JP2014122555A - 車両制御装置 - Google Patents

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勇大 岡添
Masayuki Kayano
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Abstract

【課題】
常用ブレーキを作動状態に保持する制御とアイドルストップアンドスタート制御とを適切に実施することができるようにした、車両制御装置を提供する。
【解決手段】
ブレーキ力保持制御部30は、昇圧コンバータ回路6の出力側に接続され昇圧コンバータ回路6の出力電圧から昇圧コンバータ回路6が正常か異常かを判定する。
アイドルストップ制御部40は、昇圧コンバータ回路6の出力側に接続され、検出された路面勾配が平坦を示す所定の路面勾配範囲内である第二条件が成立したと判定した場合に、所定のエンジン停止条件が成立したと判定するとエンジン1を停止させ、所定のエンジン再始動条件が成立したと判定するとエンジン1を再始動するアイドルストップアンドスタート制御を実施する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アイドルストップアンドスタート制御と坂道発進補助制御とを組み合わせた車両の制御装置に関するものである。
従来、車両のエンジン制御の一つとして、アイドルストップアンドスタート制御(以下「アイドルストップアンドスタート」を、単に「アイドルストップ」ともいう)が開発されている。アイドルストップ制御では、所定のエンジン停止条件が成立するとエンジンを停止させ、所定のエンジン再始動条件が成立するとエンジンを再始動させる。これにより、燃費を向上させ、排出ガスを低減させている。
また、車両の運転支援制御の一つとして、坂道発進補助制御が開発されている。坂道発進補助制御では、運転者のブレーキ操作を伝達する作動流体の流通配管にノーマリオープンの電磁弁を設けた構成を前提として、常用ブレーキが操作されて停車したときに電磁弁を閉鎖し、発車するときに電磁弁を開放する。したがって、停車中にはブレーキ力が保持され、発車するときにはブレーキ力が解除される。これにより、車両のずり下がりや飛び出しが抑制される。
さらに、上記のアイドルストップ制御と坂道発進補助制御とを組み合わせた技術が開発されている。かかる技術では、停車中に電磁弁が閉鎖され且つエンジンが停止された状態から車両を発車させるとき、電磁弁の閉鎖中にエンジンが再始動される場合がある。しかしながらエンジンの再始動には、クランキングに大きな電力を必要とするため、バッテリによる印加電圧が降下してしまう。これに伴い、電磁弁を閉鎖させている印加電圧も降下し、電磁弁が閉鎖状態を保つことができずに開放してしまい、車両のずり下がりなどを招いてしまうおそれがある。
そこで、アイドルストップ制御と坂道発進補助制御とを組み合わせたものに、電圧降下を防止する昇圧コンバータを追加装備した技術が開発されている。このような技術が特許文献1に開示されている。
特許文献1には、エンジンの再始動時に昇圧コンバータで昇圧した電圧を電磁弁に印加することにより、エンジンの再始動時における電磁弁への印加電圧の降下を防止し、電磁弁の開放による車両のずり下がりなどを防止する技術が示されている。さらにこの技術では、バッテリ電圧で作動するとともにアイドルストップ制御を実施するアイドルストップECUが、昇圧コンバータの入出力電圧に基づいてその昇圧動作が正常か否かを確認する。昇圧コンバータの昇圧動作が正常か否かを確認できなかったときには、路面勾配が所定の範囲内、すなわち平坦路であることをエンジン停止条件に含める。これにより、昇圧コンバータが故障していたとしても、車両のずり下がりなどが防止されるとしている。
特開2011−247237号公報
しかしながら、特許文献1では、アイドルストップECUがバッテリ電圧で作動するため、バッテリの電圧降下や給電瞬断といった電源障害時には昇圧コンバータの動作を確認することができないおそれがある。さらに、電源障害による強制終了などによりアイドルストップECUが作動制限され、アイドルストップ制御に支障をきたすおそれもある。
本発明は、かかる課題に鑑み創案されたものであり、常用ブレーキを作動状態に保持する制御とアイドルストップアンドスタート制御とを適切に実施することができるようにした、車両制御装置を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するために、本発明の車両制御装置は、エンジンを始動させるモータに給電するバッテリと、所定の前提条件の成立を判定した場合に、所定のエンジン停止条件が成立したと判定すると前記エンジンを停止させ、所定のエンジン再始動条件が成立したと判定すると前記モータを作動させて前記エンジンを再始動させるアイドルストップアンドスタート制御を実施するアイドルストップ制御部と、常用ブレーキの作動流体の流路に介装され、閉鎖されると前記作動流体の流通を遮断し、開放されると前記作動流体の流通遮断を解除する電磁式の常開弁であるバルブと、前記バッテリからの電圧を昇圧して昇圧電圧を出力可能な昇圧コンバータ回路と、路面勾配を検出する勾配検出手段と、所定のブレーキ力保持制御開始条件が成立したと判定すると前記バルブを閉鎖させ、所定のブレーキ力保持制御終了条件が成立したと判定すると前記バルブを開放させるブレーキ力保持制御を実施するブレーキ力保持制御部と、を備えた車両制御装置であって、前記ブレーキ力保持制御部は、前記昇圧コンバータ回路の出力側に接続され、前記バルブの閉鎖中に前記エンジンが再始動され前記バッテリが電圧降下する際には、前記昇圧コンバータ回路により昇圧された電圧を前記バルブに供給すると共に、前記昇圧コンバータ回路の出力電圧を検出して前記出力電圧から前記昇圧コンバータ回路が正常か異常かを判定し、前記所定の前提条件には、前記ブレーキ力保持制御部により前記昇圧コンバータ回路が正常であったと判定されたことである第一条件と、前記ブレーキ力保持制御部により前記昇圧コンバータ回路の正常が判定されていないが前記勾配検出手段により検出された路面勾配が平坦を示す所定の路面勾配範囲内であることである第二条件とが設定され、前記アイドルストップ制御部は、前記第一条件および第二条件の何れかが成立したと判定すると前記所定の前提条件が成立したと判定することを特徴としている。この前記アイドルストップ制御部は、前記第一条件の成立を判定した場合に前記アイドルストップアンドスタート制御を許可する通常制御を実施し、前記第二条件の成立を判定した場合に前記アイドルストップアンドスタート制御を許可する特定制御を実施する。
(2)前記アイドルストップ制御部は、前記第二条件の成立による前記アイドルストップアンドスタート制御を、運転者の手動による前記エンジンの始動後に一回だけ実施することが好ましい。
(3)前記ブレーキ力保持制御部は、前記昇圧コンバータ回路が正常か異常かの判定を、前記アイドルストップアンドスタート制御により前記エンジンの再始動時に実施し、運転者の手動による前記エンジンの始動時には実施しないことが好ましい。
(4)前記昇圧コンバータ回路は、前記バッテリからの電圧を昇圧して出力する昇圧部と、前記昇圧部をバイパスして前記バッテリからの電圧を出力するバイパス部と、前記昇圧部を有効にする切替部とを有し、前記バッテリの電圧降下時に前記切替部により前記昇圧部を有効にすることが好ましい。
本発明の車両制御装置によれば、アイドルストップ制御部が、昇圧コンバータ回路の正常が判定されていないが路面勾配が平坦を示す所定の路面勾配範囲内であることである第二条件が成立した場合に、所定のエンジン停止条件および所定のエンジン再始動条件の判定に基づいてアイドルストップアンドスタート制御を実施することができるため、昇圧コンバータ回路が異常であったとしても安全を確保しつつアイドルストップアンドスタート制御を実施することができる。これにより、実施されたアイドルストップアンドスタート制御におけるエンジン再始動時には、昇圧コンバータ回路の正常または異常を判定することができるので、ここで正常と判定された場合には第一条件が成立することになり、その後のアイドルストップアンドスタート制御を実施する機会を確保することができる。これらの第一条件および第二条件のそれぞれの成立下では、所定のブレーキ力保持制御開始条件および所定のブレーキ力保持制御終了条件の判定に基づいてブレーキ力保持制御部によるブレーキ力保持制御が実施される。しかも、昇圧コンバータ回路の出力側にブレーキ力保持制御部が接続されているため、バッテリの電圧降下や給電瞬断といった電源障害に対する耐久性が確保されている。したがって、ブレーキ力保持制御部による昇圧コンバータの判定の信頼性が向上し、常用ブレーキを作動状態に保持する制御(ブレーキ力保持制御)とアイドルストップアンドスタート制御とを適切に実施することができる。
本発明の一実施形態に係る車両制御装置を模式的に示す全体図である。 本発明の一実施形態に係る車両制御装置の昇圧コンバータ回路を示す図である。 本発明の一実施形態に係る車両制御装置で実施される制御手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態の変形例に係る車両制御装置で実施される制御手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施の形態について説明する。本発明の車両制御装置に係る車両には自動車などが含まれ、本実施形態では車両としてトラックやバスといった大型または中型の自動車を例に挙げて説明する。
〔1.駆動系およびその周辺機器の構成〕
はじめに、本実施形態の車両制御装置が装備される車両の駆動系の構成を説明する。
図1に示すように、エンジン1は、ガソリンや軽油などを燃料とする内燃機関の走行駆動源である。エンジン1の出力回転は、図示しない出力軸に出力される。
クラッチ2は、エンジン1の駆動力を断接するものである。このクラッチ2は、エンジン1の出力軸に結合された入力側プレートと変速機3の入力軸に結合された出力側プレートとが摩擦係合する接続状態と、両プレートが離隔する遮断状態とに切り替えられる。
ここでは、クラッチ2がいわゆる自動クラッチとして構成されたものを説明する。具体的には、図示しないアクチュエータによってクラッチ2の両プレートが接続状態と遮断状態とを切り替えられ、このアクチュエータが後述するエンジンECU50により制御される。ただし、クラッチ2は、自動クラッチに限らず、運転者のクラッチペダル操作に応じて作動するクラッチを用いてもよい。
変速機3は、その入力軸からの入力回転を所定の変速比に応じた出力回転に変速して出力するものである。この変速機3は、上記のように入力軸がクラッチ2の出力側プレートに結合され、出力軸が図示省略するプロペラシャフトに結合されている。
ここでは、変速機3がいわゆる機械式自動変速機として構成されたものを説明する。この変速機3は、後述するトランスミッションECU(T/M ECU)60により走行状態や負荷要求に応じた変速比に切り替えられる。このT/M ECU60は、運転者により選択されたシフトポジションや変速段に応じて変速機3を制御する。ただし、変速機3は、機械式自動変速機に限らず、運転者による変速操作に応じて変速段を切り替えるマニュアル変速機を用いてもよい。
変速機3から出力された回転出力は、プロペラシャフト,ディファレンシャルおよびドライブシャフト(何れも図示略)の動力伝達系を介して駆動輪(図示略)に伝達される。
次に、駆動系の周辺機器の構成を説明する。
モータ4は、エンジン1を始動するためのものである。すなわち、モータ4は、エンジン1をクランキング(始動)させるスタータモータとして機能する。
モータ4の出力軸は、エンジン1のクランクシャフトにワンウェイクラッチを介して接続されている。これにより、モータ4の出力回転はエンジン1のクランクシャフトに伝達され、エンジン1の出力回転はモータ4に伝達されない。このように、モータ4の出力回転でエンジン1のクランクシャフトを回転させ、エンジン1を始動させる。
このモータ4は、後述するエンジンECU50により制御され、バッテリ5からの給電で作動する。
バッテリ5は、上記のモータ4をはじめとした車載の電装機器(例えば補機)に給電する二次電池である。このバッテリ5は、エンジン1の駆動で作動するオルタネータ(図示略)により充電され、車載の電装機器の作動により放電される。
また、バッテリ5は、車載された種々の電装機器に所定の電圧を印加するが、その容量に限りがあるため、車載の電装機器の消費電力が大きくなると電圧降下が発生する場合がある。特に、エンジン1が停止しているときには、オルタネータが作動していないため電圧降下が発生しやすい。このため、エンジン1の始動時には、オルタネータの停止状態でモータ4に大きな消費電力がとられるため電圧降下のおそれも高くなる。
そこで、車両には、バッテリ5による印加電圧の降下を防止する昇圧デバイスとして、昇圧コンバータ回路6が搭載されている。この昇圧コンバータ回路6は、その入力側にバッテリ5が接続され、その出力側には後述するブレーキバルブ(電磁弁)13f,13rやEZGO(登録商標)ECU30をはじめとした各種の電装機器が接続されている。出力側に接続されるその他の電装機器としては、入力電圧の降下により動作不良を起こしうる例えばカーナビゲーション装置(図示略)などの電装機器を挙げることができる。ここでは、ブレーキバルブ13f,13rと昇圧コンバータ回路6との間にEZGOECU30が介装されている。
図2に示すように、昇圧コンバータ回路6は、昇圧部6aとバイパス部6bと昇圧部6aを有効にする切替スイッチ(切替部)6cとを有するDC/DCコンバータ(破線で囲んで示す)である。
昇圧部6aは、バッテリ5から入力された直流電圧VB(以下、「バッテリ電圧VB」という)を昇圧した直流電圧VU(以下、「昇圧電圧VU」という)に変換して出力する昇圧回路部である。この昇圧部6aは、昇圧動作により昇圧電圧VUを出力する。昇圧電圧VUが出力されているときには、その電流の流量も増加する。
昇圧部6aとしては、コンデンサ,コイルやスイッチング素子などを組み合わせた回路で構成され、入力された直流をスイッチング素子によってパルス電流に細分し、それらを合成して昇圧した電圧の直流を出力するスイッチング方式のものを用いることができる。
なお、昇圧部6aはコンデンサを有して構成されるため、例えばバッテリ電圧VBの瞬断が発生した際の昇圧部6aはコンデンサの蓄電分を出力する。
バイパス部6bは、昇圧部6aをバイパスしてバッテリ5からの電圧を出力する回路である。このバイパス部6bは、昇圧部6aの入力側と出力側とを短絡する回路に、昇圧部6aの出力側から入力側への電流を阻止するダイオードなどの整流器が介装されたものである。
切替スイッチ6cは、通電されると閉成して昇圧コンバータ回路6の入力側と出力側とが昇圧部6aとバイパス部6bとにより接続され、通電されないと開成して昇圧コンバータ回路6の入力側と出力側とがバイパス部6bにより接続されるノーマリオープンの開閉スイッチである。言い換えれば、切替スイッチ6cは、閉成して昇圧部6aを有効にし、開成して昇圧部6aを無効にする。ここでは、DC/DCコンバータが、切替スイッチ6cの開閉状態を制御する。例えば、DC/DCコンバータは、その入力側のバッテリ電圧VBが低下したときに、切替スイッチ6cを閉成して昇圧部6aを有効にすることで、昇圧動作を実施する。
なお、本実施形態では、昇圧部6aとバイパス部6bと切替スイッチ6cとを備えたDC/DCコンバータが昇圧コンバータ回路6に適用されているが、これに替えて、バイパス部6bが省略され、昇圧部6aと切替スイッチ6cとを備えたDC/DCコンバータを用いてもよい。この場合、DC/DCコンバータの外部にバイパス部7(二点鎖線で示す)を設けて、これらのDC/DCコンバータとバイパス部7とにより昇圧コンバータ回路6を構成すればよい。バイパス部7を設ける場合には、切替スイッチ6cが、上記したようにDC/DCコンバータの内部に組み込まれていてもよいし、図示省略するがDC/DCコンバータの入力側の外部であり且つバイパス部7への分岐点とDC/DCコンバータとの間に介装されていてもよい。
このように昇圧コンバータ回路6が構成されるため、切替スイッチ6cが閉成される動作時には昇圧部6aにより昇圧電圧VUが出力され、切替スイッチ6cが開成される非動作時にはバイパス部6b,7によりバッテリ電圧VB(図2では括弧を付して示す)が維持されて出力される。したがって、昇圧コンバータ回路6は、バッテリ5の電圧低下時に切替スイッチ6cにより昇圧部6aを有効にするものである。
〔2.制動系の構成〕
次に、制動系の構成を説明する。この制動系は、常用ブレーキを作動操作するための機構である。
ブレーキペダル10は、運転者に踏み込まれてブレーキ操作力が入力されるものである。また、ブレーキブースタ11は、ブレーキペダル10に入力されたブレーキ操作力を倍力(アシスト)するものである。このブレーキブースタ11では、ブレーキ操作力がマスタシリンダ11aで油圧に変換され、この油圧がハイドロリックブースタ11bで加圧される。ここでは、マスタシリンダ11aの内部にブレーキ油室(図示略)が二つ形成されるタンデム型のマスタシリンダを説明する。
マスタシリンダ11aの一方のブレーキ油室には前ブレーキ配管12fの一端が接続され、他方のブレーキ油室には後ブレーキ配管12rの一端が接続されている。これらのブレーキ配管12f,12rの内部(流路)を、ブレーキ操作に応じて作動流体が流通する。
前ブレーキ配管12fには、前ブレーキバルブ13fが介装されている。この前ブレーキバルブ13fは、電磁式の常開弁である。また、前ブレーキ配管12fは、前ブレーキバルブ13fよりも他端側(マスタシリンダ11aと反対側)で二股に分岐しており、これらの分岐先の各端部(他端)には、左右各前輪(図示略)にそれぞれ付設されたホイールシリンダ14f,14fが接続されている。各ホイールシリンダ14fの作動により、シューやパッドが各車輪と一体に回転するドラムやディスクと摺動し、制動力が作用する。
よって、前ブレーキバルブ13fの開弁時に運転者のブレーキ操作がされると、ブレーキペダル10から入力されたブレーキ操作力がブレーキブースタ11で油圧に変換されて倍力され、この油圧が前ブレーキ配管13fを介してホイールシリンダ14f,14fを作動させ、各ロータを通じて各車輪が制動される。このようにして、運転者によるブレーキ操作力が伝達されて車両が制動される。
また、前ブレーキバルブ13fの閉弁時には、作動流体の流通を遮断することでブレーキペダル5の踏み込み操作により上昇したブレーキ液圧を保持してホイールシリンダ14fによる制動力が保持される。この後に前ブレーキバルブ13fを開弁すると、作動流体の流通遮断を解除することでブレーキ液圧をマスタシリンダ11a側に逃がすことでホイールシリンダ14fによる制動力が解除される。
同様に、後ブレーキ配管12rには、後ブレーキバルブ13rが介装され、他端に左右各後輪のホイールシリンダ14r,14rが接続されている。
なお、上記の制動系の構成は例示であり、ブレーキ操作力の伝達に油圧(液圧)を用いるものに限らず、エア圧などのその他の作動流体を用いるものであってもよい。
〔3.制御系の構成〕
上記のエンジン1,クラッチ2,変速機3,モータ4,昇圧コンバータ回路6及びブレーキバルブ13f,13r(以下、これらのブレーキバルブ13f,13rをまとめて「ブレーキバルブ13」という)は、車両に装備された種々のECU(Electronic Control Unit)により制御されるが、ここでは、本実施形態の車両制御装置により実施されるアイドルストップ制御およびブレーキ力保持制御に係るECU、つまり、EZGO ECU(ブレーキ力保持制御部)30,ISS ECU(Idling Start and Stop ECU,アイドルストップ制御部)40,エンジンECU50およびトランスミッションECU60に着目して説明する。
なお、従来の坂道発進補助制御はアイドルストップ制御と並行しての実施が禁止されていたのに対して、本実施形態の車両制御装置はアイドルストップ制御と並行して坂道発進補助制御を実施する。また、坂道発進補助制御はドライバへのサービスの観点からの名称であるが、ここでは、坂道発進補助制御が実施される際の機器類の操作の観点からブレーキ力保持制御と呼ぶ。
各ECU30,40,50,60は、マイクロプロセッサやROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)等を集積したLSI(Large Scale Integration)デバイスや組み込み電子デバイスとして構成される電子制御装置であり、車載ネットワークを介して互いに接続される。ここでは、車載ネットワークとしてCAN(Controller Area Network)を例に挙げて説明するが、FlexRayなどの他の規格の車載ネットワークを用いてもよい。
なお、図示しないが、ISSECU40,エンジンECU50およびT/M ECU60は、昇圧コンバータ回路6を介さずにバッテリ5の出力側に接続されている。
〔3.1.ECUに接続されるデバイスの構成〕
まず、各ECU30,40,50,60に接続される各種デバイスの構成を説明する。
各種デバイスには、CANで接続されるブレーキスイッチ(ブレーキSW)20,車速センサ21およびパーキングブレーキスイッチ(PブレーキSW)22と、ワイヤーハーネスで接続されるEZGOスイッチ(EZGOSW)23,ISSスイッチ(ISS SW)24,スタータスイッチ(スタータSW)25,Gセンサ26およびシフトポジションスイッチ(シフトポジションSW)27とが含まれる。
ブレーキSW20は、運転者による常用ブレーキ操作の有無を検出するものである。このブレーキSW20は、ブレーキ操作がされたときにON信号を出力し、ブレーキ操作がされていないときにはOFF信号を出力する。
車速センサ21は、車速を検出するものである。この車速センサ21としては、例えば変速機3の出力軸やプロペラシャフトの回転速度を検出するものや車輪速を検出するものを用いることができ、車速またはこれに対応する速度を検出して出力する公知のセンサを何れも適用しうる。
PブレーキSW22は、パーキングブレーキ(駐車ブレーキ)操作の有無を検出するものである。このPブレーキSW22は、パーキングブレーキ操作がされたときにON信号を出力し、パーキングブレーキ操作がされていないときにはOFF信号を出力する。
上記の各種デバイス20,21,22からCAN上に出力されたON/OFF信号および検出信号は、各ECU30,40,50,60に伝達される。なお、各種デバイス20,21,22は、CANによる接続に限らずワイヤーハーネスでECU30,40,50,60の何れかに接続されてもよい。この場合、入力された各種デバイス20,21,22から入力されたON/OFF信号および検出信号は、何れかのECU30,40,50,60を介してCAN上に出力される。
EZGO SW23は、後述するブレーキ力保持制御の実施が許可されているか否かを検出するものである。また、ISS SW24は、アイドルストップ制御の実施が許可されているか否かを検出するものである。つまり運転者は、各制御の実施を許可するときには各制御に応じたSW23,24をON操作し、各制御の実施を禁止するときには各制御に応じたSW23,24をOFF操作する。各SW23,24は、ON操作されるとON信号を出力し、OFF操作されるとOFF信号を出力するトグルスイッチである。EZGO SW23のON/OFF信号はEZGO ECU30に入力され、ISS SW24のON/OFF信号はISS ECU40に入力される。
スタータSW(イグニッションキー)25は、運転者によるエンジン1の始動操作時にON操作され、エンジン1を停止操作時にOFF操作されるものである。このスタータSW25は、例えば運転者により回転操作されることで選択される複数の位置を有するものを用いることができる。ここでいう複数の位置には、ON操作時に選択されるON位置(いわゆるSTART位置)と、OFF操作時に選択されるOFF位置(いわゆるLOCK位置)とが少なくとも含まれ、さらに、エンジン1が停止した状態で車両の電装機器の作動を許可するACC位置などが含まれていてもよい。このスタータSW25は、ON操作されるとON信号を出力し、OFF操作されるとOFF信号を出力する。なお、スタータSW25は、ACC位置が設定され選択されていれば、ACC信号を出力する。これらのON/OFF信号あるいはACC信号は、エンジンECU50に入力される。
Gセンサ26は、車両の前後方向の加速度αSを検出するものである。Gセンサ26により検出された前後加速度αSの情報はT/M ECU60に入力される。この前後加速度αSは、後述する路面の傾斜角度(路面勾配)θの算出に用いられる。なお、Gセンサ26に替えて、傾斜角度θを直接検出する傾斜角センサを用いてもよい。この場合も、傾斜角センサにより検出された傾斜角度θの情報はT/M ECU60に入力される。
シフトポジションSW27は、運転者によるシフト操作を検出するものである。このシフトポジションSW27は、変速機3が自動変速機であれば、N(ニュートラル)レンジおよびP(パーキング)レンジが含まれる非走行レンジやD(ドライブ)レンジおよびR(リバース)レンジが含まれる走行レンジの各レンジに対応した選択レンジ信号を出力する。これらの選択レンジ信号はT/M ECU60に入力される。なお、変速機3がマニュアル変速機であれば、シフトポジションSW27は、シフト位置がN位置であるか否かの信号を出力し、このシフト位置信号はT/M ECU60に入力される。
上記のワイヤーハーネスで接続される各種デバイス23,24,25,26,27は、上記したECUに接続されるものに限らず、その他のECUに接続されてもよいし、CANで接続されてもよい。
〔3.2.各ECUの構成〕
本実施形態の車両制御装置では、EZGO ECU30によりブレーキ力保持制御を実施し、ISS ECU40によりアイドルストップ制御を実施し、更にはこれら両制御を並行して実施する。かかる制御の実施には、その前提としてエンジンECU50およびT/M ECU60を用いる。そのため、以下、エンジンECU50,T/M ECU60,EZGO ECU30,ISS ECU40の順に各構成を説明する。
〔3.2.1.エンジンECUの構成〕
エンジンECU50は、エンジン1に関する点火系,燃料系および吸排気系といった広汎なシステムを制御するが、少なくともエンジン1の始動(クランキング)および停止を制御するものである。具体的には、エンジンECU50は、スタータSW25のON信号が入力され、または、ISS ECU40からエンジン1の再始動指示がされると、モータ4にバッテリ5からの電圧を給電することでエンジン1を始動させる。一方、エンジンECU50は、スタータSW25のOFF信号が入力され、または、ISS ECU40からエンジン1の停止指示がされると、エンジン1を停止させる。
さらに、エンジンECU50は、エンジン1が作動状態か停止状態かを把握している。エンジンECU50は、例えばエンジン回転数センサ(図示略)からのエンジン回転数がエンジン作動を示す閾値(エンジン完爆判定閾値を流用できる)以上ならエンジン1が作動状態であり、そうでなければエンジン1は停止状態と判定することができる。また、エンジンECU50は、クラッチ2が接続状態か遮断状態かを把握している。これらのエンジン1が作動状態または停止状態であるかの状態信号とクラッチ2が接続状態または遮断状態であるかの断接信号とはCAN上に出力され、各ECU30,40,60に入力される。
〔3.2.2.T/M ECUの構成〕
T/M ECU60は、上述のように変速機3の変速段を制御するものである。さらにT/M ECU60は、車両が停止した路面の傾斜角度θを算出する機能ブロックを有する。この機能ブロックによる傾斜角度θの算出を以下に説明する。
傾斜角度θは、車速センサ21から入力された車速Vの信号とGセンサ26から入力された前後加速度αSの信号とを用いて、次のように算出される。
まず、車速Vを時間微分する下記の式(1)により車両加速度αVを算出する。
αV=dV/dt ・・・式(1)
そして、前後加速度αSと式(1)で算出された車両加速度αVとの差分を重力加速度gで除算する下記の式(2)により傾斜角度θを求める。
sinθ=(αS−αV)/g ・・・式(2)
傾斜角度に対応する路面勾配は一般にtanθで表されるが、車両が走行可能な路面勾配(10%程度まで)ではtanθ≒sinθであるため、ここではsinθから傾斜角度θを導出している。この傾斜角度θの算出信号はCAN上に出力される。
これらのGセンサおよびT/M ECU60は、路面勾配θを検出する路面勾配検出手段を構成している。
なお、Gセンサ26に替えて傾斜角センサを用いる場合には、T/M ECU60の傾斜角度θを算出する機能ブロックは省略することができ、この傾斜角センサが路面勾配θを検出する路面勾配検出手段を構成する。
〔3.2.3.EZGOECUの構成〕
EZGO ECU30は、所定の条件下でブレーキバルブ13を開閉制御してブレーキ力の保持および解除するブレーキ力保持制御を実施するものである。ブレーキバルブ13は、EZGO ECU30から給電されると閉鎖し、給電が停止されると開放する。このブレーキ力保持制御では、その開始条件である所定のブレーキ力保持制御開始条件が成立したと判定されるとブレーキバルブ13を閉鎖させ、その終了条件である所定のブレーキ力保持制御終了条件が成立したと判定されるとブレーキバルブ13を開放させる。これらの開始条件および終了条件は、EZGO ECU30により成否が判定される。
まず、ブレーキ力保持制御開始条件について説明する。
EZGO ECU30は下記の(A1)〜(A7)の条件のそれぞれの成否を判定し、これらの各条件の全ての成立を判定した場合に、ブレーキ力保持制御開始条件の成立を判定する。なお、制動力保持制御開始条件の判定は、下記の(A1)のEZGO SW23がON操作されている、つまり、運転者がブレーキ力保持制御の実施を許可している場合に実施される。
(A1)EZGO SW23がON操作されていること。
(A2)車両が停車したこと。
(A3)常用ブレーキが操作されていること。
(A4)パーキングブレーキが非操作状態であること。
(A5)エンジン1が作動状態であること。
(A6)車両の動力伝達系が動力伝達遮断状態であること。
(A7)その他の条件が成立していること。
上記の(A1)の条件は、EZGO ECU30にEZGO SW23からON信号が入力されているときに成立する。
上記の(A2)の条件は、車速センサ21により検出された車速が停止判定車速(例えば2km/h)未満、即ち、車速0km/h近傍になっているときに成立し、停止判定車速以上であれば成立しない。
上記の(A3)の条件は、ブレーキSW20からON信号が入力されていれば成立し、OFF信号が入力されていれば成立しない。なお、(A3)の条件に、ブレーキSW20から所定時間(例えば1秒)以上のON信号が入力されたことを条件に加えることが好ましい。これは、ブレーキペダル20の踏込み操作を継続して停車したことがわかるからである。
上記の(A4)の条件は、PブレーキSW22からON信号が入力されていれば成立し、OFF信号が入力されていれば成立しない。
上記の(A5)の条件は、エンジンECU50から状態信号がエンジン1の作動を示していれば成立し、そうでなければ成立しない。同様に、上記の(A6)の条件は、エンジンECU50からの断接信号がクラッチ2の遮断を示していれば成立し、そうでなければ成立しない。
上記の(A7)の条件としては、キャブチルト時でないことや急停車でないことなどが挙げられる。
なお、上記の(A4)〜(A7)の条件は例示であり、これらの条件に替えてまたは加えて坂道発進補助制御に用いられる従来公知の開始条件を用いることができる。つまり、上記の(A1)〜(A3)の条件は、ブレーキ力保持制御開始条件の必須条件である。言い換えれば、ブレーキ力保持制御開始条件は、運転者によりブレーキ力保持制御が許可されたもとで、少なくとも常用ブレーキが操作されて停車したことを含む。
EZGO ECU30は、ブレーキ力保持制御開始条件が成立したと判定すると、ブレーキバルブ13を閉鎖させる。これにより、ブレーキペダル10の踏込み操作によるブレーキ力が保持される。
次に、ブレーキ力保持制御終了条件について説明する。
EZGO ECU30は下記の(B1)〜(B5)の条件のそれぞれの成否を判定し、(B1)〜(B3)の条件の何れかが成立し且つ(B4)および(B5)の各条件が何れもが成立した場合に、ブレーキ力保持制御終了条件が成立したと判定する。なお、ブレーキ力保持制御終了条件の判定は、当然ながらブレーキ力保持制御中に実施される。
(B1)EZGO SW23がOFF操作されたこと。
(B2)運転者により発車操作がされたこと。
(B3)パーキングブレーキが非作動操作されたこと。
(B4)エンジンが作動状態であること。
(B5)その他の条件が成立していること。
上記の(B1)の条件の成否は上述の(A1)の条件の成否と逆の関係にある。
上記の(B2)の条件は、ブレーキSW20から信号がOFFからONに変化したことや図示しないアクセルペダルの操作がされたときに成立し、そうでなければ成立しない。なお、(B2)の条件は、変速機3がマニュアル変速機であれば、図示しないクラッチペダルが操作されたときに成立し、そうでなければ成立しないこととしてもよい。
上記の(B3)の条件の成否は上述の(A4)の条件の成否と逆の関係にある。
上記の(B4)の条件は、上述の(A5)の条件と同じである。
上記の(B5)の条件としては、PTO(Power Take Off)などの作業用装置が作動可能状態でないことなどが挙げられる。
なお、上記の(B1)〜(B5)の条件は例示であり、これらの条件に替えてまたは加えて坂道発進補助制御に用いられる従来公知の終了条件を用いることができる。
EZGO ECU30は、ブレーキ力保持制御終了条件が成立したと判定すると、ブレーキバルブ13を開放させる。これにより、ブレーキ力の保持が解放される。
EZGO ECU30によるブレーキ力保持制御の実施中に、後述するアイドルストップ制御が並行して実施された場合には、昇圧コンバータ回路6(図2参照)による昇圧動作が実施される。
具体的には、昇圧コンバータ回路6を構成するDC/DCコンバータが、その入力側のバッテリ電圧VBが低下する電圧低下時(後述するISS ECU40によるエンジン1の再始動時)に切替スイッチ6cを閉成し、昇圧部6aを有効して昇圧動作を実施する。これにより、EZGO ECU30は、エンジン1の再始動時、即ち、バッテリ5の電圧降下時に、昇圧コンバータ回路6により昇圧された電圧が供給され、この昇圧された電圧をブレーキバルブ13に供給する。
また、EZGO ECU30は、昇圧コンバータ回路6による昇圧動作時に、昇圧コンバータ回路6の出力電圧VOを検出し、この出力電圧に基づいて昇圧コンバータ回路6が正常か異常かを判定するコンバータ動作判定を実施する。
コンバータ動作判定は、所定の閾値電圧VPと昇圧コンバータ回路6の昇圧動作時の出力電圧VOとを比較し、出力電圧VOが閾値電圧VPよりも高ければ昇圧コンバータ回路6は正常と判定され、出力電圧VOが閾値電圧VP以下であれば昇圧コンバータ回路6は異常と判定される。例えば、正常な昇圧コンバータ回路6の出力電圧VO(=昇圧電圧VU)は閾値電圧VPよりも高い。なお、所定の閾値電圧VPは、例えばブレーキバルブ13の閉鎖を保持することのできる下限電圧にマージンを加えた電圧として、EZGO ECU30に予め記憶されている。
上記のコンバータ動作判定の結果は、EZGO ECU30の判定フラグFDとして記憶される。この判定フラグFDは、初期値が0にセットされ、昇圧コンバータ回路6の正常が判定されると1にセットされ、異常が判定されると0にセットされる。
EZGO ECU30によるコンバータ動作判定は、スタータSW25のON操作によるエンジン1の始動時、即ち、運転者の手動によるエンジン1の始動時には実施されない。言い換えれば、EZGO ECU30は、アイドルストップ制御においてエンジン1を再始動させる際に昇圧動作する昇圧コンバータ回路6の出力電圧VOに基づいて、コンバータ動作判定を実施する。
EZGO ECU30によるコンバータ動作判定の判定情報(判定フラグFD)はCAN上に出力され、ISS ECU40に入力される。
〔3.2.4.ISSECUの構成〕
ISS ECU40は、所定条件下でエンジン1を停止させ再始動させるアイドルストップ制御を実施するものである。このアイドルストップ制御は、所定の前提条件が成立したと判定した上で、その開始条件である所定のエンジン停止条件が成立したと判定されるとエンジン1が停止され、その終了条件である所定のエンジン再始動条件が成立したと判定されるとエンジン1が再始動される。これらの前提条件,開始条件および終了条件は、ISS ECU40により成否が判定される。
まず、前提条件について説明する。
ISS ECU40は下記の(C1)および(C2)の条件の成否を判定し、これらの条件の何れかの成立が判定された場合に、前提条件が成立する。なお、前提条件の判定は、ISS SW24がON操作されている、つまり、運転者がアイドルストップ制御を許可している場合であって、且つ、車速が明らかな走行状態を示す(例えば10km/h以上を示す)ようになったときから開始される。
(C1)昇圧コンバータ回路6の昇圧動作が正常であること。
(C2)バルブ開放可能条件が成立していること。
上記の(C1)の条件(第一条件)は、EZGO ECU30によるコンバータ動作判定に係る判定フラグFDが1であるときに成立する。
上記の(C2)の条件に係るバルブ開放可能条件とは、ブレーキバルブ13を閉鎖保持状態から解放しても支障がない条件である。ISS ECU40は、下記の条件(I)または(II)が成立した場合に成立し、バルブ開放可能条件が成立したと判定する。
(I)路面勾配θが平坦を示すこと。
(II)EZGO SW23がOFF操作されていること。
上記の条件(I)(第二条件)は、CAN上の路面勾配θが平坦を示すときに成立し、路面勾配θが傾斜路を示すときには成立しない。具体的には、路面勾配θの絶対値が所定の路面勾配θP未満であれば平坦を示すものとし、路面勾配θの絶対値が所定の路面勾配θP以上であれば傾斜路を示すものとする。言い換えれば、路面勾配θが平坦を示す所定の路面勾配θP範囲内であれば、上記の条件(I)が成立する。この所定の路面勾配θPは、例えば傾斜角2°といった略平坦路と見做すことができる路面勾配の上限値に相当する値が予め設定されている。
上記の条件(II)は、上述の条件(A1)の成否と逆の関係である。
次に、エンジン停止条件について説明する。なお、上記の前提条件の成立が判定された後に、エンジン停止条件が判定される。
ISS ECU40は下記の(D1)〜(D5)の条件のそれぞれの成否を判定し、これらの各条件の全ての成立が判定された場合に、エンジン停止条件が成立する。なお、エンジン停止条件の判定は、下記の(D1)のISS SW24がON操作されている、つまり、運転者がアイドルストップ制御を許可している場合であって、且つ、車速が明らかな走行状態を示す(例えば10km/h以上を示す)ようになったときから開始される。
(D1)ISS SW24がON操作されていること。
(D2)車両が停車したこと。
(D3)常用ブレーキが操作されていること。
(D4)Dレンジが選択され自動クラッチが動力伝達遮断状態であること。
(D5)その他の条件が成立していること。
上記の(D1)の条件は、ISS ECU40にISS SW24からON信号が入力されているときに成立する。
上記の(D2)の条件は上述の(A2)の条件と同じであり、上記の(D3)の条件は上述の(A3)の条件と同じである。
上記の(D4)の条件は、シフトポジションSW27から入力された選択レンジ信号がDレンジに対応する信号であり且つ上述の(A6)の条件を満たすときに成立し、そうでなければ成立しない。なお、(D4)の条件は、変速機3がマニュアル変速機であれば、クラッチペダルが踏み込まれることとしてもよい。
上記の(D5)の条件としては、急停車でないこと、ドアが開放されていないこと、シートベルトが外されていること、PTO装置が作動していないこと、キャブチルト時でないことなどが挙げられる。また、本実施形態では、(D5)の条件として、車両が走行する路面が急坂路でないことが加えられている。つまり、T/M ECU60において算出した路面勾配θの絶対値が所定の急坂路判定閾値θP2未満であれば急坂路ではないものとし、路面勾配θの絶対値が所定の急坂路判定閾値θP2以上であれば急坂路を示すものとする。つまり路面勾配θが所定の急坂路判定閾値θP2未満(θ<θP2)であれば路面が急坂路でないと判定され、この条件が成立する。なお、この所定の急坂路判定閾値θP2は、例えば傾斜角10°といった急勾配の路面に相当する値が予め設定されている。この場合、急勾配の路面ではアイドルストップ制御が禁止されるため、ドライバビリティを向上させることができる。
なお、上記の(D4)および(D5)の条件は例示であり、これらの条件に替えてまたは加えてアイドルストップ制御に用いられる従来公知の開始条件を用いることができる。つまり、上記の(D1)〜(D3)の条件は、エンジン停止条件の必須条件である。言い換えれば、エンジン停止条件は、運転者によりアイドルストップ制御が許可されたもとで、少なくとも常用ブレーキが操作されて停車したことを含む。
ISS ECU40は、エンジン停止条件が成立したと判定すると、エンジンECU50にエンジン1の停止指示を出力する。これにより、エンジン1が停止される。
次に、エンジン再始動条件について説明する。
ISS ECU40は下記の(E1)および(E2)の各条件の成否を判定し、これらの条件の何れかの成立が判定された場合に、エンジン再始動条件が成立する。
(E1)Dレンジの選択中にブレーキ操作が解除されること。
(E2)エンジン停止中に非走行レンジ(例えばPレンジやNレンジ)に切り替えられ、非走行レンジから走行レンジ(例えばDレンジまたはRレンジ)に切り替えられること。
上記の(E1)の条件は、ブレーキSW20から入力される信号がON信号からOFF信号に変化すると成立し、そうでないと成立しない。
上記の(E2)の条件は、シフトポジションSW27から入力された選択レンジ信号が非走行レンジに対応する信号から走行レンジに対応する信号に変化すると成立し、そうでなければ成立しない。
なお、(E1)および(E2)の条件は例示であり、これらの各条件に替えて、アイドルストップ制御に用いられる公知のエンジン再始動条件を用いることができる。また、変速機3がマニュアル変速機であれば、エンジン再始動条件として、上記の(E1)および(E2)の条件に替えて、シフト位置がNレンジであり、且つ、クラッチペダルの踏み込みが解除された状態から踏み込まれた状態に移行したことなどを用いてもよい。
ISS ECU40は、エンジン再始動条件が成立したと判定すると、EZGO ECU30にエンジン1の再始動タイミング情報を出力し、エンジンECU50にエンジン1の再始動指示を出力する。これにより、エンジンECU50がモータ4を作動させ、エンジン1が再始動される。
ISS ECU40は、上記の(C2)の条件(バルブ開放可能条件)の成立により前提条件の成立を判定した場合には、EZGO ECU30により昇圧コンバータ回路6の正常が判定されていなくても、即ちコンバータ動作判定に係る判定フラグFDが1でなくても、アイドルストップ制御を実施する特定制御を実施する。つまり、特定制御は、ISS ECU40によりバルブ開放可能条件(第二条件が含まれる)の成立が判定され、コンバータ動作判定に係る判定フラグFDが1でないときであっても、上記のエンジン停止条件が成立したと判定されるとエンジン1を停止させ、上記のエンジン再始動条件が成立したと判定されるとエンジン1を再始動させる制御である。
なお、本実施形態では、ISS ECU40による特定制御が、スタータSW25の手動操作後に一回だけ実施されるものを説明する。このためISS ECU40は初期値が0にセットされた初回フラグFSを記憶しており、特性制御の実施後には初回フラグFSを1にセットする。
また、ISS ECU40は、特定制御の実施後においてエンジン1が再始動される際に、上記の(C1)の条件の成立により前提条件の成立を判定した場合には、即ちEZGO ECU40により昇圧コンバータ回路6が正常であったと判定されている場合(コンバータ動作判定に係る判定フラグFDが1)には、アイドルストップ制御を実施する通常制御を実施する。つまり、通常制御は、特定制御においてエンジン1が再始動される際のコンバータ動作判定に係る判定フラグFDが1であれば、上記のエンジン停止条件が成立したと判定されるとエンジン1を停止させ、上記のエンジン再始動条件が成立したと判定されるとエンジン1を再始動させる制御である。言い換えれば、通常制御は、二回目以降のアイドルストップ制御を実施するものである。このように通常制御では、バルブ開放可能条件の判定によらず、コンバータ動作判定が昇圧コンバータ回路6が正常であることを示していれば、アイドルストップ制御を実施する。
また、ISS ECU40は、上記の(C1)および(C2)の両条件の不成立を判定した場合、即ち前提条件の不成立を判定した場合には、アイドルストップ制御を実施しない。
〔4.フローチャート〕
次に、図3のフローチャートを用いて、ISS ECU40で実施される制御手順を説明する。このフローチャートは所定の制御周期で繰り返し実施される。この制御フローは、スタータSW25がON操作(キーオン操作)されるとスタートし、OFF操作(キーオフ操作)されると終了する。また、フローチャート中の各ステップは、ISS ECU40のハードウェアに割り当てられた各機能がソフトウェア(コンピュータプログラム)によって動作することで実施される。図示しないが、EZGO ECU30では、このISS ECU40による処理と並行して、例えばISS ECU40の制御周期と同様の制御周期で、常時コンバータ動作判定を実施する。
なお、初回フラグFSは0であれば特定制御が実施される前を示し、1であれば特定制御が実施された後を示す。また、判定フラグFDは0であれば昇圧コンバータ回路6が異常またはコンバータ動作判定が一度も実施されていないことを示し、1であれば昇圧コンバータ回路6が正常であることを示す。この判定フラグFDはEZGO ECU30からの判定情報として得られるが、EZGO ECU30からの判定情報が得られなければ初期値0とする。
まず、ステップS10では、初回フラグFSが0か否かを判定する。初回フラグFSが、0であればステップS20へ移行し、1であればステップS100へ移行する。
ステップS20では、路面勾配θの絶対値が所定の路面勾配θP未満であるか否か、即ち、路面勾配θが平坦を示す所定の路面勾配θP範囲内であるか否かを判定する。路面勾配θの絶対値が、所定の路面勾配θP未満であればステップS30へ移行し、所定の路面勾配θP以上であればステップS200へ移行する。
このステップS20では、上述のバルブ開放可能条件(C2)の条件(I)を判定している。したがって、ステップS20で肯定判定されれば、バルブ開放可能条件(C2)の条件(I)が成立している。
ステップS30では、ブレーキ力保持制御開始条件が成立している否かの情報をEZGO ECU30から取得する。例えば、EZGO SW23がON操作されているかや、ブレーキSW20のON信号が入力されているかなどがEZGO ECU30により判定され、上述の(A1)〜(A7)の条件が成立しているかの情報を取得する。ブレーキ力保持制御開始条件が成立していればステップS40へ移行し、成立しなければステップS200へ移行する。なお、ブレーキ力保持制御開始条件が成立していれば、ブレーキバルブ13が閉成される。
ステップS40では、アイドルストップ制御を実施する。詳細は図示しないが、エンジン停止条件が成立すればエンジン1を停止させ、その後にエンジン再始動条件が成立すればエンジン1を再始動させる。エンジン1の再始動が完了するとアイドルストップ制御の実施が完了する。
ステップS50では、このエンジン1の再始動時に得られる昇圧コンバータ回路6の動作判定の情報を取得する。具体的には、EZGO ECU30からのコンバータ動作にかかる判定フラグFDを読込む。昇圧コンバータ回路6が正常(判定フラグFD=1)であればステップS60へ移行し、昇圧コンバータ回路6が異常(判定フラグFD=0)であればステップS70へ移行する。
ステップS60では、読込んだ判定フラグFD(=1)を記憶する。そして、ステップS80へ移行する。また、ステップS70では、読込んだ判定フラグFD(=0)を記憶する。そして、ステップS80へ移行する。
ステップS80では、初回フラグFSを1にセットする。そして本制御周期を終了する。
また、ステップS100では、判定フラグFDが1か否かを判定する。判定フラグFDが、1であればステップS110へ移行し、0であればステップS200へ移行する。このステップS200では、アイドルストップ制御の実施を禁止する。そして本制御周期を終了する。ステップS110では、上記のステップS40と同様に上述した所定のエンジン停止条件および所定のエンジン再始動条件を満たした場合にアイドルストップ制御を実施し、本制御周期を終了する。
なお、上述した制御フローでは、ステップS10,ステップS20およびステップS30の肯定判定を経てステップS40およびステップS50に至りステップS60またはステップS70からステップS80に至るフローが特定制御のフロー(破線で囲んで示す)に相当する。また、ステップS10の否定判定を経てステップS100の肯定判定を経るフローが通常制御のフローに相当する。
〔5.作用および効果〕
本実施形態の車両制御装置は、上述のように構成されるため、以下のような作用および効果を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る車両制御装置によれば、ISS ECU40が、昇圧コンバータ回路6の正常が判定されていないが上述の条件(I)である路面勾配θが平坦を示す所定の路面勾配θP範囲内であることまたはEZGO SW23がOFF操作されていることが満たされているとき、即ち、所定の前提条件が満たされているときには、所定のエンジン停止条件および所定のエンジン再始動条件が成立したと判定するとアイドルストップ制御を実施することができるため、昇圧コンバータ回路6が異常を示していたとしても安全を確保しつつアイドルストップ制御を実施することができる。これにより、実施されたアイドルストップ制御におけるエンジン1の再始動時には、昇圧コンバータ回路6の正常または異常を判定することができるので、ここで正常と判定された場合には上述の(C1)の条件が成立することになり、その後のアイドルストップ制御を実施する機会を確保することができる。これらの条件(I)や(C1)などの所定の前提条件の成立下では、所定のブレーキ力保持制御開始条件および所定のブレーキ力保持制御終了条件の判定に基づいてブレーキ力保持制御部によるブレーキ力保持制御が実施される。したがって、ブレーキ力保持制御とアイドルストップ制御とを適切に実施することができる。または、昇圧コンバータ回路6が異常を示していたとしても昇圧コンバータ回路6の作動を必要としない状況でアイドルストップ制御を実施することができる。よって、アイドルストップ制御を実施する機会が確保され、燃費の向上や排出ガスの低減に寄与する。したがって、ブレーキ力保持制御とアイドルストップ制御とを適切に実施することができる。
また、ISS ECU40は、特定制御においてエンジン1が再始動される際に、EZGO ECU30により昇圧コンバータ回路6が正常であったと判定されていると、アイドルストップ制御を実施する通常制御を実施するため、エンジン再始動時の電圧降下を昇圧コンバータ回路6の昇圧部6aによる昇圧で補償することができ、ブレーキバルブ13が開放してしまうことがない状況でアイドルストップ制御を実施することができる。つまり、ブレーキバルブ13を確実に閉鎖可能な状況でアイドルストップ制御を実施するため、安全を確保することができる。
昇圧コンバータ回路6が正常か異常かを判定するEZGO ECU30は、昇圧コンバータ回路6の出力側に接続されているため、バッテリ5の電圧降下や給電瞬断といった電源障害に対する耐久性が確保されている。したがって、EZGO ECU30によるコンバータ動作判定の信頼性が向上する。信頼性が向上されたコンバータ動作判定により昇圧コンバータ回路6の正常が判定された場合には、所定のエンジン停止条件を満たしたときにアイドルストップ制御を実施する通常制御を実施するため、安全を十分に確保してアイドルストップ制御を実施することができる。
ISS ECU40は、スタータSW25の手動操作後に一回だけ特定制御を実施するため、昇圧コンバータ回路6が正常なのか異常なのか不明の状態でアイドルストップ制御を実施するのは一回だけになる。この特定制御のアイドルストップ制御を実施することにより、コンバータ動作判定を実施する機会を確保することができる。
また、ISS ECU40は、前提条件の不成立を判定した場合にはアイドルストップ制御を実施しない。つまり、昇圧コンバータ回路6が異常を示し且つバルブ開放可能条件が不成立の場合にアイドルストップ制御が実施されないため、安全を確保することができる。
EZGO ECU30は、スタータSW25の手動操作によるエンジン1の始動時にはコンバータ動作判定を実施しない。すなわち、バッテリ5の給電により種々の電装機器(EZGO ECU30が含まれ得る)の起動前であり、モータ4の作動に伴うバッテリ4の印加電圧の降下が小さい状況ではコンバータ動作判定が実施されない。よって、このエンジン1の始動時にコンバータ動作判定を実施してしまうとその信頼性が低くなってしまうおそれがあるがこれを回避することで、コンバータ動作判定の信頼性を向上させることができる。
昇圧コンバータ回路6は、昇圧部6aとこの昇圧部6aをバイパスしてバッテリ5からの電圧を出力するバイパス部6bとを有するため、昇圧部6aの断線などの不具合により電圧を出力できない場合であっても、バイパス部6bによりバッテリ5の電圧が出力され、電源系統の耐久性を確保することができる。なお、昇圧コンバータ6の外部にバイパス部7が設けられる場合にも同等の効果を得ることができる。
この昇圧部6aはコンデンサを有して構成されるため、例えばバッテリ電圧VBの瞬断が発生した際の昇圧部6aはコンデンサの蓄電分を出力する。したがって、昇圧部6aは昇圧コンバータ回路6の入力電圧の瞬断時にも一定電圧で給電機能を有する。これにより、昇圧コンバータ回路6の出力側に接続されるEZGO ECU30およびブレーキバルブ13における電源系統の耐久性を確保することができる。
路面勾配θの絶対値が所定の急坂路判定閾値θP2以上であればアイドルストップ制御が禁止されるため、ドライバビリティを向上させることができる。
〈変形例〉
次に、本発明の一実施形態に係る変形例について説明する。本変形例では特定制御を実施する状況が異なる。つまり、本変形例の特定制御は、上述の一実施形態のようにスタータSW25の手動操作後に一回だけ実施されるものに限らず、本変形例の特定制御は、その実施後に再び特定制御が実施されることがあり得る。この変形例に係る特定制御を、本変形例のISS ECU40は実施する。
具体的には、ISS ECU40は、EZGO ECU30により昇圧コンバータ回路6が正常であったと判定されている場合(コンバータ動作判定に係る判定フラグFDが1の場合、即ち、第一条件が成立している場合)には、アイドルストップ制御を実施する。また、ISS ECU40は、EZGO ECU30により昇圧コンバータ回路6の異常が判定されている場合(コンバータ動作判定に係る判定フラグFDが0)には、バルブ開放可能条件の成立を判定したとき(第二条件が成立しているとき)にアイドルストップ制御を実施し、不成立を判定したときにアイドルストップ制御を実施しない。
その他の点は上述の一実施形態の構成と同様の構成になっており、これらについての詳細な説明は省略する。
次に、図4のフローチャートを用いて、本変形例のISS ECU40で実施される制御手順を説明する。このフローチャートも所定の制御周期で繰り返し実施され、この制御フローはスタータSW25がON操作(キーオン操作)されるとスタートし、OFF操作(キーオフ操作)されると終了する。なお、図3と同様のステップには同様の符号を付し、同様のステップの移行先については説明を省略する。
ステップA10では、判定フラグFDが0か否かを判定する。判定フラグFDが、0であればステップS20へ移行し、1であればステップS30へ移行する。なお、ステップA10の成否は上述のステップS100の成否と逆の関係にある。
これ以降のステップS20〜S70と、ステップS200は上述の一実施形態のステップと同一である。ただし、上述のステップS80に相当するステップが設定されていない。つまり、ステップS60またはステップS70を経て本制御周期を終了(リターン)する。
なお、ステップA10の否定判定を経てステップS30に至りステップS50を経てステップS60またはステップS70を経るフローが通常制御のフローに相当する。また、ステップA10の肯定判定を経てステップS20およびステップS30の肯定判定を経てステップS40およびステップS50を経てステップS60に至りステップS70またステップS80を経るフローが特定制御のフロー(破線で囲んで示す)に相当する。
したがって、一実施形態の変形例に係る車両制御装置によれば、所定の前提条件の成立が判定された場合には、特定制御の実施回数にかかわらず、所定のエンジン停止条件および所定のエンジン再始動条件が成立すればアイドルストップ制御(通常制御)を実施するため、安全を確保しつつアイドルストップ制御の実施機会を確保することができる。よって、ブレーキ力保持制御とアイドルストップ制御とを適切に実施することができる。
また、ISS ECU40は、所定の前提条件の不成立を判定した場合にはアイドルストップ制御を実施しない。つまり、昇圧コンバータ回路6が異常を示し且つバルブ開放可能条件が不成立の場合にアイドルストップ制御が実施されないため、安全を確保することができる。
さらに、一実施形態の変形例に係る車両制御装置は、上述の一実施形態に係る車両制御装置による効果と同様の効果も得ることができる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
また、上述の実施形態では、ISS ECU40が昇圧コンバータ回路6を介さずにバッテリ5の出力側に接続されたものを示したが、ISS ECU40が昇圧コンバータ回路6の出力側に接続され、さらにISS ECU40がコンバータ動作判定を実施してもよい。この場合、昇圧コンバータ回路6とISS ECU40とをハーネス接続するだけで、上述の一実施形態の効果と同等の効果を得ることができる。
また、上述の一実施形態では、EZGO ECU30,ISS ECU40,エンジンECU50およびT/M ECU60を備えた車両制御装置を説明したが、これらのECU30,40,50,60の全ての機能を有する単一のECUが、アイドルストップアンドスタート制御およびブレーキ力保持制御を実施してもよい。この全ての機能を有するECUは昇圧コンバータ回路6の出力側に接続される。この場合、ECUの構成を変更するだけで、簡素な構成とすることができるとともに、上述の一実施形態の効果と同等の効果を得ることができる。
1 エンジン
2 クラッチ
3 変速機
4 モータ
5 バッテリ
6 昇圧コンバータ回路
6a 昇圧部
6b バイパス部
6c 切替スイッチ(切替部)
7 バイパス部
13f ブレーキバルブ
13r ブレーキバルブ
20 ブレーキスイッチ
21 車速センサ
23 EZGOスイッチ
24 ISSスイッチ
25 スタータスイッチ(イグニッションキー,キー操作)
26 Gセンサ
30 EZGO ECU(ブレーキ力保持制御部)
40 ISS ECU(アイドルストップ制御部)
50 エンジン ECU
60 トランスミッションECU(T/M ECU)

Claims (4)

  1. エンジンを始動させるモータに給電するバッテリと、
    所定の前提条件の成立を判定した場合に、所定のエンジン停止条件が成立したと判定すると前記エンジンを停止させ、所定のエンジン再始動条件が成立したと判定すると前記モータを作動させて前記エンジンを再始動させるアイドルストップアンドスタート制御を実施するアイドルストップ制御部と、
    常用ブレーキの作動流体の流路に介装され、閉鎖されると前記作動流体の流通を遮断し、開放されると前記作動流体の流通遮断を解除する電磁式の常開弁であるバルブと、
    前記バッテリからの電圧を昇圧して昇圧電圧を出力可能な昇圧コンバータ回路と、
    路面勾配を検出する勾配検出手段と、
    所定のブレーキ力保持制御開始条件が成立したと判定すると前記バルブを閉鎖させ、所定のブレーキ力保持制御終了条件が成立したと判定すると前記バルブを開放させるブレーキ力保持制御を実施するブレーキ力保持制御部と、
    を備えた車両制御装置であって、
    前記ブレーキ力保持制御部は、前記昇圧コンバータ回路の出力側に接続され、前記バルブの閉鎖中に前記エンジンが再始動され前記バッテリが電圧降下する際には、前記昇圧コンバータ回路により昇圧された電圧を前記バルブに供給すると共に、前記昇圧コンバータ回路の出力電圧を検出して前記出力電圧から前記昇圧コンバータ回路が正常か異常かを判定し、
    前記所定の前提条件には、前記ブレーキ力保持制御部により前記昇圧コンバータ回路が正常であったと判定されたことである第一条件と、前記ブレーキ力保持制御部により前記昇圧コンバータ回路の正常が判定されていないが前記勾配検出手段により検出された路面勾配が平坦を示す所定の路面勾配範囲内であることである第二条件とが設定され、
    前記アイドルストップ制御部は、前記第一条件および第二条件の何れかが成立したと判定すると前記所定の前提条件が成立したと判定する
    ことを特徴とする、車両制御装置。
  2. 前記アイドルストップ制御部は、前記第二条件の成立による前記アイドルストップアンドスタート制御を、運転者の手動による前記エンジンの始動後に一回だけ実施する
    ことを特徴とする、請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記ブレーキ力保持制御部は、前記昇圧コンバータ回路が正常か異常かの判定を、前記アイドルストップアンドスタート制御により前記エンジンの再始動時に実施し、運転者の手動による前記エンジンの始動時には実施しない
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の車両制御装置。
  4. 前記昇圧コンバータ回路は、前記バッテリからの電圧を昇圧して出力する昇圧部と、前記昇圧部をバイパスして前記バッテリからの電圧を出力するバイパス部と、前記昇圧部を有効にする切替部とを有し、前記バッテリの電圧降下時に前記切替部により前記昇圧部を有効にする
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の車両制御装置。
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