JP2012111412A - 車両制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンを自動停止及び再始動するエンジン自動停止・再始動手段を備えた車両における診断機能の誤診断を防止した車両制御システムを提供する。
【解決手段】車両に搭載される装置41の制御を行なう制御手段40と、制御手段の異常有無を診断する診断手段と、所定の停止条件が成立した場合に車両のエンジンを自動停止させるとともに、所定の再始動条件が成立した場合にエンジンを再始動させるエンジン自動停止・再始動手段30とを備える車両制御システム1を、エンジン自動停止・再始動手段は、エンジンの再始動に先立ってエンジン再始動予告信号を出力し、診断手段は、エンジン再始動予告信号に応じて診断を停止する構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等の車両に設けられる車両制御システムに関し、特にエンジンを自動停止及び再始動する際の診断機能の誤診断を防止するものに関する。
自動車等の車両においては、例えば車両のアンダーステアやオーバーステア等の挙動に応じて左右輪の制駆動力差を生じさせ、車体を安定化させる方向へのヨーモーメントを付与する挙動制御装置など、各種の制御装置が搭載されている。
これらの制御装置は、車両のバッテリ等の電力源から電力を供給されて作動するとともに、例えばCAN通信システム等の車載LANなどを介して相互に通信を行い、自装置における制御に必要な情報を取得している。
このような制御装置において、例えば供給電圧の低下や通信機能の欠陥などが生じた場合には、制御に不具合が生ずることから、正常な制御が可能か否かを自己診断する診断機能を設けることが知られている。
一方、近年では車両の実走行における燃料消費を改善することを目的として、停車時等に自動的にエンジンを停止し、その後再発進時等にエンジンを再始動するようにしたアイドルストップシステム(ISS)が普及している。
このようなアイドルストップシステムに関する従来技術として、例えば特許文献1には、車速、ブレーキ操作、バッテリ電圧等が所定のアイドルストップ条件を成立した場合に自動的にエンジンを停止し、ブレーキ解除操作、アクセル操作等が所定の再始動条件を成立した場合にエンジンを自動的に再始動するようにしたエンジンの制御装置が記載されている。
また、特許文献2には、ブレーキ操作の状態を、ブレーキスイッチ、マスタシリンダ液圧、ブレーキペダルストローク等の複数の手段を用いて検出することによってブレーキスイッチの故障時にも適切な制御を可能としたエンジン自動停止始動装置が記載されている。
特開2010−84516号公報 特開2001−12269号公報
上述したようなアイドルストップシステムを搭載した車両においては、エンジンを再始動する際にスタータモータが大電流を消費することによる供給電圧の低下や、この電圧低下による通信やセンサ類への影響によって、自己診断機能が正常に動作せず、誤診断が生じる場合がある。
また、例えば車両の挙動制御装置のようにエンジンとの協調制御を行う制御装置の場合には、エンジンを停止した結果、協調不成立によって自己診断機能が誤診断する場合がある。
本発明の課題は、エンジンを自動停止及び再始動するエンジン自動停止・再始動手段を備えた車両における診断機能の誤診断を防止した車両制御システムを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1の発明は、車両に搭載される装置の制御を行なう制御手段と、前記制御手段の異常有無を診断する診断手段と、所定の停止条件が成立した場合に前記車両のエンジンを自動停止させるとともに、所定の再始動条件が成立した場合に前記エンジンを再始動させるエンジン自動停止・再始動手段とを備える車両制御システムであって、前記エンジン自動停止・再始動手段は、前記エンジンの再始動に先立ってエンジン再始動予告信号を出力し、前記診断手段は、前記エンジン再始動予告信号に応じて前記診断を停止することを特徴とする車両制御システムである。
請求項2の発明は、車両に搭載される装置の制御を行なう制御手段と、前記制御手段の異常有無を診断する診断手段と、所定の停止条件が成立した場合に前記車両のエンジンを自動停止させるとともに、所定の再始動条件が成立した場合に前記エンジンを再始動させるエンジン自動停止・再始動手段とを備える車両制御システムであって、前記エンジン自動停止・再始動手段は、前記エンジンの自動停止に先立ってエンジン停止予告信号を出力し、前記診断手段は、前記エンジン停止予告信号に応じて前記診断を停止することを特徴とする車両制御システムである。
請求項3の発明は、車両に搭載される装置の制御を行なう制御手段と、前記制御手段のエンジン協調機能の異常有無を診断する第1の診断手段と、前記制御手段の電圧低下に起因する異常有無と通信機能の異常有無との少なくとも一方を診断する第2の診断手段と所定の停止条件が成立した場合に前記車両のエンジンを自動停止させるとともに、所定の再始動条件が成立した場合に前記エンジンを再始動させるエンジン自動停止・再始動手段とを備える車両制御システムであって、前記エンジン自動停止・再始動手段は、前記エンジンの自動停止及び再始動に先立ってエンジン停止予告信号及びエンジン再始動予告信号をそれぞれ出力し、前記第1の診断手段は、前記エンジン停止予告信号に応じて前記診断を停止し、前記第2の診断手段は、前記エンジン再始動予告信号に応じて前記診断を停止することを特徴とする車両制御システムである。
請求項4の発明は、前記エンジンの再始動後に、エンジンの再始動完了を判定するエンジン再始動判定手段を備え、前記診断手段における診断の停止は、前記再始動完了の判定成立後、所定時間後に解除されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両制御システムである。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)エンジンの再始動に先立って出力されるエンジン再始動予告信号に応じて、診断手段による診断を停止することによって、クランキング時の電圧低下に起因する誤診断を防止することができる。例えば、電圧低下による制御装置自体や通信系、センサ類の一時的な機能不全を故障であると誤診断することを防止できる。
(2)エンジンの自動停止に先立って出力されるエンジン停止予告信号に応じて、診断手段による診断を停止することによって、エンジン停止に起因する誤診断を防止することができる。例えば、エンジンとの協調制御を行う挙動制御システムをエンジンとの協調不成立を理由として故障であると誤診断することを防止できる。
(3)診断手段における診断の停止は、再始動完了の判定成立後、所定時間後に解除される構成とすることによって、再始動後に通信等の各種機能が回復するまでの期間は診断を停止し、その後診断を再開することによって、適切な診断を行うことができる。
本発明を適用した車両制御システムの実施例の構成を示す模式的ブロック図である。 図1の車両制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。 図1の車両制御システムの動作の一例を示すタイミングチャートである。 図1の車両制御システムの動作の他の例を示すタイミングチャートである。
本発明は、エンジンを自動停止及び再始動するエンジン自動停止・再始動手段を備えた車両における診断機能の誤診断を防止した車両制御システムを提供する課題を、エンジンの自動停止に先立って実行されるISS制御中フラグのセット、エンジンの再始動に先立って実行されるエンジン再始動フラグのセットに応じて、車両挙動制御装置におけるエンジンとの協調制御に関する自己診断機能(フェールセーフ1)、及び、電源系及び通信系に関する自己診断機能(フェールセーフ2)をそれぞれ一時的に停止することによって解決した。
以下、本発明を適用した車両制御システムの実施例について説明する。
図1は、実施例の車両制御システムの構成を示す模式的ブロック図である。
車両制御システム1は、エンジン制御ユニット10、CVT制御ユニット20、アイドルストップシステム(ISS)制御ユニット30、車両挙動制御ユニット40、パワーステアリング制御ユニット50、パーキングブレーキ制御ユニット60、車両統合ユニット70、車載LANシステム80等を備えて構成されている。
エンジン制御ユニット10は、車両の走行用動力源であるガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の図示しないエンジン及びその補機類を統括的に制御するものである。
エンジン制御ユニット10は、例えば電動スロットルバルブの開度、点火時期、燃料噴射量及び噴射時期、過給圧、EGR量、各種制御バルブの状態などを制御することによって、エンジンの出力調整等を行う。
また、エンジン制御ユニット10には、回転数センサ11、スタータリレー12が接続されている。
回転数センサ11は、エンジンの出力軸回転数(回転速度)を検出するものである。回転数センサ11として、例えば、公知のクランク角センサが用いられる。
得られた回転数は、車載LANシステム80を介してISS制御ユニット30に提供される。
スタータリレー12は、エンジンを始動する際に出力軸を回転駆動(クランキング)するスタータモータMにバッテリBからの電力を供給、遮断するものである。
スタータリレー12は、エンジン制御ユニット10からの信号に応じて、スタータモータMに電力を供給し、エンジンの始動を行う。
CVT制御ユニット20は、エンジンの出力回転を増減速して各車軸に設けられた最終減速装置に伝達する無段変速機(CVT)及びその補機類を統括的に制御するものである。
また、CVT制御ユニット20は、ドライバがセレクトレバーによって選択した変速機のセレクトポジションを、車載LANシステム80を介してISS制御ユニット30に伝達可能となっている。
ISS制御ユニット30は、車両の停車時に所定の条件下でエンジンを自動的に停止させ、その後所定の条件下でエンジンを自動的に再始動させるアイドルストップ機能を統括的に制御するエンジン自動停止・再始動手段である。
このアイドルストップ機能については、後に詳しく説明する。
車両挙動制御ユニット40は、車両にオーバーステア、アンダーステア等の挙動が発生した場合に、左右輪ブレーキの制動力差を発生させて、車両を安定化させる方向のヨーモーメントを発生させる車両挙動制御を行うものである。
また、車両挙動制御ユニット40は、ヨーモーメントの発生時に、エンジンの出力トルクを低減させるエンジン協調制御(トルクマネジメント制御)を行う。このため、車両挙動制御ユニット40は、エンジン制御ユニット10から、トルクダウン命令を受け入れ可能であることを示す信号を随時取得している。
車両挙動制御ユニット40は、エンジンとの協調制御に関する不具合を検出する自己診断機能(フェールセーフ1)と、電源系(供給電圧低下)、車載LANシステム80等の通信系、各センサ類の故障を診断する自己診断機能(フェールセーフ2)とを備えている。
これらのフェールセーフ1、フェールセーフ2に関する機能は、通常は車両の使用中(イグニッションスイッチオン中)常に機能しているが、アイドルストップ機能の作動に伴い、誤診断を防止するため一時的に停止されるようになっている。この点については、後に詳しく説明する。
車両挙動制御ユニット40には、ハイドロリックコントロールユニット(HCU)41、マスタシリンダ液圧センサ42、ブレーキランプスイッチ(BLS)43、車速センサ44等が接続されている。
HCU41は、ブレーキペダルに接続されたマスタシリンダと各車輪のホイルシリンダとの中間に設けられ、ブレーキフルードを加圧するポンプ及び各車輪のホイルシリンダ液圧を個別に制御可能なソレノイドバルブ等を備えている。
HCU41は、車両挙動制御ユニット40によって制御され、左右輪の制動力差を発生させて挙動制御のためのヨーモーメントを発生させる。
また、HCU41は、アイドルストップ中にマスタシリンダ液圧が所定のホールド液圧を下回った場合には、各ホイルシリンダ液圧をホールド液圧以上に保持して再始動時における車両の動き出しを防止するブレーキホールド機能を備えている。このブレーキホールドは、エンジンの完爆判定後、ホイルシリンダ液圧を徐々に低下させて実質的にゼロとすることによって終了する。
マスタシリンダ液圧センサ42は、マスタシリンダ出口におけるブレーキフルード液圧を検出するものであって、この液圧はドライバによるブレーキペダルの踏力に応じて増加する。
BLS43は、ブレーキランプの点灯等のためにドライバによるブレーキ操作有無を検出するスイッチであって、ブレーキペダルの基部に設けられている。
車速センサ44は、各車輪を支持するハブ部に設けられ、車輪の回転速度に応じて車速パルス信号を出力するものである。車両の走行速度(車速)は、このパルスの時間間隔に基づいて演算可能である。
パワーステアリング制御ユニット50は、電動パワーステアリング装置を統括的に制御するものである。
電動パワーステアリング装置は、ステアリングシャフトの中間部に設けられたトルクセンサの検出値に応じて、電動アクチュエータによってステアリングシャフト又はステアリングラック等を駆動し、操舵アシスト力を付与するものである。
パーキングブレーキ制御ユニット60は、電動パーキングブレーキ装置を統括的に制御するものである。
電動パーキングブレーキ装置は、車両の駐停車時に作動する機械式ブレーキ装置の制動・解除を、電動アクチュエータによって駆動するものである。
車両統合ユニット70は、車両に設けられるその他の電装品を統括的に制御するものである。
車載LANシステム80は、上述した各ユニット間の通信を可能とするものであって、例えばCAN通信システム等が用いられる。
図2は、上述した実施例の車両制御システムにおけるアイドルストップ機能作動時の動作の一例を示すフローチャートである。以下、ステップ毎に順を追って説明する。
また、図3、図4は、実施例の車両制御システムにおけるエンジン回転数、マスタシリンダ圧、エンジン再始動フラグ、ISS制御中フラグ、フェールセーフ1、フェールセーフ2、ブレーキホールド機能の状態を示すタイミングチャートである。図3は、ドライバの発進準備操作(BLSオフ等)によってエンジンが再始動される場合を示し、図4はその他の原因(バッテリ、空調の状態等)によってエンジンが再始動される場合を示している。
<ステップS01:再始動条件成立判断>
ISS制御ユニット30は、エンジンの再始動条件が成立しているか否かを判定する。
エンジンの再始動条件の成立有無は、例えば、運転者が発進準備操作を行ったか否か、あるいは、バッテリB電圧の低下、図示しない空調装置の運転状態等に基づいて判断される。
例えば、以下の(1)〜(3)の条件のうち、いずれか一つが成立した場合には、発進準備操作が行われたとして、エンジンの再始動条件成立と判定される。
(1)変速機のセレクトポジションがR(後退)レンジ
(2)アイドルストップ(エンジン自動停止)中にN(ニュートラル)レンジを経験後、D(前進)レンジかつBLS43がオン
(3)アイドルストップ中にNレンジを未経験であって、DレンジかつBLS43がオフ
また、バッテリ電圧が所定の閾値を下回った場合には充電を行うためエンジン再始動条件が成立し、空調装置の運転状態が所定の条件となった場合にもコンプレッサを作動させてキャビン内の快適性を確保するためにエンジン再始動条件が成立したものとされる。
そして、エンジン再始動条件が成立しない場合にはステップS02に進み、成立した場合にはステップS07に進む。
<ステップS02:アイドルストップ条件成立判断>
ISS制御ユニット30は、エンジンを自動停止するアイドルストップ条件が成立しているか否かを判定する。
アイドルストップ条件は、例えば、変速機のセレクトポジションがDレンジ又はNレンジであって、車速V=0でありかつBLS43がオンである場合に成立する。
そして、アイドルストップ条件が成立しない場合はステップS03に進み、成立した場合はステップS04に進む。
<ステップS03:通常エンジン制御>
エンジン制御ユニット10は、アイドルストップ機能を作動させない通常のエンジン制御を実行する。
その後、一連の処理を終了(リターン)し、ステップS01以降の処理を繰り返す。
<ステップS04:ISS制御中フラグ1>
ISS制御ユニット30は、アイドルストップ制御を実行していることを示すISS制御中フラグを立て、0(非アクティブ)から1(アクティブ)にセットする。
このISS制御中フラグの状態は、他の各ユニットにも車載LANシステム80を介して伝達される。ISS制御中フラグは、アクティブとされてから所定時間後にエンジンが停止する、エンジン停止予告信号として機能する。
その後、ステップS05に進む。
<ステップS05:フェールセーフ1停止>
車両挙動制御ユニット40は、上述したフェールセーフ1に関する自己診断機能を停止する。
その後、ステップS06に進む。
<ステップS06:エンジン停止>
エンジン制御ユニット10は、エンジンを停止する。
その後、一連の処理を終了(リターン)し、ステップS01以降の処理を繰り返す。
<ステップS07:エンジン再始動フラグ1>
ISS制御ユニット30は、エンジンの再始動制御を実行していることを示すエンジン再始動フラグを立て、0(非アクティブ)から1(アクティブ)にセットする。
このエンジン再始動フラグの状態は、他の各ユニットにも車載LANシステム80を介して伝達される。エンジン再始動フラグは、アクティブとされてから所定時間後にエンジンが再始動される、エンジン再始動予告信号として機能する。
その後、ステップS08に進む。
<ステップS08:フェールセーフ2停止>
車両挙動制御ユニット40は、上述したフェールセーフ2に関する自己診断機能を停止する。このとき、クランキングに先立つ所定の停止準備期間(通信の終了等に必要な期間)を経て、クランキングの開始までにはフェールセーフ2を完全に停止する。
その後、ステップS09に進む。
<ステップS09:エンジン再始動>
エンジン制御ユニット10は、スタータリレー12からスタータモータMへの通電を行ってエンジンを再始動する。
その後、ステップS10に進む。
<ステップS10:完爆判定>
エンジン制御ユニット10は、エンジンの始動が終了して安定した運転状態となったか否かを判定する完爆判定を行う。
完爆判定は、例えばエンジンの出力軸回転数が所定値以上の状態が、所定期間以上にわたって継続した場合に成立する。
完爆判定の結果は、各ユニットに車載LANシステム80を介して伝達される。
完爆判定が成立した場合はステップS11に進み、成立しない場合はステップS09に戻ってクランキングを継続する。
<ステップS11:エンジン再始動フラグ0>
ISS制御ユニット30は、上述したエンジン再始動フラグを0(非アクティブ)にリセットする。
その後、ステップS12に進む。
<ステップS12:所定時間経過判断>
ISS制御ユニット30は、エンジン再始動フラグが0となってからの経過時間をカウントするとともに、この経過時間が所定時間以上となったか否かを判定する。
この所定時間は、クランキングによる電圧低下状態から、各ユニット、センサ類、通信系などが正常な状態に復帰するまでの時間を考慮して、一例として1秒程度に設定することができる。
そして、所定時間が経過した場合には、ステップS13に進み、経過しない場合は、引き続きステップS12を繰り返し、所定時間の経過を待つ。
<ステップS13:ISS制御中フラグ0>
ISS制御ユニット30は、上述したISS制御中フラグを0(非アクティブ)にリセットする。
その後、ステップS14に進む。
<ステップS14:フェールセーフ1、2再開>
車両挙動制御ユニット40は、停止していたフェールセーフ1、フェールセーフ2の機能を復帰させ、自己診断を再開する。
その後、一連の処理を終了(リターン)し、ステップS01以降の処理を繰り返す。
以上説明した実施例によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)エンジンの再始動に先立ってアクティブ状態にセットされるエンジン再始動フラグに応じて、車両挙動制御ユニット40のフェールセーフ2に関する機能を停止することによって、クランキング時の電圧低下に起因する誤診断を防止することができる。例えば、電圧低下による制御装置自体や通信系、センサ類の一時的な機能不全を故障であると誤診断することを防止できる。
(2)エンジンの自動停止に先立ってアクティブ状態にセットされるISS制御中フラグに応じて、車両挙動制御ユニット40のフェールセーフ1に関する機能を停止することによって、エンジン停止に起因する誤診断を防止することができる。例えば、エンジンとの協調制御を行う車両挙動制御ユニット40がエンジン制御ユニット10からトルクダウン命令を受け入れ可能であることを伝達する信号を取得できず協調が不成立な場合であっても、故障であると誤診断されることを防止できる。
(3)フェールセーフ1、フェールセーフ2の停止は、完爆判定の成立後、所定時間後に解除される構成とすることによって、再始動後に通信等の各種機能が回復するまでの期間は診断を停止し、その後診断を再開することによって、適切な診断を行うことができる。
(4)簡単なロジックによって診断機能による誤診断を防止することができ、複雑なロジック検討や不具合検出にかかる開発工数を削減することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)実施例では、エンジンの自動停止予告信号及び再始動予告信号に応じて、車両挙動制御ユニットのエンジン協調制御に関する診断機能、及び、電源・通信系に関する診断機能をそれぞれ停止しているが、停止する診断機能は実施例のものに限らず、他のユニット(制御装置)の任意の診断機能を適宜停止するようにしてもよい。例えば、パワーステアリング装置、電動パーキングブレーキ装置、変速機や他の電装品等に関する診断機能を停止してもよい。
(2)車両制御システムの構成は上述した実施例の構成に限定されず、適宜変更することが可能である。例えば、一部ユニットの省略や、他のユニットの追加、複数のユニットの機能の単一ユニットへの統合化等の変更を行ったものも本発明の技術的範囲内である。
(3)実施例の車両制御システムは停車時等にエンジンを自動停止するアイドルストップシステムを備えた車両に適用されるものであったが、本発明は、走行中にエンジンの自動停止及び再始動を行うエンジン−電気ハイブリッド車両にも適用することができる。
1 車両制御システム 10 エンジン制御ユニット
11 回転数センサ 12 スタータリレー
M スタータモータ B バッテリ
20 CVT制御ユニット 30 ISS制御ユニット
40 車両挙動制御ユニット
41 ハイドロリックコントロールユニット(HCU)
42 マスタシリンダ液圧センサ
43 ブレーキランプスイッチ(BLS) 44 車速センサ
50 パワーステアリング制御ユニット
60 パーキングブレーキ制御ユニット 70 車両統合ユニット
80 車載LANシステム

Claims (4)

  1. 車両に搭載される装置の制御を行なう制御手段と、
    前記制御手段の異常有無を診断する診断手段と、
    所定の停止条件が成立した場合に前記車両のエンジンを自動停止させるとともに、所定の再始動条件が成立した場合に前記エンジンを再始動させるエンジン自動停止・再始動手段と
    を備える車両制御システムであって、
    前記エンジン自動停止・再始動手段は、前記エンジンの再始動に先立ってエンジン再始動予告信号を出力し、
    前記診断手段は、前記エンジン再始動予告信号に応じて前記診断を停止すること
    を特徴とする車両制御システム。
  2. 車両に搭載される装置の制御を行なう制御手段と、
    前記制御手段の異常有無を診断する診断手段と、
    所定の停止条件が成立した場合に前記車両のエンジンを自動停止させるとともに、所定の再始動条件が成立した場合に前記エンジンを再始動させるエンジン自動停止・再始動手段と
    を備える車両制御システムであって、
    前記エンジン自動停止・再始動手段は、前記エンジンの自動停止に先立ってエンジン停止予告信号を出力し、
    前記診断手段は、前記エンジン停止予告信号に応じて前記診断を停止すること
    を特徴とする車両制御システム。
  3. 車両に搭載される装置の制御を行なう制御手段と、
    前記制御手段のエンジン協調機能の異常有無を診断する第1の診断手段と、
    前記制御手段の電圧低下に起因する異常有無と通信機能の異常有無との少なくとも一方を診断する第2の診断手段と
    所定の停止条件が成立した場合に前記車両のエンジンを自動停止させるとともに、所定の再始動条件が成立した場合に前記エンジンを再始動させるエンジン自動停止・再始動手段と
    を備える車両制御システムであって、
    前記エンジン自動停止・再始動手段は、前記エンジンの自動停止及び再始動に先立ってエンジン停止予告信号及びエンジン再始動予告信号をそれぞれ出力し、
    前記第1の診断手段は、前記エンジン停止予告信号に応じて前記診断を停止し、
    前記第2の診断手段は、前記エンジン再始動予告信号に応じて前記診断を停止すること
    を特徴とする車両制御システム。
  4. 前記エンジンの再始動後に、エンジンの再始動完了を判定するエンジン再始動判定手段を備え、
    前記診断手段における診断の停止は、前記再始動完了の判定成立後、所定時間後に解除されること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両制御システム。
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