JP2014118876A - 圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケーシング内に圧縮機構及び電動機が収容された圧縮機において、ケーシングの内周面とステータの外周面とで区画される油通路の開口部を広げなくても、ステータの上端面からケーシングの油貯留部へ潤滑油がスムーズに戻るようにして、圧縮機の油上がりを防ぐ。
【解決手段】 電動機のステータ部の上端面に、周方向に隣り合う油通路(6)と油通路(6)との間に形成された頂部(1)を有して該頂部(1)から両側の油通路(6)の開口部へ向かって潤滑油(a)を案内する案内面(2)を設ける。
【選択図】図3
【解決手段】 電動機のステータ部の上端面に、周方向に隣り合う油通路(6)と油通路(6)との間に形成された頂部(1)を有して該頂部(1)から両側の油通路(6)の開口部へ向かって潤滑油(a)を案内する案内面(2)を設ける。
【選択図】図3
Description
本発明は、圧縮機に関し、特に圧縮機のケーシング内で生じる油上がりを防止する対策に係るものである。
従来より、ケーシング内に圧縮機構及び電動機が収容された圧縮機が知られている。そして、これらの圧縮機の中には、特許文献1に示すように、電動機がロータと該ロータの周囲に配置された筒状のステータとを備え、ロータが駆動軸を介して圧縮機構に連結され、ステータの外周面がケーシングの内周面に固定され、ケーシングの底部の油貯留部に貯留された潤滑油を圧縮機構の摺動部へ供給する給油路が駆動軸の内部に形成されるものがある。
このような圧縮機の場合、ケーシング内に潤滑油が飛散することがある。特に圧縮機が高圧ドーム型、つまり圧縮機構の吐出口がケーシング内に開口している場合、圧縮機構の吐出口から冷媒とともに潤滑油がケーシング内に吐出されるので、ケーシング内に飛散する潤滑油の量が多くなる。そして、ケーシング内の電動機の上側へ飛散した潤滑油は、電動機の上端面、特にステータの上端面とケーシングの内周面との隅部に溜まりやすい。ステータの上端面に溜まる潤滑油の量が増えるほど、油貯留部の油面が低下する、いわゆる圧縮機の油上がりが生じ、圧縮機構の摺動部への給油量が不足して、圧縮機構が破損するという不具合が起きる。
そこで、ステータの外周部を部分的にカットして、ケーシングの内周面とステータの外周面との間に隙間を形成し、この隙間を油通路として利用することにより、ステータの上端面に溜まった潤滑油をケーシング底部の油貯留部へ落とすようにすることが考えられる。
しかしながら、ステータの外周部のカット部を増やせば増やすほど、ステータの上端面に潤滑油を溜めないようにすることができる反面、カット部分が増えすぎると、ステータ内の磁束の流れを遮り、電動機の能力が低下してしまうという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ケーシングの内周面とステータの外周面とで区画される油通路の開口部を広げなくても、ステータの上端面からケーシングの油貯留部へ潤滑油がスムーズに戻るようにして、圧縮機の油上がりを防ぐことにある。
第1の発明は、圧縮機構(30)及び電動機(20)がケーシング(11)内に収容され、電動機(20)は前記圧縮機構(30)に連結されたロータ(22)と、該ロータ(22)の周囲に配置され且つ外周面(4)が前記ケーシング(11)の内周面(11a)に固定された筒状のステータ部(21)とを有し、前記ケーシング(11)内へ飛散した前記圧縮機構(30)の潤滑油(a)を前記ケーシング(11)の底部の油貯留部(17)へ戻す複数の油通路(6)が前記ケーシング(11)の内周面(11a)と前記ステータ部(21)の外周面(4)との間に周方向に区画された圧縮機である。そして、前記電動機(20)のステータ部(21)の上端面は、周方向に隣り合う油通路(6)と油通路(6)との間に形成された頂部(1)を有して該頂部(1)から両側の油通路(6)の開口部へ向かって潤滑油(a)を案内する案内面(2)を備えている。
第1の発明では、潤滑油(a)がステータ部(21)の上端面に落ちた後に、上端面に形成された案内面(2)に沿って油通路(6)の開口部へ導かれ、この開口部を通じてステータ部(21)の上側から下側へ流れ落ちる。
第2の発明は、第1の発明において、前記電動機(20)のステータ部(21)は、ステータ本体部(21a)と、該ステータ本体部(21a)を被覆し且つ前記ステータ本体部(21a)よりも成形が容易な材質のインシュレータ(21b)とを備え、前記ステータ部(21)の案内面(2)が前記インシュレータ(21b)のみで形成されている。
第2の発明では、インシュレータ(21b)がステータ本体部(21a)よりも成形が容易な材質で形成されている。そして、そのインシュレータ(21b)に案内面(2)が形成されている。
第3の発明は、第1の発明において、前記電動機(20)のステータ部(21)は、ステータ本体部(21a)と、該ステータ本体部(21a)を被覆するインシュレータ(21b)とを備え、前記ステータ部(21)の案内面(2)が前記ステータ本体部(21a)の上端面に形成され、前記インシュレータ(21b)が前記案内面(2)に沿うように形成されている。
第3の発明では、ステータ本体部(21a)の上端面に案内面(2)が形成され、この案内面(2)に沿ってインシュレータ(21b)が形成されている。
第4の発明は、第3の発明において、前記ステータ部(21)のステータ本体部(21a)は、厚さ方向に積層された複数の鋼板(7)で形成され、前記案内面(2)が前記複数の鋼板(7)の形状を異ならせて形成されている。
第4の発明では、必要に応じて形状を異ならせた複数の鋼板(7)を厚さ方向に積層することによって、上端面に案内面(2)を有するステータ部(21)が形成される。
第5の発明は、第1から第4の何れか1つの発明において、前記電動機(20)のステータ部(21)は、前記潤滑油(a)の案内面(2)が前記頂部(1)から両側の油通路(6)の開口部へ向かって低くなる段差面又は傾斜面で形成されている。
第5の発明では、ステータ部(21)の上端面に落ちた潤滑油(a)が、その上端面に形成された段差面又は傾斜面を伝って油通路(6)の開口部へ導かれ、この開口部を通じてステータ部(21)の上側から下側へ流れ落ちる。
第6の発明は、第1から第5の何れか1つの発明において、前記電動機(20)のステータ部(21)は、略円筒面状に形成された前記ケーシング(11)の内周面(11a)に当接する曲面部(5a)と、前記ケーシング(11)の内周面(11a)との間に前記油通路(6)を区画する平面部(5b)とが周方向に交互に形成された外周面(4)を有し、前記曲面部(5a)及び前記平面部(5b)により形成される角部の上面が、該角部の上面の周囲に形成された前記潤滑油(a)の案内面(2)よりも上方へ隆起している。
第6の発明では、ステータ部(21)の上端面に落ちた潤滑油(a)が、その上端面に形成された案内面(2)に沿って下側へ流れる途中で、案内面(2)よりも隆起している部分を迂回して、油通路(6)の開口部の中央へ導かれ、この開口部を通じてステータ部(21)の上側から下側へ流れ落ちる。
本発明によれば、高低差のある潤滑油(a)の案内面(2)を電動機(20)のステータ部(21)の上端面に形成するようにしたので、この案内面(2)に沿って上端面の頂部(1)から油通路(6)の開口部へ潤滑油(a)を流すことができる。これにより、ケーシング(11)の内周面(11a)とステータ部(21)の外周面(4)とで区画される油通路(6)の開口部を大きくしなくても、ステータ部(21)の上端面からケーシング(11)の油貯留部(17)へ潤滑油(a)がスムーズに戻るようになり、圧縮機の油上がりを防ぐことができる。
また、前記第2の発明によれば、電動機(20)のステータ部(21)において、ステータ本体部(21a)よりも成形が容易な材質のインシュレータ(21b)に潤滑油(a)の案内面(2)を形成するようにしたので、ステータ本体部(21a)に潤滑油(a)の案内面(2)を形成する場合に比べて、前記潤滑油(a)の案内面(2)を容易に形成することができる。つまり、ステータ本体部(21a)の上端面が案内面(2)と異なる形状であっても、インシュレータ(21b)に案内面(2)を成形することによって、電動機(20)のステータ部(21)に案内面(2)を設けることができる。
また、前記第3の発明によれば、ステータ本体部(21a)及びインシュレータ(21b)を備えた電動機(20)のステータ部(21)において、ステータ本体部(21a)の上端面に案内面(2)を形成し、この案内面(2)に沿ってインシュレータ(21b)を形成することによって、電動機(20)のステータ部(21)に案内面(2)を設けることができる。
また、前記第4の発明によれば、電動機(20)のステータ部(21)を形成する複数の鋼板(7)の形状を異ならせることによってステータ部(21)の上端面に潤滑油(a)の案内面(2)を形成するようにしたので、複数の鋼板(7)で形成されていないステータ部(21)の場合に比べて、潤滑油(a)の案内面(2)を形成し易くすることができる。
また、前記第5の発明によれば、前記電動機(20)のステータ部(21)の上端面に形成される潤滑油(a)の案内面(2)を段差面又は傾斜面で構成するようにしたので、ステータ部(21)の上端面が平坦な場合に比べて、ステータ部(21)の上端面に溜まった潤滑油(a)をスムーズに油通路(6)の開口部へ導くことができる。
また、前記第6の発明によれば、油通路(6)の開口部が、ケーシング(11)の円筒面とステータ部(21)の平面とで構成されることにより、円筒面と平面との間の開口幅が中央から両端へ行くに従って狭くなる。このことから、油通路(6)の開口部へ潤滑油(a)を導く場合には、開口部の両端よりも中央へ導く方が潤滑油(a)を油通路(6)から排出させやすい。本発明によれば、ステータ部(21)の曲面部(5a)及び平面部(5b)の角部を潤滑油(a)の案内面(2)よりも上方へ隆起させるようにしたので、案内面(2)に沿って流れる潤滑油(a)を油通路(6)の開口部の両端へ流れにくくすることができる。これにより、潤滑油(a)を開口部の両端から迂回させて開口部の中央へ導くことができ、ステータ部(21)の上端面に溜まった潤滑油(a)をスムーズに油通路(6)を通じて排出させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態の圧縮機(10)は、図1に示すように、電動機(20)及び圧縮機構(30)が駆動軸(23)で連結された状態でケーシング(11)内に収容された、密閉型のものである。本実施形態では、圧縮機構(30)の上側に電動機(20)が配置されている。この圧縮機(10)は、冷凍サイクルの冷媒回路(図示なし)に接続されるものである。
ケーシング(11)は、胴部(12)と上部鏡板部(13a)と下部鏡板部(13b)とを備えている。胴部(12)は、上下に延びる円筒状に形成されている。胴部(12)の内周面は略円筒面状に形成されている。上部鏡板部(13a)は、胴部(12)の上端開口部を閉塞するように胴部(12)の上端に溶接で固定されている。下部鏡板部(13b)は、胴部(12)の下端開口部を閉塞するように胴部(12)の下端に溶接で固定されている。また、ケーシング(11)の底部には油貯留部(17)が形成されている。この油貯留部(17)には、圧縮機構(30)の摺動部を潤滑する潤滑油が貯留されている。
また、ケーシング(11)は、冷媒吐出管(16)と冷媒吸入管(15)とを備えている。冷媒吐出管(16)は、ケーシング(11)の上部鏡板部(13a)を貫通してケーシング(11)の内外を連通している。冷媒吸入管(15)は、ケーシング(11)の胴部(12)を貫通してケーシング(11)の外側と圧縮機構(30)が有する吸入ポートとを連通している。
駆動軸(23)は、主軸部(24)と偏心部(14)とを備えている。偏心部(14)は駆動軸(23)の下端寄りに位置している。この偏心部(14)は主軸部(24)よりも大径に形成されている。この偏心部(14)の中心は、前記主軸部(24)の軸心から所定量だけ偏心している。
また、駆動軸(23)の内部には給油路(図示なし)が形成され、駆動軸(23)の下端部には遠心ポンプ(25)が設けられている。給油路の一端は遠心ポンプ(25)に連通し、他端は主軸部(24)の外周面に開口する複数の油孔に連通している。駆動軸(23)の回転によって遠心ポンプ(25)が動作し、ケーシング(11)の油貯留部(17)の潤滑油が給油路へ吸い上げられて複数の油孔から流出する。複数の油孔から流出した潤滑油が圧縮機構(30)の摺動部を潤滑する。
圧縮機構(30)は、ピストン(40)とフロントヘッド(34)とリアヘッド(35)とシリンダ部(32)とを備えている。ピストン(40)は、環状に形成されている。ピストン(40)は、駆動軸(23)の偏心部(14)に摺動自在に外嵌している。駆動軸(23)が回転すると、ピストン(40)は駆動軸(23)の軸回りに偏心回転するように構成される。フロントヘッド(34)及びリアヘッド(35)には、それぞれ滑り軸受(36,37)が形成されている。フロントヘッド(34)の滑り軸受部(36)は、駆動軸(23)の偏心部(14)よりも上側の主軸部(24)を支持している。リアヘッド(35)の滑り軸受(26)は、駆動軸(23)の偏心部(14)よりも下側の主軸部(24)を支持している。シリンダ部(32)は、フロントヘッド(34)の下端面とリアヘッド(35)の上端面との間に挟まれた状態でケーシング(11)の内周面に固定されている。シリンダ部(32)は、その内側にシリンダ室(45)が形成されている。このシリンダ室(45)にはピストン(40)が偏心回転自在に収容されている。
圧縮機構(30)において、シリンダ室(45)の内周面とピストン(40)の外周面との間に圧縮室が形成され、ピストン(40)の偏心回転によって圧縮室の容積が周期的に増減する。圧縮室の容積が増えると圧縮室に連通する吸入ポートから冷媒が圧縮室へ吸入され、圧縮室の容積が減ると圧縮室の冷媒が圧縮され、圧縮室の容積が減る途中で圧縮室に連通する吐出ポート(31)を開閉する開閉弁(図示なし)が開くと圧縮室で圧縮された冷媒が吐出ポート(31)から吐出される。このとき、圧縮機構(30)の摺動部を潤滑した後の潤滑油の一部も冷媒とともに吐出される。
本実施形態では、吐出ポート(31)が圧縮機構(30)のフロントヘッド(34)を貫通して、圧縮室とマフラ(38)の内部とを連通する。このマフラ(38)は、フロントヘッド(34)の上面を覆うように取り付けられている。マフラ(38)の流出口は、電動機(20)が有するステータ(21)のコイルエンドの内側に開口している。圧縮機構(30)の圧縮室から吐出された冷媒は、マフラ(38)を通じてケーシング(11)へ吐出され、その吐出された冷媒は、ケーシング(11)の冷媒吐出管(16)を通じてケーシング(11)の外側へ流出する。本実施形態の圧縮機(10)は、いわゆる高圧ドーム型で構成される。
電動機(20)は、ステータ(21)とロータ(22)とを備えている。ロータ(22)は、円柱状に形成されている。ロータ(22)の中央部分には、駆動軸(23)が挿通されて固定されている。ロータ(22)は、永久磁石(54)を備えている。ステータ(21)が、本発明のステータ部(21)を構成する。
ステータ(21)は、ステータ本体部(21a)とインシュレータ(21b)とを備えている。ステータ本体部(21a)は、図2に示すように、コアバック(51)と複数のティース(52)とコイル部(53)とを有している。コアバック(51)は略円筒状に形成されている。複数のティース(52)は、コアバック(51)の内周面から径方向内方に突出するように形成されている。複数のティース(52)は、各々が周方向に等間隔となるように配列されている。そして、各ティース(52)にコイル部(53)が巻回されている。電動機(20)のロータ(22)は、これらティース(52)の先端面に囲まれた空間に配置されている。
また、周方向に隣り合うティース(52)とティース(52)との間の空間に冷媒通路(55)が形成されている。圧縮機構(30)のマフラ(38)から流出した高圧の冷媒ガスは、この冷媒通路(55)を下側から上側へ流れた後に、ケーシング(11)の冷媒吐出管(16)からケーシング(11)の外側へ流出する。
また、コアバック(51)の外周面(4)は、周方向に間隔を空けて平面状に複数カットされている。このカット部分は、コアバック(51)の上下方向の両端面に亘って形成されている。尚、このカット部分は、各ティース(52)の径方向外方側に位置し、ステータ(21)内に形成される磁束の流れを遮ることのない範囲で設けられている。
コアバック(51)の外周面(4)は、ケーシング(11)の内周面(11a)に当接する曲面部(5a)と、上述したカット部分の平面部(5b)とが周方向に交互に形成されている。ステータ(21)は、コアバック(51)の曲面部(5a)を介してケーシング(11)の内周面(11a)に固定されている。また、コアバック(51)の平面部(5b)とケーシング(11)の内周面(11a)とで区画される空間は、周方向に沿って複数形成されている。そして、複数の空間ごとに油通路(6)が形成されている。油通路(6)の開口形状は、コアバック(51)の平面部(5b)とケーシング(11)の内周面(11a)との間の開口幅が油通路(6)の中央から両端へ行くに従って狭くなっている。
また、ステータ(21)のインシュレータ(21b)は、ステータ本体部(21a)の外面を被覆している。このインシュレータ(21b)は、金属製のステータ本体部(21a)に比べて成形が容易な樹脂で形成されている。
そして、図3及び図4に示すように、ステータ(21)の上端面には、インシュレータ(21b)で形成された潤滑油の案内面(2)が設けられている。ステータ本体部(21a)の上端面は平坦面で構成され、この平坦面を被覆するインシュレータ(21b)の上面に案内面(2)が成形されている。この案内面(2)は、周方向に隣り合う油通路(6)と油通路(6)との間の略中間形成された頂部(1)を有し、この頂部(1)から両側の油通路(6)の開口部の周方向中央部へ向かって同心円状に低くなる段差面を備えている。
また、ステータ(21)の上端面には、インシュレータ(21b)で形成された略円錐状の隆起部(8)が設けられている。この隆起部(8)は、コアバック(51)の外周面(4)の曲面部(5a)及び前記平面部(5b)により形成される角部の上面に設けられている。隆起部(8)は、その周囲に形成された案内面(2)よりも上方へ隆起している。
−圧縮機の運転動作−
次に、圧縮機(10)の運転動作について説明する。
次に、圧縮機(10)の運転動作について説明する。
ケーシング(11)の冷媒吸入管(15)から圧縮機構(30)の圧縮室に吸い込まれた低圧の冷媒ガスは、圧縮室で所定の圧力まで圧縮された後に高圧の冷媒ガスとなって圧縮室から吐出される。圧縮室から吐出された高圧の冷媒ガスは、圧縮機構(30)のマフラ(38)で消音された後に電動機(20)のステータ(21)下部の内側へ向けて流出する。この冷媒ガスには、圧縮機構(30)の摺動部を潤滑した後の潤滑油も含まれている。この潤滑油混じりの冷媒ガスは、電動機(20)に形成された冷媒通路(55)を下側から上側へ向かって流れ、電動機(20)より上側のケーシング(11)の上部空間へ流出する。
ケーシング(11)の上部空間へ流出した潤滑油混じりの冷媒は、ケーシング(11)の上部鏡板部(13a)の内面に衝突する際に、その内面に冷媒から分離した潤滑油が捕捉される。潤滑油が分離した冷媒は、ケーシング(11)の冷媒吐出管(16)からケーシング(11)の外側へ流出する。一方、冷媒から分離した潤滑油は、上部鏡板部(13a)の内面を伝ってステータ(21)の上端面へ流れ落ちる。図4に示すように、ステータ(21)の上端面へ流れ落ちた潤滑油(a)は、その上端面に溜まることなく案内面(2)の段差面に沿って下側へ流れ、油通路(6)の開口部の中央部へ案内される。
特に、ステータ(21)の上端面とケーシング(11)の内周面との隅部に溜まった潤滑油は、上述した案内面(2)に沿って油通路(6)の開口部へ流れる途中でステータ(21)の上端面の隆起部(8)を迂回して、油通路(6)の開口部の中央部へ案内される。そして、油通路(6)の開口部の中央部から潤滑油が下側へ流れ落ち、ケーシング(11)の油貯留部(17)へ戻る。油貯留部(17)に戻った潤滑油は、再び駆動軸(23)の遠心ポンプ(25)によって吸い上げられ、駆動軸(23)の給油路を通じて圧縮機構(30)の摺動部へ供給される。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、高低差のある潤滑油(a)の案内面(2)を電動機(20)のステータ(21)の上端面に形成するようにしたので、この案内面(2)に沿って上端面の頂部(1)から油通路(6)の開口部へ潤滑油(a)を流すことができる。これにより、ケーシング(11)の内周面(11a)とステータ(21)の外周面(4)とで区画される油通路(6)の開口部を大きくしなくても、ステータ部(21)の上端面からケーシング(11)の油貯留部(17)へ潤滑油(a)がスムーズに戻るようになり、圧縮機(10)の油上がりを防ぐことができる。
本実施形態によれば、高低差のある潤滑油(a)の案内面(2)を電動機(20)のステータ(21)の上端面に形成するようにしたので、この案内面(2)に沿って上端面の頂部(1)から油通路(6)の開口部へ潤滑油(a)を流すことができる。これにより、ケーシング(11)の内周面(11a)とステータ(21)の外周面(4)とで区画される油通路(6)の開口部を大きくしなくても、ステータ部(21)の上端面からケーシング(11)の油貯留部(17)へ潤滑油(a)がスムーズに戻るようになり、圧縮機(10)の油上がりを防ぐことができる。
また、本実施形態によれば、電動機(20)のステータ(21)において、ステータ本体部(21a)よりも成形が容易な材質のインシュレータ(21b)に潤滑油(a)の案内面(2)を形成するようにしたので、ステータ本体部(21a)に潤滑油(a)の案内面(2)を形成する場合に比べて、前記潤滑油(a)の案内面(2)を容易に形成することができる。ステータ本体部(21a)の上端面が平坦面であっても、インシュレータ(21b)に案内面(2)を成形することによって、電動機(20)のステータ(21)に案内面(2)を設けることができる。
また、本実施形態によれば、前記電動機(20)のステータ(21)の上端面に形成される潤滑油(a)の案内面(2)を段差面で構成するようにしたので、ステータ部(21)の上端面が平坦な場合に比べて、ステータ部(21)の上端面に溜まった潤滑油(a)をスムーズに油通路(6)の開口部へ導くことができる。
また、本実施形態によれば、油通路(6)の開口部へ潤滑油(a)を導く場合には、開口部の両端よりも中央へ導く方が潤滑油(a)を油通路(6)から排出させやすい。ステータ(21)の曲面部(5a)及び平面部(5b)の角部の上面に隆起部(8)を設けるようにしたので、案内面(2)に沿って流れる潤滑油(a)を油通路(6)の開口部の両端へ流れにくくすることができる。これにより、潤滑油(a)を開口部の両端から迂回させて開口部の中央へ導くことができ、上述した角部に溜まった潤滑油(a)をスムーズに油通路(6)を通じて排出させることができる。
−実施形態の変形例1−
図5に示す変形例1のステータ(21)は、その案内面(2)が、上述した実施形態とは違い、段差面の代わりに傾斜面を備えている。この傾斜面は、頂部(1)から両側の油通路(6)の開口部へ向かって低くなっている。尚、変形例1のステータにおいて、案内面(2)以外の構成は上述した実施形態と同じである。この場合であっても、案内面(2)に沿って上端面の頂部(1)から油通路(6)の開口部へ潤滑油(a)を流すことができ、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
図5に示す変形例1のステータ(21)は、その案内面(2)が、上述した実施形態とは違い、段差面の代わりに傾斜面を備えている。この傾斜面は、頂部(1)から両側の油通路(6)の開口部へ向かって低くなっている。尚、変形例1のステータにおいて、案内面(2)以外の構成は上述した実施形態と同じである。この場合であっても、案内面(2)に沿って上端面の頂部(1)から油通路(6)の開口部へ潤滑油(a)を流すことができ、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
−実施形態の変形例2−
図6に示す変形例2のステータ(21)は、上述した実施形態のステータとは違い、ステータ本体部(21a)が厚さ方向に積層された複数の鋼板(7)で形成されている。そして、複数の鋼板(7)の形状を必要に応じて異ならせることによって、ステータ本体部(21a)の上端面に段差面を形成している。変形例2の場合、ステータ本体部(21a)の下側から上側へ向かって所定の枚数ごとに鋼板(7)に形成された円形状の切欠部が相似状に大きくなっている。これらの切欠部によって段差面を構成する。そして、この段差面に沿うようにインシュレータ(21b)が形成されている。この場合であっても、案内面(2)に沿って上端面の頂部(1)から油通路(6)の開口部へ潤滑油(a)を流すことができ、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
図6に示す変形例2のステータ(21)は、上述した実施形態のステータとは違い、ステータ本体部(21a)が厚さ方向に積層された複数の鋼板(7)で形成されている。そして、複数の鋼板(7)の形状を必要に応じて異ならせることによって、ステータ本体部(21a)の上端面に段差面を形成している。変形例2の場合、ステータ本体部(21a)の下側から上側へ向かって所定の枚数ごとに鋼板(7)に形成された円形状の切欠部が相似状に大きくなっている。これらの切欠部によって段差面を構成する。そして、この段差面に沿うようにインシュレータ(21b)が形成されている。この場合であっても、案内面(2)に沿って上端面の頂部(1)から油通路(6)の開口部へ潤滑油(a)を流すことができ、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
本実施形態では、ステータ(21)の上端面の案内面(2)が、頂部(1)から両側の油通路(6)の開口部の周方向中央部へ向かって同心円状に低くなる段差面を備えているが、これに限定されず、頂部(1)から両側の油通路(6)の開口部へ向かって潤滑油(a)を案内するように高低差が設けられた形状であればよい。
本実施形態では、ステータ(21)の上端面の隆起部(8)がインシュレータ(21b)で形成されていたが、これに限定されず、隆起部(8)がステータ本体部(21a)に形成されていてもよい。この場合には、ステータ本体部(21a)に形成された隆起部(8)の外形に沿うようにインシュレータ(21b)が被覆される。この場合であっても、潤滑油(a)を油通路(6)の開口部の両端から迂回させて油通路(6)の開口部の中央へ導くことができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、圧縮機に関し、特に圧縮機のケーシング内で生じる油上がりを防止する対策について有用である。
1 頂部
2 案内面
4 外周面
5a 曲面部
5b 平面部
6 油通路
8 隆起部
10 圧縮機
11 ケーシング
17 油貯留部
20 圧縮機構
21 ステータ(ステータ部)
21a ステータ本体部
21b インシュレータ
22 ロータ
30 圧縮機構
2 案内面
4 外周面
5a 曲面部
5b 平面部
6 油通路
8 隆起部
10 圧縮機
11 ケーシング
17 油貯留部
20 圧縮機構
21 ステータ(ステータ部)
21a ステータ本体部
21b インシュレータ
22 ロータ
30 圧縮機構
Claims (6)
- 圧縮機構(30)及び電動機(20)がケーシング(11)内に収容され、前記電動機(20)は前記圧縮機構(30)に連結されたロータ(22)と、該ロータ(22)の周囲に配置され且つ外周面(4)が前記ケーシング(11)の内周面(11a)に固定された筒状のステータ部(21)とを有し、前記ケーシング(11)内へ飛散した前記圧縮機構(30)の潤滑油(a)を前記ケーシング(11)の底部の油貯留部(17)へ戻す複数の油通路(6)が前記ケーシング(11)の内周面(11a)と前記ステータ部(21)の外周面(4)との間に周方向に区画された圧縮機において、
前記電動機(20)のステータ部(21)の上端面は、周方向に隣り合う油通路(6)と油通路(6)との間に形成された頂部(1)を有して該頂部(1)から両側の油通路(6)の開口部へ向かって潤滑油(a)を案内する案内面(2)を備えていることを特徴とする圧縮機。 - 請求項1において、
前記電動機(20)のステータ部(21)は、ステータ本体部(21a)と、該ステータ本体部(21a)を被覆し且つ前記ステータ本体部(21a)よりも成形が容易な材質のインシュレータ(21b)とを備え、前記ステータ部(21)の案内面(2)が前記インシュレータ(21b)のみで形成されていることを特徴とする圧縮機。 - 請求項1において、
前記電動機(20)のステータ部(21)は、ステータ本体部(21a)と、該ステータ本体部(21a)を被覆するインシュレータ(21b)とを備え、前記ステータ部(21)の案内面(2)が前記ステータ本体部(21a)の上端面に形成され、前記インシュレータ(21b)が前記案内面(2)に沿うように形成されていることを特徴とする圧縮機。 - 請求項3において、
前記ステータ部(21)のステータ本体部(21a)は、厚さ方向に積層された複数の鋼板(7)で形成され、前記案内面(2)が前記複数の鋼板(7)の形状を異ならせて形成されていることを特徴とする圧縮機。 - 請求項1から4の何れか1つにおいて、
前記電動機(20)のステータ部(21)は、前記潤滑油(a)の案内面(2)が前記頂部(1)から両側の油通路(6)の開口部へ向かって低くなる段差面又は傾斜面で形成されていることを特徴とする圧縮機。 - 請求項1から5の何れか1つにおいて、
前記電動機(20)のステータ部(21)は、略円筒面状に形成された前記ケーシング(11)の内周面(11a)に当接する曲面部(5a)と、前記ケーシング(11)の内周面(11a)との間に前記油通路(6)を区画する平面部(5b)とが周方向に交互に形成された外周面(4)を有し、前記曲面部(5a)及び前記平面部(5b)により形成される角部の上面が、該角部の上面の周囲に形成された前記潤滑油(a)の案内面(2)よりも上方へ隆起していることを特徴とする圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012274447A JP2014118876A (ja) | 2012-12-17 | 2012-12-17 | 圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012274447A JP2014118876A (ja) | 2012-12-17 | 2012-12-17 | 圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014118876A true JP2014118876A (ja) | 2014-06-30 |
Family
ID=51173923
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012274447A Pending JP2014118876A (ja) | 2012-12-17 | 2012-12-17 | 圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014118876A (ja) |
-
2012
- 2012-12-17 JP JP2012274447A patent/JP2014118876A/ja active Pending
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