水分を含んでいるが、エネルギー量を低減する場合、放射性廃棄物の一部または全部を乾燥部にて乾燥する等して、水分量を75質量%以下にしてから燃焼部にて燃焼することが好ましい。乾燥部として、例えば従来公知の乾燥機を用いることができる。
乾燥部にて乾燥した後の放射性廃棄物を、以下では乾燥体ともいう。
本発明について図1を用いて説明する。
図1は、本発明の装置の概略図である。
図1において本発明の装置(装置10)は燃焼部14と、冷却部18とを有する。
<燃焼部、燃焼工程>
装置10において燃焼部14は、セシウムを含む放射性廃棄物1を900℃以上の燃焼温度に調整した還元雰囲気にて燃焼し、燃焼体5および排ガス7を排出する。
また、上記のように乾燥部を有する場合、前記乾燥体を前記燃焼温度に調整した還元雰囲気にて燃焼し、燃焼体5および排ガス7を排出する。
燃焼体5は除染処理廃棄物11として回収される(図1では、燃焼体5が除染処理廃棄物11そのものと考えてよい)。
燃焼部14では、前記放射性廃棄物を900℃以上の燃焼温度に調整した還元雰囲気にて燃焼し、燃焼体5および排ガス7を排出することができる装置を用いることができる。例えば従来公知の流動床式還元炉やロータリーキルンを用いることができる。
例えば、燃焼部としてロータリーキルンを用いた場合、炉内へ燃料、空気、蒸気、窒素等の必要なガスを送り込み、炉内を900℃以上の還元雰囲気に調整することで前記放射性廃棄物を燃焼し、燃焼体5と排ガス7とを排出することができる。
燃焼温度は900℃以上であるが、1000℃以上であることが好ましい。これは前記放射性廃棄物からセシウムを効率よく分離することができるからである。また、燃焼温度は1500℃以下であることが好ましい。このような燃焼温度であると、炉内耐火物の耐用が実用的な寿命となり好ましい。
また、燃焼部における還元雰囲気とは、燃焼部に供給した炭素や水素等に対して酸素が不足していて不完全燃焼する状態からなる雰囲気を意味するものとする。
燃焼部において還元雰囲気における空気比は1.0未満であることが好ましい。また、この空気比は0.5以上であることが好ましい。このような空気比であると適度な還元雰囲気を保つことができる。
このような燃焼部から排出される燃焼体5は、前記放射性廃棄物を上記のように燃焼した後に残る固体部分を意味する。また、燃焼部から気体として排出される部分を排ガス7という。
燃焼部14によって処理することで、前記放射性廃棄物から、これに含まれるセシウムの多くの部分を排ガス7に含有させて分離することができる。排ガス7は高温(概ね900℃以上の温度)であるため、セシウムが気体として含有されていると考えられる。よって、燃焼体5はセシウムの濃度が低下する。燃焼体5のセシウム濃度は、例えば、放射性廃棄物として10,000Bq/kg程度の下水汚泥を処理した場合、その50〜60%程度の放射能濃度となるため、5,000〜6000Bq/kgであってよい。この場合、燃焼体5は遮蔽保管する必要はない。
前記燃焼部は、前記放射性廃棄物を前記燃焼温度に調整した還元雰囲気にて燃焼するが、その後、さらに酸化雰囲気にて燃焼して、前記燃焼体および前記排ガスを排出することが好ましい。燃焼部の後段にて未燃分や未燃ガスを完全燃焼させることで比較的安全な排ガスを排出することができるからである。
ここで燃焼部における酸化雰囲気とは、燃焼部に供給した炭素や水素等に対して酸素が理論的に足りていて完全燃焼する状態からなる雰囲気を意味するものとする。また、空気比が1.0以上である雰囲気ともいえる。
燃焼部において酸化雰囲気における空気比は1.2以上であることが好ましい。また、空気比は1.4以下であることが好ましい。効率的に未燃分や未燃ガスの完全燃焼を図ることができるからである。
このように燃焼部がさらに酸化雰囲気にて燃焼することができる場合として、前記燃焼部が、前段の還元部と後段の酸化部とに分かれている態様が挙げられる。
例えば燃焼部として流動式還元炉を用いる場合、還元炉内を還元部とし、排ガスダクトから空気を必要量供給して、排ガスダクト内を酸化部とすることもできる。また、例えば燃焼部としてロータリーキルンを用いる場合、炉内の前段を還元部とし、後段を酸化部に調整することもできる。さらに、ロータリーキルンの場合、炉内を3つの部分に分け、雰囲気温度および空気比を調整することで、最前段を乾燥部、次を還元部、次を酸化部とすることもできる。
燃焼部が還元炉および酸化炉の2つの装置からなる態様であってもよい。
このような燃焼部を用いて本発明の処理方法における燃焼工程を行うことができる。燃焼工程における好ましい燃焼温度等は、上記の燃焼部の場合と同様とすることができる。
<冷却部、冷却工程>
装置10において冷却部18は、排ガス7を500℃以下の冷却温度に冷却し、排ガス7からセシウム含有ダスト15を回収する。
上記のように、燃焼部14から排出された排ガス7は高温であるので、排ガス7中ではセシウムが気体として存在しているが、排ガス7を冷却部18にて前記冷却温度に冷却すると気体のセシウムが固体に変化し、排ガス7に含まれる飛灰とともに冷却部18にてセシウム含有ダスト15として回収される。
セシウム含有ダスト15は、燃焼部14にて処理する前記放射性廃棄物1に対して非常に少ない量であり、かつ、セシウムが濃縮されている。具体的には、燃焼部14にて処理する放射性廃棄物1の質量を100質量部とすると、セシウム含有ダスト15は1質量部程度とすることもできる。また、燃焼部14にて処理する放射性廃棄物1に含まれるセシウムの質量を100質量部とすると、セシウム含有ダスト15に含まれるセシウムは97質量部程度とすることもできる。
冷却部18として、例えば、熱交換器、冷却塔、バグフィルタまたは排ガス処理塔を含むものが例示される。冷却部18は、熱交換器、冷却塔、バグフィルタおよび排ガス処理塔をこの順に含むものであることが好ましい。例えば、排ガス7の温度が熱交換器を通過した直後で約250℃、冷却塔を通過した直後で150〜200℃となるように調整することで、熱交換器、冷却塔およびバグフィルタからセシウム含有ダスト15を回収することができる。
このような冷却部を用いて本発明の処理方法における冷却工程を行うことができる。冷却工程における好ましい処理条件等は、上記の冷却部の場合と同様とすることができる。
次に、本発明の好ましい態様について図2を用いて説明する。
図2に示す本発明の好ましい態様(装置20)は、図1に示した本発明の装置(装置10)が有する態様に、さらに高温集塵部16を有する態様である。
本発明の装置は、図2に示すように、セシウムを含む放射性廃棄物を900℃以上の燃焼温度に調整した還元雰囲気にて燃焼し、燃焼体および排ガスを排出する燃焼部と、前記燃焼部から排出された前記排ガスを集塵処理して、集塵ダストおよび集塵後ガスを排出する高温集塵部と、前記集塵後ガスを500℃以下の冷却温度に冷却し、前記集塵後ガスからセシウム含有ダストを回収する冷却部と、を有し、前記燃焼体および前記集塵ダストを除染処理廃棄物として回収する、放射性廃棄物の処理装置であることが好ましい。
また、本発明の処理方法は、セシウムを含む放射性廃棄物を900℃以上の燃焼温度に調整した還元雰囲気にて燃焼し、燃焼体および排ガスを排出する燃焼工程と、前記燃焼工程から排出された前記排ガスを集塵処理して、集塵ダストおよび集塵後ガスを排出する高温集塵工程と、前記集塵後ガスを500℃以下の冷却温度に冷却し、前記集塵後ガスからセシウム含有ダストを回収する冷却工程と、を備え、前記燃焼体および前記集塵ダストを除染処理廃棄物として回収する、放射性廃棄物の処理方法であることが好ましい。
このような本発明の処理方法の好適態様は、図2に示す本発明の好ましい態様(装置20)によって実施することが好ましい。
図2は本発明の装置の好適態様を示しているが、図1に示した態様と同じ構成要素については、同じ符号を付している。
以下では、本発明の装置の好適態様について、図1に示した態様と異なる点を中心に説明する。
<高温集塵部、高温集塵工程>
本発明の装置20において高温集塵部16は、燃焼部14から排出された排ガス7を集塵処理して、集塵ダスト6および集塵後ガス9を排出する。
高温集塵部16は、燃焼部14から排出された排ガス7を高温(セシウムが気体である温度であればよい。例えば700℃超900℃以下)のまま処理して、排ガス7に含まれるダストを集塵することができる装置を用いることができる。例えばセラミック製の集塵フィルター、高温サイクロンなどを用いることができる。
高温集塵部16では、排ガス7を高温(セシウムが気体である温度)のまま集塵するので、排ガス7に含まれるセシウムは、原則として回収されない。したがって、高温集塵部16にて回収される集塵ダスト6にセシウムは概ね含まれない。
装置20に示す好ましい態様の本発明の装置では、集塵ダスト6と燃焼体5とを含む除染処理廃棄物11が回収されるが、これに含まれるセシウムの濃度は低く、例えば、放射性廃棄物として10,000Bq/kg程度の下水汚泥を処理した場合、その50〜60%程度の放射能濃度となるため、5,000〜6000Bq/kgであってよい。したがって、この場合、除染処理廃棄物11を遮蔽保管する必要がない。
本発明の装置における燃焼部として流動床式還元炉、ロータリーキルンを用いる場合、本発明の装置は高温集塵部を有することが好ましい。
このような高温集塵部を用いて本発明の処理方法における高温集塵工程を行うことができる。高温集塵工程における好ましい処理条件等は、上記の高温集塵部の場合と同様とすることができる。
<実施例1>
セシウムを含む下水汚泥(脱水ケーキ)を用意し、これを図3に示す本発明の装置(装置60)にて処理する。下水汚泥の含水率は70〜83%である。ここで下水汚泥は、本発明における放射性廃棄物に相当する。
エネルギー量の低減を考慮して、図3に示すように、初めに、下水汚泥41を乾燥機62を用いて乾燥する。乾燥機62内の温度(乾燥温度)は、約105℃である。乾燥後の下水汚泥の含水率は約20%であり、未乾燥の下水汚泥と混合して、全体の含水率を75質量%以下に調整して、燃焼炉64へ供給する乾燥体43とすることができる。ここで乾燥機62は、本発明における乾燥部に相当する。
次に、乾燥体43を燃焼炉64を用いて処理する。燃焼炉64の内部は1000〜1500℃に調整されている。ここで燃焼炉64は、本発明における燃焼部に相当する。
また、燃焼炉64は前段の還元部と後段の酸化部とに別れていて、前段部は還元雰囲気(空気比=0.5〜1.0)、後段部は酸化雰囲気(空気比=1.2〜1.3)に調整される。したがって、燃焼炉64は還元炉および酸化炉の役割を果たす。
乾燥体43は還元部にて還元され、酸化部を通過した後、燃焼炉64から燃焼体45として排出される。また、燃焼炉64から発生した排ガス47は、高温(概ね900℃以上)のまま高温集塵機66にて集塵処理される。ここで燃焼体45の一部が排ガス47に同伴されて高温集塵機66にて集塵処理される場合もある。そして、集塵後ガス53として高温集塵機66から排出される。ここで高温集塵機66は、本発明における高温集塵部に相当する。
高温集塵機66にて回収された集塵ダスト49と燃焼体45とを合わせて、除染処理廃棄物51として回収する。
集塵後ガス53は、熱交換器68、冷却塔70、バグフィルタ72、排ガス処理塔(スクラバ)74の順に通過して、大気へ放散される。ここで熱交換器68、冷却塔70、バグフィルタ72および排ガス処理塔74は、本発明における冷却部に相当する。
集塵後ガス53の温度は、熱交換器68を通過した直後で約250℃、冷却塔70を通過した直後で150〜200℃となる。そして、熱交換器68、冷却塔70およびバグフィルタ72では、集塵後ガス53に含まれる飛灰が、セシウム含有ダスト55として回収される。
このような本発明の装置(装置60)において、下水汚泥41を処理すると、下水汚泥41、除染処理廃棄物51およびセシウム含有ダスト55の質量比は、100:6:1となり得る。また、下水汚泥41、除染処理廃棄物51およびセシウム含有ダスト55の各々に含まれるセシウムの質量比は、100:3:97となり得る。
つまり、本発明の装置(装置60)によって下水汚泥41を処理すると、下水汚泥41に含まれるセシウムの97質量%を、1質量%に減容化したセシウム含有ダスト55に濃縮することができる。
このように1質量%にまで減容化され、さらにセシウムの97質量%が濃縮されたセシウム含有ダストを遮蔽保管等すればよい。下水汚泥41に対して6質量%に相当する除染処理廃棄物51は、放射性廃棄物よりそのセシウム濃度を低下させることができるため、処理対象とする廃棄物の条件により、遮蔽保管する必要をなくすことができる。
<比較例1>
実施例1と同じ下水汚泥(脱水ケーキ)を用意し、これを図4に示す装置(装置100)にて処理する。
初めに、実施例1の場合と同様に、下水汚泥81を乾燥機102を用いて乾燥する。乾燥機102内の温度(乾燥温度)は、約105℃である。乾燥後の下水汚泥である乾燥体83の含水率は約15%である。
次に、乾燥体83を溶融炉104を用いて処理する。溶融炉104の内部は約1450℃、空気比=1.2に調整されている。乾燥体83は溶融炉104にて酸化溶融されてスラグ85として排出される。
また、溶融炉104から発生した排ガス87は、熱交換器108、冷却塔110、バグフィルタ112、排ガス処理塔(スクラバ)114の順に通過して、大気へ放散される。排ガス87の温度は、熱交換器108を通過した直後で約250℃、冷却塔110を通過した直後で150〜200℃となる。
そして、熱交換器108、冷却塔110およびバグフィルタ112では、排ガス87に含まれる飛灰が、セシウム含有ダスト88として回収される。
このような装置(装置100)において、下水汚泥81を処理すると、下水汚泥81およびスラグ85の質量比は、100:3となり得る。また、下水汚泥81およびスラグ85の各々に含まれるセシウムの質量比は、100:15以上となり得る。
つまり、装置(装置100)によって下水汚泥81を処理すると、スラグ85とセシウム含有ダスト88は下水汚泥81の5倍以上の放射能濃度となるため、これら両方について、遮蔽保管等が必要となる場合がある。
1 放射性廃棄物
5 燃焼体
6 集塵ダスト
9 集塵後ガス
11 除染処理廃棄物
14 燃焼部
15、55、88 セシウム含有ダスト
16 高温集塵部
18 冷却部
41、81 下水汚泥
43、83 乾燥体
45 燃焼体
47、87 排ガス
49 集塵ダスト
51 除染処理廃棄物
53 集塵後排ガス
62、102 乾燥機
64 燃焼炉
66 高温集塵機
60 装置(本発明の装置)
68、108 熱交換器
70、110 冷却塔
72、112 バグフィルタ
74、114 排ガス処理塔
85 スラグ
100 装置
104 溶融炉

Claims (6)

  1. セシウムを含む放射性廃棄物を900℃以上の燃焼温度に調整した還元雰囲気にて燃焼し、燃焼体および排ガスを排出する燃焼部と、
    前記排ガスを500℃以下の冷却温度に冷却し、前記排ガスからセシウム含有ダストを回収する冷却部と、
    を有し、前記燃焼体を除染処理廃棄物として回収する、放射性廃棄物の処理装置。
  2. さらに、前記燃焼部と前記冷却部との間に高温集塵部を有し、
    前記高温集塵部において、前記燃焼部から排出された前記排ガスを集塵処理して、集塵ダストおよび集塵後ガスを排出し、
    前記冷却部において、前記集塵後ガスを前記排ガスとして前記冷却温度に冷却し、前記集塵後ガスからセシウム含有ダストを回収し、
    前記集塵ダストを前記除染処理廃棄物として回収する、請求項1に記載の放射性廃棄物の処理装置。
  3. 前記燃焼部が、前記放射性廃棄物を前記還元雰囲気にて燃焼した後、さらに酸化雰囲気にて燃焼して、前記燃焼体および前記排ガスを排出する、請求項1または2に記載の放射性廃棄物の処理装置。
  4. セシウムを含む放射性廃棄物を900℃以上の燃焼温度に調整した還元雰囲気にて燃焼し、燃焼体および排ガスを排出する燃焼工程と、
    前記排ガスを500℃以下の冷却温度に冷却し、前記排ガスからセシウム含有ダストを回収する冷却工程と、
    を備え、前記燃焼体を除染処理廃棄物として回収する、放射性廃棄物の処理方法。
  5. 前記燃焼工程から排出された前記排ガスを集塵処理して、集塵ダストおよび集塵後ガスを排出する高温集塵工程を、前記燃焼工程と前記冷却工程との間にさらに備え、
    前記冷却工程において、前記集塵後ガスを前記排ガスとして前記冷却温度に冷却し、前記集塵後ガスからセシウム含有ダストを回収し、
    前記集塵ダストを前記除染処理廃棄物として回収する、請求項4に記載の放射性廃棄物の処理方法。
  6. 前記燃焼工程が、前記放射性廃棄物を前記還元雰囲気にて燃焼した後、さらに酸化雰囲気にて燃焼して、前記燃焼体および前記排ガスを排出する工程である、請求項4または5に記載の放射性廃棄物の処理方法。
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