JP2014121828A - 気泡シート体、梱包具 - Google Patents

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Abstract

【課題】機能性フィルムのポリエチレンテレフタレート製の基材側が気泡シートの外層フィルムに添着された気泡シート体、及びこの気泡シート体を用いて構成される梱包具を提供する。
【解決手段】多数のキャップ状の突起を有するキャップフィルムCの少なくとも一面側に外層フィルム4を添着した気泡シート2と、この気泡シート2の外層フィルム4の外面41に添着した機能性フィルム3とを備えた気泡シート体1であって、前記外層フィルム4が、ポリオレフィン樹脂に接着性ポリマーを添加したものであり、前記機能性フィルム3が、ポリエチレンテレフタレート製の基材5の一面にアルミ蒸着層6を備えたものであり、前記機能性フィルム3の基材5側の面31を前記外層フィルム4の外面41に添着している。
【選択図】図1

Description

本発明は、気泡シートの外面に機能性フィルムを備えた気泡シート体、及びこの気泡シート体を用いて構成される梱包具に関するものである。
梱包具や断熱部材等として、多数のキャップ状の突起を有するキャップフィルムと、このキャップフィルムの突起開放側に添着したバックフィルムとを備えた気泡シートが知られている。この気泡シートは、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂によって形成されている。また、この気泡シートの外面に、断熱性などの性能をさらに高めるべくアルミ蒸着層を有した機能性フィルムを添着するようにしたものも開発されている(例えば、特許文献1を参照)。
この機能性フィルムは、例えば、ポリエチレン層とアルミ蒸着層とポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と呼ぶ。)層がこの順で積層された構造を有する。機能性フィルムを気泡シートに添着する際には、前記ポリエチレン層側がバックシートの外面と融着されるようにしている。これは、PETとポリエチレン等のポリオレフィン樹脂との接着性が悪く、機能性フィルムのPET層側をバックフィルムの外面に融着することができない、という不具合が生じているためである。
このような問題は、機能性フィルムをバックフィルム側に添着する場合のみならず、ポリオレフィン樹脂製のライナーフィルムを備えた3層状の気泡シートの場合にも同様に生じるものである。
特開2012−179875号公報
本発明は、上述した不具合を解消し、機能性フィルムのPET製の基材側が気泡シートの外層フィルムに添着された気泡シート体、及びこの気泡シート体を用いて構成される梱包具を提供することを目的としている。
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような構成を採用したものである。すなわち、本発明に係る気泡シート体は、多数のキャップ状の突起を有するキャップフィルムの少なくとも一面側に外層フィルムを添着した気泡シートと、この気泡シートの外層フィルムの外面に添着した機能性フィルムとを備えた気泡シート体であって、前記外層フィルムが、ポリオレフィン樹脂に接着性ポリマーを添加したものであり、前記機能性フィルムが、ポリエチレンテレフタレート製の基材の一面にアルミ蒸着層を備えたものであり、前記機能性フィルムの基材側の面を前記外層フィルムの外面に添着していることを特徴とする。
ここで、「接着性ポリマー」とは、基材たる樹脂に無水マレイン酸やカルボン酸などの官能基を付与したものであり、この接着性ポリマーを用いない場合に比べてPET等の極性基含有ポリマーとの接着性を著しく向上させることができるようなものであればどのようなものであってもよく、例えば、タフマー(登録商標、三井化学株式会社製)、モディック(登録商標、三菱化学株式会社製)、メルセン(登録商標、東ソー株式会社製)等種々のものが含まれる。
このようなものであれば、ポリオレフィン樹脂に接着性ポリマーが添加された外層フィルムを、ポリエステルの一種であるPETとの接着性を良好なものとすることができるので、機能性フィルムのPET製の基材側を気泡シートの外層フィルムに添着させることができる。そのため、前記機能性フィルムの基材側の面を前記外層フィルムの外面に添着した状態の気泡シート体を得ることができる。
前記気泡シートは、前記キャップフィルムの突起開放側に外層フィルムであるバックフィルムを添着したものが好ましい。
前記気泡シートは、前記キャップフィルムの突起開放側に外層フィルムであるバックフィルムを添着するとともに、前記キャップフィルムの突起先端側に外層フィルムであるライナーフィルムを添着した3層構造のものが好適な一例として挙げられる。すなわち、気泡シートが3層構造の場合には、前記バックフィルム側のみに機能性フィルムが添着されるもの、前記ライナーフィルム側のみに機能性フィルムが添着されるもの、及び、バックフィルム側及びライナーフィルム側の両側に機能性フィルムがそれぞれ添着されるもの、の3パターンが含まれている。
前記機能性フィルムは、前記アルミ蒸着層の外側にポリエチレン製のラミネート層を備えたものが好ましい。
請求項1〜4いずれかに記載の気泡シートの一面に機能性フィルムを添着した気泡シート体を用いて構成される梱包具としては、内部に物品収容空間を有するものであって、前記気泡シートが、物品収容空間側に配されているものが好ましい。
本発明は、以上のような構成であるから、機能性フィルムのPET製の基材側が気泡シートの外層フィルムに添着された気泡シート体、及びこの気泡シート体を用いて構成される梱包具を提供することができる。
本発明の第1実施形態にかかる気泡シート体の概略断面図。 同実施形態の気泡シート体を用いて構成される袋状の梱包具の作成手順を示す説明図。 同実施形態の気泡シート体を用いて構成される箱状の梱包具の作成手順を示す説明図。 本発明の第2実施形態にかかる気泡シート体の概略断面図。 本発明の第3実施形態にかかる気泡シート体の概略断面図。
以下、本発明の第1実施形態について図1を参照して説明する。
本実施形態の気泡シート体1は、図1に示すように、キャップフィルムCの一面側に外層フィルム4を添着した気泡シート2と、この気泡シート2の外層フィルム4の外面41に添着した機能性フィルム3とを備えてなる。詳述すれば、この気泡シート体1は、多数のキャップ状の突起を有するキャップフィルムCと、このキャップフィルムCの突起開放側に添着したバックフィルムBと、前記キャップフィルムCの突起先端側に添着したライナーフィルムLとからなる気泡シート2のバックフィルムB側に前記機能性フィルム3が添着されたものである。
気泡シート2は、柔軟性を有した中空シート状のもので、合成樹脂、例えばポリオレフィン樹脂により作られている。この気泡シート2は、前記キャップフィルムCと、このキャップフィルムCの突起開放側に添着され前記外層フィルム4であるバックフィルムBと、前記キャップフィルムCの突起先端側に添着され前記外層フィルム4であるライナーフィルムLとを備えた3層構造のものである。この気泡シート2は、キャップフィルムC、バックフィルムB及びライナーフィルムLからなる3層構造を有する従来品と同様であり、材料としては、常用のポリエチレンをはじめ、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ナイロンそのほか多種類のプラスチックが使用できる。本実施形態においては、気泡シート2は、滑剤や酸化防止剤、耐電防止剤などが含まれるポリエチレンを材料にして作られたものである。
キャップフィルムCは、厚さが200μmよりも薄いものであり、本実施形態ではキャップフィルムCの厚み寸法を例えば30μm程度に設定している。なお、キャップフィルムCの厚み寸法は、30μm〜90μmが好ましい。キャップフィルムCは、多数の円柱形状の突起を有しており、各突起は、平面視円形状をなしている。
バックフィルムBは、厚さが200μmよりも薄いものであり、本実施形態ではバックフィルムBの厚み寸法を例えば10μm程度に設定している。なお、バックフィルムBの厚み寸法は、10μm〜30μmが好ましい。バックフィルムBは、凹凸を有しない平坦なものであり、前記キャップフィルムCの突起開放側に添着されることにより、多数の密閉された気泡2aが形成される。
気泡2aは、形状が低い円柱形状であって、寸法は、直径が6mm〜50mm程度、高さが2mm〜30mm程度のものである。本実施形態では気泡2aの直径を10mm程度とし、高さを4mm程度に設定してある。なお、気泡2aの直径は6.5mm〜10mmが好ましく、気泡2aの高さ寸法は2mm〜4mmが好ましい。この気泡2aの配置は、流れ方向にはピッチが約11.5mmの千鳥状に配置されているが、巾方向には直線状に並んでいる。
ライナーフィルムLは、厚さが200μmよりも薄いものであり、本実施形態ではライナーフィルムLの厚み寸法を例えば7μm程度に設定している。なお、ライナーフィルムLの厚み寸法は、7μm〜25μmが好ましい。ライナーフィルムLは、凹凸を有しない平坦なものであり、前記キャップフィルムCの突起先端側に添着される。
機能性フィルム3は、PET製の基材5の一面にアルミ蒸着層6を備えたものであり、気泡シート2に保湿・保冷機能、静電防止機能、及び遮光機能を付与するものである。基材5は、厚さが30μmよりも小さいものが好ましく、本実施形態では基材5の厚み寸法を例えば12μm程度に設定している。基材5は、凹凸を有しない平坦なフィルム状のものであり、その一面にアルミ蒸着を施してある。アルミ蒸着層6は、厚さが約300〜400Å(オングストローム)である。なお、このような機能性フィルム3の製造それ自体は、既知の技術に従って実施することができる。
しかして、本実施形態の気泡シート体1は、機能性フィルム3の前記基材5側の面31が、前記バックフィルムBの外面41の全体を覆うように添着されている。
前記機能性フィルム3が添着されるバックフィルムBは、ポリオレフィン樹脂に接着性ポリマーを添加したものである。具体的には、バックフィルムBは、ポリエチレンを材料にして作られたものであり、接着性ポリマー(タフマー:登録商標、三井化学株式会社製)を例えば10PHR(per hundred resin)含有している。なお、接着性ポリマーの含有量は、10PHR〜40PHRに設定されるものであり、20PHR程度が好ましい。この接着性ポリマーは、例えば、無極性のオレフィン系樹脂の基材に無水マレイン酸やカルボン酸などの極性基を導入したものであり、ポリエチレン樹脂に添加することにより異種材料であるPETとの接着性を付与し得るものである。
次に、このような気泡シート体1の製造方法について説明する。
3層構造の気泡シート2は、例えば、特開2012−45748号公報等によって開示されているように、溶融状態にある樹脂フィルムを連続的に供給するダイと、外周面に複数のキャビティが形成された成形ロールとを主体に構成される通常の気泡シート製造装置を用いて作られる。詳述すれば、まず、成形ロールの外周面に第1のダイからの樹脂フィルムを接触させるとともに、キャビティにおいて吸引を行い、キャビティ形状に対応した突起を真空成形してキャップフィルムCとする。そして、成形された突起の開放端側に、第2のダイから供給される樹脂フィルムをバックフィルムBとして対向させるとともに、バックフィルムBをキャップフィルムCに密着させて両者を互いに熱融着により積層させ、その後、剥離ロールで剥離することで2層構造の気泡シート2を製造する。さらに、突起の先端側に、第3のダイから供給される樹脂フィルムをライナーフィルムLとして融着ロールで加熱しつつ熱融着により積層させることで、3層構造の気泡シート2が得られる。
なお、本実施形態の気泡シート2は、無色透明ではない雑色のものであり、前記第1〜第3のダイに入れられる着色した合成樹脂の入れ替え作業時に製造されるものである。なお、図1では、説明の便宜上、雑色の気泡シート2にパターンを付している。
3層構造の気泡シート2のバックフィルムB側の外面41には、基材5側がバックフィルムB側に接するように機能性フィルム3を配し、融着ロール等を用いて加熱しつつ熱溶着により積層させることで、気泡シート2の一面側に機能性フィルム3を配した気泡シート体1が得られる。
次に、上記実施形態における気泡シート体1を用いて構成される梱包具8、9について説明する。
まず、図2に示すような袋状の梱包具8は、内部に物品収容空間81を有し、前記気泡シート2が、物品収容空間81側に配されているものである。詳述すれば、この袋状の梱包具8は、上記実施形態で説明したバックフィルムB側のみに機能性フィルム3が添着された気泡シート体1を用いて構成されるもので、物品収容空間81側に雑色のライナーフィルムLが位置するとともに、外部側に機能性フィルム3のアルミ蒸着層6が露出するようになっている。
袋状の梱包具8の作り方は、例えば、気泡シート体1をライナーフィルムL側が内側にくるようにして二つ折りにし、2枚重なった気泡シート体1の側縁部82をヒートシール処理等によって封止する。このようにして、物品を物品収容空間81に出し入れ可能な開口83が形成され、この開口83を塞ぐことのできる蓋部84を備えるとともに、折り込まれたライナーフィルムLが作る空間が物品収容空間81として機能する袋状の梱包具8を作成することができる。なお、図2では、説明の便宜上、雑色の気泡シート2にパターンを付している。
次に、図3に示すような箱状の梱包具9は、内部に物品収容空間91を有し、前記気泡シート2が、物品収容空間91側に配されているものである。詳述すれば、この箱状の梱包具9は、上記実施形態で説明したバックフィルムB側のみに機能性フィルム3が添着された気泡シート体1を用いて構成されるもので、物品収容空間91側に雑色のライナーフィルムLが位置するとともに、外部側に機能性フィルム3のアルミ蒸着層6が露出するようになっている。
箱状の梱包具9の作り方は、例えば、気泡シート2を図3の最左図のような形、具体的には気泡シート体1を組み立てた際に箱の底面部95となる部分がくびれた形に打ち抜き、底面部95となる部分の巾方向中心に沿って二つ折りする。その後、2枚重なった気泡シート体1の側縁部92に沿ってヒートシール処理等により封止する。また、側面部96と底面部95とがそれぞれ直角となるように、底面部95を蓋部94の方へ押し上げ、底面部95の側縁97と側面部96の底縁98をヒートシール処理等によって封止する。このようにして、物品を物品収容空間91に出し入れ可能な開口93が形成され、この開口93を塞ぐことができる蓋部94を備えるとともに、ライナーフィルムLのみによって囲まれる内部空間が物品収容空間91として機能する箱状の梱包具9を作成することができる。なお、図3では、説明の便宜上、雑色の気泡シート2にパターンを付している。
以上に述べたように、本実施形態に係る気泡シート体1は、多数のキャップ状の突起を有するキャップフィルムCの一面側にバックフィルムBを添着するとともに、当該キャップフィルムCの他面側にライナーフィルムLを添着した気泡シート2と、この気泡シート2のバックフィルムBの外面41に添着した機能性フィルム3とを備えたものであって、前記外層フィルム4が、ポリエチレン樹脂に接着性ポリマーを添加したものであり、前記機能性フィルム3が、PET製の基材5の一面にアルミ蒸着層6を備えたものであり、前記機能性フィルム3の基材5側の面31を前記外層フィルム4の外面41に添着している。このように、機能性フィルム3の基材5が接するバックフィルムBに接着性ポリマーを添加しているので、PETとポリエチレン樹脂との接着性の悪さを解消し、機能性フィルム3の基材5側、すなわち、PET層側をバックフィルムBの外面41に融着させることができる。したがって、機能性フィルム3が、従来バックフィルムBとの接着用として必要であったポリエチレン層を具備する必要がなくなり、気泡シート体1の設計の自由度を高めることができる。すなわち、本実施形態のように機能性フィルム3がポリエチレン層を備えていないものであれば、気泡シート体1の厚み寸法を比較的小さく設定することができる。
なお、この気泡シート体1は、機能性フィルム3がアルミ蒸着層6を備えたものであるため、保湿・保冷効果や、静電防止効果を有し、遮光性、高耐久性、防水性、耐薬品性、断熱性に優れたものとすることができる。
前記気泡シート2が、前記キャップフィルムCの突起開放側にバックフィルムBを添着したものであるので、凹凸のない比較的平坦な機能性フィルム3を重ね合わせやすい。
前記気泡シート2が、前記キャップフィルムCの突起開放側にバックフィルムBを添着するとともに、前記キャップフィルムCの突起先端側にライナーフィルムLを添着した3層構造のものであるので、キャップフィルムC及びバックフィルムBのみの2層構造のものに比べて耐久性に優れている。
また、本実施形態の袋状または箱状の梱包具8、9は、気泡シート2の一面に機能性フィルム3を添着した気泡シート体1を用いて構成され、内部に物品収容空間81、91を有するものであって、前記気泡シート2が、物品収容空間81、91側に配されているので、気泡シート2として雑色のものを使うことができる。すなわち、今まで製造していた色の気泡シート2とは異なる色の気泡シート2を製造する際、前述したようなダイによって連続的に製造している都合上、製品としては使いものにならない中途半端な色(雑色)の気泡シート2が製造されてしまう。このような雑色の気泡シート2は、気泡シート2として構造的には問題がないものの、所望の色とは異なるため市場に出回ることなく廃棄されていた。ところが、本実施形態のようなものであれば、気泡シート2として雑色のものを用いても比較的気にならない物品収容空間81、91側に用いることができ、今まで捨てられていた気泡シート2を有効活用することができる。なお、袋状または箱状の梱包具8、9の外部からは、アルミ蒸着による着色で気泡シート2を視認することはできない。
次に、本発明の第2実施形態について図4を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一またはこれに準じている部分については、第1実施形態のものと同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の気泡シート体1は、図4に示すように、キャップフィルムCの一面側に外層フィルム4を添着した気泡シート2と、この気泡シート2の外層フィルム4の外面41に添着した機能性フィルム3とを備えてなる。詳述すれば、この気泡シート体1は、多数のキャップ状の突起を有するキャップフィルムCと、このキャップフィルムCの突起開放側に添着したバックフィルムBと、前記キャップフィルムCの突起先端側に添着したライナーフィルムLとからなる気泡シート2のバックフィルムB側に前記機能性フィルム3が添着されたものである。なお、気泡シート2は、第1実施形態と同一のものを用いているため、説明を省略する。
機能性フィルム3は、PET製の基材5の一面にアルミ蒸着層6を備えたものであり、気泡シート2に保湿・保冷機能、静電防止機能、及び遮光機能を付与するものである。本実施形態の機能性フィルム3は、アルミ蒸着層6の外面側にポリエチレン製のラミネート層7を備えたものであり、基材5、アルミ蒸着層6及びラミネート層7の3層構造をなしている。基材5は、厚さが30μmよりも小さいものが好ましく、本実施形態では基材5の厚み寸法を例えば12μm程度に設定している。基材5は、凹凸を有しない平坦なフィルム状のものであり、その一面にアルミ蒸着を施してある。アルミ蒸着層6は、厚さが約300〜400Å(オングストローム)である。なお、このような機能性フィルム3の製造それ自体は、既知の技術に従って実施することができる。ラミネート層7は、厚さが50μmよりも薄いものが好ましく、本実施形態ではラミネート層7の厚み寸法を例えば15μm程度に設定している。
しかして、本実施形態の気泡シート体1は、機能性フィルム3の前記基材5側の面31が、前記バックフィルムBの外面41の全体を覆うように添着されており、前記機能性フィルム3が添着されるバックフィルムBは、ポリオレフィン樹脂に接着性ポリマーが添加されたものである。
気泡シート体1の製造方法は、第1実施形態のものに準じるため説明を省略する。また、本実施形態の気泡シート体1を用いて、第1実施形態の梱包具8、9に準じた梱包具を構成することができる。その際、袋状または箱状の梱包具は、バックフィルムB側のみに機能性フィルム3が添着された気泡シート体1を用いて構成されるもので、物品収容空間側に雑色のライナーフィルムLが位置するとともに、外部側に機能性フィルム3のラミネート層7が露出するようになっている。
本実施形態に係る気泡シート体1は、上述したようなものであるので、第1実施形態のものに準じた効果を得ることができる。さらに、本実施形態では前記機能性フィルム3が、前記アルミ蒸着層6の外側にポリエチレン製のラミネート層7を備えたものであるため、アルミ蒸着層6自体を保護できるだけでなく、気泡シート2と機能性フィルム3との接着面に水を浸入しにくくして接着効果を持続させることができるという効果もある。このように、耐候性に優れたものであるため、例えばトンネル等、室外で用いられる建材にも適用させることができる。また、この気泡シート体1の廃棄時には、ポリエチレン製のラミネート層7と金属製のアルミ蒸着層6とを分別することができる。
次に、本発明の第3実施形態について図5を参照して説明する。なお、第1実施形態と同一またはこれに準じている部分については、第1実施形態のものと同一の符号を付して説明を省略する。
気泡シート2は、第1実施形態に準じた3層構造のものであり、雑色を有していない正規品であり、無色透明または有色のものである。
機能性フィルム3は、PET製の基材5の一面にアルミ蒸着層6を備えたものであり、気泡シート2に保湿・保冷機能、静電防止機能、及び遮光機能を付与するものである。本実施形態の機能性フィルム3は、アルミ蒸着層6の外面側にポリエチレン製のラミネート層7を備えたものであり、基材5、アルミ蒸着層6及びラミネート層7の3層構造をなしている。基材5は、厚さが30μmよりも小さいものが好ましく、本実施形態では基材5の厚み寸法を例えば15μm程度に設定している。基材5は、凹凸を有しない平坦なフィルム状のものであり、その一面にアルミ蒸着を施してある。アルミ蒸着層6は、厚さが約300〜400Å(オングストローム)である。なお、このような機能性フィルム3の製造それ自体は、既知の技術に従って実施することができる。ラミネート層7は、厚さが50μmよりも薄いものが好ましく、本実施形態ではラミネート層7の厚み寸法を例えば15μm程度に設定している。
しかして、本実施形態の気泡シート体1は、機能性フィルム3の前記基材5側の面31が、前記バックフィルムBの外面41の全体を覆うように添着されており、前記機能性フィルム3が添着されるバックフィルムBは、ポリオレフィン樹脂に接着性ポリマーが添加されたものである。
気泡シート体1の製造方法は、第1実施形態のものに準じるため説明を省略する。また、本実施形態の気泡シート体1を用いて、第1実施形態の梱包具8、9に準じた梱包具を構成することができる。その際、袋状または箱状の梱包具は、バックフィルムB側のみに機能性フィルム3が添着された気泡シート体1を用いて構成されるもので、物品収容空間側に気泡シート2のライナーフィルムLが位置するとともに、外部側に機能性フィルム3のラミネート層7が露出するようになっている。さらに、本実施形態の気泡シート体1は、気泡シート2の製造の際に雑色原料を用いていないため、物品収容空間側に機能性フィルム3のラミネート層7が位置するとともに、外部側に気泡シート2のライナーフィルムLが露出するように構成された袋状または箱状の梱包具であってもよい。
本実施形態に係る気泡シート体1は、上述したようなものであるので、第1実施形態のものに準じた効果を得ることができる。また、第2実施形態のものと同様に、前記機能性フィルム3が、前記アルミ蒸着層6の外側にポリエチレン製のラミネート層7を備えたものであるため、アルミ蒸着層6自体を保護できるだけでなく、気泡シート2と機能性フィルム3との接着面に水を浸入しにくくして接着効果を持続させることができるという効果もある。このように、耐候性に優れたものであるため、例えばトンネル等、室外で用いられる建材にも適用させることができる。また、この気泡シート体1の廃棄時には、ポリエチレン製のラミネート層7と金属製のアルミ蒸着層6とを分別することができる。
さらに、本実施形態の気泡シート体1によれば、気泡シート2として正規品を用いているので、梱包具として使用する際、機能性フィルム3と反対側、すなわち、気泡シート2のライナーフィルムL側を外部に露出させて用いることもできる。このように外側に気泡シート2の気泡2aの柄が露出するので、突起(気泡2a)の形状を平面視円形状以外にも、ハート形やその他の形状にしてもよいのはもちろんである。
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限られない。
例えば、気泡シートは、上述した3層構造のものに限られず、前記キャップフィルムと、このキャップフィルムの突起開放側に添着したバックフィルムとを有したいわゆる2層構造のものであってもよい。この場合には、バックフィルムの外面に機能性フィルムを添着するようにすればよい。
また、気泡シートが3層構造のものであっても、ライナーフィルムの外面に機能性フィルムを添着するようにしたものも考えられる。この場合には、外層フィルムであるライナーフィルムに接着性ポリマーを添加するようにすればよい。
気泡シートを構成するキャップフィルム、バックフィルム、ライナーフィルムは、ポリエチレン製のもので説明したが、ポリプロピレン等の他のポリオレフィン樹脂でも同様の効果が得られる。なお、他のポリオレフィン樹脂に比べてポリエチレンは、柔軟性及び可撓性に優れており、化学的に安定で耐水性、耐薬品性がある。また、ポリエチレンは、強靱で、可撓性があり、低温でもぜい化しにくく、また、加工性がよいという特徴を有しているため、本発明のような袋状または箱状の梱包具として好適に使用される。すなわち、柔軟性が必要とされる用途に用いる場合には、ポリエチレンを用いることが好ましい。さらに、これらのキャップフィルム、バックフィルム、ライナーフィルムを再生材料で形成するようにすれば、気泡シートを比較的安価に製作できるという価格面のメリットがある。特に、機能性フィルムが添着される外層フィルムを再生材料で形成すれば、機能性フィルムのPET製の基材を融着しやすくでき、接着性ポリマーとの配合が比較的容易であるという構造面のメリットもある。
また、梱包具についても上述した実施形態に示したものに限られず、種々変更可能である。
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
1…気泡シート体
2…気泡シート
C…キャップフィルム
B…バックフィルム
L…ライナーフィルム
3…機能性フィルム
31…基材側の面
4…外層フィルム
41…外面
5…基材
6…アルミ蒸着層
7…ラミネート層
8、9…梱包具
81、91…物品収容空間

Claims (5)

  1. 多数のキャップ状の突起を有するキャップフィルムの少なくとも一面側に外層フィルムを添着した気泡シートと、この気泡シートの外層フィルムの外面に添着した機能性フィルムとを備えた気泡シート体であって、
    前記外層フィルムが、ポリオレフィン樹脂に接着性ポリマーを添加したものであり、
    前記機能性フィルムが、ポリエチレンテレフタレート製の基材の一面にアルミ蒸着層を備えたものであり、
    前記機能性フィルムの基材側の面を前記外層フィルムの外面に添着していることを特徴とする気泡シート体。
  2. 前記気泡シートが、前記キャップフィルムの突起開放側に外層フィルムであるバックフィルムを添着したものである請求項1記載の気泡シート体。
  3. 前記気泡シートが、前記キャップフィルムの突起開放側に外層フィルムであるバックフィルムを添着するとともに、前記キャップフィルムの突起先端側に外層フィルムであるライナーフィルムを添着した3層構造のものである請求項1または2記載の気泡シート体。
  4. 前記機能性フィルムが、前記アルミ蒸着層の外側にポリエチレン製のラミネート層を備えたものである請求項1、2または3記載の気泡シート体。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の気泡シートの一面に機能性フィルムを添着した気泡シート体を用いて構成され、内部に物品収容空間を有する梱包具であって、
    前記気泡シートが、物品収容空間側に配されていることを特徴とする梱包具。
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