JP2014121890A - 倒立二輪車 - Google Patents

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Abstract

【課題】より安全性を向上させた倒立二輪車を提供すること。
【解決手段】倒立二輪車は、車体のピッチ軸周りの角速度を検出する単軸角速度検出手段を備えている。倒立二輪車は、単軸角速度検出手段により検出されたピッチ角速度に基づいて倒立状態を維持しつつ、操作ハンドルの傾斜角度に応じて旋回を行う。単軸角速度検出手段は、操作ハンドルの傾斜する方向と反対方向に傾斜する車体の部分に配置されている。単軸角速度検出手段は、パラレルリンク機構の車体下部材又は車体上部材に取付けられていてもよい。
【選択図】図7

Description

本発明は、倒立状態を維持しつつ旋回を行う倒立二輪車に関するものである。
倒立二輪車において、システムに異常が発生した場合でも安全に搭乗者が降車できるようにすることは、重要な事項の1つである。倒立二輪車は、センサからの出力に基づいて倒立制御を行っている。そのため、センサの故障及び故障したセンサを精度良く検出し、故障したセンサからの出力に基づいた倒立制御を抑止することが、安全性を担保する上で非常に重要となってくる。
これに対し、ヨー軸、ロール軸、及びピッチ軸の角速度を検出する3軸角速度センサからの出力に基づいた倒立制御と、ピッチ軸のみの角速度を検出する単軸角速度センサからの出力に基づいた倒立制御と、を切替える倒立型移動体が知られている(特許文献1参照)。当該倒立二輪車は、操作ハンドルの傾斜角度に応じて旋回を行うように構成されている。
特表2003−504600号公報
上記特許文献1に示す倒立二輪車において、例えば、上記単軸角速度センサが操作ハンドルの傾斜する方向と同方向に傾斜する部分に配置されているとする。この場合、単軸角速度センサは、倒立二輪車の旋回によって生じる角速度までも余分に検出するため、単軸角速度センサからの出力値に基づいたピッチ角度が後傾方向にオフセットされることとなる。一方で、倒立二輪車の倒立制御においては、この後傾方向のオフセットをキャンセルしようと、車体をより大きく前傾方向に傾斜させることとなる。この前傾に応じて、倒立二輪車が搭乗者の意図する以上の速度を出力する虞がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、より安全性を向上させた倒立二輪車を提供することを主たる目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、車体のピッチ軸周りの角速度を検出する単軸角速度検出手段を備え、該単軸角速度検出手段により検出されたピッチ角速度に基づいて倒立状態を維持しつつ、操作ハンドルの傾斜角度に応じて旋回を行う倒立二輪車であって、前記単軸角速度検出手段は、前記操作ハンドルの傾斜する方向と反対方向に傾斜する前記車体の部分に配置されている、ことを特徴とする倒立二輪車である。
この一態様において、前記車体は、互いに平行をなして上下に配置された車体上部材及び車体下部材と、互いに平行をなして左右に配置されると共に前記車体上部材及び車体下部材と回動可能に連結され、上端に搭乗者が搭乗するステッププレートが取り付けられた一対の側面部材と、を有し、前記操作ハンドルの傾斜に応じて傾斜するパラレルリンク機構を備え、前記単軸角速度検出手段は、前記パラレルリンク機構の車体下部材又は車体上部材に取付けられていてもよい。
この一態様において、前記車体のピッチ軸、ロール軸、及びヨー軸周りの角速度を検出する3軸角速度検出手段と、前記3軸角速度検出手段により検出されたピッチ軸、ロール軸、及びヨー軸周りの角速度と、前記単軸角速度検出手段により検出されたピッチ軸周りの角速度と、に基づいて前記倒立状態を維持する倒立制御を行う制御手段と、を更に備え、前記制御手段は、前記3軸角速度検出手段が故障していると判断したとき、前記単軸角速度検出手段により検出されたピッチ角速度に基づいて前記倒立制御を継続してもよい。
この一態様において、当該倒立二輪車の旋回時に、前記単軸角速度検出手段により検出されたピッチ角速度に基づいた前記車体のピッチ角度を後方向へオフセットして認識することで、当該倒立二輪車を制動してもよい。
本発明によれば、より安全性を向上させた倒立二輪車を提供することができる。
実施の形態1にかかる倒立二輪車の概要構成を示す図である。 実施の形態1にかかる制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1にかかるセンサが検出する角速度及び加速度を示す図である。 実施の形態1で検出・算出されるX軸、Y軸、及びZ軸の加速度を示す図である。 実施の形態1で検出・算出される角速度を示す図である。 実施の形態1にかかるセンサ故障検出処理を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る倒立二輪車を示す正面図である。
実施の形態1.
図1を参照して、本発明の実施の形態1にかかる倒立二輪車1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかる倒立二輪車1の概要構成を示す図である。
倒立二輪車1は、ステッププレート3に搭乗した搭乗者が、倒立二輪車1の前後方向に荷重を作用させた際における、前後方向への倒立二輪車1の姿勢角(ピッチ角)をセンサで検出し、この検出結果に基づいて、倒立二輪車1の倒立状態を維持するように左右の車輪2を駆動するモータを制御する。すなわち、倒立二輪車1は、ステッププレート3に搭乗した搭乗者が前方に荷重を作用させて倒立二輪車1を前方に傾斜させると、倒立二輪車1の倒立状態を維持するように前方に加速し、搭乗者が後方に荷重を作用させて倒立二輪車1を後方に傾斜させると、倒立二輪車1の倒立状態を維持するように後方に加速するように、左右の車輪2を駆動するモータを制御する。さらに、倒立二輪車1は、操作ハンドル4及びステッププレート3の傾斜方向に応じて、左右旋回を行うように構成されている。例えば、操作ハンドル4及びステッププレート3を左側に傾斜させると倒立二輪車1は左旋回を行い、操作ハンドル4及びステッププレート3を右側に傾斜させる右旋回を行う。倒立二輪車1は、制御の安定性を確保するために、モータを制御する制御系が2重化されている。
なお、上述のモータの制御は、倒立二輪車1に搭載された制御装置10によって行われる。次に、図2を参照して制御装置10について説明する。
続いて、図2を参照して、本発明の実施の形態1にかかる制御装置10の構成について説明する。図2を参照して、本発明の実施の形態1にかかる制御装置10の構成を示すブロック図である。
制御装置10は、マイクロコントローラ11、12(制御手段の一具体例であり、以下、「マイコン」と称す)、インバータ13〜16、モータ17、18、及び、3軸角速度センサ19〜21と単軸角速度センサ22からなる姿勢センサユニット23を有する。
制御装置10は、倒立二輪車1の制御の安定性を確保するために、1系システム100と2系システム200とに二重化された二重系システムとなっている。すなわち、通常時には両方のシステム100、200によって倒立二輪車1の制御を行い、片方のシステムで異常が検出された場合には、他方のシステムによって倒立二輪車1の倒立制御を継続し、安全停止させるように制御する。1系システム100は、マイコン11、インバータ13、14、及び3軸角速度センサ(3軸角速度検出手段の一具体例)19〜21を含む。2系システム200は、マイコン12、インバータ15、16、及び単軸角速度センサ(単軸角速度検出手段の一具体例)22を含む。例えば、1系システム100の3軸角速度センサ19〜21に異常が生じた場合は、2系システム200の単軸角速度センサ22により倒立制御を継続し、倒立二輪車1を安全に停止させることができる。
以下、倒立二輪車1のロール軸をX軸とも呼び、倒立二輪車1のピッチ軸をY軸とも呼び、倒立二輪車1のヨー軸をZ軸とも呼んで説明する。1系システム100では、3軸角速度センサ19及び20は、それぞれの検出軸が、ピッチ軸及びロール軸のそれぞれからヨー軸と直交する平面上で45°の角度をなして対向するように配置されている。すなわち、3軸角速度センサ19及び20は、それぞれの検出軸が、ピッチ軸に対して対称的となるように異なる向きに45°傾斜するように配置される。また、1系システム100では、3軸角速度センサ21は、その検出軸がヨー軸と一致するように配置されている。2系システム200では、単軸角速度センサ22は、その検出軸がピッチ軸と一致するように配置されている。
マイコン11、12のそれぞれは、3軸角速度センサ19〜21及び単軸角速度センサ22のそれぞれから出力される角速度信号に基づいて、上述したように、倒立二輪車1が倒立状態を維持するようにモータ17、18を制御するECU(Electric Control Unit)である。マイコン11、12のそれぞれは、CPU(Central Processing Unit)及び記憶部を有し、記憶部に格納されたプログラムを実行することによって、本実施の形態1におけるマイコン11、12のそれぞれとしての処理を実行する。すなわち、マイコン11、12のそれぞれの記憶部に格納されるプログラムは、本実施の形態1におけるマイコン11、12のそれぞれにおける処理を、CPUに実行させるためのコードを含む。なお、記憶部は、例えば、このプログラムや、CPUにおける処理に利用される各種情報を格納することができる任意の記憶装置を含んで構成される。記憶装置は、例えば、メモリ等である。
マイコン11は、モータ17を制御する指令値を生成し、インバータ13に出力する。また、マイコン11は、モータ18を制御する指令値を生成し、インバータ14に出力する。ここで、マイコン11は、3軸角速度センサ19、20から出力される角速度信号に基づいて倒立二輪車1の姿勢角を算出し、算出した姿勢角に基づいて倒立二輪車1の倒立状態を維持するようにモータ17、18を制御する指令値を生成する。
具体的には、マイコン11は、3軸角速度センサ19、20のそれぞれから出力される角速度信号が示す角速度から、ピッチ軸周りの角速度を算出する。マイコン11は、算出したピッチ軸周りの角速度を積分することで倒立二輪車1の前後方向の姿勢角(ピッチ角)を算出し、算出した姿勢角(ピッチ角)に基づいて倒立二輪車1の倒立状態を維持するように、モータ17、18を制御する指令値を生成する。ここで、3軸角速度センサ19、20のそれぞれから出力される角速度信号が示す角速度は、上述したようにピッチ軸から45°傾斜した軸周りにおける角速度となる。そのため、マイコン11は、後述するように、それらの角速度に対して回転行列計算を行うことで、ピッチ軸周りの角速度を算出し、算出したピッチ軸周りの角速度に基づいて倒立二輪車1の前後方向の姿勢角(ピッチ角)を算出する。
また、マイコン11は、3軸角速度センサ19、20のそれぞれから出力される角速度信号が示す角速度から、ロール軸周りの角速度を算出する。マイコン11は、算出したロール軸周りの角速度を積分することで倒立二輪車1の左右方向の姿勢角(ロール角)を算出し、算出した姿勢角(ロール角)に基づいて倒立二輪車1を旋回させるように、モータ17、18を制御する指令値を生成する。ここで、3軸角速度センサ19、20のそれぞれから出力される角速度信号が示す角速度は、ロール軸から45°傾斜した軸周りにおける角速度ともなる。そのため、マイコン11は、後述するように、それらの角速度に対して回転行列計算を行うことで、ロール軸周りの角速度を算出し、算出したロール軸周りの角速度に基づいて倒立二輪車1の左右方向の姿勢角(ロール角)を算出する。
また、マイコン11は、3軸角速度センサ21から出力される角速度信号が示すヨー軸周りの角速度に基づいて、任意の倒立二輪車1の制御を行うようにしてもよい。例えば、マイコン11は、倒立二輪車1の急激な旋回を防止するために、3軸角速度センサ21から出力される角速度信号が示す角速度が所定の角速度を超えていると判断した場合に、それ以上の角速度で倒立二輪車1が旋回しないように、モータ17、18を制御する指令値を生成するようにしてもよい。
マイコン12は、モータ17を制御する指令値を生成し、インバータ15に出力する。また、マイコン12は、モータ18を制御する指令値を生成し、インバータ16に出力する。ここで、マイコン12は、単軸角速度センサ22から出力される角速度信号に基づいて倒立二輪車1の姿勢角を算出し、算出した姿勢角に基づいて倒立二輪車1の倒立状態を維持するようにモータ17、18を制御する指令値を生成する。
具体的には、マイコン12は、単軸角速度センサ22から出力される角速度信号が示すピッチ軸周りの角速度を積分することで倒立二輪車1の前後方向の姿勢角(ピッチ角)を算出し、算出した姿勢角(ピッチ角)に基づいて倒立二輪車1の倒立状態を維持するように、モータ17、18を制御する指令値を生成する。
インバータ13は、マイコン11から出力された指令値に基づいてPWM(Pulse Width Modulation)制御を行うことで、指令値に従ったモータ制御を行う駆動電流を生成し、モータ17に供給する。インバータ14は、マイコン11から出力された指令値に基づいてPWM制御を行うことで、指令値に従ったモータ制御を行う駆動電流を生成し、モータ18に供給する。インバータ15は、マイコン12から出力された指令値に基づいてPWM制御を行うことで、指令値に従ったモータ制御を行う駆動電流を生成し、モータ17に供給する。インバータ16は、マイコン12から出力された指令値に基づいてPWM制御を行うことで、指令値に従ったモータ制御を行う駆動電流を生成し、モータ18に供給する。
モータ17、18のそれぞれは、二重巻のモータである。モータ17は、インバータ13から供給される駆動電流と、インバータ15から供給される駆動電流とに基づいて駆動される。モータ17を駆動することによって、倒立二輪車1の左側の車輪2が回転する。モータ18は、インバータ14から供給される駆動電流と、インバータ16から供給される駆動電流とに基づいて駆動される。モータ18を駆動することによって、倒立二輪車1の右側の車輪2が回転する。
次に、図3を参照して3軸角速度センサ19〜21及び単軸角速度センサ22のそれぞれについて説明する。図3は、3軸角速度センサ19〜21及び単軸角速度センサ22のそれぞれが検出する角速度及び加速度を示す図である。ここで、3軸角速度センサ19〜21のそれぞれは、1軸の角速度と2軸の加速度を検出可能な複合型センサチップを含む。すなわち、3軸角速度センサ19〜21のそれぞれは、ジャイロセンサ及び加速度センサとして機能する。また、単軸角速度センサ22は、1軸の角速度を検出するセンサチップである。すなわち、単軸角速度センサ22は、ジャイロセンサとして機能する。
3軸角速度センサ19は、上述の通り、ピッチ軸及びロール軸のそれぞれと45°傾斜した軸周りの角速度ω0を検出し、検出した角速度ω0を示す角速度信号を生成してマイコン11に出力する。また、3軸角速度センサ19は、ピッチ軸及びロール軸のそれぞれと45°傾斜した軸向の加速度Acc_leftを検出し、検出した加速度Acc_leftを示す傾斜軸加速度信号を生成してマイコン11に出力する。角速度ω0の検出軸と加速度Acc_leftの検出軸は直交するように配置される。また、3軸角速度センサ19は、Z軸の加速度AccZ_0を検出し、検出した加速度AccZ_0を示すZ軸加速度信号を生成してマイコン11に出力する。
3軸角速度センサ20は、上述の通り、ピッチ軸及びロール軸のそれぞれと45°傾斜した軸周りの角速度ω1を検出し、検出した角速度ω1を示す角速度信号を生成してマイコン11に出力する。また、3軸角速度センサ20は、ピッチ軸及びロール軸のそれぞれと45°傾斜した軸の加速度Acc_rightを検出し、検出した加速度Acc_rightを示す傾斜軸加速度信号を生成してマイコン11に出力する。角速度ω1の検出軸と加速度Acc_ rightの検出軸は直交するように配置される。すなわち、角速度ω0の検出軸と加速度Acc_ rightの検出軸は同一軸となり、角速度ω1の検出軸と加速度Acc_leftの検出軸は同一軸となる。また、3軸角速度センサ20は、Z軸の加速度AccZ'_0を検出し、検出した加速度AccZ_0を示すZ軸加速度信号を生成してマイコン11に出力する。
3軸角速度センサ21は、ヨー軸周りの角速度ω2を検出し、検出した角速度ω2を示す角速度信号を生成してマイコン11に出力する。また、3軸角速度センサ21は、X向の加速度AccX_0を検出し、検出した加速度AccX_0を示すX軸加速度信号を生成してマイコン11に出力する。また、3軸角速度センサ21は、Y軸方向の加速度AccY_0を検出し、検出した加速度AccY_0を示すY軸加速度信号を生成してマイコン11に出力する。
単軸角速度センサ22は、ピッチ軸周りの角速度ω3を検出し、検出した角速度ω3を示す角速度信号を生成してマイコン12に出力する。
続いて、図4を参照して、X軸、Y軸、及びZ軸のそれぞれにおける加速度の算出方法について説明する。図4は、本実施の形態において検出・算出されるX軸、Y軸、及びZ軸の加速度を示す図である。
上述したように、3軸角速度センサ21は、その2つの加速度の検出軸のそれぞれが、X軸及びY軸と一致している。また、3軸角速度センサ19、20は、その1つの加速度の検出軸が、Z軸と一致している。そのため、マイコン11は、式(1)〜(3)に示すように、X軸及びY軸のそれぞれの加速度AccX、AccYを、3軸角速度センサ21が検出したX軸及びY軸のそれぞれの加速度AccX_0、AccY_0とし、Z軸の加速度AccZを、3軸角速度センサ19が検出したZ軸の加速度AccZ_0又は3軸角速度センサ20が検出したZ軸の加速度AccZ'_0とする。なお、本実施の形態では、Z軸の加速度AccZとして、3軸角速度センサ19が検出したZ軸の加速度AccZ_0を使用する場合について説明する。
Figure 2014121890
すなわち、マイコン11は、式(1)に示すように、3軸角速度センサ21から出力されたX軸加速度情報が示すX軸の加速度AccX_0を、X軸の加速度AccXとする。また、マイコン11は、式(2)に示すように、3軸角速度センサ21から出力されたY軸加速度情報が示すY軸の加速度AccY_0を、Y軸の加速度AccYとする。また、マイコン11は、式(3)に示すように、3軸角速度センサ19から出力されたZ軸加速度情報が示すZ軸の加速度AccZ_0を、Z軸の加速度AccZとする。
また、マイコン11は、後述するように、3軸角速度センサ19〜21の加速度検出に関する故障を検出するための比較に用いられる加速度AccX'_0、AccY'_0も算出する。ここで、上述したように、3軸角速度センサ19、20のそれぞれは、その1つの加速度の検出軸が、ピッチ軸及びロール軸のそれぞれに対して45°の角度をなしている。そのため、マイコン11は、式(4)に示すように、X軸の加速度AccX'_0を、3軸角速度センサ19、20のそれぞれが検出した加速度Acc_left、Acc_rightのそれぞれにおけるX軸成分の加速度を合成することで算出する。
Figure 2014121890
具体的には、X軸の角速度AccX'_0は、式(4)に示すように、3軸角速度センサ19が検出した加速度Acc0_leftと3軸角速度センサ20が検出した加速度Acc0_rightの合計値(加算値)から、2の平方根を除算することで算出される。すなわち、マイコン11は、3軸角速度センサ19から出力された傾斜軸加速度情報が示す加速度Acc0_leftと、3軸角速度センサ20から出力された傾斜軸加速度情報が示す加速度Acc0_rightの合計値から、2の平方根を除算して、X軸の角速度AccX'_0を算出する。
また、マイコン11は、式(5)に示すように、Y軸方向の加速度AccY'_0を、3軸角速度センサ19、20のそれぞれが検出した加速度Acc_left、Acc_rightのそれぞれにおけるY軸成分の加速度を合成することで算出する。
Figure 2014121890
具体的には、Y軸の角速度AccY'_0は、式(5)に示すように、3軸角速度センサ19が検出した加速度Acc0_leftと3軸角速度センサ20が検出した加速度Acc0_rightの差分値(減算値)から、2の平方根を除算することで算出される。すなわち、マイコン11は、3軸角速度センサ19から出力された傾斜軸加速度情報が示す加速度Acc0_leftと、3軸角速度センサ20から出力された傾斜軸加速度情報が示す加速度Acc0_rightの差分値から、2の平方根を除算して、Y軸の角速度AccY'_0を算出する。
続いて、図5を参照して、ロール軸及びピッチ軸における角速度の算出方法について説明する。図5は、本実施の形態1において検出・算出される角速度を示す図である。
上述したように、1系のシステム100における3軸角速度センサ19、20のそれぞれは、その角速度の検出軸が、ピッチ軸及びロール軸のそれぞれに対して45°の角度をなしている。そのため、マイコン11は、式(6)に示すように、ロール軸周りの角速度Roll_0を、3軸角速度センサ19、20のそれぞれが検出した角速度ω0、ω1のそれぞれにおけるロール軸成分の角速度を合成することで算出する。
Figure 2014121890
具体的には、1系のシステム100において検出されるロール軸周りの角速度Roll_0は、式(6)に示すように、3軸角速度センサ19が検出した角速度ω0と3軸角速度センサ20が検出した角速度ω1の差分値(減算値)から、2の平方根を除算することで算出される。すなわち、マイコン11は、3軸角速度センサ19から出力された角速度情報が示す角速度ω0と、3軸角速度センサ20から出力された角速度情報が示す角速度ω1の差分値から、2の平方根を除算して、ロール軸周りの角速度Roll_0を算出する。
また、マイコン11は、式(7)に示すように、ピッチ軸周りの角速度Pitch_0を、3軸角速度センサ19、20のそれぞれが検出した角速度ω0、ω1のそれぞれにおけるピッチ軸成分の角速度を合成することで算出する。
Figure 2014121890
具体的には、1系システム100において検出されるピッチ軸周りの角速度Pitch_0は、式(7)に示すように、3軸角速度センサ19が検出した角速度ω0と3軸角速度センサ20が検出した角速度ω1の合計値(加算値)から、2の平方根を除算することで算出される。すなわち、マイコン11は、3軸角速度センサ19から出力された角速度情報が示す角速度ω0と、3軸角速度センサ20から出力された角速度情報が示す角速度ω1の合計値から、2の平方根を除算して、ピッチ軸周りの角速度Pitch_0を算出する。
上述したように、2系システム200における単軸角速度センサ22は、その角速度の検出軸がピッチ軸と一致している。そのため、マイコン11は、式(8)に示すように、ピッチ軸周りの角速度Pitch_1を、単軸角速度センサ22が検出した角速度ω3とする。
Figure 2014121890
すなわち、マイコン11は、式(8)に示すように、2系システム200において検出されるピッチ軸周りの角速度Pitch_1を、単軸角速度センサ22から出力された角速度情報が示す角速度ω3とする。
また、マイコン11は、後述するように、3軸角速度センサ19、20、及び単軸角速度センサ22の角速度検出に関する故障を検出するための比較に用いられる角速度Pitch_Accも算出する。マイコン11は、式(9)に示すように、ピッチ軸周りの角速度Pitch_Accを、X軸、Y軸、及びZ軸の加速度AccX、AccY、AccZに基づいて近似的に算出する。
Figure 2014121890
具体的には、マイコン11は、式(9)に示すように、X軸の加速度AccXの二乗、Y軸の加速度AccYの二乗、及びZ軸の加速度AccZの二乗の合計値(加算値)の平方根を、X軸の加速度AccXから除算した値の逆正弦関数の値を、ピッチ軸周りの角速度Pitch_Accとして算出する。
本実施の形態1では、以上に説明したようにして得られたピッチ軸周りの角速度Pitch_0、Pitch_1、Pitch_Accに基づいて、ピッチ軸周りの角速度検出に関するセンサ故障の検出、及び、故障センサの特定を行う。このように、3軸角速度センサ19、20、及び単軸角速度センサ22によって検出された角速度に基づいて得られたピッチ軸周りの角速度Pitch_0、Pitch_1に加えて、加速度に基づいて得られたピッチ軸周りの角速度Pitch_Accも利用して追加的に検証を行うことで、故障センサの特定精度を向上することを可能としている。
続いて、図6を参照して、本発明の実施の形態1にかかる制御装置10のセンサ故障検出処理について説明する。図6を参照して、本発明の実施の形態1にかかる制御装置10のセンサ故障検出処理を示すフローチャートである。
本実施の形態1におけるセンサ故障検出では、上述したように加速度に基づいて得られたピッチ軸周りの角速度Pitch_Accも利用する。そのため、まず、マイコン11は、そのピッチ軸周りの角速度Pitch_Accを用いて、ピッチ軸周りの角速度検出に関するセンサ故障を判断する前に、加速度検出に関するセンサ故障を検出する処理を開始する(S1)。
マイコン11は、3軸角速度センサ19、20のそれぞれから出力された傾斜軸加速度情報が示す加速度Acc0_left、Acc0_rightに基づいて、X軸の加速度AccX'_0を算出する。そして、マイコン11は、3軸角速度センサ21から出力されたX軸加速度情報が示すX軸の加速度AccXと、算出したX軸の加速度AccX'_0とを比較し、それぞれの加速度AccX、AccX'_0が所定範囲内で一致するか否かを判断する(S2)。ここで、「所定範囲内で一致」とは、完全一致する場合としてもよく、少し値が異なっていてもその差が所定値よりも小さい場合(完全一致を含む)としてもよい。
加速度AccX、AccX'_0が所定範囲内で一致していないと判断した場合(S2:YES)、3軸角速度センサ19、20、もしくは、21において、ピッチ軸と45°傾斜する軸又はX軸の加速度が正常に検出できない故障が発生していると判断する(S3)。この場合、マイコン11は、倒立二輪車1に対して、加速度検出に関する異常に応じた所定の安全機能を発動する。例えばマイコン11、12は、倒立二輪車1を停止させるように制動制御を行う。具体的には、マイコン11は、マイコン12にセンサの故障を通知する信号を出力するとともに、その信号を受けたマイコン12とともに倒立二輪車1を停止させるように指令値を生成してインバータ13、14に出力する。また、警告音を発しての警告や、物理的なブレーキを掛ける制動制御を行うようにしてもよい。
加速度AccX、AccX'_0が所定範囲内で一致していると判断した場合(S2:NO)、マイコン11は、3軸角速度センサ19、20のそれぞれから出力された傾斜軸加速度情報が示す加速度Acc0_left、Acc0_rightに基づいて、Y軸の加速度AccY'_0を算出する。そして、マイコン11は、3軸角速度センサ21から出力されたY軸加速度情報が示すY軸の加速度AccYと、算出したY軸の加速度AccY'_0とを比較し、それぞれの加速度AccY、AccY'_0が所定範囲内で一致するか否かを判断する(S4)。
加速度AccY、AccY'_0が所定範囲内で一致していないと判断した場合(S3:YES)、3軸角速度センサ19、20、もしくは、21において、ピッチ軸と45°傾斜する軸又はY軸の加速度が正常に検出できない故障が発生していると判断する(S5)。この場合、マイコン11は、倒立二輪車1に対して、加速度検出に関する異常に応じた所定の安全機能を発動する。例えばマイコン11は、上述したように倒立二輪車1を停止させる等する。
加速度AccY、AccY'_0が所定範囲内で一致していると判断した場合(S4:NO)、マイコン11は、3軸角速度センサ19から出力されたZ軸加速度情報が示すZ軸の加速度AccZと、3軸角速度センサ20から出力されたZ軸加速度情報が示すZ軸の加速度AccZ'_0とを比較し、それぞれの加速度AccZ、AccZ'_0が所定範囲内で一致するか否かを判断する(S6)。
加速度AccZ、AccZ'_0が所定範囲内で一致していないと判断した場合(S6:YES)、3軸角速度センサ19又は20において、Z軸方向の加速度が正常に検出できない故障が発生していると判断する(S7)。この場合、マイコン11は、倒立二輪車1に対して、加速度検出に関する異常に応じた所定の安全機能を発動する。例えばマイコン11は、上述したように倒立二輪車1を停止させる等する。
加速度AccZ、AccZ'_0が所定範囲内で一致していると判断した場合(S6:NO)、3軸角速度センサ19〜21による加速度検出が正常に行われていると判断する。そのため、マイコン11は、ピッチ軸周りの角速度検出に関するセンサ故障を検出する処理を開始する(S8)。
マイコン11は、3軸角速度センサ19、20のそれぞれから出力された角速度情報が示す角速度ω0、ω1に基づいて、ピッチ軸周りの角速度Pitch_0を算出する。また、マイコン12は、単軸角速度センサ22から出力された角速度情報をマイコン11に出力する。マイコン11は、算出したピッチ軸周りの角速度Pitch_0と、マイコン12から出力された角速度情報が示すピッチ軸周りの角速度Pitch_1とを比較し、それぞれの角速度Pitch_0、Pitch_1が所定範囲内で一致するか否かを判断する(S9)。
角速度Pitch_0、Pitch_1が所定範囲内で一致していると判断した場合(S9:NO)、3軸角速度センサ19、20において角速度検出が正常に行われており、正常なピッチ軸周りの角速度Pitch_0、Pitch_1が得られていることになる(S10)。そのため、マイコン11、12のそれぞれは、倒立二輪車1の倒立制御を維持する。すなわち、マイコン11は、算出したピッチ軸周りの角速度Pitch_0に基づいて、倒立二輪車1の倒立状態を維持するように指令値を生成してインバータ13、14に出力する。また、マイコン12は、単軸角速度センサ22から出力された角速度情報が示すピッチ軸周りの角速度Pitch_1に基づいて、倒立二輪車1の倒立状態を維持するように指令値を生成してインバータ15、16に出力する。これによって、マイコン11、12は、倒立二輪車1を倒立制御する。
角速度Pitch_0、Pitch_1が所定範囲内で一致していないと判断した場合(S9:YES)、3軸角速度センサ19又は20において、ピッチ軸と45°傾斜した軸又はピッチ軸の角速度が正常に検出できない故障が発生している可能性があると判断する。この場合、マイコン11は、3軸角速度センサ21から出力されたX軸加速度情報及びY軸加速度情報のそれぞれが示すX軸の加速度AccX及びY軸の加速度AccYと、3軸角速度センサ19から出力されたZ軸加速度情報が示すZ加速度AccZとに基づいて、ピッチ軸周りの角速度Pitch_Accを算出する。そして、マイコン11は、ピッチ軸周りの角速度Pitch_0とピッチ軸周りの角速度Pitch_Accとの差分値と、ピッチ軸周りの角速度Pitch_1とピッチ軸周りの角速度Pitch_Accとの差分値とを比較し、角速度Pitch_1と角速度Pitch_Accの差分値が、角速度Pitch_0と角速度Pitch_Accの差分値よりも大きいか否かを判定する(S11)。
角速度Pitch_1と角速度Pitch_Accの差分値が、角速度Pitch_0と角速度Pitch_Accの差分値よりも大きい場合(S11:YES)、2系のシステム200の3軸角速度センサ21においてピッチ軸の角速度が正常に検出できない故障が発生していると判断する(S12)。
この場合、マイコン11は、2系システム200における角速度検出に関する異常に応じた所定の安全機能を発動する。例えばマイコン11は、上述の通りにして得たピッチ軸周りの角速度Pitch_0に基づいて倒立二輪車1の倒立を維持しつつ、上述したように倒立二輪車1を停止させるように制御する等する。具体的には、マイコン11は、倒立二輪車1を停止させるように指令値を生成してインバータ13、14に出力する。また、マイコン11は、2系システム200のインバータ15、16からのモータ17、18への出力を遮断するようにしてもよい。これは、例えばインバータ15、16とモータ17、18の間にリレー回路を備えるようにして、リレー回路に対してインバータ15、16とモータ17、18の接続を遮断する信号を出力することで実現する。また、マイコン11が、マイコン12にセンサの故障を通知する信号を出力するようにして、マイコン12が、その信号に応じて、上記のようにリレー回路に信号を出力する等して、2系システム200からのモータ17、18の制御を抑止するようにしてもよい。また、これによれば、一方の系の故障が確定した場合に、倒立二輪車1を即座に停止させなくても、他方の系から倒立制御を維持することも可能である。
角速度Pitch_1と角速度Pitch_Accの差分値が、角速度Pitch_0と角速度Pitch_Accの差分値よりも大きくない場合(S11:NO)、1系システム100の3軸角速度センサ19又は20においてピッチ軸と45°傾斜する軸の角速度が正常に検出できない故障が発生していると判断する(S13)。
この場合、マイコン12は、1系システム100における角速度検出に関する異常に応じた所定の安全機能を発動する。例えばマイコン12は、上述の通りにして得たピッチ軸周りの角速度Pitch_1に基づいて倒立二輪車1の倒立を維持しつつ、上述したように倒立二輪車1を停止させるように制御する等する。具体的には、マイコン11は、マイコン12にセンサの故障を通知する信号を出力する。マイコン12は、その信号に応じて、倒立二輪車1を停止させるように指令値を生成してインバータ15、16に出力する。また、マイコン12は、1系システム100のインバータ13、14からのモータ17、18への出力を遮断するようにしてもよい。これは、例えばインバータ13、14とモータ17、18の間にリレー回路を備えるようにして、リレー回路に対してインバータ13、14とモータ17、18の接続を遮断する信号を出力することで実現する。また、マイコン11が、上記のようにリレー回路に信号を出力する等して、1系システム100からのモータ17、18の制御を抑止するようにしてもよい。また、これによれば、一方の系の故障が確定した場合に、倒立二輪車1を即座に停止させなくても、他方の系から倒立制御を維持することも可能である。
以上に説明したように、本実施の形態1によれば、「ハの字」型に配置した2つの3軸角速度センサ19、20によって検出した角速度から、ピッチ軸及びロール軸の角速度のそれぞれを合成して導出可能とするとともに、もう1つの単軸角速度センサ22によって検出したピッチ軸の角速度による比較によって、センサの故障及び故障したセンサの検出を可能としている。これによれば、それぞれがピッチ軸を検出軸として角速度を検出する3つのセンサで構成されるシステムと比較して、同じ故障診断能力を有するとともに、ロール軸の角速度も検出することができる。すなわち、ロール軸を検出軸として角速度を検出するセンサが不要となり、コストを低減することができる。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係る倒立二輪車を示す正面図である。本実施の形態2において、姿勢センサユニット23は操作ハンドル4の傾斜する方向と反対方向に傾斜する部分に配置されている点を特徴とする。姿勢センサユニット23は、例えば、搭乗者が搭乗する車体のパラレルリンク機構30に配置されている。
ここで、パラレルリンク機構30は、互いに平行をなして上下に配置された車体上部材31及び車体下部材32と、互いに平行をなして左右に配置されると共に車体上部材31及び車体下部材32と回動可能に連結された一対の側面部材33と、を有するリンク機構として構成されている。各側面部材33の上端には、夫々、ステッププレート3が取付けられている。パラレルリンク機構30の車体上部材31と車体下部材32との間には、車体上部材31及び車体下部材32と、一対の側面部材33と、が成す角度を夫々直角に維持するようにばね力を発生する、一対のコイルばね34が介在されている。
搭乗者が重心を左右方向に移動させて、ステッププレート3及び操作ハンドル4を左右方向へ傾斜させる。このステッププレート3及び操作ハンドル4の左右方向への傾斜に従って、パラレルリンク機構30は左右方向へ平行に傾斜する。
本実施の形態2において上記実施の形態1と同一部分に同一符号を付して詳細な説明は省略する。
例えば、従来、上記姿勢センサユニットの単軸角速度センサが操作ハンドルの傾斜する方向と同方向に傾斜する部分(操作ハンドルの基部など)に配置されているとする(図7)。2系システムの単軸角速度センサに故障が生じ、1系システムの単軸角速度センサにより倒立制御を継続するとする。この場合、従来、2系のシステムの単軸角速度センサは、倒立型移動体の旋回によって生じる角速度までも余分に検出するため、単軸角速度センサからの出力値に基づいたピッチ角度が後方向にオフセットされることとなる。一方で、倒立型移動体の倒立制御においては、この後方向のオフセットをキャンセルしようと、車体をより前方向に傾斜させることとなる。この前傾斜により、倒立型移動体が搭乗者の意図する以上の速度になり不安定な走行状態となる虞がある。
これに対し、本実施の形態2に係る倒立二輪車1において、姿勢センサユニット23は上述の如く、操作ハンドル4の傾斜する方向と反対方向に傾斜する部分に配置されている。これにより、単軸角速度センサ22からの出力値に基づいたピッチ角度は、上記従来とは逆に、前方向にオフセットされることとなる。そして、倒立型移動体1の倒立制御においては、この前方向のオフセットをキャンセルしようと、車体をより後方向に傾斜させることとなる。この後傾斜により、搭乗者が意図するよりも倒立型移動体1を減速させ、安全に停止させることができる。
次に、本実施の形態2において、姿勢センサユニット23は操作ハンドル4の傾斜する方向と反対方向に傾斜する部分に配置する理由について更に具体例を挙げて詳細に説明する。
例えば、従来、姿勢センサユニットが操作ハンドルの基部に配置されている場合、姿勢センサユニットのセンサは操作ハンドルの傾斜する方向と同方向に傾斜することとなる。1系システムの3軸角速度センサに故障が生じていると判定された場合、2系システムの単軸角速度センサにより倒立制御を継続しつつ、旋回を行うこととなる。この場合に、単軸角速度センサの水平面(地面)に対するロール軸周りの傾斜角度は、図7に示すようにθhとなる。倒立型移動体の進行方向から見てロール軸の反時計周りを正値とすると、θhは負値となる。
旋回ゲインをKTとするとヨー軸周りの旋回速度γdotは、KT・θhとなる。倒立二輪車を上方から見てヨー軸の反時計周りを正値とすると、旋回ゲインKTは負値とならなければならない。したがって、ロール軸周りにθhだけ傾斜した単軸角速度センサによって検出されるピッチ角速度βdotは、γdot・sinθh=KT・θh・sinθhとなり、βdotは負値となる。ここで、旋回ゲインKTとは、例えば、操作ハンドルの操作量に乗じることで車両のヨー角度指令値を設定するためのゲインである。
操作ハンドルの傾斜角θhとパラレルリンク機構の変形角度(側面部材の傾斜角度)θpは、幾何学的に比例関係にある。なお、操作ハンドルの回転軸に取付けられた回転角度センサでこの変形角度θpを測定し、これをθhの代わりに用いることもできる。このとき、θh=θp+θgという関係が成立する。例えば、θh=−5[deg]、θp=−6[deg]、θg=1[deg]とする。θpをθhで代用する場合、旋回ゲインKTはθhとθpとの比例係数1.2(θp/θh)で調整する必要がある。
操作ハンドルの傾斜角θhが−5[deg]とし、このときのヨー軸周りの旋回角速度が36[deg/sec](上方から見て反時計周りに10[sec]で元の位置に戻る円を描く旋回角速度)とする。この場合、姿勢センサユニットのセンサにより検出される角速度は、−3.1[deg/sec]となる。5[sec]、すなわち、半周するまでに−15.7[deg]だけ後方へ傾斜しているとして、実際の位置からより後方へ傾斜しているという間違った推定をしてしまうこととなる。
一方、倒立制御においては、傾斜状態を元の垂直状態に戻す制御を実行する。このため、上記のようにより後方へ傾斜していると間違った推定を行った場合、倒立制御を行うことにより、逆により前方へ傾斜させることとなる。したがって、倒立型移動体が搭乗者の意図する以上の速度になる虞がある。
これに対し、本実施の形態に係る倒立型移動体1においては、上述の如く、姿勢センサユニット23の単軸角速度センサ22は操作ハンドル4の傾斜する方向と反対方向に傾斜する部分に配置されている。例えば、姿勢センサユニット23のセンサ22は、パラレルリンク機構30の車体上部材31、車体下部材32、あるいは、これら部材に回動不能に固定された部材に配置されている。
この場合、操作ハンドル4の傾斜角θhが−5[deg]になると、単軸角速度センサ22はθg=1[deg]だけ旋回外側(ロール軸の正方向)に傾斜することとなる。したがって、単軸角速度センサ22により検出されるピッチ角速度βdotはγdot・sinθg=KT・θh・sinθgとなる。したがって、図7に示す操作ハンドル4の傾斜方向へ旋回する場合、βdotは正値となる。このとき、旋回角速度が36[deg/sec](反時計周りに10[sec]で1周回るような円の走行軌跡を描く)とする。この場合、単軸角速度センサ22により検出される角速度は0.6[deg/sec]となり、5[sec]、すなわち、半周するまでに3.1[deg]だけ前方へ傾斜しているとして、実際の位置より前方へ傾斜しているという間違った推定を行うこととなる。
一方、倒立制御においては、傾斜状態を元の垂直状態に戻す制御を実行する。このため、上記のように前方へ傾斜していると間違った推定を行った場合、倒立制御を行うことになり、逆により後方へ傾斜させることとなる。結果として、倒立型移動体1を減速させることになり、最終的に安全に停止させることができる。
以上、本実施の形態に係る倒立二輪車1において、姿勢センサユニット23は操作ハンドル4の傾斜する方向と反対方向に傾斜する部分に配置されている。これにより、例えば、上記実施の形態1に係るセンサ故障検出処理により、1系システム100の3軸角速度センサ19〜21が故障していると判定され、2系システム200の単軸角速度センサ22のみを用いて倒立二輪車1の倒立制御を継続しつつ旋回を行う場合に、単軸角速度センサ22から出力されるピッチ角速度に基づいたピッチ角度を後傾方向に意図的にオフセットさせることができる。したがって、倒立制御により、より後方へ傾斜させ、搭乗者が意図しなくとも倒立型移動体1を減速させ、安全に停止させることができる。
なお、上記実施の形態2において、上記実施の形態1に係るセンサ故障検出処理を用いて1系システム100の3軸角速度センサ19〜21の故障を検出しているが、これに限らず、例えば、1系システム100の3軸角速度センサ19〜21からの出力がないとき、1系システム100の3軸角速度センサ19〜21の故障を検出してもよい。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1 倒立二輪車
10 制御装置
11、12 マイコン
13、14、15、16 インバータ
17、18 モータ
19、20、21 3軸角速度センサ
22 単軸角速度センサ
100、200 システム

Claims (4)

  1. 車体のピッチ軸周りの角速度を検出する単軸角速度検出手段を備え、
    該単軸角速度検出手段により検出されたピッチ角速度に基づいて倒立状態を維持しつつ、操作ハンドルの傾斜角度に応じて旋回を行う倒立二輪車であって、
    前記単軸角速度検出手段は、前記操作ハンドルの傾斜する方向と反対方向に傾斜する前記車体の部分に配置されている、ことを特徴とする倒立二輪車。
  2. 請求項1記載の倒立二輪車であって、
    前記車体は、
    互いに平行をなして上下に配置された車体上部材及び車体下部材と、
    互いに平行をなして左右に配置されると共に前記車体上部材及び車体下部材と回動可能に連結され、上端に搭乗者が搭乗するステッププレートが取り付けられた一対の側面部材と、
    を有し、前記操作ハンドルの傾斜に応じて傾斜するパラレルリンク機構を備え、
    前記単軸角速度検出手段は、前記パラレルリンク機構の車体下部材又は車体上部材に取付けられている、ことを特徴とする倒立二輪車。
  3. 請求項1又は2記載の倒立二輪車であって、
    前記車体のピッチ軸、ロール軸、及びヨー軸周りの角速度を検出する3軸角速度検出手段と、
    前記3軸角速度検出手段により検出されたピッチ軸、ロール軸、及びヨー軸周りの角速度と、前記単軸角速度検出手段により検出されたピッチ軸周りの角速度と、に基づいて前記倒立状態を維持する倒立制御を行う制御手段と、
    を更に備え、
    前記制御手段は、前記3軸角速度検出手段が故障していると判断したとき、前記単軸角速度検出手段により検出されたピッチ角速度に基づいて前記倒立制御を継続する、ことを特徴とする倒立二輪車。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか1項記載の倒立二輪車であって、
    当該倒立二輪車の旋回時に、前記単軸角速度検出手段により検出されたピッチ角速度に基づいた前記車体のピッチ角度を後方向へオフセットして認識することで、当該倒立二輪車を制動することを特徴とする倒立二輪車。
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